建設委員会 第3号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/12/02
会議録
○田中委員長代理 これより会議を開きます。本日委員長病気欠席のため、私がかわつて委員長の職務を行います。 日程の衆法第二号、星島二郎君、淺沼稻次郎君、苫米地義三君外百五名提出、松江国際文化観光都市建設法案を議題といたします。 前会に引続き質疑を続行いたします。発言を許します。——お諮りいたします。発言の通告がありませんので、この程度で本法案に対しては質疑を終了いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつて質疑は終了いたしました。 これより討論に入ります。討論の通告がありますので、通告順によつてこれを許します。砂間一良君。
○砂間委員 私は日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題になつております松江国際文化都市建設法案に反対の意見を申し上げたいと思います。こういう法案が地元の諸君を中心といたしまして、国会に出されるに至つたその事情につきましては、私ども大いに同情を禁じ得ないのであります。と申しますのは、現自由党の吉田内閣の政策をもつていたしますと、文化施設、あるいは地方の都市の復興や繁栄ということにつきましては、何ら施設をやつておらない、ただ税金を中央へばかり吸い上げまして地方の財政は非常に貧困になつておりまして、地方民の生活がまつたく窮迫しておるのであります。ですからこういう特別法でもつくりまして、何か観光文化施設でも国の力を借りてやつてもらうと、その地方の人たちが、景気がよくなろのではないか、そういうふうな熱情からこういう法案が出るに至つたと思うのでありますが、單に地方的なこういうものをやりましても、今の政府の政策全般を根本的に切りかえなければ、しよせんほんとうの目的を達することができないと思うのであります。そういう点からいたしまして、地元の人たちからこういう要望が出るということにつきましては、深き同情を禁じ得ないのでありますが、しかし、今申しましたように、政府の政策全体を切りかえなければ、所期のほんとうの目的を達することができないという点において賛成しがたいのであります。 なお、国際文化観光都市と申しておりますけれども、現在まだその時期に達しておらない。講和條約はまだ締結されておりませんし、諸外国との交通交際ということも、自由には門戸は開かれていないのであります。また日本の今日の経済の現況から見ましても、治山治水といい、あるいは災害復旧といい、国土の復興建設といい、あるいは勤労大衆の生活の窮迫といい、そういう方面に力を入れることが非常に重要でありまして、外人を迎えるための観光とか、国際文化という方面に費用を注ぐだけの余力はできておらないと思うのであります。将来日本の国がゆたかに繁栄しまして、講和会議も済んで、諸外国の人たちがどんどん自由に来るということになつた場合におきましては、こういう文化施設、あるいは観光施設を完備いたしまして、大いに外国の人たちに来てもらうようにすることはけつこうだと思うのでありますが、今の日本の国情をもつてしますと、まだそういうような時期に達しておらない。従つてこういうふうなところに注ぐ費用があるならば、もつと緊急を要する方面を先にすべきだという観点から、この法案が提出されたその趣旨、動機に対しましては深い同情を禁じ得ないのでありますが、現在の段階におきまして、特に地方にこういうふうな特別法をつくり、国が特別の施設をする、しかも外人を誘致するというような点からやることは適当でないと考えますので、本法案に反対する次第であります。
○田中委員長代理 瀬戸山三男君。
○瀬戸山委員 私は自由党を代表しまして、本法案に賛成するものであります。 日本国憲法によりまして、日本は武力を捨て、戰争を放棄し、文化的平和国家を建設し、世界の各国と講和を結び、世界の平和を達成するという偉大なる念願を持つておるのであります。もちろん敗戰の痛手を再建いたしますととは、口で申すほど簡單ではございません。そのためにわが自由党吉田内閣は、日本憲法の精神を達成するために非常なる努力をいたしておるということは私から申し上げるまでもないことであります。そこでこの種法案をつくりまして、ただいま世界が動乱に導かれんとするような混乱した時代に、日本の国民がかような平和的、文化的施設のために、お互いに努力をいたしておるということは、私は世界に向つて誇るべきことであると考えております。松江市は提案理由にもございました通りに、古代文化の遺蹟もあり、さらに水郷として周辺を含めて実に観光に適した自然的、歴史的條件に恵まれておるのであります。 〔「そんなものはどこにでもある」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 砂間君、お静かに願います。
