経済安定委員会 第7号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/12/08
会議録
○圖司委員長 これより会議を開きます。 ただいまより外資とタバコ民営問題を議題とし、臨時專賣制度協議会におけるタバコ民営論について、同協議会の審議の経過に関し、日本專売公社監理官の久米武文君の説明を聽取いたします。久米武文君。
○久米政府委員 臨時專売制度協議会の設置以来、今日までにおけるまでの経過の概要について御説明申し上げます。 昨年の七月十二日の閣議了解に基きまして、臨時專売制度協議会が設置せられたのであります。皆さん御承知のところではございますが、閣議了解の内容は、大蔵大臣の諮問に応じ、專売事業の運営方式等について調査審議させるため、大蔵省に臨時專売制度協議会を設置するということに相なつております。協議会の構成については、会長一人及びその他の若干人の構成員をもつて組織する。会長は大蔵大臣が構成員の中から指名する。構成員は大蔵大臣が学識経験のある者のうちより委嘱するということに相なつておりまして、この閣議了解に基きまして、最初の協議会が昨年の八月一日に開かれたわけでございます。お手元に配付いたしました資料に従来の協議会及びその小委員会の経過が、表としてお配りしてございます。ただいま申しました通り、この協議会は大蔵大臣の諮問機関たる性格をもつて設置せられたものでございます。お手元の表をごらんになればおわかりになります、第一回会議の開催以来今日まで、協議会と小委員会とを合せまして、十四回の会議を開いております。協議会といたしましては第四回までは、おおむね現行專売制度の検討、各国の專売制度との比較、研究をいたしまして、第五回に入りまして專売事業の民営に関し問題となる点の検討に移つております。これをその後小委員会に移しまして、タバコ事業を民営にした場合、最も妥当と思われる形態というものを一つ想定いたしまして、一案を作成し、以後この小委員会の案を基礎として、民営の可否について、協議会においてただいま検討中という段階でございます。
○圖司委員長 次に專売公社総裁秋山孝之輔君より説明を聽取いたします。秋山説明員。
○秋山説明員 タバコ民営というこの問題は、まことに重要な問題でありまして、私も昨年六日就任後早々、ただいま久米監理官から御説明のような、特別協議会の委員に選ばれた一人でありますが、当時私はまつたく俗に申すしろうとでありまして、タバコのことについて深い知識もないということから相当考慮をいたしましたが、やはり責任上お受けすることがよかろうということで、委員を受諾いたしたのでありまして、実は可否についてはつきりした意見を申し述べる知識も経験も、まだ持たないのであります。爾来今日に至るまでいろいろ考えておりますけれども、私の一年有半にわたる実際の経験から申しますれば、ただいままだいずれがよろしいという結論も、遺憾ながら出ておらないのであります。実際の現業に携わりますと、原料から製品、販売に至るまでの間には、いろいろな事情及び條件もありまして、いまだにいずれが国家のためによろしいかという結論を、実は遺憾ながら得ておらないのであります。たとえば一例を申しますれば、民営にいたしますと相当な資金を要する、この獲得にどういう手だてを見つけるか、この委員会で問題になつております外資というものも考慮しなければならない。外資という段になりますれば、資本は非常に臆病なものになつて、なかなか簡單に、いかにアメリカの豊富なる資本といえども無條件では入つて来ない。これは外資を御研究になつている当委員会の委員の諸君も御存じの通り、資本に対してどういう態度をとるか、仕事の先行きはどうであるか、あるいは国際情勢から見て、日本に投資するのがよろしいかどうか、そういうふうな問題が多々あるのでありまして、私今日まで数人の外国人に非公式に会つたときの説を聞きましても、さように簡單には入つて来ない、そういうようなことを私は聞いているのであります。 なおこの專売に対する原料、製作、これは單に営利事業の原料製作として考えるわけにはいかない。原料関係者としては、五十万の栽培者関係人を持つ農村に、非常なる経済的の重みを持つているのでありますから、こういう点においても過去の民営から官営に移つた当時の事情をいろいろ研究して見ますのに、この点なども、相当なる複雑したる事情があつたのでありまして、これを一気に解決することも困難であります。そこで反対に民営の方がよかろうかと思うような説には、たとえば会計制度、経営の制度、こういう問題について私も悩んでいる点もありますけれども、これらは民営になればたちどころに解決する問題もあります。また能率の増進の方面においても、必ずしも現状がよろしいということはいわれない点もありまして、私はさような点においていろいろ考えているのでありますけれども、まだいずれがよろしいという結論を申し上げる域に達しておらない。大体参考の意見と申しましても、あとは数学的の事務上の御報告を申し上げる程度でありますから、御希望がございますれば、数字的に御説明申し上げることができると思います。
○圖司委員長 次にタバコ耕作組合中央会副会長田中大藏君より説明を聽取いたします。
○田中参考人 私はタバコ産地の状態について御説明申し上げたいと思います。タバコ事業が民営になつた場合に、わが国のタバコ産地はどうなるかということを考えますと、まず第一に、わが国の昔からある在来種でありますが、これが全国各地に耕作されております。しかもその産地がおおむね山岳地帶にありまして、非常に古い歴史を持つておつて、その地方々々において、それぞれ非常に重要な役割を持つているのであります。しかもその地方の他の農作物等の間に、非常な密接な関係を持つて、うまいぐあいに輪作体系が成り立つているのであります。タバコの産地に参りますと、そこに必ず一つのタバコを主軸とした農業体系ができているのであります。かような状態にあるために、そういう地方では、タバコが現金収入として非常な大事な作物として、これに非常な執着を持つている。またさような地方に限りまして、たいていは土壌の上に欠くるところがあつて、他の農作物ばかりでは立つて行けない、そこにタバコを織り込んで初めて農家経済が成立するという実情になつております。ところが不幸にしてこういう山地におきますいわゆる在来種というものは、今日のタバコの需要関係から申しますと、必ずしもこれが歓迎されておらないのでありまして、そういうふうに歓迎されておらない種類のタバコが、万一民営になつた場合には、必ず圧迫をこうむる、あるいは自然淘汰が行われまして、反別が減少せざるを得ない状態に陷るのであります。現在專売事業のもとにおきましては、全国一本になつて原料調査を行いますために、さような種類でも、ただいま総裁から申されましたように、何とかこなして、農村をあまりいじめないでやつて行つているのでありますが、これが民営になるとそうは参らないのでありまして、産地の受ける脅威は絶大なものがあると存ずるのであります。 次に民営となりますと、どうしても製品タバコの品質の向上ということが、競爭されると思うのでありますが、その結果勢い外国タバコの輸入が考えられるのであります。しかもただいまの状態におきましては、必ずしも輸入は簡單に参らないと思うのでありますが、年が経つに従いまして、またいろいろの手段を講じまして、外国タバコの輸入をやることになりますと、相当大量輸入されるような結果が招来すると思うのであります。そうしますとわが国のタバコ産業は、今日の状態では、專売事業のもとに需要供給の均衡が保たれているのでありますが、その均衡が破れ、外国タバコの圧迫を受けて、日本のタバコ産地が、全体的に反別が減少せざるを得ない、こういう結果になるのでありまして、これまたわが国のタバコ産地としては耐えられない苦痛の一つであります。また他の一面におきましては、そういうようになる結果、葉タバコの価格というものが、会社の思惑により、あるいは仲買人の思惑等によつて、相当低下するということが考えられるのであります。これもタバコ産地にとつては非常な脅威であります。他の作物に転換し得ない、そういう零細農家といたしましては、まことに痛烈なる打撃であると思うのであります。なお今日の專売事業のもとにおきましては、タバコ耕作者は補償制度のもとに保護を受けておるのでありますが、これが撤廃される結果、これまた耕作者に相当な打撃を及ぼすのであります。なおまた今日專売制度のもとに、わが国の葉タバコの品質の改善ということに、全国各産地一致協力して努力をいたしておるのでありますが、だんだん曙光を見つつある現状であります。ことに両切りの原料であります黄色種葉タバコは、約五十年の歴史を経て、今日ようやくどうにか一人前のところまでこぎ着けて参つたのであります。かように葉タバコの産地が非常に努力いたして品質を改善して参つたものが、万一民営にもなりますれば、そこに必ず品質の低下が伴う、あるいは品質の向上しておつたものが停頓するというような現象が現われると思うのであります。これまたわが国のタバコ産地にとりまして、マイナスになるとも決してプラスにならないと思うのであります。かような観点から考えまして、私どもタバコ産地の者といたしましては、民営にならざることをひたすら希望いたしておる次第であります。大体以上の通りであります。
○圖司委員長 以上の説明に対し質疑があればこれを許します。森山君。
○森山委員 タバコの民営問題がわれわれの耳に入りましたのは昨年のことであつたのでありますが、伝えられるところによりますと、それより先、すなわち昭和二十二年十月BAT販売部門主席テレル氏が、日本を訪れまして、共同通信の松方重役を通じて、外国為替管理委員の木内氏と会談し、木内氏はただちにテレル氏談と称して「タバコ事業を解放する」というパンフレツトを発表したのであります。その後一昨年、すなわち二十三年十二月クリスチヤン氏が日本を訪れまして、吉田茂、池田勇人、木内信胤の各氏と会談し、長崎美造氏、永田清氏、原安三郎氏をして、民営の調査活動を開始させたと伝えられておるのであります。ところで国会において公式に吉田総理として発言されましたのは、昨年の四月二十二日、参議院の内閣委員会の席上、初めてタバコ事業を民営にしたい、そして外資を導入したいということを発言されましたことが速記録に載つておるわけでございます。そうしてその後先ほど久米監理官から話がありました通り、七月の終りに臨時專売制度協議会なるものを設け、昨年八月四日読売新聞によりますれば、吉田総理大臣は、外務大臣官邸において増田官房長官、郡官房副長官及び木村民自党副幹事長に対し、次のような指示を与えたというふうに伝えられております。タバコの民営事業移管問題については、タバコ臨時專売制度協議会で、民営具体案のすみやかなる作成方を行うべきである。できれば今秋——昨秋のことでありますが——の臨時国会には、これに関する法案が提出されるよう準備されたいとのことでありました。臨時專売制度協議会の審議の実情につきましては、私どもが国会たばこの会の一員といたしましても、その経過を伺おうとしまして、大蔵大臣官邸に参つたのでありますが何ら詳細な御説明を、その当時には伺うことができなかつたというような状況であつたのであります。その後民営問題については国会においてはもとよりのこと、国会外におきましても非常な反対運動が猛然と巻き起りまして、その間参議院議員選挙等がありましたせいか、ともかくこの種の民営の動きは、一時下火になつておつたのであります。その参議院選挙が終了しました今日、突如として十一月十一日付の東京新聞に「タバコ、塩民営へ」という、社会面の一番上段に大見出しをもつて、この報道が伝えられたのであります。そうして今国会におきましても、十一月の三十日に、わが党の中曽根康弘君の吉田総理に対する予算委員会における質疑において、吉田総理は明確に、タバコは民営に移したい方針である、そうしてその具体的な問題については、臨時專売制度協議会の答申案によつて検討したいという答弁があつたのであります。これが大体われわれが了承しておりますところの民営論の実態であります。 ところで私は本委員会がタバコ民営問題を取上げるに際し、その管轄の点について、さきに委員長から多少の疑義あるやのお話があつたのでありますが、思うにこの問題は、本委員会の主要業務の一つである外資の問題の一翼として触れられ、そうして外資導入ということになれば、一応民営ということが前提になり、しかも民営ということは企業形態の問題でありますから、本委員会はまた総合政策を対象といたします関係上、これは企業形態の問題としても取扱う、二重の意味において本委員会としては取上げなければならない問題であると私は信じておるのであります。しかしながらこの問題はきわめて重要な問題でありまして、われわれは本委員会においては民営賛成、あるいは反対、いずれかの立場を一まず離れて、現在行われております民営論を、いま一歩真劍に突き詰めて考える機会を本日は得たい、というふうに私は考えておるわけであります。 そこで私は質疑の第一として伺いたいことは、臨時專売制度協議会の経過については、先ほど久米監理官から一通りのきわめて機械的な御説明をお伺いいたしたのであります。そうして本日いただきました資料によりますと、第九回協議会が昨年十月三十一日に終つて、その後はやつておられないのではないかと思うのでありますが、ともかく昨年十月三十一日以降の状況については何ら書いてない。それが卒然としてもう一年もたつた昭和二十五年の十一月三十日の予算委員会で、その答申案の結果によつて検討したいという総理の御言明があつたのでありますが、一体そういう答申案は、もうおできになつておるのかどうか、あらためて久米監理官にお伺いしたい。実は久米監理官にお伺いするのは不適当なのでありまして、むしろ大蔵大臣あるいは政務次官から、責任ある御答弁を私は要求したいと思います。
○久米政府委員 お答えいたします。大蔵大臣及び大蔵次官は、ただいま両院の大蔵委員会に出席して、法案の質疑の答弁に当つておると了承いたしております。大臣もこの席へ出たいという希望は十分持つておるのでございますが、あちらの委員会の関係で出られなくて非常に残念だ、先ほど大臣ともお目にかかりまして、いろいろこの席の答弁についてお打合せをいたしたのでありますが、こういうことでございますから、この点は御了承願いたいと思います。 次にお手元に配付いたしました資料で、十月三十一日第九回の協議会があつた、そのあと何も書いてないじやないか、協議会はどうしておるのだというお話かと存じますが、この点につきましては協議会の会長及び構成各委員の方々に、それぞれ御検討願つていろいろ御勉強の最中だと存じます。協議会としてただいまのところ、民営がいいのか、現在のような專売がいいのかということについては、まだ結論を得ないという状況でございます。
○森山委員 私非常にふしぎに思いますのは、臨時專売制度協議会が、昨年八月において五回会合をやつております。それから九月においては小委員会を五回やつておる。そうして十月においては協議会を四回やつておるのであります。おそらくそこに何らかの結論ができておらなければならぬ。しかもそれから以後今日まで一年間、各委員が愼重御検討中とのことである。しかし協議会としては何らの御活躍はないと思のでありますが、一体これはどういうわけかということをお伺いしたい。
○久米政府委員 民営の可否は、協議会において検討いたすことになつております。小委員会はこの協議会が検討いたします場合の資料を準備するという趣旨のものでございます。お手元に資料としまして「民営説及び国営説の論拠(臨時專売制度協議会小委員会報告による。)」というものを配付してございます。これは協議会が、民営説の可否を検討するための資料を用意いたしたものでございまして、その小委員会におきまして民営説、国営説双方の主要なる論拠はこういう点だということを、大蔵省として拔き書きいたしまして、ここへ提出しておるのでございます。論点はおおむねここに出ておるかと思いますが、これに基きまするいよいよ結論の段階につきましては、第六回、第七回、第八回、第九回と四回やつております。その後まだ結論を得る段階になつていないということで御了承願いたいと思います。
○森山委員 どうも監理官の説明はよくわからないのでありますが、私は十月三十一日に第九回の協議会を開いて、その後一年間、一体この協議会は何をしておつたかということを伺いたい。生きておるのか死んでおるのか、それから何ゆえに一体そういう現象が起きたのであるかということを、もう少しはつきりいつていただきたいと思います。
○久米政府委員 臨時專売制度協議会は、皆様御承知の通り、まさに生きております。
○森山委員 私も十一月三十日の吉田総理の発言からいたしますれば、これは生きていなければならぬと思うのでありますが、いただいた表によると、昨年十月三十一日以来姿が見えない、声も聞えない、であるからその実体は、形式上は生きておつても、実質上はどうなつておるのか、どういう活動をしておるかということを伺いたいと私は言つておる。ただ委員が頭の中で考えておる、協議会はそういうものであるべきではないと思うが、それについて伺いたい。
○久米政府委員 正式の協議会といたしましては、第九回の会合以来開いておりません。但し各委員はこの問題が非常に重大な問題でありまして、各種の観点から、愼重に検討しなければならないということで、それぞれ御検討になるとともに、いろいろ委員の間で、非公式のお打合せ等が進められておると思います。適当なる機会に第十回の委員会が開かれる、そういうふうに御了承願いたいと思います。
○森山委員 どうも了承できないのでありますが、先般私が読みました昨年八月四日の読売新聞によれば、昨年今ごろからの通常国会に提出するように促進せよという総理の言明が、その時すでにもう伝えられておる。その線に沿つて、おそらく十月の三十一日まで御検討になつたのだと思うのです。それが何ゆえに通常国会に提出されないか、そうして一年間も考えておられるのか。いかにも気が長い話じやないか。監理官のお答えは正当であるかどうか、私は非常に疑わしいと考えておりますが、いかがでございましようか。
○久米政府委員 いろいろ御疑問の点、あるいは御意見もおありになると思いまするが、大蔵省といたしましては、ただいま協議会の第十回の会合が開かれるいろいろ準備の段階で、委員会において非公式のお話合いが進められておる、そういうふうに了承いたしております。決して委員の方が怠慢でサボつておるわけでも何でもないわけでございまして、一生懸命協議会の結論を得たいと努力されておる。ただ一面からすれば、残念ながらまだ第十回の協議会を開く段階に至つてないのではないかと思つております。
