P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
9回国会衆議院1950/11/29

大蔵委員会 第4号

発言数
41
登壇者
6
会派数
1
開催日
1950/11/29

会議録

夏堀源三郎自由党

○夏堀委員長 これより会議を開きます。  所得税法臨時特例法案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案、及び揮発油秘法の一部を改正する法律案の三法律案を一括議題として、前会に引続き質疑を継続いたします。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 私は昨日平田主税局長からいろいろな話を伺い、各委員からも御質問があつたのでありますが、所得税に関しまして、一番しまいの方から先にお伺いします。  所得税の申告納税に対して、農業所得者以外の納税者につきましては、確定申告書の提出時期が一箇月延長になつたのでありますが、私どもの観点からいたしますと、やはり一月末日に確定申告をいたしまして、二月に更正決定をなさつて、三月には完了という程度の方が穏健であろうということを考えております。むしろ日本の会計制度を毎年七月一日から翌年の六月三十日までに改正せられる用意があるならば、それは一月延ばしてもよろしいのでありますが、そうでなくて、やはり現行法通り毎年四月一日に始めて翌年の三月三十日に終るという段階ならば、むしろ一月になすつた方が国民も便利であろうと思うのであります。しかし主税局長のお話にありましたが、二月にいたしましても、もう確定申告だけでけつこうであるから、それで十分だというならば別問題でありますが、どうして一箇月延長されたか私はふに落ちないのであります。むしろ一月に確定申告をなさいまして、二月に更正決定、三月には完了する。四月、五月までには二箇月延長がありましても必ずやつてしまう、こういう制度の方がよろしいと思いますが、どういう理由で一箇月延ばされたか。それを根本的にお伺いしたいと思います。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 ただいまの三宅委員の御意見はごもつともなところも多いと思うのでありますが、ただ何と申しましても、申告所得税につきましては、いかにして申告の成績をよくするかということが、私ども急務だと実は考えておるのであります。更正決定の件数をなるべく少くしまして、税法で計算した正しい所得が申告され、正しい税額が申告をされるということを、第一義的に考えたいと思つております。そのためには一月末ということになりますと、納税者もやはり計算その他が十分まだ出そろわないということもございますし、それから税務署におきまして、納税者に対しましてある程度の申告の指導をいたしたいと考えておりますから、その指導をするにつきましても、期間が短くてはなかなか調査もできませんし、思うような決定もはかられないということになりますと、勢い申告は非常に低くて、あとで更正決定をせざるを得ない、こういう実情になりがちでございます。従いまして一月から二月末というふうに一箇月延ばしますと、その間一月の余裕がございますので、納税者も計算上非常に便宜があるし、それと関連しまして、納税資金の調達等にも便宜がございます。役所の方におきましても、その間よく調べまして、申告の指導等にも十分の手配ができる。そうして申告がよくなりますと、私は自然に納税もよくなるということを考えまして、今のような現状からいたしますと、一月くらい延ばすのがいいのじやないか、こういう考え方で一月延ばすことにいたしたのであります。根本的にはお話のように、会計年度等の問題もあります。会計年度をどうするかという問題は、財政制度全体の問題でありますので、これは将来の一つの研究問題だと思いますから、さしあたり今申しましたような実情からいたしまして、一月延ばしたいと考えております。従いまして更正決定も、今までより一月くらい遅れることになるかと思います。年度内に徴収税額を決定しますと、その税額はその年度の収入になるので、ややしりが詰まるおそれがありますが、まあ何とかやつて行けるのじやないか。今出納の閉鎖期は四月にいたしておりますが、これをできれば一月ぐらい延ばして参りますと、その間なおさらスムースに行くのではないか、こういう考え方のもとにこのような提案をいたしましたのであります。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 平田局長のお話は、大体了承する点もあるのでありますが、実は本年の八月、委員長と私どもは北海道地域あるいは東北地域をまわりましたが、どの税務署も大体半分ぐらいは、一万人の納税者のうち、四千人ないし五千人更正決定をしておつた、はなはだ更正決定が多いと思います。本年二十五年の初めにおきましては、大分上昇いたしましたが、将来更正決定をなされる予定を立てておられるか、おられないか。むしろ主税局長のこの前の御答弁では、更正決定はやや少くいたしまして、ほとんど納税者の一割以内にいたしたいというような意見も聞いたわけでありますが、私どもはそういうふうにいたしたいという念願を持つておるのであります。もちろん青色申告等もございますから、相当進歩はいたしたと思いますが、将来どのくらいの更正決定をするのであるか。私は将来なるべく更正決定をしていただきたいか、かように考えておりますが、どういうふうに考えておられますか。ひとつ承りたい。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 今から更正決定の件数をどれくらいにするということを申上げることは、なかなかむずかしい問題でありまして、極力正しい所得の金額が申告されることに努める。従いまして私どもは年々申告の成績がよくなつて、それに応じまして更正決定の件数なり、額が少くなるということを目安にいたしております。本年は申告期限を一月延ばしますと、昨年よりよほど減るのではないかと期待しております。ことに農業所得等の場合におきましては、標準率の作成をさらに一層精密にすると同時に、これによつて申告が出て来るようになりますと、特にそういう方向に行き得るのではないかということを期待しております。今ここではつきりどの程度まで本年度行き得るということを申し上げる段階には、まだ参つていないのでございますが、今そういう方針のもとに極力推進をはかるように進めておる次第でございます。