建設委員会 第2号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/11/30
会議録
○内海委員長代理 これより会議を開きます。 委員長不在のため、本日は私が委員長の職務を代行いたします。 昨二十九日付託になりました松江国際文化観光都市建設法案、山本利壽君外百七名提出、衆法第二号を議題といたします。提案理由の説明を求めます。提出者山本利壽君。 —————————————
○山本利壽君 今回松江国際文化観光都市建設法案を提出いたしまして、皆様方の御審議をいただきますにあたつて、その提案理由について少しばかり説明させていただきたいと存じます。 この松江を国際観光都市にしたいというのにはいろいろ理由がございますが、まず第一に、松江市及びその近郊数十マイルにわたつて風光明媚であり、そして幽邃な自然の環境と人情こまやかな素朴な地方性とは、必ずや国際観光客に真の日本を見たという感じを與えるに違いないと考えることであります。 第二番目には、出雲が天孫降臨以前から繁栄した日本文化発祥の地でありますことは、素盞鳴尊や大国主命、事代主命その他多くの神々に関する神話とか伝説のありますことでも御承知と存じますが、現に国宝に指定された貴重な文化財が五十余、重要美術品に指定されたものが十数点、史跡名勝天然記念物に指定されたもの八十箇所を有するのであります。 第三番目には、世界的文豪のラフカデイオ・ハーンが住んだところでありまして、ここで日本人の妻をめとり、その流麗な文章によつて松江一帶を世界に知らしめたことによつて、国際的に松江の名が知れ渡つております。私はアメリカに六年ばかりおりましたが、カリフオルニアの大学におりますころにも、中部におりますころにも、あるいはニユーヨークの学校におりますころにも、至るところでラフカデイオ・ハーンのことを聞かれたのであります。そしてどこでも松江という名前をよく知つておつて、その地方から私が出ておることに対しても非常な興味を覚えて、いろいろな質問を受けたことを記憶しておるのでありますが、日本にやつて来ます国際観光客のたいていの者がインテリ層の者であり、ヘルンの遺跡を訪れたいと希望しておるものが非常に多いのでありますから、この点からいつても、松江はすでに観光都市としての素質を持つておるということが言えると私は存ずるのであります。 なお近代都市としての松江を見ますと、第一に交通は山陰本線の要衝に当つておりまして、松江から米子を経て伯備線をもつて岡山に連結されており、さらに松江から木次、備後十日市を経て広島に接続されており、ことに松江・広島間には急行バスも通つておるのであります。その他宍道湖の北を走る一畑電鉄とか島根電鉄とか、あるいは松江、境、西郷をつなぐ隠岐汽船の便もありまして、山陰地方におきましては交通の一大要衝をなしておるのであります。さらに松江は島根県庁の所在地であつて、その他の官公衙多くを所有しております。なお島根大学がございまして、文理学部、教育学部、さらに近くは農学部の設置を見ようとしております。今回の挙を記念するために、広く世界的に資金を求めてヘルン大学の建設をも考えておるのであります。この点から松江市は政治、教育の中心とも考えられます。 さらに、ただ景色がよいとか、史跡が多いとかいうことでなしに、遠く松江市を囲繞しておりますところの産業状態を考えますに、広い出雲平野は豊富なる豊産物の産地でありまして、宍道湖という淡水湖を持つていて、いろいろな淡水魚を産し、さらに中海という鹹水湖を持つておりまして海の魚を多量にとり、日本海一帶からの海の産物を加えまして、豊富なる水産物を持つておるのであります。さらに山岳部におきましては、日本の時計の産業において、あのぜんまいをこしらえるには絶対に必要だと言われるところのはがね、それから紡績は松江、今市、平田等に盛んなる工場を持つておるのであります。その他報国炭鉱の名をもつて知られております石炭業、木材、木炭等において非常なものを持つております。 なお第五番目に松江をぜひ国際観光都市にしていただきたいと考えます理由は、全国的に見た日本の観光地の分布ということであります。西日本におまましては京都であるとか、奈良であるとか、あるいは神戸というように観光地が表日本に集中せられておるのであります。このために外国からたくさんな人が来ましても、神戸の港に船を入れて、その船で寝とまりをして晝の間だけ自動車でそれらの観光都市をまわつて来るのでありまして、日本に落ちる金が非常に少いのであります。裏日本においては一つの観光都市もない。ことに山陰道に古代文化を持つており、国際都市としての可能性を持つておるところの松江を観光都市にしていただきますならば、外客は表日本からさらに裏日本へと伸びて、相当な金を落すということを私は考えるのであります。 この松江が一体どういう所に位しておるかと申しますと、東の方には出雲富士の名でよく知られております大山国立公園がございます。そして西の方には、今回毎日新聞の百景の一つに選ばれました三瓶山があるのでありまして、この二つの名山の間に広がつておるのが出雲の国であります。出雲の東寄りに二つの海がありまして、一つは周囲十一里ばかりの淡水湖宍道湖であります。そしてその東に連なつておりますのが周囲十六里ばかりの中海でありまして、これは鹹水であります。この二つの海の間が約一里ありまして、大橋川をもつて連なつておるのでありますが、この大橋川の両岸に繰広げられて発達したのが松江市であります。 松江市は、現在のところ人口約八万ばかりの小都市でありますけれども、慶長十六年に掘尾吉晴が築城いたしまして、その後寛永十五年からは松平氏の居城となつて十八万六千石の城下町として繁栄を続けて来たのであります。この宍道湖と中海との北側に島根半島がございますが、島根半島の日本海に面する方面は断崖絶壁でありまして、まことに風光絶佳であります。遠く沖に隠岐島を認めることができますが、隠岐島は御承知のように、後醍醐天皇及び後鳥羽上皇の流されたもうた所として有名でありまして、景色から申しましても、千数百尺の断崖絶壁を持つあの国——あるいは白島は、観光客を引くのに非常に適当な島であります。この島根半島は神話にも申しております国引きの所でありまして、日本の国をつくり、どこかその他に国が残つていないかと思いまして、沖の方に漂うていたあの島根半島を、神様がこの日本の本土に引寄せたという伝説であります。しかし本土に引寄せた島が漂うて流れてはというので、東の一端をあの長さ五里、幅一里の夜見ケ浜をもつて大山につなぎとめ、西の端を稻佐ノ浜によつて三瓶の山につなぎとめたといううるわしい伝説を持つておるのであります。さらにこの湖の南の方に連なつております山岳一帶は、古代の素盞鳴尊が八岐の大蛇を退治したという神話で名高い所でありまして、その簸川が流れ流れてデルタをつくり、出雲の平原をつくり、その平原の中に大国主命をまつる大社町が発展しておるのであります。この松江市そのものをとつて見ましても、松平氏の居城である亀田山千鳥城は今もなお存置しておるのでありまして、そのうるわしい天主閣は三百三十九年の歴史を物語つております。