○森山委員 最後に、一応その問題については、こういう新聞記事があつたことを思い起します。すなわち昭和二十五年十一月十一日の東京新聞によれば、「関西から帰つた吉田首相は、十日朝外相官邸で根本自由党政調会長に対し、煙草、電話の民営を具体化するよう意見を述べたので、自由党政調会では、ただちにこれに応じて検討を開始、近く政府に連絡して、現在の審議会の改組、新たな構想で煙草民営に邁進する意向である」こういう報道が伝えられておるのであります。事の真偽は存じませんが、あなたの先ほどお話になられた協議会の問題と、ほとんど符牒を合せた御回答である、こういうふうに私は了承しておきます。 それでは次の質疑応答に入ります。本委員会の主たる議題の一である外資導入に入ります前に、その前提として民営ということが私は問題になると思います。現在の公社制度あるいは前からありました專質局による官営というものでは、外資導入ということは一応は考えられません。そこでまず外資導入の前提としての民営、その民営なるものは、もとより自由主義的見解から、民間企業がいいという一つのきわめてイデオロギー的な立場、いま一つは安くてよいタバコがのめるという、きわめて俗耳に入りやすい通俗論、この二つの上にこの論議は成り立つておると私は思うのでありますが、われわれは安くてうまいタバコをのめるならば、必ずしも民営問題に対して疑念を持たないのでありますが、果してうまくて安いタバコがのめるかどうかを検討する前に、まず民営ということについて、いかなる形の民営をお考えになつておられるのかということを伺いたいと思います。
○久米政府委員 民営の形態につきましては、臨時專売制度協議会の小委員会におきましても、案としては一つございます。しかし政府としてはただいまのところ、この協議会の結論を待つているという段階でございまして、また政府としていかなる形の民営がいいかというふうなことについては申し上げることは適当でないと思います。
○森山委員 政府として最後の案について今はお答えできないと思う。特にあなたのお立場においてはできないと思いますけれども、考えられ得る形態ということについて一通り御説明を願いたい。特に協議会において考えられました幾つかの案がおありになると思う。それを伺いたい。
○久米政府委員 小委員会におきまして検討されました民営の一つの案と申しますのは、いわゆる葉タバコの耕作、葉をつくりますまでの段階には專売制度を維持して行く。それからあとその葉を原料として製品タバコをつくり、これを販売するという段階を、幾つかの会社による民営にする。大体そういうふうな方式のものであつたように記憶いたしております。
○森山委員 それでは要するに耕作だけは従来の形をとつて、そうして製造販売過程を民営にする、こういう案と了承してよろしうございますか。
○久米政府委員 ただいまおつしやいました通りでございます。小委員会の研究いたしました協議会に提出しました案は、そういうことでございます。協議会としてはこれをさらに検討しなければならないという段階になつております。
○森山委員 そのほかの形態はいろいろお考えになつておることと思いますが、最後の小委員会の結論がそこに達したといたしますと、たしか明治三十一年ごろから完全專売に入るまでの期間、日本においてすでに数年間実験したその形態をとろうというわけでございますか。
○久米政府委員 大体ただいまお述べになつた通りに思います。
○森山委員 それではお聞きしたいのであります。何ゆえに明治三十一年から数年間行つた葉タバコのみの專売が完全專売に移らねばならなかつたかという当時の実情について、ひとつ御説明願いたいと思います。
○久米政府委員 明治のことをお話があつたのでありまするが、当時の状況を見ますと、非常に脱税が多かつたということが一つあると思います。それから今回民営の問題について、小委員会で検討しました案におきましては、会社の数がそう多いものではないことを想定しております。多くとも十社以内という程度の少い会社を考えております。明治とは少し違うかと思います。
○森山委員 葉タバコのみの專売制度から、完全專売に移つた日本の專売の歴史に対する御研究を、もう少ししてもらいたいと私は思いますが、ひとまずその話はそれだけにいたします。 次に私がお伺いしたいのは、吉田さんもよく言われることでありますが、民営によると安くてうまいタバコを吸うことができるそうであります。一体民営にして安価なタバコができるかどうかということを、ひとつこの際検討してみたい。その意味で私まずお伺いいたしたいことは、昭和二十五年度におきまするところのタバコ益金は、補正予算についても、国家の総歳入の一七%近いわけであります。昭和二十六年度の予算については、これは補正予算と関連して、もうおよそおきまりのことと思うので、一体どの程度の專売益金を御予定になつておるのか伺いたい。
○久米政府委員 二十六年度の予算につきましては、まだ国会に御提出になつておらないと思うのでございますが、二十六年度の專売益金は、大体千百二、三十億程度と考えております。
○森山委員 それではタバコの原価は一体どのくらいになるのであるかということを、ひとつお伺いいたしたい。
○内藤説明員 ただいま手元に持つて参りましたのは、二十五年度の製造タバコについての予算に基く数字でございますが、ちようど総計がついておりませんので、光をとつて御説明申し上げます一光はいろいろな製造の工賃、あるいはそれに付加しまする材料、なおさらにその中心になりまする葉タバコ等も入れまして、それから販売に要する経費、その他を全部含めまして予算からはじきました数字は、十本当りで六円二十九銭になつております。
○森山委員 その中で葉タバコの原価は幾らになつておりますかり
○内藤説明員 葉タバコは三円九十二銭程度になつております。
○森山委員 小売人のマージンは幾らになつておりますか。
○内藤説明員 小売人のマージンは、このほかになつております。売値の六%ということでありますから、光が十本四十円でございますので、二円四十銭ということになつております。
○森山委員 そうすると伝えられるところによりますと、これはすでに衆議院か参議院かにおいても、大蔵大臣かどなたかお話になつたことと思います。来年はタバコを値下げするそうでありますが、大体光でありますと幾らくらいにする御予定でありますか。
○久米政府委員 来年の四月以降、ピース及び、光を、それぞれ十円値下げをすることに考えておりますが、このことは多分予算委員会であつたかと思いますが、御質問に対して大蔵大臣から答弁せられております。
○森山委員 そこで私今までの御答弁で感ずるのでありますが、光の原価が六円二十九銭、それからそのうち葉タバコの費用が三円九十二銭、約四円であります。そういたしますとその残りの約二円三、四十銭というのが、製造とかいろいろな経費になつておると思うのであります。そうしますとその売価が昨年なら五十円、今年度四十円、来年度でも三十円、葉タバコの一切の製造経費がまるまるただであるという極端な勘定からいたしましても、節約になります金は、わずか二円数十銭しかない。一体民営にしてどれだけ安いタバコが吸えるかということを、ひとつ政府側から御説明を願いたい。
○久米政府委員 民営にしてどれだけ安いタバコが吸えるかという御質問につきましては、その民営になりました会社が、どんなふうなコスト計算になるのか、私各種の條件を想定することは、ちよつとこの席で困難でございますので、その点はお答えいたしかねるのであります。
○森山委員 これは監理官異なことを承る。私がお伺いしたいのは、光の原価が六円二十九銭である。そしてわれわれが今年は四十円で買う、来年は三十円で買うといたしまするならば、その差額の大部分というものは、消費税にあたるところの專売益金になつておるわけであります。ですから民営になるとすれば、世上伝えるところによると、非常に能率がよくなるというお話なので、経費が一体どのくらい節減できるかということを、私は今数字によつて検討いたしたわけです。それによりますと、六円二十九銭のうち三円九十二銭は葉タバコの費用だから、残るところの額は二円三、四十銭しかないのです。あらゆる能率をあげてもこれ以上節約することはできないと思うのです。それで一体民営になつたら安いタバコが吸えるのかということをお伺いしたい。従つてこれは今日の財政状態が背景になつておる。それから今後数年間における日本の財政状態が、タバコや酒に依存しなくてもいいほどになるのかという大きな見通しにもかかつておると思うのですが、監理官、それほど御楽観になつておらないと思う。
○久米政府委員 ただいまの財政上の專売益金の地位について御説明がありましたので、その点について答えいたしますが、二十五年度の補正予算におきましても、また近く提出されまする二十六年度の予算におきましても、同様であろうと思いますし、今後当分の間、專売益金が、あるいは民営になりました場合には、それにかわる消費税というものに、相当大きな期待をかけなければならないというわが国の財政の状態であるということにつきましては、おそらく大多数の皆様が異論のないところだろうと考えております。先ほどの光の原価六円二十九銭中、葉タバコ三円九十二銭、従つて差引いて製造関係の経費がかりにゼロになつても、そこで出て来る差額は二円三十五銭程度であろうという御議論に対しましては、まさにその通りであろうと考えます。
○森山委員 では私は監理官にお伺いいたしたいのでございますが、そういたしますと、今後のわが国の財政が、タバコに期待しなければならないことは非常に大きいというこの事実、そしてその額はきわめて巨額である。しかも葉タバコの原料費を除いたところの経費は、消費者の最終価格に対しては、きわめてわずかなものであるということは判明いたしました。そうするといかなる経営形態にいたしましても、すなわち民営にしても、安いタバコは吸えないということだけは間違いないわけでございます。
○久米政府委員 ただいまの御説のような理論構成をとりますならば、まさにその通りでございます。
○森山委員 私安いタバコがすえるかというこの問題は、ひとまずこれで終ろうと思いましたが、ただいまの監理官の御発言については私は異議がござ います。従つてもう一度お尋ねしたい。私のような理論構成をとればというお話でございますが、私のような理論構成以外の理論構成をひとつお伺いいたしたい。
○久米政府委員 製造費がゼロであればという一つの仮定をお用いになりましたから、そういうふうな仮定に立つて議論を進めれば御説の通りでございます。そう申し上げたのでございます。
○森山委員 これに関連して私は最近アメリカからお帰りになつた坂元製造部長に、アメリカでは一体タバコの原価に対して、どの程度の売価で売つておるのかということをお伺いしたい。
○坂元説明員 アメリカの製造原価内容につきまて御説明申し上げます。大ざつぱな数字でお話申し上げたいと思います。かりに葉タバコを一といたします。そういたしますと国税と州税とがかかりますが、大体葉タバコの値段の倍くらいの税金がかかる。それから自由企業でありますから、葉タバコ業者、製造業者、販売業者とさまざまな企業の形態をとつておりますが、そのマージンが三で、合計葉タバコのコストに対しまして約六倍の値段で売られております。
○森山委員 日本ではどういう状況でございますか。
○坂元説明員 日本につきまして同じような指数をお話し申し上げますと、二十五年度の当初予算におきましては、製造に使います葉タバコが約百五十億円であります。これを一といたしますと、專売公社の経費が、少し原価計算の経費が値上げになつておりますので、やはり一であります。少売のマージンが大よそ〇・六になりますのでそれが加わりまして、税が当初予算におきましては千二百億円でありますから、八になります。一〇・六で販売されております。
○森山委員 もうちよつとお伺いしたいのですが、そのアメリカの場合の製造経費三の中には、少売業者のマージンが入つていると思いまするが、それは幾つくらいになりますか。
○坂元説明員 大体一程度だと思います。
○森山委員 そういたしますと、アメリカでは小売業者のマージンを拔きましても、製造原価一に対して製造経費が二かかつておる。日本の場合には、製造葉タバコの原価一に対して製造の費用が一しかかかつておらない。私が申し上げますことは、さつきの二百三、四十円という額は、それがゼロになるということは、非常に極端な言い分でありますけれども、民営になつたらもう少し幅が縮まるかと思つた。ところがアメリカの例ではどうです、倍かかつておるのではないですか。そういう実情を、私はそこまでお聞きしたくはなかつたけれども、久米さんのお話は、あなたの考え方によればというような、はなはだひねつた御返事をなさる。そういうことは私は愼んでいただきたいと思うわけであります。そういう事実を久米さんはお認めになるかどうか、ひとつお伺いいたしたい。
○久米政府委員 お言葉を返すようではなはだ恐縮でございますけれども、そういう事実というのはどの事実をさすのでありますか。
○森山委員 今言つたような事実です。民営になると必ずしも安くはならないという一つの例証を、今アメリカの実情から私は得た。ですから私は必ずしも製造経費は安くならないのではあるまいか、いな、むしろ、利潤や、利子や広告費の関係で能率の向上を相殺する以上の経費増が現われるのではあるまいかという危惧の念を、今度は逆に持たざるを得ないということです。しかもそれは、專売公社の製造局長さんが、最近アメリカ行かれて御研究になつて来られたその資料によつて私はお伺いしたのですが、いかがですか。
○久米政府委員 ただいまアメリカに行つていろいろ調査しました結果についての御説明をいたしましたが、それから判断をいたしまするとお説の通りでございます。ただこの協議会におきまして民営説を御主張になる方のうちには、民営になればその経費が相当安くできるのだという主張、そういう信念を強く持つておいでになる方もございますという、單に事実だけを申し上げたのであります。
○森山委員 單にそういう事実だけを伺つておくことにしておきます。そこで私は、今監理官も明らかに承認いたしましたごとく、民営にすることによつて安いタバコが吸えないということだけは、ほぼ明らかになりました。そこで私は、これと專売制度というものとを結びつけて考えてみたいのでありますが、先ほど坂元製造局長とお話にも、アメリカではタバコの原価一に対して消費税は二である。日本の場合には、タバコの原価一に対して税金が八である。われわれはきわめて高額なる消費税に該当する專売益金を払つておるわけでありますが、一体今日のような経済情勢、特に納税の状態におきまして、專売制度以外の税の組織によつて、完全に国家の財源としての消費税に該当する分を吸い上げることができるかどうかということについてお伺いいたしたいと思います。実はこれも久米さん一人をお相手にしてまことにお気の毒ですが、主税局長さんに来ていただくようになつておつたのはどうしました。
○圖司委員長 主税局長は今参議院の本会議に行つておられますから……。
○森山委員 それでは久米さんのお話を……。
○久米政府委員 民営にいたしまして、事売益金を上げるかわりに税の形態でもつて同様の歳入を確保するという問題につきましては、その技術、実行について相当の困難があろうかと考えますが、この点につきましても協議会において検討が加えられております。心配はないのだという民営論の方もございます。それからその反対に、その歳入の確保は民営に行けばきわめて困難だというのと、両論ございます。
○森山委員 心配はないのだというような、そういう問答無用じやわれわれ困るのであつて、この委員会はまじめに、一体そういうものが税として捕捉できるかどうかということを検討する、われわれの研究的態度から出ておる。今のような御返事を承るのはまことに迷惑です。でありますから私は、臨時專売制度協議会で、一体どういうような徴税方法をお考えになつたかということをひとつお伺いしたい。
○久米政府委員 私といたしまして非常に答弁に苦慮いたしております点は、この臨時專売制度協議会において民営の可否を検討しておる。それで民営にする場合にもいろいろな形態が想定される。どういう場合にはどういう税をとるか、いろいろな場合が想定されてございます。完全民営もあろうし、先ほど申しましたような、葉タバコの耕作段階は專売にして、あとの製造以降を民営にするというふうないろいろな段階がありまして、これについての小委員会案における課税方法についても、これは一つの想定に対する研究だけは進められておるわけでございます。それでありますから全般的に税でもつてとれるかという御質問に対しましては、総括的なお答えは、はなはだ困難なのでございます。
○森山委員 私は、臨時專売制度協議会の審議経過ばかりではなく、監理官としての、政府委員としてのあなたの御所見も承つておければ幸いです。もしあなたが御説明できないのでしたら、責任ある大臣なり、政務次官なりに本日出席してはつきり御答弁をいただきたい。私はもとより、特に私の属する民主党といたしましても、タバコ民営にまつ正面に反対しておりますけれども、私は吉田さんが言われるごとく、安くてうまいタバコを吸うことができ、その点についてのわれわれの疑念が一掃できるならば、本問題について今までの態度を改めなければならない。でありますから真劍に私はこの際伺つておるのであります。だから私はまじめな御答弁を得たいと思うのであります。あなたのお立場上どうしても返事ができない、立往生するとおつしやるならば、それでもよろしい。そうしてあなたができないならば、できる方をここへ出していただきたい。
○久米政府委員 私といたしましては、私の知つております限度におきまして、十分誠意あるお答えをいたしたいと考えております。ただ臨時專売制度協議会として自由な立場から、各種の討議検討を進めて行くのに、私がここでいろいろ先走つた発言をすることは差控えたい、ただそれだけでございます。
○森山委員 税制上につきましても、日本は明治の初年に苦い体驗を持つております。さらに満洲国においても、日本人が主となつてタバコ事業を経営した経驗を持つております。さらに今日の納税事情を考え、そうして海を越えたアメリカの財政経済事情を思い合せましたときに、私どもの結論は、遺憾ながらそれに対して消極的であります。これに関連して思い起すのは、本年度の酒税の問題であります。酒税は御承知の通り、今年度千三十億の予算を計上しております。すでにこの第九臨時国会の一番最初に通過いたしました酒税法改正によつて、従来の酒は相当安くなつたわけであります。御承知の通り自由販質の清酒、二級酒でありますが、一升六百四十五円のものが、大体四百六十円程度に下つております。こういう程度まで酒税を引下げたにかかわらず、かえつて酒税の収入は逆に六億何がしふえておるということは、何であるかと申しますれば、今年度当初の酒税の見込み額が十分でなかつた。というよりは、さらに一歩進めるならば、少くともその当初の徴税当局はさらに百億円近い酒税をとれる可能性のある額を予想しておつたことは、ほぼ事実であろうと私は考えておる。酒でさえ百億円近いと申しますけれども、今回の補正予算において最大の、揉みに揉んだ問題は、平衡交付金の八十三億という数字である。それとこれを思い合してみまするときに、酒ですらも今日の段階にこういう数字が出ておる。タバコの場合は一体どういうことになるのか。しかも葉タバコまで自由にしたならば、その所得税の把握について徴税上の問題は一層大きくなります。私は、久米監理官がお答えになられないお立場に対しては、深く御同情申し上げる次第でございますが、この論議は、私は、責任ある政府の代表の方々に、本日必ず御出席を願つて、いま一度ただしたいと存ずるわけであります。 それからうまいタバコを吸えるというお話であります。この耳寄りな、民営にすればうまいタバコが吸えるという、そのうまいというのは一体どういうことを言われるのであるか、なぜ今のタバコはまずいのであるかということを、ひとつ專売公社からお伺いしたい。
