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9回国会衆議院1950/11/30

水産委員会 第4号

発言数
48
登壇者
11
会派数
3
開催日
1950/11/30

会議録

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 これより水産委員会を開会いたします。  水産資源に関する件を議題に供します。この際発言を求められております。これを許します。川村委員

川村善八郎自由党

○川村委員 私は水産資源の問題につきまして、水産庁の調査研究部長に質問をして、その所信をただしたいと思います。  水産資源の調査研究ということは、まことに日本の水産には重要な問題であります。すなわち水産資源の有無を明らかにして、そうして今後漁業法に盛られてあるところの免許漁業なり、あるいは許可漁業、あるいは地方知事に一任してありますところの許可漁業の許可、あるいは水産庁が今後許さなければならない許可等の問題に関しまして、資源とすべてをにらみ合せて許可あるいは免許をしなければならなぬ、かように考えるのであります。従いましてこの資源の調査に飛躍的な発展を試みたいということから、水産庁に水産資源の調査研究部というものを設置したゆえんもここにあると考えるのであります。今日日本の漁業は、一部はまだ資源が豊富であるというようなことも伝えられておりますけれども、全体から見まして資源が枯渇しているということも明らかであります。第七国会におきまして資源枯渇防止法の制定もそこにあつたと考えるのであります。しかしながら日本の漁業というものは世界的に大きいのでありますから、今後増加する漁民のことを考えるならば、繁殖保護をしなければならぬけれども、漁民の生活の安定を期するということに至りますならば、あらゆる海区の漁業資源の調査をいたしまして、でき得るだけ漁民の生活が保障できるような漁業権の免許あるいは許可をして、漁業経営を進めていただきたい、かように考えているのであります。  そこでまずその資源の調査がいかにできているかということを総括的に承ると同時に、特に昨年より問題となりました紀伊水道の問題、それから瀬戸内海の問題、北海道の海区に内地大県の入会問題、これらを中心に特に漁業資源の調査をしなければならないということが、本委員会でも台頭したのであります。  そこでまず第一に承りたいのは、紀伊水道の特別海区設置問題と相からんで、一箇年以内に、大体資源の調査を終つて結論を出したいという当局の腹であつたということを、参議院の水産委員会におきまして、調査研究部長が意思を発表したということを承つております。もうすでに一年がやや近いのであります。あの紀伊水道の特別海区設置問題は、まだはつきり出さないということはきまつておりません。すなわちくすぶつております。そこで一番重要な役割をもつてこれを研究しなければならないし、またその資源についての調査も発表しなければならないのは、調査研究部長の責任にあると考えるのであります。でありまするから、まず紀伊水道の資源の調査をしたかどうか、あるいは経過と結果がどうなつているかということを、お伺いいたします。以下一問一答の形式で質問し、御答弁をいただきたいと思います。

藤永元作農林技官(水産庁調査研究部長)

○藤永説明員 紀伊水道の資源調査の問題でありますが、これは本年九月から実施になつております。目下継続中でありまして、来年の三月末までには、一応の結果を出して御報告申し上げようと存じております。

川村善八郎自由党

○川村委員 ただいま調査研究中で、来年の三月には結論が出るということの御答弁であります。そこで調査をしているということについては了承するのでありますが、聞くところによりますと、紀伊水道はもちろんでありますけれども、瀬戸内海には無許可船の、機船底びき網類似船が数万やつているということであります。もちろん戰時中には、食糧の増産で一応黙認したようなかつこうになつて今日になつていると思いますけれども、これまでの資源の調査からいたしまして、その数万の無許可船をそのままに黙認しておくことがいいかどうか、悪いとしたならばどういうふうな方法をもつて、いわゆる資源の枯渇にならないように、あるいは漁民の生活の脅威にならないううにする政策を立てられているかどとか、この点をお伺いいたしたいのであります。

藤永元作農林技官(水産庁調査研究部長)

○藤永説明員 瀬戸内海の現在の資源が、非常に憂慮すべき状態にあるということは周知の事実であります。しかしながらこれを転換策も何も考えないで、ただ取締りだけやりました場合は、これは漁民の生活を非常に脅かすものでございます、従いまして、われわれといたしましては、何とかほかに転換策を講じなくてはならない、それにつきましては、瀬戸内海には干潟あるいは浅海が相当大きくございますので、そういう場所にはのりとか、かきだとか、あるいは貝類とかいうような増殖方法を、これから大いにやりまして、その方に多少でも漁民の人口を吸收して、なるべく漁民が生活に困らないような方法をとりながら、漁船の整理というようなことをやつて行きたいと思つております。

川村善八郎自由党

○川村委員 そこで、今瀬戸内海の問題だけに触れて、資源がもうすでに枯渇している、従つてこれを整理しなければならないのであるが、漁民の転換策も講じないで、取締り一方で行くということは妥当でない。従つて繁殖保護の施策を十分講じて転換させるというようなお話でありますが、そうでなければなりません。今は紀伊水道の御答弁がないけれども、同様に調査研究部では考えているだろうと私は想像いたします。そこで、一体そうした乱脈になつております紀伊水道あるいは瀬戸内海の漁業の整理というものは、繁殖保護をして十分な資源を培養してから転換させるということになりますと、調査研究部長の言う百年もかかるのではなかろうかと私は考えます、そうするとできないことだ。一体どういう繁殖保護の、いわゆる資源培養の方法を講ずるか、具体的に承ると同時に、大体整理をするという、つまり漁業の転換はいかなるものに転換をさせるべく、また従つて資源の培養をはかるかということを、具体的にまずもつてお示しを願いたいのであります。

藤永元作農林技官(水産庁調査研究部長)

○藤永説明員 瀬戸内海のようなごく限られた海域におきまして、資源の培養をやりながら整理するということは、きわめて困難なことでございます。従いまして、われわれといたしまして今考えていることは、はなはだ微温的な方法かもしれませんけれども、先ほども申し上げましたように、瀬戸内海の干潟、浅海というようなものを極力利用いたしまして、その方に人口を吸收いたしたい。それにつきましては、現在やつておりますことは、かきあるいはのりというよう養殖方法を、瀬戸内海では強力に押し進めております。しかしながらそれをやりましても、全部の漁民をうまくあの中に收めてしまうということはきわめて困難なことであろうと私は思うのでありますが。その点につきましては、私どもといたしましては、ほんとうにいい名案というものは持つておりません。これなら確実だ、これならほんとうに瀬戸内海の漁民が救われるのだという、ほんとうにいい名案は残念ながら、あるいはまた申訳ないことでございますけれども、私どもといたしましては、現在のところ持つておりません。

