農林委員会 第3号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/12/02
会議録
○千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。 ただいま本会議が開会になりましたので、暫時休憩いたします。 午後一時五十一分休憩 ————◇————— 午後三時五十九分開議
○千賀委員長 ただいまより農林委員会を再開いたします。 この際御報告いたします。去る十一月二十八日に八件、三十日に一件の請願が付託され、また二十九日に十五件の陳情書が本委員会に送付になつております。御承知置き願います。
○千賀委員長 次に食糧増産に関する農業技術改善につきまして参考意見の聴取の件でございますが、本委員会あてに全国からそれぞれ食糧増産の篤農家、あるいは民間学者等から御意見が参つておるのであります。中には相当にとるべきものもあると思います。そこで委員会でこれを参考意見として聴取をいたしまして、大いに検討することは、この際食糧増産のために大いに意義のあることであると思いますので、かようなとりはからいにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。さように決します。 人選その他これを行いまする日時等につきましては、あげて委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。さように決定をいたします。
○千賀委員長 これより肥料に関する件を議題といたします。本件に関して河野委員より発言を求められております。これを許します。
○河野(謙)委員 御承知のように肥料問題に関しましては、前国会以来本委員会は特に小委員会を設けて、休会中、さらに本国会に引続き、継続問題の重要性にかんがみて慎重審議し、かつその間において、政府の肥料行政に関する考え方も伺つて参つたのでありますが、遺憾ながらわれわれは現在の政府の肥料に対する認識、肥料に対してとつている態度につきましては不十分なものがあり、満足することができないのであります。そこで一つの例を申すならば、肥料の統制が撤廃になりまして、政府が当然なすべきことは、公団が持ちました八十数万トンの肥料に対しまして、向う一箇年間の肥料の需給調整をやることは、当然政府のやるべき責任であります。しかるにこの公団の持ちました八十数万トンに対する放出の時期等におきましても、肥料行政がはなはだ不完備なために常にその時機を失し、適正な措置を欠いておるのであります。なお価格の操作におきましても、いまだに政府の中に適正価格についての意見の統一を見出していない。適正な価格についての意見の統一を見出していないところに適正なる肥料行政ができるはずがないのであります。これらのことを考えまして、われわれは本委員会といたしまして政府に対し、肥料対策に関して強くこの際要望決議したいと思うのであります。以下、私は決議の案文を朗読いたしまして、委員長から委員各位に御意見を御していただきたい、かように思います。 肥料対策に関する件 衆議院農林委員会は、肥料配給公団廃止以後における肥料政策の確立のため鋭意調査に当つてきたが、肥料問題の我国農業に占める地位の優れて重要なる事情に鑑み、政府が現に採りつつある措置を遺憾とし、左記各項の速かなる実現方を強く要望する。 記 (一) 東亜全地域における肥料需給の趨勢等に鑑み、肥料工業に対して最大供給可能電力を優先確保して操業度の引上を図ると共に、企業合理化のために相当額の国家資金を投入し、以て増産並に肥料価格引下げの措置を速かに講ずること。 (二) 肥料行政の過去における経緯に鑑み、速かにこれを農林省に一元化し、以て生産流通並に消費を一貫する行政運営の方式を確立すること。 (三) 適正な肥料価格で内需を確保するため、本肥料年度中は既定輸出分硫安九万二千屯以上の肥料輸出を行わざる旨を確約すること。 (四) 将来における肥料価格の波乱及び時期的地域的な需給の逼迫を予防するため来る通常国会において肥料需給調整のために必要な措置を講ずること。 右決議する。 なおこの決議につきましては、事の重要性、また事の非常に急ぎます関係上、委員長においては満場の御賛成をいただきました以上は、特に政府に向つて来る五日までにこの決議に対する回答を求めていただきたいということをつけ加えるものであります。
○千賀委員長 ただいま河野君の発言を本委員会もあげて了承することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。了承することに決定いたしました。
○小笠原委員 私はこれは異議がありませんが、あまり決議が弱い。これは御回答のいかんによつては、なお強いところの決議を出す準備をしているということを、政府の方に御警告願いたい。なぜなれば、農林大臣の同意を得るべきものを——特に拒否されたものを、通産大臣によつて断行する。その部下の連中はこれを許可して、この理由は何かといえば、貿易問題で信用云云ということはしばしば論じた通りであります、貿易が大切か、農村の増産が大切か、一体肥料というものは農村のためにやるものだから、これをしつかり政府が認識されて、そしての回答でなければだめだ。しかも責任はまだ明確になつていない、そういうことも考えて御答弁願いたい。これはこのままで終るものではない、尾を引くのだということを、よく委員長から御警告を願いたい。その意味においてこれに賛成いたします。
○千賀委員長 承知いたしました。 —————————————
○千賀委員長 それでは食糧問題に関する件を議題といたします。
○小林(運)委員 われわれは前国会末において、同調者多数をもつて、政府に早く臨時国会を開いて、わが国の農業を復旧しなければいかぬということを強く要精しておりましたが、その間相当の期間を経まして、ようやく先般臨時国会が開かれたのであります。この臨時国会で政府の施政方針演説を聞きましても、また提案されました補正予算を見ましても、われわれ国民が、特に農民が考えているような農村を救うというような施策はほとんど見られない。しかも最近の国際情勢、特に朝鮮事変は重大なる段階に至つていることは、諸君の御承知の通りであります。しかるに政府はこれに対して、現在の農業政策、特に食糧政策において明確なる線が出ていない。こういう意味からいたしまして、われわれは農林委員諸君の多数の御同調を得まして、食糧確保に関する決議案を上程いたしたいと思うのであります。まず先に決議案の案文を朗読いたします。 食糧確保に関する決議(案) 食糧確保が国民経済の基盤たる事は何人も疑いを容れぬところである。 朝鮮事変の急転は極めて重大な段階に入り国内食糧に柳かの不安もなからしむる為にその増産確保を期することは特に必要である。 然るに政府施策の現状は食糧増産を可能且つ容易ならしむる為には尚甚だ不充分であつて農業部門に於ける災害復旧は勿論、積極的な農業生産増強施策に於て速急その充実を図るべき事が極めて多い。殊に焦眉の急務なる「農業金融の疏通並に農業協同組合の育成強化」については未だに我々の首肯し得べき成果を見るに至らないことは誠に遺憾である。政府はよろしく以上の点に鑑み速かに食糧の確保増産について万全の措置を講ずべきである。 これが決議案の案文でございます。案文の文章その他については、諸君におかれましても十分お考えの上、多少の修正をしてもけつこうでございます。 以上のような趣旨において本農林委員会においてこの決議をいたしまして、さらに本会議においてこの決議案を上程いたしたいと考えるものでありますが、皆さんの御同調を得たいと考えるものであります。
○千賀委員長 ちよつと申し上げますが、大体本会議に決議案を上程するということは、委員会がするのではなくて、議員の個人の資格としてやることになります。もちろんこの種の決議案は、各党、各個人とも、精神においてどなたも御反対はないと思います。しかしながらこれが農林委員会に席を置く各議員が大多数をもつて本会議に上程せられるということになりますと、まだ案文についてはそれぞれ御意見があると思います。ゆえにこれは小委会を設けてもけつこうでありますが、そういう手続をもちまして案文を決定いたし、なお上程の手続にする。こういう取扱いが適当であると思いますが、皆さんにお諮りいたします。
○遠藤委員 ただいまの委員長の御意見に私ども賛成であります。と申しますのは、この食糧確保に関する問題はきわめて重要な問題であります。わが自由党におきましても、この問題を常に重要視して参つたのであります。特にただいま御提案になりました食糧確保に関する決議案の内容を見ておりますと、この内容にいささかも不満があるわけでも何でもないのでありますが、さらに私どもといたしましては、今日食糧増産の上で非常に大事な問題は、土地改良の問題と並んで病虫害の駆除、予防の問題、この損害が年々百三十億円にもなつております。これを徹底的に駆除、予防して行くということが、今日の段階においてはきわめて重大な問題であるというふうに考えております。さらに食糧の問題としては、今日におきましては総合食糧の確保、あるいは畜産の問題、あるいはその他の食糧全般にわたつての問題について、特に強調したいと私どもは常に考えておつたのであります。そういう内容をも盛つていただいて、総合的に皆さん御相談を願つて、この決議案をつくつて行くことにおとりはからいいただくことができるならば、非常に幸いだと思うわけであります。
○吉川委員 きわめて重要な問題でございますし、遠藤委員の言われた通り、与党の中にも異議がないわけでございますので、これは農林委員会の理事か、あるいは各党のそれぞれの代表者をお選びになつて、その諸君によつて、この問題を十分話し合つてやつていただきたいと思います。私、委員長を不信認するわけではございませんが、理事もしくはそれに幾人かの人を加えて、慎重におとりはからいを願いたいと思います。
○千賀委員長 ただいまのそれぞれの御発言の御意思をも加えて取扱うことを委員長に御一任願えますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 それではさように取扱います。 食糧問題に関します質疑が前回農林大臣に行われましたが、ただいま安本長官と農林次官がおいでになつておりますので、質疑のお残りになつておる方はお許しをいたします。