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 善導いたしまして納税者に安心して申告せしめる、まことにけつこうな話でありますが、私の今考えておりますところによりますと、青色申告に対しましては、法人では法人会というものもでき、また個人では青色申告会というものができておるわけでありますが、これは法律の上ではたしかないと思つております。各税務署長がかつてにやつておるものでありましようか。それとも政府がこれを慫慂しておるものでありましようか。ややともいたしますと法人会あるいは青色申告会におきましては、会長あるいは副会長その他のものが、ボス的な存在になるとも言い得るのでありますが、どういう見解を持つておられますか。明快なる御答弁を承りたい。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 法人会という組織ができまして、これは税法の内容の普及徹底、そういうようなことに非常に努めており、あわせて法人の経理ということについて、相互改善をはかるという組織ができておることを私も聞いております。私はそういう目的で活躍する限りにおきましては、こういう組織は非常にいい組織ではないかと考えます。それによつて一面におきましては、納税者の一般的な意思の疎通もはかれますし、他方税務官庁等の取扱いの内規等もよく徹底がはかられまして、納税が非常に円滑になるのではないかと考えますが、もちろんそういう法人会の幹部等の人が、個別的にある会社なり、ある納税者の納税について立入ることは、これは絶対に避けなければならないと思いますが、全体としてそういう組織ができまして、お互いに意思の疎通をはかり、役所としましても、通達取扱いの普及徹底をはかるということは、円滑な納税をはかる上におきまして非常にいいことではないか、このように考えておる次第ございます。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 私が北海道地域をまわりました際に、標準というものを示してもらいたい、ことに農業者におきましてはそういう意見が非常に多かつたのでありまして、ことに主税局におきましても、各府県の農業所得者の平均と申しますか、基準の調査をせられておるものと思つております。これによつて農業所得者が、割合に不平が少くして済むということもあり得るのでありますが、もう一歩進めまして各府県別に町村は町村、あるいは市は市、業者は業者別というふうに基準を多少示されて、これを参考にして税務署が決定する算定の基礎にいたしたいと思います。これはお互いに今やつておることとは思いますが、むしろ大々的に各業者、各組合等の代表者、幹部等を税務署もしくはその他の団体を通じまして招致いたして、その明確なる基礎資料を集めた上において基準を示す。こういうことによつて基準を基礎にいたしまて、各業者別の個人調査も進めて行く。あるいは法人調査も進めて行く。こうしたいと思うのでありますが、すでにそうしたような基準は各税務署ごとにやつておるものと思います。これを示した方がよろしいと思いますがなかなか示しておりません。主税局長はどういうふうに考えておられますか。私は一般にこういう基準をお示しなさつた方がよろしいと思いますが、どう考えますか、承りたい。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 所得の計算は理想を申しますと、各人ごとに収支をよく調べまして、的確な所得額を出す。納税者も収入支出を自分でよく計算しまして、正しい所得を出すというのが理想でございます。私どもできますれば全部がそういうことで済むことを、実は希望しておるのでございます。しかし帳面が不十分なために、収支だけはわかるが、支出がわからぬというところもございますので、今お話のように、所得計算の間接的な方法といたしまして、一つの所得標準というものをつくつておりますことはお話の通りであります、農業所得の場合におきましてはまことにこの必要性がございまして、幾ら当り所得どれくらいという標準をつくりまして、それで所得を算定いたしております。しこうしてこの標準は、おそらく大部分の地方におきまして、それぞれ関係の団体等の意見を聞きまして、適正化を期することにいたしております。ただ団体の不当な勢力に影響されるようなことがないようにということは、非常に注意をいたしております。そういう注意をいたしまして正しい標準をつくり、それに基いてこの申告がなされるように指導しております。しかしこの標準はところによつて非常に好評を博することが、行政上かえつて不当な結果を来すような場合には弊害もありましようが、大体のところ市町村団体におきましてはそれぞれ承知いたしております。わかるようにいたしまして、それに基いて正しい所得の申告をされるように努めておるわけであります。  それから営業者の場合についても、やはりある程度標準というものをつくつておりますが、これはできますならば将来はそれにたよらないで、正しい所得が個別に出せるようにいたしたいということを考えております、もちろん役所の調査の参考として、あるいは帳面等がはつきりしない場合におきましては、その標準を適用して所得を推定して出すというような方法も講ぜざるを得ない。これについてもやはりよく資料を集めて、適正な標準をつくるように努力しておるわけでございますが、これも一律に各自に公開するという性質のものではないじやないか。必要に応じまして私はもちろん納税者の団体等に示してもいいと思いますが、必ず公開しなければならぬとも限らない。その場合におきまして、いずれがよりよく円滑な納税になり得るかということを判断して、それによつて善処したらどうかというように考えるわけでありますが、これはあくまでも所得を籍するための間接な一つの標準なのであります。所得は御承知の通り税法の規定に従つて、収入支出を厳密に調べて実は算出すべきものなのでございますので、あまり多く標準をつくるということは、将来の問題としては私は妥当でないと思う。しかし今の問題としましては、先ほど申しましたように、帳面等が不十分でありますから、これはやはりある程度そういう方法で所得を調査するよりほかない、こういう実情だろうと考えております。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 法人などにおきましては、相当会計経理についての経験者もあり、ある程度まで経理内容が整頓しておる。