運輸委員会 第32号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/05/26
会議録
○前田委員長 これより会議を開きます。 港湾法の一部を改正する法律案を議題といたします。昨日提出されております各修正案について、御質疑のある方はこれを許します。——質疑もないようであります。本案及び修正案に対する討論は通告がありませんので、これを省略するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前田委員長 それではさよう決定いたします。 これより港湾法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず岡田君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
○前田委員長 起立総員。よつて本修正案は可決いたしました。 次に玉置君提出の修正案について採決いたします。本修正案、賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
○前田委員長 起立総員。よつて本修正案は可決いたしました。 次に可決した各修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
○前田委員長 起立総員。よつて修正部分を除く原案は可決いたしました。従つて港湾法の一部を改正する法律案は修正議決いたしました。 なお本案に対する委員長報告については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前田委員長 それではさようはからいます。 —————————————
○前田委員長 次に道路運送法案、同法施行法案、自動車抵当法案、同法施行法案、道路運送車両法案、同法施行法案を一括議題といたします。質疑を續けます。
○齋藤(博)政府委員 一昨日大澤委員からの御質問に対しまして、政府として研究いたしました結果を御報告申し上げます。法人税の更正または決定の場合は、国税徴收法第三条の納付期限はどうなるかという御質問でございましたが、財産申告書を提出した場合におきまして更正がありましたときは、申告税額に関します先取特権に関しましては、法人税法の第二十六条に規定するところの法定納付期限からさかのぼりまして、一箇年前に設定されました抵当権が優先いたすことになつております。更正後の追徴税額に関する先取特権につきましては、法人税法第三十三条に規定いたします納付期限、これは更正通知をいたしました日から一箇月後が納付期限になりますが、その納付期限からやはりさかのぼつて一箇年前に設定された抵当権が優先するということに相なります。従いまして申告税額と追徴税額の問題を別別にわけて、それぞれ納付期限から一箇年前の抵当権と比較して検討するわけでございます。以上お答え申し上げます。
○大澤委員 自動車抵当法第四条に対する当局の説明をただいま伺いまして了承いたしました。
○滿尾委員 運輸大臣にお尋ねをいたします。道路運送法の適用方についての大臣の御心境をせんだつて伺つたのでありますが、その後政府委員と累次の質疑を重ねました結果、再び大臣にこの法律の適用方についてお伺いいたさねばならぬことを痛感するに至つたのであります。この法律の各条章の審議をいたしましたところ、政府委員の答弁により明らかになりましたところによりますれば、この法律は現在のわが国のきわめて健全なる国民的常識に照して、非常に非常識的な画を含んでいるのであります。この法律は一般刑法と違いまして、いわゆる自然法的要素を持つているものではない。いろいろと自動車運送に関する法律制度をつくりまして、人為的な規定をつくつておられる。つまり約束事をたくさんきめておられるのであるが、その約束事の運用にあたつて、政府委員の説明によりますと、相当に国民の常識に反するかのごとききらいのあるものを含んでおります。従つて私は、法律の運用はどうしても国民の健全なる常識と一致した結果を得るのが最も望ましいと思つておりますので、いろいろ技術的な制約の結果、常識に反して、善良なる国民が知らないうちに法律に違反するようなかつこうにこの運用を持つて行くことは、非常に危険であると考えますが、大臣はこの法律運用にあたつて、常識的な解釈をおとりになるお考えがあるかどうか、そのことをまずお伺いいたしたい
○山崎国務大臣 私がお答え申し上げるまでもなく、法律の運用は、その当時の民情、民度、常識の範囲内でこれを行わなければ、法律のほんとうの効果をあげることができないということは、これまた常識に属すると考えるのであります。もちろん常識の外に出て法の運用を適用するということがあれば、迷惑するのはひとり国民ばかりではなく、運用するそのものも、はなはだ迷惑を生ずるわけであります。御説の通り法律は常識の範囲内において、常識の限度において行うべきものであると考える次第であります。
