大蔵委員会 第8号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/12/04
会議録
○夏堀委員長 これより会議を開きます。 所得税法臨時特例法案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案、揮発油税法の一部を改正する法律案、及び物品税法の一部を改正する法律案の四法律案を一括議題として、前会に引続き質疑を継続いたします。
○川島委員 若干質疑が残つておりますので、続けたいと思います。改正案そのものの問題につきましては、これ以上質疑を行いますことは、議論にわたることになりますので省略いたしまして、それに関連した問題について二、三お尋ねをしてみたいと思うのであります。まずお尋ねを申し上げたいのは、先般から実施になりました青色申告、この申告制度はその後政府が予定いたしておりましたように、必ずしも良好でなく、むしろ逆な不振の状態であるようにわれわれは聞いております。そこで青色申告は本年度において どのくらいあるか。そうしてまたその青色申告が不振であります事柄の原因について、政府はどういうふうに見ておるか。そうしてまたさらに青色申告それ自体の問題について、今後政府はどういうふうに考えておるか、こういうような事柄についての見通しと実績とを、この際示してもらいたい、こういうふうに思います。
○平田政府委員 青色申告の実施につきましては、前国会からいろいろ私ども見解を申し上げましたし、また委員各位の御意見もよく承りまして、運用上できる限りのことをいたしておるのでございますが、最近までの申告の申請者の提出状況を先に簡單に申し上げますと、申告所得税につきましては、申請者の総数が二十七万千七百九十八人となつております。全体の納税者は前に申し上げましたように、五百七十万でありましたか約六百万近くと見ておりますので、五%程度の成績でございます。そのうち営業者が約十六万五百十人、農業者が八万九千五百八十一人となつております。その他が若干ございまして、合計そのような状態であります。約二十七万人の人が青色申告書を提出して、申請をしておるという状況でございます。これに対しまして会社の方はもう少し成績がいいのでありまして、会社は申請して認めましたものの総数が十五万九百二十六法人ということになつております。それで課税に関連のありまする法人の総数が二十九万三千八百九十九でございますので、この方は約五〇%程度青色申告をすることになつておるというのが、現在の概況でございます。従いまして私どもといたしましては、法人につきましては相当な成績をあげております。しかしこれも理想を言いますと、いやしくも法人であるからにはほとんど全部のものが青色申告になるというのが望ましいと思つておりますが、それにいたしましても相当なものになつております。これに対しまして個人の申告所得税の場合におきましては、率直に申し上げまして少し少いという感じを持つております。そこで問題は今後どうするかというお尋ねでございますが、この点はいろいろ原因等についても輿論調査式の調査もやりまして調べておりますが、事情はいろいろあるようでございます。一つは記載が今の営業者の実情から申しますと、税法で要求しているような記載がなかなかむずかしいというようなことを考えて、躊躇している向きがございます。それからもう一つは、どうもはつきり記帳すると、かえつて所得がたくさん出て来て、今の税法ではなかなか納めにくいのじやないか、こういう配慮を加えまして手控えているものも、相当あるように見受けられます。それからもう一つは、この制度がどういうふうに運用されるか不安である。ほかの模様を見た上でひとつやつてみようという日和見主義者の方が、これまた大分あるようでありまして、率直に申し上げまして、そういう事情が少し成績が悪い理由はないかと私どもは考えております。しかしもちろん今の納税者の実際から見て、全部の人が青色申告の適格者であるというわけには、なかなか行かないと思います。これはやはりある程度以上の規模、それからある程度記帳などにつきまして若干の知識経験がなければ、こういう制度の消化はむずかしいと考えております。それにいたしましても、若干低いことは御指摘の通りであります。そこで政府といたしましては、今申し上げました記帳がむずかしいという問題につきましては、できる限り実際の運用面におきまして、簡單な記帳方法を行いましても、それを認めて行く。たとえば営業者につきましても、單式簿記の方法等によつて記帳している場合においても、これを認めて行くような趣旨に今後改善をはかつて参りたいと思います。それからもう一つは、現実に記帳しておる場合におきましても、いたずらに微細な欠陷を洗いまくるということは避けまして、できる限り記帳なり申告を尊重して行く、こういうやり方をとりまして、青色申告制度を育てるように努力して参りたい。それから現在の税法では、税の負担がかえつてふえはしないか。これはなかなか問題でございまして、これは全体に対しまして減税をやりまして、税の負担をできる限り合理化するという必要があると思いますが、他面においてその点は納税者にもよく周知されまして、やはり当然ある所得は正しく申告してもらうということで、納税者の一層の理解をはかりまして、こういう客観的なはつきりした基礎の上に立つた課税が行われるように、お互いに行こうじやないか、こういう啓蒙運動等も十分行いまして、どうもかえつて負担かふえはしないかという理由で、いたずらに逡巡しているような向きは、できるだけないように努力して参りたい、このように考えております。なお根本的にこの青色申告を出すことに対しては、特別のしんしやくをしたらどうかという向きもございます。たとえば実際の所得の一割か、二割くらい、特別しんしやくしたらどうかという議論もございまして、この問題は私どももいろいろ検討してみたのでございますが、どうもこういう方法を認めますと、私どもたびたび言つておりますように、源泉納税義務者との均衡の問題、それから税法をなるべくそういう恣意的な面を除きまして、税法できまつたところで客観的に査定をして行く。納税者も申告をしてもらう。こういう精神に相反するところがありまして、結果的には確かに人情論としてもつともな点もあるのでありますが、なかなかそういうことをやるのは将来にがんを残しはしないかと考えまして、そういうことを一律にやることは考えていないのでございます。ただ経費の見方等につきまして、若干役所と納税者と見解の相違が出て来る場合がございますが。そのような場合におきましては、なるべく記録がはつきりしておる場合においては、営業者の必要経費を見る場合に、できる限り納税者の立場を考えて見てやるというような方法を考えまして、むりがかからないように努めて行く。そういたしますれば、この青色申告につきましても、今後さらに申請者の増加を見まして、運用もうまく行くのじやないか、こう考えております。ただ実際上記帳しております状況を調べてみますと、やはり正確に記録しておられる方と、何が青色申告だというので、ただ漫然と何か一部をつけておる人々とあるようです。この一部をつけておる人々に対しましては、極力指導いたしまして、完全な記帳になりますように努力しておりますが、なお不徹底な点もあるようでございます。従つてこの問題は私ども前に申し上げましたように、やはりある程度漸進的に改善をはかつて行くというように進まざるを得ぬのじやないか。今の段階ではそういう考え方で、極力青色申告制度を伸ばす方向へ漸進的に進めて行く、こういう考え方で着実に改善をはかつたらどうであろうか、かように考えております。
○川島委員 これは全体的な話ではもちろんないのですが、今の局長のお話のように、青色申告の場合の記帳が非常にややこしい、煩雑なところもあるということであります。その煩雑なところへ完全な記帳をさせるということは、こういう初期においては私は絶対むりだと思う。従つてやはり青色申告をする意思のある納税者に対して、できるだけその趣旨に沿うような指導方法を講ずるということが、適切なことだと思うのです。ところが私の聞いたところによると、青色申告をする意思がある納税者が、青色申告を持つて行くと、わずかな事柄について税務署側で非常にめんどうなことを言い始めるのであります。そのためにせつかく納税者の方では、青色申告をするという誠意と意思があるにかかわらず、第一線の税務官吏がめんどうなことを言うので、結局はやめてしまうというような事情のものが、かなりあるように聞いております。そういうこともやはり青色申告の予期に反した極端な不振の原因ではないか、こういうふうに私どもは見ておるのです。そこで今後この青色申告を存欠するという確定的な方針が政府にあるとすれば——また青色申告はあつていいと私自身も考えておる。従つてこの青色申告の成績を予期に沿うような形にするためには、税務職員が、申告をする納税者の誠意と意思に即応するような態度を積極的にとるという形でなければ、私はこの青色申告の成績はあがつて来ないというふうに考える。そういう事柄について、政府は今後十分の留意を必要とするのではないか。同時にあわせて、青色申告の場合の記帳の方式について、もう少し簡潔に常識的に書けるような簡略な方式を考えるということも、私はきわめて必要だと思うのですが、それについての所見を承つておきたいと思う。
○平田政府委員 ただいまの川島委員の御意見、まことにごもつともでございまして、私どももまつたく同感に実は感じておるのでございます。私は実は税法の講演会等に行きました場合においても、税務官吏がいやがつても出せ。若干いやがるところがあるから、政府としてはこのきめがあるのだということを逆に話しまして、指導し奨励して参つたのでございます。やはり税務署も青色申告に対しましては、帳面の内部を相当こまかく調べて、どこが間違つておるか指摘しないと、更に更正決定ができない。こういうことになつておりまして、税務官吏も勉強せざるを得ないように追い立てる制度だ、こういうことを申し上げまして、極力奨励をはかるように努めて参つておるのでございますが、税務官庁も最初はそういう点が若干頭にあつたと見えまして、率直に申し上げまして、この制度に対して冷淡なところもあつたようです。しかしその後中央の方針等もよく伝達いたしまして、ともかく課税のお互いのトラブル——納税者にとつてもえらい不当課税を受けるようなことがないように、また税務官庁としても單純に認定で課税して、根拠のない不当な課税だと非難を受けることがないようにするためには、何と申しましてもこういう制度を助長して、それに基いてお互いに確固たる基礎のもとに課税を行うことが、最大の解決点だということを強調いたしておるわけでございまして、最近はこの点については、よほど徹底がはかられておると思うのでございます。しかし今御指摘のように、まつたくごもつともな点でございますので、中央といたしましてはお話の趣旨の通り、今後さらに一層徹底をはかるようにいたしたいと考えておる次第でございます。 なお様式等につきましても、省令できめております分が、各種の業種について一括して規定されておりまして、農業と営業だけはわけてございますが、営業の中に一括して規定しております。そこで各個別的に、ある小さな八百屋さんなら八百屋さんを例にとつてみますと、あの中にこまかい省略できる部分があるわけでありまして、その辺のところを規定上どういうふうにくふうするか、これが一つありますのと、もう一つは実際の指導にあたりまして、たとえば小間物屋さんならどういうような記帳をすればよい、八百屋さんならどの程度でいい、工場だつたらこの程度の記帳をしてもらいたい、こういうふうに個別的に記帳の程度、様式等につきましても、役所側におきましてもなおよく研究いたしまして、実情に即するような指導をして参りたい。そうしますと、よほどいかにも煩瑣な、めんどうくさい、むずかしいといつたようなことなしに、そういう空気に巻き込まれまして、記帳をいやがるというようなことは漸次少くなつて、うまく励行をはかることができるのじやないか、このように考えております。そういう点につきましても、なお一層改善をはかりまして、この制度を何とかして育て上げるように努力いたしたいと考えております。
○川島委員 青色申告の話が出ましたので、ついでに承つておきたいのですが、予定申告の状況、そしてこの予定申告によつて総括されました課税所得総額と、政府の予期しておりました課税所得額との開きも、相当大きいように聞いております。その事情はどういうふうになつているか。もし局長の手元にその資料があれば、この機会についでにお示しを願いたいと思います。
○平田政府委員 申告所得税につきましては、前に奧村委員にお答えしましたように、二十五年度の当初予算は、二十三年度の当初決定額をもととしまして、それから生産、物価等の指数を乗じまして、実は算定いたしたのでございます。ところでこの予定申告には、この間も申し上げましたように、二十四年分の課税実績をもとにしまして、それに基く所得金額が予定申告の基礎になつているわけでございます。つまり前年実績というのは、大体において二十四年分の課税の基礎になつたところの所得金額をもとにしている。しこうして六月十五日の現在にいたしておりますので、若干の例外はありますが、大部分はそれぞれ審査が出た場合におきましては、訂正したあとのものを基礎にしている。具体的に申し上げますと、当初決定は千九百億の税額の決定になつておりますが、六月末ごろの審査の後における数字は、千七百億くらいの数字になつておつたのでございます。それをもとにした所得金額をもとにして、予定申告をしているわけでございます。今度の見込みは、直しました後の二十四年度の課税実績をもとにして出て来ました予定申告の結果、それに対しまして、米価の引上げあるいは生産増加等に基いて、それぞれ増加指数を適用しまして、本年度の見込額を出しているわけであります。従いまして二十四年度の課税実績をもとにした予定申告でやつておりますので、これは新税法を適用して出て来た正しい税額に近いものだと考えております。問題は、農業所得について一割七分の増を見ている。これは予算の説明というもので資材を出しておりますので、これを御検討願いたいと思います。これは主として米価が二割以上上つております。果実、野菜等はそれほど上つておりませんので、ウエイトをつけて検討いたしました結果、一七%程度の増を見てもいいだろう。それから営業所得につきましては、主として生産の増加であります。生産の増加は一五%程度、それから物価も若干上るようでございますが、これはほとんど前年度とかわりません。それから営業所得につきましては、御非難が多いので、個別調査を励行いたしまして、極力納税者の所得を把握することに努めておりますが、大体税の負担も相当軽くなりましたし、それから税務官庁の能率も漸次上つておりますので、八%程度ふえる。これを見込みまして、二割五分の増加を所得において見ておるわけであります。これはもちろん平均でございまして、個別的に農業の場合においてふえないところもあるし、あるいはもつとふえるところもある。営業者の場合においても、倍ぐらいになる人も中にはあるし、あるいは減る人も中にはいるだろうと思いますが、総体としましてこの程度の増を見込みますことは、現況から見て妥当である。それで所得金額を計算いたしますと、これも予算にございますように、それぞれ所得税額が相当ふえることになります。所得税額はこの前申し上げましたように、所得金額が二割ふえますと、控除の関係とか累進税率の関係で、所得税額はもつとふえる。大体予定申告で出て来ております。税額は七百億強でございますが、私どもが今の方法で計算しました確定申告で出て来るだろうと見積つておりまする金額が、千百七十億でございましたか、相当ふえるわけでございます。これは今の状況から見ますと、私どもとしましては、おそらく正しいところだと見ておるのでございますが、ただ実際の運用上は、予定申告は今年の所得額であるとするならば、所得がちよつとふえるために、こんな税金になるのかという感じを、この一月の際に納税者は持たれるのではないか。それが農業所得の場合には著しいのであります。農業、所得は一割ふえますと、基礎控除、扶養控除で総所得金額から大部分控除しておりますために、課税所得金頭というものはわずかである。ところが所得金額は総所得金額に対して増でございますから、課税所得金額は相当ふえるわけでございます。そうすると税額もふえるということになると、その辺のところをよく説明し、指導することに努力なければならぬと思いますが、大体今のような状況で推移いたしますれば、税收入としましては、この程度を期待するのが妥当ではないか、かように考えておりまして、その辺のところは二月に現実に納税者から声をお聞きになる場合におきまして、おそらく実際問題としてそういう声が出て来るだろうということを、この機会にさらに重ねて申し上げて、御参考にいたしたいと考えるのであります。
○川島委員 実は私の今お尋ねしたのは、そういう事柄の御説明も期待はいたしたのですが、そのことではなくて、今年度の申告納税者が申告をした総体的な所得顔と、政府の見込額との間に相当の懸隔があつた。その状況をこの機会に参考のために一応聞きたいと思いまして、お尋ねをしたのであります。その資料があればお示しを願いたい。もしなければ、後刻でもよろしい。
○平田政府委員 どういうお尋ねでございますか。予定申告で出て来る税額が七百億、それに対しまして今度のそれで出て来た同じ所得金額をもとにして、今申しましたように農業は一割七分、営業は二割五分、平均して二割一分程度の増を見て税額を計算すると、千百七十億でしたか九十億になるということでございます。千百七十億というのが実は確定申告で期待したい、出て来るだろうと見積つておる額ということになるのでございます。
○川島委員 それでわかりました。次にお尋ねしておきたいのは、やはりこれも先般税制改正で決定いたしました協議団の制度、この協議団の制度自体に対しましては、私どもはちよつとその構成の仕方かに異議があるのですがいずれにいたしましても協議団は設置をされたものと見ております。その協議団の設置されました以後、まだ幾ばくも経ておりませんから、実際の協議団のよしあしというものについては、統計的にはまだよくつかめておらないと想像はいたしておりますが、協議団の発足以来の状況は一体どういうふうになつておるか。協議団というものが、協議団設置の趣旨に沿つた本格的な活用がされておるかどうか。そういつた事柄についてあがつておる資料が参ありますれば承つておきたい。
○平田政府委員 協議団は御承知の通りことしの大体六月でございましたか、発足いたしたわけでございます。それでそれぞれ各国税局の所在場所のみならず、各府県ごとに原則として一箇所、さらに大きな府県につきましては、たとえば長野県とか福岡県、新潟県等につきましては、二箇所程度の協議団の出張所と申しますか、協議団の分駐所を設けまして、そこで協議機関としての仕事を遂行して行くということで、動いて来ておるわけでございます。そうしまして協議団のほんとうに動きますのは、法律上は二十五年分以降の所得税と、それから二十五年四月以後に決定しました法人税等に対しまする異議の処理を担当するわけであります。しかして、前申し上げております通り、税務署に対しましてまず再調査の請求をやる。税務署長が三月以内に解決しなかつたならば、納税者は当然協議団に持ち込める。それ以内におきましても、却下されたりあるいは決定に不服があれば協議団に持ち込める、こういう組織になつておりますので、実際に活動するのは若干遅れて参るということになりますが、本年の九月三十日現在におきましては、所得税につきまして引受けた件数が千八百十人件、法人税については二十件、その他が三件、合せまして千八百三十九件となつております。それから所得税につきましては、全部納税者の主張を入れまして取消しましたのが十一件、それから一部取消したのは、つまり減額処理にしましたのが五百三十一件、それから却下しましたのが二百三十七件、合せまして七百七十九件を処理いたしております。九月三十日現在で処理未済のものが約千件ございまして、これはその後最近までに二箇月たつておりますので、おそらくまた相当進捗しておると思いますが、九月三十日現在ではそのような状況でございます。今後法人の方も相当ふえましようし、またことに来年度の更正決定と申しましようか、それに対しまして協議団がもつと活躍するように指導して参りたい。協議団につきましても、私は当初決定しました税務署なり担当官だけの立場を、あまり考慮し過ぎるようなことのないように、むしろ納税者の実態をよく聞いて、納税者の声に大いに耳を傾けるというような考えで、しかも公正に裁こうということで、運用をはかつて行くようにということを、繰返し勧めておるわけでありますが、私はさらに来年度あたりは、相当協議機関が活発に動いて来るのではないか、このように考えております。
○川島委員 そこで繰返したいのですが、協議団の設置そのものに、われわれは異議をさしはさむものではないのです。またこういう式のものがある方が、ないよりはよろしいと考えておる一人であります。そこで前回も私は、この協議団をせつかくつくるならば、やはり民間の農民団体、あるいは営業者の民主的な団体の代表をも中に加えて、そうして協議団を構成し、協議団本来の趣旨を適切な形で発揮するということの方が、きわめて望ましいのではないかと今日でも私は信じておるものであります。そこでこの事柄について重ねてお尋ねすることはどうかと思うのですが、どうでしよう。この協議団のせつかくの設置を見たのでありますから、明年度あたりでも決しておそくはないと思うのですが、当局はそうした民間側のしかるべき代表者を加えて、そうして協議団の構成をもつと民主的にする、こういう意思があるものかないものか。今のままでは、やはり一種の官僚的なものの協議団ができるということに近いものになつてしまつて、せつかくの民間からの異議の申立てや何かに和する処理というものが、やはり処理される方が、同じ納得するにしても、その度合いが違つて来るのではないか。民間からその中に若干でも出ておつて、そして処理されたことになりますれば、納税者の方といたしましても、納得する度合いというものが大いに違つて来るという形になることが、多いのではないかというふうに私どもは考えるのでありますが、当局としてはその点についてどういうふうに考えられているか、それをひとつ御答弁していただきたいと思います。