日本の城郭がうるわしいということは、よく知られながらも戰災にあい、あるいは火災にあいまして次次になくなつて行つたのでありますけれども、もう十指に足らない城郭のうちで、この山陰の一角に松江城は完全に残つておるのであります。この松江が非常にうるわしいということは、ラフカデイオ・ハーンが松江の自然美と人情美とをたたえて、十六世紀の夢が住まつておる町だと申しました。この古い町は戰災を免れて、今もそのままに保存せられておるのであります。さらにパリ大学の講師であり、世界文化研究家であるノシング女史が来訪せられまして、松江市は地理的に最も恵まれた位置にあり、ここにある一切が美しい風景をつくり上げている。宍道湖はスイスのニユーシヤテル湖をほうふつせしめると言い、松江は單に風光の美のみならず、日本文化の中心地の一つであるとたたえられました、さらに言論界の長老である伊藤正徳氏は、日本一と書いたら方々から苦情が来るかもしれないが、あえてそれらの苦情を正面から辞せない絶讃を私は松江市郊外嵩山に感じたのであると申されております。そしてその松江市が臨んでおります宍道湖には夢のように嫁ケ島が浮んでおり、徳富蘇峰先生は、宍道湖はいかにも女性的の湖である。平たい陸地と相接し、明媚の風光は真にわれをして愛着せしむる。この風景と松江の市街とはしつくり相調和して、一箇の文化郷を打出しておるといわれております。田山花袋先生は、宍道湖の眺めは日本でありとあらゆる湖水、琵琶湖、諏訪湖、猪苗代湖、そうした湖水の中で一番すぐれた線のやわらかさと空気の明るさとを持つていると書いております。さらに佐々木信綱先生は、宍道湖の月のよさは洞庭湖の月にも、富士精進湖の月に比すとも決して劣らぬ美しさを持つていると述べておられます。この美しい湖一帶の景色が山陰の僻陬にありますために、今日まであまり知られておらなかつたことをわれわれ残念に思うのでありますけれども、戰前においても、年々内外の観光客百方を迎えておつたことを御記憶願いたいのであります。そして松江の市内には茶室をもつて有名な菅田庵であるとか、楽山であるとか、あるいは平山家の菩提寺である月照寺、袖師ケ浦、床几山公園、嵩山の眺望等、人々によつて称讃せられており、さらに町の近郊には無色透明で快い温泉として有名な玉造の温泉を持つております。昔玉造部の住んでおりました所で、その遺跡があり、青瑪瑙の産地として海内随一であります。さらに加賀の潜戸として名勝天然記念物の指定を受けておりますが、これは海岸にありまして、高さ四十メートル、長さ二百メートルの大洞窟でありまして、日本海第一の奇勝といわれておるのであります。さらに一時間ばかり電車で参りました所に、先ほど申しました大黒様をまつる出雲大社がございます。神苑宏大にして雄壯な社殿は、本殿の高さが八丈余といわれ、日本最古の様式を飾つております。その他白砂青松の稻佐の浜あるいは歌舞伎の元祖といわれます出雲阿国がこの大社の巫女であつたということを御記憶願いたいと思うのでございます。さらに大黒様に対して恵比須様のお宮として知られておる美保関、ここまた風光明媚でありまして歌に名高い関の五本松あるいは出ま赤壁等を近くに持つておるのであります。なお一畑の薬師であるとか、枕木山であるとか、鰐淵寺その他熊野神社、入重垣神社、武内神社等多くの国宝を持つておりまして、素盞鳴尊と稻田姫との恋物語りを濃厚に織りつづつておるのであります。なお先ほど申しました後醍醐天皇や後鳥羽上皇にゆかりの深い隠岐島は、現在でも闘牛をやつております。あるいは近海にはあざらしとか、うとか、いるか等の群遊する姿も見ることができるのであります。 なお先ほど松江が文化都市として適当な所であるということを申しましたが、先般の国会で私、百二十数名の方の署名を願いまして、ヘルン生誕百年記念祭に関する決議案を提出いたしましたところ、満場一致の御協賛を得て可決されたのでありますが、そのころ山崎猛先生その他最初の米国派遣議員団が帰られまして、米国においてもこのヘルンのことが非常にやかましく言われておつたというので賛成を得たのであります。今回も米国の代表でありますシーボルト氏あるいは英国政府の代表であるフレーザー、アランデル・レイとかマルセル・ロベールとかパーキンスとかいうような外国人あるいは日本の市河三喜博士を初めとして、そうそうたる英文学者たちがぜひこのヘルンの町を盛んにしたい、あの百年の祭典を盛んに行いたいということで御協力を願つたのであります。そうしてその際の恒久的な記念事業としては、これからヘルンの旧居を完全に保存し、あるいは記念の図書館を設立し、文化会館を建て、あるいはスタジアムをつくるというような計画が立てられました。さらに今東宝では映画をもつてヘルンを世界に紹介したいという意味で、松江でロケーシヨンをして、明春五月にこの映画の封切りをしたいといつておりますが、ヘルンに扮するのは関西学院大学の先生でありますバルモア教授、そして節子夫人には轟夕起子という配役をもつてこれが進められることになつておるのであります。この映画は外国への紹介の映画でありまして、すでに外国へ向つては松江をシテイ・オブ・ヘルンとして紹介したのであります。ヘルンの町として、これらの事業をぜひ完成したいということを海外知名の士に懇請いたしましたところ、トルーマン大統領よりもこれに賛成の御返事をいただき、あの「大地」で御存じのパール・バツク女史もこれには大賛成、できる限りの協力をするという御返事をいただいておるのであります。その他今回この観光法案を出しますについても、関係方面では非常に乗気でありまして、かつてこのくらい早く了解の與えられた法案はないといわれておるのであります。関係方面でもこういう意向でありますから、どうか委員諸君の御協力によりまして、ぜひこの法案が無事に通過するように御努力を願いたいと存ずるのであります。そうして先ほど来申しましたように、古代文化の中心である松江地方から、今までにあるところの文化財をりつばに保護し、さらに未発見のものを発見研究して社会に送り、観光設備を整えて外客を誘致し、経済的にも日本繁栄の一助となるために、今回の法案を提出したのでありますけれども、この目的を達するのにはどうしても国家の援助を必要といたしますし、法律の力に頼らなければなりません。日本国家が法律をもつてこの運動を助けるとなれば、外国にも呼びかけることが非常に容易でありまして、外人の協力も盛んになると考えるのであります。外国における募金も非常に容易であると思うのであります。この法案を出して成立を期するということは、外人方面からのサゼツシヨンにもよることであります。どうか皆様の御審議と可決をお願いいたします。さらに、今回の法律によつてお願いいたします松江市の範囲は、宍道湖の東岸一帶から中海に至る間の総面積二百四十七・八六平方キロの地帶でありまして、人口約十五万を包含しておるのであります。くどいようでありますけれども、皆さん方の同情ある御審議をお願いいたします。これをもつて一応私の説明は終ります。
○内海委員長代理 これより質疑に入りますが、提案者のほかに、政府側より建設省都市局長八嶋三郎君が見えております。なお法制上の問題からいたしまして、福原法制局第二部長も見えております。これより質疑に入りたいと思います。村瀬宣親君。
