議院運営委員会 第2号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1950/11/24
会議録
○小澤委員長 これから議院運営委員会を開きます。 本日の議院運営委員会は予定していなかつたのでありますが、民主党、社会党の両党から要求がありましたので、開くことにいたします。
○椎熊委員 きよう私ども運営委員会を開きますについては、総理大臣、官房長官、通産大臣の出席を要求しておきました。総理大臣はまだ見えておりませんか。
○小澤委員長 官房長官が見えておりますから……。
○椎熊委員 総理大臣も院内におるのですから、出席願いたい。
○三宅(正)委員 総理大臣はぜひ呼んでいただきましよう。
○石田(博)委員 総理大臣を呼ぶ手続をとつておりますが、その間官房長官でいかがでしようか。
○椎熊委員 参議院の方では総理以下関係大臣が出ております。こちらに出ないということは、衆議院が無視されたように見られてもいけませんから、衆議院の権威のために、私ども総理大臣が出席するまで発言を御遠慮申し上げます。
○小澤委員長 それでは暫時休憩いたします。 午後二時七分休憩 ————◇————— 午後二時三十六分開議
○小澤委員長 それでは休憩前に引続きまして、運営委員会を開会いたします。 民主党並びに社会党からの要求によりまして、総理大臣が出席せられておりますから、質問がありましたら、これからお願いいたします。
○椎熊委員 本日は運営委民会の予定日ではございませんでしたが、重大問題が新たに発生して来た状態から、私どもは運営委員会の開催を要求いたしました。それは昨日来新聞等で伝えられておることで、私ども真相はわかりませんが、今春来国会を通じて天下の重大問題となつているところの電力事業の再編成の問題、これは先般の運営委員会で官房長官より、当臨時国会にはぜひともこれを出したいという言明がありました。各党においても今春来この問題は重大案件でありますので、鋭意研究に努めておつたのでございます。従つて一刻も早く国会に御提案になることを私ども期待しておりました。しかるに突如として、この問題は、マ元帥の総理大臣に対する書簡に基いて、ポ政令によつて再編成の実施をするということが新聞に伝えられております。はたしてそういう事実があるのかどうか、もしありとすれば、事ここに至りました経過並びにこれに対する所信を総理大臣から直接承りたいと思います。
○吉田国務大臣 お答えいたします。この問題はお話のような経過があり、さらにお話のような事態において関心を持つておられる重大問題でありますから、私よりも経過をよく知つておる主管大臣、官房長官から詳細お答えいたしたいと思います。
○椎熊委員 ただいまの総理大臣のお話の、私よりも主管大臣が知つておるということは私ども納得行きません。マ元帥の書簡はおそらく総理大臣あてのものであると私どもは考える。従つて最高責任者たる総理大臣よりも、主管大臣の方が知つておるなどということはあり得ないことだと私は思う。ごく簡單でもけつこうですから、あなたの御所信を明らかにしていただきたいと思います。
○吉田国務大臣 書面はすべて私の名前で来るので、その書面をことごとく私が知つておるということは事実ないのでありまして、主管大臣の方よりお答えをいたします。
○椎熊委員 書面はことごとくと言いますけれども、いやしくも一国の総理大臣に対する占領軍総司令官たるマ元帥の手紙、これは單なる日常あなたにあてておる書簡とは、私は意味が違うと思います。そうして占領治下にあるわれわれ日本の民族といたしましては、このマ元帥の書簡というものには、相当の責任を感じなければならぬと思うのです。これは單なる日常あなたのところと文通せられる書簡とは意味が違うと思います。それを見ておるのか、見ておらぬかわからぬようなことでは、はなはだ当を得ていないと思う。事実はそうではないと思います。率直にひとつこういう事情だから、内容は発表できないけれども、そういう書簡があつたらあつた、しかしてそれによつて、こういうことを政府はするのだということが、あなたの口から聞かれればいい。あと事務的のことは官房長官や主務大臣から承ります。
○小澤委員長 総理の言われるのは、全然知らぬと言うのではない。よく知つておるけれども、主管大臣より詳細なことは知らぬと思うから、主管大臣が言つたことに対しては総理が責任を負うのだから、一応主管大臣から開いてみたらいかがですか。
○椎熊委員 われわれはマ元帥の書簡というものがあつたかないかも、新聞だけなんですから、一切わからぬのです。そこでそういう重大な点は総理大臣よりお答えを願わなければならぬ。それでなければ政府のほんとうの真意というものはわからぬ。あなたの下僚であるところの主務大臣、ことに政界にふなれな、そうして委員会等においての答弁などを聞いておつても、実に気の毒のような……(笑声)ああいうことでは、この重大問題に対してははなはだ遺憾だと思います。やはり総理大臣から率直でけつこうですから、こういう事情だということをわれわれが納得行くように、そうして国会があなたの御行為に対しても、国民的立場から納得して、占領治下の政治をほんとうに完遂して行くというふうに持つて行きたいという誠意から、私はお願いを兼ねてあなたのお考えを承りたいというのです。
○吉田国務大臣 しろうとたる点においては、私も通産大臣も同じ資格であつて、くろうと、しろうとの区別はございません。さつき参議院において、私が誠意をこめていたした説明について、大分議論があつたようですから、それで私は特に説明を省いたわけなんです。また私よりも主管大臣がおられるのですから、時間もないことでございますからひとつ……。
○椎熊委員 それでは別なことを承りますが、マ元帥から電力再編成に関する書簡というものがあなたのところに来ましたか。
○吉田国務大臣 来ました。私のところに来ました。
○椎熊委員 それで内閣はどういうことをなすつたのですか。
○吉田国務大臣 その点については私が参議院で説明したことがありますから、その説明は私の真心をこめて言つたことで、それを重複する必要はないと思います。
○椎熊委員 参議院でそれほど真心を披瀝されたならば、あなたは衆議院に議席を持つておられる方でありますから、どうか衆議院に対してもさらに真心をこめられて、お話を願いたいと思います。
○吉田国務大臣 時間をとると思いますから、参議院で申しました通りを述べます。
○椎熊委員 それはいけません。
○倉石委員 これから述べるというのですから……。