川村善八郎自由党

○川村委員 案は持つているけれども実行不可能だという、まことにたよりない施策をしておるようなことが、私は御答弁によつて察せられるのであります。この問題は、政府において相当巨額の補償金なり、あるいは転換資金なり、生活の救済なりをしてやらなければ、おそらく転換が不可能である、こう私は考えております。と申すのは、私も実は今度、一昨日委員長から資源調査の小委員長を命ぜられましたので、水産庁の資料によつてよく調査をしてみたのであります。いよいよそれとにらみ合せて、紀伊水道と瀬戸内海の資源の調査に来月中ごろから行きたいという所存でおりまして、現地の県庁の方々とも一緒にいろいろ話し合つてみたのであります。ところで今の段階からいたしますと、漁業経営者の勢力はまことに強いのであつて、ほとんどそのボスどもが牛耳つている。こうしたことから、調査に行くと殺されるのではないかという感じも話の中に伺えたのであります。しかし私はそんなことに動じません、どこまでも公平な調査を進めて参りますが、しかし資料によつて調査をしてみると、とてもこれは水産庁の考えているようななまやさしい資源培養だけでは、転換が不可能である。でありますから、その資源培養によるところの施策と、さらに政府が相当巨額の漁船の買收費なり、あるいは転換資金なり補償金なりをやつてこれを転換し、秩序正しき漁業を経営させるという方法でなかつたらできないのだと考えております。でありますから、水産長官はもちろんのこと、調査研究部長におかれましても、資源とにらみ合せて一応の計画を立てて本委員会にも諮り、さらに政府当局にも十分折衝をして、すみやかに転換の道を講ぜられる方がいいのではなかろうか、まずこうした一つの案をすみやかに見出して、紀伊水道の特別海区を設置するとかしないとかいうような問題もはつきりさせて、あの地方の漁民を安心させた方がいいのではなかろうかということを、私は考えたのであります。もちろんこれ以上に密漁船が増加しましたならば、当然共食いとなつて、お互いが生活に困るというようなことも、資料から見ますと明らかであります。でありますから、先般一応日本の小型機船底びき綱については要綱が示されたのでありますから、あの要綱も、実行不可能な要綱をつくつて、それを漁民に押しつけようとしても、私はとうてい瀬戸内海や紀伊水道では応じないと思つております。たとえて申し上げれば、噴火湾では一応小手繰は存置するということになつて、十トン未満、二十五馬力未満ということで、操業が可能なトン数、あるいは馬力の漁船で操業を進めるということになつておりますから、さような状態であるならば噴火湾の小手繰というものは押潰されても生活権だけは完全に擁護できるということを考えておりますが、この以東底びき綱の整理要綱に準ずるところの小型底びきの制度は十トン——もし誤りならば訂正しておきますが、十五馬力で操業する、これは紀伊水道でありますが、それで実際にできるかどうか、今聞くところによると、八十馬力くらいの船で何かケタ網のようなものをやつているということなんだそうですが、八十馬力の船でやつている者が急に十五馬力でやれと言われても、ほんとうにできるかどうかということを私は案じております。私は馬力だけを論ずるのではありません。いわゆる残る者も漁民が生活のできるような規則なり要綱なりを制定して、安心して漁業ができる、またその他転漁する者も、実際に安心をして転換ができるというような方法を講じなければならぬのでありますから、要綱なり規則なりというものをいたずらに強化して、漁民が不安のうちに転換をするという押しつけは、私はとうてい転換をする道に乘つて来ない、かように考えておりますので、でき得れば本委員会によくその点をあなた方から訴えて、また漁民の声も十分聞いて要綱を制定し、転換なりあるいは存置なりすべきものはして、漁民の生活の保護と漁業秩序の確立を期していただいたならばよいのではなかろうか、かように考えておりますので、瀬戸内海並びに紀伊水道の問題について、私の要望を申し上げて、この問題についての私の質問を打切りまして、あと北海道の問題をやります。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 ただいま川村委員より、瀬戸内海並びに紀伊水道の底びき漁業についての質問がありましたが、当委員会がこの問題を積極的に審議されるということは、非情に喜ばしいことだと思つております。そこでこの問題に対しまして、今水産庁の御返事は何らの具体的な案を持つていない。これを転換するとしたならばどうやるかということに対しても、具体的な案を持つていない。ただ何とかそのうち資源を育成するであろうというぐらいな簡單なことでありましたが、これでは沿岸漁民の方々はきわめて不安であります。現に底びきをやつていらつしやる方々も將来どうなるか、不安であるし、従つてただその場限りの濫獲をしようとすると、零細漁民がほとんど破滅の状態に陥る。現に福良辺においては配給もとれない、年末をどうしようか。税金も拂えない。その税金に差押えが来る。それで集団的にいろいろな反対運動が起つて来る。するとこれに警官を差向けて弾圧するというふうなことが起つておりますが、こういうこともひとえに政府の水産行政の悪い点から起つて来るのであつて、こういうことは、たとえば神戸事件のようなものも最近起つておりまして、あれも税金の問題や、完全就労の問題が起つておるようでありますが、漁業方面にもこうした問題が大きく起つて、いろいろな地方的な騒動が起つたならば、これは自分自身の水産行政の不徹底のために起つて来るということを認識しないで、かえつてその人たちに彈圧をもつて臨み、この中から数名の者を犠牲者として牢獄につなぐというふうな結果に立ち至るのであります。そういうことのないように、瀬戸内海並びに紀伊水道の漁業の問題に対しましては、ひとつ大きな方針を決定して、そうして両方が立ち行くように、日本の水産業が盛んになるように、この方法を決定しなければならぬと思います。  まず一つお聞きいたしますが、瀬戸内海並びに紀伊水道方面に、現に出漁しておる底びき並びに底びきまがいの船数が一体どのくらいあるものか。かつこれに対するところの従業員の人たちが何人ぐらいいるのか。その従業員の受取つておる賃金というふうなものはどのくらいに及んでおるか。かつこれには労働基準法が適用されておるか、こういうふうな点を、そつちの方で調査したものがありましたら、ちよつと知らしてもらいたい。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 そういう瀬戸内海の底びき類似船等の数字は、一応水産庁としましては、十分に調査した資料を持つておるわけであります。但しただいま御質問になりました労賃でありますとか、そういう点までは及んでいないのでありまして、大体類似船の隻数程度の調査でありますけれども、一応の資料は用意しております。御必要でありますれば、そういう資料の内容を印刷してでも出したいと思います。ただあらましを言いますと、大体三万隻以上に達しておるのではないか、こういうように思つております。詳細はまた印刷物で………。

井之口政雄日本共産党

○井之口委員 それでは、それを出してください。

松田鐵藏自由党

○松田委員 現在川村委員からいろいろと御指摘になつた瀬戸内海の資源調資に対しては、私はかつて百年放言であつたがごとく、その調査というものは、とうてい数学的にきつちりとは出ないものである。ゆえにあの瀬戸内海のあらゆる環境から、大きな都市を控え、そうして内海としてプランクトンの棲息が多く、現在三万隻の小型艦があの水域で漁業に従事して、どうにかその生業をやつておる。ほとんど濫獲し盡しておる現状であるが、その瀬戸内海の繁殖は、日本沿岸においてかつて見ない優秀な魚場であるという折紙がつけられるものと考えておるのであります。ゆえにこのたびわれわれに非公式に説明された、將来発布しようという瀬戸内海の漁業取締規則を、あの程度の強固なものとして瀬戸内海漁業の確立をはかろうということに対しては、非常にりつぱな案でなかろうかと考えるのであります。ところでその内容からいいまして、まずわれわれが第一に考えなければならないことは、第六国会で制定された漁業法の建前である。この精神をどこまでも生かして行かなければならない。現在瀬戸内海で行つておる漁業の中で、これはちよつと川村委員と私とは見解を異にするのでありますが、あらゆる違反漁業を行つておるものは、三万隻にも及ぶ小型漁船の漁民の生活の上からいつて、徹底的に取締るべきだ、かように私は考えるものであります。またこれの転換方法に対して、瀬戸内海取締規則は、現在現行法に基いて生業をわずかの域を脱してやつておる者は相当の考慮をする。これは川村委員と同じ見解を持つておるが、八十馬力、五十馬力などという漁業、またマンガだとかヒコーキだとか、かような漁具を使用して違反漁業をやつておるものは、何ら同情も考慮の余地もないものである。かようなものは徹底的に取締つて、自分の犯した罪、今まで漁獲でもつて自分に利益を與えておつたのをはき出すことである、かように私は考えるのであります。ゆえにまた紀伊水道の問題は、第六国会以来われわれ水産常任委員会で決議し、本会議においてもこれを決定しておる問題であります。ゆえにわれわれは紀伊水道はどこまでも漁民のためを考え、徳島県と和歌山県の漁民の利益のみを考えて紀伊水道の特別海区を設定するという考え方は持つておりませんでした。現在でも持つておりません。これは瀬戸内海全体の利益のために、あれは内海にあらず、外海にあらず、要するに魚の移動するところであり、また繁殖の最も重要な点である、かような見地から、あそこにあらゆる密漁船、違反船が密集して漁獲をすることは、瀬戸内海全体の利益を剥奪するものであるという観点から、紀伊水道の特別海区というものをわれわれが考えたのであります。ゆえにあそこにおける特別海区は、必ずや今後といえどもこれを設定すべきであるという考え方を持つておるのであります。ところが徳島県や和歌山県から、当時無動力においてあの海区の繁殖保護をはかるべきだという陳情がわれわれにあつたのであります。そこで今日考え方をいろいろ別にしておる者もありますし、世の中の推移、進歩もありますし、漁業そのものについて新たに瀬戸内海の取締り規則ができ得るものであつたならば、こしらおうという御趣旨であれば、内海はある程度の一定したトン数ないしは馬力によつて制限されるべし。それよりも同様かやや高率か、かような点において、内海のものが、紀伊水道のあの海区においてこれならば適当であろうという考え方を持つておるその馬力、トン数においてこれを許可して、所期の目的たる繁殖保護を最も重要視した方法によつて、この紀伊水道の漁船の整備をしなければならないのではなかろうか。そうした場合においては、一年や二年は今までの大きな馬力によつてとつて来たその率よりも多少は少くなるだろうけれども、現在あの濫獲をしておつてさへ、あれだけの漁獲があるのであつて、繁殖保護として最も優良なる海区なるがゆえに、必ずや三年、五年の後には、小馬力のものといえども相当の漁獲があることは火を見るよりも明らかだと、私は考えるものであります。ゆえに一日も早くあの瀬戸内海取締り規則の公布を急がなければならないものでなかろうかと私は考えておるのであります。それによつて資源の維持もまた漁業の調整もでき得るものでなかろうか。今までの違反船の船主に対して、これを救済するとか、または恩惠に浴させるというような考え方を全然排除してやらなければ、まずまじめな漁業者を守る法律規則というものはでき得ないものであると私は考えるものであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 瀬戸内海や紀伊水道の問題については、いろいろ議論も出ましたが、よく勘案をいたしまして、すみやかに整備をして正しい軌道に乘せた運用をやらすべく努力することを希望する次第であります。  次にお伺いいたしたいのは、北海道における機船底びき網の入会についての資源の問題であります。昨年東北の関係県から、北海道に百五十隻の入会を認めるということになりまして、その一つの條件として、資源の調査をするという條件がついております。そのほかたくさん條件がありまするけれども、それを述べておると一時間もかかりますので、資源に関する問題だけをお伺いします。その調査をしたかどうか、その一年の結果が出ておるかどうか、まずこの点をお伺いいたします。

