郵政委員会 第1号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/12/01
会議録
○池田委員長 これより会議を開きます。 議事に入る前に、委員の異動がありましたから御報告いたします。去る十一月二十一日木村榮君が委員を辞任せられ、同日その補欠として柄澤登志子君が、また二十四日には高橋權六君が委員を辞任せられ、その補欠として岡村利右衞門君が、それぞれ議長において委員に指名いたされました。以上御報告申し上げます。 それではただいまより郵政行政に関し、当局より説明を聽取いたします。
○田村国務大臣 それでは私から郵政省における当面の業務概要につきまして御説明申し上げ、委員の皆様の御参考に供したいと思います。 まず最初に郵便事業について申し上げます。業務運営の状況は、第八国会の本委員会で御説明申し上げましてから、大して変化はなく、大体順調に推移いたしております。前会も申し上げたかと思いますが、施設面におきましては、郵便局舎の戦災復旧も一応終りまして、毎年新設もいたしまして、現在では昭和十九年に比べまして、簡易郵便局を含めて約一千局の増加となつております。また取扱い業務の範囲も、郵便送達の速度も、大体戦前に復しております。なお外国郵便については、最近まで種々の制限がありましたが、これも六月二十九日付の覚書に基き、九月一日から政府機関間の郵便を除き、戦前の状態に復帰したのであります。このように施設面及びサービス面におきまして、相当復旧改善されましたが、独立採算の收支面におきましては、御承知の赤字の傾向が依然として続いているのであります。その原因はいろいろ考えられますが、一つは利用物数の少いこと、二つは料金の点にあると考えられるのであります。すなわち終戦後急激に減少しました郵便物数も、社会情勢の安定に伴い、漸次増加を示して来たのでありますが、いまだ昭和十七年度に比べまして、昭和二十四年度は通常郵便物数が五七%、小包郵便物数が三一%、本年上半期は通常郵便二八%、小包郵便一五%でありまして、いまだ著しい減少を示している実情であります。当省といたしましては、郵便利用の勧奨に種々努力いたしているのでありまして、その一環の意味もあつて、本年度は寄附金一円を附加した三円のお年玉年賀はがきを四億枚発行いたし、十一月十五日から売りさばきに努めている次第であります。赤字の一原因と考えられます料金につきましては、来年度も相当の赤字が予想されますので、コストから見て、また料金相互間の均衡から見て、適当な調整を行いたいと考えておつたのでありますが、政府といたしまして種々研究いたしました結果、政治的な考慮からこれを避けて、赤字の補填は一般会計から繰入れるということで進んでいるのであります。 次に為替貯金事業について申し上げます。御承知の通り郵便貯金は、本年七月までは好調な増勢を示して参つたのでありますが、八月以降増勢が鈍化し、九月までの毎月平均増加額三十七億円に対しまして、十月におきましてはわずか六億円程度の増加にとどまつたのであります。これは主として地方税の徴收や、朝鮮動乱による物価高の傾向の影響によるものと思われ、十一月に入りまして、やや増勢を回復して参りましたものの、本年度の増加目標額四百億円の達成には、相当の困難が予測せられるのであります。 次に外国郵便為替におきましては、昨年十二月、まずアメリカとの間に再開されたのでありまするが、きわめて順調の経過をたどりまして、本年十一月十三日には百万ドルを突破いたし、ただいまでは百万五千ドルに達しまして、引続き増加の傾向にあるのであります。またカナダとの間には十二月一日、すなわち本日より再開いたすことになつたのでありますが、沖繩との業務開始につきましても、すでに大体の基本方針の決定を見、目下諸般の準備を進めております。すなわち万国郵便連合の郵便為替に関する約定につきましても、去る十月二日約定の公布を見ましためで、約定加入各国との業務再開に関するとりきめの成立したものから、順次実施する見込みであります。 次に郵便貯金通帳の横書式採用につきましては、来年度中には実施できますように、目下その様式及び金額表示器等につきまして、考究を重ねておるのであります。 次に簡易保險事業でありますが、簡易保險は、昨年度二十億の募集目標達成によりまして、ほぼ收支均衡の端緒をつかみ得たのでありますが、下半期以降の急激な経済情勢の変化のため、遺憾ながら当初の予想に反し、若干の赤字を余儀なくせられたのであります。よつて本年度におきましては、十五億円の募集目標を立て、年度初頭よりこれが必成を期して努力を続けておるのでありますが、その結果、十一月二十日現在では十二億九千万円、目標の八割六分を得ておりますが、何分にも金詰まりなどのため、必ずしも楽観を許されない状況にあります。しかしながら事業運営の健全化と、国民生活の保險的保護という見地から、ぜひ目標は達成したいものと努力いたしておるわけであります。 次に簡易保險郵便年金積立金の運用再開の問題につきましては、従来とも委員各位の並々ならぬ御援助をいただいて参りましたことを、この機会に厚く御礼申し上げる次第であります。私どもといたしましては、国会の決議の線に沿つて、関係方面の許可を得るべく努力いたして参つたのでありましたが、今回ドツジ・メモランダムが発せられまして、政府資金は新しくできる運用資金部において発行する運用部証券を引受けるよう指示されておるのであります。ただいままでのところ、具体的には申上げる段階にまで立ち至つてはいないのでありますが、われわれの熱望は一応この書簡で困難となつたと認められるのであります。しかしながら簡保年金資金は、事業所管省たる郵政省で直接運用すべきことは、国内的には意見の一致を見ておることでもあり、なお今後も大いに努力する所存であります。 次に、特定局長会は去る七月三十一日をもつて廃止せられたことは、御承知の通りでありますが、残務整理も八月三十一日をもつて完了を見たのであります。この特定局長会の廃止は、特に業務運行に影響するところが大きい点にかんがみまして、従来の局長会の要員を、今回新たに発足いたしました指定局その他に配置転換をいたしますとか、指導部門を強化いたしますとか、種々対策を立て、業務に支障を生ぜざるよう措置いたしました結果、今のところ格別支障は生じておらないようでありますが、なお今後ともその実績を見て、適切な改善を加えて行きたいと考えております。 以上で私の最近の業務概況についての説明を終りまして、本国会に提出しております補正予算については、政府委員をして説明いたさせます。
○佐方説明員 本国会に出しております補正予算につきまして説明をいたします。実は皆様の手元に、厚い予算書が行つておると思いますけれども、お見にくいと思いますので、抜書きいたしましたのがお手元に差上げてあるものでございます。 郵政事業特別会計におきましては、補正予算は歳入歳出とも今度三十九億四千七百一万一千円になつております。 歳出につきましては、二枚目の百四ページをごらんいただきますと、その第一は政府職員の給與改善に必要な経費七億四千四百三十八万八千円であります。これはいわゆる一人千円、一月から三月までのベース・アップに要する経費でございます。第二番目は、その下にございますように、年末手当支給に必要な経費八億四千二百十三万三千円でございます。これは郵政省の職員に対しまして、半箇月分のボーナスを支給するに必要な経費でございます。第三番目は、石炭手当の増加に必要な経費でございまして、本予算ではトン当り二千五百円でありましたのが、今度値上げになりまして、その差が四千八百八十八万七千円であります。 その次は、国家公務員共済組合負担金の増加に必要な経費二億四千九百六十四万一千円でございます。これは共済組合負担金の率を各省とも千分の十だけ上げましたので、その分がここに上つておるわけであります。 その次は、失業対策手当負担金の増加に必要な経費でございます。これは予算面におきまして不足でありましたので、ここに追加しております。二千五百五十三万二千円であります。その次は本予算におきまして、俸給及び扶養手当に相当の不足が出て参りました。その額は十四億七千百二万七千円でございます。これはこの予算をつくりましたのが前年の二十四年の六月でございましたが、そのあとで郵政省と電気通信省の分割があるとか、あるいは行政整理があるとかいたしまして、六月の現員現給がすつかり狂いまして、十四億七千万円の不足になつたわけであります。これに対しまして、できるだけ事業費を節約してその差額を埋めようというので、その下に節約による既定経費減少八億九千四百五十九万七千円が上つております。十四億七千万円から八億九千万円の差額だけを、今度補給してもらうということに相なるわけであります。その次に、次のページにございますように、業務外の支出が十四億六千万円でございます。これは收入印紙收入を一般会計へ繰入れ、及び買いもどしに要する経費でございます。 以上のような歳出に対しまして、歳入の方は、第一ページにお返り願いますと、業務外の收入は支出とまつたく同じわけでございまして、郵政会計を通り抜けするだけで十四億六千万円でございます。その他のいわゆる支出につきましては、すべてこれは郵政事業が他会計からの繰入れが二十四億八千二百万円に、設備負担金の受入れ四百万円というように相なつております。