○瀬戸山委員 さらにその風光はラフカデイオ・ハーンを通じまして国際的に認められておるという一つの事実も、この法案を支持する有力なる資料である。かように考えまして、私は本法案に対して満腔の賛意を表するものであります。
○村瀬委員 私は国民民主党を代表いたしまして、ただいま上程されておりまする松江国際文化観光都市建設法案に賛成の意を表するものであります。松江市は日本文化発祥の地として今もなお失われざる日本の美しさを遺憾なく具現しておる地方でありまして、優雅な自然の環境と素朴な風光とは、内外文化人に日本美を再発見せしめるに十分なところであります。由来観光と申しますると、これは單に外客、内容を引込めばいいというものではないのでありまして、一つの復合産業にして文化全般に関連を持つておるものなのであります。従つて日本をスイスのごとく国をあげて観光地と化するということは、それによつて人心をなごやかにし、文化を向上し、歴史も発現される。文化国家としては最も力を注がねばならないものなのであります。観光に力を入れるがために、他の建設事業や教育事業等がおろそかなるというのであれば大問題でありますが、そういう弊害を生じないようにして、国の観光を推進するということには何ら反対の理由は認められないのであります。ことに松江市はラフカデイオ・ハーンの文筆を通じて世界的に著名になつておるのでありまするし、特にことしは生誕百年祭を執行いたしまして、特別に欧米人の関心を呼んだ時期でもありまするので、この時期をとらえて松江国際文化観光都市ができ上りますことは最も有意義と存じまするがゆえに、私は本法案に賛成の意を表するものであります。
○田中委員長代理 佐々木更三君。
○佐々木(更)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になつておりまする松江国際文化観光都市建設法案に賛成をいたします。
○田中委員長代理 お諮りいたします。これにて討論を終局するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつて討論は終局いたしました。採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長代理 起立多数、よつて本案は原案の通り可決いたしました。 お諮りいたします。本案に関する報告書の作成並びに提出手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさようとりはからいます。
○田中委員長代理 お諮りいたします。建設行政に関する件を日建に追加いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。建設行政に関する件を議題にいたします。 お諮りいたします。委員諸君の御質疑を行う前に、行政機構改革に関して、建設次官が出席しておりますので、建設次官の意見をただしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさようとりはからいます。 行政機構改革に関し過日来新聞紙の伝うるところによりますと、天然資源庁案に関し、増田、広川両相の間に協議をいたしておるというのでありますが、これに関し今日までの経過その他に対して建設当局の意見を徴します。中田建設次官。
○中田説明員 政府におきまして行政機構の根本的な改革をやりたいということにつきましては、かねて皆様御承知の通りでありまして、すでに基本的な方針については、数十日前の閣議において申合せがされたように了承しております。ただこの基本的な方針と申しますのはきわめて抽象的でございまして、具体的に省とか庁をいかにするかということには触れていないわけであります。現政府が標榜するところの行政機構の簡素化、また人員の整理という二大項目についてうたつてある程度でございまして、それ以外のことにつきましては具体的に決定され、あるいは折衝過程にあるものは今日までないように承知いたしております。ただ各省においてこれらの行政機構の改革について積極的に意見があるならば申出よという行政管理庁の通達がありましたので、政府の二大方針すなわち行政機構をきわめて簡易化する、つとめて人員を整理する。この二方針のもとにわが建設省におきましてもかねてからわれわれの主張する国土省案なるものをやや具体的に書きましてこれが一番適切妥当であるということを行政管理庁の方に申出ておる次第でございます。