経済安定委員会 第9号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/02/23
会議録
○圖司委員長 ただいまより会議を開きます。この際お諮りいたします。事業者団体法に関する小委員中崎敏君が、二月九日委員を辞任されましたので、小委員の補欠選任を行いたいと存じますが、委員長に御一任願うに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○圖司委員長 御異議なしと認めます。それでは二月十日中崎敏君が再び委員に選任されましたので、同君を事業者団体法に関する小委員に補欠選任いたします。 なおこの際お諮りいたします。事業者団体法に関する小委員会においては、目下事業者団体法改正試案を審議中でありますが、小委員追加選任の必要がありますので、志田義信君、永井英修君、細田榮藏君を小委員に選任いたすに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○圖司委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○圖司委員長 引続き物資の確保と物価及び価格政策に関する件を議題とし、政府より説明を聴取いたします。熊田政府委員。
○熊田政府委員 物価庁次長でありますが、これから最近の物価の動きにつきまして簡單に御説明を申し上げたいと思います。 最近物価が非常に上つて参りまして、いろいろ問題が起つております。大体朝鮮事変から急激に上つて参つたのでありまするが、それからの経過を少しく御報告するのがよかろうと考えます。 二十四年春の安定計画の実施以来、生産もだんだんふえて参りました。一面においては財政が均衡を得たこと。それから国民の購買力がそうふえなかつたというようなことからして、物価政策としましては、補給金を切り、マル公をはずすというようなことをして参りましたが、大体において、それらの影響は、価格の方にあまり多く現われないで吸収されたという状況で、朝鮮事変まで参つたのであります。なおつけ加えて申し上げたいことは、その安定計画以来、やみ物価が非常に低落いたしました。これは生産の増加ということもありますが一面それに伴つて価格統制を廃止したというようなことから、やみ物価ないし自由物価がだんだん下つて参りまして、事変前におきましては、ドツジ安定計画の四割くらい下つたわけであります。生産財は補給金が減つたということから多少騰貴いたしましたが、消費財はあまり上らず、やみが非常に下つた。それから小売物価も下つたので、安定政策は大分 うまく進んで来たわけでありますが、朝鮮事変を契機といたしまして、非常に様子がかわつて来たわけであります。 大体の数字を申し上げますと、朝鮮事変以後この十二月までについて、お手元に資料を提出しておりますが、それでははつきりわからないかと思い出すので、簡單に申し上げます。 日銀の卸売物価は大体二割三分ほど騰貴いたしました。やみ及び自由物価は、生産財で大体三割五分、消費財で二割六分ほど騰貴いたしたのであります。しかしなお安定計画を実施したその当初に比べますと、相当低位にあるわけであります。小売物価も約一割六、七分騰貴いたしましたが、消費者の買う物資、いわゆる消費者実効価格というようなものになりますと、八%ほどの騰貴にとどまつておるわけであります。ことに生産財を中心として非常に上つたわけでありますが、この騰貴の原因を考えますと、大きく申しますならば、朝鮮事変の影響あるいは朝鮮事変に伴う世界的な変化、こういうことが申されるわけであります。朝鮮事変から、世界的に見ますと、アメリカその他が急激に原料資材を買いつけた。その結果、東南アジアその他の国国の購買力が相当出て来たというようなこと。世界的なドル不足ということがそれ以前の状況でありまして、日本が安定計画をやつた後におきまして、世界的なドル不足から、イギリスはポンドの切下げを行つた。その結果各国とも静かなる恐慌というような状況を呈したわけでありまして、その影響が日本の物価にも及んだと思われます。そのドル不足が、朝鮮事変を契機としまして、アメリカの軍拡形勢というようなことに刺激されて改まりました。それ以前におきましは、バイヤーズ・マーケット、いわゆる買う方が値段をきめられるという状況から、セラーズ・マーケットにかわつたというような、世界的な背景があるのであります。さらに日本といたしますと、そういう背景からどんどん輸出が増進しまして、これが物価騰貴の一つの原因になつております。同時に特需が相当大量に現われまして、物資だけで見ましても、輸出額の四分の一程度あつた。特需は輸出と同じようなものでありますから、その影響を受けた。 さらに第三の要因としましては、世界的な物価騰貴から、日本の輸入価格が騰貴した。同時に他の国内の同じような製品も上つた。こういうことでありまして、これを要するに、事変以来の当初の騰貴というものは、すべて国際的な要因に基くものである、こう申してもいいと思います。ところが国内物価は、国際的な騰貴率よりも多少上つておる傾向も見られますが、これけそれ以前において、日本の物価が全体的に見て割合に下つておつた。すなわち安定計画以来、先ほど申しましたうな要因によつて、為替の三百六十円レート設定というようなことから、円高というようなこともいわれたくらいでありまして、さような影響からして、事変前に割合に下つておつたその反動という傾向も見られるのでありますが、大体において国際的要因によつて騰貴した。その前の低落がひどかつたから、その反動であつた。こういうふうに申し上げることができると思います。そうして事変以来七、八両月に割合に大幅の騰貴をいたしましたが、その後におきましては多少騰貴率がゆるんだのであります。 ところが十二月ごろからもう一度騰貴の勢いが起つて来たわけであります。それは中共との貿易関係が多少不円滑になつたこと、さらに輸入の見通しについていろいろ懸念が起つた。ことに船舶の問題というようなことによりまして、非常な先行き不安を生じた。その結果思惑が起つたというようなことが考えられるのでありまして、その結果十二月ごろからだんだん最近に至るまで上つたわけであります。なお国際的背景としまして、中共が朝鮮事変に介入したというようなことから、アメリカが非常事態を宣言し、同時に大きな軍拡予算を出して、いろいろな戦略物資を買いあおつた、それからイギリスその他も軍拡に入つたというようなことが原因となつておるわけでありまして、最近においては第二の騰貴の峰ができておるわけであります。これはいずれ貿易局その他から御説明になると思いますが、日本もその後輸入の増進、船腹の確保その他によつて、逐次実際において国内の供給力を増大する、生産は依然として上昇の方向をたどつておるというようなことからして、一種の思惑あるいは不安は、次第に解消し得るものではなかろうかと考えられます。一般的な傾向はこのくらいにとどめさせていただきます。
○圖司委員長 これより質疑に入ります。多田勇君。
○多田委員 ただいま最近の物価の傾向について御説明がありましたが、最近の物価の傾向が非常に強い上昇度をたどつておるということは、これは今の御説明でもはつきりしておること、だと思います。その上昇度が今言われましたようないろいろの影響から当然起つて来たわけでありますが、これらの影響がなお今後継続するという傾向があるのではないか、そういたしますと、現在の物価がさらに上昇するというようなおそれはないか。先般の委員会で、政務次官はマル公を撤廃するというようなことを言われておるのでありますが、マル公を撤廃したために、生産方面あるいは一般家庭、消費の面に、相当大きな影響が来るということは想像されると思うのであります。そういつた場合に物価庁として、ただ單にマル公を撤廃するだけで、価格を平常化させるための措置を考えずに、マル公を撤廃しようという考え方であるか、あるいはまた、マル公を撤廃した後において、価格の変動いかんによつて価格を平常化させるための措置を考えておるか、この点について伺いたい。
