通商産業委員会 第9号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1950/12/06
会議録
○小金委員長 ただいまから会議を開きます。 本日は理事会において決定いたしましたところによつて議事を進めます。まず昨日本委員会に付託になり、政府当局より提案理由の説明を聴取いたしましたところの、土地調整委員会設置法案について質疑を行います。質疑は通告の順にこれを許します。福田一君。
○福田(一)委員 土地調整委員会設置法案の内容を見てみますと、これは鉱業法の範囲でたくさんの鉱業、鉱石というか、そういうものの取扱いをふやした関係から見まして非常にむりからぬ点があり、その面ではこれは確かに必要な法律であるということはうなずけますが、しかし今まで鉱業法に入つておつたような石炭とかその他のそういう種類のものの仕事をしておる面から見ますと、このような法律ができますことによつて、非常に仕事がしにくくなりはしないかということが心配になるのであります。これは産業の振興という面から見ますと、相矛盾する面が出て来るのではないかということを非常におそれるのでありますが、これに対する御説明を願いたいと思います。
○高辻政府委員 お答え申し上げます。この土地調整委員会が設置されたゆえんのものにつきましては、ただいまお話がありましたように、必要性を認められるという面も十分に御了解くださつておりますように、鉱業とそれから他の産業との調整ということは非常に重要なことでありまして、それぞれ鉱業なり、他の産業との両立ということが、何の問題もなしに解決できる場合にはもちろんそれでいいのでございますが、いろいろの産業上の衝突の面もなきにしもあらずでございますので、そういう場合に限つて、必要のある場合に土地調整委員会の権限が発動するわけでございます。従つて通常の場合等には、この土地調整委員会が一一出かけて行くというようなことはあり得ないのでございまして、特別にその必要がある際に、その面からの必要上、特定の権限が出て参るということになるわけであります。しかして事務の処理上の点から申し上げますと、これは御承知のように総理府に設けられるものでございますが、もちろん事務の処理上の簡素、敏捷というようなことは当然考慮されることと存じますので、御懸念の点はないものであろうと私どもは考えております。
○福田(一)委員 ただいま政府委員からの御説明によりますと、簡素化をはかるから心配がないではないか、こういう御説明であつたと思うのでありますが、しかしこれは東京に設けられるものであると私は考えます。そうなれば鹿兒島で問題が起きても、北海道で問題が起きても、すぐ東京へ出て来なければならないというようなことになります。実を言いますと、行政の簡素化ということはわれわれが念願しており、多年にわたつてこれを主張し、実存して来ておるところなのでありますが、これは話が違うけれども、電力の問題につきましては、電気の公益事業委員会というものが総理府にできる、今度はこういうような鉱業に関係したもので、土地調整委員会というようなものがまた総理府にできる、こういうふうになつて、この行政の簡素化の趣旨とは非常に背馳するのではないか。従つて現行法でもつてそういうような農業と鉱業の調整というようなことができないとすれば、こういう委員会を設けなくても何らかその目的を達する方法がありはしないかということについて明確な説明が願いたいわけであります。もしこれがないといたしますと、非常な煩瑣な手続をしいるということになるのでありまして、しかもその行為を生かして行くのにかえつてじやまになるということが考えられるので、私はその点の説明を求めているわけであります。
○高辻政府委員 ごもつともな御質問でございまするが、ただいま申し上げました事務の簡素化ということではなしに、委員会で活動を開始しました場合に、その事務処理の運用上の方針として当然に簡捷ということが考えられるだろうということを申し上げたわけでございまするが、あらためての御質問でございますので、さらにその点について申し上げたいと思います。御承知のように、この鉱業と他の産業との調整の問題につきまして、特に委員会を設けることなしに現行の制度の上で何とかならないかということでございまするが、これはそのようなことも考えられないわけではございませんでしようが、そういたしますと、かえつて特定の商業同士の問題になりますので、その間に主管庁がわかれておりますとか、いろいろなことで、かえつてその事務の運行が阻害されるというようなこともございますし、何よりも大切なことは特定の産業に関係あるところでものを見るということになりますので、自然公共の福祉というような観点がおろそかにたりはしたいかというような懸念が一方にあるわけでございます。従つて土地調整委員会というものを設けまして、それぞれの産業と、あるいはそれを主管する各庁と離れた一機関を特に設置いたしまして、そこにおいて公平無私と申しますか、公益の見地からすべてを判断して行く。しかもその判断については、争いのあるような場合があるというと語弊がございますが、問題のある点につきまして裁定をする部面にかかりましては、特に準司法的手続をもちまして物事を解決するというのが実はこの委員会のねらいでございます。従つてそういう意味合いにおきまして公益上の見地から必要であるということと、それから現行の制度のもとでやつて行きまするとかえつて事務の運行の上にも支障がある。それを委員会が設けられると、そういう第三者的観点から物事を判断して参りますので、そういう面からも場合によつてはむしろ早くできるようなこともありはしないかというふうに考える次第であります。
○福田(一)委員 ただいまの御説明で一応わかつたのでありますが、あなたは法務府関係のお方だと思いますが、どうも裁判所というのは、干続の面やら、あるいはその他の面で見まして、なかなかこうるさいという印象を與えておるのであります。裁判所へ行くというのは、どうも一般にはあまり好んでおりません。これは常識であります。そういうような裁判所的な仕事をされるのでありまして、この法文をずつと通じて見ますと、いわゆる訴訟手続法というか、訴訟に関係あるような法文がずらつと並べてありまして、書式その他からいつても非常にこうるさいことになる。仕事はしたいけれども、どうも東京まで行つて裁判所へ行つてやるのじやいやだということになりますと、鉱業を振興させようとするものが、逆に鉱業を殺してしまうというような、いわゆる角をためて牛を殺すというようなことになりはしないかということが非常に心配なのでありますが、これはもう少し手続その他の面で簡素な方法をお考えになることができなかつたかどうかということをひとつお伺いしたいと思います。
○高辻政府委員 事務の簡捷ということと、公益的な見地からものを考えるということとの調整が一応問題とされるわけで、お尋ねの趣旨もそこにあると思うのでありますが、やはりただいま申し上げましたように、一応この問題の所在から離れて物事を判断する場合に、それがきわめて簡素な方式で行くのがいいということも、あるいはその面では言えましようけれども、それがまた公益的見地からものを考えるという趣旨にもどる面も実は出て来るわけです。従つてそこの調節をどこではかるかということが、御指摘の通り大きな問題であろうと思うのでありまするが、この土地調整委員会設置の手続でございますが、これはなるほど各行政機関の設置法等にはあまり見ないものでありますけれども、現にたとえば公正取引委員会とか、いろいろな委員会が最近大分できておりますが、その委員会の手続等よりもさらに複雑であるということは決してないわけであります。一応委員会の手続といたしましては、最小限度の手続を規定したものと御了解願つてさしつかえないと存じます。
○福田(一)委員 通産大臣にちよつとお伺いいたしますが、この法律ができますと、そういうような異議の申立があつたような場合は、土地調整委員会でこれを処理して行くことに相なると思うのでありますが、その場合においてもしむりなことを言つて、片一方に鉱業をやりたいという人がある、ところが片一方でそれは個人の権利を侵害されるから困る、あるいは公共の福祉に反するから困る、こういうような場合があるとしますと、通産省としては、それは大したことはないのだから、たるべくやらしてやりたいというような気持があつたとしても、いわゆる産業の振興をはかりたいという通産省の意向があつても、その面は、この土地調整委員会の決定にあたつては反映させることができないのではないかというふうに私は考えますが、この点についてはどういうようなお考えを持つておられるか。
○横尾国務大臣 今のお話はあるいは起り得るかもしらぬと思われます。しかしながら委員に最も公平なる方、そしてまた日本の産業を最もよく理解いたされる方々にお願いしたならば、そういうことも割合たやすく解決しはせぬかと思うのであります。ただ両者が相争いますよりも、これの判定を下す公平な委員会のようなものをつくつておくことが必要ではなかろうかと考えるのであります。
○福田(一)委員 もう一つお伺いいたします。この委員会の委員の人選の問題でございますが、委員長というものはこの法文でははつきりしませんが、一体どのくらいの資格を持つた者であつて、あるいは委員の人選は、どういうような資格というか、どういう方面からお選びになるのか、これは裁判官だからというので、裁判所ばかりが入つて来るのかどうか、これは法務府の権限拡充になりはしないかと思つておるのですが、これについてはどういうふうな御意見か、承つておきたいと思います。
○横尾国務大臣 お答えいたします。実は今委員長としてわれわれが考えおりますのは、東大の我妻先をお願いしたら最もいいのではないかと思つておりますが、これは選任いたしまして、議会の御協賛を得て、しかる後に任命することになるのであります。
○小金委員長 加藤君。
○加藤(鐐)委員 委員の任命の問題ですが、法文によりますると、任命の場合は、国会の承認を得て総理大臣が任命するということになつておるが、罷免の場合は承認を必要としないというふうになつておるようであります。罷免の場合におきましても、一応の基準はありまするが、しかし不当な罷免、たとえば先日の日発総裁の罷免のような場合が生ずることが考えられますが、罷免の場合も国会の承認を経るということが必要ではないか、その点についての御見解はいかがですか。
○高辻政府委員 委員の任命、罷免のことに関してでございますが、任命につきましては、ただいまお話ありましたように、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命するわけで、罷免の場合についても国会の同意を必要とするようにしてはどうかというお話でございますが、御心配の点は、内閣総理大臣がかつてに委員を罷免するようなことがありはせぬかという点であろうと思いまするが、それはこの委員会設置法の九條をごらんいただきますとおわかりかと思いますが、委員長及び委員が罷免される場合は、この法律に掲げられている事由が発色した場合だけでありまして、その他の場合にはその意に反して罷免されることがないことになつておるわけでございます。つまり一種の身分保障があるわけでありまして、その事由といたしましては、「禁治産、準禁治産又は破産の宣告を受けたとき、」「禁こ以上の刑に処せられたとき、」「委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき、」とかいうふうに、きわめて限定されておりますので、国会の同意がなくとも、御心配のような点はなかろうと思うのであります。なお申し上げますと、罷免した場合にあとの委員を任命する場合には、もちろん国会の同意を必要とすることは、申し上げるまでもないと思います。
