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9回国会衆議院1950/12/05

人事委員会 第9号

発言数
64
登壇者
12
会派数
5
開催日
1950/12/05

会議録

田中伊三次自由党

○田中委員長 それではこれより人事委員会を開きます。  国家公務員に対する年末手当の支給に関する法律案(内閣提出第二八号)及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)、この両法律案を一括して議題として質疑を継続いたします。岡田君。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 まず第一に、昨日の質問で、われわれ答弁にいまだ満足しない点を伺いたいと思います。法案の第一条の「常時勤務に服さない者であつて政令で定めるものを除く。」という点に関する件でありますが、実際われわれが実情を調べてみました場合に、常勤の勤務者でない場合、非常勤の職員の場合でも、実質的には常勤勤務者とかわらない執務状態にある者が、実は相当あるのであります。これは現業の場合においても、あるいは一般職の中でも、もちろん企業労務者の場合においても、定員法その他の関係等から見まして、非常勤職員の名目にはなつておりますけれども、実事質的には常勤者と何らかわりのない執務状態にある者については、この政令の運用によりましては、これが実際に年末手当の支給を受けない場合が起つて参るわけであります。これにつきまして、昨日の質疑応答を聞いておりますと、必ずしも政府の内部において統一された意見が答弁として出ておつたようには見受けられないのであります。もう一度はつきりと、この点について政府側から統一ある御答弁を願いたいと思う次第でございます

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野政府委員 昨日もお答え申し上げました通り、この点につきましては、政府の意見は一致しているのでございまして、昨日も申し上げましたが、人事院の規則によりまして、非常勤職員でありますところの人夫、作業員等、単純労務に服する者につきましては、この法律上の年末手当の支給はできないのでございます。これは法律の明文上できませんわけでございます。しかしお尋ねのような労務者の中にも、常勤職員とほとんど同様の勤務時間によりまして、一年以上も長期に勤務しておる者もあるのでございまして、こういう者に対しましては、この法律こそ適用になりませんが、年末手当に相当するものを実質的に支給するのが至当であるというふうに考えております。その形式といたしましては、これらの者の給与は、人事院規則によりまして、従前の例によるということになつておりますので、賃金支給の形式をとつておりまする者に対しましての年末手当も、賃金増給の形式でもつて、実質的に同じ給与を受けるようにいたしたいと考えておる次第であります。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 大体今の点につきましては、この程度にいたしておきますが、昨日の私の質疑応答の中で重大な問題が出まして、これに関連してきようは官房長官その他の方に御出席を願つたわけであります。この重大な問題と申しますのは、先週の土曜、すなわち十二月二日に、大蔵省のたしか第一会議室におきまして、大蔵省の給与課が各省の給与担当官を集めて、いまだ国会の審議過程にあたります法案について、この法案の実施上の打合せをやつたという点が、はしなくも明らかにされたのであります。こういう点について、大蔵大臣はその事実を御存じであるかどうか。この点をまずお伺いいたしたいと思います。 

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 大蔵省の職員が、給与改訂に伴いまする予算等の問題で、打合会を開いたということは聞いております。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 今の大臣の御答弁はあまり明確じやないのですが、大蔵省の職員が内部で打合せをされたんぢやなくて、私の聞いております限りでは、各省の給与担当官を集めまして、実施上の打合せをやつたのであります。こういう事実を御存じでございますか、どうですか。 

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 実施上の打合せというところが問題でございますが、各省の関係の人が集まつて会議を開いたということは聞いております。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 昨日の大蔵省の政府委員の答弁によりますと、後段においてはこれを取消したのでありますが、前段の答弁におきましては、実施上の問題について打合会を開いたということは、明確にいつておる。しかもその相談の内容を承りたいと言つたのに対して、非常にあいまいな答弁があつたのでありますが、私たちはその法案が国会をまだ通過しない以前において、実施されたものとして、打合会において実施上の問題をいろいろやられるということについて、どうしても納得が行かない。特に給与の実施の問題については、大蔵省の所管でないと私は考えます。この所管は当然人事院であろうと考えるのでありますが、この点について人事院総裁はいかにお考えになりますか。

