予算委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/11/06
会議録
○委員長(波多野鼎君) それではこれから予算委員会を開きます。 先ず最初に継続審査になつておりました昭和二十五年度予算の国民経済に及ぼす影響に関する調査、この件を議題にいたします。この件につきましては三班に分れまして各地の現地調査をして頂いたのでありまして、その報告を承わりたいと思うのであります。今第一班の大島さんがちよつと所用で席を外しておられますので、順序を変更しまして第二班からして頂くことにいたします。内村清次君。
○内村清次君 昭和二十五年度予算の国民経済に及ぼす影響の現地調査団の御報告をいたします。 第二班は平岡市三、内村清次、佐多忠隆各委員、及び専門員野津高次郎の一行でありまして、九月六日東京を出発し広島、大阪、名古屋の三地区につき、その実況を調査し、九月十四日東京に帰着いたしました。三府県におきます調査の概況を報告いたしますると、先ず大別いたしまして、一、徴税、二、たばこの売行き状況と専売益金、三、金融、四、商工業、五、農業、六、ジエーン台風による大阪の被害状況視察、以上について順次御報告いたします。 一、徴税、三地方における租税徴收状況は国税、地方税共甚だしく不成績で左表のごとく巨額の滞納税額を擁し、国及び府県税務当局はその整理に忙殺されております。国税滞納額は広島国税局管内で八十二億九十九万八千円、大阪国税局管内で二百七十九億五百三十二万八千円、名古屋国税局管内で九十六億九千七百六十六万円であります。総計が四百五十八億三百九十八万六千円。府県税滞納額は広島県が一億三百万九千円でありまして、大阪府が二十億二千四百八十六万七千円、愛知県が十三億百七十九万三千円、総計三十四億二千九百六十六万九千円になつておりまして、今後賦課する租税額とともに年度内にその幾何を徴收し得るか寒心に堪えざるものがあります。 税目といたしましては国税においては申告所得税、地方税におきましては事業税がその最たるものであります。各地とも共通の原因といたしましては一、二十四年度後半からの経済界の悪化、二、税負担の過重、三、税務事務の急激なる膨脹に対する税務吏員の不足と能率の低下、四、地方税法の成立遅延による国税、地方税の徴收期の競合等が挙げられております。 二、たばこの売行き状態と専売益金の問題でありますが、たばこの売行きは前年同期に比しまして本数、数量は相当増加しておりまするが、その金額は全国において第一位の売行き成績を示せる広島地方局においてすら僅少の増加にとどまり、名古屋地方局においては一割一分弱の減少を示しております。これは専売率の高き高級たばこの売行き不振を示すものでありまして、二十五年度予算計上の千二百億円の歳入を挙げ得るか否か懸念なしとしないのであります。名古屋地方局におきましては七、八の両月試験的に一時「バツト」の販売を制限いたしましたところが、その不足分は大部分「新生」「憩」によつて補充せられ、「ピース」には及ばなかつた実績から見て国民経済の不振を窺うことができると思います。 第三、金融の問題でありますが、インフレ警戒予算の実施によりまして影響されておりまする金融界の状況を左の諸点から観察して見ました。一、地方債の実情、地方事業は租税歳入のみを以て賄うことはできないのでありまして、その大部分は地方債によらなければならないのであります。然るに起債の許可を得るところの手続が非常に容易でないということ、又幸いに與えられるところの許可額は常に計画額の一部にとどまりまして、その不足額はこれをその財源に求めなければならないこととなりまするが、若し他に財源がなかつたならば平素はこのままこれを放置するの止むなきに至るので、いずれの地方におきましても起債許可手続の簡單化と、起債の枠の拡大化の要望が強いことを認めました。第二は改正地方税法実施遅延の影響であります。租税收入の空白が平衡交付金の繰上交付、預金部資金による起債の前借等によりまして補われましたために、広島県におきましてはその他の借入金を要しなかつたが、愛知県におきましては尚不足を生じておりますし、銀行及び農業組合からの一時借入金が行われておる実状であります。第三は郵便貯金と銀行預金の推移であります。各地方とも増加の趨勢を辿つておることを認めました。第四は地方銀行の地元産業への融資状況でありまするが、地元本店銀行はその地元預金の大部分を地元産業に融資しておりますが、支店銀行は地元預金の相当額を本店に引上げる傾向は免れないのであります。広島における帝国、千代田、第一、三和、大阪等の各支店銀行の預金の七割は本店に引上げられております。地元産業に融資せられるのは三割に過ぎないのであります。大阪におきましては預金総額に対して地元貸出額割合が一〇八・二%に上つておりますし、三和、大阪、大和、富士、信託等の有力なる地元銀行の存立することもその一因であります。第五は滞貨融資の実状であります。経済安定化の過程における国民購買力の減退とポンド貨引下げ等によるところの輸出不振等に基因いたしまして生じました滞貨の激増は、産業、殊に中小企業を危殆ならしめるものがあります。大阪におきましては一方において見本市展示会の開催等の滞貨処理対策を講じておりますと共に、他方企業の維持、振興の面におきましても融資斡旋を行い。殊に輸出滞貨につきましては信用保証協会の信用保証により貿易資金の融資を行なつております。大阪府信用保証協会の信用保証による融資額は二十五年一月末九千百万円、七月末二億九百万円になつております。又広島におきましては同県の特産品たる縫針業者がインド向け大量輸出契約の破約によりまして、大量滞貨を発生いたしました場合において、芸備銀行より四百万円、商工組合中央金庫広島市支所より二百五十万円、計六百五十万円の滞貨融資を受けた実例があります。併しこの種滞貨も二十五年三月を絶頂といたしまして、その後朝鮮事変に基く特需注文が旺盛となるに及びまして次第に減少し、その金融も清算される状況にあることが窺われました。第六は不渡手形の状況であります、広島、名古屋等の地方におきまして不渡手形は二十三年度より二十四年度、二十四年度より二十五年度と漸増の傾向にあります。広島における本年七月までの実績を検討いたしますると、手形交換高に対し不渡手形の比率は、枚数は一%以上、金額は〇・四%ぐらいでありまして、少額の手形、換言すれば小取引、小企業者の手形が不渡になるのでありまして、この点から企業の規模小なるものが金詰りの影響をより多く受けておることが想像せられるのであります。第七、中小企業者の金詰り切抜け策はどうやつて行われておるかということにつきまして、一、業者側の切抜対策といたしましては、(イ)闇金融に依存、これは償還期切替えのためであります。(ロ)は自力金融の方法の採用でありまして、組合の団結強化を図り、組合員全員の日掛、月掛貯金の励行、(ハ)は頼母子講、(ニ)は地方有志の話合いにより新規に信用協同組合の設立計画、(ホ)は問屋制度の復活……、協同組合の組織化に努力いたしております。二、府県側の施策といたしましては、信用保証協会の強化改善、中小企業協同組合融資制度の採用等が行われております。 第四に商工業でありますが、一、生産活動の状況から報告いたしますと、二十四年度ドツジ予算の施行以来、国内購買力の減退、輸出の不振、滞貨の累増、売掛金の回收難、金融の引締め、徴税の強行等により事業の縮小、閉鎖、休業等が行われまして、生産活動は下降の一路を辿つておりましたが、二十五年三、四月を転機といたしまして、事業によりましては漸次上昇を始めるに至つております。特に大阪、名古屋における繊維工業、化学工業、金属工業及び広島の製針業等は顕著な増産を続けております。二は企業合理化の現状でありまするが、昨年来輸出貿易の不振と共に、国内におきましても購買力の枯渇によつて売行きの不振を来たし、その他徴税の強行、金融の引締め、売掛金の回收難等、一連の不況原因が累積して来まするや、業者といたしましては、人員の整理、事業の縮小によつてこの苦境を切り抜けんといたしておりましたけれども、これに堪えきれないで休業、閉鎖に至るものを生じ、本年一月に至つて倒産者は急増し、四月はその絶頂に達し、大阪府のごときは同月中の倒産、閉鎖企業百四、失業人員五千九十九人を算するに至つております。ここにおいて業者はもとより関係当局も、これが切拔策といたしまして、企業合理化に真剣ならざるを得ない状態に追い込まれておりまするが、或いは共同施設により良質廉価の原料品の入手を図り、或いは又共同作業場を設置して経費の節約を行うようになつたのであります。大阪府の能率研究所のごときも、その指導を受けてこれを利用せんとする者もとみに増加し、同所を直接見学し、その指導を受ける者も過去三ヶ月間に二百名以上を算したということであります。更に愛知県及び広島県におきましては、企業診断ということが昨年来行われておりまして、これは業者の申請によつて県の委嘱する診断員がその企業を調査し、改善すべき事項についての勧告書を交付するのでありまして、業者はこれに基いて改善施設を講ずるのでありまするが、この診断を受けた企業数は、愛知県においては百六十、広島県においては二十一を算するに至つております。三は滞貨状況でありまするが、国内購買力の減退と貿易不振による滞貨は累積いたしまして、その処理問題は相当深刻に考えられておりましたが、四、五月頃公団輸出滞貨の内地放出による良品出廻りに刺戟されまして、全般的に値下げ傾向を示し、又陶磁器等の内地ダンピングも行われて、滞貨の一掃が図られると共に、一方購買力も徐々に向上し、更に朝鮮動乱と共に特需景気を現出したので、今や処理不能の不良品滞貨は別といたしまして、著しき滞貨の状況は見られざるに至つております。第四は、朝鮮動乱の商工業に及ぼす影響であります。朝鮮動乱の勃発は、六月八日に調印せられた第二次日韓通商協定の成立によりまして漸く軌道に乗らんといたしておりましたが、日韓貿易は暫らく中絶せざるを得なくなつて参りました。併し、二十四年における対韓国貿易の我が国貿易に占めるウエイトは極めて微々たるものでありまして、輸出において僅かに三%、輸入に至つては〇・四%に過ぎない状況であります。新協定額は倍以上の増加ではありまするが、たとえこの額に上りましても、外国貿易総額中に占める比重は甚だ僅少でありまして、総体として見ますれば大きな影響はないと言わざるを得ないのであります。右のごとく朝鮮事変は日韓貿易の面においては商工業に対しマイナス的な影響を與えておりまするが、他方米国の作戦資材の面から特需景気と称せらるるほどのプラス的な影響をもたらすに至つております。動乱勃発の当初は、その成行き不明のために悲観的な見方もあり、混乱の気配を見せておりましたが、その後国連の断乎たる方策が確立し、その長期化の傾向と米国の物資調達方針が判明するに従いまして、関係事業界は活気を呈するに至つて参りました。米国の物資調達は米軍作戰上の必要に出るものでありますから、その目的物資は車輌、船舶、鉄道枕木、電線、木材、鉄鋼、土建材料、繊細製品、ゴム製品、石油製品、化学製品等で、これに対する発註は、当初は主として既製品(ストツク品)に向けられ、生産発註は一部特定品に限られました。受註は主として大メーカーが入札によつて引受けますので、利益の大部分はもとより大メーカーに帰するのでありますけれども、中小企業者も親工場からの下請や、支拂円滑化によりこれに均霑するので、特需関係の業界は一般に生気を回復したかの感があります。大阪における大阪特需調弁事務所のごときは、関係筋の発註の内容を把握すると共に、業界と緊密な連繋を保ち、受註態勢の整備に斡旋協力しております。併し八月に入りましてから特需も漸く頭打ちとなつた傾向にあり、又動乱の終局及びその後の情勢の変化は全く予断し得られないから、特需関係業者といえども手放しの楽観は許されないものと言わなければなりません。 第五、農業、一、米価及び麦価に対する農民の要望であります。米麦の生産量が保有量に近いような零細農家を除き、供出量の多い農家一般の要望は、パリテイー計算による現行の米価算定方式を廃し、生産費を中心とした方式に改められたい。パリテイー計算は一般農民に対し極めて難解であり、又農業の現状に妥当しないものである。即ち、農業労働の特殊性を加味しない低位賃金を前提とし、又肥料等の大幅値上り等が改訂米価に反映する程度が微弱であるという点でありまするが、米価の算出にはその生産費を中心として、これに種々の社会的、経済的要請を取り入れ、農家の再生産に支障ないようにすべきであるという要望であります。二、米麦供出制度に対する問題でありまするが、供出の事前割当は食糧確保臨時措置法に定められたところでありまするが、この法律は明二十六年の三月失効するので、そのまま放置いたしましたならば、農民に対して作付け前に生産目標を示すことについての法的根拠を失うことになりまして、自然食糧管理法に基いて事後割当となりまするが、事後割当制は主食の生産確保のためには不便であり一殊に蔬菜、果実等の農業経営方式をとる大阪、名古屋地方等におきましては一層その困難が加えられることと認めました。主食の供出につきましては、事前割当制の継続が要望されております。三は肥料配給公団廃止後の肥料入手ルート及び肥料金融であります。肥料配給公団廃止後において農家の肝要肥料の入手ルートは、一つ、肥料生産者、全購連、府県購連、單位農協、農家と、二は肥料生産者、卸売業者、小売業者、農家の二つが併存しておりまするが、その数量は前者によるものが遥かに多く、その割合は広島においては九と一、大阪におきましては三と一との比であります。一の場合の入手方法は先ず單位農業協同組合が農家の希望に基いて府県購買連合会に対し予約註文をなし、府県購買連合会はその予約註文の範囲内において、且つ府県の信用連合会の認証を得て全国購買連合会に発註し、全国購買連合会はこれに基いて生産者に発註し、生産者に対する支拂は府県購連、府県信連、農林中央金庫を通じて行われております。農村金融逼迫打開の一策として二十三年に制定せられました農業手形は肥料資金の調達に利用せられ、本年度は八月までに大阪府においては百十五億六千万円、愛知県におきましては百八十億円余に達しております。 最後にジエーン台風による大阪の被害状況の視察の点につきまして附加えて御報告申上げますが、ジエーン台風による被害状況の視察は、本班の調査項目ではなかつたのでありますが、たまたま大阪滞在の一日が日曜に該当いたしましたので、調査第二班はこれを利用して未だ台風惨禍の生々しく残つておりまする状況を視察いたしました。周知のごとく今回り台風被害の大部分は直接台風そのおのによるよりは、満潮時と時を同じくして襲来した烈風にあふられて惹起いたしました異常高潮による水害によるものであります。その浸水区域は海岸の大正、西、港、此花、西淀川、東淀川、福島、住吉、浪速の九区及び堺市等で、この区域は昭和九年、十九年、三十年と過去三回に亘つて同様の高潮惨禍をこうむり、又その間戦災により焼失する等度市なる災禍を受けた地域であります。今回の惨禍はこの種高潮から同地域を保護する防潮工事の実施中に起つたものでありまして、災禍の日から一週日を経た九月十日において未だ排水不能の地域があり、又漸く排水のできた地域におきましても黒色の泥濘未だ乾かず、異様の臭気鼻をうち、長くとどまるに堪えないような雰囲気を醸成しておりました。而して家屋の倒壊、道路、橋梁、岸壁等工作物の損壊、船舶の沈没、欄坐等の状況は如何に当日の高潮の猛威の甚だしかつたかを想像せしむるに余りあるものがありました。この災害は各種の国家施設に対し損害を與えましたからして、この復旧か面から更に被害府県市町村に対する交付金、救済金等の面から歳出予算に対し、又租税減免等の点から歳入予算に対して相当の影響を及ぼすものであると思われます。その予算措置が予算委員会の審議に上程せられました場合、愼重にその当否が検討されなければならないことは勿論でありまするが、視察の実感といたしましては堅固なる防潮堤の早急建設に関係するものがあらゆるものに優先して第一順位にされるべきものであると思つたのであります。 以上要約いたしまして御報告といたします。