しかし個人等零細企業においては、なかなか帳面もありませんから、ぜひそういう基準をきめる必要がある。ことに東京ならば東京の財務局、今は国税局になつておりますが、そういつたところで一応線をきめまして、たとえば東京管内は、東京都下は大体同じだとか、あるいは神奈川県はどうだとかというように、一応の算定の基準を示したいと思いますが、過去のことを申して恐縮でありますが、ことに愛知県等におきましても、同じ愛知県でも岡崎の税務署と碧南の税務署と西尾の税務署とは違う。わずか一里か二里離れているにすぎないにもかかわらず、それが違つておるということを聞きまして、はなはだ不可解に感じておりますが、少くとも同じ国税局管内だけは、その基準は同じようにするように連絡会議でも開いて示された方が穏健だと思う。北海道におきましても、川一つ隔たつているために、たいへん違うこともあるということを聞きましたが、どういうふうにするのですか。算定なさるときに、基準は各国税局管内で連絡をとつて公平を期してもらいたいと思いますが、どう考えておられるが、承りたい。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 今のお話は非常にごもつともでありまして、標準をつくります場合におきましては、隣接の税務署の境で不公平がないように、それから国税局を違えたために不公平にならないように、努力することにいたしております。最近は大分その辺につきましても改善のあとが見受けられまして、だんだんとよほどよくなつているように思いますが、なお将来そういうことにつきましては一層努めまして、不公平にならぬようにしたいと存じております。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 私は年来の主張がありまして、毎国会言うことでありまして、平田さんもすでによく御存じと思いますが、民主納税になりました以上は、民主納税に即すべく、われわれ個人あるいは各会社が、かつてと言つては失礼でありますが、自分の計算によつて正確に出すということは、もちろん必要であります。ところがもう二、三年の間は、少くとも昭和二十七年、八年まで、三十年とは言わないが、ここ二、三年間はどうしても私は第三者、各業種団体、もしくは地方の行政担当の経験者を集めた者の意見を聞いて算定の基礎をつくる。これが一番よいと思つておつて、かつての所得税調査員というような意味合いにおいての権限はなくても、ある程度まで聞いてから、しかる後に税務署長が決定をする。この制度をしけということを、たびたび言つておるわけでありますが、今のところに平田さんがたびたびお話になつた通り、そういうような考えは持つていないということをおつしやいましたが、やはり警察においても公安委員があり、選挙においても管理委員があるというようなふうに、もう少しく民主納税にマツチするような制度をお考えになつていただきたいと思いますが、今どういうふうな心境を持つておられるか、お伺いしたいと思います。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 一番徹底しました民主的納税は、納税者が自分で税法で計算して、申告で税金が全部納まつてしまう。法律の解釈なり事実の認定なりに見解の差がある場合においては、それぞれそれを担当るす政府の機関、裁判所等がございまして、そういうところでフエヤプレーの原則で問題を解決して行く。解釈等につきましても、あくまでも納税者は自己の正しい主張は主張して、裁判所で堂々と役所と争いまして、最高裁判所できまつたらそれに服従して行く。これが私は一番民主的な納税の根本だろうと思う。中間にいろいろな団体なりその他を経由さしてやるのは、民主的なるがごとき考え方もございますけれども、これは本来の民主化じやないのじやないか。やはり納税義務というのは、税法で正確に計算しさえすれば客観的に出て来る。りくつを申しますと、そういうふうになつて来る。税法の条文がはつきりしない場合は、裁判所の解釈等によつてきまつて来るということもございましようが、そういうことなんでございまして、役所で適当に一定の額を納めさせるなんということは、もつてのほかのことなんでございます。そういう方向で問題が処理されて行くのが、今後のほんとうの民主的税務行政のあり方ではないかと考えておるわけでございまして、中間の責任があまりはつきりしない機関、しかし何らかそういう人に相談すれば、話はその場ではまとまるかもしれぬが、さらにいろいろ弊害の伴うようなおそれのある組織、しかもそれに対しましては責任の所在がはつきりしないといつたような方法は、これは私ほんとうの意味の民主化じやないのじやないかというふうに考えておるのでございます。従いまして一般的なことにつきまして納税者等の意見を十分よく聞くとか、一般的なことにつきましていろいろ会合したり議論したりして話し合うということは、これはけつこうだと思いますが、個々の納税者のことにつきまして、そういう団体の幹部等を介しまして、高い低いといつたようなことを議論することは、どうもほんとうにとるべき策じやないのじやないかというふうに考えておるわけでございます。だがしかし理想通りに行くのが何でございますので、過渡的にお話のようなことも実際上考えなくちやならぬ場合も相当あるかと存じますが、ただあまりそういうことにとらわれて左右されますと、将来の方向を見誤るおそれがございますので、先ほどから申し上げましたような方向で運用をはかつて行くという考えで、現在のところおるわけであります。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 私は北海道地域に参りましたときに聞いたことでございますが、各税務署とも審査請求というものが出ておるわけでありますが。大体九八%は税務署できまる。今はこれは再調査とかわつたわけでございまして、この再調査をなさいますのですが、私の見るところによりますと、まだ二十四年度、二十三年度等の審査請求の未了がありまして、これは各税務署とも秘密にいたしておつて、見せておりませんが、中を探つてみますと三、四件、どうも二十件くらいかたまつて、それが机の中に残つておつて、知らぬでおつたということがあるわけです。