その後行政管理庁においては種種御検討あるやに承つておりますが、しかし事務上において何ら各省と折衝する段階には立至つておりません。不幸にして一昨日か新聞紙上においてやや具体的な案があるやに報道せられたのでございますが、これらにつきましても各省間の事務的な折衝あるいは閣僚間の事務的折衝はいまだ何ら行われていないという現段階にありまして、今後においてはこの案についてはもとより、われわれは賛成する何ものもございません。われわれの最も主張する国土省案が一番わが国の国情に適しておると考えておりますので、これを主張する腹づもりをしておるようなわけであります。一応経過だけ申し上げます。
○田中委員長代理 本件に関し質疑を許します。西村英一君。
○西村(英)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、行政機構を改革するというねらいが行政の簡素化ということにあるといたしますれば、行政の簡素化ということはどういうことを言うのですか、人を少くするということですか、あるいはセクシヨンを少くするということですが、その辺のねらいをちよつとお向きしたいのです。これは次官個人の御意見でけつこうです、政府はどういう意図があるかわかりませんが……。
○田中委員長代理 諸君にちよつと申し上げますが、行政管理庁の次長もしくは大臣に出席を要求しておりますので、なるべく建設省の意見をただし得る範囲において御質問を願いたいと思います。
○中田説明員 行政の素簡化のねらいあるいはその本質につきましては、これはただいま委員長がお話のように、むしろ行政管理庁の責任当局からお答えをした方が適切であろうかと存じます。ただ私個人の意見をしいて申し上げるならば、要するにいかにして行政の能率を上げるように機構を再編するか、これは簡素化と世上言われておりますが、私はそこにあると思うわけでありまして、国家の行政の機能を最も合理的に能率を上げるようにして行くのには、いかにしたらよいかというところに簡素化のねらいがあると私自身は考えております。
○西村(英)委員 特に建設省だけに限つてということでは言われません。これも行政管理庁の方が見えたときの方がよいかと思いますが、行政組織を変更するということは、行政組織を変更するそれ自身でもつて非常に非能率的になるのです。おそらく講和会議ができますれば、その講和会議に沿うたわが国の行政機構というものが考えられるのであります。今機構の改正をやりますと、それに伴つて非常にトラブルが起つて来る、これはよほど考えてやらないと、機構の改正次たびたびやるとそれ自身が能率の低下になるということを政府はよく考えなければいかぬ。私は機構の改正にあながち反対するものではありませんが、ただ單に機構をもてあそぶことを私は非常に心配するものであります。これは議論になりますのでお尋ねいたしませんが、そういう意見を持つておるのでありますから、いたずらに機構の改正のみをあせるということには私はあまり賛成しかねるものでございます。新聞紙上で発表せられております建設省だけに関するものといたしましては、それは国土省でも、天然資源省でも、そういうことについては非常にデイーテイルに入りますので、今あまりまとまつた意見を持つておりません。答弁を求めませんが意見を開陳しておきたいと思います。
○中田説明員 答弁を求めぬという御発言でございましたが、ただいまの西村さんの御意見については私も同感の点もありますので、補足的に申し上げます。御承知の通り講和を控えて講和会議後いかにすべきかというような問題があるので、朝令暮改のようなことを速急にする必要はないではないかという御意見はもつともの点であろうと思います。なおわれわれの行政管理庁への答申と申しますか、意見開陳のうちに考えておることはかねて皆さん御承知の通り、いわゆる神戸委員会という、行政制度の根本にわたる、国と地方とをいかに再配分するかというこれによつて国の事務と地方の事務とをいかに調整再配分するかを根本的に検討されておる委員会があるわけであります。この委員会の回答によつては政府はこれを十分尊重せなければならぬ立場にあるわけでありまして、それが目下非常に進みつつある、そういう途上でありますので、それらの答えも見ずに、全然それとは別に行政機構をいじるということは適当でないではないか、それらとも平仄を合せながら考うべきであるということもわれわれは主張しておるわけでございます。一言補足的に申し上げます。