○加藤(鐐)委員 九條の一と二は非常に明確で問題はないと思いますが、三の場合、これははなはだ抽象的でありますので、間違いが起る場合が多いと思う。たとえば「委員長若しくは委員たるに適したい非行があると認められたとき。」というような規定は、これは認定の問題でございますので、その人の認定のいかんによつてはいろいろと非常に幅が広くなつて参ります。こういう場合等につきまして、やはり一応総理大臣の罷免権に制肘を加える必要があると思う。そういう場合をどういうふうにお考えになりますか、いま一応伺います。
○高辻政府委員 一応ごもつともに拜聽するのでございますが、御指摘のこの第九條の第三号は、まさに認定が問題になることでございますけれども、委員会の設置法におきましては、特にこの点を配慮いたしまして、第十二條でございますが、委員会が第九條第三号の規定による認定をするには、本人を除く全員の一致がなければならないということにいたしまして、委員会自体がその判定をする。そうしますと、その認定に基いて内閣総理大臣が罷免をするということでございますので、先ほど御心配の点はないことだと考えております。
○加藤(鐐)委員 その次には人選の條件でありますが、法文によりますと、單に学識経験のある人というようなことがあります。その他、人格が高潔であつて、公共の福祉に関し公正な判断を下す、これは当然なことでありますが、その次に、必要な学識経験のある人ということでありますが、委員は單に四人にすぎないので、このわずかな委員でもつて、広汎な各種産業に関係のある問題を処理するということは、それだけの各種産業の実態に通堯する学識経験者というものは、このわずかな人数の範囲内だけでは不可能ではないかと思うわけです。そういう点についてはどういうふうにお考えになりますか。
○高辻政府委員 委員会の構成の人数のことについてお話でございますが、この委員は四人ではございますが、そのほかに委員長がおりますわけで、「法律又は経済に関する学識経験を有する者」といううちには、あるいはこの專門的な分野を限定して考えて参りますと、まさにお話のようなことになるかもしれませんが、これはやはり公共の福祉に関し公正な判断をすることができるということがこの要件の一つにありますように、ただこれだけで法律も経済もわからないというような方であつては困りますので、それで両方が相並び立つような方をもし選ぶことができますならば、人数の点は、委員長と委員とまぜて五人というところが適当であろうと考える次第であります。
○加藤(鐐)委員 先ほど申し上げました通り、いろいろな産業に関係して来るのでありますから、今おつしやつたような公正な判断ができる人で、学識経験があると申しましても、むずかしいと思うのです。林業に精通し、農業に精通し、その他厚生方面あるいは労働方面と考えて参りますと、しかも公正な判断を下すということは、相当深 い学識と経験がなければならないということになりますと、口では簡單におつしやつても、実際はむずかしい問題だと思う。そこで私は、いたずらに人数をふやすということは、行政の簡素化の上から申しまして望むところではないが、しかし本委員会を最も民主的にかつ公平に運営するためには、多少人数をふやしてでも、各專門的な知識を持ち、その実態に通ずる人をそれぞれの分野から選ぶということが必要ではないかと思う。特に委員長を入れて五人と限定された理由は、ただいまの御説明では十分納得できないので、もう一応御説明願います。
○高辻政府委員 御懸念の点でございますが、法律なり経済についての專門家をそれぞれの分野について考えてみますと、これは仰せの通りにいろいろな専門家があり得ると思うわけでありますが、ただその專門なるがゆえにこの委員におなりになるということでありますと、場合によつてはそれぞれの分野にとらわれるというようなことも考えられる。そんなことはありますまいけれども、利益代表というようなことになる懸念もないとは言えないわけでございますので、いろいろお話がごさいましたが、やはりこれは経済の專門分野ということでなしに——專門分野を持つておられる方ももちろんございましようが、法律なり経済についての一般的な学識経験を有し、公正な判断をすることもできるという方をお選びすればいいのではないか。しかしてその人数が五人がいいか、六人がいいか、七人がいいかというようなことは、なかなかむずかしい問題でありますが、大体その委員会の構成員と申しますのは、必ずしも全部同じというわけではございませんが、おおむね五人程度になつているのが普通でございまして、特にこの委員会に限つてその人数をふやすという法理的な理由も見出しがたいのでございますので、ここにございますような五人ということにおちついたわけでございます。
○加藤(鐐)委員 同じことをお聞きし、同じことを御答弁になるようなことになりますが、私は今おつしやつたような、要するに少数の人で通ずることができるということは、実際上あり得ないと思う。そして先ほど来申し上げたように、相当深い学識と経験がなければ、こうした問題は処理できないと思う。そういう点から私は、單に従来他の委員会が五名程度だから、五名ということを基準にしてやるという考え方でなくて、委員会の運営をうまくやるという点から考えられるべきではないかと思う。今のお話だと、従来慣習が五人程度だから、五人程度を基準にしてこういう條文をつくつてみたというのにすぎない。私はもう少しこの委員会の重要性にかんがみて、根本的な立場から考えていただきたいと思う。その点について通産大臣からも御意見を承りたいと思います。
○横尾国務大臣 各界の方を網羅することは、お話の通り至つていいことだと思います。しかしながらあまり多くても何でありますので、もしも專門的のことに必要ありといたしますならば、十六條に書いてあります聽聞会を開きまして、そしてその意見を聞いて、しかる後に判断をすれば、あやまちなく行けるのじやないかと考えております。さよう御承知願います。
○加藤(鐐)委員 聽聞会ももちろん必要なことですが、なおかりに五人と限定すると、それらの人々の知識の不足、経験の不足するところを補うものが必要ではないか、そういう点はどういう方法でお考えになりますか。
○高辻政府委員 この五人の人々で、なおかつ至らない場合がありやせぬか、その場合にどういう方法をとられるかということでございまするが、この法律はおそらくは五人の方々で十分に公正な判断を下すことができるような、しかも法律、経済についての知識もあられるような方々をそろえることができるという考えに一応立つていることと思うのでございます。さらにそれでもというようなことでありまするならば、それはこの委員会の訴訟事務の遂行上、ただいま大臣が仰せになりましたような職務を公正に行うために聽聞会を開いて、広く一般の意見を聞くということもありましようし、またある職務の遂行につきましては、特定の人の意見を聞くというようなこともございますので、そういうところでまかないがつくというふうに考えております。
○加藤(鐐)委員 五人の委員会における——具体的に言いますると、調査機関というものも必要ではないかと思う。そういう点が今お答えがあいまいでありましたが、その点についての予算というようなものは相当に見積られるお考えですか。
○徳永政府委員 実は所管が内閣になつておりまするので、最終的なことはただいま記憶いたしておりませんが、当初私ども組みました際に、紛争があります場合、あるいは鉱業禁止区域をきめます場合、ただ書面の上できめて適正を期することは考えられませんので、現地に調査に行くというようなことも十分できるようには組んだつもりでございます。最終的に人員が当初の予定より減りました関係上、その限度におきまして予算の規模が小さくなつているはずでございますが、内容的には、当初われわれとして、この辺なら満足できるという程度のものは組んで、また大蔵省とも話がついておつたわけであります。人数が減つたことも減つてはおりますが、現在の中身は、実体的にはほぼ同様に考えております。
○加藤(鐐)委員 鉱山局長のお話ですと、どうも予算の関係ははなはだ心細いように思います。大蔵省に聞いておるというようなあいまいな程度では、どうも少し無責任ではないかと思う。運営の上においては、通産省がこれに関係があるわけで、その下における專門調査員というような人たちの構成とか、あるいは調査に要する費用というものは、相当具体的な案がなければならぬと思うわけですが、今の御答弁では、通産省当局としてはそこまでタツチしておられないように見えるわけです。その点は私はこの委員会の将来の運営の上においてはなはだ不安があるのではないかと思うわけであります。單に委員会をつくつて、表面民主的な運営をするかのごとく見せるだけでは何にもならぬ。従つて私はこの点については、具体的な立案をしてわれわれに示していただきたいと思うのです。これは本員はこの審議の過程においてお願いいたします。 それからその次は二十二條ですが、二十二條は「都道府県知事は、委員会に対し、一定の地域を鉱区禁止地域として指定することを請求することができる。」というようになつておりまするが、これは特定の鉱物についての禁止区域ですか、その区域全体を禁止区域とするという意味ですか、鉱業法案の第十五條は明確に出ておりまするが、これは明確になつておりませんので、その点のお答えをお願いいたします。
○高辻政府委員 仰せのこの二十二條でございまするが、これは鉱業法案の第十五條と裏表の規定でございまして、鉱業法案の十五條の規定によりますると、鉱物を指定して、鉱業権の設定を禁止した地域を鉱区禁止地域ということになつておりまするが、この委員会法の二十二條の場合におきましても、この点は同様であるというふうに考える次第でございます。
○加藤(鐐)委員 字句の点ですが、この二十二條もそういうように明確にしておかないと、政府の判断ができないように思うわけですが、どうですか。
○高辻政府委員 鉱業法案の十五條のことでございまするが、鉱物を指定して、鉱業権の設定を禁止した地域を鉱区禁止地域ということにしておりまするので、それとの裏の規定ということで、その点は読めるというふうに考えております。
○加藤(鐐)委員 次に四十五條でありますが、この規定によりますと、この委員会の決定が森林法、国立公園法、農地調整法に優先することになりますが、その通りですか。
○高辻政府委員 ここにございまするように、土地調整委員会におきまして裁定をしました場合に限つて、その裁定の範囲内でこの森林法、国立公園法、農地調整法等による行政庁の許可、認可等があつたものと見なされる。つまり裁定の拘束がそこまで及ぶという意味合いのものでございます。
○加藤(鐐)委員 従つてこの裁定が農地調整法等に優先することになると思いますが、そうなりますると、もし農地等についての問題が起りましたために、その農地調整法から異議が出た場合にはどうなりますか。これはあくまで委員会の裁定というものが優先的に効力を持つものですか。
○高辻政府委員 仰せの通りに、この裁定がありますると、その裁定の拘束を受けるということになるわけでございます。
○加藤(鐐)委員 私はその点ははなはだ問題を将来残すと思うわけです。今は質問の時間ですから、私の意見はあまり述べませんけれども、農地調整法あるいはその他の法律に基いての異議が出た場合には、この委員会の裁定に何かそれを調整する規定がないと、特に農地の問題等についての異議が出た場合に重大な問題を将来起すのではないかと思うわけですが、この法案におきましてはその規定がないので、これはひとつ考えてもらわなければならぬ問題であるということを申し上げておきます。 私の質問は以上で終ります。
○小金委員長 今澄勇君。
○今澄委員 時間がないので、具体的の問題、不明朗なことをちよつと明らかにしておきたいと思うのです。私の聞きたいのは、先ほど鉱山局長の答弁にあつた予算と人員の問題、私は通産大臣に申し上げておきますが、通産省が関係するこれらの委員会において、その運営よろしきを得ざる場合には、通産行政に重大な支障を與えるというような場合の定員や予算というものは、常にとられておらぬということをひとつ大臣は肝に銘じて覚えておいていただきたい。私はこの土地調整委員会が、一体職員の定員が何名で、それで予算は幾らとつてその組織は一体どうなつておるかということを鉱山局長なり法務府の方から具体的な話をちよつと伺いたいと思います。
