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9回国会衆議院1950/11/24

地方行政委員会 第1号

発言数
25
登壇者
7
会派数
4
開催日
1950/11/24

会議録

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 これより会議を開きます。  まず去る二十二日本委員会に付託されました地方公務員法案、内閣提出第一号を議題といたします。政府よりその提案理由の説明を聽取いたします。岡野国務大臣。     —————————————     —————————————

岡野清豪自由党地方自治庁長官

○岡野国務大臣 ただいま本委員会に付託されました地方公務員法案について、その提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。  明治以来多年の伝統の上に築き上げられて参りました官吏制度は、国家公務員法の制定により、根本的変革を受けることとなつたのでありまして、国家公務員につきましては、今や民主的、科学的な人事行政制度の体制が確立せられ、その内容も薄々整備充実せられつつありますことは御承知の通りであります。地方公務員制度につきましても、すみやかに、国家公務員法と同様に民主的、科学的な人事行政制度の理念と体制を導入し、国、地方を通じて国民全体の奉仕者としての公務員の地位と身分とを確立し、新憲法に基く民主的な行政の基礎を定めることは、現下最も喫緊の要務の一つであると存ずるのでございます。  そもそも地方公共団体の組織及び運営に関する根本法である地方自治法は、昭和二十二年五月三日を期し施行されたのでありますが、同法においては近き将来統一的な地方公務員法の制定されることを予想いたしまして、地方公務員の身分取扱いに関しては、暫定的な経過的措置を講じているにすぎないのでありまサ。すなわち現在地方公務員の身分は、すでに死文と化しております従来の官吏に関する諸規定及び昭和二十三年七月の政令第二百一号によつて規制されている状態でありまして、近代的な公務員制度の理念と相去ること遠く、とうていこのような事態を長く持続することは容認できないのであります。  終戰以来相次いで行われて来ました諸改革の一環として、地方自治制度についても行、財政の両面にわたる数次の改革により、おおむねその体制の整備を見たのでありますが、ひとり地方自治行政運営の直接の担当者である地方公務員の制度については、何ら根本的改革の講ぜられないままに今日に至つており、新たなる地方公務員制度は、地方自治確立の途上においていわば最後に取残された問題であり、これなくしては憲法の目ざす真の地方自治確立は期してまつことができないのであります。  さらに近く地方行政調査委員会議の勧告に基き、地方公共団体の権能がいよいよ強化され、その責務がますます加重されるであろうことが予想せられるのでありましてれこれに備えて地方自治の本旨に沿う地方公務員制度の整備確立は、一日もすみやかに断行せられなければならないと存ずるのであります。  以上の見地から、政府においては鋭意調査研究を続け、各方面とも折衝をいたして参つたのでありますが、今日ようやくここに成案を得、今期国会の御審議を煩わすことに相なつた次第であります。  本法案は地方公共団体の人事行政に関する各般の根本基準を確立することにより、地方公共団体の住民に対して、行政の民主的かつ能率的な運営を保障し、もつて地方自治の本旨の実現に費することを目的とするものであります。同じく全体の奉仕者たる公務員として国家公務員との間に本質的差異のない地方公務員の制度を樹立するにあたりましては、国家公務員法において具現されております近代的公務員制度の理念は、これを当然に導入しなければならないことは申すまでもありませんが、本法におきまして、あまりにも煩壇にわたる規定を設けますことは、地方公共団体の自主性あるいは多様性を阻害いたし、地方自治の本旨にも沿わないのではないかと序ぜられますし、また大小さまざまの態様の地方公共団体に対しまして、一時的な規制をもつて臨みますことも、適当ではないと考えられるのであります。換言いたしますならば、本法の目的は近代的民主的な公務員制度の理念は、これを導入しつつ地方公共団体の自主性を確保し、あわせて地方公共団体の多様性に即応せしめることに配意し、もつて地方自治の進展に寄與せしめようとするものでございます。従つて本法案は、原則として人事行政に関する根本基準を定めるにとどめ、その実施の具体的細目は、あげてこれを地方公共団体の自主的処理によらしめることを、立案の基本方針といたしている次第であります。以下本法案の内容につき、その概要を御説明いたしたいと存じます。  まず本案の適用範囲についてであります。地方公務員には、地方公北、団体のすべての公務員が包含されるのでありますが、その種類、態様及び職務の性質と本法の精神とをにらみ合せ、国家公務員法と同様の建前のもとに、地方公務員の職を一般職と特別職とにわけ、この法律は一般職に属するすべての職に適用することとし、特別職に属する地方公務員には、法律に特別の定めがある場合を除くほか、これを適用しないことといたしたのであります。  しかして特別職に属する職は、第一には選任について公選または地方公共団体の議会の選挙、議決もしくは同意によることを必要とする職であり、第二には地方公共団体の委員会の委員等であつて臨時的または非常勤のものの職、第三には臨時的または非常勤の顧問、参與及びこれらに準ずるものの職、第四には地方公共団体の長その他地方公共団体の機関の長の秘書の職、第五には非常勤の消防団員及び水防団員の職、第六には失業対策事業及び公共事業のため公共職業安定所から犬業者として紹介を受け、地方公共団体が雇用した者の職であります。なお交通事業、工事事業、ガス事業及び上水道事業、すなわち地方財政法第六條の規定に基いて地方公共団体の経営する公営企業として定めるものに従事する職員につきましては、その職務の態様が民間企業の従業者に類似するものがあり、国の場合におきましても、すでに国有鉄道及び專売に関して、一般公務員とは別個の法的規制が行われていることでもありますので、公営企業の組織、会計経理及び身分取扱いに関して、別に法律を制定することとし、公営企業職員の身分取扱いは、それまでの間は、従前の例によるものといたしておりますことを、特に申し上げておきたいと思います。  次にこの法律で定められた根本基準の実施のための必要な事項は、各地方公共団体の條例をもつて定めるべきことを規定いたしましておりますが、これは地方公共団体の自主性を尊重するとともに、地方公共団体の多様性に着目し、当該地方公共団体の実情に最も適応した公務員制度を当該地方公共団体の創意と責任において樹立せしめようとする趣旨にほかならないのであります。