○村瀬委員 ただいま提案者山本利壽君から、きわめて詳細にしてまた調査の完備した御説明がありましたので、私はこの松江国際文化観光都市建設法案の本條文につきましては十分了解ができたのであります。ことに第七国会におきまして、ラフカデイオ・ハーン生誕百年記念事業に関する決議案が可決せられ、これに基いて開催せられました国際的記念祭を契機といたしまして、国の内外に松江市がハーンの町として新たに脚光を浴びて登場して参りましたことは、日本自体を世界に知らしめる上にも非常に時宜に適した計画であると思うのでありますが、ただこの法案が幸いにして通過いたしました後に、この附則に対して二、三、提案者ではなしに法制局、都市局の方へお尋ねしておきたいと思うのであります。 附則の三に、この法律は日本国憲法第九十五條の規定により松江市の住民の投票に付するものとするとあるのでありまするが、ただいま国会に提出されておりまする補正予算の内容を見ますると、住民投票事務地方関係委託費として九百三十一万九千円が計上されてあるのであります。これはすでに特別都市建設法の実施されておりまする京都、奈良、横浜、神戸、別府、熱海等が立てかえで支出しておる分も含まれておると思うのでありますが、これは法律上国の負担であると規定せられてあります。これは地方自治法の第二百六十一條に規定があるわけでありますが、この第二百六十一條と附則の第三との関係を考えてみまするに、第二百六十一條には、議長がこれを内閣に通知をしなければならぬというようなことになつております関係上、その議長の権限を楽にするために、この第三の附則が出るということにもなるかと思うのでありますが、これはむしろ法制局としては單独法で出しておいた方が、法の性質としてはつきりするのではないか、いわゆるこの九百三十一万九千円でもつて全部住民投票の費用はまかない得るとお考えになつておるかどうか。この附則の第三との関係を法制局の方へ一応伺いたいのであります。
○福原法制局参事 ただいまの御質問にお答えいたします、御質問の要点があるいは二つにわかれるのではないかと考えるのであります。まず附則三項を入れたことについては、御質問の中にも、地方自治法の二百六十一條の規定により議長に認定権がある点について、その認定を容易ならしめるという趣旨のお言葉があつたのでありますが、まさにその通りでございまして、さきに広島あるいは長崎の特別都市法が制定されました当時、当院におきまして多少問題があつたことでございますので、その点を明らかにするという趣旨でここに掲げたのでございます。 次に、質問の第二点と存じますが、このたびの補正予算の中に初めて計上されました、住民投票委託費という名目だと思いますが、そこに入つております金額は、私の聞いた範囲では、従前に行われました住民投票の費用も計上したように考えております。それゆえ、このたびのこの法案がもし通過いたしましたあかつきは、これに対しまする多少の追加予算が必要かと考えます。その金額は、大体従来の実績から考えまして、全国選挙管理委員会の事務局の計算では約二十万円程度だと思いますが、これもまた全国選挙管理委員会事務局の管理いたします予算の中で、ある程度の、何と申しましようか、流用のできる余地があるように聞いておりますので、この法律が幸いにして通過いたしまするならば、その住民投票についての費用にただちに事欠くというような関係ではないように聞いております。
○村瀬委員 ただいまのお答えの第二点でありますが、附則第三は、議長の認定を明らかにするために置くということはわかるのでありますけれども、ただ法理上から考えてみまして、この法案中の各條文は、この法律が確定して初めて働らくものでありますから、こういう規定は、法理論から言いますと、むしろ一つの法律案として別個に国会がきめるべきもののようにも考えられるのでありますが、その点に対する法制同としてのお考えを伺いたいと思います。
○福原法制局参事 御質問の要点はよくわかるのでありますが、この第三項は、実は従前の規定からいたしますならば、この法律ができます以前に、その法律のおい立ちと申しますか、でき上りますまでの経過を書いておるのであつて、法律の規範としての効力云々となりますと、疑問の余地が十分あるのであります。しかしながらこの憲法九十五條によります住民投票によつて初めて成立いたします一の地方公共団体のみに適用される法律といいますのは、何分にも新憲法始まつて以来の新しい制度なのでございまして、そこに問題の余地をなくすというところから、それぞれの法律がそのような性質の法律であるということを、国家の最高機関であります国会において意思表示をするところにねらいを持つて、一の宣言的効果のみを目的とした條項という、こういう考えで入れておるのであります。
○村瀬委員 もう一度お尋ねいたしますが、松江市の住民投票は、結局この附則第三の規定によつて行うものである、こういうふうにはつきり解釈をしてよろしいものでありますかどうか。
○福原法制局参事 三項の規定があることによつて初めて住民投票に付せられるという性質のものではなくて、万一、三項がなかつたといたしましても、この法律が憲法九十五條の一の地方公共団体のみに適用される法律であるという性質には相違はないのでありますが、その点を特に明確に、国家の最高機関の意思として示すという宣言的の意味でございます。
○村瀬委員 それではその次の問題でありますが、この補正予算に出ておる九百三十一万九千円で、松江市の分もすぐには支障を来さないということの御答弁であつたようでありますが、地方自治体は、住民投票には相当多くの費用を使つておると思つておるのでありますが、これも法制局の御意見をただしておきたいと思うのであります。法律上国の負担であるということをはつきりお認めになつておるかどうか。そうすれば、この住民投票による費用は全部国が負担するものであるというはつきりしたお考えであるかどうか、なおその実績等もあれば伺いたいと思います。
○福原法制局参事 実は直接の主務官庁でないという関係で、いつでも全国選挙管理委員会事務局との連絡によつて知り得ました知識でありますから、多少の誤謬があるといたしましたならば、その点は御容赦を願いたいと思い度す。 この九百三十一万何がしの全額の中で、松江市がまかなえるかどうかという点は、むしろその九百三十一万何がしの金は従来の四つの市の住民投票費用のように聞いておるのでございます。それでもしこの法律案が通過いたしましたならば、それに付する住民投票の費用は、全国選挙管理委員会の別の費目の中で流用のつきますものをこれに充てられる、こういうように考えております。 それから住民投票の費用は国が負担すべき費用であるかどうかという点については、はつきりと申し上げられるのでございますが、これは全部国が負担すべきものと考えております。但し従来の実績から申しますと、各都市におきましてそれぞれ相当の、何と申しましようか、宣伝費的なものが出ておるように考えます。その費用はかなりのものになつておるのではないかと想像されるのでございます。しかしながら住民投票の制度を考えますと、この場合の、住民に対してその投票の趣旨、この法律の精神から、さらにこの法律が制定されました後の住民に及ぼす効果というようなものを周知徹底させるための啓蒙宣伝ということが、相当の役割を果さなければならない事柄だと思います。その事柄につきましては、これは直接住民投票に要する費用というのではなくて、その住民投票を適正に行わせるための費用、こう考えますが、それぞれの市がそれぞれの意味の啓蒙に資するという意味で、ある程度の支出をしておるのではないか、こう考えておるわけであります。その費用が相当のものであろうということもさつき申し上げたのでございますが、それはただちに国費をもつてまかなわなければならない性質のものであるとは考えないのでございます。
