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9回国会衆議院1950/12/06

厚生委員会 第6号

発言数
102
登壇者
13
会派数
5
開催日
1950/12/06

会議録

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 これより会議を開きます。  まず船員保險法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の質疑はすでに終了いたしておりますので、本案の討論に入ります。金子與重郎君。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 船員保險法等の一部を改正する法律案につきまして、この改正の部分は、そう広範囲ではないのでありますが、保險料率を引上げるという点につきまして、わが党といたしましては反対であります。その理由といたしますところは、保險料率をこういうふうに上げなければ、将来保險自体の維持が困難であるというような御説明は、政府当局から聞いたのでございますが、私が考えまするのに、今政府が社会保障測度の勧告案を受けまして、また百八に対しても、社会保障の問題に対しては、相当大きな重点を置くということを、常々声明されております。にもかかわらず、この保險の危機に際しまして、政府の予算が少しも考慮されておりませんで、それを船員の被保險者の負担によつてのみ一時をまかなおうとするところに、考え方のむりがあるのではないかということが、私の反対の理由であります。従つてこの問題は、あとから出て参りますところの健康保險法の一部改正と同じような観点に立ちまするがゆえに、時間の節約上、その反対理由が一致しておりますので、こまかい点は、後に諮られますときに、船員保險法等の一部を改正する法律案についての私の反対意見としてこまかく述べるつもりであります。以上をもつて反対の理由を申し述べます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 青柳一郎君。

青柳一郎自由党

○青柳委員 私は自由党を代表いたしまして、本案につきまして、賛成の意見を述べようとするものでございます。  船員保險の経済危機を突破するために、またさらには船員保險の給付の内容は充実せんとするために、本改正案が提出されたわけであります。いかにも標準報酬の引上げ、あるいは保險料率の引上げは、できるだけ避けたい点ではございますが、今回船員保險の大きい赤字の危機を突破するためには、やむを得ない手段であると断ぜざるを得ないのでございます。ことに今回の改正におきましては、給付費の面におきまして、非常によい改正を行つておるのでございます。従前からありました障害保險、あるいは遺族年金の大幅の引上げを行うということは、被保險者十二万名の喜びであると、私はかたく信ずるものでございます。さらにこの船員保險は、健康保險などと違いまして、使われる方の人と使う方の人と半々に負担するのではないのでありまして、使う人の方は、被保險者の二倍の保險料を負担せねばならぬという建前になつております。しかも大きい負担をするところの船主側におきましては、すべての船主が双手をあげて賛成しておるのでございます。またさらに非常に低い俸給で因つております船員を代表しておりまするところの全日本海員組合におきましても、この法案につきましては満腔の賛成を表しておるのでございます。これをもちましても、被保險者の船員の喜びの大きいことを知るのに十分だと思うのでございます。いかにも社会保障制度の確立のためには、国家におきまして給付費の相当額の助成を行うことが、確立のもとになるということを、私どももよく存じておるのでございます。従いまして、ここに私は、政府は近い将来におきまして、医療給付費に対して相当額の国庫補助をなすべしという強い希望を申し添えまして、本案に賛成するものでございます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 高田君。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 私は日本共産党を代表しまして、船員保險法等の一部を改正する法律案に対しまして、反対するものであります。なお反対の理由につきましては、健康保險法の一部改正と関連がありますので、その際一括して反対理由を申し述べたいと思います。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 松谷君。

松谷天光光無所属

○松谷委員 船員保險法等の一部改正案につきまして、私は反対の意を表示いたします。理由は先ほど金子委員から述べられておりましたので、省略いたします。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 以上で討論は終局いたしました。  これより船員保險法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 起立多数。よつて本案は原案通り可決いたしました。  なお議長に提出する報告書の作成に関しましては委員長に御一任願いたいのでございますが、さよう決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次に、健康保險法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本委の質疑はすでに終了いたしておりますので、これより討論に入ります。金子與重郎君。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 健康保險法の一部改正につきまして、民主党を代表いたしまして、反対の理由を申し述べたいと思います。  今度の健康保險法の一部改正の内容は、被保險者の料率を引上げるということにとどめておるようでありますが、問題は、被保險者の保險財政のために、現段階の料率から一〇%ほど上げるということ自体が、労働者の生活云々とか、あるいは被保險者の生活を苦しめるとかいうような、被保險者本位の、加入する立場の人だけの利権擁護の立場から、これに反対するのではないのであります。そういう被保險者の立場ということだけを擁護するというふうな、一方的な考え方で主張するのだとするならば、まだほかに国民全体の人たちの参画しておるところの国民健康保險にいたしましても、その他の問題におきましても、取上げるべき問題がたくさんあるのでありまして、そういう意味から私は取上げるのではないということを、まず前提に申し上げなければならないのであります。しからば、どうしてこの程度の料率を引上げることがいけないかと申しますのは、今社会保障制度の問題につきましては、すでに審議会の勧告案も出ておりますし、また政府もこれに手をつけつつあるということは、先日の厚生大臣の答弁にもあつたのであります。そうだとするならば、この大きな予算というもの、いわゆる社会保障制度審議会の案を実行するとすれば、おそらく八百数十億の金がいると思うのであります。もちろん今の国家の財政におきまして、そういうふうな厖大な理想的な案を、一気に行うことは不可能だということは、よくわかるのであります。しかしながら現在非常に窮境に入つておりますところの健康保險、ないしは料率は、もうどうにも引上げられない立場にあるところの国民健康保險、こういうものがあるのでありますから、次の保障制度ができます前に、これをとことんまで悲境に陷らせない一つの手段として料率を上げるということであるならば、それに対して若干なりとも国家は予算をとるべきだ。私は金額の問題は言わない、国としての誠意を持つて、この保險に対して——しかもこの保險は官が管掌握しておる保險であります。国民の純然たる社会保險組合ではなくして、国家管掌なのであります。政府管掌の組合であるとすれば、ことさらにこれに対して、金額の高ばかりではなしに、誠意だけは示さなければならぬものだと思うのであります。そしてこの問題につきまして私が質問いたしましたときに、政府当局の答弁は、できるだけの措置をとつた、最大限の努力をいたしましたということをおつしやつております。なるほど今の政府の中におきますところの厚生当局のお骨折りは、最大限のお骨折りで、どうにもならないという限界点であつたかもしれません。しかしながら国会といたしましても、この問題に対して披瀝をすべき努力を、遺憾ながらこの委員会もしておらないのであります。でありますから、なるほど、今の政治は政党政治であるかもしれません、多数決でものをきめることが本煮であるかもしれませんけれども、少くとも委員会というものは、超党派の立場で国民の要望を反映することを相談し合うことが目的ではないか。であるならば、政府原案としてはこうであつても、政治の一分担をしておる委員会としては、與党、野党なんということでなく、この際たとい幾らでも、この保險の危機を救うために、国家の予算を出してもらうべく要請しようではないかということを、よし不可能に終つたといたしましても、それだけの努力はすべきであるということを、私はこの問題が上つた当初主張したのであります。しかしながら、会期の短かいということもありましようし、いろいろな関係もありましようが、とにもかくにもそれだけの過程を経ずに、そしてわずか二、三回の会議でこうして採決をしなければならぬという段階になつたのであります。そういたしますと、私どもは国民代表としての責任を果し得なかつたことを、私自身非常に申訳なく考えておるのであります。もちろん、こういうふうにして案が出て参りまして、そうして政府当事者の人たちが原案を作成いたしまして、その政府案を多数党の與党の方々が金科玉條のようにそれをお守りして、そしていつも決をとるとるということで多数決によつてやるならば、何のためにエキスパートを集めて委員会で研究する必要があるか。少数党の意見を多数党の人たちが入れて修正したからといつて、決してそれが多数党の構威をなくするものでもなければ、多数決の本義にもとるものでもないということを、少くとも委員会において一つぐらいの事例は示してほしいということを、常々私は考えておるのであります。でありますから、それだけのことを行わずして、これが足らないから、被保險者の負担に負わせて、そしてこれを糊塗して行くという考え方が、どうしても納得がつかない。これが反対しなければならない第一であります。  それから第二の問題といたしましては、今の健保の問題というものが、この程度の料率を引上げましたところで、恒久的にこれで行けるという安心はつかないのであります。これは当局の答弁によつても明らかであります。そういたしますならば、少くとも本年度の補正予算なり、ないしはどういうことがあつても来年度の予算には盛らなければならないという観点から行きましても、この際この問題はこのまますえ置きにしまして、この状態を強く政府に訴えまして、そして健保ばかりでなく、ほかの保險制度に対しても、一日も早く社会保障制度に対する問題を取上げて、国家の許される範囲で、しかも次の段階には、労働者であるからどう、官吏であるからどう、百姓であるからどうというような差別をやめて、国家の許される範囲の最大限で社会保障制度を確立し、もしそのときに被保險者の料率が国費の関係上もつと上つてもしかたがない。従つて、国といたしましても、国民の血税をもつてまかなつておる台所でありまして、打出の小づちを持つておるわけではありませんのでただ今日の政治のように、国民のぶんどり競争のようなあり方はまつたく遺憾である。国の予算が許されなかつたならば、国民が、もつと出し合つてもよいのだ。こういう見地から考えるならば、社会保障制度の今の試案がかりに八百億出ようが、あるいは七百億出ようが、この保障制度の確立ができないということはないのであります。ことに日本の現段階におきましては、私の信ずるところでは、いかに社会保障制度といたしましても、すべての国民の生活を憲法二十五條の線によつてまかない、満足させるというようなことは、とうていできるものではない。日本の社会保障制度というものは、当分の間は社会連帯相互扶助の考え方によるところの相助隣保の精神によつて、いわゆる社会保障というか、社会保險的な性格を非常に強く持つた社会保障制度でなければ、実際上やつて行けないのであります。でありますから、ここにいたずらに理想の線を掲げられて、それが重大だからといつて、その審議なり研究に日を延ばす、その間に国保にいたしましても、健保にいたしましても、これらの保險というものがだんだんつぶれてしまう、そして掛金をかけて、その結末が大きな赤字になつてどうにもならない段階に入つてから、国家が救済しようといたしましても、そのときには、そのときになればなるほど、大きな傷がそこに明いて来るのであります。そういう点におきまして、ここは私は小さな傷のうちに一応政府を鞭韃して、そして一日も早くこれを新しい制度による軌道に乗せて行くことをこの際どうしても鞭韃しなければならない。  そこで結論といたしまして、まず第一には、われわれこの委員会が、この問題を、はたして何人出て何人まじめに審議をやつたか。二十五人の委員の人たちは、何人これに対してまじめに研究したか、どれだけの誠意を披瀝したかということ、この委員会では、委員長初め考えてみなければならない。この程度のところで、あとは多数決できめてしまえばいいのだということであつたならば、これはまつたく国民を欺くものであると思う。私どもはほんとうに貧弱な何の経験もないものでありますが、自分の瞬間と自分の知識のある限りは、国民の代表として最善を盡しておると考えております。それをあの程度の審議で、あとは日がないから、人間をかり集めて来て決をとればいいのだということであつたら、はたしてこれが国会のほんとうのあり方だろうか。この姿を国民が知つたら、一体どう考えるか、そういう点から行きましても、私は重要な問題をこの程度に軽く扱つて、そうしてあとは多数決できめれば、それで事は済むのだというような物のきめ方では、この問題はとうてい賛成はできないのであります。單なる健康保險だけの問題から、その反対の意見が少しく広汎になつておりまするけれども、そういう広い意味から行きましても、遺憾ながら賛成できない。以上反対の理由を申し上げます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 大石武一君。