○村瀬委員 行政機構改革については関係当局がやがてお見えになるそうでありますから……。ちようど建設次官がお見えになつておりますので、私は建設行政一般についてお尋ねいたします。第一は関西方面で非常に問題になつております地盤沈下の対策の問題であります。またかとお考えになるかもしれませんが、これは毎月大潮が来るたびにその災害が再現をしておるような状態でありまして、川が決壊いたしました場合には、そのときが災害でありまして、数箇月を過ぎればもうそこになまなましい災害というものはないのでありますが、この地盤沈下による災害だけは毎月々々大潮のたびにその住民が戰々きようきようとしておるような状態でありますので、この点について重ねてお尋ねをいたすわけであります。今四国四県、和歌山、岡山、広島山口を中心といたしまして最も住民が心配をいたしておりますことは、この地盤沈下対策は昭和二十五年度をもつて一応打切るかのごときうわさがほのかに伝わる点なのであります。もしかようなことになりますと、この関係約十箇県の住民は非常に衝撃を受けるのでありまして、何らかの方法で、そういうことのないように、單独法を今研究中のような情勢になつておるのであります。われわれの調査によりますと、大体地盤沈下対策で御査定をいただいて、まだ残つておる部面、その他必要な部面を加えますと、二百億円の工事が残つておると思うのであります。これに対しまして、建設省としてはどういうふうにお考えになつておりますか、お尋ねをいたします。
○中田説明員 四国、関西等の地盤が逐次沈下することにつきましては、非常に憂慮するものでございますが、その原因について、はたしてわれわれ人間の力でこれを防止し得る沈下なのか、それとも地殻の変動によるものであるかについては、これはかなり專門の学者の御研究にまたなければならぬ点もあるかと考えます。しかしながらいずれにいたしましても、沈下するという現実の現象につきましては、われわれは晏如としてこれを見放すわけに行かない、従いまして予算その他財政上きゆうくつな時代ではございますが、これらの対策としてやむを得ないものについては今後といえども十分検討してこれが対策を立てたい、こういう方針でおります。その点は御安心ください。
○田中委員長代理 行政官理庁から大野木次長が参られましたので、行政機構改革に関する件につき一応行政管理庁の意見を求めます。大野木次長。
○大野木政府委員 行政機構の改革につきましては、去る四月行政制度上審議会から、内閣総理大臣に機構改革に関する答申がございまして、その後引続いて研究を進めておるのでありますが、現在のところまだ固まつたという段階ではございません。目下大臣の手元でいろいろ研究を進められているという段階であります。それで新聞等に出ましたのは、それらの間におきますいろいろな段階におきまして、その一部が漏れたというようなことだと存じております。
○村瀬委員 この委員会がただいまは建設委員会となつておりますが、昭和二十二年に国土計画常任委員会として発足いたしましたときに、われわれは焼土と化した日本を建て直すには、どうしても大きな総合国土省というものの構想によつて建て直さなければならないという点に一致して進んで参つておるのであります。戰後のイギリスにおきましても、いわゆる復興省が中心になりまして、ほとんどその省の大臣を中心として網の目のごとく行政が張られたということもはつきりいたしておりますので、日本の国土再建の基盤はどうしても国土省、総合開発省といつたような一元化された建設行政によつて行わねばならないということは、これはもう既定方針であるとわれわれは承知をいたしておつたのであります。ところがただいまの御答弁では、新聞などに載るのは單なる中間の発表にすぎぬという軽い意味の御答弁でありましたが、十二月一日、昨日の毎日新聞に出ております行政機構改革の最終案というものを拝見いたしますると、このわれわれの考えておりました方針がまつたく土崩瓦解いたしまして、むしろ建設省というものはなくなつてしまつて、そうしていろいろそれぞれの部面に、これをばらばらに切り離してしまうというような根本の流れがあるのではないかという感じがいたすのであります。これはまことにもつてのほかのことでありまして、最後の案がどのようになるにいたしましても、基本的な流れがそういう線の上に考えられておるといたしますと、われわれは、ばらばらなものたとえば運輸省にあります港湾行政も、あるいは農林省にあります砂防その他の、いわゆる建設関係の行政も、また各学校の営繕等に至るまでも、全部建設省にまとめまして、上下水道をもまた建設省にまとめるべきであるという線で進んで参つたのでありますが、今ある分までも他の方にばらばらに切り離してしまうという構想のもとに、これから行政機構改革を御審議になるといたしますと、これはわれわれの考えておりましたことから真反対の方向に進んで参るのでありますが、今御研究になりつつある基本線というものは、どういう方向に進んでおるのでありますか、それをお伺いしたい。