○委員長(波多野鼎君) 御質問等は後に廻して頂きまして、それでは第一班の御報告を願います。
○大島定吉君 昭和二十五年度予算の国民経済に及ぼす影響に関する調査に関連いたしまして、現地の実状を調査するために過般北陸地方に出張いたしました結果を御報告申上げます。 私は池田委員と共に八月二十一日から七日間に亘りまして新潟、石川両県に参りまして県庁、市役所、商工会議所、国税局、財務局等におきまして、当局者並びに民間の人々から説明や意見を聴取いたしまして、現地における経済の実態を明らかにすることに努めたのでありまするが、なかんずく二十五年度予算施行の結果如何なる影響が実際に発生しておるかということを具体的に把握することに重点を置いて調査をいたして参つた次第であります。ただ時間の関係もありますので、極くその要点のみを簡単に御報告申上げたいと存ずるのでありまする。 先ず最初に徴税の問題でありますが、国税につきましては、金澤国税局の七月末の調によりますと、徴税成績の最も悪いのはやはり申告所得税であります。即ち同局管内の二十五年度の申告所得税の調定済額二十二億円は、前年同期の二十九億円に対しまして七五%でありまするが、收納済額の前年同期に対する割合は六一%にしか過ぎないのであります。尚同局管内の国税滞納額は七月末の現在で十億八千万円に上つておりますが、そのうちの約七割、七億四千万円は申告所得税の滞納であります。同国税局が申告所得税の滞納の原因を調査した結果によりますと、六月五日から十五日までに調査した人員二百六十四名のうち金詰りによるものが五四%、課税に不服が一九%、怠慢が七%、無資力一五%その他五%と相成つておりまして、大半は売行の不振又は資金回收困難によるところの金詰りを直接の原因としておるのであります。国税の問題といたしましては、今までの滞納税金が大体二十五年度税收見込の一割見当ありますので、これが今後に響くだろうと思われますが、二十五年度分の国税そのものは相当減税となつておるので、問題はむしろ地方税にあるわけであります。即ち二十五年度の地方税は可なりの増税となる上に、納期が下半期にしわ寄せされましたので、納税者が非常な負担を感ずることは勿論でありますが、徴税者たる地方団体としても、さなきだに国税に比べて徴收の困難な地方税の大幅増徴は相当頭痛の種となつておつたのであります。殊に地方税中県税につきましては、今次税制改正の結果県税が事業税、入場税、遊興飲食税を中心とすることになつたために、加うるに農業に対しましては事業税は課税しないことになりました関係上、新潟県のごときは従来四十万人もあつた事業税の納税人口のうち二十七八万に上る農業所得者は全然事業税を負担しないことになりまして、県税の大宗たる事業税は、都市の商工業者を主体とする僅か十万人ぐらいの納税者によつて負担されるに過ぎないので、県税の收入が激減を来たすことは勿論、延いては商工業者の負担が一層過重になるではないかと憂慮されていたような実情であります。今度の地方税改正で県財政と農民の繋がりが極めて薄くなつたことは御案内の通りでありますが、殊に新潟県のような農業県では人口の過半を占める農民が殆んど県税を納めないという非常に不合理な結果を来たしておりまして、新潟県では県税收入は昨年度に比しまして三億円を減少する見込であります。新潟県の二十四年度県税調定額十六億七千八百万円に対し、滞納繰越額は一億三百万円でありますが、その内五一%は事業税の滞納であります。このように滞納が多い上に附加価値税が延期になつて、中小企業に不利な事業税が残されたので、本県のように中小企業の圧倒的に多い県では、この点も都合が悪いということでありました。かようなことで二十五年度の徴税見込は、当時新税法施行直後の八月下旬でまだはつきりした見通しはつきませんでしたが、新事業税を大宗とする本年度地方税の徴收には、誠に懸念に堪えないものがあると県当局者は言つておりました。石川県では県税の滞納繰越額は予算額の一八%、一億六千四百万円に上り、これが整理のため本年一月には約五十名、更に六月末には約六十名の職員を増員して、極力整理に努力しつつあるとのことでありまして、滞納整理は或る程度行われる見込のようでありましたが、税法改正後の徴税見通しについては、やはり極めて悲観的でありました。それと今一つ石川県は歳出予算額四十億円に対し、県税收入は僅かに八億円に過ぎず、残りの殆んどすべての財源は何らかの形で中央に依存せざるを得ないという状態で、これでは到底県財政の自主性など思いもよらんから、県税としてもつと有力な財源を県に賦興して貰う必要を痛感しており、例えば県民税、電気ガス税、酒消費税、ガソリン消費税等を復活若しくは委譲して県税とすべしというような意見もあつたのであります。 次に市町村民税におきましては、先ず固定資産税の全国一律の評価倍率は実情にそぐわず、殊に北陸地方のような積雪寒冷地帯では、家屋は雪に耐え得る必要上賃貸価格が比較的高いので、一律に九百倍では固定資産税が過重となり、又土地についても、水稻單作地帯の農地の負担は総体的に重くなるので、単作地帯の農地の倍率はもつと下げる必要があるとの意見が強かつたのであります。それから市町村民税が法人には軽過ぎ、個人には重過ぎるということも又至るところで指摘されておる点であります。又市町村税に対しましては、国税、県税に対するよりも、納税観念が弱く、殊に北陸地方のような保守的な農村地帯では特にこの傾向が強いので、今後国税や県税の徴收が強化されることは必至だから、そうなるとこれに比例して、市町村税の滞納がますますひどくなるだろうと心配いたしておりました。ちなみに二十四年度の市町村税の滞納額は、新潟県では四億五百万円、石川県では二億一千七百万円に上つております。その他の地方財政の問題といたしまして、地方債の問題があるのでありますが、地方債の枠を拡大して欲しいということは各県、各市町村に共通した熾烈な要望でありますから、特に詳しく申上げたいと思うのであります。 第二は金融についてでありますが、いわゆる金詰りはいずこも同じでありますけれども、地方においては一層それが甚だしいのであります。地方の金詰りを一層激化する原因の一つといたしまして、大銀行が地方に進出して、地方の預金を吸收し、中央や大都市に引上げる傾向があるのであります。新潟県では吸收した預金の四割くらいしか地元へ貸出しをしない。六割くらいは中央に引上げてしまうということであります。こういうわけで県内の資金の枯渇状態が一層ひどくなるわけでありますが、このために地元の銀行のオーバー・ローンが殊にひどくなつております。こういう関係は石川県でも又同様で、地元の銀行の預金に対する貸出の比率はすでに六月末におきまして九六%という高率を示しております。大銀行の支店のオーバー・ローンは少いので、結局全体を平均いたしまして八八%という数字になつておるのであります。併しそれにいたしましても、全体として貸出超過の傾向は極めて顕著で、特に六、七月頃からそれが一層甚だしくなつて参つたのであります。大体六、七月は例年なれば財政資金の散布によつて潤おされた民間余裕資金が各種金融機関へ還流する時期でありますが、今年は地方税の徴收がなかつたにもかかわらず、銀行預金は伸び悩みの状態であります。併しながら貸付のほうは、融資先の倒産を防ぐため融資を継続しないわけには行きませず、又六月はボーナス期でもあり、賃金遅欠配を一掃するためにも融資に応じなければならんという状況で、貸出超過の傾向が次第に顯著になつて来ているのでありますが、そこへ以て来て、朝鮮動乱による思惑もあつて、特に繊維、鉄鋼、機械関係の資金需要が増大し、七、八月に入りまして貸出増加の傾向は一層顕著となつて参つたわけであります。つまり一方におきまして預金の伸び悩み、他方におきまして貸出の抑制困難、この二つが、オーバー・ローンの直接の原因であります。このためには日銀よりの借入金も増大しており、北陸財務局管内地元三銀行の借入金勘定は五月の十一億円に対しまして、六月は十三億円と大幅に増大しております。農村の金詰りは、單作地帯では特別に深刻で、加うるに農業協同組合自体の経営不良が崇つて農協の貯金は逓減の一途を辿つております。ただ郵便貯金のみは、比較的堅実に増勢を辿つております。郵便貯金は、金額の点では銀行預金に比べて大分少く、六月末現在で、新潟県では銀行預金百十一億円に対しまして、郵便貯金二十七億円、石川県では九十八億円に対しまして十五億円という割合でありますが、それにしましても銀行預金に次ぐ大きな資金源であります。銀行預金の伸び悩みの割合に、郵便貯金が堅実に伸びるのは、銀行の無記名預金が禁止されたため、税金の関係で郵便局に流れるためと、今一つは農協貯金が郵便貯金に振替わるのと、二つの原因によるものでありますが、いずれにいたしましても、地方としてはそれだけ資金源が減るわけで、預金部資金の地方還元が一層強く要望されるところであります。新潟県、石川県共に農業県でありますが、商工業も又相当のものがあります。併しその圧倒的な部分は中小企業で、金詰りが最も甚だしく、著しい苦境にあります。このうち中小企業の金融難を打開するために各県においてはいろいろの手が打たれておるのであります。県費を金融機関に預託して中小企業に融資する方法は、両県とも実施しておりまして、新潟県では一億円、石川県は二千万円を県内の金融機関に預託しております。尚石川県では中小企業の賃金遅拂が総額、二千数百万円に上り、放置できない状態にあるのに鑑み、六月末県費五百万円を信用保証協会に貸付け、賃金遅拂企業に対する保証融資を行う等の方法を講じております。各県の信用保証協会は中小企業金融に対して極めて重要な働きをいたしております。当時新潟県では約一億円、石川県では約二億円の信用保証を與えておりました。この石川県を含む北陸財務局管内三県下の信用保証協会について保証申込状況を見ますると、一ケ月平均約六千万円ぐらいずつの申込があります。これに対しまして最近は七三%ぐらいの保証を承諾しております。このような保証協会事業の発展に伴い基金増額の要があるので、主として県及び市の財政資金が投入され、現在の基金は七千三百万円になつておりますが、本年度中には基金は九千万円を越える見込で、従つて保証協会としてはその十倍、九億円の保証を行い得ることとなり、中小企業金融に対する役割は甚だ重要でありますが、保証貸出金の回転状況を見ますと、金融逼迫を反映して若干遅延の傾向が窺われると同時に、保証承諾額に対して約一%ぐらいの代位弁済を余儀なくされております。而もこの代位弁済は次第に増加する傾向にあり、その尻は結局地方財政に持込まれる外はないのでありますが、地方財政としてもそう余力はないので、信用保証協会の保証額を国家財政によつて再保証する制度が必要になつて来るわけであります。そういう要望が強いのであります。 その他金融関係の要望といたしましては、預金部資金や見返資金をもつと地方に還元して、中小企業金融に活用して欲しいということは申すまでもありませんが、現在地方に出ている預金部の預託金並びに政府指定預金について、これら資金は引上げの時期が不定で、運転期間が極めて短いため中小企業などは殆んど利用ができないから、もつと預託の期間を長くして中小企業にも利用できるようせられたいとの希望がありました。それから一口に中小企業と言つても銀行の窓口とは全く縁のない零細企業が圧倒的に多いのであります。然るにこれらの零細企業に必要なところの小品金融を取扱つておる無盡、信用協同組合、国民金融公庫等の資金量が余りにも貧弱で、需要に対して全く焼石に水の観があるので、もつと政府資金を預託するとか、又国民金融公庫等に対してはもつと資金を潤沢に供給せられたいとの希望がありました。 次に農業の関係でありますが、先ず問題は米価であります。新潟県の農業協同組合連合会では生産費計算からして、六千五百円を下らない米価を要望しておりますが、少くとも五千五百円以上というのが生産者側の一般的な希望価格ではないかというように受取れました。而して早場米地帯におきましては米価と並んで奨励金が特に重大な意味を持つておるのであります。即ち新潟県のごとき二十四年度の早場米奬励金は十億四千万円、これに超過供出奨励金十三億九千万円を加えると、合計二十四億三千万円に上り、本県供米代金百三十三億円に対し一八%以上を占めておるので、この二つの奨励金は農家経済を非常に大きく左右するのであります。