○井上(良)委員 この際特に安本長官にお伺いしておきたい点が二、三点あります。 一つは昨日米価審議会で、政府諮問案に対して、生産者側は五千八百円案を呈示いたしまして、これが多数賛成をするところとなつて、この生産者価格五千八百円案が多分答申されることと存じます。いずれこの問題につきましては、本会議で政府の所信をただすつもりでおりますが、今日この問題をどうするかということについては、政府としてもまだ御相談をされるところもありましようし、またいろいろの検討も加えなければならぬという時間的な問題もありましようから、私はあえてこれに触れません。この際特に私の伺つておきたいのは中間経費の問題でございます。そしてこれから出て参りますところの消費者価格の算定の問であります。昨日の米価審議会で、消費者価格は現行価格を維持してもらいたいという強い要望が全会一致でされております。これは全員現状維持という附帯答申をすることに決定をいたしたのであります。そこで問題は、現状で維持した場合は、当然政府はこれに対する補給金制度を新しく考えますか、あるいはそういうことができなければ、できるだけ中間経費を圧縮いたしまして、消費者の負担を軽減する措置をとられると思いますが、その場合委員会を通して一番議論になつて参りましたのは、例の中間経費の中に含まれております食管特別会計の人件費が非常に大きな部分を占めておるというところから、この経費の内容を調査してみますと、御存じのように、買入れの場合の検査のために、検査員を各県に駐在さして行つておりますが、この検査員の給料が全部中間経費から支払われておる。そしてこれに伴うところの事務費その他も全部これから支払われておる。その他統制に関連します経費が一応この中から支払われておる。こういうことでございまして、これは何としましても、政府が統制を続けて一つの食糧配給の仕事をやつております理由は、統制という一つの政治的な行為から起る結果でありまして、これは当然一般会計において負担すべき性質のものではないか、こういう意見が非常に強いのでありますが、これに対して、一体物価庁長官としての周東さんはどうお考えになりますか。この点を一点明らかに願いたい。 その次には、一昨日以来審議会で議論をいたしました通り、今日一般勤労大衆、特に働く下層の人々は、いろいろな経済的圧迫を受けまして、非常に生活は困窮いたしております。このことを政府も認めて一般給与を改訂いたし、あるいはまた税制の改革によつて、少しでも国民負担を軽減するという手を打たれて来ておるのであります。しかしそれは予算その他の関係から、なかなか現実の生活を緩和ることに効果的な実績をまだ得るには至つておりません。そこへ米価が今度上るのでありますから、そうなつて来ますと、いろいろな面で消費者生活に大きな圧迫を加えて来ます。また一方、本年米価決定の一番難点として起りましたのは、輸入補給金をどうするかという問題でいろいろ御奮闘を願つたのでありますが、しかしこれはいずれ政府の統制撤廃という一つの方向と、それから私の一番恐れておりますのは、一九五二年からガリオアの資金が打切られるという一つの見通しが今日立つております。そういうような諸情勢を勘案いたしまして、この際少くともわが国経済自立に必要な基礎原料、資材を海外から輸入するために必要な貿易を振興する、その貿易産業の基本である生産費を切下げて、できるだけよいものをたくさん輸出するということのためには、国民経済が全般的に安定し、かつまた技術が世界的水準へ達するように行かなければ、質易の振興は望めないのであります。そういう見地から考えましても、この際政府は進んで、二重価格制を少くともひとつ思案してみるという新しい態度をとつて行くことが、食糧政策としては必要じやないか、こういう考え方から私どもいろいろ検討を加えておりますが、これらに対してどういうお考えでございますか。特に中間経費のうちで、政府はえてして、政治的に反抗することのでき得ない、力の弱い農民層を目がけて、たとえば農業倉庫の保管料でありますとか、集荷手数料でありますとか、こういうものを何とかたたいてやろう。ところが農業倉庫は、大臣も御存じの通り、一般営業倉庫と非常な差別待遇を受けておりまして、現実に営業倉庫に対抗でき得ない状態にあります。営業倉庫と同一の待遇を与えずに、非常に特殊な農産物だけをその対象とする倉庫としてこれを経営させておるのに、その保管料を普通の営業倉庫と同一に引下げて行くというような行き方は、これは妥当なやり方とは考えられません。 それからいま一つ、中間の加工料もそれぞれ削減をする。もちちんいろいろな見地からむだを省くことは必要でありますが、しかし現実に私どもが見まして、たとえば横浜なら横浜の、日清製粉でありますとかいう大きな会社の組織を見ておりますと、あの会社は、あの吸い上げ設備によつて吸い上げる荷揚げ料金だけでまかない、あとの製粉加工料は全部もうかる、こういう会社内容であるとということもわれわれは聞いておる。そういうように大資本に対しては非常に甘い、まことに手厚い手を打つておりますけれども、ことに小さい加工業者、小さい製粉業者に対しては、ことごとく重圧を加えてこれを削ろうという方向で進んでおるように見えるのであります。私どもは、もちろん全般に比較してできるだけ高能率、低加工料を望むことは当然であります。またそういう方向に今進んでおりますから、そういう一つの新しい対策を立てなければなりませんが、同時にそれをまたカバーし、援助し、そういう方向へわが国の製粉能率を高めるように政府が指導し、それに必要な資材、資金等を裏づけてやるというのならいいけれども、一方的に打切るというやり方は、私は非常に重要な結果を生んで来ると考えます。 特に私がこの際伺つておきたいのは、日通の全国プールの請負契約であります。これに対して、一体安本長官はどういうお考えを持つておりますか。(「農林省に聞け」と呼ぶ者あり)これは農林省でありますけれども、これの加工料、運賃をきめておりますのは物価庁でありますから、それはあなたに責任がないとは申されません。そういうわけで、特にこの点について一応慎重な御検討を願いたい。 それからこれは別の問題でありますが、この際ついでに、時間の関係がありますから伺つておきたいのは、例の大豆の輸入についての安本の輸入計画の問題でございます。御承知の通り、戦争前までは、満州から六十万トンないし百万トンに近い大豆を日本は輸入しておつた。ところが終戦この方、二十万トンほどの輸入のうちで八万トンをアメリカの方から援助を受け、あと足らぬ部分を香港経由で中共の大豆を輸入しておるのであります。ところで、こんなことは私が説明するまでもなく、大臣は御存じでありましようが、中共大豆の相場は、常にやはりアメリカの日本への輸出の相場に揺られておるということであります。このために最も安く買えるところの満州大豆が、アメリカの輸入価格より一割以上も高く買わなければならぬというこの事実、まして戦乱その他の見通しから、この大豆がもし入らぬというようなことになりますと、わが国のいわゆる大豆を中心にする蛋白脂肪の供給に非常な支障を来すと思いますが、これらに対して、一体安本としてはどういう手を打つて大豆の確保をしようとするのか。特に国内大豆については、先般農林大臣は、三月から統制をはずすということを明らかにしましたために、おそらくこの一月、二月、三月という大豆の供出の最盛期を控えて、私は政府が昨年供出を確保いたしました十二、三万トンの大豆は、確保できないのではないかと思う。国内大豆の確保が困難な実情において、質易またしかりであります。この点に対して、安本としては一体どういう手を打とうとしておるのか、この点について大臣の御所見を伺いたと思います。
○周東国務大臣 お答えをいたします。一番最初の米の消費者価格の決定をなすに際して、でき得る限りこれを下げるためには、中間経費を十分検討して、むだを省いてもらいたいという御議論には根本的に賛成であります。今度は、特に私どもは経済調査庁の手を煩わして、詳しく調査いたしました結果が大体出て参つておりまするし、適当な機会にはこれをお示ししてもいいと思つております。その内容一つ一つ——倉庫倉敷料、金利、いろいろな点で十分下げ得るものについては、できるだけ合理的な線によつて決定をする。今お示しの日通の運賃の問題にしても、すでに研究の対象になつておることを申し添えておきます。なお農業倉庫について虐待しておるようなお話をされておりますが、これは何かのお聞き違いであろうと思います。将来とも、農林大臣も同感と思いますが、わが国の食糧政策を遂行して行く上において、農村における農業倉庫の奨励といいますか、それについては特段の意を用いる必要があるとさえ考えております。 第三の点でありますが、将来食糧、特に米の二重価格制を設けることを考えるかどうかというお話であります。これは一昨日でありましたか、米価審議会でも申し上げましたように、一つの理想であります。しかしこのことは国家財政にかかつておるものでありまして、もちろん井上さんも腹の中では十分承知の上で、話させようというのだから人が悪いと思います。今度の問題はどういうふうになりますか、適当なときに御質問があると思いますから、またお答えしますが、ずいぶん悪意な話であります。できるだけ農村は高く買い、消費者は今の通りすえ置けということは、これは井上さんが農林当局でも、困難であろうと思う。それをよくわかつて、どこまでそういう意思を反映させて消費者価格を決定させるかにあると思いますから、これは十分善処いたします。将来の決定にあたつては、そういう理想があつても、結局減税はしろ、国家の収入はできるだけ少くしろ、これは日本の復興をはかる上において、国民の耐久力、さらにまた将来国家の資本の蓄積の上からいつて、できるだけこれをとらずして、民間資本の蓄積の方向に持つて行くということから言えば、減税するということは一つの大きな問題であります。そうすると国家収入が減るから、高く買つて安く売れというのは、理想は理想でありますが、よく研究したいと思います。 それから次の問題でありますが、これは私もよい質問をいただいたと思います。この際はつきり申し上げます。むしろこれははつきり言つてもらいたい。現実におきましては、ことし当初の輸入計画は二十万トンぐらいでありまして、今日まで上半期に入つておるのが十六万トン余り、下半期の計画はさらにふえまして、総計いたしますと、初めの計画よりも二十九万一千トンぐらいに輸入計画が増大するはずであります。その点について今後努力をいたしたいと思います。大豆については、特に国民の蛋白資源、脂肪資源としても重要なものであると考えております。特にあなたの質問で大きく言つてもらいたい点は、当初ガリオアの関係が少くきめられて、あとは何か商業資金では買えないような宣伝があつたために、香港経由で来るのがばかに高くつり上つて来た。この点は、そういう無暴なつり上げには応じかねるのであります。すでに満州大豆が香港経由で来ましても、運賃そのものにおいても七ドルから差があつて、安くなるべきにもかかわらず、最近の情勢では百三十二ドルに上つて来ておる。アメリカの方の関係からいえば、百十五ドルないし百十八ドルという話であります。この無暴な要求に対しては、われわれは承知できないのです。高ければ買わぬ話でありまして、アメリカの方では、ガリオア以上に商業資金でできるだけ出してやるという了解がついております。われわれの方の計画としては、今言つたように、下半期において相当輸入計画をふやすことにいたしております。ただこれは、私どもは机上でこれだけできたからといつて、決して安心はしておりません。絶えずほかのものと同様に、輸入に対しても極力努力しておりますから、おそらく当初の二十万トン計画よりは上まわつて入り得るのじやないか、こういうように考えます。