浅井清人事院総裁

○浅井政府委員 さように考えております。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 当然これは人事院が実施の責任を負うべきであるにもかかわらず、大蔵省はその人事院の権限にわたりまして、しかも法案がいまだ通過せざるにもかかわらず、給与課の一属僚によつて、これらの給与の実施上の問題が相談をされて、しかもこのあとこれが表面に出た場合において、あいまいにごまかされるというようなことは、私たちこれを聞きました限りにおいて、断固としてこれを見のがすことができないのであります。しかも相談をするということが、実施上の具体的な打合せにまで入つていることをわれわれ一応調べておるのであります。(「調べたんなら言えばいいじやないか」と呼ぶ者あり)言えというなら言います。証人を呼んで来る。そういうように言うなら、われわれはもつと明らかにしておきます。(「研究会だ、研究会だ」と呼ぶ者あり)研究会じやないのです。     〔発言する者多し〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 岡田君、発言を継続してください。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 それならその会議において、どういうことが相談になつたか。今自由党の諸君が研究会だとおつしやるならば、どういうことが相談されたと大蔵大臣は聞いておられるか、その点御答弁願いたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 会議の具体的な内容につきましては聞いておりません。しかし今お話の点に触れて私の考えを申し上げますと、給与の実施は人事院でございましよう、しかしそれが実施せられて影響するところは、大蔵省の予算にも影響するのであります。こういうことを研究すおのは、何も人事院の職権をどうこうという問題ではありません。たとえば税法を国会で御審議願つておるきに、税法を施行した上において、産業界にどういう影響があるかということを、通産省が研究したつて、何も大蔵省の権限を侵すものではない。われわれとしては、予算を持つております関係上、あらゆることにつきまして、事前事後に研究して行くことは、公務員として当然のことであろうと考えます。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 大蔵大臣が今言われたことは、予算上の面においては、大蔵省が負うことは当然ではないか、予算の面においては、大蔵省がやるのは当然であります。私はそういうことを実は伺つておるのではない。特にここで大蔵大臣が、予算面については当然責任を負うべきだ、こうお話になつておるから、私はあえてもう一度伺いたいと思うのでありますが、予算上においては大蔵省の言われる通りであります。しかし給与の水準をきめたり、給与の政策の問題については、大蔵省の所管ではないと私は考えますが、大蔵大臣いかがでございますか。

田中伊三次自由党

○田中委員長 それは大蔵大臣が今答弁しておるではありませんか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 お答えいたします。法案は政府で出しております。しこうして法案の施行につきましての事前事後、たとえば予算にどういうふうな影響があるか、あるいは法案施行についての問題を、各省が集まつて研究するということは、何らこの給与に対する勧告をする人事院の職権を侵したものだと解釈する必要はないのでありまして、私は大蔵省の職員がそういうことをすることは、非常にけつこうなことであると考えております。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 非常にけつこうなことであるということを、今お話になつておられるが、そういうような考え方自体が、実は問題だと思う。昨日の質疑応答等を見ておりましても、大蔵省の中の一課長が、人事院の認めておるものを、しかも財政政策上認められないということならば、まだわかるにもかかわらず、昨日の答弁をもつてするならば、給与政策の上において、大蔵省としてはこれを認められない、このような暴言すら吐いておるのであります。この給与政策の関係というのは、少くとも大蔵省の所管でないはずなのであります。特に一般職に関する限りにおいては、これは大蔵省の所管でないはずなのでありますが、この点官房長官にもはつきり伺つておきたいのですが、最近どうも人事院の権限に関するものを、大蔵省が財政の面から、財政政策の見地に立つて、実質的に給与政策それ自体も歪曲あるいは変更しようとする意図すら、実は見えておるのであります。こういうようなことについては、従来この人事院に関する国家公務員法の法律を通しました限りにおいても、この点は見のがし得るものではないのであります。給与政策に関する面は、特に一般職関係については、当然人事院の所管に属するものと考えますが、官房長官はいかがお考えでございましようか、官房長官に伺いたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 給与政策というのは、いかなるものを言うかが問題であるのであります。人事院の勧告に対しまして、人事院の給与政策というものを予算面から見てどうこうということは、われわれは言い得ると考えております。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 官房長官に答弁を願います。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 大蔵大臣がはつきり申されましたから、私はつけ加えることはありませんが、政府の部内においては、管轄はおのおのきまつておりまして、他の管轄を侵すようなことはやらないのであります。そういうかうな疑いを持たれるとするならば、はなはだ残念でありまして、ここにおります浅井総裁も、あるいは大蔵大臣も、われわれも、なみ政府の一員であります。お互いに法律によつてその管轄を持つております。その点何ら疑いはないのであります。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 給与関係の、給与政策の中の財政面、予算に関する面は、これはあくまで大蔵省がやるべきでしよう。その限りにおいては、実は大蔵省が問題になるのであつて、それ以上給与政策として、たとえば具体的に言うと、職員の解釈規定の問題にまで触れて、大蔵省がかつてに解釈をして、そういうものに対しては支給はできませんということになるならば——これは具体的な話でありますが、そうなつて参りますと、これは当然人事院の権限を侵害して来ることに私はなると思う。大蔵大臣は、昨日の質疑応答の前後の事情を御存じなくて、ただ抽象的にそういう御答弁をなされますが、しかし昨日の質疑応答を、あとで速記録でごらんになれば、はつきりおわかりになるように、明らかに大蔵省の一課長その他の属僚が、人事院の権限に属すべきものを侵害している事実が暴露されておる。こういう点は、ただいま岡崎官房長官が言われたように、あくまで一体としておやりになるならば、あくまでも権限の所在というものを明らかにして、権限を尊重し合つて、その上でやらなければならないと私は思う。今後こういう点については、十分御注意を願いたいと思います。そういう点について注意を喚起する次第であります。  最後にもう一つ、今度の給与法においてもその他においても、一般職の関係は、人事院が所管しておるのは言うまでもない。ところが年末手当の支給に関する法案というものは、実質的に人事院から政府に権限が奪われてしまつている結果になつている。この支給の法案自体のそういう点について、政府側はどのように御解釈になつておるか、官房長官から伺いたい。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野政府委員 人事院は、一般職につきましての給与の法律が出ましたときに、その実施の責に任ずるのは、国家公務員法上の使命でございまして、今度の年末手当は、昨日も申し上げました通りに、特別職、一般職全部一緒に定めましたので、人事院規則でもつてこまかいことを一般職だけきめて、また特別職については別にきめるということは、非常に煩瑣になりますので、政令をもつてきめることにいたした次第であります。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 人事院の勧告を尊重するということは、この法案の説明にあつたのでありますが、人事院の勧告の中には、特別職と一緒にして支給すべきであるというような勧告は実は行われておらない。こういう点においても、すでに人事院の勧告は、政府のこの年末手当の法案においては蹂躪されておる。ことさらに特別職を一緒に法案化しなければならないというところに、入院の一般職に関する給与の権限を長害する意図があるように、われわれには感じられるのでありますが、そういう意味において、特別職を一緒にされたというその理由をお聞かせ願いたい。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野政府委員 特別職は、特別職の給与に関する法律ばかりでなく、裁判官あるいはその他いろいろな法律にわかれておるわけでありまして、それに一々年末給与のことを入れるということは、非常に煩瑣になるわけでございます。それから一般職と特別職とそれぞれ違つた方式でもつて年末手当をやるということも、これまたいかがなことかと存じまして、便宜年末手当につきましては、一括して法律案をつくつたような次第であります。なおこれは御存じと思いますが、一般職の給与について実施の責任を負うのは、一般職の給与に関する法律の規定によつているのでございますから、あの法律にないことにつきましては、必ずしも人事院ではないというふうに考えております。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 いろいろ実は伺いたい点もあるのでありますが、まだ大分質疑される方もありますからこの程度にしますが、要するに今度の問題を通じて非常にはつきりしておりますことは、実質的に人事院の権限を大蔵省が予算面から奪いつつある。この点は今後厳に慎んでいただきたいと思います。岡崎官房長官も御出席でありますし、池田大蔵大臣も御出席でありますが、いわゆる給与政策の予算面からするというその表現のもとに、実質的には人事院の権限を奪いつつある現状でありますから、この点は十分今後においてひとつ御注意を願いたいと思うのであります。私の質疑は大体この程度にいたします。