このうち保險事業に必要な金は簡易保險特別会計から、特定局におきますところの電気通信事業に必要な経費を電気通信事業特別会計から、貯金又び国税金に必要な金は預金部及び一般会計から、それぞれ繰入れをしてもらつております。この二十四億八千万円の繰入金のうちで、本来郵便收入が上つておるならば、自分で郵便收入をもつてまかなうべき金は十二億八千万円というふうに相なつておるわけでございます。 以上は郵便事業特別会計の補正予算でございますが、このほかに郵政省といたしましては一般会計がございます。この一般会計の第一は、公職追放者の解除に伴いまして、その解除者の停止恩給を支給するために必要な経費三千八百七十二万七千円、これは表に載つておりません。それから先ほど申し上げましたように、郵政事業の郵便料金收入がありますならば、自分でまかなうべき金にかわるものといたしまして、一応郵政省の一般会計の歳出に立てまして、郵政事業への繰入れとするところの一般会計の金は、十二億八千三百八十六万八千円というものが上つております。 なお第三には、簡易生命保險及び郵便年金特別会計の補正予算でございますが、まず歳出の第一としましては、先ほど申し上げました郵政事業特別心計へ繰入れに必要な経費といたしまして、四億四千七百四十一万四千円がございます。 歳入予算におきましては、右の経費を郵政会計に繰入れるため、その他から收入利子が一億五千七百三十四万七千円だけ減つておるわけでございます。 以上郵政省所管の補正予算について御説明申し上げました。
○池田委員長 これで当局の説明は終りました。これに関して何か御質疑はありますか。
○飯塚委員 この郵政事業の発展をお祈りすることは、以前とかわりありませんが、将来いつまでも独立採算制が、ほんとうに独立採算制でやつて行けるかというお見通しと、いつも赤字補填を他会計から繰入れる、そういうことでなくして、将来それに対してほんとうの独立採算で行けるかどうかという御見解を……。
○田村国務大臣 ごもつとものお尋ねでありますが、御承知のように郵便事業は、どんな山間僻村に対しましてもサービスをいたして参りますようた関係上、もしこれを原価計算的に立てますると、山間僻村に対する郵便のサービス業は、いわゆる幾らもらつても合わないというような性質を持つております。従いましてこれに対しては大体独立採算制に行くべきか、あるいは必ずしも独立採算制によらざることが正しいかということについては、かなり議論のある点であると考えております。一応は企業官庁としてまた独立採算制が願わしいという点におきまして、今日独立採算制の制度が行われておるのでありまするけれども、嚴密に言いまして、これを絶対に独立採算でなし遂げるということは、かなり困難な問題でないかと考えられるのであります。大体基本観念といたしましてはさような意味もありますので、たとえばはがきの料金を値上げするとか、あるいは封書を上げるとか、小包を上げるとかいうことによつてペイするということは、結局山間僻村には非常に大きなサービスを安く提供いたしまして、利便な地に対してはかなり高い料金をもらう、こういうことにも相なるのであります。 なおもう一つ、ここに考えてみなければならないことがありまするのは、たとえば今日山間僻村に配ります新聞の配達料は一回八十銭であります。ところが山の中へ参りますと、ほとんどほかに郵便物は来ないが、毎日一枚二枚の新聞のために、その山まで持つて行かなければならない。しかし文化の向上及び文化を普遍させるという意味から考えて来た場合において、そういうものに特別高い料金をとつたのでは、文化の普遍に障害がある。かような意味からいうと、いわゆる新聞のそういう配達に対しては、むしろ別の意味において郵政省に対して補償する、こういうことがあつてしかるべきだ、こういう議論も成立つのであります。それこれからして必ずしも独立採算制であるから、別の会計から拂うという方法をとらないで、全般的に一般会計から補給する、こういうことは独立採算の趣旨を壊すのではないけれども、さようの実情を織り込んである、こういうふうにも解釈できるのではないか、こういうふうに考えております。
○飯塚委員 それから今度補正予算にして七億四千四百万円のベース・アツプによる支出、これはまことにわれわれも賛成するところでありますけれども、これは確かなことであるかどうかはつきりいたしません。そのベース・アツプをしてもらうことはありがたいが、それによつて今度の賃金は上げられるけれども、従来現業職員として支給せられておつた被服その他のものが、この賃金改訂によつて、将来はその実費を本人から支拂わなければならない、そういうようなおそれがあるようなことも聞いておりますが、それは事務当局の御説明でよろしゆうございますから、その点はつきりしてもらいたいと思います。
○小野説明員 お答えいたします。ただいまの御懸念の点につきましては、毛頭そういうことはないのであります。従来同様運営して参るわけであります。従来貸與を受げておりましたものが、ベース・アツプによりまして、自分で経費を負担しなければならぬというようなことは全然ございません。
○飯塚委員 それはまことにけつこうなことであります。それからこの公務員共済組合の負担金の増加についてでありますけれども、これは率を千分の一上げる。現在の従業員から納めるものと、借りて出すものとの、その率はそのままにしておくのであるか、それとも両方ともその割合いを上げるのか、あるいは従業員の納める共済組合費を千分の一だけ下げて、これを官の方で補給して行くのか、この点について。
○佐方説明員 これは官の側の負担がふえるだけ、こういうふうに了解いたします。
○飯塚委員 一応終ります。
○柄澤委員 私途中から参りましたので、聞き漏しておりましたならば御訂正願いたいと思いますが、先ほど大臣からたしか預金部資金の運用証券というものによつてこれを取扱うという書簡が出まして、第五国会以来参衆両院でたびたび決議しておりましたところの預金部資金の運用権の問題が、新しく方針がきまつたようなお話であつたかのように承つたのでございますが、その点につきましてもう少し詳しく、一体それはどういうことになるのかということを承りたいと思います。
○田村国務大臣 先ほど簡單に申し上げたのでありますが、仰せの通り衆参両院においてこれの積立金の運用再開についての御決議もありまして、なお閣議もその趣旨に従いまして決定をいたしまして、大蔵当局と郵政当局と事務的の折衝もいたし、関係方面にその実施方についての承認を得るように努力いたしつつあつたのであります。それに対しまして今度ドツジ博士が見えられまして、その結果最後の結論として、資金はすべて一本のところにまとめて放出されるような形をとるべきである。今のお話では預金部運用証券と申しまするか、郵便貯金、保險及び厚生年金等の資金の所有者は、証券を買い入れることにして、つまりそれ一本に投資をする、こういうことにして一本にまとめて、吸い上げた金はこれを在来通り国債、地方債、その他今度範囲を広めて、一般の産業方面に関係のある債券等を持つことのできるようにする、こういうようなメモランダムが参つたのであります。さようなことでありまするが、しからばこれの実際の取扱いをどういうふうにするかというような点についてのこまかい点は、まだ実は閣議決定をいたしておりません。しかしさような意味でありまするので、在来二回もいわゆる国会の決議を経ておるし、閣議も決定していたことでありまするから、これに対してはしばしば関係方面の了解を得るべく、努力いたしておつたのでありますけれども、さような司令部のお考えで、すべて一手で投資するような方針をとるべきであるというようなことになつて、メモランダムが参つたのであります。この方針には大体従つて行なければならぬものと考えるのでありますが、こまかい実際の扱い等につきましては、なおいろいろ研究すべき問題が今後取残されておる、かように御承知おきを願いたいと思います。
○柄澤委員 そういたしますと、預金部資金運用委員会というもがございまして、これがやつておりましたことについてはかわりはないのでございますか。
○田村国務大臣 さようでございます。預金部資金運用委員会が在来ございましたが、今後の機構は、内容は同じようでありましても、一応今までの形はかわります。その場合における構成等については、今後どういうふうにして参りますか、まだ具体的にその問題についての協議が進んでおりません。
○柄澤委員 そういたしますと第五国会以来、第七、第八の各国会でも、池田蔵相が関係方面と目下了解中という御努力の結果が、今度のメモランダムになつたと思うのでございますが、預金部資金につきましては、GHQの二十一年一月二十六日の指令と、それから二十三年の地方財政法の地方債は公共土木災害復旧等にしか使えないというような、こういうものが非常に今まで大きな働きをしておつたと思うのでございますが、ただいま公共事業費関係にいたしましても、非常に厖大な預金部資金が国民の注目の的になつておると思うのでございます。これは私どもの考えますところによりますと、郵貯とか、簡易生命保險とか、郵便年金とか、もうすでに皆様方がたびたび御審議なさいましたように、零細な国民のほんとうの汗とあぶらの結晶が、こういうふうに結集して来たものと思うのでございます。そういうものが当然、一般の国民の生活の窮迫し、国土の荒れ果てている今日、そういう社会的な方面に使われて当然であろうと思うのでございます。そういうことについて、この国会の審議権というものが今まで尊重されて、その努力のためにして来たと思うのでございますが、当局はやはり国会の審議権、決議を中心にして、今後もお進みになる御決意があるかどうか、この点について少しつつ込んで御答弁を願いたいと思います。