○平田政府委員 今の問題は、協議団の制度を創設する際におきまして、大分いろいろ御意見を承りましたし、こちらの意見も申し上げた通りでございまして、今の段階におきましても、まずやはり今の組織でできるだけ運用をはかつて行きまして、そのあとで成績次第では、場合によつては考えた方がいいと思いますけれども、建前といたしましてはやはり税務は責任の所在を明らかにして、責任のある者が税法に照して事実を的確に調べると同時に、それに基いて税法を正しく解釈し適用して行く、そういう点に非常に力を置いておるわけでございます。そういう点から申しますると、やはり責任のある官吏をしてこういう問題を扱わしめた方がいいのではないか、こういうふうに実はシヤウプ勧告の去年の根本精神にかんがみて、実行いたしておるわけであります。しこうして、その協議団に不服があれば、さらに裁判所に行く。あくまでもそういう法事的なきちんとした制度のもとで運用されて行くのが、ほんとうの徹底した意味の民主的な組織である。民間の委員を入れてそして何とかうまくさばいてもらつたり、あるいは責任のがれのために、委員会にうまくまとめてもらつたりするようなことは、どうも本筋ではあるまいといつたような、実は基本的な考え方になつておるわけでございます。しかしそれはそれでございますが、なるべく民間の知識経験のある人を任用するという点につきましては、御質疑まことにごもつともでございますので、協議団の中には、新たに相当な経験のある人を採用いたしまして、そういう諸君に対しましてさらに講習、訓練等も行いまして、そして民間の知識経験も持ち、かつ税のこともよくわかつてもらつて公平にさばいてもらう。しかもそれはちやんとした協議官という責任のある一つの官吏といたしまして、問題の解決をはかる、こういう趣旨で今のところ運用して行くことになつておるのでございます。よく同じ役人なら同じ穴のむじなではないかという議論がありますが、役場所でも、御承知の通り大蔵省と農林省は相当対立した意見を、場合によつては述べることもございます。大蔵省中におきましても、主税局と銀行局とは、相当違つた見解を持つ場合があるようなことでわかるように、責任をはつきりいたしまして、その職責を明らかにして——立場が違いますと、また私は非常に妙味が出て来ると思います。私はこの協議官と、最初調査した税務官吏と、いたずらなけんかをしてはいかぬと言つておりますが、ある程度対立して堂々とやり合うのはあたりまえで、それで初めていい結果が生れるのだというふうに、むしろその方を反対に、助長しておるような言動ばかり言つておるのでございますが、やはり立場が違いますと、それぞれ相当考えるのでございます。部課にしましても、御承知の通り徴收係の者の言うことと、賦課係の言うことと大分違うこともあることは、川島委員も御存じの通りかと思いますが、こういう特別な官を設けまして責任を明らかにして職責を十分認識せしめてやりますと、私はおのずからいい効果が生れるのではないかというふうに感じているわけでございまして、これは今後の運用に待たなくてはならぬかと思います。運用で極力努め、その上でどうにもうまく行かないという場合は、また川島委員のお話のような点も十分考えまして、再検討する必要があるかと思いますが、現在のところは、一応そういうことでいま少しく勉強させていただきますように、お願いいたしたいと考えている次第であります。
○川島委員 私はどうも局長の考え方は違うと思う。いずれそういうことに私はなるのではないかと思うのですが、これ以上にわたることは議論になりますから、これはやめておきます。 次にお尋ねいたしたいことは、これはこの間も私ちよつと触れて強く希望的に申し上げたのですが、ことにシヤウプ勧告にもあつたと思いますが、更正決定がきまつた後における額、これは割合に大きな額になるので、これを分割拂いにするようなことは、非常に考慮に値するというようことも、シヤウプ勧告にもあつたと思います。実際上の問題としても、これは非常に必要だと私は思う。そこで全般的に、何とかこの申告納税者の分割拂いというものを、何か法律的な立場を明らかにして、そして納税のしやすい方法をとることが、租税收入を得る非常な近道だ、こういうふうに考えておるのであります。ことにこの間からも繰返されておりますように、滞納が一千億にもなつておるというような事柄もいろいろの事情もありますが、納税の仕方について、やはり納税者の立場に立つた形というものが今つくられておらない、こういう点も、非常に大きな阻害の、原因になつておると思います。せつかくシヤウプ勧告にもうたわれているのですし、ことに更正決定後におけるところのまとまつた納税額については、明確にひとつ分割拂いができるのだという、こういつた方針をもう政府が明らかにしていいじやないか。少くとも明年度あたりから、これを実施に移すというくらいな、積極的な意向を打出してしかるべきだと私は思うのですが、その点はどんなものですか。この機会に伺つておきたいと思います。
○平田政府委員 今の問題につきましては、先般もお答えしたのでございますが、分割拂いの法制上の問題——実際問題としては、今川島委員のお話の通り、どうしてもやはり一度に納めることが困難だろうという者については、誓約書等を入れさせまして分割拂いを認めております。そうしましてその間差押えも場合によつては猶予する。あるいは公売処分はあとまわしにするというようなことは、運用上はいたしておるのでありますが、法制的な問題になつて来ますと、利子税を設けるか設けないかという問題、それから延滞加算税をとるか、とらないかという問題、結局この二つの問題になつて来るのではないかと思います。利子税はあらゆる場合——相続税でもとつているので、前事に承認をいたしましても徴收することにいたしております。この方を軽減して行きますと、つまりまじめに納めた者との負担の不均衡を来しはしないか。従つていかなる場合においても軽減することは不適当である。加算税の問題になつて来ますと、若干ペナルテイ的な要素がございますので、分割拂いを認めました場合においてどうするか、これは若干検討の余地があろうかと思いますので、こういう問題は、いま少し検討しまして、いずれ通常国会には、検討の結果を御説明のできるようにいたしたいと考えております。でございますが、私はそれよりもなお大事なことは、平素から納税資金をたくわえてもらう。つまり納税準備預金というようなことを活用して、それから納税貯蓄組合というようなものの助長をはかりまして、平素から資金を蓄積していただいてもらう。そうしなければ、ついどうも資金不足のために、営業上の運転資金あるいは設備資金にまわしてみたり、あるいは生活費に使つてしまうというのが、税金の納まりの悪い最大の理由のようでございますから、何とかして平素から納税組合等を通じて、貯蓄しておいてもらうといふことにきめまして、もつと一生懸命になりたいと実は考えておる次第でございますが、そういう問題とあわせ関連しまして、今の問題についてはよく検討しまして、この次の国会までに結論的な説明ができるようにいたしたいと考える次第であります。
○川島委員 私はその場合に、納税金額の低額のものは別として、相当な額に達しているものに対する利子程度はこれを考えてもいい。しかし加算税などはなかなかばかにならぬ。実際の面において税務署では分割的なものを認めて運用上はやつておることも多いのです。それも私は知つておるのですが、それをやつてもやはり利子もとられる。加算税はかかつて来ておる。この加算税がばかにならぬということになつておるので、納税者にとつては実は非常にそれが重い負担の上に、重きを加えておるということになつておるわけです。そういう事柄でありますので、そういう問題をこの際強く積極的に政府は考えて、明年度あたりから何とか具体的に打出して行くべきではないか、こういうように思つておるわけであります。今お話の出ました、平素営業者が納税準備金を蓄積すればいいじやないか、それはそう言われればそれまでの話ですが、何にしても今日のような金詰まりで、営業者にはなかなか運転資金にも忙しいようなありさまのものが、ことに中小企業には多い。とても納税準備金までも、別な費目としてとつておくということの余裕のないものが多い、こういうことでありますので、一層そういうことが考えられるわけです。かりにまた、今局長から出ました納税貯蓄には税金をかけない、あるいは納税組合などを奨励したい。これも私は一つの方法としてけつこうだと思うのです。かりに納税組合ができまして集団的に、納税義務者が税を完納するような方法を積極的にとるような場合に対しまして、昔あつたのではなかつたかと思うのでありますが、政府はこれに対して一種の奨励金といいますか、何かそういつたものを出す、こういつたことも納税組合の設立を奨励する一つの手段にもなり、それがやがて徴收の成績を上げる一つのてこにもなるのではないか、こういうように思いますので、その話が出ましたからついでに承つておくのですが、何か政府は納税組合に対する積極的な手を打つということを考えているかどうか。
○平田政府委員 納税組合につきましては、戰前は非常に発達したのでありますが、戰後どうも少し賦課の方面に立ち入り過ぎはしないかという懸念からいたしまして、補助金等も支出しておりましたのが、一応全部打切られてしまつたのであります。その結果非常に納税組合もこわれて来たようであります。しかし賦課の方に立ち入ることは今後嚴重に禁止する規定を設けて、ほんとうに税金を納めるための資金を蓄積する。それを管理しまして、所定の期間に納税者にかわりまして税金を納めるというような組織は、認めてもいいじやないかと考えておりまして、今度の通常国会にはそういう制度を法制化することも考えてみたい。それに関連しまして納税組合の扱つた税金について軽減することはむずかしいと思いますが、事務費の一部でも奨励的に補助するというような方法につきましては、目下若干予算措置等につきまして検討中であります。これらの点を極力考えまして、零細な納税者が少しでも納税しやすいような道を開きたい、かように考えております。
○川島委員 今の事柄は私はぜひ早急に実施に移して行くべきだという考え方を持つておりますので、ぜひとも局長の言明通り明年度には考えてもらいたいと思います。 それからついでに承つておくのですが、最近私はこういうことを聞くのです。税務署の更正決定などに対して協議団などに出すよりは、いきなり訴訟を起す。訴訟を起すと必ず勝つ。こういう事柄が盛んに流布されておる。そんなことも影響して、ずいぶん訴訟も起つておるらしい。その訴訟を起された場合に税務署、いわゆる政府側が負けておることが多いのであります。そういう訴訟の事柄について何かお手元に資料でもありましたら、この際聞かしてほしいのであります。大分そういうことが流布されておりまして、それじやひとつ訴訟を始めようというようなことで、あちらこちらでそんなことを私語しておる人も私の耳には入つておるので、この際聞かしてもらいたい。
○平田政府委員 訴訟の資料を手元に持ち合していないのでありますが、訴訟は、税務署が決定しましたものにつきまして、再調査協議機関の協議の手続を経て、審査決定を経た上でできることになつております。またぐずぐずしておりまして審査決定しない場合は、一定期間たちますと訴訟ができる、こういう制度になつております。もちろん決定で却下されて、その審査の結果に不服ならば訴訟ができるわけであります。ただそういう手続を経ておりますと、納税者に回復すべからざる損害を及ぼすおそれがあるときはいすぐ訴訟ができるのであります。その他の場合は原則として今のような手続を経て、訴訟に入るということに相なつておるのでございます。しかして私どもはこの訴訟につきまして決してチエツクするつもりはない。むしろ税務官庁の事実の調査や、あるいは解釈に対して不服があるときは、合理的な主張によつて訴訟をやつてもらつてもいいじやないか。むしろ将来におきましてはほんとうに技術的な、ほんとうの意味の合理的な訴訟がふえて来ますことは、当然の趨勢にありますし、またそれが裁判所ではつきりきまつて納得ずくで納めて行くということになりますことについては、私どもは少しもいとうべきじやない、かように考えております。ただ、ただいまお話のように、訴訟に持つて行きさえすれば税務署は常に負けるということは、必ずしもそういうようにはならないだろう。役所側におきましてもできるだけ中人を調べまして、訴訟に負けないように努力すると思いますし、また訴訟に持つて行けば当然負けそうなような事実がはつきりしている場合には、これはもちろん審査等で直して行くということになりますので、いたずらに訴訟戰術で問題を解決するというようなことは、好ましい傾向ではないと思います。しかし見解の差、あるいはどうしても不服がありまして、訴訟で問題を解決しようということになりましても、これはむしろ事柄の合理的な解決をはかるゆえんじやないか。ただ全部が集団的に訴訟をはかるような例があるようでありますが、こういうのはどうもあまり今の建前からしますと、私ども感心しないような感じがいたします。あくまで各個人が自己の所得の認定その他につきまして、あるいは税法の解釈等につきまして不服があつて、裁判所できめてもらうということでございましたら、これはいとうべきことでも何でもありません。むしろそういうふうにして解決をはかるのが民主的な解決の方法じやないか、かように考えておる次第であります。
○川島委員 これは埼玉県ですが、浦和税務署あたりでは、管内の訴訟事件では大体政府側が負けているらしい。これは事実であります。おそらくそれだけ税務署の決定が合理的でなかつたということの一つの証拠ではないか。従つてそういうことによつて訴訟戰術が一層倍加されるおそれもあるのじやないかとさえ、私は思つておるのであります。そこで本論は、そういう訴訟を起されても政府が負けないような形で、やはり国民に親切な、そして適切な合理的な査定決定をするという事柄が、きわめて必要だという意味で、私はそれを言つておるわけであります。どうぞそういうことにしてもらいたい。 それから最後にもう一、二お尋ねしておきますが、私は税務署にいろいろと出入りをしていて、最近こういう感じがしてならない。第一線の調査などに出て来る税務官はみな若いのです。しかも同じ税務署の職員の中でも経験の少い、年齢的に最も若いのが大部分前線に立つている。そして若干年齢の多い経験を持つた者がうちの中におる。私はこれは逆だと思う。そういう形であるがために、納税者と税務署との間に常に紛争が起りがちであり、ひいては納税者が税務署を一つの怨嗟の的にするというような事柄にもなつて、それが必然的に納税の成績をあまり芳ばしくないことにしてしまつておるというふうにも、私は実は自分の身のまわりのここを見まして感じておる。そこで私の考えとしては、年齢の幾らかかさんだ、そして経験のある者をまず第一線に出しまして、そして直接納税者と接触せしめるということにし、無経験者であつたり、若い者は事務をさせる。そして事務や何かでうちの中で仕事の経験をさせて、先輩の指導をある程度経た後において、初めて第一線に出して納税者と接触させるということがきわめて必要ではないか。どうも私の見聞は狭いかもしれませんが、おそらく私の見ておる形というものは全国的ではないかと思われる。そういうために非常に国民との間に摩擦が多くなつてまたその間に汚職事件も非常に多い。こういうことも遺憾なことであると私は思いますので、そういうことでなしに、できるだけ年配の者で徴税事務、税務行政に経験を積んだ者をなるべく——全部それをやれというのは今日の税務署の機構ではむりでしようが、なるべくそういう形に持つて行くことによつて、納税者と税務署との問の査定、調停が円滑に行くという形に持つて行つて、納税者が税務官をある程度信頼し、尊重するという風潮を少しでもつくり上げて行くことが、絶対に必要な事柄ではないかと私は思うのです。そういうことについて当局が考えておりまする点がありますれば、この際承つておきたい、こういうふうに思います。
○平田政府委員 御趣旨まことにごもつともであります。今のお話の点は、今日の税務の一番の問題点をついたお話だと承つておりまして、私どもまつたく同じような趣旨からして、どうすれば打開できるかということに、実は非常に苦心いたしておるわけであります。と申しますのは、戰争中なれている税務官は、動員やあるいは他に転職等の関係で大分少くなり、そして戰後新たに納税者布の増加に伴いまして、職員を相当増加したのでありますが、遺憾ながら戰後のインフレの最中でありまして、待遇は思うようにできませんし、勢い若い者ばかりを採用せざるを得なかつた。そして相当経験のある者をいい待遇で採用するということが、事実上不可能に近い状態で、昭和二十一、二、三年ごろまで推移いたして参つたのであります。当時も私どもはできるだけ新規に採用する者は、せめて高等專門学校本業以上の者を、なるべくよけいに採用しようという方針でいたのでありますが、どうも思うように参りませんで、事実大部分が中等学校出くらいの若い者を採用せざるを得なくなりまして、この連中がいつも税務の実際の仕事の大部分を担当しておることからしまして、まつたくお話の通りの欠陷が出て来ておる。この問題をいかにして解決するかということに、私どもは一番頭を悩ましております。しからば今お話のように、その方法としまして年配の者で納税前線に出せる者といいますと、数が非常に限定されておりまして、課長、係長あるいは署長次席というところになりまして、それ以下はみな二十五、六歳あるいはそれ以下というのが、遺憾ながら今の税務職員の実情でございます。しかし役所の内部におきましては、それにもかかわらずできるだけ窓口には少くとも係長、課長等が出て納税者に応待するようにということを言つておるのでありますが、その連中が外部に出て直接納税者の調査をするということでは、とうてい仕事がまわりかねるというところに、実は苦しいところがあるわけでございます。しかし最近は官吏の待遇も大分よくなりましたし、それから特別なくふうも考えられまして、今年はたしか專門学校以上を出て、年齢も三十歳前後の者を千名近く試験をやりまして、実は採用いたしております。こういう諸君がしかも相当勉強しておりまして、私はその中からは相当優秀な税務官吏が出て来るのではないかと期待しておりますが、年齢層の断層をどうしてうまく補充してやつて行くかということには、非常に苦心いたしておる次第でございます。それと、最近まではほんとうに若くて経験のない諸君が多かつたのですが、やはり前から申し上げておりますように、二年の経験と三年の経験では、実はよほど能力も違つて参ります。それに試験、訓練等を十分行い、また成績のいい者を拔擢するということや、待遇等も重要な仕事をやる者に対しましては、それぞれ相当な待遇を與えるという方向に持つて行きまして、ここしばらくたてば相当よくなるのではないかということを期待し、極力そういう方向に向つて進んで行くように、目下懸命の努力をいたしておるのであります。お話まことにもつともなところでございまして、その点御趣旨に即するように、政府としましてもできるだけ努力して参りたいと思います。
○宮腰委員 これは前にも一度お伺いしたことがあるので関連した問題ですが、一人大工だとか一人左官だとかいうような人々が労働組合に入りながら、しかも源泉徴收はできないで、所得税によつてとられておるのであります。これが所得税をとられますと、当然に地方税を負担しなければならないので、対策としまして事業協同組合なるものをつくつて、この対策を考えておるようでありますが、税務署ではこれは脱税組合だからいかぬといつて、はねつけておる場所も相当あるように聞いております。こういうような業者は、ほんとうに勤労者の月給よりも少い方が相当あるようですが、この点につきまして事業協同組合に入りまして、仕事をやつておる場合には、組合で源泉徴收をしまして納める場合は、一般の勤労者と同様に取扱つてよいのではないか。地方税の負担も非常に大きいのでありますから、この事業協同組合に入つた場合には、源泉徴收をして、そして税の公平を期していただけるかどうかということについて、局長の御意見を伺いたいと思います。