○吉田国務大臣 電力再編成の問題は、御承知の通り事大問題として、ことにGHQにおいては、電力資源がはなはだ少い日本としては、電力面が一番重要であるから、その再編成については十分考慮をしたいというので、長きにわたつて問題を調べた結果結論が出た。その結論について通産省が第七国会までいろいろ討議した結果、第七国会に出したような案になつたわけであります。不幸にして第七国会では通過しなかつたのでありますが、その後各種の事情等については、十分GHQにおいても了承するように、またGHQ、電力委員の意向等についてあるいは考え方等について、地方においても納得して行くように議員として話をさせ、なお通産省においても当局者として、いろいろ研究した結果、あるいは地方からの陳情等について、往復してやつて参つたのでありますが、一面に電力再編成ということは、集中排除法の精神からいつても、これはどうしても再編成をしなければならぬ。他面にもし見返り資金が出ないということになると、今日の状態では日発では金融が詰まつておる。いろいろのさしさわりがあるようであります。一月以後になるとまつたく金融の道もつかない。そうなつて来ると今まで進行した工事もやめなければならぬ。やめる場合にはまた十五億かいるという話で、いかにしても早くこの再編成を実現しないといろいろ支障が起る。のみならず電力は御承知の通り今日まで外資によつて発達して来ておる。この外資に対する従来の日本のやわ方は、元利償却をいたすわけでもなく、そうしてアメリカの電力関係の実業家としては、日本の外資資金に対しての金利はかなり高いし、今日外資が来るとすれば、最も望みがあるのは水力です。そこで水力の開発のために、また日本において資源を開発して、安い電力を供給するためには、なるべく早く再編成をやつて、見返り資金を入れて、さらに外資による安い電力を供給するということが必要でありますから、GHQも急いでおられますし、われわれもあせつて、この問題についで法律案を出したわけであります。不幸にしてそれが不成立に終つたのであります。また今申したような一般の資金状態でありますから、なるべく早く再編成いたしたい。われわれも急ぎ、GHQも急いでおるのですが、なかなかご承知の通り議がまとまらなかつたものですから、GHQでも急いでやるためには、マ書簡により、ポ政令によつてやれという指令が私の手元に来たわけであります。これが私の承知しておることであります。こまかいことは主管大臣からひとつお聞き願います。
○椎熊委員 たいへん総理大臣の誠意ある御説明で、経過についてはよくわかりましたが、私の聞かんと欲するところは、マ元帥の書簡なるものは、国会の審議を要せずして、ポ政令のごときもので実施することをも命ぜられたような書簡の内容であつたのですか。
○吉田国務大臣 そうです。
○椎熊委員 そうですか。
○吉田国務大臣 ええ。
○椎熊委員 こういうことが明記されておるわけですか。
○吉田国務大臣 明記されておるわけです。
○三宅(正)委員 ちよつと吉田さんに伺いますが、ともかくすべて法案は国会に提出しまして審議するのが当然の常道だと思います。ポ政令で出すことが悪いことはきまつておるわけです。絶対多数の與党を持つており、しかもわれわれが漏れ聞くところによれば十二月十五日までに実施しろという話である。といたしますれば、当然與党は絶対多数でありますし、もし通らなければ、そのときに書簡が来ておれば、来ておるということになるので、国会の開会中にポ政令を出すというようなことは、非常にけしからぬことだと思うのです。そこでわれわれが第一に聞きたいことは、マ書簡の内容なんです。今、椎熊君の御質問に対して、ポ政令でやれと書いてあると言われたのですが、こういうふうに私どもは承知しておらぬのです。やむを得なかつたらポ政令でやることもやむを得ないだろう、あらゆる手段をとれという意味じやないですか。その辺のことについてひとつこの際書簡の内容について御説明願いたい。
○吉田国務大臣 内容については先ほど私が申しました通り、マツカーサー元帥がら私に来た手紙の内容は、これを発表しないのが慣例であります。もし発表するならば、双方が同意するか、あるいは命令されたマツカーサー元帥がGHQにおいて発表する。これが従来の例であります。でありますから内容は発表できないのであります。ただいま申しましたような経過をたどつておるわけでありますから、われわれもなるべく法律で行きたいと思つておつたのでありますがゆえに、今日までいろいろ交渉も重ねたり、国会方面に対してもいろいろ努力して来たのでありますが、もうこう差追つて、十二月一箇月くらいしかない今日になつてから、これをこのままにしておくわけには行かぬ。会社にしても再編成の用意もあるでしようし、緊急やむを得ざるものとしてこれを出したのであります。やむを得ざる場合にポ政令を出せと書いてあるかないかということは内容に関することでありますから、お答えいたしかねます。
○石田(一)委員 先ほど参議院からの情報を聞きましたところ、総理大臣は最初は、書簡にポ政令その他の措置によれと書いてあつたということをお答えになつたあとで、参議院の運営委員会の追究によつて、ポ政令ということは直接には書いてなかつたというふうに打消しになつたというお話でありますが、これは事実でございますか。
○吉田国務大臣 それは聞き違いであります。
○石田(一)委員 聞き違いでありますか。
○吉田国務大臣 ええ。
○林(百)委員 従来は首相あての書簡が来た場合には、一切発表されておつたのです。
○吉田国務大臣 これは政府は発表しません。GHQが発表することなんです。
○林(百)委員 私の話を聞いてからお答えください。
○吉田国務大臣 急ぐものですから、お答え申し上げるのです。
○林(百)委員 たとえば警察予備隊の場合でもそうなんです。だから今度特に発表できないという理由があるのかということが一つと、これは明らかに法律と同等の効果を生ずる政令ですから、なぜ特に国会の開会中にもかかわらず国会にかけなかつたか、ポ政令によらなければならなかつたかという理由、特に政府が必要と認めた理由をぜひ聞かしてもらいたい。
○倉石委員 そういうことは官房長官から言うということだから、いいじやないですか。
○林(百)委員 首相に答弁を求めておるのではないか。それを帰るということはない。 〔発言する者多し〕
○岡崎官房長官 私からお答え申し上げます。マツカーサー元帥から総理にあてた手紙は、従来の例は渉外局で発表するものでありまして渉外局の発表のときは、同時に打合せましてこちらでそれを発表したことがしばしばあります。今回はいかなる理由かわかりませんが、渉外局で発表しておりません。そのために政府側でもまだ発表できない状況でございます。 第二の点につきましては、国会開会中にポ政令を出すことの可否でありますが、その点は向う側からかかる指令が出たのでありますから、私の方では何とも申されないのであります。
○林(百)委員 首相が帰つて行つてしまつてはしようがないのですが、岡崎官房長官にお聞きしたい。きよう新聞にあなたの談話として出ておるが、これが間違いなら間違いでけつこうですが、あなたとしては、日本政府がポ政令によつて行うことも許す、オーソライズするということで、必ずポ政令で出せとは書簡にないということがあなたの言葉の中からとれるのです。もしどうしてもポ政令でなければいけないということが書簡の中に書いてあるとすれば、その字句をあなたから説明してもらいたいと思う。 〔発言する者多し〕