よき公務員制度の理念を具現いたしますためには、この法律運営の中枢機関として任命権者とは独立した人事行政機関を設置いたすことが必要でありますが、ただ職員数のきわめて少い地方公共団体にも、おしなべてこの種の機関の設置を強制いたしますことは、地方自治の本旨をそこない、経費節約、能率増進の見地から申しても妥当ではないと存じますもので、彼此勘案の上、都道府県及び五大市についてのみ、三人の委員からなる人事委員会を設置するものとし、一般の市につきましては、法律によつてその設置を強制することを避け、市の任意といたしまするとともに、共同設置、事務の委託処理等の便法を認め、さらに人事委員会を置かない市及び町村においては、公平事務のみを所管する公平委員会を設置するものとし、この場合にも共同設置、事務の委託処理等の方法を認め、公務員制度の理念と地方自治の要請との調整をはかつた次第であります。しかして以上申し上げましたような人事行政機関は、地方公務員の職階、任免、給與等地方公務員の人事行政の総合的企画及び総合的調整に関する事項をつかさどる等、人事行政の統一をはかることを、本来の使命とするのでありまして、換言いたしますならば、人事行政機関は、人事行政の運営に関して一定のわくを設けることを主たる任務とし、各任命権者はこのわく内で任命権を行使することになるわけであります。  次に地方公務員制度の実質的内容である地方公務員に適用される基準についてでありますが、まず冒頭に、すべて国民はこの法律の適用について平等に取扱われなければならないという平等取扱いの原則及び情勢適応の原則を掲げ、民主的公務員制度の根本精神を宣明いたしております。地方公務員の任用は受験成績勤務成績その他の能力の実証に基いて行わなければならないものとして成績本位の原則を確立するとともに、その具体的方法として、職員の採用及び昇任は原則として競争試験によることを建前とし、ことに採用試験はすべての国民に対し、平等に公開せらるべきことを定め、任用の公正明朗を期することにいたしたのであります。職階制の採用は合理的な人事行政制度に欠くべからざるものでありますが、その完全な実施は專門的な人事。政機関によるのでなければ、うてい不可能でありますので、人事委員会を置く地方公共団体は職階制を実施するものと定め、職員の職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて分数整理し、職員の任用、給與等はこの職階制に応じ、合理的、科学的に処理せらるべきこととしたのであります。  地方公務員の分限及び懲戒につきましては、本人の意に反して免職その他不利益な処分を行うには、この法律または條例で定める事由に該当する場合に限るべきものとするとともに、その効果及び手続も條例により定めなければならないものとして地方公務員の身分保障に遺憾なきを期しているのであります。  次に地方公務員の服務についてでありますが、地方公務員は地方公共団体の住民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、職務の遂行にあたつては、全力をあげてこれに專念しなければならない旨の基準を掲げるほか、服務の宣あり、法令及び上司の命令に従う義務、信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務、職務に專念する義務、政治的行為の制限、争議行為の禁止、常利企業等の従事制限等、おおむね国家公務員法に準じて、公務員として必要規律を設けたのでありますが、特に政治的行為の制限につきましては、その趣旨とするところが、職員の政治的中立性を保障し、地方公共団体の行政の公正な運営を確保するとともに、職員の利益を保護するというところにあることを明かにするとともに、特に重要と考えられる基本的なものについては本法そのもので規定し、その他は各地方公共団体の実情に応じ、條例で定めることといたしております。なお職長の政治的行為の制限の違反に対しては、懲戒処分により地方公務員たる地位から排除することをもつて足るとの見地から、罰則を付さないことといたしたのであります。給與その他の勤務條件は、各地方公共団体が條例で定めることとなし、また職員の勤務能率の発揮及び増進のため、職員には研修を受ける機会が與えられなければならないことをも規定いたしました。  地方公務員の福祉及び利益の保護につきましては、一面共済制度、退職年金及び退職一時金の制度、公務災害補償制度の確立を要請するとともに、他面地方公務員は人事委員会または公平委員会に対して、給與その他の勤務條件に関し、地方公共団体の当局より適当な措置がとらるべきことを要求し得る道を開き、さらに懲戒処分等職員の意に反する不利益な処分については、審査を請求できるものとし、積極、消極画面より地方公務員の福祉及び利益の保護をはかり、職員が安んじてその職務に精励することができるよう、格段の配慮を加えた次第であります。  次に地方公務員が結成加入いたします職員の団体につきましては、おおむね国家公務員法に定めるものと同様とし、いわゆる団体協約の締結はこれを行い得ないものといたしておりますが、特に職員団体は條例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規定に抵触しない限りにおいて、当該地方公共団体の当局と書面による申合せを結ぶことができることといたしておるのであります。  公務員の本質から見て地方公務員に対しても労働組合法、労働関係調整法の規定の適用を排除することといたしましたのは、国家公務員法の場合と同様でありますが、労働基準法及び船員法の規定は、地方公務員の本質に抵触する規定を除き、原則としてこれを適用することにいたしたのであります。なお労働基準法に基く監督は、現業職員の場合を除き、地方自治の本旨及び人事行政の統一性確保の見地から、地方公共団体の自主的監督によらしめることといたしております。  最後に本法施行の順序でありますが、その施行を円滑ならしめますため、この法律の規定はそれぞれ実施が可能な限度において逐次施行するものといたし、大部分の規定は公布後二箇月から施行するものといたしましたが、分限及び懲戒並びに不利益処分の審査に関する規定は、人事委員会または公平委員会の設置とにらみ合せて、公布後八箇月から、任用及び職階制に関する規定は、その準備に相当の時日を要することを考慮いたしまして都道府県及び五大市におきましては、公布後一年六箇月から、その他の地方公共団体におきましては同じく二年からそれぞれ施行することといたしております。  以上地方公務員法案につきまして、その概要を御説明いたしたのでありますが、なお詳細な点は政府委員から説明させることといたしたいと存じます。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。これをもつて提案理由の説明といたします。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 それでは鈴木政府委員からさらに詳細に説明を求めます。鈴木(俊)政府委員。

