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10回国会衆議院1951/05/26

運輸委員会大蔵委員会連合審査会 第1号

発言数
83
登壇者
7
会派数
3
開催日
1951/05/26

会議録

前田郁自由党

○前田委員長 これより運輸委員会、大蔵委員会連合審査会を開会いたします。  運輸委員会の委員長であります私が、本委員会の委員長の職務を行います。戰時中政府が買收した鉄道の讓渡に関する法律を議題といたします。質問を許します。

石野久男労働者農民党

○石野委員 それでは提案者に質問いたしますが、第一条に「旧所有会社又はこれと密接な関係のある会社等に」この「等」でございますが、この「等」ということは、昨日から御答弁を聞きますると、第三条の第四号に見合うところの言葉であるというふうにお聞きしましたが、そのように理解してよろしゆうございますか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 その通りであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 この第二条第四号に該当する会社というのは、どういうものを一応予想しておるのでありますか。提案者にお聞きいたします。

坪内八郎自由党

○坪内委員 お答えいたします。第二条第四号に記載してあります文字を文字通りに解釈していいのであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 その場合、そういう会社が第一条の「公共の利益に合致する限り」という趣旨に沿うといたしまするならば、従来の会社とは全然関係のない新しい会社の方が、国鉄が経営する場合よりは一層公共の利益に合致するという見地に立つて、これを提案しておるのでありますかどうか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 御解釈の通りであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 その場合、公共の利益に新しい事業会社が合致するということになりまするならば、それは当然以下申し述べるようなことに関係して来るので、私は非常に疑義を持つのであります。それについて二、三の問題をお尋ねして、あとでなおもう一度その点に帰つて行きたい、このように考えます。  第五条の讓渡価額の決定にあたりまして、価格決定の資料及び基準が不明確であるということは、昨日自由党の運輸委員からも指摘があつたところでありまして、私もまた同感でありまするが、この法文の中に盛られておりまする、たとえば第三条あるいは第四条等に掲げてあるような資料、基準等において、価格決定の際にいろいろな不正な内容がそこからかもし出されるという危険性を、私は予想するのでありますけれども、提案者はそういうことについては別にお考えはございませんでしようか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 御総明な石野委員の御想像にまかせますけれども、これらの讓渡価額決定につきましては、昨日もかなり詳細に御説明申上げました通り、運輸審議会の意見を運輸大臣が十分検討を加えまして、責任ある運輸大臣の責任において価格を決定いたすのでありますから、そのような懸念は絶対にないと思つております。

石野久男労働者農民党

○石野委員 第六条の運輸大臣の決定によります価格は、次のような三通りのものが出て来ると私は予想しますけれども、提案者はどのようにお考えになりますか。それは国有財産としての国鉄の帳簿価額と同一のもの、それを上まわるもの、それに下まわるもの、この三通りがおそらく運輸大臣が決定される場合に出て来る価格であろうと思いますけれども、これは提案者はどういうふうにお考えでありますか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 お尋ねの三点につきまして、運輸審議会は、この讓渡申請者のいわゆる申請書に基いてそういつた結論を出すのでございまして、ただいまお尋ねの三点のような現われが現われることもあろうし、あるいは現われないこともあろうし、それはすべて運輸審議会の判定の仕事の事務の内容だと、私は考えておるのであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 私はその事務の内容のいかんについてお尋ねしておるのではなしに、提案者である坪内委員はそういうふうにして出た決定の価格というものが、この三通り以外には出ないということに考えないかということであります。

坪内八郎自由党

○坪内委員 私は国会において承認を受けた運輸審議会、さらにまた当面の責任者であるところの運輸大臣を絶対信頼いたしておりますから、さような点につきましては、私は懸念を持つていないのであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 私は懸念のいかんを尋ねるのではございません。運輸大臣が運輸審議会に諮問して、それによつて決定される価格は、当然国鉄の持つ帳簿価額と同一であるか、あるいはそれを上まわるか、下まわるかの三つの価格以外には出ないものと考えるのであります。提案者はそういうふうには考えないものかどうかということを聞いておるのです。

坪内八郎自由党

○坪内委員 お尋ねの趣旨はよくわかりますが、先ほど御答弁申上げました通り、それらのものにつきましては、運輸審議会の審議の内容でございますので、提案者といたしましては、その点には私は別に意見はないのであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 私は何度お尋ねしても同じかもしれませんが、聰明な坪内委員がこの法を提案するにあたつては、当然そのことはお考えになつたと思う。審議会の審議の仕方がいいか悪いかということを、私は尋ねておるのではないのでありまして、価格がそういうふうな三通り以外に出ないということ、これはだれが見ても異議をさしはさむ余地はないと思うのでございます。具体的に大臣が決定する価格は、この三通りよりほかない、こう私は思いますが、坪内委員は、それではそれ以外に価格があるとお考えになるのですか、どうですか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 お尋ねの点はよくわかるのでございますが、いわゆる譲渡価額の評価価格と申しましようか、そういつたものが、今お尋ねのような点で現われるだろうというふうに、石野委員はお考えのようでありまするけれども、私はさらに十分愼重にこれを運輸審議会が検討いたしまするならば、国鉄からもやはりそれぞれの重要な資料と申しましようか、意見も運輸審議会に提出されるかもしれませんし、さらにまた今日の物価指数あるいは貨幣価値、あるいは当時の経済状態と今日の経済状態、あらゆる問題を十分に勘案いたしまして、適正妥当なる譲渡価額が生れる、かように私は考えておる次第であります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 非常に簡單なことでありまするけれども、ただいまの坪内委員の御答弁を聞いておりますると、私はかえつて今度は複雑に考えるのでありまして、この決定される価格が、帳簿価額を上まわるか、あるいは同一か、それ以下かということ以外に、何らかの価格があるといたしまするならば、それは貨幣価値に換算されないものが、新しく譲渡価額として決定されるものの内客として入つて来るのであるかどうか、そういう内容を持つものであるかどうかという疑念を持つのでありまするけれども、坪内委員はそういうことまでも考えて、ただいまの答弁をしておられるのでありますか。

堤正威運輸委員会專門員

○堤專門員 ただいま提案者からの御答弁につきまして、ちよつと補足さしていただきます。石野委員は、帳簿価額か、あるいはそれ以上か、あるいはそれ以下か、どの価格が出るかという仰せでありまするが、もちろん価格でありまするから、あるいは帳簿価額、あるいはそれ以上、それ以下、そういうふうに出て来るのは当然であると思います。