○熊田政府委員 ただいまの今後の見通し、あるいはマル公を撤廃したときの影響及びその場合の何らかの対策が考えられるかという点についてお答えを申し上げますが、今後の趨勢につきましては、結局国際価格がどうなるか、また船腹の確保によつて—最近非常にたくさんの為替を政府は許可いたしまして、輸入の確保に極力努めておる。それらの結果が十分遅成されましたならば、需給の根本は非常にかわつて参りまして、あるいは綿なり、羊毛なり、その他のものの国内供給が、相当増加されると思うのでありますが、それがその通り入るかどうかということは、船舶にかかつておるわけであります。ところが船舶につきましては、世界的の貿易量と船腹との関係におきまして、実際においては、そう大きなアンバランスはないようにわれわれは聞いておるのであります。ただイギリスが昨年の暮以来、非常に石炭あるいは小麦等の輸入を急いだということが、世界の海運界を撹乱いたしまして、去年の暮以来非常に船賃が上つた、そうして艦腹の確保が困難になつたというふうに聞いておるのであります。このものを買いあさる、同時に船を急ぐというようなことから、二重にその輸入原価と船賃と両方上げるというような結果になり、いろいろ困難を生じておるのでありますが、それらの点も今後においては改まり、だんだん輸入する品物も入つて来るというふうに私は聞いておりまするし、またさように考えております。そういたしまして需給の根本が改まるということに期待し、また物価につきましても国際的なものはさようになつて行くとし同時に国内的なものにつきましてはわれわれはどうしてももう少し増産をする、あるいは工業製品、鉱山の資源なども十分開発して、供給を増加するということが必要だと考えておるのであります。かような場合に物価政策がどういう点をねらうかということになりますと、先般来どんどんできる限り価格統制を廃止して参りまして、たとえば需給の、バランスのとれたもの、あるいはとれなくとも、価格をはずすことによつて商品の性質がよくなり、あるいは多少上るが、非常に生産がふえるというようなものにつきましては統制をはずす。朝鮮事変以後においてもはずして参つたわけであります。今日においてもその政策の延長ということになつておるわけであります。はずした場合にどういう影響があるかということでありますが、大体はずさなくとも、国際価格の影響というものは完全にこれを解消することはできないのでありまして、やはり輸入を増進するためには、国際価格に順応する価格を設定しなければならぬという実情にあるわけなのであります。さような点から無理のない価格というものをつくるために、あるものについては、はずすということに相なるわけでありますが、はずしたためにどれだけ上るかということにつきましては、今の統制のある範囲は割合に小さくなつておりますので、はずしたために直接的に上るということは割合に少い、こう思うのであります。しかし今後において、先ほど申しましたような点から、さらに物価の騰貴が起るのではないかということも考えられますが、その点は不当なる騰貴というようなものについては、何らかの処置を講じなければならぬと思うのであります。そうでない輸入品が上つたというようなことは、これはやむを得ないものであろうかと考えるのであります。むしろわれわれは需給の根本を改めて、なるべく供給力を多くし、国民生活の安定という点から申しますならば、不当に押えてマル公をつくつて、結局やみを激成する、そういうことがないようにするのがほんとうであろう、ただ思惑とか、不当につり上げるような措置のないように監視をして行くというようなことを考えておるわけであります。
○多田委員 理論としてはよくわかりますが、実際問題としますと、最近の物価の上昇率が相当急テムポを示しておるということも争えない事実だと思います。そこで今お話のように、何らかの措置を講ずるというような、講ずる措置の具体的な内容を、現在どの程度考えておるか、今お話のような勧告措置を講ずるというようなことにつきましては、昨年もみそか、しようゆについて物価庁の勧告といいますか、業者に対して価格を勧告した。業者団体はまたその申合せによつて同じように価格をきめたために、現在問題になつておるように聞いておりますが、こういつた勧告価格の制度を今後法制的に考えて行かれるつもりであるか、あるいはまたさらに価格を安定させるために、あるいはそういつた不当な価格のつり上げを抑制するために、どういうような方法を考えておられるか、その点について具体的な考え方を御説明願います。
○熊田政府委員 ただいまのところでは、方向としまして先ほど申し上げました通り、需給の円滑化をはかるために、統制の範囲を縮小し、整理するというようなことを考えておりまして、需給の根本をかえるということにもつぱら力を注いでおりまするが、不当に上るとかそういう問題につきましては、マル公の設定というようなことはただいまのところ考えておりません。それにつきましては行政的な指導あるいは勧告価格、国際的なものにつきましては、基準価格等のことを考えておるわけであります。先ほどしようゆ等につきまして、勧告価格が問題になつておる、業者と通謀したのではないかというような疑いから、一時公取委の方面から問題が起つたことは聞いておりますが、本来の性質といたしまして、業者がつり上げるためにとか、あるいは供給量を制限するためにとかいうようなことであれば、非常な問題であろうと思いますが、そうでなくて、最高を押える。しかも通謀したのではなくて、各個に勧告した値段が、結局同じであつたというふうなことにつきましては、その問題をあまり取上げておる方が少しどうか、こういうふうに考えておりますので、いずれさような点は了解を受け得られるのではないかと考えております。
○多田委員 勧告価格あるいは基準価格という考え方は、これは考え方としてはわかるのでありますが、実際問題になりますと、勧告価格と申しましても、今お話のように一人々々に勧告するというようなことは、現在の物価庁の機構からいつても、これは絶対に不可能であつて、どうしても勧告価格、一定の基準をつくつて業者にそれを勧告するという場合には、ある程度業者の団体なり組織なりを使わなければ、これは不可能なことであるということは、はつきりしておると思うのであります。今お話のように、しようゆについて、取上げる方が無理だ、この意見もよくわかるのでありますが、取上げる方が無理だといつても、現在の日本の法律上、これを違反的な行為として取上げざるを得ないというような情勢にある段階において、取上げる方が無理だというような考え方で、勧告価格あるいは基準価格を考えておられるということ自体が、価格政策として非常な安易な考え方ではないかというような考え方を、私自身としては持つておるわけでございますが、もつと具体的に、今お話のように、一人々々勧告するというようなことがはたしてできるのかどうか。物価庁としてそういうことに対するはつきりした成算があるかどうか。そういう点を單に考え方でなしに、現に上昇しつつある物価をどうするかという問題に直面している際に、もつとはつきりした考え方をお示しいただきたいと思うのであります。
○熊田政府委員 いろいろ具体的な処置になりますと、業種によつて差が起つて来るわけでありまして、マル公を設定すればきわめて簡單でありますが、それではあるいは弾力性がない。それからマル公に伴う統制が結局においていろいろな方面に波及して行くというようなことで拡大し、しかも実効がどうかというようなことから申しまして、業種別のただいまの勧告価格あるいは基準価格ということを考えておるのでありまして、勧告価格もあまり生産者の数の多いものにつきましては、不可能な場合があるわけであります。いろいろな難点があるわけでありますが、根本といたしましては、要するに原料なり、そういう輸入をすべきものは、輸入を増進する、同時に国内で供給し得るものにつきましては、その増産をはからせる、さらにあるいは国内の供給が枯れてしまうのに、どんどん出る、輸出が振うために出るものにつきましては、多少輸出の抑制をはかり、内需の供給を増すというようなことで進むというような根本の考え方
○多田委員 その根本の考え方はよくわかるのですが、たとえば輸入についても、はたして計画通りの買付あるいは輸送が可能かどうかということも、これは必ずしも可能だということは言えないのであります。たとえば二十五年度の輸入の当初の買付計画と、二十五年度中の実績見込みの間には、相当な差があるようでございまして、安本で出しておりまする資料によりますと、たとえば塩にいたしましても、輸入計画のわずか六四%、あるいは鉄鋼石にいたしましても七〇%程度しか二十五年度は見込まれないというようなときに、輸入を円滑に遂行することが困難だということは、これはもう常識になつて来ておるのであります。国内の生産についても、生産資材を輸入に仰がなければならない日本の産業経済において、国内の増産を上昇させるということも、これも輸入が不円滑になれば、必ずしも計画通りには進まないというような点から考えまして、一応物価の上昇ということは避けられないのではないか、というようなことを考えました場合に、それに対する措置をどうするかというようなことを、私お尋ねしているのであつて、輸入を増加するとか、あるいは国内の生産を増加するとかいうことでなしに、もしかりに価格が上らない場合を前提に考えましても、もしかりに価格が上昇しで来て、それが日本の生産、あるいは国民の消費に相当大きな影響を與えるような事態が起つた場合に、マル公を撤廃した後において、それに対する価格政策をどういうふうな線で持つて行くかという点をお尋ねしておるのであります。その点をひとつはつきりとお示し願えればお示し願いたいと思うのであります。