○平田政府委員 今の問題は解釈上なかなかむずかしい問題でございますが、現在雇用契約に基きまして、いわゆる資金、給與として支拂われるものを勤労所得・給與所得といたしております。自分が独立して仕事をやりまして、自己の危險、自己の責任において一定の仕事を請負い、それによつて得た收入というものは、やはり一種の事業所得と見ておりまして、勤労所得、給與所得と実はわけておるわけであります。それはそうしないとどうもやはり解釈の基準がございませんで、それより以外にいい道はないのじやないかと考えておる次第であります。たとえば大工なりあるいは漁師の場合でも問題になるのですが、これはやはり今申し上げました基準で、給與所得なりや事業所得なりやを区分しまして、それぞれ課税するということにいたしております。しこうして自分が雇用されないで、自分で仕事をして收入を得て、それを一旦組合に持ち込んで、組合で源泉課税をするということは、これはどうもやはり一種の納税組合みたいなものになるのでございますが、組合から給與を受取つておるということにはなかなかどうもむずかしい。企業組合のような組織ができまして、組合自体が一つの企業の経営主になり、組合員は企業組合の役員または職員といたしまして給與所得を受ける、こういう関係になりますればお話のような通りになるのでございますが、そういう関係に至らない程度の組織でございますと、これはなかなか宮腰委員のお話のようになるような解釈を下すのは、どうも少しむずかしいというのが現状でございます。しかも企業組合をはつきり結成しまして、ほんとうに企業組合が自己の責任において事業を運営し、それの役職員といたしまして組合員が業務に従事して、それから普通の給與所得者と同じような條件で、給與所得を受けておるというような場合には、これはやはり私ども給與所得として見るという解釈を下すことにしております。実際上なかなか運用の限界におきまして、むずかしい点があるようでございますが、大体の建前といたしましては、かような考え方で行くよりほかないのじやないか、それがまた一番いいのじやないかと考えております。
○宮腰委員 実際において企業協同組合をつくつて税務署へ参りますと、それは脱税組合であるからいかぬと言つて、全然認めてくれないところが大分あるようであります。今後主税局でもこういう問題を御指導願いまして、零細なる勤労者の生活安定のために、これはぜひ認めてあげてほしいという希望を申し上げておきます。さらに企業再建整備法によりまして、昨年の夏以来どんどん進行して参りまして、今まで合体された会社が分散しまして、A会社、B会社にわかれているようであります。ところが企業再建整備法による会社で、相当大口の脱税をしておる場合があります。これは民事上の事件であれば、債権者取消しということでこれを処理できますが、この場合にA会社がB会社になつた場合に、こういう第二会社に対しては、法律の規定からいつても税金をとれないのじやないかと思います。そこでこの親会社に対する税、あるいは公判に行つて脱税が確定した場合の税の負担ですが、第二会社が負担するという趣旨であれば、滞納者として認めて行かれますが、全然そういうことを認めて行かない場合に、判決を受けたあとの税の責任というものはいずれに帰するものですか。
○平田政府委員 普通の場合でありますと、合併の場合でありましたら、合併後存続する法人が納税義務を承継する規定がございます。もし宮腰委員のお尋ねが、この前の国会でお尋ねにかりましたことと同じことでありますと、この前の国会でお答えいたしましたように、第二会社は責任を負わない場合がございまして、それは別に見解をその後かえておりません。
○宮腰委員 そうすると、第二会社は責任を負わないということですか。
○平田政府委員 何かあの当時調べて詳しくお答えしたかと思いますが、原則として責任を負わないことになつていたと思います。なおその点法律問題で、ちよつとあとに影響しますので、前国会の際にお答えしましたことと同じであるということを申し上げまして、速記録に残つておると思いますので、それに基きまして御了承願いたいと思います。あのとき相当調べまして、はつきりした見解を確か申し上げておいたと記憶しております。
○宮腰委員 あとこまかい点が二、三点ありますが、先ほど川島委員から質問されました青色申告の問題ですが、現在の小さな業者は大体もう伝票も備えておかない関係上、認定されるのが当然だと思いますが、この認定されるということにつきましては、税の過剰から皆さんが訴訟をやつたりいろいろ紛争を起すようであります。青色申告について、先ほど局長のお話は具体的のことについていろいろ指導する、こういう御意見でありますが、これは支出伝票と收入伝票があつて、この伝票の処理が帳簿の上で合理的にされておるなら、それを青色申告と同様に取扱つていいのじやないかという考えですが、この点についてお伺いしたい。
○平田政府委員 さつきちよつと申し上げました営業者等につきましては、業態によつて單式簿記と申しますか、小売業等につきましては大体單式簿記程度でいいのじやないかと思いますが、そういう方法を認めて行くように今後いたしたい。ただ業態によりましていろいろ帳簿の程度が違いますので、全部を法令で盡すことは困難だと思いますから、具体的に業者の団体等と相談しまして、程度等については実情に即するようにして参りたい。伝票さえあればそれを常に青色申告者と認定して行くということにも参らないと思いますが、その辺の程度はよく実際に応じまして妥当を期するようにいたしたいと思います。
○宮腰委員 私の質問は川島委員の補充的な質問になるようでありますが、先ほど納税組合のお話がありましたが、納税郵便貯金のようなものをこしらえまして、郵便配達手が月に二回なり三回なり集金にまわるような方法で、非常に合理的に行くようです。しかしそういう場合において、大蔵省から郵便配達手に対して何かしかの手当を支給するなら、郵便配達手も喜んで集金にまわるのじやないかと思いますが、そういうお考えはどうでしようか。
○平田政府委員 納税貯蓄組合の普及奨励ということにつきましては、いろいろ今後も研究して参りたいと思いますが、組合に若干の補助金を出すことは考えられるのでありますが、郵便配達手にすぐ今お話のようなことまで行きますかどうか。もう少し研究しました上で適当な結論を下してみたいと思います。
○宮腰委員 減額承認制が法律に規定されておりますが、これは一定の期日までに申告しなければ、もうその人は資格がないんだということになるのでありますが、実際承認申請を忘れている人もあります。また昨年よりもずつと少い税を納めるだけの所得しかとらない方があると思いますので、この減額承認申請という規定は削除した方が、かえつて効果的じやないかと思うのですが、いかがでありますか。
○平田政府委員 この問題は今日も大分御趣旨を申し上げまして、予定申告はあまりお互いに深入りしないでやつて行こう、こういうのが前年実績をもとにしました最大の精神でございます。前年その申告をしておけば、税務署からの仮更正も受けない。法律でできない。反対に減額につきましても、相当見解の差があつて、こまかく何でもかでも調べ上げなければ、どつちになるかわからぬというようなきわどいものにつきましては、まず前年度で一応しんぼうしてもらいまして翌年確定申告の際に全部正確にやつて行くというのが、かえつて予定申告としていいんじやないか。こういう建前でできておりますのでその辺のところから一つ御判断願つたらいかがかと考える次第であります。 —————————————
○夏堀委員長 一昨二日本委員会に予備審査のため付託になりました未復員者給與法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、まず提案者より提案趣旨の説明を求めます。内村君。 —————————————
○内村参議院在外同胞引揚問題に関する特別委員長 未復員者給與法の一部を改正する法律案の発議者の一人であります参議院の在外同胞引揚特別委員会の委員会の委員長内村でございます。ただいま議題となりました未復員者給與法の一部を改正する法律案につきまして簡單に御説明いたします。 未復員者給與法は、未復員者を対象といたしまして必要なる給與を行い得ますように、昭和二十二年の十二月に制定公布せられたものでございます。その後主として経済事情の変化に応ずるために、六回の改正を経て現在に及んだのでございます。この六回の改正のうちに、五回は参議院がイニシアチーブをとりまして、議員提案の法律案として提出いたしまして、成立公布せられました経緯を有する法律でございます。今回また前例の通り、本院から議員提出の法律案といたしまして提出いたした次第でございます。 未復員者給與法の制定いたしますところによりますれば、未復員者に対する俸給、その扶養親族に対する扶養手当、引揚げ時における必要な旅費、遺骨埋葬費、遺骨の引取費、復員した患者に対する療養費、以上の大種類の給與を行うようになつておるのであります。在外同胞引揚問題に関する特別委員会におきましては、第八国会及びその後の休会中における審議並びに実施調査によりまして得ました結果、今回の改正におきましては未復員春の俸給、遺骨埋葬費及び遺骨引取経費の三点につきまして、未復員者給與法を改正して、現在の事態に即応するようにいずれも増額することが最も緊要、適切であるとの結論に到達いたしまして、本改正法律案を提出するに至つたのであります。 改正の第一点でありますが、未復員者の俸給は、現行法におきまして月額わずかに三百円となつておるのでありまして終戰後五箇年を海外に過しつつあります未復員者に対する俸給といたしましては、まことに問題にならぬ少額であります。一般公務員と完全に同一税するわけには参らぬといたしましても、六千三百円ベースからさらに今回増額せられようとしておりますときにおきまして、この俸給と比較いたしましたならば、実に雲泥の相違と申さねばならないのであります。かような観点から、財源等も勘案いたしまして、本改正案の通りに月額千円ということにいたしたのであります。 次に遺骨埋葬費は現在一柱について千五百円となつておるのでありまして、これは俗に申します葬式代でありますが、千五百円では、いかなる僻地におきましても、とうてい葬儀を営む費用を償うわけには参りません。このために遺族の中には、あえて遺骨の引取りをも行わないという向きもあるというような実情にありますので、これを三千円に改めたいというのが改昭案の趣旨であります。なお遺族が遺骨を引取るための旅費といたしまして、現行は千七百円と相なつておりますが、これを二千二百円に改正しようといたしますことは、先般行われました公務員の出張旅費規定の改正と、その趣旨を同一にいたしておるのであります。 今回の改正は以上の三点にきるのでありますが、私どもはこれをもつて十分なりといたすものではありません。さらに十一月の二十八日にも、全国の留守家族の代表者約三十名が、在外同胞引揚問題に関する特別委員会に陳情のため参られまして、いろいろと事情をお聞きいたしたのでございますが、朝鮮動乱及びこれに伴います引揚げの困難が、なかんずく中共地区におきましては、すでに引揚げの準備を終つた残留者が、各種の事情のために引揚げをはばまれております現状が、留守家族としていよいよ憂慮を深めつつあるばかりでなくて、その上経済的にもまつたく行き詰まつております実情が、全委員の胸を強く打つたのであります。申し上げますまでもありませんが、今回の改正によりましても、留守家族などを十分に満足せしめ得るものでは決してありませんが、さきにも申しましたように、本改正案の裏づけとなりますところの財源の問題も考慮いたしまして、今回の改正では以上申し上げました程度でやめなければならなかつたような次第でございます。この未復員者給與法は元の軍人、軍属をその対象としておるのでありますが、本法の規定が改正せられますと、特別未帰還者給與法の規定によりまして、中共地区などに残留いたしておりますところの一般邦人にも、自動的に均霑いたしますことを特につけ加えて申し上げたいと存じます。 未復員者給與法及び特別未帰還者給與法の実施の面でございますが、本法の適用の対象やその他の点につきまして、必ずしも十分でないところもございますが、これらの点につきましては、さらに特別委員会といたしまして努力を続けまして、これら法律の精神を実施上に十分に生かしたいと存じておる次第でございます。 以上簡單でありますが、未復員者給與法の一部を改正する法律案の趣旨を説明いたしたわけでございます。何とぞ御審議の上、御賛成のほどを要望いたします。 なおつけ加えて申し上げておきますが、この改正案を提出いたすにあたりましては、ここにおいでであります衆議院の海外同胞引揚特別委員会の若林委員長とも種々打合せをいたしまして、前例によりまして参議院の方で提出をしたということでございます。どうかその点もつけ加えて御願いしておきます。
○夏堀委員長 提案の説明は終りました。なお本院の海外同胞引揚に関する特別委員会より、本案に関し意見を述べるため、当委員長が発言を求められておりますので、この際これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。若林君。
○若林海外同胞引揚に関する特別委員長 ただいま参議院の内村委員長から、本委員会に議題となつております本法案に対する御説明があつたのでありますが、衆議院の海外同胞引揚に関する特別委員会が、この法案の立案に関係いたしました概要を御報告申し上げたいと存ずるのであります。 本法案に関します趣旨につきましては、第八国会以来種々問題になつておりまして、関係当局ときわめて真摯な態度で質疑応答が重ねられました。その結果当然この法案のいわゆる一部改正をすべきであるという結論に、委員会といたしましては到達いたしたのでありまして、十月の四日にこれに関する小委員会を設置いたしまして、私が委員長に就任をいたしまして、この立案の趣旨に沿いまして、各関係の大蔵省その他厚生省、なお関係方面に対しましてもこの趣旨の実現方に努力をいたしたのでありまして、今日ただいま参議院の委員長から御説明になりましたような趣旨におきまして、政府当局並びに関係方面との折衝もきわめて順調に進みまして、本法案を参議院から提出されるようになつたのであります。内容について、少し蛇足だと思いますけれども、つけ加えておきたいと思いますのは、この数字の根拠についていつも問題になつておるのでありますが、この数字の根拠につきましては、過般来たびたび当委員会におきまして御審議を煩わしましたときも、同じようにその数字の根拠については、確たる根拠を認むることができなかつたので、はなはだ遺憾なのでありますけれども、インフレの進行その他一般公務員あるいは国家公務員の給與に関する増額の線に沿いまして、本改正案に盛られました趣旨が大体妥当なりということにおちついておるのであります。一応一つだけの例をとつてみると、たとえば今度盛られました千円の増額にいたしましても、実際の国内におきます公務員との差から考えまして、先ほど雲泥の相違というお言葉がありましたように、まだまだ満足べきものではないと考えまして、将来とも財政の許す限り人類愛と申しますか、人道的の立場から増額に努力すべき考えを、特別委員会としては堅持いたしておる次第なのであります。 この法案は衆議院の特別委員会におきましても各党一致いたしたのであります。なおこの法案の立案にあたりましても、終始参議院とともどもに歩調をそろえておつたのでありまして本院の引揚に関する特別委員会におきましても、今回は衆議院から提案したらどうかという話もあつたのでありますけれども、終始きわめて熱心であられます参議院の先議ということに円満に話合いがつきまして、参議院から御提案をお願いしたような次第でございますので、この大蔵委員会におきましても、委員各位はこの法案成立に至りました真意を御了得願いまして、すみやかに御協賛を希望する次第であります。 一言衆議院の特別委員会の意向をお伝えいたしまして、御協賛を願う次第であります。 —————————————
○三宅(則)委員 昨日来物品税の一部を改正する法律案について、皆さんから質疑をなさつたようでありますが、私は資料の要求をいたしたい。実は物品税の事柄は、局長もよく御存じの通り法律だけではわからぬのでありまして、施行細則が出て参りませんから、審議の過程といたしましてはうまく行きません。政府も忙しいと思いますが、ぜひ午後の委員会までに間に合うように、施行細則いわゆる政令に属する原案なりあるいは参考案なりを、本委員会に提出していただければまことにけつこうであると思いますので、資料の提出をお願いいたします。
○夏堀委員長 暫時休憩いたします。午後の会議は一時半から開きます。 午後零時三十四分休憩 ————————————— 午後二時九分開議
○夏堀委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 所得税法臨時特例案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案、揮発油税法の一部を改正する法律案、及び物品税法の一部を改正する法律案の四法律案を一括議題といたし、休憩前に引続き質疑を継続いたします。
○竹村委員 間接税の中でガソリン税のことについて、この提出せられた法案を見ますと、小売業者販売価格の百分の百を今度は一キロリツトルにつき一万千円、こういうことになるわけであります。この出されました二十五年度補正予算に伴う税制改正の要綱を見ておりますと、こういうふうに改正されました税につきましては、予算の上においては終始ひとしいのでありますが、改正されましても同じだけの予算を見ておられるのでありますけれども、これは一体結局におきましては、大体税金はどれだけ下ることになりますか。
○平田政府委員 ガソリン税につきましては今小売価格の百分の百を、お話通り大体今の小売価格にいたしますと、六割五分程度になるような税率にするわけでございます。従いまして三割五分軽減になります。ところでこれは本年度減税で出て来ませんのは、ガソリン税は三月の徴收猶予を認めております。精油所から引取人が引取りましてから、実際に納める期間というものを三月の徴收猶予を認めておる。従いまして本年度分は逆に減税の影響が出ておりません。来年度から減税が出て来ます。従いまして来年の予算には税法を改正しない場合と改正した場合を比べますと、相当な分の減收額が出て来るということになりまして、本年出て来ませんのはそういう納期の関係から来ます技術的な関係にすぎないのでございます。
○竹村委員 そういたしますとそれは大体予算の関係で出て来ないのはわかりましたが、税率としては大体三割五分の値下げになる、こういうように承知してよろしいのですか。
○平田政府委員 お話の通り三割五分になるのではなくして、一○○%の税率が六五%程度の税率になる、つまり三割五分引下げる、こういうことでございます。
○竹村委員 それから引続きまして今度は国税庁の方に、滞納のことについてお伺いいたしたいのであります。実は滞納の分について資料をいただきました中で、少しふに落ちないのは、大体源泉所得の中で滞納額が多く現われておるわけでありますけれども、これは一体どういう形になつておるのでありますか。給料取りの方ではもう納めておる。源泉だから差引かれて徴收されるのに滞納になつておる。しかも相当な額に上るわけでありまして、これは一体どういう事情であるかお聞かせ願いたい。
○平田政府委員 源泉所得税が滞納になつておりますのは、御承知の通り源泉所得税は毎月その翌月の十日まで納めなければならぬということになつております。それが会社の事情その他によりましてやはり滯納になつておる向きがあるようでございます。おそらく会社の金繰り等の関係がうまく行かないで、滯納になつておるのが大部分だと思いますが、これもここに計上してありますように過年度分で約五十億、本年度分で四十二億八千万、これはやはり今申し上げましたような滞納額であります。
○竹村委員 そこで問題になりますのは、たとえばいろいろ納期や何かの関係で、本年度を別問題といたしましても、過年度分につきましても五十億余りあるわけでありますけれども、こういうものを会社側がとつておいて納めないということは、結局におきましては、これは勤労者あるいは労働者が全部拂つたものを、会社が他に流用しておるという形になるわけでありますが、一方納めておるにもかかわらず、この中間においてこれを納めておらないというような問題は、私は一般の滞納とはちよつと違うと思うのであります。これに対しまして一体どういうような処置をとられるか。あるいはいたし方なく普通の形で滯納を漸次処理して行くという考えでおられるのか、その点をお伺いいたします。
○平田政府委員 お話の趣旨はごもつともでございまして、私ども会社側が勤労所得税を滞納するということは、普通の場合より以上に質が悪いというように考えております。これは盛んに強制処分等をやりまして、徴收に勉強いたしておるわけであります。ただ御承知の通り大分会社も金繰りで困つておるし、あるいは破産一歩手前というようなものもございますけれども、他方においてはどうしても過年度分の滞納が、まだ納まつてないというのも中にはあるようであります。中には破産に近い状態になつている部分もあろうと思いますが、そういうものにつきましては、お話のような趣旨からいたしまして、極力徴收の促進をはかる考えでございます。
○竹村委員 一方勤労所得税において、会社の金詰まり等で税金を滞納させておいて、一方においては税務署においては乱暴きわまりないことをやつている。税法から考えても考えられないようなとり方をやつておられるのが各地にある。これは先般からおそらく各委員によつて言われたと思いますが、その代表的な一つの例を申し上げたいと思います。これは東京の池袋で行われたことでありまして、これは高橋国税庁長宿も陳情で聞いておられるのでありますけれども、池袋におきましては税務署から差押えに行つた人が、その店の品物を、たとえば青物屋であつたらくだものその他の品物を差押えると言つて、面接その日ただちにその店の品物を差押えてきようは半額で販売するという広告を大書してその日に行つてすぐ店の物を押えた。そうして半額で売りさばくのだと言つて売つてしまつた。それを税金として持つて行つた実例があるのであります。かようなむちやなやり方を小さい商売に対してやられているわけでありますけれども、こういうようなことに対して一体どういうふうに政府の方は考えておられるか。こういうことをやつた税務公務員はそのままほうつておかれるのか。この点が一つ、これは答弁を聞いてみると、間違いだ、むちやだと言われますけれども、現にこうやつている。これは答弁のための答弁としてでなく、実際十月二十六、七日にやつたのでありますが、ずいぶん長いことやつているのでありますから、こういう税務署員をやめさすとか、何かそういうことをやられた被害者に対して、どういう処置をとられるか、これを聞きたい。