○岡崎官房長官 私はポ政令でもいいというようなことは一切言つたことはありません。ポ政令で出さなければならないことになつております。それからオーソライズという言葉につきましては、この前警察予備隊のときにも同じ文句を使つております。これはポ政令で出す意味だということをはつきり申されております。従いましてほかに方法はないのであります。内容については発表できませんが、その内容がもし将来発表された場合ははつきりすると思いますが、政令以外に何か措置をとるような言葉は一つもありません。
○林(百)委員 官房長官も御承知の通りに、書簡が来た場合に、ポ政令で出すかどうかということは、日本政府の判断によつてやるわけなんです。連合国最高司令官の要求があつた場合に、日本政府が特に必要とする場合はポ政令でやるわけなんです。だから最高司令官の要求があつたからといつて、必ずポ政令で出さなければならないという理由はないと思う。
○佐々木(秀)委員 それは共産党的な考え方じやないか。
○林(百)委員 ポ政令でやらなければならないというならば、その根拠を示してもらいたい。向うの書簡の中にはそういうことはないので、日本政府の判断でポ政令で出しておる。もしそういうことになれば……。
○小澤委員長 林君、それは岡崎君かう答弁しておりますから——田中君の発言を許します。
○田中(織)委員 問題になる点はやはりそこだと思うのです。内容が発表できないと言われるけれども、官房長官がここで言われた点は内容にわたつて発表されておるわけですね。それだから、これは政令によらなければならないという絶対的なものですか。
○岡崎官房長官 先ほど申し上げた通りであります。その通りです。
○田中(織)委員 そういたしますと、書簡には政令の実施期は十二月の十五日であるということがけさの新聞に報道されておるのですが、実施期の問題は、書簡に何か具体的に日にちを示しておるのですか。
○岡崎官房長官 書簡そのものには何も入つておりません。しかし書簡に付属したポ政令案の中には入つております。
○田中(織)委員 これは実は総理から伺いたかつたのでありますが、通産大臣から伺つておきたいと思います。今度のポ政令により法制化される再編成案なるものは、第七国会に政府から提出した案と多少違うかもしれませんけれども、大体あの案の通りであるというふうに新聞紙が伝えておるのであります。第七国会案に落ちついたのは、今回のマ書簡が来てからそういうようにきまつたものかどうか、第七国会案に決定したのは、マ書簡に具体的にそういう案の方向というものを示唆しておるのか、政府の責任において第七国会案に落ちついたのか、その点ひとつ通産大臣から承りたい。
○横尾国務大臣 それは付表に載つております。
○椎熊委員 官房長官にお伺いしたいのですが、われわれは占領以来五箇年を経て、日本の再建復興が徐々に緒につきつつあるように思います。いわんや講和会議を日前に控えておるような客観的情勢が展開して来ておる。われわれ民族の念願は、一日も早く日本国家の自主権を回復するということに、全国民の念願があると思うのですが、占領治下にあつても国会も許されておるという事態、これは実に感謝しておるくらいで、われわれは政府とともに日本祖国の再建のためには、やはり民主主義の原則にのつとつて、国民の自主権というものを尊重しつつ、祖国を再建して行くというのが御同様の念願でなければならぬと思う。たとえばマツカーサー元帥の書簡がありましても、これはポ政令によつてやれということが、総理の言明によると、その書簡の中に明示してあるというのですから、これは一応総理大臣の言明を信頼いたしますけれども、たとい明示されてあつても、真に日本民族の自主権回復という念願をあなた方が愼重にくみとつてくれるならば、一応それは今国会開催中にポ政令で出すよりも、これを九分割でやれというならば、それはさまつたことなんですが、国会においても了解をつける道は多々あると思いますから、法律案で出したい、そういうことで、日本国家を思うならば、そういうことを内閣から向うと交渉してしかるべきものだと思うのですが、そういうことをはたしてやつたのかやらないのか。
○岡崎官房長官 これは書簡が来る前ならば、そういう交渉の余地も十分ありますし、われわれも椎熊君と同様の意見であります。私の就任前でありますが、第七国会に提案しました当時のいきさつを聞きますと、やはりデイレクチヴを出すということのお話がありましたが、それは待つてもらいたい、法律案を出すということで、デイレクチヴを出さないでもらつたということを聞いております。しかしながらマ元帥の署名のある公式の手紙が総理大臣あてに参りました以上は、これを理由なく遅らすということもできませんし、すでに発せられた署名ある手紙に対しては、それを忠実に実行する以外に道はないと思います。
○石田(一)委員 ちよつとお伺いいたしますが、今の総理大臣並びに官房長官のお話を承つておりますと、これをポ政令で出したということは、マ書簡によるものであつて、何ら政府の関知しないものであるというふうに聞えますけれども、少くともマ書簡によつたのであろうと、どうであろうと、それを法律案として国会の審議を経て出すべきものを、ポ政令でお出しになつたということは、政府の責任であやりになつたかどうか、こういう点を伺いたいと思います。 〔「あたりまえじやないか」と呼ぶ者あり〕
○岡崎官房長官 それはデイレクチヴでありますから、政府に対する指令であります。しかしその指令を受けて、ポ政令で出したのはもちろん政府であります。それは政府は責任を持ちます。
○林(百)委員 十二月十五日までに実施すればいいわけでしよう。それならば国会になぜかけないか、その判断は明らに五百四十二号を読めばわかる。君たちは国会の権威を傷つけていいのか、しかも出しておるのは十二月十五日まででいいというのに、なぜポ政令で出すのか。 〔発言する者多し〕
○小澤委員長 林君靜粛に。
○林(百)委員 発言中です。ただいま国会が開かれておるのにポ政令で出す必要はないじやないか。マ書簡に十二月十五日まででいいというのでしよう。それをなぜ国会にかけないのですか。十二月十五日までに国会でやつたらいいじやないか。向うの要求は十二月十五日じやないか。政府の責任なら、どういう理由でそういうことをやるか説明したらいい、そんなことを許したら国会の権威も何もないじやないか。十二月十五日でいいということが許されておるにかかわらず、なぜこれをポ政令で出したのか。 〔発言する者多し〕
○小澤委員長 椎熊君に発言を許しました。
○椎熊委員 発言を許されております。通産大臣に伺いますが、通産大臣は今日まで法律案で出すことに御努力なさつたと聞いておりますが、あなたの御努力された今日までの通産省の案というものは、今度のポ政令で出ます政府の案とどういう違いがあるのですか。