○熊田政府委員 輸入の見通しその他につきましては、いろいろ問題があろうと思いますが、ただいまのところあまり大きく不安々々ということで行くのもどうかと考えるのであります。輸入価格が上ると、それがだんだん高次製品にも波及するというようなことも考えられるのでありますが、ただいまのところでは、その情勢をいろいろ現実の問題として、また先の問題もどうなるかということの研究をいたしておるのでありまして、あるいは手ぬるいというようにおつしやられるかもわかりませんが、一応そういうような方策をもつて進めて参る、将来のことはさらに情勢を検討するというようなことに考えておるわけであります。
○多田委員 物価庁の、価格を値上りさせるおそれがあるような発言をしたくないという気持はわかりますけれども、物価庁あるいは政府全体が、いかに価格を上げないのだ、統制はどんどんはずすのだといいましても、毎日の新聞は再統制あるいは価格統制をさらに強化するとか、あるいはきようの新聞を見ましても、アメリカの絹業会長の書簡の影響として、政府も強力なる価格の抑制策を講ずるというような考え方を持つておる。あるいは国際割当機構が復活した後において、特定物資についての物資の統制、あるいは価格の統制をするというようなことが新聞紙上に伝えられておるわけであります。それに反してマル公をどんどん撤廃して行くということになれば、マル公を撤廃することによつて、国内の価格の安定がはかられるのだという、はつきりした目安と、いま一つは、もしかりに価格が上昇した場合に、こういつた措置によつて価格を平常化させるための努力をするのだという線をはつきり出すのが必要ではないか、こう考えておるのでありますが、今お話のような程度でなしに、物価庁自体として、單にマル公を撤廃して、あとは価格の成行きにまかして考えて行くのだというようなことであつては、困るのは国民全体でございますので、そういつたことでなしに、たとえば勧告価格をつくるのだ、そうして業者の団体なら団体に、自治的に勧告価格を励行させるのだ、そのためには独禁法あるいは団体法の適用を除外するための措置として、物価統制令に基いてこういつた措置をするのだ、物価統制令を十分に活用すれば、現在これらの自主的な統制を抑制しているところの独禁法なり、団体法なりの適用は除外されるはずでありますので、政令による物価統制令を、十二分に法的に活用することによつて、勧告価格も施行できるだろうと思いますが、そういうところまでつつ込んだ考え方と政策を持つておられるかどうか、その点について伺います。
○熊田政府委員 事業者団体法あるいは独禁法の例外をつくつて、配給あるいは割当、あるいは価格の問題について、業者の協定なり、そういう点を生かすということは、まことにけつこうなことでありまして、われわれもできることであるならば、さようにしたいというようなことで、研究を進めておるわけでありますが、なおいろいろな関係もありまして、最後のところまでは至つておらないわけであります。
○多田委員 物価統制令は、独禁法並びに団体法から適用を除外されているはずでございますので、物価統制令に基いたところの命令なり、あるいは省令なりによる措置は、これらの法律に抵触しないはずでございますが、かつて物価統制令に基いて、民間団体に検査をさせたという事実もございます。これは団体法なり、独禁法なりに対する適用除外ということを考えなくても、物価統制令自体を活用すればできることでございますが、それをやろうという考え方、今まで持たれたのか。あるいは物価統希令を活用することが困難な事情があつたのか。その点をひとつ伺いたい。
○熊田政府委員 ただいまの点でありまするが、事業者団体法におきましては、ポツダム宣言による政令は除外ということになつておるのでありまして、その点から申しますと、ポ勅であるところの物価統制令は除外されるということになつておるのであります。ところが不幸にして第五條の業者の協定価格というような点を認める條文が削除になりましたので、今後協定価格等の線を出すためには、第五條を復活し、あるいはそれを適当に時勢に合つたようにかえて行かなければならぬのであります。その立法措置にいろいろ問題がありまして、結局考えたか考えないかという点につきましては、十分考慮をいたしまして、それを復活し、さらに情勢に合うように改正をし、事業者の団体を利用することができないかということを研究したのでありますが、これはやはりポ勅ということで再びやるか、あるいは法律によるかということになると、いずれもいろいろ問題があるように思うのでありまして、なお研究中なのであります。
○多田委員 見通しとしては、実現する見通しがあるのか。あるいは絶対にそういつたことが不可能なのか。その点に対する見通しをお伺いします。
○熊田政府委員 アメリカの国防生産法にも同じような規定があるのでありますが、結局アメリカもその規定を全然使わないというようなことがありますのでそれらの点につきましては、いろいろ折衝中でありますが、なお情勢はこんとんとしてわからない、こう申し上げるよりほかないのであります
○多田委員 最後に、自立経済審議会の報告書を見ますと、この計画の物価に対する基準は、昨年の九月になつておるのであります。昨年の九月と申しますと朝鮮事変後の価格の上昇が相当程度強くなつている段階において、一つの線を引いたように見られますけれども、昨年の九月を基準にしたこの計画に対して、現在物価庁としてはどういつたような考え方を持つて齢られるか。一応この計画に対して再検討しなければならないか。あるいはこの計画を一つの目安として、この計画に近いところの線まで価格を持つて行こうというような考え方か。この自立経済の計画に対する現在の物価庁の考え方を、ひとつお伺いいたします。
○熊田政府委員 その計画は一応金額で出ておりますが、その裏には大体物量的な、一種のユニットを考えておるというふうに思われるのでありまして、その後の物価が非常に変動したというようなことから考えますと、いろいろ研究の必要があろうかと、こう思いますが、ただいまのところなお研究の過程でございます。その前文にもありますように、情勢によつていろいろ研究し、修正するというようなことになつておるわけでありますが、そういう意味におきまして、今後近く研究することになろうかと思います。
○圖司委員長 引続き物資の確保と貿易問題について、貿易政策課長鹿子木説明員より説明を聴取いたします。
○鹿子木説明員 それでは最近の貿易の推移、並びに政府で考えております貿易の対策につきまして、概略御説明申し上げます。 御承知のように、昨年の六月に朝鮮事変が始まりましてから、いわゆる特需というものが起りまして、これによつて外貨が相当入つて来ております。なお輸出も動乱後の国際情勢によりまして、順調に伸びて来ておるわけでありまするが、その結果としまして、物が出て外貨が入るという関係になりますので、これは一方においてはインフレ的な要因にもなりますし、また生産の面から見ましても、その原材料が入つて来ませんと、生産が縮小するというおそれもありますので、政府はこの間に処しまして、輸入の促進ということに、あらゆる手を打つて参つたわけであります。その第一は外貨予算制度の機動的な運用、外貨予算のわくの増大ということが考えられたわけであります。予算制度の運用につきましては、従来は外貨の資金割当を申し込んだ順に応じて許可するといつたような制度でありましたのを、七月以後自動承認制という制度を新しく設けまして、相当余裕のある金額のわくを設けて、その範囲内では、その適用ある品目につきましては、だれが何を輸入してもよろしいという、非常に買いつけやすい方式を採用いたしましたのと、それから従来は先物の予算というものができておりませんで、毎四半期ごとの三箇月の予算で、その期内に契約をして、六箇月の有効期間内に物を入れなければならないという制度でありましたが、物によりましては相当先のものを契約しておかないと買付がむずかしい、あるいは買付が不利になるというものもありますので、先物の契約ができるようにするために、いわゆる長期予算というものをあわせて組みまして、九箇月あるいは一年先のものも、その期において契約ができるというような制度を新しくとつたわけであります。