現に新潟県の二十四年度産米の供米收入は基本米価が上つたにもかかわらず、総收入は前年に比し十七億七千万円の減收となつており、一石当りについて見ると、二十三年度は五千七百七十四円、二十四年度は五千三百七円と四百六十七円の減收となつております。これは早場米奨励金と超過供出奨励金を引下げたことに起因するのであります。でありますから新潟県のような早場米地帯の奨励金に対する関心と要望は極めて熾烈なものがあるわけで、早場米奨励金の従前通りの存在を要望しておるのは勿論、四等米にも奨励金をつけること、並びに割当の枠で制限することなく十月末までに供出したものは全部に対して奨励金を交付することを強く希望しておりました。又超過供出に対しても前年通り二倍を希望いたしております。要するに早場米地帯では奨励金によつて米価が補償されておるわけでありますから、二十四年度のように生産費の五千四百円を千円も下廻る米価で、而も奨励金を減らされてはどうにもならないということであります。尚米価に関連する要望としては、供出時期以前において米価を決定して貰いたいということ、並びに代金の支拂を迅速にやつて貰いたいということであります。米価の決定が昨年のように非常に遅れて、やつと十一月中旬になつてきまるというようでは、その間農業協同組合は暫定価格でやらざるを得ないため三回くらい清算を余儀なくされ、これに必要な用紙等莫大な経費を必要とし、新潟県下の農協だけでも約四千万円の負担となるということで、毎年これを繰返すとすれば損害は甚大であるというのであります。政府発表の生産費調査の石川県の平均石当り米生産費四千六百七十会円に対し、政府買入価格は追加拂を含めて四千三百四十八円で三百三十円の赤字となつているので、少くとも農家が再生産を行うことができる米価を要望しており、又奨励金が農家経済上極めて大きな重要性を持つている関係上、これに対する関心が強いことも新潟県と全く同様であります。 次に肥料の問題でありますが、肥料配給公団廃止後の肥料入手ルートは農業協同組合によるものと、商人によるものとの二つの系統になつたわけでありますが、先ず新潟県では農協が全扱量の六〇%、残り四〇%を業者が占めることになるだろうと予想されております。新潟県の肥料の期別需要量を見ると、三、四、五月が圧倒的に多く、年間の六〇%以上を占めているので、この時期が最も問題で、この時期に金融等の関係から一般業者の手では十分需要に応じた肥料入荷は困難で、自然肥料価格は騰貴するであろうから、農協の系統を利用してのピーク時の緩和と、価格の高騰防止を図る必要があると言つております。問題は金融で本年春肥の代金は約十四億八千万円であり、来年は二十億円程度になることが予想されるので、相当多額の融資がなければ肥料の円滑な入荷は困難であるから、肥料金融対策については政府としても十分に考慮して欲しいということでありました。石川県でも肥料配給公団廃止に伴い農業協同組合で従来の公団配給実績の八〇%を取扱う計画で、年額四億八千万円に上る見込でありますが、その資金については年間五億円の肥料預金制度を計画中であります。即ち農家をして肥料購入の予約をなすと同時に、肥料貯金の預入をなさしめようとするものでありますが、農村の金融逼迫から見て貯金による代金決済はなかなか困難と見られ、農業手形の利用はますます増加を見るものと予想されています。ちなみに本年春肥の肥料購入代金の農手利用率は新潟、石川両県とも約六〇%であります。新潟県や石川県のような水稻單作地帯では、農家の経済は專ら供米代金によつて支えられているのでありますが、米価の割安、租税の過重等の悪條件のため農家の手許は逼迫し、営農資金の調達はその大半を農業手形によらざるを得ないという実状で、農手の利用はますます増加しております。即ち新潟県における二十四年度の農手利用実績は十一億四千七百万円でありますが、本年は八月までたすでに昨年度の実績に達しており、又石川県でも七月末現在で三億九千七百万円に上り、農村金融逼迫の情勢から見て農手の利用はますます増加するものと思われます。次に農業協同組合の貸付高も逐年増加しており、新潟の市町村農業協同組合貸付高を見ると二十三年、二十四年、二十五年の七月はそれぞれ三億九千万円、十九億七千万円、二十二億八千万円と逓増いたしております。石川県でも同様で六月末現在農協の貸出は六億八千万円に上り、一戸当り平均八千円となつております。これに対して農協に対する貯金のほうは、農家の金詰りと、貯金拂出停止等に関連しまして、農協に対する不信用を反映し激減の傾向にあり、例えば北陸財務局管内で本年二月を百といたしますると、貸出のほうは六月末百二十九に殖えておるのに、貯金のほうは逆に八十四と激減いたしております。このように農協の経営状態は実に惨憺たるものがあるのでありまして、新潟県でも信用事業を営む農協四百七十八組合のうち、約百五十組合は預金拂出の停止又は制限を行なつたことがあり、現在でも十組合は預金拂出につきまだ強度の制限を加えているという実情であります。大体農家の租税負担は二十五年度は国税に関する限り相当の減税となつておりますが、その減税財源となつた価格補給金の撤廃の結果、肥料の値上りとなりまして、米価のほうは生産費以下に抑えられているので、差引き負担は却つて増大し、国税が減税されても農家は一向に楽になつていないところに、更に地方税の大幅増税ということで農村の疲弊はますますひどくなる傾向にあります。特に積雪單作地帯の農村が最も不利な状態に置かれておることは明らかで、これを救済すべき措置が強く要望されているわけであります。先ほど申上げました固定資産税、その他租税負担の軽減、合理化もその一つでありますが、その最も根本的な対策はやはり單作地帯の生産條件を改善することであります。その方法といたしましては、土地改良が最も適切で、殊に北陸地方に多い濕田を改良すれば、直ちに増産ができるし、又裏作もできるということになれば一石二鳥でありますから、土地改良事業費の増額は是非とも必要で、このための国家経費の増額が最も要望されているのであります。同時に又このような生産條件の改善や増産施設に関連いたしまして、当然長期低利の資金が必要でありますが、従来のこの種金融措置を見ますると、二十三年度は復金融資二十億円、二十四年度は日銀の国債買上げによる農林中金自己資金からの融資十億円、二十五年度は農林債券発行による融資約二十億円というような工合に毎年やり方が変り、資金源も資金額も不安定で恒久性がないので、速かに農業に対しまして長期且つ低利の融資をなし得る恒久的な融資制度を確立して欲しいという要望がありました。 最後にちよつと朝鮮動乱の影響について簡單につけ加えて置く必要があると思いますが、この地方も七月以降朝鮮動乱勃発による直接間接の影響を受けまして、多少とも活気を呈して参りましたことは事実であります。尤も私共が参りました八月下旬には、まだ思惑と実需とが相半ばしておる状態で、実需そのものはまだ大したこともなくむしろ特需景気の先行好調期待の気構えから思惑が行われたために、価格の高騰と生産販売の活況が現われたのであります。特に繊維、造船、車輌、機械器具、罐詰等は若干の実需もあつて頗る活況を呈していたようであります。この特需景気が今後どの程度に発展するかわかりませんが、只今はつきり予想できることは、この好景気が経済界全般に満遍なく行き亘るということは、容易に期待できないことで、むしろ非常にむらがあり、でこぼこがあるだろうということであります。而してこの種の恩恵を受けることの最も少いのはやはり零細な中小企業であり又農業者であるので、朝鮮動乱の好影響にもかかわらず中小企業と農業とは依然として最も困難なる部門であろうと思うのであります。 以上簡単でありますが、これを以ちまして御報告を終ります。
○委員長(波多野鼎君) それでは次に第三班の御報告を願います。
○山本米治君 我々第三班は藤野繁雄委員、菊田七平委員、不肖山本米治委員と、専門員として長谷川喜作氏が同行されました。去る九月十日から十九日まで十日間出張いたしたのであります。それで福岡地方では福岡県庁、福岡国税局、北九州財務局、福岡通産局、又熊本地方では熊本県庁、熊本国税局、南九州財務局等を歴訪いたしまして関係当局からそれぞれ資料の提出、或いは政府、尚又中央に対する要望等を聞きました外、県の主催で財政金融、商工業、労働、農業各界代表と懇談をいたしまして、地方の実情につきまして認識を深することが少くなかつたのでございますが、ここでは極めて簡単に概要を御説明申上げたいと思います。 第一番目に徴税の関係でございますが、福岡国税局は所管が福岡県、長崎県、佐賀県の三県でありますが、その管内の二十五年度の税收見込額は所得税が百四十三億円、法人税が二十億円、酒税が六十七億円、その他で合計二百四十四億でありまするが、八月末現在收入は所得税四十二億円、法人税六億円、酒税二十七億円、その他で合計七十八億円、即ち三二%の徴收額になつておりまして、期間の割合は八月末ですと四一%余でございますが、それに比べては少いのでありますけれども、税收の期日は下脹れになつておりますので、まあこういうところを見ますと、大体順調に行つているんじやないかと思われるのであります。尤も福岡県では御承知のように炭鉱が非常に不振でございまして、延いては下請産業にその皺が寄りまして非常に徴税成績が悪く、滞納も百三十億円あります。その中で福岡県はその約半分六十億滞納になつております。熊本の国税局は先ほどの三県を除きました区域でございますが、即ち熊本、大分、宮崎、鹿児島、この管内の二十五年度の徴收決定額は所得税四十八億円、法人税六億円、酒税十二億、その他で合計七十億でありますが、それに対しまして六月末の收入額は所得税八億円、法人税一億七千万円、酒税十億円、その他で二十一億円、三割一分になつております。滞納が四十四億円で北九州に比べますと可なり少いのであります。滞納の原因はどこもよく似たものと思いますが、根本的には税金が高いということでありまして、特に都市の商工業等におきましてはドツジ・ライン以後景気が非常に悪くなつておる。利益が少くなつて、そこで売掛代金がなかなか回收できない。従つて金詰りであるという、こういうようなところにあるのでありまして、又農村におきましては食糧が大分よくなつて参りまして、いわゆる農村の闇所得というものかだんだん減つて来ているということが主な原因になつておりますが、尚この外農村といたしましては、先ほどもお話がありましたように農協が至るところで不始末を起しておりまして、こういうことのために預金に剰余がありながら拂出して貰えない。そのために税金が納まらないというようなことも原因をなしております。 尚ここで福岡国税局が税制一般について要望をいたしておりますので、これをここに後披露したいと思います。第一番目が納税観念の昂揚ということであります。これは一般的なことでありますが、その中には又青色申告制度をもつと育成普及したいというようなことも入つておるのであります。第二番目に租税收入が收入予算に拘束されない制度とすること。今の政府收入予算に非常に強く事実上縛られておりますので、これがためについ無理が起き勝ちになつているような実情であります。第三番目に納税準備制度の確立、これを又項目別に分ちますと、イ、納税組合制度を復活したらどうか。これは地方税にはすでにありますが、地方税の場合もどうもこの組合制度がボス化しておるという点がありますけれども、この点はこの組合の役員等に課税に關與せしめないようにすればボス化は防げるのじやないかと、こういうような意見でありました。ロといたしまして、納税準備預金制度を強化したらどうか。つまりもう少し納税準備預金に対して恩典を與えるようにしたらどうか、こういう提案であります。第四番目は、租税裁判所というものを創設したらどうか。まあアメリカにタツクス・コートというようなものがある。そういうような種類のものを立てたらどうかという意見であります。第五番目は、反税運動及び反税団体の取締法規を強化、拡充して貰いたい。これにつきましては非常に多数の写真やいろいろなものを見せられまして、詳しくいろいろな話を伺いましたが、例えば生活擁護同盟というようなものがある。或いは長屋鬪争というようなものが激しく行われておるのであります。これらはみんな反税運動でありますが、今のところは取締法規が不十分であるという問題であります。第六番目は、所得税を軽減したいと、こういう点でありますが、特に年收三十万乃至五十万円の所得階級が今のところ税金上苦しいようでございます。第七番目に酒税を軽減して貰いたい。第八番目に物品税を軽減して貰いたい。例えばズルチン、サツカリン、家具というようなものであります。第九番目に織物消費税等を復活する。税金を軽くするばかりでは税收が減るのでありまして、ここでは織物消費税を復活したらどうかという意見が出ております。第十番目に過誤納金の拂戻制度を改正して貰いたい、こういう意見であります。第一に拂戻が非常に遅い。それから拂戻の場合は新たに歳出とする制度になつておるそうでありますが、そうでなくて歳入金の中からすぐに振替拂にして拂戻すというふうに徴收法を直して貰いたい、こういう意見であります。第十一番目に国税徴收法を改正しで貰いたい。その中には差押とか競売関係をもつと緩和して貰いたい。不能欠損処分に対して改めて貰いたい所が種々ある。こういうようなことでありました。最後に十二番目に税務官吏を優遇して貰いたい。これは国税局からの提案でありますが、地方団体等の税務官吏に比較しますと三、四千円待遇が悪い。こういうようなことでありました。 尚徴税関係に関連しまして密造酒の問題を御報告したいと思うのであります。この問題も全国的な問題でありますが、我々の参りました福岡、熊本県下におきましても非常に大きな問題となつておりました。酒が売れない、従つて酒屋さんたちが倉出しのときに納める税金に非常に苦しんでおる。延いては滞納になるというようなことで、各地で酒屋さんの代表者から陳情攻めに会いましたのでありますが、福岡国税局管内の密造検挙数を申上げますと、昭和二十四年、昨年度でありますが、これは暦年であります。昨年中に二千六百二十八件の検挙数があつたのでありますが、本年は七月末までに二千二百八十九件という昨年の一ケ年分にも近いほどの数字になつておるのであります。