藤永元作農林技官(水産庁調査研究部長)

○藤永説明員 私ども、不十分ではございますが、昨年調査いたしまして、たしか本年の三月と思いますが、印刷物にして発表しております。さらに昭和二十五年度も予算は少いのではございますが、継続してやつております。

川村善八郎自由党

○川村委員 そうしますと、大体一年終つて、そこで発表されたその資源調査に基いて、今年も入会を認めるということになつたのでしようか。

藤永元作農林技官(水産庁調査研究部長)

○藤永説明員 調査の結果は比較の問題でございますので、はつきりした数字などは二年、三年と継続しないとなかなかつかめないのでございますが、昨年の結果によりますと、北海道の太平洋沿岸におきましても、他の海区同様資源が十分にあるということは、確かに断定できないのであります。しかしながら東北方面に比べますと、多小は余裕があるのではないか。これも本体的なものではありません。漁獲の減少にありますけれども、ほかの海区に比べれば多少の余裕があるのではないかと思います。

川村善八郎自由党

○川村委員 資源の調査ははつきりしたことはつかめないが、まだ東北方面よりは資源があるということで、大体本年も入会を認めるようになつたと思います。そこでおそらく、水産庁におきましては、さらに一層の調査の確実を期すということで、本年十五隻を傭船して、現在底びき資源の調査をしておるということが、私昨日調べましたところが、表に現われて参つたのであります。一昨日の長官の答弁はさつぱりわからなかつたけれども、私の方で資源を調べたらすぐわかりました。その資料に基いて一応質問を試みたいと思います。  この十五隻の傭船は、見まするところ、賃貸料を拂つておる。いわゆる傭船料を拂つておるのは、たつて一隻、一箇月十万円となつております。あとの十四隻は傭船料を出さなくても、ただで調査をしてもらえるように、一応書類ではなつております。私は常識から考えても、実際から考えましても、資源の調査に乘り出すに経費がかかるのであるから、傭船料なり、資源調査に必要なる経費等を国家が負担しなければ、完全な、公平な調査はできないと考えるのでありますが、水産庁はそれに対してどうお考えになつておるか。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 この資源の調査にあたりまして傭船料なしで調査するということでは、公平な調査ができないという御意見は、私もさように考えるのであります。しかしながら実情を申しますると、取締船の予算にいたしましても、かつまた資源の調査の予算にいたしましても、なかなかわれわれの思うようにとれないのでありまして、そういうふうな予算がないから、全然やらないというのではなく、やらないよりはましであるというような気持もありますところに、北海道並びに東北方面の入会の各関係者が政府に協力しようというふうな申出もありましたので、それはやらぬよりはいいだろう、またやる以上できるだけ公平を期するように、水産庁としましては受諾いたしまして、そこでひとつお願いしたいということで始つたのであります。予算が全然ないとは申しましたが、この調査船に北海道の水産研究所の調査員が乘り組むことになつておるのでありますが、その程度のごくわずかな予算はあるのであります。しかし船の予算といいますか、そういう関係の予算は、いわゆる入会協議会といいますか、その国体で責任を持つて適当に処置してやる、こういう強い御協力に甘えまして、実はやつておるわけであります。

川村善八郎自由党

○川村委員 予算がないから傭船ができないということは一応考えられます。しかし調査の目的というものは営業とは違うのであります。いわゆる営業の確立を期するかどうかという問題はあとであつて、資源があるかどうかということを重点的に調査するのが私は妥当だと思つております。そこで北海道の海区関係協議会ですか、これらがお世話をして、私の方で引受けてやるから、ぜひ試験をさせろということで、傭船料を出さずに試験をさせておるというふうな次長からの御答弁のように承りますが、しからばこの調査に必要な経費は、北海道区入会関係業者協議会というような団体が、その経費一切を負担しておるのかどうか、この点をお尋ねいたします。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 一切の費用を負担しておるかどうかというお尋ねでありますが、その点は実は明瞭になつていないのであります。しかし入会協議会の申入れによりまして、実はそういう関係のことは一切まかせたような事情になつておるのであります。なおその詳細につきましては、よく調べました上でお答えしたいと思います。

川村善八郎自由党

○川村委員 一切まかせてあるから、その経費等の負担については何らこちらで干渉しない、そうしますと、調査はどうやつてもよいということに——一応指示はしておるが、これもまかせてあるかどうかという問題である。いやしくも水産庁が調査を進める上において、ただまかせつぱなしで完全な調査ができておるかどうかというようなことをつかむ機関も、あるいはその施策も講じないでよいか悪いか、私は常識から判断すると、無責任きわまると言いたい。この今の表の船を見ると、いずれも業者であります。負担金をとらないで調査を進めるということはおそらく自明であつて、しかもこの操業区域から見ましても、既存の操業区域であり、現在われわれが機船底びき網の漁業をやつておる区域であります。同じ場所で同じ方法でやつておるとするならば、何が試験だと言いたい。彼らは試験の美名を借りて自分の営業をしておる、かように言つても私は過言ではなかろうと思います。先般の委員会におきましても、松田委員からある、団体が試験船から五十万円をとつたということを指摘したのでありますが、今の水産庁の御答弁から行きますと、協議会が出しておるのではなくて、業者が漁獲したものを売つて、その売上高から利益のあつた分のうち五十万円なり、三十万円なり負担してすなわち調査研究に美名を借りて、営利を目的としておるところの底びきをやつておる、私はかように断定するのであります。そこでそれがないかあるか、ないならない、あるならある、はつきりした答弁を願いたいのであります。まかせてあるからわからないというようなあやふやなことではこの際許しません。はつきりした御答えを伺つてから次の質問に移りたいと思います。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 ただいま川村さんからのお話でありますが、実はその内容は私十分に知らないのでありまして、ここで明瞭には述べられないのでありますが、よく内容を調べましてお答えしたいと思います。  それからもう一つは試験の内容でありますが、この点につきましては、水産庁といたしましても、その資源調査の方法なり、計画なりについては、調査研究部で十分タツチしておるわけでありまして、各般には調査員が一人ずつ乘つて、それが監督、指揮をやつておる、こういう事情だと思います。