○滿尾委員 大臣から常識的に運用すべきであるという御答弁を得まして、非常に満足に思う次第でありますが、三、四の点につきまして、この道路運送法の適用上において、常識より逸脱するおそれのある点に触れましてお尋ねしたいと思います。 第一は、第百一条の「自家用自動車は、有償で運送の用に供してはならない。」という条項であります。政府委員と累次の質問を重ね、この有償というのはどういう意味かと私はお尋ねしたのであります。ところが、政府委員の言われますには、これは一切の報酬を含むのだ、たとえば山間僻地におきまして、バスの便もなければトラツクも近在ない、たまたま製材所のトラツクが一台ある。あるいは山奥の鉱山の車があるというような所におきまして、帰り道でトラツクに人が便乗する場合もありましよう。ある場合には荷物をちよつと託する場合もありましよう。かような場合に、あるときにはお礼としまして何がしかの金を払う場合もあるだろうし、かきの一かごをお礼として差上げるということもあるだろう。また山間僻地でなくても、ある工場が自分のうちのトラツクがきようはぐあいが悪いから、隣のトラツクがあいているときに、ちよつと貸してくれと頼む、あとで使つたガソリンを現物でお返しするというような場合もあるだろうと思う。そういう場合にかかるものは一切有償であるから、百一条違反になる、こういう政府委員の御答弁であります。私はこの答弁を聞いて非常に遺憾に思う。それでは運輸大臣というものは、日本中に営業トラツクをまんべんなく配置せられる責任がある。営業トラツクの営業所を各県、各都市、各部落に至るまで利用し得る状態をつくつて後でなければ——この第百一条の有償という意味をしかく厳格に御解釈になるならば、これはまつく善良なる国民をして、意識せずして法律違反の境地に追い込むことになる。かようなばかげた法律運用をお考えになつているといたしますならば、私はこの道路運送法に絶対に反対を表明せざるを得ない。実はこのことは年来論議になつているところでありまして、第五国会において私が運輸大臣に質問をいたしたそのときは、有償という字句ではなかつた。対価ということが書いてあつた。その対価というものはどういう意味かと大臣にお尋ねしましたところ、大臣は本条にいう対価は運送給付に対する反対給付であるが、單なる偶発的なものではなく、相当に継續的性質を持つている意味である。またしかも当該運送行為に対する経常的経済收入とみなし得るものをいう、たまに頼まれてもともと商家がかつたおそれさえなければそういう心配はないので、偶発的なもの、たまたまのものにつきましては国民の常識に照して考え、それは法律違反という解釈をするには当らないのだという御答弁でありまして、昭和二十年七月十五日に自動車局長は、その解釈を全国に出しているわけであります。これによりまして私は、現行道路運送方につきましては常識的解釈の限度を保持するということにして、われわれも了承しておつたのでありますが、先般の政府委員の答弁によりますと、今回はかようなあいまいなることをやめて、この有償の字句を改めた結果、自動車局長の通牒というものも廃止する意向であるという御答弁があつたわけであります。それではまつたくこの法律の運用というものは、国民の常識に反する、現在のわが国の実情に反しているということを痛感せざるを得ない。従つて本日特に大臣から、この点について常識的な解釈をせられるという御答弁を得られまするならば、私非常に仕合せと思うのであります。大臣の御所見を承りたい。
○山崎国務大臣 ただいま御指摘のごとく、しやくし定規で地方の状況をも、民情をも察せずに当てはめて行くということになると、運輸大臣は違反者製造の本部になつてしまうのであります。法の運用の妙はその人にありとも申しますが、それは臨機応変、都合のよいように法律を運用するという意味ではなく、その状況に応じて常識の範囲でこれを判断して、政府者もその支配を受ける国民大衆も、常識の範囲内においてこれを円満に遂行していくということでなければ、法律はきわめて有害になる場合が多く現われて来るように考えるのであります。たとえばお話の山の中に一軒の製材所がある。たまたまトラツクが一台あいている、どうせ里に出るから乗つて行け、それでは里で何かお礼に心づけをしようというようなことは、まつたく継續的、計画的な対価をとつて運搬するという意味とは違うように考えられます。その辺のところは、一々こういう場合にはどう、ああいう場合にはどうといつて、列挙して明らかにしておくわけには参りませんけれども、その辺のところはお互いに国民の常識の範囲内においてわかることであろうと考えるのであります。私どもはなるべく、法律家ではありませんので、わかつたことはあまりこまかに規定せずに、その末節の方は適当に、その土地々々によつておちつくところにおちつけたらよかろうと考えるのであります。同じようなことでも北海道の山間部とあるいは信州の山間部、あるいは関東のこの辺の山の中と、その状況によつて、また国民大衆の考え方によつておちついたところでよろしい、北海道にこの例があるから、関東の平野において必ずこうなければならないというふうなしやくし定規の政治をやらずに、こういう面においては、もう少し幅のある考え方で行くならば——どうせ法文は人間のつくつたもので、不完全にきまつている。人間の生活は千態万様、ほとんど名状すべからざる複雑な生活をお互いにしているのであります。これを限られたる条文によつて規制して行こうというのでありますから、末節の方はできるだけ国民の常識でこれを解決して行くということでなければ、法治国というものは煩わしい国になつてしまうだろうと思うのであります。どうかこういう点は国民の良識の判断で、官民ともに調節をとつて行つたならば、法の欠陥を補つて余りあると考えるのであります。こういう心持で法の運用をして行くことを、常識の範囲内において法は運用すべきものであると、前にお答えしたような次第でありますから。おそらくこの点は滿尾委員におかれても私と同感であろうと想像いたすのであります。