又熊本国税局管内では特に焼酎の密造が非常に多いようでありますが、この点に関しまして少し数字を挙げて見ますと、熊本国税局管内の焼酎の密造の戸数が六万戸あると推算されておるのでありまして、そうして一ヶ年の造石高が十一万八千石、この十一万八千石という数字は合法焼酎、つまり政府で認めている焼酎の二十四年度の生産高が十三万石であるのでありますが、それにほぼ近い数字、即ち半分は密造だと、こういうことになつておる。そのコストを見ますと、政府公認の場合は一升大体六十円でできるのでありますが、密造は設備等も悪いために一升約百五十円かかる。即ち政府公認の場合の二倍半コストはかかるのでありますけれども、何分にも高い税金がない、無税であります。脱税しているのでありますから、売るほうの値段は一升約二百円くらいで売つておる。即ち合法焼酎の半分ぐらいの値段で売つている。コストは二倍半もかかるのに大体政府の焼酎の半分で売つておる。こういうような状況でありますので、政府の合法的な焼酎の売高はだんだん減つて参りまして、例えば本年八月の売上高は昨年八月の六割減だ。こういう状況であります。そこで一つ是非とも酒の税金を大幅に引下げて貰いたい。延いては酒の値段を下げたい。大体二級酒を三百五十円ぐらいにして貰いたい、こういうような要望がありました。この点は池田蔵相もかねて関係筋と折衝せられておるようなことが新聞に出ておちのでありますが、この酒税を引下げる以外に密造を防ぐ方法はないのしやないかというふうに言われておるのであります。 第二番目に地方財政の問題に移りまして、福岡県当局から大分苦情を聞いたのであります。中央大蔵省の税收の見込というものは非常に地方の見込と違つておるのであります。中央では前年の夏頃の資料を基準といたしまして算定するのでありますが、地方では中央から資金の配分がなかなかわからない。そのために予算は当初暫定予算にして、そうして年度の実施期に入りましてから漸く確定するというような状態になつておりますので、その間に内外の情勢も変りますし、景気も変化しますし、非常にその見込の間にギヤツプができるのであります。どうしてもそこで平衡交付金に過不足、或いは誤差が生じて来るのは止むを得ない状況になつておるのであります。例えば遊興飲食税、これに対する中央の見込というものは全国で百二十四億円上るだろうということでありますけれども、各府県の見込によりますと七十二億円くらいしか入らない。これを福岡県の場合にとりますと、中央では六億六千万円遊興飲食税の收入があるだろうと見込んでいるのでありますが、実際は三億六千万円くらいしかない。こういうふうに非常に大きな開きがあるのであります。事業税その他においても、中央と地方と非常に見込違いがある。そうしてその無理がどうしても平衡交付金というところに現われて来る。こういうふうに県当局は言つておるのであります。尚国ではいろいろな立法をなさり、そうしてその立法により仕事が地方に押付けられるけれども、その財源を見てくれない、予算的措置を講じてくれない。こういう不服があるのであります。恩給法改正をする場合とか、或いは身本障害者福祉法、生活保護法というようなものができる場合に、そういう例があるのであります。そこで福岡県の今年度の歳入不足は大体五億円の見込でありますが、どうしても平衡交付金を増して貰うか、或いは起債を認めて貰う以外には県の財政の運営のしようがないというふうに申しておりました。又公共事業費などの起債も県としては是非全額認めて貰いたいという希望であるけれども、実際には三七%しか認められておらない。即ち残りの六三%は県税で賄わなければならんが、到底その見込がない。こういうふうに言つておりました。又中央において地方財政委員会と大蔵省の間が二頭政治、デユアリズムになつている観があるが、これは非常に地方で困つておる。いろいろな決定が遅れるというようなことの苦情を申しておりました。福岡県として一番大きな問題は勿論炭鉱の補助金が打切られましたために、その下請関連産業に対して未拂いが多いという問題でありまして、未拂額は四十八億円に及んでおる。そうしてこれが中小企業を非常に圧迫しておる。金融難に陷れておる。国税の滞納が、先ほど申しましたように、福岡県は六十億ありまして、県税の滞納が六億あります。 次に熊本県に移りまして、地方税制改革の結果、大きな都市を持つていないところの熊本県などは非常に收入が減り、前年の熊本県の收入は十三億円でありましたが、本年度は六億減りまして七億ぐらいしか收入がないのじやいか。こういうふうに見ておるようでありまして、二十五年度收支は二十二億ぐらい不足になり、従つて平衡交付金を二十二億希望しておるのだが、十六億くらいしか貰えないのじやないか。延いて六億くらい県財政としては不足になる。そこで支出の節約をやつて事業の施行を抑えておる、事業をやらないでおる。こういうような状況だそうであります。この熊本県としましても支出総額の三六%、即ち四割近くを結局国庫に仰ぐという状態でありますので、どうしても中央の御機嫌をとらなくちやならん、陳情にも行かなくちやならんが、中央のかたが来られたときに接待もしなくちやならん。こういうところにどうしても冗費が要るのでありますが、これはもうこういうように中央に依存している以上止むを得ない、こういうことを申しておりました。 第三番目に金融の問題に移りまして、北九州財務局管内の三県の銀行預金は六月末で四百五十八億ありまして、貸出は三百八十四億、比率は八三%になつておりますが、先ほどお話がありましたように、これは中央大銀行の支店といたしましては地方に余り融資をしない。金を地方で集めて中央へ持つて行く傾向が多いのでありますから、どうしても地方銀行としては相当なオーバー・ローンの状態になるわけであります。それを平均して八三%、これを前年同期の八〇%に比べますと三%殖えております。先ほど申しましたように炭鉱金融がよろしくないということ、その結果下請産業への未拂は四十八億も溜つておりまして、これが北九州の癌になつておるのであります。福岡県では炭鉱の関連産業というものは産業の五〇%を占めておるそうであります。それらがみんなこの炭鉱の未拂四十八億の影響を受けまして非常に困つておるのであります。ドツジラインで金融が詰つて、一般的に困つておるということは、全国共通の現象でありますが、特にこの北九州なかんずく福岡県におきましては炭鉱が悪いということが追加原因になつて、二重に苦しんでおるような状況であります。そこで県としましては協同組合を育成するとか、或いは信用保証協会というようなものを作つて対策を講じておるのでありますが、又中央からの例えば見返資金による中小企業への融資というようなものは、非常に金額が少いのでありまして、その外にも国民金融公庫というものもありますし、又この地方は無蓋が非常に発達しておりますけれども、中小企業の長期資金には非常に困つておるようであります。従つて見返資金とか預金部資金とかいうような国家資金をもつと出して欲しいという希望は、先ほど御報告にありましたように、他の地方と同様であります。南九州の管内の銀行預金は七月現在で百九十八億あります。これに対して貸出が百三十五億、その割合は六八%になつておりまして、これは最近銀行のオーバー・ローンが非常にやかましい問題になつておりますが、それに比較すると割合は軽いのでありますが、それは結局この地方に商工業がないということを意味するのでありまして、要するに農村では肥料金融、この点につきましてはもう先ほど他の班から御報告がありましたので省略いたしますが、肥料金融、それから都市などでは中小企業の金融ということが最も問題になつておりまして、農村などの懐工合が非常に悪いということは、一つの例を申上げますと、昨年熊本県で五億円の還元米があつたのでありますが、農家は金がなくてこれが買えなかつたというような状況であります。 第四番目に、産業について簡單に御報告いたしますと、北九州の産業の中心は鉱工業でありまして、なかんずく石炭であることは申上げるまでもありませんが、この炭鉱作業が補給金の廃止以来非常に苦境に瀕しておりまして、石炭滞貨は六月末現在で坑所に三十六億七千トン、港で五十一万二千トン、合せますと八十七万九千トンありましで、これを金額で申しますと、約二十二億円に及んでおります。二三年前の炭鉱景気というようなものは今や一場の夢と化しておるような状況であります。従つて北九州地方の経済界一般を圧迫しておるのでありますがこれに対しまして通産現地当局ではいろいろ指導をしておりまして、企画或いは現場組織、経理というような各面に亘つて指導斡旋しておるのでありまして、例えば企画部面におきましては予算の統制とか、貯炭機能の拡充というようなこと、現場組織におきましては検査機能を改善する、能率を向上する、倉庫の管理というようなことに積極的に乗り出しております。併し何分にも先ほど申しましたように長期資金が十分に廻りませんので、企業合理化の意欲はありながら遅々としておるという状態であります。中小企業などは概して人員整理で切り抜けておる状況であります。そこでこの地方といたしましては企業合理化のために見返資金を出して欲しいという要望が非常に強いのであります。 南九州へ参りますと、農業が主体でありますだけに、米の問題だとか、肥料の問題だとか、土地の改良というような問題が焦点になつております。この地方へ参りまして一つ不平を聞いたのを御紹介しますと、早場米だとか、そういうものの奨励金の恩典というものが、皆東北とか北陸とかという方面に持つて行かれてしまう。米価全体としては割合に低く定められておるから、九州の農民の負担で東北を救済しておるようなものだ。こういうような不平を申しておりました。又農林中金の支所の人の話でありましたが、この南九州地帯は預金が全国でびりから二番目だそうであります。その理由をいろいろ考えて見るに、この地方の農協は管内に千五百あるけれども、村の平均人口が非常に少い。従つて行政費に食われてしまうということ、それから農産物の価格が生産費を償わないような低いものになつておる。そこで貯金をする余裕がない。又地方税が非常に高い。こういうようなことで全国でも有数な預金の少い所になつておる。こういう説明でありましたが、最近では納税をするために貸出を要望する声が非常に強いようであります。昨年熊本県は台風被害におりまして相当の減收を見ました。従つてあとで還元米を貰つたわけでありますが、その還元米は供出に対しまして一俵当り六万円高い。そこで熊本県としましては総額一億八千万円の損失をこうむつた。こういう不平を聞いたのであります。最近一割増産問題というようなことが中央で問題になつておりますが、この地方では先ず麦の増産から着手しているようでありますけれども、土地の改良費というような方面で予算的に十分な措置が講ぜられない限りこの一割増産もなかなか困難だろうというようなことを申しておりました。 第五番目に労働について極く簡單に申上げますが、北九州、なかんずく福岡県がその問題の中心でありますが、この地方は東京、大阪に次いで労働問題としては重要性を帯びている地方であります。正確な失業統計はありませんけれども、職業安定所の窓口から見ますと、七月の失業者数は五万八千人、そのうち三万が失業保険金を受けているわけであります。七月中の就業率というものは僅か四%に過ぎなかつたのであります。日雇労働者は一日平均五千人ずつ職にありついておりますが、尚千人ずつあぶれている。最近は幾らかよくなつて参つておりまして、その就業率を見ますと、昨年の一月を一〇〇としますと、その後企業合理化等のために就業率が減りまして、本年七月には八三%に低下しておりますが、その後朝鮮事変等の影響でこの就業率の現状維持、横這い、又は最近向上しているという工合でありました。この地方には組織労働者が五十万人ありまして、相当大きな勢力でありますけれども、今までのところまだ流血の悲惨事ということなくして済んでいるのであります。県当局といたしましては、組合員の教化ということに最も力を入れてやつておりますが、これが大分効果を現わして来ている。こういうことを申しておりました。通産当局では労働の生産性の向上ということに重点を置いておりまして、能率給の採用を各方面に勧奨しているのでありますが、最近大体五五%ぐらい実行している。その能率給というものは生活給七〇%、能率給三〇%を加味する、こういうわけであります。 最後に朝鮮事変の影響について一言申添えますと、北九州、殊に福岡地区に多少の影響がありますが、まだ全体としてはさほど及んでいなかつたのであります。北九州、特に福岡地区の情勢だけ申上げますと、八軍の命令によりまして小倉に兵器関係の修理の大分注文がありまして、これには技術者三千人、修理工一万人ぐらい必要だと言われておりまして、延いては日雇労働者にも多少好影響が及ぶのじやないかというふうに見られております。海運とか土建とか、これらの関連産業に対して多少特需景気が及びつつあります。事変の当初には大阪方面から商人が参りまして、九州全面に亘り小売商の手持繊維まで買漁つて行つた。こういうふうなことを申しておりました。 以上でございますが、要するにこの財政資金の吸上げが多い。そうしてこれに対して資金の放出が少いために金融が逼迫しておるということは、これは全国共通の傾向でありますが、この九州、特に北九州の地方を見ますと、炭鉱が悪い。炭鉱がこの地方の景気の動向の中心になつております。炭鉱が悪いために、延いては下請関連産業に金融の苦しみが及んでおりまして、一般的な金詰りの外に、炭鉱から来る影響で、二重の金融難に陷つているようであります。延いては租税が十分納まらないで、滞納の問題が発生しておりまして、先ほど申上げましたように、北九州は国税百三十億、特にそのうち福岡県だけで六十億滞納があるというような状況になつております。 もう一つの問題は地方財政平衡交付金、こういうものの算定方法がどうも妥当でない。これがために非常に各地とも不足でありまして、その不足に困難しておるような状況でございますが、まあ朝鮮事変が起りましてからは、これを純経済的に見る限り、ドツジ・ラインによつて非常に不景気になつておりましたこの財界に刺激を與え、今後又幾らかよくなつて行くのじやないかという一縷の希望を與えておるようでございます。 以上を以て御報告といたします。