○高辻政府委員 予算の点につきましては、実は御承知のように、この立案には私どもの方が当つておりますので、私どもの方の責任でもございますので、その点は一応申し上げまして私の知るところを申し上げたいと思います。 この人員でございまするが、人員は委員が五名と職員が二十名ということになつております。それから予算の方でございまするが、二十五年度の予算といたしましては、たしか九百万円見当のものかあつたと思うのでございまするが、当時の予算には職員の員数がもう少しふえておりましたために、現在のこの員数のもとでは、その員数に関する程度の予算が多少落ちておるというふうに思うのでございまするが、この正確なる予算の数字をただいま用意しておりませんために、まことに申訳ない次第でありまするが、構成は今申し上げた通りでございます。
○今澄委員 鉱山局長は御答弁がなかつたが、私に言わせると、予算としては大体四百五十万円から五百万円くらいしかなさそうである。しかもそれははつきりきまつておらぬ。員数はわずかの二十名、こういうような組織で第三條、第四條のごとき重要な権限を確実に遂行する自信があるかどうか。大体本委員会のこの重要な使命にかんがみて、これではまるつきり法律なんかうんとできたが、実際の運用の部面は非常に心もとないという感じがするが、これに対して鉱山局長の御感想を承りたい。
○徳永政府委員 この土地調整委員会の任務を大ざつぱにわけますと二通りあるわけです。 一つは鉱業禁止地域の指定の仕事でございます。それからもう一つは鉱業法に基きます通産局長のなしました処分等に対する土地の裁定、あるいは土地の使用、收用等に対する不服の裁定という受身の仕事でございます。それがただいまお尋ねの二十人くらいでやつて行かれるかどうかという問題でございますが、第一点の禁止区域の指定の問題は、非常に極端な言い方を申しますれば、実は現行法でもこういう合理的な形のものではございませんが、通産局長がそれぞれきめておるわけでございます。それでこの土地調整委員会が発足いたしますならば、土地調整委員会が公益的見地に立ちまして、今まで役所の内規としてきめてありまする鉱害というものの適否というものを一々調査して、逐次きめて参るということでございまして、それには極端な言い方をしますれば、一年の間に全部をやつてしまう必要はないというような関係に相なつておるわけであります。それから片方の仕事は受身の仕事でございまして、これも実は私どもこれをつくります際に、予算の折衝その他いたします際に、どの程度の件数が現われ来るであろうかということ、これはほんとうに想像で、いたしておられるのではないという事情でございまして、二十人であるいは足らないということも考えないわけではございません。しかし紛争がどの程度起るかということも予測できない関係もございまして、結局これからの将来の問題を予測して議論し合つたというふうなことになつておりますので、最初の予算から、行政官庁のいわゆる行政簡素化で人数は切られたわけでありますが、実際に入つてみて、仕事が二十人では切り盛りできないというふうになつて来た場合には、その分は認めるからという了解で、とにかく初めての仕事でございますので、どうなるかわからぬじやないか、水かけげんかになつたかつこうでございまして、その辺だけの了解はできておるわけでございます。従いまして状況によりまして足らなくなりました場合には、予備金なりその他の方法によりまして増員はいたしまして、充実することには十分努めたいと考えております。
○今澄委員 これで時間がないので質問を終りますが、私は今の現行法による通産局長が指定する禁止鉱区の問題といい、あるいは今度のこの土地調整委員会の五十二條の事実認定の拘束力が裁判所を拘束するというような力や、四十五條の本委員会の裁定の拘束力の規定が「当該行政庁の許可又は認可があつたものとみなす。」というような実に重大な、強力な力を持つておるこの委員会を、二十名の事務局員で、責任者である鉱山局長が、この席上で足らないと言えば、これはなるほど相当の問題になるので御遠慮されたのであろうと私は思う。少くとも通産大臣は、こういつたような委員会で、しかもやり方いかんによつては、たとえば特別鉱害も今日なかなかその復旧は遅々としてはかどつておらない。一般鉱害においても審議会をつくるなどといつておられるが、それらの審議会のお話もこれまた遅々としてはかどらない。今日ようやく閣議で話合いをしようかという段取りで、しかもこれらの審議会も、おそらくこういつた予算あるいは人的な職員の裏づけがなくて、みな漸次遷延に遷延を重ねて、非常にこれらの関係者に迷惑をかけておる実情から見まして、この二十名というのは少くとも私見をもつてすれば五十名程度ないことにはだめだ。私は二十六年度の予算では、そういつた予算の増額、並びに人員の増加等について、大臣は、どのように考えておられるか。大臣所管のこれらの問題について、やはり大臣が力を入れて自分の所管の行政が円滑に行くように、ひとつおはからいを願いたい、あわせて大臣の見解を承りたい。 もう一つはこの調整委員の五人の中に、われわれは働く労働者の代表を入れるか、あるいはこれらの関係者、その仕事を苦労してやつておる人間を少くとも入れるべきである。労働代表をこの中に入れるということは当然であると思うが、これに対する通産大臣の御意見を承つて、これで質問を終ります。
○横尾国務大臣 予算のことについては今お話の通り、極力これに努力して御期待に沿いたいと思います。それから委員の選び方について、労働者か入れるか入れぬか、これはよく考究をしたいと思います。
○小金委員長 砂間一良君。
○砂間委員 先ほど来他の委員の質問応答を聞いておりますと、何か土地に関する調停の裁判所みたいな感じを受けますが、そんなものですか。
○高辻政府委員 土地に関する裁判所というお言葉の解釈なんでございますが、このやりまするものは明文の規定をもつて書いておりまするように、第四條の権限、これをさらにもう少しこまかくといつても、これを読んだだけではいけませんが、第三條の事務、これをごらんになるとわかりますが、「鉱区禁止地域の指定」「鉱業権又は採石権の設定等に関する異議の裁定」「鉱業又は採石業のための土地の使用又は收用に関する異議の裁定」、その部分についてはこの委員会が裁定をいたしますと、行政庁を拘束する場合もある。それから証拠等の関係におきましては、裁判所に聞いてもそれがものが言える程度のものになつておるというようなものでございます。
○砂間委員 條文は一応目を通したのですけれども、鉱区禁止地域の指定、あとはいろいろな書類の異議の裁定に関することなんですが、こういうふうなものではたして行政事務がてきぱきと迅速にやつて行けるのですか。これではさつき他の委員からも質問が出ましたけれども、非常に煩瑣な手続をつくるような気がしてならないのですが、実際問題として通産大臣は、こういうものができた方が事務が急速に処理できるというふうにお考えになつているのですか。
○横尾国務大臣 争いが起りますと、最も公平にこれを取扱わなければならぬ。そういう観点から、委員会があつた方が私はいいと思います。そういたしませんと、いつまでも争いが長びくおそれもあり得るのであります。やはり公平に判断してくれるものが必要なりと思いますので、この委員会は私は必要だと思います。
○砂間委員 そこで委員会の権限等に関連して、委員会の構成の問題になつて来るわけです。委員会は、この法律に目を通せばわかりますように、非常に大きな権限を持つておるわけです。この法文の上ではまことにごもつとものように見えますけれども、実際の運営の上においては、そんな神様のごとき人ばかりおらないわけです。争いが起るときには、鉱山業者はおれの方がやりたいからといつて自分の主張を大いにやりますでしようし、片方の農地の使用者とかあるいは森林業者は、あれの方が重要だといつて我々張るでありましようし、両方聞いてみればみなそれぞれのいくつがある。公正な学識経験とか、いろいろ條文書いてありますが、それをみんな聞いて、全体の見地かからほんとに公共の福祉に寄與するような裁定とする、そういう裁判官というものはなかなかこれないと思うのです。しかもそういうような非常に大きな権限を與えておつて、森林法とか国立公園法、農地調整法等に優先して裁定を下す権限があるのです。先ほど来委員の選任について説明を聞いておりますと、一応もつとものようであるが、どうも実際問題としては私どもうなずけない。体どの方面からどういうような人をお選びになる腹案か。委員の選任をする前にいろいろそういう意見をお述べになることは言いにくいかもしれませんか、ひとつ暗示でもけつこうですから、どんな方法でどんな方面からお選びになるつもりか、腹案でもありましたらひとつお漏らし願いたいと思います。
○横尾国務大臣 ただいまわずかの者で、全智全能でない者の判断がどうかというお話であります。しかし、私はすべての人類が全能でないことはよく存じております。しかしながら、そのうえでも最も公平なりと思われる方もあり得るし、またそれには聽聞会もあります。それからその次をごらんいただきますと、十八條に、委員会は他の行政機関、学校、その他または学識経験を有する人に対して必要な調査を委託することもできると書いてありますし、それからまたその先の二十條に、委員会の事務局には、こういうものに知識経験を有する者というようなことも書いてございまするので、こういう方々をもつてするならば、私はあやまちあつても大したあやまちはないのじやないか、大して非難を受けるような裁定はしないのではないかと思います。 それから委員にどういうふうな人を選ぶか、腹案があるかとおつしやいますけれども、これは私は現在の段階においてはお答えすることはできないので、あしからず御了承願います。
○田代委員 この委員会の構成、それから権限の問題なんですが、大臣や政府委員の説明によりますと、またこの規定によりまするというと、きわめて内容か抽象的でありまして、学識経験者であるとかあるいは最も公平なる判断をなし得る能力を持つている人というようなことになつておりますけれども、そういう抽象的なことでは、実際にこれが運ばれます場合においては、常にこれは弱い者いじめになります。御承知のように、電力関係から見ましても、あの公益事業委員会の最高の権限を持つております五人の委員会の委員長は、新聞の伝えるところによりまするというと、松本函治氏が選定されたようでありますけれども、松本函治氏はつい最近まで追放されておつたような人物であります。この人が解除されたといいましても、道徳的な、社会的な、追放に値したというようなそういう責任はこれは決して清算されたわけではないのであります。そういう人物がこういう権限を持つた機関にすぐ選任される。それが選任されましたあかつきにおいて、はたして公平なる電力の分断、あるいは公益事業というものが軌道に乗るかどうか。この土地調整委員会におきましてもまさにその通りであります。今まで何々委員会というものがたくさんできましたけれども、それはほとんど全部の場合といつていいくらいに、大体金持あるいは大地主、こういう諸君の利益のためのみはかられておる。そういう危險がまさにこれには多分にあるのでありまして、そういうときには当然はつきり條文の上で、農民組合の代表であるとか、あるいは鉱害関係の民主的な団体の代表であるとか、あるいは労働組合の代表者であるとか、こういうものをはつきり入れなければ、公正に行われ得ない、そういうことが明記されなければ安心ができないのであります。先ほど大臣は、その点に関しまして考慮するというお話でありましたけれども、私が大臣の腹をそんたくいたしますならば、それは單なる一片の本委員会における逃げ口上であります。はつきり私はその点を確約していただくか、あるいはそういうことを條文に入れるかしていただきたいと、要望するものでありますが、この点に対する大臣の見解はいかん。 〔委員長退席、中村委員長代理着席〕