○横尾国務大臣 私らはたびたびケネデイ氏にも話をしました上、これについては国内の方々のいろいろなお話も新聞紙上等で承つておるのでありますから、でき得べくんばそういうことができるならと思つてお請いたしましたけれども、ケネデイ氏の方では、自分のところでは第七国会に出したときに最大限の讓歩をした、あれ以上の讓歩はできない。こういうことであります。そのままで来た案は、私らが持つて行つたのとは、あるいは非常に違いがあるかもしれませんが、それは私らは政府案として持つて行つたのではない。さように御承知を願います。
○田中(織)委員 官房長官にあと一、二点承つておきたいと思います。
○小澤委員長 通産大臣は関係方面に行くそうですから、通産大臣の方を先にお願いいたします。
○田中(織)委員 それでは通産大臣に先にお伺いいたします。第七国会案が今度のポ政令で実施されるわけですが、書簡に付属する付表に出ておるということです。われわれの知り得るところでは、政府が第七国会案を、ポ政令で政府の責任において出される以上、第七国会案を最良のものだという結論に到達しておると思うのですが、その結論に到達したのは、書簡が出てから、その示唆に基いて第七国会案をポ政令で出すという結論に到達したのか、その点をひとつ承りたい。
○横尾国務大臣 それは向うから指示が来ております法案が二つあります。再編成法案と公益事業法案、その二つの中に書いてありますので、それに従うよりほかないと思つております。
○小澤委員長 田中君、今の御質問ですが、結局今の命令に盛られた内容は、第七国会の案と似ておるというのですから……。
○林(百)委員 そうすると通産大臣としては、第七国会で政府が考えた法案でいいわけでしよう。それは向うの命令と大体同一のものでしよう。それを国会にかけて、絶対多数党の與党があるわけですから、その審議を終るということをどうして考えないのか、また努力してこういう経過になつたのか、それをひとつ明瞭にお答えを願いたい。 〔発言する者多し〕
○小澤委員長 先ほどの答弁にはつきり言つておりますから……。
○椎熊委員 マ書簡にポ政令によれということを明示しておると総理大臣が言明されたのですから、これ以上この問題は私は論議することを潔しといたしません。他の機会においていたしますが、この事実を明らかにすることだけは非常に効果があつたと思います。 そこでせつかく官房長官がおいでですから、本日の総理大臣の施設方針の演説並びに大蔵大臣の演説に関連して質問しておきたい。それは大蔵大臣はおそらく補正予算のことについて御説明があるだろうと思うのであります。しかるにわれわれの手元にはいまだに予算書が出ておりません。(「行つておる」と呼ぶ者あり)それは大綱だけです。今受けておるのは大綱だけです。(「芦田内閣のときはどうか」と呼ぶ者あり)まあ聞きなさい。大綱によつて総理並びに大蔵大臣の施政方針演説を芦田内閣のときにしようとした際に、現にこの席に連なつておるわれわれの先輩山口さん並びに委員長の小澤さんたちは、予算大綱なるものは予算書ではない。従つて予算案がないものを審議することはできない。従つて総理大臣の施政方針の演説も大蔵大臣の財政上の演説も聞くわけにいかぬということで、その当時重大問題を惹起して、施政方針の演説並びに大蔵大臣の予算説明が延びた事実がある。われわれがやつたことは真にやむを得ざる処置であつたのですが、しかもなお山口さんはそれについて大論争をせられて、遂に審議がそのために握れたという事実がある。今日われわれがやつたと同様の予算大綱なるものによつて、一般施政方針演説並びに財政方針の説明をなさるということについては、政府並びに自由党の諸君はこれでも予算審議ができるかどうか、そういう点についてまず官房長官並びに委員長、自由党の国会対策委員長たる山口君の所信を伺いたい。
○大池事務総長 ただいま椎熊さんのおつしやられたことについてですが、予算大綱に当る予算概要というものが出ております。各議員に配付をしておきました。前回の場合には大綱だけでは予算書にあらずという御議論がありましたが、一応大蔵大臣は御演説があつたのであります。さらに本ものの予算書が出た際に、もう一度その予算書の内容について述べられた。北村さんの第二国会の際にはそうでありましたが、今回は概要でございましたので、一応発言通告もありましたが、大蔵大臣は発言をきようはとりやめるという通告がありました。ところがただいま承るところによると、予算書そのものが提出になつたそうであります。従いまして事務的には、至急に皆様のお手元にお届けするわけであります。予算書が出たにつきまして、大蔵大臣の発言の再通告があつたそうであります。
○椎熊委員 予算書が出たというのですが、予算書はああいうふうに厖大なものである。一時間や三十分でなかなか検討ができない。従つてここ一両日の間、予算検討のために、予算の説明は延期してもらいたい。これは運営委員会にお諮り願いたい。
○小澤委員長 官房長官に対する質問はありませんか。
○田中(織)委員 電力再編成のポ政令の質問ですが、この政令はきよう出たのですか。それともこれからお出しになるのですか。
○岡崎官房長官 これは印刷その他でこの点はつきり今ここで申し上げられませんが、本日中には公布の予定でございます。
○小澤委員長 それでは政府に対する質問はないようですから、これで終ることにいたします。
○椎熊委員 今度は運営委員会の質問ですが、本日の日程は総理大臣の施政方針の演説並びに大蔵大臣の村政説明がある。それに先だつて客観的情勢上かくのごとく重大問題が発生したので、われわれ運営委員は政府の御発表によつてやや了解することもできましたが、院議をもつてこの点了承するの必要があると認めますので、私どもは総理大臣の施政方針の演説の前に、緊急質問でこれを取上げたい。これをお願いしたいと思います。
○石田(博)委員 先ほどここでいろいろ説明をされましたし、本日総理の行われます施政方針の演説の中にも、そのことについて説明がおありになると思つております。従つてその点に関する御質問は、政府の方で説明いたしますから、そなをお聞取り願いました上で、国務大臣の施政方針演説に対する質疑の時間もあることでありますから、各党からそれぞれの立場でお願いしたいと思います。
○椎熊委員 総理大臣は、施政方針の演説の中におそらくそのことを言わざるを得ないと思う。こういう政府の取扱い並びにマ元帥がこの書簡を出されるに至り、日本民族が今日自主権を回復し、講和條約を受入れる態勢を完備しようと努力しておる際にあたつて、われわれ国民に一つのシヨツクを與えるがごとき政府の責任における行動が行われるということは、国会としては国民にかわつてそのことを明らかにしておく必要があると思う。総理大臣の一般施政方針の演説とは別個のものである。日本民族の信念と決意と祖国を思う熱意とは、どうしてもこのことを明らかにしておかなければ、総理大臣の演説を聞くわけにいかぬ。従つて総理大臣の施政演説の中にその内容を盛り込んでおるとすれば、おそらく見当違いのものであるかもしれない。われわれは今総理大臣が説明されたようなことでは納得できない。これは日本民族として、どうしても国会を通じて聞かなければならない。