○田村国務大臣 今お話のありました国民の零細の貯金、あるいは簡易保險の保險料、こういうようなものが国あるいは地方団体等に使われることは、もとより大切なことでありますので、たといそれが一手にまとまるにいたしましても、その趣旨にはかわりはないと思います。なおそれだけではない。いわゆる中小企業、農業、こういう人たちに対する資金が、在来ややもすれば十分にまわらないというようなものを、今度それに対しても出せるようにする、しかしそれには多少の危險があるから、これは国家が保証をする、こういうのが今度書類に盛つてありますメモランダムの大体の趣旨であります。さよう御承知を願います。
○柄澤委員 審議権の問題につきましては、またいろいろ本会議でも見解を申し上げる機会もあると思いますので、そのくらいにいたしておきまして、この預金部資金の内容になつておりますところの簡易生保、郵貯の募集目標というものが、去年二十億でありましたのが、本年はいろいろな事情があつて十五億に下げたいというふうなお話でございましたが、その主たる原因はどういうところにあるとお考えになつておられますか。
○金丸説明員 私からお答え申し上げます。簡易生命保險事業も郵便年金事業も、終戰以来インフレの痛手を受けまして、非常に経営困難に陥つておりまして、相当の赤字を累年計上せざるを得なかつたのであります。それが二十四年度の予算におきましては、赤字を出してはいけないという建前がとられましたので、ここで大きな收入をはからなければならない。その收入をはかるためには、何と申しましても新しい契約をたくさんとるということが第一の道でおりましたので、二十四年度の事業計画ではその新契約の目標を二十億と押えまして、これが募集に当つておつたのであります。本年度十五億に減らしたのはどういうわけかといい手と、その後いろいろ経済事情も変更いたしまして、なかなか募集も容易ではないというようなこと、それからもう一つは、大体收入も確保できるという見通しもつきましたので、目標を十五億に減らしましてただいま努力中であります。以上お答え申し上げます。
○柄澤委員 この新規募集のことにつきましては、いろいろ私ども伺つておるのでございまして、募集いたしましても三割くらいは、すぐ二、三箇月で解約になるというようなことを承つておりますが、その原因は一体どこにあるとお考えになつておいでになりますか。
○金丸説明員 元来契約をいたしますときには、途中でやめるというようなことは本来の趣旨ではございません。あくまでも続けて行かなければならないわけでありまするが、いろいろ契約者側には事情の変更もございまして、続けて行けなくなるようなことも世間には間々ありますので、それがあるいは二箇月たち、あるいは三箇月たち、あるいは一年たち、二年たつて、遂に継続困難になつて契約の解約、失効というような例も少くございません。
○柄澤委員 これはたしか徳島郵便局であつたと思いますが、割当が非常にむりで、そのために簡易保險がいろいろ募集の上に不正があつて、その結果刑事事件になつたということも伺つておるのでありますが、そういう原因はもつと深く突き詰めなければならないのではないかと思います。それが徳島のみでなく、相当に上つておるというように承つておるのでありますが、当局の方ではその原因をどういうふうに糾明しておられるか。さらにその解約になりました額はどのくらいであるか、御答弁願いたい。
○金丸説明員 徳島郵便局におきまして、ある架空の名儀による契約が締結されたということによりまして、刑事事件になりましたことは、ただいま御指摘の通りでございます。私ども非常に申訳なく存じておるのでありまするが、この原因は二十四年度の目標が、徳島郵便局におきましてはいろいろのあの地特別な事情もございますためか、あそこの割当てられましたものがあの局の局員の力をもつてしては、順調に進みかねたというような事情もございます。しかしながら近所の局ではどんどん目標を達成しておる。何とか自分たちも、形だけでも目標を達成して責任をのがれたいというような、まあ、いつてみますれば非常に軽率ではありますが、事業上の成績を上げたい熱意のままで、さような結果的にははなはだ申訳ないような手段をおそらくとつたわけであります。この点はわれわれ監督の任にある者といたしましても、非常に申訳なく存じておりまして、さようなことのないように注意をいたしておるのであります。 さらに徳島以外にもあるのではないかということでありますが、確かに全然ないということも申し上げかねるのであります。しかしその後目標は、本年度におきまして減つて参りまして、また来年度はさらに減らすつもりでありますので、徳島において起きたような事件は将来は起りますまい、かように考えまして、さらに監督を嚴重にいたしまして、そのような不祥事件の起らないように一層努力いたします。
○柄澤委員 その原因として、非常に熱意を持つているあまりにというようなことでございましたが、掛金の募集手当が普通局なら六割、特定局なら十二割というふうになつておる。收入が少くて経営が成立たないというような場合には、これは局長の場合であつたと思いますが、非常に薄給に悩んでいるところの全逓の郵便局の従業員が、自分の收入をふやすために、食えないために、この手当をやり繰りするために、たとえば一口契約をとりますと、その手当を自分のものにしないで、口数をふやして二口にする。二口にすれば今度はまた口数をふやして行くというふうな、非常にむりなやり繰りをして割当の契約を遂行して、自分の收入を上げて、何とか妻子を養うというようなことがずいぶん行われている。中にはたしか徳島のときには、郵便年金を五口持たされていたというようなことだと記憶しておりますが、そういうふうなところに深い根拠があるように思うのでございますが、いかがでございましようか。
○金丸説明員 徳島に起きました事件は、生活苦を補うというようなことが主たる原因ではなかつたようであります。むしろ成績を上げたい、近所の局に負けないような——これはまつたく形だけではあつたのですが、成績を上げたいというようなことから起きたようであります。
○柄澤委員 それに関連してお伺いしたいのでございますが、今度の首切りの場合にも、常に従業員の首切りの場合には、成績の不良な者ということが相当大きな問題となつていたと思うのであります。そういたしますと、成績をあげるということが自分の首の問題と関連しているということから、や止りこういう事件が起きて来るのではないかと思うのでありますが、そういう点はどういうふうにお考えでございますか。
○金丸説明員 ただいまの御質問は、あるいは保險年金事業ばかりでなしに、全体のことにも関連すると思いますが、成績が上らないというだけで、ただちにその人の進退というようなことは、私どもは考えておりません。今回成績が悪くとも、来年は成績がよかれと願つて、さらに努力を期待するわけであります。
○柄澤委員 そういたしますと、当局としてはそういう成績が上らないということでは、断じて首の理由にはしないというのが方針でございますか。(笑声)さらに具体的な事実をつけ加えて申し上げたいのでございますが、これはお笑いになつていらつしやいますけれども、実際これは薄給の従業員としては真剣な問題なのでございまして、事実東京都内の簡易保險の募集をいたしておりました従業員が、割当の額を上げなければならないために、自分の持物を金にかえているという事実がございます。もしこれがうそであるとお思いになりましたならば、ぜひひとつ郵政委員会で国政調査に乗り出して、こういう従業員の実態を御調査願いたい。私は今資料をたくさん持つておりますが、ここでは一々あげないでもよろしいのでございますが、そういう事実がございまして、下へ参りますと、この国の收入を上げるために、結局は預金部資金の財源になるところの厖大なポケツトになつておる何千億というものを集めます従業員の実態というものは、持物を売つたり、あるいは詐欺的な行為をしなければ、割当を遂行できないというような状態にあるということを、実際に当局はお認めになつておいでになるのかどうか、ひとつこの点につきましてお考えを聞きたいと思います。
○金丸説明員 非常に成績を上げるといいますか、局の割当を早く消化したいというために、たいへん苦労をして、努力の上に努力を重ねておるということもよく承知をいたしております。そしてそういうこともまた若干行き過ぎとでも申しましようか、従業員同士張り合つてしまつた結果、中にはただいま御指摘になりましたように、自分の非常に苦しい中から、女房、子供を勧誘さしたという例もございます。そういうのは私どもといたしましては、それほどむりをしてくれなくてもという感に打たれておるのであります。もちろんそうした人の、事業の成績を上げたいという熱意に対しては、衷心感謝もいたすのでありますが、しかしそれがために家計に将来困難を来す、あるいは途中で続けられなくなるということは、事業のためにもよくないことであり、それほどむりをしてくれるなということは言つております。ときにはあまりに熱の入り過ぎたためか、そのような芳ばしくない事例も起きていることは承知いたしております。十分注意をすることにいたします。