石野久男労働者農民党

○石野委員 わかりました。  そこで問題になりますのは、この運輸大臣が決定される、第五条に基いて公正妥当なものとしてきめる価格が、国有財産である国有鉄道のその帳簿価額と同一であり、あるいはまたそれ以上である場合は、われわれとしては一応そこには、深く考えることについてそれほど真剣になる必要はないように思いますけれども、帳簿価額以下である場合が非常に問題になつて来るのであります。昨日も申しましたように、国鉄法の第四十六条によりまして、国鉄の財産の処分をいたしまする場合には、法律に定めるもののほかはできないというふうに明示されております。この法律がきめられますと、当然四十六条に明示されておりまするその法律がここできまるのでございます。それだけにわれわれは重要である。そこでただいま堤專門員からの御答弁もありましたように、下まわる場合が出た場合、これについてわれわれはいろいろな問題が出て来ると思います。まず第一番にお尋ねいたしますが、提案者は、この価格が帳簿価額より下まわつた場合に、これを立法的にどういうふうに処置しようとするのか、予算的にどういうふうな措置をしようとするかというようなことについて、御考慮をどのようにされておるかということをお尋ねいたしたい。

坪内八郎自由党

○坪内委員 それらの点につきましては、まだそういつた段階に到達しないと思うのであります。何となれば、この拂下げ、いわゆる譲渡を受けるそれぞれの会社は、この法案が通過をいたしまして、そうしていわゆる譲渡を受けたいという希望的考えから譲渡を申請をいたしまして、その譲渡申請も、その譲渡の重要なる一つの参考資料として、運輸審議会がそれらの決定をいたしますので、この法案が通過後でなければ、そういつた具体的な線は出て来ないと私は考えるのであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 今提案者から、そういう具体的な問題については、法案が通過した後具体的事実をもつてしなければ、お答えになれないということですが、確かに私の心配していることができない場合には、こういう論議をする必要はないのだから、ごもつともだと思います。そこでもしそのような下まわる価格が決定される場合、それは当然国有財産上の損失といいますか、日本の国の予算上における損失が、その差額だけ出て来ることは認められるものと、私は思うのでございますが、これは提案者においても御同感のことだと思いますけれども、いかがでありますか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 それらの点も十分勘案されて、決定されるものと想像いたします。

石野久男労働者農民党

○石野委員 確かに想像として、いろいろ決定されると思いますが、その損失が出た場合、その損失を国鉄の経理の内容において受持つべく考えているのでありますか。それともそれを一般会計上の損失として考えるのでございますか。その点について御意見を承りたい。

坪内八郎自由党

○坪内委員 提案者におきましては、それらのものについては責任はないと思つております。

石野久男労働者農民党

○石野委員 提案者は責任がないと言われる。確かに提案者自身には責任はないかもしれませんが、そういう価格が決定されることによつて起きる損失というものは、日本の国の問題として非常に重大であると思うのでございます。しかも第一条の規定するところによれば、この拂下げによつて公共の利益が増進されることが目的であります。ただそれは鉄道の領域のみによる利益が増進するのでなくして、それをもととする日本の財政活動における利益もはからなければならぬ、こういう内容を持つているものと私は理解しているのでございますが、それは違うのでありましようか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 今の御趣旨はよくわかりますが、これらの譲渡価額の決定にあたつては、先ほど申し上げました通り、最後的の決定においては運輸大臣が絶対責任がありますし、さらにまたその譲渡価額の決定にあたりましては、運輸審議会もそれぞれの立場で責任がある、かように考えております。

石野久男労働者農民党

○石野委員 その問題については大蔵省の関係の方どなたかにお尋ねいたしたいのでありますが、明らかに価格が帳簿価額以下に決定されます場合には、それは損失が出たものと私は見るのでございますが、その損失は別に国鉄の会計法の上から言うところの債務を構成するものとは私は思いませんで、明らかに損失であることに間違いないと思う。その損失を国鉄側において受けるか、あるいは一般会計において受けるかという問題は、現行法とそれから今日立法されようとしているこの法案とをにらみ合せて見まして、大蔵省の見解としてはそれはどちらの方で受持つのでありましようか、御意見を承りたいと思います。

前田郁自由党

○前田委員長 大蔵省の関係当局はきよう土曜日で、急に呼んでもいないらしいです。

石野久男労働者農民党

○石野委員 答弁に立たれる政府委員の方がおいでにならないそうでありますけれども、これは非常に重大な問題だと思うのでございます。明らかに価格が帳簿価額以下に決定された場合に、その価格を国鉄の経営で持つか、国家の予算で持つかということは、立法の建前として十分考慮しておかなければならない。それだけの親切さと、最悪の事態を考えなければ、この法律は国民に対して非常に不利益を招くものになると、私は考えるのであります。従つて第一条の目的なんかはどこかへ飛んでしまうのではないか、このように私は考えますので、この点はどうしても一応その担当の方の御意見を承りたいと思いますから、あと委員長においてもとりはからいを願いたい、こういうふうに思います。  この場合提案者にいま一度尋ねまするが、こういう損失がもし第五条の決定によつて出て来ることがありましても、提案者はやむを得ないものであるとお思いになりましようか、どうでありましようか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 譲渡価額の決定にあたりましては、運輸大臣が運輸審議会の意見を十分聞いて、決定をいたしますので、それが決定いたしました以上は、私はその通りになるものだというように考える次第であります。

堤正威運輸委員会專門員

○堤專門員 ただいまの点に関しまして、私から一言補足させていただきます。鉄道の讓渡価格につきましては、第五条にありますように、「当該鉄道の買收価額、買收後当該鉄道に関し支出された建設改良費、時価及び当該鉄道の企業收益力」というふうに書いてございますが、まず買收価額であるとか、あるいはその後に改良を加えられました改良費、これらは当然帳簿価額となつて現われて参りますので、それ以下に下るということはないと考えております。

石野久男労働者農民党

○石野委員 ただいまの堤專門員の発言が、もし提案者の真の意図であるとするならば、この法律は非常に不備なものになると思われるのでございます。私はもしそういうことがあるとするならば、この法文の中にその価格における最低価格を決定するところの明文が、ここに明記されなければならない、こういうふうに考えます。その点は非常に不備であると思います。私はただいまの專門員のお言葉を正しいと存じまするので、委員会としてはそのことを十分真剣に考えて、この法文の中に盛り込んでいただきたい、こういうように考えているものでございます。ただいま買收価額であるとかその他の建設費等が含まれて、その帳簿価額以下にならないということの見解が明示されましたこととにらみ合せまして、第八条の譲渡の代価の支拂いという問題で、ここに問題になりまするのは、「この場合における国債証券の引渡価格は、時価及びその交付価格を参しやくして、大蔵大臣が定める。」とこうなつておるのでございます。この場合の証券の引渡し価格の決定にあたつて、これは国債証券の予算上の問題をどういうふうに考えるかという点でございまするが、予算面では明らかに国債証券に対する価格の明示があると存じております。二十六年度の予算においてはどれだけあるかどうかということについて、大蔵省関係で特に債券関係の方がおいでになりまするならば、お聞かせ願いたいと思います。