○大野木政府委員 実はその脈につきましては、先ほど申し上げました行政制度審議会の答申におきましては、建設省を治山治水を中心とする国土省にするという答申がされまして、その後もそういう線で研究を進めておつたのでございますが、一方またこの治山治水も、国土の開発という目的から考えると、結局において食糧の増産に深く連なる問題である。その食糧増産に連なる農業的の土木と、従来の建設の土木と、これを一緒にして進めた方が、より目的にかなうのではないかという意見も出まして、ただいまお話のような研究題目も研究案として考えられているような次第でございます。
○村瀬委員 これは非常に基本的な、右に流れて行くか左に流れて行くか分水嶺がきまるようなものであります。たとえば今道路の管理、建設は建設省がやるのにほとんど何人も異議がないと思うのであります。しかし今のお話のように、最後の目的を主体にいたしますと、これを管理するものに陸運監理局というものが運輸省にありますから、この道路の上を走らせる自動車を預かつているところに帰属すべきであるというようなとつぴな議論も出て参るのであります。これはすべての開発が一段落をいたしまして、アメリカのごとく相当産業文化の水準が向上して平常な状態に進んだ場合には、あるいはそういう考えが出て来る余地もあるかもしれませんが、今のわが国のように、敗戰後まだ五年であり、ほとんど建設事業も遅れている国柄といたしまして、もしさような思想で今後の日本の再建をはかるといたしまするならば、それは支離滅裂となつて効果は上らないと思うのであります。従つて、さような思想の芽ばえが、行政機構改革の根本にもし流れそうだということになりまするならば、今のうちにその芽をつみとつていただいて、あくまでも建設行政を一体化して、強力なものにして、機械その他も相互に融通しあつて、建設一点ばりに力を入れるという方向に行政機構改革を進めていただかなければならないと思うのであります。今現に行政機構改革をお考えになつている方ではその線が強いのでありますが、五分々々に強いのでありますか。わずかにそういう思想が芽ばえただけでありますか、あるいは場合によれば、今までの総合建設省という案にとつてかわるほど強い流れになりつつあるのか、その間の真相をお述べいただきたいと思うのであります。
○大野木政府委員 先ほど申し上げましたように、まだ決定はしておらないのでございますが、ただいま私が申しましたような線も相当強く出ていることは事実でございます。
○逢澤委員 ただいまの大野木さんのお話には私も唖然としたのであります。先ほど来、建設省の仕事をいま少しく統一して、そうして国土省というようなものにしたらどうかというお話があつたのですが、その国土省というものを分解すればどういうようなことになるか。結局総合的な建設事業というものは、総合的に一省に集中してそうして足らざるものを補いつつやつてこそ貧困な日本の土木行政というものが充実して来ると思うのであります。それを各省がばらばらにやらずに、あるいは技術が足りないところ、あるいは資材が足りないところ片方には資材があるが技術が足りないというような貧困性を一つにまとめて来ると、そこに充実した建設行政が行われるのであります。そういうような希望から国土省というような考えが生じて来たのであります。今行政機構改革の委員会が考えている構想は、食糧増産を中心として、これを遂行するために行政機構を改革し、かつ建設省をばらばらにして行こうというような片鱗があるように私は聞いたのですが、これはまことにもつてのほかの考え方だと思う。そこでわれわれ国民代表が考えていることは、そういう食糧増産もむろん否定するものではない。これは国策として重要な部面であるということは承認する。しかし食糧増産だけが日本のすべてを規律するものではない、この狭い日本の領土において八千万以上の国民が生活して行くのにも食糧だけではやつて行けない。工業もまたどうしても食糧増産と離すことができないものである。むしろ食糧増産と比肩して遂行すべきものだと思う。そうすると、建設行政を行つて行く上に、食糧増産を中心とした建設行政をやつて行くということは大きな考え方の違いだと思うのでありますが、今私が聞いたのは聞きそこないでありますかどうか、それを一応再説明してください。
○大野木政府委員 今考えられている一つの案といたしまして、食糧増産を中心として土木行政をやつたらどうかという考えがあるのでございます。
