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9回国会参議院1950/12/05

法務委員会 第4号

発言数
23
登壇者
5
会派数
3
開催日
1950/12/05

会議録

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) 只今より委員会を開きます。  本日は、先ず昨日付託になりました判事補の職権の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。政府より提案理由の御説明を願います。

大橋武夫自由党法務総裁

○國務大臣(大橋武夫君) 只今議題になりました判事補の職権の特例等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十六号)の一部を改正する法律案について提案の理由を説明いたします。  この法律は御承知のように判事補の職権の特例と裁判官の任命資格の特例とを定めたものでありますが、今回の改正の要点は次の三点であります。  第一点は、旧裁判所構成法による判事又は検事たる資格を有する者が(一)特許庁の審判長、審判官若しくは抗告審判官たる通商産業事務官又は(二)電波監理委員会の審理官の職に在つたときに、その在職の年数を裁判官の任命資格について裁判所法第四十一條、第四十二條及び第四十四條が定めている年数に通算するについて法務府事務官の在職年数と同じにみるようにすることであります。  第二点は、裁判所法による司法修習生を終えた者が前に申しました職の外、衆議院若しくは参議院の法務委員会に勤務する常任委員会專門員、同調査員又は衆議院若しくは参議院の法制局参事の職に在つたときに、その在職年数を前同様裁判官の任命資格に関する法定年数に通算するようにすることであります。  第三点は、旧裁判所構成法による判事又は検事たる資格を有する者及び裁判所法による司法修習生の修習を終えた者が前に申しました各種の職に在つたときに、その在職年数を、この法律の第一條の規定により判事と同じ職権を行い得る判事補として指名されるに必要な年数に通算するについて法務府事務官の在職年数と同じにみるようにすることであります。  以上申しました各職は、その性質がいずれも準司法的ないし法律專門的のものでありますので、その在職年数を法務府事務官の在職年数と同様に通算する事は相当のことと存ずるのでありまして、これによりまして裁判官に任命できる者の範囲及び判事と同じ職権を行い得る判事補として指名できる者の範囲を拡げ、もつて裁判官の充実に資するとともに、裁判官とこれらの職との間の人事の交流により円滑にならしめようとするものであります。  以上簡單にこの法案の提案の理由を申し上げました。なにとぞよろしく御審議の程をお願いいたします。

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) 次に政府委員より逐條の御説明を願います。速記を止めて下さい。    午前十一時十八分速記中止    —————・—————    午前十一時二十三分速記開始

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) 速記を始めて下さい。本案につきまして御質疑はございませんか。御質疑はないようでありますから、質疑は終局いたしたものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) 次に討論を省略いたして直ちに採決に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) 御異議ないと認めて採決に入ります。本案に御賛成のかたの挙手を願います。    〔総員挙手〕

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) 全会一致原案通り可決することに決定いたしました。  なお、本会議における委員長報告については、予め御了承を願つて置きます。御賛成のかたの御署名をお願いいたします。   多数意見者署名    齋  武雄  宮城タマヨ    棚橋 小虎  一松 定吉    長谷山行毅  鈴木 安孝    岡部  常  佐藤 義詮   —————————————

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) 次に法務総裁がお見えになつておりますから、法務総裁に御質義のお有りのかたはお願いいたします。速記を止めて下さい。    午前十一時二十七分速記中止    —————・—————    午後零時六分速記開始