○石田(博)委員 新しい御提案があるわけでありますが、すなわち緊急質問を提出しておるというのですが、事務的に出しておられますか。
○大池事務総長 出しております。
○石田(博)委員 それではこれを上程するかいなかということについて、新しい議題になつておるわけでありますが、これを本日劈頭に出さなければならないということについて、椎熊君から御説明があつたわけであります。私の方としては、この問題については総理の施政方針の説明があるのであるから、それに対する御質疑によつて明らかにされればいいと思う。その点については十分の時間があることであります。私どもは、ポツダム宣言受諾に伴う勅令を、国会開会中に出すということについて、その事態を明らかにさせなければならないという椎熊君の御説には賛成でありますが、その時期は当然與えられております時期においておやりを願いたいと思います。結論としては、本日劈頭の施政方針演説よりも、緊急質問を先にすることには反対いたします。さらにこの問題については、おそらくお互いに議論はあると思いますが、その議論のわかれ目ははつきりしておると思いますので、委員長においては、これについてすみやかに採決あらんことを望みます。
○田中(織)委員 委員長……。
○小澤委員長 田中君に発言を許しますけれども、椎熊君が言つたことで理由ははつきりわかつておるので、それと違つた理由があれば伺いたい。
○田中(織)委員 この問題は私の党からも緊急質問を出しておりますが、国会の存立に関する重大問題だと思いますので、施政方針演説に先だつて緊急質問を許すべしという立場においての、椎熊君の提案に賛成をするものであります。
○林(百)委員 私の方も緊急質問を出しております。私の方は国会の権威の存否に関する問題であるから、取扱いからいつても、施政方針の前にやるべきだと思います。そういう意味で国会の権威のために、われわれは首相の施政方針演説の前にぜひやらしていただきたいと思います。
○椎熊委員 君らにほんとうに反省してもらいたいのは、君らは数もあるし、採決すればわれわれの方の主張は負けます。しかしせつかく終戰後といえどもこの国会を認められ、国民の意思がいくらかでも暢達できるという機関を持ちながら、遺憾ながら敗戰国民なるがゆえに、われわれ今ポツダム政令によらなければいけないというのは、民族の悲劇なんです。それはわかつてくれると思う。自由党もわれわれと同じ日本民族じやないか。この機会において、国民のこのやるせない、訴えるところのない気持にして、われわれが悲観させることのないような行動に出るのは、われわれ国民代表の責任じやないか。ただ單に党利党略、あるいは数によつてわれわれの主張を押しつぶすということは、親切なゆえんではないと思う。さらにお願いする。ほんとうにお願いする。そのくらいのことはやらしておきなさい。日本民族共同の利益のために、このことをお願いする。
○菅家委員 やらせないというのではない。時間があるからその時間にやりなさいというのです。
○小澤委員長 大体議論も盡きておると思います。 〔発言する者多し〕
○石田(一)委員 議論が盡きたようであるというのですが、石田君の要求によつて採決の形に行かれるのですか。そういうことをするのは、運営委員会のとるべき道ではないと思う。この運営委員会は、要するに本会議のスムースな運営をはかるためにやるのであつて、もう少し忌憚のない意見を吐いて、妥協できるものは妥協して行く、これをぜひしてもらいたい。もう少し審議を盡させてもらいたい。
○小澤委員長 石山君の御意見、私ども賛成です。できるだけ採決はしたくない。しかしながらはつきり両論にわかれているのを、いつまでたつてもやつておることは、平行線だと思いますから、やむを得ず遺憾ながら採決をいたします。椎熊君の動議に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○小澤委員長 挙手少数と認めます。従つて前運営委員会で決定通り、本日は総理大臣の演説、並びに大蔵大臣の演説をただちに実行することにいたします。 これで休憩いたします。 午後三時二十一分休憩 ————◇————— 午後四時四十分開議
○小澤委員長 それではこれから運営委員会を開きます。
○幣原議長 ちよつと私から一言御説明申し上げたいと思います。私は何も発言をとめさせようとか、圧迫を加えるという意思は毛頭なかつたのです。ただ規則をちよつと見てみると、議題に直接の関係のある事項のほかは、私どもがこれを許可する時機についてはきめると書いてある。ところがあの申し入れられた書きつけを見ますと、議題にはたして関係があるかどうか、まつたく見当がつかないのです。それを許すということになると、何分かそれで費される。何でも三十分くらいかかるという話ですが、そんな約束はできませんし、それが一時間、二時間にならぬとも限らない。それでまず総理と蔵相の演説は先に済ましてしまう方がいい。何もこれを演説が済むまで待つたからといつて皆さんの発言権を封ずるなどという意思は毛頭ないのです。またその時機については、しかるべき適当な時機をはかつてこれを許します。こうはつきり私は宣告しておつた。その宣告したのが、あの大騒ぎでみんなに徹底しなかつたかもしれません。そこのところは、はなはだ皆さんに誤解を生じたと思いますが、私の気持はそうだつたのです。これはやはり議題の方を早く済ますのがいい、こういうように私は思つて——先刻のここの運営委員会では、どういうことがきまつたかというと、例のきわめて緊急なる問題についても、緊急質問さえ許さぬということになつたのです。ただちに本会議を開いて、両大臣の演説を進めて行くということにきまつた一ここで議事進行の問題はなかつたのです。ああいう緊急質問についても、それはいかぬということになつて、ただちに本会議に入つて、両大臣の演説に入りますということにきまつたのだから、それからして議場に入るまで二分か三分かの時間でございまして、情勢がその間にかわつているわけではない。そうしてみれば、私はここできまつた通りやつて一向さしつかえないのだ。発言者の発言を封ずる意思もなければ、またそうでないことは私の宣告したのが速記録に載つていると思いますが、それをごらんになればわかる。私ははつきりそれは言つたつもりだつた。ただ議場がああいうふうに混乱に陷つてしまつて、やかましくなつたものですから、私の宣告が徹底しなかつたかもしれませんが、そういう意味でありますから、よくその点は御了解を願います。これから私の不信任決議の問題があるそうでありましてこれは私の一身上に関係することですから、私はこれで退席いたしますが、私の心持だけはこれで御了解を願いたいと思います。
