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9回国会衆議院1950/12/02

外務委員会 第3号

発言数
102
登壇者
12
会派数
4
開催日
1950/12/02

会議録

守島伍郎自由党

○守島委員長 それではこれより外務委員会を開催いたします。  国際情勢等に関する件を議題といたします。まず政府の説明を求めます。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 前回の二十九日の委員会で御報告申し上げました以後、最近両三日の国際間の動きにつきまして御報告を申し上げます。  前会申し上げましたように、二十八日のマツカーサー元帥の声明、すなわち北鮮に二十万以上の多数の中共軍が入つて来た、好ましくない状態であるという声明を元にいたしまして、これが各国に大きな影響を與えた状態が、最近両三日の世界の動きとなつて現われて来ておると存ずるのであります。アメリカにおきましては、二十八日トルーマン大統領を中心にいたしまして、三軍首脳部並びに国務省專門家で、相当長時間特別緊急会議を開いたようであります。またその日の上院外交委員会の祕密会におきまして、アチソン国務長官は、この事態はきわめて重大な事態であつて、従来中共に対しては、一応その出方を見守る態度をとつて来ておつたが、今後はこの態度を捨てて、中共を侵略者として取扱わねばならない状態になつた、という意味のことを述べたとも伝えられておるのであります。翌二十九日の夜に、国務省からアチソン国務長官はラジオ放送をいたしまして、朝鮮の危機は、世界平和にとつて容易ならぬ危險をはらんでおることを申しまして、われわれ米国民の上に、力のみならず国民性の試練を下すときがあるとするならば、今こそそのときであると、強くこの危險の状態を国民に訴えておるようであります。トルーマン大統領は翌三十日の定例記者団会見におきまして、この中共軍の北鮮介入に関しまする問題を強く取上げまして、いろいろと声明をいたしておりますることはすでに伝わつておりまするが、その中心といたしましては、アメリカは朝鮮における国連軍の使命を放棄する意図は毛頭持つておらないということ、もし中共の朝鮮侵略が成功したような場合には、共産主義の侵略はアジア、欧州にも伸びるであろう、従つて欧州に拡大することがあり得るということを申し述べております。また朝鮮における中共軍の攻撃は、ソ連の示唆によるものである。われわれは中国の国民が、ソ連の極東植民地政策のため奉仕することをやめるように希望するという意味のことを申しております。また国連における中共代表は、平和的な討議と折衝を進めようとする気持を持つておらないという意味のことを申しております。記者団との一問一答に関しまして、国境を越えて満洲を爆撃するかどうかという点につきましては、これは国連が決定する問題である。中共に対する態度はどうかという質問に対しましては、あらゆる武器を使用する考えである。あらゆる武器とはどういうことであるかという質問に対しましては、現在使用し得るあらゆる武器である。その中に原子爆彈を含むかどうかという質問に対しましては、原子爆彈については積極的に考慮をしておるが、私は原子爆彈は最後まで使用されないよう心から希望するという意味のことを申し、原子爆彈は軍事目標だけに使うかという質問に対しましては、言明をいたしておらないようでございます。  このトルーマン大統領の声明は、各方面に相当大きく取上げられて参つたようでございます。イギリスにおきましては、マツカーサー元帥の声明後二十九日の朝アメリカの駐英大使から、アメリカ本国からの緊急メッセージを政府に交付されましたために、緊急閣議が開かれ、一昨日三十日夜の下院におきまする演説におきましてアトリー首相は、当面の問題についてトルーマン大統領に書面を送つて、広汎な問題についての検討を行うため、会談することを提案したと発表いたしたようでございます。この発表と交渉は、さらにトルーマン大統領におきましては、喜んでこれに応ずる意思を伝えたようでありまして、多分一日にはロンドンを出発して、途中フランス等に寄り、あるいは四日ごろワシントンに到着して、おそらく五日ごろからは、両者の会談が行われるのではないかと考えられておるようであります。会談の内容は今後の問題でございますから予測を許されませんが、アトリー首相の下院における演説から考えますると、朝鮮問題の見通し、もしや原子爆彈を使うならば、どういう場合に使うか。朝鮮動乱で国連軍がくぎづけにされるならば、欧州の防衞は危險な状態になりはしないか。アメリカの動員はどの程度考えられておるか。将来イギリスの動員について、どう考えておるかというような意味を含んだものではないかといわれております。  先ほど申し上げましたトルーマン大統領の原子爆彈の問題についての、記者団会見における記者の質問に対しまする答弁から、原子爆彈使用についての問題が、欧州並びに各地において相当強い反響を與えたようでありますが、現在の朝鮮の戰況におきましても、昨日ウイロビー少将の外人記者団との会見等で現われております状態から考えまして、悪い状態は認めるが、必ずしも決定的の状態ではなく、すでに相当防衞線ができ上つておることを発表されておるようであります。  国連におきまする動きにおきましても、朝鮮問題、台湾問題を中心にいたしました動きが、あるいは政治委員会、あるいは安全保障理事会におきまして現われて参つておりますが、先般も申し上げました後におきまする状態は、二十八日の安全保障理事会で初めて中共代表が出席いたしまして、朝鮮の戰線の重大性は、米国の台湾に対する侵略であるという前提のもとに、初めて中共の主張を申したようでございます。二十九日の安全保障理事会には、中共は台湾問題と朝鮮問題と一括して審議することになつたから、中共は台湾問題だけを討議する考えであるからというので、討議に参加することを拒否したようでございます。前会も申し上げました十一月十日のアメリカを初めとした六箇国の提案における中共軍の朝鮮撤退を要求しまする決議案が延び延びになつておりましたが、それが三十日の安全保障理事会に提案されまして、賛成九、反対一、棄権一という状態でありましたが、ソ連が拒否権を発動いたしましたために、これはいずれ総会の問題として取上げられて来るのではないかと観測されております。  大体最近二日間の情勢は以上の通りであります。