鈴木俊一地方自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 それでは私から本法案の内容につきまして少しく詳細に御説明申し上げたいと存じます。  本法案は本則が六十二條附則が二十項から成り立つておりますが、その内容を大きくわけますと、大体三つの体系にわけることができるのであります。第一は総則的事項、すなわち本法の目的、一般職と特別職との区別、本法の適用の対象、本法と地方公共団体の條例との関係であります。第二はこの法律の実施に当るところの人事機関、すなわち任命権者と人事委員会及び公平委員会に関する事項であります。しかして第三は地方公務員制度の実体をなすところの職員に適用せられる各般の根本基準に関する事項であります。  そこでまず第一の総則的事項に関する事柄でございますが、これは法律案で申しますと第一章に相当するのでありまして條文としては第一條から第五條までであります。  第一條といたしましてはまず初めにこの法律はいかなる目的を持つものであるかということを掲げております。すなわち本法は、地方公共団体の人事機関並びに地方公務員に適用せられる各般の基準を確立することにより、地方行政の民主的かつ能率的な運営を保障しもつて地方自治の本旨の実現に資することを目的とするものであることを明らかにしております。  第二條は、この法律の効力といたしまして、地方公務員に関する従前の法令、條例、規則等の規定が、この法律で新たに設けられますところの規定に抵触すると認められたる場合には、この法律の規定が優先するものといたしております。  次に第三條は、特別職と一般職との区別でございます。本法案におきましても、国家公務員法と同じ建前をとりまして、地方公務員の職を一般職と特別職とにわけております。なお特別職でございますが、第三項に六つの種類のものを掲げております。第一の種類といたしましては、就任について公選によることを必要とするもの、たとえば都道府県知事、市町村長、教育委員会の委員の一部でございます。次に議会の選挙によるもの、たとえば選挙管理委員会の委員、教育委員会の委員の三都でございます。次に議会の議決によるもの、たとえば国民健康保險運営審査会の委員でございます。最後に、議会の同意によるものでありますが、これにはたとえば副知事、助役、監査委員、公安委員等が含まれるわけでございます。  第二の種類といたしましては、法令、條例、規則等により、地方公共団体に設けられた委員及び委員会の構成員の職で、臨時または非常勤のものであります。これは一々具体的に申し上げることは、あまりに煩瑣でもありますので、詳細の説明は差控えますが地方公共団体の各種の委員会の委員は、原則としてすべて特別職となるわけでございます。第三の種類といたしましては、臨時的または非常勤の顧問、参與及びこれらに準ずるものであります。第四の種類といたしましては、地方公共団体の長、その他地方公共団体の機関の長の秘書の職であります。第五の種類といたしましては、非常勤の消防団員及び水防団員であります。第六の種類といたしましては、失業対策事業及び公共事業のため、公共職業安定所から、失業者として紹介を受けて地方公共団体が雇用したもので、技術者、技能者、監督者及び行政事務を担当する者以外のものの職であります。  次に第四條は、この法律の適用の対象に関しまして、この法律は、一般職に属する地方公務員にのみ、適用し、法律に特別の定めがある場合を除く外、特別職に属する地方公務員には、適用しないことを明らかにしております。これによりまして、この法律の適用を受ける一般職の地方公務員の数は、約百二十万であります。  次に第五條は、地方公務員制度についての地方公共団体の條例に関するものでございます。本法案の血案に際しまして最も留意いたしました点の一つは、近代的公務員制度の高度の技術的要請と、地方公共団体の自主性及び多様性とをいかに調和せしめるかということであつたのでございますが、第五條は、この間に処する本法の根本態度を明確ならしめているのでありまして、この法律は地方公務員制度に関する根本基準のみを定め、その具体的運用は地方公共団体の條例にまかすということを、うたつているわけでございます。なお、條例の制定または改廃にあたつては、人事委員会の意見を聞かなければならないものといたしまして、專門的人事機関たる人事委員会の意見が、條例の内容に十分反映するようにいたすとともに、議会の審議権がこれによつて不当に制約されることがないようにいたしているのでございます。  以上が総則に関するものでありますが、次に第二の眼目であります人事機関について御説明申し上げます。この関係の規定は、法律案で申しますと、第二章の第六條から第十三條まででございます。  第六條は、任命権者に関する規定でございます。これは特に申し上げることもないと存じますが、任命権者の権限、つまり任命権著は一定のわくに従つて、具体的任命権を行使するものであることを明らかにいたしたわけでございます。  次に第七條から第十二條までに、人事委員会または公平委員会の設置、権限、委員の選任方法、資格、議事、事務局組織等について規定してございます。  まず第七條でございますが、第一項におきまして、都道府県及び五大市にあつては、人事委員会を設置しなければならないものとし、第二項におきまして五大市以外の市は、任意に人事委員会を設置することができるものといたしております。なお、その場合にも、市が單独で人事委員会を設置することもできるし、共同で設置することもできるし、また都道府県や他の市の人事委員会に事務を委託することもできることにいたしております。さらに人事委員会を置かない市及び町村におきましては、公平委員会を設置することといたしております。これは職員の不利益処分の審査等のいわゆる公平事務を行うものでありますが、これは、專門的人事行政機関たる人事委員会を置く必要のない規模の小さな市町村におきましても、公平事務だけは、任命権者と独立した公正な機関に処理させることが、職員の身分の保障、利益の保護の点から必要であると認められるからであります。なお、公平委員会の場合にも、單独設置のほか、共同設置、事務の委託処理が認められることになつております。  以上申し上げましたように、人事委員会または公平委員会の設置にあたりましては、專門的人事行政機関の設置という、人事行政本来の要請と、地方公共団体の自主性と多様性との要請との三つの調和ということを十分考慮いたしまして、わが国地方自治の実情に最も即応した人事行政の実施をはかることとし、いたずらに地方公共団体の行政機構を複雑ならしめ、またその財政負担を増すということがないように配慮いたしているわけでございます。なおつけ加えて申し上げておきますと、現在地方自治法に生きまして都道府県には職員委員会、市町村には懲戒委員会が置かれておりますが、人事委員会または公平委員会は、これらの機関にかわつて設置されることになるわけであります。  次に第八條は、人事委員会または公平委員会の権限について規定してございます。以下まず人事委員会の権限について御説明申し上げます。人事委員会の権限の個々のものにつきましては、本法案中必要な箇所に現われているのでございますが、その点につきましては後にその場その場で申し上げることにいたしますが、本條の第一項の第一号から第十一号までには、人事委員会の権限を概括的に掲げているわけでございます。簡單に申し上げてみますと、人事行政に関する調査及び統計の作成、職員に関する制度の研究、條例の制定または改廃についての意見の申出、競争試食及び選考の実施、職階制に関する計画の立案及び実施、給與の支拂いの監理、研修及び勤務成績の評定に関する総合的企画、勤務條件に関する措置の要求の審査、不利益処分の審査などでございます。  