○委員長(波多野鼎君) 各班から詳細な御報告を頂きまして大変有難うございました。御報告の趣旨が今後行われる予算審議の上において現われることと期待しております。只今御報告にありましたように、地方財政に対する平衡交付金の問題でありますが、これは非常に重大な問題となつておりまして、中央におきまする大蔵省と、それから地方財政委員会との意見がはつきりと対立しているような状態でありますので、我々がこの補正予算を審議する上におきましても重大な関心を持たなければならんと考えるのであります。そこで今日午後、先ず大蔵省側の見解をはつきり聞きまして、明日地方財政委員会の意見を聞くということとして、この予算委員会でもできるならば一つ見解を立てて予算審議に当りたいと、こういうふうに考えております。午後一時から大蔵省側の説明を聞くことになつておりますから、どうか御出席のほどをお願いいたします。
○石坂豊一君 今日あなたの御通知に大蔵大臣が出ると書いてありましたが、実は只今のお話の通り私共も平衡交付金について地方の財政が非常に困つておることを目前に見ておるのです。それでこれは予算に重大なことと考えまして、私は大蔵大臣が出るならば特に一つ聞いて見たいと思つておつたのですが、今日大蔵大臣は出ますのですか、ただ主計局長だけですか。
○委員長(波多野鼎君) それは最初の予定では大蔵大臣が出ることになつていたのです。ところが土曜日に、どうしても都合が悪くて出られないということを申して参りました、そこで主計局長が出て来て数学的な説明をするのが、大臣が出なければ次官に出てくれということを今朝ほど通告して参りました。
○岩間正男君 明日はどうなのでしようか。
○委員長(波多野鼎君) 明日は地方財政委員会のほうを聞くことになつておりますが、できればもう一度交渉しまして、明日大蔵大臣が来るように折衝いたします。
○楠見義男君 明日は定例閣議の日だから、恐らく午前中はむずかしいのじやないかと思います。従つて若しできれば今日の午後にでも大蔵大臣の出席を求めたいと思います。
○委員長(波多野鼎君) ではもう一度交渉いたします。 それでは一時まで休憩いたします。 午後零時十八分休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(波多野鼎君) それでは午前に引続いて予算委員会を開きます。 地方財政平衡交付金の問題につきまして、今日大蔵大臣が見えましたので、大蔵大臣から大蔵省側の考え方を一つ聞きたいと思つております。これは予算委員会に対しましても各地方団体からいろいろな要望が殺到いたしております。特に平衡交付金を決定いたしました以後いろいろな法律が出て、それが又地方団体の負担になつているようなものもあるということから、補正予算の中に平衡交付金の増額を織込んで貰いたいという要望が多いのでございまして、それから又年末手当の問題等につきましても、それに関連したような要望があるわけなんで、こういう点について大蔵省側ではどういうような見解を持つておられるかということを先ず承りたいと思つております。
○国務大臣(池田勇人君) 只今委員長からお話のありましたごとく、今年度の補正予算並びに来年度の総予算案を一応内定いたしましたあとから、いろいろな問題が起りまして、地方財政委員会或いは府県知事の代表等からいろいろな陳情が来ているのでありますが、只今財政委員会並びに地方自治庁の方と連合で、今年度の地方の財政の状況或いは来年度の状況を検討いたしているのであります。只今のところ補正予算では、地方に交付する分として計上しているのは、多分昨年の暮に出しました大体三千円の年末賞與のうち、義務教育費に関係の分を七億円程度、来年の一月から我々が計画しておりまするベース・アツプの場合におきまする義務教育費関係の職員のベース・アツプの半額程度を計画しているのであります。来年度におきましては、義務教育費関係職員のベース・アツプの分を半額程度計上しておつたかと思います。何分にも予算案はまだ一応輪郭を決めて関係方面と折衝を始めているのでございまして、或る程度変つて来るのではないかと思います。従いまして今お話のありました平衡交付金を今年度においてどうするかという問題につきましては、まだはつきりお答えする段階に至つておりません。
○委員長(波多野鼎君) 御質問がありましたらどうか御発言願います。大蔵大臣は次の用事を控えておりますので、二時過ぎには退席したいという御希望なんですが……。
○西郷吉之助君 只今大蔵大臣から極めて簡單なお答えでありましたが、予算委員会では平衡交付金の問題を主として取上げておりまするが、只今のお答えではまだ答える段階でないというお話でございました。重ねて伺いたいのは、金額はまだ決定しなくとも、地方財政平衡交付金の問題は、金額は決定してないけれども、増額はするのであるという意味なのか、その点は如何なんです。その点をもう少しはつきり伺いたい。 又大蔵大臣に伺いますが、地方行政委員会におきまして先般要望書なるものを会全一致を以て可決いたしまして、政府にそれを交付したのでありますが、それに対する大蔵大臣の所存を地方行政委員会としても伺いたかつたのでありますが、公務の関係で大蔵大臣の御出席がなく、その御回答を得ていないのでありますが、予算委員会におきましてたまたま平衡交付金の問題を主として取上げておりますので、先に出しました要望書に対しましては、大蔵大臣はどういうふうにお考えになつておられますか。その点を成るべく具体的に、数字は決まつてなくとも、どういうものはやれるのだ、どういうふうな方策で以て、地方自治体側が要望しておりまする約四百億の問題はどういうふうになるのか、概略につきましてでも一つ伺いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 今年度の補正予算について申上げたいと思うのでありまするが、只今昭和二十五年度の地方財政の実態調査と申しまするか、見通しにつきまして検討を加えておるのであります。従いましてその結果でないとどれだけ出すかということは申上げ兼ねます。ただ我々としては、今年度は御承知の通り租税收入も遅れましたし、又補正予算で災害旧費その他を組んでおります関係上、又平衡交付金の決まりましてから後に新法令その他の関係がございましたので、地方財政の状況を見ながら、又国の状況を考えながら、できるだけの措置はとりたいという念願は持つておりますが、今ここで平衡交付金を殖やすということはまだ申上げ兼ねるのであります。気持としてはできるだけ、困窮をしておりまする地方財政についてできるだけの面倒を見て行きたいという気持を持つております。 次の御質問の地方行政委員会の勧告でございますか。
○西郷吉之助君 要望です。要望書です。
○国務大臣(池田勇人君) 要望というと、内容はどういうものでございましようか。神戸先生のおやりになつております地方行政委員会の……。
○西郷吉之助君 参議院の地方行政委員会で、要望事項というので……。
○国務大臣(池田勇人君) まだ私見ておりませんが、行政委員会側の勧告につきましては受取つておりますので、只今検討を加えております。
○西郷吉之助君 只今大蔵大臣から要望書のことをまだよく御存じないような話でありましたが、先般小委員会を作りまして、地方行政におきまして案を練りまして、地方行政委員会にかけて、全会一致で可決して、地方行政委員長岡本愛祐君が政府の方を訪ねまして官房長官にそれを書面で渡したわけです。その翌日地方行政委員会に大蔵大臣の御出席を求めまして、それに対するお考えを伺いたかつたのでありますが、公務のために御出席がなかつたので、官房長官が政府を代表して見えたわけであります。その際に官房長官のお答えは全然内容に触れないで、自分としてはまだ政府として昨日受取つたばかりだから考えは決つていない。大蔵大臣その他に伝達しておきましたということで、その際事務次官も御都合が悪くて政務次官が見えたわけでありますが、政務次官が見えましたので、私は政務次官にこれに対する回答を求めても無理だと思うので、どういうふうにこの要望書をお取扱いになるかその点を伺いましたところが、その際西川政務次官がその事実があつたことを御存じなかつたので非常に私は遺憾に思つたのです。その際官房長官にも、あなたは政府の番頭として大蔵大臣その他に伝達したと言われるけれども、お聞きの通り大蔵政務次官がその事実を知らない、どんな内容であるかという程度であつたので甚だ私は遺憾に思いまして、こういうことでは伝達が十分行つていないのでないかということを強く申上げたのであります。又只今大蔵大臣に伺いますと、そういうものをよく御存じないようなんですが、そういうふうなことでありましては甚だ我々は納得が行かないのみならず、その不熱意を甚だ遺憾に思うのです。御承知の如くあの際は休会中にもかかわらず、地方行政委員会におきましても、一週間に亘りまして、午前、午後を通じて特にこの補正予算の内容につきまして自治体側の意向も聞き、財政委員会の意向も聞いて、大蔵省としまして河野主計局長が再三見えまして、大蔵側の意見の食い違いその他についてもいろいろ伺いまして、地方側の三百九十億の金額につきましては大蔵省とも非常に事務折衝によつて考え方がまとまつて来まして、極く僅かの金額が最後に残つてその折衝に入つておるというお答えだつたのですが、今そこに主計局長も見えるが、大蔵大臣はよく要望書を御覧になつてないのみならず、どうもそういうことでは重ね重ね非常に遺憾に思うのですが、地方行政委員会としましても大蔵大臣にお出席願いまして、この問題につきまして縷々御説明伺いたかつたのですが、たまたま予算委員会がありますので、殊に地方財政平衡交付金の問題を中心に取上げるということでありまして、その際は政府の方から、大蔵大臣から積極的にこれのお答えが伺えるものと私は期待しておつたのですが、今のような状況で、大蔵大臣は御多忙でありましようけれども、参議院の常任委員会において非常に熱心に審議しましてそういうものを政府に伝達しましたが、どうも今のようなことであつては甚だ我々は承服ができないのみならず、政府の不熱心さというものを追及しなければならないことになります。これは自由党を初め、先程の午前中の本委員会の派遣議員の報告にも、地方財政平衡交付金その他補正予算に対する要望が全国において非常に問題になつておる、こういう報告であり、殊に地方財政の困窮さが各班の報告にも午前中述べられたわけです。地方行政委員会におきましても全国に委員を派遣しまして同様の意味合の陳情を受けまして、それに基き、又数字に基きましていろいろ検討を加えておるわけなんです。ところが大蔵大臣の方におきましては今のようなことでは誠に私は遺憾に思うのでありますが、もう少しそういう点につきまして、目下大蔵大臣においては補正予算並びに二十六年度の予算につきまして関係方面とも御交渉中であることはよく我々は知つておるのであります。詳細にこの問題をどういうふうにお考えになつておるのか、又どういうふうに折衝しておられるのかということも、今のお答えのようでは甚だ漠然としておつて、到底地方の財政に対する要望が殆んど満足されないという段階に立ち至りましては、地方の財政の方はどういうことになるのか、地方財政平衡交付金という制度があつて、足りない分、又予算の決定後さつき委員長が言われましたような法律の改廃等によつて当然国が見なくちやならん金額も相当今日あるわけであります。こういう点をもう少し本委員会におきまして数字等の折衝の段階であつても、中間報告でも構わんと思うのですが、もう少し内容を伺いませんと、先程の大蔵大臣の御説明では、べース・アツプの問題、教職員の待遇改善の費用、そういうものは、この教職員の待遇改善の費用は昨年度の問題で、高瀬文部大臣のときの問題であつたと思うのですが、これはもう当然今度はやるべきであつて、こんなものは問題でないのですが、給與の増加額全体、これだけでも百四十億程度になるので、これは主計局長がこの前、地方行政委員会に来られて言われた。大体多少の増減はあるとしてもこれは妥当ではないか。その他、地方財政の平衡交付金の増額が百三十億ばかりであり、又地方全体としても約四十億の経費の節減を図つて財源措置にこれを組んでおるわけであります。地方公務員の問題は、大蔵側は、国家公務員の方はやはり経費の節約によつて出すのだから、地方からも同様の建前でやれと言われるけれども、これは四十億節約しておつて、これで十分だとは我々も思いませんが、何せとにかく財源に非常な困難を来しておるのですから、三百九十億が全部節約でやれるようなことはこれは不可能なことは何人も分つておる。大体どのくらいを平衡交付金の増額でやるものであるか、起債の枠もどのくらいかというようなことを具体的に個別的に大蔵大臣に伺わんことには、全く予算委員会としても取扱う……。今のような御答弁ではどうも何ら質問をするわけに行かんと思いますが、もう少し大蔵大臣におきましても、段々の御折衝でなかなかむずかしい点もあると思いますけれども、もう少し我々の熱意を買われて具体的な内容でお話を願わないと、どうも予算委員会としても進行のしようがないのじやないか。もう少し我々の熱意を汲み取られて、具体的数字について、具体的な個々別々の問題についてもう少し詳細に御報告を賜わらんと、先程の大蔵大臣の御答弁では、余り茫漠としておつて進みようがないのじやないかと思いますので、主計局長もそこにおられるのですから、要望書の内容は大蔵大臣ももう少し熱意を以てこれを見て頂かないと困ると思います。この点を一つ、この間、政府の方にちやんと伝達してあつて、官房長官みずからが大蔵大臣に伝達したと言つておるのに、今大蔵大臣はその内容もよく御承知ないように思うのですが、こういう点はどういうことになつたのですか、伺いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) この要望事項は官房長官から受取りました。而してこの分は主計局長に渡しまして検討うを加えるようにいたしておるのであります。今地方行政委員会というお話でありましたので、先般地方行政調査会の勧告が出ておりましたので、そのことであると思つてお答えしたのでありますが、地方財政の今回の何と申しまするか、緩和策等につきましては日夜検討をいたしておるのであります。而して予算を向うへ出したのだから、地方財政平衡交付金につきましても検討を加えて、具体的に言えとこういうお話でございまするが、私は只今申上げましたように、地方の財政の二十五年度の実情がまた十分頭に入つておりません。従つて今事務当局の間で数字をきめて検討しておるのでございまして、その検討が終つてから、国の財政状況その他と睨み合せてきめるべき問題だと、こう考えておるのであります。補正予算の内容につきましても、国のり予算の内容につきましても、はつきり申上げられない状況でございます。もう暫くお持ちを願いたいと思うのであります。