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) 速記を始めて下さい。

一松定吉国民民主党

○一松定吉君 総裁に一つ伺つてみたいわけですが、どうも近頃逮捕状の発令が非常に多過ぎる。これは刑事訴訟法の規定にもあります通り、逮捕しなければならないという相当の理由があるときに限つて逮捕状の発令ができるわけであります。然るに何でもかんでもいい加減なことを書いて行つて検事、検察官が裁判官のところに持つて行けばその内容も十分検討せずして、どしどし逮捕状を発令する例が近頃非常に多い。これは人権尊重という今日の建前からいたしますれば、甚だ以て人権蹂躙である。こういうようなことについては法務庁としては相当の内訓を発するとか、或いはそういうようなことがあればその理由を問い質すとかして、やはり人権尊重の実を上げなければならないと考えるにかかわらず、却つて最近逮捕状の濫発が多いということが一つ。  それから次には御承知の通り逮捕状を発令したときには 十日間内に起訴しなければ釈放しなければならない。若し特別の理由があるときには更に十日間継続することができる。然るに近頃検事局のやりかたを見るに、お前は事実を否認しておつて認めないからお前はどこまでも帰さぬというようなことで、黙秘権のある被疑者が黙秘する、或いは検事の要求するような事実を認めないということによつていつまでもこれを留置して、十日の期間が済んでもやはり又続いて逮捕状を要求通り出す。こういうときにいわゆる裁判官は独自の立場において、果してこれが十日間継続する必要がありや否やということを十分検討した上で出さなければならぬに拘らず、やはりこれも濫発して、検事の要求通り出す。こういうような裁判官があると、いわゆる裁判官に対する國民の信頼というものは高まらない。裁判官の待遇をよくして神様のごとき裁判官を必要とするというような声が薄らぐ。従つて裁判官に対して俸給を高く他の官吏よりも上げなければならぬというような声が薄らぐ、それではいけない。裁判官は本当に大所高所から見て、神のごとき考えを持つて事件を処理することによつて國民の信頼を高め、そうして裁判官に対する信用が厚くなる、従つて待遇もそれにつれて他の官吏よりもよくしなければならぬということになるのです。然るにそういうような態度が近頃どうも軽視されておることを私は甚だ遺憾に思つておる。これはやはり検察庁において裁判官に対する捜査権、命令権もありませんけれども、いわゆる最高裁判所のほうでこういう点について十分御留意を願いたい。  こういうことを私は考えておると同時に、近頃捜査官、殊に警視庁の捜査などというものを見てみると、お前はこれの事実を認めないから根こそぎお前をやつけるぞ、お前の商売が立ち行かないようにやつけるぞと関係者を端からから呼んで、そうして調べる。そうすると新らしい疊でも叩けば塵が出る。それではいけないから俺の言うことを認めろといういわゆる強迫誘導ということに至らざるなしであります。こういうことを新憲法及び刑事訴訟法の行われている今日に、到るところの警察官がこれをやつている。こういうことについて一つ相当にこれをお取締をなさる必要があると私は思う。この点は法務総裁は当然に御考慮をなさるべきことであろうと思いまするから、そういう点について一つ御所見を承わりたいのであります。

大橋武夫自由党法務総裁

○國務大臣(大橋武夫君) 只今一松委員のお述べになりました点につきましては、私は全く同感の意を表する次第でございます。先般教育委員の選挙の際におきまして、ある新聞の伝えるところによりますると、奈良県におきまして選挙運動に従事いたしておりましたる一代議士が、正規の文書でない、選挙法上のいわゆる違反に該当する文書であつたと思いますが、それを数枚頒布をいたしたというかどを以て逮捕せられたという記事があつた次第であります。これは所属ははつきり申上げますると共産党所属の竹村代議士であつたのでありまするが、この記事を見まして私は選挙運動の期間等におきましてかように軽微な事犯につきまして逮捕権を発動するというがごときことは、これは事の内容は詳細に分りませぬが、ただそれだけ聞きましたところではこれは非常な権利の濫用ではないか、かように思いたしましたので、直ちに所轄の検事局に対しまして詳細問合せましたところ、これは検事の指揮によらずに自治警察において請求いたした逮捕状に基いて逮捕いたした。こういうことが明らかになりまして、検察庁にこの身柄を送致されまし先ので直ちに釈放を命じたことがあるわけであります。  そのほか東京都内におきましても逮捕状の濫発に当るような事犯について伝え聞いたこともございまするが、その際に取調べましたところによりますると、或る民事事件と見るべき問題の解決に当りまして、その債務を履行せしむるところの原告的な立場にある人に一司法警察官が協力をいたすという意味において、逮捕状の発行をしたのではないかというふうなことを推測せしむるような事情が判明いたしたのであります。これにつきましては警視総監に希望をいたしまして、不当なる逮捕でありましたならば速かに釈放してくれるように、これは私指揮権がございませんので要請をいたしたことがあつたのであります。その場合におきましても早速釈放の運びに相成りました。それは元参議院議員をなさつておられたかたがその被害者であつたわけであります。  かような事犯につきましては、私といたしましても気がついてそれぞれ処置した事項でありまするが、併し私どもが気がつかない間に行われておりまする逮捕状の濫発ということは、これらの事例から考えましても日常相当多いではないかということを推察いたし得るのでございまして、これは人権の擁護の上から申しまして、又新刑事訴訟法の立法の精神から考えまして、由由しき重大な問題である。かように考えまして只今当局といたしましても如何にすればかくのごとき不当なる逮捕状の濫発を予防し得るかということを研究いたしておるのであります。私ども直接に指揮いたすことのできます検察庁に関する限りにおきましては、平生かような不当逮捕というようなことをみずから行いませんことは勿論、警察から送致せられましたる事件につきまして、不当逮捕なりと認められるような事態がありました場合においては直ちに釈放いたしますと同時に、将来かような事態のないように檢察庁としてでき得る範囲の努力をするように申しておる次第でございまするが、併しこれに関しましては、自治警察或いは裁判所等各方面の協力がありませんければ十分なる効果を期待しがたいことは、只今一松さんからお説きになりました通りでございまして、この点につきまして今後関係方面と協力いたしまして十分なる努力をいたしたいと存ずる次第でございます。