次に公平委員会につきましては、勤務條件に関する行政措置の要求の審査及び不利益処分の審査を行うものといたしております、なお人事委員会及び公平委員会の重要な権限といたしまして、人事委員会及び公平委員会は人事委員会規則または公平委員会規則を制定することが、できることといたしておるのでありますが、人事委員会規則または公平委員会規則で定めることができまするのは、この法案で、人事委員会または公平委員会の権限に属せしめられた事項に限られるわけでございます。これは主として技術的專門的なものでございまして、法律、命令あるいは條例に優先するものでないことは申すまでもございません。  次に、人事委員会または公平委員会が、勤務條件に関する行政措置の要求及び不利益処分に関する審査についていたしました決定及び処分は、人事委員会または公平委員会によつてのみ審査されるものといたしております。但しもとより法律上の問題につきましては、あくまで裁判所に出訴して、その決定を求めることができることは申すまでもないところであります。  次に第九條は、人事委員会の委員及び公平委員会の委員について規定してございます。人事委員会または公平委員会は三人の委員をもつて組織するものでありますが、その選任は、いずれも地方公共団体の長が、議会の同意を得て選任することといたしております。また人事委員会の委員または公平委員会の委員が心身の故障のために、職務の遂行にたえないとき、または委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認のるときは、地方公共団体の長は、議会の同意を得て罷免することができることといたしておりますが、特にその際は議会の委員会において公聽会を開くものといたしまして、手続の公正と愼重とを期しておる次第でございます。なお人事委員会の委員は、常勤でも非常勤でもさしつかえないものとし、公平委員会の委員は非常勤といたしておりますが、これも地方公共団体の健情に即せしめるものとするように配慮したからでございます。  さらに人事委員会の委員または公平委員会の委員の欠格條件、政党所属の制限、服務、任期等についてそれぞれ規定を設けております。  次に第十條は人事委員会または公平委員会の委員長に関する規定、第十一條は、議事に関する規定でございます。  最後に第十二條では、人事委員会には事務局を置き、事務局長以下所要の職員を置き、公平委員会については、補助機関として必要な事務職員を置くことといたしております。  次は第三の眼目であります地方公務員制度の本体をなす事柄につきまして、この法案におきましては、第三牽として種々の規定を設けております。  以下これらの規定について御説明いたしたいと存じます。すなわち第三竜におきましては、任用、職階制、給與、勤務時間その他の勤務條件、分限及び懲戒、服務、研修及び勤務成績の評定、福祉及び利益の保擾、職員の団体等に関する事項を規定しておるわけであります。  まず第一点といたしまして法案では第一節に当るのでありますが、第三章全体の通則として、第十三條に、「すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われなければならず、人種、信條、性別、社会的身分、若しくは門地によつて、又は第十六條第五号に規定する場合を除く外、政治的意見若しくは政治的所属関係によつて差別されてはならない。」という原則を掲げて、国民が地方公務員の職を占めるについて、日本国憲法第十四條の趣旨が堅持せられなければならないことを明示いたしますとともに、第十四條に、「地方公共団体は、この法律に基いて定められた給與、勤務時間その他の勤務條件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を請じなければならない。」という情勢適応の原則を定めているわけでございます。  次は任用に関する規定でございますが、これは、法案で申しますと、第二節に当つております。先ず第十五條では、職員の任用は情実を排しまして、もつぱら受験成績、勤務成績、その他の能力の実証に基いて行わなければならないという、いわゆるメリット・システムの原則を掲げておりますが、以下、任用に関する諸規定は、この根本基準にのつとつて定められているわけでございます。  次に第十六條は欠格要件について規定してございますが、これは国家公務員法におけるものと同様でございます。  第十七條では、職員の任命の方法には、採用、昇任、降任、または転任の方法があることを、まず明らかにしておりますが、職員の採用または昇任は、人事委員会を置く地方公共団体においては、原則として競争試験により、その他の地方公共団体においては、競争試験または選考によるものといたしております。なお正式任用になつて、ある職についていた職員が、職制もしくは定数の改廃、または予算の減少に基く廃職または過員により、その意に反してその職を離れた後において再びその職に復する場合、すなわち復職の場合は、他の任用の方法とはおのずからその取扱いを異にしてさしつかえないわけでありますので、その場合の資格要件、任用の手続及び任用の際における身分に関して必要な事項は、人事委員会が定めるものといたしております。  次に第十八條は、競争試験または選考は、人事委員会が行うという原則を規定しております。但し試験経済の見地から、地方公共団体との共同実施または国もしくは他の地方公共団体に対する委託の方法を認めております。なお一定の場合に国または他の地方公共団体の競争試験または選考に合格した者を、当該地方公共団体の選考に合格したものとみなすことができるものといたしておりますが、これも試験経済と人事交流の円滑をはかるという意味でございます。  次に第十九條は、受験資格について規定してございます。すなわち公開平等の原則と、職務の遂行上必要な最少かつ適当の限度の客観的かつ画一的な要件を定めることができること、昇任試験を受ける者の範囲は、一定の職に正式に任用された職員に制限されることを規定いたしますとともに、試験関係者の不正行為を禁止しております。  次に第二十條は、競争試験の目的及び方法を明らかにいたしております。  次に第二十一條は、任用候補者名簿の作成及びこれによる任用の方法でございますが、採用候補者名簿及び昇任候補者名簿司作成すること、これらの名簿には、候補者の氏名及び得点を、その得点順に記載すること、人事委員会は、任命権者の要求に応じて、採用または昇任すべき者一人につき、五人の候補者を提示すること等は、国家公務員法の場合とまつたく同じでございますが、本法案におきましては、特に、ある名簿に記載された者の数が提示すべき者の数より少いときは、他の最も適当な名簿に記載された者を加えて提示することを妨げないものであることを明らかにいたしまして、提示が比較的容易にできるように配慮してございます。  次に第二十二條は、條件付任用と、臨時的任用について規定してあります。大体の建前は、国家公務員法と同様でございます。  次は職階制に関する事柄であります。これは法案で申しますと、第三節、第二十三條といたしまして一箇條を設けているにすぎないのでありますが、職、階制に関する根本基準について必要な事項は、これを網羅いたしているつもりでございます。先ず職階制は、人事委員会を置く地方公共団体ではこれを採用いたすものとし、その他の地方公共団体については、特に規定を設けておりませんが、これは職階制の完全な実施は、專門的人事行政機関の設置を持つて行うことが適当であるという意味でございます。  次に職階制に関する計画は條例で定めるものとし、さらにその実施に関し必要な事項は、人事委員会規則で定めるごとといたしております。職階制は、公務員制度の根本でありますから、その基本的事項だけは條例で定め、爾余の技術的な細目は、これを人事委員会規則にまかすことが、職階制の適切な運営を確保するゆえんであるという考えで、立案いたしたような次第であります。