私はあなた方のような最高幹部の人が地方の税務署を御視察になつた場合において、もつと下の方をよく見ていただいて、二年も三年も審査請求が積んであるままで、しまいには燒却してしまう、いわゆるやめてしまう、というようなことがないように徹底してもらいたい。これはひとつ厳重に申し上げたいのでありますが、前の審査請求、現在の再調査によつて、今度は各国税局の協議団にまわすわけでありますが、まわしました数もしくはその進捗状況について主税局長から承りたい。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 審査の進捗状況の表は、今手元にございませんので、後ほど調べましてお答えいたしますが、今お話の通り、私どもも極力お話のようなことがないように、実は鞭撻いたしておるのございますが、何しろなかなか役所の仕事もまだ秩序が十分整わないところがございまして、思うように行かないことを遺憾に思つておるのでございます。ただ本年度ははつきり協議団という制度を設けまして、とにかく私は協議団をしきりに鞭撻しておるのでございます。税務署の味方になつてはいかぬ、納税者の味方になるつもりでしつかりやつてもらわなければならぬということを、極力会合のあるたびごとに私は申し上げております。そうしまして納税者の味方になるということは、ただいたずらに税金を負けることではありません。正しい主張は十分聞き入れ、正しくない主張はもちろん却下して、公正に裁くということについて努力してもらいたいということを言つておる次第であります。この協議団ができましてから、税務署も相当やはり急ぐ、慎重を期するというようなことにつきまして、相当改善をいたしておるようであります。協議団に事件を移しまして、負けてしまつてはぐあいが悪い。従つて早く公正なものに直そう、こういうような反響もあるようでございまして、この制度はまだ実行されたばかりでございますが、必ず相当な成績を収めるものだ、また収めるように指導して行きたい、かように私は考えております。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 協議団の制度はまことにけつこうでございますが、ややともいたしますると、今局長のお話になりましたように、役所の方に味方になりがちである。もちろん私の方は公平にやつてもらうことを勧奨いたしたいと思うのでありまするが、各府県に出張所があるわけでございますから、これを常置してやられるようなお考えでございますか。それとも臨時に行つてやられるのでありますか。その辺を承りたいと思います。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 協議団の私の方の出張所は、恒久的に仕事をさせることにいたしております。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 もう二、三点で終りますからお聞きしたいと思いますが、私どもも不平の早く片づくことを歓迎するわけでございます。各税務署長につきましても、あなた方は訓令を出しておられることと思いまするが、法の趣旨にのつとつて迅速かつまた正確に計算をせよということを言われますので、その通りやるわけでありまするが、ややもすると官僚風を吹かせまして、ある程度まで税務署が一旦きめまするとなかなかこれを更正あるいは訂正しない、こういうのが各地に続出しておるということを言われておるのでありまするが、やはり納税者の方も多少痛いところがあるというような意味合いておいて、そのままになつてしまうということが多々あるわけでございます。もちろん公平なる納税、公平なる決定、これはわれわれの望むことでありまして、常にこの点は平田主税局長あるいは国税庁長官の高橋衛氏あたりから、これを訓示しておるわけでありますが、私はいま一つ御参考までに皆様にお尋ねしたいと思う点があるのであります。この所得の決定の基礎でありますところの基礎控除の点は昨日承つたのでありまするが、たとえば三万円のものを三万五千円に上げるというふうに、もうちよつとやる必要があつたと思います。ここでおきめになつたのは十万円程度でございまするが、十二万円ぐらいの基礎控除をつくつたらいかがかと思つたのでありまするが、その点についてもう一ぺん明確なるお考えを承りたい。基礎控除をもう少し上げるということであります。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 これは昨日も申上げました通り、一定の算式でぴたつと出て来る数字ではなくて、いろいろな情勢から判断しまして出て来る数字だということを申し上げたわけでありますが、去年昭和二十四年度は一万五千円でありますし、今年が二万五千円、来印は三万円、物価水準は最近は若干上つておりますが、去年一年の平均に比べますと、本年はわずかの上り方にしかすぎないのであります。すなわち貨幣の購売力が大体同じである場合におきまして、基礎控除が二倍になる。これは相当の引上げになるということを申し上げてもいいじやないかと思つております。それから基礎控除を千円かりに上げますと三十数億実は減収になるのでございます。もう五千円上げますと、さらに二百億近くの財源を実は必要とするのでございます。これではやはり予算をそれだけ削減するよりはかないということになるわけでございまして、その辺のところは全体の予算の計画とも関連いたしまして、なかなか基礎控除を引上げるという見地だけでは問題が解決しないという点がございまして、いろいろかみ合せた結果、さしあたりといたしましては、今回提案いたしました程度が妥当であろう、このように考えて所得税法を立案した次第であります。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 あともつかえておりますから、もう一点だけお尋ねしてしまいます。あと時間がありましたならば、お許し願いたいと思います。  所得税の臨時特例のことでございまして、昭和二十五年度のいわゆる二十六年一月一日から三月三十一日までに至る間のことでありますが、二十六年中度におきましては、私はぜひもう一段と考慮の上において、補正予算に示された額以上に所得税なりその他の物品税なり、その他の税等も改廃いたしたいと思つております。昨日も酒税につきましては各委員からも御質問があつたと思いますが、主税局長はもう一段と努力を払われまして、来るべき国会には、もう一ぺん大奮発をしてもらいたい。そういう気持で、大蔵大臣なり幹部と相談してもらいたい、かように思います。