一松定吉国民民主党

○一松定吉君 法務総裁の御意見一々御尤もで私全くあなたに共鳴いたします。どうかそういう方針で、この人権の蹂躙が行われておることを一つ本当にお取締り願いたい。今あなたのお挙げになりましたのは参議院議員とか衆議院議員であるとかいわゆる社会上地位のある人に対しての問題であるが、地位のない人で逮捕状を濫発されて随分苦しんでおる人間が非常に多いのです。これを一つお考えになつてどうしたらいいかということを一つ御考究願いたい。我々もこの点についてはなんとかしてこれを是正しなければならぬと考えております。  次に裁判所のおかたが来ておられたら一つ伺いたい。今法務総裁が言われましたように、いわゆる逮捕状の濫発ということが非常に多い。それは裁判官が逮捕状をその内容も調査せずに要求に応じてことごとく出すという弊害の結果です。裁判官にもその責任がある。そういうような裁判官があることによつて逮捕状が濫発されるのである。逮捕状を要求されたときは十分調査の上で、これは本当に出さなければならん、刑事訴訟法の要求する相当の理由があるときに限つて出すということをしなければいかんと私は思うのですが、それに対する御所見を承わりたい。

岸盛一最高裁判所長官代理者(事務総局刑事局長)

○説明員(岸盛一君) 只今のお言葉は御尤もでございまして、私どももその逮捕状の濫発という声を耳にするたびに、その問題について相当深く考えておるのであります。そしてよく刑事裁判官の会同の際にその問題を口にいたしまして、この新憲法下の刑事訴訟法において、裁判所が令状を出すときはどういう態度でなければならん、新憲法下では裁判官の令状なくしては逮捕、拘留することができないという点を強調しております。それから捜査における裁判官のそういう面の司法的抑制の機能を十分に発揮しなければならん、そういう自覚をはつきり裁判官が持たなければならんということを強調しております。今後もそういう方面になお一層の努力を傾けたいと思いますから御了承願います。

一松定吉国民民主党

○一松定吉君 それで結構です。そこで私は法務総裁、裁判所のかたがたに急速にそういうような弊害を阻止するだけの適当な措置をとつて頂きたいと要求いたしまして質問を終ります。

鬼丸義齊国民民主党

○鬼丸義齊君 私は法務総裁に、私の重要だと感じまする二、三の点についてお伺いいたすつもりでありましたが、時間がないそうでありまするから、本日はただ一点だけを極めて簡單に申上げてお伺いいたしたいと思います。  朝鮮事変が起りまして後に、しばしば吉田総理みずからも、又政府一般としなければならぬということを、たびたび聞かされおるのであります。恐らく今日といえどもその方針には変りないものと思います。私の今日伺いたいと思いますことは、或いは法務総裁よりも吉田総理御自身に伺うのが本当は希望でありましたけれども、会期の切迫の折から御多忙でもあり、又総理の出席はなかなか容易ならぬように感じましたので、法務総裁を通じてお伺いいたしたいと思います。  朝鮮問題は中共の軍隊の突入によりまして今や全く超重大化しておるのであります。これに対しまする政府としては、國連協力の立場からして、如何なる態度、方策をとられておるかどうか。この点を先ずお伺いいたしたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○國務大臣(大橋武夫君) 朝鮮問題勃発に当りまして、國連におかれまして警察的措置として朝鮮に兵力を派遣せられるに至つたのでございまするが、これに対しましてはもとより我が國といたしまして直接その行動に対して協力するという方法は、勿論現在の情勢並びに我が憲法の建前から考えまして、あり得ざる事柄でございますが、併しながら國内におきまして國民が平和のために立上つたこの國連というものに対して、でき得る限り精神的に協力をして行くという線を打ち出して行くことは勿論でありまするが、又平和的な経済行動その他におきまして、國連に協力し得ることはこれをやつて行く。こういうふうな行きかたになつておるわけでございます。