地方公共団体におけ偽職階制が、どのような形のものとなるか場は、これはもとよりここに規定されております職階制一般の原則に従つて、各地方公共団体の人事委員会が今後立案に当るわけでございまして、ただいまその具体的内容について申し上げるわけには参りませんが、各地方公共団体ごとに、あまりにも不均衡な職階制が成立いたしますことも、法の精神ではありませんので、国及び他の地方公共団体の職階制に照応するように適当な考慮が拂われなければならないという念のための規定を設けているのであります。  次は給與、勤務時間、その他の勤務條件に関する事柄であります。法案で申しますと、第四節第二十四條から第二十六條までに規定してございます。まず根本基準として、職員の給餌は、その職務と責任に応ずるものでなければならないという職務為の原則をうたつておりますが、この原則は今ただちに完全に達成することはできませんので、できるだけすみやかに達成されねばならない旨を規定しております。  またその基準は生計費並びに国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事岩の給與、その他の事情を考慮して定めなければならないものといたしております。職員の給與その他の勤務條件は、地方公共団体の自主性を尊重いたしまして、條例で定めることといたしておりますが、現下の情勢にかんがみまして、地方公共団体が職員の給與その他の勤務條件を定めます場合には、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように、適当な考慮が抑われなければならないということを、特に規定しております。  次に第二十五條といたしまして、給與に関する條例の記載事項を定めておりますが、これは国家公務員法に規定されておりますところと、大体同じ内容でございます。  最後に第二十六條に、人事委員会は毎年少くとも一回、給料表の適否につきまして、地方公共団体の議会及び長に同時に報告するとともに、給料表に定める給料額を増減する必要がある場合には、あわせて適当な勧告をすることができるものと定めております。  次は分限及び懲戒に関するものであります。法案で申しますと、第五節、第二七條から第二十九條までであります。まず、すべて職員の分限及び懲戒については、公正でなければならないという根本原則を掲げております。次に職責は、この法律または條例で定める事由による場合でなければ、その意に反して降給され、降任され、休職され、または免職されることはなく、またこの法律に定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがないと規定して、職員の身分の保障に遺憾なきを期しております。  なお條件付採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員については、その地位が確定的または恒久的ではなく、またその分限については必ずしも、一般職員と同様に取扱うことが適当でございませんので、條例で必要な事項を定めることができることにいたしております。  次は服務に関する事柄であります。法案で申しますと、第五節の第三十條から第三十八條までに規定してございます。  まず第一に「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに專念しなければならない。」ということを、根本基準として明らかにいたしました。さらに服務の宣誓、法令及び上司の職務上の命令に従う義務、信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務、職務に專念する義務、政治的行為の制限、争議行為等の禁止、常利企業等の従事制限について規定を設けております。大体職員の服務に関しては、従来官吏服務紀律にほぼ似た内容を有する東京都職員服務規律、道府県職員服務紀律、市村町職員服務紀律というものがございまして、これによつていたのでございますが、その内容ははなはだ時代遅れのものでありまして、この法案によりまして、国家公務員法と大体同じ服務制度が確立するわけでございます。  次に重要な二、三の点について御説明申し上げたいと存じます。政治的行為の制限につきましては、その趣旨とするところが職員の政治的中立性を保障し、地方行政の公正な通常の確保と、職員の利益の保護にあることを明らかにするとともに、公務員としての本質にかんが入まして、地方公務員についても同様の制限を設ける遡行のもとに、ただその間事柄の重要性と、地方公共団体の自主性をも考慮いたしまして、政党役員への就任、政党加入の勧誘運動、選挙の勧誘運動、署名運動、寄付金募集の関與等に関する禁止など基本的なものを本法中に規定するとともに、他は地方公共団体の條例で規定するところにまかすことといたしております。特に本法案においては、職員が政治的行為の制限に違反した場合には、任命権者の懲戒処分によつて処置することといたし、罰則の規定を設けなかつた点であります。なお職員に対して、職員について禁止される政治的行為をするようにそそのかしたり、あるいはそのゆえに不利益を與えたりした者に対しましては、罰則を設けておりますが、これは職員が外部の勢力による不当な干渉を受けることがないようにと考えたからであります。営利企業等の従事制限につきましては、地方公共団体の実情を考慮いたしまして、国家公務員法の場合に比べまして、やや制限を緩和し、任命権者の許可を受けさえすれば、営利企業等に従事することができるものといたしたのであります。  次は、研修及び勤務成績の評定に関する事柄であります。法案で申し上げますと、第七節第三十九條及び第四十條でございます。職員には、その勤務能率の売抑及び増進のために、研修を受ける機会が與えられなければならないものといたしますとともに、任命権者は、職員の執務について定期的に勤務成績の評定を行い、その評定の結果に応じた措置を講じなければならないものといたしております。なお人事委員会は、研修及び勤務成績の評定に関し、任命権者に勧告することができるものといたしております。  次は、福祉及び利益の保護に関する事柄であります。この点は国家公務員法とやや体系を異にしているわけでございますが、職員の福祉及び利益に関する事柄を一つにまとめまして、この法案で申しますと、第八節第四十一條から第五十一條までに統一的に規定してございます。まず第四十一條では、全体に通ずる根本基準といたしまして、職員の福祉及び利益の保護が適切であり、かつ公正でなければならないということを掲げております。  次に厚生福利制度といたしまして、いわゆるリクリエーションを中心とするもの、共済制度、退職年金及び退職一時金、これは恩給のことでございますが、この三つのものについて規定してございます。地方公務員の共済制度並びに退職年金及び退職一時金の制度は、現在経過的措置といたしまして、いろいろ複雑した関係になつており、将来これらをどういうふうに持つて行くか、社会保章制度審議会の勧告ともにらみ合せて、なお研究を要する問題が多々ございますので、本法案といたしましては一応基本的な理念を掲げるにとどめ、今後さらに研究を進めて参りたいと存じます。  次に公務災害補償制度でございますが、この法案では一応基本的な原則のみを掲げておりますが、これは今ただちに別個の法的措置を講ずることを予定しているのではないのでありまして、地方公務員の公務災害補償につきましてはさしあたつて労働共準法及び船員法の関係規定が適用されそれによつて参るということになるわけでございます。  次に職員の勤務條件あるいは職員の意に反する不利益な処分に関しまして、職員に不平、不満、希望等を述べる機会を與えることにより、その地位の安定を保障し、また懲戒等の公正な運営をはかるための裏づけといたしまするとともに、職員をして安んじて積極的に公務に專念せしめるという趣旨から、勤務條件に関する措置の要求及び不利益処分の審査の請求の二つの制度について、第四十六條から第五十一條までに規定を設けておりますが、その内容は、国家公務員法におけるものとほぼ同じでございます。  次に重要な点といたしまして、職員団体に関する事柄を規定しております。これはこの法案で申しますと、第九節、第五十二條から第五十六條まででございます。