○柄澤委員 大臣にここでひとつ御見解を承つておきたいのでございますが、事実そういうことも多分行われておりますので、割当を遂行しないということによつて、決して馘首の理由にならないというようなこと、そういうことを大臣から言明していただきたい。どういうふうにお考えになるか、お考えをお聞きしておきたい。
○田村国務大臣 世の中には力のある人、力のない人、賢い人、賢くない人ございますけれども、まことをもつて精進しておる人に対して、成績が上らないからやめてもらう、さようなことは絶対に考えておりません。
○柄澤委員 今度補正予算で給與べースの改訂も、いろいろ御盡力されておるように思いますが、この給與ベースにつきまして少し御質問申し上げたいと思います。簡單な方から御質問申し上げたいと思うのでございます。石炭手当がトン当り二千五百円であつたものを、差額だけ予算に組んだというお話でございましたが、今度トン当り幾らとお組みになつたのですか。
○佐方説明員 トン当り三千五百円になつております。
○柄澤委員 三千五百円の石炭と申しますと、何カロリーの石炭でございますか。——おわかりにならなければ申し上げたいと思いますが、三千五百円の石炭と申しますのは、燃えないのでございます。燃えます石炭は大体四千四、五百円から五千二、三百円、こういう値段でございますが、増田官房長官の時代に、たしか石炭手当は原則として、現物を三トン支給するということでございました。私どもその原則がやはり貫かれるのが至当だと考えるのでございますが、実質は四トン半いるのでございまして、三千五百円というのは一体どこから割出されたのでございますか。
○佐方説明員 こまかい算出は私存じておりませんが、各省共通でございまして、大蔵省で單価をきめたものでございます。
○柄澤委員 そういたしますと三千五百円の石炭を何トン——三トンということになるのでございますか。
○佐方説明員 世帯持ちが三トン、独身者は一トンということになつております。
○柄澤委員 北海道におきましては、燃料はちようど米と同じくらいの必要品でございまして、大臣におかれましては、とても三千五百円では燃える石炭を買えないので、何とか御捻出を願うようなお考えはございませんでしようか。
○田村国務大臣 それはいろいろ見方があると思いますが、しかし北海道で三千五百円出しますと、大ていストーブにたける石炭は十分買えるはずだと思います。
○柄澤委員 私北海道でよく知つておりますが、そういう御見解では、ちよつと大臣としてはお勤めになるのに常識がないと思うのでございますが、ひとつ努力していただきたいと思うのでございます。 それから引続いて全逓の場合には、特に郵政関係では、従業員の構成が專売局などと同じように、ベースと申しましても、ベース以下の人員が多いというふうに承つておるのでございますが、給與課長に、大体どのくらいの比率になつておりますか、簡單でよろしゆうございますから……。
○松井説明員 私どもの方はただいま御指摘の通り比較的学歴の低い、そうして年齢の若い人たちが、非常に多いのでございまして、大体現在の俸給表で切りまして十五号になつておりますが、今問題になつておりまする調整号俸を受ける方たちのパーセンテージが、二十六万のうち二十四万いくらがほとんど八級以下であるという情勢であります。ことに五級職、四級職、三級職といつたところが、そのうち十五万ぐらい占めておる勘定になつております。
○柄澤委員 そういたしますと、この調整号俸が削減されるということでございますが、これはほんとうでございますか。
○松井説明員 ただいま政府側から提案されている原案によりますと、相当大幅な削減をするということになつておりまする。
○柄澤委員 郵政の場合は郵便配達とか、電報とかを——こういうような人たちは現業でございますが、こういう人たちがいわゆる今までの調整号俸の思恵を受けておつた方が多いというように承つておりますが、それはどのくらいの比率になつておりますか。
○松井説明員 先ほど申し上げましたごとく、調整号俸の適用を受ける方々が、大よそ二十六万の従業員のうち、二十四万人が調整号俸の対象となる方方であります。
○柄澤委員 このことにつきましては、郵政の方のところも調整号俸を削減されるということは、たいへん遺憾だという御意見を持つていらつしやるというふうに、きよう人事委員会で御発言なすつたそうでございますが、それにつきまして郵政大臣はどういうふうなお考えを持つておいでになりますか。
○田村国務大臣 現業に従事される方方の労苦を考えますときに——これは事の起りが、元は勤務時間において差異があつた、だから特別の調整号俸を用いたのであるが、今度勤務時間は御承知のように皆同じになつた、こういうわけだから、さりとて平常の場合にこれを削減するというようなことは、とうてい耐えられないことであるから、今度の増俸の機会に、幾らかそういうものを減らすということは当然でなかろうか、こういうところから原案を得ました。むろんそれによりまして、一般の増俸はかりに千円なら千円ということにいたします場合には、他の全般の人が潤う勘定になるので、特殊に受けておつた人はこの際加減すべきじやないか、こういう点から今度の号俸調整の問題が起つたのであります。しかし單に郵政といたしましては、時間差だけの問題でなく、現業の人の苦しみを考えるときに、單にそれだけで全部とつてしまわれるということは困る、こういうふうに私ども考えておりますので、何かこれに対する調整の方法は、目下政府部内において協議いたしております。
○柄澤委員 二十六万中二十四万が、この調整号俸の削減にあうということでございますが、そうなりますと、今多少ベース・アップのどさくさまぎれに、これをとろうというお考えのように思いますが、一体実質的にはどのくらいのベース・アツプになるかということを、ちよつと御説明願いたいと思います。
○松井説明員 大体のところは、政府の発表しておられまする俸給の切り方を中心に、ごらんいただければわかると思うのでありますが、大体において六級職以上のところは千円、それ以上のアツプになるようであります。五級職以下の点につきましては、ことに今回は調整号俸の関係もありまして、千円を大分下まわつておるというような見当であります。
○柄澤委員 世間では官吏の給料が上ると、簡單に自分たちの税金が高くなるのだというふうに考えております。ベースが千円上ると、皆が千円上るというように考えておりまして、六千幾らベース、あるいは八千円ベースというと、皆それだけもらつておるというふうに考えまして、非常に薄給の官吏は迷惑をするわけでございますが、七割以上が六級職以下だというふうに承つております。そうすると三割にならないくらいの人しか今のベース・アツプ、いわゆる政府のいうところの千円のベース・アツプの思恵を受けない。それ以下の人が千円以下の、しかも低いところになりますと三、四百円というふうに伺つておりますが、そういうことになるのでございますか。それから最高と最低がどのくらい開きがあるか、ひとつ伺いたい。
○松井説明員 これは大体ベース・アツプの比較表でおわかりと思いますが、一番下の一級一号、これは実はあまり実際には使われない問題でありますが、そういうところは除きまして、大体普通最も使われている三級あたりをとつてみますと、三級の一号というのが従来二千八百四十四円でありましたのが、今度は三千四百五十円になります。従いましてその差は五百円ばかりあります。これに比しまして上級——上級と申しましても、大体通常多く使われているのは十三級あたりだと思いますが、十三級あたりの二号俸にいたしますと、従来一万三千五十八円でありましたのが、今回は一万八千九百円になつておりますから、その差は五千幾らになります。
○柄澤委員 そういたしますと、上に厚く下に薄くということになりますけれども、ことに現業の方はこの下の方の方が多いと思うのでございますけれども、定員法のあと、人数も非常に不足の声を聞き、定員をふやせというような声なども伺つておるのでございますが、さらにまた今度の追放がありまして、全逓では超過勤務の問題が非常に問題になつていると承つております。これにつきまして人事委員会でもいろいろ御見解を述べられたそうでありますが、超過勤務につきましては、全逓では給與法に基いてやつておいでになるのでございましようか。
○松井説明員 超過勤務のやり方につきましては、私たちはもちろん法律に従つてやつておるつもりであります。
○柄澤委員 給與法の十六條には、超過勤務のことについて触れているようでございますが、この命令された以外の超過勤務というものは、人事委員会で非常に不確かな御答弁をなすつたそうでございます。これは事実でございますか。
○松井説明員 実は私は人事委員会におきましては、超過勤務手当のことについて本日は何も申し上げません。超過勤務手当のことについて申し上げていたのは、たしか全官の佐藤さんであつたかと思います。
○柄澤委員 給與法の規定にあることについての私どもの解釈は、規定のいわゆる四十四時間以後にあつたと思いますが、この四十四時間以上働いた者に対しては、きめられた率によつてこれを支拂うというふうに解釈しておるのでございますが、これで間違いないと思うのでございますが、いかがでございますか。