○横尾国務大臣 選任いたしました候補者に対しましては、両議院の御同意を得なければならぬようになつておりますので、あなたの今おつしやつたようなことはないものと私は信ずるのでございます。
○田代委員 これに必ずあることを私は断言いたします。 次に質問いたします。この土地調整委員会は、これがいろいろの紛争、あるいは禁止区域を設定するというような場合におきまして、もちろんこれは何ものにも侵されない立場から判定し、その判定たるやこれは侵すべからざるものにならなくてはならないのでありますが、この点に対するはつきりした確信を政府はお持ちかどうか、それをまず第一点としてお伺いいたします。
○横尾国務大臣 今のお話は、要約いたしますと、どういう点ですか。はなはだ失礼でございますが、もう一回……。
○田代委員 私がはなはだ危惧いたしますのは、先日、実は通産委員会と農林委員会と連合審査会をいたしました席上において、採石法が問題になりましたとき、永小作権者、あるいは土地の所有者の制限を受ける、そういう場合に、非常に農民諸君やあるいは山に土地を持つておられる諸君はきゆうくつになつて来る。こういう場合に対してどういう保護政策をとられるかという農林委員の質問に対しまして、首藤次官は、現在日本は軍事基地を外国に提供すべきである。またこういう軍事的な、要請がある場合においては、たとい農民に土地が制限を受ける、あるいは荒らされるというようなことがあつても、それはやむを得ない。こういうような発言をされたのでありますが、もしこういうことになりますならば、この土地調整委員会なるものがはつきりした権威を持つて判定いたすといたしましても、外国のそういう力によりまして、あるいは朝鮮事変というようなことによりまして、日本の国内でどんどんと石炭を掘れとか、あるいは鉄を掘れとかいうような外国の圧力が加わつた場合に、その禁止区域であるべき土地に対しましても、なおかつこれが遠慮会釈なくそういうことがやらされるという危險に陥るのでありまして、かくなりますと、どうして農民諸君の永久小作権とか、あるいは土地所有者の権限というものは守ることができるかという点が非常に心配になりますので、それに対するはつきりした——この土地調整委員会の権限というものが、外国のいかたる力にも侵されずに、その判定をやり抜き得る確信を持つておるかどうかという点であります。
○横尾国務大臣 今のお話は、私首藤君の意見をよく開いておりませんが、しかしながら首藤君といたしましても、そういう外国の圧力が加わる——どういう外国の圧力かわかりませんし、それも私は想像しかねますが、そういうことを現在において私がここで御答弁いたす限りでないと考えますので、その点はあしからず御了承願います。
○田代委員 それははつきり速記録に載つておるのでありまして、私は首藤君であるか、あるいは横尾君であるかを問題にしておるのではないのであります。一括いたしまして、政府がそういう答弁をしておるという立場からの質問でありまして、個人的に逃げられるということに対しましては、絶対に反対であります。
○横尾国務大臣 私はただいまのような御質問には、お答えをいたしかねますから、さよう御了承願います。
○田代委員 終ります。
○中村委員長代理 小平君。
○小平(忠)委員 私は本委員会法の重要性にかんがみまして、横尾通産大臣に重要な点を二、三点お伺いしたいと思うわけであります。 第一点はただいまの前委員の質疑によつて、ほぼ明らかにはなつてはおるのでありますが、大体この委員会の構成が、委員長ほか四人の委員によつて設置されることになつております。大体これによりまして十分であるという御説明でありますが、そこでこの委員長ほか四人の委員はどういうようか構成で、どういうような選任の方法をとるかについて、他の委員からも質疑があつたわけであります。そこですでに委員長については東大の我妻さんというような腹案があられることをさきに明らかにされましたが、委員長においてそういう腹案がおありになりますならば、すなわち委員が十名であるとか、二十名であるならばいろいろ論議がありましようが、わずかに四名でありますから、この四名の大体の選任とか、考え方はどの辺まで進んでおられるか、ざつくばらんにお漏らし願えれば幸いに思うわけであります。
○横尾国務大臣 お答えいたします。この委員はよく各方面から選任いたしたいと思いますので、まだ腹案をつくるまでには至つておりません。その点あしからず御了承ください。
○小平(忠)委員 それ以上追究申し上げません。そこで非常に大事な問題は、やはりこの委員会の権限というものが相当強いのであります。特に農地・調整法なり、あるいは森林法等に優先するという問題が大きな問題であります。そういう観点から、かりに鉱業権または採石権の設定をしたいという場合に、その收用し、使用する土地が農地であつた、現にその土地が個人の所有である、どうしてもこの農地については農民が生活権擁護のために放すことができないというのであるが、一方日本の産業開発というような大きな見地から、この土地を使用しなければならぬという場合に、本法からいいますと、それをやはりどうしても收用し、使用するというような結論になるように考えるわけでありますが、はたしてそこまで強制権をこの委員会が持つものであるかどうかという点について、はつきりお伺いしたいと思います。
○徳永政府委員 前にもこの委員会でいろいろお尋ねがあつたと思いますが、法律上の関係ではこうい順序をふむようなことに相なるのであります。まず最初に鉱業権者側からこの鉱業法案に上つております目的に該当しますような事例につきまして、ぜひ農地を鉱業用地に使いたいからという申出がありましたならば、それを鉱山局長が十分審査いたしまして、ほかにかえ地もとりがたいというようなことで、使用なり、收用の許可をいたします。事業の認定をいたすわけであります。ところがそれが農地であります場合には、農地調整法の関係によりまして、農地調整委員会の了解を得なければ收用、使用の対象になり得ないのであります。そこで鉱業法で事業の認定をいたしたとしましても、あらためて農地調整委員会にかけまして、その農地を鉱業用地にかえることがさしつかえないかどうかということが、そこであらためて審査されるわけであります。その結果といたしまして、イエスと出れば問題はないわけでございますが、ノーと出ました場合に、問題がまた再び鉱業権者の問題にかえつて参りまして、その土地がだめであつたということになりましたならば、ほかの土地状況その他から見まして、あの土地を認めてもらわなければどうしてもほかにかえ地もないというようなことになりました際に、初めて土地調整委員会に問題を持ち出すわけであります。そこで土地調整委員会としましては、農業の立場、鉱業の立場、それぞれをどちらにも偏しませず、公平に判断いたしまして、その結論はイエスとなる場合と、ノーとなる場合とあるわけでございまして、かりにイエスとなりました場合は、その効果が農地調整法に優先するということでございます。さような順序を経ましてきまるわけでございます。
○小平(忠)委員 そこでその点は明らかになりました。そういうところから私は一歩突き進んでお伺いしたいのでありますが、使用または收用するところの土地について、多く対象となるものは農地または山林であります。大体これが多いのであります。そういう観点から農地委員会にその申し入れをして、イエスという回答が得られないために、結果は土地調整委員会の裁定を受ける段階になる、そうい裁定を受ける段階になる場合に、それがよろしい、イエスという結果になつた場合においては、これは農地調整委員会においていかに否決をしても優先する結果になる。従つて私はいかにこの委員会の委員の構成が重要であるかということをここで裏づけをしなければならぬと思うのであります。その場合に、政府当局として今お考えになつておるところの委員長、東大の我妻さんは、人格並びに常識もすぐれた非常にりつぱな方でありますからけつこうだと思うのでありますが、しかし委員会はあらゆる方面から出られて、最後は採決である。そうしますと、四人のうち、もしかりに農業関係からの委員が一名だとした場合においては、当然否決されるということから、私は、はたして四人で間に合うかどうか、四人に限定してそれで公平なる裁定をすることができるかどうか、疑問があるわけです。もちろん国家の、要請に従つて、鉱業権あるいは採石権を行使するとい場合においては、その実情を十分調べなければならない。しかし現実の問題として、農民なりあるいは山林所有者を犠牲にしてまでやるということは大きな問題でありますから、そういう点を十分に検討されたかどうか、そしてそういう点から突き進んで行つて、この委員会の委員に農林関係の人を何人入れる御予定でおるのか、先ほど論議の対象になつた労働者の場合なども、そういう人を入れる意見があるのかという点について、そういう腹案、考え方を持たず、ただ漠然とこの法律案を提出されるということは、あまりにも軽卒ではないかと思う。もう一歩突き進んで横尾通産大臣の明快なる御答弁を待たいと思います。
○横尾国務大臣 委員の選任に関しまして、いろいろと御意見を拜聽いたしました。五人がいいか七人がいいか、またその大半を農業者からとる方がいいかというようなことは、今御返事申し上げるよりも、むしろそういう委員の方が農業にもとらわれないし、また鉱業者にもとらわれない少い委員を選んで、そして今のような御懸念のときに聽聞会もやられたい、また二十條に書いてありますように、知識経験者その他の方々の意見も徴してやることが、むしろ多数の委員の方よりも、私はその方が有効じやないかと考えるのであります。委員の選び方については、ただいまのようなお話もあるので、私は慎重にこれを選んで行くことが必要ではないかと考えます。そのゆえに両院の御賛同を得て任命するならば、まず人事を盡した委員の選定じやなかろうかと考えておりますので、さよう御承知願いたい。
○小平(忠)委員 そういうことになりますと、私は本案に対しては趣旨は非常に賛成であり、この原案に対しまして賛成したいと思つておりましたがただいまの御答弁によりますと、どうも私は賛成しがたいような結論になる。と申しますのは、農地や山林に関係のない公平なる方を選ぶのがよいのではないか、その結果農地なりあるいは山林の所有者の意見がいれられないという場合においては、聽聞会の規定もある。この聽聞会は国会においての公聽会あるいは幾多の審議会等がありますが、これは單なる意見を聽くにすぎないのであります。意見を聽くにすぎないようなものを重要視するわけには参りません。従つてこれはあくまでも土地調整委員会がいざこざを、円満裡に解決するという観点に立つならば、この委員の数はむしろ委員長以下七名位にしまして、それでほんとうに真劍に農地なりあるいは山林の事情をよく知つている人とか、そういう代表も参加せしめるようなお考えでなければ、私は本案にとうてい賛成するわけには参りません。そういう観点において、私はやはりあくまでもただいまの大臣のような御方針で本案を提出して強行される御意思であるかどうか伺いたい。
○横尾国務大臣 私は農業の方、林業の方を入れないと申したのではないのでございます。その方を過半数以上入れなければならぬというようなこともなかろうじやないか、こう申しましたので、腹案としては必ずそういう方も入れたいという意見でありますので、その点は誤解をなさらぬようにしていただきたいと思います。
○小平(忠)委員 私の質問はこれで打切りますが、ただいまの大臣の御答弁で非常に満足いたしました。どらかそういう観点において、本案の運用を円滑になされんことを希望いたしまして、私の質問を打切ります。
○中村委員長代理 この際お諮りいたしまするが、この法案につきまして、法務委員北川定務君が委員外発言を申し出ております。これを許すに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長代理 それでは北川君。