職員には労働組合法は適用せられないわけでございますが、これらにかわるものといたしまして、勤務條件に関し、地方公共団体の当局と交渉するための団体を結成できることにいたしております。  なお、本法案にいう職員団体は、地方公共団体と交渉するためのものでございますので、その連合体もこの法律に基く職員団体として認められるものは、当該地方公共団体の範囲に限られるわけでございます。しかしこれは法律上職員団体として認められるものが、そのように限られるということだけでありまして、事実上のものとして他の地方公共団体の公務員または国家公務員の団体と連合組織を結成することは、何らさしつかえないわけでありまして、本法案でも念のためこのことを明確にいたしている次第であります。  次に、職員団体は、人事委員会または地方公共団体の長に、登録を申請することができるものとし、要件に適合した場合には、人事委員会までは地方公共団体の長は、公式に登録の通知をしなければならないものといたすとともに、必要な要件を欠くにいたりました場合には、口頭審理を経た後、登録が取消される旨の規定を設けております。なお職員団体の登録の要件といたしましては、特に規約の必要記載事項及び規約の作成または変更役員の選挙その他これらに進ずる行為が、直接かつ秘密の投票による多数決で定めなければならぬことを規定いたしまして、職員団体の民主的運営が確保されるようにいたしております。  職員団体が法人となり得ること、警察職員及び消防職員は、職員団体の結成加入が禁止されていること等は、国家公務員法と応じてございます。  次に第五十五條におきまして、登録された職員団体は、勤務條件に関し、またはこれに附帯して社交的もしくは厚生的活動を含む適法な目的のため、地方公共団体の当局と交渉することができることを明らかにいたしております。しかしながらこの交渉はいわゆる対等の立場においてなすものではございませんので、但書におきまして、この交渉は団体協約を締結する権利を含まないものといたしているのでございます。  なお対等の立場における団体協約はできないとしても、地方公共団体の当局と、職員団体との交渉において意見の一致があつたときは、書面による申合せを結ぶことはあえて否定されるべきでないと考えられますので、法令、條例、規則に抵触しない限りにおいて、これを認めることといたしております。また職員は、職員団体に属しなくても、地方公共団体の当局に対しまして、不満を表明し、または意見を申し出る自由を保障いたしますとともに、五十六條におきましては、職員は職員団体について、その構成員であること、これを結成しようとしたこと、もしくはこれに加入しようとしたこと、またはその団体における正当な行為をしたことのために、不利益な取扱いを受けることはない旨を規定して、職員の団結権あるいは交渉権を保護いたしております。  以上が職員に適用される基準に関する事項でございますが、次に第四章の補則について御説明申し上げます。  第五十七條は、職員のうちその職務と責任の特殊性に聽いて特例を必要とするものについては、この法律第一條の精神に反しない範囲で、法律で特例を設けることができることといたしております。さしまたか公立学校の教育公務員が、これに該当するものかと存じます。  次に第五十八條におきましては、労働組合法及び労働関係調整法は、公務員としての本質にかんがみまして、職員には適用しないということにいたしております。但し労働基準法及び船員法の規定は、この法律の建前と矛盾する一部の規定を除きまして、適用することといたしております。なお労働基準の監督につきましては、人事行政の統一をはかるため、いわゆる非現業職員につきましては、人事委員会または地方公共団体の長が行うものとしたのでありますが、現業職員につきましては、職務の特殊性と従来の沿革にかんがみ、労働基準監督署の監督機関が、従前通りこれを行うことといたしております。  次に第五章の罰則でございますが、これはおおむね国家公務員法の罰則規定に準じて、所要の規定を設けてございます。  最後に附則について御説明申し上げます。附則の内容は大体三つのものを含んでおります。  第一はこの法律施行順序に関するものであります。法案で申しますと、第一項から第四項までに規定してございます。附則第一項におきましては、各條文の施行期日について規定しております。すなわち大部分の規定は、一応準備期間を見まして、この法律公布の日から起算して二月を経過した日から施行することといたしておりますが、分限及び懲戒並びに不利益処分に関する審査に関する規定は、人事委員会または公平委員会の設置が終りましてから働かすことが適当でありますので、この法律公布の日から八箇月を経過した日から施行するものとし、任用及び職階制に関する規定は、これを実施するまでにはなお多くの研究と準備とを要するものであることを考慮いたしまして、都道府県及び五大市については、この法律公布の日から起算して一年六月を経過した日から、その他の市及び町村については、この法律公布の日から起算して二年を経過した日から施行するものといたしております。  次に第二項におきましては、人事委員会または公平委員会の設置期限を、人事委員会にあつてはこの法律公布の日から起算して六月以内、公平委員会にあつては八月以内といたしております。  第三項におきましては、都道府県及び五大市の人事委員会の委員は、公布の日から起算して七筒月以内に地方自治庁が人事院の協力を得て行う人事行政に関する基礎的研修を受けるものとし、第四項におきましては、都道府県及び五大市の人事委員会の事務局長及び主要な事務職員は、公布の日から起算して八箇月以内に人事行政に関する技術的研修を受けるものと規定しております。  第二は、この法律の施行に伴う経過的措置に関するものであります。この法案で申しますと、附則第五項から第十九項まででございますが、その主なるものについて御説明申し上げます。  まず第五項におきましては、最初に選任される人事委員会または公平委員会の委員の任期は、それぞれ二年、三年、四年といたしまして、将来一齊に委員の任期が終了することがないようにいたしております。  次に第六項といたしまして、職員の任免、給與、分限、懲戒、服務その他身分取扱いに明する事項については、この法律中の各相当規定が当該地方公共団体に適用されるまでの間は、当該地方公共団体については、なお従前の例によるという旨の規定を設けまして新しい制度に切りかえるにあたつて、空白が起らないように配意いたしております。  次は政令第二百一号に関する事柄でございますが、公営企業職員以外の職一員につきましては、効力を失うということにいたしております。これは附則の第七項と第八項に規定してございます。  次に労働組合法の規定が適用されないという規定が施行されました際に、現に存する法人たる労働組合で、職員の結成するものが、この法律に基く職員の団体の切りかえられるための措置についての規定を、第十三項から第十七項までに設けております。  第三は、第二十項に規定しております公営企業職員に関する事柄であります。公営企業職員につきましては、その特殊の性格にかんがみまして、地方公務員ではございますが、さしあたりこの法律は適用いたさないものとし、別に公営企業の組織、会計経理及び職員の身分取扱いに関する法律を制定することといたしまして、関係法案をできるだけすみやかに国会に礎案いたしたいと存じているわけでございます。従いまして、公営企業職員の身分取扱いにつきましては、それまでの間は、なお従前通りということになるわけでございます。  以上、地方公務員法案の内容につきまして、御説明を申し上げた次第であります。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 ただいま政府より提案理由及び法案の内容について、説明を聽取いたしました。本案に対します質疑は、明日より行うことといたします。     —————————————