○滿尾委員 大臣から常識的な見解をとるというお話で、非常に満足したわけでありますが、実際問題としては、私は非常に危惧の念を持たざるを得ない。なぜならば、大臣の手足となつて行政をつかさどつておられる方々は、なかなか大臣の言われるような常識を持つていない人が多い。ことに末端に行きますとまことにしやくし定規で、そこへ持つて来て多少外部的にさようなことを刺激する面もある。従つて特にこの点について大臣から、部下の行政機関を訓育していただかなければならぬことがあるのでございます。この条文は、実は私修正案を出したいと思つた。たとえばだれかが三越でたんすを買います。そうすると、たんすは重いから持つて帰るわけに参りません。当然配達を頼みます。三越はあれだけの企業体でありますから、トラツクを持つている。その自分のトラツクで配達の運送をしたら、この法律違反になつてしまう。これは無理ではないか。配達についてよその営業トラツクを頼むことを、この法律は強制している。そういうことは常識に合わない。ところが政府委員が答弁いたしますことには、限定免許という制度がございますから、三越はあわせて限定免許の自動車運送事業者になつていただけばよろしいのでございます、こういう御答弁である。なるほど制度の上においては、それは一応逃げ道になりますが、しからば日本中のかような各種各様の自動車を持つている人が、ことごとく限定免許の出願をすることをこの法律は期待しているか。それは何万名、何十万名という者がみな限定自動車運送事業者になるということの御答弁である。かようなことはまつたく常識に反している。たとえば工作機械、旋盤をつくつている工場があります。旋盤ができ上つたからお得意まで届けよう、トラックの一台や二台は持つておりますから、お得意まで持つて行こうとする。そうするとその運賃の面におきましては、別にその点でもうけるという考えではない。コストだけいただいて配達すればいいわけであります。かような場合に、自分のトラックがあいておつても、営業関係のトラック屋に頼んで輸送しなければならぬということに、法律は規制している。ただで運送するならばよろしい。しかしそれは相当重量なものを、四キロなり五キロ、ガソリンを使つて運送しますものをただで配達するのは、常識に合わない。自分のつくつたもの、自分で販売したもの、あるいは修理加工した程度のものを、たまたま運搬の器具であるトラツクを持つておりますならば、自分の広い意味の営業行為、商行為の一部分としてその運搬の機具を使うことをなぜ法律は認めないか、かような常識に反した規定がこの第百一条にできている。この点について、多くの委員は自動車運送法のようなじみな事務的な法律については、あまり興味を持つておられないように私は拝見する。従つてこれらの点についてほとんど御質問がない、御存じがないうちにこれが国会の協賛を経て、りつぱに法律になつて実地に出て参りましたときは、国民生活を非常に圧迫する。少くとも非常に不便なものになる。健全な国民の常識をもつてしてはわからないことを、法律はいつの間にかつくつている。これらの点におきましては、私はどうしても第百一条の運用は常識的なわくを逸脱しないように、特に大臣から御訓令をいただきたいと思うのであります。 さらに私はもう二、三点伺つておきます。第百条というのは、自家用自動車を共同で使用する者は、運輸大臣の許可を得なければならぬと書いてある。これは驚くべき規定である。自動車を買うことは、一つの道具でございますから、当然これは自由に買える。その買つた自動車をあいこで使おうというときには、大臣の許可がいる。現在もやつている。現在は油の消費規正がありまして、重要な目的に油を使わせたいという制限をする時勢でございますから、ある程度そういうことをせられてもよろしいと思うのであります。しかし将来ガソリンが自由販売になつて、油も自動車もかつてに買える時勢になつても、二人であいこで自動車を使おうということになれば、運輸大臣の許可がいるということは、私は国民の常識に反すると思う。なぜかなれば、自動車は鉄砲を持つたり、何か危険な器具を持つのと違つて、單なる運搬器具であります。運搬の器具を二人であいこに使おうということを、法律が大臣の許可がなければできないということにきめますと、非常な行き過ぎで、憲法の財産権の侵害であります。そうすると政府委員の申しますには、いや所有権は制限しておりません。使う権利を制限しております。しかし使用権のない所有権というものは、内容のないからでございます。従つて使う権利を認めぬなら、所有権があつても何もならない。従つて使用権の制限というものは、これすなわち所有権の制限と考えて一向さしつかえない。従つて私はこの百条というものは、現在のように国家がガソリンの消費規正をしております間だけ、これをおやりになりますというなら納得できる。しかし将来ガソリンが自由販売になつたあとにおいても、それを享有しなければならないというお考えは、どう考えてみても憲法の精神に反している。ことに現在共有というものがどのくらいの件数があるかと聞きましたところ、全国で二百六十六件しかない。二百六十六件しかないというのは実に微々たるものである。許可しなかつたものは百件ばかりあるそうです。全国で三百六十件、これなんかも行政の末端におきまして、これを不当に抑圧するという考えが動いておりまするから、かように件数が少いのであります。かような程度のもので、現にどれだけ弊害があつたか。弊害があつた後に万やむを得ずしてこの百条ができますならば、了解ができる。どんな弊害があつたか。弊害のあつた例をあげると申しましたところが、それは具体的にあがつていない、弊害があるであろうというので、許可しなかつたのが百件に上つておるということであります。それをもつて国民の基本的権利に関係ある法律をみだりにおつくりになるということは、これはまた重大な間違いである。少くとも常識的な行き方でない。ここに道路運送法の第二の欠陥がある。この点につきまして大臣はどういうふうの御見解をお持ちになつておるか、御心境を伺いたい。