○上林説明員 日本の気候條件、土質、地勢というようなところから考えますと、タバコ耕作に対して適当な條件ではないのであります。アメリカのタバコは世界的に優秀なタバコと言われるタバコでありまして、これに比べますと、自然條件の点において日本の條件が劣つているという点で、どうもアメリカだけの品質が日本では得られないということでありまして、われわれ日本で自給いたします限りは、この程度——現在相当改善いたしておりますために、数年の後には相当向上はいたしますが、何と申しましても自然條件はいかんともしがたい点がありまして、アメリカタバコに相当するものは、生産がはなはだ困難であると思うのであります。こういうような点で、日本のタバコでつくる限り、アメリカのような品物に到達することはむずかしいと思います。
○森山委員 どうも味もそつけもない御返事で、当分うまいタバコは吸えそうもないというお話ですが、先ほどからアメリカアメリカというお話が出ますが、そうすればアメリカからでもタバコを輸入すれば、うまいタバコが吸えるということでございますか。
○上林説明員 先ほども申しましたように、われわれといたしましてもこの惡條件を克服して、何とか、日本でうまいタバコをつくりたいと日夜努力はいたしておりますが、まだむずかしいと思うわけでございます。ほんとうにアメリカの製品あるいは英国の製品に匹敵したようなうまさの品物をつくるためには、ある程度輸入しなくてはならぬと思うのであります。
○森山委員 私は若いころから——といつて今でも若いのでありますが、タバコを吸い始めた当時の記憶から推しましても、ホープとか、チエリーとかいうようなタバコの味は、今もつてわれわれは忘れかねております。また聞くところによりますれば、当時チエリーとかホープをインドに輸出しようとして、向うで関税の障壁を設けようとしたことすらあつたときいています。それほどうまいタバコができたというわれわれの記憶があるのであります。一体あの当時はどんなタバコだつたかということをお伺いしたい。
○坂元説明員 大体その当時のホープは、すべてアメリカから原料を入れておりました。それからチエリーは、大体四分の一ぐらいはアメリカから原料を持つて参りました。そのほかに支那からも持つて参りましたし、若干はインドの方からも入つておるというような、国際的なカクテルになつております。
○森山委員 そうすると、うまいタバコは、日本でもできる黄葉種にいたしましても、在来種にいたしましても、そういうタバコではだめである、海外から輸入しなければならないという事実が、ここではつきりして来たわけであります。そこでお伺いいたしたいのは、そういうようにうまいタバコをつくりますために海外から葉タバコを輸入いたしますと、一体どのくらいいるのか、少くも戰前のレベルまで上げるためには、どの程度のタバコを輸入しなければならないのかということについてお伺いしたいと思います。あわせて久米監理官からも、そういうことについて臨時專売制度協議会で、どの程度御審議になつたかもお伺いしたいと思います。
○坂元説明員 まず戰前のことから申し上げますが、戰前におきましても外国葉の輸入は、内地の葉タバコの品質が改善されるに合せて、だんだん減少をいたして参りました。ただいま申し上げましたチエリーに、いろいろな国のタバコを入れたというのも、チエリーという名前が、さくらにかわるころの状況でありまして、さらにさかのぼつてその者に行きますと、多くのものを入れております。従つて戰前のいつごろのことを申し上げれば戰前の概要がわかるかわかりませんが、大体外国葉を使いましたのは両切りタバコだけでありますが、一割くらいまでは外国から入れておりました。この時期におきます特殊のものと申しますと、大体数量にいたしまして七百万キロ程度のものがあります。
○森山委員 金額にして幾らになりますか。
○坂元説明員 約一千百万ドル程度であります。
○森山委員 そういたしますと、戰前の水準にするために大体一千百万ドルくらいの外貨がいる。それ以外にもしもこれを民営にいたしましたならば、しかもこれはお互いに味を競うということになつて参りますならば、これは今日專売公社が使つておりますタバコの数量の二分の一とか三分の一とかいう戰前より多い数量が入つて来る趨勢になるということを私は考えるのであります。そういう問題についてひとつ坂元製造局長の御意見を伺いたいと思います。
○坂元説明員 ただいまの御質問、ちよつと聞き取りにくかつたのですが……。
○森山委員 戰前の問題はわかりましたが、民営になりますと、現在專売公社全部で消費している数量の何分の一というように、戰前よりさらに一層大量の葉タバコを輸入するようになつて来るのではあるまいかという推測をいたすのでありますが、それに対していかがお考えか。
○坂元説明員 この問題は大体輸入関税の問題ともからみ合うと思います。もちろん品質のよろしいアメリカのタバコについても、輸入される可能性は考えられますけれども、ことに中国が将来どんなふうになるかということはわかりませんが、従前の例から申しますと、中国には割合に安くて日本のタバコにまぜて品質を改善する性質を持つた葉タバコがありますが、その方面からする国内輸入のことも相当考えられます。その数量につきましては、将来民営になつた場合の輸入関税というものがどういう程度になるかということがわかりませんので、申し上げかねます。
○森山委員 昨年の五月十八日に国会たばこの会において決議をいたしましたが、その決議に次のような項目があります。專売制度の廃止となつた場合、主要原料の二分の一を外国産葉を使用するものとすれば、四千万キロの輸入となり、その輸入代金は六千五百万ドルとなる。また三分の一の外国産葉を使用するものとすれば二千七百万キロの輸入となり、その代金は四千四百万ドルとなるという一節がございます。こういうようにわれわれはかねて考えておつたのでありますが、タバコが民営になり、しかも民営になつたタバコに外資がいろいろな形で入つて来るということにになりますれば、その結果は戰前のタバコ輸入量に増した相当の量のタバコが入つて来ることになるのではあるまいかという危惧の念を持たざるを得ないのであります。そこで今日の日本において輸入をいたします場合、しかもその輸入は来年あるいは再来年になりますならば、援助資金もなくなりますので、これらの輸入資金の多くは、どうしてもわれわれが海外に輸出して得た、血のにじみ出るようなドルを使わなければならないのではないか。そしてそのドルはきわめて貴重なものであります。われわれ国民が食つて行くために、最小限度必要なもの、そしてまた今回の戰爭によつて非常に甚大な打撃を受けたわが国産業の回復のために、できるだけ効果的に使わなければならない。すなわちできるだけ消費を押えて資本の蓄積に、生産の増加にというふうに使つて行かなければならないと私は思うのでありますが、そういう際に先ほど坂元製造局長が言われましたように、かりに戰前と同じような額といたしましても一千百万ドル、また国会たばこの会の決議によれば、三分の一の外国産葉を使用すると想定すれば、四千四百万ドル、きわめて巨額であります。一体こういうことがわが国の外貨費消の上において許されるかどうかということを、ひとつお伺いしたいと思います。
○久米政府委員 ただいま御説の通りドルは非常に貴重なドルである。この貴重なドルはわが国の産業の振興、生産の増強のために最も有効に活用されなければならない貴重なドルであるという点につきましては、まつたく同意見でございます。従つて外資の使用につきましては、大蔵省といたしても愼重に考えなければならないという点については同意見でございます。
○森山委員 これはいまさら私が論ずる必要もないが、ドツジさんも消費を押えて資本の蓄積をはかれと忠言して帰られたということを、われわれは一応思い合せなければならない。そこでお伺いいたしたいのは、これと耕作者との関係、もしもタバコが民営になり、幾つかにタバコ産業がわかれるといたしました場合に、葉タバコ耕作が、かりに專売制度を維持するといたしましても、これはある程度の外国産の葉タバコを輸入しなければならないのではないか、こういうふうに私は考えざるを得ないのであります。そしてできるだけ各製造会社ともうまいタバコをつくるため、いい原料を使おうというふうに競つて参りますが、そうなつたあかつきにおいては、まずタバコが完全に專売制度から解放されて、葉タバコ耕作というものも專売制度でなくなつた場合、それからまた葉タバコのみの專売制度のもとにおいても、海外からの葉タバコを入れなければならないと思われますが、以上の二つの場合について、耕作者に対してどういう影響を与えるかということをお伺いいたしたいと思います。
○田中参考人 その問題につきましては、私からお答えいたしたいと思つております。かりに葉タバコだけが專売制度に置かれましても、昔の葉タバコ專売から完全專売になつた当時の事情を振り返つてもわかりますように、とうていこういうちんばなものは成立すべきものではなく、数年にしてまた葉タバコも自由耕作になるということが予想されるのでありますけれども、私どもは葉タバコが專売になるといなとを問わずに、非常に恐慌を来しているわけであります。なおこの葉タバコの專売ということは、一応タバコ産業に対して安全感を与えるかのごとき感がありますけれども、製造が民営となれば勢いそこに対立関係が起りまして、決して耕作者は安全ではあり得ないというふうな結論に到達いたしておる次第であります。
○森山委員 あなたは耕作組合の代表の方でありますから、あまりに耕作者の立場に偏しておられるかもしれません。そこで私は公社の方にこれに対する御見解を承りたいと思います。
○上林説明員 外国タバコが入りますと、それだけは日本の生産が不必要になりまして反別が減ることになります。先ほど来お話が出ますように、タバコの産地はタバコ以外につくるものがないのだタバコをもつて農業経営の主体にしているというようなところが多いのでありまして、その地域からタバコをつくる反別が減らされるということになると、相当農村経済の方は恐慌を来すということが考えられると思います。
○森山委員 私生産局長にお伺いいたしたいのは、先ほど臨時專売制度協議会の小委員会の結論によりますと、葉タバコだけは專売に残しておいて、他は專売から解放するというお話でございますが、そういうふうないわゆるびつこの專売制度ということが成立ち得るかどうか。そうしてそういうびつこの專売制度をやつておつた場合どういうことになるか。先ほど田中さんのお話では、早晩葉タバコ耕作も專売から離れざるを得ないということでありましたが、はたしてそういうことになるかどうか。
○久米政府委員 ただいま臨時專売制度協議会の小委員会の案を御引用になりましたので、万一誤解があるといけませんから念のため申し上げます。これは小委員会としては、民営の場合には葉タバコは專売とし 製造販売の段階を民営にするのがよいとして協議会に出したのでありませんで、あくまでもこれは協議会において民営の可否を検討する一つの過程として、素材として提供しているという点を、森山委員はお間違いないと思いますけれども、ほかの委員の間に誤解が起るといけませんから、ひとつ申し上げておきます。
○上林説明員 葉タバコの專売を継続する、そのほかを自由にするというお話でありますが、それにつきましてはタバコの品質、品質と申しますと製品タバコの品質ですが、主としてこれは原料タバコのいかんにかかつております。どの会社におきましても、原料のよいものを使うと競争が起ると思いますが、製造会社がたくさんできても、そこにあてがう原料は、葉タバコを專売いたすようになりましても、結局割当になるのではないか、自由に製造会社の好きなタバコだけをかつてにとるわけに行かぬということになりますと、こちらのあてがいぶちの原料でもつて製造いたすということになつて、ほんとうの製造業者としては競爭ができない。できる製品はほとんど同じような製品ができて、競爭のおもしろみがないというような点から、自然に葉タバコの專売をやめてくれ、自由に耕作して自由に買えるようにしてくれぬかというような問題が出て来るのではないか。そういうふうになりますと、葉タバコ專売もまた解放するということになるのではないかと思います。
○森山委員 ある程度の外国葉タバコが入るだけ、国内のタバコ耕作は減反になるという一つの事実がある。それは葉タバコのみを專売にした場合でもそうであります。そうしてその葉タバコ專売も、やがて自由なるタバコ事業の波に押し流されて解かれるようにならざるを得ないというふうに、私は今上林さんのお話を承りました。そうしてそれが外国葉タバコと、先ほど上林さんが言われた品質の惡い日本葉タバコが競爭をせざるを得ないということになりますならば、これは現在タバコを耕作しておりますところの葉タバコ耕作者にとつては、ゆゆしき一大事であります。本年度の麥の価格措置について、わが党の中曽根康弘君が廣川農林大臣をつかまえて、農民は廣川さんを草葉の陰からうらんでおると言うておつたのでありますが、ここでもまた葉タバコの耕作者は、草葉の陰から吉田総理大臣や、あるいはまた池田大蔵大臣、それからまた秋山総裁すらもうらまざるを得ないのではないかということを私は心配しておるのであります。しかしながら先ほど秋山総裁からのお話によりますれば、原料葉タバコの問題は、営利事業の原料政策をして考えるわけに行かないという、きわめて心強いあたたかみのある御発言がありましたので、われわれは心から賛意を表しておる次第であります。 そこでいま一つお伺いいたしたいことは、私先般專売公社に行きましたときに、「エジプトのタバコ事情と日本の葉タバコの対埃輸出に関する調査報告」という、坂口たばこ技術課長の論文を、きわめて興味深く拜見いたしました。その一節に、タバコを輸出してその見返りに米を輸入するとすれば、一反歩に生産されるタバコは四反歩に生産される米と交換することができるので、かりに二〇%の値下げをしたとしても、優に三反歩の米と交換ができる計算になるということが書いてありましたが、これを裏返すと、日本にタバコを輸入するそれだけの金があるならば、一反歩の畑にできるタバコで、四反歩分の、日本の国内で生産するだけの米が、海外から買えるということになるわけです。そういうことをお認めになつておられるかどうかを伺いたい。
○上林説明員 いろいろな数字が出てますが、現在入つておりますシヤムの米でありますと、一トン当り百三十ドル、四万六千八百円になりますが、これに対しましてタバコを一反歩つくりますと、大体百八十キロのタバコをとることができます。その百八十キロのアメリカのタバコを入れて来るということになりますと、アメリカのタバコが今一ポンド五十五セントくらいしておりますので、それをキロに直しますと、一キロ一ドル二十一セントというアメリカのタバコであります。これがCIFの値段になりますと、一ドル五十セントぐらいになります。一ドル五十セントのアメリカのタバコ、これを 一反歩で百八十キロとしますと、九万七千二百円というような、一反歩当りのタバコの値段であります。それが日本でできるか、向うから輸入するかということになりまして、向うから輸入すると九万七千二百円、これを日本でつくるなら自給自足できるわけでありますが、九万七千二百円の金で、先ほど申しますシャム米の一トン当り百三十ドル、これは四万六千八百円ですが、これで約二トンの米が入つて来るということになります。二トンは大体十四石ぐらいになりますが、一反歩のタバコをアメリカから入れるかわり一に、その金で米を買うならば十四石ばかりの米が買える。十四石は、日本の一反歩当りの米の収穫を二石二斗ぐらいとして換算いたしますと、六反五畝ぐらいの収穫量に相当するというような数字も出て来るのであります、先ほどの四反というのは、エジプト行きのアメリカのタバコの葉でありまして、黄色種になりますと六反五畝になるということであります。
○森山委員 農林政務次官がおられますので、この際お伺いしておきたいと思います。 わが国の食糧事情について廣川さんが、食糧一割増産とか、あるいは一勺増配というようなことを言われる。われわれはこれができればまことに心強いことであると思つておるのでありますが、為政者が放談とか、放言とか称して、こういううそを言うことは、正しい行き方ではないと私は思つております。それはそれとして、農林省としてはこれどうしてもある程度の食糧の輸入をせざるを得ないと思うのであります。しかもわずかの外貨の中からこれを輸入しなければならない。その場合に、一反歩のタバコを輸入するだけのドルがあれば、今のお話では六反歩の米が買えるということでありましたが、一体あなたは米を輸入する方がよいか、タバコを輸入する方がよいかということについてどう思つているか、農林御当局の御見解をお伺いしたいと思います。
○島村政府委員 米の輸入は、現在の程度におきましても、御案内の通り三百二十万トンばかりである。自給度を高めましても相当輸入しなければならぬことに相なることも御承知の通りであると思います。そこで問題はタバコを輸入するか、米を輸入するかということでありますが、私の私見は持つておりますが、ここで農林省の意見として御発表申し上げる段階に至つておりませんのでお許しを願いたいと存じます。
○森山委員 私はそういうことをお伺いしておるのではなくして、そういうふうに二つのことが今ある場合に、農林省としては一体どちらがほしいのかということであります。
○島村政府委員 ただいま申し上げた通りであります。