○河野(謙)委員 関連して……中間経費の話が出ましたから、この機会に農林次官にお尋ねいたします。中間経費の中で運賃、加工賃、倉庫料、いろいろありますが、加工賃について相当削減する——抽象的でありますけれども、削減するという御意思のように伺つたのです。加工賃を削減するということは、操業度を上げる……
○千賀委員長 河野君、安本長官は、今予算委員会に行つておられる時間を来ていただいたのですから、安本長官を先に……
○河野(謙)委員 安本長官にも関係あります、一つだけ。操業度を上げるということになるのですが、操業度を上げて加工賃を下げるということに了承していいのですか。ただその場合に問題になることは、操業度を上げるということは群小の精麦、製粉工場を淘汰するということになるのですが、これは非常に大きい問題です。これについて明瞭に答弁してもらいたい。私は加工賃を幾らにしろということを聞いておるのではない。加工賃を下げると操業度が上る。操業度が上るということは、群小の工場を整理することだ。これは消費者階級からすればいいことである。大資本で、大製粉、大精麦工場でやるということは、品質がよくなつて国民各層がうまいパンが食え、うまい飯が食えるということになつていいことでありますが、その陰に一つの社会問題がある。これについて政府ははつきりした態度がきまつたのかどうか、それをひとつ伺いたい。
○島村政府委員 小麦の加工は、御案内の通りに、戦後小規模でできたものも相当あります。これが食糧行政に相当役立つたことはよく承知いたしておるところであります。そこで小麦の操業度を上げるという結果が、大企業に集中するというような傾向のあることも御承知の通りであります。従いまして戦後できました小さい業者に対する措置については、相当議論の余地のあるところでありまして、これを理論的に考えますと、中間マージンの節減という立場からいえば、さようなことが考えられると思うのでありますが、また社会問題等の関係があることは御指摘の通りでありますので、その調整をどうするかということについては、まだ結論は出ておりませんが、かれこれ勘案をいたしまして適当な措置を講じたい、かようなことで御了承を願いたいのであります。
○千賀委員長 周東君に対する質問を…
○河野(謙)委員 安本長官にもよく聞いていただかなくては困るのです。特に安本長官が結論を出される場合に私は聞いてもらいたい。私は結論の出にくい問題だと思います。しかし加工賃を削減するということは、はつきり言われた。加工賃を削減するには、群小の工場を淘汰する以外に、削減の道は絶対にないと思う。であるから、一方において結論がもう出ておるのです。加工賃を削減するということ、また私たちはそれをしてもらわなければ困る。ところがそれには群小の工場を整理しなければにらぬ。これは非常にむずかしいと思います。また大きな問題であるから早く聞きたい。政府は今後考究するとおつしやるけれども、もう案が私はできておるのじやないかと思うのです。案ができておるのなら、この際率直に方針をお示しくださつて、われわれに協力を求められた方がいいのじやないかと思うのです。もう少し率直に御答弁願えませんか。
○島村政府委員 率直に申し上げますと、企業の合理化によつてできるだけ措置を講じたいと思います。
○小笠原委員 私のお尋ねすることはこういうわけだが、いいあんばいにきようは長官においでいただいたから……。ほかの係だとなかなかめんどうな問題だと思つておりました。ことにあなたは官僚の方にも経験があり、政党の方にも相当に経験があり、大臣として最も政情に明るくなつておられるのだから私は伺いたいのだが、今あなたは米その他の食糧についてのマージン問題、これは何分節減する、そうして理想的な案を両方から持ち寄つて、ひとつ案をこしらえようというような御答弁があつたのです。ところがあなたの部下の方の安本でも物価庁でも、役人はそれをやらぬのだ。とにかくけしからぬことまでやるのだ。第一にこういうことがある。今麦粉の問題は、パン屋もめん屋も、これが十一日から買取りになつて自由になつた。これは公団から行くのだ。ところがあなたの方の部下の連中が、公団が赤字を出していかぬ、もうけさせようというので——ただ政府が公団に売り、そこから今の団体が持つて行くだけで、何もマージンをとらなくてもいいものを、もう居すわり強盗みたいに、まだマージンをとらなくちやならぬというので、高い価格で売り渡しておる。それだから今の団体がみんな赤字を出しておる。従つて団体は全部公団に反対ばかりする。一体法律で、ただむやみに権力でもつて押しつけて、そうして一般民衆団体に損害をかけ、それらの反対を受けたら、必ず公団というものは行き詰まる。やはり民衆の同情を寄せなければ、いかなる政府の法律にしても、権力にしても、これはもつて行かれない。ところが今そういう状態にある。それではせつかく十一日から解放した買取り自由ということは矛盾して来る。なぜそれだけ公団を擁護しなければならぬかということなんだ。公団を擁護して消費者の方に影響があるということになつたら、目的は転倒してしまう。それをあなたは監督なさらないと、いかにあなたがここで、マージンの問題は大いに節約して、理想を持ち寄ると言つても、あなたの部下は反対に出て来るのだから、あなたは官僚上りの彼らをかわいいかわいいと思つていないで、政党上りを利用して彼らの頭をはたくほど、うんとがんばつてやらぬとものになりつこない。それをぼくは心配している。今出ておるものはそれなんだ。だからこれを至急に改めなければ、商工協同組合法によつてできておる今の団体はみんなつかれてしまつて、幾ら公団の赤字の補填をやつても何にもならない。その点を十分御考慮願いたいのでありますが、お考えの点をここでよく説明していただきたい。
○周東国務大臣 小笠原さんの御注意はよく拝承いたしました。今度は幸いにして、今申し上げたマージンについては、経済調査庁の方で各段階ごとに、各通る場所ごとにいろいろな点について調べ上げて、もしも今のようなむだがあつて、トンネルだけでやつているという所は、おそらく今度整理の対象になるのではないか、かなり大きな節約の額が出ております。これを今農林省の食糧庁と一つ一つ突き合せてやつておるわけでありまして、かなり整理が出るだろうと思つております。その説明も私は聞いておりますが、両方意見があるようであります。今度第三者的な立場において強く調査された結果ですから、相当に効果があるだろうと私は思つております。
○小笠原委員 それでは私はわからぬが、両方に意見があるとなれば、今買取りを自由にして、その方に対して公団のマージンを元のままにして少しもかわらない。だから全部が今黒字になつておるのは公団だけだ。各団体の方は解放されたにもかかわらず全部赤字になつておる。そういうことが現実に現われた問題だ。これは食糧庁といつても、農林省の方で異議がありつこない。これは不合理だ。そつちの方に聞くと、どうも安本の方でこれをやつたんだから……こうやつてしまう。安本長官が来れば、これは農林省とよく相談して、第三者の方で調べておるからというが、それはいつのことだか……。そのうちに議会が済んでしまう。今度次の議会にというと正月だ、お休みだ、それではだめだと言うんだ。今すぐの問題をここに出して解決を願いたい。
○周東国務大臣 今のはこれからやるのではないのです。もう成果をあげているのです。今の調査は、農林省も経済安定本部も携らないのです。調査庁という独立官庁が、物価庁とも離れて、今の農林省の特別会計も、公団も、それから末端のところもみなうんと調べ上げて、各段階ごとに、これはこれだけ倹約できる、これだけ節約すべきだという意見をこしらえたのです。それでいらぬものは今度やめたらいいということになつておりますから、この問題はもう少し、十日前後、十三日消費者価格決定の前にお示しして行こう、こういうことにしております。非常に中がこまかくなつております。あなたの説に沿うだろうとぼくは思つています。
○小笠原委員 それは公団を抜きにして直接取引でもいいのだ。また公団を通すならば通してもいい。いいけれども、公団が自分でやつて自分でこれを運んでやらなければならぬ事態と同様な措置を今とつているということに不合理性がある。少くともこれをしつかりと、これは公団を通さなければなおいいのだ。とにかくあなたは、調査庁なんかの調べはどうだこうだと、人に調べてもらわなくたつて、間違つたものはすぐおやめになつたらどうですか。調査庁なんという役人の連中が、あの問題を判こを百も押しているうちに用は済んでしまう。そうではなく、緩急なものはすぐわかるのだから、小笠原来いと言えばすぐ行くし、だれか呼んで調べてもこれはわかる、けしからぬ、これはやめろということで済んでしまう。そういう明瞭なことは、あなた方りくつを言つてもだめだ。どうかそれを解決をつけてもらいたい。なおこれは臨時議会中に、これは解決をつけたぞということの明確な御答弁を願いたい。それだけをひとつつけ加えておきたい。
○千賀委員長 井上君、小笠原君に関連したことだけを許します。
○井上(良)委員 これは重大な問題です。小笠原さんの申しているのは、直接その業者団体に渡してやれという要求です。これは業者団体から言えば当然の要求だと思います。ただここで問題は、公団の配給は一箇月計画になつておるわけです。そのうち御存じの通り、米食で配給すべきものは十五、六日分しかない。あとは粉とかその他のものでマージンの計画を立て、予算を立てておるわけです。もしこれを公団からはずすということになりますと、十五日分で一体公団の経費が成立つか、公団職員の生計が成立つかという問題が起つて来ますから、この問題を解決せずして、単に公団を通すのをはずしたらいいということにならないのです。だからそこをよくにらみ合した上で検討されないと、三十日分米の配給をして、米屋は米屋として十分経営が立つて行くならばいいのですが、日本の現在の食糧構成はそうなつていないのですから、そこに問題があるわけです。これは至急に解決しなければならぬ問題でございますから、ぜひその点について御検討願いたい。私からもお願いしておきます。
○大森委員 私は政務次官にお尋ねいたします。簡潔に申し上げます。大体肥料問題に対していろいろ論議されましたが、その肥料は、今私どもの調べておるところによりますと、政府の持つております過燐酸は三割の腐敗がある、そうするとこれが大体……。
○千賀委員長 大森君、ちよつと御注意いたしますが、今食糧問題を上程しておりますから、食糧問題をやつてください。
○大森委員 これから食糧にかかつて行きますよ。まあしまいまでお聞きなさい。食糧をつくるにはまず肥料が必要なのです。この肥料をまず考えなければ……。
○千賀委員長 そういう詭弁を言わずに……食糧問題に対する質疑がなければ進行さしてください。あとで許します。
○大森委員 簡単に……。
○千賀委員長 簡単でもいかぬ。食糧問題を議題にすることを宣言をしておるんだから、議題以外のことを取扱つてもらつては困ります。
○大森委員 それでは結論に行つて、それが食糧関係であるかどうかを判断して、そうしていかぬならばこれを中止してもよろしい。今中止してはいかぬ。私の言つていることを聞いて、それから中止してください。