○松井説明員 規定の時間外にわたつて働くように命令された場合には、必ずこれを超過勤務によつて裏づけしなければならないということになつております。
○柄澤委員 大臣にお伺いしたいのでございますけれども、なるほど当局ではそういう御方針だと思うのであります。しかし現場におきましては、この超過勤務が支抑われない。相当疲れ切つた夜勤などの正当な労働の報酬が、支拂われていないという事実を私どもはたくさん伺つておるのでございます。これに対しまして大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○田村国務大臣 ただいま人事部長からお答えいたしました通り、当局としても大臣としてもさようなふうに考えておるのであります。
○柄澤委員 それであれば、もし超過勤務が何かの理由によりまして支拂われないということは、当局の方針と違つておる、大臣の見解とも違つておるということに解釈いたしまして、私どもは、当然そういうような取扱いをした者は、責任をとつてしかるべきだ。あるいは支拂われない者に対しては、当然支拂うべきだというふうに考えております。この点はいかがでございますか。
○松井説明員 先ほど申し上げましたごとく、役所として超過勤務の命令を出しながら、しかも金を支拂わないということは、許されないことでございます。
○柄澤委員 どうも命令という言葉がややこつしくて、常に労働者の報酬を拂わないときの理由になるのでございますけれども、全逓の仕事の場合は、御承知のように瞬間で郵便を出すとかいうようなことでございますから、これはどうしてもその日にしなければならないことが、人員の不足その他によつて、当然これは起るだろと思うのでございます。その労働者が他の職場へ行つて遊んでいたということであれば、また別でございますけれども、仕事のためにやむなくやつたというのであれば、上司が命令して、お前は何時間残れというようなことを言わなくても、これは超過勤務になるのだと思うのでございますが、現場においてはそういうことはどうふうに取運ばれておるのでございますか。たとえば帳簿で命令するのか、口頭で伝達するのか、あるいはこの仕事を今日中にやれということで、その任務を忠実に労働者が果しているのか、一体どういうふうに命令ということを解釈したらよろしいのでございますか。
○松井説明員 規則の建前から申しますと、何時間残れという一つの居残り名簿がありましては、それによつで処理することになつております。しかし日本のいろいろな習慣がございまして、それを事前に命命ずることもありましようし、あとからそれを追認されるような場合も、運用の問題としてはあると思います。その辺はいろいろお互いに、その現状に即するように運用して行くという形になつておりますが、規則の建前から申しますれば、どこまでも居残り名簿によりまして、事前に職長がそれを命令するという形をとつております。
○柄澤委員 それでは仕事をしろという命令を出したことはないのでございますか。
○松井説明員 規則の建前では、何時間居残れという命令の形になつております。しかし実際の運用面におきましては、大体その仕事がどれくらいで済むだろうというようなことと関連して、事実上の問題としては、あるいはそういう連絡方法をとつている場合もあり得ることだろうと思います。
○柄澤委員 大臣にお伺いしたいのでございますけれども、そういう事実上に基いて、当然超過勤務手当というものは支拂うべきだというふうに大臣はお考えになりますか。
○田村国務大臣 今人事部長が申し上げた通りであります。ありますが、さようなことは必ず納得ずくでやつていることと思います。もし今あなたの御質問のような、時間のさしずはなかつたが、ある仕事をこれだけはやつておけというような場合は、納得ずくで話はわかつていることと考えております。
○柄澤委員 そういたしますと、ただいまの御返答は、納得ずくでやる場合には、かりに上司が命令簿に書かなくても、それは超過勤務として当然支拂うべきだというふうに解釈してもよろしゆうございますか。
○田村国務大臣 納得ずくと申しまするのは、今お話のあつたような一つの例で、ある一つの仕事をやつておけ、こういつた場合に、正確にいえば何時間の歩をつけて、何時間ということをあらかじめきめるべきでありますけれども、さような点は大体お互いの間で常識的にわかることでありますから、あとで相当の歩はつけるものはつけるということは、本人の納得の上でやつておることと考えております。
○柄澤委員 このことをあまり今問題にするのは、おかしいとお思いになるかもしれませんが、しかし非常に重要なことでありまして、ぜひ私どもこれをはつきりしていただきたいと思うのでございます。確かにこの超過勤務というものが、命令簿に書かれなかつたというだけで、支拂いを拒否されている場合がある、そういうことは不当だとお考えになりますか、いかがでありますか。
○松井説明員 超過勤務をやつた実績は、すべて命令簿に載せることになつております。実際の運用面においては先ほど申しましたように、そのときははつきりと言わなくとも、必ずあとでそれは支拂うべきものは支拂うべきものとして命令簿へつけなければ、支給できないというかつこうになつております。
○柄澤委員 そういたしますと、仕事をしましたあとにも、命令簿にそれをつけ加えさせて支拂うのが当然だという御見解だと思いますが、よろしゆうございますか。
○松井説明員 超過勤務手当の支給と申しまするのは、給與簿の上にはつきりとそういう形で書かなければ、支給できない建前になつております。
○柄澤委員 それは予算のわくとか、そういうことできまるのではなく、やはり仕事の実態によつてきまるという御見解だというふうに解釈してよろしゆうございますか。
○松井説明員 超過勤務手当というものは、どこまでも予算のわくに制約されるものでありまして、現場の管理者は、その予算のわくの範囲内でしか命令は出し得ないという形になつております。
○柄澤委員 大分明瞭になつたのでございますが、結局予算というものに縛られて、そのことが今のようないろいろな不当な、当然支拂われなければならない労働に対して、支拂われないというような事態も起すのではないかと思います。このことについてはどういうふうに解釈なさろうと思つていらつしやいますか。それならば労働者が予算にない超過勤務は拒否しても、それは正当だということになるのでありますか。あるいは定員をふやすというような対策をお考えになつておりますか。
○松井説明員 具体的な場合によつて違うと思いますが、私ども決して現在の超過勤務手当の予算が十分だとは思つておりません。足りない部面はさらに増額をしなければならぬ面もありましようし、また著しく定員が足りないというところは、何かの形で補わなければならない、かように考えております。
○柄澤委員 定員が足りないとお考えになつておいでになりますか。
○松井説明員 トータルにおいては、いろいろな見方があると思いますが、具体的な、ある特殊な場所においては、いろいろな事情の変動において、相当定員が窮迫したような事態が起きている場所があると思います。そういう場所につきましては、できるだけその場所については臨時の使役者を使うとか、何とかいつた措置でやつて行きたい。なぜならば、定員全体につきましてはわくがありますから、そういう緊急な事態に応ずるわけに参りませんから、そういう臨時的な措置をとることにいたしております。
○柄澤委員 特殊な部門においては、そういう場合もあるというような御見解だと思いますが、具体的には先ほど現業方面で、調整号俸が削減されるというような部面で多いというようなことを承つておりますが、そういう事実はございますか。
○松井説明員 私が先ほど申し上げましたのは、必ずしも現業とか非現業とかいう意味ではございません。いろいろな部面において、最近はいろいろな仕事の内容が急激に変化いたして参りますので、予期せざる事情のために定員が非常に足りなくなるといつた事態は、起りがちな問題であります。
○柄澤委員 逓信の定員は、たしか二十六万六百五十でございましたか、昭和二十四年の定員がかわりなく、仕事の変化などでというお話でございますと、増員されるお考えがおありのように私も承つてよろしゆうございますか。
○松井説明員 私ども決して現在の定員では十分だとは思つておりません。しかし定員法というものが制度として置かれた以上、私どもとしてはできる限り定員の合理的な使用によつて、そのもたらす弊害を救いたいという形で考えておるのでありまして、どうしても定員が足りないという場合には、どうしても増員を要求しなければならないだろうと思います。
○柄澤委員 郵政大臣にもお伺いしたいのでございますけれども、昭和二十二年を基準にいたしますと、逓信部内の結核の罹病率というものは漸次ふえまして、そうしてわが国の結核による死亡者というものは、厚生省の発表によりますと十八年が最高になりまして、漸次下つておるのでありますけれども、反対に逓信省の場合だけが非常に上つておる。これは数字の上に歴然と現われておるのでございますが、そういうものに対して、私どもは今言われたような諸般の事情が、やはりこれもうらはらになつていると思うのであります。郵政大臣としてはこういうことに対しまして、至急この対策を急がれる必要があると思うのでございますが、予算のわくに縛られて、全部が労働者の労働強化と低賃金にかかつて来ている。しかもそこから吸い上げられました預金部資金というものは、これがまつたく厖大な数字として政府の予算のポケツトになつている。十月現在で三百数十億も、まだ確かに遊んでいるということを承つておるのでございますが、何とかひとつ郵政大臣の努力によりまして、こういうことに対しますはつきりした御対策を御披露していただきたい、承りたいのであります。