○北川定務君 法務委員会を代表いたしまして、二、三の点について政府委員に質問いたしたいと思います。本法制定の理由は、鉱山業と農林業との利害の衝突、さらに地下資源の生殖業者と地上の一般社会大衆との利害衝突を調整しようというのでありますから、委員会の裁定が大なる権威と実力がなければならないと思うのであります。さきに通産委員会の公聽会がありましたときに、本法案の立案に盡力した東京大学の我妻榮教授は、この委員会が紛争解決の気休めになるおそれがあると申しておつたのであります。検地思想の低い鉱山地帯の事件につきまして、この委員会が活用されるという見込で準備と調査がなされておりましようか。この点につきまして伺いたい。
○高辻政府委員 ただいまの御質問は委員会についての準備、調査というふうに拜承いたしたのでございますが、そういうことでございましたろうか、はなはだ恐縮でございまするが、お伺いいたします。
○北川定務君 委員会の重大性にかんがみまして、検地思想の低い鉱山地帶の事件などの解決に当りまして、この委員会がどのような解決力を持つかという、その見込みでございます。またこれらに対する調査がなされておりましたら、その点も伺いたいのであります。
○高辻政府委員 主として、この委員会の裁定の手段が合理的に行くものであるか、それから裁定の結果がいかなる効力を発揮するものであるかというような観点から一応お話申し上げまして、もし御質問に対するお答えが不備でございますれば、さらに補足いたすことといたしますが、今の観点から申し上げますると、御承知のように、土地調整委員会なるものは、鉱業とその他の産業との調整につきましての準司法的機関として、その手続も準司法的な手続をとることになつておるのでございます。しかして先ほどいろいろ御議論があつたのでございまするが、委員長には公正な判断をすることができるような方をお願い申し上げて、その委員の方々が今申し上げたような、司法的な手続によつてある結論を下す。それが裁定でございまするが、その裁定がありますると、他の産業上の許可等につきまして、ある面におきましてはそのようなものが必要でなくなる。行政庁もある部分について拘束をする。それからまたその裁定の結果、裁定に至りまする証拠等につきましても、ものによりましては裁判所がそれを尊重していただくというような形式をとることによりまして、少くともこの委員会が設置され、手続を経た裁定につきましては、十分な効力がそれに與えられている建前になつております。
○北川定務君 次に委員会の事務局を構成する職員は、その人を得ませんと、委員会といたしまして実際上の権威ある裁定をなすことができないと思うのであります。職員といたしましては、鉱山業、農林業、公衆衞生、農地整理等の各方面の技術の專門家でなくてはならぬと思うのであります。また同時に国土計画や都市計画等の総合的計画のできる知識と経験を有する者でなくてはならぬと思うのでありまするが、事務局の職員の人選についてはどういうお考えを持つておられましようか。
○高辻政府委員 特に事務局の職員についてのお話でございまするので、その面に限つて申し上げるわけでございますが、ちよつと一言申し上げますと、委員については、第一章にありますように、人格が高潔で、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、しかも法律経済に関する常識経験を有する者ということになつておりますので、その点につきましては、それで御了承願いたいと思いまするが、事務局の職員中にもそれぞれ鉱業、採石業、農業、林業、その他の産業、またはこれらの産業に関する法令についての知識経験を有する者とか、さらに弁護士の資格を有する者を加えろということを、この法律自身が規定をしておりまして、それらの資格を有する者から適当なる者、最善と思われるような人々が、おそらくこの事務局の職員になることであろうというふうに考える次第でございます。
○北川定務君 最後に一点伺いたいと思います。委員会の職務の範囲は、第三條によつて規定せられておるようでございまするが、本法と温泉法の関係はいかようになつておりましようか。たとえば鉱業権者が鉱物の採掘をなすことによりまして、温泉が枯渇するおそれがあるような場合、本法によるところの委員会によりまして裁定をするということが妥当であると考えられるのでありますが、さような場合に本委員会が権限を持つておりまするかどうかを伺いたいと思います。
○高辻政府委員 御指摘の通りに、この温泉の保護に関しても問題がないわけではないのでございます。本法におきましては森林法、国立公園法、農地調整法の三法の関係におきまして、その法律が必要とする許可、認可等が、場合によつては裁定によつて必要がなくなるということはあるのでありますが、温泉法についてはその点の規定はございませんけれども、これはこの本法におきまして列挙されているようなものとは大分違つておりまするので、この部分につきましては温泉法に所定の制限がありますと、裁定によつて、ただちにその制限がなくなるということには相なつておらないわけでございますが、それはこの土地調整委員会設置法にありまするような、三法とは違つて、鉱業権との関係において、近く問題が起ることは考えられないというような見地に立つてのことでございます。
○中村委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——それでは暫時休憩します。 午後三時二十二分休憩 ————◇————— 午後五時五分開議
○小金委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。 土地調整委員会設置法案についてほかに御発言はございませんか。——御発言がないようでございます。本案につきましては、質疑をこれをもつて打切りといたすことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 それではこれをもつて質疑は終局いたしました。 ただいまより鉱業法案、採石法案、鉱業法施行法案及び土地調整委員会設置法案を議題として審査を進めます。 この四つの案に対しましては、中村幸八君よりお手元にお配りいたしてあります修正案が提出されております。ただいまよりこの四案に対する修正案につきまして、提出者より趣旨の御説明をお願いいたします。中村幸八君。
○中村(幸)委員 私は鉱業法案、採石法案、鉱業法施行法案及び土地調整委員会設置法案につきまして、その完璧を期するため、お手元に差し上げました別紙のごとく、その内容に関し一部修正を加えること提案いたすものであります。修正案の内容については、すべてお手元に差し上げましたので、ごらん願いたいと思うのでありまするが、今その概要について、ここに簡單に御説明申し上げます。 すなわち、耐火粘土はゼーゲルコーン番号三十一以上の耐火度を有するものに限り、法定鉱物に追加すること。鉱区の最低面積を現行法に則つて十五ヘクタールとすること。試掘権存続期間は二箇年を原則とするも、なお石油、アスフアルト、可燃性天然ガスにつきましては、その後二箇年ずつ三回、石炭、金属鉱物その他については同じく二回ずつの延長を認めること。現在試掘権についても石油、アスフアルト、可燃性天然ガスについては二箇年ずつ二回、石炭、金属鉱物その他については同じく一回の延長を認めること。採掘権の存続期間を無期限とすること。出願中の名義変更を認めること。土地使用並びに收用の目的を追加すること。租鉱区の鉱害賠償は鉱業権者も連体責任とすること。鉱業権と採石権との調整規定を設けること。 以上の修正に伴う関係條文の整理を行うことなどであります。その修正点につきましては以上であります。 右簡單ながら修正案の概要について御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
○小金委員長 以上をもつて修正案の趣旨説明は終りました。 これについて何か御意見はございませんか。
○加藤(鐐)委員 私は本法案の審議を打切り、採決されるにあたりまして、一点特に通産大臣にお伺いしておきたい点がございます。それは、委員会の審議の過程におきましても、しばしば各委員から御質疑がございまして、さらに本委員会おそらく一致の賛成をもつて附帶決議が行われることになろうと思いますが、鉱害の復旧の問題でございます。鉱害復旧の問題は、私どもは原状回復を原則とすべきであるという主張を終始持つで参りましたがいろいろな事情によりまして、原案にありますように、金銭賠償を原則として、場合に上つては原状回復をするということになつておるのであります。私はこの鉱害問題の処理ということは非常に重大な問題でございまして、この復旧を等閑に付しますならば、国土の荒廃あるいは食糧の減産、民生の不安定というような各種の問題が発生ずるのでございます。従つてこれはあくまで原状復旧を原則としなければならない問題であると思うのであります。おそらく後ほど決議が行われると思いますが、いわゆる国土保全、あるいは食糧増産、民政安定の見地から、できるだけ原状回復をはかるという建前に立つての処理が急速に行われなければならないと思うわけであります。委員会の過程におきまする政府当局の御答弁は、一応私どもの趣旨に御賛成になりましたが、しかし過去の事実に顧みまするときに、私どもは政府の誠意がどの程度のものであるかということについて疑いを持つのであります。たとえば特別鉱害の復旧につきましても、私どもはその感を持つのでございまするが、この点につきましては、いろいろな思わざる障害があつたことも認めるのでございます。しかし一般鉱害百八十億と認定されておりまするこの復旧についての衆議院におきまする全会一致の決議が、第七国会に行われたのでございますが、それについての政府の適切な処置というものは、今日うかがわれないのである。私が質問いたしましたことにつきましても、もちろん担当者はおいでにならなかつたから、十分な御答弁ができなかつたかもしれませんけれども、この一般鉱害についての調査が十分に行われておらないということは事実のようでございます。従つて私はこの点について、今日幸いにも大臣が御出席でありますから、いかなる程度にその調査が行われており、またその対策がいかなる程度に講じられておるか。予算の計上の面についても、どの程度に考えておられるかお伺いをし、そして政府があくまで鉱害復旧の問題を誠意をもつて急速に処理するということが示されなければ、私どもは今日いかなる決議をいたしましても、それは単なる空文にすぎないということを痛感いたしまするので、特にこの一点をお伺いいたしでおきたいと思うのであります。
○横尾国務大臣 ただいまの御質問にお答えいたします。鉱害のことに関しましては、われわれも御同感でございます。それにいたしましてもいろいろな方策もあろうかと思いますので、せつかく審議会をつくつて、審議会の決議によつて善処したいと思うのであります。現在の状況に対しましては政府委員よりお答えいたさせます。
○加藤(鐐)委員 一般鉱害復旧の決議案に対して、いかに政府が善処されたかということをお伺いしたい。大臣がおわかりでなければ、資源庁の方からでもさしつかえありませんから、その点をお伺いしたい。
○始関政府委員 前々国会におきまして、特別鉱害復旧臨時措置法の決議に相なりました際におきまして、一般鉱害につきましての関連があつたのでありますが、特別鉱害との関連におきまして、鉱害が全体でどの程度あるかというような点につきましての調査はできておるのでございますが、何分にもただいま御指摘がありましたように、実は特別鉱害の法律が一日成立はさせていただきましたものの、その後思わない障害ができまして、これを軌道に乘せますために、われわれのすべての関心がそちらの方に奪われまして、一般鉱害につきましての調査は一応はございますけれども、その対策をどうするかというような問題についての研究等は、今日までのところはなはだ不十分でございます。その点ちよつと経過的に御報告申し上げておきます。