大石武一自由党

○大石(武)委員 ただいま提案せられております健康保險法の一部を改正する法律案は、政府管掌の健康保險法において、その保險料率の千分の五十五であるものを千分の六十に、千分の五だけを引上げようというのが骨子でございまして、私は自由党を代表いたしまして、本法案に賛成をいたすものであります。  終戰後混乱した国民の生活を立て直し、これを向上せしめて、明るい生活の安定を得させるためには、社会保障制度が最も重大なる政治の一つであるということは、いまさら論をまたないところであります。さらにこの社会保障制度の根幹をなすものが、現在においてはやはり社会保險である。これまた皆様同感のところでございましよう。従つて、この社会保險を正しく発展せしめて、社会保障制度まで持つて行くために、わが日本の国の政府は、社会保障制度審議会をつくつて、天下の衆知を集めていい制度をつくろうとし、またこのむずかしい社会保險をりつぱに運営させるために、厚生省においては社会保險審議会をつくつて、やはり天下の衆知を集めて現在の社会保險の危機を打開し、これを発展せしむるために努力しているのが現状であります。しかしてこの社会保險、ことに健康保險が、これは政府管掌にせよ、組合管掌にせよ、あるいは国民健康保險にせよ、いずれもこの健康保險が、現在の非常な経済危機に逢着いたしまして、もしかすれば崩壊の危機に瀕しておることは、これまた私が申し上げるまでもなく、天下の人々が認識するところであります。しかしながらここでこの健康保險を崩壊されることは、わが国の社会保障制度の完成とは相逆行することであり、わが国民を最も不幸なる生活に陥れることでありますので、われらは、いかなる努力をもつてしても、健康保險を維持し、発展させなければならぬのであります。現在問題になつておりますこの法案につきましては、いまさら贅言を費すまでもなく、社会保障制度審議会においても、これはやむを得ざる措置であるとして承認しておるものであります。さらに社会保險審議会においても、いろいろ研究討論の結果、やむを得ざる措置であるといつて承認したものであります。少くとも、事務的にはこれ以上の考えはない、これが現在における最後の案であるということに間違いはないのであります。もちろんわれわれといたしましても、現在のこの法案が、必ずしも最善の方法であるとは思わない。でき得るならば、このような保險料率の値上げというものは願わしくないのであります。しかしながら、現在われわれに与えられておりますあらゆる手段、知恵というものをしぼつて考えましても、この保險料率を上げる以外に事務的には処置がないということは、両審議会の結論を見ましても明らかなところであります。ただわれわれに残されておりまするのは、いわゆる政治的処置であります。何とかしてこの国会の力をもつて政府を動かして、予算をこれにつぎ込ませる、もつと端的に申しますならば国庫にこの医療給付の一部を負担せしむる、あるいは政府の剰余金をもつて一時この赤字の補償に資する。それによつてそういうことができるならば、この保險料率の値上げをしなくてもよろしい、これはまつたく願わしいことであります。しかしながら、われわれは来年度の予算におきまして、内閣を担当しておりますわが自由党も、この社会保障制度の推進にあらゆる努力をいたして参つたものでありますが、日本の現在の経済的な状態、その他のいろいろな客観的情勢を判断いたします場合に、どうしてもこの両方の手段をとることが不可能であるという結論に到達したのであります一もちろんわれわれは努力をいたしまして、社会保險の事務費の、国民健康保險においては金額の国庫補助、健康保險においては八割の国庫補助にまで増額をさせることに成功いたしましたし、あるいは結核対策においても、相当の費用を国庫より出させて、間接的にも直接的にも、この健康保險の助成強化ということには多少は成功いたしました。しかしながら不幸にして、どうしても来年度の見通しにおいては、国庫より医療給付の一部を負担せしむることが不可能になつたわけであります。これがわれわれの見通しであります。最後に残ります問題は、現在政府管掌の健康保險がやつております、いわゆる政府の剰余金を一時借用する手段であります。現在においては、三十億円を借用いたしております。この借用がうまく参りますならば、もちろんこれによつて一時糊塗することはできるわけであります。しかしながら、われわれも国会議員として、国民の代表として国の財政に関與いたします以上には、わが国の財政計画を正しく発展させたい、これを阻害するようなことは許されないことであります。われわれが事務的にいろいろ検討いたしました結果、ただ單に、何らの根拠なくして政府の剰余金を借り入れるということは不可能であり、正しくないことであると私は信ずるのであります。さらにわれわれは国民の代表として、国民全体の生活の向上安定というものを考えておるのであります。国民の機会均等ということを基礎にしてわれわれは政治を行わなければならぬのであります。現在行われております健康保險において、政府管掌の健康保險、組合管掌の健康保險、国民健康保險等がいかなる状態にあるか、いかにその待遇、国民の負担が違うものであるかということは、私が申すまでもなく、皆様が十分に御承知のところでありましよう。たとえて申しますならば、現在の政府管掌の健康保險は、その保險の範囲内において比べます場合には、天であり、お月様であり、国民健康保險は地であり、すつぽんであります。われわれは政府管掌の健康保險がこれよりよくなることは希望いたしますが、決して下に下げることは希望いたしません。しかしながら、いかに健康保險のみが向上しても、国民健康保險があとに取残されるということは、われわれの忍びないところであります。われわれは政府管掌の健康保險が向上いたしますとともに、国民健康保險をも向上せしめて、国民の負担を軽減して生活を安定させなければならぬ、こう思うのであります。この意味から申しますると、この政府の剰余金というものを、健康保險に借り入れることができれば、まことに望ましいことでありますが、われわれの計算によりますれば、来年度もし政府の剰余金を借り入れます場合には、政府管掌の健康保險だけにおいても五十億を突破するのであります。さらにこの十倍以上の組合員を持つところの国民健康保險に対しても、もしこの剰余金を一時貸すといたしますれば、百億円を突破する金額であることは疑いないところであります。はたしてこの百億円以上あるいは百数十億円の金を、将来何らの計画なくして、政府が貸すかどうかということにつきましては、おそらく国会議員として国の財政計画にあずかる者は、当然に予想せられるところでありましよう、不可能であります差つてわれわれはこの国民の生活を現在以下に下げないために、いくらかでも将来に発展させるための基礎をつくるには、この社会保險を崩壊せしめてはならない。その意味においては、多少の勤労者の負担を忍んでも、健康保險を生かす以外に方法はないと信ずるのでありまして、ここにわれわれがこの法案に賛成する根拠があるわけでございます。しかしながら先ほども申しましように、この方法が最も正しい、最善の方法であるとは私は考えない。こういうことは二度三度と繰返したくない。昨年も値上げをいたし、本年も値上げをいたす、まことにこれは勤労者に対して相済まないのであります。今後はもうこういうことは繰返させたくないのであります。しからばそれを繰返なせないためにはどうするか、結局この社会保險を社会保障制度まで向上させて、これを総合するためには、結論的に申しますと、医療費の医療給付の相当額を国が負担することであり、適正なる診療を行わせること、この三つ以外にないのであります。従つてわれわれは来年度二度とこのような法案を提出せしめないために、国はぜひとも新たなる決意をもつて、ぜひともできるだけ早い機会に国庫より相当額の支出をして、医療給付の一部を負担せしめなければならぬ、こういうことを強く希望いたしまして、賛成いたすものであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 高田富之君。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、健康保險法の一部改正法案に反対するものであります。  健康保險における保險料率の引上げは、まつたくの改悪でありまして、労働者大衆の犠牲において、保險財政の窮迫に対処しようとしているものであります。全勤労者が、この改悪に反対しておりますことは、先般開かれた社会保險審議会において一たび否決されたことによつても、明らかであります。政府はさらにこの引上げを再燃せしめ、強引に再採決させて可決したのであります。このようにして、低賃金のもとにある労働者諸君から料金をとるということは、政府が労働者の代表でないことを、みずから暴露するものでありますとともに、健康保險の厖大な赤字は、何らこれによつて解決しないばかりか、このとうな欺瞞的な弥縫策でごまかして行きますれば、早晩健康保險が崩壊することは、きわめて明らかであります。