両院法規委員会 第2号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/12/05
会議録
○会長代理(角田幸吉君) これより会議を開きます。 本日は衆議院の委員長が病気のため、理事の私が会長の職務を行います。 参議院の両院法規委員長釣木直人君から発言を求められておりますから、この際これをお許しいたします。
○参議院両院法規委員長(鈴木直人君) この前の会議におきまして、本日研究すべき事柄について決定をいたしました。それによりますと、第一は両院法規委員会においてへ第一回国会以来引続き研究あるいは審議決定をいたして参りました事項につきまして、これを総括的に復習するというような意味もあつて、衆議院及び参議院の法制局において、一見見やすいような表をつくつて来てもらうということにいたしたのであります。衆議院と参議院で相談された結果、この表を参議院の法制局がつくられまして、ここに提出されております。相当多くものがあるわけであります。これを分類いたしますと、いわゆる勧告をいたしました事項及び研究をいたしました事項になるわけでございます。この項目につきましては、別に皆様のところに御配付いたした書類がございますからこれによりまして、後刻懇談会等を開かれ、いろいろ御検討いただき、今後審議の上の御参考にしていただいたならと考えておるわけであります。 なお先般のお打合せにより、本日なすべき事項の第二といたしまして、今後両院法規委員会において審議すべき項目をそれぞれ委員の方が考えて来られ、ここで御発表していただき、さらに法制局におきましてもいろいろ研究されまして、本日の会議に提出していただくことになつておるのであります。このことにつきましてはお手元に御配付しておりまする衆議院法制局の研究事項と参議院法制局から出されました研究事項とがございますが、これにつきまして、十分お伺いし、研究に漕手すべきものをお打合せすることがいいのではないかと思います。 なお私自身といたしまして、あるいは参議院側と申して至当かもしれませんが、今回地方財政委員会から地方財政に関する意見書が政府を通じて国会に提出されておるのであります。これは地方財政委員会設置法の第十三條によつて提出されたのであります。大体平衡交付金を増額せよとか、あるいは起債を大幅にわくを広げるというような意味の意見書でありまするが、これの取扱いが本日午前中の参議院議院運営委員会において議論になつたわけであります。その結果従来勧告あるいは意見書あるいは報告書を受けたものがかなりあります。いわゆる法令によるそういうものがあるのでありますが、この勧告を国会が法律によつて受けた場合において、国会としてどういうふうにこれを取扱うかについては一定の考え方がないのであります。そういうことに関して、実は両院法規委員会が本日午後一時から開かれるから、そこでその審議の項目にこれを入れていただいて、両院法規委員会において勧告のことを検討いたしたいと思うと私が発言いたしましたところが、参議院議院運営委員会においては、どうか両院法規委員会においてもこれを取上げてもらいたい。それについて従来第一国会以来、国会に対する勧告報告等は、どういうものがあつたかということを調査して、皆様のところに御配付申し上げました。国会に対する勧告、報告等に関する調査表というものを作成したのでございます。これについての取扱いについても御研究をお願いしたいと考えております。なおこの表を速記録等に掲げることも御了承願い互いと考えて、おります。
○会長代理(角田幸吉君) 他に御発言はありませんか。他に御発言がございませねば、たがいま参議院の両院法規委員長の御発言は了承することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長代理(角田幸吉君) それではさようにいたします。
○会長代理(角田幸吉君) なお懇談会に入る前に、法制同からの提出事項について御説明を願いたいと思います。まず入江衆議院法制局長からお願いいたします。
○衆議院法制局長(入江俊郎君) 前会からのお話合いもございまして、両院法規委員会でさしあたり研究して行つてはどうかと思うような事項について、両院の法制局で一応参考の事項をつくつたのでありますが、衆議院側の事項についてきわめて簡粗に御説明いたしたいと思います。これらの事項は、第一国会以来両院法規委員会において調査し、あるいは勧告した事項の中で、まだ未処理になつておるような事柄も参考にしたわけであります。しかしそれらの事項は、いろいろな点においてこの際特に取上げるのもどうかと思いましたので、従来あまり触れられていないような事項について、研究事項として書き上げたわけであります。 第一の、国会の立法機能を増進するための具体策に関する件であります。新憲法になりまして、国会は唯一の立法機関とたつたのでありますが、現状としては、内閣提出法律案が非常に多数を占め、また重要程度においてもそれが多いのでありまして、これらは憲法の精神からしても、なるべく国会が自主的に立法するまでに趨勢を進めるべきではないか。これらは各委員においてもお考えになつておると思いますけれども、私ども両院法規委員会として、こういう趨勢を研究し、またその具体策を考えることも必要ではないかと考えられるわけであります。