○加藤(鐐)委員 ただいまの御答弁ではつきりいたしましたことは、衆議院が全会一致の決議をもつて政府に要望しましたことすら、十分にまだ調査もされておらないということでございますが、そういう政府の態度でありますると、本委員会において今後鉱害問題についての決議をいたしましても、結局政府がそれに対して、誠意をもつて善処されないということが考えられるのであります。それで私はこの重大な問題について、本日軽卒に單なる一つの決議によつて処理することはできない。先ほど大臣が審議会を設けてやるとおつしやいましたけれども、私は過去の実績に徴してそういう不安を持つものでございますので、なお一応大臣から重ねて今後の処理についての御説明を承つて、私の質問を打切りたいと思います。
○横尾国務大臣 ただいま資源庁長官の申しましたことに対し、御不満のほどは私よく了承いたすものであります。しかしただいま私が申し上げましたように、審議会をつくつて、早く愼重に審議をいたしたいと思いますので、その点御了承を願いまして、ただいま出しております法案の議決をお願いする次第でございます。
○小金委員長 他に御発言はございませんか。——御発言がないようでございますから、以下をもつて修正案についての質疑は全部終了いたしました。 委員長から一言通産大臣にお尋ねいたしますが、ただいま数点にわたりまして修正案が委員から提出されました。これに対して、御所感はどういうものであるか、表明できればしていただきたいと思います。
○横尾国務大臣 主管官庁といたしまして異議はございません。
○小金委員長 それではただいまより鉱業法案、採石法案、鉱業法施行法案、及び土地調整委員会設置法案、この四つの案について、原案並びに修正案を一括議題として討論に付します。討論の通告があります。順次これを許します。中村幸八君。
○中村(幸)委員 私は自由党を代表して、ただいま一括討論に付せられました鉱業法案、採石法案、鉱業法施行法案、並びに土地調整委員会設置法案、以上四法案の原案並びご修正案に賛成の意を表するものであります。 現行鉱業法は明治三十八年の制定にかかるものであります。爾来星霜を閲すること四十五年、もちろんこの間しばしば改正せられておりますが、いずれも單なる部分的修正にすぎず、従つて時代の進歩、経済の発展、国民思想の変遷、関係法規の改廃等のため、つとに根本的改正を必要としておつたのであります。かような次第でありますから、今般鉱業に関する制度を整備し、鉱物資源を一層合理的に開発するとともに、法の運営を民主的ならしめ、かつ他産業との調整をはかるなどの見地から 現行鉱業法を根本的に修正した新鉱業法を立案するとともに、法定外の鉱物並びに一般岩石中の重要なるものに対して採石権を設定するための採石法案及び新鉱業法の制定に伴う経過的措置あるいは関係法令の改正に関する鉱業法施行法案、また鉱業法案並びに採石法案に最も密接なる関係を有する土地調整委員会設置法案が提出せられるに至つたことは、時期としてまことによろしきを得たものであり、むしろおそきに失するのではないかという感さえいたすのであります。またその内容におきましても、政府は去る昭和二十一年以来これが準備に着手し、あるいは学界、業界その他の関係権威者を網羅する鉱業法令改正委員会を設けてこれに諮問し、あるいはまたアメリカ鉱業法專門家の助言を求むるなど、すこぶる稠密なる推敲を重ねているのでありまして、従つてその成果たる法案の内容におきましても、またおおむね適正妥当なるものがあると考えるのであります。しかしながらこれをしさいに検討いたしますならば、なお修正を要すべき点が少くはないのであります。その修正点につきましては、先ほど御説明申し上げた通りでありますのでこれを省略いたしたいと思いますが、私はこれらの修正をして、政府提出にかかる四つの法案に賛成の意を表するものであります。 なお私はこの際政府に対し二、三要望をいたしたいと考えるのであります。第一は本法の施行期日についてであります。現行法による試掘権の期限満了などの関係を考え、また本法施行直前におけるいろいろの策謀を防止するなどの見地からいたしまして、一たび公布せられました以上は可及的すみやかに実施せられることが望ましいのであります。もちろん準備の都合等もあるでありましようが、極力早く施行するように願いたいと思うのであります。 第二は試掘出願等に関する処理の促進についてであります。従来の実例に徴してみますと、これらの処理は必ずしも迅速ではないのでありまして、出願者にとつてまことに迷惑であります。のみならず地下資源開発上からもすこぶる遺憾に存ずる次第であります。政府におきましては、今後最善の努力をいたし、これら出願を遅滯なく処理するように願いたいのでありまして、必要ならば人員の増強など予算的の措置を講ぜられることを希望いたす次第であります。 第三は鉱害地の原状回復に関する特別の措置についてであります。すなわち今回の鉱業法案については、われわれは鉱害の賠償に関しては金銭賠償を原則とする政府案をそのまま承認いたしているのでありますが、被害者の原状回復に対する熱望にこたえるためにも、また食糧その他重要物資の生産を確保するためにも、原状——少くともその効用を回復せしめなければならないのであります。よつて政府はすみやかに国庫の負担において鉱害地の原状回復を断行するために、特段の措置を講ぜられるよう特に強く要望いたすものであります。以上をもつての賛成討論を終わることにいたします。
○小金委員長 次は高橋清治郎君。
○高橋(清)委員 私は国民民主党を代表いたしまして、ただいま議題となつております四つの法案に対しまして、強い要望を付して賛成の意を表したいと思います。そもそも鉱業法は鉱業を規律する基本法であります。今回提案されました鉱業法案は、鉱業権を中心とする法律の基本的構成におきましても、また鉱物資源を合理的に開発して公共の福祉の増進に寄與するという根本目的においても、根本的に相違はなかつたのではありますが、とかく八方美人的立法態度により、巽際の運用面に対しいささか危惧の念を禁じ得なかつたのであります。すなわち在来までのドイツ法に、新たにダンカン氏の提示による米英法を混入した立法態度は、はたして鉱業法案の真の目的か達成し得るかどうかは、はなはだ疑問といたすところであります。世界各国の実情を見ましても、鉱業の消長が国力の盛衰に重大なる関係あることに思いをいたしますとき、その間今日まで十数回の改訂があつたとはいえ、明治三十八年制定にかかる現行鉱業法の大改正である本法案の持つ責任というものは、きわめて重大であるといわなければならないのであります。また採石法案は、従来まで鉱業法の適用を受けない鉱物及び岩石は、土地所有者との契約または土地の買い取りについて承諾を得られない限り、これらの資源の開発の不可能でありましたものを、本法案の出現により今後は土地を買い取らなくても、採石権という確実な権利により岩石等の採取ができることは、これまた画期的法案であり、きわめて喜ぶべき措置であると思うのであります。しかしまだまだ両法案とも十分とは考えておらなかつたのでありますが、今回の修正案により私たちが危惧していた点の大部分が除去されたということは幸いといわなければなりません。 次に鉱業法施行法案と土地調整委員会設置法案とは、鉱業法案並びに採石法案と密接不可分の関係を持つ表裏一体の法案であります。特に土地調整委員会設置法案において、鉱業、採石業、農業、林業その他の産業及び一般公益との統合調整という広い立場から、一定の土地をいかなる目的に用いることが最も適当であるかということを公正妥当に裁定するために、土地調整委員会設置したことは、きわめて進歩的な法案であります。しかしいかにいい法律が生れましても、要はその運用であります。鉱業のみがひとり国家の保護に甘んじて常軌を逸してはなりません。どうかこの重要な四つの法案の運用に当つては、今日までの各委員の強い要望その他にかんがみまして、当局は愼重なる態度をもつて臨み、他産業との調整にも遺憾なきことを強く要望して、その施行のすみやかならんことを望む次第であります。 私はただいままで申しました通り、以上のような強い要望をいたしまして本四つの法案に対し、民主党を代表いたしまして、原案及び修正案に対し賛意を表するものであります。
○小金委員長 次は加藤鐐造君。
○加藤(鐐)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程になつております四つの法案に賛成をいたしますが、賛成するにつきましては数点についての強い希望意見を持つておりますので、それらの点につきまして一応きわめて簡略に説明いたしまして、賛成の討論といたしたいと存じます。 現鉱業法は公布以来非常な年数を経ておりまして、今日の時代に適しないものであり、さらに戰争中の重要鉱物増産法に盛られた非常に強い戰時的な色彩がありましたが、これが拂拭されて、民主化されたその精神は認めるのでありますけれども、私はまだはなはだ中途半端な感がいたすのでございます。たとえば地方鉱害賠償基準協議会を官吏のみによつて構成し、その決議、決定が何らの拘束力を持つておらない権威のないものであるというような点も、はなはだ中途半端であり、まつたく必要のないものではないか、むりにこういうものをつくつて民主的な装いをさせたというような感がいたすのであります。あるいは通産局長と知事との協議がととのわなかつた場合の処理等についての規定がなくて、結局通産局長に決定権がゆだねられるというような点もはなはだ不徹底であり、運用よろしきを得ない場合には、多くの問題がそこに発生するということも懸念せられるのであります。 それから次に通産局長に一切の権限が與えられておるのでありますが、これは旧法の委任の形と形式的には同じでありましても、法的には大きな違いがあつて権限は非常に強くなつております。この点も運用に当る政府の深く注意をしなければならぬところであると思うのでしあります。 それからまた一つ大きな問題といた、しましては、第十七條の但書の問題でございます。これは日本国家の自主権が侵される憂いがあり、また産業の自主性が侵される心配があるのであります。これはもちろん條約が締結された場合に限るものでございますからして、私はその條約が締結される場合に、この点を十分考慮すればよかろうかと思うのでありますけれども、この点は今後十分われわれが関心を持つて見守つて行かなければならない問題であると思うのであります。 それから鉱害賠償の問題は最も重大視しなければならないのでありますが、本法案では先ほど申しましたように金銭賠償を原則として、多数の費用を要しない場合にのみ被害者は原状回復を請求することができるというふうになつておるのでありますが、この問題は非常に軽く扱われている。わずかな金銭の賠償をもつて片づけられるという一つの観念が、鉱業権者の中に持たれるのではないかと思うのであります。そのために鉱害の頻発するおそれがある。その結果といたしましては、国土の荒廃、食糧の減産、民生の不安定という問題、特に農民の生活権が奪われ、先祖代々の土地から離れなければならないというような大きな問題が起つて来るのであります。従つてこれは今後かかる国家補償の形において、おそらく特別法が制定されることになるのではありましようけれども、原則はあくまで原状回復という点に立たなければならないと私は思うのであります。そこで政府は鉱害発出の危險のある鉱区等につきましては、特に監督を嚴重にして、鉱害の発生をできるだけ予防し、それを最小限度にとどめるところの処置が常に講ぜられなければならない。万一発生しました場合には、ただちに鉱業権者に賠償の責任を遂行させ、でき得る限りの原状回復の方途を研究し、実施させなければならない。これは特に監督の任にある政府の十分なるところの用意と、その責任の遂行を要求いたしたいのであります。 それから自由党の修正案につきましては、考えてみまするに、一口で申しますならば、私はこの法案の進歩性を多分に後退させているというふうに考えるのであります。その根本的な考え方が資本家を中心とする、また多分にブローカーを擁護するという結果になるのではないかと、いうふうに私は思う。特に試掘の期限延長の問題は、非常に重視しなければならぬ。