○逢澤委員 それは私があなたにこれ以上追究しても始まらないことでありますから、この程度にいたしておきまして、他の機会に質問いたします。 それからもう一つお尋ねいたしたいことは、今行政機構改革の委員会が検討しておられる思想の中心、思想の根本として、どういうことをやつておられるかお伺いしたいと思う。それは先ほど他の委員からもお尋ねがあつたのでありますが、行政機構の改革をやるのは、ただ人間を減らすとか、国の人件費の支出を縮少して行こうという裏え方でおやりになつておるのか、あるいは行政機構の改革によつて能率を向上して、人的資源にしても、物的資源にしても、その能率を向上することを考えてこの行政機構の改革をやつておられるのか、どちらに重点を置いてやつておられるのかということについてお尋ねいたします。
○大野木政府委員 行政機構改革の目的は、御承知の通り、戰争中並びに戰後にわたりまして、国力に比して非常に厖大化しました行政機構を縮小して国民負担の軽減をはかつて行きたいということがねらいでありますが、それにつきましては、極力行政機構を簡素化いたしまして、そうしていわゆる行政の能率化が実現されるように機構を再検討して行きたい。こういうねらいであります。
○逢澤委員 大体の輪郭はつかんだのでありますが、私は希望として申し上げておきますが、行政機構の改革をやつて行くについては、人員の整理とか、いろいろの複雑しておるところのこの機構を單一にし、そうして能率化するということをお考えになつておるということは私どもと同感でありますが、それにプラス機構の改革によつて、人的資減だけではなく、いろいろの物的資源も活用できるようにということも考えてやつてもらいたいと思います さらにもう一つは、さつきの話に関連して来るのでありますが、建設行政の改革にあたりましては、これは重濁するかもわかりませんが、日本のいろいろの技術と建設に要する資材とを十分活用のできるような機構をつくつてもらいたい。それには今までのような、先ほどもお話がありましたような、農林省の砂防だとか、あるいは運輸省の港湾だとかいつたような、一つの建設事業をやるにも各省にまたがつて重複する仕事をやつて行くということが、一番改革の対象にならなければならぬと思う。われわれ專門家の考え方から行くと、実にあほらしくて物の言えないような事態がたくさんにある。これはどうしても行政機構の改革には、そういうことを中心に考えてもらいたいということを希望申し上げておきます。
○村瀬委員 この行政機構の問題、特に建設事業にとつてはこれが非常な大問題でありますが、日本の国情に最も近いイタリアにおきましては、私はこれは総合的に一元化されていると思うのであります。そこでいまさら申し上げるまでもないのでありますけれども、一国の建設事業というものは、多岐多様にわたる技術の総結集でありまして、この建設事業を單に事務としてみる場合にはまたいろいろな見方があるかもわかりませんが、一番大事な純粋の技術面から見るときに、はたしてそういうことが言えるかという問題であります。この際稻浦技監がお見えになつておりますので、この間アメリカをつぶさにごらんになつてお帰りになつたことでありますし、また大陸におきまして稻浦技監の世界的水準の最高位にある技術をよくみずからも拝見しているのでありますから、ぜひこの際純粋の技術面から、稻浦技監のこの点に対するお考えを伺わしていただきたいと思います。
○稻浦説明員 私は建設省の技監として、先ほどから村瀬君が述べられたことと同じ考えと信念を持つております。たとえば河川で申しますと、上流から下流について一貫した計画のもとでやつて行く。これは最も望ましいことである。これをばらばらにすることは決して許せない。アメリカにおきましても河川の改修はコー・オブ・エンジニーアが主体になつてやつております。その枝葉にわかれておるものは農林省あるいはその他がやつておりますが、主体はどうしてもしつかりした主体を置いておかなければならない。ことに災害の多い日本におきましては、国土再建にあたりましてはまず災害防除に主体を置かなければならない時代だと考えます。こうしたときにおきましては、治水の面におきまして重点を置かなければならない現状にあると思います。アメリカにおきましても災害防除のために、たとえばテネシーのごとき二十数個のダムをつくつておりますがそのフラツト・コントロールとしてダムをつくつておつて電力は第二次的になつている。こうしたことを向うで視察して参りました。そうした段階におきましては、私は一貫した建設を集中してやつて行くことが最も必要であろう、かように考えるのであります。河川の下流におきましては港もあります。これは港湾関係だけ切り離してやるということは、河川の維持においても大きな支障があると思う。かような意味において技術的に河川だけを見ましても、全部まとめてやるということが最も必要であろう、かように考えております。その他の技術におきましても全部同じ考えもつて進めたいということを私は念願しております。