○平田政府委員 滞納処分にあたりましては、もちろん法律の條件に合致するような方法でなければならないということは、これはもちろん論ずるまでもないところでございまして、私ども極力違法な滞納処分を行うようなことはないように監督を加えて指導しておるわけでございます。今お話のケースがどういうケースでありますか、これは私はちよつと存じませんので、その場のケースについてどうだということを申し上げるわけに参りません。国税庁におきましても監督官というものがおりまして、そういうものにつきまして不当なる処分があつた場合は、即刻是正せしめたり、あるいはさらに故意に不当なことをなした者に対しては適当な責任を問うようなこともいたしておりますので、御了承を願いたいと思います。
○竹村委員 これは東京の豊島税務署でございますが、十月十三日に行われたことです。そのほかの状態はどうであろうと、そういう局長の答弁もありますが、状態はどうであろうといきなり差押えに出て来てそうしてその商売の品物を押えた、これはくだものですが、今まで十円したりんごを五円で売る、そういうふうに触れまわつてどんどん列をつくらせて売つてしまう。その売上金を持つて行く。これはどんな事情があろうと言語道断だと私は思う。そういうことが豊島区にあつた。私は一箇所の例を言つておりますけれども、一箇所じやないので、これはあとにもまた例が二件も三件もあつたわけであります。わざわざこの本人が高橋国税庁長官に会つて、そうして事情をはつきり話しているのです。長官の方もこれは今後何とかする、何とか考えなくちやならぬ、こういつているというのですが、そういうことがやられたとすると、この場合質問するのはどうかと思いますが、いかに特例法をこしらえて税制を改正いたしましても、国会できまつた法律以外のことを平気でどんどんやる。税務署員がかつてにそういうことをやるということになりますと、いかにここで審議いたし、決定いたしましても何にもならない。実際に行う者が法律にないことをどんどんやつたら何にもならない。だから私はこういう点を聞くのでありますけれども、一体豊島区の税務署のそういうことも、十月から今日まで大分長く日がたつておるのですが、どうでしよう。これは国税庁の方がおられましたら何ですが、首切つたか、どういう処分をされたか。監督官がいるというなら監督官はそういうものに対してどのような監督をしておられるか。その点を聞きたい。
○平田政府委員 今の具体的なケースの場合でございますと、これは調査の結果を申し上げませんとかえつて適切を欠くおそれがございますので、必要でございますれば国税庁から答えてもらうことにいたします。
○米原委員 ちよつと関連して……。この問題については各党の代議士が国税庁長官に申入れをしておるのでありますが、そのときには国税庁長官からは、これはけしからぬという回答でありまして、一時はそういうやり方をやめておつた。ところが再び最近ではまたやつているということを一昨日聞きまして、実にけしからぬ話だと思うわけなんです。こういうことに対して大蔵当局としてどうお考えになるか。まあ事実を調べなくちやわからぬという点はあるでしようが、そういうことでなくて、そういう差押えのやり方、これについての見解をひとつここではつきりさせておいてもらいたいと思います。
○平田政府委員 今申し上げましたように問題は具体的問題に触れているようでございますから、むしろそういう問題につきましてはその具体問題を調べて責任のある者から直接お答えした方がいいと考えますので、国税庁から調査の結果に基きまして、適当な機会に御説明いたさせます。
○米原委員 ちよつとさつきのに関連して……。滞納のこの表の中の例の源泉所得税のことでございますが、今年度の滞納は四十二億、ところが昨年度の方が多いわけです。これはどういうわけであるか、この点をちよつと説明していただきたいと思います。
○平田政府委員 これは御承知の通り会社等も大分経営が立行かなくなり、事業を縮小しあるいは事業の運営を一部休止し、あるいは場合によつては破産しているようなものも中にはあるようであります。そういう会社の場合は、何と申しましてもなかなかに解決しがたい問題がありまして、もちろん役所としましては鋭意税金の徴收に努力いたしておりますが、なおこの程度残つているというのが実情であろうと考えます。
○米原委員 その点ですが、私はことしの初めでありましたか、国鉄の労働組合の方をまわつたときに、こういう話を聞いているのです。この委員会で問題になりました超過勤務手当とか夜勤料とかいろいろの手当があります。これに対して勤労所得税を全部かけておる。ところがこの点については以前は相当——まあ法律上はどうでありますか、以前からそうだつたと思いますが、実際上はルーズだつたというか、国鉄の場合には以前にはかけていなかつた。ところが今年になりましてから昭和二十一年分、二十二年分の超過勤務手当、そういうものまでさかのぼつて税金とり始めたということを一部で聞いたのでありますが、こういうことが行われておる。そういうものがあるために、過年度分の源泉所得税の滯納がたまつておるんじやないかと思うのですが、この点はいかがか聞きたいのであります。
○平田政府委員 おそらくこの中には、若干課税について納税者と見解の相違があるために、円滑に納まらないというのも中にはあると思いますが、大部分は会社の経営が非常にうまく行かなくなりまして、何としてもなかなか納まらないというのが、大部分であろうと考えております。なお国鉄の問題につきましては、私もちよつと聞きましたが、従来は大体実費弁償なりや給與なりやという解釈につきまして、必ずしも納税者による趣旨が徹底していなかつたところがあるようでございます。その結果、最近になりましてから見つかりまして、紛争を起しておるような例が確かにございまして、国鉄の場合もその一例だと考えておるわけでございますが、その辺のところはあくまでも解釈を統一しつつ、実際の運営においてもできる限り何とかりくつのつく限り、円満に円滑に行くように仕事を進めることになつておりますので、国鉄の場合はいかように解決しましたか、まだ今日聞いていないのでありますが、そういう趣旨で話合いが進行していたものと了承いたしておるのであります。
○米原委員 その点は、私は勤労所得に関してははなはだ重大だと思うのであります。本委員会でもそういう意見が大分出ましたが、超過勤務手当とか夜勤料というようなものに税金をかけることには、私は大分問題があると思います。しかも二、三年前のまで今になつてひつぱり出して滞納整理するようなやり方は、実際問題としては非常に労働者に対して——現在でも生活できない税金だと言われておるのに、そこに二、三年前の税金を勤労者の所得の中からとつて行くということは、重大問題だと思うのでありまして、この点は全部御破算にしてやられることを希望するわけであります。そこで超過勤務手当の税金に対する考え方でありますが、シヤウプ氏の第二次勧告案によりますと、この問題についてこういうことが書いてあります。こういうふうに、そういうものにまで税金をかけて、労働者自身の勤労意慾を失つて行くということに関連して、たといそういうふうに税金が重くても、「日本経済の総生産力に減少を来すということにはならないであろう。充分な仕事は持つていないが、片手間に雇われている労働者、或いはいつでも雇われる態勢にある労働者達が、余剰労働力を作つているようである。従つて、或る労働者が勝手気儘に超過勤務を止め、或いは欠勤戰術にで、或いは出来高拂賃銀制の下でノロノロ働いたとしても、その余分の生産をすべく待機している他の労働者が存在しているであろう。」こういうようなことが第二次勧告案にあるようでありますが、そういうことになりますと、つまり最近ならば、特需景気に関連して超過勤務は多くなつております。臨時工やなんか雇つておる工場が非常に多い。工場によつては臨時工の方が本工より多いというような形のものがあるわけであります。そのように半失業者、失業者が非常にたくさんふえておる。それを臨時雇い的に使いまして、それによつてむりやりに超過勤務をやらして行くことを合理化する、そうい考え方がこの中にあると思うのであります。先日池田大蔵大臣は、この委員会で、大臣としては第二次勧告案には何も全面的に賛成じやないというようなお話がありましたが、こういう点について当局は現在どういうふうに考えておられるか。この超過勤務手当に関する問題について、こういう考え方で行けば、もう失業者の圧力によつて——厖大な失業者があるから、君たちが超過勤務手当についてぐずぐず言うならば、お前たちは首を切つてもいいんだというような態度で圧力をかけることができる。そういう意味でこういうものには税金をとつた方がいいというようにもうかがえますが、こういう考えに当局は賛成であるかどうかを聞きたいのです。
○平田政府委員 私どもも超過勤務手当に課税しますのは、やはり所得であるからという、それが最大の理由でございます。もちろん所得税というものは、働いて收入がよけいになれば当然よけいかかる。それが所得税の本質なんでございます。ただ私も、ちよつと働いて收入がよけいになつたからといつて、生活の低いところへ相当高い税率がかかるようになるのはおもしろくない、こういう考えを持つているわけでございまして、従つて税率につきましても八万円、十二万円というような刻みをなくしまして、その辺の階級刻みを荒くしまして、超勤してちよつと所得がふえたために、四〇%も五〇%もとられるようなケースは、できるだけ少くなるようにしようと、こういうことにいたしましたわけであります。今度の税法によりますと、今までは課税所得二十万円を越えますと五〇%の税率——これはもちろん家族控除も基礎控除もした後の課税所得ですから、この間も説明しましたように、子供三人になりますと、勤労控除、家族控除、基礎控除を入れまして現在約八万五千円くらい引きますので、それを引いた残りが二十万円ですが、それにしましても二十万円を越えますとすぐ五〇%になる。これはどうもやはり勤労意慾等を阻害するところが大きいという点を考えて、その辺の税率も四〇%になつているわけです。この辺の税率を少し軽くしたから、大きな方の所得者に大分有利な待遇を與えるじやないか。一部にそういう批評をする人もありますけれども、これは当らないと思う。今の状況から行くと、その辺の所得は労働者といえども達し得る所得だと、私もシヤウプさんに申したのです。その辺の考えはおそらくシヤウプさんも若干議論にとりまして、そういうことを言つていると思いますが、シヤウプさんの考えは別といたしまして、私どもといたしましては、相当多数の人がすぐ達し得るような所得の増加した場合の限界で、これはあまり高くてはおもしろくないという意味で、税率の改正について今度提案しましたような考え方を採用し、提案するようにいたしたわけであります。この十五万円で三五%、家族が五人になりますと、今度の税法では約十万五千円引きますので、年所得が二十四、五万円くらいですと、超過勤務で所得のふえた部分について三割五分で、この程度でありましたならば、今の所得税は一般的に重いときでございますから、まず勤労意慾を阻害しないで働いてもらえるのではないか、こういう考え方を持つておるわけであります。税率につきましては私どもそういう考え方からしまして、シヤウプ勧告にかかわらず、できる限りそういう弊害を除去しよう、このように考えておるような次第であります。
○米原委員 ただいまの御答弁では、一般的な今度の改正案についての先日から承つている答弁以上に出ていない。私の聞いていますのは超過勤務の問題で、ことに朝鮮事変以来超過勤務の問題は、最も大きな問題になつていると思う。それをどうするかということなんです。これは所得があれば課税するという、單に法律的な考え方だけでは解決つかないと思う。本来は基準法で労働時間がきまつている。それ以上働くというところにまた税金をかける。ところが現在の状態では、むしろ超過勤務がどこの大工場でもほとんど普通の状態なんでありまして、そういうときに一番根本的な問題だと思う。ですから超過勤務の点について、これをもう少し今後減税する意思はないかどうか、この点をもつとはつきり御答弁してもらいたい。
○平田政府委員 私はその問題に答えているのです。超過勤務は所得だから、所得からはずすわけに行かない。はずせばかえつて不公平な場合が出て来る。しかし普通の労働者がちよつと超過勤務をしまして税率が五〇%もかかるのでは、これでは非常に勤労意慾を阻害する。従いまして所得税の税率を全体としてできるだけ軽減いたしまして、そのような支障をできるだけ少くしよう、そういうことによつて解決しよう、こういうわけであります。はずすという方法によつて解決するのは所得税の本旨に反する。ですから課税はしますが、しかし相当多くの労働者が超勤をもらえばすぐ五〇%かかるような、そういう税率を直すということによつて、今のお話のような問題を解決しよう。それが正しい所得税の解決の仕方じやないか。私どもはこのように考えておる次第であります。 —————————————
○夏堀委員長 それでは本日本委員会に付託に相なりました旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案を議題といたしまして、政府当局より提案理由の説明を聽取いたします。西川政府委員。 —————————————
○西川政府委員 ただいま議題となりました旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案を提案いたしました理由を、御説明申し上げます。 御承知のように恩給及び一般の共済組合の年金は、終戰後の給與改訂に伴いまして、逐次その額が改訂引下げされて参つたのでありますが、旧陸海軍共済組合、外地共済組合等の共済組合の年金は従前のまますえ置かれ、今日におきましても、年平均三百五十円程度のきわめて低い年金が支給されておるにすぎず、これら共済組合の年金受給者の現在の窮状は、見るに忍びない状態にあります。よつてここにこの法律案を制定し、これら共済組合の年金受給者の年金を改訂いたしまして、恩給及び一般共済組合の年金との権衡をはかり、もつてこれら年金受給者の生活の安定に資せんとするものであります。 以下簡單にこの法律案の要旨を御説明いたします。 まず今回の年金の改訂は、昭和二十六年一月以降一般公務員の給與の改訂が行われることを予定いたしまして、その年金の額は従前の年金の算定の基礎となつた俸給を、新給與の基準に引直して計算することといたしました。しこうしてこれに必要な費用は国庫より補助することといたしたのであります。しかしてこれら年金の支給に関する事務は、統一的に処理することを適当と認め、一元的に共済組合法に基いて設立されました共済組合連合会をして取扱わしめることとし、他方これに伴いまして、これら旧陸軍共済組合等の権利義務は、原則として同連合会に承継させることといたしてあります。 なお連合会がこの法律に基きまして行う年金支給に関する事務等につきましては共済組合法に基く本来の業務とは別個に、特別の会計を設けてこれを区分経理させることといたしてあります。 次に、日本製鉄八幡共済組合の年金受給者のうち、昭和九年一月三十一日以前、すなわち官業共済組合時代の年金受給者の年金額を、この法律の規定に準じて改訂いたしました場合には、国庫はその年金の改訂によりまして、必要となる責任準備金の増額分に相当する金額を、一時に八幡共済組合に交付することといたしました。 以上この法案の主要なる点を御説明いたしました次第でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○夏堀委員長 所得税の質問をやりますか。——竹村君。
○竹村委員 長官が来られましたのでお伺いいたしたいのであります。さつきも少し聞きましたが、東京の豊島税務署管内で、商売人の家へ行つて差押えた品物をその日に半額で売渡した。これはすでに長官も陳情を聞いておられると思いますが、これに対して善後処置をどうしたか。またその税務署のやつたことは落度がないと思いますか。それに対して処置をどうしたか。
○高橋(衛)政府委員 豊島税務署の管内で、ある水菓子屋さんの滞納の処理について、その当時滞納処分をいたしまする税務官吏がその店に臨みましたところが、ほかに差押えすべき物件がございませんので、そこに商品として在庫しておりました水菓子の処分をいたしたいということで、その当時の取扱い官吏の話によりますると、御本人の承諾を得ておつたということであつたのでありまするけれども、とにかくその商品を五割引で販売いたしましてその代金を滞納処分の執行として実行いたしたという事柄があつたのであります。この件に関しましては、先般陳情もございましたし、私どもといたしましても十分に調査をいたしたのであります。税務署側としては十分に御承諾を得ておつたということを言つておりまするけれども、とにかく証拠として御承諾に関する書類は持つてないのであります。そういう意味をもちまして、今後もしもそういうふうな必要がある場合におきましては、必ず法規に照して——その場で売ることがより納税者に有利であるという場合百が多いか思うのでありますが、そういう腐りやすい物品等につきましては、そういう場合におきましては御本人の承諾を得て実行するように、しかしながらそういう腐敗しやすきところの物品を差押え等の処分をするということは普通の場合においてはなすべき事柄でないのでございますから、できるだけ避けるようにという趣旨のことを、十分に徹底いたしておるのでございます。
○竹村委員 今聞いておりますと、本人の承諾を得ておつたから、その場で五割引で売つた、腐敗しやすいやつであつたから、そういう事情でやつたと言われますが、しかしそういうようなことが頻々として行われましたならば、食料品を扱つている商売人は、おそらく滞納なんかいたしますと商売は成立たぬと思う。少くとも今日その場で売つている商品を、その場で押えて、五割引で売つたということになると、みな売れてしまうに違いないけれども、商売は成立ちません。従つて陳情によつても聞かれたと思いますが、その人はその後非常に困つて、実に商売もできないというような状態になつているわけであります。長官として、これは品物を押えても、本人の承諾さえあればいいと言うけれども、おそらく脅迫的にやれば、いかぬと言つておつても承諾したものとしてやられるでしようがいかにこの税法をどういうふうに改正いたしましても、実際滞納処分を行うにあたつて、われわれから見れば暴挙と考えられるようなことが公然と行われて、それに対する処分も今後注意するしいう程度で済むならば、おそらくこれ一件でなしに、われわれの知らない範囲において何件も行われていると思うのであります。そういう商売人のものを、たとい有利であるとしても、その日十円で売つているものを五割引の五円で、すぐその場で売るというようなことを、当然と国税庁として考えておられるのか。そういうことは当然やめさすべきであると思うのでありますが、どういうふうにお考えになりますか。
○高橋(衛)政府委員 先ほど御指摘の具体的な事例につきましては、何分にも五割引というような非常に大きな割引をしておつたということ、それから御本人の承諾を得ておつたということをはつきり言つておるのではございますが、正式の書類による承諾書をとつていないという点、それらの点から考えまして、処置は妥当でなかつたというように考えておるのでございます。しかしながら最近の滞納の実態を見てみますと、税金を滞納しておつて、たとえば店の設備の拡充をいたしまするとか、あるいは商品の在庫を著しく増加するとかいうような事例が、ままあるのでございます。言葉をかえますならば、滞納しておる税金をもつて、新しい商品の仕入れなり設備の拡充なりにまわしておるという事例を見受けるのであります。私どもはこういうような者が最も悪質な滯納者であるというように考えておりますので、商品であるから差押えをしないというふうな考え方は毛頭持つておりません。
○竹村委員 私は先ほどもちよつと伺つたのですが、そういうような小さい商売人に対しては五割引というようなひどいやり方をやられる。しかしながら今後も悪質なものがあるから、とにかく商品等の差押えなんかはやめる気はないという。もちろんやめる気はないかもしらぬし、そういう押えることを差押える必要はないかもしれませんけれども、実際におきまして五割引というような形で売つたものに対するところの損害等はどうするのか。もう一つは、私は源泉課税の滯納等の表をいただいたわけでありますけれども、この源泉課税の滯納には、過年度あるいは本年度に至つても相当多くの滯納がある。これは勤労者やその他が拂つているわけです。それを滞納している。こういう会社に対しても、片つ方の小さい商売人がやられたところの公売手続と同じような形でやられているかどうか。これは本人は納めているのに、それを仲介した会社が納めないで、これだけ多くの滞納をしている。こういうものに対してどういう処置をとられたか。ところがそういうものはほうつてある。ここが大きな問題だと思う。こういう源泉課税をとつておきながら、それをその会社の経営のいろいろな点において流用しておる。このものが一番悪質であつて、このものに対してはそのまま置いておく。一方先ほど言つたように水菓子屋のような小さいものはびしびし押えて、その場で五割引で売つて破産せしめて行く。こういう関係から考えましても、非常にその点は不当だと思うのでありますけれども、こういうような点について一体どういうような処置をとられたか。この会社は、もう一ぺん拂つた税金を預かつているのだから、こういうものに対しては、会社がつぶれようがどうしようが、どんどん会社を差押えているかどうか。