○田村国務大臣 結核の対策につきましては、国全体といたしまして非常に大きな問題でありますので、来年度の予算にはかなり思い切つた対策が講じられることになると考えます。従いまして郵政省といたしましても、この問題については非常に憂慮をいたしておりますので、あるいは御説のようにほかの比率に対して、郵政省がふえておるかどうかということは、はつきりとは申し上げられないと思いますが、とにかくこの国民病というような結核のために、若い人たちが倒れて行く、こういうことについては非常に憂慮いたしておりまして、万端の対策を講ずるように、よく当局にも話してございます。これは国家の対策とタイアツプして参りたいと考えておるのであります。
○柄澤委員 郵政だけが多くなつているということではないというふうに、非常に楽観しておいでになるようでございますけれども、国全体が下つておりますのに、逓信だけはふえているのでございます。ですから諸般の対策というようなことではなしに、もつと責任のある——大臣がおわかりにならなければ、当面それに関係のある方から、対策についての具体的な御方針をお示し願いたいと思います。またそれにつきまして、給與の方面でも積極的な御考慮がいると思うのでございますが、先ほどの調整号俸を、郵政省としては何とかし削減しないようにするというような、断固とした腹構えで、政府当局と交渉するというようなところまでは、行つておいでにならないでありましようか、ひとつその辺を郵政委員会でありますから、郵政委員の各位が皆努力すると思うので、打明けてお話願いたいと思います。
○松井説明員 私ども多数の従業員を擁しまして、また必ずしも職場環境も恵まれておらない場合におきまして、結核の問題というものは、事業の運営においても非常に大きな問題であります。結核のために毎年われわれの受けておる損失は、相当大きな時間数に上つております。従いまして私どもといたしましては、その厚生施設等につきましても、何としても結核ということを中心に考えて行かなければならぬというような観点から、健康管理の実施につきましても、おそらくほとんど毎年全国の人々にはレントゲン検査をする。そうしてその人たちについて少しでも悪い症状が見えれば、ただちに注意を與える。あるいはうちに引こもつて療養するといつたような点については、限られた予算の中ではありますが、できるだけ盡しております。しかし結核というものは、御承知のごとくこれは大きな社会環境から来るのでありまして、なかなかそうした問題だけでは解決できない問題を含んでおります。完全な理想的な病床がうんとできれば別問題でありますが、そうした理想的なところへはまだ遠いと思いますが、しかし及ばずながら一年々々、結核に対する施設というものは充実して打つて、おるつもりでおります。
○柄澤委員 私どもの承つたところによりますと、二十五年度の本予算の要求で、郵政省が増員を相当多数要求されたということを聞いておるのでございます。それが大蔵省から認められなかつたということで、こんなことになつているかもしれません。そういう事実はどうでございましようか、その点につきまして伺います。
○大野説明員 予算の折衝の経過につきましては、いろいろなことがございますので、それを逐一ここで御説明申し上げることの当否ということについては、いささか疑いを持ちますので差控えますが、当面の定員といたしましては、常に事業の実際量と見合せまして、実態の能率調査をいたし、その結果、まずまず二十六万人のわくの中で、事業の運営は可能であるという見通しのもとに、本年は特に定員法の改正案というものは、政府としては提案をいたしませんということに相なつておるわけであります。もつともいわゆる現業でございますから、定員のほかに季節的な、また業務の種類によりまして、業務上の変動がございます。そういう場合には多少そこに彈力を持たせる必要があると思いますので、そのときにおいて臨時の使役ということを考える必要がございます。
○柄澤委員 非常にあいまいな御答弁でございまして、満足いたしかねます。郵政省の人員が不足しておるということは、人事院でも認めておいでになるということを承つておりますが、本年度かりにこれが定員法の改正としてでなくても、郵政省としてそういう見解を持つておられるかどうか。人事院ではこれはやはり認めておるかどうかということについて、なぜ私どもに御答弁ができないのでございましようか、この点を御答弁願いたいと思います。
○大野説明員 人事院でさような見解を持つておるということは、今初めて伺いますので、よく確かめて参りましよう。
○柄澤委員 ただいまの点につきまして、郵政委員会ではつきりした御答弁をいただきたいと思います。
○大野説明員 はつきり申し上げられますことは、ただいまのところでは私どもは、人事院がさような考えを持つているということを承知しておりません。
○柄澤委員 私が御答弁願いたいと申し上げましたのは、あなたがお聞きになりました結果を、御報告願いたいということを申し上げたのでございます。さらに先ほどの結核がふえておるということによりまして、病気欠勤が非常に激増しておるという事実があるのでございますが、それに対しましてはどういうふうな対策を持つておいでになりますか。
○松井説明員 私ただいまこまかな数字をここに持ち合せておりませんので、御納得の行くようなことは論明いたしかねると思いますが、最近におきまして非常に著しいそうした病気欠勤が増大したという数字は、表わしておらないと思います。
○柄澤委員 それでは私ども今度は具体的な数字の資料を持つて参りまして、どうしてもそういうふうにおつしやるのでございましたら、またこの問題につきましては、はつきりした対策をぜひとつていただくようにしたいと思います。質問をこれで打切ります。
○降旗委員 先般国政調査の報告を提出いたしまして、それについて白井委員から逐次この委員会で報告のあつたことと思います。それについて特に私からお願いいたしたいと思いますことは、実は私ども各地を視察いたしまして特に感ぜざるを得なかつたことは、郵便局舎が現在利用度においても、あるいは位置の点におきましても、非常に考慮すべき局舎が少くない、こう思つたのでありまして、ことに昔の逓信省が電気通信省と郵政省の二つにわかれた、そういう意味もありまするし、さらに最近にいたりましては、電気通信省を公社にせよというような声も、私どもの耳に入つて来ている。こういう意味から申しますると、この位置の点において、あるいは公衆の利用度の少い点において、現在の郵便局舎を何とかもつと利用度の多い場所へ移転するというようなことも、考えられる点が多いのであります。そこで考えてみますると、郵便局というものは、それ自体本来の仕事でありまする郵便事業のほかに、為替だとか貯金、これはもちろん郵便事業として取扱つておるものですが、為替だとか、貯金だとか、あるいは年金、保險、この取扱いの量というものは非常に多いものでありまして、従つて銀行あるいは保險のそれにも匹敵すべき大きな仕事であると思います。ところが最近私どもが地方を見て来ますと、各都市の本通りには、これらの銀行や保險の支店が軒を並べて進出して来ているにかかわらず、郵便局舎がこの本通りからはずれて、裏通りへ隠れて行くという傾向が非常に多い。こういうことを見まして、これはひとつ何とか考えなければならぬことじやないか。そこで全国二百近くの都市にある局舎は、今どういう地点でどういう利用度にあるか、そういうことをお調べになつて、相なるべくならばその不適格なものを、その都市の本通りに進出せしむるということが、郵便局舎をして大衆の利便に最もよく利用せしむることになる、こう考えておるのであります。そこでこれはアメリカその他の国の情勢も一応調べる必至があるのでありまするが、郵便局舎は必ずしも郵便局舎だけでなくて、その中にはなお他のものを包含し得る。たとえて申しまするならば、これは郵便局舎を、小さいものならば別でありまするが、大きな建物に建てた場合には、その一、二階を郵便局舎に使つても、三階以上のいろいろの用途に使わしむることかできるのでありまして、そういうためにはこの郵便局舎の建設というものを、郵政省の歳入歳用だけでなしに、他の資本力を利用せしめ、合せ用いる方法を考えて行くならば、各都市のメーン・ストリートにりつぱな建物をつくり、その建物を利用するところの郵便局舎は、その都市の市民のために、今よりもよいサービスを提供することができるのではないか、かように思いまして、郵便局舎を各都市の本通りに進出せしめるということと、その郵便局舎はひとり郵政省の資金にのみまたずして、他に用うべき資金を合流せしめて、りつぱな大きな局舎をつくる、こういうようなことについて一応考えてみたい、こういうことを痛感したのであります。そこでできるならば、この際郵政委員会の中に、小委員会でもよろしいのでありますが、そういう委員会をつくりまして、全国都市の中にあるところの郵便局舎が、どういう状態にあるか、これを改造すべき状態にあるか、移転すべき状態にあるか、それらのことをよく調べまして、でき得べくんばこれらの資料を原料といさしまして、全国都市におけるところの郵便局舎を、ことごとくその都市の本通りへ進出せしめる、こういう計画を今から立案するような手順を、この郵政委員会でとりはからつていただきたい、かように思います。先ほど申し上げましたように、電通並びに郵政の両省の成立によりまして、各局にもいろいろの事態が起つておりますから、まず郵政委員会におきましては、ただいま私が申し上げましたような線に沿つて、一応の計画を御立案されて行くことが、今後の郵政事業遂行の上から好ましいものである、かように思うので、白井委員の報告につけ加えまして、特に希望しておく次第であります。