田中伊三次自由党

○田中委員長 池田大蔵大臣が急いでおりますから大蔵大臣に対する質疑を先にお願いいたします。加藤君。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 この前の本委員会で問題になつたことであり、今の岡田君の質疑に関連いたしますから、この際確かめておきたいと思うのでありますが、このたび地域給や調整号俸の引下げなどの行なわれました結果、事実上は給与の引下げの事例が起きて来る場合がある。そのためにとんでもない混乱が起きて来る、こういうことが、先ほど一般職の給与に関する法案審議のときに問題になつたのです。そのときの大蔵給与課長のお話であつたと思うのですが、それはもう昇給の点で勝手にやるのだ、それを調整して行くのだ、法的にあるいは給与政策上いろいろな混乱が、かりに人事院側に起きたとしましても、そういうような意見にこだわらずに——これは重要な点でありまするが、人事管理上それをやつて行く必要があるから、断固としてやるのだというような御答弁があつたのであります。速記録をごらんになつていただけば明瞭であります。こういうことになりますると、たまたま今国会で審議中、その審議の結果を尊重するという態度を失つて、一方的に原案に基いて、かつてに実施の打合せをしたという問題に関連いたしまして、はなはだしく人事院の本来の制度上の専管を、政府の行政機関がこれを侵奪するということになると思うのでありまして、その点を今の岡田君の質問と関連して、大蔵大臣に伺つておきたいと思うのであります。いかに法律を尊重し、人事院の専管的な職域は尊重するのだと言つても、こういう事実がたびたび重なりますると、私どもは尊重しているということが、とかく信用がおけなくなります。説明いかんにかかわらず、どうしても侵害しているという事実は無視できないことになると思うのでありますが、この点大蔵大臣の御答弁をお願いしたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 先ほど岡田君に対して申し上げた通りでございまして、われわれは他の役所の権限を侵犯しようという考え方は、毛頭持つておりません。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 人事の管理上必要があるからやるのだということが、省の意見として言われたということになれば、それは明らかに越権だということをお認めになりますか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 先ほど私が申し上げた通りであります。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 先ほど岡田君の質問に対する御答弁の中には、そういうことはなかつたのであります。私は新たな事実を指摘してあなたの見解を承りたいのでありまして、先ほど御答弁に相なつておらぬのですから、そのことを簡単にひとつ御答弁を願いたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 あなたの第一のお尋ねに対して、お答え申し上げた通り、大蔵省は他の役所の権限を侵犯しようという気は毛頭持つておりません。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 それは人事管理上…(「くどいな、わかつているじやないか、」と呼び、その他発言する者多し)黙つていたらいいじやないか、人の発言中に……。質問のくどくなるような答弁しかしないからだ。——人事管理上それをやり抜く、必要があるから、人事院のいろいろな意見にかかわらず、それをやつて行くというようなことを言つたのは、その一点だけは明らかに職域侵奪の越権行為だと私は思うのですが、簡単に答えてもらいたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 人事管理上必要があつて、こういうことをやつたということは、私は事実は知りませんが、大蔵省の職員が他の役所の権限を侵犯しようという気持はないということを、大蔵大臣として言明いたしますから、それで御了承願います。