ことに先般議員がアメリカに参りましての報告等におきましても、その趣旨が現われております。そういう意味で、なるべく今後は原則として、内閣で立案したいと思うことも、議員の提出法律案として提出する慣行をつくることがいいのではなかろうか、それの可否、そういう手続をとつたならば、円滑に行くかどうかということが第一の問題であります。 第二の、條約と国内法との関係に関する調査及び講和條約締結に伴う国内法制の整備に関する予備調査の件と申しますのは、條約がいずれ締結になりますと、條約の国内における効力について、学説等もいろいろになつておりますので、それらの点もある程度調査し、條約が国内法と抵触する場合には、国内法をどういうふうに改廃して行つたらいいか。また改廃せずとも、解釈で條約に優先的に効力を與えるかどうか。これらも各委員会で研究する事柄であろうし、また国内法を見渡して條約との関連を考えるのは、法規委員会として適当な仕事ではなかろうかと考えるのであります。また條約締結の際の国会の承認ということが憲法七十三條三号にございますが、その国会の承認という場合も、その手続とかあるいは承認の慣行等について、国会としては十分研究しておく必要があろうと思います。そういう問題を考えたわけであります。それから講和條約締結に伴う国内法制の整備と申しますのは、講和條約が締結になりますれば、目王的な立場になりまして、最高司令官の命令というものはなくなると思いますが、そういう際は、「ポツダム宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」昭和二十年九月二十日勅令第五四二号というのがあります。あれが一体どういう効力を持つことになるか、あるいはそのまま効力を持つのか、失効するのか、それに基いて制定されたいろいろのポ政令というものはそのまま存続するのか、そのときに効力がなくなるのか、なくなるとすれば経過的な規矩をあらかじめ考えておく必要があろうと思います。そういつたことも各委員会に関連がありますが、国内法全般の立場から、両院法規委員会が予備調査をする必要はなかろうか、これが第二であります。 第三の法律の施行日の規整に関する件、その第一の、号外官報の発行の実情調査及びこれの是正方策でありますが、これについて最近二、三裁判になつたこともあります。法律が公布の日から施行されるというのに、官報の号外でそれを公布するのはずつと遅れて発行になつたことがございます。それでも法律は実施の日より効力を生ずるという立場になつております。こういつたことは法律の効力の面から見て不満の点が多いので、現実にどういうふうになつておるか、われわれの手元において調査する必要があるのではなかろうか。国民を拘束する効力を発生する時期を、国会としてはやはり見定めまして、これに対する方策も考える必要があるのではないか、これが第一です。第三の、国民に新たに義務または負担を課するような内容を持つ法律は、施行日までに国民に周知させる時間的余裕を與えているかいなかの調査でありますが、これは当然そうであるべきであります。実際におきましては時期の関係もあり、いろいろな関係から、大事な法律が公布の日から施行されて、ただちに国民が義務を負担したりあるいはまた公布の日に、及び接着した期間に施行されて、国民が思わない迷惑をこうむることもあつた、そういう実情を調査して、そこに多くの弊害を認めたならば、施行期日のきめ方等についても十分に考慮を促したらどうかというので、第二を書いたわけであります。 次に第四の各法律の罰則規定の調整に関する件でありますが、各種の法律が必要によつて急速につくられておる実情から見ますと、同種の事犯についても、刑罰の間に必ずしも均衡がとれていないように思います。これらはやはり横に並べて研究をして、将来の立法に資することが第一であります。第二の刑罰を科する場合に、過料の行政罰を科する場合があります。各種の法律を見ますと、ある法律では罰金を科しておりながら、同じような事犯に対する他の法律では過料を科することもありまして行政罰というものの性質及びその実際の適用関係等を調べて、将来における刑罰法令の適正を期する必要があるのではなかろうか。そういつた事項が考えられますので、御参考に申し上げておきます。
○会長代理(角田幸吉君) 次に参議院の法制局長から伺います。
○参議院法制局長(奧野健一君) 前会のおとりきめによりまして、両院法規委員会として取扱つて研究すべき事項として、参議院の法制局として考えました点を御説明いたします。 両院法規委員会として、大きな問題としては、憲法の改正ということについて日ごろ研究されることが一番適当であると思うのであります。現在そういう問題も起きていないようでありますが、一応憲法以下の法律制度の問題について研究事項を収上げ、ここに御報告申し上げるわけであります。まず第一に内閣総理大臣の指名手続の再検討の件、これは従来いろいろ問題がありまして、一応現在の議院の規則では、やはり指名さるべき人を選一棄して、その人についてさらに議決を行うという二段の手続になつております。これは指名選挙の場合と議決の場合とで、食い違つた例もあります。