さらに被保險者の資格喪失後における保險給付について、六箇月間の資格期間を設けることは、まつたく不当きわまる措置であつて、非人道的なものであるといわなければなりません。要するにこの健康保險法の一部改正は、健康保險の本質までも修正してしまうものであつて、わが党は、健康保險につきましては、全額を国庫で負担し、さらに根本的には、低賃金、労働強化をしいられておる労働者の現下の奴隷的生活状態を排除することこそ、健康保險の正しい解決策であることを、あくまでも主張するものであります。このような意味におきまして、本法案に絶対に反対すると同時に、先ほど提案されました船員保險法の一部改正にも、同様の趣旨において反対するものであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 福田昌子君。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されております健康保險法の一部改正に関する法律案に対し、反対の意を表明いたします。  理由といたしますところは、昨年第五国会におきまして、やはり同名目のもとに健康保險法の一部を改正する法律案というものが国会に提出されました。そのときにおきまして、保險料の料率を千分の四十から五十に引上げる決定がなされたのでありますが、そのときの当局の御説明も、今回とまつたく同様の御説明であつたのであります。しかもその当時当局は、この料率を引上げることによつて保險経済は安定する、従つて社会保險に一つの曙光を見出すということを仰せられたのであります。私どもも、社会保險の給付金の安定、回転基金の円滑を望むという点におきましては、当局とその志を一にし、当局のお志に対しまして、賛同を表しますることにおいて、やぶさかではないのでありますが、ただうらむらくは、その処置において、われわれと異なるところがあるといわざるを得ないのであります。なるほど今日の保險経済のこの危機を根本的に打開するということが、非常な困難な状態にあることは、申し上げるまでもないことであります。しかし困難であるということは、不可能ではないはずであります。不可能と困難ということは、混同してはならないのでありまして、われわれとしましては、あくまでもこの根本にさかのぼつての対策が打立てられなければならないと考えるのでございます。そういう意味におきまして、今回当局がおとりになりました健保の保險経済の危機打開を、ただ單に被保險者の保險料率のまた一部引上げによつて補つて行こうという、きわめて弥縫策をおとりになつておるということに対しては、遺憾ながら賛成することができないのであります。もとより当局のこれに対しまする御努力、また御意のほどは、われわれも非常に尊敬し賛同するところでありますが、繰返し申し上げまするごとく、わが党といたしましては、その方法において賛同できがたいものを感ずるのであります。御承知のごとく、社会保障制度審議会の勧告は、すでに政府に向つて発せられたのであります。社会保障と申しますものは、言うまでもなく国がある程度の保障をするというところに、その趣旨があるのでありまして、その社会保障の精神というものは、御当局におきましても、十分尊重するということは、るるわれわれも耳にたこができるほどお伺いしたところであります。もし真に当局が社会保障制度の精神を尊重するのでありますならば、勧告を発せられた今日におきまして、再び被保險者の料率を引上げるような対策をなさることは、考えられないところであります。従いまして、この結果から見ますと、御当局というものは、社会保障制度の勧告が発せられたにもかかわりませず、保障というものに対しましては、何ら一歩も前進した対策をおとりになつていないということが、これによつて証拠立てられるといわなければならないのであります。しかし御当局の御答弁といたしましては、公衆衛生の面が向上したじやないか、あるいは結核対策に大幅な予算の増額が計画されているではないかということを仰せられるかもしれません。これは保障の精神から申しますと、なるほど確かに前進には違いないのでありまするが、しかし結核対策が強化されるということは、保障制度が勧告されたからやるべき筋合いのものではないのでありまして、それは公衆衛生の向上の面からいたしまして、当然やらなければならない措置といわなければならないのであります。従つて、そういう意味におきましても、結核対策の強化をもつて、保障制度の一部を満たしたというような御当局の御判断に対しましては、われわれとしては、さらに納得できないところであります。ことにこの結核予防対策の強化というものが、健保の経済危機に対しまして、約一億余りの補助にしかならないというに至りましては、言語道断といわなければならないと、われわれは考えるのであります。このような趣旨におきまして、私たちは、さきに提案されました船員保險法に対しましても、遺憾ながら反対せざるを得ないのであります。繰返して申し上げまするが、健保の今日の経済危機、または船員保險の経済危機に対しまする御当局の御努力に対しましては、われわれも満腔の尊敬をささげるものでありまするが、その方法において、いかにもまずい。ことに社会保障制度の勧告が発せられた今日におきまして、相変らず根本対策が立てられていないという点におきまして反対いたします。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 松谷天光光君。

松谷天光光無所属

○松谷委員 私はただいま上程になつております健康保險法の一部を改正する法律案に対しまして、反対の意を表します。  すでに野党各派の代表者から申されておりましたように、今回の改正が好ましからざる改正であるということは、すでにこの法案がこの委員会に上程されました当時、大臣みずからの発言の中に含まれておつた言葉でございます。好ましからざる改正をあえてしなければならないというところに、私は現在の内閣のあり方が、働きます国民の生活の安定ということに対する関心の薄さ、親心のなさということを表わしておると思う。これは深く追究しなければならないと思うのでございます。すでに各野党の代表者が申されておりましたように、私もまた保險経済の完全を期し、ことにまた健康保險の健全なる発展を望む一人ではございますが、その方法におきまして、赤字が出たから保險料の値上げによつてこれを補う、足りなくなつたから保險料の値上げを行う、これを繰返すことは、いともやさしく、赤字でもできることであります。あまりにもやすい赤子の仕事であると思います。私どもは、保險料の値上げという最も安易なる方法によつて保險経済の一時を糊塗して行くというのではなく、もつと根本的に、真に働く者たちの明日の幸福を考えられ、保險経済の確立をなすべきものであると考えるのでございます。  しかも今回の改正においては單に保險料率の値上げの場合と異なるのであります。従来の被保險者の六箇月未満の者が打切られて行くという場合におきまして、当局の説明をまちましても、四分の一は六箇月未満の者であるというこの実情から参りまして、おそらくこれから、勤労者の中には、この健康保險の保障を受けるごとなくして苦しまねばならぬ者が出るということは、もう目に見えております。こうしたただ單に保險料率の値上げというばかりでなく、私の賛成のできない一点がございます。ことに当局の説明によりますと、月給の千円からの値上げがあるからという説明をなさるのでございますが、今日の生活においてこれが不足であるということを認めるがゆえに、私どもは満足いたしません。しかもわずかばかりの昇給がございましても、それを喜ぶひまもなくしてすぐ保險料の値上げということになりましては、何ら国民の生活にゆとりは認められないと思うのでございます。私はこうした大きな二点の意味におきまして、この法案には賛成をいたすことができません。  好ましからざる改正は今後再び繰返すことのないように、ことに厚生大臣の猛省を促したいと思うのでございます。現在の内閣における厚生に対するところのその関心の薄さということも、私どもは考えたければなりません。あわせて大臣の閣内におけるその御活躍を一層望んでやまないのでございます。  かかる意味において、私は本法案に反対をいたします。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 以上をもつて討論は終局いたしました。  これより健康保險法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決せられました。  なお議長に提出する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいのでありますが、さよう決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  この際政府より発言を求められておりますので、これを許します。黒川厚生大臣。