川村善八郎自由党

○川村委員 そこでその問題を明らかにするためには、別な資料をもつて今後の委員会において十分ただすつもりであります。作目私の方で調査しました資料によりますと、十五隻のうちには北海道の船もある、宮城県の船もある、東京の船もある、あるいは富山県の船もあるというようなぐあいになつております。もちろんこうした試験船を要請したということは、北海道の船だけであれば、いわゆる北海道びいきの資源調査をする、内地の船だけであれば内地びいきの調査をする、言いか対してあるかないか、岩手県にもまだ船が余つております。青森県にも、新潟県にもあるはずであります。試験をさせるとするならば、公平に入会をさせる県からだけ出して、そうして十分な調査研究をすべきであろうと思いますが、この点についてまずもつて質問したいと思います。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 水産庁といたしましては、この船の選定につきましては、大体川村さんの言われましたような気持で考えておつたと思うのであります。ただ具体的の選定については、入会協議会は各県全部入つておるわけであります。この方である程度選考したものを、特に道庁の意見を入れてそれをわれわれとして信用してよろしいということにしたのであります。われわれのところに、たとえば船を何とかしくれというような陳情が来たということは、全然記憶がないのでありますが、おそらくそういう意味で公平と言いますか、不純な動機はなかつたというふうに私は信じておるのであります。

松田鐵藏自由党

○松田委員 関連して……。逐條に御答弁願いたいのでありますが調査の船を行使しようとして、北海道に命令したのは何日何日でありましたか。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 九月から一箇年間の予定でありますから、九月より前だろうと思います。

松田鐵藏自由党

○松田委員 北海道海区入会関係業出協議会というものはどこにありますか。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 はなはだ申訳ありませんが、多分北海道にあるだろうと思います。なお調べまして……。

松田鐵藏自由党

○松田委員 重ねて一言いたしますが、私どもが北海道調査に、川村委員を班長として冨永委員長や私など五名調査に参つたのでありますが、九月二十一日に北海道庁の道会議長室において、北海道のあらゆる漁業団体、官庁の方々と協議し、また陳情を受けたのであります。そのとき北海道海区入会協議会会長という名前で渡邊照平なる北海道会議員がわれわれに陳情をされました。その当時同様に釧路においてもそういう陳情があつたのであります。これは九月十七日であります。釧路においても、北海道庁においても、水産庁はまことになつておらぬ。それは昨年北海道の資源調査をするということが一つの條件になつておつたにもかかわらず、一つもその調査をしておらぬ。これが水産庁の内地との入会問題に対する公約が不履行に終つている問題である。かようなことから水産常任委員会は何を考えておるかという非難の言葉を、われわれは協議会の会長から受けたのであります。一体八月中にこうした船を十五隻も許可を與え、操業しろと水産庁から指令を出しておるのに、九月二十一日にその会長渡邊氏から、ただいま申し上げるような非難を受けたのでありますが、まことに合点の行かないことなのであります。また一方船は百隻で調査しても、五隻で調査しても、まじめな調査であつたならば、私どもは調査というものは行き届くものだと思います。今年の夏か小樽において、小樽の機船一底びき業者が相寄つてはかつて、りつぱな調査報告書を水産庁に提出されておることと考えます。私もその一部をもらつております。かようにまじめな業者が調査をするときにおいては、営利を目的としてやつておりません。しかるにこのメンバーから行きますと、九月の二十一日にわれわれを非難した人々が——一体このメンバー、漁船というものはどういうわけか。寺崎謙司の紋別漁業会は違反船である。また大熊由藏という者の漁船は密漁船である。また紋別漁業会の征波丸というのは水難救済会の船であつて、当時紋別の漁民から金を集めてつくつた船である。かような船をもつて、営利を目的としてこの事業を行わんとするのである。今底びきが一箇月に幾らの経費がかかるか、最低八十万から九十万の経費はかかるであろう。八十万から九十万の経費がかかるのに、またちようど十月から来年の二月、三月、四月までの間ならば、一番魚価の高いときであつて、魚獲のあるいい船は百五十万から二百万とるであろう。こうしたときにおいて、必ずその利益というものは賃貸料なしであつたならば、利益はこの漁船の所有者によつて壟断されることと考える。こうしたいかさまな、水産庁の好意ある調査を運用して、自己の利益をはからんとするボスどもがこういうことを企てておるのであつて、まことに遺憾とするものであるが、幸いにして水産庁長官は、前の委員会のときに、即日中止をさせるという言明をされたのであるから、本日はこの漁船は全部解約しておることだろうと考えておりますが、あらためて北海道からあらゆる関係者を招致して、内容を調査の上でなかつたならば、一隻たりとも疑惑のある漁船をもつて調査研究などということは、とうてい及ばないことと御注意を申し上げておきたいと思います。

石原圓吉自由党

○石原(圓)委員 関連して伺いますが、この問題は先刻来北海道の川村君、松田君より質疑がありますので、何か北海道だけの問題のように聞えるきらいがあります。よつて私は全然関係のない立場から、日本の漁業の取締り、資源の調査についての所見をここにただしたいのであります。  先刻来聞いておりますと、次長は国に取締船がないから、やらぬよりはましだという言葉がありましたが、その内容をだんだん聞いてみますと、はなはだ不可解であると考えるのであります。今日資源の調査や、漁業の取締り、監督というものはむしろ水産で一番重要視しなければならぬ時代になつておるのであります。それにもかかわらずこの問題を私が聞きますと、ちようどどろぼうにかぎを渡したようなやり方のように聞えるのであります。かかることを水産庁が容認するということになれば、おそらく日本の漁業に関する調査も、監督も、取締りもできなかろうかと思うくらいであります。根本の水産庁の心構えから立てかえてかからなければいけないように思うのであります。もしかように東京の船も、富山県の船も、どこからでもこういう船を持つて来てやらせるとするならば、その他の各府県から希望があればやらすのかどうか。これは全国の業者を普遍的に扱う以上、関係のないところのものも入れておるならば、今後の希望者に対しても均霑させなければならぬと思うのであります。よつてもしこれ以外の各府県の業者が、このことに従事することを希望したならば入れるのかどうか、容認するのかどうかということを聞きたいのであります。同時にまた、この紋別の漁業会——多くの場合漁業会というようなものの所属の船こそ、無料でこういうことは受理すべきであるが、個人や会社の船には無料でやらす、義務でやらして、そうして漁業会には料金を拂つておるというこの矛盾は一体どういうところから起つておるのか、こういうような点を私が考えますと、これは一つの伏魔殿と見なければならぬと思うのであります。であるから、すでに今日全部解消しているものならばよろしいけれども、もし解消していないようならば、ただちにこれを解消すべきであると同時に、また来年の八月までかようなことを義務ずけてやるということについては、莫大な経費がいることははつきりしているのであるから、だれが見ても、密漁をやることははつきりしていると私は信じておるのであります。政府みずからが監督の立場を無視してかかることをやるということになれば、今後の日本の漁村の調査、研究取締りは絶対できないと思うのであります。そういう観点から、一体今日ただいま長官はどういう考えでおるのか、その点を承りたいのであります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 この場合石原委員にお諮り申し上げます。水産資源に関する御質疑は、なお相当多数あると思いますが、本日は実は十二時で部屋を明け渡すことになつておりますので、明日第三委員室で続行いたしまして、この問題を取上げて行きたいと思います。政府説明員の時間の都合もあり、ほかの問題も実はあるので、ただいまの答弁を明日にお延ばし願つて、川村委員に御発言願いたいと思いますが、どうですか。