小山長規自由党

○小山委員 現在提案されております法案と離れたことを二、三質問いたします。現在の法案に関する質問は、私が要求しております資料が参りませんので、その分は後に譲ることにいたしまして、税法の全体についての質問を二、三いたしたいと思います。  第一は、現在の税法において例の予定申告の際における規定でありますけれども、減額申請の問題であります。現在の税法では、たとえば今年の場合を例にとりますと、六月十五日までに減額申請をして、七月三十一日でありましたか、予定申告をするということになつております。ところが、実際問題としては、たとえば六月十五日に減額申請の期日が来ているが、七月三十一日までの間に四十五日の期間がある。その間に、たとえば暴風雨その他によつて資産上の損害をこうむつたとか、あるいは失職をしたということで、予定申告までには当然に減収であることが確定しているというような場合にも、なおかつ現税法ではその期間が経過したために減額申請ができない、こういう不便があるのでありますが、この点については何か主税局において、改正意見その他をお持合せでありますか。これについてまず第一に伺いたいと思います。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 予定申告の前年度実績課税につきましては、昨日も川島委員のお尋ねにお答えしているのでありますが、予定申告でありますので、あまりむずかしいことをお互いにやることは避けたらどうか。顕著な事実がある場合はやむを得ませんがどつちがいいか予想がはつきりつきがたい見解において差があるというような場合には、前年の所得金額で税金を一応納めてもらいまして、確定申告に際しまして正確に所得税を計算して精算する、こういうのがいいじやないかという考え方で予定申告ができているわけであります。従つて相当ふえる見込みの場合でも、役所に前年度の実績が出ているから、それでそのままにしておくというわけでありまして、その中間にやる仮更正決定の際、納税者といたしましても、その間にあまりふえるかふえないかいろいろな差がある。これをできるだけ少くしてやつて行きたいという大体の考え方でできているのでありまして、従つてあまりこまかく、わずかな差でも、いやしくも減りそうなら減らすということで減額するということになりますと、かえつて手数になつて決定しがたいじやないかということもございますので、現在としてはいろいろ検討しておりますが、あまりわずかな差を争つて使いにくいような税法にすることについては、私どもはいささか消極的な考えでございます。ただ第一期の部分は今申し上げた通りでありますが、第二期におきましてまた減るような事情が出て来た場合、それは更正の請求で納税者は主張ができるわけであります。その間における若干のそういうことのずれにつきましては、あまりこまかくしない方がいいのじやないかと思いますが、なお今の御意見等の問題につきましては通常国会の際に検討いたしまして、適正なる結論を下すようにいたしたいと思つております。

小山長規自由党

○小山委員 あまりこまかくやると確かに不便であることは事実でありますが、実際問題として、今年われわれが九州の税制調査をやつたときに、この問題が案は起つておつた。九州は御承知のように非常な風水害が起りまして、たんぼは現実に流されてしまつた。あるいは予定申告の期限が過ぎた一週間後に職業を失つた。あるいは停年で退職してしまつた。停年退職の場合に退職金があるようなところはよろしゆうございますが、そういうことがなくては、はたして今後どうやつて行こうか、生産費にも困るというようなときに、前年度の実績によつて一応きめますが、資金的に非常に困る、こういう問題が実は起つておりましたので、これは立法的に処置すべきものであろう、こういうふうに考えて、大蔵委員会でもその案を練つておるのでありますが、政府においてもそういう顕著な事実のある場合のエクスキユーズを、そういう法文に入れるように研究してほしい、かように希望するわけであります。  それから第二は、これはやはり税法上の欠陥なのでありますか、あるいは税法と現在の民情がマツチしていないということから起つて来るのでありますが、現在の税法によりますと、かりに予定申告まではやつておつても、確定申告をしなかつたというような場合には、扶養控除の法律上の控除を認めてもらえない、こういう事例があるのでありますが、現に私が調査しました範囲内において、一つそういう場合があつたのであります。予定申告まではやつた。それは昨年の十月ごろでありますか、最後の予定申告のときでありますが、予定申告はやつたが、そのときに税務署の仮更正決定があつた。その仮更正決定で、もうそれで済んだのだというふうに誤認して、そのままに放置しておいた。そうして確定申告をしなかつた。ところが確定申告がしてありませんので、これは税法上当然のことでありますが、税務署が更正決定をやると、当然に扶養控除は認められない。こういうような形で、非常に窮状に陥つておる事例があります。それからそういうような予定申告はしておつたという事例でなしに、別にたとえば農村地帯になりますと、非常に民度が低いために、予定申告も確定申告も、大体班長であるとか組長であるとかいうような人たちが代筆をしておる。その代筆をしておる人が、税法をよく知らないために誤りをする。ある甲という人の所得から扶養控除を引いてみて、税がかからないという計算が出て来ますと、同じような人はめんどうくさいから、あとの人はそんなことをしなくてもよろしいであろうというようなことを言つて、代筆を断つたために申告が出なかつた。従つて税法上当然に扶養控除ができないために、また六千円あるいは九千円というような扶養控除に相当する税額の徴収決定が来ておるというような事例があつて、非常にお気の毒な場合が多いのであります。これを調べてみますと、事情はそういう通りであり、また一面において税務署の普及宣伝が十分に行き届いていなかつたという点が、調査の結果明らかになつておるのでありますが、このような問題は、法律上の問題としてこれを論ずるときには、なかなか解決のできない問題でありますけれども、そういう気の毒な事情のある人たちが何人おるかということは、当該税務署においてはわかつておるはずであります。     〔委員長退席、奥村委員長代理着席〕  これをもし徴収決定の通り実行して行きます場合は、それが実際問題としてその人の家計を非常に圧迫する、あるいは生活が困難になつて来るような事情がある場合には、不納欠損処分にする方法はないかということを、私どもは考えておるのでありますけれども、そういうような行政処置についてお考えになつたことがございましようか、お伺いしたいと思います。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 法律上の制度としましては、扶養控除はやはり納税者の申告と一緒に、家族数を書いて出すということを要件にいたしております。基礎控除でありますと、所得者であります場合におきましては、常に一人いることがはつきりしまして問題にならないのでありますが、扶養控除でありますと、何人かはつきりしない。従いまして、納税者の申告を要件にいたしておるわけであります。これがいいか悪いか若干問題はあろうかと思いますが、しかし所得税の申告義務の重要性をよくわかつていただくためには、やはりそういう制度が建前としていいのではないかと考えております。ただ法律上におきましても、やむを得ない事情があるときには、税務署長は認めることができるという条文を一つ入れておるわけでありまして、今お話のような場合には、はたしてやむを得ざる事情であつたかどうかという解釈と申しますか、運用の問題だろうと思いますが、従来も、たとえば全然所得税を納税したことがない人が、どうもうつかり怠つていた、ほんとうに善意に怠つていたというような場合におきましては、申告期限後に申出があればやむを得ざる事情として認めておる事例が相当ございます。でありますが、年々申告している者が、ある年申告をしなかつたというような場合になりますと、そこまでやむを得ざる事情を広げないか、いろいろ問題がありまして、あまり広げますと、あの法律が空文になるということにもなりますので、お話のような場合は、現場々々で結局妥当な解決をはかるよりほかないのではないかと考えます。適当に善処したらどうか、この程度に考えております。