○山崎国務大臣 第百一条の場合におきましては。御指摘の通り運用の場合において、十分かような支障の起らないように、末端までその指令を発して、円満になめらかに法律を行うようにいたしたいと考えております。第百条の場合におきましては、これまた御指摘のように情勢が変化をしまして、ガソリンが自由自在に入手できるというような状況が生じましたならば、その場合において、政府においても十分考えることでありましようし、また改正の御発案を願つてもけつこうだと考えております。御指摘のような欠陥もしありとすれば、それらに対しましては十分な手配をいたしたいと考えております、
○滿尾委員 大臣にもう一言お伺いいたします。昭和二十四年の自動車局長の常識的な運用をせよという通牒を廃止するという政府委員の答弁でありましたが、これを現段階において廃止せられることは、これが廃止になつたのだからという反対解釈を、各行政機関に与えるおそれがあります。従つてこの自動車局長の通牒を廃止しないことに御決心おきをいただきたいと私はお願いいたします。
○中村(豊)政府委員 この通牒をこの前の答弁で廃止すると言つたわけではございません。ただこの趣旨が今度の改正法で相当受入れられましたし、また受入れられていない点は多少変更がありましたから、先般の通牒について検討しなければいけない、こういう趣旨で申したのでありまして、それをどういうふうな通牒にするかは、よく大臣の御指示もいただいて考えたいと思います。
○山崎国務大臣 先ほど来滿尾委員より帝識的の運用と言われ、大臣としてもそうあるべきであるということをお答えいたしたのであります。常識というものは、相当短かい時間の間にも標準がかわつて来るものであります。終戰直後における国情によつての常識もあります。だんだん経済的の秩序がその道に入つた後における常識の変化もあるのでございまして、常識も相当の進展過程をとつて来るものと考えますから、三年前、二年前の常識も相当の進展過程をとつて来るものと考えますのは、こういう場合においては変化を来した場合もあり得ると思います。私はその通牒の内容を、正直のところ詳細に承知しておりませんけれども、常識といつても、今日あるいは今日以後の情勢に応ずる常識でなければならないかとも考えておりまして、もちろんそういう場合においては、あらためて出し直す必要も起つて来る場合もあろうかと考えております。日本の現状のような変化のテンポの早い時代においては、常識論も、さらにまたそれらの常識的な判断を加えた後でなければ、ほんとうの常識であるかどうかも、論点のわかれるところであろうとも考えられます。これを十分考慮いたしまして、善処いたしたいと考えております。
○滿尾委員 これは大臣からきわめて異な説を承るのでありまして私はまつたく了解しがたい。なぜかならば道路運送法は、いろいろ国民の経済生活に関する規定を盛つておるわけであります。現在わが国は資本主義的体制のもとにある。これが一変いたしまして共産主義の経済組織になりまするならば、お説の通り常識は変化いたします。しかしながら同じ資本主義的体制のもとにおきましては、日常の市民生活、きわめて大衆的な国民の経済生活の横行というものは、さように一朝一夕でかわるものではない。従つて大臣が今常識の内容は侍のよろしきに従つて変化するということは、まつたく私には遁辞としかとれない。はたして大臣は良心に照して、経済生活に関する一般の国民の習慣が、二年や三年でそんなに簡單にかわるとお考えになつておるか、あらためて御答弁を得たい。
○山崎国務大臣 滿尾委員は、私の申し述べておることを十分に御理解ができなかつた、あるいは言葉が足らなかつたかもしれません。資本主義あるいは共産主義、そういう主義に基く経済のあり方を論ずるのではありません。物資がはたして円満に普遍的に行き渡つておるかどうか、需要供給の関係におけるその国の状態によつて、その状況に応じてものの判断が行われて行かなければならないという意味を申し述べたのであります。すなわち特に終戰以来、経済的に混乱をしておつた時代、しかも今日のやや秩序を保つような状態になつて来た場合、こういうような時間的の変化に応じて情勢の変化に応じて、常識の標準も変化しなければならないという意味を、きわめて常識的に申し上げたつもりでありますから、さよう御了承を願います。
○滿尾委員 さらに私はこの法律が常識的運用によつて、生きるか死ぬるかのもう一つの要点を申し上げる。それは今回貨物運賃の現払いの制度をきめました第十条でございますが、この運賃の現払いのことを原則的におきめになりました。実行は物価統制令の関係で、あと一年か二年後になるだろうが、原則はこの場合におきめになる。このことは運送事業という一つのわく内で考えてみますと、バスもハイヤーもタクシーも大体現払いであつて、トラック事業だけが後払いになる。それが経営上の非常ながんになつておる実情は、私もよく了承いたしておるのでありますが、しかし目を広く国民経済一般に転じて見ますと、わが国の商取引は必ずしも現払いではない。大部分は後払いである。後払いというのは、これは普通の国民の常識である。ところがひとり運送事業に限つて、現払いを法律でもつて強制することがいいか悪いかというと、これは問題である。不幸にして当委員会におきましては、この点に対するところの論議があまり行われなかつた。これはやはりわれわれこの法律を制定いたしますことに関係する議員の一人といたしまして、愼重に考えなければならぬ問題だ。これほど大きな変化を及ぼす点は、今回の法律改正中これが第一等であるかと思う。しかもこの法律のきめ方を見ますと、第十一条以下におきまして相当にあいまいなる字句解釈のとりようによつてどうにでもなるような字句をもつて、現払いをしなくてもいいという拔け道がつくつてある。その結果はどうなるかと申しますと、ある特定の人はこの拔け道で、依然として後払いの特権を持つて行き、善意の大衆だけが現払いを強制されるということになつて来る。運送事業の公平の原則というものがまつたく乱れるおそれがある。従つてこの十条、十一条関係の将来の運用につきまして、当局としてはよほど御決心のほどがなければ、私は現在より悪いことになると思う。国民にこれを法律で強制するがいいか悪いかに疑問がある。さらにこれを実行した面において、非常な不公平な利用者の立場というものをつくり上げるおそれがある。大臣としてこの重要な事項に関しまして、どういう心境でこの法律を運用せられるつもりであるか、お伺いしておきたい。