○村瀬委員 次に附則三の問題につきまして都市局長がお見えになつておるようでありますから、お伺いしたいと思います。都市計画は元来一定行為の禁止制限によるものと、実際の事業によるものとの二つにわけられますが、この附則の二によりますると、「現に執行中の松江都市計画事業は、」というふうになつておりまして、事業のみを松江国際文化観光都市建設事業とみなすということに一応なつておるような條文になつておるのでありますが、決定したいわゆる計画というものは、これを全部包含せしめることとお考えになるのでありますか。これは初めて出て来た文章ではないと思います。従来の今までいろいろの特別都市建設法案に書かれておるものでありまするが、都市局としてはそれに対してどういうふうなお考えを持つておられるか、承つておきたいと思います。
○八嶋説明員 この法律が施行されるときに、現に執行中の松江都市計画事業は、この法律によつて松江国際文化観光都市建設事業とみなす、こういうことに書いてあるが、計画の問題はどうだ、こういうお話だろうと思います。計画の問題につきましては御承知の通り、従来ともやはり松江市の都市計画というものがございます。ただおそらくわれわれの考え方といたしましては、その計画の中で、特に松江国際文化観光都市計画としてふさわしいようなものが今後また考えられるだろうと思いますが、その際におきましては、新たに松江国際文化観光都市計画といたしまして、都市計画の審議会に付することになるであろうというぐあいに実は考えております。
○内海委員長代理 それでは通告順によりまして、今村忠助君の発言を許します。
○今村(忠)委員 きようは大蔵省関係の方は出ておられませんか。
○内海委員長代理 大蔵省から主計局長の出席を求めましたが、ただいま予算会議の方に出ておられるのでちよつと手放しかねるという回答を得ておりますので、御了承願います。
○今村(忠)委員 それでは建設省から先にお尋ねいたしますが、この他の都市の場合もほとんど内容は同じだと心得ますので、お尋ねするのでありますが、順次各地にかような御計画が出て来る、こう考えますから特にお尋ねしておきたいのです。 第一は「普通財産を讓與することができる。」という第五條の末項の点であります。今までわれわれ建設委員会でかような類似法案を通しておるのでありますが、この普通財産を讓與することができた実例はどんなぐあいになつておるか。これを建設省の方でつまり第六條の「六箇月ごとに、建設大臣にその進行状況を報告しなければならない。」という中でわかるのじやないかと思いますので、われわれがこの問題を決定するまでに、各地の普通財産を讓與したその面積あるいは金額並びにそれをどういうふうに使用したか、つまりいかなる目的にこれを利用したか、こういう点をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。それは松江自体には直接関係はありませんけれども、各地にどういう状況においてこの国際文化観光都市というものが進展しておるかを知りたいのです。それを参考にしてこの問題の結論を出して参りたいと思います。六箇月ごとに建設大臣に進行状況が報告されておると思いますから、それによつて今までの経過をひとつ一覧表を提出していただきたい、こう思うのです。 もう一つは第六條の二にあります「内閣総理大臣は、毎年一回国会に対し、」云々とありますが、この條項も、各文化都市の場合にもあつたかと思いますが、はたして今までにそれに該当して報告して来たものがあるのでありましようか。それをお聞きしたいのです。
○八嶋説明員 普通財産を具体的に讓與いたしたというものは現在のところまだないように伺つております。それから第六條の毎年一回国会に出すという問題は、実は広島、長崎がございます。今度の通常国会に報告をしていただくことになつております。
○今村(忠)委員 これは委員長にお願いしておくのでありますが、この法案をきようだだちに決定するということのないように、決定する前に一度委員だけで懇談したいと思つております。それはどういうことかといいますと、今後まだ相当各地で計画もあるように聞いておりまするし、おそらく出て来るものと思うのです。それぞれやはり地方によつて理由もあり、また強く熱望するところでもあろうと思いますので、われわれ委員としては一体これを無制限に出て来れば何でも法律にしてしまうのかどうかというその態度をきめておきたいと思う。きようでもよろしゆうございますが、済んだあとで委員だけ残つて一度懇談会を開くようにしてもらいたい、こう思うのです。
○内海委員長代理 今村さんにちよつと申し上げておきますが、この法案のお取扱につきまして、前々国会においても御承知の通り、東京首都建設法案を初めとしまして、十四の法案が出ております。当時ちようどこの基本法をつくるべく瀬戸山君が小委員長になつて、この基本法の草案作成に着手いたしましたけれども、遂にその法案をつくるまでに至らないで今日に来ておるものでありますから、今村さんの仰せの通り、よく愼重審議をして通過させたいと考えております。なおこの会が終りましたら懇談会を開いて御意見を承りたいと思います。
○池田(峯)委員 提案者に質問したいと思うのですが、先ほど提案理由の御説明の中で、松江市がいろいろな條件でたいへん恵まれた都市であるという印象を受けたのであります。すなわち風光は明媚であり、歴史的にも文化財が豊富であり、交通が発達しておる。そういう松江市でございますならば、何も国の保護を受けなくても、りつぱに松江市が発展しなければならないはずであるという印象を私は深く受けたのであります。なおそれだけの好條件に恵まれた都市が一体どこにあるだろう。私も提案者の御説明を聞いてまことにうらやましく感じました。そういう松江市がなぜ発展しないのか。観光施設が乏しいといいますけれども、需要があります場合には、その観光施設というものは必ずそれに比例して出て来るものであります。それは日光に行きましても、どこに行きましても、そこに人が集まります場合には、かような観光施設がそれに正比例して出て来るのであります。それほど風光明媚な松江市であるならば、観光施設にしても当然十分にできて来るはずである。これは民間資金をもつて当然生れて来るはずである、それだけ條件に恵まれておるにもかかわらず、なぜ観光施設ができないかというのは、実は松江市だけの特殊な條件で松江市が発展しないのではなくて、日本の都市の一般的な原因として見るべきではなかろうか、こういうふうに考えるのであります。この点に関する提案者の御説明を承りたい。