守島伍郎自由党

○守島委員長 それではこれから法務総裁に対する質疑に入ります。通告順によつて発言を許します。佐々木君。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 きようは国務大臣たる大橋法務総裁に承つてみたいと思います。これはこの前に外務委員会のときに外務省政府委員に質問いたしましたところが、法務総裁に聞いてくれということであつたので、ここで繰返し御質問するわけであります。それは昭和二十年の勅令第五百四十二号並びに三号によりまして「「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」によりますと、「政府ハ「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ連合国最高司令官ノ為ス要求ニ係ル事項ヲ実施スル為特ニ必要アル場合ニ於テハ命令ヲ以テ」勅令とか閣令とか、または省令を公布することができるという規定があります。そこでかりに日本政府が最高司令官の覚書を誤認する、もしくはこれを利用いたしまして、覚書の趣旨に反して、最高司令官の要求でないものを要求だといたしまして、ポツダム政令を公布したというような場合においては、あるいはまたポツダム政令が憲法に違反するというような場合においては、日本の最高裁判所にこれを訴えることができるかどうか、あるいは前例があつたようでありますが、アメリカの大審院の管轄に属することになるのかどうか、この前これは疑問として残つておつた点であります。これをまず承りたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 ただいま佐々木君から御質問になりましたことは、いわゆるポツダム政令を政府が発布いたしまする際において、そのポツダム政令の根拠となつたところの司令部の覚書を誤認したとか、あるいはその趣旨を曲解して出した場合に、その政令がどういう効力を持つかというふうな御趣旨であつたと存ずるのであります。元来総司令部の覚書なるものにつきましては、その有権的な解釈というものは、それを発しましたる司令部の官憲のみがなし得ることに相なつておるのでありまして、すべてポツダム政令は司令部におきまして、その発布に先だちまして、覚書の趣旨に基き、適正なるものであるということを確認いたした上で、これを承認しなければ、ポツダム政令は事実発布できないものでございます。従いまして、現実の問題といたしまして、覚書の趣旨に反したごときポツダム政令が制定されるということは、理論上におきましても、また実際上におきましても、あり得ないことである。従いましてポツダム政令によつて、最高裁判所がその効力を判定する場合におきましても、この趣旨に従つてやらなければならぬものでございまするから、当然ポツダム政令が違法であるというような考え方は、事実においてなし得ざることになる、こういうふうに私どもとしては解釈いたしております。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 それでは、事情は了承いたしましたが、司令部の要求に基いてポツダム政令として出たことが日本の憲法に牴触するという場合においては、それが個人の基本人権に牴触するという場合においては、その管轄権はどこにありますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 ただいまの御質問は、ポツダム政令として規定いたしましたる内容が、現在の日本国憲法の諸規定に違反する場合においては、どういうふうな扱いになるかという御趣旨であるかと存ずるのであります。このポツダム政令の根拠となりました昭和二十年勅令第五百四十二号は、後に議会の承認を経まして法律と同等のもの、法律そのものとして扱われておるわけでありまして、従いまして、この勅令第五百四十二号によりまして、連合国司令官の要求事項について、必要な諸規定がなし得るということは、これは現行日本憲法の解釈といたしましても、認めなければならぬものであります。従いましてポツダム政令によつて、憲法に関連するいかなる事項について規定がありました場合におきましても、これは適法に発布せられたものである、かように観念すべきものと考えております。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 ポツダム政令の問題はこの程度にとどめまして、次に私は神戸におきまする朝鮮人の騒擾事件を初めとする最近の一連の朝鮮人の暴動事件に関連して、質問をいたしたいと考えます。おそらくは、この問題はすでに法務委員会等においても取扱われたことであると考えますので、その重複を避けまして、私はただ当外務委員会の関連のある点について承つておくにとどめたいと思います。  今度の神戸におきまする朝鮮人の暴動、その後さらに姫路や明石、大阪、名古屋あるいは京都、本日の新聞によりますと大津においても、警察署を襲撃したという事件が報ぜられております。これらの事件を見ておりますると、申し上げるまでもなく、これが日本共産党の背後関係があるということは、何人もこれを疑う者はないわけでありますが、同時に今度の暴動の規模や、あるいはその特殊なる性格から考えまして、多分にこれは国際的な性格を持つたものであると考えます。しかも、あたかも朝鮮におきましては中共軍が二十万の大軍を朝鮮に侵入せしめ、その背後には大規模な後続部隊を配置して、ここに新しい戰局を迎えたという事態から考えましても、この中共の朝鮮に対する大規模な攻勢ということと関連を持つて、日本の国内においてこれに呼応する国内の動乱を試みておる、こういうふうにわれわれは解釈をいたすわけであります。そこで極東コミンフオルムの指令をすでに出されておるとすら伝えられておるわけでありますが、これらの点に関しまして、すでに事件が神戸において起りまして以来一週間の時日も経過しておるわけでありますから、検察当局におきましても、十分これは調査のできておることと考えるのでありますが、今度の朝鮮人動乱の背後関係、特に国際的な関連性のある問題について、ひとつ承つておきたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 今回神戸に起りましたところの朝鮮人の不祥事件につきましては、目下検察当局といたしまして、検挙いたしましたる被疑者を対象として嚴重な取調べを進めつつある次第でございますが、これについて、この事件が起つた背後に国際的な共産主義の勢力があるのではないかということも、必ずしも否定することはできないと思うのであります。と申しますのは、すでに外国におきまする国際共産主義勢力によりまして、今年の夏ごろからわが国内にいろいろな関係文書等が送られておるというような事実もありまするし、従いまして国際共産主義勢力と、日本共産党、その他の国内におきまする共産主義者たちとの間に、ある程度の連絡があるということは、これを見ましても推測できることなのであります。かつまた今回の事件が朝鮮動乱を背景にいたしまして起つておる、ちようど時期を同じうして起つておるということを考えましても、国際的な共産主義勢力と今回の事件との間に、全然関係がないということは言えないと思うのであります。検察当局といたしましても、また取締り当局といたしましても、これらの事情にかんがみまして、この間の関係につきましても、現在十分なる取調べを進めつつあるわけでありますが、しかし事は今捜査中に属しておりまするし、また現在の段階におきましては、これを具体的に証拠をもつて証明するという程度まで取調べが進んでおらないのでございます。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 最近国警の兵庫県の県本部におきまして獲得いたしました情報によりますると、最近における共産党の具体的な動きとして極東コミンフオルムから派遣された中共の党員である劉某という者が、十月の初めに日本に潜入して以来、朝鮮人の動きが非常に活発になつて来た。さらにまた九月に、かなりたくさんの共産党の活動資金を出して、九月、十月、十一月にかけて波状的なゲリラ作戰を行うような指令をすでに発していることが明らかとなつている。また九月の十六日には、共産党員が富士のすそ野で非常招集を行つて、五十数名の者が集合し、暴力革命の実際演習をすでに行つたということ、さらにまた九月の中旬に東海道線の大井川鉄橋の爆破計画が未遂に終つたというようなことなどを、確実な情報として獲得をしたということを言つておるのであります。これらを考えますると、先般の追放によりまして、地下にもぐつた共産党というものが、いよいよ暴力革命に移行するという前提でありまして、今回の事件も神戸に起り、続いて全国各地に波及して、波状攻撃というようなものをやつておるような実情から見ましても、共産党の地下にもぐつた非合法な暴力革命の前哨であるとも考えられるわけでありますが、これらにつきまして、法務当局はどのようにお考えになつておるか。先ほど申しましたそれらの情報につきましては、何か具体的なことを御存じであるかどうか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 今回の事件は神戸市に起りましたのみならず、その前におきましても兵庫県の各都市において、小規模ながら類似な事件が起つておる。また昨日は、すでに新聞紙で御存じのように、大津並びに京都市におきましても、類似の事件が起つておるのでありまして、これらの事件は、その集まつた人たちの要求として掲げておりまする事項は、その土地、その時に応じて変化もいたしております。しかしその手口に至りましては、ほとんど同工異曲でありまするので、これらの間に一連の関連があるということは、当局としても十分に推測をいたし、またその線に沿うて、各事件についての取調べも進めておるようなわけであります。しかしてこれら関西におきまするかような事件が、近く関東においても起きないということは保証し得ないのでございまして、これらに対処いたしまするために、十分なる警戒をいたしておるような次第でございまするが、ただいまお話にもありましたるごとく、これらの事件は、暴力的なにおいがする、またきわめて計画的である、また互いに関連性があるというような点を考え合せますると、これは一部の人々による暴力的な運動の前哨的なものを意味するというふうに考えることもできるわけでありまして、さような点からも、私どもはこれらの事件を注意いたしておる次第でございます。なお御質問中にございました各種の情報の詳細につきましては、国警長官から申し上げることにいたします。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤説明員 ただいまお尋ねになられました、国警が入手したと称する情報の点でありますが、いずれもわれわれ警察といたしましては、そういつたような情報は、あるものは情報として聞いております。ただいまおあげになりましたうちで一、二聞いておらぬのもあります。しかしながらただいまおあげになりました点は、いずれもまだ確認する程度の情報になつておりません。ただいまおあげになりました以外にも、北鮮のゲリラの指導分子がこちらに潜入した、ことに名前まであげて、今どこで活動しておるというような情報も入つておりますが、二、三点につきましては誤つた情報である、あるいは故意にそういうようにみずから宣伝しておると聞いたものもあります。しかしながら一部につきましては、相当確度が高いのではないかと考えられるのもあります。しかし確実にまだ確認をするに至つておりません。旧朝連系の分子の中で、いわゆる青年行動隊でありますとか、あるいは祕密工作隊というような名前をつけまして、特殊の訓練をしておるという情報もあるのでありますが、これにつきましては、一部確認をいたしております。それは五名をもつて一班とし、十名をもつて一班とする、その数班をもつて一箇小隊、その数箇小隊をもつて一つの中隊というような隊組織にするという組織をつくり、そしていろいろ諜報の活動あるいは宣伝工作の訓練を現実にやつており、神戸においてこれを検挙もいたしました。これに類するものが他にもまだあるであろうということは、はつきり申し上げられますが、それ以外につきましては、何ら確認いたしておりません。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 ただいまの御説明によりまししも、これがかなり計画的な性格を持つたものであるということは明らかになつておるわけでありますが、先般追放になりました共産党の有力なる党員等が京阪神地区に潜入して、この運動を使嗾し、糸をあやつておるというような点はないかどうか。何か情報を持つておられませんか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤説明員 ただいまお尋ねになられましたような点は、われわれ当然考えられる節でありまして、先ほど法務総裁のお答えにもありました通りであります。しかしながら今度の事件につきまして、具体的にどういうものがどういう指導をやつたかという点は、まだ確固たる証拠はつかんでおりません。今詳細に調査中であります。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 今度の神戸事件を初めとする朝鮮人の騒擾が、いわゆる刑法第百六條に規定いたします騒擾罪というものを当然構成することはもとよりであろうと思いますが、同時に昭和二十一年、勅令三百十一号でありましたか、「連合国占領軍の占領目的に有害な行為に対する処罰等に関する勅令」というのがありますが、今度の朝鮮人の騒乱事件というものは、明らかに占領軍の占領目的に違反する行為であろうと私は考えるわけであります。これらにつきまして、どういう態度をもつて臨もうと考えられておるかという点について、法務総裁の御所見を伺いたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 ただいま警察当局並びに検察当局といたしましては、これらの事件の処理にあたりまして、騒擾罪並びにただいま御指摘になりました占領目的違反、これらの双方に該当する行為であるという見解のもとに、その取調べをいたしておるのでありまして、当局といたしましては、かような事件につきましては嚴重に処断すべきものであるという方針をとつております。