石原圓吉自由党

○石原(圓)委員 承知しました。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 では、川村委員。

川村善八郎自由党

○川村委員 先ほど次長がまかせてあるから実はわからないとかぶとをぬいでおるが、しかし一応確めておく必要があるから、今日答弁ができなければ、後日私が帰つて来てから、さらに答弁を願いたいと思います。  まずその第一点は、試験船と称して操業している漁船は、別紙記載の漁船——調査費料に基いた船とかわりがないかどうか。第二は、十五隻の試験船は、全部試験に従事しているかどうか。代船を使用しているものがないか。三は、試験船は指示された試験操業区域を、これも別紙にありますが、忠実に守つて、試験操業に従事しておるかどうか。区域等は完全に守つて、その外へ出ておるものがないかどうかということもお示し願いたい。  第四は、試験船は、これまでの既存の機船底びき網漁業の操業方法と同じことであるか、違つた方法でやつているか。第五は傭船料を拂つておらないということなのですが、しからば傭船料を拂わない船が、どういう経費の支出をして、これを十分に試験調査しておるかどうか。それから十万円拂つておるものがありますが、その十万円の使途はどういうふうにしているか。第七は、今北海道海区入会関係業者協議会がすべてやつている、おせわをしているということでありますが、その団体は、あつせん料とか、負担料とか、手数料とか、あるいは試験料とか、名目はいろいろありましようけれども、こうした名目のもとに試験操業船から負担をとつておるかどうか。もしとつておつたとするならば、そのものの所在地、その金額、その使途、これらを明らかに示してもらいたい。  それから、一昨日の委員会におきましては、松田委員の質問に対して、長官が、不正があるならば取消すと御答弁をされたのでありますが、私はまずその前に、現在の試験船と称する傭船を入会いの各県から一隻ずつ——宮城県は入会いが多いから二隻くらいでもよいでしようが、関係県から出し、そして東京都とかあるいは富山県の船は、これをとりやめをしてもらいたい。と同時に、もしこの船の中に違反した過去の歴史があるかと、あるいは現在指示されておる操業区域、あるいは試験の方法等をやつておらないものがあつたならば、これもただちに取消しをしてもらいたい。もちろんまかせてあると言えばそれまででありますけれども、おそらくただ無條件でおまかせ願つておるということはないでありましよう。でありますから、水産庁が指示した事項について、忠実に守つておらないもの、あるいは過去に違反の歴史があるものは、全部取消すということにしてもらわなければならないと思つております。これについて、先ほど次長からの答弁だと、何もまかせてあるから私はわからない、済まなかつたと言つておるのであるから、今ただちに答弁をしなくてもよろしゆうございますが、明日でも、私がるすになりましても、本委員会においてはつきり御答弁を願えればけつこうでございます。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 漁業無線の取扱いにつきまして、業界各方面から非常な関心を持たれている際でありますので、この問題を業界が真に納得するような形におきまして議論いたしたいというので、さきの本委員会におきまして、また自由党の政務調査会におきましても、関係係官を招致いたしまして、いろいろ研究して参つたのでありますが、大体次のような結論を得まして、一つの法律案を本国会に議員提出として提案いたしたいと考えておりますので、その経過と内容を簡單に御報告申し上げます。  第七国会に電波法が成立いたしまして、それに伴つて電波管連委員会が委員会規則をつくつておるのでありますが、これによりますと、現在の漁業無線の陸上局が、船用通信として認可されますためには、委員会規則に基く任意組合を結成しなければならぬことになつております。従いまして、十二月末日までにこの任意組合を結成しなければ、現在の漁業協同組合または県が施設いたしております陸上無電局は、その認可を取消し、操業を停止されるということに相なつておるのであります。この委員会規則の命ずるままにいたしますならば、わが国の漁業無線のようやく軌道に乘りつつありますものが、任意組合等の結成のために、経済基盤の弱体な任意組合に移行いたします関係から、陸上無電局の維持運営も困難になり、また料金等の値上りも予想いたされる結果に相なるのであります。そこで全国の無線通信を持つております漁業関係者から、熾烈な反対運動が展開されて参りまして、私ども委員会においても、また自由党の政務調査会においても、この問題をこのまま看過することができない、早急に対策を講ずることに相なつたのであります。自由党の政務調査会におきましては、一の試案といたしまして、漁業団体が持つております陸上無電局は、その組合員にこれを利用せしめると同時に、組合員外の漁船につきましては、これを契約関係によつて結びつけて、その一団のグループの船用通信として認可せしめる。また県営の無電局につきましては、委員会規則によりますと、県の指導船、あるいは監視船、取締船そういうものとの間の通信しかできないことに相なるのでありますが、これをそういう県所有の船舶と通信ができますと同時に、従来通りその無電局を利用する漁船金船に利用せしむるために、これを地元の漁業協同組合、また連合会にその施設を貸與せしめまして、その組合員、並びに組合員以外の者は契約関係で結びつけて、これを認可の対象にする。こういう試案をつくつて電波監理委員会、及び電波庁と折衝して参つたのでありますが、委員会の審議の結果、そのような措置を講じまして、たとえ契約関係にありまして、組合員のメンバー以外の者がこれを利用するということは、電波法に規定する船用通信のわくを逸脱するきらいがある。こういう認定から、この政調会の試案はのみ得ないという回答があつたのであります。そこでさらに別案を検討いたしました結果、作成したのは、現在の水産業協同組合法に一つの特例を設けまして、漁業無線に関する限りは、いかなる漁船も自由に協同組合の准組合員になり得るという道を開こうと考えておるのであります。これは皆さん御承知の通り、先の第七国会におきまして一協同組合法の一部改正法律によりまして、法人加入の道を開いております。常時使用する者が三百人以内であるか、使用する漁船の総トン数が三百トン以内である小さな法人は協同組合の准組合員、あるいは連合会の准組合員として加入せしめる、こういう改正をいたしたのでありますが、漁船通信に関します限りは、この三百人、三百トンという制限にとらわれずに、あらゆる法人が、あるいは社団が協同組合の准組合員、あるいは連合会の准組合員として加入する道を開きまして、そして陸上無電局を持つておる組合にこれを利用せんとする漁船は全部加入する。そうすることによつて、これを委員会規則に基いて船用通信として認可いたしますならば、組合員以外の者はこれを利用しない。全部組合員がこれを利用するのであるから、船用通信として認可の対象と認めてさしつかえないわけであります。なおその趣旨を組合の運営なり、あるいは経済にそういうような大会社が支配的な関係を持たないように規制するために、無電通信の経理は特別会計といたしまして、明確に一線を画して、組合の運営にも支障なからしめるような措置をとつておるのであります。  以上のような内容をもちまして、現在司令部に対しましてオーケーを要請いたしておるのでありますが、現在までの段階では、無線通信のセクシヨンにおきましては、御承認をいただいています。残るところはNRSの方でございますが、この方も係官がお見えになれば、大体内容的にはさきに御了解を得ておりますから、近くオーケーが正式に得られることと存ずるのであります。そういたしますればただちに本委員会に設置されました、漁業無線に関する小委員会の委員各位におはかりをいたしまして、早急にそのような法律を改正いたしたいと考えておる次第であります。右御報告を申し上げます。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 次に水産資材に関する件を議題といたし、これを進めるこにいたします。本日は主として綿糸綿漁網の問題を議題といたします。この場合委員各位におはかりいたしますが、参考人として小林政夫君の説明を求めたいと思います。参考人として招致することに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 御異議なしと認め、まよう決定いたします。小林政夫さんに御説明を願います。