○千賀委員長 聞いたからわかつた…。
○大森委員 どうも委員長が、何か人が発言することを、すぐああでもない、こうでもないと言うことは、これはいかぬよ。まずお聞きなさい。黙つて聞いたつていいじやないですか。そんな大影響をするものなら……よろしい、それではこれはやめておくが、あと何時間でもかまわぬな……。
○千賀委員長 食糧問題に関してほかに御質疑はありませんか。
○井上(良)委員 今安本長官ははつきりそういう答弁をなされたのですが、私、先に農業倉庫の保管料または農協の集荷手数料について質問いたしましたときに、農林当局も、政府としては農民団体を圧迫するがごとき措置をとらぬというお話だつたのです。そうして農林当局では、すでに農業倉庫所管の各団体の代表者を集めて、保管料の引下げの交渉を始めておるということですが、あなたはそれを御存じでありますか。
○島村政府委員 保管料引下げに関して、関係団体を集めてということは、私はまだ聞いておりません。お話の通りに農業協同組合の手数料、保管料については、組合の財政上にも相当関係のあることで、非常な関心を持つておるのでありますが、これを合理化する問題について、今盛んに検討を加えておりますので、できるだけ御趣旨に沿うような、農協に影響のないような方向に極力努力をいたしたいと、かように考えております。
○井上(良)委員 これに関連をいたしますが、農業倉庫から駅出しの運送は、全部日通が独占してやつておることになつておりますね。これを、その農業倉庫を管理しております農業協同組合に移管さすというわけには参りませんか。移管できないという根拠はどこにあるのですか、それを伺いたい。
○島村政府委員 これはおそらく井上さんも御承知の通りに、食糧の運送は、全国を通じてきわめて円滑にやるという建前から、当時日通一本で契約をしておつたものだろうと思います。そこで最近の問題としては、お話の通りに、これを独占的にやるということに対する意見も相当出ておりますし、従つて農協にある種の部面を担当せしめることも考え得ると思うのでありますが、輸送の問題、特に食糧管理に関係を持つ事項でありまして、その農協にやらしめるかどうかという問題については、いろいろ支障のある場合も予想されるように聞いておりますので、この点も今研究中でありますが、まだ結論は出ておりません。
○井上(良)委員 問題は、あなたが御存じの通り、各県にそれぞれ食糧事務所がありまして、そこに向つて、政府の方の輸送計画をもつて、県内輸送なりあるいは県外搬出なりの指令が行くのです。農業倉庫を経営するぐらいの農業協同組合は、それぞれ輸送機関を自分で持つておるのです。これは御存じの通りであります。また政府は別の面で、農業協同組合を育成をする予算的処置まで講じようとする時代でありまして、農業協同組合が成立たないような状態に放任しておいて、そうして一方農業協同組合育成に必要な諸経費を、政府が予算的措置を講ずる手を打とうとしておるのですが、やり方によれば、かえつてむだが少くなり、かえつて能率的に、県内輸送にしても県外搬出にしても、最も適当に行き得るのです。これはあなた、かつて農業協同組合に関係をされておつて、あなたみずから農業協同組合の指導者であつたのでございますから、あなたとしてもこの問題は、あなたの在官中に解決する責任があるわけです。あなたが解決しなければ、これは解決できませんよ。ひとつがんばり通して、あなたの政治的功績として、少くとも県内輸送なりあるいはまた駅出しまでの輸送は、所管農業倉庫の協同組合がこれを行うという措置に改むべきだろうと思います。そういう決意といいますか、自信をもつておやりくださいますか、どうですか。
○島村政府委員 私に対する御激励をいただきましてまことにありがとうございます。現在農業倉庫の所在地が、御承知の通り非常に散在をいたしております。その結果、能率的に考えますと、もつと倉庫のなければならぬ所に倉庫がない、倉庫がなくてもいいような所に倉庫がある。つまり所在の散布方法が不十分であるということが一つであります。それから現在の農協の持つておる農業倉庫というものが、戦争後修理が行われていない。従つて食糧の管理の立場からいいますと、保管料の節減としては、農協の持つておる農業倉庫が不十分であるということは否定できないと思うのであります。そこで私は、次官に就任と同時に、むしろ政府みずからが食管特別会計にでも農業倉庫を建設して、分布の公正を期する、こういう意見を持つて——あなたの御忠言までもなく、非常に関心を持つてやつたのですが、その後なかなか実現しませんし、また農業倉庫の補助の問題も、来年度の予算要求をいたしましたけれども、これが実現を見ておりません。しかし長期資金等の問題に関連を持つて、今熱心に、倉庫の建設及び農協の食糧に関する保管、輸送の問題は研究をいたしております。まだ結論が出ておりませんけれども、御忠言もありますので、大いにひとつ努力をいたしまして努めたいと思つております。
○井上(良)委員 これはまだ政府は結論を出してないかわかりませんが、米価審議会が今月の十日前後に開催されるというお話でありますので、およそ政府も結論を出しておりはせぬかと想像される問題を、この際ひとつ伺いたいのです。それは公団の卸マージンの問題であります。この卸マージンを、政府は今省令によつて出しております。各員に四つ五つあるいは六つ七つという卸商を許可する場合、小売登録を集めて卸を認めて行くその場合、県内プールは一体どういう計算でやろうとするか。おのおの配給輸送の距離が異なるし、地域が異なりますが、これを一体どう算出されようとするか。それと全国プールとの関係を考えて、どういう形で平均のマージンを出そうとするか。この点について明確に御答弁を願いたい。
○島村政府委員 お話の通り、これは非常にむずかしい問題であります。むずかしい問題というのは、御承知の通りに、一元的にこれをやりますと、事業者団体法との関係がありますので、今農林省としては、別途に法制をつくつて、事業者団体法に抵触しないような法案を考えております。まだ関係各省及び公正取引委員会との間の話合いが十分ついておりませんが、近く何らかの結論が出るものと考えております。
○千賀委員長 大森君、井上君の関連ですか。
○大森委員 関連でない。私はやめてくれと言うから中止したのだ。順序は来ている。私には許さぬのか。
○千賀委員長 まだ食糧問題に関する質疑の通告があります。
○大森委員 私に許したのはどうなるのだ。私が中止したのは、私が道程をしやべつている間に、それはいかぬといつてとめたから、私はやめたのだ。
○千賀委員長 食糧問題に関してですか。
○大森委員 食糧問題に対して……。
○千賀委員長 大森君。
○大森委員 政務次官にお尋ねいたしたいのであります。第一に、食糧を増産するということが食糧問題の根本方針である。しからばこの食糧を増産する根幹は何であるかと申し上げますならば、やはり水田が第一番の問題であり、この水田を養うところの灌漑用水と、肥料もやはり食糧を増産する第一の問題であるということをよく御承知おきを願いたい。そこで私がお聞きいたしたいのは、私の地方などでは、来年の植付ができないものがある。それは旱魃のために植付ができなくなつたのであるが、これに対してため池が私どものところには二千個からある。この水をためなければ来年の植付はできない。少くとも能登地方では二千個のため池を完備しなければ、植付がどうしてもできないのであるが、この点に対して政府はいかなる方針を持つておられるか。これに対して承つて、さらに続いて質問をいたしたいと思います。
○島村政府委員 食糧の増産上ため池が非常に重要な役割をなしていることはお話の通りであります。従来多年にわたつて、農林省はこれに対して団体営として補助をして参つたのでありますが、昨年以来御承知の通りに、団体営の既往における補助金は計上されましたけれども、新規計上に対しては、いろいろの関係で補助費の支出が認められぬことに相なつております。そこでこの問題は、農林省といたしましては、常に努力を重ねてこれの計上方の要請をいたしておりますが、なかなか実現に参りません。そこで来年度におきましては、たびたび大臣が答弁をいたしましたように、これらの仕事をやる場合における融資の道を考え、それによつて緊急なものに対しては、至急にため池の工事を執行してもらうような方法を講じたい。かような考えを持つておるのでありまして、一応お答えをいたします。
○大森委員 今のお答えの結論は、何かそういうことを講じたいということを考えているようなお答えのようであります。これを講ずるということでありますが、この前も私はちよつと大臣にも申し上げておいたが、大臣は答弁をしなかつた。しかしながら私どもの地方における出先官庁は、人が少な過ぎるために、大事なこの寒中に水をためなければならぬところのため池の調査ができていないが、これはどういうことになつておるか。これに対しては、人をふやして調査をして、ため池を完全に保全するかどうか。もしそれができないとするならば、植付をしなくてもよろしいのかどうか、この点をお尋ねいたしたい。まず私の地方はどうであるかというと、出先の農地事務所には五人ばかりの官吏がおるが、それで新潟、富山、石川、福井の四県を調査いたしている。ジエーン台風から、旱魃から、病虫害予防から、いろいろなものを全部そういうものによつて調査いたしておるが、それで足りると思うか。来年の植付ができるかどうか。この点をこの間大臣に聞いたけれども、大臣は何とも答えなかつたのでありますが、政務次官はどういうふうに考えておられますか。
○島村政府委員 ため池の調査はできているはずだと思います。その方法は、県庁における耕地関係の職員も多数おりますし、あるいはまた県庁の出張所等の職員も相当おるのでありまして、これがまとまつて本省で執行すべきものは農林省でやり、地方でやるべきものは地方というふうにわかれているので、さようなことの不都合はないと思つておりますが、おそらく災害の調査等のことじやないかと思うのです。災害については、農林省の査定をする場合において、手の足らないということはお話の通りでありますが、ある程度——全部を農林省のものが見なければ、その査定が行われぬということもないと思いますので、できるだけ事務的に、さような問題は早急に運ぶように今後努力いたしたいと思います。