なお外貨予算のわくの点につきましては、七—九月以後十—十二月、あるいはさらにただいまの一—三月と順次金額を増大しておりまして、ただいまの一—三につきましては、当初五億二千五百万ドルという予算でありましたが、その後買付の状況に応じまして予算のわくを拡大して、ただいまでは約七億ドル程度にまで増大して来ておるわけであります。なお今後外貨の状況の許す限り、また必要な物資の買付のために、要すれば予算の追加を行いたい、こういうふうに考えておる次第であります。なお外貨予算のほかに国内の円資金の問題もございますが、これにつきましては、九月に日銀の外貨貸付制度、いわゆるユーザンスと呼ばれておりますが、この制度をとりまして、金融の円滑化をはかつたわけであります。さらに輸入の引取り資金の問題につきましても、スタンプ手形の適用を拡大いたしまして、昨年の暮には石油類、それからことしに入りまして皮革と鉄鋼原料につきましても、スタンプ手形の適用をすることに相なつたわけであります。なおその価か最近特に船舶の逼迫から、海上運賃の値上り等もございますが、船舶の増強につきまして、国内造船あるいは外国船の買用といつたことにつきましても、いろいろと対策を講じておるわけでございます。なお二十六年度の貿易計画につきましては、ただいま最終案をつくるために作業を進めておりますが、一応昨年の十二月ごろの情勢を基礎にしまして、貿易局においてかりにつくりました二十六年度の貿易計画の仮案によりますと、大体来年度の輸出は約十一億ドル、輸入は十四億七千五百万ドル、こういう数字になつております。その後今年に入りましてからの値上りがございますので、今続けております。作業の結果、来年度の確定案ができるときには、輸出、輸入ともに、金額的にはこれ以上に増大すると思われますが、一応仮案によりまして、重要な品目の輸入計画を御説明申し上げますと、主食につきましては合計三百二十万トン、この内訳としては小麦が百七十五万トン、大麦六十五万トン、米が八十万トンであります。そのほかに大豆が三十万トン、砂糖五十万トン、それから肥料原料としての燐鉱石は百二万トン、それから繊維原料としての原綿は百七十万俵、原毛が三十四万俵、鉄鉱石は三百九十五万トン、塩が百四十万トン、生ゴムが六万トン、強粘結炭が、これは米炭で計算しておりますが、百六十万トン、レーヨンパルプ六万トン、おもな品目につきましてはこういつた数量をぜひ確保したい、こういう計画に相なつております。簡單でございますが、概略の説明はこの程度にいたしまして、あとは御質問によつてお答えいたします。
○圖司委員長 ただいまの御説明に対して御質疑はありませんか。
○志田委員 輸入についてのお話を承りましたが、大体今のお話はほかでも出ておるようなお話ばかりで、あまり参考になるようなお話でないのでありますので、少し詳しくお尋ね申し上げたいと思います。全般的なことはいずれわれわれ方としてもまた検討して申し上げなければならぬ時期があろうと思いますが、燐鉱石のことで私はお尋ね申し上げておきたいことがあります。 今外貨予算の運用についての御説明によりますと、機動的な運用と外貨の増大をはかつてやるというお話でありました。そのためには先着順から自動承認制にかわつた、あるいは長期予算を組んだりして今後やつて行くんだというお話でありましたが、燐鉱石の輸入に関しましては、一体安本が計画しておるような見込量が期待できるのかどうか。経済月報の二月号を見ますと、燐鉱石ばかりではありませんが、カリ、原油、綿花、人絹パルプ及び生ゴム、これは四月から十二月の実績におきましても、達成率が七五%を上まわつておる。これは今年に入りましてからも、綿花、燐鉱石、カリ、原油及び羊毛などの達成率が一〇〇%を上まわることが予想されておることを、特需契約高の中にお示しになつておる。私は燐鉱石が昨年から今年にかけて日本に入つておるぐあい、つまりセーラーからの買付、それから現実に品物として日本に入つて来ておる現状をもう少し詳しく聞きたいと思います。
○鹿子木説明員 ただいま燐鉱石のお尋ねがございましたが、燐鉱石の輸入の実績は、今年度の上半期、すなわち昨年の四月から九月まででありますが、この間の輸入の実績は五十六万七千トンに相なつております。それから十月—十二月の輸入実績に十九万六千九百トン、約十九万七千トンになつております。さらにこの一月から三月までの輸入の見込みとしましては二十四万三千五百トン、こういうものを見込んでおります。従いまして今年度一年間の輸入の見込みは約百万七千トン、大体この程度が燐鉱石の輸入として見込めるのではないかと、私どもは考えております。
○志田委員 見込めるというのはどういう、ふうにして見込んでいるのか、それを聞きたい。ただ見込める、見込めぬというのでは困るのであります。たとえば御承知の通り船賃が今度は非常に高くなつた、船賃の高くなつた点は二倍じやきかぬだろう、二倍強になつているという話がこの前もあつたのでありますが、現に沖渡しで燐鉱石のセラーからのものが、この十一月、十二月、今のあなたのおつしやつた十月の分も入れてもよろしゆうございますが、十月、十一月、十二月でも、トン当り八ドルぐらいであります。それが今日では二十三ドルに船賃がなつているように私たちは聞いております。あなたはそれを輸入される場合におきまして、価格その他において、その問題をどういうふうに外貨予算の関係からお組みになつておるのかどうか。言うまでもなく自立経済に必要な諸物資を多量に、しかも均衡を持たして輸入させることが緊急な事態であると私は思うのでありますが、そういう場合に民貿が確立されておりながらも、いろいろな故障がまだあるという場合に、いろいろな不測な問題が今起きておる。そういう問題を考えて、これだけの輸入実績を上げられるというふうにお組立てになつておるかどうか。もしそうだとするならば、この価格の面はどうするつもりであるか、その点をひとつ伺いたい。
○鹿子木説明員 先ほど申し上げました十二月までは実績でございまして、これは現実に入つた数字でありますが、その見込みにつきましては、燐鉱石だけを今申し上げますと、燐鉱石は自動承認制品目になつておりますので、自動承認制品目の金額に組まれた範囲内では、数量に関係なしに、業者としては買えるだけ買うというふうになつておりまして、予算のわくで縛つて、單価が値上りになれば、予定した計画の数量が入らぬという心配はないわけでございます。入つたものの価格をどうするかということは、国内の物価政策の問題と思いますから…
○志田委員 あなたは入つた入つたと言われておりますが、セラーが、船賃が高くなつて来たという場合に、何らかの処置を考えてくれなければ売らない。そうしてキャンセルする状態が不測の問題であつて、はかりしれざる事故であつて、船賃が上つたというのは自分たちの責任でない。これはひとつキャンセルしてもらいたい、こういう要望が出ておつて十月、十一月、十二月の買付をしても、その品物が日本に来ないという現状を、どういうふうにお考えになつておりますか。それがもう到着して、肥料原料として日本がそれを製品化するような状態にあるか、それをお尋ねいたします。
○鹿子木説明員 運賃の値上りのために、契約ができてもあとでキヤンセルになるとしう事例は、最近相当起つております。しかし予算の上では、値上りになりました場合には、数量を確保したい場合は、種上り分の予算を追加いたしまして、その面においては支障のないように措置をとつております。
○志田委員 それはどうもおかしいですな。それはまあそれで…。経本の貿易局というものが、閣僚審議会の事務局として、いろいろと貿易管理と為替管理、その他の表裏一体の運用についても大いに関連を持つておるものだと思うのでありますが、その閣僚審議会の事務局としてのメンバーである皆さんが、買いつけたから品物が入るのだ、あるいはキャンセルされているというような実情を見ておりながら、それに対しては値段を上げてあるからいいじやないかということでありますが、その値段を上げてあるのは一体だれが上げているのですか。
○鹿子木説明員 私は値段を上げてあるというように申し上げたのではないのでありまして、外貨予算で一応予定した金額が、その値上りのために、予算のわくでは計画した数量が入らないという場合には、外貨予算の追加をやつて、それが入り得るような措置を講じておる、こういういうように申したのであります。
○志田委員 それではそういう措置を講ずるという前提のもとに政務次官にお尋ねいたします。十九日の閣僚審議会では、燐鉱石の問題につきまして、このままで行けば十、十一、十二月の燐鉱石の予定されたものが入つて来ない。キャンセルされるという実情が憂慮されるというあまり、これに対する稚給金の制度を考え直さなければならぬというので、トン当り三千三百二十円の補給金を出さなければならぬだろうということを閣僚審議会で審議して、十億円の補給金を考えられたというふうに業界には伝わつておるのでありますけれども、それについての御説明をいただきたい。