○西村(英)委員 私は簡單に一、二お伺いをいたします。この行政機構の簡素について行政審議会がその制度をいろいろ研究することはあたりまえのことですが、今度の行政機構の改正は、ある一定の時期を予定していつごろやろう、たとえば来年やろうというような一定の時期を予定してかかつておるのですか。その点をひとつ伺いたい。 それから講和会議も切迫いたしておりますから、この行政機構の改正については、講和会議の後におけるこの行政の変更とにらみ合せて考えておられるかどうか。その辺をひとつ伺いたいと思います。
○大野木政府委員 この行政機構の改革は、御承知の通り結局は各省設置法の改正という形になるのであります。そこで内閣におきましては、先般閣議決定で一応次の通常国会を目途として改革案を出すということになつております。 それから講和会議との関連等につきまし々は、管理庁長官であられる廣川国務大臣の方でいろいろ御考慮を願つておることと存じます。
○西村(英)委員 もう一つお尋ねしたいのは、能率を上げるように改正することはわかりますが、そうすると普通行われているようにセクシヨンをなるべく少くして、業務量をなるべく減らすということになりますれば、そういう減らされた業務だけは地方に委譲しなければならぬということが当然起つて来ると思いますが、その場合にはやはり機構ということもありますが、能率を上げるということはどうしても人の問題に帰着することが多い。そうすると、地方にそれだけの優秀な人物がおるかどうか、地方にすべてのことが委譲された場合に、これがうまく行くかどうかというようなことが非常に心配になるのであります。中央集権であることは確かにいけない、なるべく地方に委譲したいということはわかりますが、現在の状況において、省を減らして中央官庁のやることを極端に減らせば、地方に委譲する業務が非常に多くなる。現在の政情において地方に新しく委譲された場合にうまく行くかということについて私は多大の疑問を持つのですが、その辺をどういうふうにお考えになつておりますか。
○大野木政府委員 今までの大体の方針といたしましては、なるべく中央の業務を少くして地方に委譲して行きたいという方向で進んでおります。これにつきましては御承知の通りシヤウプ勧告に基く地方行政調査委員会議という特別の機関が設けられまして、その方の事務の再配分についての勧告が近く出るはずになつておりますので、それを政府の方で取上げられましたら、その線に沿つて機構の点もこれから考えて行きたいと存じている次第でございます。ただいま御懸念になりました技術その他の面につきましては、お話の通りの心配があると存じます。それらにつきましてはその再配分の際に十分考慮さるべきものだと思います。
○田中委員長代理 ちよつと速記をやめて……。 〔速記中止〕
○田中委員長代理 速記を始めてください。 ただいまの議題につきましては、大体御質問も終了いたしたようでありますが、本委員会といたしましても従来より重大なる関心を有する事項でありますので、次会に責任者であるところの廣川行政管理庁長官、建設大臣その他の出席を求めまして、これが意見を徴したいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつてそのようにとりはからいます。
○瀬戸山委員 せつかく稻浦技官が見えておられますから、一点だけ災害復旧に関することについて所信を伺つておきたいと思います。災害復旧の観念については、昭和二十五年度に実行されました災害復旧費全額国庫負担に関する法律のときに非常に論争があつたのでありますが、災害箇所を旧態に復するという思想が日本の災害復旧の根本的な誤りであるということを私どもは主張して論争をいたしたのであります。ところが昭和二十四年度の公共事業に関する監査の結果を、経済安定本部から報告書として最近出しております。その総括的批評の中に、災害復旧を旧態に復する、いわゆる災害復旧の観念によつて国費をむだ使いしている部面が相当にあるということが政府の機関の報告書に現われておりますが、直接その事務に当つておられる建設省としては、さような観念で今日も事業を遂行しておられるか、将来いかなる考えでおられるかということを、ただ一点だけお尋ねしておきます。