○高橋(衛)政府委員 国税庁といたしましては、原則として大口の滞納者からまず整理するという考え方で当つておるのであります。しこうして源泉所得税の滞納の金額も、最近相当上つて参つたのでありますが、その実態をよく調べてみますると、現実に会社がほとんど支拂い能力がなくてわずかに従業員に対するところの給與の一部分を、しかも遅配になつて拂つておるというような事例が多いのであります。従いまして必ずしもそれにのみ強く当るということが妥当であるとは、考えておらない次第であります。
○宮腰委員 国税庁長官にお伺いしますが、実は物品税の中でも、水あめの物品税並びに甘味剤の物品税が非常に高いために、やみの業者が非常に増大いたしまして、ことにわれわれ大蔵委員会が北海道を調査に行つた場合も、正規の業者が店を畳んで、やみの業者があめ屋を盛大にやつているようなところがたくさんあつたのであります。そこで業者からも大分陳情があつたのでありますが、その陳情の業者の言われるのには、あめのやみ業者が非常に多いから、ぜひ取締つてほしいという要望もあつたので、われわれは国税局まで行つて、その事情を監察課長に聽取したのであります。その対象の中で千葉県は非常に多いようであつたのでありますが、監察課長は国会の大蔵委員会が開かれるまでに、十分調査して報告するというお話であつたのであります。その後そういうようなことについて、調査の報告が国税庁長官まで来ておりましようかどうか。
○高橋(衛)政府委員 私も先般北海道に参りましてそういうふうな陳情を受けたのであります。同時に向うの国税局並びに税務署におきまして、やみの水あめの物品税の述脱についての摘発を、各税務署において相当最近やつております。小さいあめ屋など、五十万、七十万円と来て破産に瀕しておる。この問題をどうしたらいいかというようなことについて、非常に頭を悩ましておるような状況でありまして、相当積極的にこれが取締りに当つて参つておる状態でありますが、詳しい統計的な資料はここに持つておりません。
○宮腰委員 平田局長当お伺いしますが、医療器械の物品税の問題で、各條文を見てもどうも判明しないのでありますが、医療器械なんというものは、物品税をとるべき性質のものでないように思うのでありますが、局長の御意見を伺いたいと思います。
○平田政府委員 物品税法施行規則の第二十六條により、物品税を免除する物品を法律に基きまして定めております。それによりますと、医療用に供するものは、原則としまして免除することにいたしております。
○宮腰委員 そうすると、その條文によりますと、たとえばたな類なんかも、道具を入れるたなもあるし、器具を入れるたなもあるのでありますが、こういう場合は医療器具を入れるたなは免税になるのでありましようか。あるいは一般の他の家具と同様に取扱うのでありますか。
○平田政府委員 これはお話のように、たとえば普通のテーブルをお医者さんが使うというのは、これはどうも医療用と見るわけに行かぬと考えております。その物の性質に顧みまして医療の用に供せられるようにできておる物は、免除することにいたしておるのであります。
○宮腰委員 医療器械に関するものは、一切免税するとおつしやるのですか。
○平田政府委員 一切という言葉は少しどうかと思いますが、今申上げましたように、医療用に供する目的でつくられておりまして通常医療の用に供せられる物、そういうものは免税せられることになつております。
○川島委員 国税庁長官が見えておられますから、ちよつとお伺いいたします。この間からも問題になつたのですが、滯納額がたいへん累積されて実に一千億になんなんとするゆゆしい事態が生じておるわけです。この滞納に対して、政府としては、まず第一に過年度の滞納の整理に重点を置き、次に本年度の滞納の整理に当る、こういう御方針のようでありますが、この過年度の滯納ですらも、八百億に近い厖大な額が残つておる。これを整理いたしまして、国税庁としては一体どの程度まで、年度内に回收ができるという見込みを持つておるのであろうか。それをひとつ伺いたいと思います。
○高橋(衛)政府委員 年度初めに繰越しの滯納額が千二百億円を越えておつたのであります。そのうちどの程度整理できるかという問題につきましては、実は確たる見通しを持つておりません。しかしながら、予算に計上せられておりますところの、たとえば申告所得税について、二百七十五億円というものが、過年度繰越し分からの收入として予算に計上されておりますが、この程度のものは何とかして收入し得るのじやないかと考えております。
○川島委員 そうすると滞納額の三分の一ということになりますか。
○高橋(衛)政府委員 現金收入としては、そういうことになります。
○川島委員 その事柄と関連してお伺いするのですが、長官もさだめし御承知と思うが、地方税の滯納が至るところに累積されておる。私の知つております範囲におきましても、地方税ことに市町村民税のごときは、第一期分が三割か四割、第二期は今行つておりますけれども、これがまだ一割も入らぬというようなところがある。これがおそらく全国的な現象になつておる。この地方税の徴收と国税の滞納の整理と本年度の国税の徴收と、こう一つに重なつて競合して来るわけです。そういう競合の形でやりますことは、結局地方の徴收にも影響し、また国税の徴收の上にも影響がある。これを何とかして競合せぬ形で、地方と国とが調整しつつ税收確保の道を講ずるという事柄が、きわめて財政上も必要だし、また納付する納税義務者の立場からいたしましても、そういう形をとつてもらいたいと私どもは考えておるのでありますが、その点についてはどういうお考えでありますか。
○高橋(衛)政府委員 地方税と国税との徴收がうまく連絡がつき、そして各人についての総額がわかつて、はつきり計画が立てられる、また双方に完全なる協力がなし得るという状態であれば、お話のようなことができ得るかと思うのでありますが、何分にも各地方団体の実際の滞納状況というものを、われわれは具体的に知り得ないのであります。従つてその個々の人についてどの程度向うに滞納があるからどうするという方策は、今のところとうてい立ち得ないかと考えるのであります。ただ制度上の問題としては、これは私の主管ではありませんけれども、それぞれ納期その他について、できるだけの配慮をしておると考える次第であります。
○米原委員 この際国税庁長官にもう一点お伺いしたいと思います。先ほどは豊島区の豊島税務署における点について聞きましたが、これとまた違う形でありますが、われわれ非常に不当な差押えとして考えられる例が、横浜の南税務署にある。先日も本会議の席上でわが党の方からも質問があつたわけでありますが、横浜の浅倉病院がこの間差押えをされた。それは三十八万円ほどの税額が非常に高いというので異議申立てをしておつた。これが却下されて、一部は納税して、苦しいがもう少しあと続けると言つておるうちにやつて来たわけであります。ところかそのとき警官を動員して来た。これは明らかに違法だ。ここは結核病院でありますが、気胸の器械とか、現に患者の寝ておるベッドまで持つて行こうと言う、こういうことから騒ぎになりまして、その結果、絶対安静中の患者を引きずりおろした。この患者は十月二十九日に死んでおります。こういう事件を起しておりますが、この問題について国税庁長官は御承知でありますか。またどういう処置をとつておられるか伺いたいと思います。
○高橋(衛)政府委員 ただいまの事件は、私はよく承知しておりませんので、ただ推測のもとにいろいろお答え申し上げますと、誤解を生ずるおそれもあるかと思いまして、十分調査いたしました上でお答え申し上げたいと思います。
○有田(二)委員 他の委員からもいろいろお話がありましたが、国税庁の長官以下幹部は非常に良識があるからいいのでありますが、下僚官吏の中で行過ぎが相当多いのであります。今の竹村委員の質問に対しても、一応行過ぎだという長官の御答弁がありましたが、單に行過ぎとして看過しないで少くとも長官初め直税部長においては、ぜひとも行過ぎのないように、将来ともできる限りの努力をされるように要望いたします。 —————————————
○夏堀委員長 塩田等災害復旧事業費補助法案を議題といたします。本案につきましては、すでに去る一日質疑打切りとなつておりまするので、本案を議題として討論に入ります。三宅君。
○三宅(則)委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりまする塩田等災害復旧事業費補助法案に対しまして、賛成の意を表する次第であります。 本法案の趣旨に対しましては、御承知の通りわが国重要産業でありまする塩田に対しまするところの補助法案でありまして、全国の面積は塩田におきまして五千ヘクタール、塩田の防波堤におきましては八百七十キロの延長を持つておるのでありまして、本年の災害におきましては、塩田におきまして八四%の被害があり、なお防波堤におきましては一五%の災害をこうむつたのであります。こういうような災害をこうむつた際におきまして、早く法律をつくつてこれを救済復旧するということは、緊急欠くべからざるものであるということによりまして、私どもは賛意を表しておるのであります。その災害の復旧に関しまして、政府原案によりますると、補助に対しましては、塩田について五〇%、堰堤いわゆる防波堤について六五%を補助することになつておるのであります。もちろん今年の災害が大きかつたために、全段階において八億五千万円を見込まれておるのでありますが、私どもは、この際過去のことを申し上げまするが、これを参考にいたしまして、政府も大いに善処せられたいと思う次第でございます。少くとも昭和二十年もしくは二十一年の災害がありました場合におきましては、塩田におきまして八五%、防波堤において九〇%の災害補償をいたしておつたのであります。しかるに今年はそれよりもむしろ減額されたのでありまするからして、これは向うとの関係もありましようが、主要産業でありまする塩田等につきましては、将来ますます国庫の補助を多くするという線を強く出すことが、要望せられている点であると考える次第でございます。 次にもう一つ申し述べておきまするが、この塩生産の燃料でありまするところの石炭等の産地と、塩田との距離が非常に離れておりますると、その生産の部面であるところの石炭等の運賃において、相当価格が変動いたされる場合もございまするから、将来買上げの値段を設定するときにおきましては、考慮を要するであろうということを信じておる次等でございます。 本法案に対しましては、今申し上げましたような理由により、全国民の要望である塩に対しましては、一刻もすみやかに災害を復旧する要ありということを確信いたしまして、私は自由党を代表し、賛成の意を表する次第であります。
○夏堀委員長 宮腰君。
○宮腰委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に対しては、希望條件を付して賛成するものであります。 この法案は、旧来は予算措置によつたものを、今回新しく法律を制定して出されることになつたのでありますが、今回のこの法案の内容を見ますと、今年度の災害、いわゆるキジア、ジエーンの両台風による、塩田は全体の八四%、堤防は全体の一五%の損害に対する補助金の法律化であるのであります。昭和二十五年度災害復旧の法律では、全額国庫負担となつておるのでありますが、塩の場合は別のことではございまして、これとは異にしておる法律ではありますが、塩は国民生活に重大なる関係のあるものでありますので、昭和二十五年度の災害復旧と同様な待遇をなすべきであると考えるのであります。今回の法律によりますと、塩田は百分の五十、堤防においては百分の六十五となつておりますが、この法律の内容、パーセンテージについては、ぜひとも昭和二十五年度の災害復旧費と同様な改正を、今後すべきであるという希望條件を付しておきます。また昭和十七年には七割、二十年には八割五分となつておる当時の法律から考えますと、今回の法律はあまりにこの塩田業者の救済を除外したような條項もありますので、その点についても、今後大いに改正してほしい。 また、塩田の陥没については、この法律は関係がありませんが、しかしこの塩田の陥没についても急速なる復旧をなされるという希望條件を付して賛成するものであります。
○夏堀委員長 川島君。
○川島委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本案に強い希望を付しまして賛成をいたします。 本案の提出の理由は、言うまでもなくわが国の塩の生産を確保し、しこうして專売公社の塩に関する事業の健全な運営をはかるということに、重点があるわけであります。しかるところ本委員会の質疑応答の中で判明いたしましたところによれば、この点三宅委員も触れましたように、従来この種塩田及び堰堤の災害に対しましては、予算的な措置として八割ないし九割の補助を行つて、その災害の復旧に充てて参つたのであります。しかもその事柄がきわめて長い年月にわたつて、ほとんど慣習的に行われて来た。慣習はむしろ法をつくるとさえいうことわざがあるがごとく、本来でございますならば、この予算的措置を法的な制定に切りかえる場合におきましても、従来のこの慣習を十分に尊重し、それを織込んで法制化するということが当然な措置でなければならない。と同時にそのことによつてのみ初めて塩の生産の確保、專売事業の健全なる運営を期するということの精神が一貫するものであると、私は考えるのであります。ところが法制化にあたりましては、従来のこれら補助率が一躍して一方は二分の一となり、一方は三分の二に減ぜられるという一つの矛盾がここにあるのであります。この事柄は、政府とその筋との熱意ある折衝の結果、やむを得ざることになつたとの説明がありましたので、一応われわれもその点を了承しないわけではないのでございますが、塩が專売であることは、公共性がきわめて大きいゆえであるということは言うまでもない。従つてこれらの災害に対しては、公共事業の災害復旧と同様な措置をすることこそが、きわめて塩の生産の確保の上におきましても必要なる事柄だと考えておりますので、今後政府は、この災害の補助率について、できるだけすみやかな機会に、従来の慣行を基準としての引上げ方について、最善の努力をすべきであるということを、私はまず強く希望をしておく次第であります。 なお本法の執行にあたりまして、従来の補助率が引下げられまするために、直接災害を受けました塩田業者の復旧費が相当かさむことは、言うまでもなく避けられないことでございます。中にはそのために融資を仰がなければ、その復旧を完全に行い得ないというような筋も、当然に出て来るのではないかということを、われわれ懸念いたすのでございます。この場合における面接の被害者の復旧にあたりまして、融資を必要とする向きに対しましては、政府はすべからくこれに対する積極的な熱意のある融資のあつせんについても、努力を惜しまないような態度を私は強く希望をいたす次第であります。 さらに最後に、これら被害者は、復旧するために当然莫大な費用がかかる。そのために事業そのものも経営の内容にいろいろのきゆうくつな、または困難な面か現われて参ります結果、そこに経営の合理化の美名のもとに、せつかく今日まで使われておりまするところの多くの労働者諸君が、その合理化の名において不当なる馘首をされる、あるいは不当なる労働強化が行われるというようなことの懸念もないではないと、われわれは心配いたしておるのでありますが、どうぞその点につきましても政府は十二分の留意をされまして、そういうことがないように格段の注意を喚起いたしまして、本案に賛成をいたすものでございます。
○夏堀委員長 米原君。
○米原委員 私は日本共産党を代表して、本法案に対し反対の意見を述べるものであります。 質疑の過程で明らかになりましたように、国内塩の製造施設を拡充して、これを機械化し外国塩の生産コストと同じような、これに近づけるような方策について見るに足るようなものを、何ら政府はとつていないことは明らかであります。しかも本法案によりますと、ただいま川島君も指摘されましたごとく、事実上は今まで慣習として行われておつたところの補助金が引下げられる結果となりまして、さらにこの日本塩のコストは上つて行く、こういうことになるのであります。こういう結末になつて、しかも現内閣——いわゆる自由主義を称されるところの自由党内閣のもとでこういう形で行くならば、国外塩をどんどん買えばよろしい、そんな高い内地塩は買わなくてもよい、こういう形になつて行くならば、完全に内地の塩田につぶされる結果になるやをおそれるのであります。内地の塩田をさらに機械化し、近代化して行くというようなことを何ら考慮に入れない。そうしてさらに補助金を引下げるというようなこの法案に対しては、われわれは絶対に反対であります。
○夏堀委員長 討論は終局いたしました。 次に本案の採決をいたします。本案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○夏堀委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。 なお本案に関する報告書の作成及び提出の手続につきましては委員長に御一任を願います。 —————————————
○夏堀委員長 次に税法四案に対する質疑を続行いたします。奧村又十郎君。
○奧村委員 国税庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。補正予算の中の本年度申告納税の税收見込みに問題するお尋ねでありますが、この税收見積りは、かなり甘いんじやないかということが考えられるのであります。その原因として、本年度の七月の予定申告に対する徴收歩合が、問題になつて来ると思うのであります。すなわち本年度の補正予算の申告納税の徴收の見積りは、本年七月の予定申告を土台して見積りをやつております。ところが七月予定申告の徴收歩合は、国税庁からの資料によりますと、十一月でもちまして申告額に対して收入歩合は、わずかに四四・五%であります。これはあなたの方から来ておる資料ですから間違いないと思います。昨年の同期に比較してみますと、昨年は徴收歩合は六七・三%で、今年は二割余りも徴收歩合が悪い。これはどういうわけかということであります。御承知の通りこの四月から税法改正によりまして、基礎控除、扶養控除、医療の控除、その他いろいろな軽減の措置をいたしました。にもかかわらずこの徴收歩合が非常に悪いことはどういう理由であろうか。この理由が究明いたされませんと、この補正予算における申告納税の見積りが、はつきり出て来ないと思うのです。その理由についてどう考えておられるかお尋ねいたします。
○高橋(衛)政府委員 御指摘の通り、今年度の申告所得税の第一期の予定申告に対する税收入歩合は非常に悪いのであります。昨年に比較いたしましても悪いという実情であります。しかしながらこの点で幾分比較される際に御考慮願いたいと思いますのは、今年度は法定予定申告であります。従つてこの基本になつた歩合のうちには、税額決定通知を出したものもある程度含んでおります。昨年度はもつぱら自主的に申告していただいた金額であるという点を加味して、お考えを願いたいと思うのであります。いま一つは、今年度は法定予定申告でありまして、昨年の所得金額そのままを申告されておる。しこうして申告される方につきましても、今年の所得は幾らであろうかということを予想して申告された方と幾分違つておる。そんなところにもある程度の心理的影響があるのではないかということも予想されるのであります。しかしながら、何といたしましても結論的に申し上げますならば、昨年よりも成績が悪いということを申し上げざるを得ないのであります。 しこうしてその原因といたしましては、実は過年度からの繰越し滯納が非常に多かつた。私どもとしては、予定申告の段階におきましては、法律上最終までの差押え、強制公売の処分ができないような建前になつておりますので、とりあえず最後の公売処分まで行けるところの過年度分に、もつぱら力を注いで来たということが、ある程度の原因であろうかと思うのでありますが、いま一つの考えられる原因は、朝鮮動乱に基きまして、ある程度特需景気が出て参つたのでありますが、そういうふうな特需景気が一般に浸透するのに相当な期間がかかつているので、どつちかと申しますと、ちようど経済全般が悲観的になつておつたことが、この第一回の予定申告に対する納入割合に、大きな影響を持つておりはしないかということを考えておるのであります。いま一点は、一般的な金詰まりの影響といたしまして、実は今年春の国会におきまして加算税の、今回は利子税という名前にかわりましたが、その利子税の率が元十銭でありましたのを四銭に引下げたのであります。これは十銭という金額があまりにも常識を越えたと申しますか、苛酷な状態に考えられましたので引下げたのでありますが、実情をその後詳細に検討してみますると、四銭ならば、この税金を金融的にまわして、新しい設備の拡充なり、または商品の仕入れなりにまわした方が、ずつと得だというような場合がまま見受けられるのであります。最近ずつと所得の調査を励行しておるのでありますが、ストツクの増減の割合等を見てみますると、ほとんどすべての店のストツクが、非常な増加を示しているのであります。にもかかわらず、それらの店においてやはり滞納を持つておるということは、そういうことをある程度示しておるものじやないかということを考えておるのであります。またその次には、地方税の決定が非常に遅れましたために、ちようど特需景気がある程度一般に浸透したころになりまして、地方税の納期が突如として出て参りました。しかもその地方税の金額が相当大きかつたということが、国税の納入に大きな支障を来していると考えるのであります。しかしながらそういうふうないろいろな事情はございまするが、今後も何とかして滞納の整理に私どもは全力を盡しまして、特に滞納状況のはなはだしいところの都会地に、税務官吏も集中いたしまするし、また能率を増進するところのいろいろの方策つきましても、具体的に個々のいろいろな施策を講じておるわけでありますが、そういうことによりまして何とかして年度末までに今回補正予算に盛られました程度の收入は得るように、努力いたしたいと考えておる次第であります。