この点について学者の間でもいろいろ非難のある点もありますので、そういう点についてもう少ししつくりしたような方法がたいだろうかということで、再検討ということにして取上げたらどうかというわけです。 それから第三の議案の撤回に関する再検討の件でありますが、これは田会法第五十九條で、その議院の承諾を得て議案を撤回することができることになつております。ところが一院ですでに議決して通過し、送付等があつた後に、議案の撤回ということが許されないものであるか、あるいは先に議決した議院の承認を得れば議案の撤回が許されるものであろうかということも、国会法五十九條の解釈はきわめて不明でおります。そういう点も将来問題が起きるかとも思いますので、御検討願いたいと考えるのであります。 第三は継続審査案件に関する取扱いの再検討に関する件であります。一応議案は後会に継続しないのでありますが、継続審査をやつて後会に継続しますと、後会でさらに可決あるいは修正した場合に、前回の国会で議決した他院との関係はどうなるか、もう一ぺんあらためてその前の院にそれを送付して、さらにその院の可決を必要とするのか、要するに同じ会期で、両方可決されなければ法律案にならないのか。あるいはすでに一院で可決して他院で継続審査の場合、その院だけで可決すれば、会期は別であつてもいいのかという点がはなはだ不明でありますので、その点もこういう際に取扱つて、御研究を願つたらというのが第三であります。 第四は国会関係職員の委員会における発言を制度化することの可否でありますが、渡米議員団などの報告によりますとアメリカでは専門員が相当発言をしておるということもある。それらの点を法制化する必要があるのではないかというのが第四であります。第四にイとロとありますが、これはこまかい問題になりますから省略いたします。 その次が第五として参考人を制度化することの可否であります。現在証人ということで呼びますと、偽証の問題とかいろいろやかましい問題になりますので、参考人として委員会等で聞いておる慣例にたつております。これを法令的にもう少し明確化しないと、いろいろ旅費等の問題もあつて問題があろうと思います。そういうものを制度化することの可否を御研究願いたい。 次に第六といたしまして、参議院の連合委員会及び衆議院の連合審査会運営についての検討であります。この連合委員会あるいは連合審査会等についての規定が極めて不備でありまして、最近参議院でも連合委員会のときの定足数はどういうことを必要とするのかという議論もあり、あるいはまた連合委員会の規定は規則として一條しかありませんので、その運営について相当問題があるように考えられます。その点を明確にした方がいいのではないかということであります。 その次にその他といたしまして、直接国会法規に関係のあるものではありませんが、考えついた問題として、最高裁判所において懲戒裁判のできない事件につき、弾劾裁判所が懲戒処分をなし得るものとすることの可否、たとえば四人の小法廷で起きた問題がこの間ありましたが、大法廷で懲戒に値するような失策をやつた場合には、懲戒するものがたいのであります。そういう場合に弾劾裁判所、あるいは国会でそういつた懲戒処分をなし得ることにすることの可否であります。次にその二として、この前も問題になりましたが、各種の競輪とかその他の競技の立法が盛んになつて参りました。それをあまり無制限にいたすこともどうかという御意見がありましたので、その点もここに加えたわけであります。次に三として、将来における各種特別都市建設法の立法を抑制することの可否でありますが、最近盛んに特別都市法ができるので、あまりこれが乱立されることはどういうものであろうかという点について、御考慮を願いたいというのであります。次に四として、犯罪事実なきものとして不起訴処分を受けたものに対して、刑事補償をすることの可否でありますが、不起訴処分になつた場合に、刑事補償の道がないのであります。検挙された結果、不起訴になつた者も、勾留された者は、刑事補償の適用を受けるようにすべきではないか、こういうことについての可否であります。次に第五、裁判官訴追委員を参議院議員からも選挙することの可否でありますが、現在はすべて衆議院議員をもつて構成することになつております。その場合に参議院議員を加えてはどうかということの可否であります。その次に第六、財政法第十六條、第十九條の問題でありますが、国会あるいは裁判所及び会計検査院等の予算を提出して、大蔵省でこれを削減した場合、国会あるいは裁判所、会計検査院は要求帯を参考として添付して、国会に提出吊ることが財政法十九條にあります。むしろそれを逆にして、裁判所なり国会なりそういう独立機関の要求はそのまま予算に組んで、大蔵省がこれを削減すべきだという場合には、それを参考意見として国会に勧告し、その意見を付して行くべきではないか、こういうことも裁判所の判事等も言つております。そういうことも一つの問題として取扱つたらどうかというのであります。