○大森委員 ただいまの政務次官からの御答弁を聞いていると、どうも納得できない。それはなぜかというと、二千個もあるこのため池の調査は、もはやできているのだ、できているならばけつこうです。しからばどういう報告になつておりますか。これは今要求はいたしませんが、あとで私は知りたいと思う。しかしながら大体県のものは地方においては幾分できているでありましよう。しかしこれは全部出先官庁の、いわゆる農地局が一々当らなければ、この裏づけをいたさないのであります。この裏づけをいたさないといたしますならば、これはたとい県の者が調べましても無意味であります。だから私は出先官庁の増員をどうするかということをお尋ねする。私どもの申し上げていることは、地方には、郡々には出張所があります。そこには三人か四人のわずかな役人でもおりますから、これは調査いたしている。これを一々調査をしなければ、裏づけいたさない。こういう状態になつているのでありますから、なかなかはかが行かないので、本年の間には合わないのではないかと、私どもは心配している。その間に合わないことが、食糧増産に大きな影響を及ぼすというふうに、私ども考えるので、今お尋ねをいたした。 なおさらにもう一点申し上げたいのは、ジエーン台風によつて塩害をこうむつた。いわゆる塩水が多量に入りましたために、来年の植付ができないものが二千町歩ばかりある。これに対しては、これを来年植付するということにつきましては、科学的にこれを調査いたしまして、政府に要求いたしました。どういう要求をいたしたかと申しますと、石灰を入れなければどうしてもその塩水を吸い取ることができないのであります。さもなければ、そこ全体を湖のようにして水をためなければ、塩水を排出することはできない。こういうことで、水をためるのは至難であるから、これはやはり石灰でなければならないということが大体決定づけられたのであります。そこでそれを農林省へ要求いたしましたが、これを認めてくれない。そういたしますと、この二千町歩の水田はりつぱな美田である。これを植付しなくてもよろしいというのであるかどうか。それはわずかな要求であります。四百五十万円を要求して、さらにこれを半分くらい何とかしてもらわれれば、地方民は、あとはわれわれの手でやるということで陳情をいたしましたが、これを認めないということであるのであります。これは政務次官はどういうようにお考えになりますか。植付ができなくてもよろしいと仰せられるか。食糧問題ということをやかましく言われるから、大体一つの問題には必ず食糧問題を申し上げてお尋ねをいたしたい。
○島村政府委員 大森さんのお話の石川県の場所をよく存じませんけれども、陳情等である程度まで承つたところによりますと、根本的な改良工事を行わなければいけないということが一つと、もし行う場合におきましては、用水路の新設等が考えられるということを承つておつたのでありますが、あるいはその土地でないかもしれません。そこで四百五十万円かの数字を認めてもらえぬかということは、石灰使用ということは、災害復旧にはおそらく直接関係ないということで、査定から落したということじやないかと思いますが、石灰の使用は、地方の団体等で、現在の農民の力ではあるいはできないことであるかと思いますが、それこそそういう問題は、ひとつ融資等の問題を御相談申し上げて、解決つける問題じやないかと思います。なお詳しく調べましてお答えいたします。
○大森委員 なお先ほどお尋ね申しました、しからば災害調査したものを一日も早く完全に行う、遂行するということに対しての、職員の増員というようなことにつきましては、お答えがなかつたのでありますが、それはどうでありますか。
○島村政府委員 災害復旧に伴う人件費は、工事費の予算措置が講ぜられると同時に、人件費もそれに伴うのであります。多少の増員は災害復旧費の増額に伴つて考えられると思いますが、御指摘の点の地方に対する人員をどうするかということは、なお事務的によく局の方と打合せをして、検討を進めたいと思います。
○大森委員 なおこれは政務次官に聞いてもどうかと思うのですが、この機会にひとつ、あまりにも食糧問題でなければならぬと言うから、もう少し食糧問題を聞いておきたい。私は食糧問題ということを、この間も小笠原さんがお話になつたように、根本的に解決をつけなければならぬということを考えている一人であります。そこで私は、この食糧問題のかぎはどこにあるかということを考えてみるときに、家畜、すなわち大動物の飼育、いわゆる畜産であるというように考えているのであります。この畜産の予算が年々少額になり、さらにまたどうであるかというと、畜産局まで廃止するというようなことを、この間の議会等でも聞いたのでありますが、こういう点に対しましては、次官はどういうふうに考えておられますか。私は畜産は最も大事なものであるというふうに考えております。なお畜産に対する政務次官のお答えによつて、私の意見を述べてさらにお尋ねをいたしたい。
○島村政府委員 畜産が食糧増産の上できわめて重要なることは、政府のさきに発表いたしました食糧一割増産の項目にもさし加えてあると同時に、さしあたりは麦の増産対策の具体案を練つておりますが、さらに畜産の改良増殖に関する具体的の方針を決定いたしまして、食糧増産の一環として強くこれを取上げたい。お話のような、これを無視するとか、あるいは畜産局を廃止するというような考えは、現在は持つておりません。
○大森委員 私はこの畜産が食糧の上においていかなる貢献をなすかということに関して、自分の意見を申し上げて、さらに政務次官の御答弁を願いたい。まず畜産というものの考え方が、今日までどの政府も間違つておつたのである。なぜかというと、まず肉牛を申し上げますならば、肉というものは上流階級が食うものである、こういうような考え方を持つておる。そのために、今農村などで畜産を飼育するが、これは売るものなりと考えておる。これは今後食糧の増産、さらには食糧問題を解決づける上において、またいわゆる食生活の改善、これらをあわせて考えるときに、農村もつくつて食うのであるという指導方針を立てなければならない、私はこういうふうに考える。それはどういうことであるかというと、今日本に牛、馬、あるいは豚というものが相当な数がある。私計算してみますと、価格にいたしましても原価にして九百億になんなんとするものがおるのである。そういたしますと、この九百億のものが、ここに七〇%以上増産繁殖率があるのであります。あるいは豚のごときは、少くともこれが何倍となるのであります。こういうような点を考えまして、あるいは牛乳は何十銭で飲める、あるいは肉は何円で食える、こういうところまで持つて行き、食生活の改善、すなわち牛乳一合に、あるいはパンを食つて、そうして二十銭か三十銭で済むというところまで、この畜産を持つて行くことが日本の食糧事情の解決になる。こういうふうに私は考えます。そういう点に対して、政務次官はどういうふうに考えておられますか。
○島村政府委員 畜産が栄養上の見地から、さらにまた今日の食糧問題の見地から非常に重要であることは、お説の通りであります。ことに蛋白給源はもちろんのこと、カルシュームの摂取によつて日本国民の体力を増進するという見地から考えましても、相当畜産の問題を取入れて、肉のみならず、乳の問題を強く国民の食生活に取入れるという御意見はごもつともでありまして、さような考え方からわれわれも畜産問題を重要視して取上げておるのでありまして、お話の通りに、今後もその方針で進みたいと存じております。
○大森委員 なるほど私。申し上げたことに対して、政務次官もよく御理解があつたのでありますが、さらに私は申し上げて、これも御賛成を得られれば幸いだと思う。 わが国には二十年来有畜農業を主張されて来ましたけれども、その実効が乏しいのであります。これはなぜかといいますと、いいことであつてもなかなか行わない。これをどういうふうにして行わせるかということが、大きな問題であろうと思うのであります。そのまず第一点は何であるかと申しますと、現在畜産方面を指導しておるものは、農業協同組合の一角に、どこにあるかわからぬようなぐあいになつており、あるいは主を従にしてこれを支配しております。これではならぬのでありまして、こうした点を、畜産は畜産として一つの指導権を持たせて、そうして指導育成に当らしめるという政府のお考えはないのか、これは大きな問題でありますから、まずお尋ねいたします。
○島村政府委員 ちよつとお話の指導権という意味がよくわかりませんけれども、おそらく畜産局をもつと拡充して、さらに末端の指導機関をも拡充しろ、こういう御意見ではないかと存じますが、政府におきましては、御承知の通りに、エージェントの制度にも畜産を相当取入れまして、地方の農業改良事業には畜産陣営を相当取入れてやつておりますし、さらに本省内部における拡充につきましても、鋭意努力中でありますので、これをもつてお答えにかえたいと思います。
○千賀委員長 大森君に御注意をいたしますが……。
○大森委員 これはまだ大事な問題だ、食糧問題です。
○千賀委員長 委員長の注意を聞かなければ発言を許しません。
○大森委員 食糧問題を言つておるのに、なぜ私の発言だけ許さんのか。
○千賀委員長 あなたの今まで発言しておることは、一切食糧問題ではありません。あなたの主観では食糧問題であるかもしれないが、農林委員会の指しておる食糧問題ではありません。
○大森委員 どうして食糧問題でないのか。
○千賀委員長 お隣りにあなたの方の理事がいらつしやるから、理事によく聞いてください。(「そんなことは委員長の言うべきことではない。委員長は委員長としてやれよ、」と呼ぶ者あり)食糧問題でないと断定いたします。
○大森委員 畜産をやつてそれが食耀にかわるのが食糧問題ではないのか。牛や馬は食わぬのか。
○千賀委員長 そうではありません。
○大森委員 食糧じやないのか。
○千賀委員長 ありません。断じてありません。
○大森委員 食糧じやないとはおかいことを言う。
○千賀委員長 われわれの取扱う食糧ではありません。
○大森委員 そういう考え方であるから聞違いだというのだ。これを食べるようにしなければいけないのだ、これを食べるようにしようということが食糧問題の解決であると、われわれは主張しておるのだ。
○千賀委員長 違う違う。発言を許してありません。
○大森委員 継続質問をしておるのだ。
○千賀委員長 非常にあなたのため好意を持つて今に食糧問題が出るか出るかと思つておりましたが、結局出ない。あなたの認識が違つておるのだ。
○大森委員 なぜ認識が違う。私は食糧問題だと断定しておる。
○千賀委員長 あなたが断定しても議会はさように取扱つておりません。
○大森委員 どうして議会で取扱わないのか。君だけが議会ではない。それでは食糧というものは何なんだ。食糧の価格だけか。食糧をどうするかという問題を論議するのが食糧ではないか。
○千賀委員長 違います。食糧庁の所管に関する問題を論議することを、本委員会では食糧問題と称しております。
○大森委員 われわれの今言つておるのは農林省の所管ではないか。
○千賀委員長 食糧庁と農林省とは違います。
○大森委員 その点がどうも私にははつきりわからぬ。畜産が食糧でないというならば、乳も飲んではいけない。肉も食つてはいけないということになる。そういうやり方はいけないから、肉も食うようにせよということなんだ。
○千賀委員長 発言は認めません。
○小笠原委員 ちよつと議事進行について……。食糧問題について意見の相違があつたといたしましても、またたとえ与党、野党の違いはあるにいたしましても、せつかく大森君も今質問を継続中であるし、今まで円満に進行して来た当委員会でありますから、そこに何か論議があつたり、あるいは相剋があるようなことであればはなはだ遺憾であるから、食糧問題は今日打切らないでおいて、さらにあらためて時期の余裕を見て、その際にもう一ぺん開くということにして、今日はこの程度で散会することを望みます。