小林政夫緑風会

○小林参議院議員 発言の機会を與えていただきましたことは感謝にたえません。私は参議院議員をやつておりますが、本日は綿漁網の製麺業者の代申として、実情を御聽取願いたいと思うのであります。とかく従来綿漁網製造業界は非常に景気がいいというようなことで、漁網業者は非常なボロもうけをやつておるのだ、こういうことでわれわれの業界に対して、全体的な御同情があまりいただけておらない点があるのでありますが、最近の状態はまつたく困つた状態になつておりまして、最近まで四百四、五十軒の製綱業者があつたにもかかわらず、ごく最近においては二百二十二社というような状態で、事実上半数以上が企業整備をやらざるを得ない、仕事をやめてしまつておるという現状になつております。しかもこの業界不振は、大きいメーカーも、小さいメーカーも、ほとんどど軒並の現象でありまして、ごく特殊なものだけが多少やつておるというとで、全体的に大きい製網業者も、中に製綱業者も、小の製網業者も、いずれも業績不振に四苦八苦の状態なのであります。どういうわけでこういう状態になつて来たかということについて、いろいろ業界でも研究しておるのでございますが、その第一の原因は、二十五年の第一・四半期の原料獲得の面において非常に困つた点があるのであります。第一・四半期は、御案内のごとく四月—六月の間に紡績が糸をつむいで、少くとも七月末にはわれわれの手に入らなければならない糸である。それが九月の十五日にやつと全紡績工場を出荷して、われわれの手元には九月十月の末になつて、やつと第一・四半期の糸が完全に入つた。第二・四半期に至つては、いまだに三分の二というような数字が現物化しておらないという状態であります。これは紡績がどんどん輸出をやりまして、とかく内需の方をなおざりにする、輸出の方は一梱四百ポンド、漁業家の方におわかりよいように申しますと、四十八貫目の綿糸が十三、四万円もいたします。ところが内需の方は、一・四のものにしても、われわれの手取りにおいて六万七千円、今度改正されて八万五千円ぐらいになりますが、どうも中値ぐらいの開きになる。こういうことで、紡績としては、今をおいて資本蓄積の時はないということでどんどん輸出をやられる、事を構えては内需の方がおろそかになります。特に漁網においては、われわれは紡績工場から直接糸をもらうことができなくて、糸商という商売人が介在いたします。その糸商もまた漁業用綿糸を扱うことを喜ばない。なぜかと申しますと、織物とかメリヤスというようなものは、一応紡績から糸を糸商が買つて、それを織物工場あるいはメリヤス工場に売る。そうしてそこで一つのマージンをとります。さらに今度はその織物工場が製品をつくつたならば、その製品をまた扱つていわゆる行き帰りのマージンがとれるわけであります。漁網の場合においては、製品になつた漁網を扱つておる糸商というものはないのであります。いわゆる片道だけの口銭しかとれないので、この糸商方面においても、同じ数量の糸を扱うとするならば、できるだけ漁業用の糸は扱わないようにして、織物とかメリヤスの方の糸を扱うということになるわけであります。特に一・四等の場合におきましては、最近の二・四の場合においても同様な傾向があるわけでありますが、紡績の現物化が非常に遅れて来ると、とにかくあとの分はたな上げになるかもしれないというような懸命などを持ち、漁業用の綿糸は一番あとまわしにて、とりあえず織物とかメリヤスとかを出して行こうということになりますので、一番遅れて来るのが漁業用ということになつて来るのであります。しかもこの漁業用の糸は大部分が二十番手であるにもかかわらず、一・四のごときは、ほとんど十六番であるとか、十番であるとか三十番であるとかいうようなもので、希望の二十番手は手に入らない。今度の二・四の場合においてもそういう傾向が非常に強いのであります。今大分関係当局に、業者の方から陳情をしたりいろいろやつておりますが、とにかくわれわれとしては、毎割当の都度、原料の入荷に非常な苦心をしなければならぬということは、非常に困つた業態だと思うのであります。しかもそういうような、完全に売手の経済になつておるところの紡績糸を買う場合において、金の支拂いの面は、今までは二箇月、六十日のサイドがあつたにもかかわらず、一・四あたりからは、原則として現金引きかえである。少くとも引きかえ証づきでなければならぬ。あるいは先に金を持つて来い、こういうことになつて、補給金が撤廃になつたにもかかわらず、糸代は、そういうふうに手取りにして六万七千円ぐらいの糸代を現金で拂わなければならぬ。さらに今度は二万円からの値上りをした八万五千円という糸代を、現金で拂わなければならぬ、サイドは原則としてないのであります。こういうように非常に金の面において、きゆうくつにぎゆつと締められておる。ひるがえつて、今度われわれのそういう原料によつてつくつた製品の売先ということになりますと、この委員会で特に御関心の深い漁業方面については、最近非常に金詰まりという現象であつて、われわれのつくつた製品をお買い願つても、買つてもらうのは買つてもらえるけれども、一向に金は十分にまわつて来ない、支拂いは延びる一方である。こういうことで代金の回收が思うように行かないのであります。その代金の回收が思うように行かない一つの原因として、現在の受注リンク制度、こういう統制方式についてわれわれとしては考えていただかなければならぬのではないか、もちろんこの受注リンク制度に移行するにあたりましては、われわれとしても大賛成であつた。ぜひこの受注リンク制を採用して、原料綿糸の適正な配給割当を考える、こういうことが最良の策であると考えて、われわれもその推進者の一人として賛成をしたのでありますが、現実にやつてみると、いろいろとそこに不自然な事態が起つて来ておるのであります。まず予期しなかつた結果は、この受注リンク制度の結果として、漁業家への割当消費チケツトというものが、あたかも有価証券のごとき役目を果すような事態が起つて来た。そこでこの漁業家方面に対する割当が適正を欠く場合においては、真に有効需要を持つた漁業者への割当が少くて、有効需要として現われて来ない漁業家への割当がある程度行われる。こういうことによつて、漁業家自体の面から考え出ても、かなり適正でない様相が現われておるのであります。それをわれわれメーカーの方へ還元する切符の量から考えてみましても、われわれがなぜこの受注リンクに賛成し、しかも強力にプツシユしたかというと、真に漁業家に愛されるメーカー、サービスがいいとして愛されるメーカーに、うんと注文がふえて、従つて原料がうんと配給になると操業度を上げることができる、うんと仕事ができるから收益もよくなるであろう。こういうことで、真に実力があり、漁業家に愛される工場が栄えるのである。こういうことによつてこの受注リンクに賛成したのでありますが、この今日現われている結果は、そういうふうに勉強する製造業者にうんと消費チケツトが集まつて、そうして原料がたくさんもらえて仕事ができるという現状に必ずしもなつておらない。従来は一万玉も二万玉も集まつておつた優秀なメーカーに対して、切符の集まり方が激減している、反面に、従来は百玉か二百玉しか集まつておらなかつたメーカーへ不自然切符が集まつておる、こういうところもあるのであります。そういうことが、このメーカーの方の割当に現われる結果からいつても、かなり不自然な結果が現われる。しかもこの漁業家の方でも、真に漁業がやりたくて網がほしいが、正規の割当通りの消費チケツトの購入票だけの量では自分の所要する網の量が足りなくて、いわゆる割出の不足を訴えておられるところがあるにもかかわらず、一面には、相当の割当をもらつて、割当通りの網を購入しなくても済む漁業家も現われている。  メーカーの方からいうと、いかなるメーカーであれ、切符をもらわなければ原料が当らない、こういうことでむりをして、金がない先である、あるいは漁業はやれないかもしれぬというようなことがあつても、とにかく切符ほしさにむりな注文をとる。しかもそのためには、少々代金の滯りがありましても、あまりやかましいことは言えない。こういうことで、売つた製品はだんだん滯りがちであるということで、この綿漁網の製造業者は、原料の面と製品の代金の回收ということで、今まつたく困つている。しかもまじめに仕事をしたからといつて、必ずしもそれ相当の注文がふえるという状態ではなくて、その不自然な統制の中において、原料の面と需要者の面と両方から板ばさみになつて、まさに手を上げんとする現状なのであります。こういうような状態において銀行融資等を考えてみましても、コンマーシヤル・べースに乘つた金融というものはとても考えられないので、いろいろ関係当局にも御相談をして案を練つておりますけれども、どうもいい案がないのであります。金を流し込んで来る案がないのであります。今まで六万七千円くらいだつた糸がたちまちに八万五千円にもなつた、この値上りによる増加運転資金についても、なかなかめんどうを見てもらえる先がない、こういうことで非常な苦境に陥つているわけであります。綿漁網の製造業界の現状が、そういうような悲惨な状態にある。この綿漁網の製造業者がつぶれてしまつたならば、実際漁業家への網が渡らないわけであります。これは脣歯輔車の関係で、ある程度の製網業というものは、日本の水産業のためにどうしても持ちこたえて行かなければならぬ状態なのでありますから、本委員会の各位におかれましても、どうかこの点について深甚なる御配慮をお願いしたいと思うのであります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 次に燃油の問題に関する御質問を願います。田口委員。