幸いに最初の自由党の意図とは違つて参りまして、二年ごとに区切つて行くというふうになりましたことは、われわれの考えに一致して来たので、この点ははなはだけつこうであると思いますが、年二回にわたつて延長を許されるということは、十分この法案の中にもうたわれておりますけれども、監督官庁は十分な監督をして、実際に試掘を行いまた事業を続けている場合に限つて延長を認めるということを十分誠意をもつて行われないと、今申し上げましたような、自由党の諸君の意図しておられるような結果に陥ると思うのである。従つてあらゆる情実か排除する、また例外を認めないという点については、絶対手心を加えてはならないという点を強く要望いたしておきます。 それから出願中の転売を許すという点の修正も、これはブローカーに利益を與えるという以外にはあまり多くの利益がないようでございますが、この点は政府が鉱区の出願の許可をできるだけすみやかに許可するという方針をとられますならば、こうしたいわゆる惡いブローカーを益するというような点は排除されると思うのであります。その点はまた日本の産業の発展の上から申しましても、出願者に対してのすみやかなる許可を與えるという点は、嚴に励行していただきたいと思うのであります。 以上が鉱業法に対する私の要望であり、意見でありまするが、さらに希望條件といたしまして明確に申し上げておきたい点が二つございます。その一つは試掘権の延長を許可する場合には、鉱業権者が誠意をもつて試掘に従事し、あるいは炭鉱を継続しておる実を認めた場合にのみ計可することを嚴重に実行し、絶対に例外を認め情実に流れてはならないということ。第二には政府は鉱害発生の予防については特に監督を嚴重にし、鉱害の復旧についてはできるだけ原状回復を行わしめること。この二点を希望條件として最後に付しておきます。 採石法につきまして意見を申し上げまするならば、従来野放しにされておりました岩石の採取が、本法の制度によりまして公共の利益と合致せしめられるということ、さらに従来の土地所有者の一方的な利益を押えて、他の産業との摩擦を調整すること、こういうふうになりましたことははなはだけつこうであると思いまするが、この法案につきましても、鉱業法と同様に言えることは、はなはだ不徹底な感がある。運用上幾多の問題が起つて来るのではないかということが憂慮されるのであります。そういう点は今後の運営について十分に御注意を願いたいところでございます。特に土地の所有者の立場を守ることにまた比年が重い感があるのであります。この点はこの法の精神を生かして、産業の発展に寄與するという点にあくまで重点を置いていただくことを要望いたします。 なお施行法につきましては、関連する法律でございまするので、特に意見を申し上げませんが、その運用につきましては、あくまで十分なる注意をもつて日本の産業の発展という一つの基本的な方針の上に立つて処理していただきたいということを要望いたします。 それから土地調整委員会設置法につきまして、簡單に意見を申しまするならば、土地調整委員会の運営にあたりましては、公正なる人事によるところの適正なる処置がとられなければならないということは申すまでもないのであります。従つてまず第一に必要なことは、委員の人選が最も公平適正でなければならないということであります。また十分にその資格を備えた人を得なければならないということであります。これは先ほど質問のときにも申し上げましたように、非常にむずかしいことである。五人というきわめて少数の人間で、第三條に規定されましたような広汎な、かつ困難な問題を処理しまするには、非常に困難が伴うと思うのであります。従つてその人選につきましては十分に意を用いていただかなければならないと思うのであります。かつその任務の遂行にあたつては、その問題の処理が最も公正妥当に行われるように、十分な用意が必要であります。従つて事務局の構成と、さらに必要なる予算の計上ということがこれに伴わなければならないのでありまするが、この点につきましては先ほどのお話では、なおはなはだ不十分なものがあるように考えられるのであります。委員会の運用が結局不十分にならざるを得ないということになりますると、この委員会の設置ということは無意義になりまするので、その点今後万全の処置をとつていただきたいということを強く要望しておきます。 そこで要約いたしまして、要望事項を申し上げますると、第一は委員はできるだけ関係産業の代表的人物を、特に労働者の立場を代表する者を入れるということが第一でございます。それから第二には、森林法、国立公園法、農地調整法に優先する立場にありまするところの、委員会の裁定に強い権限が與えられておるわけでありまするからして、これらの法律と抵触する場合には十分注意して適正な処置を誤りないようにしていただきたいということを強く要望するわけであります。以上簡單に賛成の討論をいたしました。
○小金委員長 次は小平忠君。
○小平(忠)委員 私はただいま議題となつておりまする四法律案に対しまして、農民協同党を代表いたしまして、強い希望意見を付しまして賛成をするものであります。占領下にありまする日本といたしましては、御承知のようにこの鉱業法あるいは採石法は数十年の長きにわたりまして原案のままこれが今日まで運用されて参つたのであります。現在日本が講和会議を目前に控えて、日本の資源の開発が、日本の最も大きな問題として取上げられておりますことは御承知の通りであります。かかる観点から、私は今回この旧法を全面的に改正いたしまして、日本の新しい事態、産業復興の事態に備えるという考え方につきましては、まことに私は御同感にたえないところであります。特に今回この法律提案にあたりまして、政府当局におかれましても、本委員会の権威を十分に尊重せられて、あらゆる角度から資料の提供なりあるいは政府委員の熱心なる説明をいただいたことに関しましても、まことに喜びにたえないところであります。特に本委員会では、国会における審議権の尊重とか権威を保持する意味から、前第八臨時国会から継続審査に付されて、休会中でも継続審査をやつておつた。その間現地調査なりあるいは公聽会をもつて広く国民の民意を反映し得たという観点から、あらゆる点から総合いたしまして、十分なる審議を遂げ、特に今回の修正案につきましては、われわれの意のあるところが通つたということに関しましては、私は今後の日本の地下資源の開発につきましても大いなる期待を持つております。かかる意味において私はこの四法案に全面的に賛成をするものでありますが、ここで私は強い希望意見を付したいのは、特に現在の日本の状態から見ますと、法律は通りましても、それの裏づけになるところの予算の問題、あるいは実施においていろいろ支障があるのであります。この点に関しましては横尾通産大臣は大英断をもつて本法の施行の完全なる実施に向つて邁進していただきたい。ことに鉱害復旧の問題に関しましては、これは現地の強い希望がありますので、原状回復ということに対しまするところの法律の問題なり、あるいは予算的な裏づけに関しましては、今回のこの原案につきましては、その意見が通らなかつたことは遺憾であります。われわれは次期国会においては必ずそれを修正いたしたいとこう考えておるのでありますが、この点に関しましても、ぜひひとつそういう点におきまして御協力をいただきたい。さらに従来の鉱業法並びに採石法に関連いたしまして、土地の使用に関するいざこざをなくするために、今回新たに土地調整委員会法の制定を見ましたことはまことに同感にたえません。しかしこの問題につきましては、先ほど私が質疑の際にも強く意見を申し上げましたように、どうかひとつこの委員会の構成なり、またはこの委員会の運営において現地の農林関係の意見を踏みにじるようなことのないように、十分その意見が反映されて、完全な運営を期し得られるように、本土地調整委員会の委員の構成につきまして、万全たる処置をとつていただくという点を強く希望いたしまして、私は原案並びに修正案に賛成をするものであります。
○小金委員長 次は田代文久君。
○田代委員 私は日本共産党を代表いたしまして、この四法案並びに修正案に対しまして全面的に反対するものであります。この鉱業法は重大なる法案であることは私が申し上げるまでもないのでありまして、この法案によつて提案理由になつております所期の目的を達するかいなかという問題になりますと、私は断じてこれを達することができないという見解を持つのであります。事実鉱業地帯、また炭鉱、鉄鉱山、金山、あるいは石油田、その他を実地に御存じの方はよくわかると思うのであります。たとえば阿蘇鉱業がここにあつて、そこに発電所を持つておる、すぐ目の前の五キロ向うに二瀬炭鉱があるというような場合に、阿蘇鉱業で電力を発電した場合にはすぐ目と鼻の二瀬炭鉱にこれを輸送しますと、非常に電力の節約もできるし、電線の節約もできます。ところが現在のこういうやり方で行きますと、阿蘇鉱業関係しか電力を送らない。わざわざ五里も六里も遠いところに電力を送る、これは電線のロスからいいましても大に莫大なるものであります。この地下資源に対しましてそれを独占しあるいは分断するということによりまして、坑口を一つ明けるにつきましても、そこにちやんとはつきり鉱区が右と左にわかれておるというようなことからいたしましても、右から掘れば非常に坑道が少くて済むし、いろいろ生産が上るということがわかつておりながら、わざわざ反対側から坑口を明けなければならない。こういうようなロスが全面的にあるのでありまして、こういう問題が解決しない限り、合理的に開発し、あるいは鉱業を発展させるという目的を達することができないのであります。この鉱業法に盛つておりますような行き方というものは、單に枝葉末節にすぎない。優秀なる技術の導入によりまして生産力を発展させるということを考えましても、それは当然頭打ちをするのであります。現在またそれはしつつあるのであります。結局本鉱業法のねらう合理化とか生産力の発展はどこに向けられる、勤労大衆をできるだけ首切りをやり、できるだけ労働強化をやり、低賃金に押しつけることによつて生産コストを切り下げるというような方法に持つて行くことがそのねらいになつて来るのであります。炭鉱山に例をとつてみますと、御承知のように日本の石炭山というものは明治の初めから興りました非常に古い産業でありますけれども、その労働力はどういうふうにして発展したか。大牟田の三井の鉱山にいたしましても、あるいは三菱の長崎における鷹島等の炭鉱にいたしましても、非常に重罪人でありました長期囚人を炭鉱労働に使用いたしたのであります。まつたくただの囚人労働によつて炭鉱労働というものは開始されておる。その伝統というものが現在までも依然として続いておるのでありまして、現在炭鉱労働者諸君のその生活水準がいかにみじめであり、いかに炭鉱資本家のための犠牲になつておるかということは嚴然たる事実でありまして、こういう方面にのみこの鉱業法は利用される。私ははつきり申し上げますけれども、こういう国土の一部であり、またその中の正味どころともいうべき地下資源の開発に対しましては、あくまでも国営人民管理によつてやるという基本政策のもとに、鉱法を立案せないことには、問題は解決せないという確信を持つのであります。 私は先ほど同僚加藤議員の説明を聞きまして実はびつくりしたのであります。社会党も当然これに対しては反対されるであろうというふうに思つておりましたのに、この敬愛する加藤君なりあるいは今澄君が本委員会に出席されておりながら、賛成されたことは実に奇異の感じを抱く次第であります。社会党が非常に模範的に考えておられますイギリスの労働党は、現在こういう鉱業、産業に対してどういう政策をとつておるか。あのアトリー労働党自身は、私たちは労働者大衆の利益を守つておるということは言えない。それでさえこういう重要産業に対しましては国有という線を出しておるのである。それでなければ、もう資本主義的な生産方式によつては断じて鉱害というものは発展しない、典型的に発展いたしましたイギリスのこの産業がそこまで来ておる。従いまして私は少くとも青い鳥を追つて行かれました社会党は、こういう鉱業法案に対しましては、断乎として反対されるであろうというふうに思つておりましたが、これに賛成されたのでありまして、私ははなはだ遺憾の意を表し、社会党も、共産党もそうでなくてはいかぬというふうに考えておりましたことを特にこの際申し上げておきたいと思うのであります。 