前田郁自由党

○前田委員長 それでは参考までに堤專門員がちよつと御答弁いたしたいと言つておりますから、これを許します。

堤正威運輸委員会專門員

○堤專門員 公債の価格その他に関することは、すべて大蔵大臣の権限に属しておりまするので、特にこの支拂いが一部国債でなされることを予想されまして、この条項を設けた次第であります。そうしてそれがどの辺におちつくかといつたようなことは、結局大蔵大臣の権限でありまするが、御承知のように国債にはそれぞれ時価がございます。大体その時価とかわらないところで決定される価格ではなかろうか、かように存じております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 ちよつと関連して――非常に異なことを今聞くのでありますが、この第八条には、「この場合における国債証券の引渡価格は、時価及びその交付価格を参しやくして、大蔵大臣が定める。」ということになつているのでありますが、これはその前の条文から見まして、会社が買收を受けたときに、その代価として政府から交付を受けた公債ということになる。從つてその公債を大蔵大臣がかつてに引渡し価格を参酌するという権限は、どの法律に基いて大蔵大臣が持つているのですか。それを明らかにしていただきたい。  それから委員長に私お伺いしたいのでありますが、これは議員が提案者でありますけれども、專門員はたしか運輸委員会の專門員だろうと私は思うので、委員会の審議のための補助的な役割をすることは、專門員として当然だろうと思いますが、必ずしもこれは国会一致の提案ではないのでありますから、そういう点から見て、私は專門員が国会議員の一部の人たちの補助的な役割をするということについては、これは專門員の立場から見て、今後の委員会運営の上に一つの重大な影響をもたらしますので、提案議員諸君の説明の参考あるいは補助的な意味でされているという立場は、もちろん了解いたしますけれども、根本的に申しますならば、私は專門員諸君が提案者の真意が那辺にあるかということがもしわかつているとするならば、これは專門員として適当でないということにもなりますので、この点は提案者は坪内君外相当多数おられるのですから、そういう人たちの間から十分説明していただくなり、あるいは專門的な分野にわたる部分については、提案をせられるからには、やはり提案者の方において、関係政府当局との間にいろいろの打合せもございましようから、関係の政府委員諸君に出席を願つて、責任のある答弁をしていただかないと、私は堤專門員のお答えになられたこと、御説明されたことについて権威があるとかないとかいうことを問題にしているのではありませんで、実は国会の專門員の制度から見て、ちよつと適当でないじやないかと私思いますので、この点は委員長の御考慮を煩わしたいと思います。

前田郁自由党

○前田委員長 ほかに質問はありませんか。

石野久男労働者農民党

○石野委員 これはただいま田中君からも話があつて、実はそういう疑念は私も持つておつたのですけれども、運輸委員会ですから非常になごやかな気持であまりせんさくしなかつたのです。今堤專門員の述べられたことは、われわれ非常に疑念を持つ点が多いのでございますけれども、ただいま田中委員からの発言もありますので、私はやはりこの際一応大蔵省の関係の方に来ていただきまして、責任のある御答弁をいただきたい、こういうふうに存じているわけであります。  それでは引續いて提案者にお尋ねいたしますが、提案者は、先ほど申し述べましたように、この損失が明白に決定された価格の中から出るということがわかつた場合には、譲渡をすべきでないというふうに考えていないかどうかということを、もう一度お尋ねいたします。

坪内八郎自由党

○坪内委員 先ほど堤專門員から話がありました譲渡価額の決定の場合に、先ほど石野委員が申されました通り、帳簿価額を上まわるものであるか、下まわるものであるか、あるいは同額か、いずれの点になるだろうかという話でありましたが、私はその譲渡価額につきましては、先ほどから御説明申し上げております通り、運輸審議会においてそれは決定されるものでございますから、はたしてその価格が帳簿価額より上まわるものであるか、あるいは下まわるものであるか、あるいは同額のものになるかということにつきましては、これはまつたく運輸審議会の責任におけるところの仕事の内容であるので、私はその点についてはお答えができないのであります。

石野久男労働者農民党

○石野委員 それでは大蔵省関係の方がおいでになるまで、私の質問は保留します。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 私は監督局長にちよつとお聞きしたいと思つて来たのですが、その前に提案者にお聞きします。第一条に「公共の利益に合致する限り、」という一つの条件がついておるのです。そうすると具体的にいつて、今参考資料として提出されておる鉄道の中で、公共の利益に合致しないものがあるかどうか。これを具体的にいえば、最初に手をつけて拂下げの対象になるのは、どこがなるかということが、やはり具体的なものがなければ、この法案は出て来ないと思います。ただ抽象的なことから出ておるのではなくて、具体的に公共の利益に合致する限りというのが、どこかになければならぬ。これがなければ出て来ないはずです。それが線路全体の中でどういうところであるか。まず最初にお聞きしたい。

坪内八郎自由党

○坪内委員 お答えいたします。具体的に公共の利益に合致する限り、どういつた線があるかということにつきましては、目下のところは十線くらいある模様であります。しかしながらその公共の利益に合致する限りという、この点の判定を下すのは、運輸大臣がこれを決定いたしますので、あるいはうわさに聞いている十線ばかりという点につきましても、最後的には運輸大臣がその点の決定をいたしますので、その十線ということも、はたして十線になるかどうかということも、わからないのであります。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 しかしこの案をつくるのには、現実の問題があつて、現実の問題を法律的にしなければならないことから、この案が出て来るのであつて、ただ抽象的なものから案が出て来るはずはないのです。またこの中には陳情その他のことがあつたと書いてあつて、今の十線ということになるのでありますから、提案者自体の中には十線というものを具体的に持つておらなければならないと思います。こういう線があるのだからということで、場合によつてはその線についてわれわれが調べてみて、なるほど国営でやつているより、民の方に移した方がいいということが実証されて、初めてこの案に賛否が出て来ることになるので、どこか一つでも二つでも、十線があるということであるならば、具体的に示していただけば私は非常にいいと思います。