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 次に公聽会開会承認要求の件についてお諮りいたします。ただいま提案理由の説明を聽取いたしました地方公務員法案は、一般的関心及び目的を有する庫裏なる法案でありまするので、地方公務員全般に及ぼす影響大なるものがありますから、地方公務員法案についての一般国民の声を聞くことが緊要と考えられます。従いまして委員会としましては、公聽会を開くことにいたしたいと考えますが、これを開くときはあらかじめ議長の承認を得ることになつておりますので、公聽会開会承認要求書を議長に提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。それではただちに委員長より諸般の手続をとることにいたします。  さらにこの際お諮りいたしますが、議長より承認がありました際は、開会の目的等につきまして委員会において議決し、議長に報告することになつておるのでありますが、それにつきまして、意見を聞く問題は、地方公務員法についてとすることとし、来る十一月三十日及び十二月一日午前十時より、それぞれ開会することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 次に国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。本委員会の重要なる使命にかんがみ、前国会と同様、調査する事項といたしまして、地方自治、地方財政、警察制度、消防制度及び選挙に関する事項とし、調査の目的といたしましては、それらに関する法律の改正及び立案等とし、調査の方法としては、関係方面よりの説明聽取並びに参考資料の要求及び小委員会の設置等とし、調査の期間は本会期中であります。以上として、国政調査承認要求書を議長に提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 私は二つのことを聞きたいのです。と申しますのは、今政府から長々と説明を承つたわけでありますが、岡野国務大臣にお尋ねいたしたいのは、この法案は相当重要なな法案でございますが、また関係方面とどのような御相談になつておるか存じませんが、場合によつてはポ政令を出すというような方針のもとにおやりになるのではないか。そういうことになつて参りますと、国会で審議をいたしましても、一向意味をなさないことになるのでありますが、大体腹のうちはどうであるか。これをひとつ承つておきたいと思います。これが一つ。それからもう一つ。これは私たちの方は理事会に入つておりませんので、理事会の方ではこの法案をどのような方向で、審議を進められるかというようなことも、御相談になつておると思いますので、その間の経過を一応承つておきたい。この二つのことをお尋ねいたしておきます。