○西郷吉之助君 只今委員長もお聞きのように、大蔵大臣としても数字をよくまだ言える段階じやないというお話なんですが、予算委員会ですから、数字を取り上げないことにはただ抽象論で、甚だ目的を達しないと思うのですが、そういう点は今後、今の大蔵大臣はそういうようなお答えなんですが、予算委員会としてはそれをどういうふうに扱つて行くかということを少し協議して頂かないと、数字がはつきりしませんでは、どうも相当の段階に来ておつて、十一月になつておつて、いつ臨時国会が召集されるか分らんというように非常に段階が近づいておるのに、数字がはつきりしないということになりますと、どうもただ地方債だ、平衡交付金だという抽象論を繰返しても、全く意味をなさない。数字がどうなるか、どの程度の増額ができるのか、こういう点を予算委員会としては十分突詰めて財政委員会並びに大蔵省の見解を質したいのですが、その点をもう少し、大蔵大臣の今の御答弁でありまするが、決定した金額でなくても、中間報告的にここで言われることはまずいんでしようか。秘密会なりを要求しても構わんと思いますが、そういう点は中間報告的に大蔵大臣としての心組の数字等もお話し願えませんか、どうですか。
○国務大臣(池田勇人君) 中間報告というところまでにも実は行つていないのであります。私もできるだけの勉強をいたしておりまするが、例えば今年度の事業税の收入なんかも、各府県の大体の決算見込額でも一つ取りたい、こういうふうな気持でやつております。地方団体では、市町村よりも府県が可なり困つていると思います。而して四十数府県の決算見込も私には取れない。東京なんかの事業税の收入を見ましても、なかなか取り足らんところが相当あるのであります。私はこのどれだけ足らんかということは、府県におきましても非常にまちまちだと思う。而してその財政需要の問題から、平衡交付金の分け方をどういうふうに編成するかという問題について今検討を加えております。全体の枠でどれだけといつても、平衡交付金というものはやはり租税收入なんかを見込んで考えなければならんのでありますから、今年度の東京都の事業税の收入は何ぼになるということはまだ私報告を受けていない。過年度分は大体受けておりますけれども、本年度の事業税の收入がどうなるか、殊に法人関係の事業税の收入がどうなるか、これによつても可なり違う。だからこの検討は急がしてやつておりますが、そういうものが済んで、初めて大体の数字が決まるのじやないか、こういう状況であります。この問題について四日ほど私聞いておりませんが、日曜、祭日がありましたので……、とにかく督励して急いでおることは急いでおります。
○西郷吉之助君 しつこいようでありまするが、大蔵大臣に重ねて伺います。今日の予算委員会の午前の派遣議員の報告にも、国税におきましても、大蔵大臣御承知のように相当額のまだ滞納がある、地方税におきましても、今大蔵大臣も言われました通りに、地方税が非常に過重なために成績が挙つていないことは、我々もよく承知しておるのでありますが、国税においても、地方税においてもそういう段階である。そうするとなかなか中間報告を求めましても、地方もなかなか国の場合と同じに滞納もあるし、いろいろな関係もあつて、確たる数字を大蔵省においてもまとめることが困難だ、地方においてもなかなか数字をまとめ得られないと思うのですが、そういうような事情はよく分るのでありまするが、それだからといつて、今日の段階で数字が決らないからということでありましても、どうにもこうにもならないのであつて地方の団体が、全国の知事会、全国市長会、全国市町村の合同のあれで三百八十九億というものを出したのですが、この点大蔵大臣に伺いたいのは、大蔵省側としては、地方には非常に多額な冗費があるのだ、こういうものをもつと節約すれば、物件費なりその他いろいろな費用を節約すれば、そのくらいのものは出るんだということをよく言われておつたのですが、そういうことでは地方もやつて行けません。冗費は勿論、国の財政においても困難な場合でありまするから、地方において節約することはもう当然でありまするが、その他の部面において、やはり地方財政平衡交付金は、その法律なり、又地方税法なりによつて、足りない部分は見なければならない。補填するということになつておるのですから、こういう点はどの程度か今から大蔵大臣としては見込んで行かれるかと思うのですが、やはりその数字が、報告がないからと言われるけれども、それはもうそう言つていても、いつまで経つてもきまらないのであつて、臨時国会も間近かになつて来ておるのですから、これをどの程度に見て関係方面と折衝しておられるのか、今日折衝の段階であろうと思うのですが、こういう点は或る程度の見込額を持つて、大蔵大臣は折衝しておられる筈なんですが、それはどの程度に見ておられるのか、地方財政平衡交付金をどのくらいに増額する必要があるのか、大蔵大臣としてどういう程度の見込でやつておられるかを伺いたいのであります。数字が固まるのを待つておつても、それはいつになるか分らないので、これはどうしても問題となると思うので、大体の大きな枠でどういうふうに見ておられるのか。国税の方も非常に滞納額も多いし、地方税も非常に東京都を初め成績が悪いのです。でありますが、それを待つといつても、これは日にちがないのですから、地方財政平衡交付金を増すなら、どの程度に増すのだと、こういう点をもう少し何とか伺つて置きませんと、今のままではいつまで経つても、議会が始まるまで分らないということになつてしまうのではないかと思うのですが、その点をもう一度、誠にしつこいようでありますが、伺つて置きたいのです。
○国務大臣(池田勇人君) 租税收入の見込につきましては、お話の通りになかなか困難な点がございます。併し事業税の法人税分につきましては、国税のほうも予定額の三百八十億を優に突破いたしまして、六百億程度に今年度の法人税收入はなるのではないかと、こう思うのであります。個人のほうの事業税の分は、お話のような点がありまするが、法人関係につきましては、相当私は見当がつくのではないかと、こういうふうに考えております。そうして地方財政でこれだけ要るのだからと申しましても、国のほうの財政で、どれだけやり得る余裕金があるのかという問題についても、検討を加えなければなりません。こういう問題は、国のほうの財政を見極め、又地方の実情を知つて、最後に残る問題だと思うのです。今私がここでどれだけ殖やすつもりだとかいうふうなことは、数字を持つていないのでございます。御了承願いたいと思います。
○岩間正男君 蔵相のさつきの答弁によりますと、地方財政の実情をよく知らない、こういう話がありますのですが、大体ここに一例がありますが、こういう実情について私は話してみたいと思う。 それは武蔵野ですが、武蔵野市では今年度の予算の歳入が一億七千万円、そのうち大体地方平衡交付金を五千万円と予想して計上した。そうしてすでに二千四百五十万円、四月から八月分までの交付金として繰上交付を受けた。ところが実際その後交付金が決定した、それを見ますというと、驚くなかれ五千万円の十分の一にも足りないところの四百五十万円、こういうような通知を受けた。こういうことになつております。その理由は、武蔵野市の場合には非戰災都市であるとか、人口が少いとか、市税の増徴が可能であるというので、市税増徴の見込を一億一千七百万円という厖大なものに見込んでおる。そういう理由があるのでありますが、併しそのために殆んど、これでは今後の市の財政を賄うことができない、こういう実情が起つておるんです。すでに二千四百五十万円交付を受けた中から決定額を引いて、後の二千万円を返還する、こういうような要求さえ起つておる。ところが一方、大体見込の税收のほうではどうかというと、御承知のように地方税の徴税は、非常にこれは最初の予想より下廻つておるような状態です。現在で大体市民税を見るというと、第一期分のごときはまだ五〇%にも達していない、こういうことになつておる。で今後まあ二期、三期ということになりますと、そうしてそこへ事業税、固定資産税、更に住民税、こういうものが全く連続的に毎月これは納入しなければならないという段階になりますというと、これは大変なことになる。そこでどうしても予算上では四千四、五百万円の大穴が出て来る、そこへ二千万円の要求ということで、全く市の財政は破綻の状況に達しておる。 こういう状態は、これは單に武蔵野市を一例として挙げたのでありますが、武蔵野市だけではない。私は二、三地方を廻つたのでありますが、仙台でもやはり同じようなことが起つております。こういう実情について、蔵相は知つておられるのかどうか。是非私が伺いたいのは、今年度の一体平衡交付金の配付状況は、実際どうなつておるか、どこにどのように出されておるのか、具体的な数字を是非我々は検討しなければならない段階に達しておりますが、こういう資料について今話ができますならば話して貰いたいのですが、只今その資料の提出を早速求めたいと思います。どうなつておりますか。大体平衡交付金が、去年の配付税よりも増額されたということは明らかである。而もそれが宣伝されているにかかわらず、こういう実態が起つている。この問題を一体どのように解決しようとしているのか、更に第二にお聞きしたいことは、このような地方財政の破綻が非常に起つておるのを、どのように收拾しようと考えておられるのか、この二点について伺いたい。
○国務大臣(池田勇人君) 一万余りの市町村におきまして、非常に財政的に窮乏しておられる町村のあることも知つておりますし、又余裕があるとは申しませんが、予定以上に收入があり、楽にやつて行けるのもあると聞いておるのであります。困つたところをどうするかという問題は、これはもう平衡交付金で調整するより外にない。何と申しましても、昨年、昭和二十四年度の地方団体の歳出は三千四、五百億、今年の地方団体の状況は四千四、五百億と記憶しております。これは公企業を加えますと四千九百億円になるのであります。そういうふうな増加を来しておるのであります。これを調整するために平衡交付金で十分検討してやるべきだつたのでありますが、税の成立が遅れたりなんかしたのと、その後のいわゆる財政需要、或いは財政收入等がはつきりいたさなかつたために、只今のところは暫定的におやりになつておると思います。私は先般来、特別の大蔵省の所管でございませんけれども、今年度の見込をとるように話しておつたのでありますが、只今は各府県の分も私の手許に来ていないという状況であるのであります。こういうことは、先程の西郷委員からのお話の結論をつける上におきましても、いつ補正をして、結局どうなるかということなんかを加味して、平衡交付金全体の問題を検討しなければならん、こういうので今資料を集めておるのであります。各市町村の分はなかなか困難でございましようが、現在でも相当調整をしなければならんのではないかと思つております。
○岩間正男君 特別な市町村というようなふうに今の話を取られたかと思うのでありますが、これは我々が今まで見聞したところでは、こういう実状が至る所に起つていると思うのであります。これは東京だけの例を見ても、やはり東京都においては、どうしても平衡交付金を補正で二十億要求している。これをやらなければ操作がつかないという実状が起つていることが分る。こういう点、こういうような下からの現実の要求がはつきり起つているのですが、この問題について、一体大蔵省はこれをどう解決し、そうして適当な手を打つ意思があるのかどうか、そのような考えで動いているのか。どうもさつきの漠然とした、なまず答弁じやどうも蔵相が、今どういうような考えでおられるか危ぶまざるを得ない。その点だけはつきりして頂きたい。
○国務大臣(池田勇人君) 昭和二十三年度、四年度の平衡交付金につきましても、東京都は昨年は三十七億円程度だつたかと思います。今年度はどれだけ出るか、私のところに資料が来ておりません。大蔵大臣といたしましては、面接的に地方団体の財政につきまして、昔のような監督権はないのでございます。地方財政委員会、或いは地方自治庁の方でお調べになりまして、そうして平衡交付金の要求があつたときに、各般の事情を調査して、閣議でどうこう決めるより外にございません。大蔵大臣が特定の市町村につきまして、こうやれ、ああやれというあれはない実状に相成つておるのであります。従いまして各市町村につきまして、又府県につきましての財政の監督については、地方財政委員会のほうでおやりになることと考えております。
○岩間正男君 私は市町村に対して直接どうしろこうしろという問題として、今の問題を提起しているわけではない。地方財政委員会からすでに出されておる要望書、そういうものとの連関、そういう実状が起つているので、国家財政との釣合においてこれをどういうふうにするのか、つまり平衡交付金の性格というものを、本当に活かすのかどうか。最初に政府が平衡交付金というものを設けた趣旨並びにその後政府の宣伝によると、地方財政の自主権を確立する、そのためにこれは交付する、こういうことを言つているのですから、そういう趣旨を本当に貫徹するなら、下のほうでそういう要求がものすごく起つている実状なんです。これは私が申さなくても、ここにいられる委員諸君は皆感じていられる。さつきの報告によつても明らかなんです。これに対して即応する態勢をどうとられるのかどうかということが、非常に大きな問題になると思う。而もこういうような平衡交付金の不足によつて起つておる地方財政の混乱、こういうものは相当に大きく転嫁されるということは実状として、是非蔵相に聞いておいて貰いたいのですが、結局財政が非常に混乱を来すというと、恐らく先程から問題になつている教員の給料、こういうものが非常に遅配、欠配という形が起つて来ます。これは今までの実情がはつきり示しております。いわゆる教員の待遇などというものは、いつでも地方財政が非常に逼迫しますというと、弱いところに転嫁されて来る。当然義務教育費の教員の給料の不拂という形で、非常に大きく圧迫して来ると思うのですが、こういう面についてはつきり大蔵省としては、やはり操作を考えなければならんじやないかと、こういうふうに思うのであります。 それからもう一つ伺いたいのは、さつき聞いたのでありますが、配付している平衡交付金の実際の配付の状況、これの資料は、これは貰えますか。これは是非必要だと思うのですが、これは地方財政委員会なんですか、これはどうですか。