○山本利壽君 お答えいたします。先ほど来松江市がいかに観光都市として優秀な所であるかということを御説明申しましたが、それはそういう素質を持つておるということでありまして、今日までになぜ松江がそのように知られなかつたかというに、日本の政治がほとんど表日本に集中せられておつた。交通にいたしましても、あの地方としては先ほど申したような状況でありますけれども、山陰線と東海道線、あるいは山陽線と比較いたしましたときに、非常な差異を持つておるのであります。山陰におきましては多数のトンネルを持つておるし、それにまわされておりますところの汽車もお粗末なものであります。これを国家の力によつてますます改良してただきまして——この運動もわれわれは常に念願しておるのでありますけれども、山陰線というものが電化されました場合には、もつと多数の人々をあの地方に誘致することができるとも考えるのであります。観光的な非常な素質を持つておるということに対して、国家が先ほど御依頼いたしましたような力を今後加えていただきますならば、それがほんとうのみがきのかかつた玉となつて、その地方のためにも、国家のためにもお役に立ち得る、かような意味でございます。
○池田(峯)委員 先ほど私は日本全国一般的な特徴と申しましたが、御説明によりましてこれは裏日本の一つの特質というふうに言うべきであろうと思うのであります。すなわち裏日本の都市が表日本の都市よりは産業の発達その他の点においても、政府の施策の上からきわめておろそかにされていたというのが問題であります。そういたしますとあなたたち松江地方の出身議員は、当然裏日本の都市をいかにして表日本の都市と同じように、工業を発展させ、その他農業、電化、経済的な発展の方策を講ずるかということが、まず第一番にやらなければならないことではなかろうか、こういうふうに考えます。少くとも裏日本のそういう特質の上に立つ松江市の発達を阻害する諸原因を取除くことがまず第一番に要請されることではなかろうか。それを何か外国人が観光に来て外貨を落して行けば、それで松江市が発展するというふうに考えることは、これは少しお考えが違うのではなかろうか、こういうふうに考えるのでありますが、この点いかがでございましようか。
○山本利壽君 お答えいたします。土地にはそれぞれ特徴があるのでありまして、工業地帶として非常に発展すべき所もあれば、商業地帶として非常な特徴を有する場所もあるのでありまして、全国至るところが同じような形において発展するものとは考えないのであります。だから山陰におきましても、工業を発展させ、商業を発展させたいという念願に燃えて各府県とも努力しておるのであります。幸い島根県におきましては、ことに松江を中心とした地方においてはこの観光というところに力を入れることがまず第一歩としての開発である、かように考えましてこの点もお願いする次第であります。
○池田(峯)委員 観光施設の発展ということもけつこうでございましよう。しかしながらこれを国際文化観光都市と銘を打つ意味は、主として外国人をここに呼びまして外貨を獲得するということが目的であろうかと存じますが、今までにずいぶんこうした同類の法案が出まして、いずれも外国人のふところを目当にしておる法案であります。京都しかり、別府しかり、熱海しかり、もうたくさんの都市がこうして外国人のふところを目当にしておる。そういたしますと、これはまず今まで十四の法案が出たということでありますから、今度十五番目であります。外国人のふところの十五分の一しか松江市に落ちないのであります。さらに今後続々法案が出て参りますと何十分の一しか松江市に落ちないのです、そういうことでどうして松江市が発展できましようか。要は国民のふところがよくなりまして、われわれ貧乏人階級でも松江市に行つて、風光明媚な松江市に一週間でも逗留してうんと金を落して来るという世の中にならない限り、松江市は発展しないのだとわれわれは考えるのでありますけれども、その点いかがでありましようか。
○山本利壽君 お答えいたします。まことにごもつともでありますけれども、観光地をまわります者が、その法案の通過の順序に一つ一つまわるものとも私は考えないのであります。さらにこの点は、今の金を落すという経済的な問題のみでなく、日本の文化財の保護とか、さらに隠れておる文化財の開発とかいうことも広く日本の文化に貢献することでありますから、この点においても非常に意義があると考えるのであります。外国の人が来て金を落すということもけつこうでありますが、その施設を利用してその地方の者も、あるいは国内の人々も、またこの文化財の恩恵に浴するということも自然あり得ることであります。先ほども申しましたように、戰前においては百万からの人々が松江市に参つておつたのでありますが、この点いろいろ長所があると考えます。ただ一面的な解釈でなしに、この点はお認めを願いたいと思うのであります。
○池田(峯)委員 でありますから、たとえば国民の所得を増加させるような方策を政府がとりますと、これが一部分は松江市に集まつて行くのであります。国民のふところを富ませるような政策さえとれば、これは松江市にも集まるし、熱海にも別府にも集まるのでありますが、これを熱海や別府に與えることによつては国民の所得はゆたかにならないのであります。松江市のある旅客業者やキヤバレー、ダンスホールをやる人はあるいはゆたかになるかもしれませんが、だめなのです。だから問題は、国民の所得をいかに豊富にし、国民のふところをいかに富ませるかということが、まず第一の方向でありまして、それが松江市を発展させ、松江市民を富ませるような結果になつて来るのだ。この原則をお忘れになつては困ると思いますので、それについてあなたにまず根本的な御意見を聞いておるわけであります。
○山本利壽君 それは御説の通りでありますが、両々必要であります。片方国の政治を盛んにして、貧乏人のないように、すべての国民が富むようにするという全体的な政治ということはこれはもちろんでありまして、松江市の観光都市法案を通過させていただいたら、日本の国策はどうでもいいというようなことは提案者として一言も申しておらぬのでありますから、せいぞれその点にもお力をお盡し願いまして観光都市の方も同時にお通しを願いたいと考えるのであります。
○内海委員長代理 ちよつと御相談ですが、他に二人もまだあるのですから、なるべく一般質問にとどめられまして、この会をとじましてから懇談会をやろうというように愼重を期しておるようなわけでありますから、なるべく簡單に御質問願います。