坪内八郎自由党

○坪内委員 その点はたいへんむずかしい質問でございまして、大体この原案を起草いたしますについては、十線というようないわゆる希望会社が、かつて第五国会におきまして、この法案が議題となつて提案されましたときにも、そういつた線で出ておつたのであります。この点につきましては、先ほど来あるいは提案理由で御説明申し上げております通り、その判定を運輸大臣が運輸審議会の意見を徴して決定いたしますので、そういつた構想のもとに、この法案を立案をして出しておりますけれども、はたしてそういうことになるかならないかということは、われわれは想像することができないのであります。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 この点はどうも私了解できないので、やはり法律案として出て来るときには、具体的事実の累積の上に、法律化した方がいいということになつておると思います。従つて具体的事実というものが、公共の利益に合致する限りというものが、相当提案者の方においてなければできないはずであつて、もしかりに抽象的なことでもつて法案がつくられるということになりますれば、法案の価値というものが非常に薄らいで来ると思います。やはり現実的にあつたものを累積されて法案にする、こういうことでなければならないと思いますので、ぜひその点を明白にしていただきたいと考えます。  それから監督局長にお願いしておきたいのは、戰争中統制をしたものの中で、ただ戰争のためという観点から考えるばかりでなくて、社会共公の利益という観点から考えて、非常に有利なものがあつたと私はいえると思います。たとえば鉄道のごときものは、反面から考えれば、戰争のためもあろうけれども、社会公共の交通機構が一つのものに統制をされて行く。国民の足がまちまちにならないで、一つのものの中に統制されて行くという形は、必ずしも悪い傾向のものではなかつたと思うのであります。それから電力の統制、豊富にして低廉なる電力を供給するという意味合いから、日本発送電株式会社ができ上つたことも、やはり社会公共の利益から考えて、この統制それ自体が悪いとはいえないと思うのであります。従つて鉄道当局は、今やつておる形態がら分離されて行く形態が社会公共のためになるか。今のものを育成して行くことが公共のためになるか。この観点を明らかにしてもらいたいと思います。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 非常にむずかしい御質問だと思いますが、戰争中に買收いたしました鉄道は、戰時立法に基いて買收したわけではございません。ただ戰争中でもございますので、軍事上の必要性が全然なかつたとはいえないと思いますが、しかし買收理由は個々の線について一々述べられておるわけであります。あるいは資源開発なり、あるいは重要物資の輸送計画、そういつた観点から、国鉄として一体的に運用することが合理的である。大ざつぱに申しますと、こういう事由によつて買收されておる、こう申し上げたいのであります。戰争が済みまして、現在におきましてその買收した鉄道を拂い下げることが、妥当かどうかという御質問でございますが、これはこの法律がもし通つて、そして個々の申請があつた場合に、個々の鉄道について判断される問題であろうかと思うのであります。きわめて抽象的に申しますと、戰争中に軍事上の必要のみによつて買收されたわけではないのでありまして、ただいま申し上げましたような資源開発あるいは交通便益に資する、こういう点がう十分あるのでありまして、そういう点はなお現在におきましても残つておる鉄道が大部分であるのではないか、こういうふうに考える次第であります。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 私のお聞きしておるのは、この法案が通つたときのことをお聞きしておるのではなくて、この法案を作成するにあたつて、その鉄道の管理に当つておる鉄道の当局者は、一体鉄道は一つの企業体として統一する方がいいと考えているのか、また分離的傾向をたどつて、私鉄のような傾向のものが――今でもあるのだが、今後それ以外にふえるような傾向というものがいい傾向と考えるか、悪い傾向と考えるか。鉄道を管理している立場から、この立法について率直な意見を述べてもらいたいというのであります。これは遠慮する必要はないのです。というのは、出す方も一つの信念で出しておるのだし、われわれもやはり信念をもつて聞いておるのだし、あなたも信念で言われて、それが一体となつていい法律ができるのだから、何も遠慮されないで言つていただきたいと思います。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 国会で提案になつた法律案でありまして、そうした点につきましては、国会で十分に御審議を願いたいと考える次第でございます。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 国会で法律をつくる場合において、最も利害関係が強いというよりも、管理者の立場から、本法律についてはいかような考えを持つかという参考意見を私は求めておるので、これは当然国会にまかすということではなしに、やはり企業体であれば、統一がいいとか、あるいはそれは分離してもいいのだとか、こういう答案が出て来なければならぬはずだと思います。もしこれを言えなければ、職務に忠実でないゆえんだろうと思います。こういう点はやはり遠慮しないで、はつきりものを言うところに、私は立法府の権威があろうと思います。この点をぜひもう一ぺん答弁願いたいと思います。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 買收当時の理由を申し上げまして、現在の実情として、買收当時の理由が、その実情としてもなお妥当しておるという実情を、御説明申し上げたのでございますが、それ以外にわたる件につきましては、国会の御論議におまちして、遠慮をさしていただきたい、こういうふうに考えます。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 そうすると、こういうぐあいに私了解しておきます。これは戰争の必要のみで統一をやつたのではないのであつて、資源の開発と交通の便益といつたような観点から行われておつて、その理由は何ら消滅しておらない。従つて現在においても当局側においては、分離する傾向には反対であるというように私は理解をいたしまして、こういうぐあいに一方的でなく、最後に言われたことは、さように私はとりますから、確認を申し上げておきまして、そのこと自体が、本立法の提出理由が削減される結果になろうと、私は存ずるのであります。  それから一番重大なのは、運輸審議会の内容によつて――この法律がかりに通つたと仮定をいたしまするならば、是非を決定するのは、運輸審議会の議に付せられるということになろうかと思うのであります。運輸審議会の構成というものは、どういうようになつておるかということを、聞かしていただきたいと思うのであります。これを利用する側の代表が入つておるが、なおかつこれに関連する一番大きな問題は、職員の異動の問題が非常に大きな問題になるのであります。かりに国鉄で働いておつた人が、小さな会社に移譲されるときには、そのときの待遇に相当する待遇を保障しなければならないという十二条の規定はございますけれども、結果から見れば、大きな企業体の中にある者と、小さな企業体の中にある者とは、自然先を考えれば待遇の低下ということになつて、現われて来ようと思うのであります。そういうことも審議しなければならぬことに私はなろうと思うのでありまして、運輸審議会の内容については、当然従業員の代表者、労働階級の代表者というものが入つてしかるべきだと思いますが、そういうものは入つておるのでしようか、伺いたい。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 運輸審議会は御承知のように、運輸省設置法の第五条に定められておりまして、公共の利益を確保するために、一定の諮問事項について公平かつ合理的な決定をさせるため、運輸審議会が常置されておる。この一定の諮問事項につきまして、運輸大臣が必要な措置をする場合に、その運輸審議会に諮るということになつておりまして、その諮問事項は第六条に掲げてございます。御質問の要点は、いかなる人をもつて運輸審議会が構成されておるかという御質問のようでございますが、運輸審議会の構成は、委員が七名で構成をされております。そのうち一人は運輸次官をもつて充て、あとの六人は年齢三十五歳以上の者で、広い経験と高い識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命するということになつております。特にそこに労働代表が入つておるというふうな考え方でなく、この六人の人が現在のところそれぞれ任命されておる。こういうふうに簡單に御説明申し上げます。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 そこで私お伺いしたいのですが、世の中の構成を考えてみれば、やはりこれがいい悪いは別として、持つている者と、持たないで労働を提供して、それで賃金をもらつておる者のあることは、事実だと思うのであります。そこで輿論を構成する、あるいは公正なる議論を出す場合においては、公正適切ということになると、各界から出た代表が集まつて、公正なる意見が現われて来ると思うのであります。労働階級の代表を入れないということは、公正なる意見ということにはならないと私は思う。それではその公正なる意見を代表するということには、その条文通りの解釈はできぬと思うのでありますが、どうでしようか。