黒川武雄自由党厚生大臣

○黒川国務大臣 ただいま両法案を可決していただきまして、まことに感謝にたえない次第でございます。  先ほど来、賛成論、反対論を十分に拝承いたしましたが御意見を十分参酌いたしまして善処いたしたいと存ずるのでございます。特に保險給付の点につきましては、国庫補助の点につきまして、今後大いに努力いたしますことを、ここにお誓い申し上げます。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次に本日の請願日程の審査に入ります。  まず日程第一、第二、第二六、遺族援護強化に関する請願並びに日程第二〇、遺族年金支給に関する請願、以上四件を一括して議題といたします。紹介議員池見茂隆君。

池見茂隆自由党

○池見委員 私は遺族援護強化に関しまして、福岡県遺族連合会より提出されました請願につきまして、紹介議員といたしまして、本請願が委員会に取上げられましたことに対しまして敬意を表します。つきましては紹介議員といたしまして、この請願の趣旨を御説明申し上げます。  本請願につきましては、單に福岡県のみにあらずして、全国各都道府県より、同種同様のものが提出せられておると思うのであります。これは御承知のごとく、第五国会におきまして国会一致の決議案として、遺族援護に関する決議案が提出されたのであります。この決議が今日の段階におきましてどの程度実現されておるか、そうしてまたこの決議に対しまして、全国の大多数の遺族の人々がいかなる関心を持つてこれを見守つておるかということは、申し上げるまでもないことであります。つきましては、遺族のこの決議に対するところの強き叫び、強き要望といたしまして、左の事項をここに掲げておるのであります。  それは遺族弔慰金または遺族補償金の支給であります。弔慰金につきましては、すでに戰いの初めにおいてなくなつた者は弔慰金が送られ、その後だんだんと戰況の不利とともに、この弔慰金を今日まだもらつていない人も大多数あるのであります。この場合におきまして、遺族といたしましては、やはり国家の犠牲者といたしましてなくなつた者に対しましては、適当の弔慰金を贈り、またこれをもらうことが当然である。この弔慰金の支給につきましては十分なる御考慮を願いたい。さらにでき得べくんば遺族の補償金といつたようなものを年金的に、あるいはまた一時金としても、しかるべくこういつたものの支給が要望されておるのであります。  次に第二項といたしまして、いわゆる戰死者、犠牲者その者は一家の中心であります。残されたる者は老幼婦女子であるといつたような家庭の今日の悲惨なる生活困窮状態に対しましては、国家といたしまして、課税の減免ということを十分に考慮していただきたい。この問題につきましては、地方的にその地域において現在行われつつあるところもありますが、これを全国同様の状態においてなすことによつて、さらに遺族に安心感を與えるものであるということを考えるのであります。  どうかこの意味におきまして、きわめて簡單ではありますけれども、最初に申し上げましたように、これは全国一体的な性格を持つた請願でありますがゆえに、本委員会におきましても、特にまた遺族救援の小委員会も設けておられるという状態でありますがゆえに、この点を特に御考慮くださいまして、この請願の趣旨をしてすみやかに実現されんことをお願い申し上げます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。

平澤長吉自由党厚生政務次官

○平澤政府委員 ただいま池見委員からお話がありましたことは、かねて重要な問題として政府はもちろんのこと、当局としては引揚援護庁あたりがいろいろ努力をして参つおることは御承知の通りであります。ただいまの御趣旨は逐一拜聽いたしました。政府においてはとくと研究いたしまして、万全を期するような施策をいたしたいと存じます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 本件について御質疑はございませんか。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 なければ、次に日程第三及び第二四、国民健康保險に対する給付費国庫負担の請願を議題といたします。

青柳一郎自由党

○青柳委員 本請願につきましては、ただいま厚生大臣から、今後社会保險の医療給付費につきましての国庫負担について、十分努力をするというお言葉がありましたので、非常に安心をしたのでありますが、一応請願の趣旨を申し上げます。  国民が社会保障制度を待望している今日、厚生省の要求した保險給付費に対する二割国庫負担の予算が葬られたことは、社会保障制度を全面的に崩壊に導くものであつて、国民として断じて黙視できないところである。ついては、国民健康保險団体の財政危機の現状にかんがみ、国民健康保險に対する給付費の二割を国庫負担とされたいというのであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。

平澤長吉自由党厚生政務次官

○平澤政府委員 ただいまの御意見に対しては、先ほど大臣からも、十分今後において努力するという御言明があつたのでございますから、さように御承知願いたいと思います。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御質疑はございませんか。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 なければ、次に日程第八、看護婦養成所に対する国庫補助の請願を議題といたします。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 本請願は、青森県会議長櫻田氏の請願であります。  本請願の要旨といたしますところは、新看護婦法の制定により、看護婦の資格が向上されたため、現在の養成施設では教育不能となり、従つて法的内容の設備を有する養成所の設置が必要となつた。しかもこれらの條件を具備して認可となつているものは少く、急速に完全養成所の設置を見ない限り、医療施設の円滑なる運営は望めない状態であります。つきましては、看護婦養成所に対して相当額の国庫補助をなし、養成施設のすみやかなる整備拡充を実現されたいというのであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 ただいまの請願は、看護婦養成所に対する国庫補助のように拜聽いたしましたが、現在国の機関で行つております養成所には、申すまでもなく国の金が出ておりますが、それ以外の養成所に対して国庫補助をするということは、現状におきましては、遺憾ながら実現いたしかねると私は存じております。請願の御趣旨が了解できないわけではございませんが、ただ財政の面におきまして、ただいまのところ、さような御希望をかなえるようなことが実現できないのを私も遺憾に存じます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御質疑ございませんか。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 なければ、次に日程第一三ないし第一九、第二一ないし第二三、第三〇及び第一三、看護婦既得権者に対する甲種看護婦国家試験免除に関する請願、以上十二件を一括議題といたします。紹介議員福田昌子君。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 本請願は、方々の看護婦の団体から出されておりますが、その趣旨といたしまするところは、看護婦既得権者に対する甲種看護婦の国家試験を免除してもらいたい、その特令を出してほしいということでございます。  要旨は、既得権を持つておる看護婦に対する国家試験は、これを免除いたしまして、これにかわる補習教育制度を設け、終了者は全部甲種看護婦と同等にいたしまして、国家の責任においてこのことを実現していただきたい。その特例を設けていただけるように請願するというのであります。  理由といたしますところは、現在の既得権者である看護婦は、その受験準備の煩瑣に耐えかねて受験の熱意を失い、職業の転換を考え、または結婚を選び、大きく動揺いたしまして、職種を放棄する傾向があり、日本の医療業務に重大なる影響を及ぼし、ゆゆしき社会問題を惹起するおそれがあること。  第二に、新法令の目的が、あくまで看護婦の質の全体的向上にある以上、試験制度のみを設けて、受験でき得る恵まれた環境の一部の人々のみを合格させても、看護婦の質の向上にはならない。真に質の向上を望むならば、補習教育制度が必要であるというのであります。  第三に、医師、歯科医師、薬剤師等は、新制度による国家試験合格者と旧制度による者のとの間に何らの差別も認められていないのに、看護婦既得権者に差別があるということであります。  第四に、旧法令による保健婦、助産婦資格取得者は、新法令によるも何ら差別はなく、従前通り認められておるにもかかわらず、看護婦既得権者には差別があるということであります。  第五には、新法令による甲種看護婦第一回国家試験が本年十月十四日、十五日に実施されたのでありますが、願わくはこの制度を改革いたしまして、国家試験を受けなくてもいい特例を出していただきたいというのであります。  以上の理由をもちまして、看護婦既得権者に対する国家試験免除に関する特例の件をお願いするという請願であります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 ただいまの請願の御趣旨につきましては、これに対して厚生当局といたしましては多少の意見があるのでありますが、しかしながらこの問題は、すでに本厚生委員会においても、小委員会をお設けになりまして、せつかく御審議中であります。従つて厚生省当局としましては、その小委員会の御決定等に基きまして、十分考慮いたしたいと存じますので、この席におきましては、医務局長といたしまして意見を差控えたいと存じます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御質疑ございませんか。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 なければ、次に日程第二九、宮城県に結核対策模範地域設定の請願を議題といたします。紹介議員大石武一君。