○森山委員 私どうも今の御返事に納得できないのでありますが、農林政務次官も吉田内閣の一員でありますから、そういう答弁もまことにやむを得ないものがあると存じます。そういう意味でこれ以上お問いしてもむだかと思いますので、やめますが、きわめて問答無用的な御返事なので、非常に残念であります。 そこで私もう一つ農林当局にお伺いしたいのは、実は十一月十一日の東京新聞に、農林省では葉タバコの耕作の專売について御研究中であるというお話で、そのことかどうかわかりませんが、廣川農林大臣が秋山総裁を御訪門になつておるという記事があつたのであります。その新聞がちよつと今手元にありませんので、この点はあとに保留いたしておきます。 そこで先ほど来、安くてうまいタバコが吸えるかということについてお伺いして来たのでありますが、まず本日御出席の政府関係の方すべてからどうも安いタバコは吸えそうもないという結論が出ました。それではうまいタバコが吸えるかということを私今お聞きしたのでありますが、うまいタバコを吸うためには、外国から葉タバコを輸入しなければならないということが一つはつきりいたしました。しかしながら今日海外からタバコを輸入するということは、これは食糧政策の上から申しましても、外貨節約の見地からしましても、また耕作者の耕作権という立場からしましても、ある程度以上の外国産タバコを輸入することは不適当であるという結論を出すことができるのではないかと思うのでありますが、監理官はどうお考えか、お伺いいたします。
○久米政府委員 タバコの品質を向上し、味をよくするというためには、專売公社の方からいろいろ御説明いたしました通り、原料の葉の品質の向上がまず先決であろうと思いますが、しかしできました葉の、その後の製造タバコに至りますのでいろいろの処理、技術的に申しますとそういう葉つぱの調理とか、機械にかけて行くいろいろの段階、あるいは乾燥したり、あるいは水分を与えたり、熱を上げたり、熱を下げたり、各種のそういう技術的な面についての研究もいろいろ必要です。それからまたまずい葉でありましても、——比較の話でありますけれども、香料を加えることによつて、多少一般の嗜好に向くような品物に持つて行くことができないかというふうな点もございます。いろいろな点から技術的なくふうをこらしまして、現在わが国として利用し得る葉つぱにおいて、できるだけ味のよいタバコをつくるということが、專売公社の方針だろうと思つております。ある程度の葉つぱを輸入しなければならぬという点につきましては、ほぼ疑いはないと思うのでありますが、どれだけ輸入し得るかという点につきましては、外貨予算の点、その他各種の観点から愼重に検討を加えるべきで、ひとりタバコの品質を改良するという面からのみは、結論が下し得ない問題であろうと思います。
○森山委員 念を押すようでありますが、耕作者の立場からは、海外よりタバコを輸入するということは致命的な打撃を受ける、これはもう間違いない。それから今日の日本の置かれている国際情勢並びに経済事情から見まして、タバコの輸入ということについてもわれわれ必ずしも消極的ではありませんが、一定の限度がある。従つてそれは民営になろうとなるまいと、同じでなければならないということになりますと、うまいタバコを吸う前提である外国産葉タバコについては、結論は悲観的ですね。
○久米政府委員 ただいま私がお答えいたしました通り、現在わが国で利用し得る葉つば、それを技術的にできるだけ上手に調理して……(「それはわかつている。私はそれを聞いているのではない」と呼ぶ者あり)それから葉タバコが輸入になれば、その限度において今の日本における葉タバコの耕作者に重大な影響があるであろう、この点も同意見でございます。
○森山委員 輸入に限度があるということも同意見でございますね。
○久米政府委員 先ほどから繰返して申し上げておりまする通り、輸入にも限度がございます。
○森山委員 私は、現在の国産葉タバコに改善を加えるということについては、監理官と全然同意見でございます。またかねて秋山総裁が、この件について、品種改良という遠大な計画を立てておられますことについては、私も心から深く敬意を表しておるわけでございますが、先ほど来の論議の結果では、うまいタバコの前提である外国産葉タバコについては望み薄であるということがわかつて参りました。そうすると、民営の前提であるうまいタバコも吸えないのではないかというようなことになりはしないかということを、ひとつ監理官にあらためてお伺いいたしたい。私が今申しましたように、国内産葉に改善を加えるということは、もとよりやつてもらわなければなりません。それからある程度の外国産の葉タバコの輸入ということについても、決して消極的ではありませんが、しかし私の申し上げるのは、その限度を越えた場合を考えているのである。そうするとうまいタバコは吸えないのではないか、要するに現在の專売公社に一生懸命やつてもらうとしても、一定の限度があるのではないかということを申し上げるのであります。
○久米政府委員 これは先ほど申しました通り、民営論の可否の問題につきましては、臨時專売制度協議会において、自由にして活発なる各方面からのあらゆる検討を加えたその結論を待つている、これが政府の態度でございまして、その協議会の御検討を、先走つて政府の方からかれこれ申すということは、私どもとしては愼みたいと考えております。そういう前提のもとにお答えいたしますが、民営論の前提であるうまいタバコを安くのめるという可能性は少いのではないかという御意見でありまするが、民営説の根拠につきましては、ここに資料としてお配りしてありますけれども、いろいろの面から民営説の御主張がございます。これはただ事実として申し上げておく次第であります。従いまして、全面的に今の御説の通りになるかということにつきましては、私も同意いたしかねるのであります。
○森山委員 監理官は政府委員ですか。政府委員ならばもう少し私が伺つたことに対する答えをしていただきたいと思う。私は、今言つたように、外貨の問題と耕作者の立場から、うまいタバコを吸うということについても、一定の限度があるのではあるまいかということを聞いておるのです。あなたはそれに対してイエスかノーかということを答えていただきたい。
○久米政府委員 輸入の問題につきまして、外貨の点からある限度があるという点につきましては、同意見であると先ほど申し上げてございます。
○森山委員 私が言うことは、うまいタバコが吸えるかということを聞いておるのです。これは嗜好の問題ですが、あなたはあるいは今のタバコがうまいと思つているかもしれいせんが、しかし比較の問題として、戰前のタバコのようなうまいタバコが吸えるか。一度上つた生活水準を落すということはなかなか容易ではない。日本人はかつてホープとかチエリーといううまいタバコを吸つておつたから、昔吸つておつたようなうまいタバコを吸いたいというノスタルジアをいまだに持つている。そういう点から、うまいタバコを吸えるかということをさつきから聞いておるのですが、なぜあなたは正直に、まつすぐに答えないのですか、ひねくつたお答えはまことに残念です。
○久米政府委員 私は努めて率直にお答いたす努力をしてあります。もし私の答弁がひねくれたような印象を与えたといたしますれば、私の訥弁のゆえか、不徳の点のいたすところとして深くお詫びをしなければならないと思います。 昔アメリカから輸入いたしました黄色種だけでつくつたタバコ、あるいはアメリカから輸入した黄色種を主たる材料としてつくつたタバコ、そういうふうな製品の持つ味と同じようなところまでの製品を、現在の專売公社が利用し得る材料を元としてつくるということは、技術的に相当困難だという点につきましては同意見でございます。
○森山委員 そうすると、民営になつてもその点は同じですな。今与えられた範囲内のデーターでは……。
○久米政府委員 森山委員の御指摘になりましたような点から判断いたしますと、その点は同じだと思います。
○森山委員 以上、外資導入の前提としての民営について、私は今までお伺いしたわけであります。そうして民営の形態がいかなる形態をとろうとも、究極するところは專売の完全なる解放に帰する。そうしていかなる民営の形になろうとも、安くてうまいタバコが吸えないということだけは、先ほど来の政府の御発言によつて明確になつたことをひとつ確認していただきたい。
○久米政府委員 今御質問に対してお答えした限度におきましてはその通りでございます。
○森山委員 そこで私先ほどちよつと留保しておきました農林政務次官に対する御質疑をいたします。これは昭和二十五年の十一月十一日の東京新聞の記事でありますが、私どもはそういうことについての従来の新聞記事というものにある種の考慮を払つているということを前提にして申し上げます。「タバコ民営化は民営審議会の答申後見送りの形であつたが、とりやめになつたわけでなく、自由党政調会でもときどき論議され、外国タバコ会社の政治的動きがかすかながら継続的に行われていたが、最近農林省を中心に、葉タバコ耕作のみを買上げ專売事業にして製造関係を民営に移す計画が行われている」さらに「目下関係者間ではパージ解除となつた財界の藤山愛一郎氏と、同氏の日本製糖から現專売公社総裁となつた秋山孝之輔氏と、廣川農相の線が注意深く見守られており、全專売労組でも去月六日鱗川農相が公社に秋山総裁を訪問したことに異常な関心を払い、再びタバコ民営論が世論に上つて来た」という記事があるわけでございます。そこで農林政務次官に伺いたいのは、農林省を中心に、葉タバコ耕作は專売事業にして、製造関係を民営に移す計画ありやいなやということをお伺いいたします。
○島村政府委員 農林省では、葉タバコの民営の問題につきまして省議にも取上げたことは今まで一回もありません。
○森山委員 外国為替管理委員会の木内委員長もおられますので、お伺いしたいと思います。 実はきよう御出席願つたのはほかでもないのであります。これは先ほど申し上げたことでありますが、昭和二十二年十月、BAT販売部門主席テレル氏が日本を訪れまして、共同通信の松方重役を通じて外国為替管理委員の木内信胤氏と会談し、木内氏はただちにテレル氏談と称して「タバコ事業を解放する」というパンフレツトを発表したということ、それから後昭和二十三年十二月にクリスチヤン氏が来て、その際吉田総理大臣、池田大蔵大臣、木内信胤、各氏と会談したという事実があるので、タバコ事業の外資導入に一番最初から御関係になられた木内さんのこの間の経緯に対するお話を伺いたい、こういうわけでございます。
○木内政府委員 お答えいたします。日付は存じませんが、私テレル氏に会つたことは事実でございます。私がタバコ事業解放論というのですか、何という題をつけましたか忘れましたが、当時私は一民間人として文筆の方の仕事をしておりまして、そういうパンフレツトめいたことを言いたことも事実あります。クリスチヤン氏の来たときも私は会いました。テレル氏から、民営にしても、たとえば、さつきも御質問がありました税をとるということには別に影響はないのだというヒントを聞いたのもそのときです。クリスチヤン氏からそのことを聞きましたが、これはつまり民営にした場合に税がとれるだろうとか、あるいは経費が安くなるだろうとか、あるいは日本の專売事業の能率を彼らはどう見ておるかといつたようなことを、一個人の資格において聞いただけであります。そういう関係で、協議会の一メンバーといたしまして私個人の見解を述べたこともございます。それが大体の経緯でございます。
○森山委員 昭和二十三年の十二月にクリスチヤン氏とお会いになつたそうでありますが、そのときはこの記事によると吉田茂、池田勇人、木内信胤各氏とありますが、これは御一緒でございましたか、別でございましたか。
○木内政府委員 総理にクリスチヤン氏を紹介したと思いますから同席したことはありますが、池田氏と私と一緒のときはなかつたと思います。
○森山委員 木内さんの安くてうまいタバコを吸えるという希望を、やはりわれわれも持つております。その意味で海外のタバコ業者の方とお会いになり、また積極的にごあつせんになつたことと私は了承しております。お互いにわれわれの経済生活をよくしようという気持から出たことについては同じであろう、私はこういうふうに了承してはおりますけれども、先ほど来の論議の結果によりますと、そういうわれわれの希望は、うたかたのごとく消えてしまつたわけで、まことに遺憾に存ずる次第であります。これは本月御列席の政府関係者の方々ことごとくが御認識になり、またわれわれ野党のみならず与党の方も十分御認識を得たことでございます。 そこで私は次に外資の問題に入りたいと思います。私が今までお伺いいたしましたのは、要するに外資導入の一応の前提としての民営ということでありますが、その前提たる民営について一通りの検討が終りましたので、いよいよ外資の問題に入つて行きたいと思います。 われわれは一体外資導入というけれども、その結果は先日の本委員会でもわれわれが検討した通りはなはだ思わしくなかつた。そこで私はここでタバコ事業に外資を導入するとすればいかなる形態によるのであるか、いかなる形態の導入が考えられるのであるかということをお伺いしたいと思います。
○久米政府委員 私としてはまだその御質問に対してお答えするだけの用意がございませんかち、ひとつその意味で御了承願います。
○森山委員 どうも政府の方としてまことに私は残念である。当初タバコ民営問題が起きたのは、外資導入の形で起きたわけである。これは本日御出席の木内さんも御承知の通りです。そうして昨年の今ごろの通常国会に提出するような状態にまでなつて、当然もう導入すべき外資の形態は考えていなければならない。それをその当時において何を考えたかということを伺いたい。
○久米政府委員 臨時專売協議会におきましては、民営の可否を検討して、まだその結論を得ないという段階にありますし、きようお手元に配付しました資料によりましても、民営説の論拠という方を見ままと、その四に、「外資の導入が容易となる。」ということがございます。国営説の論拠の方を見ますと、「外資導入は適当でない。」そういうふうで、まだ検討の段階に協議会としてはなつておるわけであります。具体的にどういう形の外資導入の案があるかといわれましても、協議会で検討されましたその具体的な内容はまだあまりないように、私は記憶しております。
○森山委員 今の政府委員としてのあなたの御答弁を聞いておりますと、吉田内閣は外資導入によつてタバコを民営にするということをいつておられますが、外資導入なるものはきわめて根拠簿弱で、思いつきにすぎないのではないかと思う。一体導入するというのは機械を入れて行くのか、技術を刷新するのか、あるいは葉タバコを輸入するのか、はたまたそこに資本そのものを導入して来るのか。たとえば具体的例をとりますと、支那におけるような、英米タバコ・トラストの活動を許すのかどうかということも、私どもこの際十分に検討しなければならない。これは野党も与党も、国会議員たる者のひとしく行わなければならない重大な任務であります。私はそういう見地から、あなたに対して、外資導入の形態はいかなるものであつたか、どういうことを考えられたかということを聞きたかつた。あなたが何も知らないとすると、あなたは專売公社の監理官として、何しておられるのかということを感じるのであります。何もしていないのだということになると、外資導入というのはかけ声だけで、思いつきだけで、人騒がせしたということになりませんか。
○久米政府委員 協議会における委員の方々個人の御意見としては、大体外資導入はこういうことをしたい、たとえば外国の会社を進出さしたいとか、あるいは機械を輸入したいとか、技術を導入したいとか、いろいろ御意見はあつたのでございまするが、協議会全体としての外資導入についての結論が、協議会の形においてはまだ出ていない。それで、政府としての方針はどうかという大きな問題に対するお答えとしましては、私からお答えするのは適当でないかと思いますから、他の大臣あるいは次官からお答えになると思います。私はちよつとお答えいたしかねます。
○森山委員 あなたのおつしやる通り適当でないかとも私は思いますので、この問題はこれ以上あなたには聞きません。ただ政府委員として出ておられるので、私も一応は承つておかなければならないわけでございます。そこで私お伺いいたしたいことは、專売公社として、現在機械を海外から輸入する必要があるかどうか、あるいは葉タバコを輸入する必要があるかどうか——これは先ほど触れましたから聞かなくともよろしゆうございます。資本として外国資本を入れる必要があるかどうか、さらに支那における英米タバコ・トラストが土着資本に対していかなる影響を与えたかという、歴史的な事実について、本日御出席の方で知つておる方から御答弁をいただきます。
○坂元説明員 專売局に機械を導入することがどういうことになるかということについてお答えいたします。御承知のように戰爭によりまして、タバコ工場が非常な打撃を受けたのでありますが、昭和二十二年度以降累年工場の復旧をいたしまして、大体数量としては国内の需要を満し得るだけの設備を完了いたしました。但しなおお品質を改善し、能率を上げるためには、今後とも若干の施設は要しますけども、おもなる機械としまして、現在ここに加えて供給の増加をする必要はないと思います。英米トラストの支那における状況については、私は存じませんからお答え申し上げかねます。