小山長規自由党

○小山委員 ただいまの問題は、やむを得ざる事情であるかどうかということにつきましては、第一番目の予定申告をしたときに仮更正決定を受けて、そうしてそれでもう済んだものだと誤認したという場合は、私もこれはエクスキユーズの道があるのじやないかと考えております。第二の問題の、字が書けないため、あるいは税法上の解釈がわからないために、他人に依頼してやつておるという場合に、今度はその組長なりあるいは班長なりという人が、税法上の扶養控除を拡張されたために、当然拡張された扶養控除の金額で計算すれば納税義務はないのであるという、ある一人の人にやつた判断を、さらに他人に拡張したというような場合も、これもまたやむを得ざる事情の中に入るのではないかというふうに考えますが、局長の御説明を伺いたい。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 今の御指摘の前者の事実ですと、所得税法の期待するところからいたしまして、どうも少し拡張し過ぎはしないか。それよりも、税金がかからなくても予定申告、確定申告それぞれ申告してもらうという建前に実はなつておりまして、いろいろな申告を何となくいやがられる納税者があるのでございますが、やはりとにかく計算をしてみて、税金がかからなくても申告しておくのだ、こういうことにならなければ、申告納税はなかなかうまく運用できないのではないか。従つて申告しないということ自体、昨年度の改正で、故意にやりました場合におきましては、罰則もつけてあるような次第でございまして、税務署から逃げよう逃げようというのではなくて、むしろ税務署に何でもさらけ出して、そして納めるべきものは納める、こういう正しい考え方をしてもらうようになつて行かぬと、なかなか納税がむずかしいと思います。現在のところは、実際問題としてそこに行きにくい事情はわかりますけれども、税法の期待するところは、案はそういうふうになつておりますので、予定申告は申告したが、確定申告ではもう大丈夫だと思つて申告しなかつた、それでもういいのだというようなことにつきましては、そこまで認めますのは、少し行き過ぎじやないかという感じがします。そういうわけで、納税者がまつたくそういうことについて経験がなく、理解がなかつたというような場合に、具体的にどうするかということは、また若干問題があろうと思いますけれども、今の御指摘のように、これをただちにやむを得ない事情と解釈してしまいますと、少し行き過ぎじやないかと思います。  それから第二の問題ですが、他人に頼んで、その他人が重大なミスを、あるいは善意のミスをしておつた、そのために依頼した本人が不測の損害をこうむつた、こういう場合、これも法律的に申し上げますと、そういう人に頼んだのが失敗の始まりだということになるわけでございますが、その辺は結局実際の問題でございますので、そういう場合におきましても、やむを得ない事情と言つていい場合もありましようし、認定することがむずかしい場合もございましようし、この問題について一律にそういうものを全部やむを得ないものとして認めると私から言つてしまいますことは、少し行き過ぎではないかと思います。しかし運用の余地はあろうと思います。その程度で御了承願いたいと思います。

小山長規自由党

○小山委員 運用の余地があるという言明を得ましたので、私はそれで満足いたします。  その次に、これはまだどなたも持ち出さない問題なのでありますが、再建整備法と税法の関係でございます。これは非常に複雑した問題でありますので、大体手近な問題だけ申し上げますと、再建整備法ができたときに、税法との関連を十分に考えていなかつたということから出て来る非常に矛盾した問題があるのであります。これについて主税局長のお考えを伺つておきたい。一つは再建整備法によりますると、再建整備会社は二十一年の八月でありましたか、その八月から再建整備の許可があつたときまでを一事業年度として計算することになつておる。その結果、たとえばある会社がその間に非常な欠損が出た。その欠損を埋めるために資産の評価をやります。資産の評価をやつて。欠損を消して。新会社に発足させるというような場合があるのであります。ところが税法上における決算年度というのは、大体一年ということになつておるらしい。そうしますと税法上においては、資産の評価によつて一年以前の欠損しか補填することを認めておりませんので、二十一年の八月に再建整備に指定された会社が、たとえば二十四年の九月なら九月、二十五年、今年の九月なら九月に再建整備を終つた場合にその以前の一年間の分だけしか資産の評価による損金の繰越しを認められない。そしてそれ以前の分については、評価益として税法上の課税を受けておるという事例が起りつつあるのであります。この解釈について、主税局長はどういうふうにお考えになつておりますか。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 この問題は今までの法人税の解釈からしましては簡單な問題であります。つまりある事業年度に生じた損金は一年の繰越し控除を認める。その原則の当然の適用にほかならないと思います。しかしそういうことがいいか悪いかいろいろ問題がございますので、今後は五箇年間繰越し控除は認めるというようなふうに、今年から税法をかえたわけであります。今までの法人税におきましては、各事業年度ごとに所得を打切り計算いたしまして、それぞれ所得税を納税する方の一年間繰越しを認める、こういうことにいたしました当然の結果であろうと思います。しこうしてその一事業年度というのは、企業整備をやつておりますものにつきまして、数年を一事業年度とすることは不適当でございますので、適当な年度に切りまして所得税を納めさせるということにいたしておるわけであります。これを個人の営業者は毎年打切つて所得税を納める法人の場合でありますと事業年度ごとに納める。少くとも一年ごとに納める。こういう建前になつております結果、特経会社になつたからというので特別に考えるという理由はないと思いまして、そういうようなことにいたしておるわけであります。少くとも今までに関する限りにおきましては。税法の一般体系からしまして当然の帰結ではなかろうか。五箇年の繰越し控除になりましたので、今後におきましてはそれは長期に控除される、こういうことに相当なるものだと考えております。