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 現在委員は両議院の同意を得て、先ほど申しました広い経験と高い識見を有する人が、任命されておるわけでありまして、特にただいま御質問の、公正なる意見に労働代表を入れなければいけないのではないかという点については、公正なる意見ということの内容の御解釈の問題と思いますので、政府委員でなく、提案者の方にでも御質問願いたいと思います。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 あなたの話を聞いておると、あなた方が両院でもつて委員をきめるときに賛成したのだから、責任はあなたの方にあるのではなかろうかというふうに感ぜられるわけです。なるほどわれわれ議会において認めた結果にはなつておるけれども、これはまあ問題が出て来たときに、紛糾を避けるという意味から、われわれが政府から提案されたときには賛成することもあるので、案外われわれの方から言えば、運輸審議会のときには反対をしたかもわかりませんが、今私は記憶がございません。しかし今回この法案が通つて、これが執行されるということになれば、当然そういう運輸審議会の内容というものについて、公正妥当な――ことに利害関係から行けば、従業員にも及ぶということになるのだから、そういう立場のよくわかる労働代表を加えてしかるべきだという議論が出て来ると思いますが、それはどうですか。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 実は少し言葉が足りなかつたので、恐縮でございますが、私どもが申し上げましたのは、この公正妥当な判断という、今回御提案の法律の中の言葉の解釈に関連すると思いますので、御提案者の方に御質問を願いたい。私政府委員として運輸審議会の現在の構成の説明でなく、そういうふうに申し上げたわけでございます。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 私の聞いておるのは、運輸審議会の内容を聞いておるのであつて、その公正妥当というような意見を構成する場合には、当然当局の方で運輸審議会の内容をかえてしかるべきではないか、こういうことを聞いておるのであつて、提案者にそのことを聞いておるわけじやない。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 運輸審議会に対する運輸大臣の諮問事項は、第六条にいろいろあげてあるのでございますが、大体陸運、海運それぞれに対する運輸大臣の行政措置に対して、許認可の前提になるいろいろな内容の判断が非常に多いのでございます。従つてそれらに対する公正判断ができる広い経験と高い識見を有する者、こういう建前から現在の委員がおそらく選定をされておる、こういうふうに考える次第でございまして、その運輸審議会のそうした構成を前提として、今回の立法について提案者が御判断になつた、こういうふうに考える次第であります。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 私の申し上げるのは、これに関連して運輸審議会の内容のことを聞いておる。従つてこの案と、運輸審議会に関する限り私の聞いておることは、必ずしも関係がないということで御答弁願いたい。というのは、高き識見ということを言えば、あなたの話を聞いておると、労働者の代表は高い識見がないように聞える。これは高い識見を持つておる者は今の労働階級には大勢おるので、やはりそういう点を頭の中に入れてお考えを願いたい。またたとえばあれの中に国鉄従業員というような立場の人でなくて、あるいは日通の従業員というか、ああいう人たちも関與してもいいような事項が相当ある。運輸に関する経験からいえば、相当関連したものが多い。われわれも一ぺんあなたの方ではありませんが、大臣に陳情したことがございまして、当然労働代表をその運輸審議会に入れてしかるべきではなかろうかということを、今までやつて参つておるので、自然この機会に公正妥当なる輿論をつくるためには非常に必要ではないか。ことにこの法案が通つて、労働条件の引継ぎ等が行われる場合に、みんな資本家の立場に立つような人たちばかりが運輸審議会におつて、そのときはぐあいのいいようにきめるが、あとになつてずつと低下されるということでは困るから、その点で法案が通つたときには、やはり内容をかえるということにしなければならぬのじやないかということで申し上げておるのであります。これを御了承願いたいと思います。  それからもう一つお伺いをしておきたいと思いますのは、あなたが考えて、「公共の利益に合致する限り」この条文に当てはまるような線が一体あるかどうかということを、あなた方は一体どう考えておるか。私は今の構成が、公共の利益に接近しておつて、かえつて公共の利益に適しているので、公共の利益に適する限りにおいては拂い下げなくてもいいという結論も、私は立つのではなかろうかと思います。やはり公共の利益とともに、反面においては、戰争中幾らか安い値段で買收されたものだから、それで安く買收したいという意図が動いておるので、その意図の方が大きいのであつて、その公共の利益に合致するというのは薄いように私は思う。今の形態でも公共の利益に合致しておるが、会社経営がいいということで、みんな利用者からわけてくれという要求があつたかどうか。問題は鉄道の分離をきめる場合には、利用する側が一体わけていいかどうかということをきめて、利用する側がやはり会社経営の方がよつぽどいいということになれば考える余地もあるけれども、利用する側からあなたの方にわけてもらいたいという陳情があつたかどうか。また公共の利益に反するようなところが、国営ではあるかということをひとつ聞かしてもらいたい。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 拂下げの陳情が利用者の側からあつたかどうかという御質問につきましては、私はつきりした記憶がございませんが、二、三沿線の町村長から陳情のあつたのもあるようでございます。ただ公共の利益に合致する限りというのに該当する線があるかどうかというお話でございますが、この法律案によりますれば、譲渡申請がありまして、その内容についていろいろ将来の実際上の運輸の計画なり、あるいは改良の計画なり、その会社の運営の計画が出て参り、あるいは譲渡価額がいかにあるかという、そういう具体的な問題ともあわせてにらんで、具体的な場合についてそれを判定する問題であろうと思いますので、ただいまそれに該当する線があるかどうかということを申し上げるのは困難かと思うのであります。しかし抽象的にはこの法案拜見して、われわれとしては公共の利益に合致する限りというのは、全体として国民の利益に合致する、国家全体の利益の観点からながめる、こういう意味であろうかと考えておる次第であります。ただしかし現在それに合致する線があるかどうかという御質問に対しましては、ただいま申し上げましたような意味で、私ははつきり御返答はいたしかねます。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 私の伺つておるのは、今の国鉄の経営及び国鉄の事業というものは、公共の利益に合致しておると思うのです。従つて合致しておれば、分離される必要はないということになる。従つて合致する限り、あなたの考えでは分離して行かなければならぬとお考えになりますか。これは合致しなければ分離するということもあり得るけれども、あなたは監督者の立場にあれば、合致しておれば分離しなくても、今の現状がいいということになるのではないか。それを聞いておる。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 その点大局論から申しますれば、国有鉄道の経営は公共的な利益ということを追求して経営がされておる。またそういうふうに努力しておるということは申されると思うのでありますが、しかしこの法律の御提案の御趣旨は、それの個々のある一部分をとつた場合に、それを拂い下げて、そうしてそこになおもつと具体的にその将来の拂下げを予想して、将来の計画と現在とを比較してなおよくなることがあるんじやないか、こういう意味の御趣旨だと考えまして、先ほど申し上げたような御返答をいたしたわけであります。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 そうすると提案者に伺いますが、結局公共の利益に合致する限りという意味は、主としてただ経営形態を昔のものに返せということが重点であつて、公共の利益ということは重点に考えておられぬと思うのですが、法律というものは一面において個人の利益を代表することはもちろんであるけれども、社会公共の利益ということが立法の中心でなければならぬと思う。しかしこの法律の第一条には、公共の利益に合致する限り拂い下げろというのであるから、拂い下げるのが重点であつて、公共の利益は現状も維持されるということになると、立法そのものが非常に個人的利害関係者の立法になるような気がするのですがどうですか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 お答えいたします。淺沼委員のお話を承つておりますと、現在の国鉄の運営が完全に公共の利益に合致しているという前提のもとのお話のようでありますが、われわれはこの法律によつて譲渡を受けた会社がこの鉄道の運営をいたしますと、さらに現在国鉄がやつている以上に公共の利益に合致するという信念のもとに、提案をしておるのであります。そこでこの公共の利益に合致する限りということは、この第一条にうたつてある重要な条件の一つであります。さらにこの機会に一言お話し申し上げたいと思うのでありますが、先ほど足羽監督局長のお話では、戰時中政府が買收したこの法案の鉄道の線は、まつたく文字通り戰時中政府が戰時体制の遂行上買收したのではなくして、その他の面ももちろんあるというお話であつたのでありますが、われわれの調査する限りにおいては、これは完全無欠戰時中に政府が戰争遂行上必要と称して、買收したものであるというように考えたのであります。あわせて参考までにお答えしておきます。