○木内政府委員 私英米トラストなるものの重役と会いまして、多少のことを知つておりますから、知つておる限り申し上げます。英米トラストという言葉は実はやめるべきである。BATというのは、ブリテイツシユ・アメリカン・タバコカンパニーのことでありまして、Tはトラストではございません。トラストは独占禁止法というものがアメリカにもあつて、解体になつて消滅したわけであります。このBATというものは、世界のアメリカ以外の国において製造及び販売をしておる英米共同出資の会社、こういうふうに解していいのじやないかと思つております。彼らいわく。私どもは世界各国どこででも、いやしくも專売のないところへは、どこへ行つても仕事をしたいと思つておるし、多少の経驗を持つておるという話であります。それで日本においてテレル氏が最初に申しますのには、專売というものは非能率である、民営の方が能率が上る、従つて安くもなるのだということを言つております。そのときに、それではあなた方は、もし日本が民営になつたら、日本に来てよい仕事をしたいかと聞いたところ、非常にしたい、今申した通り世界各国およそ專売でないところへは、許されるならば仕事をしたいというのが自分たちの会社の方針である、しがしながらその国の企業を追い出してしまう、自分たちがそれを独占してしまうということは、アメリカ本国においても許されなかつたことであるし、決していいこととは思つていない、またよし民営になつても、最近どれだけ外資導入があるかというお話でありました。私は外資委員会の委員もしておりますので、答弁する責任者であるかと思いますから、知つておる範囲で申し上げますが、どかんと何百万ドルという資本が入つて来ることを、もしお前たちが期待したならば、私たちの方は決してそういうことは考えていない、但し技術を教えることはできるであろう、技術導入も外資導入の一端でありますから、これを外資導入と呼ぶことはさしつかえないと思いますが、技術は大いに教え得るだろうと思う、かつ機械もすでに大体において復旧ができて来て、所要量をまかなえるだけの機械があるならば、しいて古いものをスクラツプして、新しいものを入れる必要はない。しかし日本にない機械が若干ある、たとえば莖の部分を非常に強いロールをかけて、薄い葉のごとくしてしまう、そうするとタバコの中に莖がまじつていたということがなくて、それが葉として使えて、しかもかえつて香気をまじえる、そういう機械は入れたらいいだろう、あるいはその前に申したいのは、民営になれば、五つとか七つとかいう会社になるのであろう、願くは自分たちはその一つの会社と提携して、その会社に技術を導入して、その会社がいいタバコをつくることによつて、ほかの会社も大いに競爭心を起して、いいタバコをつくるようになる、それを彼らは健康なる経済状態といつて、そういう状態を持ち来したいと考えておる。そういうことになるならば、技術はもちろん大いに教えてあげたいと思う、そのほかに今申し上げたような機械は、もし五つにわかれたうちの一つの会社にそれを買う金がないならば、しばらく借金の形、すなわち外資導入の形においてやることもあり得るだろう、しかしながら金額的には非常に少いものしか考えられない、それが今の世界の外資導入の大勢であるので、民営にしたら、何百万ドルすぐ入つて来ると考えたら、それは少し違うのだということは、逆に向うから聞かされたことであります。私ども協議会においてそういう問題を論じましたときにも、どかんと外資が入つて来るということを話したことはございません。私その方にタツチしておりますから、皆さんからその方の観測はどうかと聞かれました際に申し上げたことは今の通りであります。 なお私は外国為替管理委員会の委員長として申し上げたいのですが、先ど来民営即葉タバコの輸入ということでお話が進められたように了解いたしましたが、今申した通り、機械くらいならば、あるいは外資導入ということもあり得るのですが、民営にしたからといつて、葉タバコを輸入するような外資を当てにしたことはありませんし、葉タバコを多量に輸入しなければならぬものでもない。これは為替管理の話ですが、為替管理におきましては、御承知の通り外貨予算制度というものをつくりまして、それによつて何に貴重なる外資を使うべきかということを審議して決定しております。その審議の過程において葉タバコ輸入すべからずという結論になるとか、民営になつたからといつて、すぐ葉タバコは入つて来ない。この点さつきのお話に少し誤解があつたかと思いますので申し上げた次第であります。
○森山委員 今木内さんのお話になつたばかりのことですが、民営になつたからすぐ葉タバコが入ると、いうのじやないのです。何ゆえに民営にするか、そのためには安くてうまいタバコがすえるからというのが、国民の歓心を買つているのでしよう。だから私は安いタバコがすえるかと研究したところが、今の財政事情では吸えない。それからうまいタバコが吸えるかということは、これは国内の産葉を再乾燥するとか、あるいは総裁の考えておるような品種の改良とかいう点について、最大限の努力をしても一定の限度がある。そうなれば、やはりうまいタバコというのは海外から輸入しなければできない。ですから、民営論の目的である安くてうまいタバコを吸うためには、どういう條件がいるかということを私は聞いておるのであつて、うまいタバコが吸えないならば、何も民営にすることはないじやないかと思います。また安くする意味がないのなら、民営にすることはないじやないかということを私は申し上げておるわけです。それに対する反証を專売公社並びに政府の方からいただきまして、われわれが考え直すことができまするならば考え直したい、こういう気持で言つておるのです。特に本経済安定委員会は他の委員会と違つて、党派的意識が比較的少いのであります。今まで紛糾のあつたのは料飲店の問題のときに一回あつただけでありまして、あとは歴代の名委員長のもとに、和気靄々たる審議を続けております。われわれはそういう態度でもつてこの問題に対することが、国会議員としての責務であると考えておる。でありますからわれわれは、いたずらに党派的態度をもつて吉田内閣のあげ足とりということを考えていないのであります。しかし遺憾ながら今日までのお話ですと、何らこういうことについての反証が出て来ないので、私どもは今困つておるということなんです。その点を木内さんは御了承願いたいと思います。決して誤解も何もしておりません。 それからもう一つ、あなたおつしやられた技術の導入ということにつきましては、私は現在の公社制度のもとにおいてもできないことはない問題でもあろう、こういうふうに考えております。 それから、木内さんから御返事があると思いますが、ひとつ製造局長さんにもお伺いしたい。それほど日本のタバコは貧弱なものかどうか。アメリカの援助を受けなければならないほど貧弱なものかどうかを、製造局長にお伺いしたいと思います。
○木内政府委員 私、為替管理関係からあるいは誤解と思いました点は、誤解でないことがわかりまして幸いと存じます。私も協議会の一員でありました関係上、この可否に関しては若干の意見がございます。私この席に連なりましたけれども、ほかの資格で来たものでありまして、その委員の一人として当時述べた見解を述べよということのために来たのではないのでありますから、正式な可否については、協議会の方からの機会に讓らせていただきまして、私、今のお考えをお伺いいたしましたけれどもだまつておりますことは、それに賛成したものではないということだけ補足さしていただきます。
○坂元説明員 米国からの技術援助の問題でありますが、現在の專売公社のタバコ製造技術につきましては、戰災復旧等の事情もありまして、タバコ品質が低下しておるということのために、非常に世間から御非難も受けまして、私どもも痛切にその責任を感じておるものであります。技術援助を受けることはどういうふうなことになるかという点でありますが、これも非常に広汎な部分がございまして、ある種のものにつきましては援助を受けても、やはり日本の国力というような問題もありまして実行ができないという点もありますし、またわれわれも日夜努力をいたしておりますので、援助なしにもやれるという点もあります。非常に広汎な問題でありますからいろいろありますが、現在でも司令部の方には、アメリカのタバコ製造の技術者が来ておりまして、そうしてわれわれに対しましては熱心に援助をいたしております。
○森山委員 あとの方の質疑がありますから私はこれで打切りますが、今製造局長のお話を伺うと、技術的な助言その他は、公社としても十分参考になるというお話であつたので、われわれはそういう形態における外資導入は、今の公社制度のもとにおいてもできないことはない。それ以上の形の外資導入ということになつて参りますと、これは日本の明治初年の経驗から見まして、岩谷商会と並んで二大製造会社であつた村井兄弟商会は、英米トラストに関係があつたと聞いておりますが、結局タバコ事業というのは大体資本の集中制になつて行く。そうして強力なる資本をバツクにしたものが、圧倒して行くということは、今日のアメリカのタバコ企業を見てもよくわかりますし、また支那の例を見てもよくわかる。そういうことはわれわれの国民資本の防衛という立場からも、これは共産党の人とは意味が違いますけれども、よほど考えて行かなければならない問題ではあるまいかと私は考えます。結言するならば、今のところ外資導入の必要は何らないじやないか、あるいは導入するということは、かえつて弊害を伴うのではないかというふうなことになつておるのではないかと私は思います。そして最初に私が申し上げました通り、タバコ民営というものは、かつて社会党が社会主義政策ということで、イデオロギー的に走つたという非難を受けたと同様に、今や吉田内閣は自由主義政策の名のもとに、自由企業というスローガン的な、イデオロギー的な考え方が先行している。実体として、いわれておる安くてうまいタバコが吸えるかどうかということになつてみると、安いタバコもうまいタバコも吸えない、外資導入も今日喫緊の急務でないということが、今までの論議を通じてほぼ明らかになつたと思います。 最後にただ一つ希望を申し上げたいことは、私はもとより従来のタバコ民営論に対しては反対の立場をとつており、今日の研究をもつていたしましてもその反対論を撤回する必要と認めない。私はそう考えましたし、多くの諸君もそういう考えを持たれたであろうと考えるのであります。ただ幸い木内さんが出ており、木内さんは別途の見解をお持ちだというお話がありましたし、後ほどそのお話を、政府委員の一員でもありますので、この際あらためてお伺いして、その民営賛成論なるものを徹底的に解明いたしたい、こういうように考えます。絶好のチャンスでございますので、木内さんに対する質疑は後ほどにまで留保いたします。
○志田委員 もう大分時間も過ぎ、同僚委員から今こまごまとした質問がありましたし、私も御回答いただく点は大体いただいておりますから、大した質問はないのでありますけれども、ただ一つ、二つお尋ね申し上げたいと思います。久米監理官が先ほどこの委員会に入ります前に大蔵大臣とわれわれに対する答弁に対して打合せをして来た、こういうお話がありましたが、さように確認してよろしいか、ちよつとお伺いいたします。
○久米政府委員 その通りでございます。
○志田委員 あなたは本委員会で非常にまじめにいろいろ御答弁くださつたことは、与党側の私といたしましても、よくこれを認めます。しかし何か事あるごとに、あなたはただいま配付されておる資料々々ということを申されておりますが、その資料というのは、今私たちの手元に来ておりまする「臨時專売制度協議会審議会経緯、民営説及び国営説の論拠(臨時專売制度協議会小委員会報告による。)昭和二十五年十二月八日、大蔵省」これをさしておられるのか、それをお伺いします。
○久米政府委員 その通りでございます。
○志田委員 こんなものは資料じやない、これはメモじやないかと私は考える。かようなことでは当委員会の審議において資料を配付したなどということは、少し言い過ぎじやないか。あなたと大蔵大臣がそういうことでお打合せをして来たということになれば、本委員会の権威に対しましても私たちはまことに遺憾だと思います。これは資料ではなくして單なるメモ程度のものであるというふうにお考えになるか、それとも資料であると思つて、十分検討せられた上で出されたのかどうか、それをお尋ね申し上げます。
○久米政府委員 大臣と打合せましたのは、どの程度の資料を出すかということではございませんで、協議会がいかなる段階にあるのかということについて大臣とお打合せいたしたのであります。
○志田委員 今の御発言は、今配付されておる資料は、十分なる資料ではないということをお認めの上でなさつたものと了解してよろしゆうございますか——そのように了解いたしますが、今後本委員会が引続いてタバコに対する審議を行う場合におきましては、詳細なる資料を、できるだけ多くとりそろえて出すというようなお考えを持つておられるかどうかをお尋ね申し上げます。
○久米政府委員 協議会の会長ともよく相談いたしまして、でき得る限りの資料は提出いたしたいと思います。ただ協議会の会長の御了解を得ないでいろいろ出すことは、ちよつと避けたいと思います。
○志田委員 その点は了解いたしました。先ほどあなたは前の委員会の質問に対して、もう第六、第七、第八、第九国会を経て九回の審議会を開催しておるということを本委員会において述べられております。近く十回目の協議会を開く予定のようでありますが、九回目のときから今日まですでに一年以上を経過しております。その一年以上経過しておる間における国際事情並びに日本国内の事情というものは、相当変化をしておるという考えをお持ちになつておるかどうかという点をお尋ね申し上げます。
○久米政府委員 今御質疑の、世界の情勢はこの一年間に変化しておるかという点につきましては、変化しておるというふうに考えております。
○志田委員 日本の経済状態はどうですか。
○久米政府委員 日本の経済的な状況は、たとえば産業の振興あるいは生産の増強その他いろいろの面で改善の道をたどつておる、そういう意味におきまして変化しておると考えます。一
○志田委員 日本の国内事情も国際事情に従つて相当に変化しておる、日本の経済復興もようやくその緒について来ておる、この点お認めになつておるようでありますが、われわれは自立経済の達成の上において、食糧の輸入の問題に関しては、前年と今年、あるいは明年度におきましても、多くなつても少くならないのではないかという感じを持つておりますが、これに対しても同様に、私と感を同じくするかどうかお尋ね申し上げます。
○圖司委員長 ちよつと志田さん、それは久米さんに対する質問としてはどうでしようか。
○志田委員 私は区切り区切り聞いて行かないと、あなたは回答できないと思うから、区切つて言つておる。しかしそうでなくて一挙に言えというならば、きわめて簡單です。 そこであなたは、先ほど来いろいろとタバコの葉の輸入の問題に触れておられましたが、今日本としては食糧自給の問題が一番大きな問題である。そういう場合にタバコを輸入するということを大蔵省として考える余地があるのかどうか、その点をお聞きしたい。
○久米政府委員 この輸入の問題につきましては、私より先に木内政府委員からお答えがあると思います。
○木内政府委員 現在の事情では、食糧その他の輸入に外貨を使わなければならぬという必要は顯著でありますから、葉タバコの輸入ということは少しはあつたかと思いますが、あつてもきわめて少量でありまして、大量の輸入を外国為替予算の面において議題にしたことはございません。
○志田委員 木内さんに対してはあとでいろいろ聞きたいと思う。大蔵省の方のお考えを最初にお聞きいたしますが、あなたは先ほど臨時專売制度協議会の改組があるということが巷間伝えられておるということを申しておりましたが、大蔵省としては審議会改組の意思があるかどうかお尋ねいたします。
○久米政府委員 私の知つております範囲においては、改組の計画はただいまのところないと思つております。
○志田委員 それではお尋ね申し上げますが、この臨時專売制度協議会の構成メンバーを選ぶにあたりまして、民間の達識の人たちを入れられておるようでありますが、国会たばこの会から委員を特に選ばなかつた理由について、御説明をいただきたいと思います。
○久米政府委員 委員の構成につきましては、適当な学識経験者にお願いするということでございまして、ただいま御指摘になりました国会たばこの会でございますか、そういうようなものは念頭に入れておりません。そういうことでなしに、学識経験者という一つの標準でもつてやつておると思います。
○志田委員 国会内に国会たばこの会というものがございますが、学識経験者を求められるとすれば、国会外から求めるという特別の制限があつて求められたのかどうか、それをお尋ねいたします。
○久米政府委員 別に国会外からというふうな、特別の内規はございません。
○志田委員 学識経験者を集めて協議会のメンバーにしたというお話のようでありますから、私はそれについて申し上げておるのでありますが、学識経験者を求めるというならばどこで求めるのか知りませんが、日本で求められたのだろうと思います。そうすると国会の中においては、タバコ民営制度を審議するに適当な人々、学識経験者がおらないという前提のもとにこれを選ばなかつたのかとうか、その点をお尋ね申し上げます。
○久米政府委員 国会の中には、タバコ事業の專売関係について学識を持つた方はたくさんいらつしやいます。こういう有能な国会議員の中から数人の方にお願いしたい、そういうわけであります。
○志田委員 今私が申し上げておるのは、国会内における国会たばこの会のメンバーというものは相当多数に上つております。国会たばこの会という專売事業その他タバコ一切に関する発達について大いに寄与し、また研究いたしておりますこの団体の中から一人も選ばずに、他の国会議員から入れたという理由はどこにあるのですか。
○久米政府委員 院内の、タバコについて学識経験をお持ちの方の中から、適任の方にお願いをしたということだけでありまして、その方が会員であるかどうか——それは結果的には会員でありましようし、あるいは会員でない方もありましようし、そういうたばこの会の会員であるかないかを先に考えて選考したのではなく、その方が学識経験者として適当な方であるかどうかということを考えまして、委員の選考はしたものというふうに了解いたしております。もし私の言葉が惡ければ言葉の問題でありましたら、もう少し釈明いたしたいと思いますが……。
○志田委員 これはきわめて重要なことなので、重ねて御質問申し上げますが、それでは国会たばこの会の中には、学識経験者がいると思つているか、いないと思つているか、その点をお伺いいたしたい。
○久米政府委員 たくさんおいでになると考えております。
○志田委員 今お話のことが口頭禪でなく、実際そういうお考えであつたとすれば、重大な問題であります。あなたは国会内の学識経験者を選んでやつたと言つておきながら、国会たばこの会の学識経験者を除外しているのはどういう理由ですか。これで公正妥当な協議会のメンバーがつくれたとお考えになつているか、それともその点については遺憾な点があつたと思つているかどうか、それをお尋ね申し上げます。
○久米政府委員 委員の人選につきましては、大蔵省といたしまして十分愼重な検討をいたしまして、お願いをしたと考えております。と同時に、院内のたばこの会の中に、タバコの民営問題について検討をする際の適任者が大勢おいでになるということも肯定いたしておるわけでございます。
○志田委員 あなたの御説明はよくわかる。あなたの腹の中はよくわかる。学識経験者を求めたと言つておきながら、国会たばこの会からは一人も出なかつた。なぜ除いたかという問題がそこに出る。しかしそれをあまり申し上げても、あたも非常に困ると思いますから、その点はあまり責めませんが、今後こういう機会には、そういう不公正がないようにやつてもらいたい。今そういうお気持かどうかお尋ね申し上げたい。
○久米政府委員 協議会の委員の人選につきましては、その仕事にふさわしい学識経験者を公平に人選いたすということは、初めからかわらないところでございます。この協議会の委員はすでにきまつておりますが、今後たとえば委員を追加するとかいう際には、そういう点は十分考えますが、ただ私の聞いております点では、委員の改組と申しますか、それは私としては聞いておらない次第でございます。
○志田委員 それからあなたは資料だと言つておりましたが、メモのようなこの資料を拝見いたしますと、民営説の論拠も、国営説の論拠も同じく六つあります。両方とも同じようにして、あいこにしておるような形がありますが、もう一年間も審議が続けられておる。この臨時專売制度協議会の審議が結論を出すのは、一体いつなんです。それをお尋ねいたします。
○久米政府委員 なるべくすみやかな機会に、この協議会の結論が出るように、われわれとしてもできるだけのお手伝いをしたいと考えております。