守島伍郎自由党

○守島委員長 佐々木君、大分まだほかにあるのですが……。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 私はもう結論です。今度の神戸事件、大津事件その他を見ましても、これが共産党の暴力革命の性格を帶びたものであることは、当然認められるところでありますが、一体共産主義というものを考えますときに、共産主義そのものは、説くまでもなく暴力革命を行うものであることはきわめて明らかであります。マルクス、レーニンの鉄則に立つたところの共産主義というものを考えましたときに、暴力革命のないところに共産党の存在はあり得ないわけであります。従つてかれらは暴力革命をしようという目的をもつてここに結社いたしておるのでありますが、それを政府は合法政党として認めておきながら、その人間がたまたま共産党員であるという理由によつて、レツド・パージによつてこれを追放するというがごときは、まことに首尾一貫しないところの非常な手落ちであると考えるわけであります。なるほど言論、結社の自由というものは憲法によつて保障されております。しかしそれは、たとえて申しますれば、ここに殺人強盗の目的でもつて結社をしておりますものを、結社の自由ということによつてこれを放任して、その人間が人を殺したときに初めてこれを罪するということでは、まことにもつて不合理千万であると私は考えるわけであります。共産主義というものの本質から考えましても、また最近現わして参りましたところの日本共産党の暴力的な性格ということから考えましても、先般二月でありましたか、野坂自己批判以来日本共産党が示しておりますところの非常な暴力的な性格というものが、明らかに日本の憲法を蹂躙し、議会政治を破壊し、その民主主義に相反するところの性格というものを明らかに露呈しておることは、先般御承知のことであろうと思う。これを合法政党として認めておきながら、たまたまその人間が党員であるからという理由によつて追放することはまことに首尾一貫しない。従つてこの際政府は、かくのごとく共産党の性格が明らかになつた以上、当然これは非合法の政党となすべきであると私は考える。かように考えなければ政府の対策は首尾一貫しない、不合理だ、このように考えるわけであります。この共産党に対する非合法化の問題について、国務大臣であるところの大橋法務総裁はどのようにお考えになつているか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 先般行われましたいわゆるレツド・パージというものは、これは共産党員なるがゆえにこれを排除しようという趣旨ではなく、その党員等が産業あるいは政府機構に対して、いついかなる危險なる行動に出るかもしれないという、その有害危險性のゆえをもつて解雇しようとするものである、こういうふうに私は了解をいたしております。従いまして共産党に属するかどうかということよりも、主としてその者の属性として、結局社会的な有害危險性というものを理由といたしておると思うのであります。しかしその問題と離れまして、共産党の非合法化の問題は、確かに今日われわれは真剣に考えなければならぬ重大な問題でございまして、すでにマツカーサー元帥の書簡におきましても、かくのごときものに対して法律の保護を與える必要があるかどうかということは、重大な研究課題であるというような趣旨が述べられておるわけであります。政府といたしましてはこの問題につきまして十分愼重に考えておるのでありますが、結論といたしましては、現在の段階においては、なお共産党に対して解散の措置をとるべき時期ではない、かように考えております。結局共産党の非合法化、あるいは共産党を解散するという問題は、單に法律的な見地からのみ決定すべきものではなく、これは大きな政治的な立場に立つて結論を出すべきものであろうと存ずるのでありまして、政府といたしましては今日、日本共産党の動向に対しましては、十分注意いたしまするとともに、特に国際共産主義的な勢力との連関におきまして、これを注意いたしておるような次第でございます。従いましてこれは單なる法律解釈の問題というよりは、解散という一つの法律的な措置そのものすら、より大きな、共産党に対する全体の対策という一つの政治的な政策の一環として考えるべきものである、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 最後に一点だけ……。それでは政府はどういうような共産党対策を持つているか、伺いたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 共産党の非合法な活動につきましては、その活動それ自体をとらえて措置して行く。また共産党の幾多の支部組織、いわゆる委員会あるいは外郭団体、そういつたものの行動にして、今日ただちに処置することが必要であると認めましたものにつきましては、その地区委員会の解散をする、あるいは外郭団体の解散をするというような措置を今までにもとつて参つております。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 大橋法務総裁に対する質問だけはこれで打切ります。

植原悦二郎自由党

○植原委員 関連して……。

守島伍郎自由党

○守島委員長 簡單に……。

植原悦二郎自由党

○植原委員 関連質問として外務省に伺つておきたいと思います。簡單にいたします。  今佐々木君の御質問で神戸、大阪、大津その他における朝鮮人の暴動行為と、朝鮮国境における中共軍の進出と、一連の関係があるように思われるかどうかということでありましたが、米国に参りました伍修権の国連安全保障理事会における発言を考えますときに、元来中共と米国の間は、たとい中共を国際的に承認しておらぬでも、かなり友好関係があつたようにも思われるし、過去においては十分それがあつたと思う。アチソンなどは、御承知の通り、国連の多数が中共の国連加入を承認すれば、これを認めてもよろしいという態度までとつておつたにもかかわらず、伍修権の発言を考えますときに、これは全部中共からモスクワへ飛んだときに、あそこで指令されて来たのではないかというふうに考えざるを得ざる事実と、口吻がその言語に満ちておると思います。ちようどこれが国連に行つて台湾と朝鮮の問題を結びつけて、アメリカを侵略国だと言う、朝鮮を植民地化するというようなことを言うておりますが、御承知の通り、私どもの考えから見ますれば、しばしば共産党の諸君は、アメリカの政策が帝国主義である。東洋に——朝鮮において、中国において、これを植民地化するというようなことを日本の共産党の方々も言われますけれども、おそらく世界中の人でこれを認めているものは、共産主義者以外にはないと思う。もし侵略的な帝国主義であるならば、ソ連ほど第二次世界戰争後の侵略行為をやつた帝国主義者はない、またこれほど弱い国を植民地化そうとする政策をやつている者はない、こういう立場から、伍修権の発言全部を解剖してみても、その口吻を見ても、それとほぼ歩調を一にして、中共軍が数十万北鮮に侵入して来たことを見ても、ちようど神戸から大阪、大津、京都、この日本における朝鮮人の暴行事件が、波状状態をもつて進んでいることを見ても、これは何としても一箇所から指令しているところがあるのではないか、こう推測することが当然だと思う。決して中共独自でやつたのではなかろう、日本の朝鮮人の暴動事件がそこだけでやつたことじやなかろう、こう思います。私ども率直に申して、どうもソ連という中心からすべて指令を得て、時を同じゆうして三箇所において事を起しているというように考えられますが、これは外務省としてはどういうふうにお考えになつておるか、これを佐々木君の質問に関連して伺いたい。  次にもう一つ私は法務府にお願いいたします。これを処罰する方法も、ごもつともでありますけれども、ここ以外のところから、これらを指導しておるのではないかというふうに考えられますが、その線に向つて徹底的の御調査を願いたい、これは私の希望であります。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 ただいまの植原委員の御質問の点でありますが、これは二十九日のアチソン長官のラジオ放送等におきまして——ちようど中共の代表伍修権が二十四日にニユーヨークにつきましたときの声明で、従来中共とアメリカとは友好的な関係があつたということをたいへん強調しておりましたが、その後安全保障理事会において、ただいまお話のように、相当強くアメリカの台湾侵略を非難した後におきまして、アチソン長官のラジオ放送におきましては、中共を共産主義の侵略者と認める態度をはつきり声明しております。そしてことに三十日のトルーマン大統領の記者団会見における声明に、ソ連の使嗾による中共の動きということを申しておるのであります。従つてこの点はアメリカの観測のように進んでおるのではないかと、私ども現在の世界情勢の資料といたしましては考えております。

植原悦二郎自由党

○植原委員 日本の暴動も、それと一脈の関係ある中心点からさしずされているものではないかと思われる、伍修権ばかりでなく、中共が鴨緑江を渡つて大軍を北鮮に入れたことも、日本における朝鮮人の暴動もどこか中心から指揮されている一連のもののように考えるが、外務省当局は、どう見ておいでになりますか。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 これはただいまの法務総裁の答弁の中にもありましたように、一連の関係があることが強く可能的に考えられると存じております。

菊池義郎自由党

○菊池委員 ただいまの質問に関連して、まず法務総裁にお伺いいたします。かくのごとき国内の暴動の前哨線とも認むべき騒擾が勃発いたしました、こういうときにこそ、警察予備隊を動員、投入すべきだと思いますが、動員したかどうか、私は新聞の見出しだけで、中味を見ませんでしたが、どういうようなことになつておりましたか。活動の状態、もし動員いたしましたとするならば、どのくらいの数を動かしたのでありますか。その点参考のためにお伺いしておきたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 警察予備隊の性格といたしまして、普通の警察力をもつて処理し得ないような状態の際にこれを動かす、こういうことになつております。今回の事件につきましては、各地同時多発的な性質は持つておりますが、しかしそれぞれ各地の警察によりまして、処理し得る程度と認められますので、警察予備隊は、今回の事件につきましては出動を命じておりません。

菊池義郎自由党

○菊池委員 それでは警察予備隊を使用する場合は、およそどの程度の場合でありますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 抽象的にはただいま申し上げました通り、普通の警察力をもつては始末できない事態になつた場員にやる、こういうことでございます。非常に規模の大きな、集団的な破壊行動が行われるというような事態になつて、初めて出動するものであります。かように考えております。

菊池義郎自由党

○菊池委員 警察予備隊は、すでに訓練はすつかり済んでおつて、いつでも動員できるようになつておりますか、どうか伺いたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 警察予備隊は、まず第一次に、十三週間の訓練をすることになつておりましたが、これはほとんど各部隊ともすでに終つたものもありますし、またほとんど全部終りに近づきつつあります。続いて十八週間の訓練、すなわち第二次訓練に入る段階となつております。