○山崎国務大臣 この法律の原案ができて参りましたのは、後払いその他における弊害の面と、両方照し合せてこの原案ができたことと考えておるのでありますが、御説の通りもしこれによつて弊害が生ずるようでありますれば、将来において善処することにやぶさかではありません。
○滿尾委員 それでは常識的運用という面につきまして、特に大臣にお願いしておきたいことは、「運送秩序」並びに第百一条の「有償」という字句の解釈につきまして、常識的にこれを運用するという大臣の今の答弁の御精神を敷衍した通牒を、下部機関に徹底せしむるようにお出しいただくことをお約束願えますでしようか。
○山崎国務大臣 御趣旨ごもつともでありますから、さようにいたしたいと思います。
○滿尾委員 私は今度の常識論の域を脱しまして、別なことをお伺いしたい、道路運送法の第一条に「道路運送の総合的な発達を図り、」という目的を今回お入れいただいたことは、この法律を非常にりつぱにいたしたものと考えまして、しごく賛成なのでありますが、これに関連して一言お伺いしておきたいことは、現在資材の配給をやつておられる。ところがこの資材の配給が、見方によりましてははんぱな仕方をしておられるように思う向きがある。運輸大臣が、事業用といわず、自家用といわず、全体をひつくるめて、日本の陸上を走る自動車が一番うまく行くように、この総合発達というものを考えておられる御精神はりつぱでありますが、実行するにあたりまして、運輸省の設置法の中に、事業用の資材の配給についてめんどうを見るということが書いてある。ところがこの条文を読んで、運輸省の事務官級の人たちには、自家用の資材はここに書いてないのだからめんどうをみないのだ、こういう反対解釈をしておられる向きもあるやに見受けられる。ところが日本中を走つている自動車の数は、実は自家用車の方がよけいある。従つて大臣がそんな自家用車のめんどうを見ないということになれば、日本国中の自動車の総輸送力の過半について、めんどうを見ないことになつてしまう。まことに運輸大臣として職責を尽されるについて、遺憾であると考えるのでありますが、大臣は日本中の自動車全部がうまく走れるように、総合的な見地に立つてごめんどうを見ていただける御決心があるかどうか、もう一ぺんここで念を押しておきたい。
○前田委員長 政府委員に説明してもらつて、そのあとで大臣が答辯されるそうであります。
○牛島政府委員 自家用自動車に対しまして、資材あるいは労需物資をどういうふうにして配給するかというお話だろうと思うのでありますが、実際において自動車局で所掌いたしております労需物資につきましては「自動車局の所掌に係る事業の財務及び労務に関すること。」と設置法ではなつております。また資材あるいは燃料、タイヤ、チューブ等につきましては、その「事業」という字が何ら制限されておらぬわけであります。そこに設置法の面においては差があるわけであります。それで資材につきましては、自家用車といわず、一般事業用のものといわず、一定の方式に従つて公正にこれを割当てていることは御承知の通りであります。 それで御質問は労需物資について、たとえば炭鉱にある自家用自動車の労務員に対する労需物資を、やはり運輸省においてこれを配給すること、あるいはまた問題になりますのは、おそらく個人のお持ちになつておる自家用自動車に対して、どうするかということではないかと思うのであります。炭鉱等につきましては、通産省において炭鉱に従事しているところの労務員として、事業用の労需物資を受けておるわけでありますが、一般につきましては現在政府のやり方としてはないわけであります。 私どもとしましては、実際には御承知のように自動車局においてお骨折申し上げておるような関係もございまして、現在の労需物資の配給のやり方といたしますれば、自動車運送事業あるいは整備事業者に対する労務物資を、自動車局で配給することになつております。
○滿尾委員 私の申し上げまするのは、運輸省設置法の読み方の問題である。つまり大臣が総合的な発達を企図せられるものであれば、今の字句を例示的にお読みになるならば入る。一審目立つたものとして事業用の労需物資と書かれたものであつて、事業用云々と書いてあるのは、事業外労需物資のめんどうを見ないというように、これを制限的に書いたものと読めば、事業用のものだけに限るのでありますが、運輸大臣は一体運輸行政の総合的な視野を持つておるのか、あるいは限定的な狭小な視野をもつて運輸省設置法を読むのかの問題をお伺いしている。実情といたしましては、通産省あたりにいろいろ議論がある。議論があるが、実は自家用のものは、それぞれの主業の方で配給を受けておるではないかという議論になりますがこの指定産業は十六種類しかない。世の中の産業はもつと何百種類。何千種類とある。特に大きな部門におきまして、商業部門のごときは全然取上げられておらぬのです。ところが日本の経済機構におきまして、配給機関というものは重要なフアクターを持つておると思う。これらのものについて全然めんどうを見ていない実情でありますが、運輸大臣は総合的な視野から、総合的にめんどうを見る決心があるかどうかということを伺いたい。今の事務当局の御答辯のごとく、かように視野の狭い読み方をされることを、御是正になるお考えがあるかどうかということをお聞きしたい。