○志田委員 木内さんにお尋ねいたしますが、テレル氏やクリスチヤン氏などにお会いになつて、いろいろなことをお聞きになつたろうと思いますが、外資導入に関して、タバコについてどのくらい外資が入る情勢か伺いたい。
○木内政府委員 先ほども申しました通り、タバコに関する外資導入があれば、まず技術提携ということであります。これは当時のお話でも絶対に民営形態によるのだ、民営形態がしかるべき民営形態でなければ技術提携はむつかしいということが、彼らの意図でありまして、何も技術提携ばかりが外資導入ではありませんが、常識から考えて同じことだろうと考えております。その状況が今日かわつたかと申しますと、先ほど御指摘になりましたように、国内も世界の情勢も多少違つておるかと思いますし、これは今申しました通り、民営形態がはつきりきまつてから話合わなければ、当時としては何ともならなかつたと思います。 〔圖司委員長退席、岩川委員長代理着席〕 先ほど申し上げましたように、ヘルシーな状態ができれば、大いにやりたいということを言つておりました。それが消滅したとも考えておりません。
○志田委員 そこで先ほどの話にもどると思いますが、米の輸入につきましては、三百二十万トン、二千万石、輸入補給金については四百五十億円も日本が金を払わなければならぬ状況にあるのでありますが、そういう場合も考慮いたしまして、先ほどあなたは、ある限度でタバコの葉を入れるということも考えられるという御説明をしたようでありますが、そういう状況を勘案して、ある程度というのはどの程度のことをお考えになつておるのか、お伺いいたします。
○木内政府委員 ある限度と申しましたのは、現在の外貨予算の状況からしまして、若干のものはすでに輸入しました。そういうことはあります。それは為替の方の関係から申しまして、何もこの問題を討議したわけではございません。先ほど申した通り、外国タバコを多量に輸入しようということが議題に上つたことはございません。しかし若干インド葉を輸入した事実はあります。それをある限度と申したのであります。これが民営になつたからといつてたくさんふえるということは、当時話合つたことですけれども、輸入ができればそれだけ輸入してもいいはずだということを話したことはありますが、輸入したからといつて、非常にふやす必要もない。その点はかわりないと思つております。
○志田委員 先ほどのお話によりますと、戰前外国葉を日本に入れたのは一割くらいであつた。それによつて払つた金は五百万ドルにも上つておるということであります。前に私から安本政務次官にお尋ね申し上げたのですが、今日の国内情勢においては、そうした外国タバコの葉を輸入することはちよつと考えられない、こういうことを言つておりますが、戰前で五百万ドルという数字が出ております。先ほど委員からもお尋ねがありましたように、両切タバコのうまい、そうして質のいいタバコを吸うためには、五百万ドルいとう金を出さなければ買えないということも明らかになつたのであります。このことに考えまして、今日の日本の状況において、それくらいの金は出しても、葉タバコを買うことがいいと思つておるか、その点をお尋ね申し上げます。
○木内政府委員 それは外国為替予算をきめる機会においてきめることでありまして、それをこの席において私見を申し上げることは適当でないと思いますから、差控えます。
○志田委員 木内さんは、今私見を申し上げることは適当でないと言われるが、先ほどテレル氏に会つたことも、クリスチヤン氏に会つたことについて、大いに私見を述べておられる。しかるに外国為替予算は、あなたの職権の中にある仕事であつて、それに対する見通しその他大いに立てておらねばならぬ方が、その点に関する限りは私見を述べられないという理由を承りたい。
○木内政府委員 先ほどテレル氏その他のことを申しましたのは、事実をお引きになりましたから、事実を申し上げたので、別に見解を申したわけではございません。ただいまの予算の件は、討議をすべきものを討議を経ずして討議をして決定したならば、その理由を申すことは、政府職員としましていいと思いますが、討議もしないうちからどうだと言うことは、申すべきものでないかと思つて差控えたのであります。
○志田委員 あなたは先ほど、民営の形体はいかになろうとも、技術的に機械その他を導入する、あるいはある限度においては葉タバコも輸入してもよろしいというように考えておりますと言つておきながら、その限度についての私の質問に対しましては、外国為替予算の編成の問題は、それぞれの機関を経て決定した後でなければ、発表できないから発表しないということを今おつしやるのでありますが、なぜその、ある限度というものはこの程度の限度だと、率直にお話願えないか。その点をお尋ね申し上げます。
○木内政府委員 專売公社から、外国為替予算を組みますときは、各方面から、こういうものを輸入すべきだという意見を持ち寄りましてきめるのでありまして、過去において、私その事実をはつきり記憶しなかつたのでありますが、インド葉なんかを輸入したそうであります。それはそのとき、公社からしかるべき理由を具して閣僚審議会、幹事会と申しておりますが、幹事会に原案をお出しになつて、そこで論議を経て、しかるべき理由のもとに、それがいいということになり、閣僚審議会を経て決定したのであります。そのときの理由をもしお望みならば、調べまして申し上げます私今日それを存じません。
○志田委員 木内さんは、最近外国へ行かれましたね。アメリカに行つておられて少しお留守をなさつておられるから、そういう重要な、あなたの関連の深いことでも、まだ知らずおるかもしれない。またせいぜいその方も勉強なさつていただいて、いろいろと委員会であなたとお目にかかるのでありますから、ひとつ御説明をいただくことにして、この点は留保しておきます。 それから久米監理官にもう一つだけお尋ね申し上げます。あなたはきようはやく日だと思いますが、がまんしてください。この外国タバコの問題につれて、つまり民営になつた場合に、過去における実績、明治三十一年でございましたかの実績によりますと、非常に脱税が多かつたということをあなたは述べておる。それから会社の数が、今後できるとしても、十社くらいだろうということを言つておられますが、脱税が多かつたという事実を認めておつて、なおかつ民営の問題に対しては、脱税が防げると思つておられるか、脱税か防げないと思つておられるか、その点をお尋ねします。
○久米政府委員 民営にいたしまして、現在のタバコに期待しております歳入が確保できるかどうか、技術的には、ある程度の疑問があると思いますが、この問題については、先ほどもたびたび申しました通り、協議会の御検討を待つた上で、お答えしたいと思つております。
○志田委員 私は協議会の結果を聞いておるんじやない。千二百億の税収入があるかどうかということは、協議会の結果を待たないでも、大蔵省としてはわかるはずだ。現にあなたはさつき速記を止めて、二十六年のタバコ專売益金すらここで話しておきながら、こういうことは協議会の議を経なければ話せないのか。事税金のことになつて来ると、脱税の点になつて来ると、脱税の問題は、民営にするかどうかという点の一番重大な問題である。そういう重大な問題になると、協議会に籍口して言わない。脱税が多くあつたという過去の事例に徴して、その点を研究しておるとか、研究してないとか、一応の話がありそうなものだ。その点をお尋ね申し上げておる。
○久米政府委員 協議会でいろいろ検討の結果論議がかわされております。民営を主張なさつていらつしやる方の間には、課税の問題では心配がないという意見が相当有力だと思います。それから国営説の方では、脱税が行われて歳入の確保はできないという、両論になつております。私がここで政府委員として、片方の説に手を上げるというふうな答弁をいたしますことは、協議会の自由な、活発な今後の運営に、何か惡い影響があるんではないかという意味において答弁を差控えたい。そういう意味でございます。
○森山委員 この際ちよつと関連してお伺いしたいのは、タバコの横流し監視のために、監視官が何人おるかということを伺いたい。
○久米政府委員 全国を通じて約千七百人であります。
○志田委員 二十六年度に光とピースを十円値下げするとおつしやつたが、光が三十円になると、憩は現在三十円ですね。憩を値下げするお考えはないか、憩など売れなくなるが、專売益金にどういう影響があるかということを、お調べになつておるかどうか。
○久米政府委員 光を十円値下げいたしますと、三十円になります。従つて來年度は憩は原則としてつくらないし、売らない。憩は來年度はなくなる。そういうふうに御了承願います。
○志田委員 よくわかりました。次に公社の総裁にお伺いしたい。先ほど秋山総裁の説明を承つておりますと、民営の問題については、可否いずれともきめがたいものがあるという話がありました。私は專売公社のプロパーな性格といたしまして、官業として行つて来た事業を、專売公社の公共事業体にした。プロパーな性格としては、專売事業を健全にかつ能率的に運営することがその目的だと思いますが、タバコ耕作上必要な諸條件が、今日日本のタバコ專売事業において具備されておるとお考えになつておるかどうか。それをお尋ね申し上げます。
○秋山説明員 私はただいまお尋ねのありましたように、專売公社といたしましては、專売の事業を完全に受継いでおりまして、公社の独立企業体としての独立採算制ということから、できるだけの能率を高めて、しこうしてただいま論議の中心になつております安いタバコ、うまいタバコ、できる限りその線に沿つて努めて行きたいと思つております。ただいまお尋ねのタバコ耕作において、現在完全な條件が具備しているやいなや、こういうことにつきましては、遺憾ながら完全ということは申し上げかねるのであります。それにつきまして森山委員からも触れられましたように、私は就任早々、私のかつての経験から、これは日本においてタバコの品種を改良するにしくはない。外資導入その他もありますけれども、まず自分の生産するタバコを、できるだけ改良して行きたいということから、本国会の協賛を経まして、試験費も増加していただいております。そうして目下育種のことに盡力いたしておりますけれども、これはおそらくは十年、二十年の歳月を要するだろう。しかしながらこれはたれかやらなくてはならぬ。そういうことから一日も早く手をつける必要があるということでやつておりまして、文部省の経営しておる三島の遺伝学研究所で、もつぱら京都大学の木原氏の指導のもとに、そういうことをいたしております。その他各專売局の研究所に対しては、総力をあげて、この点について樹苗の改良及び耕作法、その他土壤の検査、肥料の適不適を検討いたしておるのであります。その他意に満たない必要なる肥料もあるのでありますが、漸次国情の改善とともに輸入もできるようになり、有機肥料も無機肥料も、おそらくは次年度あたりから適量のものが入つて来るでしよう。その他でき得る限り、耕作面において私は力を盡したい、こういうつもりで目下経営を進めております。
○志田委員 総裁の御決意のほどを承つて、私もまことに力強く思います。そこで戰爭中、まだ專売公社にならない前に、われわれ東北も同様でありますが、ここでつくれ、あそこでつくれというふうにして、相当政府の慫慂によつてタバコをつくつたのが、今日は反別を減らされる状況に来ておる所も、数限りなくある。そこで耕作技術の改善の問題につきましては、どこに責任があるかと申しますと、従来政府がそういうふうにやつて来た量目主義になれた結果、耕作業者が、ややもすれば技術の改善に研究心を失つたり、あるいは情熱を失つた。そこに理由が存在すると思うのでありますが、それに対してはいかがでございましよう。
○秋山説明員 私はタバコ事業に対して、はなはだ経験は浅いのでありますけれども、ただいまのお話私まことに同感であります。 〔岩川委員長代理退席、委員長着席〕 しかしながら当時量日本位の政策をとらなくてはならぬという必要上、いわゆる拙速の方針をとつたということには、多少の欠陷はありますけれども、それあるがために今日タバコのレーシヨンというものはなくなつて、自由に販売ができるようになつたということは、やはり一つの効果であろうと思う。人間の欲望は、量が満足されれば質に行く、これは自然の行き方であります。この辺からやはり之の資本位にかわるということが妥当であろうと信じて、私は今年から優良種をなるべくつくつていただきたい。こういうような方針であります。
○志田委員 最後に、久米監理官にお尋ねいたします。十回目の協議会は年内に開かれる予定になつておるかどうか。あるいは年内に開かれないとしても、来年早々には開かれるというふうなお見込みがあるかどうか、お尋ねいたします。
○久米政府委員 その点につきましては、委員長ともいろいろ今打合せ中でございますが、年内に開くことができれば開きたいし、年内に開くことができなければ、来年なるべく早く開きたいという大体の考えでございまして、そういう方法で準備を考えております。
○志田委員 私の質問はこれで打切りたいと思います。私はいろいろな点から考慮いたしまして、タバコ民営に関する限りは、相当中央会等からも要望が出ておりますし、われわれ国会タバコ議員といたしましても、決議をもつてその態度を表明しておるのでありまして、どうか国家予算を支出して、安全な目的の送行を期するためには、現在の方針が私は妥当で、公正ではないかと思うのでありまして、もしこれが妥当でなく、公正でないとするならば、それを打ち破るに足るだけの反証があげられなければ、にわかに民営を考えることは、将来独断のそしりを受けるものと考えるのであります。どうか大蔵当局においても、その点を十分御しんしやく願いまして、十回目の協議会の開催にあたりましては、できるだけこれを公開の席上でやるように御とりはからい願いたいと思うのでありまするが、公開の席上でやる意思があるかどうか、お尋ね申し上げます。
○久米政府委員 この協議会は大蔵大臣の諮問機関でございまして、今の公開にするかどうかという点につきましては、よく研究した上でないと、ここでお答えいたしかねます。
○志田委員 いろいろありがとうございました。これで私の質疑を打切ります。
○圖司委員長 勝間田清一君。
○勝間田委員 皆さんからいろいろ御質問がありましたから、ごく簡單にいたします、十一月の売上高はすでにわかつたと思いますが、幾らになりましたか。
○石田説明員 目下集計中でございまして、正確には申し上げかねますが、大体十一月だけで百二十四億円程度になろうかと思います。
○勝間田委員 予定は百二十九億だと記憶しておりますが、それが下つたというのは、どういう理由ですか。
○石田説明員 大体の傾向を申し上げますと、上級品の売れ行きがなかなか予定通りに参りません。上級品と申しますと、ピース、光、それから中級品の憩程度、この辺までが、なかなか予定通り売れて参りませんので、本数はまだ集計ができておりませんから、ただいま手元に申し上げるだけの資料になつておりません。私どもの努力しておる点は、結局、できるだけ嗜好を上向きに持持つて行きたいということでやつておるわけであります。いろいろの資料を持ちまして、予定の計画を立てるのでございますが、相手のある商売でございますから、多少動いて来るのはやむを得ないと思います。
○勝間田委員 下級品が少いのではないですか。最も需要があるにもかかわらず、品不足というような状態にあるのではないですか。
○石田説明員 従来の実績を見ておりますと、大体年間の販売予定が七百八十億本になつております。今までの実績で見まして、本数は大体予定通り出ておりますので、ところどころ試験的に下級品を非常に増配するというやり方をやつて見ているのでありますが、これがなかなかむずかしい問題でありまして、たとえばバツトをふんだんに出すということにいたしますと、ある程度まで本数はふえて参りますが、売上げがずつと落ちて参ります。それである程度またバツトを押えますと、相当新生、憩、上の方に品種の転換が起るのであります。これも押え過ぎますと、また金額が減つて来るという、非常に微妙な点がありまして、私ども販売に携つておりますもの全国一同は、その辺をにらみ合せながら、いろいろ売上げの向上に努力しているということで、バツトをたくさん出せばそれだけ金額がふえるのではなかというお話でありますが、今までの実績から考えますと、必ずしもそうは参らないのでございます。
○勝間田委員 十二月から来年三月までの見込みはどうですか。計画と見込みについて伺います。
○久米政府委員 補正予算におきましては、十二月から三月までの販売見込みの金額は、大体五百三十八億円程度に踏んであります。補正予算との関係におきましては、十一月に確かに御指摘の通り百二十九ということに、予算委員会その他の席上において主計局系統の政府委員から御説明したと思います。この百二十九が百二十四という実績で、結局五億程度内輪になつている実績がある。それはこの十二月から三月までの間においてとりもどしたい。そういうことになると思いますが、なおこの十二月から三月までの販売の見込み金額五百三十八億円というものは、どうして出たのかという点につきましては、昨年の同期と同一の金額の売上げがある。ただ前年度は、三月に少しむりをして、公社から小売店によけいに売つているような傾向がありますので、その点だけ前年同期の見込みよりも減らしてございます。前年同期の販売金額よりも減らして、それだけを控除した内輪の金額で五百三十八億円、そういうふうに押えてあると記憶しております。
○勝間田委員 前年同期は幾らですか。ことしの五百三十八億円に対して去年はどうなつておりますか。
○久米政府委員 五百五十八億でありまして二十億だけ内輪に踏んであります。それは本年三月に財政の収支の面から專売公社には非常にごむりをお願いして、特によけいに売つていただいた。そのために本年四月、新年度に入つてはタバコの売上げがちよつと落ち込んでおります。三月に少しよけいに出しましたので、四月に落ち込んでいるというふうな事情がありますので、今度は三月にはそういうふうなむりをさせないで、正常な需要額に対して供給をして行く。そういう意味から前年同期の金額よりも二十億減らして、内輪の数字で踏んである。その内輪の数字が五百三十八億であります。
○勝間田委員 私は木内さんにお尋ねしたいと思いますが、タバコに外資を入れて、あるいは民営に移してそんなに利益があるのですか。どういうわけで利益になるのですか。その点を聞かせていただきたいと思います。
○木内政府委員 先ほど申しました通り、私は今ほかの職務をやつておりますので、民営というものの可否の論は協議会では申し上げましたけれども、この席で申し上げることは遠慮させていただきたいと思います。
○勝間田委員 あなたは外資委員会の方をやつていらつしやるので聞くのですが、外資を導入するということはそんなによいことですか。その点をひとつ聞きたいので。