菊池義郎自由党

○菊池委員 第三にお伺いいたしますが、ポツダム勅令に、戰後において解散を命ぜられた団体に所属しておつた者、議員にも衆議院、参議院を通じまして相当の数、あるいは二、三十名あるのではないかと思います。そういう解散をされた団体に所属しておつた者は、政党の決議機関に加わることはできない。もしそういう者が決議機関に加わり、すなわち総務とかあるいは幹事とか幹事長とか、そういうような決議機関に加わつておつた場合においては、その政党あるいは団体が解散を命ぜられるというような規定があるのでありますが、議員仲間ですらもそのくらいあるように聞いておりますから、これが全国にわたつては、議員以外の者すべてを通じては、何万という数に上るのではないかと思われます。ところがこの勅令たるや矛盾撞着もはなはだしきものであつて、たといそういう解散せられた団体に所属しておつた者でも、官吏になることはできる、すなわち総理大臣並びに各大臣になることはできる、政務次官さしつかえなし、国家の枢機に参画することのできる資格を與えられておりながら、政党の決議機関に加わるなら、その政党は解散せられるというような規定があるのでありまするが、これは矛盾きわまることでありまして、何とか一日も早くかくのごときものを撤廃しなければならぬと思うのでありますが、法務総裁といたしまして、これの撤廃あるいは是正のために、何とか努力していただきたいと思うのであります。これについての御意見を伺いたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 ただいま御質問の中にありましたるごとく、団体等規正令の規定の中には、お話のような解散団体の所属員であつた者が、政党、政治的結社等の役員になりました場合は、その政党あるいは政治的結社が新たに解散される可能性を生ずるという規定がございまして、この規定の結果としてお話のような状況に相なつておることは事実であります。実はこの団体等規正令は一九四六年一月四日付の連合国司令部の覚書に基きまして制定せられたるものでございまして、その内容はすべてその覚書の線に沿うてできたものであります。しかしながら現実の運用といたしましては、お話のように非常に矛盾したごとき感を與える結果を生じておりますが、この問題につきましては、当局といたしましても十分に研究をいたしまして、打開の道を講じ得るものならば、そのようにいたしたいと考えます。

中村寅太農民協同党

○中村(寅)委員 法務総裁にちよつとお尋ねしたいと思いますが、菊池委員の前段の質問に関連ございますが、関西に次々に起つておる騒擾事件に対しての処置については先ほどお話がありましたが、次々に起つて来ておる情勢から見るときに、さらに起るということが想像せられるわけであります。そういうことから相当に社会不安の原因になると思うのでありますが、未然に防ぐ措置として、いかなる方法をとつておられるかそれをひとつ伺いたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 未然に防ごうということは、できるだけすみやかに情報を入手いたしまして、これに対してできるだけの方法を講じて行くという以外にはないと思うのでありますが、しかしながらすでに起りましたる事件について、当局といたしましては、でき得る限り嚴重な措置をとりまして、これによつて将来を戒めるということも相当有効な方法であろう、かように考えております。

中村寅太農民協同党

○中村(寅)委員 未然に防ぐ処置としては、それも第一歩ではないかと思いますが、先般の新聞を見ての私の見解ですけれども、周辺から次々に数人ずつ集まつて来たというようなことが新聞に書いてありました。そういうのが集まつておるというのがわかつておつてもなお防ぐ方法はないのか、防いでおらないのか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 前回の神戸の際におきましても、早期から各地から集まりつつあるという情報を警察といたしましては入手いたしまして、国警におきましては、早朝から警察官に待機を命じておりましたし、また神戸市警察局といたしましても、午前十時過ぎごろには警察官に対して、待機命令を発して集結させておつたのであります。そうしてその後十二時前後に解散を命じたのでありますが、その後ああした状況になつたわけであります。警察力の準備といたしましては、相当数の警察が集まつておつたので、取締りと申しますか、解散を命じ、あるいはその後の取締りを励行いたしますについての警察力の不足ということは感ぜられないように思います。

守島伍郎自由党

○守島委員長 ちよつと並木君にお話申し上げますが、あなたはたくさん御質問がございますが、法務総裁は時間の都合がありますから、法務総裁に対する質問だけ一応してください。  それから皆さんに申し上げますが、なるべく外務に関連の深いことを法務総裁にお聞きになるようにお願いいたします。ほかのことまでお聞きになると時間がつぶれますから……。では並木君。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 法務総裁にお尋ねいたします。いろいろ国内の治安対策について御苦心をされておる具体的な事項について、ただいままで拜聽しておりましたが、こういうものに対する方針というものも、どうしても外部における情勢の判断というものによつて、大きい心理的影響があるのではないかと思います。そこで朝鮮に起つた新事態は、まことに遺憾にたえないとともに、これは日本にとつても憂慮すべきことではないかと思うのです。政府はこれに対して意思表示をしておらないようでありますけれども、国務大臣としての法務総裁は、国内の治安の維持に対する方針の裏づけとして、この朝鮮に起つた新事態というものが、今までややともすると楽観論のごとく響いておりましたが、なおこの期に及んでも大事に至ることなく、平和的解決がつくものであるという見通しを持つておられるかどうか。私は相当憂慮すべき状態だと思う。国連軍対中共軍との衝突にまで及ぶ状態に立至つておると思われるのでありますが、この点に対する見解を表明していただきたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 朝鮮におきまする現在の事態は、きわめて重大なる段階に入つておる、かように考えております。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 北鮮対南鮮の場合の対戰のときと違いまして、国連軍対中共軍との対戰となりますれば、おのずから規模も大きくなりましようし、従つて国際連合精神的協力の線にある日本が、たとえば空襲などを受けるようなことになるのではないか。これはごく通俗的な考えで、国民の皆さんが心配をしておられる。こういう場合に対して、政府としては万全の対策を立てておく必要があると思う。先ほど未然に防ぐ方法をというような御意見がございましたが、警察力の増強あるいは警察制度の改正、さらに場合によつては非常事態の宣言、こういうようなことなども、だんだん用意しておく必要があるのではないかと思うのでありますけれども、そういう点に対する御準備のほどをお伺いしたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 非常事態の宣言につきましては、これは当局といたしまして、現実の問題としてはただいまのところ考えておりません。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 あとの警察力の増強の点と、警察制度について……。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 警察制度の問題につきましては、かねてから当局といたしましては、これが改善につき調査を進め、研究もいたしておるのでございまするが、でき得る限りすみやかに成案を得たいと考えております。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 警察力の増強の点はいかがでございますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 警察力の増強といたしまして、今日国警三万、自治警察九万五千、また警察予備隊七万五千ということに相なつておりまするが、この警察力を全体的に増強する、もつと数をふやすというようなことは、ただいまのところでは考えておりません。しかしながら各自治警察相互の間におきまして、警察法施行当時から各都市の実情が変更せられましたる結果、必ずしも各都市々々における警察力が十分でない、その間にでこぼこもある。こう考えられまするので、その間における調整、またその面からしまして、自治警察にある程度人員の全体のわくをふやすというようなことも、各都市間の警察力を調整する面からいつて、必要ではないかと考えておるのでありまして、これもまた、ただいま熱心に研究調査をいたしておる次第でございます。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 空襲などの点でありますけれども、けさの新聞を見ると、在日司令部の方の航空軍でしようか、防空体制についてのインストラクシヨンを、各部隊に対して出しておるというふうに報ぜられておるのです。そういう場合には、日本政府としても当然それに処する準備をしておく必要があるのではないかと思いますけれども、そういう点の心構えがございますかどうか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 空襲対策といたしましては、今年の夏関西及び九州地区におきまして警報が出て、そうして燈火管制などが行われたことがございます。しかしながらその後はしばらくございませんでした。また当時も現実には飛行機の来襲はなかつたわけであります。従いまして、この燈火管制等についての指導は、今日主として司令部の機関において、これが実施をするようなさしずによつてこの前もやつたわけでありまして、さような要請のありました場合には、各警察等もこれに協力するようにいたしております。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 そこでちよつと微妙な問題でございますが、政府としては国際連合に協力——その協力はあくまでも精神的の協力であるということを今まで答弁されておつた。この国連に精神的に協力するということの限界についてお確めしたいのです。それは昨日トルーマン大統領が記者団との会見で、場合によつては日本人を使用することになるかもしれないというような意思表示を表明されておるようです。これは相当の衝動を日本人にも與えておりますので、いわゆる国際連合への精神的協力の中にこれが入つて来るのかどうか。義勇軍というものは、国外に出すと国内に置くとを問わず、これを許さないということは、吉田総理も国会で表明しております。また警察予備隊の方も朝鮮動乱には送らないということは、大橋法務総裁が他の委員会か何かで答弁しておると思うのです。そうすると、もし日本人を使用するということが実現する場合があるとすれば、どういう形においてそれがなされるであろうか。私どもは国民の一人として実はそういうむずかしいことはわからない。言われればその通りやらなくちやいけないだろうか。こういうような率直な質問も出て来るわけなんです。ですから、それが今政府がとつておる国際連合への精神的協力の線の中に入つて来るかどうか。これこそ私見ですが、入つて来ないように思うのです。それは別に議論ではございません。そうすると、もし入つて来るとするならば、どういうふうな形でそれが日本人を使用することになつて来るかどうか。相当の大きな影響を與えており、不安も與えておるようでございますので、この際法務総裁の所見をお伺いしてみたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 並木君のただいまの御質問は、新聞紙の報道に基くお尋ねでありまするが、政府といたしましては、このような報道について正確な情報を得ておるわけではございません。また現実の問題といたしまして、政府はさような事態が起ろうということを考えているわけでもございません。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 それはまた自衛権の限界ということとも関連を持つて来ると思うのです。この前外務委員会で大橋法務総裁から、朝鮮の動乱というものは日本の自衛権の発動の外にあるというふうに私承つたように聞いております。その点は今日においてもかわりないと思います。ただ問題は、国連対中共ということになりますと、中ソ同盟に、日本と結ぶ同盟国との間に対してもし戰端が開かれたようなときには、双方のいずれか一方は全力をあげて、これを援助するという中ソ同盟の項目があるのです。そういう点を考慮してみますと、北鮮対南鮮の場合とは違つて、今度はより緊迫感というものが、日本と結びつけられて来ておるのではないかと思う。そこでただいま法務総裁がそういう現実の事態に立ち至つておらないという御答弁でございましたので、私どもほつと一安堵したわけでございますけれども、その通りうまく行きますればよいし、どういう拍子で正面衝突にならないとも限らない。そこで国際連合への精神的協力の線というものは、日本の自衛権との関係において、なおかつ朝鮮というものを含まない。また今度の国連対中共軍との関係の範囲をも含まないものである、そのうち外にあるものであるというふうに了解しておいてよろしゆうございますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 今朝鮮問題に関連いたしまして、日本の自衛権が発動し得る状態というものは、現在の段階では想像いたしておりません。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 かりにと言つてはあれですけれども、これがまことに不幸にして、国連軍対中共軍との対立となつた場合には、自衛権を発動して来る余地があるかどうか。それを最後にお伺いいたします。