岡野清豪自由党地方自治庁長官

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私の考えといたしましては、ポ政令で出す意思は持つておりません。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 それから、あとの質問につきましては、一昨日の理事会で、大体審議する予定は、ただいまお諮りいたしました公聽会開催の件で、その日取りをきめ、そうしてその間できるだけ土曜、日曜日もなしに審議していただかぬと、なかなか本国会の十八日の会期ではむずかしいのでありますから、できるだけ進捗して行こうということをお諮りしただけであります。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 その間におきまして、他の適当な委員会と合同審査を行うということは、まだ御相談になつておりませんか。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 合同審査の日取りを一応公聽会の済みました翌日、二日を予定して、それも一応の案としてお出ししております。

門司亮日本社会党

○門司委員 この法案とは関係ありませんが、きようの新聞によりますと、地方財政に対してきわめて重要な記事が出ております。と申しますのは、補正予算の内容が発表されておるのでありますが、それによりますと、地方財政委員会が政府に勧告いたしました地方財政に関する案と、非常に大きな数字的な開きを持つておるように、われわれ考えられるのであります。もしこういうことになつて参りますと、今地方の公務員諸君が要求いたしておりますものと、さらに地方の自治体のおのおのの長から、所要額として要求されておりまする。  すなわち職員の昇給の問題、あるいは越冬資金の関係というような給與の関係に、非常な大きな影響を持つことと考えておりますので、明日の委員会には、ぜひひとつ地方財政委員会の委員の諸君の出席を求めていただきまして、そうしてこの地方、財政に関する問題を一応聽取いたしましてこの補正予算に対するわれわれの態度をきめて行きたい、こう考えておりますので、明日の委員会には、ぜひ地方財政委員会の委員の諸君の出席を要求していただきたいことを、委員長にお願い申し上げておきます。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 御趣旨に沿うようにとりはからいます。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 どこの委員会と合同審査をやるのですか。相手の委員会のことを承つておりませんが、目標はどこですか。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 目標ではなしに、これは各委員会から申込みがありましたら、皆様にお諮りしてきめるわけで

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 それから、ただいま国家公務員法は大事だと言われましたが、全国各方面から陳情も参つておりますが、年末を控えて公務員がさんたんたる生活状態の中から、生活補給金というようなものを要求しておることは御承知の通りである。こういう人間の生命にかかわる大事なことこそ、先議していただきたい。まずその問題から始めて、そうして地方公務員法をやらなければならぬ。公務員法はきめたが賞典はやらぬというようなことでは、不安動揺いたしますから、そういう方向へ進めていただくことを條件として長々と御説明を承つたから、これも大いに長々とやるようにやつていただきたい、かようにお願いしておきます。

藤田義光国民民主党

○藤田委員 ただいま木村、門司両委員から地方財政に関するいろいろ御発言がございましたが、私はぜひとも明日の委員会には、大蔵大臣以下補正予算の査定に当られました責任者を、当委員会に呼んでいただきたい、このことを強く要求しておきます。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 できるだけ御趣旨に沿うようにします。

山手滿男国民民主党

○山手委員 会期も非常に短かいのでございますが、また日曜も委員会をやろうという御計画のようでありますが、この法案を審議いたしますについて、附属書類といいますか、たとえていえば東京都職員服務規律とか、市町村職員服務紀律というような、これに関係する書類を、もう少し地方自治庁の方で、この委員会にそろえて提出をしてもらうように、委員長の方から督促をお願いしていただきたいと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 山手君の話でありますが、できれば今山手君から指摘いたしましたものだけでなくてたとえば人事委員会の規則の第何條とか何とかいろいろ書いてありますが、これらのものをなるたけそろえて、お出し願いたいと思います。調べればすぐわかることで、大して手間はかからぬことでありますが、審議を進める上に非常に必要でありますので、ぜひひとつ御提出願いたいと思います。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。     午前十一時五十一分散会

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