鬼丸義齊国民民主党

○鬼丸義齊君 私の伺わんといたしますることは、國連に協力する意思ありや否やという問題ではなくして、協力するものであるとして一体どんな協力に対する態勢をお持ちになるかということを伺いたい。  中共軍の朝鮮問題に対しまする突入によつて、今まさに國連関係國としましては、殆んど政治家も又國民も全く非常な重要なこととして心配をされておりますることであろうことは、新聞を通じて承知いたしております。更に朝鮮問題のそれ自体のみならず、殊に我が國としましてもすでにその影響を受けて、先般来阪神地方、更に又総裁が衆議院においても御答弁になつておりますごとくに、関東方面にまでもまさに波及するというふうな勢情にあることすら御答弁になつておるようであります。かくのごとくしてこの朝鮮問題と日本との問題は、実にその利害関係の上におきましても重要なる立場にある。従つて國民も誰彼となく隅から隅まで本当に内心不安の念に駆られておる現状ではないかと思います。そこで私は、日本政治の最高指導者としての吉田総理として、この國際的重大なる時局に直面をいたしております、而もその直接利害関係を持ちまする我が國といたしましては、余りにも無感覚の感があるのではなかろうか、かように思うのであります。又余りにも消極的に堕しておるのではないかと思います。私はこの際総理大臣の名において、國民一般に対しましてこの切迫せる現実の姿を率直に、又條理を盡して許されまする範囲内において、日本國総理大臣としての見通しを明らかにして頂きまして、何人もこれに対しては従わなければならないのである。又その趣旨も政党の如何とかそういうようなことでなく、本当に國民全体が総理のこの意見には背くことができないというような趣旨の重大声明をこの際発してもらつたならばどうであろうかと、かように思うのであります。そういたしますることによつて、國民の不安の一部は除かれましようし、又同時に國論の統一をもできることではなかろうかと私は思います。この点に対しまして、総裁として如何なるお考えを持たれるか。ただ区々たる質問に対する応答くらいでなく、本当に緊迫いたしておりまする日本の立場として、この際一國総理としての條理を盡した重大声明を発して、國民と共にこの出来事に対して関心を持つて行くということが、私は國連協力に対しまする最も肝要なことではないかと思うのであります。若しこの趣旨に御賛同頂きまするならば、速かに閣議に上程されまして檢討を加えられまして、そうして総理の名においてこの重大声明を発して頂くことをこの際私は希望いたすのであります。今日の読売新聞の編年手帳を見まするにつれて一段とその感を深くいたしたのであります。ちよつと私は要点だけを読みます。「我々は何も吉田首相に対して毛沢東のところに行つて朝鮮の事態を何とかするように宥和をして貰いたいというようなばかげたことを言うものではない。日本の政治家に対してもつと敏感な國際的な政治感覚を求めたい。求めるのは勿論日本の政治家にこの感覚が欠除しているからだ。彼らのやることなすことをみていると、日本という國は國際政治の激流から超絶した無風帶のエデンの園にある、という錯覚に陷るからだ。超党派外交というのは講和が目当になつておるが、昨今の世界の風雲は講和などを吹き飛ばしてしまつたではないか。それならばなお更、戰火から日本を守るための超党派外交が、今こそ必要になつたのではないか。日本の國をどう持つて行くか。万一の場合無武装の、ノーズロの日本をどういうふうにして守るか。今日本人が直面している問題はこれだ。これ以外にはない、それなのに参議院は國会の審議権を無視して首相の演説を三日間も聞くことを拒絶した。そうしてこの首相の演説の中味なるものが又恐ろしく無味低調で、およそ今日のこの事態に対する警世の意気はゼロと来ている。のみならず絶対多数の與党はみずから國会審議権尊重決議案を否決して、おのれの顏に唾をひつかけておる。世界中の政治家が夜の目も寢ないで必死の努力と工作をしておるというのに、盛装の女秘書とアベック」云々というように、大分猛烈なことを書いておりますが、これはもとより一社の社説ではありまするけれども、併し我我として深く考えなければならぬ点ではなかろうかと思います。  で若し、私の只今申述べました点に対して、総裁は如何なるお考えを持つておられるであろうか。若しも御賛成であるとするならば、私は速かに閣議にこれを上提して頂きまして、そうして吉田総理の一段の積極的態度をこの際要望いたしたいと思います。総裁の御意見如何でありますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○國務大臣(大橋武夫君) 只今國連協力の態勢を整備することにつきまして、鬼丸委員より縷々お述べになつたのでございます。國連に対して協力いたしまするためには、先ずこの國連に協力して真に有効な働きができまするような我が國の内政の整頓を進めて行くと、これは先ず第一に必要なことであると存じまするが、それと共に今回の事変の國際的な性質、又これと國連との関係、又國連というものが如何にして何故に立ち上つたかというような事柄につきまして、十分にこれを國民に周知徹底せしめるという措置も必要であろうと思うのであります。先般外務省におきまして朝鮮問題につきましての解説的な文書を発表せられたこともありまするが、かような趣旨であつたものと了解をいたしておる次第であります。もとより我が國の現在の國際的な環境から考えまして、國連に協力し得る余地というものは、頗る限られておることは申すまでもないのでありまして、現実には司令部の要請に対して協力をして行くということが、何よりも國連に対して間接的な協力になることであろうと存ずるのでありまするが、特にこの司令部の要請に対して政府が協力をし、或いは國民が協力をする、これに対する一部の國民の妨害的な行為というものに対しては、これを十分に取締つて行くということも必要であるわけであります。私どもといたしましてはこの機会におきまする反米的な運動であるとか、或いは國内におきまする生産輸送等に対しまする妨害的な行為であるとか、或いは又治安を撹乱せんとするがごとき行為、これらに対しましては、嚴重に取締を期しておるわけであります。これと同時にこの際におきまして政府としてこの事態に対処すべき声明を発表することは、どう思うかという御質問でございましたが、かような声明を発表するということもその趣旨におきましては結構なことと存ずるのでありまするが、ただ併し、今日の日本の國際的な條件その他から考えまして、このことは非常に重大な問題と存じまするので、十分に考えた上で意見をきめたいと思つております。併し只今かような御要望のありましたということは十分総理にもお伝えいたし、又閣議におきましても適当な機会に報告をいたして置きたいと存じます。