○山崎国務大臣 第一条に示してあります通り、総合的な発達をはかるのでありますから、運輸大臣としては、差別なく全面的にその発達を期するということは、申し上げるまでもないのであります。ただ今日の物資供給の関係等から申せば、通産省の場合あるいは安本の関係等もありますので、それらは別の問題として、運輸大臣としては総合的な発達をはかる見地から、全面的に差別なくこれを見て行きたい、そういう方針で今後も進みたいと考えます。
○滿尾委員 それでは運輸省設置法を例示的にお読みになると解釈してよろしゆうございますか、念を押しておきます。
○山崎国務大臣 その通りであります。
○滿尾委員 道路運送委員会の功罪についてお伺いいたしたいのであります。今日までの道路運送委員の実績を振りかえつてみましたときに、私はいろいろな批判が世の中に出ておると思うのでございます。従つてこのたび道路運送法の改正によりまして、委員が改選され、新しくなりますが、この問題に関して、大臣はどういうようなお考えで選任される御心境であるか伺いたいのであります。実は今回の法律によりますと、候補者二名を知事に推薦させて、その二名のうち一名を大臣が御選択になることになつておる。今までの実績に照してみますと、業者の利益代表がこの委員の中に占めておる割合が非常に高かつた。これは計算のしようによりますけれども、多少の間違いは含んでおるかもしれませんが、第一回に選任されましたときに、九十七人の委員のうちで、私の計算したところによりますと、業界と密接な関連を持つております者、少くとも過去においてそれと思われる委員が四十七人の多きに達しておる。ほとんど半分に近い数字を、業界関係の利益代表と目される者が占めておつた。従つてこの委員会の運用におきましては、まつたく新規のいろいろな免許の出願に対しまして、文句を出すという結果になりまして、特に最も著しい例は、一般貸切貨物の純粹の新規免許に対しまして、終戰後五年間たちまして、二十件しかまだ御承認になつておらぬのであります。私は戰後のわが国の経済の変動にかんがみまして、日本中で二十件の新規免許しか出さなかつたということは、機会均等、門戸開放の精神に反しておると思う。これは一つに道路運送委員の選任の方針、その運用が間違つておつたと私は断言いたします。このあやまちを運輸大臣は今回の選任において繰返されることがありますと、わが国の運送事業界というものは、依然として不明朗な現段階を逸脱することができない。従つて私は今回の委員選任に関しまして、どうしてもその点につきまして大臣の愼重な御考慮を煩わしたい。特に私の申し上げますことは、業者の利益代表はなくせよという意味で申し上げておるのではありません。ただ適当な比率にとどまることが必要である。半分近いということば絶対によろしくないと考えておりますが、この点について大臣はどういう御心境であるか伺いたい。
○山崎国務大臣 御指摘のような実情もあるわけでございますから、愼重な考慮を払いまして、厳正、同時に公平という点を特に今後においては留意して進みたい。かように考えております。
○滿尾委員 この法案におきまして、委員なる者と業界との関連を遮断する規定ができております。しかし私の見るところでは、これをもつてしてはまだ十分でない。実はやめたあと業界にただちに復帰するとこを抑止することがほんとうは必要である。かような考えを持つておるのでありますが、第百十条において、投資をしてはいかぬとか、報酬を受けてはいかぬとか書いてある。これはあまり心配はない。まさか現職中に業者から報酬を受けられることがあろうとは思いません。むしろやめた後にその運送会社に入るつもりで、免許をせられては困る。これらの点に一段のくふうの余地があるのではないか。少くとも今回の委員の選任につきましては、さようなおそれのある人物は排除せられることが必要だと思う。 次に角度をかえまして、委員の待遇はいかにも悪い。私は運輸省当局が、どういうわけで大蔵省から必要な予算を御獲得にならないのか、今もつて了解しがたい。委員は非常勤になつております。その点はよろしい。しかし現在のような委員の待遇をもつてしては、絶対に人材は得られない。のみならず、出張旅費その他におきましても非常に微々たるものである。はなはだしきは支払いが三箇月も遅延する。これでは善良なる委員がその職責を完全に果すことができない。かような無理な状態に委員を置きますことは、また外部の誘惑を誘発するおそれがある。運輸大臣としましては、ほんとうに陸運行政の明朗を期せられようとするならば、道路運送委員の待遇をうんと程度を上げていただいて、公正な職務に邁進し得るような環境をおつくりいただくことが、大臣の最も重要なお仕事の一つであろうと考える。ところが今日まで事務当局からいろいろ御説明を聞いてみますと、七百六十八万円ぐらいの予算しかとつていない。私はこれは運輸行政の一つの扇のかなめみたいな機関でありまするから、この機関が公正に働ける経済的基盤をつくつてやることが、大臣のお仕事としては一番大事なことだろうとお察しするのであります。この点について、必ず委員の待遇を改善するという御言明をいただきたいと思います。