それから次に鉱害賠償の問題でありますが、これはこの委員会におきましても、実にまた被害者大衆からももまれ、もまれまして問題の所在点がはつきりいたしておりますが、依然としてはつきりの鉱業法の中に原状回復という線が出ておらないのであります。これは長々申しませんけれども、これまたこういう鉱業法によつては被害者の鉱害の賠償というものはさつぱり片づかない、国営人民管理による鉱業法の設定によりまして、被害者大衆に対しましては国家並びに社会が補償するという線が出なければ、この社会問題は依然として解決しないということを主張するのであります。 それから第三点といたしましては、これは決定的な問題であり、むしろ現鉱業法に比べまして改惡されておることをはつきり私は主張するのでありますが、先ほど加藤君が申されました第十七條の問題であります。これは加藤君もはつきりこういう但書をつけるということは日本の領土権、また日本の鉱業権に対して外国資本家が介入するからふとどきであるということを、明されたのでありまして、御承知のように、今までの中国をあのような状態に陥れ、全世界の嘲笑の的になりました汪兆銘政権ですら、自分の国の鉱業権を外国人の手にゆだねるということに対しましては断じて反対いたしたのであります。これはあまりに当然なことであります。ところがこの法案には、外国の鉱業権者が日本の鉱業権を所有するというような、そういう道を明ける但書をつけておる。ここにわれわれ国を愛する国民にとりましては、許すべからざる決定的な箇條がついたのでありまして、この点から申しましても社会党がなぜここに反対されなかつたのかと私は思うのであります。先日の公聽会におきましても炭鉱の代表者、あるいは全鉱連の代表者も、これはけしからぬということをはつきり断定されております。これはだれが見てもその通りであります。おそらく日本の炭鉱資本家といえども、外国の資本家が日本の鉱業権に対してちよつかいを入れる、あるいはこれを持つというようなことになれば、日本の産業がどうなるかということを感ぜざるを得ないと私は思うのであります。こういう点から、この鉱業法がいかに反日本的なものであるか、植民地的な形にこれがすりかえられておろかということがはつきり出ておるのであります。 これをようするに、この鉱業法は一面におきましては日本の重要なる鉱業権を外国人にゆだねる道を開き、しかも朝鮮事変を転機といたしまして、戦略物資を早急に開発するために、この鉱業法が最も有効に利用されるであろう、そういう内容か持つておるということを強く主張する次第でありますし、採石法におきましては、この朝鮮の動乱以来非常に採石の量というものがふえております。エコノミストの報ずるところによりますと、三万立方ヤード以上に達しておるということを言つておるのでありまして、非常に莫大なる増加を示しておるのでございますが、これはそういう特需景気の結果でありまして、この採石権が設置されることによりまして、一面におきましては土地の所有者、あるいは永小作権者というような農民諸君はその土地に対する大きな制限を受けるのであります。 以上あらゆる意味から申しまして、私はこの四つの法案並びに修正案に対しまして反対するものであります。
○小金委員長 ただいま田代君の御発言中通商産業委員会と農林委員会との連合審査会において、首藤通商産業政務次官が述べられたことに言及されておりますが、速記録を調べた上、違つておるところがあれば訂正いたしますから御承知願います。 これにて討論は終局いたしました。これより四案について採決いたします。採決は明確を期するために各法案を別々に採決いたします。まずその法案の修正案について採決し、次に原案について採決いたします。 第一に鉱業法案について採決いたします。本法案に対する中村幸八君提出の修正案に御賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○小金委員長 規律多数、よつて鉱業法案に対する修正案は可決いたしました。 次にただいま決定いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。御賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小金委員長 起立多数、よつて原案は修正議決いたしました。 次に採石法案について採決いたします。本法案に対する中村幸八君提出の修正案に御賛成の諸君の御起立々願います。 〔賛成者起立〕
○小金委員長 起立多数、よつて採石法案に対する修正案は可決いたしました。 次にただいま決定いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。御賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小金委員長 起立多数、よつて原案は修正議決いたしました。 第三に鉱業法施行法案について採決いたします。本業に対する中村幸八君提出の修正案に御賛成の諸君の御起立をお願いいたします。 〔賛成者起立〕
○小金委員長 起立多数、よつて鉱業法施行法案に対する修正案は可決いたしました。 次にただいま決定いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。御賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小金委員長 起立多数、よつて原案は修正議決いたしました。 第四に土地調整委員会設置法案について採決いたします。本法案に対する中村幸八君提出の修正案に御賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○小金委員長 起立多数、よつて土地調整委員会設置法案に対する修正案は可決いたしました。 次にただいま決定いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。御賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小金委員長 起立多数、よつて原案は修正議決いたしました。 この際ただいま修正議決いたしました各法案の委員長報告書作成の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 御異議なしと認めまして、委員長に御一任願いただいたものと決しました。
○中村(幸)委員 私はこの際委員会の決議につき動議を提出いたします。 すなわちただいま可決せられました鉱業法案の鉱害賠償に関連いたしまして、次の決議を本委員会として決定し、これを内閣総理大臣、大蔵、文部、農林、通商産業、運輸、電気通信、建設の各大臣及び経済安定本部長官に送付せられんことを望みます。 鉱害の賠償に関する件 本委員会は、鉱業法案の審議に当り、鉱害の賠償については、金銭賠償を原則とする政府原案を其儘一認した。然し乍ら、被害者の原状回復に対する熱望に応えると共に、食糧其他重要物資の生産を確保するためにも、原状、少くとも其の効用を回復せしめなければならない。よつて政府は、国庫の負担において、鉱害地の原状回復を断行すべく、速やかに政府職員、学識経験者並びに利害関係者等より成る委員会を設置して必要なる法律を立案すべきである。 右決議する。 以上であります。
○小金委員長 ただいま中村幸八君の動議についてお諮りいたします。鉱害の賠償問題につきましては、いまだ問題が残つておりますので、当委員会といたしましては、この点について今後とも十分検討を加えなければならないものと思つております。それでただいま中村幸八君より提案せられましたように、委員会としての意思を決定いたしまして、関係当局すなわち内閣総理大臣、大蔵、文部、農林、通商産業、運輸、電気通信、建設の各大臣、及び経済安定本部長官に対して、それぞれその要旨を伝えまして、本問題に関する行政措置に万全を期するというのでありますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたしました。 それでは中村幸八君より決議の趣旨の説明を願います。
○中村(幸)委員 それでは鉱害地の原状復旧に関する決議案の提案理由について説明いたします。 去る第七国会の末期特別鉱害復旧臨時措置法の成立に際し、本委員会及び衆議院本会議において、鉱害の復旧に関する決議が満場一致をもつて可決せられ、政府当局またこれに対し、特別鉱害に対したと同様の意欲をもつて決議案の趣旨に沿うよう努力すると答弁いたしたことはすでに御承知の通りであります。今般鉱業法案の審議にあたりわれわれは諸般の事情を慎重に勘案いたしまして、結局鉱害の賠償に関しては金銭賠償を原則とする政府案をそのまま承認いたしたのであります。しかしながら金銭賠償だけでは、たといそれが原状回復までを考慮に入れた金額であるといたしましても、一個人單独では、すなわち隣接地主等とも共同するのでなければ、原状の復旧は技術上とうていなし得ないのであります。なおその間せつかく獲得した賠償金を他の用途に供するなどのことも起り得るのであります。しかも統制経済より自由経済に移るときにおきましては、たとえば田畑あるいは米麦の価格など、賠償の対価はすべてこれを公定価格に求めるのほかないために、実際の価格との間には著しい懸隔を生ずることとなるのであります。ことに父租伝来の美田に対する耕作者の愛着に至つては、およそ第三者の想像を絶するものがあるのでありまして、これら被害者の原状回復に対する熱望にこたえるためにも、また食糧その他重要物資の生産を確保するためにも、原状回復を断行するか、少くともその効用を復旧せしめなければならないことはすでに論議の余地のないところであると確信いたすのであります。さればといつて、一反歩の復旧費が十数万円、はなはだしきは二十万円にも上るものがある現状にかんがみるとき、これらの復旧費をことごとく鉱業権者に負担せしめる、ことは、無過失賠償の性質から考えましても、また重要なる基礎産業の破壊を防止する上から申しましても慎重に検討を要するところであります。もちろんこれらの経費を多少なりとも被害者に負担せしめるがごときことは、適正賠償の原則からいつても全然考慮の余地のないところであります。 これを要するに、鉱害地の原状回復は結局国土計画の一環として国庫の負担においてこれを断行するのほかないと思うのであります。よつて政府はすみやかに必要なる法律を立案するため、まずその第二歩として、速急に政府職員、学識経験者並びに利害関係者等よりなる委員会を設置すべきであると考えるのであります。以上簡單ながら鉱害地の原状復旧に関する決議案の提案理由を説明いたした次第であります。
○小金委員長 ただいまの提案理由説明及び先ほど中村君が朗読いたしました決議案の内容について御意見はございませんか——別段御意見もないようでありますから、鉱害の賠償に関する件は中村君が朗読いたしました通り決定いたしました。 この手続につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 御異議なしと認めましてさよう決定いたしました。
○横尾国務大臣 第八国会に、ただいま可決をいただきました法案を提出いたしましたところ、休会中にもかかわらず数回にわたつて慎重審議をいただき、また本会におきましても数回の御審議を願いまして、本日ここに政府提出案に修正を付して御可決を願つたことは、政府といたしましては厚くお礼を申し上げます。政府といたしましては、その間各位の御意見を拝聴いたしたのでありますけれども、それに対しても深甚なる謝意を表します。そうしてそれに対してすべてのことを勘案して善処したいと思いますのでさよう御了承を願います。どらもありがとうございました。
○小金委員長 それでは本日はこの程度にて散会いたします。明日は午後一時より開会いたします。 午後六時十五分散会