○小峯政府委員 燐鉱石に対する補給金の問題は、私どもの中でも問題になつているのは事実であります。しかしまだ結論を得ておりませんし、また年度内の予算のやりくりに上りますと、多少出せるようなものもあるじやないかということも検討中でございまして、まだ結論に至りません。
○志田委員 これは非常に重大なるものでありまして、この補給金をどこに線を引いてつけるかという問題は、これはひとり貿易業者だけに関係する問題ではございません。御承知の通り肥料を使つて生産をやる農民自身が、それは直接影響を受けることは申すまでもないのでありまするけれども、今考えておる十億円の補給金を、閣僚審議会で十九日に—公かどうかしれませんが、表面に発表しないところを見るとひそかに御審議なさつたと思うのであります。十億円の補給金を出してそれがトン当り三千三百二十円になるか七十円になるかわかりませんが、その補給金をトン当り出すといたしましても、なおかつ今日の船賃というものは、先ほど申し上げましたようにトン当り二十三ドルになつている。そうすると補給金を真に出すといたしますれば、三千三百二十円にプラス三千円を加えなければ、セラーから一応契約しました燐鉱石が買取れないという実情になると思う。そういう場合にも、もう三千円増さなければならない。三千三百二十円トン当り出さなければ入つて来ない。なぜなら船賃が2倍強になつている、二倍強の船賃を出してやらなければならぬ。半分の船賃を出しても燐鉱石は来るものではない。船賃は二倍強になつて、沖渡しの昨年の八ドルが、本年二十三ドルになつている船賃で現在入れるとすれば、やはりその点についての問題に真剣に取組まなければならぬ。ことにこれは昨年十月から十一月の、このままの値段で入れるということになると、百万ドル以上の損害がセラーに加わるものと予想されている。百万ドルという損害がある品物を、約束したからといつて外国商人が日本に入れるとは考えられない。その点について政府は、今月報やあるいは経済調査庁で出しているこの書類の中にあるような安易な気持で、これは入るのだ、入るつもりだという考え方でやられたのでは、とても生産を上げることはできない、かように思うのでありますかその点はいかがでありますか。
○小峯政府委員 運賃の値上りの御指摘仰せの通りであります。しかし運算の負担は大体買方の方で負担するようになつておると思います。それを含めての値上りで、セラーの損だというお話は、ちよつと理解しがたいように思うのでありますが、しかし一般問題として運賃が非常に値上りしておるものでありますから、特に農産物価に影響のあるような燐鉱石の問題につきましては、ぜひ補給金の問題を考えたい。その線で年度内は鉄鋼補給金問題などともにらみ合わせて考慮いたしたいと考えておりますし、爾後の問題もせつかく検討中であります。
○志田委員 私が言うのはセラーが不可抗力である—船賃が上つたということは不可抗力であり、国際情勢の変化である。船腹の不足その他によつて出て来たものであるから、自分の方からキャンセルするという場合に、それをぜひとも予定数量として計画しておるから入れなければならぬということになれば、それだけの補給金を出さなければいかぬのではないか、こういうことを申し上げておるので、また今メーカーだけに負わせるという考え方はもちろんとれません。メーカーはさらに消費者に対しての価格を見込んでなければ肥料としては売れないのでありますから、そんなことは当然考えなければならぬ。しかしあなたの方で補給金を出すということで慎重に考慮中であると言いますが、考慮しておられるとすれば、一体補給金を何月にさかのぼつての見込み量から、買付からつけるつもりであるか、その点をお尋ねします。
○小峯政府委員 すでに入つております燐鉱石の中で、補給金のついてない分もぼつぼつあるのではないかと考えております。従つてもし補給金をやるとすれば、仰せのような技術的な問題がありますので、その技術的な問題が一つの問題となりまして、まだ結論が出ていないようなわけであります。
○志田委員 よくわからないのですが、たとえば今まで一月から今日までの買付は、大体二十三万トンか二十四万トンだろうと思うのです。それに対しては補給金を出すつもりかどうか、その点をひとつお聞きします。
○小峯政府委員 春肥の分まで補給金をつけるという建前で来ております。まだつきませんもので入ると言いましたのは、先約定で、船の関係で部分的に来ておるものもあるのであります。
○志田委員 そうしますと一月までのものはつけるというのでありますが、昨年の十月から十二月までで、現物が到着しないで契約が成立しておるものに対してはどうするつもりか、その点をお尋ねします。
○小峯政府委員 大体つきますもののリミットといいますか、契約によつてつけておるのだと思いますから、仰せのようなことは、あるいは問題にならないのではないでしようか。
○志田委員 問題には大いになると私は思うのです。というのは、私は実はそれについても多少調べたものもあるのでありますけれども、入る数字になつておりながら、これがそのまま向うからキャンセルせられた場合には、これは入らない。しかし向うは六千円の補給金をつけてくれさえすれば、間違いなく入れると思う。それをつけないで、そうしてさらに年間の輸入見通しがつくという予想が立てられるかどうか。それだけのものはデイス・カウントをしなけれげならぬ。入らなくなつた分はデイス・カウントしなければ、年間輸入数量にはならない。もしつけられるとすれば、そのものに対してはおそらく十月からということは無理でありましても、十一月からの分だけにはつけてやらなければ、とうてい予定数量は入つて来ないのではないか。現に今までセーラーから貿易業者を通じてメーカーが買つている実情におきましても、たとえばA会社ならA会社で例をとつて見ますれば、八万トン買ううち、一万トンは到着して、七万トンが未着であるという実情がある。これは船腹の関係で非常にそういうことがあるのであります。従つて二十三万トン入ることになつておるといつても、未着の分におきまして相当の数量がある。昨年の分だけでもそういう実例があるのでありますから、そういう場合に入つて来ないものは、向うが不可抗力であるといつてキヤンセルされた場合において、日本の肥料の原料である燐鉱石を確保して行けると考えている安本の総合計画に齟齬を来さないかその点を伺います。
○小峯政府委員 お話は細部の契約のことを盛んにおつしやつておるのだと思いますが、あるいは、そういうふうに船運賃に対する激騰の予想されます場合には、契約はFOBでもできるのではないか。契約の仕方やなんかに変化を與えまして、せつかく齟齬のないように努力いたしたいと思います。
○志田委員 それでは政務次官は、十九日の閣僚審議会の、十億補給金を出すことの内容を、あとう限り御説明願いたい。
○小峯政府委員 先ほど申し上げました通り、直接私は出ておりませんから、詳細のことはお答えいたしかねます。
○志田委員 詳細の御説明を出ておらない政務次官に今求めるのは無理でありますが、大臣は出席していると思いますから、この閣僚審議会の内容を、当委員会に発表するお考えがあるかどうか、それをお尋ね申し上げます。
○小峯政府委員 大臣とも連絡いたしまして、善処いたしたいと思います。
○志田委員 これは一部値上げというようなことになると、農民に与える影響が非常に大きくなる。これは次官も御承知の通りであります。それはマル公で押えられておりますから、どうしても処置するということになれば、政府は特別会計をもつてやるか、あるいは十九日の閣僚審議会で話を進めた線で補給金でやるか、この二つよりないそうでなければ消費者に全部背負わすほかはない。そういうことは不可能であるということになろうと思いますけれども、一つ十九日のときの内容をわれわれにも聞かしていただきまして予定数量が、非常に安易な輸入数量を考えておられると、たいへん間違いになるんじやないかと思いますから、その点が輸入促進の道を開く非常に大きなかぎになるのではないか、かように思いますので、それをぜひとつ、われわれにもお知らせ願いまして、さらにわれわれとしてもその実情をあわせて考慮して行きたいと思つておるのであります。 それからこれはお願いを申し上げておいてけつこうなのでありますが、最近国際情勢の変化に従いまして、いろいろ統制かとか、あるいは統制で行くのではない、調整で行くのだというような話が出ておりますが、貿易の面では、概して民間貿易が確立されておるという原則にはなつております。しかし事実におきましては、アメリカの援助による輸入物資が多くあるという関係から、民間貿易の方式が確立されておると言つておりながら、事実においては国内の統制があるために、需要者の割当になつたり、あるいは自由取引の対象とならない公定価格のあるものにつきましては、価格調整の方法をとらなければならないというような、いろいろな事態が出て参りまして、ややもすると、民貿が政府貿易の形に牽制されるおそれがありはしないかと思います。これに対する次官の御答弁をいだたければ仕合せだと思います。