○池田(峯)委員 今までこういう法案がいろいろ出ておりますが、しからば現実にどういうことがこれら法案の施行された後に市民に與えられているかといいますと、たとえば広島平和都声建設法が施行されて、広島市においては平和の広場とその他の施設のために二千戸に及ぶ県営住宅がむりに移転されまして、ここに大きなグランドがつくられる、こういうことが行われております。従つて二千戸が強制移転させられて二千戸の人々はおそるべき苦しみをなめているのであります。あるいはまた横浜などにおきましてもあるいは東京などにおきましても法案は通過しておりますけれども、その後さつぱり何の効果なく災害はますます増加するし、住宅は不足しておりますし、ちつともよくなつておらない。ですからあなた方がこの法案が通過さえすれば、松江市は非常によくなるというようなことをもし地元の人たちにおつしやつているとすれば、それはたいへんな間違いですから、その点松江市の人たちをあまり欺瞞しないようにお願いしておきたいと思います。私の質問はこれで終ります。
○瀬戸山委員 提案者に二、三の点について御質問をいたします。先ほどから問題になつておりますように、この種法案はたくさん出て参りますが、ほとんど内容は大同小異であります。しかしながら先ほど提案者がるる御説明になりましたように、天孫降臨の伝説から今日まで古い都ということに相なつております、さらに個人のことを申して失礼でありますが、私松江市に七年ばかり住まわしていただいたこともありますが、先ほどの御説のようにこのことは十分了解できるのであります。今日まで多くの法律が出ている、その中の京都、奈良、これも古い都であるということで、かような特別法ができたのでありますが、今日十余りのこの種法案の中で、一番京都、奈良と似かよつた意味におけるいわゆる国際文化観光都市建設法案、この第一條に「文化観光資源の維持」云々という規定があります。この前の国会で通過いたしました京都並びに奈良の国際文化観光都市建設法におきましては、その第三條に「文化観光資源又は文化観施設の維持保存のために文化観光保存地区を指定することができる。」という特別な規定が織り込まれておるのであります。私はその法案の立案に一部参画いたしたのでありますが、先ほど御説明のような由緒のある都市には、その規定が必要であるということで特別にさような規定を挿入いたしまして、その法案の実質を生かすという方法をとつたのでありますが、今回出されております秋江市の国際文化観光郡市建設法案にはその規定がないのであります。その点が先ほど古い伝説から説き起されたこの法案を出された理由と、私の考え方から申しますれば齟齬いたしているように思いますので、さような規定を特に削除されたとは言えないのかもしれませんが、前に特別にそういう規定を挿入して、その都市の特色を生かした法律が二つ出ておりますのに、ほとんどそれと軌を一にする松江の法案においてそれを除かれた理由について一応御説明を伺つておきます。
○山本利壽君 お答えいたします。今までに出ております法律の第三條を加えなかつた理由といたしましては、その文化財の保護ということが、建築基準法であるとか、あるいは普通の都市計画法、あるいは県とか市の一般條例によつてこれがなし得ることでありまして、法律の條文としてわざわざ挿入しなくても、その効果はあげ得るという観点から入れなかつたわけであります。
○瀬戸山委員 なるほどこの法律に規定のない部分は、都市計画法によつてやるということになつております。都市計画法の十條には、「都市計画区域内ニ於テハ市街地建築物法ニ依ル地域及地区ノ外土地ノ状況ニ依リ必要ト認ムルトキハ風致又風紀ノ維持ノ為特ニ地区ヲ指定スルコトヲ得」と相なつております。この規定では間に合わないということで、特に先ほど申し上げましたような規定を挿入したと思いますが、ここに資料として出されております、公園、景勝地、史蹟、天然記念物等には相当の処置をして保存をして、この法律の目的を達成すべき実質が備わつておりますので、ただいま御説明のようなことではその目的を達成することはできないのではないかと考えます。單に区域々々の維持というのではなしに、今日まで残された松江の日本の古い歴史的な香りが保護される必要があるというのが先ほど申し上げましたところの趣旨でありますが、それでよいとお考えになりました理由は、ただいまのような御趣旨であるとはちよつと了解に苦しむのでありますが、もう少しつつ込んで御説明願いたいと思います。
○山本利壽君 他の法案の第三條を入れなかつたのは、先ほど申し上げたようなことでその効果をあげ得ると考えたからであります。さらに聞くところによりますと、ああいうふうな文化財保護地区を設けるという條文をはさみますと、その條文をたてにして非常な逆宣伝であるとか、幼年的なことが起つて、この法案の真意を生かすのに非常に困難な面もあると聞きましたので、先ほど申し上げましたような建築基準法とか、普通の都市計画法とか一般條例によつてその実をあげ得るならばさしつかえあるまいと、かように考えた次第であります。
○瀬戸山委員 この法律の根本の精神を生かすための規則をつくると、この法律の目的を達することができないといわれるのはちよつと了解に苦しむのであります。どういうことであるかということを説明願いたいのであります。
○山本利壽君 これは一つ一つ例をあげて実証するわけに行かないのでありますが、個人の所有物であるとか、その他特殊なものの移動を、実際においては移動しないのであるけれども、法をもつてこの文化財は移動することはできないとか、あれこれせられる場合に、その所有者に対して精神的に非常な束縛を與える、そこをねらつて逆宣伝が行われるようなことがあります場合に、非常な困難を感ずるのではないか、あまりれいれいしく、初めから條文の中に掲げることによつて、かえつてそういうことも起り得るのではないかということを聞きましたものですから、省いたまでのことであります。
○瀬戸山委員 この法律が結論的にどうなるかということはこの委員会の審議の経過によつてきまるのでありますが、法律を一つくる以上は單に松江市の希望だけをいれるということにはならないのであります。従つてせつかく法律をつくりますならば、その法律の内容を整備して効果あらしめるということが当委員会といたしましても、また国会の立場から申しても当然でありますので、そういう法律の精神を生かすための特殊規定があると非常にぐあいが悪いというようなことでは相ならないのではないかと思うのであります、しかしそのことについては後の審議に譲りまして、これ以上はお尋ねをいたさないつもりです。こまかくなりますがこの種法案はたびたび出されておりますので、ほかのことは申し上げません。 第五條に国有財産法第二十八條の規定にかかわらず、その事業の執行に要する費用を負担する公共団体、いわゆる松江市に対し、普通財産を讓與することができるとあります。これはすべてのこの種法案に盛られている規定でありますが、実際松江市にはこれに該当する財産にはどういうものがどのくらいあつて、しかもそういうものを讓與することができるかどうかということについて大蔵省と話をされたことがあるか。かりに讓與を希望されているといたしますれば、それをどういうものに使われる計画を持つておられるかお尋ねいたします。
○山本利壽君 ただいまの御質問のことにつきましては、ちようど地元から松江市長がお見えになつておりますから、かわつてその点御説明いたします。