田中伊三次自由党

○田中委員長 八百板君。

八百板正日本社会党

○八百板委員 この際具体的な点をまず明らかにしておきたいと思いますが、先ほど来質問になりました年末手当の問題につきまして、具体的にする必要があるだろうと思うのであります。第一条には「国家公務員(常時勤務に服さない者であつて政令で定める者を除く。)」こういうふうにされておるのでありまするが、その点われわれとしては、後日に問題を残すことのないように明確にしていただくことが必要であろうと考えるのでありまして、ここに政令に盛られておりますようなものは、人事院規則によつて扱うべきものであると考えるのでありまするが、それをもし政令によつてやられるという場合におきましては、その政令の中に、十分実質的に常勤的な非常勤労務職員がこの年末手当の支給を受けることができるような内容に取扱つていただきたいということを、特に希望いたす次第であります。  なお年末手当に関しまして、特別職でありますところの進駐軍労務者の年末手当につきまして、お伺いいたしたいと思うのでありますが、御承知のごとく、今日進駐軍労務者は朝鮮事変以来、いろいろの労働強化、危険作業等のために、さわめて困難なる労働条件の中に勤務しておるのでありまして、こういう状態を考えまするならば、この進駐軍労務者に対して特別の考慮を払うことが、当然に必要だろうと私どもは考えるのであります。従つて進駐軍労務者に対して、一般公務員より以上の何らかの考慮を払う用意があるかどうか、この点だけお尋ねいたしておきたいのであります。  なお重ねて、進駐軍関係労務者の雇用主でありますところの特別調達庁におきましては、現にこういうふうな事情を考慮いたしまして年末手当等につきましては、一般職員の倍の五割増しが適当であるというようなことを、現に言明しておるような事実があるのでありまして、こんなふうに雇用主が現に言明しておる場合にあたりまして、これを一律的に半箇月分というふうなことにきめまするならば、この法律によつてそういう部分を押えるという結果にもなるのでありますから、こういうふうな点について、特に別の御考慮をいただきたいと思うのであります。  また朝鮮事件の発生によりまして、特に臨時工を採用しておるという向きが多いのでありまするが、これらの臨時工に対しても、特に年末手当の対象として取扱うような、配慮をいただきたいと思うのでありまして、この点につきまして官房長官の御意見を伺いたいと思うのであります。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野政府委員 第一点の、政令にはなるべく疑いが起らないように、具体的に規定しろという御要望に対しましては、その通りにいたすつもりでおります。  第二点の進駐軍関係の労務者の点でございますが、これは昨日も申し上げました通り、この特別手当は賃金の一種でもございませんし、また賞与でもないのでありまして、仕事あるいは成績によつて、公務員の職種の間に区別をつけるということはいかがかと存じますので、この法律の適用については、まつたく他の公務員と同様にして行きたいと思う次第であります。なお臨時工につきましては先ほど御答弁申し上げた通りであります。

八百板正日本社会党

○八百板委員 進駐軍関係の労務者の特殊な勤務の状況を考えまして、この点について何らか特別の考慮を払う意思があるかどうか。この点を年末手当と関連して少し述べていただきたいと思います。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野政府委員 危険の作業をやる者にはそれぞれ危険の手当もありますし、特別作業をやる者にはそういう方面で見ておりまして、その他については別に特別な扱いをするということは考えておりません。

八百板正日本社会党

○八百板委員 それでは特別職の問題につきまして、お尋ねいたしたいと思います。まず進駐軍関係との関連においてお尋ねいたしたいと思いまするが、今度の特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を見ますると、これらの問題はことごとく内閣総理大臣あるいはこれに匹敵するような高級者についてのみの俸給月額を改めることを原案とされておりまして、これらにつきましては、おおむね三割ないし五劇というような大幅の増額を規定いたそうとしておるのでありますが、下級の特別職の職員に対する規定を織り込まなかつたということは、どういう点にあるかということをお答えいただきたいと思います。

磯田好祐大蔵事務官(主計局給与課長)

○磯田政府委員 ただいま進駐軍労務者に対する給与の改訂の規定のない理由はどうであるかという御質問でございますが、この点につきましては、現在の特別職の給与に関する法律案によりまして、進駐軍労務者の給与に関しましては、特別調達庁長官が大蔵大臣と協議してこれを定めるということになつております。従いまして今回の給与改訂の際におきましても、これを特にこの法案の中には規定いたさなかつたわけでありまして、今後その問題につきましては、特別調達庁と協議いたしまして、善処いたしたいと思つております。