○椎熊委員 まだ不信任の問題に入つておりませんから……。議長は百二十九條の條文について感違いがあると思います。私どもは運営委員会で緊急質問の問題については少数で敗れました。しかし議事進行の問題は、ここでは議題になつておりません。議事進行の発言をもしないという申合せも、もとよりありません。議事進行に関する発言のうち、どうしてもやらなければならぬもの、当日の議題に関係しているものは、議長の職権ではさえぎることができない。従つて私どもこの議事進行の発言を要求した要旨の中に、総理大臣の一般施政方針演説に対する問題を明記して請求している。従つて職権でこれをとめるということはできない。もし職権で何でもとめることができるなら、議事進行ということはあり得ないことになる。これは、これをつくるときすでに論議になつた問題です。われわれはこれをつくると携わつているが、その精神は、議事進行というものはまつたく突発的なことによるものであつてこれを始終やつたのでは問題になりますから、昔は具体的なこんな内容の規則はなかつたのですが、それを整備するために具体的な條文に書いてある。それをあなたの解釈の違いから、われわれの正規の手続による議事進行の発言を無視するということは、少くとも議長の感違いであるか、間違いであるか、粗漏であるか、故意であるか、そういうところに私はあると思う。それなるがゆえに、その反省を促すために、院内交渉係の立場から、あなたに直接面接してそのことを申し上げたけれども、一向取上げてくれない。しかも総理大臣の演説はそのまま進行しておる。すでに事実として進行して、終りに近づいたものですから、社会党の方は百歩を讓つて、しからば大蔵大臣の財政演説の前にでも許したらどうかということで、事務総長からもお伝えがあつたはずである。それにもかかわらず、それをも無視して横暴にもああいう扱いをするということは、これは国会の権威のために——議長みずからが衆議院規則を蹂躙するがごとき行動に対しては、畏敬する丈先輩たる幣原議長に対してまことに遺憾であります。従つて私は私情において忍びませんけれども、かくのごとき状態であり、そうしてかくのごとき信念を持つて国会を運営して行こうというならば、これは国会の神聖を堅持することができないので、遺憾ながら議長の不信任案を提出せざるを得ざるに至つたのであります。あなたはこの條文の解釈について意見を異にしておる。あなたがお間違いであつたとすれば、間違いというものはあり得ることですから、これは別問題だが、どこまでもそういう御議論で、あなたの行動が正しかつたというならば、私どもそれが正しくないということで議論をしなければならぬ。
○幣原議長 椎熊さんの今のお話については、先刻答えたように思います。「議題に面接関係があるもの又は直ちに処理する必要があると認めたものの外は、これを許可する時機は、議長がこれを定める。」と書いてある。ところが議題に直接関係があるのかどうか、この書いて来られた書類だけではわかりません。
○椎熊委員 どうしてわからないのですか。
○幣原議長 これだけではわかりません。
○椎熊委員 そういう解釈なら私どもと違います。ちやんと明記してあるじやありませんか。
○幣原議長 これだけで、どうしてそれが議題に関係があると認められますか。
○椎熊委員 それは明記してあるじやありませんか。
○幣原議長 この議事進行が議題に直接関係あるものだということがどうしてわかりますか。
○椎熊委員 私ども、このまま議事日程の第一に入つてはいかぬということを、議事進行で主張するというのです。
○佐々木(秀)委員 質疑と書いてあるじやないか。きよう質疑じやない、演説なんだ。
○椎熊委員 日程第一を書いてある。
○佐々木(秀)委員 議事日程の第一に入つていない。入つていないとき、議事進行を持つて来たのだろう。
○椎熊委員 入つちや困ることなんだ。それは解釈の違いなんだ。ぼくらはきようの議事日程に関係があるというのだから…。
○石田(博)委員 発言の通告に基いて総理大臣に発言を許したのでよう。
○椎熊委員 日程第一が国務大臣の演説じやないか。それに関係がある。
○石田(博)委員 質疑というのは、
○椎熊委員 これは関連していることだ。国務大臣の演説に対する質疑だから……。
○石田(博)委員 本日の公報をただいま調べてみますと、日程第一は国務大臣の演説ということになつております。椎熊君の方は、議事日程第一、国務大臣の質疑を書いてある。ちよつと意味が違うように思います。それで、これは議長の御判断が正しいと思います。それからもう一つ、三宅正一君の方は、首相の施政方針演説の実施についてと書いてある。本運営委員会において施政方針演説は開会ただちにやるということに決定いたしております。従つてこれは開会ただちにやるというのが運営委員会の総意の決定であります。
○椎熊委員 ただちにやる。それについての議事進行じやないか。ただちにやらせることについては意見があるのだから…。
○石田(博)委員 それはここでやるのが当然でしよう。(発言する者あり)私の発言にいろいろおつしやる方があるようでございますが、私の言うのは決して索強附会の弁を弄しているわけではない。衆議院規則百二十九條の規定を見ますと、議事進行に関する発言は、議題に直接関係あるもの、またはただちに処理する必要があると認めたもののほかは、これを許可する時機については議長がこれを定める。こうあります。それから議事の運営をはかるためには、本日の本会議の日程は運営委員会におきまして決定したことに基いてやる。それで椎熊君の発言通告書は、はなはだ遺憾でありますが、文字の上に誤りがあつた。三宅正一君の方は、首相の施政方針演説の実施についてと書いてあります。この首相の施政方針演説の実施については、すでに本日ここでただちに実行するということになつておる。ただちにというのは議長が開会を宣した後ただちに実行するということです。たつた三分か五分前、皆さんの御列席のところで、ただちに実施するということが議論されて、採決によつて決定されているわけであります。そこで議院運営の常道から行きまして、議長がもし三宅正一君の発言を許したならば、議院運営委員会の決定を無視したことになりますので、これは議長の立場もなかなか苦しいところであると思うのです。そこでやはり議院運営委員会の結論を尊重せられる。これは議長としてはやむを得ないと思います。今議長の言葉に対する質疑の途中ですが、私どもとしては議長のおとりはからいは、本日の事態としては万やむを得ないことである。こう考える次第であります。