淺沼稻次郎日本社会党

○淺沼委員 もうやめますが、そうするとこの法律の条文にもつと公共の利益が増進するというようなことが、どこかになければならぬはずだと私は考えるが、この中にはどこを見ても公共の利益に合致する限りやるということになつている。  もう一つお聞きしておきたいのは、「今次の戰争の必要に基いて」この「必要に基いて」ということは、監督局長のお話を聞いておると必ずしもそうでないということになるから、条文それ自体の中に、もう当局側においても妥当でないというものが盛られているということも考えられるわけです。しかしこれ以上は、私だけ独占してもいかんと思いますからやめておきます。  それで私は最後に委員長にお願いしておきたいことは、私が言うのは少しどうかと思つたのですが、さつきから言おう言おうと思つて遠慮申し上げおつた。それは專門員の地位、これは田中君から指摘されましたからなんですが、やはり一ぺんどういうぐあいな專門員の運営がいいかという問題、專門員が――公聽会で自分の知識を拡充するために、公聽陳述人から聞くというときはいいけれども、どうも政府委員の立場に立つてやるということになると、反対党の者は專門員に無視された形になつて、両方に知識を提供してくれればいいが、原案作成にあたつて知識を提供して、われわれの方からのものは押えるということになると、あとに問題を残すような気がいたしますから、ほかではなされておらずに、初めてここでなされたと思うのでありますが、その点はひとつ将来何かうまく運営をして、持つている知識をわれわれに提供してくださることは異議のないことでありますが、何かほかの方法でやつて、一方の肩を持つというようなことにならないようにごくふうを願いたいと思います。

前田郁自由党

○前田委員長 議員立法がだんだんふえて参りますので、專門員の立場というものがどういうふうになるかということは、ただいま論議されておるところでございます。参議院あたりでもたびたび專門員が出て、補助的に答弁をされることもあるわけであります。今後委員長会議、議院運営委員会あたりで十分研究されると思いますが、ただいまの御意見は十分に了承いたしまして、私ども努力いたしたいと思います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 私大蔵委員でありますが、連合審査会でございまするので、大蔵委員の立場からの質問にできるだけ限定をして、提案者がそこまで考えておらないというような問題につきましては、関係の政府委員から御答弁を願いたいと思うのであります。  まず私ただいまわが党の淺沼委員からの質問と若干ダブるかもしれませんが、提案者にお伺いしたい点は、この法律はこの間の太平洋戰争の遂行の目的のために政府が買い上げたものを、戰争が済んで平和な状態にもどつたのであるから、いわばそれを元の形に復元するということが、根本的なねらいのように提案説明からうかがつたのでありまするが、私はこの考え方は一面の理があると思うので、賛成をいたしたいと思うのであります。そういたしますと、私提案者にお伺いをしたいのでありまするが、戰争遂行の目的のために国が召し上げたということになりますと、たとえば尊い人命を初めといたしまして、これは数限りないものがあると思うのであります。ところがそういう戰争犠牲者というようなものが、平時になりましても、今日国からその償いをされておるというようなことを、われわれは聞かないのであります。戰争で私も弟がフイリピンで行方不明にだつたまま、いまだに帰らない遺家族の一人でありますが、弟がどういう状態でフイリピンで最期を遂げたであろうかということを思い浮かべるたびに、やはり戰争の罪悪というものに対する限りなき忿懣を感ずるのであります。最近でも国会の周囲にほとんど毎日のように、いわゆる傷痍軍人諸君が来ておるのであります。かつては白衣の勇士としてもてはやされた諸君たちは、今日うすよごれた白衣に片方しかない足で、国会に自分たちに対する手当をふやしてくれという陳情に来ている姿を見る場合に、私はそういう戰争中国の必要ということで召し上げたものを、これを復元するということでありますれば、まずこういう気の毒な戰争犠牲者のために、何らか復元ができないといたしますならば――片方しかない足を片方つけてやれといつたところで、これは無理なことと思いますが、私はそういう面で何らか復元にかわるような措置を講ずることが、先決問題ではないかと考えるのであります。提案者はこうした法案を立案されるにあたりましては、そういう点に当然思いをはせられたと思うのでありますが、そういう面についてはどういうようにやるべきであるという建前から、この法案が立案されたかということについて、ひとつ立法の基本的な精神につきまして、提案者の代表者でありまする坪内君からお伺いをしたい。