大石武一自由党

○大石(武)委員 本請願は宮城県亘理郡山下村国立宮城療養所患者自治会宮友会委員長佐藤武君から提出されたものでありまして、その趣旨は、宮城県を結核対策のモデル地域に指定されたいという希望であります。  その要旨を申し上げますと、現在わが国において非常な蔓延をきわめておる結核を、何とか総合的に退治しなければならぬという考えのもとに、幸いに政府においても、来年度は強力なる結核対策を行うことになつたわけでありますが、なにせ結核を退治するには莫大な費用がかかり、長年月を要するものでありますので、なかなかそう簡單にはこれが効果を奏するとはいえないところであります。このような状態から考えますと、宮城県というところは結核患者が相当たくさんございますし、いろいろな立地的條件から考えまして、この宮城県をモデル地域と指定いたして、これについて総合的な施策あるいは指導、援助をいたしまして、いち早い成果をあげて、それを全国的に適用すれば、非常な効果があるのではなかろうかという考えのもとに、この請願を出したわけであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。

平澤長吉自由党厚生政務次官

○平澤政府委員 ただいまの請願について御答弁申し上げます。大石委員の仰せのごとく、地域を限るということになりますと、行政上他官庁と関連がありますから、御趣旨に沿うて十分研究いたしたいと思います。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御質疑ありませんか。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 なければ、次に日程第一二、療養所における病床回転の根本対策に関する請願を議題といたします。紹介議員福田昌子君。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 本請願は兵庫県有馬郡三輪町の国立兵庫療養所患者代表遠藤義夫氏外四百七十七名からなる請願でございます。  請願の要旨といたしますところは、今回厚生省では病床の回転をはかる目的をもちまして、現在入所している患者中、自宅療養を可能とする者、並びに社会的治癒の段階に達した者は退所させる方針を各療養所々長に通達されました。もちろん退所のできる者が同病者に病床を譲りますことは、道義上当然ではありますが、自宅療養制度並びに後保護制度が確立されていないときに、このような方針を一律に強化するならば、再発、悪化によりますところの悪循環を助成し、少からぬ歳月と多額の療養費をむだにいたし、社会的負担を増大させる結果となるのであります。ついては、多数の結核患者を可及的に收容し、早期に適正治療を加えることができるように、療養所の施設を充実させ、従業員の待遇の改善をはかりますとともに、自宅療養制度を確立いたしまして、その指導とあらゆる保護の措置をとり、社会的治癒の段階に達した孝には、後保護施設を確立されたいというのであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 ただいまの請願の御趣旨につきましては、私どももまつたく御同感でございます。従つて、結核の病床の増加、あるいはまた結核療養所に従事いたします者の待遇改善、もしくは後保護施設等の増設等につきましては、従来も努力して参りましたが、今後もますますその方に努力いたしたいと存じます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御質疑ございませんか。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 なければ、次に日程第二七、一般保健婦の身分保障に関する請願を議題といたします。紹介議員福田昌子君。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 本請願は、九州の福岡県の保健婦部会の請願でございまして、その請願の要旨といたしますところは、昭和二十二年九月労働基準法が施行されまして以来、事業場に勤務いたします保健婦は、おおむね衛生管理者としての資格をもつて衛生管理者に任命されたのでありますが、その業務は従来の保健婦としての職務と大差ないのであります。しかるに衛生管理者以外の保健婦は、ほぼ同様の業務に従事しながら、法的根拠を有せざるために、保健婦としては認められない現状であり、これら保健婦は衛生管理者に転向するか、または辞職するのほか通なく、日々その数を減じつつある現状であります。当福岡県のごとく多くの事業場を持つところにおきましては、将来の保健婦事業に多大の支障を来すことは火を見るよりも明らかであり、まことに憂慮にたえない状況であります。ついては、かかる情勢下にあります保健婦事業の将来を御賢察賜わりまして、労働基準法の一部を改正し、これら保健婦に対しまして、法的裏づけの実現を、すみやかに実施されたいというのでございます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 ただいまの請願の御趣旨につきましては、実は私自身はなはだ知識が少いのでございまして、実情について、はつきりした認識を持つておりません。はなはだ申訳ないのでありますが、十分その実情についても愼重に調査、研究をいたします。またその請願の御趣旨については、他省にも関係がありますので、よく会議の上、何分の決定をいたすように努力いたします。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御質疑ございませんか。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 ただいまの東局長の御答弁では、御承知ないということでございましたが、これは御謙遜のお言葉であつて、十分御承知だろうと思うのでありますが、さらに一言つけ加えて説明させていただきたいと思います。これは各事業場に衛生管理者というものができまして、保健婦でも何でもない人が、衛生管理者としての試験を受けて、衛生管理者になりまして、工場に衛生管理者として勤務いたしました場合においては、今まで衛生方面の仕事にはあまり練達していなかつた新しい衛生管理者が、その工場の衛生管理全部を握るような形になるのでありまして、そこに勤めておる従来の保健衛生に明るい保健婦がのけものにされたような状態になつて、保健婦としては非常に勤めにくい状態にあるというのであります。従つて保健婦は衛生管理者としての仕事をしながら、法的な裏づけがないためにのけものにされたような状態にあるということを請願しておるのであります。その趣旨においてどうか御善処をお願いしたいと思います。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 他に御質疑ございませんか。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 なければ、次に日程第六及び第一一、医療法の一部改正に関する請願を議題といたします。紹介議員玉置信一君。