○田中(織)委員 私の方から、三宅正一君から議事進行の発言の要求をいたしたのであります。これは先ほどの議長の一応の釈明によりましても、議長の方で直接議題に関係があるかどうかということについての判断をされた。その判断が、直接関連がないものだと判断されたから云々という御説明があつたわけですが、私の方は通告書に、議題に直接関連があるということを百二十九條の建前から明白にいたしたつもりでございます。ただいま石山君から、議長の処置は当然であると言われますが、そうなると議長の先ほどの釈明が意味をなさなくなる。問題は、先ほどの運営委員会で、施政方針演説の前に緊急質問を行うということについてわれわれの要求が出たが、その要求が否決さなたのは事実です。従つて正常の場合ならば、ただちに日程に入るのが順序でありましようが、緊急質問が封ぜられたことによつて、少くとも日程第一を進めることについては、われわれの方で国会運営上重大な問題があるという認定のもとに、開会せられると同時に、われわれはこの手続をとつたわけであります。この点は私どもの方の通告書を見ますれば、直接議題に関連があるということは明白であるのであります。それについて百二十九條の趣旨から申せば、議長が議長の職権をもつてあとまわしにしたとやうことは、確かに議長の越権行為であると考えるのであります。議事進行に関する発言の問題は、従来とも運営委員会で協議せられたことは私はないと思います。われわれが運営委員会で要求をいたしたのは、緊急質問を施政演説の前にやらせてもらいたいというのでありますが、これが否決せられたのであります。しかしわれわれはその事実の上に立つて、国会法に残された方法によりまして、発言の機会をつかもうとしたのであります。従つてそれだけ明白に日程に関連があるという議事進行の発言を、議長の感違いであとまわしにしたということになれば、これはその点に関する限り議長の責任は私は残つていると思う。その点について、もし議長の方で何か御意見があれば承りたいと思います。
○幣原議長 さつきから申し上げたつもりでありますが、私は議題に直接関係のあるということは、あのお出しになつた書きつけだけではわからなかつた。判断できなかつた。それであのように取扱つたのでありますが、しかしそれを御説明になつたあとで——これならば直接関係があるとするならば、私は喜んでこの発言を許したのであります。そういう意味でありますから、どうか御了承を願いたいので、いたずらに、議事進行の発言を禁示するとかいう意思は毛頭なかつたのであります。
○石田(一)委員 議長の話を聞いていると、とにかく一応こちらの申込みもちよつと間違つておつたところもある。だから迷うということはある。そういう意味で議長のお話は了解できるが、石田君などのように、いやにこじつけて、それは当然のことだというりくつをつけてわれわれのやつておるのが間違つておるというふうにされたのでは了承ができない。あなたが言つたことは、まるで議長の言つておることを打消しておる。
○石田(博)委員 そういう意味ではない。私は、議長がそういう判断をされたのは、表現の上からいつてもむりがない。これがはつきりしているのなら議長においてもこれは…。
○椎熊委員 三宅君のははつきりしているじやないか。
○石田(博)委員 三宅君のは——私が申し上げたのは運営委員会の決定——それがいいとか悪いとか言うのじやないが、議長が迷われたのも議長としてはむりがなかろう、こういうことを申し上げたのです。
○田中(織)委員 今の石田君の説明は、石田君がこういうように言われたということならいいのですが、問題は、少くとも百二十九條に基いて、これは議長の職権で封ぜられない、最初にやつてもらえるようなものとして、私どもの方で研究して、一つの確信を持つて手続したわけです。その点について議長が判断せられる場合には、事務総長もおられるわけですし、そこで一分、二分を問わず、これは與党にも野党にも議場内交渉係がいるわけですから、大体これは緊急質問と同じ性格を持つものであるがゆえに、運営委員会の決定もあるしというように、何らか話があつてしかるべきであると思う。そのことも一分、二分で解決する問題じやないかと思う。ですから、議長の方でも解釈の点において感違いがあつたということを言われるなら、私は問題はおのずから別問題だと思う。議長が釈明せられておることに、ほかの者が何ら注釈を加える必要はない。議長の釈明に、ほかに注釈に、ほかに注釈を加えるということになれば、私ども了承できないということになる。
○佐竹晴記君 三宅君の出したのは、ここで論議されているように、議事進行に関する発言です。先ほど石田君は、運営委員会において否決されたものを、その直後に本会議に持つて来れば、これは扱わないのは当然だと言わんばかりのお言葉であつたが、運営委員会において否決されても、本会議で可決されることはあり得る。この運営委員会で否決せられても、本会議で新たに提出することはできる。新たな議事難行の発言があつた以上これを採決上ないで、ほかの問題に持つで行くということはできない、先ほどの三宅君の提案は、総理大臣の演説の実施に関する件で、総理大臣の演説を劈頭にやらせることはよくない、それより先に別途発言を許すべきものであるという趣旨のものでございますから、そうすると総理大臣の演説を第一にやらせるべきかどうかということは、議事難行に関して、ことに総理大臣の発言に関するところの、その議題に関する直接の議案でございますから、これを取上げるのは当然のことです。これを採決しないで自分がこう思つたからというて——これは迷われたかどうかわからぬが、迷われたら、なおさら議場に問うて、迷われたところは議長としてこれを可決するなり、否決するなり、どちらか皆さんの議に問わなければならぬ。それを自分かつてに押し切つていいということなら、会議というものは必要がない。自分が思つた通りやつてのけてしまうならば、議事進行に関する、発言も何もあつたものじやない。(「議事妨害だと思つたのだ」と呼ぶ者あり)議事妨害かどうかは本会議がきめることであつて、一部の人や議長がかつてにきめることではない。絶対多数の勢力を持つておるのだから、ほんの一分か二分でできることを、その手続を経ないで、自分の独断でやるということは、とうてい許されることではないと思う。
○小澤委員長 運営委員会で決定されたことを、議長がやることが悪いというのですか。運営委員会では、とにかく劈頭に総理大臣の演説と大蔵大臣の演説をやるということを決定している。これは多数決ではない。満場一致決定をしている。(「満場一致じやない」と呼ぶ者あり)動議が否決されればもとにもどるのだから、満場一致です。
○佐竹晴記君 反対した者があつたでしよう。反対した者があつて委員会において敗れたとき、本会議においてもう一度争う余地はあります。従つて委員会において決定しておつても、本会議において運営委員会の議に従うことができないという発言をすることは自由です。だから、これをまた本会議の議にかける。これを採決にかけのは当然です。運営委員会で否決されたら本会議でもう発言できないということは、これは先例になりますよ。
○佐々木(秀)委員 法律案で負けたのなら、反対討論もできますが、本会議のやり方をきめたのじやないか。そのやわ方をその通りやるのに何のふしぎがあるか。そういうことなら、運営委員会も何もあつたものじやない。
○三宅(正)委員 こういうことじやないのですか。要するに運営委員会では、緊急質問は否決になりました。それでどちらも少数党になる場合もあるのだから、こういうことについてはきめておかなければならぬのですが、そういう場合において、議題に直接関係のある議事進行というのは、必ず取上げなければならぬことになつてやる。その意味第、椎熊君のも議題に直接関係があると思うのだ。何か書き違いがあつたわけですが、私のものについは、総理大臣の施政方針演説の実施についての議事難行、これは当然やらなければならぬ。迷われたということなら別問題ですが、たとえば私の方が多数党になつて、自由党が野党になられたそのときでも、当然許される問題として衆議院規則に残つておる。その解釈は明白になつておる。御老体の議長が迷われたということであるならば、何もそんなことでわざわざやりたくはないのだが、その点だけはお互いが明白にしておきたい。ちよつと迷つた、こういうことならわかるがその辺はきれいに行こうじやないか。