○千賀委員長 お諮りいたしますが、大森君に誤解があるようですから、委員長はあらためて個人として大森君とよぐ懇談いたしまして(「誤解じやない、君が発言を停止したんじやないか」と呼ぶ者あり)それからさらに食糧問題に関する討議を進める日を設けたいと思います。 —————————————
○千賀委員長 今日はさらに進行をいたしまして、蚕糸に関する件を議題といたします。発言の要求がありまするからこれを許します。小林運美君。
○小林(運)委員 私は質問に先だつて委員長に申し上げたいと思うのでありますが、先ほど委員長は、委員長にあるまじき言葉を使つている。たとえば、あなたは議場を整理すべき委員長でありながら、大森委員との間に自分から議場を乱している。こういうことは委員長として少し考えてもらいたい。それだからやらなくてもよくわかる問題をこんなにいつまでも長引かせている。あなたは今隣りの理事に聞けとおつしやつたが、それは一体どういうことですか、これはやじではないか。あなたは議場を整理すべき人だ、その人がそういうことを言うことは慎んでもらいたい。言うのならば、食糧問題に対する見解なら見解をちやんとはつきりすればよいが、理事に聞けとか、自分の見解はどうだとか、そんなことはいつまでもやつているべき問題ではない。私はこれ以上申し上げませんが、今後十分気をつけていただきたいと思います。 それで次に質問に入りたいと思います。私は本日蚕糸業に関する質問をいたしたいと思つて、農林大臣の出席を要求いたしておきましたが、農林大臣は病気とのことであります。病気であればしかたがないのでありますが、本日私が御質問を申し上げることは、責任ある大臣からはつきりした答弁を聞きたかつた。しかしこれも病気でありますればしかたがありませんから、大臣に対する質問は後日に譲りまして、本日は政務次官が見えておりますので、政務次官に御質問を申し上げたいと思います。 御承知のように、政府は本年の春以来蚕糸業の統制を撤廃いたしまして、この統制撤廃による業界の動揺は非常に大きかつた。その問題については、先般の国会において、私は十分政府の見解をただしたのでありますが、満足なる答弁は得られなかつた。またその答弁の中には、いずれ時期が解決して安定するというようなお話があつたけれども、現在においては決して安定していない。これが現実の問題であります。そこでこの現実の問題について、私は政府にいろいろ追究いたします。まず第一に、政府は終戦後蚕糸業の計画をすでにいろいろ立てておられるが、ところが事ごとに政府の見解は間違つておる。私はこの問題についてはしばしば申し上げおるので、詳しく申し上げませんが、現在政府がお考えになつておる明年度の繭の生産並びに生糸の生産は、大体どのくらいに見ておられるか、まずその点から次官の正確なるお見通上を承りたいのであります。
○島村政府委員 専門家の小林さんから、前回の国会において、繭価の安定その他蚕糸業全般にわたつて、いろいろ造詣の深い御意見を承りまして、非常に参考になつたのでありますが、繭価の安定に関する問題は、おそらく事情をよく御存じでありましようし、これがきわめて重要な問題であることも、お話の通りであると思うのであります。しかしそれはお尋ねの事項でもございませんので、しばらくその程度にいたしまして、蚕糸業の将来の計画に関する問題についてのお尋ねのようでありましたから、それについてお答えを申し上げたいと思います。 御承知の通り、二十一年度でありましたか、五箇年計画を立てて、蚕糸業に関する復興計画をそれぞれ実施して参つたのでありますが、その後情勢の変化によつて修正案をつくり、二十三年から二十七年にわたる五箇年計画の最終目標を、産繭額三千六百万貫、生糸を三十七万俵として、一応目標を立ててやつて参つたのであります。しかし今日までの実績は、必ずしもその目標数に達していないのでありまして、御承知の通りに、二十五年度までの生産見込みはいずれも目標に達しておりません。しかしこれは前回にも申し上げましたように、世界の生糸市場における動揺がただちにわが国の農村まで影響して参りまして、その結果が非常な不振の情勢にあつたことは御承知の通りであると思うのでありますが、最近の情勢は、朗報相次いで起るのみならず、繭価が非常な高騰をいたしまして、将来、従来悲観されたような問題は漸次解消いたすのみならず、価格においても、農家経済の立場から考えましても、大いに蚕糸業の奨励はすべきであるという考え方にはかわりはないばかりでなく、今後一層これらに努力をいたしたいと思うのであります。目標の点は、明年度の生産目標が繭が一千三百万貫、生糸が十九万俵の予定で、目下計画を立てつつあります。
○小林(運)委員 政務次官のただいまの御答弁の中に朗報という言葉がありましたけれども、あなたは広川朗報大臣のもとにおられるので、あの朗報があなたにうつつたことを私は非常に驚きます。というのは、私はただゼスチュアで言うのではない。今お新がありましたように、蚕糸業に朗報がたくさんあるなどということは、とんでもない間違いだ。ただ生糸の値段が上がればうれしい、こんないいかげんなお考えは、この際ひとつはつきりやめてもらいたい。先般世界の蚕糸業の関係者がニューヨークに集まつて、どういうことを皆が話し合つたか、これは次官ぱすでにお聞きのことだと思う。値段が上がることが決して朗報ではない、これは蚕糸業全体を考えればわかることである。値段がどんどん上つて行けば結局地糸などいらなくなり、人が買わなくなる。これは異常な景気だ。これをもつて朗報とはとんでもない話である。これはひとつ次官、十分お考えを願いたい。現在の糸価が高騰していることは関係者は非常に心配している、これはひとつよく考えてもらいたい。今の御答弁によると、明年度の生産目標は繭で二千三百万貫、生糸にして十九万俵というような御計画のようであります。現在製糸の設備が四万五千がまあります。これを一台あたり六百貫といたしますと、繭にいたしまして二千三百万貫程度という、今のあなたの御答弁の通りでありますけれども、これは今年の産額から見ますと一割五分ないし二割の増産です。ところがそういう目標ばかり立てて、これを増産する施策がはたしてあるかどうか、これが問題なのであります。政府は先般蚕業指導所の拡発経費として、昨年度はたつた六百万円の金を予算に計上しました。ところがこんなものはほんとうに九牛の一毛にも足りない。そこで本年は一億円という経費をどうしてもとりたいというような政府の御方針であつた。ところが伝え聞くところによると、この繭の増産には絶対必要である蚕業指導所の経費が、当初考えられた一億円というものがとんでもなく減つてしまつた。これは与党の自由党の政調会ですか、どういう機関かわかりませんが、一億円というものは完全に確保してあるというようなことを大分私は聞いておつた。ところが来年度予算に一体どれくらい計上になるのか、私はこの前の国会において、今年の六百万円ではとても足りない、そこで今度の臨時国会には補正予算にこれを盛つてもらいたいということを要求しておつた。これも出ていない。また二十六年度予算にも一億円というようなお話を聞いておつた。全国の指導員は足りないけれども、まあその程度ならば何とかひとつやつてもらいたいと非常に期待を持つておつた。これが何だか話に聞くと、その要求はほとんどいれられていないというような状態にあるようであります。明年度予算についての政府のお考えを、この際ひとつ御答弁を願いたいのであります。
○島村政府委員 朗報を申し上げたことをはなはだおしかりを受けましたが、私もさように認識不足の者ではないということをこの際はつきり申し上げたいと思います。繭価の安定の問題が重要な段階であることもよく承知しております。また十月のニューヨークの会議における情報等も十分承知いたしております。私の申し上げたのは、蚕糸業に対してはくろうとはともかくとして、しろうとに従来あまりに悲観的な感じがありましたので、さようなものではない、大いにこの際蚕糸業については、農家経済の立場から言つても、今繭価が高いから朗報というような単純な考えで申し上げたのではないのであつて、がつちりとした一つの意見を持つた上で、その意見の上に立つて、今後の農家経済の安定を期するという見地から、むしろこの際積極的に蚕糸業の奨励をやるべきものだというような見地で申し上げたので、もし言葉が足りなければさように御承知を願つて、前段の弁解を申し上げておきたいと思います。 お尋ねの蚕糸業の五箇年計画に関連を持ちまして、技術員の身分安定に関するお尋ねであつたのでありますが、お話の通り、一億円を要求いたしまして折衝を進めたのでありますが、財政の都合で二十六年度におきましては、二十五年度の六百万円に対して、その四倍の二千四百万円を計上されることになつた。これはおそらく近く提出される二十六年度予算に、皆さんの御審議を願うことに相なろうと思います。 そこで将来に対する問題でありますが、今後蚕糸業の技術の普及かつ経済自立の見地から、ぜひとも蚕糸業に対する積極的な施策を講ずるために、技術員の身分の安定はもちろんのこと、これらの普及充実に関しましては極力努力を重ねまして御期待に沿うような経費の計上も進めたいという熱意を持つていることを、御了解願いたいと思います。
○小林(運)委員 前段の問題についてなおさらに私の見解を申し上げたいと思いますが、次官の御人格を私は信頼いたしましてこれ以上申し上げません。 しかしあとの問題で、あなたは養蚕技術員の身分保障のお話がありましたが、これは省内でよく御研究願いたいのでありますが、たつた三千四百万円であなたのおつしやる二割も三割も増加ができるかどうか、これは十分御検討願いたい。それと養蚕指導員の問題は、これは長い間の提案だつたところが、今度蚕業指導所の拡充費としてようやく六百万円、来年度において二千四百万円ということになつているのだけれども、決してこれはあなたのおつしやるような身分安定という意味じやなく、こういう経費はなかなか取り得ないという事情を私は次官によく申しておきます。これはあとでお答え願いたい。本論はそういうところにないので、これ以上申しません。ただこの経費が二千四百万円ではたして増産ができる自信があるかどうか承りたい。
○島村政府委員 技術員の身分安定という言葉を使いましたので、ちよつと誤解があつたようでありますが、蚕糸業振興の大きな立場の一つの方法としての身分安定に、六百万円の増額の説明を申したのにすぎないのでありまして、その点誤解のないようにお願い申し上げたい。そこで将来の蚕糸業、特にただいま申し上げました目標を達成するのに、それだけの経費で足りるかどうかという御意見であつたようであります。もちろんこれはきわめて少い数字にしかすぎないのでありまして、これだけをもつてはとうていその目的を達成することはできないと存じます。そこで、しからばいかなる方法を講ずるかという問題になつて参るのでありますが、これは小林さんも御承知の通りに、いろいろ繭価の安定に関連を持ちまして、最近における製糸消費の好転はもちろんのこと、農家の養蚕意欲を高めるという見地に立ちまして、目下財源等についてもいろいろ研究を進めているのでありまして、関係当局の了解が十分得られますれば、それらの問題もあわせて御審議を願う機会も、早い機会につくりたいという考えを持つているのであります。 なお、その以外の問題につきましても、それぞれ細部にわたつて検討を進めて行きまして、なるべくこの蚕糸業が日本の経済自立の上に役立つような方法を、月下鋭意研究中でありますので、御了解を願いたいと存じます。