○国務大臣(池田勇人君) 平衡交付金につきましては、お話の通りに地方財政委員会が、財政需要、その他各般のことを調査しまして、内閣に勧告することになつておるのであります。我々はその勧告に基きまして、十分検討を加えたいと思います。 各府県、各市町村への平衡交付金の分け方につきましては、地方財政委員会の所管でございまして、資料は向うのほうからお取り頂きたいと思います。我々もその資料を欲しいというので、先般来申込んでおるのでありまするが、まだ主計局長のところにも来ていない状況であるのであります。
○西郷吉之助君 大蔵大臣に伺つておきたいことは、先程来、私の質問に対しても、まだ数字が決まつてないというお話でありましたが、予算委員会といたしましては、この補正予算を控えておりますので、補正予算の数字は、大体大蔵大臣のお見込ではいつ頃これが決まるものか、それを一つ大臣のお見込を、いつ頃であるか、いつ頃と期待したらいいのか、その点を今ここで伺つて置きたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 成るべく早く折衝の上、確定いたしたいと思つております。何分にも十五ケ月予算という建前で行つておりまするので、補正予算が決まります場合におきましては、大体来年度の予算につきましても、大体のところが決まつてからだと思います。従いまして私は早くて十五日、遅くとも二十日までには御覧に入れるようにいたしたいと努力いたしております。
○委員長(波多野鼎君) ちよつと大蔵大臣にお尋ねしますが、今の地方財政平衡交付金、実際どの府県にどれだけやつたかという数字も大蔵省は握つていないのですか。
○国務大臣(池田勇人君) 握つていないのです。
○委員長(波多野鼎君) そうしてどうして平衡交付金の金額が出て来るんですか。不思議でしようがない。
○国務大臣(池田勇人君) ちよつと速記を……。
○委員長(波多野鼎君) では速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(波多野鼎君) 速記を初めて……。
○国務大臣(池田勇人君) この問題につきましては、大蔵省が地方財政委員会か何かと論駁し合つておるような文書を取り交わしていて、私がこれを聞きまして、こんな馬鹿なことをしてはいかん、こんな気持で政治はできるものではないということで、たしなめて参りまして、その後、回を重ねるごとに非常に円滑に行つておるようであります。 今の例えば昭和二十六年度の收入におきましても、税收入をどう見るかということが一番の問題で、百億円程度にしております。それから雑收入につきましても昨年は予算で百七十億円ぐらいに雑收入を見ておりますが、決算は六百億近いぐらいの雑收入になつております。こういうところを今数字を突き詰めると、両方が一致しないところになつております。最近はこの弁駁書をやり取りしたのを聞きまして、こつちから叱りまして、よほどうまく行つておるようであります。私も地方のほうについて非常に冷淡のように言われておりますが、今どこに両者の喰違いがあるかというところまで検討いたしております。それから又両者で感情的なところは今は全然ございません。よく建設的な議論をしながらやつておるようであります。
○委員長(波多野鼎君) 今のその国家財政と地方財政との繋がりは、平衡交付金の問題に繋がつておるのであります。繋がつておる関係上、事務的にも又いろいろな点においてそこに繋がらなければならんと思いますが、切れておるようですね、大蔵大臣の話では。本当に切れておるのかどうか、地方財政の実情が大蔵省に全然把握されていない、そこが切れておる、そこのことなんです。
○説明員(河野一之君) 地方財政というものは非常に態様の多いものでありまして、先ほど四千九百億と言われましたが、沢山の公共団体であり、そのうちに東京都のごとく全体の一割以上を占めるような、東京都のような毎年全国地方財政の一割以上、そういう大きな公共団体もあるかと思いますと、人口百人ぐらいの町村もある、非常にバラエテイが多い。それから府県と市町村の間において歳入、歳出の入繰り、例えば国から出た補助金が府県に行く、それから府県から補助金を出して市町村に行く、そういう純計と申しますか、そういうところが実ははつきりいたさない。それで今まで地方財政が四千九百億、或いは三千五百億と言われておりますが、全体を通算した姿に過ぎない。それで個々の地方団体について、それがどういうふうになつているかというのは、これは大蔵省も正確に把握いたしておりませんし、それから地方財政委員会でも正確に把握しておらんと思います。 大体各府県のそういつた予算がまとまりますのは、二十四年度の決算というものが最近漸くまとまつて、来年の予算を立てる場合、二十五年度はどうであろうか、或いは二十六年度はどういう見込になるであろうか、全く或る意味においては想像みたいなもので、このやり方については過去における決算の数字を基礎にして、物価で引伸ばして行くというような、非常にプリミテイヴなやり方をとつておる。如何なる姿でやるべきか、国と相権衡して、どういう姿であるべきかということは、これは理論的にはなかなかむずかしいことである。それで今まで地方財政平衡交付金なり、それから起債なり、そういう問題をどういうふうに考えるかといつた問題の場合には、実は前年に対して地方の負担がどういうふうに殖えるであろうか、或いは減ずるものばどういうものであろうかというような、地方財政の絶対の総額でなしに、負担の殖えるか減るかを勘案してそれに対して賭源措置を考えて来たというのが、昭和十五年以来の歴史であり、それを今度シヤウプの勧告によりまして、公企業を入れて四千九百億、それから普通の事業を入れて四千三百二十億というふうに一応決定になつているのであります。これがいいものか悪いものか、実はそこははつきり確信を持つて言えるかと申しますと、まあシヤウプさんも言えない。先ほど大臣が言われましたように、昭和九年、十年の二百倍を單位にしているんじやないかと思います。そういう財政の姿を基礎にしてやるということは、こういう財政が苦しい時代においては、如何にも不自然である。地方財政としてはどういう姿であるべきであろうかということを、最近いろいろ検討いたしているわけであります。 それで先程大臣からもお話がありましたように、七月の頃からいろいろ昭和二十四年度の最終予算を基礎として、どういう姿になつているかということを、実は大蔵省で調べたわけでございます。そういたしますと、これは先程大蔵大臣のお話にもありましたけれども、なかなか集りません。最初は十八府県くらい集つたのでありますが、結論としましては、府県としては三十五府県の大体集計で、これは府県のおのおのの予算の立て方が違いますので、中から拾い出すということは容易じやない。市は四十一、二百四十ほどの市でありますから、大体一割五分、町村が問題で、一万三百ほどあると思いますが、そのうち実は六十ヶ町村しか調べられなかつた。そういうことを基礎にいたしましても、いろいろの推計があるわけでありますが、例えて申しますれば、過去の地方議会であれば、町村議会の経費についてはどういうふうになつているか、これはおのおのの定員が分つておりますので、その県の議員一人当りの経費はどの程度になつているか、大体府県で行きますと四十万円くらい、市で行きますと十七万円、町村でありますと九千円くらい、そういうもので積算をして行く。それから職員の経費につきましても、どういうような……、おのおのやつて見ました。尤も人口当りの一人の職員の数というものは非常に各県で違いまして、東京都のごときは百九十人くらいに一人の職員を持つている。香川県は三百人乃至四百人ということで、同じ府県の職員でありましても、その程度が違うわけであります。この人員が多いか少いかということの検討は実は要るわけであります。それから学校の教員の数にしましても、いわゆる人口に比例する筈でありますが、これは寒いほうなんかにおきましては、分教場も沢山要るでありましようが、これも各府県相当違います。併し職員の数ほどは違いません。そういうふうな積算をずつとやつて見たのであります。詳しいことを申上げればいろいろありますが、そうしました結果が、実は公企業を除きまして四千二百程度ほどの数字に実はなつたわけであります。ただこの場合の積算におきまして、五大都市というものは、これは地方財政全体におきましては、二割くらいを占める大きなものでありますが、この分の調査が実はなつておりませんので、二十三年の決算を基礎といたしまして教育費にしても、土木費にしても、五大市というものは普通の市に対してどの程度の倍率、人口一人当りどの程度の倍率の経費を出しているであろうかということを調べまして、そうして二十四年の最終決算、それも市の分をとり出しまして、それに対する倍率を掛けて、そういう推計をやりまして、そうしますと五十四、五億ほどその計算より多くなります。従つて四千二百五十億程度に実は数字がなつたのであります。これがまあシヤウプと申しますか、千九百億の税を取り、千五十億の平衡交付金を出すときの、地方財政の昭和二十五年度当初の姿というものになるわけでありますが、そこに五十億の差が実はあるわけで、或いはこれは誤差かも知れませんし、ということになります。 これは全く現状を基礎にしました地方財政の姿である。これをどういうふうに……、今言つた職員の点もあり、それから旅費なんかについても、これは相当多うございます。国あたりであれば一般会計において、職員一人当り大体二万円程度でありますが、地方団体はそれより多うございます。それから徴税費なんかにつきましても、国におきましては大体徴税費は、税収の二・五%程度でありますけれども、地方団体については徴税費は大体八%であります。そういつたような検討すべき点は多々あると思いますが、少くとも現状を基礎としたものは四千二百五十億、三百億という程度であることは確かであります。併しこれに対して本年度の四千二百二十億、それがどういうふうな姿になるか、これは実を言うと神様でも分らないのでありますが、ただ予算決定後において殖えているものはあると思うのであります。これを自治庁は三百八、九十億程度と言われておるのでありますが、国の予算に伴つて地方の予算が殖えます。例えば補助金が出されるとそのあとの片身が要るわけであります。それから災害関係で殖えるということもあるだろうと思います。この点を自治庁では三百九十億というふうに見込まれておるのでありますが、これについては私共も或る程度殖えるということは分るのでありますが、必ずしも全面的に三百九十億要るというふうにも思われない。例えて申しますと、一月からの千円のベース・アツプの金額は四十五、六億だと思いますが、これに対しては人員の増加を見ておらず、国のほうでは人員の補充をストツプしております。これは僅かなものでありますが、そういう点がある。 それから年末の分が八十七億というふうな計算をしてありますけれども、これは昨年は平均半ヶ月分出しているのであります。今後新しい負担額はその半分程度でいいのではないかというふうな見方もあります。それから補助金に伴う分、これはもう計算だけの問題でありまして、別にそう大して違いがあるわけではありません。予算決定後、法令が制定されて、約十三億ほどであります。これは大して違いはありません。それから今度の災害関係に基くものでありますが、四十一億の補正予算を提出する予定になつておるのでありますけれども、そのうち二億ほどが直轄事業でありまして、三十九億ほどが補助事業になつております。そういたしますと、これの補助金に対して片身がつくわけでありまして、歳出としては八十七、八億になるのでありますが、負担金はその程度になるのでありますが、それに対しては一方三十九億の補助金がある。負担の新しく殖えるものは、大体四十億余りになつております。 それからもう一つは災害の單独の事業が、これは百億程度にというふうな御意見もあるのでありますが、従来の実績から言いますと、国が補助する事業の大体一割五分程度が従来の実績であります。そういう点からいたしますと、まあ二十億、これはずつと今年の災害事業を計算いたして行きますと、二十億程度で済むのではないか、こういうふうないろいろな見方が違うわけであります。そういたしまして、私共は百五十億円、三百億円くらい新しい歳出の増はあると思うのであります。それに対してどういうふうな財源措置というものが考えられるかという問題になるのでありますが、これは先程も四郷委員からお話がありましたように、現在の歳出については相当の節約をお願いしたい。旅費も地方団体全体として二百億は私はあると思います。それから物件費については千七、八百億、この中からまあ特別の、例えば警察関係でありますとか、或いは病院、学校とかというようなものをとりますと、八百億くらいになるのではないかと思います。これは五%と申しましても、五十億くらいは浮んで来る。 それから一番問題になるのは、歳出の面ばかりでなしに、地方財政全体として、歳入はどうなつているかという問題をどうしても考えなければならん。ただ経費が殖えるから、その分は全部起債なり、或いは平衡交付金なりで殖やすという建前のものではなしに、当初予定しておつた歳入に対して、どの程度自然増牧なりいろいろな姿で殖えて来るであろうかというふうな検討がどうしても要ると思うのであります。シヤウプ氏はこの点を全然無視しまして、言葉は少しきついですが、そういう点については余りお考えにならずに、平衡交付金増額ということを言われたが、それは数字としては我々は賛成しにくいのであります。