太田一郎外務事務次官

○太田政府委員 ただいま中ソ同盟條約に関連いたしまして、相互援助とかなんとかいう御質問がございましたが、並木さんのその條文に関する御解釈は、少し行き過ぎじやないか、もう一度條文をよく読んでいただきたい、こういうように思うわけであります。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 「同盟国」と書いてあるでしよう。それを説明してください。

太田一郎外務事務次官

○太田政府委員 今條文に書いてありますような事態が、今日起つておるとは思つておりません。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 起つておるとはぼくは言つていない。起る可能性があるのですから……。

太田一郎外務事務次官

○太田政府委員 現実の問題としては、そういうふうな事態は起つておらないと思います。将来の問題についてはお答えいたしかねます。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 それは言わずに、それでなく、ぼくはもつと親身になつて聞いているのです。法務総裁からお願いいたします。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 私はこの問題につきまして、現在の段階において政府として、どうこうということを考える段階ではない、かように考えております。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 先ほど来神戸事件その他の朝鮮人のいわゆる騒擾事件、それらと最近の国際情勢とを関連させまして、いろいろ御質問があつたのでありまするが、これらの点について重ねて政府の所信をただしておきたいと思うのです。今回の神戸事件につきましては、わが党からもさつそく調査に行きまして、いろいろ実情を調査して参りました。なおただいまも各方面の団体とともに調査に行つておるのでありますが、この実情は、大体原因の一番重要なことは、わが国における少数民族である朝鮮人諸君の生活状態が、ほとんど失業状態であり、相当窮迫しておつて、あるいは酒の密造などによつて辛うじて生活をしておつた者も、最近の取締りのもとにおいてはさようなこともできず、しかも相当な重税を課されておるというようなことから、非常な窮迫状態にあるのが原因でありまして、その間、市当局その他に対する非常におとなしい折衝も重ねられたそうでありますが、その過程において、当局側において、特に警察当局が非常に威嚇的な挑発的な声明書を新聞紙等に載せまして、こういうことがかえつて朝鮮人諸君を激昂させることになり、その過程におきまして、警察としては相当行き過ぎました乱暴な行動があつたというようなことが、事態を拡大して行つた根本の原因であつたということが、現在ほぼ明らかになつておるのであります。しかも時を同じくいたしまして、先般も大臣のところへ私も陳情に上つたわけでありますが、各所におきまして、昨年解散を命ぜられました朝鮮人団体の資産として、名義は個人のものでありまして、その実情についての詳細な調査や反対の意見等を聽取することなくして、一方的に朝鮮人諸君たちの血と汗の結晶である財産を、強制接收をして行くということが、ただいま行われようとしておるのであります。従つてこういうふうなことになりますれば、勢いこれは各所において同様な事件が起る危險性を生むのであります。私どもはこれを憂慮いたしまして、何とかこれを事前に十分の調査を遂げまして、こういうふうなことにならないように、はかつていただきたいということを、朝鮮人諸君の代表とともに大臣のところへもお伺いして、お願いに上つておるような次第であります。これが共産党の態度であります。こういうふうなことでありますので、事態を冷静によく判断されまして、拔本的にそういうふうな事態が起らないように、税務当局あるいは警察当局その他に警告を発するとともに、政府の施策につきまして、特に朝鮮人対策につきましては、こういう国際情勢のもとでありますから、愼重を期して、生活の安定等についても義務を強要するばかりで、権利を與えないというようなことをやめまして、これらの権利を尊重するというふうにすることこそ、この根本的な対策であり、そういうことを考えることなしに、いたずらにこれをあたかも背後に共産党があるとか、あるいは国際的な共産主義の何か指導が来ておるとかいうようなことを、空中楼閣をつくりまして、そうして事件を拡大し、混乱を招くということは、あたかも先般行われました三鷹事件と同様の、まつたく政治的陰謀であるといわざるを得ないのでありまして、この際特にこういうことに対する言論は愼重を要する。何ら事態の客観的な冷静な判断なくして、これを政治的に扱うという態度は、嚴に戒めなければならない。ことに民主主義国であるわが国におきまして、さようなことは愼まなければならぬと思うのであります。この点につきまして、先ほど来の質疑並びに政府の御答弁の中には、はなはだ不穏当な点が多いと思いますので、重ねて政府の所信をお伺いしたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 これらの問題の処理につきまして、政治的な陰謀としてやつて行くということは、民主主義に反するではないかという高田君のお説には私まつたく同感でございます。今回の朝鮮人の事件を見ますると、その動機ともいうべきものは、各地各様になつております。ある都市においては生活保護法を適用してくれということを申しますし、またあるところにおきましては失業対策を要求される、またあるところにおいては検束者の釈放を要求する、またあるところにおきましては、朝連の旧財産の返還を要求する。こういうふうにそのときどきによりまして、その要求事項はいろいろであります。しかし、要するにその行為は国家の権力を象徴する国家または公共団体の機関に多数が押しかけて、そうして暴力その他の不法行為をもつて官の威信を傷つけようというそのやり方は、まつたく同工異曲なのでございまして、かようなやり方というものが、つまりこれは一つの政治的の陰謀であると私は考える。かような政治的の陰謀を取締つて行く、これがために嚴重に処断して行くというのが、今日政府の態度でございますから、どうぞひとつ高田君もこの政府の態度を御支持あらんことをお願いいたします。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 まつたく詭弁にすぎないような政治的陰謀論をやられましたが、大体非常に間違つた先入感のもとに問題を取上げられておると思う。そのことは先ほどの與党側委員の質問の中にはつきり現われているのです。たとえば共産党が富士のすそ野で暴力革命の演習をやつているとか、大井川の鉄橋爆破の演習をやつておるとか、いろいろななことを言われましたが、それに対して国警長官の方でも大体そういうふうなことはまだ確実な情報とは言えないが、というようなことで濁しておられるようなことあたりは、まさに非常に政治的陰謀の準備、思想的準備は十分できておると言えるのであります。大体共産党はそういうばかばかしい暴力革命の演習なんということは、いまだかつて考えたこともありませんし、やつたこともありません。ところが、あべこべに政府の方といたしましては、先般も私の住んでいるつい近所でありますが、群馬県澁川におきまして、大々的な何か大訓練をやりまして、何県下かの警察官を集めまして、ものすごい暴力反革命とでもいうのでありますか、演習をやつたのであります。こういうふうなことを各所においてやつておるのでありまして、ことに警察予備隊のごときものにつきましても、その内容を見ますと、相当ものすごい軍隊訓練をやつております。このことはまだ別の問題になるのでありますが、いずれにしましても、そういうふうなことから、最近は警察官が昔とは非常に違いまして、簡單にピストルを発射してみたり、こん棒で人をなぐつたりするというようなことは、ふだんからの訓練のたまものでありまして、非常に元気よくつつ込んで行つてやつつけるというようなことをやつておるのであります。こういうようなことが、やはりますます今日の生活の窮迫化しました民衆に対しましては、非常に挑発的な作用をなすということは明らかなのであります。ですから、事を処理する場合に、今日そういう状態にある警察官の態度はどうであつたかというようなことから、根本的にやはり当局が反省されなければ、このような問題を今後未然に防止することは、できないというふうに考えるわけであります。なおこれと関連して、背後にある共産党を洗えという御質問が方々から大分出ておるのでありますが、今も私が申し上げました通り、共産党はあくまでも根本の生活問題、朝鮮人問題に対する解決を主張しておる政党であり、でき得ればこういうふうな混乱にならないように治めるために、全力をあげておる政党であるということは、さつきも申し上げた通りであります。共産党の非合法化について先ほども御答弁がありましたが、元来共産党の掲げておる綱領、現に具体的に国会において闘つておるわれわれの政策、これらのすべてのものをごらんになればわかる通り、われわれはポツダム宣言の完全な実施、日本の完全な平和的民主国家としての再建、こういうことを主張いたしまして、ややともすれば独立が危うからんとしておる現在、私どもはどこまでも国会の権威を高め、民族の主権を確立するために、奮闘しておる政党であることは、多言を要しないのであります。外国共産党との連絡云々というようなことを言われますけれども、私がここで説明するまでもなく、今日では具体的なコミンフオルムというようなものは、ヨーロツパにはありますけれども、極東にはそういうものがないのでありまして、全世界の被圧迫民族、労働階級、平和を愛する陣営の精神的な理解と同情というものは、もとよりでありますけれども、これは当然のことでありまして、私どもが現在朝鮮に行われております朝鮮人民の独立と平和のための闘争に対しまして、非常な同情を持つことは当然であります。けれどもそのことは、諸君が資本主義の諸国といろいろ取引しようとしたり何かしておりますのと同様でありまして、ただ違うところは、諸君は隷属化の道を進んでおり、われわれは民族の独立を主張しておるという点が違うだけであります。そういうふうな点からいたしましても、何ら共産党を非合法化すべき合理的な根拠はないと確信するものであります。そのようなことを言うものは、わが国を特定の資本主義国の隷属化に置き、植民地化し、そうして新たな戰争、今や迫つておる戰争に恥いて、われわれを肉彈に使つて、民族を滅亡せしめることを欲しておるものといわざるを得ない。共産党の主張こそ、民族の独立と平和を主張するものである。このことを私はここではつきり申し上げる。これに対する政府の態度をもう一度はつきり鮮明していただきたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 共産党に対する考え方は、先刻来申し上げました通りなのであります。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 日本の再軍備の問題について、この前もちよつとお伺いしたのですが、警察予備隊が軍隊ではないかということは、最近かなり言われておりますし、それから新聞記事などを見ましても、相当そういうふうな考えを裏づけるような記事か見えておるのであります。この点につきまして、法務総裁にはつきりこれが軍隊であるかどうかという点を御説明を願つておきたいと思うのであります。これは十一月一日の記事でありますが、八戸で対戰車攻撃のバズーカ砲の訓練をやつておるというようなことがあります。あるいはまた飛行機による訓練をやつておるというようなこともあります。また先般国会に陳情に参りました、首になつた隊員の諸君の報告によりますと、司令官はアメリカの将校であつて、そうして訓練の方法は、教典はほとんど外国の軍隊のものをそのまま翻訳したものであつたというようなことも報告されております。また経理等については、一々向うの許可がなければ、事実上給料の支拂いさえもできないというようなことが、報告されておりまして、実態は、中の除の編成その他から見ましても、訓練の方法から見ましても、すべてから見て、これは軍隊であり、しかも外国式の軍隊であるということは、一点の疑いをいれる余地がないということを、隊員であつた本人もこの国会に参りまして、私どもに述べておるのであります。これらの事実からいたしまして、日本の再軍備は現在は考えておらないと言われますけれども、実際はこのような形で再軍備が行われておる。これは非常に重大な問題であると思いますので、この点について法務総裁の御見解を明らかにしていただきたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 警察予備隊は国内治安の確立に当ることを目的といたしておるのであります。従いまして、これは軍隊ではございません。もし軍隊というものを考えるといたしまするならば、それは外国との交戰ということを目的としたものでなければならない。なるほど終戰前のわが国におきましても、国内治安のために、いわゆる府県知事の出兵請求権というものがございまして、知事の要請によつて軍隊が出動することがあつた。しかしかようなことは、当時の軍隊といたしましては主たる目的でなく第二義的、第三義的な効果にすぎなかつたのであります。しかしながら警察予備隊は、国内治安そのものを第一義的な目的とするのみならず、それのみを唯一の目的として設立せられたるものでありますから、これはとうてい軍隊ではあり得ないわけであります。またその訓練において用いる教科書等が、外国の軍用図書の翻訳であり、また用語等も軍隊用語が使つてあつたということを言つておられますが、なるほど用語等の使用につきましては、警察予備隊の性格上、きわめて不適当な用語が多々あつたかと思います。これは早々の際に、当局として重大なる手落ちがあつたわけでありまして、この点は目下是正するようにいたしております。また装備の点につきましては、いろいろな機会に申し上げております通り、現在におきましてはカーバイン銃を持たせておる。カーバイン銃というのは、小型小銃と訳しておりますが、しかしその効力の点から見ますと、数百メートル程度の有効射程距離しか持たないのでありまして、これはピストルの多少大型といつたような程度でございます。まず現在の装備としてはこの程度でよかろうと思われます。もとより装備というものは、これは警察におきましても、全然無装備ということは考えられないのでありまして、こん棒ばかりでなく、一般の警察官にはピストルを所持させておる。その目的なり、また予想される事態に即応いたしまして、最小限度の武器を持たすということは、これは性質上やむを得ないものであると思うのであります。しかしそれだからといつて、それがいわゆる再軍備であるとは私は考えないのであります。再軍備というものは、当然軍隊を持つことでありますから、外国との交戰を予想し、またそれが目的のために部隊を持ち、装備においても、外国との交戰において十分勝利を得るに必要なところの武器を備えなければならぬのでありまして、今日の警察予備隊の装備というものは、さような軍隊的な装備からは、はるかに遠いものであるということを、はつきり申し上げておきます。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 それではもう一つ、この前質問してあつたのをお伺いしたいのですが、軍需品の生産や輸送に対しまして、これは国連方面からどんどん注文がありますが、資本家も注文を断る自由があるわけで、そういうような性質の單なる商取引の行為になつておる。これに対しまして、労働者が、軍需生産をやめて、平和産業をやつてくれ、あるいは軍需品の輸送をやめて、平和産業の品物をどんどん輸送してくれないと困るというようなことで、生産、輸送に対しまして、平和的な産業の再建を主張する立場からのいろいろな叫びが上つておるわけです。こういうふうなことは占領政策の違反にはならないと私ども考えるのですが、法的にはどういうふうに解釈されますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 その事態につきましては、具体的なお話を承りますならば、それに基いて十分調査いたしまして、お答えいたしたいと思います。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 それは法的には、現在国連軍の要するいろいろな物資の生産や何かというものを、資本家が引受けておりますが、こういうようなことは、資本家といえども拒否する権利がもちろんあると思う。だから当然一般的にはそういうふうな軍需生産をやめて、平和産業のものをつくれという主張は、これは当然の主張でありますから、何ら違法性はないと思うのでありますが、その原則論はどうでありますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 占領軍が国内におきまして、占領軍の需要いたしまする物資の生産を命ずる場合があると思います。そうしてその場合におきましては、一般命令によりまして、関係の占領軍官憲の命令でありまするならば、何人といえどもこれに従わなければならぬわけであります。そういう手続によつて物の生産が命ぜられました場合は、当然これに対して従わなければならぬという法的根拠があると考えられます。