○小林(運)委員 ただいまの御答弁ははなはだあいまいでございまして、次官から私専門家と言われましたが、私はおつしやる通りに専門家かもしれませんが、これでは実際専門家でなくても、あつても安心して政府の言うことを聞いておられないのです。次官は、この問題についてはあまり詳しくないかもしれませんが、もう少し調べてもらいたい。こんな二千四百万円くらいで増産ができるとお考えになるならばとんでもない話です。これは次官の御答弁としては、とても足りない、一億円でも二億円でも足りないということを言うべきである。現在政府がそういう点に金が出せないということは、われわれも多少知つている。しかし努力したけれども足りないというのならばよいが、これでできるという考えはいけないということを言いたいのです。私はこの問題についても、政府はもつと慎重にやつてもらいたいことを希望いたしまして次の問題に移ります。 そこで来年度そういうような増産計画を立てておられるが、今朗報というようなお話で、生糸の値段は上つております。なぜ上つているかという原因を、いろいろ調べればわかるように、需給関係、すでに本年の当初にわれわれが心配しておつた閉鎖機関の所有生糸というものは、ほとんど売り切れてしまつた。現在も毎日々々生糸の値段が上つております。そこで今年の繭の処理の問題、繭価協定を自由になつたので業界では行つております。この繭価協定についてはいろいろ議論もございますが、私はここに一つの問題を提供したい。それは現在の繭価協定がはたしてよいかどうか、この問題は別問題として、かつて自由時代に生繭市場取引という制度がございました。これは繭検定の規則がある以上、なかなか法律的な限界はむずかしいようでありますが、繭検定取引は別問題として、この生繭市場取引というものを政府はお考えになつているかどうか、これに対する見解を伺いたいのであります。
○最上説明員 問題が相当専門的なことにわたりますので、私から答弁いたしたいと思います。生繭取引の問題につきましては、検定との関係もございますが、そのほかに繭の精密度の見地から見た生糸の品質に及ぼす影響、あるいはただいまの検定との関係もございますので、農林省といたしましては、目下これを積極的に奨励しようとか、認めようとかいつたことは考えておりません。
○小林(運)委員 自由販売になりましたけれども、蚕糸業の統制と申しますか、現在取引の形態として検定取引という制度がございます。この問題については、もうかなり古い法律でありまして、相当業界からも検討が加えられていろいろ意見もある。これを政府は、生繭取引は考えていないのだ、あるいは検定取引がいいのだといわれるが、はたして検定取引が完全な方法であるかどうかという点については、蚕糸局長はどうお考えになつておりますか。
○最上説明員 繭の検定取引ということは、繭の公正妥当な取引を奨励して、また繭の品質の改善というような見地から見ましても、これは必要な制度だと考えます。これが今後もずつと蚕糸業の発達のためには存続して行くべきものだと考えます。ただその検定の内容等につきましては、生糸に対する海外市場等の事情を考慮いたしまして、その内容等については累次検討を加え、必要な改正を適当にやるべきだと思うのであります。検定そのものにつきましては存続して行く方針であります。
○小林(運)委員 この検定の問題は非常に重要なので、現在繭取引においても、検定も受けずに自由に買つて繭価協定を正直にやつていた業界を非常に撹乱した事実がある。そういうものを現在検定取引という法律によつて政府は取締りの責任がある。それもほつたらかしておいて、あなたはこれで検定取引が万全のものだから、これからやつて行くというが、これはもう少しお考え願いたい。次官がお急ぎのようですから、この問題については、またいずれあとで局長によく御見解を承りたいと思います。先ほど次官がおつしやつたように、現在生糸の値段が非常に高くなつた、朗報だ。その見解云々については別問題といたしまして、われわれは国会が開会以来、蚕糸業の安定をはからなくてはならぬ、そこで繭糸価の安定の制度を政府はすみやかに確立してくれということをしばしば言つている。本会議においても二回も決議案を出して満場の賛成を得ている。しかるに今もつて政府は繭糸価の安定に関する施策を講じていない。これは厳然たる事実なのである。先ほど次官がおつしやつたように、朗報だ、生糸の値段が上る、繭価が上る朗報だという。ところが、心配しているのは安定の問題なんである。繭糸価が安定さへすれば順次需要はふえて行く、これにはたれも異論がないのであります。その安定がなくて、現在において上つている。必ず上れば下る、これは経済の原則だ、これをほつたらかしておいていいかどうか、これに対する政府の考えはどこにあるか。どういう具体的の措置をお考えになつているか、これをはつきり御答弁願いたいと思うのであります。
○島村政府委員 繭価安定に関する国会の御意向は、私も蚕糸業関係の議員の一人として驥尾に付して参つたのでありまして、よく存じているつもりであります。そこでこの問題が蚕糸業の将来のかぎをなすことに対しましても、小林さんのお話の通りで、同感であります。ニューヨークにおける至大の問題となつて、相当熱心に論議されたことも御承知の通りでありますが、政府におきまても、従来いろいろな案を具しまして、糸価の暴騰、暴落を制限するようなことに対して、関係方面とも熱心に折衝を重ねて参つたのでありますが、遺憾ながらまだまだその了解を得るに至つてないのでありまして、本件に関しましては、国際的な問題ばかりでなく、内地におきましても独占禁止法の関係、事業者団体法等の関係もありまうし、いろいろ複雑な問題が山積をいたしておりますので、これらの問題との関連においても、なかなか議論がはつきりして参らぬのであります。しかしさらに何らかの形においてこれを解決するように、最善の努力を重ねたい、かようなことを申し上げましてお答えにいたしたいと思います。
○小林(運)委員 私がお聞きしたのは、具体的な措置いかんというのであるが、ただいまの次官の御答弁は、努力するというようなお話でございます。しかしここに一つの問題があります。それは先ほども私触れましたけれども、本年当初において二万七千俵の生糸の在荷があつた。これが今度つ生糸の高騰によつて、どんどんはけて行つてしまつた。その結果、閉鎖機関が所有しておりましたこの二万七千余俵の売上げ代金は、現在どのくらいになつておるか。そうしてこの売上げ代金というものは、われわれはしばしば申し上げましたように、蚕糸業の振興発展のために使うべき経費に、ぜひ充当させたいという考えを持つておつた。その方策をどういうふうにお考えになつておるか。この二点について、明確なる御答弁を願いたい。
○島村政府委員 おそらく小林さんのお尋ねは一最後にそれであろうということを予想いたしておりましたが、私も相当研究をいたしたつもりであります。現在四十八億だそうであります。但しこれには価格差の政府の納付金等も含まれておるのでありまして、そのものまで全部蚕糸業へ持つて行くということは困難であろう。目下それらの問題も研究中でありまして、蚕糸当局、農林省としては、ぜひとも蚕糸業の復興対策に、あるいはまた繭価安定にこれらを使いたいという熱意は持つておるのであります。それぞれ折衝中でありますので、御了承を願います。
○小林(運)委員 次官はこの点については十分御用意のようでございますが、御用意ならば、お話によつてはもつと詳細に私は承りたい。というのは、二万七千俵の生糸の売上げについての差益金、あるいはその内容について、これから政府はどういうふうな処置をとられるか、もつと詳しくお聞きしたい。
○島村政府委員 実質的には内容を存じておりますが、その処置をどうかするということに対しては、研究を進めておりますので、本日小林さんの御満足の行くような発表の段階にまだ至つておりませんことは、まことに遺憾に思いますが、それで御了承を願います。
○小林(運)委員 どうもばかに広川農林大臣に似て来まして、あなたは朗報だとか、あるいはその通りということを言つて、いよいよとなると、わけがわからぬ。あなたはいつ仏道に御入門になつたか存じませんが、そんなことを私は聞いておるのではない。あなたが先ほどお話になつたように、この閉鎖機関の売上げ代金は、われわれ業者あるいは農林省自体も、この関係業にその代金の大部分を使いたいということを、みなお考えになつておる。それに対する詳細な数字をあなたがお持ちにならぬければ、私はいろいろ追究しませんが、その中のどういうものを、蚕糸業の振興策にどういうふうに使いたいという、具体案があつたら聞きたい。そうしてまた、こうあるべしという決意を私は承りたい。大蔵省から、これは税金によこせとか何だかだ言われて、あなた方がそれで引きさがつていては非常に困る。もつと関係の蚕糸局あるいは農林省自体はこの問題を重視して、極力努力すべきだということを私は言いたい。そういう覚悟をあなたはお持ちになつてこれから折衝されることを望みたい。その覚悟をひとつ承りたい。
○島村政府委員 覚悟は先ほど申し上げた通りでありまして、御意見の通りに、ひとつ熱意をもつて努力いたしたいと思います。
○小林(運)委員 これ以上私は追究いたしませんが、どうぞ次官は大臣のように快諾院不実行居士にならないように、十分御注意を願つて、御努力されんことを望みます。 そこで先ほど私は蚕糸局長にお尋ねいたしましたが、繭価協定に対する生繭取引の問題、さらに繭検定の問題でございます。先ほどもお話申し上げましたように、繭検定が厳然とありながら、片方では、そんな検定なんか全然問題にしないで、どんどん抜き買いが行われておる。これが繭価協定という——現在の方法の良否、あるいは是非は別問題といたしまして、とにかく業者がお互いに話合いで決定すべきこの取引の方法を乱している。こういうことに対して、政府はどういうふうに考えるかということを、明確に御答弁を願いたいのであります。
○最上説明員 検定取引を法律で強制しております以上、その法律が厳正に施行されるようにすることは、無論私どもに十分その責任を感じておるのでありまして、昨年統制が撤廃されましてから、一時ある程度そういうことがあるどいうことも十分承知しておるのでありますけれども、この検定取引等につきましては、金融のいわゆるスタンプ手形等の関係も密接にいたしまして、検定取引ができたものにそういうふうなものをやるということにして、できるだけの奉仕をいたしておるのであります。いわゆる無検定取引というものが、非常に大きな数量に上つておるとは思いませんけれども、従来地方によりましては、そういうことがあるように耳にいたしておりますので、単に法律の厳正なる施行という見地からのみでなく、金融その他の点にも結び合せまして、検定取引が円満に実施されますように、今後も努力いたしたいと思います。