○木内政府委員 外資導入の見地からですと、私は委員をしておりますからお答えしなければならないと思いますが、今の日本として何事によらず外資が入つて来ることは、概して歓迎しなければならぬ状態にある、技術導入であれ、機械であれ、あるいは金銭の形であれ、一般的に外資は歓迎すべきものと信じております。タバコがもし民営になつた場合に、タバコに外資が入つてそれが特に惡いということはむろんないと思います。特にタバコだから歓迎ということも別に考えられませんでしようが、それによりまして技術導入その他が非常によい結果をもたらしますならば、歓迎だということになると思うのであります。
○勝間田委員 なお木内さんにお尋ねしたいと思いますが、タバコを民営に移してそんなにタバコの外資が必要なのでしようか。
○木内政府委員 タバコに特に外資が必要であるというわけではないのです。ね。外資の導入の面から見た民営論というものは、民営に移すならば、技術導入も外資の一つとして入つて来ると思います。もしそれにプラス機械の輸入ということになりますればなおけつこうであります。そういう意味において資本提携をする、こういう意味で申し上げたのであります。そうしてまたその中においては金の形で入つて来るものも、日本の国情としては歓迎であるという意味でありまして、その置かれているものはタバコであろうと何であろうと、平等の立場にあるわけです。ですから今申しました通り、その意味において、技術その他はこの際外資がほしいということがいえるかもしれない。その他一般論といたしましては、いかなる事業であれ、金の形で外資が入るということは、それがほかに使えますから、その外資もやはり歓迎すべきものであるというふうに考えておるわけであります。
○勝間田委員 総裁にお尋ねしたいと思います。よくうまいタバコを安くというような、非常にごまかしの言葉で英米のタバコ・トラストとか、いろいろな関係と結びつけて金もうけをしようという連中が、こういうことをやつておつて、そういう動きによつてタバコ專売等が問題になつていると思うが、これはどんなにうまく隠しても隠し切れないものだと私は思つている。さつき木内さんはヘルシーという言葉を使われたが、私は公社はヘルシーだと思います。現在の公社で、十分日本の財政とにらみ合せてやつて行ける、タバコが製造できるものだと思う。むしろ外資が必要であるならば、そういうところにあまり注意をせずに、もつと日本では大事なところに外資がどんどん入らなければならぬということになつていると思う。そういう方にむしろ私は中心を置くべきであつて、この点非常に遺憾に実は考えている。私は現在の公社で十分やつて行けると思いますが、いかがでありますか。あなたの御経倫を承りたいと思います。
○秋山説明員 私公社の責任者といたしまして、必ずしも現在の公社が安全にヘルシーであるというほどまだ自信はないのであります。私はこうもやつてみたい、ああもやつてみたいというような抱負も持つておりますが、これはなかなか公社だけの問題ではなくて、やはりいずれは国会の御協賛を経て改むべきものもあるだろうと思います。 それから私の責任とい参しまして現在の機構だけでもでき得る限りの改善と申しますか、能力を増進するという点については、はなはだ微力ではありますけれども、一生懸命やつているつもりであります。 それから安い、まずい、これはどうも先刻からいろいろな御議論もありましたけれども、安いと申してもそれではどこがノーマルなポイントか、何にしても私はそうだろうと思いますが、一気に外国タバコを一〇%も入れたようなタバコを、日本国民が今要求しておりますか、そういう点も考慮しなければならない。漸進するということのほかには、私は事業の経営上あり得ないと思つております。でありますから、私冒頭に申し上げたのでありますが、まだ民営がよろしいとか、官営でなければならないとかいうことについては、はなはだ不敏でありまして遅いのでありますが、私は結論にはまだ達していない、こう申し上げておきます。
○勝間田委員 だれが常識的に考えてもそうだと思います。タバコの三十円のうち大部分が税金に払われておつて、国の財政の千二百億の支出をやつて行かなければならぬという世の中において、そこで安い高いといつても、税金が安くなるか、高くなるかということが問題であつて、それができないところに今日の状態がある。ですからこれが民営に移つたから安くなるのだというふうに言いかえて行くのは間違いだと思います。現在ではやはり国の助政を早く確立して、タバコの負担というものを国がなるべく軽減してやるという姿になつて、そこに正当なるコストなり、正当なる競爭というものが行われ、合理化が行われる。そして初めてそこで安くてうまいものができるという結論になるのであつて、私は今、国が千二百億も專売で収入をとつていて、安いますいで民営論に持つて行くのは間違いだと思いますが、これは総裁にお聞きするのはどうかと思いますので、私の感想としてとどめておいて、私の質問を終ります。
○竹山委員 もう同僚の森山委員から、本日は民営論を主題としての論議を十分されましたから、私はその問題について論議するのは避けて、ごく小さい問題で今総裁もお見えになつておりますから、農村の立場から一点だけ伺つておきたいと思います。 一問一答でなしに率直に私の見解から申し上げておきますが、それは御承知のように昨日でしたか、一昨日でしたか、大蔵大臣の第二の放言といわれる、農民は麥を食つてもよい、都会の金持が米を食えばよいというようなことですが、こういうような考え方が、われわれの神経をいらだたせるのであつて、單なる放言とは考えられない。現にタバコの問題にしても、農村が多少ほかの理由もあつて刺激された関係もあるが、本年度の作付面積を各地が非常に競爭をして要求をしたという事実をもつて、農民がタバコが非常にもうかるのだ、そんなにもうかるならば、収納価格をもつと安くしてもよいのではないかという池田放言をしているということを伝え聞いております。真偽のほどはわかりません。議会での発言ではありませんから証拠はありませんが、これは池田大蔵大臣の言いそうなことであります。私は何もことさら池田大蔵大臣の攻撃をするのではないが、この麥の議論と同様の考え方をもつて、こういう考え方をしているとすれば、これははなはだ認識不足であり、何も農民が、タバコが一番金になるから、夢中になつて要求をするのでないことは、秋山総裁以下砦さん御存じだと思う。その点大蔵大臣に対する認識を改めさせるのに、どのくらい努力されているかということが問題であつて、きようこれほど民営論を、与党、野党通じて熱をあげて論議しているにもかかわらず、大蔵大臣以下こちらの要求した諸君が少しも顏を見せない。それから全然答弁のできない者に答弁させている。これは委員長を責める気はありませんが、非常に不親切千万である。自分の方に意見があれば出て来て堂々と闘えばよい。先ほどの木内氏の議論を聞いておつても、自分の言いたいことを言つて逃げ込んでしまう。これははなはだ卑怯であります。そういう卑怯な態度をとる政府でありますから、私は念のために伺つておきたいのは、明年度の予算の編成は、事務的にはでき上つているはずである。米価の問題も米価審議会の審議を無視して決定している。そこでこの米価とつり合いのとれた来年のタバコの収納価格を、どれくらいに考えているか、これをまず伺つておきたい。
○秋山説明員 ただいまの御発言はまことにごもつともで、私ども決して農民がタバコをつくりたいから引下げてもよろしいというような考えは毛頭持つておりません。ことに栽培面積というものが、御承知のように関係方面との了解で五万四千町歩というふうになつておりますから、つくりたくてもそれ以上はつくれず、また私どもとしては、耕作者諸君の努力によつて、ぜひそこまではつくつてもらうというような考え方で、決してやいやい言うから値を下げてもよいというような考え方は少しも持つておりません。 それから大蔵大臣の指導云々と申しますが、幸いにして私は池田大蔵大臣と話もできますし、また私の考えをよく聞いてくれますから、さように私は大蔵省の制肘は受けておらないと思つております。 なお原料製作はつきまして、これは収納前にきめることになつておりますから、そういう時期に愼重に検討いたしまして、米その他の農作物とのつり合いをとり、また農家に対する著しい変化を与えるような方策は私はとりたくない、こういうことでありますから御了承願います。
○竹山委員 事実上そういうことになるだろうという事務的な時期はわかりますが、明年度予算について、編成の前にそういうことの制肘を受ける危險はないのですか、その点を念のために伺いたい。
○秋山説明員 今日私が御答弁申し上げるこの時期においては、私はさような制肘は受けないで済むと信じております。
○竹山委員 それでは私はこれ以上は秋山氏の力倆に信頼をいたしまして追究はいたしません。どうかさような認識のもとに、圧迫をされつつある農村の立場をしつかりとひとつお考え願います。
○森山委員 先ほど来竹山委員、志田委員、あるいは勝間田委員、また私の質疑に対しまして、真にお答えできる責任ある政府当局が、本日どなたもおられない、わずかに農林政務次官がお一人でまことに残念でございます。従つて私が追加質問をいたしましてもこれに答えることができない。ひとつ委員長は本委員会の権威のみならず、国会の権威のために、大臣あるいは政務次官諸公の御出席を、今後督励願いたいと思います。これでは政府当局は何を考えているかということを知ることができない、隔靴掻痒の感がある。秋山総裁は池田大蔵大臣とお話できる機会を持ち合せているそうで、まことに国会議員として情ないが、うらやましい次第だと申さざるを得ない。そういう皮肉な言をはかなければならぬほど、私は委員長とともに情なくなる次第であります。 そこで補充質問としてお聞きしたいことは、先ほど木内さんのお話にもありましたが、脱税防止とか何とか、税法上の問題があまりないというのが木内さんの意見だか、向うの人の意見だかであつたようでございます。現在葉タバコ脱税防止のためにも、先ほどのお話ですと千九百余人の專売局の監視官を現在配置しているのであります。そればかりでなく植付検査員、それから葉タバコ収納員、販売検査員等合せますと、このタバコのそういう面における監視の職にある者は大略七千名程度、公社の職員の相当数のパーセンテージがこれに加わつておつて、しかもなお反則事件は減つていないことは、公社の方も十分お認めであろうと思います。私はこういう実情が民営になつたあかつきにおいては、かりに葉タバコだけを專売にしましにも、これは遠からず完全民営になるのであり、そして葉タバコだけの專売というのは、現在の脱税をより一層増加することになるのであろうということだけは、私はほぼはつきりしているのではないかと思いますので、その点についての政府並びに公社の御意見をお伺いいたしたい。
○石田説明員 お話の通り現在タバコの專売事業は葉タバコから販売まで一貫してやつておりますが、專門の監視員は先ほど申し上げました千九百人程度でございます。別の見方から言いますと、各タバコ事業に従事する者全部が監視の役目を果しているとも言えるかと思います。それにいたしましても、現在外国タバコのやみあるいは葉タバコの横流し、内地の葉タバコを使いましたやみタバコが非常に多く出ておりまして、もちろんやみのことでありますから推計はむずかしいのでありますが、少く見ても百億程度の益金が食われているのではないかと思います。民営になりました場合にどういう形態になりますか、いろいろ程度の差はあろうかと思いますが、タバコの製品の販売値段その他いろいろ條件もございますが、かりに現在と同じだといたしますと、脱税と申しますか、そういうやみのものを取締ることは、現在より一層困難になろうかと推則いたしております。
○森山委員 今のお話の通りの状況で、税法上の疑義も、民営になれば非常に多い。現に酒の問題にしても、今国会の冒頭に通過いたしました酒税法の問題を見ても、これは明らかなのであります。そこで私、木内さんにお尋ねいたしたい。あなたは先ほど来、志田委員の再三の御質問に対しても、外国為替委員会の委員長あるいは外資委員会の委員をしている。そういう見地だけでお返事をしていて、タバコ民営については賛成である、民営反対はどうもしかねるとだけ言つて、その理由は何もお答えにならない。そこでこの際あなたが何ゆえにタバコ民営に賛成されるか、外資導入に賛成ざれるかということについて、当初あなたが本問題の最初の口火を切つた一人としてお伺いするわけには参りますまいか。というのは、あなたは本日の議題であります臨時專売制度協議会の委員だそうでございまして、その一員としても審議の経過におけるあなたの立場をこの際鮮明することは、何らあなたのお妨げにならないと私は信じます。あなたは現在外国為替管理委員長たるの立場、あるいは外資委員会の委員たるの立場を固守せられて発言を希望されないとすれば、国会法上の取扱いを取調べまして、あらためて参考人としてこの際立つて述べていただきたいとも私は考えておりますが、まずその前にあなたの御意見をお伺いいたします。
○木内政府委員 私ほかの職務を持つておりますので、何か世間に誤解でもあつてはいけないと思つて意見を差控えたいと考えましたのが一つの理由であります。もし参考人ということでございましたら、私はその際賛成論を述べた一員ですから、私の思つたことを申し述べることに別にさしつかえないのであります。ただ私のほかに賛成の人もあつたのでありますが、何か私が申述べますことが、協議会の賛成論者の代弁であつては困るのでありまして、そういう点を考えて私はここで申述べない方がいいのではなりか、御審議を公正ならしむるために、いいのではないかということも、私がこの際申述べない方かいいだろうと思います理由であります。
○森山委員 長時間にわたつてわれわれが本日御出席の方々から、いろいろ御事情を伺い、また検討もし、私の意見も述べて参りました。この委員会の従来の性格からいたしまして、大体において党派的の考えを今まで持たないでやつて参りました。またあらゆる問題について党派的な論爭よりは、むしろ愼重にその事柄そのものに対して研究する、研究室委員会的な性格も持つて参つたのであります。そこで本日いたしましたところの諸般の質疑は、一にそのような党派の立場を離れ、かつ本委員会の特色である研究的な立場に終始したつもりでございます。どうかそういう意味において本日御出席の方々も御了承願いたいと思います。 最後に私が今まで質問いたしました経過について、これはタバコ民営賛成の方々については、いわば一種の欠席判決になるかもしれないのでございますが、ともかくも本日のところでは、民営にすることによつて安くてうまいタバコを吸うこともできない、また民営にすることによつて外資を導入することについても、必ずしも適当でないという結論に到達いたしたのでございます。しかしながら本問題についてはもとより政府の最高主脳部においては、これを強引に民営に持つて行こうといたしております。また一般の町の方々も安くてうまいタバコというスローガンに飛びついて、ただ拍手している人もあるでありましよう。私はそういう意味において、国会は間もなく終るのでありますが、引続き通常国会が始まりますので、本問題についての審議をさらに進められんことを望み、私の質疑を打切りたいと思います。
○圖司委員長 この際お諮りいたします。タバコ民営問題について圓谷光衞君、中馬辰猪君より委員外発言を求められております。これを許可するに御異議がございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○圖司委員長 御異議なしと認めます。圓谷光衞君の発言を許可いたします。
○圓谷光衞君 秋山総裁にお伺いいたします。あなたが御就任の際に、自分は台湾において砂糖の経営をやつた。日本のタバコは研究することによつて増産もできるし、また品質も上る。決してアメリカの品質に劣るようなことはないとおつしやつた。そこでこの民営問題が起りまして、また民営問題のメンバーにもあなたはお入りになつておる。そこであなたの個人の見解として、民営がよろしいか、またこのまま公営で行つても、将来うまくできるかということは、胸の中におありになると思う。すでに総裁に就任されて一年余になつておりますが、その点の個人としての御見解をお伺いしたいのです。ややもすると、あなたが、最近は民営に傾いたという評判もあるのであります。どうかそこを忌憚なく政府委員でも何でもないのですから、あなたの私見をお述べ願いたい。
○秋山説明員 私は今のお尋ねについては、冒頭にお話申し上げたことが御返事になつておると思うのであります。先ほど新聞によると、何か廣川農林大臣が、私と藤山愛一郎氏がかつて同僚であつたという一連のことを考えあわせて、全私が民営を運動しておるかのごとき風説のあることは、全然事実無根でありますから、この際取消しておきます。私の私見はどうかということについては、冒頭お答えをしたことで十分であろうと思いますけれども、私どもの公社でいえども、やはり何かの改善をせざる限りは、今日のままでは私の考えておる理想はちよつとむずかしいのじやないか。しかしながらさように言つたところで、世の中のことというものはそう理想通りには行かない。私に許された範囲の力でタバコもよくできるだろうし、安くと申しても、森山さんの計算にあつたように、税金を除いたならば微々たるものではないだろうかと申されますが、たとい五十銭でも節約できれば安いと申さざるを得ない。そういう意味合いにおいて、私は現状においてもそういうことはでき得る。しかしながら私が民間の会社を経営しておつたようなやり方をやるならば、まだ行けるのじやないかという感想を私は持つておる。これをもつて必ずしも民営でなくちやならぬとは考えない。公社をどうしたらいいかということについては、さらに私は研究を要すると思う。これは国会議員の諸君においても御研究願いたいと思う。その他まずい、うまいという嗜好の問題も、なかなかぴしやつとここに線を引くわけには行かない。うまくするからといつて、アメリカのラツキー・ストライクやチエスター・フイールド並に持つて行かなければ、日本人は納まらないとは必ずしも考えない。口はばつたいことでありますが、この一両年の間には、私はタバコというものは相当よくなつて来るのじやないか。多少やりそこないもありますけれども、総じて私は若干ずつ、はなはだ牛歩遅々としておるけれども、よくなりつつある。こういうふうにここで申し上げるのははなはだ恐れ入りますけれども、これは、あなた方が耕作農民を御指導くださつて、原料をよくつくつていただかなければ、製品のいいものはできない。これは当然單位面積の収量をふやすのもよろしい。こういうことをおろそかにして政府の施設の保護のみを要求されても困る。こういうのが私の赤裸々な考えであります。