栗山長次郎自由党

○栗山委員 関連して……。一委員からの質問のうちに、そのままにしておいてはならないと思う点が二点あります。その委員の所属党派いかんにかかわらず、明らかにしておくべきものと存じますので、質問いたしますが、その委員は日本の警察が朝鮮人諸君に対して挑発的な乱暴行為をいたした、つづめればそういうことになる発言をした。他の一つは血と汗との結晶である朝鮮人の財産に手をつけたとか、取上げたとか、つまり彼らの私有財産権を侵したと言わんばかりの発言をしておるのでありますが、この二点については、その委員の所属党派のゆえをもつて、あるいはお触れにならなかつたかもしれませんけれども、私たちとしてはこの委員会の名誉にかけても、かような発言が法務総裁が列席しておりますこの委員会にありましたので、その事実いかんについて明らかにされんことを望みます。

大橋武夫自由党法務総裁

○大橋国務大臣 警察権の行使にあたりましては、個人の権利及び自由を尊重して、公共の福祉を守るという立場に立つて、これが行使に当ることが警察法の建前であり、また政府といたしましても、この警察法の精神に従つて、行動するように嚴重に指示をいたしましておる次第でございます。従いまして、警察が国籍のいかんを問わず、国内において挑発的な行為に出るというようなことは、とうていあり得ざることであり、かりにあつたとすれば、それは重大なる誤りであると思うのであります。今回の事件に関連いたしまして、朝鮮人諸君に対し、日本警察が挑発的な行動に出たということは、私どもはまつたく聞いておらぬのであります。おそらくこの点は高田委員の何かお間違いであろう、こういうふうに確信をいたすものであります。  それからもう一つ御質問になりました朝鮮人の財産に対して、理由なく政府がこれを取り上げるというようなことを、高田委員が言われたのでありまするが、これまた個人の財産権の尊重につきましては、民族、国籍のいかんによらず、政府としては嚴重にこれを尊重すべきものである。従いまして、高田君が先般私どもの方へお見えになつて、陳情されました具体的の事件と申しますものは、埼玉県におきまする朝連の旧財産が、当然団体等規正令の規定の効力といたしまして、国有に帰属いたしております。この国有に帰属いたしておりまする旧朝連財産の処分に関連いたしまして、朝鮮人個人の所有権があるから、その点を十分に調査してみてくれ、こういう陳情に見えたわけであります。私はこれに対しまして十分調査するということをお答えいたしたのであります。われわれは現在までの調査の段階におきまして、朝鮮人の個人の所有権を確認するに至つておりません。これは旧朝連の団体としての財産であるという考えのもとに、またさような事実を確認いたしましたがゆえに、この財産処分の手続を目下進行いたしておるわけであります。