○稻浦説明員 災害復旧につきましては、規定によつて原形に復帰するということが原則になつているのですが、これは技術的な観点からいつて、災害を復旧する以上はある程度の利用といいますか、改良を加えてやるということがほんとうの災害復旧ではないか、かように思つているのであります。そうした意味からしまして、原形復旧に対して超過したる部分に対してはあるいはむだ使いをしていると事務的に言われるかもしれませんが、建設省としては決してさようなことはやつておらぬと考えております。
○瀬戸山委員 今の技監のお答えは、私の質問の仕方が悪かつたかもしれませんが、そういう意味ではなくて、原形に復旧するという事情のために災害復旧をして、さらに次年度もしくは同年度のうちでも、次の災害の場合にまた災害を繰返すような災害復旧が行われておつて、従つて国費のむだ使いが多いという部面が相当にあるという事実を報告しているのであります。今技監の言われましたように、災害復旧をする場合には、将来の災害を予防するという立場で復旧してもらいたいというのが今日までのわれわれの主張であります。技監も同じ思想を持つておられるようでありますが、しかし監査の報告によりますと、原形復旧にとらわれて、査定の関係かどうか知りませんが、そのような状態で、さらに災害に次ぐ災害復旧を同一箇所に繰返している状態が国費の濫費になつているということを申し上げているのであります。そこで技監のお考え方はわかりましたが、現実にさような事態が各災害地に起つているのでありますので、この点は建設技術の部面を担当しておられる技監としてはも災害の査定をされるそれぞれの專門家に対して、その点を十分に認識させていただいて、いわゆる災害に次ぐ災害がないような、改良費の必要とする災害復旧は、さような積極的な復旧をしていただきたいということを私は考えているのでありますが、その点について御見解を承つておきたいと思います。
○稻浦説明員 災害復旧の大きな箇所につきましては、査定官会議をやりまして、私が中心になつていろいろ検討を加えまして、改良を要すべき所は改良をする、あるいは原形で大丈夫の所は原形でやるというような方向に現在やつておりますから、将来ともこれを強化いたしたいかように思つております。
○小平(久)委員 私も技監に簡單に伺いたいのですが、さきの委員会において瀬戸山君から、見返り資金による公共事業費のことについて伺いましたので、若干ダブるかもわかりませんが、われわれの承知しているところによりますと、本年度の見返り資金による公共事業費百十億、そのうち従来現実に支出されておりますものは、わずか本数億でありまして、同じ見返り資金の他の方面に対する支出に比べますと、非常にまだ額が少いという結果になつていると思うのであります。もちろん公共事業に対しまする支出が比較的遅れていたという関係もありましようが、それにしても本年度も残るところわずかでありまするし、また一面におきましては工事の現場状況等から見ますと、この支出が非常に遅れたために、まだ困つているということもよく聞くのであります。 そこでまず第一に承りたいのは、今までに見返り資金から公共事業費に実際どれくらいが支出されているかということと、今後の支出の予定と申しますか、年度内に例の百十億は全部使う御予定になつているかどうか、その辺のところをまず承りたいと思います。 それと第二の問題としましては、明年度における見返り資金からの公共事業費への支出が非常に危ぶまれているというお話が先般もあつたのでありますが、申すまでもなく見返り資金による事業というものが、それぞれの地方、あるいは国全体から見ましても、もう数十年来の懸案がようやくにして解決の緒についたという段階でありますので、これが万一打切られるということにでもなりますと、これは非常に大きな問題になると思います。もちろん建設当局におかれましては、これが引続きの支出については御努力なさつておられるとは思いますが、万々一そういうような非常の事態が起きるということが予想されますならば、それに対して建設当局は今どんな御決意を持つておられるか、この二点だけを承りたいと思います。
○稻浦説明員 支出が非常に遅れているということでありますが、見返り資金の決定が遅れまして、工事の着手が遅れたために現在支出が非常に少いのですが、これは年度内にどうしても予定通りの仕事を完成するつもりで大いに努力しております。 それから打切られた場合の問題ですが、これは非常に心配しているのですが、できるだけ打切られないように努力したい、かように考えております。
○田中委員長代理 御質問も終了したようでありますので、次会の開会の旧時、時間等は追つて公報をもつて御通知することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十四分散会