○山崎国務大臣 お説の通り委員の報酬を多くする、待遇を改善するということも、確かに委員の質を向上して行く上において、仕事の能率を上げる上において、必要な要件であるに違いないのでありまするけれども、同時にまた、それのみが目的を達するゆえんでもないという考え方もあり得るのであります。私はあなたと今ここで議論いたすわけではありませんが、いずれにしてもそれらの委員の待遇は、ひとりこの委員ばかりでなしに、現在各省にある委員等も非常勤であるような場合においては、大体その標準限度があるような次第であります。御趣意に基いて改善をして行くことはけつこうであります。もちろん待遇をよくすることのみが、能率を上げるゆえんとは考えませんけれども、しかし待遇を悪くしておくことは、決して能率を上げるゆえんではないと考えますから、これらの改善について意を用いることには、今後も努力いたしたいと考えます。
○滿尾委員 私はただいまの大臣の御答辯に対しては、不満の意を表するものであります。道路運送委員の過去の運用におきまして、最大の欠陥は業者の利益代表が多過ぎた。従つて門戸を開放する努力が足りなかつたという点が一点、第二の点は、事務当局が必要な予算をとらなかつた。そのために活動が非常に不円滑になり、いろいろな判断の結果にも悪い影響があつたと思う。従つて委員の待遇改善ということは最も緊急に、最も御努力を傾倒しなければならぬ要点であると私は認識しておる。ところが大臣の御認識は、待遇を改善するだけが能ではない、ほかにもあるのだという程度に待遇問題をお考えいただいておつたのでは、将来の待遇改善はきわめて心細いものになるおそれがある。従つて私はあらためて大臣にもう一度、この予算の獲得について御自身が御出馬になるだけの熱意を示してやるというお約束をいただければ非常に幸甚であります。
○山崎国務大臣 それはあなたのおつしやる通りにいたしますと申せば御満足かもしれませんけれども、これは意見の相違であります。しかしながらお説を十分に考慮の上に、参酌して善処するということをもつてお答えといたしたいと考えます。
○柄澤委員 この法案について大臣にお伺いをしたいのでございます。終戰後運輸行政の上で大きな変革を行つたのが、国鉄のコーポレーシヨン化であつたと思います。この目的としておりますことは、自由党の考えておりますいわゆる国営事業を企業体に移すという大方針であつたと思うのであります。それが敗戰後のあの復興をしておりませんところの国鉄の上に持込まれたということが、決してこれがすべての事情ではありませんが、今度の事件などの大なる一つの原因になつておつたということは、見のがすことのできないことだと思うのであります。この点今度の道路運送法案の中にもうたわれておりますように、社会的な、経済的な、諸情勢がおおむね安定したという見通しのもとに、国会では非常に論議を尽された形で、公述人までお呼びになつたような形で、こういう法案が審議されておりますが、根本になつております情勢の判断を誤りますと、えてしてああいうふうな災害が今後も起るのでありまして、この見通しにつきまして、山崎運輸大臣は非常に良心的な誠実な大臣だということを、いろいろな委員会において私は承つておりまして、尊敬いたしております。ですからそういうお見通しのもとに、このような法律がまたきようも緊急上程されようとしておりますので、大臣の御見解を承りたいと思います。与党の大臣にこういうことを伺いますことはむだだと考えておりましたが、予算委員会の運輸の分科会で、運輸大臣としての山崎さんが非常に良心的な発言をなすつて、今日の予算というものは非常に行き詰まつていて、近く資材等の値上りのために予算を補正しなければならない、暫定的な予算であるということを認めざるを得ないような、非常に誠実な御答辯をなすつたのを聞きまして、私は一国の責任を持つた運輸大臣としてはそうあるべきである。池田蔵相のように、何でもかでもつつぱつて現実まで無視したような政策を押しつけて行くような態度では、とうてい責任ある、国民に信頼の置けるところの行政はやれるものではない。こういうように存じておりましたので、きようはちようど大臣のお顔をここで拜見できましたから、この判断のもとにおやりになつていらつしやるかどうか、承つておきたいと思います。
○山崎国務大臣 この法案を今日上程いたすに至りました場合における、日本の経済情勢に対する私の判断をお尋ねになるようでありますが、今日の日本の経済情勢は、先刻も申し上げました通り、終戰以来非常に急速なテンポをもつて、混乱窮乏の間から徐々に安定の方向に向つて進みつつあることを認めつ、その情勢の判断のもとにおいて、この法案を提出いたしたのであります。もちろん満足すべき泰平の時代が今ここにできておるという考えは持つておりません。経済情勢は日一日、年々歳々安定の方向に進むのであり、進ましめなければならないという考えのもとに、この法案を提出いたした次第でございます
○岡田(五)委員 大臣が御出席になつておりまするので、特に運輸大臣に一点簡單にお尋ね申し上げたい。第六条の自動車の免許基準について、特に乗合旅客自動車の免許について運輸大臣から御答辯を聞きたいのであります。 最近バスの車体は、大臣もよく御承知のように非常に大きくなりました。最近は幅が二メータ一半の大型の自動車が多数に使用されておるのであります。また自動車の発達の過程から推察いたしますると、私はますます大型の自動車が利用されることと期待いたしておるのであります。一方最近自動車事故がひんぴんとして起りまして、尊い人命が多数損傷しておるのであります。そういうような自動車の車体の推移、自動車事故の現状にかんがみまして、道幅の非常に狭いところ、たとえば幅員六メーター以下の道路に、既免許の乗合自動車業者がある場合、本法の第一条の、いわゆる公正なる競争の確保、こういう文句を利用いたしまして、新たに乗合自動車業者が事業の免許を申請いたしました場合には、これを免許しないことが最も適当である。かように考えておるのでありますが、これは非常に重要な事項でございますので、大臣はかような場合にどういうお考えをお持ちになつておりますか、この機会に御所見を承りたいと思います。