守島伍郎自由党

○守島委員長 それでは法務総裁に対する質疑は打切りにいたしまして、一般の質疑に移ります。佐々木君。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 これは主として外務政務次官に対して質問いたしたいと思います。今度の朝鮮の動乱というものが、まつたく新しい戰争の危機に直面して参りましたことは、マツカーサー司令官の発表によつて明らかであります。最初に国際連合を初め、世界の民主主義国家群が熱心に要望しておりました三十八度線を越えることなくして、朝鮮の平和を求めたいという念願はまつたく破れ去りまして、遂に三十八度線の突破となり、さらにまた北鮮におきましての戰局も、單に朝鮮南北だけの争いではなくして、遂には中共がこれに介入して来るということになる。しかも最初の間はこの中共軍はまつたくの義勇兵であるということを中共側でも申しまするし、かつまた国連を初めわれわれも、そうあることを最も希望して、戰禍の拡大を回避したいという気持であつたのであります。ところが先ほど申しましたように、今度は中共の正規軍が二十万すでに北鮮に侵入する、しかもその背後には厖大な後続部隊を擁して、ここに戰雲がただならぬ様相を呈しておるという状態になつて来ておるわけであります。そこで私はこの際承つておきたいことは、この戰局の見通しということにつきましては、おそらく私が質問いたしましても、おつしやれないであろうと考えます。また何人もこれは予言することはできません。私はそういう予言を承ろうというわけではありませんが、やや基本的なことからひとつ承つておきたいと思います。  それはこの国際情勢や朝鮮動乱等に等する政府の態度について、われわれが熱心にここで再三再四にわたつて質問をいたしましても、これに対する政府の答弁は、まつたくわれわれの期待、国民の期待を裏切つて、ときには不誠実であるとすら思われまするほどに、国民にとつては、たよりなさを與えております。そこで私はもう少し政府はこういうときにあたりまして、はつきりとした態度を示していただきたいということを念願する意味において申すわけでありますが、今日われわれが敗戰国になつたということは、日米戰争の直前において外務省というものが、もつとしつかりしたところの国際情勢に関する認識を持ち、そうしてこれを国民に周知徹底せしめておりましたならば、おそらくこの不幸なる日米戰争を起すことなくして済んだかもしれません。ところが当時の外務当局はまつたく無気力である、あるいはそれに対する認識を欠いておつたということが、今日の敗戰を導いたとも言えるのであります。

守島伍郎自由党

○守島委員長 佐々木君、時間がありませんから簡單に願います。

佐々木盛雄自由党

○佐々木(盛)委員 私はそういう点から承るのでありますが、一体政務次官は今日の米ソ関係が、はたして好転しつつあるというふうにお考えになつているのかどうか。戰争は起らないという御答弁の結果というものは、考え方によつては、米ソ関係は好転しておるかというふうにすら、誤認されておる向きもあるようでありますが、米ソ関係ははたして好転しつつあるというようにお考えになつているか。さらに私は米ソ関係の衝突は早晩必至であろうと考えるわけであります。そこで先般発表されました外交白書によりましても、今度の朝鮮の動乱が一時的な手段で共産主義世界と国際連合とが妥協するというようなことはないことを明らかに国民に訴えております。このときにおきまして、すでにアメリカは中共軍を侵略国であるということを断定をいたしました。そうして中共軍の朝鮮からの撤退を要求いたしております。これに反しまして、中共代表はアメリカこそ侵略国である、従つて朝鮮並びに台湾から撤退しろということを強硬に要求いたしております。そうしますと、中途半端な妥協をしないということが前提になりますならば、この朝鮮動乱の拡大は必至であるということが、結論になるのではないかと私は考えられるのであります。そこでこの米ソ関係の衝突というものが早晩必至と考えられますか、あるいは外務当局はこの二つの世界は並存して繁栄し得るというふうにでもお考えになつておるのかどうですか、この点についてもひとつ伺つておきたいと思います。  それからもう一点、ソ連の対日態度についてでありますが、このソ連の対日態度はどういうふうにお考えになつておるか、はたして日本に対して友好的な態度に出ておるかどうか、どういうふうにお考えになつておりますか。そこで外交白書の中におきましても、二つの世界が一致して希望する日本のあり方もなければ、両者が共同でわが国の安全を保障してくれる共通の基盤もないということを、はつきりと教えておる、さらにまた永世中立ということは、まつたく夢物語であるということを再三あらゆるときにおいて発表されております。そうしますと、このソ連の対日態度から考えまして、日本というものはもつと勇敢に中途半端な態度をて捨て、向米一辺倒とでも申しますか、勇敢に民主主義アメリカの世界と協力して、向米一辺倒の政策を断行するんだということを、もつと強く要求されることの方が、国民はかえつてこれを望んでおるわけでありますが、なぜそれでは政府はそういうときにおきまして、きわめてあいまいな態度をとつておられますか。これらの点につきまして、もつと質問をいたしたいと思いますが、特に委員長の要求によりまして、とどめておきます。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 朝鮮動乱を中心にして米ソ関係は好転しておるように政務次官は言うが、そうは考えられぬじやないかという点でございますが、私も朝鮮問題を中心にいたしましては、決して米ソ関係がその後何ら好転するような交渉は別に現われていないと存じます。むしろ逆に十一月末からの中共軍の朝鮮動乱介入によりまして、いわゆる新事態、新しい戰争の形がとられて来た、最も重大な状態になつて来た、そうすると米ソ衝突は必至であるじやないか、妥協という余地はありはしないじやないかというお考えでございますが、私は必ずしもそうは考えておりません。むしろ今後一層大国間においてあるいは国連において話合いで第三次大戰あるいは恐しい大戰という形がとられないような、あらゆる努力を講じて、従つて俗にいわれておりまする第三次大戰というものを、あらゆる努力によつて回避しようとする力が現われて来る、これが近く米英巨頭会議等になつて現われる様相を呈しておると思つております。また私どもはむしろそれに大きなる期待をかけております。しかし二つの世界は「朝鮮動乱とわれらの立場」にも書いておるように、並存し得るものであるか、あるいは両方が繁栄するものでないのじやないかという点でございますが、この二つの世界は永久に二つの世界として並行線で行くものではなく、「朝鮮動乱とわれらの立場」にも書いておりますような、外務省の情報部で出しておりまするあの世界の現実の動きを国民がよく認識して、共産主義の世界ではなく、民主主義の世界によつて日本が進んで行くということをはつきりと理解して、これに強く協力して参りますと、必ずや民主主義の世界の発展を来して来る、両方が衝突する情勢になつて来ないと存じております。その意味におきまして「朝鮮動乱とわれらの立場」というものは示しております。従つてソ連の対日態度に対する点はどうかという点でございますが、これはソ連の対日態度に対しまする点は、まだはつきりと現われて参つておりませんから、今ソ連の日本に対しまする、あるいは講和に対しまする態度を、ここでかれこれ申す時期ではないと存じます。