○小林(運)委員 そこは非常に重大な問題でありまして今局長が御答弁になりましたように、蚕糸金融を裏づけとして繭価協定をやつておる。ところがそれに対して、抜き買いをやつておづたものは、法律違反であるけれどもこれはほつたらかしておく。私は蚕糸業の全体のやり方について、経済の自由の原則に対してわれわれは云々しているのではない。ここは法律を審議し、法律がいかに施行されておるかということが重大な問題なのだ。国会はそれをやるべきところだ。片方には裏づけの金融がある。ところが抜き買いをしたものは金融をしてもらえない、だからそれでいいのだという考え方でばいけない。法律がある以上は、どこまでもこれは厳重に取締らなければいけない。それはいい加減な考え方ではいけないというところに私の論点がある。これに対してどういうふうにお考えになりますか。
○最上説明員 私が申し上げました意味は、法律がある以上、それが厳正な施行は、私どもの責任として十分自覚しておるのでありまして、昨年の秋等におきまして、地方においてそういう声がありましたときに、こちらからも各府県に厳重な通牒を出し、また繭の検定所長会議等を開催いたしまして、その厳重な施行について指示をいたしたのでありますが、そのほかに、そういう金融的なスタンプ制度というようなことも結びつけまして、できるだけそういう方面からも法律の厳正な施行が行われるようにいたしております。決して金融的の見地から抑えておるだけだという意味じやなくして、法律は法律で厳重に施行の措置を講じておる。そのほかにそういう金融的の措置も、できるだけそういう方面がうまく行くように扱つておる、こういう意味であります。
○小林(運)委員 ただいまのお答えでだんだんはつきりして来ましたけれども、私はもつと掘り下げて考えたい。というのは、先ほど申し上げましたように、生繭の市場取引というような制度がまた再び考えられていいのではないか。それの支障になるのは繭検定の制度である。しかし現在の検定取引のために、養蚕家に非常な不利を招いておる。さらに今年の繭価協定を掘り下げて考えてみてもわかるように、繭価協定というものはやつたけれども、ただ繭を受入れただけで掛目をきめていないるところが生糸の値段は上つたり下つたりする。どんどん上つて行く場合もあり、どんどん下る場合もある。そこで繭価がきまらないので支払いをしない。片方では金融しておる。養蚕家は繭を売つたけれども金は入らない、こういう現実がある。一体何のためにわれわれはどこへ繭を出しておるのか、わけがわからない。こういう不合理をあなた方は御承知の上、このままでほおかむりして、この取引の方法をやつて行くかどうか。それに対しては、先ほど私が申し上げましたような生繭の市場取引というような方法がある。こういつた問題についてもつと真剣に考えて、検定取引の問題を簡略にして、即日でもわかるような方法があり、かつては切歩検定というようなことがあつて、市場でやつた実例もある。そういうようなことを政府は現在お考えになつておるかどうか。今申し上げましたように、養蚕家が繭を渡したならすぐ現金になるというような方法を、お考えになつておるかどうか。ただ、今申し上げたように、金融はこつちでやつてやる、繭の検定はそのまま法律通りやつて行く、これだけでは木で鼻をかんだような話で、こんなことではなくて、もつと養蚕家の立場も考え、蚕糸業の将来の発展を考えたら、もつと簡潔にして明快なる取引の方法があるはずである。そういうことに努力しておるか、またそういうお考えを持つて今後やつて行きたいかどうかというような、見解を伺いたいのであります。
○最上説明員 繭の検定の問題でありますが、繭の取引の問題は、地方にまつて非常に事情が違います。小林委員も御承知のように、地方的に大して問題なくやつておるところもあるし、また地方によつては非常に遅くなるという所もありますが、この検定の問題につきましては、私が先ほど申しましたように、検定そのものは存続するといたしまして、検定の内容等につきましては、生糸の海外需要応対する事情等もあり、またこの繭の支払いが相当おそくなるというようなこともありますので、そういう内容については十分検討いたしたい、かように考えております。
○小林(運)委員 この問題については、私はここでもつともつと専門的な意見も申し上げたいのでありますが、これはあとに譲るといたしまして、ただいまの御答弁にありましたように、この問題は現状で満足せずに十分研究していただきたい。ただ今局長の答弁で、海外の需要の関係から、検定をしなければ品質が下ると言われますが、そんなりくつはないのです。方法によつては、いくらでも値段でこういうものはカバーできるかもしれない。現在の方法が万全だというような考えはやめてもらいたい。決して現在の検定取引をやめたからといつて、幽糸の品質がすぐ下るというようなことはないと、私は信じておる。この問題について十分御研究を願いたい。 次に先般の国会におきまして、取引所法が国会を通過いたしまして、現在施行になつておりますが、繭並びに生糸に対する取引所の開始はどんなふうに進んでおりますか。この問題は、糸価の安定の一環として相当考慮すべき問題だと、私は考えるのでありますが、この取引所の開設の経緯、見通し等につきまして、政府の所信を承りたいのであります。
○最上説明員 先般の国会で通過いたしました商品取引所法に基きまして、蚕糸関係におきましては生糸と乾繭がその対象になつておるのでありますが、これは御承知の通り、法律施行後におきまして海外、ことにアメリカ等におきまする生糸商の間に相当の異論もあるので、その後十分の了解を得た方が望ましいということで、今度の絹業大会の際にも、日本の絹業使節団が向うに参りまして、大体の了解を得ましたので、設立そのものについては大体の了解を得ておるのであります。ただ日本側といたしましては、生糸につきましては横浜、神戸の二箇所を希望しておるのでありますが、この二箇所にするか、あるいは一箇所でもいいのではないかといつたような意見につきまして、なお今後関係方面との折衝の問題が残されておるのであります。しかしながらこれは他の東京、名古屋、横浜あるいは福井といつたような所に置きまする繊維関係あるいはゴムといつたような商品についての取引所等も、司令部の都合などでまだ開所になつていないのでありますが、そういう問題も関連いたしまして、近い将来に何らか円満な解決を見るものと考えておるのであります。
○小林(運)委員 生糸の取引所が戦前は横浜と神戸にございましたが、今の御答弁によりますと、一箇所でもいいというようなお話でありますけれども、政府は二箇所を希望されておるのか、一箇所をお考えになつておるのか、どちらでありますか。
○最上説明員 これは業界では二箇所を非常に強く希望いたしておりますので、できれば二箇所を開くことが望ましい、かように考えております。
○小林(運)委員 なお製糸の問題について御質問申し上げたいのでありますが、時間も非常におそくなりましたので、最後に一点だけ質問申し上げます。この問題は、一昨日の予算委員会においても出た問題でありますが、政府は産業合理化の方策を実行したいというようなことで、その法案の準備があるそうでございますが、蚕糸業にも、ただ漫然として朗報を待つのでなくて、蚕糸業の技術的な改良に十分な力をいたすべきだと考えておる。ところが昨年コーン巻きであるとか、輸出の振興のためにいろいろな方策が考えられ、また実行されておつたけれども、これらもいろいろな関係でうまく行かない。そこで今度産業合理化に対して、政府は自動繰糸機であるとか、コーン巻きであるとか、その他いろいろの方策があると思うのでありますが、明年度においては、政府はこういう産業合理化について、どういうところに重点を置いてお考えになつて行きますが、具体的なことがありましたら御答弁を願いたいと思います。
○最上説明員 むろん製糸業につきましても産業の合理化あるいは産業設備の近代化ということにつきましては、他の工業におけると同じように、そういう法案ができましたならばその線に沿つて行きたい、かような方針をもちまして、目下具体的な事項等を研究中であります。またことに製糸関係等につきましても、いわゆる産業合理化の基礎となるべき試験研究というようなことにつきましても、たとえば自動繰糸機の問題でありますとか、コーン巻きの問題でありますとか、そういう面につきましても、なお来年度の予算におきましては、試験研究費として新たに八百万円程度の予算を蚕糸局では要求をいたしておるのであります。従来蚕糸局の方針が、とかく製糸家から言わせると養蚕農家本位であるという非難もあつたのでありますけれども、そういうことは決してないように、製糸業につきましても、十分の近代化の施設を講じたいと考えております。
○小林(運)委員 ただいまの御答弁は製糸の方面に八百万円の予算を計上しておる。その他試験研究については、養蚕の方にも現在ありますけれども、養蚕あるいは蚕種の改良その他についての新しいお考えはありますか、これらについても具体的な例がありましたら御答弁願いたい。
○最上説明員 蚕種につきましても、国あるいは地方の蚕種試験場等を中心といたしまして、必要な措置を講じておるのでありまして、私ども蚕糸局といたしましては、桑園あるいは蚕種、養蚕、製糸、こういうことを所管しておりまする以上は、各事業とも同じように、歩調を一にして合理化をはかり、蚕糸業の振興をはかりたい、かように考えておる次第であります。
○小林(運)委員 ただいままでの政府の答弁を聞いて、私は十分満足はいたしませんが、先ほど来次官、蚕糸局長の答弁で、これからとにかくやりたいというような意向は聞きとれたのであります。要は私がしがしば言うように、広川農林大臣は何でも快諾をして、それで実行をしない、こんなことでわれわれがおそくまで大きな声を出して質問をし、答弁を求め、意見を述べても何にもならない。要は実行でありますので、蚕糸局当局におきましても、蚕糸業の振興のために、ひいては日本の貿易の振興のために十分な努力をいたしまして、これが実現をはかられんことを望みまして、私の質問を打切ります。 —————————————
○千賀委員長 この際お諮りいたします。小委員の設置についてでございますが、畜産に関する諸般の問題を専門的に調査せしめるため、前国会同様畜産に関する小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。 なお小委員及び小委員長の選任関しましては、これは従前通りといたしたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。 次会は公報をもつてお知らせすることにして、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十六分散会