○石田(博)委員 今三宅君からお話がありまして、問題の重点が非常にはつきりとて来たと思います。議事進行の発言を通告される場合にあつて、その通告の趣旨、内容、それが衆議院規則百二十九條の規定に該当するものであるならば、これは当然おつしやるまでまもなく許さなければならない。そこでその判断はむづかしい問題ですが、これは間違つておつたとか、あるいはどうだこうだいという議論は別といたしましてもしこの通告書の中に、発言されんとする趣旨が多少でも盛られておりましたら、議長の御判断も明確についたものであろうと私ども思われるのです。これは議長の方も、必ずしも全然迷いがなかつたというようなことだとも私ども申しませんが、しかしまた通告書の中に、衆議院規則第百二十九條に明らかに該当するというように、明白に完全にされたとも言われぬ節もあるのじやないかというようなことで、発言通告の内容の書き方については、そこのところをもつと正確に、何かくふうをして書くようにする。そうしてその内容について、はつきり議長の判断ができるようにいたしましたならば、これは当然百二十九條の規定に基いて議長が御判断されるのですからそういうふうにこれからいたすことにいたしまして、今回の場合は、せつかく三宅さんから、今後のこともあわせてという意味のお話もございましたがら、その今後のことについてはそういうふうに御研究いただくことにして何とか開会劈頭でもございますので、円満な御解決を願いたいと思います。
○椎熊委員 石田君の意向はよくわかりますが、議長の信念的なさつきの発言は、われわれは納得できかねるのであります。議長が迷つたというような言葉を使われたのならば、迷つたのまでわれわれは責めるということはない。そういうことによりて議長も百三十九條というものを尊重せられるならば、われわれ考える余地もある。議長が何だか迷つたけれども、判断がつかなかつたから許さなかつたというのなら……。
○石田(博)委員 迷つたというのは私が申し上げたので、私がそうではなかろうかということで申し上げたのです。それは議長のお話ではございませんから……。ただ私どもとしては国会の開会劈頭でもあるし、なるべくそういうふうに、これからのことを効果的にやつて行くということで御相談を願いたいと思います。
○菅家委員 議長の措置は間違つておらぬ。議長の措置が間違いだというなら、間違いだという措置をとつたらいい。これははつきりしてもらいたい。 〔発言する者多し〕
○三宅(正)委員 こちらは筋を立てて話をしているのに、あまりやかましく委員外、あるいは委員でも、不規則発言は取締つてもらいたい。もう少し委員長は統制をとつてやつてもらいたい。
○小澤委員長 靜粛に願います。今、三宅君の発言中です。
○三宅(正)委員 だから本筋の問題に入つて、石田君から、椎熊君の方のは不備な点があるということだつたが、少くとも私の方で出したものには、首相の施政演説の実施についての議事進行ですから議題に関係があることは明白です。いかなる場合においても、どの党派が出しても、この正式なものについてはやらせるということは当然の話です。まずその関連を明白にするということです。そうしてお年寄りだから多少迷われた点があつたということなら別だが、その点もあいまいにして横から大きな声を出してけんかを売つて来るということは (「理不盡なことを言うな」と呼ぶ者あり)理不盡ではない。こちらは筋道を立てて言つているのだ。
○篠田委員 いろいろ椎熊君やその他りくつをつけておりますが、私の見るところによれば、これは議院運営委員会におきまして最も民主的に協議され、決定された問題を、さらに議場においてむし返して、首相の演説あるいは大蔵大臣の演説を妨害せんとする行為であつて、こういうことは民主議会において許さるべきものではないと私は思います。しかも自分たちの手続が明らかに文字の上において間違つているのに、その自分の間違いを問わないで、議長の手続上の問題について云々するということは、これは許されない問題であります。しかもむしろ椎熊君やそのときの野党の態度というものは、明らかに民主国会を侮辱するものだと思いますのでわれわれの方は懲罰動議を出すつもりでございますから、そういうことで、何もここで議長の言つたことが間違いであるなどと言うて、引下ることは絶対にない。
○佐々木(秀)委員 これは椎熊さんの方から出されたのは、字句的な落度もあつたということだけはお認め願つた。三宅さんの方で出されたのが、本日の日程に関係があることだけはわかりますが、ただ書き方にいくらか実施とかということはあるが、やはり関係はあるでしよう。そこで百二十九條によつて議題に関係のあるものはこれを許さなければならぬということは当然だと思います。但しその前に、先ほど議院運営委員会できめたことは、本会議を開いたらただちに総理大臣と大蔵大臣の演説に入るということをきめておるのですから、きめてあることを議長がただちにやつて、決して三宅さんの方の発言を封じたのではありません。時期を見てこれを許すということでありますから……、いかがでございましようか、両方の面子は立つたのじやないですか。この運営委員会は他の委員会と違つて話合いということもある。だから各党がはかつて総理大臣の演説を先にやらせましようということをきめた以上——それは百二十九條で責めれば責められないこともないが、そうこわい顔をする必要もないと思いますから、そういう意味において円満に御解決願えればけつこうだと思います。
○小澤委員長 各党の御意見は大体わかりました。もちろん食い違いはありますが、言わんとするところは大体仰せられたと思いますから、この際できるだけ円満にする意味で、懇談の時間を得るために暫時休憩いたしたいと思います。 午後五時十八分休憩 ————◇————— 午後五時四十八分開議
○小澤委員長 それでは休憩前に引続きまして運営委員会を開きます。
○幣原議長 先刻、本会議劈頭における野党側の議事進行に関する発言要求の取扱いにつきましては、行き違いもありましたが、今後は諸君の協力を得まして運営の万全を期したいと存じます。
○石田(一)委員 ただいま議長に対する案件が出ておりますが、その提出者になりかわりまして、椎熊三郎君、千葉三郎君以下数名の方から提出されておる議長不信任の動議は撤回をいたします。
○大池事務総長 これは出なかつたということに……。
○石田(一)委員 お取扱いはおまかせします。
○小澤委員長 皆さんの御協力によりましで円満に解決いたしましてありがとうございました。 本日はこれで散会いたします。 午後五時五十分散会