○小峯政府委員 物価政策に関連しての補給金の問題だと承知いたしますが、この補給金の問題は、原則としまして私どもは出さないという方針をとつているわけであります。御指摘のように、国際貿易を正常化する、あるいは民間貿易を中心とするということになりますと、どうしてもそういうふうになるわけであります。しかしこれは主義で、あるいは思想で、つつぱる必要はないのでありまして、たとえば国際割当のある物資などにつきましてはあらためてその事態に応じた考慮が必要であると思いますが、その場合にも、もしそういうふうなことになりますれば、予算の問題にも響くものですから、十分慎重でなければなりません。その必要がありますれば、あらためて考慮しなければならぬ問題じやないかと考えております。
○志田委員 それでは輸入物資の流用の防止処置につきましては、どういうことをお考えになつておるか、お尋ねいたします。
○小峯政府委員 私どもは末端まで押えるようなやり方、マル公や割当でもつて末端の消費物資までやることはぜひ避くべきである。またやつちやならぬというふうに考えております。ただ先ほども申しましたように、国際割当のようなことの行われる物資につきましては、道義的から申しましても、放置することは考え直さなければならぬ問題だろうと思いますので、そういう物資につきましては、何か調整の処置をとらなければならない。従つて使用制限、あるいは使用禁止のようなことも、ある程度まで考えなければならぬものもあり得ると考えます。ただ全体から見まして、私はそういう場合でも、ちようど親工場が協力工場に資材を出して協力させると同じような方法で、特別なはからいで入れた物資に、ひもをづけて輸出するというような考え方をすればいいので、同じ物資なるがゆえに、全面的にどうのこうのということは考える必要はないのではないか、この点、事態の動きに、即応いたしまして、十分研究をするつもりでありますが、まだ最後的な結論を得ておりません。
○志田委員 私は民間貿易の方式を確立するために、最近まで政府がとられた諸方策は、大体了承されるものがあるのでありますが、ことに国際市場のセラース・マーケットから、バイヤース・マーケットに移して行つて、そうして輸入の促進をはかるという行き方につきましても、私は妥当なものがあろうと思つております。しかし外貨の管理権というようなものと、これに伴つて起る為替業務が、実状において日本側の自由に移管されておる状態になつていれば、私はそういう点においても、民貿を確立した方式であると認めるにやぶさかではありませんが、現実におきましては、輸入資金の支払いにあたりまして、決済の手続が非常に複雑で、民間輸入が増大される上において、非常な支障を来しておるのではないかと思うのであります。安本の貿易局としては、その点をどういうふうに考えておるのか、これも次官から承りたいと思ひます。
○小峯政府委員 輸入の確保策の一つといたしまして外貨の自由な使い方をなるべく広げて行くということは当当然なことだと思います。ただ私どもの経済は、ご承知のように働きながら食つたり、あるいは多少ためなければならぬような、手一ぱいの経済でありますから、外貨の使い方につきましても、全部おつ放すことは、まだ経済の立直る過程においては無理なのではないかと考えております。御趣旨のように自動承認制等大いに広げて、自由な形を広げてはおりますが、なお今の段階では全部放せないような面もあると考えております。
○志田委員 ちよつとお尋ねしますが、経本の貿易局では、輸出入の計画というものを、物資輸入計画として、四半期ごとにいろいろの商品について策定しておると思いますが、その通りに考えてよろしゆうございましようか。
○小峯政府委員 これはもちろん案でありますから、実際問題としましては、いろいろ議論がありましよう。そういう一応の計画は準備し、また研究しております。
○志田委員 そうすると、外貨予算はいわば目標計画になると思いますが、外貨予算の点におきましては、必ずしも目標計画ではなくて、その資金の裏づけがなければならない。いつてみれば、実行し得る計画でなければならぬと思いますが、そういう点についての齟齬を来すようなことがないか、それをお尋ねいたします。
○小峯政府委員 御指摘のように、貿易の計画は、資金すなわち外貨の問題ばかりでなしに、国内金融の問題もありますので、その点も深い考慮を払つておりまして、ギヤツプをなるべく少く、最小限度にするように常時心がけております。必要の場合には、先ほどお話がありましたように、外貨の追加などもいたしまして、ギヤツプが最小限度になるように努力しております。
○志田委員 先ほど貿易局の方から御説明がありましたが、外貨予算の制度は、今後機動的な運用に持つて行きたいというお話でありまして、機動的な運用の内容とするものはどういうものでありますか。それから外貨の増大をはかつておるという話でありましたが、外貨の増大をはかつておる内容をひとつ伺いたいと思います。
○小峯政府委員 足らない点は補つていただくことにしたしまして、私から申し上げますが、外貨を補うには輸出をふやす以外に方法はないと思います。輸出の問題につきまして、ただあれだけじやいかぬという御意見もときどき伺うのでありますが、先ほど申し上げましたように、輸出しないならば外貨はなかなか手に入らないわけであります。外貨も相当額が多いという御指摘を受けますが、実は少しゆるみが来ますとすぐ減るようなわけでありまして、また私どもの経済にそれほど弾力があるとけ考えておりません。しかし機動的に運営するというのは、輸出が伸びますれば、それだけ外貨の収入はふえるわけでありますから、それを遅滞なく輸入の方にまわして、輸入を確保するという考え方で、自動承認制の問題あるいは外貨の割当の補正の問題も努力している次第でございます。
○志田委員 そういうお話を聞いておると、実に私たちは安心して居眠りができるようなことになるのであります。私は別にそれにさからつて、そんなことではいかないだろうというようなことを申し上げようとは思わないのですが、さつき二十六年度の貿易計画の作業を今進めておるのだ、そうして昨年の十二月の状況で、輸出については十億ドル、輸入については十四億ドルですが、そういう計画を立てておるのだということを伺いましたが、今お話を承つたような機動性と外貨の増大、これはあなたの方で組み立てられておる計数の中に入つておるのですか。
○小峯政府委員 私の方の計数は、代表的には先般御審議願いました自立経済計画の中に入つておるわけであります。しかし自立経済計画というのは、一応数字は組み上げておりますが、各部門間の総合的な関連を数字で表示しておるのでありまして、もし輸出額が金額でふえると輸入の方もふえるわけでありまして、そういうような両者の総合的な相関関係においては、かわりありませんが、数字の上ではそのときの国際物価の状態、あるいは世界経済の状態に応じて変化があるものです。そういう意味でギヤツプはございましよう。しかし根本的の考え方といたしましては、そういう組み上げた総合的な関連というものは、少しもそこなわれるものではないと考えております。
○志田委員 それから外貨予算を作成する場合に、もちろん外貨資金の状況とにらみ合せて、これを的確に把握してつくられるのだと思いますが、そういう外貨予算をつくる機関に、使用可能のものと、使用できないものとのあれが出て来るのではないかと思います。その使用可能の外貨資金をどの程度に算定するか、算定の基礎はどこにお置きになりますか。
○小峯政府委員 これは輸入の引当てになつておる資金を、どの点まで確保しておけばいいかという問題になるわけであります。これは一家の家計でも同じでありまして、未払金をどのくらいまでに片づけるか、未払金の実際の支払いという目安によつてもかわるはずだと思います。詳細のことは事務担当者から答弁いたさせますが、あるいはもし準備がありませんでしたら、大切な問題でありますから、後刻あらためてお答え申し上げたいと思います。
○志田委員 そういう場合に、使用可能金の中から保証金を差引いて、残つた金を算定の基礎にしておるように、業界の人たちから聞くのですが、それは事実でございますか。