○内海委員長代理 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○内海委員長 速記を始めてください。
○瀬戸山委員 第五條に関係いたします普通国有財産といたして、旧練兵場、旧射撃場など三万坪は間違いじやないかと思います。まあ三万坪としまして、さようなものは私の考えでは現在特殊の事情がなければ農耕地に使用されているのではないかと思つております。それを国との話合いができたならば讓與を受けて、それにハーン記念会館を建てたいというお話でありますが、これはこの法律の目的に適するかもしれません。消防署をつくりたいというようなお話もあるのでありますが、全般的に申し上げると、なるほどこの法律の目的にかなうかもしれませんが、旧練兵場は、現在農耕地に開拓されているのではないかと思いますが、その点はどういうぐあいになつておりますか。
○山本利壽君 お答えいたします。その一部は開拓されているそうでありまして、従つてその讓與を受けます場合には、それとの関係も処理して行かなければならないと思います。
○瀬戸山委員 もう一点でありますが、いつも問題になることでありますが、法案の審議の経過といたしてお尋ねをしておきます。 第二條に、都市計画法第一條に定める都市計画のほかに、いわゆる国際文化観光都市としてふさわしい計画をこれに附加するというのがこの法律の目的であります。そこでこれら法律ができてからもちろんその計画を立て、事業を執行するということになるのでありますが、先ほど提案理由の際にいろいろ御説明になりました自然的條件のほかに、各種の計画が一応予定されておるのでありますが、ここにいただいております松江国際文化観光都市建設事業概要という資料によりますと、これだけできたならば、諸外国からのお客さんを確かに誘致することができると思います。先ほど共産党の池田君から各種の皮肉を申し上げたい気持に相なるのであります。この計画の内容をまずお尋ねしてから申し上げたいのでありますが、時間を省くために簡單にお尋ねしておきます。この計画によりますと、国際文化施設以下六項目にわたつて、きわめて世界的の国際都市ができるという計画が成り立つておる。その経費は総額百十三億余りであります。今日公共事業費がきわめて少いということで心配いたしておる。日本全国荒されておるのでありますが、もちろん計画は立てて、それについて着々実行をいたして行かなければこの法律の真価は発揮できないのであります。單に国会は空文をつくつて喜んでおるという実情が今日のありさまであります。先ほどお話になりました建設大臣に対する六箇月ごとの報告ですから、今日ほとんど参つておらない。六箇月ごとにかような計画が着々と進捗して行くような日本の経済財政の状態ではでございません。そして今日までつくりましたこの種法案に対して、現在二十六年度の予算がまず一銭もつかないという実情であります。それに百十三億幾らの計画が一応予定されておりますが、これは松江市長がこの事業を執行することに相なつておりますので、いかなる考えでかような計画を執行して、大体何年ぐらいしたならば、これに予定されておりますように外客誘致をして日本の経済に寄與する見通しがあるかどうかということをお尋ねしておきます。
○山本利壽君 ここに掲げておりますのは理想案でありまして、でき得ればこれだけのことをいたしたいという目安を立てたのであります。しかもこの多くの事柄を一気にすることはできませんので、大体十箇年ぐらいの計画に考えておるのでありますが、そたもそのときどきによります経費の都合がございますから、一応これを理想案として、でき得る程度において進んで行きたいと考えております。
○瀬戸山委員 十年計画といわれましたが、百十三億を十分の一にしても十一億であります。一箇年で、少くとも十一億の経費を投じて、この十分の一の施設ができるということに相なるのでありますが、先ほども申しましたように、今日までせつかく国会でつくりました法律に対して、理想はよろしいのでありますけれども、これに対して国家の予算は一厘一毛も出さないという実情であります。松江市におりて、少くとも十分の一の一億一千万円、この十分の一の一千百万円でも、この法律の実効をあげるためにそれだけの努力をされるほどの見通しと御覚悟があるのかどうか、地元の方でありますのでおわかりでありましたら御説明願いたいと思います。
○山本利壽君 先ほど申しましたように、この数字は理想案でありまして、国家財政の都合もありますから、その全額を次々に出していただけるということの不可能な場合もあると考えますが、最初に提案理由の説明をいたしましたときに申しましたように、これらの事業はぜひなし遂げるべきであるという意味で、内外人相当の方からいろいろな協力を得ておりまして、今回この法律案が通過いたしましたならば、この点についてアメリカその他の国にも呼びかけまして、できるだけの募金をいたしたいと考えております。はたしてそれがどの程度集まる予定だというようなことは、ただいま申し上げる段階に達してないのであります。
○瀬戸山委員 終ります。
○内海委員長代理 西村委員。
○西村(英)委員 簡單に二、三お尋ねしておきます。まず第一に都市局長にお尋ねいたしますが。この種法案が大分次々と出るのみで、みなはなはだ危惧の念を持つて、何だか一般法でもつくつて、立法上うまい方法をとりたいというふうな考えを持つておるのであります。しかし目的とするところはいずれも非常にけつこうな法律でありまするが、ただ今までも質問が出ましたように、その重点は事業の援助がはたしてできるかどうかということにあると思うのであります。それで第一番に聞きたいことは、この種の特別法の先駆をなしました広島長崎の事業に対して、今年度は二億七千万円の援助と申しますか、事業の助成をいたしておるのでありますが、これがまた聞くところによりますと、来年も二億七千万円という援助を広島、長崎に対してやるということでありまするが、この計画はいつごろまでに終るのか、ずつとはてしなく続くのかどうかということが第一点。 それから第二点は、その他の法案——その他の法案と申しますけれども、首都法案と旧軍港の転換法と、これは目的が多少違います。他の法案はいずれも観光を主体にした法案でありまするが、観光を目的として他の都市に対しまする事業の援助は将来どういうふうにやつて行かれるか、またその都市の希望に応じられる程度をどういうふうにお考えになつておるかということをまずお聞きしたい。