○奧村委員 ただいまの国税庁長官の御説明によりますと、本度の予定申告は法定申告だ。つまり税法によつて前年の実績によつて申告しておる。つまり多少そこに強制的な気分も手伝つて納入成績がよくない。こういうふうな意味の御説明があつた。ところが、昨日の主税局長の税收見積りの際の御説明によりますと、本年は六月ごろまでに相当誤謬訂正をやつて落した。つまり最初の決定よりも相当引下げた金額を土台としての法定申告であるから、むしろ徴收歩合は昨年よりもよくなると、全然食い建つた御説明になつておる。それでこういうやり方で、はたして実際に予算通り税收がとれるかどうかということを私は案ずるのであります。それでなおお伺ねいたします。 それは、なるほど昨年と比べて所得のふえない人は、前年の実績で行こうとすればそれはむりでしよう。しかし、昨年の所得よりもふえた分については、ふやして申告する必要はない。今年通りで行くのだから、これは成績がよくならなければならぬ。いま一つは特に二割以上所得の少い人については減額承認の手段がある。これらの適切な施策を講じまするならば、少くとも今年は特に減税をやつたのでありまするからして、シヤウプさんの勧告にもあるように、特に合理的な減税を講ずるならば、徴收歩合はよくなるのだ。そういうことで徴收歩合を見てあるのにかかわらず、あにはからんや昨年と比べれば二十数パーセントも徴收歩合が悪い。ただいまの御説明だけでは納得が行きかねるのでありますが、この点いかがですか。
○高橋(衛)政府委員 奥村さんもよく御承知の通り、昨年の第一回の予定申告を年税額に直しますと、八百八億円になります。ところが、昨年最終的ではありませんが、三月までに更正決定を加えた申告と更正決定の総金額が、千九百億円ということになつております。今年度は予定申告において第一回の予定申告、これは税額通知を含めてでありますが、六百八十二億になつております。もしも昨年の率において確定申告かまたは確定更正決定までに、その程度の金額が賦課できるならば、今年度の收入ははるかに大きくなるというふうに考えておるのであります。従つてもしも法定的に昨年度の所得金額を下つてはならないというような制限がなければ、私どもの予想では、幾分小さな金額に終るのではないかというふうな感じを持つている次第であります。
○奧村委員 私はそのことをお尋ねしておるのではなしに、主税局長と国税庁長官との考え方の相違をお尋ねしておるのであります。主税局長の方では、七月予定申告においても、誤謬訂正その他であまり更正決定の金額をもととしておらぬ、つまり誤謬訂正で落した金額を土台としておるからぐあいがいいのだ、こう言うのです。ところが国税庁長官の方は、そうじやない。前年度の実績を法定申告として出してあるのだから、これはむりがあるからぐあいが悪いと言つて、全然ここが食い違つておるので、その辺の御説明を……。
○平田政府委員 私が昨日申し上げましたのは、結局確定申告——本年度の最終見込額ですね。それに対する徴收歩合を奥村さんは七五%見ておるのは少し強過ぎはしないか、こういう御意見であつたかと思います。今度私ども所得税を見積ります場合におきましては、今お話の通り誤謬訂正後の大部分——例外がございますことも申し上げておいたのですが、大部分訂正済み後の予定申告の所得金額をもとにしまして、それにそれぞれ物価、賃金等を拾いまして。確定申告で出て来べき所得税額というものを見積つておるわけであります。そうしまして、さらに今年は本法律案を出しまして、一月の確定申告の時期を二月に引延ばしているのであります。その際もたびたび申し上げましたように、国税庁におきましては、営業所得については三〇%ないし四〇%程度の個々の実額調査を実行するということで、目下すでに実行中であります。 それから一面農業所得等につきましては、標準率の調査、サンプル調査等もさらに適切化しましてしつかりした標準率をつくりまして、それをなるべく納税者等に示しまして、申告をよくするように努力する。そうしますと、今度のようなやり方をやりますと、確定申告は相当期待できるのではないか。もちろん飛躍的な期待はむずかしいと思うのでございますが、確定申告の自発的な申告が出るように努力しますれば、相当行くのではないか。そうしますと、それで出て来ましたころの税額というものは相当なものになりまするし、従いまして確定申告に対する本年度の最終の徴收できる税額を七五%程度と見るのは、そうむりではなかろう。もちろんこれは昨日も申し上げましたように、役所も相当な努力を要すると思いますし、また納税者の方々も相当な御協力を願わなくちやならぬと思います。また経済情勢が最近のような事情から反転いたしまして、ことしの上半期のような情勢を示しますと、これはまた少し違つた結果に相なるかと思うのでございますが、大体現在のような情勢が続きまして、むしろ中小企業者等につきましても、動乱の影響等が若干滲透して行くというようなことを考えますと、まずこの程度に見込みますのが妥当ではないか。ただしかしこれは容易に実現できるものとは、もちろん考えておりません。国税庁におきましても、これはよほど努力を要するものであると思いますが、しかし税法の命ずるところに従いまして、でき得る限りの努力をすることは当然のことでございますし、現在の水準におきまして、考えられる限りの要素を見込んで、このような率を出しておる次第でございます。その点御了承願いたいと思います。 なお昨年度の徴收歩合も、確定申告の徴收歩合はおそらく六十四、五パーセント、三、四倍だと思いますが、これは千九百億に対する率であります。予定申告の土台になりました千七百億にしますと、徴收率は実はもつと高くなるのであります。その辺のところは、今高橋長官からお話になりましたように、去年は予定申告に出て来ましたのが八百億、それに対しまして更正決定しましたのが千九百億、今度は一応税額も含めまして六百八十億、それに対しまして私どもの賦課の見込額が千百七十億その差から行ましきても、去年みたいな——予定申告と確定申告との税額の差も少い。これはまさに高橋さんのお話になつた通りだと思いますが、その辺の事情を考えますと、まずこの程度見込むのがいいんじやなかろうかと考えておるわけであります。ただ、つけ加えておきますが、簡單に実現できるものではございませんで、今申し上げましたような諸條件が備わるということを前提にしておりますので、その辺は御了承願いたいと思います。
○奧村委員 私はこの申告納税の徴收の成績が悪いということ、なおそのほかに地方税との競合、いま一つは特に滞納の整理が遅々として進まない、こういう事情からして收入歩合はよほど軽く見ておかなければならぬ、こういう観点からお尋ねをしたのでありますが、この点はこれ以上は水かけ論に終りますから、一応記録にとどめて将来の実績を見てみたいと思います。 次に高橋長官にもう一つお尋ねします。長官のお話によりますと、来年二月においての確定申告が大体六百八十二億出るだろうと見積つておられる。予定申告からの推定で行けば六百八十一億、予定申告を土台とすれば、それでは確定申告はどれくらい出るとお見込みになつておられますか。
○高橋(衞)政府委員 この点は非常にむずかしい問題でありますが、大体主税局で計算されました程度の確定申告が出、かつそれに対して更正決定をいたしますると、その双方の合計で、主税局で予定しました程度のものが出るのではないか、このように考えております。
○奧村委員 長官は当の責任者であられるが、非常に甘く考へておられる。確定申告に対する徴收歩合は、昨年の実績を見ますと大体七三%、更正決定に対する徴收歩合は二割九歩程度、この更正決定ついては、なかなか税が納まりにくいので、来年三月までの税收見積りをする場合に、実際に確定申告で幾ら出て更正決定で幾らと決定して実際には幾らと、徴收されるまでそれをつきとめて行かなければ、この見積りははつきりせぬ。そこでただいまお尋ねすれば、確定申告がどれくらい出て、更正決定がどれだけになるかということは、はつきり推定もしておられぬ。推定をしておられるなら、その推定に対してどれくらいとれるかということをお尋ねしたい。
○高橋(衞)政府委員 御承知の通り、私どもは税の見積りに関する資料は、十分に主税局に連絡をいたしておるのでありますが、見積りをいたしますことは主税局の責任でございますので、私の方ではお答えいたさない方がいいんじやないかというふうに考えております。 なお一点申し上げておきたいと思いますが、今回の法律の改正の中に含まれておりますように、一月の予定申告の期日を一箇月延長していただくようにお願いをいたしておるのであります。昨年は一月でありましたために、申告の指導の期間が非常に少かつたということ、いま一つは実額調査をする期間が非常に少かつた。この二つのために、納税者の個々の方に十分お話を申し上げる時間を持ち得なかつた。それが申告全体の成績にある程度遺憾な点があつたというふうに考えておるのでございます。今年はできるだけ前年分に近いところの所得の調査を昨年は一八%でありましたが、今年は何とかして四〇%程度は調査をいたしたい。そういたしますれば、納税者の方方の十分の御協力を得られるんじやないかというふうに考えておりますので、その一八%と四〇%の割合に申告が増すというふうに、甘くは考えておりませんが、昨年よりはより多く御協力を得られるのではないかと、期待をいたしておる次第であります。
○奧村委員 それでは、まことに意地の悪い御質問でありますが、お尋ねしておきます。税收見積りは主税局の方でおやりになつておるので、長官としては御答弁ができぬ。それでは主税局の方で見積られた税收を徴收することについては、長官は自信がおありになるのかおありにならぬのか。またその責任はないと言われるのか。
○高橋(衞)政府委員 もちろん予算として決定されました歳入を上げるということは私の責任であります。従つてその方面にあらゆる努力を傾倒したいと考えるのであります。この際個々の税について、はたして自信があるかないかということを申し上げることは、いささかいかがか考えますので、遠慮を申し上げたいと思います。
○奧村委員 かんじんの質問に対して、どうもはつきり御答弁がない。徴收の自信はないともあるとも言われないのですが、従来政府は、一応この見積りの税はとるという責任を持つておられるはずです。その点はそれじや国税庁長官としては、とれると断言はできないわけですか。
○高橋(衞)政府委員 もとより歳入全般として、歳入を上げるということにつきましては国税庁当局の責任でございますので、これについてはあらゆる努力を傾倒して行きたいと考えますし、また歳入の見積りにつきましては、もちろん事前に主税局等から連絡もございますので、大体歳入をなし得るという現在の段階においては、見通しをもつてこの案が提出されておるものと御了承願いたいと思います。
○奧村委員 御答弁の通り、歳入見積りを計算する場合に、国税庁長官として、主税局当局と十分お話合いの上、これならとれるという程度を見通されてこの案が出たものと思います。それならば、その見積りの出た根拠について、国税庁長官ははつきり御答弁があるはずだと思つてお尋ねしましたところ、その点についてははつきりした御答弁がなかつた。こういうふうに考えて私はそこまで念を押したわけであります。従来ややもすると税收見積りは主税局でやる。とれるとれぬにかかわらず、ともかく国税庁長官は、むりやりにその割当をして徴收する。ここに私は欠陥があると思うので、今後の徴税見積りについては、どうか国税庁長官として自信のあるところを、主税局と御交渉になつていただきたいと思います。ここをお願いしたかつたので、少しつつ込んでお尋ねしたわけであります。
○高橋(衞)政府委員 もとよりただいまお話の通りの考え方で処理いたしたいと思いますが、ただ政府として歳入の見積りについて説明申し上げ、またその計算をする責任は主税局にあります。他からいろいろと申し上ると混乱を来すおそれがあるという意味において、申し上げたわけであります。決して責任のがれではありませんから、その点御了承願いたいと思います。
○平田政府委員 ちよつと奥村さんに一言だけ、今まで申し上げなかつたことを追加して申し上げます。これは後ほど何だそういうことをやつたのかというふうに、あとで言われてはぐあいが悪いですから申し上げておきますが、申告所得税の申告の時期を一月延ばしたのであります。そうして申告で更正決定をしなくて済むように努力いたしまして、前に比べまして成績が上ることを、私ども期待いたしておるわけであります。それでもある程度の更正決定は避けられないかと思うのであります。その更正決定を一月延ばしました結果、三月になると思うのであります。そうしますと会計年度の出納閉鎖期間が、普通税金については四月でございますが、申告所得税だけにつきましては、あるいはもう一月くらい延ばしましてやりました方が、かえつて全体といたしまして円滑な納入を期し得るのではないかという意味におきまして、申告所得税につきまして、一箇月出納の整理期間を延ばすか延ばさぬかということについて、目下研究中であります。できますれば、ぎりぎりで非常にむりを重ねるよりも、むしろ一箇月ぐらい延ばしまして、円滑な徴收をはかつた方がよろしいと思いますので、その点もこの機会に申し上げておきます。あとでまた姑息なことをして一月延ばしたのではないかと思われるといけないのであわせて申し上げておきます。しかしまだこの問題は決定しておりませんので、その点を申し上げておきます。
○三宅(則)委員 先月の二十七、八日に国税庁長官が新聞記者に発表せられたところによると、昭和二十二年度もしくは二十三年度の更正決定については、追徴加算税はとらぬということを聞いております。これはまことにりつぱなことであると思いますが、これは事実であるかどうか。もちろん二十二年、三年というときにおきましては、先ほど来しばしば平田主税局長も御答弁なされましたが、はなはだ失礼な話ですが、税務官吏が経験が足りなかつた、調査も未了であつたというような意味合いにおいて、水増しに課税せられた点があつたから更正決定された分が納まらぬのもうなずける点が多いのです。この際長官は、先ほど私が申し上げたように、大乗的見地からいたしまして、二十三年、三年度は追徴加算税は大目に見てやろうという御言明であるかと思うのですが、それに対して御答弁を願いたい。
○高橋(衞)政府委員 三宅さんは少し文字を読み落しておられるのですが、悪質なるものを除き免除すると申し上げておるのです。と申しますのは、税務署でもつて、実際の調査が非常に遅れましたために、納税者にも御迷惑をかけておるという点はあるかと思うのであります。しかし税法の建前から申しますれば、申告納税でありますから、申告を怠つておつた。従つて追徴税をとられるのは当然じやないかという議論は一応なし得ますけれども、あまりに古い税について、しかもあの当時、税の執行もそれほど厳格に行われていなかつたという時代のものについて、今日それをとことんまでも追究することはいかがかと考えまして、そういうふうな処置をとつておる次第でございます。
○三宅(則)委員 今国税庁長官が、悪質でないもの、いわゆる善良にいたしましたものに対しまして、税務官吏の力がむしろ調査が未了で、高過ぎたというようなものに対しましては、今御言明の通り免除してやろう、こういうお気持であると私は了承いたします。そうあつてしかるべきだと思うのでありますが、それについて滯納等もあるわけであります。もちろん二十一、二年度までぐらいのものは、大幅にある程度まで切り捨てて、あらためて、再出発をした方がよろしいと思いますが、これについてはどういうような御構想を持つておられますか、お聞きしたい。
○高橋(衞)政府委員 非常に古い年度につきまして、あるいは法律上は納税義務が確定しておる、争いがないとう状態になつておるというものでありましても、中に非常に気の毒な方のあり得ることは、事実であると考えておるのであります。しかしながら全般的な問題としては、ともかく納税義務が確定して、そのまま滯納になつておるという状況のものにつきましては、これをこの際切り捨てるということは、全体の納税思想にも悪い影響を出しますし、実は昨年度におきましては、割合に簡單な基準によつて相当大きな金額を欠損処分に付したのでありますが、それについては弊害も認めしれますので、私どもの今後の方針といたしましては、むしろ逆にその欠損の処分に付しますものは、できるだけ愼重にいたしましたいという考え方を持つておるのであります。しかして相当時間がかかつても、また滯納の総金額が多くなつておつても、とにかく時間をかけてじりじりと納めていただく。それによつて全体の公平を保つて行くという考え方をとつておる次第であります。
○三宅(則)委員 もう一点だけ……。先ほど来しばしば言明されましたから了承いたしました。もう一つ、平田主税局長にも御答弁を求めたのでありますが、幸いに国税庁長官が来られましたから、一言御答弁をいただきたい。実は二十五年度におきましても、三十万円から四十万円、まあ五十万円以下のものについては一番高いのでありますが、今度の補正予算につきまして、その比率を下げられたわけでありまして、今度は昭和二十六年四月一日から所得税法を施行したいと思うが、とりあえず二十六年の一月一日からこういうような規定になるということを聞いております。そこで三十万円、四十万円という階層において何人ぐらいあつて、どれだけの金額になるかということが調査になつておるはずであろうと思うのですが、もしありましたならばお示しを願いたい。なかつたならば、あとでよろしゆうございますが、示していただい、中堅分子の納税の円滑になるように努力いたしたいと思うので、もし明細がありましたらお示しを願いたい、かように考えております。
○高橋(衞)政府委員 ただいま手元に持つておりませんが、できる限り資料は差上げたいと思います。
○宮腰委員 高橋長官にお伺いたします。物品税の問題ですが、こういうような間接税というものは本来例外であり、近代的税制制度というものは直接税によるのが原則であります。しかしごく最近物品税を軽減しようという政府のお考えでありますが、民間の諸団体はほとんど免税にしてほしい、免除してほしい。こういう意向が多いようであります。この物品税の問題ですか、実際は割当制度が行われまして、その生産数量のいかんにかかわらず、お前のところは、このくらいの金額を納めるというような割当主義で実際行われておる場所が非常に多いのです。その証拠には、昨年度の家具の物品税などを見ますと、たしか年額四億四千二百万円ぐらいの予定であつたのじやないか。予算委員会の予算書には、そう載つておつたように思うのでありますが、実際に徴收されておるのは十億を突破しておるような状態にあります。こういう点から考えて、水増しや割増しが当然行われておるような感じもしますので、今後そういう物品税徴收については、特にそういう点を考慮してほしい。また実際に物品印税が高いために、零細な業者は脱税をしようつちゆう考えておりまして、かえつて納税意欲に対する考え方を、間違つた方向に持つて行く場合が非常に多いように思うのであります。従つてこの際、物品税全体についてももう少し大幅に減税してほしい。また物品税の割当等の方法も盛んに行われておるようでありますが、この点について長官の御意見を伺いたいと思います。
○高橋(衞)政府委員 物品税について割当が行われているというお話は、実はただいま初めてお伺いするのであります。従つてもしもそういうふうな事実がありましたら、恐縮でございますが、御連絡をお願いいたしたいと思います。また歳入予算が四億数千万だつたのが、十億にふえておるという点をもつて、割当があつたという証拠にしておられるかのようにうかがえるのでありますが、これは見積り自体が非常に雑な問題であります。また業者の数非常に多い。ことに家具のごときは、不景気と申しますか、いろいろな生活状況に非常に大きな影響を受けますの、むしろ非常に予算通りということ困難な品物であろうかと考えるのであります。
○川島委員 国税庁長官にお尋ねをしたいと思います。私は先般希望いたした本年度における差抑え状況調べよりますと、ことしの十月末現在の差押えは、税額として三百十七億九千九百万円。差押えの件数が驚くなかれ百十万余件に上つているわけです。それでちよつと平均をいたしてみますると、大体一件当り差押え税額が平均三万円。いかに中小企業の面における滞納が多いかということが、この数字でうかがえるわけであります。この場合にお尋ねしたいのですが、従来差押えをやりまして、しかもその結果公売に付してみました結果において、税額が予定通り入るものがあるのか。あるいはまた税額以上に、公売価格というものが上まわつてしまうものがあるのか。それとも税額に満たないものが多いのか。そんなことについて資料がありましたならば、ここでひとつまず示してもらいたい、こういうふうに思うわけです。