○池田委員長 ただいまの御意見に対し、委員長からお答えいたします。この問題は、降旗君から申されるように非常に重大でありますが、これは本会議においては会期もありませんから、通常国会の場合に委員会の懇談会を開いて、一応皆さんにお諮りした上で決定いたしたいと思います。
○受田委員 私から短時間の間に、五、六点の郵政省所管事項の重要問題を、大臣に直接お尋ねしたいと思います。大臣が就任された直後のこの委員会で、私どもが大臣を大いに激励した直後に、大臣は、現在の郵政所管事項の中では、郵便貯金の問題と簡易保險積立金の問題が最も重大であると思うので、これに大いに努力したいという発言をせられたのであります。その直後に大臣が新潟へ旅行されたという八月の十日前後であつたと思うのでありますが、第一線において郵便料金を値上げしなければならぬというような発言をされておることが、新聞紙上に出ていたのであります。これは非常に重大な発言であると私たち考えたのでありますが、事実そういうことを発言されたことがありましようか。それを先にお伺いいたします。
○田村国務大臣 新聞にはことごとしく書いておりましたが、これは全然間違いではありませんけれども、たとえばもうすぐでもやるとかいうようなことを書いておつたのですが、私ははがきの値段について調整する必要があると考えておるということだけは確かに申しました。ただそれをいつどうとかというので、はがきを幾らまでと書いてあつたかどうかしりませんが、何か非常に大げさに伝えられたのでありますが、調整について考えているということを申したのであります。
○受田委員 私は西日本の各地で、郵政省所管事項の調査をしていた当時でありまして、大臣の御発言が新聞にとにかくぎようぎようしく出ていた関係で、第一線の局長たちの意見をお聞きするのに、非常にわくをはめられたような感じがしたのでありますが、私たちは最初から郵政事業は、その公共性が大きいという点から、できればこれを赤字補填の一般会計繰入れを強力に主張して来たのであります。そして大衆の負担を軽減して、ひとしく国民が文化的な通信の機関を利用するということを念願したのでありまして、幸いに今度の予算には、われわれの念願が実現したことを非常に喜ぶものであります。少くともこうした重大な問題にあたつては、大臣として特に愼重を期せられまして、自分の方針はどちらであるかということをよく御認識いただいて、少くとも郵政事業の公共性というところに、重点を置くように政策を念願したいのであります。と同時に、次にお伺いしたいのでありますが、郵政事業の中で次に大きな問題は、貯蓄の奨励であり、簡易保險の勧誘の奨励であります。この大衆の貯蓄を奨励し、大衆の零細な資金を吸收するという国家的大事業を、郵政省としてこれにいかに具体的に努力しておられるのか。先ほど柄澤さんから発言された中に、徳島の簡易保險の事件の例が出ましたが、私も西日本をずつとまわりまして、政府の貯蓄の奨励の目標がどういうところにあるのか、目標の額が割当されるときに少しむりがあるのではないか。特にその土地の事情、貧富の懸隔等をずつと見て、ある程度これをもう少し近代的な感覚で、ただいたずらに割当を強制するということではなくして、喜んで貯蓄ができ、喜んで保險に加入できるような、そうした空気を郵政省として根本的にお考えになる必要はなかつたかと思うのであります。 〔池田委員長退席、飯塚委員長代理着席〕この点について、貯蓄奨励の具体的な政府のとられつつある科学的な、近代的な感覚による方途について、ちよつとお伺いしたいと思います。
○田村国務大臣 貯金につきましても保險につきましても同様だと考えておりますが、先刻保險局長から御答弁申し上げましたように、ある程度の目標を持ち、できるだけ貯金の精神、保險の精神を徹底し、喜んでこれに応ずるような気風をつくることが常に望ましいことであることは、御説の通りであると思います。従いましてあまりむりをするということのないようにということは、心がけておるのであります。ものは大体中庸が必要でありまして、熱心のあまりに極端に走り過ぎてむりが出るというようなことは、努めて避けたいというふうに考えております。
○受田委員 私は簡易保險の場合に、特に大きな驚きの目を見張つたのでありますが、簡易保險の最近における解約、失効というものの率が、非常にふえておるのです。これほど高まつておるその奥には、一時これを非常に奨励したあまりむりが起つておるのだ。大衆の資金、大衆の貯蓄というようなものは、限度が来ておるのだという感じさえしたのでありますが、その途中に、奨励方法に何らかのむりが起つたのであるということを痛切に感じたのでありますが、この解約とか失効とかいうことが多いことは、結局それだけ手続をし、手数がかかつたということで、これはマイナスであつて、幾分でも増加するというのならいいけれども、解約の方がふえて行くということは、非常に遺憾なことだと思うのです。この点について、じつくりと貯蓄が本式の貯蓄になるように、その意味ではこの際簡易保險の加入の保險金額の限度を、十万円というような線のものも考えてもいいのじやないか、これはあのときも申し上げたのでありまするが、あるいは火災保險のごときものも考えるとか、あるいはかけ放しの定期的な性格の簡易保險を考えるとか、保險の種類、金額というようなものについて、一般保險業者の業務を圧迫せぬ限度において、もつと国家的な立場からの考えをお持ちになる必要はないかと思うのでありますが、この点についてひとつ御所見を伺いたいと思います。
○田村国務大臣 その点は私まつたく同感であります。保險にいたしましても、貯蓄にいたしましても、ただ企業官庁の事業を盛んにするという考えだけでなしに、国民が貯蓄や保險をすることによつて、後顧の憂いがないようにするという、もつと広い大きな意味からこの事業が進んで行かなければならぬ。こういうふうに私の考えている点は、あなたのお考えとまつたく同一だと思うのです。
○受田委員 それならばそれをどういうふうに推し進めて行くかという、着々とお進めになりつつあるその御計画をお伺いしたいのであります。
○田村国務大臣 私は今あなたからちよつとお話の出ました保險額をふやすというようなことも一つの方法であり、またこの内容等についてもいろいろ検討を加えるべき点がたくさんあると、こういうふうに考えておりますので、皆様の御意見等も承われるだけ承つて、逐次そういう点の改良、くふうを考えて行きたい、こういうふうに考えております。今具体的にどの点をどうするということを申し上げるまでに立ち至つておりません。
○受田委員 私はもう一つ根本的な問題について承りたい。特定局の局長会を廃止した後における第一線の状態であります。局長会の廃止された今日、その貯蓄奨励とか、そのほか省の連絡調整をはかる上に、ある程度の不便が起つたことは認めるのです。ところがそれにかわるべき具体的な方法として、政府はいかなる方策をとられておるか、もちろん集中局、指定局というようなものをおつくりになられて、それによつてその中心になる局に運営の中心を置くようにしておられることはわかるのでありまするが、それだけで十分意を達しておられるかどうか、これをちよつとお伺いしたい。
○田村国務大臣 特定局長会のなくなりましたことは、今まで仕事を運行しておつた者にとつては、非常に大きな変化であります。御説の通り、これに従つて指定局制度のようなものをつくりまして、在来ありましたものがなくなつたために失うところを何とかしてカバーしたいと、こういうふうに考えております。 〔飯塚委員長代理退席、委員長着席〕なおその他につきましても御説、御注意の点はごもつともなことでありまして、逐次考えて参りたいと思つておりますが、また御名案等ありましたら、お知らせいただきたいと思います。
○受田委員 私が特定局の廃止された結果非常に憂えることは、特定局、簡易郵便局というようなものが、粗末にされるおそれがあると思うのです。そこで従業している従業員の人たちが、これまた非常な不安を抱くような結果が起る。今度の定員なども、特定局のコンマ以下の定員を、どのように整理されたかをお伺いしたいのでありますが、そういうコンマ以下の定員の集結したものがどこかの特定局、集中局、または指定局に割当てられておればよろしい。しかしこれを削りつぱなしにしているというようなことになつて、さなきだに特定局の業務は厖大な範囲で、人数こそ少いが、非常に仕事が多いということになつているので、従業員の過重負担ということも考えられます。もう一つは、簡易郵便局などを、あるいは昔の受入れ制度に復活させるというような御意図があるのではないか。むしろそういうことを考えるよりは、簡易郵便局に出張所のような性格を與えて、ある特定局からそこに出張してやるとか、あるいは普通局からそこに出張して業務をとるとかいうような方法をとつてはどうだろうかと思うのでありますが、これらについてのお考えを聞きたい。