八百板正日本社会党

○八百板委員 そうしますと、そういう問題については、法律に定めるところなく、事務的に大蔵省と特別調達庁との打合せにおいてきめる、こういうふうに取扱うという趣旨でございますか。

磯田好祐大蔵事務官(主計局給与課長)

○磯田政府委員 さようでございます。

八百板正日本社会党

○八百板委員 一般公務員に対する給与改訂の法律というものを法律の上に明確にして、さらにまた特別職の職員の給与に関する法律の一部改正というものを、これまた法律をもつて明確にして、下級職員の給与の改訂については、これを事務的に単なる事務として取扱うという取扱い方は、給与改訂の取扱いとして公平を欠くやり方ではないかと思いますが、この点についてどのような見解を持つておりますか、お答えいただきたいと思います。

磯田好祐大蔵事務官(主計局給与課長)

○磯田政府委員 ただいま御質問になりました点につきましては、現在の法制上、先ほども申し上げましように、特別調達庁長官が大蔵大臣と協議してこれを定めるということになつておる結果としてさようになつておるのであります。

八百板正日本社会党

○八百板委員 そういうことの結果として事務上取扱いをするということになつておりますといたしましても、実質的にはその結果において下級職員の重要なる給与の実際が、それによつて決定せられるということになるならば、法律の定める場合と同様の重大なる結果が起るのでありますから、従つてこの際上級特別職の改正をすると同時に、どのような用意をもつて下級職員に対して給与の改訂を用意せられておるか、この際にその点を明らかにしていただきたいと思います。

磯田好祐大蔵事務官(主計局給与課長)

○磯田政府委員 進駐軍労務者の給与の改訂につきましては、従来一般公務員の給与の改訂のある際におきまして、一般公務員の給与との権衡を考えまして、これを改訂して参つておるのでございます。従つて今回の改訂におきましても、今回の一般公務員の改訂との権衡を考えまして、従来の沿革を尊重しつつ、これを改訂して行きたいと考えておるわけであります。

八百板正日本社会党

○八百板委員 事務系統の場合におきましては、一般職員の場合に準じてその均衡をはかりながらこれを取扱つて行くという点につきましては、一応これを了解することができるのでありますが、技能系統の特別職の進駐軍労務者に対しては、どういうふうな方針のもとにこれを改訂されようとしておるのでありますか。その改訂の内容、改訂の時期、改訂の方法、さらに一般職との比較における上昇の率、こういうふうな点は、法律と同様の結果になるのでありますから、この際明らかにしていただきたいと思います。

磯田好祐大蔵事務官(主計局給与課長)

○磯田政府委員 進駐軍労務者のうち技能工系統の給与改訂をどうするかという問題でございますが、この技能工系統につきましては、現在一般職種別賃金が通用されておるのでございまして、その問題と不可分の関係になるわけでございまするが、今回の給与改訂が民間の給与との権衡をはかることにあるというような点も考えまして、目下研究中でございまするが、これに対する具体的な政府の意見はまだ決定いたしておりません。

八百板正日本社会党

○八百板委員 先ほども述べましたように、上級公務員の給与はこれを法律をもつて定めて、下級職員の分についてはこれを事務的に定めて、しかも与れらについて今日なお何らの具体的用意がないということは、取扱いとして、まことに公平を欠くものとして私は遺憾に存ずるものでありますが、この点につきましては、すみやかに一般職の場合に準じて、これよりも一層危険と不安にさらされておる状況を考慮せられまして、国会を通じて改訂せられるような努力をしていただきたいということを希望するのであります。  なお特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の内容を自て参りまして、まずお伺いいたした品と考えまする点は、概して高官の給与が下級職員の給与と比べまして、大幅の引上げになつておることは、われわれとして了解できないという点につきましては、先般来たびたび申し上げた点でありまするが、われわれ国会議員との比較において考えてみまするに、別表に現われておりますところは、官房長官四万五千円円、政務次官四万三千円というふうになつているのであります。もちろん国会議員の歳費の月額につきましては、まだ決定になつておるものとは思わないのでありますが、議院運営委員会等におきまして、今日まで議題に上つておるところを聞きまするに、四万三十円という案に進められておるというふうに聞くのであります。その金額の多寡はしばらく別といたしまして、この振合いという点から考えてみまするに、国会は国権の最高機関としてこれを憲法において定め、その国会議員に対しては、国会法であつたかによりまして、一般の官吏の最高の額よりも少くない額を受けるというふうにたしか規定してあつたと思いまするが、そうしますると、国会議員の給與よりも、国会の中に働いておる事務職員の責任者の給與が高いという結果になるのでありまして、この点給与を定めまする上に、金額のいかんは別といたしまして、一つの定め方といたしまして矛府があるのではないかというふうに考えるのでありまするが、この点につきまして、どのような御見解を持つておられまするか、御答弁をいただきたいのであります。