○八嶋説明員 広島、長崎の問題につきましてまずお答え申し上げたいと思います。今年度の予算は、今お話のありましたように二億七千万円という数字が出ておるのであります。この中には御承知の通りに戰災復興の方の費用も実は多量に含まれておるのでございます。来年度の予算につきましては目下政府部内におきましていろいろ審議をいたしておりますので、どの程度に決定をいたしまするか、今のところまだはつきりした数字を申し上げることは私の立場としてはできないのであります。何年計画でこれが終るかというお話でございますが、実は戰災復興につきましては昨年再検討いたしまして、これを五箇年間において何とか解決をつけたいという覚悟を実は持つておるのであります。ぜひとも私どもといたしましては、戰災復興は広島、長崎におきましても五箇年の間には何とか解決をつけて行きたいという気持を持つておるのでございます。その他いろいろ国際文化都市であるとか、平和記念都市であるとかいうようなことの点につきましては、これは国の財政並びに地方の財政と相談しなければならないことになつておりますので、私どもとしてはいろいろ大きな計画を持たれることはけつこうとは思うけれども、しかし必要なものから着々手をつけて行くことが必要ではなかろうかということで、とりあえず五箇年計画ぐらいのところでしつかりしたものをつくつた方がいいじやないかというふうに実は慫慂いたしておるような次第であります。しかし五箇年間ですべてのものが完成するのではございません。まだまだ将来に残して行かなければならない問題は相当にございます。少くも五箇年間において、大体地方の財政を中心に考えて、どの程度のものができるかという案を出していただきたいということで、作成方を命じておるのでございます。両都市におきましてもそれぞれ專門家等の知識を借りられて、目下その研究調査を進めつつあるような次第でございます。 その他の都市の問題につきましてはどうかというお話でございますが、実は来年度予算もまだきまりませんので、この機会において私から幾ら出るかということを申し上げることはできないのでございます。ただほかの都市につきましては、目下の折衝の状況におきましては、特別のわくは認めることができないような情勢に相なつておるのでございます。従いましてただその都市の中で、幹線街路を整備するとか、あるいは水路事業といつたようなものがございますれば、今度きめられまする予算の範囲内におきまして、その重要性を考えて、できるものはいたして行きたいと考えしおる次第であります。
○西村(英)委員 長崎、広島の方は五箇年計画でやるということはわかりましたが、その他の都市の場合につきましては、もちろんこの法案がなくとも、都市計画に基いて若干の金が、あるいは事業の援助があるわけでありますが、この法案をやりますために特別に考慮ができるかどうか、まだ来年度の予算がきまらぬと申しまするけれども、この法案が出てこの法案を尊重してやれば、当然特別な援助をしなければならぬ。それはあとう限りということでありますけれども、その点について正直なところ、都市局長ははたしてどの辺までこの法律のあることを意義づけることができるかお伺いしたい。
○八嶋説明員 私どもの気持といたしましては、こうして国会が通りまする場合におきましては、法律のもとにありまする行政官としてはできるだけの援助はして行かなければならぬということは、そこに書いてありまする通りにできるだけの努力は拂いますけれども、しかし何としても今日においては国家財政をそう多く要求することはできません。私の方の予算としても実は非常に僅少でございます。いつも国会においても議論される問題でありますが、都市局といたしましては、あくまでも戰災復興については重点を置いて行きたい、これは何と申し上げても動かすべからざる信念として私は考えております。従つて戰災復興以外の費用としてどの程度認めていただけるか、そのことによつて考えて行かなければならぬと思います。その意味においては努力は拂つておりまするけれども、国家財政多端の折でございますので、そう十分の金がすぐつくというふうには、今のところ見通しはできなかろうと考えております。
○西村(英)委員 もう一点お伺いいたします。この種の法案が続々と出て來ました場合に、行政上あなたの方でお困りになるようなことはございませんか。
○八嶋説明員 私どもはこの法律はただ單に、国の援助を求めるというだけの問題を中心にして取上げておられる問題ではなかろうと思うのであります。先ほど松江国際文化観光都市の問題について提案者から御説明がありましたごとく、広く松江を国際文化観光都市として世界に宣伝したいというので、いわゆるこの都市の性格を世界に明らかにすることが非常に大きなねらいになるのではなかろうか、それによつて観光客を誘致して行きたいということが根本的なねらいではなかろうか。さらにこうした一つの性格のもとに、市民が全部協力して行くという精神的な気持、盛り上る気持をこの法律の中から読みとらなければならぬじやないかと私どもは考えておりますので、單に国庫補助の問題としては考えていないのでございます。国庫補助の問題につきましては、先ほど申しましたように、国家財政の許す限りにおいて、しかも私どもに與えられた予算の範囲内においては、緩急の順序はあくまでも戰災復興を中心にして考えて行く、余裕がある場合においては、この法律の精神をできるだけ尊重して行きたいという程度に考えておるのでございます。予算がないものは出せとおつしやつてもこれは出し得ないというのが現状でございます。
○西村(英)委員 提案者にお尋ねしますが、この松江市の法案で私が特に感じますることは、さつき提案者がるる松江市の非常に風光明婿なところを御説明になりましたが、松江市は松江市のみでなしに、その背後をもつて有名であろうと思います。従つてこの法案は、松江市の観光都市ということでなしに、松江地区の観光都市ということに改める御意思はありませんか。法案と実際とがはなはだ違つておる。松江市のみをいかにつつついてみてもしようがないと私は考えます。
○山本利壽君 御説ごもつともでございまして、松江市を中心とみて出雲各地全部がこの観光地であります。外国の例においても御存じでありましようが、日本ではとかく公園とかいろいろ申しましても規模が小さい。だんだん交通機関の発達につれて、昔は徒歩でやり、あるいはかご、馬でやつたのを、現在では自動車、汽車の時代になりましたから相当広い範囲にわたつて考えなければならぬことでありますけれども、今回提案いたしました法案は、松江を中心として重点にしていただき、さらにその周囲の点におきましては、地方自治団体その他において、十分松江市にマツチするように努力して行きたいと思います。この点は全部を含めますと、さらにその費用が非常に増額いたしますから、この法案としては松江として出したわけであります。
○西村(英)委員 私の考えでは、国土総合開発の計画にも取上げられて、それで一地区ではなしに、やはり総合的にすべての地区を考えて観光というものが成立つ以上は、松江市はことにその範囲を広くしたことによつて観光地区としての値打があるのであるから、国土総合開発の点から見ても、松江地区としての観光都市として考えることが適当であろう、こう考えるのでありますが、あえて御答弁はいりません。
○内海委員長代理 本案に関しましては本日の質疑はこの程度にいたしまして、さらに散会後懇談会で今後の運営について御相談申し上げたいと思います。 なおこの部屋は午後一時から法務委員会で使うことになつておりますから、本日はこの程度といたし、次会の日程は公報をもつてお知らせいたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十一分散会