○高橋(衛)政府委員 別途差上げました資料によつておわかりになるように、十月末におけるところの滞納総額が九百九十四億円でありまして、これに対して滞納の件数は七百二十万件でありますが、一件は一万三千円ということに相なつておるのであります。従いまして滯納の差押えということにつまして、一件当り三万円ということは、できるだけ大口から処理を進めたというところから、こういうふうに額がなつておるのでございます。なお差押えしまして、公売して收入いたました金額は、同じ期間においてわずかに六億三千万円程度でありまするが、実は差押えをいたしまして、公売直前までに相当納入が行われるのが普通の状態であります。従つてわれわれといたしましては、できるだけ公売に持つて行かないで、その期間において納入していただくことに努力をいたしております。しかしてただいまのお尋ねの公売処分をした場合に、税額を上まわる場合と、しからざる場合とどんなぐあいかというお尋ねでありますが、これは統計を実はとつておりません。しかしながら概略的なことを申し上げますならば、ほとんど大部分が滞納額に満たないことが多いというのが実情であります。
○川島委員 さだめしそういうことになつておるのじやないかと、実は想像してお尋ねをしたのです。現実の滞納額、滞納件数の多いこともさることながら、まず大口と見られてやむを得ず差押えをしている件数と、税額を調べて平均すれば、それだけでもわずか三万円程度の額なんです。そこで繰返して言うようですが、中小企業者の納税がいかに困難な実情になつておるかということが、これでも一層深刻にうかがえるわけなんです。そこでさらにお尋ねするのですが、差押えまではこれも大した余分な費用はかからぬと思うのですが、差押えをいたしまして、今度公売に対し收納をいたします間に、相当な費用がかかつておるわけでありまして、その公売に付します場合の費用というものは、一体税額のパーセンテージにいたしまして、どのくらいかかるのであるか。それをひとつ資料がありましたらば示してもらいたい。
○高橋(衛)政府委員 徴税費全体としは税收に対するパーセンテージをいつもとつておりまするが、公売しました税額に対してその公売、または引上げに要した金額というものを対照して計算することは、非常に困難でございますので、これはやつておりません。と申しますのは、引上げる途中においてまたはトラックが玄関に行つたときに納めたという場合に、一体引上げの経費であるかどうかというような区分が非常に困難であります。また引上げて公売に持つて来たら、税金を納められたからお返しするというような場合もございますから、これは理論的にはなし得ることかもしれませんが、事実問題としては困難でございますから、とつておりません。しかし相当に大きなパーセンテージになるかということは想像し得られるかと思います。
○川島委員 このことは午前中に実は主税局長にもお尋ねし、また私からも意見を申し上げたのですが、直接の担当最高の責任者である高橋さんにもお尋ねしておきたいと思います。税務署の徴税事務の一線に立つ者がいろいろの事情で比較的に若い者、未経験者が多いのは、これは一応やむを得ない私も了承するのですが、そのやむを得ない中でも、できるだけそういつた若年、未経験の者は機械的な署内の事務に当分携わらせて、若干でも経験のある、そうして年輩の者をできるだけ外へ出して、納税者と直接に接触をすることが一番好ましいやり方ではないか。そういうことでないために、納税者と税務職員との間に紛争が多い。ことにまたこのころでは一般の納税国民は税務署の職員といえば、まるで蛇蝎のごとくにきらつているのが、実際の話である。それというのも、納税者の方にも若干の責任があることも、別に否定をするものではないのですが、やはり税務職員の若いもの、そうして未経験者、こういつた者でありますがために、社会のいろいろの苦労もせぬ、また実情もよくわからぬ、世情もよくわからぬというような若い連中のみが、大部分そういうことに携わつている結果である、こう私は思うのです。そこでどういうものですか、なるほど経験者や年輩の者は少いとは言いながら、実際の操作によつてできるだけ経験のある、そうしてできるだけ年齢も少しでも上まわつた職員を第一線に立てて、そうして納税義務者との接触に当らせ円滑なる納税をさせる方に努力し、あるいはまた査定の場合におきましても、調査のごときにおきましても、なるべく納税者をして不快を與えない、あるいは刺激しないというような形で行くことの方が、私は税收を得る上から行きましても、非常に必要なことじやないか、こういうふうに思いますので、このことについて長官は、そういうことが今の税務署の実情においてできるのかどうか。そのことについて重ねて長官の方にも、私はお尋ねしておきたいと思います。
○高橋(衛)政府委員 御指摘の通り税務官吏には非常に若い者が多いという関係からいたしまして、納税者の方にややもすると御迷惑をかけるというような結果を生じておりますので、それらの欠陷をできるだけ除去するという意味をもちまして、そういうようなふなれな人、または能力の十分でない人は、内部におつて帳簿の整理等に当つてもらう。しこうして所得額の調査でありまするとか、課税物件の調査でありますとか、または滞納処分などというふうに、納税者に直接接触する人間をなるべく選んで行くという点につきましては、まつたく川島さんの御意見と同感であります。しこうしてそういうような方向に一日も早く持つて行きたいという趣旨をもちまして、実は昨年来内外事務の分離ということをいたしておるのであります。しかしながらこれを徹底的に行うということは、たとえば滞納の整理のときであるとか、または更正決定のときにおきまして、どうしてもみな一体となつて、その仕事に当らなければ、時間的に間に合わないということになつておりますので、そういう場合にはその建前がくずれるというような現状にあるのであります。しかしながら将来はこの内外事務の分離という建前を堅持いたしまして年間に仕事をうまくあんばいして、そして一時に仕事が集中することによつて、それが実行できぬというような事態が起らないようにぜひ事務の計画を詳細に、また的確に立てて行くようにいたしたい、こう考えておる次第であります。
○川島委員 できるだけそういうことに努力を願いまして、国民をしていたずらに税務署を怨嗟の的にしないように、御努力を願いたいと思うのであります。 そこでついでにお尋ねするのです今税務署におけるところの職員の定員というものが、一体税務署の事務の量と適切にマツチしているのかどうか。おそらくマッチしておらないという事情にあるのではないかと思うのだが、ことに直税などにおいては一人の税務職員が、一体納税者別にすればどのくらいの件数を受持つておるのか、それが戰争前の受持件数と今日の受持件数との比較においては、どういう事情になつているかということについて、長官の御所見と実際の状況とを聞かしてもらいたいと思います。
○高橋(衛)政府委員 現在の滞納額をきわめて短期間に整理しようという一つの目標を置きますれば、現在の税務職員では非常に不足であるということは、川島さんも御承知の通りであります。しかしながら御存じの通り、日本の租税制度は申告納税制度に相なつたのであります。賦課税制度の時代でありますれば、政府の責任において、すべて所得額なり税額なりというものを計算し決定するのでありますが、申告納税制度においては、納税者自身が計算をするということが建前になつております。従つて私どもが考えまするのに、申告納税制度において全部を調査するということは、およそ申告納税制度の本旨に沿わないものであるというふうに考えておるのであります。ただちにそれを実行できるかどうかという問題はまた別なのでありますが、理想的な形といたしましては、米国におけるがごとく、わずかに四%しか調査しないということは、現状としては思いも寄らぬことでありますが、せめて一、二割の程度の人を十分に調査をし、あとは納税者を信頼申し上げるということで、十分全体の公平を保つて行けるという方向に持つて行きたいと考えております。従つて制度が若干かわつておりますので、戰前の一人当りの納税者の数と、今日の納税者の数を比較することはどうかと思うのであります。しこうして現在の税務職員でもつて十分であるかという問題につきましては、もとより多いことは私どもけつこうだと思うのであります。しかしながら現在の徴税費の率は、全体に対して二、八%になつております。米国の実例が○・五%であるのに対しまして、非常に高くなつておるという実情でもありまするし、また申告納税制度であれば、何とかして納税者に信頼申し上げるという態度で、正直な方には漸次減税ができて参ると思いますから、そういう人を見わけ出して、そして税務署の方から拔いて行く。それによつて税の公平を保ちながら、なおかつ現在の陣容で行くという心構えでやつて参りたいと思つております。
○川島委員 そこでもう一つ伺つておきたいのですが、今の政府はしきりと行政整理を一つの建前として強行しておる。まだまだ行政整理は足らぬ、今後もやるのだということをちよくちよくほのめかしておる。そういう具合に、一体国税庁長官として、今の各方財務局、税務署等の職員の定員をさらに減らしてもいいというお見通しを持つているか。かりに今後行政整理が行われるようなことがあつても、国税庁に関する方面の職員の定数だけは、絶対にこれ以上減らすことはできないという建前にあるかどうか。その見通しについて、あるいは感じておられる点についてこの際聞いておきたいと思います。
○高橋(衛)政府委員 この問題は非常にむずかしい問題であります。比較の問題であり絶対的な問題ではないのでございます。しかしながら私ども考えまするのに、漸次税務官吏の経験年数もふえて参ります。一年が二年になれば相当にその能率は上るのであります。しかるに現在おります者は、大体採用された年次が二十二年、二十三年ごろが多いのであります。それらの人が相当に経験を積んで参るということと、それから昨年ごろから新しく採用いたします際には、相当学歴も高く、年齢層も高い人を選考いたしまして、ことに最近は就職希望の方も相当多いという実情からいたしまして優秀な方が採用できるという点、並びに昨年から本格的に税務講習所を拡張いたしまして、常時非常に多数の人について講習を行つて参つておるのでありますが、そんな点からいたしまして、相当に個々の税務官吏の能率を向上できるのではないか、こういうふうに考えておるのであります。また一方従来の税務の組織はどつちかと申しますと、率直に申しまして、一人々々の税務官吏が働いておるというようなかつこうに来ておるのであります。言いかえますならば、組織としての能率の増進という面に、いささかくふうが欠けておつたのではないかということも考えられますので、今後そういう面もできるだけすみやかに組織化することによつて、能率を上げるということに創意くふうを凝らして参りまして、今後能率を上げることができますれば、人員の減少もまたさしつかえない場合があり得るというふうに、考えておるわけであります。
○川島委員 もう一つお尋ねしておきます。これは最近感じたことなんですが、何か税務署で異動など行う場合に、一ぺんに各課長以下係長まで広汎に異動してしまう。私はたまに異動することは必要な面もあると思うのですが、大量にしかも一時に異動をするために、税務署自体にとつても、また納税義務者の方にとつても、ずいぶん迷惑な事態が起ることがしばしばある。ああいう税務署の職員の異動などを、一時に広汎にやらなければならぬという何か理由があるのですか。それをひとつ伺いたいと思います。
○高橋(衛)政府委員 私どもも税務官吏の異動につきましては、最近多過ぎるということを考えておるのであります。しかしながら昨年から今年にかけまして相当の異動が行われました理由は、御承知の通り調査官の制度を設けました。ところが調査官というのは滞納税者を調べるものでもありますし、相当熟練を要するという意味からいたしまして、各税務端から集めざるを得なかつた。また本年から協議団の制度を始めたのでありますが、協議団はこれまた相当年輩の人であり、丹念な人を持つて参りませんと、かえつてその精神を殺す結果になるというおそれもございますので、相当多数の署長級、課長級の人を、その機関要員として入れざるを得なかつたという事情があつたのであります。こういうふうな特殊な事情がございましたために、やむを得ず異動の範囲が広汎になつたということは御了承願いたいと思うのでありますが、根本的な方針といたしましては、できるだけその土地にある程度の期間は、少くとも二年とか三年とかいう期間はその土地を動かずにやつてもらうというふうな考え方で、やつて行きたいと思つておる次第であります。
○宮腰委員 長官に一つお伺いしておきますが、戰災後に大分税務署が焼失しまして、一署が非常に広い範囲を受持つております関係上、その間に都電なりバスの連絡がないときには、署員が自転車でまわつて歩いているところが大分あります。そういう場合に署員は自己の負担において、タイヤの修理やチユーブの修理をやつておるのでありますが、とうてい出張旅費だけでは、自転車の減価償却もできぬというようなこぼし方であります。そういうふうに焼けた広い地域の税務署は、この際もう一署くらい元の税務署を復活いたしますことによつてそういうふうな不便はなくなるのではないかと考えます。現に東京でも相当税務署の焼失しているものがあります。これを復活する御意思があるかどうか。たとえば荏原税務署のごときですが、品川の税務署は非常に片一方に片寄つている関係で、荏原の納税者は非常に不便で困つておるのであります。この際この点について御考慮があるかどうか、お伺いしたいと思います。
○高橋(衛)政府委員 先ほどもちよつと川島委員の質問に対しましてお答え申しました通り、現在の税務の事務組織が非常に旧式でありますので、これを何とかして組織を新式化して行きたいというふうに考えております。それをいたしますのには、あまり小さい税務署になりますと非常に困難であり、非能率になるのであります。従つて将来の方向としては、むしろ税務署の統合という方向に行くのが、筋道じやないかというふうに考えております。しかしながらもちろん納税者の便宜ということも同時に考うべき問題でありまして、申告の時期等において、一定の場所に出張せしむるというふうな制度を、同時にあわせて考えて行きたいと考えております。
○宮腰委員 次にお伺いしたいのは、各税務署に最近法人会というものが盛んに設けられておりますが、一部税務代理士、計理士の方からの忠告によりますと、法人会の事務局長が、税務署の中の官吏と結託して、税金の上において税務代理士と同様な仕事をやつている、あるいは贈收賄までやつて官吏の前途を誤らせる危險があるという忠告を受けたのでありますが、法人会なるものの組織自体が、法律によるものか任意的にやつておるものか。今後運営の上においてどういうふうにやつて行かれるものかどうか。また税務署の中に法人会をつくつておいていいものかどうか。この点についてお伺いしたいと思います。
○高橋(衛)政府委員 法人会について、役人と税務署員との間に不正があるというようなお話でありますが、もしもそういう疑いなり、具体的な事実でもありましたら、ぜひお教えを願いたいと考えます。法人会のできましたのは、これは法律に根拠のあるものではございません。もつぱら任意的にでき上つたものでございます。ただ徴税官庁といたしましては、ああいうような組織がございますと、たとえば税法がかわりましたときに、また解釈が決定いたしましたときに、そういうふうな機関を通じていろいろお願いをする、また御説明申し上げるという便宜がございますので、私どもはああいうふうな組織ができ上ることを、歓迎はいたしておるのであります。しかしながらそれはどこまでも税務の便宜のためでありまして、その機関を利用して何らかのことをする、また考えるというふうな意思は全然持つておりません。ことに下級の署員には、それに関連せしめることはさせてない次等であります。
○宮腰委員 ぜひ今後そういうふうな方向に持つて行つていただきたいと思いますが、さらに協力会なるものがありましてこれも非常に税務署の中に深入りをしておるようなところがあります。たとえば税務署のそばに協力会館なるものを建設しておりまして、そこで税務署の署員が会議を開いたり、あるいはいろいろな便宜を受けておるという事実もあるので、こういうような協力会を税務署のそばにこしらえておることがいいかどうか。その点お伺いします。
○高橋(衛)政府委員 協力会につきましては、これはもつぱら任意におつくりになつた会でございまして、たとえばその会が税務署の近くに会館をおつくりになりましても、税務署としては何とも言うべき筋合いのものじやないというふうに考えておる次第であります。ただもしも御懸念のように、協力会と税務署との間に何らかの不正事件が起り得るというふうな可能性のある場合におきましては、それらの点について厳重な注意を喚起して、監督をして行きたいというふうに考える次第であります。
○宮腰委員 そういう疑いをかけられるような点が法人会、協力会にたくさんございますので、今後各税務署長に対して長官から訓示を與えていただきたいと思うのであります。具体的の例は申し上げませんが、これは各税務代理士、計理士会の実際の実務をやつておる人から再三忠告を受けておりますから、ぜひともそういうふうに願いたいと思います。
○小山委員 ただいま審査中の四税法案につきましては、大体質疑も盡されたと思いますので、この程度で質疑を打切られんことを希望いたします。
○夏堀委員長 ただいまの小山君の動議の、ごとく決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議ないようであります。税法の四法案に対する質疑は以上をもつて打切りといたします。 —————————————
○夏堀委員長 次に提案理由の説明を聽取いたしました旧例による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案を議題といたします。西村君。
○西村(直)委員 給與課長が見えておりますので二、三お伺いいたします。 〔委員長退席、奧村委員長代理着席〕 この法律案は従来たびたび国会に請願をされまして、今回政府並びに民間の強い要望の結果、提案になつておると思うのでありまして、これに該当する人たちにとつては、この法案が成立すれば、まことに喜ばしいことではないかと思うのであります。ところでこの法案の中で一つお伺いしたいのは、何がゆえに年金支給に関する事務を統一的に、いわゆる非現業の共済組合連合会に受継がしたか。この点についての御説明を願いたいと思うのであります。
○磯田政府委員 ただいまお尋ねの年金支給に関する事務を、共済組合連合会にやらしめる理由いかんということでございますが、現在旧海軍の共済組合につきましてはその年金を支給する団体といたしまして共済協会という団体があるのでございまするが、同じくこの法案で取扱うようにいたしておりまするところの旧海軍の共済組合、並びに外地の各共済組合につきましては、事実上その団体は現在存在しないのみならず、今回の措置によりまするところの年金支給の事務は、ほとんどその財源を国庫において見て行かなければならない、こういう建前からいたしまして、その支給の事務の統一をはかるという観点から、これを一つの機関において取扱わしめるのを適当だと考えたのであります。その際におきまして新たに政府の機関を設けまして、その機関をしてこの年金支給の事務の取扱わしめるということも考えられるのでありますが、この際国の機関を新たに設けまして、これに扱わしめるということは、実務上から申しましても適当でありませんし、また国の機関を新たに設けるいうこと自体も好ましいことではございませんので、幸いに現在共済組合連合会というものがありまして政府職員共済組合の年金支給の事務をも担当いたしておりますので、これに特別の会計を設けて、当の法案によるところの年金支給の事務を行わしめることにいたしたのでございます。
○西村直委員 そこでそれに関連してお伺いいたしたいのは、これの事務は統一されますけれども、あくまでも年金受給者は公務員ではないと考えてよろしいのでありますか。
○磯田政府委員 現在におきましては公務員ではございません。
○西村(直)委員 これはただ事務を移管するのであつて、将来とも公務員としては扱わないで、ただ年金受給者として、事務上そこへ統括されて行く、こういうふうに承つてよろしいですか。
○磯田政府委員 さようでございます。
○西村(直)委員 そうしますと、続いて私承つておきたいのは、もし将来共済組合の制度が、社会保障その他の制度によつて改変を見た場合に、こういつた年金受給者はどういう取扱いを受けることになるか。この点についての御答弁を願いたい。
○磯田政府委員 新たに社会保障制度に基くところの年金制度ができる場合におきまして、本法案に基きます年金支給の事務が、それに統合されるかどうかの問題でございますが、現在一般の公務員の年金支給に関する事務を、これに統合するかどうかという問題自身もまだ決定いたしておりません。もちろん現在におきましては、この年金支給を受ける者は公務員たる身分を有していないのでございますけれども、かりに一般の公務員の年金支給に関する事務が、新たに設けられますところの社会保障制度に統合される場合、あるいは国家公務員全体の恩給制度に統合されるという場合におきまして、この分をいかに取扱うかという問題は、先ほど話しましたように、そのときにおきまして新たに独立の機関を設けることがいいか悪いかというような問題と関連しまして、十分愼重に決定せらるべき問題だと思います。
○西村(直)委員 次にさらにお伺いしておきたいのは、現在主として共済協会等でやつておられる、従来海軍の一つの機関であつた病院等の付属機関、付属事業でございます。これが今回の年金事務を統合した場合にいかに扱われて行くのか。これに対しての政府の考えを承りたいと思います。