坪内八郎自由党

○坪内委員 田中委員の今のお尋ねは、私もまつたく同感な点も多々あるわけであります。従つてこの法案の趣旨の説明あるいは弁明等につきまして、詳細に私は御説明申し上げたいのでありますが、もともとこの法案は去る第五国会におきましても議題となりまして、各党あらゆる観点から愼重審議いたしまして、特に田中委員は本会議でも反対討論をいたしておるという記録もありますので、相当にこの内容には通曉いたしておると思うのであります。従つてこの法案を立案するにあたつての考え方についてのお話でありますが、すなわち戰争中に犠牲を受けたものは多々あるから、そういつたものも救済するのが妥当じやないか。従つてこの法案でうたわれているところの、戰争中に接收された会社を救済する意味の法律案であるから、そういう点も勘案してやつたらどうかというようなお話でありますが、もともとこの法案の第一条にも規定してありますように、この法律は戰争中に接收、買收された会社を救済するということが第一の目的ではないのであります。この点が田中委員と私提案者との考え方の基本的な相違になろうと思うのであります。従つて公共の利益に合致する限り、これを元の旧所有会社に譲渡するのであつて、買收された会社を全面的に救済するという意味のもとに、この法律が立法されているのではないのであります。この点につきましては、この法律案が第一国会以来いろいろ各層あるいは関係会社から、陳情あるいは請願も出ております。さらにまた第五国会当時の委員会におきましても、あらゆる角度から検討されて来たのでありますが、とにかく田中委員のお尋ねは、あたかもこの旧会社を全面的に救済する目的のために、この法律案が立案されたかのごとき、いささか誤解しているような感があるのでありますが、われわれ提案者といたしましては、少くともその点には関連はありますけれども、それは主たる目的ではなくして、あくまでも公共の利益に合致する限り、それらの会社もそういつた関係に置かれて買收された会社があるから、何とか手心を加えて救済してやろうというような考え方であります。なおまたわが党といたしましても、戰争によつて犠牲となつたところのいろいろな関係者につきましては、御承知の通りわれわれは全面的にそういつた救済に努力をいたしておることは御承知の通りでございまして、そういう意味におきまして、われわれの考え方が多少田中委員の質問と違う点であります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 その点は第一条にやはり買收をされた当時の所有者、「旧所有会社又はこれと密接な関係のある会社等に」と「等」が入つておるわけでありますが、大体それを直接の対象にしておるということは、第一条からもうかがわれるのであります。それについては公共の利益に合致する限りという条件がついておるのでありまするが、やはりその点が出ておるのであります。しかもただいま坪内君が第五国会に出て、これは衆議院は御承知のように多数で通つたのでありますが、参議院でこれは握りつぶしになつたのであります。それから今国会は第十国会でございまするので、その間もしそういう痛烈な要請がありますれば、次の国会にも私は出そうなものだと思うのでありますが、しかもこれは五月の十六日に、むしろ会期が延長された後に出て来たということにつきましては、前の第五国会に出られたときにも、拂下げを受けようとする熱烈なる希望を持つておる方面とこの法案との関係において、諸説紛々たるものがあつたのでありまして、私はそういうようなことは、これはやはり国会の権威の上から見ても、立法の権威の上から見ても、誤解を一掃しなければならぬと思うので、むしろこうしたりつぱな鉄道を持つておつた――たいてい法人でありましようが、そういう関係よりもむしろそういう救済ということの一面があるといたしますならば、もつと先にやるべき面があるのではないかということを考えまするから、この点申し上げたのでありますが、その点は戰争犠牲者の徹底的な救済ということについては、提案者も全面的に賛成せられておるようでありますから、私はその点については深く追究はいたしません。  それでは次に公共の利益に合致する限りということが条件になつておると、ただいまも述べられましたので、この点は確かに提案の説明の中にも入つておるのでありますが、たとえば鉄道国有の原則に反せず、かつ公共の利益と合致した限りにおいて行うということになるのであります。しかし私は大体こうしたことで譲渡を希望しておる路線というようなもの、こういう法律が出る以上、譲渡した方がいいと提案者の方においてお考えになる路線というものが、おのずから明確になつておるからこういう法律が出て来ておるので、それがまだ明確じやないから、一ぺん委員会をこしらえて審議してみたらどうかということであれば、これはおのずから別問題であると思うのであります。こういう法律が出された以上、二十二線のうちで何線かは、やはり民間に拂い下げた方がいいのじやないかと、提案者自身お考えになつておる具体的な路線があると思うのであります。従つてそういう路線は、提案説明によりますると、鉄道国有の原則に反しないし、かつ公共の利益と合致するという条件に当てはまると思うのでありますが、二十二線のうちで、そういう法律の対象となつて拂下げを具体的に審議せられる路線は、具体的にどういう路線があるのでございましようか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 詳細にわたつては堤專門員からも御説明させたいと思いまするが、目下のところは、第五国会で希望いたしました九社十一線の線があるわけであります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 足羽管理局長も見えておられるので、私はお尋ねしたいのでありますが、そういたしますと具体的に、第五国会に出た九線のうちには南海鉄道から買收をいたしまして現在国鉄の阪和線になつておるものがありまするが、国有鉄道ではこういう路線は民間に復元してもいいというふうにお考えになつておられるかどうか。現在国有鉄道の経営の立場から、また国鉄の管理という立場から見て、この路線は公共の利益上国有鉄道が引續き経営するよりも、民間に譲渡した方がいいというような限界線に来ておる路線であるかどうか。それをひとつ経営者の立場からお聞かせを願いたい。われわれは国鉄の管理当局あるいは国有鉄道の経営当局者を、このいわゆる立法の過程における論争の渦中に巻き込もうということは考えていないのでありますが、少くともあなた方の立場は、法律で保護されておるのであります。従つてわれわれが示す路線については、国有鉄道の経営と公共企業体としての経営の見地から、現在の段階においては、管理当局なりあるいは国鉄当局としてどういうふうに考えておるかという点は、これはあなた方の身分には何ら影響しない問題でありまするから、ひとつ大胆率直に具体的なところをお聞かせ願いたいと思います。

足羽則之運輸事務官(鉄道監督局長)