○小峯政府委員 詳細の事務的なことは補足してもらうことにいたしまして、ただいま申し上げましたように、外貨の弾力ある使い方をする必要から、算定の基準というか、押え方は、多少動いて来ておるように思います。非常に確実に、もう輸入の契約ができたのでありますから、その引当ては最大限度まで、すなわち支払いは早目に、受取りは遅くというような、堅実な考え方でおりましたことは事実でございますが、それは実際の必要上から、また今までの経験から、そういう押え方でずれて参りまして、よほど弾力があるようになつて来ておるように思います。
○志田委員 今申し上げました保証金を差引いて、そうして民間輸入についての、何といいますか、外国為替銀行の輸入承認額というふうなものをやる、あるいは政府の輸入契約というものには、もとよりあれがあると思うのでありますが、そういうものを計画の中に入れられて使用額をきめておられるのですか。
○河野(通)政府委員 今のお話の保証金といわれるのは、コミットメントされておりますもののことと思いますが、これはただいま政務次官から申し上げました通り、輸出において未収金があるわけです。それから輸入において未払金があるわけです。これは今計算いたしたものがありますけれども、まだ正確には申し上げるところまで行つておりません。それは両方差引いて、ネットの使い得る外貨というものを計算いたしておるのでありまして、先般予算委員会でありましたか、大蔵大臣から申し上げました十二月末の外貨保有高五億二千万ドルという数字は、今申し上げたコミツトメントの支払いと受取りの差額を差引いてございません。従つてその差額は差引かないと、ネットに使い得る金も出て来ないので、それを差引きますと、四億足らずくらいの残りになるかと思います。但し、これは十二月末の数字でございますから、その後の数字は少し動いておるかと思います。
○志田委員 そうしますと、輸入コミツトメントの計画を策定するという場合には、外貨資本から先ほどの保証金等を引いて、残つたものの何倍かに当る計画だというふうに立てておるわけですか。
○河野(通)政府委員 今申し上げましたのは、輸入信用状の残高、つまり未払いの残高と輸出信用状の未収の残高の比較を申し上げましたので、ずつと長い目で見ましたコミツトメントの意味から申しますと、輸入は先物が相当長いものがございますので、まだLCを開設していないようなものにつきましては、さらにそのほかにあるわけであります。これは同時に輸出の方でも同じ問題がございますので、それは応今のととろでは除いて信用状が出て、しかも未収あるいは未払いの残高を比較した数字でございます。
○志田委員 輸入の時期とか、あるいは輸入の地域等もそれには勘案して計画しておるのですか。
○河野(通)政府委員 通貨別に計画を立てております。
○志田委員 国際市場との関係はどうですか。
○河野(通)政府委員 市場別にも見てやつております。
○志田委員 そうしますと、いろいろドルとかポンドとか、オープン・アカウントの、各国別にいろいろ前の期の繰越金が出たような場合に、外貨の受取り額との合計額から推して、やはり外貨の支払いを保留しなければならぬというような状態が出て来ると思いまするが、その点はどういうふうに処置しますか。
○河野(通)政府委員 今お話の点は、つまりワーキング・フアンドと申しますか、出入りの時期的な調整をいたしますために、どの程度の外貨の準備を、現金として持つておる必要があるか。これはワーキング・フアンドをどの程度見るかという問題になりますが、一般的に申し上げますならば、輸入の金額的な規模が大きくなればなるに応じて、ワーキング・フアンドの所要絶対額というものはふえて参ります。もちろん通貨別に計算しなければなりませんが、ふえて参ります。これをどの程度見るかという問題は、いろいろ計算がむずかしいのでありますが、大体従来から、あるいは一億五千万程度でいいという説もありますし、二億程度なければという説もあります。さらに二億五千万、三億程度いるのだという説もありますので、なかなかこの点はつかみにくいのであります。今申し上げましたように、ワーキング・フアンドをどの程度見ておかなけれがならぬかということは、頭に置きながら計算いたしております。ただそういう関係から言いまして、今キヤツシユといたしまして、コミットメントの収支を差引いた外貨というものがあるわけであります。これはワーキング・フアンドとして使わなければならぬのであつて、ネットにそれだけのものを使い切つてしまうしというわけには参らぬ金額ということに相なります。
○志田委員 たいへんよくわかりますが、それで閣僚審議会の構成メンバーは、この前ここで法案が出たときにもいろいろ出たのでありますが、あなたの方で外貨予算の草案というようなものができました場合に、それを各省に提示して、そうして各省がそれを認めて、外貨予算の額をきめるような機関を持つておりますか。
○小峯政府委員 私どもの方の貿易局が事務担当者になりまして案をつくり、関係大臣に御審議願つてきめておるわけであります。
○志田委員 そういうように、あなたの方の案を出した場合に、通産省とかそういうようなところから、それでは困るというような異論が出ました場合には、やはりその調整をとつて今までずつと来られたのですか。
○小峯政府委員 各省の局長が幹事役になつておりまして、事務的には十分折衝いたしまして、その上で閣議に諮ることにいたしております。
○志田委員 事前に…。
○小峯政府委員 さようであります、
○志田委員 最後に一つ、また小峯政府委員にお尋ね申し上げたいと思いますが、燐鉱石の問題は非常にせつぱ詰つた問題になつております。それで補給金制度というものは、わが党としましては漸次廃止する方針であるということは、私もよくわかつておりまするが、今の補給金をいつから出すかということは、非常に重大な問題になるのでありまして、ぜひひとつ前年の十一月から出していただきたい。これをしませんと、たとい民間貿易でありましても、輸入の元締めをしておりまする通産当局あたりが、非常に困ることが出て来るわけでありますから、その点ひとつぜひとも十一月—十月とは申しません、十一月から十二月、現在入りかけておつて入らない燐鉱石の輸入計画の実現という立場からも、輸入の促進という立場からも、ぜひともやつていただきたい。補給金をもし出す場合におきましては、十一月からの燐鉱石に出す。これは鉄鋼、粘結炭その他もいろいろあるのでありましようけれども、とりあえず、ここに大きくクローズ・アップされておる問題でありまするから、特に考えていただきたい。 それから最近の燐鉱石の積出地の問題をいろいろ、私なども聞かされておりまするが、やはりフロリダが何と言つても一番でありまして、今フロリダの業者は、先ほども再三申し上げましたように、このままでは不可抗力であるからキャンセルすると申しておる。そういう点から考えましても、ぜひひとつ燐鉱石だけは早く入れる処置を講じていただきたい。そうしない限りにおきましては、私は燐鉱石が百二万トン入るなんという計画は、机上の空談あるいは砂上の樓閣でなければならぬというふうに考えておりまするから、ぜひともその点を考えていただきたい。特にわれわれは單作地帶の農民を代表いたしまして議席を持つておる関係上、この燐鉱石の補給金の問題は、ただちに農民の生産意欲に影響する。意欲ばかりでなく、経済的にも、農業経営の面において影響するところ甚大でありまするから、これはひとりメーカーであるとか、セラーであるとかいう点にとらわれずに、国家的な助成の方策として、ぜひとも考えていただきたい、かようにお願い申し上げます。
○小峯政府委員 物価政策の中において、補給金をどう使うかという問題は、国際物価が今日のように高くなつておりますときには、非常に重大な問題だろうと思います。原則としましては、御指摘のように私どもは補給金をなるべく考えたくないのでありますが、燐鉱石の問題は、今日御指摘のような面もありますし、同時に燐鉱石の補給金がはずれるだろうという思惑から、市場でかなりよけいに思惑買いが起つているような感じがいたします。そこで粘結炭その他の鉱石の問題とは別個に、どうしても燐鉱石だけは、御指摘の趣旨に従いまして善処したいと考えております。ただ予算その他の問題がありますので、結論は得ておりませんが、気持としては私どもは御指摘の通りだということを申し上げたいと思います。
○圖司委員長 竹山祐太郎君。
○竹山委員 政務次官に伺いたいのですが、私の質問も先般の経済閣僚懇談会のことに関連して来るので、今政務次官の御答弁からいうと、要求をする方が無理だそうですから、大臣があとでお見えになればそのとき伺うことにして、先ほど次官の見えない前に、私この前の会議で希望しておいて、物価政策について次官から一応の原則論を伺つたのですが、私の頭の悪いせいか、どう聞いておつてもはつきりしません。率直に申しますと、今の政府は、これから先の物価政策をどうされるというのか、一応原則を政務次官から伺つてみたいと思います。