○磯田政府委員 ただいまの問題につきましては、現在旧海軍の共済組合におきまして約十以上の病院がございます。しかるにこの法案の主たる目的は、従来の低い年金を新しい給與ベースまで引上げて行くということでございます。従いまして病院を経営するということは、本来の業務ではないということが一応言い得るのでございます。しかしながらその場合におきましては、この年金支給に関する費用を全面的に国庫が負担するゆえをもちまして、一応建前としては現にやつております病院等を、全面的にただちに国に帰属せしむべしというような議論もあつたのでございますが、その間におきましては、現在の各病院におきまする職員の給與がどうなつておるか、あるいは一般の国立病院との関係をどういうふうに考えるか、あるいはまたその中におきましては民間の病院になつた方がいいのではないか、あるいは政府職員の療養を受けるべきところの連合会の一般の病院と同じようにするとか、いろいろな意見がありまして、そういう関係からいたしましてこの病院の経営ということ自体は、この法案の主たる目的ではございませんけれども、暫定的にこの連合会に引継いで、そうしておのおのその事情に相応いたしまして、あるものは民間に拂い下げる、あるものは連合会が今後も依然として経営して行く、あるいは国立病院として経営するのが適当であるものは、これを国に移管する、さように考えて行きたいと思つております。
○西村(直)委員 実はこの問題についてさらにもう少しお伺いいたしたいのでありますが、年金受給者は、従来三百五十円と提案理由にはなつておりますが、今回の給與ベースに伴つて大体平均どの線まで改訂をされて行くのであるか。
○磯田政府委員 この法案の適用によりまして、現在おおむね平均三百五十円程度の年金しかもらつていないところの年金受給者が、大体平均いたしまして二万二、三千円程度の年金を受けることとなるように考えております。
○西村(直)委員 その該当者の大体の数をお知らせ願いたいと思います。
○磯田政府委員 大体三万二千名というふうに考えております。
○西村(直)委員 大体の内訳をお知らせ願いたいと思います。
○磯田政府委員 その内訳を申し上げますならば、旧陸軍共済組合におきまする年金受給者が五千四百四十二名、旧海軍共済組合関係の年金受給者が一万九千四百六十四名、外地関係の共済組合の年金受給者が推計いたしまして六千九百十五名、合せまして三万千八百二十一名ということになつております。なおこのほかにこの法案の取扱つております八幡製鉄に対するものが約五百二十六名、これを合せまして大体三万二千名ということに相なります。
○西村(直)委員 そこでこれだけの該当者が今回一般のベースによつて年金が支給される。もちろんこれはさかのぼることはないのでありますけれども、非常に低いのでありますから、ひとつこの機会に特にお伺いをし、また意見を申し上げておきたいのは、従来厚生省が大体主体となつて、海軍を中心に共済協会というものが莫大な財産を持つて、その財産によつて乏しい年金を與えておつた。先ほどの御説明でその財産を一応国で引継ぐものは引継がれるであろうが、さしあたりは各種の財産、事業の承継については、一応共済組合連合会等によつて運営し得るものは運営して行つて、不必要なものはただちにやめられるのか。その点についておそらく従事している職員は不安を感じておると思うのであります。その点についてもう一度お伺いしてみたいのであります。
○磯田政府委員 政府の方としてはただいまのところただちに急激な措置をとるようなことは考えておりません。おのおのその病院々々の実情に相応して各病院の意思等も十分に聞きながら、その実情に相応した措置をとりたいというように考えております。
○西村(直)委員 私がそういう御質問を申し上げ、同時にお願いといいますか、意見を申し上げている点は、特に私どもが知つておりますのでは、陸軍におきまして、終戰時において、共済組合を中心にした物資の分配その他について非常な混乱が起つたわけです。現に私たちがこの事件の渦中に立つて相当これを処置した事例を覚えております。莫大な物資をお互いが取合うことによつて、非常な社会的な混乱を起した。幸いにしまして海軍の共済組合の方は、数万人の年金受給者をかかえながら、比較的というよりは、かなりよくこれの財産を保存して来ている。従つてこれに関係するところの国立病院その他も、今日まで運営が比較的うまくできているのではないか。そしてこれを連合軍管理下に引継いで行つて、しかも今日まで非常にうまく運営をして来ている。そういう点で特に事例を申しますれば、横須賀の病院のごときが非常にこの運営をうまくやつて来ておつて、すでに占領軍司令官等からも表彰を受けているという話も聞いておりますので、私どもはこういつた病院に働いておる職員が、たまたまひとつの機構改組、事務の取扱いの改組に従つて、もし急激な変化を受けると——これは一般の年金の受給者は非常にありがたいのですが、そこに働いておられるたとえば病院のお医者であるとか、あるいは事務長であるとかいう人たちは、何らこの法案自体からは恩恵は受けていない人たちである。しかもそれの財産的基礎になるものをずつと運営して来た人たちだけに、私どもはその点について十分に愼重な御考慮をお願いしたいということと、今回この法案が各代議士の非常な熱意と政府側の熱意とあわせまして、いわゆるスキヤツプ方面のいい意味においての了解を得られまして、ここまで事が運んで来ておる状況から考えまして、この法案を通すことによつて、何ら利益を得ない職員というものがたくさんあろうと思うのであります。たとえばこの法案を通すことによつて、三万人、四万人の人々のために働いて来たいわゆる病院なら病院での事務職員なり、技術職員なり、あるいは共済組合関係の事務職員、これらに対して大蔵省が監督に立たれる以上、切りかえの際に動揺がないか。もつと端的に言えばこういうわけであります。それは今度大蔵省の所管下に入ると思うのでありますが、この場合にややもすると役所の通弊——これは大蔵省においてはないと信じますが、切りかえの場合に、ややもすると一つの外郭団体的なものがそこにできる。それが厖大な金を扱い、資産を運用して行くような場合におきまして、すぐ税務署長の古手であるとか、大蔵省官吏の古手等をぱつと持つて来て、それに乘つけてしまうというような弊害がもしあつた場合においては、せつかく社会正義の建前から多数の年金受給者を拾い上げて育てて行こうというときに、一生懸命にやつて来た人が、政府の監督機関がかわつた場合に、人の入れかえ等を急激にやつて行くということは非常な不安動揺を生じて来る。私どもが聞いている場合のは、この仕事をすでにまじめにやつて育て上げて行こうという人は、むしろ年金受給者の給與ベースの問題が解決すればするだけ、何だか自分の首を絞める時期が近づいて来るというような——もしこういう結果になつたらいけないと私は思うのでありまして、この点につきましては、特に監督官庁として大蔵省方面においても、十分その点は病院を中心に、また事務職員を中心に御考慮を願つておきたい。こういうことをひとつ意見として申し上げておいて、私の質問はまた後日申し上げたいと思います。もし御意見があればちよつとその点を触れておいていただきたい。
○磯田政府委員 まことにごもつともなる御意見でございまして、私どもも今まで繰り返して申し上げましたように、この各病院はそれぞれの現におられる各職員の非常なる御努力によつて、築き上げられたものだと思つております。従いましてそれを今回の措置によりまして、連合会に一応吸收するということにいたしましても、それによりまして人的構成をかえるとか、あるいは大蔵省関係の者を持つて行くというようなことは、現在のところ毛頭考えておりません。従いましてまた今後もそういうことを考えるつもりはありません。念のために一応政府の意見を申し上げておきます。
○小山委員 今度の共済組合等の年金受給者のための特別措置法という法案を提案されまして、その中にわれわれがかねがね主張しておりました旧八幡製鉄組合の年令受給者に対する條項が、あわせて提案されたことに対しては、深甚の謝意を表するものであります。前国会における水田政務次官の答弁によりますと、官営時代に、官営から民営に移るときにおける種々のいきさつから考えて、旧八幡製鉄組合の場合にも、海軍共済組合その他のものと大体同様に取扱うべきものであるという趣旨の答弁があつたのでありますけれども、ただいま第七條を読んでみますと、「昭和九年一月三十一日以前に発生した給付事由に基き年金の支給を受ける者」こういうふうに特定してありますのは、一体どういうところからそうなつたのでありますか。まず第一点としてそれを伺つておきたいのであります。
○磯田政府委員 昭和九年一月三十一日という日を選びましたのは、この翌日の昭和九年の二月一日以降旧官業八幡製鉄所というものが、日本製鉄株式会社という民間会社になつたからであります。従いまして昭和九年一月三十一日以前に給付事由の発生いたした者というのは、これまですでに年金受給権の発生していた者、すなわちまつたく政府職員といたしまして退職いたしました者につきましては、政府において全般的の責任をとろう。しかしながら昭和九年の二月一日以降において退職いたしました者につきましては、それに相応するところの資産を含めまして、日本製鉄の方に引継いでおりますので、その分につきましては、もしこの年金の改訂をするならば、全国的に日本製鉄においてこれを負担すべきである。さような見解に基いてかかる規定を設けたのでございます。
○小山委員 これに関連してお伺いしますが、ただいまの西村君の質問に対して、この受給権の発生ましておる者は五百二十六名ということでありますが、官業時代から引続いて勤務し、昭和九年一月三十一日以前におきまして、掛金をかけておつた者の人数は幾らありますか。
○磯田政府委員 全体合わせて七千二百名程度であると思います。
○小山委員 それは旧八幡時代の話ではありませんか。それからなお日本製鉄所まで入りますと、人数はさらに増加いたしませんか。
○磯田政府委員 この八幡共済組合と申しますのは、新たに日本製鉄の職員として入つた者は、この組合員にはなれないのであります。すなわち政府職員といたしましての身分を持つておつた者、それのみが引続きこの共済組合員となれる、さようなことに相なつておるのでございます。
○小山委員 その点は一応了承するといたしまして、われわれが最もおかしいと考えますのは昭和九年一月末で政府の取扱いを区別した点であります。と申しますのは、同じ政府が、日本製鉄の解散に際しまして、退職金については、その当時入社しておつた者に対して、その分だけの退職金を政府において支拂うという措置を、日本製鉄株式会社法でありますか、その條文に規定しておりながら今度の法案の場合には、そのところで線を引いて区切つている。取扱いが二つになつているのは、一体どういうところからそういう根拠を見出されたのかということが一つ、同時に、たとえば一日違いで入社した人もあるし、そして一月三十一日には受給権が発生しなかつたが、二月一日には受給権が発生した者、その間の不均衡は一体どう考えるかということが一つ第三としましては、この日本製鉄が、現在は八幡製鉄と申しますか富士製鉄と申しますか、名前はかわつたようでありますが、これらの会社が増額分の積金を出す能力がない、あるいは今後なくなる、あるいは現在すでにないというような場合に、その同じ雇用人の間において、非常な取扱いの不公平を来すが、この点については一体政府はどういうふうに考えておられるか。この三点であります。
○磯田政府委員 まず退職の問題につきましては、旧八幡製鉄官業所に入つておつた者には、全部退職金を支給して、この法案においてはやらないという理由はどうであるかという問題でございます。この点については一応ごもつともなのでございますが、退職金につきましては、もともと日本製鉄株式会社法にそういう基本的な保障の規定があつたのでございます。従いましてそれについてこの前の国会においてその点をはつきりして、支給することにいたしたのでございますが、この共済組合の問題につきましては、性質上政府においてこの補助金を交付する義務ありやいなやという点につきまして、基本的に問題がありまして——ちよつと速記をとめてください。
○奧村委員長代理 速記をとめて…。 〔速記中止〕
○奧村委員長代理 速記を始めて…。
○磯田政府委員 次に二月一日以降退職した者に対しまして、年金支給をしないというのは、不均衡ではないかというようなお話でありますが、この点につきましては、政府の方といたしましては政府職員であつた機関の分に対しましては全責任を負う。しかしながらそれ以降の分につきましては、これは全面的に資産負債を引受けたところの八幡製鉄株式会社において、これを負担すべきものであるという観点をもつてこれを認めないことにいたしたのでございます。 それから八幡製鉄の方におきまして将来この年金を改訂いたしました場合におきまして、その負担能力がない場合にはどうするかという話でございますが、この点につきましては、この法律案では、「昭和九年一月三十一日以前に発生した給付事由に基き年金の支給を受ける者に対して支給する年金の額を前條の規定に準じて改定した場合には」というふうに書いてあるのでありまして、少くともその分につきましては、全面的に国庫で負担してやつて行くということになつておりますので、昭和九年の二月一日以降の分をどういうふうに改訂するかということは、これは八幡製鉄の問題であるというふうに私どもは考えます。
○小山委員 具体的に伺いますが、そうすると、一体この法律の通りやつた場合、政府と会社の負担区分というものはどうなりますか。
○磯田政府委員 昭和九年の一月三十一日以前に給付事由の発生したものにつきましては、それに相当いたします費用から、それまでにかけられた掛金額に相当するものを控除した全額を、国庫において負担するということにいたしております。従いまして昭和九年の二月一日以降の分につきましては、国庫は何らの責任を負わない、さような規定に相なつておるわけであります。
○小山委員 しかしこの会社が、そういう年金に関する一つのとりきめをつくるときには、一定の共通の基準をつくるだろうと思う。それで昭和九年に年金受給権が発生しても実際やめるのはそのあとにやめる人があるでしよう。一月三十一日までに一応資格はできても、実際にやめるのは、あるいは昭和十年にやめたり、あるいは昭和十五年にやめたりする人は多いわけでしよう。
○磯田政府委員 この法律に規定いたしておりますものは、昭和九年の一月三十一日以前にすでに給付事由の発生した者、すなわち退職した者というように読んでいただきたいのであります。従いましてそれまでに年金受給権を発生いたしておりましてもまだ退職しなかつた者、すなわち昭和九年の三月一日以降において退職いたしました者につきましては、会社においてその責任を負うということになるわけでございます。
○小山委員 それはまつたくおかしな話ですね。そういう不公平なことを法律できめるということは、これは何とも私らには了解できない。同じに勤めて、一月末までにやめた人には政府が保障するけれども、二月一日にやめた人には会社がかつてにしろ。——これはこういうふうな立案をされたことについての、またいきさつから言つても当然やらなければならぬものだということで、あなた方のお骨折りはまことに感謝するが、出て来た結果がそういう不公平なものでは、これは何とも了解できない。それは一体どう言つて説明されるのか。
○磯田政府委員 この問題につきまして、政府においてはたして責任を負うべきかどうかという点につきましては、この国会におきましても、たびたび論議せられたところでありまして、すなわちこれを一般会計と特別会計の例にとつてみますると、たとえば各特別会計專売特別会計で申しますると、專売事業特別会計、それから郵政電通の特別会計等がございまするが、そのおのおのの特別会計等におきまして年金額を改訂した場合におきまするところの負担は、だれが負担するかという問題でございます。その場合におきましては常にその共済組合の所属いたしまするところの各特別会計で負担すべきものでありまして、いまだかつて一般会計におきまして、その特別会計に対して、かかる場合に補助金を出した例はないのでございます。従いましてこの八幡の場合におきまして、これを一つの事業団体として見まする場合においては、これはちようど特別会計と同じようなものでございます。従いましてある意味から申しまするならば、かりに客観的な情勢の変化によりまして物価が高くなつた。そのためにそれに相応するところの積立金が不足いたしました場合におきましても、政府がこれのめんどうを見てやらなければいかぬ、一般会計においてめんどうを見てやらなければならぬ理由を見出すことは困難なのでございます。従いましてこの問題は、この前の国会に至るまでたびたび論議になつたのでございまして、この規定に書いてありまするように、ある意味では今小山委員からお話のありましたように、多少問題になる点はあるかと思うのでありますが、少くとも官業時代におきまして、すでに給付事由の発生しておりました者については、全額国庫においてめんどうを見てやるということ自身が、国庫の立場から申しますると、非常に大きな恩典ではないか。政府においてはさように考えるわけでございます。
○川島委員 関連して……。小山委員からの質問にあつた八幡の、九年一月三十一日以降の者に対して、これは当時の在職者に対しては適用しないのだ、こういう説明です。これは理論的にはそういう筋も一応成立つと私は思うのですが、しかし当時官業から民営に移しました場合に、当時の政府責任者であつた商工大臣のその八幡の問題に対する議会での答弁は、厚生施設等の問題に対しては、従来政府事業であつたと同じような事柄が継続されるのだと、実は言明をされておる。それは古い速記録にも今日残つておる。そういう政治的なつながりを持つた問題が、この八幡の問題であると私は信じておりますが、そうすると今の説明によつて、九年一月三十一日以降の者にはこの法律は適用されないということになれば、当時おりました職員が、しかも議会で責任ある政府の国務大臣が説明をしておるという、この政治的の責任というものは、何らたよるに足らないものになつてしまう、こういう問題が起つて来る。そういうような明確な記録がありますので、八幡の組合の人たちはそれをただ一本の頼みの綱として、今日まで期待して来たのです。それをいきなりこの綱が切りはずされてしまう。これはわれわれとしても簡單に了解できないのです。そういう政治的な言明に対する処置というものが、何ら顧慮されない。そういうことであつては、私は政治というものは成立たぬと思う。少くとも一国の国務大臣というものが言明をした以上は、その言明に即した国民に対する政治的な責任を負うという形でなければ、責任政治と言えないと私は思うのです。事務当局のあなたにこういうことを言うことは、筋が違うかもしれませんが、そういういきさつもあることをあなたはよく御存じじやないかと思いますので、その事柄についての所見をひとつ伺いたいと思うのです。
○磯田政府委員 ただいま川島委員のお話のように、当時の商工大臣でありましたか、これを民間の共済組合といたしましても、一般の官庁の共済組合と同じような基準によるのだというような言明をされておることは、私どもも承知いたしております。しかしながらその場合におきまして、万一その年金の額なりあるいは給與の額なりが変更される場合におきまして、国庫におきましてそれを負担するというようなことは、何ら言明はないのでございまして、その点につきましては、他の特別会計などと同じように、その共済組合の所属いたしまするところの企業体としての八幡製鉄においてさようにすべきである。また改訂をした場合におきましては、その負担をすべきものである。私はさように解釈しております。 〔奧村委員長代理退席、委員長着席〕
○小山委員 これは九年の一月末までにやめた人と、それから引続きおつてあと一日あるいは二日たつてやめた人との間の問題なんです。理論的にいえば……。従つてそれが類推されて七千何百人という人がその範疇に入つて来るわけです。旧官業時代のことを考えてみますと、政府が積立金を半分し従業員が半分したわけです。その二分の一の三百円という年金ベースというものが今まで続いて来たわけですが、今度は多分一万二千円ベースになるだろうと思うのです。そうすると従来より四十倍ばかり年金ベースが上つて来ると思う。上つて来た場合には、本来ならばそれを全員に支給して行くのには会社の負担分を四十倍、従業員の積立金を四十倍にして初めて可能になるわけです。ところが従業員の積立金を一挙に四十倍にすることは不可能なんですから、この部分を政府が持つたらどうだ。会社は二分の一の四十倍したものを持たなければならぬ。そうしてさらに政府が持つてくれたらよさそうなものを会社が持つというならば、おそらく日本製鉄という会社はそれだけの負担能力はなかろう。ないとすると非常な不公平が起きて来るじやないか。これを言つているわけであります。
○磯田政府委員 まことにごもつともな御意見でございまするが、基本的に国庫において負担すべきものなりやいなやという問題もあるわけでございまして現在までのところいろいろな関係から申しまして、政府といたしましてはこれ以上の措置ができないというのが実情でございます。
○小山委員 基本的に政府にそれだけの義務があるかどうかという問題になつて来ると、議論が前にもどるのです。その点は前国会において認めていただいたわけです。ともかくそのときのいきさつにかんがみて、政府の負担すべきものであり、途中で区切るという話はわれわれは伺つておらぬ。だからその点が不合理じやないか。これについてはきようは時間がありませんから私の質問は留保いたしまして、あらためてまた明日でもさらに質問を継続いたしたいと思います。
○夏堀委員長 暫時休憩いたします。 午後五時一分休憩 ————————————— 〔休憩後は開会に至らなかつた〕