磯田好祐大蔵事務官(主計局給与課長)

○磯田政府委員 内閣官房長官が従来の年俸より上つた点につきましては、その職務の重要性等から申しまして、これは当然のことではないか、かように考えるわけでございます。なお国会議員との給與のバランスの問題が先ほど出たのでございまするが、国会議員の給與をいかに定めるかという問題は、目下国会におかれまして御検討中だというふうに私どもは承つておるのでございまして、国会議員の給与とのバランスの問題はここでは考えておりません。

田中伊三次自由党

○田中委員長 質疑はこれで終了いたしました。  ただいまより国家公務員に対する年末手当支給に関する法律案(内閣提出第二八号)及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)の両案を一括して議題とし、討論を行います。討論は通告順によつてこれを許します。まず藤枝君。

藤枝泉介自由党

○藤枝委員 ただいま議題になつておりまする国家公務員に対する年末手当支給に関する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を一括いたしまして、自由党を代表いたしまして賛成いたします。  まず年末手当の問題でございますが、わが国の生活事情といたしまして、年末に相当計費がかさむということは、これは従来からしばしば問題になつておりまして、ことに終戦後、従来は賞与その他で支払われたものが、支払われなくなつて参りました関係上、幾多の問題を起しがちであつたのでございます。今回政府がこれらの点にかんがみまして、来年の一月からの給与改訂と関連いたしまして、年末の手当を支給する法律案を提出されたことは、最も妥当であろうと存じます。従来年末手当をめぐりまして、幾多の労働問題その他が起きておつたのでありますが、この年末手当の制度を一種の恒久化した制度として法案を出されたことにつきまして、衷心から賛成するものでございます。この額につきまして、いろいろの問題があるようでございます。なるほどこういつたものは、もちろん多いに越したことはないのでございまするけれども、しかしながら国家公務員、またこれに準じておそらく地方公務員も支払われることに相なると思うのでありまして、これらの点を考え合せますると、国民負担の問題も相当重要でございます。最近の経済情勢、あるいは国民負担の現状から考えまして、この程度で満足するほかないのではないかと考えておるような次第でございます。  ただこの際つけ加えて政府に希望をいたしておきますることは、当委員会で問題になりましたいわゆる常勤的な非常勤の職員に対する考え方につきましては、昨日来の政府の答弁の趣旨を十分生がしまして、これらの規定の上では非常勤となつておりまするけれども、実質的に常勤的な職務に従事いたしておる者に対する年末手当に準じた手当の方法につきましては、十分なる考慮をいたされたいということを希望いたしまして、本法案に賛成するものでございます。  次に特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、これは先般衆議院を通過いたしました一般職の職員の給与に関する法律の一部改正法律案に準じまして、特別職の職員の給与を改訂いたすというものでございまして、これまた妥当な処置と考えて賛成をいたす次第であります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 平川君。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 私は上程の両案に対して反対の意を表明するものであります。年末手当につきましては、政府はさきに一箇月分の手当を支給するということを申されまして、はなはだ私ども満足をいたしておつたのであります。もちろんこれは十分なものとは考えません。しかし少くともわれわれが最小限科学的であると信ずる人事院の勧告の線にも沿つておりますし、まずこのあたりなら満足していいというふうに考えておつたのでありますが、あにはからんや出てみると、これが半箇月分になつておるのであります。米の一勺配給などとともに、放言は農林大臣だけと思つておりましたが、あらゆる方面においてかような放言があるのは好ましくないと存ずるのであります。われわれはこの考えに基きまして、昨日川崎秀二君から話がありましたように、一箇月分支給の修正案を用意いたしまして、今朝司令部と正式に折衝する約束ができておつたのであります。しかるに昨夜の通りの始末に相なりまして、政府与党のやり方に対して、はなはだ不満を持つておるわけであります。われわれはこの望みを捨てるものではありません。従いまして、この年末手当の法律案に対しましても、絶対に反対せざるを得ないのであります。なおこの点につきましては、衆議院におきましては、もうすでに予算も通過いたしたことでありますので、われわれは修正案をもつて闘うことを保留いたしますけれども、但し参議院の行動を通じまして、わが党は予算の修正、並びにこの年末手当を含めまして給与法全般の修正に、今から邁進する態度を明らかにいたしまして、反対をいたす次第であります。  特別職の法律案に対しましては、この除外せられましたものは、やはり前の給与法案にございますところの号俸調整と同じ精神のもとに、給与を引下げるという精神にのつとつておると考えられます。もうすでに公団の職員のごとく、目の先に解散の運命になつておるものであり、かつその額といたしましても、はなはだ僅少であるのでありますが、かようなものに対してこの際こうした大きな変化を与えるということは、給与政策の上から見ましても、私は望ましくないと考えるのであります。われわれはこの号俸調整の問題に反対をいたしましたと同一の理由をもつて、この問題に対しましても反対せざるを得ないのであります。  以上おもなる点だけあげたのでありますが、全般の問題といたしまして、今国会が始まりまして明らかにせられました大蔵当局の給与政策に関する問題につきましては、先ほど岡田君からもるる質疑があつたのでありますが、それをもちましても、私どもはやはりこれは納得の行かない事実だと考えておるのであります。人事院はかかる給与の体系が出ましたときには、進んでその意見を述べられまして、それを否定する態度を公にせられるぐらいの権限を持つように、何らか今後政府としても措置せられたいと思いまするし、われわれもまたさような点について今後とも研究を続けて行くつもりであります。  以上をもちまして、わが党の反対の意向を明らかにする次第であります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 成田君。