○足羽政府委員 ただいま阪和線についての御質問があつたわけでございますが、国鉄当局としては、おそらくあれを買收に応ずる、拂い下げるという気持ではなかろうと、運輸省といたしまして考えております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 かりにこの法律案が成立いたしましたならば、運輸審議会にも諮りまして決定をされることだろうと思うのありますが、われわれこの法案の賛否をきめる上から見まして、やはりただいま御答弁いただいたような形で、責任のある立場で――少くとも現在の段階において、やはり当然国有鉄道の能率的な運営で、公共企業体としての実績を上げるということを主眼としておるわけでありますから、そういう立場からの意見を、これからあと申し上げることについてもお述べいただいていいと思う。かりにこの法律案が成立いたしましたならば、具体的にそういうことできまつて来るわけでありますから、その過程においてはあなた方の現在の段階におけるお考えは、率直に述べていただきたいということをあらかじめ希望しておきます。  そこで提案者にお伺いしたいのであります。戰争遂行の目的のために買收したということが、あらゆる路線について完全無欠というくらい共通した事情であるということを、先ほど坪内君から述べられたのでありまするが、各路線について、いわゆる戰争目的遂行のためということになると、きわめて広汎な内容を持ちますから、私はそういうことが各路線について共通した事情であるということを認めるに、実はやぶさかでないのであります。しかし先ほど足羽局長がお述べになつたように、当時戰中でありまするために、戰争目的に集中されましたけれども、戰争目的遂行という大きな抽象的な表現の中には、当然資源の開発あるいは交通路線の整備というような事情が含まれておるのでありまして、ただ單に軍事上の目的というような意味だけで、路線が買い上げられたものではないと私は思うのであります。この点提案者も私も、いわゆる戰争目的というものについての考え方について、根本的に隔たりはないと思うのでありますが、念のために坪内君の御意向を伺つておきたい。

坪内八郎自由党

○坪内委員 そういう関連もあることは、田中委員のお話の通り、私も同感な点もあるわけであります。しかしながらわれわれの調査する限りにおきましては、この十八年、十九年以外に国鉄が買收あるいは接收いたした路線につきましては、御承知の通りそういつた意味の国鉄の計画敷設に合致した面もあるのでありますけれども、少くとも今計画いたしておりまする十八年、十九年における路線は、完全に戰争遂行上買收されたと、かように考えておる次第であります。

前田郁自由党

○前田委員長 田中君にお願いいたします。実は提案者は三時過ぎに参議院の方にモーターボートの提案者として、説明に行かなければならぬのですから、なるべく提案者に質問していただいて、政府委員に対する質問をあとにしていただきたい。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 私は太平洋戰争というものは、戰争をしかけるべきところでないところに、戰争をしかけたということがいけないのだということになると思うのであります。それで戰争目的遂行のために買い上げたものを、その戰争がいけなかつたのだから、それを返すということの理由でありまするが、最近講和以後の日本の安全保障の問題等が、盛んに論議せられておるのであります。議会政党の一つには、はつきり再軍備を唱えるものも私はあると思うのであります。しかし国土防衛ということは、ただ單に軍隊を持つとか持たないとかいう問題ではない。そういう見地から見まして、またほんとうの意味の国民生活の安定をはかるということは、わが党の立場から言えば、国民自衛力の根源であるという考えを持つ次第であります。そういう点から見まして、ちようど戰争中の軍事的な目的と、実質的には同じような新たなる要請が、今日起きて来ているという事実は、再軍備に賛成すると反対するとの立場を問わず認めなければならぬと私は思う。そういう意味で、先ほど具体的な一例として出しました阪和線の関係等につきましては、これはやはり国内の治安維持という見地から考えましても、将来の日本の国防あるいは安全という見地から見ても、ほぼ戰争中の軍事上の必要と匹敵するくらいの、あるいはより以上のものを現在もなお持つておるのではないかと私は思うのでありますが、そういう事情は当然公共の利益というものに、私は含まれて来ると思うのであります。その意味で戰争目的の遂行のために買い上げられたものを復元するのだという、一つの立法の趣旨があるわけでありまるすが、そういう問題は、現在の事情に当てはめて、これは広く言えば公共の利益ということになると思うのであります。そういう観点から、やはり国内の治安上あるいは今後の日本の――これは軍隊を持つ持たぬは別問題といたしまして、国家の安全を確保するというような関係から見た輸送路線というものを考えて行くべきだと私は考えるのですが、その点はいかがですか。

坪内八郎自由党

○坪内委員 今のお話はよくわかるのでありますが、そういつた関係も、やはりわれわれはこの第一条の目的を遂行する上において、関連して行われることであろう、かように考えておりまして、これの立案にあたりましても、やはりそういつた田中委員と同じような気持も大いに持ちまして、この法律を立案いたした次第であります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 この点は、かりにこの法律案が提案者の期待しているように成立しました場合の具体的な問題に当つて、当然考えられる点でありまするので、それ以上問答を續けようとは考えません。そこで私は提案者から、ごく概括的でもけつこうですから、お答えを願いたいと思うのでありますが、提案の説明の二ページの四行目に「そこでこの際これを民間に拂下げることは、地方交通の利便の増進並びに国及び地方公共団体の財政の改善にも大きな寄與となるものと考える」ということがありますが、こういう考えが出たにつきましては、特に後段の国及び地方公共団体の財政に、これを拂い下げることが、どういう形で寄與するということをお考えになつた上の提案でありまするか。ひとつお答えを願いたいと思うのであります。

坪内八郎自由党

○坪内委員 この法律案が今次第十国会に提案されまして、前の第五国会の法律案と違つた点は、今のお尋ねの一点もあるわけでございます。すなわち前の法律案には、国及び地方公共団体の財政の改善に寄與するという項目はなかつたのであります。このたびの法律案にはその点が一項目加えられておるわけであります。この点につきましては、詳しくまた專門員からも、御要求がございますれば、御説明申し上げることにいたしまするが、国及び地方公共団体の財政の改善に寄與するという点は、これがそれらの関係所有会社に譲渡されたあかつきには、国には法人税とか、地方公共団体には固定資産税とかいうような財政の收入があるから、そういつた点から自治団体の財政に寄與することになるのだ、こういうふうに考えております。

前田郁自由党

○前田委員長 ちよつと速記をとめて。     〔速記中止〕

前田郁自由党

○前田委員長 速記を始めて。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 あとの法案審議の関係がありますので、運輸省当局なり、あるいは国有鉄道公社の方から、資料として出していただきたいものがあるわけなのであります。それは譲渡価額の問題に関連をして来るのでありますが、営業收入及び最近の損益関係だとか、従来の建設費、それから鉄道経費というものは出ておりますけれども、大体現在の公社の立場から見た時価というものの評価をされておるだろうと思うのであります。マイル当りの單価でもけつこうであります。そういう関係の資料を出していただきたいと思います。それからもう一つは、これを買い上げた当時、公債でたしか支拂われておると思うので、前のその公債は、現在引續き買い上げられた対象の会社が保有しているか、あるいは現在もうすでに処分されておるかどうか、そういうことに関する買上げ代価の資料は出ておりますけれども、そのうち公債で支拂つたものが、現在所有関係でどういうようになつておるか。主としてその点に関しまする資料を、ひとつお願いしておきたいと思います。それから最近の物価の情勢で新規に建設をするといたしますならば、現在この法案の対象になるであろうと考えられるような路線について、時価で建設費としてどの程度のものが現在の建設工事関係から見て予想されるかということを、各路線についてひとつ資料を出していただきたいと思います。

前田郁自由党

○前田委員長 それでは連合審査会はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後三時十五分散会

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