守島伍郎自由党

○守島委員長 並木君。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 私のお伺いしようと思つた第一点は、ただいま佐々木委員の質問に対して草葉次官から懇切な答弁がありましたから大体わかりました。ただ今まで吉田総理なり政府方面で第三次大戰にはならないであろうという意思表示をされる根拠の中に、今般新事態となつて現われたようなことも大体予測しておつたかどうか。こういうような途中における起伏というものは当然あるということを織り込んで、なおかつああいう予想をしておつたかどうか、という点をお伺いしておきます。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 朝鮮動乱の動きの中には、御案内のように、あるいは緩衝地帯その他でいろいろの点から、何とかこの拡大を防ごうという世界の動きは十分当時からありました。予想されている点でございます。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 次に国際連合精神的協力の線というものは、今後国際連合で決議が可決されたような場合、当然日本としてはこれを支持するということになるかどうかという点について、お伺いしたいと思います。それは六箇国決議案というものが安全保障理事会で否決をされて、総会に持ち込まれる形勢にある、もし総会でこれを採択可決をいたしました場合に、日本政府としては当然この決議に対して賛意を表する、支持をするというところに行くかどうか。この点です。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 日本はまだ独立いたしておりません。従つて国際連合に加盟いたしておりませんから、これに対して支持する、せぬというのは、おのずから異なると存じますが、必ずや国民は国際連合の多数の表決による方針には、心より共鳴をしてくれることと信じております。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 それは先ほども私が大橋法務総裁に聞いた国際連合精神的協力の限界という疑問になつて現われているのであります。結局そういう線であると、どこへ線を引くかということが、かなりあいまいになつて来る、少くとも抽象的になつて来るのではないかと思う。従つて、日本人を使用するというような問題が、現実の問題となつて現われる可能性が多いようでございますが、そういう場合に日本国民は、どういう心構えでこれに対処して行くか、これに対して政府の意思表示があつて私はしかるべきであろうと思う。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 これはさきの御質問にもありましたが、トルーマン大統領が日本人を使用するという点についての御質問の引用のお言葉は、私はトルーマン大統領はそういうような意味じやなかつたと思う。もしやそういう状態になるならば、その橋に来たときに考える、こういう答弁であつたと存じまして、トルーマン大統領自身もまだまだその橋には来ていないので、その橋に来たときにその橋を渡るか渡らぬかは、そのときの情勢によつて、十分判断して決定するという意味であつたと私は解釈いたします。従つて今ここで日本の態度いかんということは、まだまだそこまで行つておらない状態であると思います。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 そういたしますと、国際連合の決議も、必ずや国民の支持を受けるであろうという政府の確信であることは一応了解しました。今のような問題が橋のたもとまで来たときに、やはりこれに対する態度なり、方針なりをきめるまでは、あくまでも国民の意思にまつべきものであるというふうに了解してよろしゆうございますかどう。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 これは総理もしばしば申されます通りに、国民の意思により、政府の十分なる態度を決定するという方針で進んでおります。さよう御了願います。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 そうすると、当然そういう段階になつたときには、政府としては何らかの形において、国民の意思を知るという具体的方法をとられると思いますが、いかがですか。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 これはいろいろな場合がありましようから、あらかじめここで断定的に申し上げることは、かえつて将来適当でないと存じます。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 それでは私さつき太田次官の中ソ同盟について、そういう段階に来ておらないという横やりを入れられたのですが、来ていないということは私も知つているのです。ただそういう可能性がかなり濃いというところからお聞きしたいのです。この中ソ同盟の條文をいかにも私が読んでいないように頭からきめつけられましたけれども、実際読んで来ておるのでありまして、この中に日本と結ぶ同盟国というような文字も使つてあるのです。これは第一條に「日本あるいは直接間接に侵略行為の上で、日本と結びつくその他のいかなる国家の新たなる侵略をも、また平和の破壊をも制止することを期す、締結国の一方が、日本あるいは日本と同盟するその他の国家の侵略を受け、戰争状態になつたときには、締結国の一方は全力を盡して軍事その他の援助を與える。」こういうふうに書いてあつたことも勉強して参りました。このまま行きました場合に、国連の決議を支持し、国連の一環として日本がみなされるようになるならば、あるいはこちらの意思いかんにかかわらず、先方から見れば、日本もその一脈であるというふうに考えて、敵対行為に出て来るのではないか、そうすると先ほど私が心配しました空襲その他のような問題も起りますでしようし、同盟という意味の解釈などに対しても、時間がありましたら、お聞きしようと思つていたのですが、きようはちよつと時間がなさそうですからそういう問題はさておきまして、向うでそういうふうに解釈すれば、中ソ同盟というものをたてにとつて、いつ何どき一方が立ち上つて来ないとも限らない、こういう心配が出て来るのではないか、これをしんみりとお聞きしておきたかつたのですが、いかがでしようか、この点についての御感想をひとつ……。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 中ソ友好同盟で、お話のように第一條の二項には、締約国の一方が日本国またはこれと同盟している他の国から攻撃を受けて戰争状態に陥つた場合には、他方の締約国は、ただちになし得るすべての手段で軍事的の、また他の援助を與える。今度の朝鮮戰乱は、この意味とは本質的に全然違うのです。ここに述べてあります意味とは全然違つて、御案内のように国連が安全保障理事会で取上げて進んで参りました今までにおける姿は、途中からごく最近中共軍が入つて参りましたけれどもそれにいたしましても、中ソ友好同盟の條文の上から考えますと、違うと存じております。従つてしばしばいろいろな機会に申し上げましたし、また大臣からも申し上げましたように、日本はこちらから軍隊をもつてするという立場にもないし、考えも毛頭ない。憲法にはそれをはつきり明記いたしておりますから、さようなことは全然考えられないと存じます。

並木芳雄国民民主党

○並木委員 私が知つておきたいのは、英国及びフランスから、緩衝地帯、非武装地帯、そういうことを提案されておる。これができれば、私たちの不安もしずまるのじやないか、しかし緩衝地帯というものは、国際法上の用語になつておらないように聞いておるのですけれども、緩衝地帯とか非武裝地帯というものの現存行われている解釈あるいは効力、そういうものについてお聞きしておきたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 今まで使われております朝鮮戰乱における緩衝地帯というのは、御案内のように特に欧州方面から強く希望されておるようでありますし、かつまたさきに私が御報吉申し上げましたように、今回の英米巨頭会議にイギリス首相からの希望のうちにも、実は非武装地帯というのが入つておるようでございます。ただこれが国際法的にどうというところまでのものではなしに、何とか戰争をやわらげて来て、平和の状態を早く来させる一つの方法として、現在話題に上つておるのではないかと存じております。従つて私どもも、朝鮮戰乱が一日も早く平和になりますことを念じてはおりますが、この緩衝地帯、非武装地帯の問題につきましては、さきに申し上げましたし、おそらく数日後の両巨頭会談におきましても進められて来るのではないかと存じております。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 朝鮮の戰乱に関連いたしまして、簡單に質問いたします。先ほども御説明がありましたように、英米巨頭の会談も開かれることになりまして、いよいよ非常に重大な平和と戰争の岐路に立つておるということでありますけれども、トルーマン大統領のこの間の声明のうちに、場合によつてはこの朝鮮戰乱に関連して、原子兵器を使用することもあり得るという意味の重大声明がありました。この原爆声明に関連いたしまして、全世界の輿論が沸騰しつつあるのではないかと想像するのであります。けさの新聞を見ましても、西欧各国はこれに対しまして、非常な憂慮を表明しておるということがありますし、またイギリスにおいても労働党議員が、ぜひとも原子兵器の使用をやつてはならぬということを、強硬に申入れをしておる。あるいはフランスにおきましても、これらのことにつきまして遺憾の意を表明しておるし、カナダにおいても質問を提出しておるというようなことでありまして、今や全世界の輿論は朝鮮事件に関連して、原子兵器が使われるかどうかという一点に集中しておる感があるのであります。日本といたしましては、原子爆彈の脅威を最初に受けました全世界のただ一つの民族であります。この原子兵器の被害、惨害というものを思い起すにつけまして、私ども日本人といたしましては、今や單なる一国対一国の争い、そういうふうなことを超越いたしまして、人類の悲劇を回避するために、人道上の見地に立ちましても、このような声明が発せられた機会に、わが日本人は原子兵器の禁止を要望するのである。さしあたつては朝鮮事件と関連いたしましての原子兵器の使用は、ぜひともやめてもらいたいという強い輿論を、この機会に世界に向つて何らかの方法で示さなければならぬと思うのであります。幸い本日のこの国会におきまして、政府はこのような見地に立つた明確な発言をなされるならば、このことは世界の平和のために、非常に大きな意義があると思うのであります。先般ロンドンにおきまして非常なたくさんの大衆が集まりまして、平和のための叫びをあげたときに、ある作家は今の対立はソビエトとアメリカの対立ではない、人類と原子兵器の対立である。人類の叡知が原子兵器に打勝つことができるか、それとも原子兵器が人類に打勝つことができるかの今や岐路に立つておるということを絶叫して、非常な感銘を與えたそうであります。どうかわが日本人といたしましては、この際原子兵器の使用に対しまして、いかようなことがあろうとも、それを好むものではないということを強く表明していただきたいと思うのであります。これがおそらく日本人の人々の考えであると私は確信いたしますので、この際政府を代表して明快な御答弁をお願いしたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 これは答弁の限りにあらずと存じますが、実は原子兵器の問題につきましては、国連総会、国連安全保障その他の会合におきまして、御案内のように、ソ連が今のような意味の提案をいたしましたが、これは否決されました。むしろそういう問題よりも、もつと本質的な世界の平和という問題に入つて行くべきだと存じます。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 世界の平和という問題でありますが、私はここでこの外交白書にも盛られております政府の考え方について、もう一度お伺いしておかなければならない。このたび北朝鮮の民族独立、平和のための人民のこの苦鬪に対しまして、中国の義勇軍がこれを援助したということが問題になりましたが、伍修権代表も国連におきまして、平和のための堂々たる叫びをあげ、今日におきましては、この北鮮の動向と関連いたしまして……。

守島伍郎自由党

○守島委員長 高田君、時間がありませんから簡單に願います。

高田富之日本共産党

○高田(富)委員 ソビエトの主張する四大国会議を、イギリスはこれに応じようというところにまで進んで参りました。従つてもしもここでこの四大国会議が開催せられるということになり、イギリスが主張しておるように、中共を国連に加盟させる、また中国やソビエトを入れた対日講和という方向へ、この中国及び北朝鮮人民の断固たる平和のための行動が機運となりまして、わが国をめぐる全面講和への可能性も現われつつあるのではないかと私は考える。ここで政府はいずれをとるか。ここで国連に協力し、そして満洲の国境を越え、戰争を拡大する方向を望むか、それともイギリスその他の国々が奔走して四大国会議が開催せられ、ひいてはわが国を中心とする全面講和への曙光を、もつと拡大することができる点において全面講和への道を選ぶか、この二つに一つを選ばなければならない段階にあると考える。政府はそのいずれの道を選ばんとするか、この点を明確に御答弁願いたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○草葉政府委員 これは現在の国連の動きにおきましても、あるいは政府の動きにおきましても、先ほど私が御報告申し上げた通りでございまして、かつまた従来から、今後におきましても、政府といたしましては再三その都度態度を表明いたしておりまするように、国連協力ということを今後とも積極的に進めて行くべきことは申し上げるまでもないことだと存じます。

守島伍郎自由党

○守島委員長 それでは本日はこの程度にいたしまして、この次は来週水曜日六日の予定でおります。外務大臣が出席される予定でございまして、十時に出られるそうでございますから、皆さんもなるべく時間通りお集りくださるようにお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十三分散会

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