○山崎国務大臣 お答えいたします。お尋ねまことにごもつともと考えるのであります。それで六メートル以下の狭隘な道路に対し、一般乗合自動車運送事業の免許申請がありましたような場合、その審査にあたりましては、その道路にすでに一般乗合自動車運送事業者があるときは、御指摘のように事故の起る心配が多分にありますので運行の安全をはかり、運営の円滑を期するために、これらの事情を十二分に勘案いたしまして特別に愼重な取扱いをいたしたいと思つておるのであります。
○前田委員長 これにて道路運送法案外五法案の質疑は終了いたしました。委員長の手元に岡田委員より自動車抵当法施行法案に対し修正案が提出されておりますので、その趣旨説明を求めます。岡田委員。
○前田委員長 ただいまの修正案に対し御質疑はありませんか。これより討論に入ります。討論の通告がありますのでこれを許します。柄澤君。
○柄澤委員 私は日本共産党を代表いたしまして、道路運送法案を初め、陸上運輸に関する重大なる変革を伴う六法案に対し、簡單に反対の趣旨を申し上げたいと思います。 先ほど大臣に簡單に御質問したときにも申し述べましたように、ただいまの日本の情勢下におきまして、経済情勢、政治情勢が安定したという断定のもとにこの法案が出されたということは、まつたく欺瞞もはなはだしいものでございます。それは政府が現に示されておりますように、日本の危機ということを主張されまして、警察予備隊を増強されたり、あらゆるものが強化されました反面におきまして、政治、経済情勢が安定しておるという断定のもとに、こういう法案が出されておることに伴いまして、現実にはそれが末端でどういうふうに行われついるかと申しますれば、これは独占事業の助成であり、官僚機関のかつの独裁を強化することになり、さらに終戰以来最近になりましつ露骨に示されておりますところの、平和的な中小企業がこれによつ犠牲をこうむること以外にはないのであります。現実に青森のりんごが腐つておる。炭鉱で石炭の輸送がとまつおる。魚が輸送できず、国民の口に入らずにこれがやはり腐つておる。しかもそれに参加しつおる労働者諸君の生活の安定なしには、とうつい行政の円満な運営というものはできないのであります。先ほど滿尾委員も、待遇が保障されついない限り、行政面での実際の運営はできぬということを言われました。現に国鉄のあれだけの大事件が起きました原因を、与党の諸君も熱心に心配はされておりますけれども、運輸委員会の責任でないということが言えましようか。われわれにも責任の一端はあるのであります。この責任をわれわれは感じなければならないのであります。 ここで加賀山総裁に涙を流しつおわびさせつ、それで済むと思つたならば、われわれは政治を担当する資格はないと思うのであります。これはたびたび首を切り、修繕費を減らし、軍事輸送の貨車をふやしながら、客車の修繕をしないという、あの予算編成に対して与党がどれだけ協力されたかということは、実に疑問であります。こういうふうな戰時態勢に対して、いわゆる戰争放棄をした日本が、国連協力の名のもとにあらゆる独占資本に援助をし、輸送は軍事輸送に振り向けられようとしている今日の情勢において、この法案が施行された場合には、一体日本の国民生活はどうなるか。やはり先ほど申しましたように、港湾労働者が海の中へたたき込まれたり、労働者が責任者として法廷で調べられたり、三鷹事件で六三型があぶないと言つた労働者が死刑になつたりするのが日本の現状であります。ですから日本共産党といたしましては、さような法律が、経済状態が安定しているという断定のもつに今日出されることにつきましては、とうてい賛成することはできないのでございます。これをもつて簡單でありますが、反対の理由といたします。
○前田委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより道路運送法案、同法施行法案、自動車抵当法案、道路運送車両法案、同法施行法案について一括して採決いたします。以上の五法案を原案通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○前田委員長 起立多数。よつて道路運送法案、同法施行法案、自動車抵当法案、道路送車両法案、同法施行法案は原案の通り可決いたしました。 次に自動車抵当法施行法案について採決いたします。まず岡田君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○前田委員長 起立多数。よつて修正案は可決いたしました。 次にただいま可決いたしました修正案の修正部分を除く原案についつ採決いたします。修正部分を除く原案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○前田委員長 起立多数。よつて修正部分を除く原案は可決いたしました。従つて自動車抵当法施行法案は修正議決いたしました。 なお委員長報告については、委員長に御一任を願いたいと存じます。御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前田委員長 それではさようとりははからいます。 暫時休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————————————— 〔〇休憩後開会には至らなかつた。〕