田口長治郎自由党

○田口委員 漁業用燃油につきましてお伺いいたしたいと思います。今月の全国水産業の実情は水産庁におきましてもよく御調査になつておることと思いますが、とにかく破産の一歩手前といいますか、それどころではない、もう日々つぶれつつある会社あるいは個人がある。こういうような状態でありまして、あとに残つておる漁業者も、この税務署の攻勢があるか、あるいは銀行の攻勢があるか、あるいは燃油小売、いわゆる売掛け代金の強い要求があるということになりますと、おそらくすべての会社、個人というものがつぶれてしまう、こういうような実情にあるのであります。何ゆえにかくのごとき状態になつて来たかということをだんだん調べてみます、第一に魚価が非常に下つておる。私昨年の十月の魚価と、今年十月の魚価とを詳細調べてみたのでありますが、以西底びきの六貫入り一箱におきまして、昨年一箇月平均が千六十円しておつたものが、今年は五百円そこそこである、この販売する品物が五割下つたということは、口ではきわめて簡單でございますけれども、今日いかなる仕事をいたしましても、経営がとんとんにできれば、上上であります。特需その他の関係で、非常に特殊なものにつきましては、二割か三割ならどうにかなる、こういうような実情におきまして、販売する品物が五割下つたというようなことになりますと、それ自体におきましても事業は絶対に成立ちません。いわんやこのほか諸掛が非常に暴騰しておる水産業は、いろいろな資材関係が非常に高いということはもちろんでございますが、ちよつと人が気づかないような、たとえば販売費というようなものをとりましても、昨年までは売上げ代金の一割二分程度で済んでおつた販売費が、——販売費と申しますと、貨車の料金だとかあるいは箱代だとか、あるいは運送氷の代だとか、市場の手数料だとか、これらの四つを加えたものじございます。昨年までは大体一割二分でとまつておつたものか、今年氷か高くなり、箱が高くなり、輸送運賃が高くなり、こういうようなことから、二割五分の経費がなければどうにも販売ができない。こういうような実情になつております点から考えまして、いろいろな資材関係などを考えてみます。と、魚の値下りと相関連いたしまして、全国のあらゆる漁業がまさに破滅に瀕しつつあるか、現につぶれつつある、こういうような実情にあることは、よく御認識になつておると考えるのであります。かかる際のわれわれの対策といたしましては、結局生産費をいかにして切り下げるか、それから魚価の維持をいかにしてするか、こういうような問題におちつくと思うのでございますが、魚価の維持その他につきましては、また適当なときに考えるといたしまして、この生産費を低減させる、この問題につきましては、業者としてはできるだけのこと——自分でできることはすべてあらゆる手を打つております。たとえば人件費にいたしましても、実は外海に乘り出すのでございますからして、人が少くてはある程度危險もあるのでございますけれども、できるだけ人の数を少くしたり、それでどうしても間に合いませんで、会社あるいは経営者の実情を船員に訴えまして、そうしていろいろ給與を削減したり、魚具なんかにいたしましてもあらゆるくふうをいたしまして、できるだけ安いものを使つておる、こういうような方法で、業者としてはあらゆる手を打つておるのでございますけれども、業者でいかにしても手が届かない、こういうような面が非常に多々あるのであります。氷につきましても、あるいは燃油につきましても、業者ではいかんともしがたい、こういうような面があります。ことにこの燃油の問題につきましては、われわれは以前から重油の例を申しますが、四千円で輸入したものが何ゆえに九千三、四百円も出さなければ一トンの重油が買えないか、こういうような問題につきまして非常に疑問を持つておりました。その内容についていろいろ研究してみますと、どうも内地重油のプールのものも、われわれが購入しておる油にかかつておる、あるいは元売さばきのマージン、あるいは販売業者のマージンも非常に高い、こういうようなことで、何とかこの漁業資材の重要部分を占めますところの重油問題について、値を下げる方法がないか、こういうことについていろいろ苦慮しておつたのでございますが、最近承りますと、今までの価格を下げるという問題でなしに、今までの価格よりも一段と油の価格が上る、こういうような話を承つておるのであります。これは漁業の現在の経営状態から申しまして非常に重要な問題であります。この油の値上りがそのまま実行されることになると、おそらく漁業界の破滅に拍車をかける一つの要素になる、こういうふうに私は考えるのでございまして、漁業界にとりまして実に重大な問題でございますが、この重大なる問題につきまして、水産庁あるいは農林省といたしましては、今までいかなる手を打たれたか、またこの値上りに対する措置方法について努力しておられたか、その段階及び現在の状況について、詳細に御説明願いたいと思うのであります。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 田口委員から御質問になりました重油並びに石油の価格の問題につきましては、大分以前に値上げになるというふうなうわさが飛びまして、われわれとしましても、当時非常に関心を持つておつたのであります。その後しばらくなりをひそめまして、まだよほどの余裕があるつもりでおつたところが、つい先週の土曜日でありましたか、去る方面から値上げが近々一両日中にあるような話を聞き込みまして、われわれとしましては、急いでその内容を調べまして、そこでいろいろ協議しまして、次官並びに大臣にいろいろ御連絡いたしまして、とにかくこのままで押し進められますれば、非常に今日漁業経済が逼迫しておりますために、ますますお説のように、拍車をかけると思いますので、何にしましても一応これは延期してもらいまして、よく関係各省同士で事務的にも十分検討を遂げた上でやつてもらいたい、こういうように大臣には申し入れてあるわけであります。その結果かどうか知りませんが、次官会議でこれがきまるはずであつたのが、農林省並びに通産省からも若干意見が出たようでありまして、その結果これは重大問題だから閣議できめてもらおうということで、閣議にかけるべく、その次官会議では保留になつたようであります。そこでわれわれとしましても、最後は大臣にひとつがんばつてもらうより手はないのでありまして、大臣にもいろいろきのう、おとといあたりから、長官あるいは私も参りまして連絡しておるわけであります。いろいろ値上表を通覧してみますと、もちろん、これは原価が上るわけでありますから、全体としての値上げということは、これは物価庁等の立場といたしましてもやむを得ないかと思うのでありますが、特に重油あるいは農村向け軽油、こういう面の値上げの率が比較的高い、そういう点にやはり問題があるのでありまして、どこか他の部面である程度これのバランスがとれないものであろうかというようなことを、われわれとしましては極力考えておるわけであります。その線でひとつこの上とも折衝をしたい、こういうように考えておるわけであります。

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 政府委員並びに説明員の出席者の氏名をお知らせいたします。物価庁第三部長川上為治君、同じく動力課長藤田勇君、安本産業局後藤  吉君が御出席になつておりますから、御質疑のある方はお含みおき願います。

田口長治郎自由党

○田口委員 ただいま一通りの御回答がありましたが、従来この漁業関係の燃油は、漁業の特殊性にかんがみまして、免税までをして、他の燃油の価格より低下しておつた、しかも漁業は、さような低廉なる燃油をもつてようやく收支が成立つた。この程度に国家が漁業用の燃油については特別の考慮を拂つておつたのであります。今日の経済状態から申しますと、あらゆるしわが最も弱いところに集つて来る。氷にいたしましても、建設費の最も高い工場で生産されるその氷が標準の価格になつておる。すべてのものがこの弱い漁業に集中される、こういうような実情になつております。この際どうしても漁業用の燃油につきましては、以前の免税の状態を続けていただく意味において、何とか特別の価格をつくつていただきまして、少くとも漁業の経営が成立つような価格にとどめていただく、こういうような特別の処置を講じていただかなければ方法がないと思うのでございますが、さような方法について何か御研究になつたことがあるでしようか、その点をお伺いいたします。