成田知巳日本社会党

○成田委員 日本社会党を代表いたしまして、両法案に対して反対の意見を表明いたします。簡単に反対の意思を申し上げます。  人事院の勧告でありまするところの、八千五十八円べースで、一年十三箇月分支給の勧告は、私たちから見ますと、非常に謙虚に過ぎるとさえ思つておるのでありますが、この勧告さえも無視されまして、さきの衆議院におきまして政府、原案が自由党の多数で押し切られたわけであります。  特別職の給与に関する法律案に対する反対理由といたしましては、一般公務員に対する給与に対する反対理由をもつて十分言尽されておると思いますので、年末手当の問題について申し上げます。  この年末手当の法律案を見ますると、これにおきましても、年末手当は半箇月というすずめの涙ほどの少額になつております。言うまでもありませんが、国家公務員が罷業権なり、団体交渉権を制限され、剥奪されておるのは、一方においては国家公務員の福祉の増進のために、十全の努力を払わなければいかぬ。従つて人事院の勧告を尊重しなければいかぬということが、当然の規定になつておりますが、政府のやり方を見ますると、公務員からとるものはとつて、与えるものは与えないという、まつたく片手落ちのやり方になつておるのでありまして、この際政府はとるものをとる以上、当然与えるものは与えるべきでありまして、人院勧告の趣旨を尊重して、一箇月分の年末手当を出すべきだと私たちは考えるのであります。  次に地方公務員でありますが、ただいま藤枝議員の賛成討論では、地方公務員に対しましても、国家公務員に準じて同額の年末手当が出されるであろうということを理由にして賛成討論をされたのでありますが、本委員会ではつきりいたしましたことは、今度の平衡交付金の増額というものは三十五億円であります。お見えになつておる大蔵政務次官もはつきり御答弁になりましたが、この三十五億のうちには、半箇月分の年末手当というものは全然考慮されておらないのであります。御承知のように、地方行政委員会におきまして、自由党の諸君も参加いたしまして、地方財政委員会の勧告の八十三億円の増額を満場一致で採択をいたしておるわけであります。二日の国会審議権擁護の決議におきまして、自由党の倉石君は、電力再編成にあたつては、ポ政令が出たからやむを得ないが、国会の審議権を尊重することにおいて決して人後に落ちるものではない。こういう御発言をなさいましたが、もしそうだとするならば、幸い予算についてはポ政令という非常措置がとられておらないのでありますから、国会審議の自主権確立の熱意に燃えておられる自由党の諸君は、この際地方財政委員会の決議に基いて、平衡交付金の八十三億の増額をただちに予算化するのが当然であると私たちは考えるのであります。民主的労働組合の勢力に屈服した結果でありまするけれども、国鉄に対しましては、すでに一箇月分の年末手当を出すということがきまつた。当然国家公務員におきましても、また地方公務員におきましても、一箇月分の年末手当を出す予算措置を講ずるのが、必然的な結果であるということを強く要望して、本法案に対して反対するものであります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 加藤君。

加藤充日本共産党

○加藤(充)委員 簡単に日本共産党の反対意見を申し述べます。  自由党の藤枝君が賛成討論で述べました中で、聞き捨てならないことがあるのであります。これは給与制度上根本的な問題だと思うのでありまして、手当というようなものも給与の問題であり、給与問題はまさしく人事院の專属的な管轄に属すべきものでありますが、これを侵して行つているということ、このことは人事院の権限の侵害であり、またそういうふうな態度で法制上の専管の職域を侵して行くというようなことが、次々にこういうような法律で出されて来ますと、めちやくちやなことになつて来る。こういうやり方は、まさに憲法無視であり、憲法に違反するものであると言つても過言ではないと思うのであります。  それから内容の点について問題があるのですが、これは委員会でも申し述べたのですが、ごまめの三切れの切身の一切れというものは、お正月の手当にはならないのであります。どうせわずかのものなんですから、それを三切れにしないで、せめて一切れにしてやればよいと思うのですが、そういうことをなさらない。これじやお正月にならないと思う。しかもそのせめてもの一切れが、親子同士で食えるならよい、お正月の食ぜんに載せられるならよい。ところがそれを、いわゆる年末調整などと称して、税務署の方に先にお供えしなければならないというようなことになつたのでは、やつたのか、やらないのか、まつたくひどいことになると思うのであります。こういう点で、これは年末手当というような気のきいたものじやない。少くとも人事院の給与の勧告にありましたように、十三箇月一月出す。それで足りないのだから、年末、お正月という日本の特殊の慣行に基いて、それに一月添えてやる。そうすれば生活改善の一助にもなるし、生活安定の一助にもなると思うのでありますが、そういうことをなさらない。そういう点から考えるならば、労働者の全部統一した意見として要求しておりますように、年末手当は、公務員の給与ベースが一応きまりましたけれども、あれとにらみ合せるならば、三箇月分はやらなければならない。そうして初めて年末手当を出したと言い得ると思うのであります。政府は出せないのではないのであつて、出さないのである。大蔵省の答弁の中に、非常勤的非常勤というような、日本語でない言葉を発見して、まさしく非常識な答弁をしているのでありますが、これは明らかに出せないのじやなくつて、出さないための窮余の一策であつて、あつかましいにもほどがあると思うのであります。  以上の点から共産党は、こんな端くれ金——千円札ででもあれば、はなをかむのはなまいきかもしれませんが、百円札にもならない、五十銭にもならない、子供ももらわないようなものだつたら、そんなものは恩に着て受取る必要はない。もつと出さなければいけない。これが絶対に反対するおもなる理由であります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 岡田春夫君。