鬼丸義齊国民民主党

○鬼丸義齊君 占領下にありまする我が國といたしましては、何としても政府が一番やはりすべての事情を御存じのはずであります。故に國民全体といたしましてはこの件に関しまする政府の一挙手一投足に対しましては、いやしくもいたしていないと私は思います。先般来、委員会或いは本会議等における総理の御答弁によりますると、政府としては新聞以上のことは知らないのであるというふうに、大体御答弁になつておるようでありますけれども、そうしたお座なりのことではなく、余りにも行詰つた、今日の日本の場合、國民全体が本当に不安に襲われていることにつきましては、一國政治を担当いたしまする最高指導者としましては、この國民の不安を幾分でも除いてやる、同時にその態度が占領政策に対しまして一体どんなアッピールをするか、その辺のことにつきましては、扱い上十分に考慮されて万全を期してなすべきことだと思います。一片の私は質問でなく、質問として軽くお扱いにならなくて、私は本当に憂國の声としてこの希望を申述べて置くわけでありまするから、是非速かに一つお取上げを願います。幸いに総裁も御同意下さるならば、これを実現されますように御盡力を願いたいと思います。私の質問はこれで終ります。

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) それでは速記を始めて下さい。

一松定吉国民民主党

○一松定吉君 私、委員長を経て議長にお願いいたしたいのは、目下各地における朝鮮人の騒擾事件について、衆議院ではすでに調査のために調査委員を現地に派遣して調査に従事しておりますので、参議院としてもやはり調査して相当の処置をとる必要があると思いますが、この点を一つ会議に諮つて頂きたいと思います。こういうことが必要であるということであればその手続を急速にとつて頂くことがよいので、これはよほど重大なことであつて、我々國民として晏如としてこれを見ていることができない。だからして警察及び檢察官がこの捜査に関係しておることについて、我々も十分その内容を知り、我々も蔭からこれを援助し、表からこれを引つ張り、そうして鎮靜の実を挙げるようにしたいという熱意のために私はお願いをいたします。

伊藤修日本社会党

○理事(伊藤修君) それでは今日午後から理事会を開きましてその方針をきめることにいたします。本日はこの程度にいたしまして、明日は午後一時から質疑を継続することにいたします。    午後零時四十三分散会  出席者は左の通り。    理事            伊藤  修君            宮城タマヨ君            鬼丸 義齊君    委員            左藤 義詮君            鈴木 安孝君            長谷山行毅君            齋  武雄君            棚橋 小虎君            岡部  常君            一松 定吉君            羽仁 五郎君            須藤 五郎君   國務大臣    法 務 総 裁 大橋 武夫君    (最高裁判所長    官代理者)       事務総局刑事局    長       岸  盛一君

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