山本豐農林事務官(水産庁次長)

○山本説明員 この値上りが大分以前に問題になりました際に、かねていろいろ石油や原油問題で、先ほど田口委員からお話のありましたように、販売手数料であるとか、あるいは元売マージンであるとか、精製の費用であるとか、こういうものを何とか圧縮する余地はなかろうかというので、当時物価庁におかれましても、いろいろ研究があつたようにわれわれは聞いておるわけであります。その当時はこれらの点についても若干考慮の余地があるように承つておつたのであります。今回発表になつたものを見ましても、主としてこれはFOB価格が値上りになる結果であろうと思うのでありますが、元売マージンにおいて〇・七%だけの値下りが計上されてあるわけでありますが、他はすべて大体一割五分くらいの値上りになつておるのであります。これらの点についてもなお考慮の余地はあるのではないかと思うのであります。さらに、たとえばガソリンと重油なんかの問題についても、パーセントのとり方がいろいろ議論に上り得る余地があるように思うのであります。われわれとしましては、できるだけこれは延ばしていただいて、その間にこれらの相互のいろいろのバランスの問題を十分検討して、意見の申入れをなしたいと考えておるわけであります。

田口長治郎自由党

○田口委員 ただいま物価庁からも御出席になつておるようでございますから、物価庁の方に特にただしたいと思うのでございます。この元売のマージンが一トンについて四千二百二十四、あるいは四千百九十円、販売業者のマージンが約二千円、この重油価格からしてかくのごとき大きなマージンをこの二つの段階におきまして拂わなければならない、これは漁業者といたしましてはどうしても納得が行かない数字でございますが、何かこの点について、物価庁としてある程度圧縮する、あるいはこの数字はやむを得ないのだ、こういう明確な御答弁をしていただきたいのでございます。われわれとしては、何といたしましても、油一トンの価格からして、この二段階においてかくのごとき大きな支拂いをしなければならぬということは、どうしても納得が行かないのであります。どうかこの点を明確に御答弁願いたいのであります。

川上為治経済安定事務官(物価庁第三部長)

○川上政府委員 石油類の価格の問題につきましては、もうすでに今年の一月ごろから問題になつておりまして、引上げるという問題ではありませんが、どうしても価格の調整をしなければならない。言いかえれば価格の改訂をしなければならないというような状態になつていたわけであります。その後いろいろな事情がありまして、ようやく今日問題になつて参つたのであります。すなわち最近においては、原油の価格が国際的に非常に上つて参つております。私の方で今回原価計算の中に織り込もうとする原油の価格と、現在の国際的な価格とを比較しますと、現在の国際価格はさらに相当高いのでありまして、大体一五%アツプを今回の価格の中ではわれわれは織り込んでおるのでありますけれども、現実の問題としましては、これ以上であり、かつまた最近においては相当強気でありますので、おそらくこの一五%アツプの程度であつても非常にむりではないかと考えております。それからまたタンカー運賃につきましても、国際の運賃は相当高いのでありまして、今回織り込んでありますものについても、相当低いところをわれわれの方としてはとつておるわけであります。特にこの二つの理由から、どうしても緊急に石油類の価格の改訂をしなければならないようなはめになつておるわけであります。今の御質問では、たとえば漁業者あるいはトラツク業者その他の方面に対して極力影響がないようにということで、われわれとしてもいろいろ検計いたしたのでありまするが、今申し上げました原油価格の高騰、タンカー運賃の高騰については、最も低目のところをわれわれとしてはとつておる。現実の契約については、おそらくそれ以上相当高いところで契約しなければならないというふうに考えます。そこで今お話がありました元売業者のマージン、それから小売業者のマージン等につきましても、私の方としてはいろいろ検討をして参つたのであります。元売業者のマージンについては、現在の中に織り込まれておるものは大体四千二百二十円程度になつておりますが、それについて、この一月以来それぞれの会社から資料をとりまして、嚴重な査定をいろいろやりましたが、帶近においてはこの四千二百二十円というものも必ずしも高いものではないと私の方では考えております。むしろ商社に対しては非常にむりではないからというふうに考えておるわけであります。もちろん、その四千二百二十円の約半分程度は輸送費であります。御承知の通り、元売業者は全部で大体十一、二軒あるわけでありますが、そのうちの最も大きな商社であり、しかも全体の七割ないし七割五分程度を扱つておりますものは、アメリカの商社あるいはイギリスの商社、そういう外国の商社でありまして、私の方としてはこれらの外国商社の原価計算につきましては、相当苦しいあるいはむずかしいろいろな資料を要求してとつたのでありますが、人件費あるいは金利その他の点から、この四千二百二十円は、私の方から見ますと、相当これは、政治的にも非常にむずかしいし、原価計算的にいいましても、これは決してそう高くないと私どもは考えておるのであります。しかしながら何とかしてもう少し切り詰めようということで、この四千二百二十円というのを、先ほどお話がありました程度に切下げをいたしたわけであります。この点につきましては、司令部の方でも、必ずしもまだはつきり納得されていないような状況になつております。  それから小売業者のマージンにつきましては、これは大体私どもの方としましては、今回百四十円程度を引上げたいと考えておりますが、小売業者のマージンにつきましても、昨年の六月改訂になりましたとききめられたものでありまして、業者の数にしましてもそれから倍以上になつておりますし、私の方で最近大体五十キロ程度扱つおるものについて、詳細その原価計算の内容を当りました結果、今申しましたように百円あるいは百四十円ぐらいの値上げをしなければいけないではないかというふうに考えております。はつきり申しますと元売業者のマージンをこれ以上切ることは、私の方としては事務的にはとうていむずかしいということを申し上げておきます。それから小売業者のマージンにつきましては、この程度は私の方としては見てやるべきでないかというふうに考えております。全体的に申しますと、今回の価格改定につきましては、いろいろな点からいいまして、これ以上調整することは非常にむりではないかと考えておりますが、何分水産業者あるいはトラツク業者、いろいろな関係がありますので、この問題は閣僚の方ではつきりきめていただくようにということでお話し申し上げるのであります。     —————————————

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 この際御了解を得ておきたいと思います。それは、先般六つの小委員会を設置いたしましたが、各小委員会の所管を一応明確にいたしまして、その所管事項中、今日の最も重要な、具体的な問題について、專門的な調査を行い、その対策を樹立していただきたいと思う次第であります。今委員長のもとにおいて、一応の調査事項を定めましたので申し上げますと、一、漁業制度に閥する小委員会では、中央卸売市場の改善に関する事項、漁業災害復旧及び荒廃漁場の整備に関する事項、水産教育の普及及び振興に関する事項、漁船保険制度に関する事項、二、水産資源に関する小委員会では、水産資源に関する事項特に小型機船底びき網漁業等による水産資源の維持培養に関する事項、三、水産行政の充実に関する小委員会では、水産省設置及び水産施策審議会設置等、水産行政の強化に関する事項、漁区拡張操業区域嚴守に関する事項、真珠に関する事項、四、漁業経営安定に関する小委員会では、漁業調整の円滑化に関する事項、輸入資材の確保及び価格の適正化に関する事項、漁業用塩に関する事項、水産技術改良に関する事項、五、漁業用無線の技術指導に関する小委員会では、水産業協同組合の行う漁業用無線事業に関する事項、六、水産金融に関する小委員会では、農林水産金融金庫の設立に関する事項、漁業共済基金に関する事項、漁業権証券に関する事項、漁業手形制度に関する事項等でありますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨永格五郎自由党

○冨永委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお会期も余すところ約一週間でありますので、各小委員会の活発なる御調査を希望いたします。  本日の委員会はこの程度にとどめて散会いたします。  明日は、明後日の委員会を繰上げて、第三委員室において午前十時より開会いたしたいと思いますから、委員各位の御出席をぜひお願いいたします。     午後零時四十五分散会

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