岡田春夫労働者農民党

○岡田(春)委員 私も反対をいたします。野党の各委員から反対の理由を説明されましたので、詳細申し述べる必要はありません。  ただ、第一に政府は表面羊頭を掲げて実は狗肉を売つている。この点ははつきりとしておかなければならない。狗肉どころか、ねずみの肉だか、何の肉だかわからない。たとえば人事院の勧告を尊重するというような美名を使いながら、人事院の勧告の給与体系というものをめちやくちやにしている。この点については年末手当においてもはつきり現われております。年末手当は人事院では十三箇月分の一箇月として支給すべきであるというにもかかわらず、政府は半箇月を支給すると言つている。この内容というものは、その一箇月という意味ではなくて、これは明らかにマ書簡においても禁止しているいわゆるボーナスの復活、恩恵、慈善の押売りをやろうとしている。しかもこの恩恵、慈善の押売りというものは、表面においては半箇月分と言いながらも、実際この法案の内容を見てみますと、在職期間三箇月未満の者については百分の十五でありますから、半箇月分に達しないのであります。すなわち三箇月未満の人に対する百分の十五を差引いた百分の三十五は、高級官僚の年末手当のために出しているということになるのであります。こういう意味においてもわれわれ絶対にこれに賛成することができ産せん。  第二の点は、先ほども問題になつたのでありますが、政府はこれをよほど考えて自己反省を願いたいと思うのでありますが、人事院をまま子いじめの状態に追い込んでいる。人事院が権限を等つて主張するにもかかわらず、表面は人事院の勧告を尊重しますと言いながら、実質的に財政上の面から人事院の権限をどんどんと奪い返しつつある。こういうような点において、明らかに、先ほど加藤君からも言いましたように、憲法を蹂躪しているといわざるを得ないのであります。こういう点においてもわれわれは賛成ができません。  最後は財源の問題でありますが、当初政府は一箇月の年末手当の財源を見積りながらも、しかも最後に半箇月分になつているのであります。この半箇月分になつた前後の事情は、われわれ調べている限りにおいては、明らかにこれは朝鮮の特需輸出の犠牲になつて、そして年末給與は半箇月分に減らしている。インベントリー・フアイナンスに財源を充てるために、従来政府が予定をした一箇月分の財源というものを半額に減らしているということであります。こういうことからいつても、今度の朝鮮事変の動乱を労働者の犠牲の上にこのような形で現わそうとしている。こういう意味においてもわれわれ絶対に賛成ができません。この年末手当の法案に対して、昨日浅井人事院総裁は、はつきりこの法案は人事院としては賛成ができないと言つている。政府側は人事院の勧告を尊重したと言いながらも、これは表面において尊重したと言つても、中身が全然違うのだということを、人事院総裁みずから賛成ができないと言つているのであります。しかもこの法案の内容において、毎年年末手当を支給するということになつて、恒久法として設けられるようになつておりますが、恒久法として設けられるようになつて参りますと、人事院が一般職の給與に関する実施の責任、事実上この人事院の権限を奪つて、政府が大蔵省と結びついて、人事院の行うべき年末手当の関係を政府がやつて行くというような結果になつて行つているのであります。こういう点から見ましても、この政府案に対しては賛成することはできません。先ほど話があつたように、羊頭を掲げて、狗肉どころか、ねずみの肉を売るようなこの法案には断固として反対いたします。

田中伊三次自由党

○田中委員長 これにて討論は終局いたしました。  引続きこの両案を一括議題として採決いたします。両法案の政府原案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 起立多数。よつて両法案は原案の通り可決いたしました。  この際両法案の委員会報告書の作成についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長に御一任を願つておきたいと思いますが、御異議、ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中伊三次自由党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたします。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせすることにいたします。  今日はこれで散会いたします。     午後二時十八分散会

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