玉置信一自由党

○玉置信一君 紹介者として請願の趣旨を申し上げます。  本請願の趣旨は、現行の医療法第一條、第十三條、第十九條、第二十一條を改正して、入院定員六、七名、外来一三、四十名、医師一名、手術室規定程度の(仮称中間病院)規定を設け、従来通り入院患者收容の道を開かれたいというのであります。  この請願を出しております医師は、北海道、留萌郡留萌支庁内の、かつて内地にありました郡役所でありますが、この四郡下における北栄外二十一名の方々が、一応この請願の中に載つておりますが、その他北海道は、御承知のごとく雪国でございまして、こうした環境のものが相当に多いわけでございまして、従つて人数も多いのでありますが、こうした特定の名前を載せております関係上、その陳情の要旨も地域的に見て少し長いのでありますが、どうか皆さんのお許しを得まして相当むずかしい問題でありますので、説明させていただきたいと思うのであります。  医療法制定前より、診療所または旧制病院を開設いたしておるものでありまするが、医療法の病院規格が設備と安全衛生の完備を目ざし、より合理的なる療養を與えんとする法であることは、十分うなづけるのであります。また半強制的に第三條を実施して病院に收容せんとする趣旨も、一応はわかるのであります。しかしこれをしますと、診療所に相当程度の規定を制定して、ある程度の患者收容を認むることの合理性を承認さるべきことともなるのであります。なぜならば、すでに移動し得るほど快癒して来た者は、病院に移送せずともよい者もありましよう。中にはまつたく容易の病症または局部的病症にて、十分通院に耐える者が、種々の事情、交通関係、宿泊料、距離関係等にて入院いたしおるのが実例であり、かくすることによつて交通、宿泊費より安価に療養に従事いたしおるのがしばしばのことであります。  次に、設備の点について考えまするに、確かに十分に設備がなければ診療困難なものがありまするが、しかしまた普通一般の従来からのこの医師仲間において有する施設は、何ら支障ないものがたくさんあるのであります。現実に病医院にて全快退院するものは枚挙にいとまないのであります。  次に、さらに考えを進めてみますると、この第十三條の制定は、医療法が国会提出の当初には、これがなかつたと思います。開会中突然提案され、一週間余りにて可決されたのではなかつたかと記憶しておるのであります。当時は私どもの団体たる医師会といたしましても、発足当初にて、他を顧みるに十分の余裕がなかつたのも一つの原因でありましようが、これを一般社会、特に医師一般に論議するの時日がなかつたのは、まことに遺憾と思つておるわけであります。  由来わが国の医師の奉職制度は、定額俸給にて、医師各個の技倆に対する、個々の業績に対する特別の報酬は、ほとんど考慮されなかつたのであります。現在もそうであります。そのためでありましようか、有能の士はすみやかにその職を去り、独立開業に至るのが多くの例であります。またすでに公立病院を去つた者がこれと同一の設備を設くることの困難なるは、かの公的補助または公的信用のあるに考え至りますならば当然のことであります。ここにおいて、この設備足つて有能の士を求めることはできないというような結果で、これは技倆拔群にて十分の設備を有しないのが、わが国医療制度の一つの欠陥であつたことは、十分これを了解上、遺憾と存じておるところであります。  本医療法におきまして、病院の規格を定めるのは、公的、医療性格を與えんとしたるによるものでありましようが、この欠点を改めんとしたのも、一つではありませんでしようか。その趣旨は、まことによいとは存じますが、現町のわが国の構外においては、かかる病院を設けんとするのには、少くとも千五、六百万円はいるのであります。開業医のほとんどできない実情にあるわけであります。この開業医の窮境を打開せんとするものが、いわゆる医療法人法と理解いたしておるのでありますが、これも一個の開業医のちよつと理解し得がたいと思つておるところであります。各自の施設を持ち寄つて、共同の病院を企てたる過去の企ては、ほとんど失敗に帰しておるのであります。また株式等にて資本を集積せんとするも、利益を伴なわない株式の募集というものは、とうてい成り立たないのでありまして、わが国では従来より、医師は利益をむさぼるという誤れる考えを持つて、医師より各種の寄付金を引出さんとするような傾向も多くあつたようなわけであります。  次に四十八時間制度について考えますと、わが国現在の社会の現実より考えますれば、相当の暴挙といつても過言ではないと思うのであります。何となれば、いわゆる病院規定と四十八時間規定とあわせ考えまするならば、これはまさに診療所における入院を完全に締め出し、患者は不本意にもおのれの信頼する医者の治療を離れ、他の病院の診療を受けるのやむを得ざるに至るのであります。患者が信頼する医師の診断を受けられないのは、患者治療の本質的意義を没却するものでありまして、その苦痛も、患者にとつては実に忍びがたいものがあるわけでございます。これは医療の唯物主義であり、これによる治療設備の絶対的必要なものはありまするが、これは医師自身が知つておりますから、医師は適当に病院なり他の医師なりを紹介移送しておるのが現状であります。  アメリカには開放病院の制度があると聞いておりますが、かかる制度のもとには、ある程度の支障がなく、医師にも患者にも好都合な診療が行われるものと思いまするが、わが国には、ほとんどその例がなく、かかる企てすら、まだ聞いたこともないのであります。もとより、公立病院の運営を根本より改めなければなりません。またこのことは容易ではないと思うのでありまするが、由来民主主義は、民衆の賢命なる思考力の発達と制度とが合一するのが必要であります。そのいずれが先になりましても無用の制度となりまして、極端なことになりますれば、愚民制度となるのではないかと思うのであります。この点深く御考慮をいただきまして、いま少しくスローで堅実に、一般医師、民衆の理解を徐々に前進させて行かれるように改正されるよう特に希望いたすものであります。現在のままにて四十八時間制診療所制度を実施するにおいては、診療所の存在価値はほとんどないわけであります。現実に診療所、病院が宿館等にかわりつつあるのは、何と見られるのでありましよう。患者は病室に收容するのが本筋でありましよう。  こういうわけでございまして、結論的に申し上げますと、診療所は相当程度の患者の收容は不可能でありますので、病院の設備も思わしくないから、この合理的処理をしていただきたい。病院規定の定める法的医療において、わが国の情勢にかんがみ、かかる病院を設備することは、一開業医では負担が大きい。そこで現在のまま四十八時間制診療所制度を実施すれば、診療所の存在価値は、さきに言つたようにならないのでありますので、どうかこうした制度をひとつ根本的に改めていただきたいというのが、本請願の趣旨でありまして、時間の関係上まだたくさんございまするが、政府側の御答弁によりまして、なおお伺いすることにいたします。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の意見を求めます。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 ただいまの請願のおもな点は、医療法に規定する病院の設備施設等の規格の問題と、いわゆる有償診療所の入院四十八時間の規定に関するものと存じますが、そのいずれもこの請願と同様の趣旨のことが、他の方面、医師会その他の方面から多数に承つております。そうしてその実情上、非常に困難であるということについての実例等も伺つておるのであります。ただ新しい医療法ができました当時のいろいろないきさつ等もございますので、今ただちにこの医療法を、請願の趣旨にありますように改正をするということはできかねると存じますが、また一方これをただちに全国的に強行することによつて、医療の面にいろいろの不便が起り得る可能性をも、これは十分に了承いたします。従つてその間のさような問題がなるべく少くなりますように、ことにまた地域によりましては、その困難の程度がいろいろ違うと存じます。ただいま請願のごとく留萌地区というふうなところでありますと、請願の趣旨にありますような困難は、特に全国的にも大きい地方であろうかと存じますので、ことに四十八時間制につきましては、三年ないし五年というふうな猶予の期間もございますので、これらの点について十分地方的の不便の少くなりますように、愼重に考慮をいたす用意はいたしております。

玉置信一自由党

○玉置信一君 一点だけ……。こうした制度は都会中心主義に考えてやられたのではないかと思いますが、この点について政府の所信をお伺いしたいと思います。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 現在の状況を見ますと、一見さようなふうに受取れると存じますが、しかしながら、この医療法の制定は、決して都会中心を考えた、都会の状況に合うようにつくつたというのではございません。言いかえますれば、全国、いなかのすみずみまでも、いわゆる大都会において恩恵を受けておりますような医療機関を整備して行きたい、そうして全国的に医療の向上を期したいというのが趣旨でございます。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御質疑はありませんか。——なければ次へ移ります。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次、日程第二八、社会補償制度確立に関する請願を議題といたします。紹介議員、青柳一郎君。

青柳一郎自由党

○青柳委員 本請願は、健康保險組合連合会会長より、先般、先月の二十一日に行いました大会の決議に基くものでございます。  その趣旨とするところは、国民経済は一応常道に復帰しつつありまするが、勤労者の生活は依然非常に困窮しておる。それがために、健康保險制度は、創設以来最高度の利用率を示して、勤労者の生活安危に大きい貢献をなしつつあるけれども、その反面において、健康保險組合は、一般に極度の財政困難に直面して、昨年以来組合から脱落して行くものが非常に多く、健康保險制度発展上まことに心配すべき事態である。ここにおいて社会保障制度においても、組合がその中核体であるということを確信しながら、いろいろ検討をこの連合会でして、その検討の結果が、相当多量に先般行いました社会保障制度の勧告に盛り込まれておるけれども、こうなつた今日、できるだけすみやかに社会保障制度の実現を期したい、実現を要望すると同時に、応急的な危機を打開する対策を、この際とつてくれろ。そのためにはどういうことをお願いするかといいますると、被用者に関する医療保險の経営主体はあくまで健康保險組合方式を中核体としてくれろ。  第二番目には、被用者に関する医療保險に対する国庫負担金を、全面的に増額してくれろ。  第三番目には、結核対策は国の全面的一責任において強力に実施してくれろ。  第四といたしまして、被用者に関する医療保險の医療機関は、保險者の指定によるものとしてくれろ。  五、公的医療施設を拡充整備してくれろ。  六、社会保障制度運営の行政機構を徹底的に一元化してくれろ。  七、社会保障制度のすみやかな全面的実施を要望する。  八、厚生年令保險積立金を、被保險者の福祉施設資金に還元融資してくれろ。  九、社会保險診療費の引下げを要望する。  十、国立大学附属病院を、社会保險に全面的に協力させてくれろ。  十一、保險医の指導監督を強化してくれろ。  十二、被保險者の負担する社会保險料は課税対象から除外してくれろ。  十三、健康保險組合に対しては、一切の課税を免除してくれろ。  十四、支拂基金の審査機能の充実とその民主化要望する。  最後に、厚生年金保險積立金を融資して、支拂基金への委託金に充当してくれろ。  以上であります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御説明を求めます。