小山長規自由党

○小山委員 その点について私は重大な疑問を持つのであります。というのは再建整備法によつて再建整備会社に指定されている会社は、そんな税法が要求しているように毎事業年度の決算はできなないはずであります。そこでその最後の欠損をどう始末をするかというと、再建整備計画が承認されたときでないとできないのであります。従つて過去の二十一年八月にさかのぼつて生じたところの欠損は、最後の整備計画ができたときでなければ、これを補填することは法律上不可能であります。その不可能なものを税法上可能であるがごとくに課税することが間違つておるのではないか、こういうふうに考えますが、その点はどうですか。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 税法上法人税におきまして、そういう総益金から総損金を控除するというのは、決算に関係ある場合もございますけれども、ある一定の事案行為が生ずる場合におきまして当然出て来る。つまり法人が決算をしなくても、中間で打切りまして税法上の所得計算はできるのであります。それぞれ収入があり支出があり資産増加が当然あるといつたような問題は、決算をやる場合と同じようなふうにいたすわけであります。そういうことを法人はやりまして、この法人税法に基いて所得を計算して申告する義務があるわけであります。これをもしも事業年度を延ばしたからといつて、三年も四年もそのままにいたしておきますと、非常に課税に不公平を来すということになるわけでありますから、さような意味におきまして、特経会社におきましても一定の期間で打切つて、所得の計算をいたして法人税を納める制度の方が、税制としてはやはり合理的ではなかろうか、こういう考えをもつて今申しましたようなことに相なつているわけであります。しかしてある期間に生じた欠損をどの程度に認めるかということは、これまた普通の法人の場合と同様でありまして、特経会社でない場合においても繰越しは一年しか認めません。それと同じような待遇を特経会社にするということは、これは特に特経会社に不利なことをいたしているものではないと私は考えるのであります。私どもの税法の扱いといたしましては、特経会社に特に不利にしているというふうには実は考えていないのであります。

小山長規自由党

○小山委員 ただいまの再建整備法と税法との関係の問題はその他にも二、三あるのであります。一番大きな問題はこれでありますが、なお資料を整えてもう一度局長の御見解を伺いたいと思いますから、この点は一応留保しておきます。  次に再建整備法と税法との関係でもう一つこういう事例があります。Aという会社がありまして、これがBとCという二つの会社に分割されて、全財産をB及びCに渡したのであります。そうしてAがBCにわかれるときに、Aが過年度の法人税として負担すべきものは、もう資産を全部譲渡するので、BとCにおいて分担するという契約をした。これはAなる法人に資産がありませんので、やむを得ない処置であろうと思います。それでその契約にのつとつて、Aなる法人の法人税をBCがAという旧会社に渡してAなる法人から払わした。ところがAなる法人は別の会社からもらつた金で払つたからというので、この法人税に匹敵するだけの所得があつたものとしてさらに法人税を課せられた。こういう事例が起つているのでありますが、これは税法上の解釈としてはどうでありますか。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 今のお話は、もう少し事案をよくお聞きしましてその上でお答えいたしたいと思います。

小山長規自由党

○小山委員 どうも口の上で、あるいは耳を通してでは、局長としてははなはだ御迷惑であろうと思います。そのほかにもう一つありますが、これにも耳を通してではお互いに理解しにくいと思いますので、それでは数字をもつてあとで申し上げることにいたしまして、私の質問は留保いたします。

奧村又十郎自由党

○奧村委員長代理 三宅君。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 私の鑑定によりますと、税務署あるいは国税局に調査査察部というものがあります。私の聞いたところによると査察に行つたところはみなつぶれちやつた、こういうふうに極端に言われておるのでありまして、私はむしろ調査はけつこうであるが、査察というのはあまり思わしくないから、この際英断をもつて廃止してもらいたいと思うが、主税局長はどういうふうに考えられておりますか。ひとつ率直に示してもらいたい。     〔奥村委員長代理退席、西村(直)   委員長代理着席〕