○圓谷光衞君 私のお伺いしたこととちよつと縁の遠いお話を伺つたのですが、あなたは吉田総理から辞令をいただいておる関係ではつきり言えない。それではもう少しゆるめてお伺いしますが、あなたのお考えからいうと、現段階において、各種の情勢から考えまして、まだ時期が早いのじやないかというような考えをお持もであるか。先ほどのあなたのお話を聞いておりますと、語るに落ちるといいますか、大体現状ではいかぬ、民営でもやつたらもつとうまいものができるのじやないかというお話があつた。これは清盛が衣を着ても、よろいのそでが現われたというのと同じであります。あなたがそういうお考えであるとすれば、それでいいのですが、国会たばこの会においては、現在の状況では時期尚早である。もう少し研究の余地があるとして、民営をストツプしていただいたわけです。そこをお考え願いたい。この点の総裁の私見を伺つておるのです。
○秋山説明員 今私は財界人のような口ぶりで、会社のような仕事ぶりをしたならば、すぐ十銭でも五銭でも安くなるだろうと申し上げた。決して民営にせざるを得ないという衣の下からよろいを見せるような能弁でもないのでありまして、私はほんとうのことを申し上げたのです。私は吉田総理から辞令をもらつておるのじやない。大蔵大臣から辞命をもらつておるのであります。しかしながら自由党の政策がよろしいと思うゆえに、吉田総理を誤らしめないだけの考えを持つておるということを申し上げる。しかし私の言葉を吉田総理が聞くやいなやは問題です。そういうつもりで私はやつておるのです。あるいは民営がよろしいと信じたならば、民営にも自分は注告するかもしれない。しかしながら時期尚早である。あるいはこういう手もありますぞということを言つて、いいならば、私はそれも言い得る立場にある。政府委員でも何でもないからその点は言い得る。決して衣の下には何もありません。私もやはり專売公社を預かつておりますから、月日のたつに従つて情も出るし、かわいくもなりますから、こういう刻下の重大問題は、そう簡單にはお話申し上げかねる、こう申し上げたのであります。
○圓谷光衞君 もう一つ、これは久米さんにお伺いしたい。タバコ審議会のメンバーをつくります際に、国会たばこの会の会長井上さんは、全国一の耕作地を持つておる專売事業について、最も振興させるためにつくつておる国会たばこの会からもぜひ入れていただきたいという要望がありました。ある筋から聞いたのですが、会長も、また福島県から全国二位の耕作面積を持つておる圓谷も、どうも專売タバコを民営にすることが反対であるというような考えからオミツトされたという話を聞いておるのですが、そういう事実はあつたのですか。
○久米政府委員 私はそういう事実を聞いたことはございません。
○圓谷光衞君 私の方から塚田君、前尾君、島村一郎君などが出ております。島村君と私は親しい仲でありますが、この審議会に行きまして、私にたびたび話をする。君あれどうしたらいいか、君あまり反対するなという。実は東京都の出身でタバコのことはよくわからないらしいのです。そこで私は考えるのに、反対する者を入れなければほんとうのいいものができないのです。反対するゆえをもつて研究しておる。さつきの森山君の話のごとく、反対するのは国家のために考えておる。私は自由党です。自由党で吉田さんがこういうことを心配しておられる。そこでこれはでき得るならば、審議会の方々に死んだ方もおるし、また多少出て迷惑千万の方もおるように聞いておる。ですからどうか、これは総裁も一人のメンバーでありますが、国会たばこの会の方からタバコのことについては長年研究しておる人も入れるくふうがないかどうか、これをひとつ池田さんの方に御進言願いたい。これだけです。
○圖司委員長 中馬辰猪君。
○中馬辰猪君 まず久米さんに最初お願いしたい。先ほど民営の案について葉タバコの專売を残して、あと製造販売を会社にするという案で、五つか六つかにわけるというお話でありましたが、あなたに率直に答えてもらいたいと思うことは、われわれ先ほど森山君が言つたように、隔靴掻痒の感がある。国会たばこの会といつても、全然審議会の内容を知らないし、せめて傍聽でも許してもらえば非常に幸いだけれども、これもできぬとすれば、あなたからひとつ片言隻句をとらえて、全貌を想像するほかに方法がない。そこでお伺いしたいことは、まず第一に全国を幾つかの、七つか五つかわける会社にするのか、あるいは全国をアメリカ式にダブつて、たとえば福島県の葉を福岡にある会社が買うとか、東京の本社が大分県の葉を買うとかいうふうな考え方が有力であるのか、あるいは各地区に、九州とか、北海道とかにわけておいて、ほかの方の葉は全然買わないという式の考え方が有力か、まずこれについてお伺いしたい。
○久米政府委員 最初に申されました委員の人選については、大蔵大臣として最善の考慮を払つた上、最も公平な人選をされたと確信しております。次に会社、これはかりに十以下という一つの案がありますが、その十以下の会社、あるいはそれは場合によつては五つであるか六つであるかわかりませんけれども、その会社は、製造の段階以後に日本を地域的にわけるだけで、たとえば大阪の方にありまする製造会社が東北の葉つぱを買うことも、小委員会の案としては想定していたと記憶しております。
○中馬辰猪君 その場合に一番問題になるのは、葉タバコの配給だと思うのですが、それをかりに会社の方で、福島の葉を買いたい、あるいは鹿兒島の葉を買いたいという場合において、一体だれがこれをきめるのですか。
○久米政府委員 葉タバコは專売でありますから、一つの会社から、自分は国分の葉を買いたいとか、松川の葉を買いたいとかいろいろ要求が参りますから、それは日本專売公社において適宜調整の上あんばいすることになるであろうと思います。
○中馬辰猪君 適宜調整というふうに、うまく行けばけつこうでございますけれども、おそらく会社としては最も有利な産地の葉タバコを買いたい、いわゆる成績のよくないタバコは買いたくないというふうに当然なると思いますが、その間については、何か協議機関といいますか、一方的に押しつけるのか、あるいは相当意見を聞かれる機関があるのですか。
○久米政府委員 協議会においては、たしかそこまで議論はまだ交されておらないように記憶しております。
○中馬辰猪君 総裁にお伺いしたいと思います。先ほど御謙遜されまして、しろうとであつてというようなお話がございましたが、すでに一年有半を経過しております。その責任者として、すでにくろうとの域に達しておられるということをわれわれは確信いたしております。そこでお伺いいたしたいことは、もしも協議会が民営を強行して、どうしても民営でやれという決議をもしも出して、政府の方でそういう案を公社に押しつけた場合において、今までの経過から見ると、專売公社の労働組合とか、あるいは耕作者の方々が非常に民営に反対して、これの抵抗が、去年においては非常に強かつたが、現在において、もし協議会が結論を出した場合において、どの程度の抵抗があると考えておられるか乗り切つて行くだけの自信があるかどうか。
○秋山説明員 ただいまの御質問の押しつけるということでありますが、專売公社は、もちろん国会のきめるところに従うことは当然です。押しつけるとか押しつけないとか何もないのでして、おそらくは現状から観察すると社内には相当な反対が今ある、あるいは相当な従業員の抵抗も受けるかもしれません。しかしこれは将来のことで一片の想像でありますから、何とも的確なことはお答えでき得ないと思います。
○中馬辰猪君 ほかの方であれば、今から課長になるとか、局長になるとかいうことで、いろいろさしさわりもあろうと思いますけれども、あなたはすでに功なり名遂げて、日本一の実業人である。そこでもう一つ腹をきめて、信念をもつて動いていただきたい。先ほど森山君がるるお話いたしましたように、もしこれを民営にした方が、いくらか安くてうまいタバコができるということならば、われわれもこれに賛成します。ただ現在においてはまだその段階でないし、全国五十万の耕作者に非常な動揺を与え、またタバコの耕作の将来が、危險に瀕する現段階においては、今まで功なり、名遂げたのだからして、ひとつ腹をめてがんばつていただきたい。いま一つ老婆心ながら申し上げておきたいことは、もしも現在の專売公社が、今のような專売をお続けになる決心であるならば、私は一つお願いを申し上げたい。実は私ことしずつと九月から収納各地を拜見しましたところが、一部分において極端な例でございますけれども、民営賛成論の意見が相当強く出ております。なぜかというと、先ほど来お話がございましたように、量日本位から質本位への転換のために、非常な犠牲者が出ておる。ついて行けないような方々がたくさん出ております。そこで耕作組合長あるいは耕作組合の幹部の方におきましては、一部ではございますけれども、民営に理論的に賛成だという気持じやなくて、むしろ現在の収納状況に対する反動というか、一種の捨てばちな気持で、むしろ民営の方がいいというような気持が、相当強くなつておるということを私は拜見いたしたのであります。また第一線の耕作の出張所でありますが、專売出張所の技術者あるいは出張所長の方々も、去年に比べて民営は絶対にいかぬ、今の專売局のやり方がいいのだという信念が、相当ぐらついて来ておりはせぬか。ということは、去年に比べて収納の状況が非常に惡うございまして、耕作者の諸君の反撃が強いから、どうもこれだけ惡い収納をしておつても、專売局の方がいいのだというだけの信念がぐらついて来ておるのではないか。われわれは、持論的に民営がいいのだというような気持で耕作者の諸君も、あるいは耕作者の指導者の方々もおつしやるのであれば賛成だけれども、ただやけつぱちで、今年や去年の状況を見て、反動的に民営がいいのだ、專売局はいかぬというような気持があれば、これは非常に私は残念なことだから、これに対して公社におかれても適切な手を打つて、理論的に御説明されるように、あるいはまた今後の収納等に対しても——あそこにおられます杉山参議院議員とも私は鹿児島でいろいろお話をいたしたのでありますが、この被害地に対する耕作組合の負担金の分だけでも、ひとつ公社の方から金を出してもらいたい。いまさら収納代金をあげてくれということはなかなかむずかしく、技術的にもつり合いの上でできないかもしれませんけれども、しかし被害地に対する分だけでも、ひとつ耕作者に対する補助を増してもらうというような、いろいろの適切な手を打つてもらわなければ、タバコの耕作というものが、意外に末端において動揺しておるということを申し上げて、まだまだたくさん質問がございますけれども、委員外でございますから、この次の機会にお願いすることにしまして、私の質問を終りたいと思います。 —————————————
○圖司委員長 他に御質疑がなければ、これより本委員会に付託されました請願の審査に入ります。本日審査予定の請願は二件でありますが、まず日程第一、民間経済調査機関拡充等に関する請願を議題にし、紹介議員の説明を求めます。岩川君。
○岩川委員 ただいま紹介議員両名とも不在でございますから、私が代読して紹介いたしたいと思います。 昭和二十五年十一月二十一日受理、経済安定委員会付託、民間経済調査機関拡充等に関する請願、第四八号、請願者、東京都千代田区神田駿河台政経ビル内地方調査機関全国協議会理事長、伊藤武雄ほか十一名、紹介議員松澤兼人君、本請願の要旨は、民間経済調査機関は、地方経済の科学的実証調査研究に努力しているが、関係官公庁は、目前の政策的必要を満たすに急であるため、該機関を利用すること少なく、従つて統計は断片的であつて体系的持続性に欠けるものがあり、かくてはわが国民大衆の要望にこたえることはできない。ついては、官公庁の調査統計機能の充実と合理化をはかるとともに、民間経済調査機関を拡充し、もつてその相互協力をはかられたいというのであります。 —————————————
○圖司委員長 次に、日程第二、労務用物資割当制度の存続に関する請願について、紹介議員の説明を求めます。岩川君。
○岩川委員 昭和二十五年十一月二十四日受理、経済安定委員会付託、労務用物資割当制度の存続に関する請願、等一八五号、請願者東京都澁谷区羽沢町四十番地、全国建設業協会、安藤清太郎ほか六十九名、紹介議員野村專太郎君、本請願の要旨は、労務者用の実質賃金を向上して生活内容を充実させるため、生活必需物資(主食、衣料、タバコ、酒類、ゴム製品、食用油等)の労務者用割当制度を存続し、良質にして安価な物資の配給、その他積極的対策を講ぜられたいというのであります。
○圖司委員長 以上二件の請願について政府委員より意見を求めます。
○小出説明員 まず民間経済調査機関活用の問題でございますが、これにつきましては、各省でも予算の許す範囲内におきまして、その活用に努力しておるのでございます。経済安定本部におきましても、有力な民間経済研究機、たとえば三菱経済研究所、世界経済調査会、国民経済研究会というような研究機関に対して調査研究を依頼いたしまして、また各地方にあります経査機関に対しましても、年間おのおの十万ないし二十万円ぐらいの予算で研究を委託いたしまして、その助成に努めておるのであります。なお今後におきましても、予算を極力増大することに努力いたしますとともに、これら民間機関の発達にますます協力して行きたいと思います。なお民間研究機関の仕事につきましては、他少相互に重複しておるきらいもございますので、それらの調整等につきましても、特に專門的に研究を進められるようにくふうをしていただくようにしていただきたいと思います。 次に、労務用物資の問題でございますが、最近相当需給関係が好転して参りましたので、纖維関係、タバコ、ゴム製品というようなものにつきましては、今年の四月以降からは労務配給制を廃止して参つたのでありますが、労務加配米につきましては、現在なお引続き重要な業務に従事します労務者に対しまして、一定の基準によりまして加配米の配当を実施しております。主食の全般的な統制が解除にならない限りは、さしあたり労務加配米のみを廃止し、あるいは縮小するという考えは持つておりません。それからなお労務加配の酒でございますが、これはやはり今年度におきましても引続き配当を行つておりまして、特に一般価格よりも低廉な価格でもつて配給しておりまする関係もありまして、相当効果がありますので、今後もこれを継続する考えであります。
○圖司委員長 ただいま審査いたしております請願について御質疑があればこれを許します。森山欽司君。
○森山委員 民営経済調査機関の拡充ということについては、私は趣旨としてもとより賛成でございます。しかしながら今日の日本の経済事情のもとにおいては、民間の調査機関が発達することは非常に困難な状態に置かれておりますので、えてして官庁よりの調査費等に依存する傾きが濃厚でございます。そうしてそういうような調査機関が過去においてどういうことをしておつたかということを見ますと、それらの機関は政府から何らかの補助あるいは調査費のある間は存続しておるけれども、それがなくなると活動を停止すと形路がございます。今政府側からお話がありました具体的な名前をあげられた団体のうちにも、かつてある省から相当な補助を受けておつた間は、活発なる活動をしておつたのでありますが、それがなくなりまするや睡眠状態にある団体も、私はないとは申しがたいと思うのでございます。それからその請願者のお名前を拜見いたして思い出したのでありますが、その請願者の団体は聞くところにいると実際は会長さんお一人しかありません。そうしてその傘下に、各地区のたとえば九州とか、あるいは東北とか北海道とかいうふうな各地区別の団体をお考えになつておると思うのであります。その中には相当な実績をあげているところもございます。しかし私が見ましたある団体のごときは、それはなるほど理事として、あるいは理事長としての顔ぶれはそうそうたる方を並べおりますけれども專任的にそれをおやりになる方は、役職品合せてわずかに三名でございます。そういう団体を拡充するということはどういうことになるか。要するにこういう請願は調査費がほしい、補助費がほしいということにあるのでありまして、それは要するに、そういう団体をつくる方の失業救済に惰する傾向もきわめて濃厚でございます。従つて本日御答弁をなさいましたところの政府の方におかれましては、調査団体等を取扱う場合に、その実体を十分ひとつ御研究をお願いいたしませんと、国民の血のにじみ出るような税金というものが、ごく少数の者の調査、あるいはその他の名をかりて使われる可能性がある。私は趣旨としては賛成であるけれども、その実体から見て、もう少しお考えになられたらどうかと思うのでございます。この臨時国会でわずか三名の委員の出席のもとにおきめになるというようなことは、少し軽率なそしりを免れないのではないか。もとより慣例的に通すというふうに軽く考えればまた別でありますけれども、内容を考えると私は賛成をいたしかねる。私は請願された方の団体の性格からして、今少し考え直していただきたいと思う次第でございます。
○小出説明員 民間の経済調査団体におきましてもいろいろ予算的、あるいは財政的あ苦しい団体が多いというお話、まことにごもつともでありまして、ちようど、国の財政が苦しいと同じように、民間の調査機関も仕事が非常にやりにくい現状にあると存じております。従いまして單に政府の金をあてにするというふうな調査機関に対しまして、そういうものを活用するという意味ではございませんで、やはり政府がいろいろの調査を委託するにいたしましても、官庁だけではできないような、民間の特色を生かした非常に特色のある、しかも内容的に相当充実いたしておりまする調査能力のある機関を十分に選択して、従来も季託をして参つたつもりでありまして、今後におきましても、今御質問の趣旨を十分に体しまして、できる限り実質的に、形だけではなくて、ほんとうに調査能力を備え、かつある程度の基礎を持つた調査機関を活用して行くという方向で参りたいと考えております。
○森山委員 私はその請願された団体については一応の疑義がありますので、この際次期国会においてもう少し愼重御審議をされていただきたい。もう一件のことについては私は何ら異議はございません。
○圖司委員長 この際お諮りいたします。本日の請願日程はいずれもその趣旨において至当と認められますが、ただいま森山委員の御発言のこともございますので、この件につきましては十分に政府において調査し、監督せられて、適当にその措置を講ずべきものであると思われます。以上の意味をもちまして、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決してはいかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○圖司委員長 なお陳情書三件ございますが、この陳情書につきましては委員会において了承いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○圖司委員長 いずれも御異議なしと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十七分散会