平澤長吉自由党厚生政務次官

○平澤政府委員 ただいまの請願に対してお答え申し上げます。社会保障制度の日旭については、大臣からも累時皆さんに御答弁申し上げておるように、勧告を受けて閣僚の懇談会がただいまできておりますので、やがて近いうちにその線が現われて来ると思いまするから、それに基いて具体化して参りたい、かように存じておるのであります。なおまた、ただいま請願にございまする個々の問題につきましては、広汎にわたつておりまするから、それぞれの管理の方面と研究いたしまして、大体の方向といたしましては、政府でも同調する部分が、ただいままでは相当あるように存じまするので、なお研究いたしてみたいと存ずる次第であります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御質疑はございませんか。——なければ次へ移ります。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次、日程第三七、らい研究所の設立等に関する請願を議題といたします。紹介議員丸山直友君。

丸山直友自由党

○丸山委員 らい研究所の設立等に関する請願でございますが、内容は大体九項目になつております。請願者は国立癩療養所の松丘保養園以下七箇所の瀬診療所の患者数千名が、おのおの署名捺印いたして提出しておるところの請願でございます。  御承知のように、そのほかの請願は、その請願の趣旨を国会に強く反映して参りまするためには、本人が出て参つていろいろ運動する。たとえば看護婦の問題等のごときは、現在行われておるああいうことが行われるのでございますが、癩患者に限りましては、その徴收容所から一歩も外へ出ることができませんので、文書をもつて請願する以外に、道が開かれておらぬのでございます。従つて少し冗長かもしれませんが、これが唯一の道であるという意味において、お聞き取り願いたいと思うわけであります。  第一番目は頼研究所の設立に関する件、これは癩患者自身からこういうことを言うことは、少しおかしいがというような前書きのもとに、プロミンができまして、ほとんど不治の病気であつたものが、治癒の徴候が見えて来たということで、癩患者は非常な喜びを感じておるが、プロミンは副作用がありまして、いまだ完全なものであるとも申しがたいと彼らは感じまして、癩の総合的研究所を設置して、自分たちが完全になおる道が早く開かれるように、非常に学問的な進歩が望ましいという意味から、患者の立場から遠慮がちに、癩研究所をつくつてもらいたいというのが第一であります。  第二番目は、療養所諸施設の修繕、整備予算の増額に関する件であります。本年度の整備費七千五百万円を来年度も継続計上していただきたいということであります。これは詳しく申し上げませんが、現存癩療養所は、非常に荒廃しておる部分が多いので、いろいろな手当もできず、礼拝堂を集会場に使うとか、映画に使うとか、演劇に使うとか、そういうものに流用しておる。また一治療所に雨漏りが五十数箇所もあり、直されておらぬというようなことから、これもぜひもう少しひとつ修繕して、りつぱにしていただきたいということでございます。  第三番目は、療養慰安金増額に関する件であります。この療養慰安金は、実は癩患者の生活費になつておるわけであります。これが現在月額二百円でありまして、この療養慰安金の中から自分たちの生活費を出しておるわけであります。癩患者は、外へ出て働いて收入を得る道がございません。従つて自分たちが使う小づかい、洗濯をするせつけん代とか、タバコ代でありますとか、ある一定量のお茶であとか、あるいは、たまにはお菓子も食べたいというようなこと、そのほか切手代、便箋、あるいは俳句その他によつて自分たちの気の毒な生活を慰めておる。こういうようなものに関する費用も、やはりこの二百円の中から支弁されておるのでございまして、その收支計算の表がついておりますが、大体五百四十六円くらいないと、現在の患者は生きて行けないそうであります。今までその不足をどうしておつたかというと、自分の持つておる衣類外に、売るわけに参りませんから、患者同士が——患者の中には衣類を持つておる人がありますから、毎月三百五十円程度の衣料品を、互いに売却したり買つたりしておる。それで少くとも四百五十円まで上げていただきたい。これが第三でございます。  第四番目は、患者の作業慰労金五割増額に関する件についてでございます。患者で作業に耐える人たちは、園内でいろいろな作業をしております。鉄工あるいは土工、大工、畳職等をしておりますが、それの日額が現有一日最高十三円、最低は一旦五円しかもらえない。これが先ほど申しました生活費に充てられておる部門で、これは働き得る者であります。働き得る者すらもかくのごときわずかな作業慰労金でやつておるのであるから、これではとてやり切れないので、これも五割程度増していただきたい、こういうことでございます。  第五番目は、文化教養予算計上に関する件であります。癩患者にも、いろいろな教育程度の人がたくさんあるわけでございます。ただ不幸にして癩にかかつたというだけのことで、国民のあらゆる階層の人が入つておるわけであります。従つてその人たちは外界とまつたく遮断せられておりますが、いろいろな文化的のことをやりたいという望みを持つておるのでございます。あるいは映画とか演劇とか、あるいは自分たちが芝居をやるとか、これは一生そこに暮すような人が多い意味からこういうことも必要でございますが、この費用が何ら計上せられておらぬから、これも年額一人二千円ぐらいのものを計上していただきたいという希望であります。  第六番目は、食糧費増額に関する件であります。食糧費は現在一日六十三円でございますが、頼患者はいろいろな病気のために食欲を失いまして、給食をせられておるものが食べられないというようなことがたくさんあるのでございます。また熱の出る熱瘤発作というものがございますので、そういうときには、なかなか官給の食事では食べられないから、卵が飲みたいというようなことがございましても、なかなかうまく行かない。そういうような意味から、もう少し食糧をよくしていただきたい。一日六十三円ではやり切れないから八十円ぐらいまで増額していただきたい、こういうことであります。  それから第七番目は、新薬治療に伴う特殊薬務対策費使途拡大に関する件、これはプロミン治療費でありますが、これがプロミンを買い上げる予算にのみ使われておるので、それが割合豊富になりましてストックせられておる。しかしそれを使いますのには、やはり補血剤であるとか、そういうようなものを一緒にやつてもらう必要がある。これは血球を破壊するようなことがありますので、そういうことをやつていただきたい。しかし特殊薬品はプロミンに限るというので、プロミン以外に使われないというのでは困るから、使途をもう少し拡大してもらいたい、予算の硬い方を拡大してもらいたいという希望であります。  第八番目は、職員の増員並びに待遇改善であります。大体今のところでは、患者百数十名に対して医者一人という充員率になつております。また看護婦その他も非常に少いのであります。また歯科、眼科等の專門医もいない。御承知の通り癩患者は失明することが非常に多いのでおりますが、眼科の專門の、医者が国立の療養所におらないというような実情でありますから、これを増員していただきたい。また癩療養所に勤めるその他のものも、人のあまり好まない職業であるから、相当待遇を改善して、いい医者が喜んで来られるように待遇を改善してもらいたい。看護婦の数も、少くも患者十名に一人ぐらいにしてもらいたい。現在は四十名に一人というくらいの割合になつているのであります。これはこの次にありますように患者同士で、軽症の患者が看護婦の代理をしておるような状態でありますから、これをやつていただきたい。それから炊事婦の定員も、患者五十名に対して一名ぐらいの割合にふやしていただきたいというのであります。  次に九番目は、結核を病む癩患者にも、ストレプトマイシンの治療を施していただきたい。御承知のように癩患者には結核を合併するものが非常に多いのであります。ところがストレプトマイシンの使用は結核療養所等に重点的に参つておりまして、癩療養所にはあまりたくさん来ておらない、そういうことでありますから、頼患者にも結核を病む者に対しては、ストレプトマイシンを十分に使用してもらいたい、こういうことであります。  第十番目は、これもちよつと患者としてはおかしいのでありますが、米国の頼療養所施設及び治療状況を視察するようにしてもらいたい。これは患者が行くという意味ではなく、專門の医官数名その他の專門家を渡米させて、外国の完全な癩対策を見て来て、これを日本の制度改善、拡充に資するようにしてもらいたい、こういうことであります。  それと部門を異にいたしまして、もう一つございますが、先ほど申しました患者自身が患者に付き添つている場合の手当を増額していただきたい。これは金額その他現在の数も出ておりますが、時間がかかりますから申し上げませんけれども、相当の患者が、患者を療養しておる状態でありますから、その場合の手当を増額してもらいたい、こういうことであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。東医務局長。

東龍太郎厚生技官(医務局長)