○参議院両院法規委員長(鈴木直人君) ただいま衆参両院の法制局長からそれぞれの研究事項について御説明がありました。先般のお打合せによりまして、各委員の方からもこういう点について研究したらどうかということをお考えいただいて、それを発表することになつておりましたので、私は先ほど申し上げましたように、本日午前の参議院における議院運営委員会において、国会に対する勧告、報告等の取扱いをどうするか、そういう点を両院法規委員会において研究してもらいたいというお話がありましたので、この点も研究事項の中に加えていただいて、御相談を願いたいと思います。別表に国会に対する勧告、報告等に関する調査表というものが差上げてあります。この調査表をごらんいただけばわかると思いますが、勧告については、国家公務員法第二十八條に基いて人事院の給與改訂に関する勧告が、昭和二十三年十二月十日、昭和三十四年十二月四月、昭和二十五年八月九日と、三回に行われております。もう一つ地方行政調査委員会議の勧告でありますが、これは地方行政調査委員会議設置法第三條に基きましての国庫補助金等の制度に関する勧告であります。これは昭和三十五年の十月十八日に勧告されておるのであります。これにつきまして、過去においてそれぞれ衆議院、参議院においてやつて来たのでありますが、今までのようなやり方でいいかどうかという点も検討する必要があるのではないか。なお報告を国会に出さなければならぬということが、他の相当たくさんの法律の中にうたわれておるのであります。それはこの表にございます通りでございます。この表も参考のために速記録に載せていただきたいと思います。こういう多くの報告は、今まで印刷物にして各議員に配付されて、それでしまいになつておるように考えられるのであります。そういうだけでいいのかどうか、こういう点についても御研究をお願いしたらというので、調査表を参考のために持つた参つた次第であります。
○会長代理(角田幸吉君) ただいまの衆参両院の法制局長並びに参議院両院法規委員長の御提案を採択するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長代理(角田幸吉君) それでは採択いたしまして、その研究事項についてどういうものからやつて行くかというようなことを、あとの懇談会で御相談願いたいと思います。
○委員(加藤充君) この前の委員会に出まして、そのときの申合せもあり、ここで研究すべき問題として、両院法規委員会で取上げる問題があつたら、考えて持つて参つたらどうかというお話でありました。それで私の方でも、ふなれなもので、しろうとじみたことで、物笑いの種になるだけかもしれませんが、考えたことをひとつ申させていただきたいと思います。問題はポ政令の問題ですが、新しい憲法が制定され、憲法の前文あるいは憲法九十八條の関係から見て、これは重要な問題を含むと思うのです。ここで駄弁を要しませんが、旧憲法の時代においても緊急勅令というものがありまして、それは国会の事後承諾を本質的に要するものとされておつた。新憲法では緊急勅令は廃止された。その点をとらえれば、非常に特質だとも言えるわけだが、占領下にあるということで、ポ政令の問題が出て来るわけです。これについては、本国会でも冒頭から問題が起きました事例もあります。あとで事後承認を要しないし、その執行なんかにつきましても、財政面との関係、予算面との関係につきましても、国会は何ら審議を要しない。それきりで永久に事後承諾ということを必要としない建前になつておるのであります。これが問題だと思うのであります。とりわけそれは占領下の一現象だと考えてみましても、講和條約締結後において、これの効力あるいはそれ自体が消滅するのか、存在するのか。存住す石とすれば、どういう効力を持つておるのかということが、国会というものの性格、憲法上の建前からも問題になつて来ると思うのであります。先般の本国会の外交委員会でも問題になりましたが、講和條約締結後のポ政令の効力、その問題も漠然としておりますし、速記録で一応見た程度なんで、具体的につまびらかにはいたしませんけれども、そういう事例も起きているのであります。政府側の見解もありますが、こういう問題について国会というもの、同時に国権というものから、新憲法下における両院法規委員会がこれらをすべて取上げるとすれば、こういう問題もやはり取上げて行く意義のある問題ではないか。主観的に言えば、これも取上げていただきたい気持を私としては持つておるのであります。
○会長代理(角田幸吉君) 加藤君に御相談しますが、今のポ政令の問題は、講和條約締結後の問題でしようね。
○委員(加藤充君) 今申し上げたように、とりわけその点が問題になるということです。
○会長代理(角田幸吉君) それでは、そういう御趣旨はすでにその問題を研究することとして、衆議院の法制局から出ておりますから、提案の御意思を尊重いたしまして、慎重研究することにいたそうと思います。そういうふうに御了解願いたいと思います。他に御発言ございませんか――それでは御発言もないようですから、この程度にして懇談会に入りたいと思います。 ――――◇――――― 〔午後二時三十六分懇談会に入る〕 〔午後三時五分懇談会を終る〕 ――――◇―――――
○会長代理(角田幸吉君) それでは懇談を解きまして、会議を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時六分散会