○田村国務大臣 御意見をよく承りましたが、なおこの上とも詳細について別の機会にまた承りまして、改良すべきところは逐次改良して参りたい、こう考えております。
○受田委員 次に大臣の直接本省で所管されておる事項の中で、地方郵政局がこれを專管事項としてやられていいようなことに対しては、大幅にその権限を委譲する必要はないかということも考えられるのです。たとえば記念スタンプをつくる場合に、これが一々本省の方へ送達されて、そして本省から送られて地方にまわされるというようなことになると、その間に時間的なロス、あるいは手続上の複雑さが非常に増す。むしろそれを、その地域に特定のスタンプでありまするから、郵政局に一任して、郵政局の局長の專管事項とするとかいうように、こうした行政事務の簡素化というような問題についても、大臣としては何かお考えになる点はないか、お伺いしたいと思います。
○田村国務大臣 業務の簡素化につきましては、私就任以来特に考えておる問題でありますので、ただいまのようなお話だけでありませんが、でき得ることはできるだけ地方に委譲して、ものをもつと簡潔に簡單に運べるような方法をできるだけいたしたい、こう考えております。
○受田委員 あまり時間をとりません。最後に、大臣に御答弁できない場合は、次官の方以下の方にお尋ねしてもいいのでありますが、このお正月にお年玉付郵便はがきを出されるのであります。本年のお正月にも出されたのです。その功罪は十分われわれもわかつておるのであります。この郵便はがきを共同募金その他の特定の事業のためにやる場合に、郵政審議会にこれを諮つて大臣が御決定になるように、このお年玉付郵便はがきの法律には規定ができたのでありますが、このお年玉付の郵便はがきに限らず、そのほか特別にここへ掲げてある切手のごときものを発行する場合に、それを郵政審議会へ諮られるという、この郵政審議会へ諮られる基準に、少し明らかにしていただきたい点があるのです。それはこの四月に引揚問題をめぐつて、引揚者の留守家族のために、特に家庭援後の事業として、記念切手を発行していただきたいということを、前大臣にお願いしたのです。それが郵政審議会で何とか努力しようというようなお話で、そのままに終つてしまつておるのですが、このようなお年玉付郵便はがき、あるいは今のような特定の目的を有する事業、公益性を有し、あるいは慈善的な性格を持つ事業に対しての切手の発行については、もう少し幅を持つて、一々これにこまかい規定を設けることでなくして、大臣の意見、国会の意見というようなものが、すみやかに実現できるような措置ができないものだろうか、この点について記念切手の発行はみだりに濫発されることは、記念の価値をなくするので、絶対反対でありますが、意義のある切手について、その手続が非常に複雑なために、これが葬られることがないように、郵政審議会にお諮りになる基準について、何かもつと幅を持たせるような道はないか、これをちよつとお尋ねしたいと思います。
○田村国務大臣 ごもつともな御意見であります。結局審議会にかけるということは、あまりに濫発されると困る、こういう点から出たのだろうと思います。この点は運用の点において、かなり融通がつく点があろうかとも考えておりますので、御趣旨のような意味で、私も今後進んで参りたいと考えております。
○池田委員長 先ほどの柄澤君の御質問は、従業員に対する切実な御質問であり、敬意を拂つて聞いておつたわけですが、その中でいわゆる調整号俸の問題、この問題について、これは当委員会としましても、また私委員長としても、重大なる関心を持つておりますので、御参考に御報告申し上げます。 そこできよう外事委員長と私と電通の委員長、各省の——電通、郵政、それから警察、それぞれの関係官、郵政大臣、それからこれを扱つた内閣の官房副長官等、つまりそれぞれ関係者全部のお集まりを願いまして、私個人の見解に従えば、これは既得権を剥奪するような結果になると思う、かようなことははなはだおもしろくない、しかし今実際問題としてこの段階に入つて来ると、ちよつと処置がないというような形になつてしまつている。というのは御承知のように、予算を修正する方法しかなくなつておる。従つて今後さようなことがないように……。それではこの剥奪された穴埋めをどうするかという問題について、事務的に折衝を重ねたのであります、ところが政府としては、そのうちの半分を、政令をもつて何とか処置をしたいということであります。その残つた申分は、これは予算の関係その他があつて、それ以上の措置ができない。但し給與の面その他において研究してみようということで、実はわかれたのでありますが、さような問題は、政府当局が軽々に扱われてこれを決定するということになれば、責任は事務当局が持つのではない。われわれ議会が国民に対して責任を持つ。従つてこういう問題に対する取扱い方についても、私は非常な不満を持つて、先ほど一応嚴重な警告を発しておきました。そこで私はこの機会に、これをあなたに御報告して、あわせて今後の処置について、一応この際郵政大臣から、見解をここでお述べを願つておきたいと思います。
○田村国務大臣 先刻柄澤さんの御質問の際にも申し上げたのでありますが、政府といたしましては、ひとりこれは郵政、電通等の現業官庁だけの問題外ありませんが、各在来の特別な方法によつて扱われたもの、あるいは調整号俸によりましたもの等を、自然と一般のものに近寄らしたい、こういう考え方から、今度の調整号俸をあるいはやめ、あるいは半分にするというような案が出て参りましたのでありまして、大体それによつて予算が組まれておるのであります。郵政大臣としては、はなはだ不明ではありましたが、かようなこまかい号俸調整の点で、どういう影響が郵政、電通の給與に関係するか、はつきりしなかつた点もあり、実は恐縮に存じておりまするが、その以後におきまして、さようなことを知り、しかもそれがどういう理由かと申しますると、郵政、電通には、中には二号違つておる人もありまするが、大部分の人は一号俸違つておるのでありまするので、それのよつて来つたところは、先ほど申し上げたように勤務時間が今度同じものだから、この際その意味において、一般の公務員と同等に取扱われてしかるべきではないか。かような理由で、この案が実行されようといたしつつあるのであります。それでは郵政、電通両省におきまして、單に時間的に同じことになつたから、同じでいいじやないかというような議論ではいかぬので、現業、ことに企業官庁におきましては従業員が、一般の公務員とは非常に違つた勤務状態にあるのでありますから、單に時間が同じになつたから、同じでいいじやないかということについては困るということで、閣内におきましても私はその点を主張いたしまして、閣内でもその点は了解いたしまして、今後何か政令によりまして、この号俸表が行われた場合に、すべての他の特別号俸の人たちが、大よそ半分になるのでありますから——号俸というものの半分という号俸表はないのでありまするが、これに対しまして特に特例をもつて、一般の例と同じように、その半分までは給與のできるような方法にいたしたい。かようなことに現在は進んでおるのであります。なお私は両省の公務員の長官といたしまして、その現業であるところの見方が、あるいは他の人たちの目から見て、一号俸違うのが正しいか、全然差別がないのが正しいか、あるいはやむを得ず半分ということでがまんすることが正しいかということについては、いろいろ議論もありましようが、私としては一号俸そのまま残すことを希望いたして参つたのであります。しかしそのために全部の予算の組みかえ等も必要に相なつて参りまする点もございますので、やむを得なければ、今日の政令によりまして、これを調整する方法を考えて行くようにいたしまして、なおその不足に対しては、できるだけ今度の給與法によります昇給等の点を考慮いたして、できるだけ実質的にあまり大きな減額にならないように考えたい、かように考えております次第であります。
○柄澤委員 委員長の御努力には感謝したいと思います。それからまたこれは当然のことでございまして、おつしやるように既得権の剥奪なのでございます。これは予算の組みかえと申しましても、きまつたものではございませんで、国会が審議してこれを決定するのでございまして、今審議中で、決定しておらないのでございますから、ひとつ郵政委員会といたしましては、既得権の剥奪につきまして、ぜひこれを削減せずに、既得権は既得権として、予算審議中の予算委員会に申入れをするということをここで——郵政大臣もせつかくそういう御意見でございまして、一号俸を間違つたということで、閣内でも御検討中であつたのでございますから、何とかひとつそういうことにまとめまして、予算委員会に申入れをしたいというふうに私考えるのでございますが、皆さんの御賛同を得たいと思います。
○池田委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○池田委員長 速記を始めてください。 了承しました。 それでは本日は、これにて散会します。 午後四時十四分散会