○東政府委員 ただいまの請願の内容、まことに多岐にわたつておるのでありますが、そのうち患者の療養に直接関係のあります病院の施設、あるいは人員、あるいは患者の給與等の点につきましては、すでに私どもの方へも、ただいまの請願と同様の要求なり希望なりが申し出られておりますので、それらのものは、すべてもつともなことが多いのであります。ただその要求の程度にまで満たし得ないものが多々あるのでありますが、その方向に向つては徐々に進みつつあると存じます。もちろん今後もさような努力をいたしたいと存じております。  ただそのうちで二点だけなおつけ加えて申し上げたいと存じますのは、外国の癩療養所視察のために、人を派遣してくれ云々の点は、これはごく近い将来に医務局の療養所課長が渡米いたす予定になつておりまして、そのうちに、特にアメリカの頼療養所に相当期間滯溜いたすことになつております。その間にアメリカのみならず、世界の各方面の癩療養所の実情等につきまして、いろいろと研究調査をいたすことと存じます。  それから研究所の設立につきましては、実際の問題といたしましては、現在日本におきましては、国立癩療養所がほとんど全部の癩患者に対する医療並びに研究をいたしておりまして、この十国立療養所の間には、きわめて密接な連繋を持つております。いわゆる総合的の研究をいたしておるのでありまして、すでにその癩療養所の研究発表の内容は、癩学会におきましても最も重きをなしておる状況でありまして、実質的には、すでに総合的な癩の治療に対する研究がなされているのであります。ただ特定の研究所というふうな設備を持つておりませんところに、多少の物足りなさがあるように見えるのでありますが、これも私どもの考えといたしましては、熊本の菊地惠楓園の中に、今までよりも完備いたしました研究施設を整備いたしまして、これはひとり菊地の研究室であるのみならず、今の総合研究の便宜をはかり得ますような、すなわち小規模ではありますが総合的な頼研究施設をつくる計画をいたしております。また予防衛生研究所におきましても、頼の問題は、その研究題目の一つとして取上げていただけるはずでありますので、特にこの学問的な点につきましては、予防衛生研究所のお力を拝借いたしまして、十分独立した癩研究所と同様の成果をあげ得ることと期待いたしております。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次に日程第三三、高松寮あけ渡しに伴う住宅建設費国庫補助の請願を議題と致します。  紹介議員が見えませんので、青柳委員にかわつて要旨の説明をしていただきます。

青柳一郎自由党

○青柳委員 本請願は、高崎市長さんから出されたものでありまして、その要旨を御説明致しますと、高崎市高松町所在の高松寮は、海外引揚者及び復員者の收容施設でありますが、これが、大蔵省から早急な明渡しを要求されていますので、この要求を果しますためには、入居者が転出できる住宅が必要となつて参るのでありますが、例年新築されるところの引揚者住宅、一般賃貸住宅、転用住宅だけでは、到底満足できないのであります。そこで、高松寮入居者のみを、対象とするところの住宅百五十戸の建築費を国庫で補助してもらいたいというのであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を御述べ願います。

平澤長吉自由党厚生政務次官

○平澤政府委員 お答えいたします。群馬県高崎市所在の海外引揚者收容施設高松寮の疎開につきましては、実情十分検討の上でき得る限り考慮いたしたいと存じております。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次に日程第二五、日南海岸町立小国指定の請願外三件を議題と致します。紹介議員が見えませんので、青柳委員に、かわつて要旨の説明をしていただきます。

青柳一郎自由党

○青柳委員 本請願は、宮崎市議会の議長さんから出されたものでありまして、その要旨を申し上げますと、宮崎県は、元来三大観光地の一つであり、県の南部の日南海岸は、木花、青島から福島に至ります八十五キロに亘る雄大な景勝地であり、木花村の子供の国公園、青島のビンロウ樹鵜戸神宮の奇岩、本城、福島の海水海場、野猿の住む幸島、ビンロウ樹の繁茂する築島等亜熱帯の多彩な景観にいろどられ、わが国特異の存在であり、国立公園の資格を十分備えているから、早急に国立公開に指定してもらいたいというのであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見をお述べ願います。平澤政務次官。

平澤長吉自由党厚生政務次官

○平澤政府委員 請願の個所は南国的な植物景観を持ち、かつ都井岬にはわが国に珍しい野生の馬が自然に棲息しており、海岸の地質もおもしろく道路も一応貫通しております。国民の休養地としても好適と考えられ、国定公園といたしましては有力な候補地と考えられますが、御承知のようにわが国の海岸にはまだ多くの景勝地がありますので、これらと比較検討の上善処いたしたいと存じます。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次に日程第四、人口動態調査事務費全額国庫負担の請願を議題と致します。紹介議員が見えませんので、大石委員にかわつて要旨の説明をしていただきます。

大石武一自由党

○大石(武)委員 本請願は、滋賀県の長浜市長さんから出された請願でありまして、その要旨と致しますところは、人口動態調査の事務は、国が必要とするために行う統計及び調査に関する事務でありますから、その経費は地方公共団体の負担とすべきでないと思われるのであるにもかかわらず、国庫からは、僅少な支出の交付があるだけでありまして、市町村で資料の徴收事務を処理しておりますことは、地方財政法の趣旨に反する負担となりますから、このような事務費の全額を国庫で負担されたいというのであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の意見を求めます。平澤政務次官。

平澤長吉自由党厚生政務次官

○平澤政府委員 本件に関しましては、この事務のうち国が必要とする事務の範囲におきますところの国庫において負担する委託費が、十分とは言いがたいのでありますが、保健所においては調査票二通のうち一通と保管し、保健所の運営資料としてこれを利用することとなつており、また府県においてもこの資料を地方行政の面に活用されることが好ましいのであります関係上、この経費を根幹として地方自治行政の進展に寄與する部分については、幾分かの地方費の計上を願い、両々相まつてこの事務が遺憾なく遂行されることが望ましいと考えておるのであります。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次に日程第一〇、国立療養所天龍荘に断層写真機設置の請願を議題と致します。紹介議員が見えませんので、大石委員にかわつて要旨の説明をしていただきます。

大石武一自由党

○大石(武)委員 本請願の要旨といたしますところは、肺結核の外科的療法が、飛躍的な進歩を遂げました結果、療養所には断層写真機が絶対必要となつたのであります。国立療養所天龍荘は、東海地区において結核治療施設の中心的存在なのでありますが、地理的事情、その他のために、いまだにその條件に欠け、当荘内及びその周辺地方の患者は、病勢増悪を来し、患者にとつて致命的な損失となつているから、患者の負担消耗を軽減するとともに、療養効果のため、同荘に断層写真機を設置されたいというのであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。

平澤長吉自由党厚生政務次官

○平澤政府委員 天龍荘は、全国的に見ても多数の患者を收容しているので、必要と認め、第三、四半期においてすでに予算配賦済みであります。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次に日程第七、理容師法の一部改正に関する請願を議題と致します。紹介議員が見えませんので、大石委員にかわつて要旨の説明をしていただきます。

大石武一自由党

○大石(武)委員 本請願は、青森県会議長から出されたものでありまして、その要旨と致しますところは、理容師法第五條にあります、理髪師及び美容師の免許に関する事項についての事務は、すべて都道府県において処理しておりまして、国に対しての手続きもなく、この事務費も都道府県が負担しているのでありますが、その登録手数料は国が徴收しているのでありまして、これは当然都道府県の收入となるべきものと考えられますので、理容師の五條の登録手数料によります三百円を都道府県知事に納付するよう、改正されたいというのであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 政府の御意見を求めます。平澤政務次官。

平澤長吉自由党厚生政務次官

○平澤政府委員 御指摘の通りと考えられますので、早速法改正の手続をいたしたいと思います。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 次に日程第九、外地引揚歯科医師免許に関する請願を議題といたします。紹介議員が見えませんので、大石委員に、かわつて要旨の説明をしていただきます。

大石武一自由党

○大石(武)委員 本請願の要旨とするところは、外地引揚げ歯科医師の免許に関しましては、これまでもしばしば請願が出され、そのたびに採択されたのでありますが、これらの歯科医師は、日本軍並びに外国政府機関で試験を受け、正式な免状を得てから、長年臨床的経験を積んだ者でありまして、引揚げてから四年を経ておるのでありますが、国民医療法施行令の不備のため、不合格となり今日まで放任されているのでありますから、これら引揚げ歯科医師の国内免許下付についての選考試験制度を修正して新しい法律を起草し、これらの不遇な歯科医師の救済を実現してもらいたいというのであります。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 御質疑はありませんか。なければ次に移ります。     —————————————

寺島隆太郎自由党

○寺島委員長 日程第五、医薬分業反対の請願を議題といたします。  本請願につきましては、紹介議員が見えませんので、文書表によつて御了解願いたいと存じます。  その他本日の請願日程についての御発言はございませんか。なければ暫時休憩いたします。     午後三時四十四分休憩     〔休憩後は開会に至らなかつた〕      ————◇—————

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