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 私は三宅さんと違つて、査察を受けまして会社が十分に反省してしつかり経営をやつているところは、伸長している事例をたくさん存じております。査察自体で、確かに大分経理が平素から非常に混乱していて、あとの建直しもうまく行かなかつたというような会社は、これはお話の通り経営もうまく行かなかつたような例もあるようであります。但しそういうものばかりでもないように私どもは認識しております。それと査察は申告納税制度の本質論と関連して来るのでありまして、やはり脱税をする者をそのまま認めておくということでは、まじめな納税者が正しく申告しようという意欲が起り得ない。單に道義だけではこういう税金というものは納まらないのでありまして、やはりまじめに納税しなければ場合によつては非常な制裁を受けるというようなことで、初めて申告納税の義務が確保されると実は見ておるのであります。従いまして一面におきまして調査課等の拡充も必要と思います。やはりほんとうに調べまして悪質な脱税者に対しましては相当きびしくするということが、どうしても申告納税をほんとうに育てるためには必要なことでございますので、査察の制度を、運用につきましてはよほどうまくやることを、非常に研究する必要があると思いますが、そのこと自体は私は将来むしろ拡充をはかるべきものじやないか、このように考えておる次第であります。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 もう二つだけですから……。大体今主税局長のお話は了承したわけでありますから、どうかひとつ査察の運用についてはもつと改善してもらいたいと思います。  次は税務署と国税局によりまして、会社でも個人の所得でも二百万円以上は国税局でやつておる、それ以下は地方の税務署でやつておるというふうに存じておりますが、私の聞くところによりますと、三百万以上のものでも地方の税務署で額を決定し得られる。でありますからどうか優秀なる官吏を国税局に集めるばかりでなく、地方の税務署にも配置したらもつと円滑に行くのではないか。私の聞くところによりますと国税局で調査をいたして、しかしながら決定はその税務署がやる。調査だけは上の国税局でおやりになりますが、決定権というものはそれをうのみにいたしまして地方の税務署がやつておる。これはまことにどうも不謹慎きわまるものである。こういうことも私は言い得ると思うのであります。これを一元化せしめるために税務署の方に国税局から出張して行つて、ほんとうにそれが常住いたしてやつた方が能率的であり、かつ穏健であると思いますが、これに対して主税局長の答弁を求めます。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 お話の通り国税局の調査官が調査いたしたものは、税務署長に通知いたしまして、その税務署長の名前で決定することにいたしております。これは一つは徴収の便宜との関係も実は考えたのであります。国税局で決定いたしまして、国税局所管の歳入にするということはどうも不適当じやないか。徴収のことを考えますとやはり税務署長を通じて決定することがいいという考えで、そのようにいたしておるのであります。従いまして実態的にもそのことは納税者には明らかにいたしております。それからその後の扱いといたしましても、税務署長が調査して決定したものは再調査の請求になるわけでございますが、国税局の調査官が調査しまして決定したものはいきなり審査の請求になる。そういうことも法律的にちやんと明らかにいたしておるのであります。従つて実態的にはそういうふうに筋道を明らかにしておりますれば、今申し上げましたようなことをいたしましても別に不都合はないのではないか。これは一つの考え方で、三宅さんのお話も一つの考え方と思いますが、徴収との関係を考えますと、やはり所在の税務署長の名前におきまして決定するという行き方が、まず穏健ではないかと考えております。

三宅則義自由党

○三宅(則)委員 甲田局長のまじめな答弁でありますが、私はぜひこれもまた、調査部の調査いたしたものを税務署長がうのみにするということになりますと、そうも考えられませんからして、もう少し連絡を密にいたしまして、税務署長もそれに立会うというようにしたらよかろうと思います。  次にもう一ぺん国連があるので伺いたいのでありますが、今度地方税が大分拡充されまして、地方の税は地方税務事務所というものができ上つた。これが今までは国税のいわゆる税務署と区役所等の地方課とが連絡をとつていたわけでありますが、将来ももちろん地方の地方税務事務所と国税を扱う税務署とが、緊密に連絡をとる必要があると思います。そのゆえんのものは、国税がかりに高かつた場合におきまして、地方税にならうにいたしましても、地方は地方で調べるという制度をしていきたいと思いますが、また国税の方で漏れておつたものでも、地方の税務事務所で調べたものは国税局の方に通報する、こういうふうに連絡を密にすることがけつこうであります。と同時に、私の年来の主張でありますが、もう一つ税籍簿というものを完全に全国民に徹底するならば、そうしたような行きがかり上の不均衡というものはなくなると思うのでありまして、どうか国税も地方税も一貫いたしまして、よく納税の円滑化、公平化ということをはかりたいと思いますからして、そういう案を立てたいと私は思つておりますが、局長はどういうふうに考えておられますか。ぜひ各地にそうした公平な判断による税籍簿を備えたいと思います。

平田敬一郎大蔵事務官(主税局長)

○平田政府委員 税務署と市町村あるいは県の税務事務所、この間の税務の緊密な連絡ということは、まことに御指摘の通りでありまして、私ども極力そういうような方向になるように指導いたしております。ことに市町村民税等は所得税とまつたく同じようなものをべースにいたしますので、自然に相当いい傾向が出て来ているようでございます。私はこの情勢が大いによくなりますことを、会合のあるたびごとに、市町村の側にも税務署の側にも申し上げているような次第でございますので、御了承願いたいと思います。なお税籍簿の方は、三宅委員の多年の主張でございまして、まことに理想的な制度でございますが、まあどういう形でやるかいろいろ問題があろうと思います。納税者の台帳と申しますか、そういうようなものを非常に能率的につくりまして、納税者が動くたびに所轄の税務署が実態的に動くようなシステム、これは場合によりましたならば一つの有力な考え方ではないか。国税庁も目下いかにして公平な税をかけるために資料の収集を合理的にやるかということを真剣に調査しておりますが、そういうことの一環といたしまして、そういう問題も考えてみたいと考えております。ただしかしその場合は地方税と一緒にするということもむずかしいかもしれませんが、住所が移転して行方不明の者が見つかるまで、二、三年かかつて一ぺんに税金が来て納まらないというようなことがたまにはあるのでありまして、あるいは同じ税務署の中におきましても、転入してから二、三箇年相当大きな家に住んでいるにかかわらず所得税を払つていない、こういう例もたまには聞くようでございますが、まあそういうことのないようにできるだけ種々考えて行きたいと思います。

西村直己自由党

○西村(直)委員長代理 これにて散会いたします。     午後零時九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