○小峯政府委員 私は物価の問題は、原則的には日本の経済がすでに封鎖経済でなしに、国際経済の一環として存在する以上、国際的な物価の影響を全面的に遮断する方法はないと考えます。もしこういうふうな国際経済の一環として存在しながら、国際物価の影響を遮断するといたしますと、これは為替の切上げをするか、あるいはまた思い切つた増税によつて購買力をしぼるというふうなことしかないのじやないかと考えます。しかしそういう二つの乱暴な方法が今考えられるはずはないのでありますから、私は国際物価を正常な形で反映する面だけは、これをそのまま考える以外に方法はないのじやないか。但し国際物価の反映いたします場合にも、日本経済の弱さ、すなわち当面の問題といたしましては、船が非常にきゆうくつなものですから、不当な船運賃で、国際庭先相場といいますか、向うの相場よりは、船賃で非常な影響が出て来ておると思います。そういう面はぜひ努力して、正常な形で反映するように考えたい。これが第一段階であります。 第二段階といたしましては、ただ国際物価を正常に反映するだけでは、日本の産業政策上困るような面、特に農業の面などは、日本農産物の主食として、日本経済の根幹をなすような意味で、これに対しましては、何かまた一般原則と違つた手を考えて行かなければいかぬのじやないか、かように考えるわけであります。その一つといたしまして、先ほど来お答え申し上げましたように、燐鉱石の問題など考えておるのでありまして、全般としまして、国際物価高を遮断するような方法は、今日国際経済の一環として存在する以上困難であろう。しかしそれなら、一体放置していいかと申しますが、国際経済の一環として、日本経済の企業の操業度が上るような方法、現在操業度が六割しか運転していないものが、八割になり九割になるということになりますと、国際物価高にもかかわらず、間接費の切下げからコストが下るというふうにも考えるわけです。すなわち産業合理化と申しますか、そういう面をひつくるめて操業度を考え、企業の近代化を考えてコストを切下げるように努力をして行かなければならぬと思います。そういうふうにして、なるべく国際物価高を正常にすることが第一段階、またそれから来ますものを、なるべく今度は縮めるように考えるこ、も、次の段階としてあり得るのだと思います。全般としては、繰返して申し上げますが、国際物価高を遮断する方法は、国際経済の今日、統制経済の方針をとるにいたしましても、あるいは今の経済方式でやりましても不可能ではないかと考えております。
○竹山委員 原則論はよくわかりましたが、そういたしますと世界的な物価高の趨勢からして、日本の物価も全体的に高めて行くという見地から、今後のいろいろな物価政策をやられるのか、その辺の方針を伺つておきたいと思います。
○小峯政府委員 高めるということはそれは言葉のあやだと思います。意思はございません。むしろ物価というものは低目にする方が、安定経済の建前からいいものだと考えますが、ただ国際物価から来る影響を遮断する方法はない。従つて高めるというよりも、高める面についてはある程度までしかたがないのじやないかというふうに考えております。
○竹山委員 端的に伺いますが、今お話になりました国際物価の影響を、国内的にどう調整するかいうことだと思う。一番基本になりますところの食糧について、今農業の立場というよりも、私は国民生活の立場から考えて、これも国際的な影響から遮断をする方法がないとすれば、上るということは、具体的に言うならば麦の価格は、本年度当然上げなければならぬとお考えになつておられるかどうか。これを伺います。
○小峯政府委員 原則論としましては、そういう世界的な傾向になると思いますが、先ほど来も申し上げましたように、食糧の関係は日本経済の根幹だというふうな意味で、これに対しましては御承知のように補給金をなるべく撤廃したい。私どもの方針の中にも、外麦に対する補給金だけを残しておく、また先ほど来申し上げた燐鉱石の問題なども、まだ結論は得ておりませんが、なるべく補給金のようなものを考えたいという意味でありますから、経済の根幹になる食糧関係のものは、なるべくこれを低目に持つて参りたい、そのために農村に負担のかからないような手を考えて行きたいと考えておる次第であります。
○竹山委員 もう一つ添えて伺いますと、もし国際的に高くなつて来れば、今の輸入外麦の補給金の程度ではいけなくなつた場合、内地の農産物についても二重価格制度をとるというところまで、お考えになつておられるか伺います。
○小峯政府委員 国際物価を遮断しますための方法は、一つはやはり補給金の問題であります。従つてもしそういうふうに国際物価の問題で非常にむずかしい問題が出ましたならば、補給金の問題も考え直さなければならぬのじやないかと考えております。
○竹山委員 そこで私はどうも閣内の方向というものが判断がしにくいのであります。安本はそういうように非常に強くお考えようですが、われわれの伝え聞く参議院の農林委員会等においては、麦の価格は上げざるを得ないだろうというような空気のように、われわれには了解される節がある。これは非常に重大な問題でありますが、その点政府部内におけるお話合いがあつたのか、やつておられるのかどうか、一応承りたいと思います。
○小峯政府委員 竹山委員は麦の問題は非常にお詳しいので、先般来も御教示をいただいているわけですが、対米の比率の問題は、前にも御指摘のありましたように、現在の八十幾つから六十幾つに下げることになつております。その比率の問題はそれでいいかどうかということには、参議院でも大分御意見があるようでありまして、私どもも御意見を承りながら研究はいたしております。
○竹山委員 この問題はお話のように、裏づけは燐鉱石の補給金が代表的な問題でありますが、これがはつきりしませんと、食糧の価格の問題がはつきりしないようでは、それからひいて起つて来るところの、ほかの物価との関係というものが非常に大きい。極端なことを言えば、これをもし上げるということであるならば、ベースの問題にも当然影響して来る。そうなれば本年度予算全体についても、根本的に検討をするというよりも、大きな組みかえ、補正をしなければならぬということになつて参るのであつて、そのことは今の予算を堅持される政府とするならば、少くとも将来に対するもつと確固たる方針があつてしかるべきものだ。この点はまた政府全体の問題として別の機会に伺おうと思いますが、そういう意味において私は研究をするといいますか—今の政府の考えておられる方向というものが、はなはだ明確を欠くということが、いろいろな面に影響して来る。統制撤廃の方向を堅持するというならば、それをどんどんはずして行つて、それに伴う政策をきめて行かなければならぬはずだ。ところが周囲の情勢からその方向には行き得ないとする点から、いろいろはたから見ておつて判断しかねる面がたくさん出て来る。私はいろいろな問題がありますが、その一番結論は、麦の価格をあくまでかえないで、それを押して行くというのか、今政務次官の言われるように、情勢いかんによつてはこれを検討して直すというのか、そこらは非常に大事なわかれ道だと思う。それと関連をしてマル公の撤廃や、いろいろ統制撤廃の問題が出て来るわけですから、もう一度そこはいつまで研究されるのか、極端にいえば、新麦の出まわり期までその情勢はきまらないのか、あるいは近くその方針をおきめになるのか、政府部内の進行状況を伺いたい。
○小峯政府委員 私は原則的には新麦の出まわり前まで、麦の値段はきめなくてもいいものだとは考えておりますが、先ほど来御質問のありましたような趣旨で、燐鉱石の補給金を考えるというときには、実は一つの伏線が出て来るわけであります。すなわち補給金のような方法でなるべく食糧を上げないという原則になりますれば、補給金をつけると同時に、もう価格はいじらないのだ、ことにこれも御指摘のありましたように、ベース全体の問題になりますと、ただいま予算を御審議願つております建前といたしましては、非常にこれは重大な問題でありますから、私どもの察見では、補給金などを、事情の許す限り考慮するような方向に持つで行つて、なるべく上げないようにいたしたい。しかも、これもまだ新麦の出まわりまで相当期間もありますので、いろいろな情勢とにらみ合せて、最後の結論を下したいというふうに考えております。
○圖司委員長 他に御質疑がなければ、本日はこの程度にて散会いたします。 次会は公報をもつて御通知いたします。 午後三時四十一分散会