それが来年度どういうふうな收入が新たにあるかということは、これは先ほどお話がありましたが、実は申上げますと千九百億取れないと言うものもありましようし、より以上事業税なんかの徴收をやれば、できればできるという議論がありますが、ただ予算としては二千八百億程度は取れるものと予定いたしましても、四千三百二十億の当初予算で考えておりました、当初の地方財政の姿で考えておりました当時におきましては、百七十五億というものを雑收入に実は予定しておつた。ところが昭和二十四年の決算ができ上つてみると、これは六百八十億の雑收入があるわけであります。その六百八十億のうち、百九十七、八億というものは前年度の繰越金ということでありまして、これを除きますと五百億程度でありますから、大体三百億以上の、一応地方財政全体としては財源があるという計算が立つわけであります。併し冒頭に申上げましたように地方団体の財政というものは個々のものでありまして、総体を合計した姿において把握しても実は意味をなさない。東京都のごときは財政状況はどうであるか、詳しくは存じませんが、仮りに余る分があるといたしましても、貧弱な府県、或いは市町村に税金を廻すわけには行かないのであります。東京都は概算交付で、十二億交付金を貰いましたが、これは全部廻すわけでありますが、それ以上平衡交付金をやらないで、更に東京都の税を取つて向うへ廻すというわけには行かないので、地方財政全体としてそれだけの財源の余裕が出るとしても、それで十分であるというわけには恐らくならないであろう。勿論それについては平衡交付金の配分というものを各団体にマッチするようにやればいいわけでありますが、そこにも技術的の限度があります。そういつた点があるから、地方財政全体としては、我々はそういう考えを持つておりますが、大臣の言われました通り税の問題もありますし、それから平衡交付金の配分の方法、又具体的には個々の団体の状況を見合せてみて考えなければならん。そういう点につきまして、地方財政委員会事務局当局といろいろ折衝しておる段階でございますが、ただこの場合にどうするというようなことを実は申上げる段階に達しておらない。地方行政委員会のいろいろ要望の次第もございまして、できるだけ地方財政に無理の行かないようにやりたいと考えておる次第でございます。
○西郷吉之助君 私ちよつと主計局長にお伺いしたいのですが、單独事業費の百億ですね。最初あれは百億を要求したが、私の聞くところによると、それが地方財政委員会においては、これを圧縮して六十三億程度にこれを変更したというようなことを聞いておりますが、その点はどういうふうに見ておられるかということと、又縷々おつしやつた主計局長のお話も分るのでありますが、地方債起債の枠ですが、あれは現在三百億になつておりますが、それが折衝の段階において、三百七十億に一応なることに決つたのであります。それが又逆戻りで起債は三百億になつておりますが、地方の要求は二百十九億の増額を要求しておりますが、三百億プラスどの程度か、その二点をちよつとお伺いしたいのですが。
○説明員(河野一之君) 地方財政委員会で六十七億程度に訂正されたようでありますが、これは従来の災害に対して一八%、それから二十五年の災害に対して三五%の單独事業があるというふうなことから、一応出されたように了解しておるのでありますが、私共その過去の災害をずつと計算して参りますと、單独事業が実はそれ以上にあると思うのであります。或いは本年の特殊の災害でそういうふうになるのかも知れませんが、この点はまだいろいろお話合の段階にあろうと思います。 起債のほうは、実は総体の姿がきまりまして、いろいろ問題があるわけでありますが、少くとも七十億というのは、丁度單独事業なり、或いは災害の地方負担に相当する分に当りまするので、できるだけまあその臨時事業を全部起債に仰ぐというのもどうかと思うのでありますが、外のほうの歳入とも見合いまして、まあ七十億程度であれば、そう無理ではだかろうと思つておりますが、まだこれも預金部資金の全体の運用の問題もありますので、確定いたしていないのであります。
○西郷吉之助君 重ねて伺いますが、主計局長も再三言われるのでありますが、地方庁には冗費がある、例えばよく例に挙げられるのは、今日も挙げられたが、旅費が大体二百億というように見込んでおられますが、この前地方行政委員会で言われたのは、百六、七十億と言われたが、補正予算が近づくと、三十億程度殖やされて、今日は二百億と言われたがだんだんそういうふうな見方になつて来ると、地方が迷惑をする。その外物件費、これは千七百億から八百億くらい、雑收入ということをよく言われるが、雑收入は收入と言えば收入ですが、地方側においてもその收入を上げる基礎としては相当金額をやはり投ずる。その結果そういう收入が出て来るのであつて、一概に雑收入はこのぐらいであるからと言われることは、私は非常に地方のためにも当つていないのじやないか。その基礎と成すものは、地方から相当の基金を出しておる。その結果雑收入となつて入つて来るのですが、雑收入なんかについても、大蔵省側は相当大きな額を見ておられると思いますが、それは先ほど大蔵大臣も言われたように、大蔵省は正確な基礎数字を持つていないのですが、地方側の言うのは、それは不公平であると言われるようなところに感情問題が発生したり、大きな食い違いが出て来るのですが、幸いにしてこの三百九十億というのは、大蔵省と自治体側のほうの話合で、非常に僅かな食い違いになつて来たのですが、そういうふうに伺つておるのですが、その点を重ねて主計局長から、どの程度に食い違いの金額が圧縮されたか、もう一度念のために伺つて置きたいと思います。
○説明員(河野一之君) 私は二百億というのを申上げましたのは、地方財政の、実は大蔵省のほうで実態調査をいたしました推計で行きますと、その程度になるわけであります。併し地方財政委員会の側では、これは百六十億くらいに言われておるので、従つてそれの中をとりますと、その程度になるということを、確かこの前西郷さんにも申上げたかと思うのでありますが、地方財政委員会としても、この数字が間違いがないのだという御確信はないと思います。これは或る程度腰だめになるかと思いますが、現状では或る程度止むを得ないのではないかと思います。 それから千七百億とか八百億という物件費も、実態調査の結果から言うと、そういうふうに実は出るのであります。各府県の一人当りの物件費を、どの程度使つておるかということから、これを逆算と言いますか、人口で割りますと、そういうのが出るのでありますが、その中に学校とか警察というものがありますから、そういうものをとりますと、これは大体七、八百億になるのではないかと、これもいろいろな推計の結果でありますので、絶対に正確ということは申上げかねるわけでございますが、実はどの程度詰つたかと申されましても、甚だ当惑いたすのでありますが、まあ一番違います点は、人員が多少一万殖えるとが何とかいう点は、そう大した問題ではないのでありますから、年末手当というものが昨年は半ヶ月分を三千円ほど出しておりますが、昨年も出しておるから、半ヶ月に相当する分は今年でも出せるではないか、全額八十七億年末手当分が、全部新しく地方負担の増になるものではないのではないかという点が一点でございます。それから法令に伴う分、これは十五億九千万円、約十六億程度のものであります。これはたしか地方財政委員会でも一億二千万円程度のものである、これも話合が付いたのではなかつたかと思つております。それから国庫補助の分については、これは殆んど見方が一致しておつたように思います。問題は單独事業の点でありまして、これが相当違うというふうに思うのであります。まあそういう点を除きましてはそう大した差はないわけであります。百五、六十億くらい新しい経費としては殖えるであろうというふうに思います。併し一方歳入の件につきましては、これは雑收入を出すのについては必ずそれに伴う歳出があるという考え方も、ちよつと言い過ぎているんじやないかと思うのであります。例えば競輪の收入というようなものは、これは賞金を出してそういう経営をするのであると思うので、それに伴う雑收入というふうに入つて来ると思いますけれども、全部が全部そういうふうなものでは、私はないと思うのであります。競輪の收入といいましても、全体で五、六十億のものだと思うのであります。その外に雑收入がどういうものがあるか、その雑收入に相当する分は、地方財政の別枠であつて、それで学校も建てる、病院も建てるというふうにいきなり言うのは行き過ぎじやないか、少くともその雑收入の殖えたもので、一般の歳出を賄い得るものがある。国の財政でもそうでありますが、そういうふうなものが、百七十億というものが六百八十億も二十四年の決算において出ておるわけでありますから、相当のものが使える。こういうふうに思うわけであります。この点について必ずしも地方財政委員会側と意見が一致しておるわけではありません。なお話し合う段階にあると思います。
○西郷吉之助君 もう一度主計局長に伺いますが、大体三百九十億の中の給與関係の増の総額が百四十億ですか、この点は大体大蔵省側でも、金額は多少減るにしても、大体この前後のところは妥当であるというお考えのように聞くのですが、やはり今の起債の関係、それから災害関係ですね、これは今のお話で大体分りますが、結局問題は地方財政平衡交付金の増額の金額如何というとなんですが、大臣はああいうふうに言つておられるのでありますが、事務当局、殊に主計局としては財源を生み出すところですから、そこを主計局長としてはどの程度に見込んでおられるのか、言いにくい点だと思いますけれども、全部零になるのではないということは分りますが、大体どういう程度に……、百三十四億ですね、向うが言つておるのは……。その点は大体百億程度に組むのか、大雑把で結構ですが、見込はどうですか。
○説明員(河野一之君) 給與の問題につきましても、先ほど申上げましたように、年末の八十七億というもののうち、新しい本年度の財政負担になるものは半分であろう、給與の金額としては、四十二、三億程度のものが一月からの千円ベース・アツプ、それから九十七億というのが年末の一ヶ月分であります。実は昨年半ヶ月分出しておるわけでありますから、新しい経費需要としてはその半分じやないかということを申上げておるわけであります。まあこの程度で、その点についてもいろいろ御議論もありますので、そういう点の話が済まないと、何とも申上げられないわけであります。平衡交付金の額を幾らにしたらいいのか、これは先ほど大臣がたびたび申上げられました通りでありまして、それは今年度は減税七十三億いたしておりますが、百億なんていうのは、減税なんか全然できない話になるのでありまして、まあそういう点につきましては、もう少し検討をいたしませんと、腹すもりと申しましても、なかなか申上げにくい、先ほど大臣が申上げられましたように、地方財政の状況ももう少し検討して、細部の状況も洗つて、現在の額で足りるかどうか、まあ九億だけは義務教育の関係で入つておるわけでありますが、もう少し検討しませんと、何分のことを申上げられないのであります。
○西郷吉之助君 実は昨日の新聞でしたか、自由党、與党としても、この地方側の要求する三百九十億に対しては、地方の財政に鑑みてこれは何とかしなくちやいかんということで、数字も新聞に発表されておつたのですが、そういう際に、主計局長もいろいろ説明をされたと思うのですが、それから考えても、與党側が考えても、どうしてもやらなくちやいかん、政務調査会の決定ですから、そういうふうに出ておつたのですが、相当やはり今度は見て頂かないと、ただ冗費があるからとか、数字がきまらないとかで、放つて置かれる問題じやないと思うので、主計局長としても、一つ大いにその点は頑張つて頂かないと、主計局長なかなか、いざ必要となれば財源ぐらい生み出す名人なんだから、一つその辺は要領よくやつて貰わないと、地方側で迷惑するので、一段の御努力を願いたいと思います。
○委員長(波多野鼎君) 主計局長、今大蔵省で調査を始めておりますね。七月頃から各地方の財政の実情を……それはいつ項まとまるのですか。今大体まとまりつつあると思うのですけれども……。
○説明員(河野一之君) これは本当を言いますと、いつまとまるのか分らないのです。と申しますのは、三十五府県の分だけの予算書というものは全部あるわけです。それをまあいろいろな、一本のものに直しますのと、それから、六十一町村、四十一都市というものが、これは全部あるわけでありますけれども、ただそれを見ただけでは地方財政は分らないので、それに基く推算がいいか悪いか、そういう推算の程度でありますれば、現在でも或る程度できておるというふうに申上げていいのであります。ただ歳入関係につきましては、いろいろとつております数字は、例えば住民税で申しますれば一五%でやつておるところも、一八%でやつておる。或いは一〇%でやつておる。それから固定資産税なんかの税率というものがいろいろ違つておるわけであります。こういう点につきまして、どういうふうになつているかということを、実は調べております。それから徴收の状況というものもお願いいたしております。まあそういうふうな点がございまして、確定的に二十五年度の予算だという数字はちよつとむずかしいかと思うのであります。まだ推算の段階でございます。それから先程半月分は去年出しているじやないかという点でございますが、それはもう実はいろいろあるのであります。成る町村あたりじや出していない、半月分も出せなかつたようなところもございます。と思いますると、又それ以上、三ヶ月も出しているところも実はあるのであります。それで地方財政全体として半月分出しているのか、一月分出しているのか、これは実は掴みにくいのであります。去年地方についてどういうふうなことを各団体がとつておるか、代表的なものを何してくれということで、最近大蔵大臣において出しておるのです。これは地方財政委員会側にもお願いしたのでありますが、地方財政委員会側でも、把握されておらないのです。補正予算がきまるまでには検討する、現在の段階でどうということはちよつと申上げかねるのであります。
○委員長(波多野鼎君) 併し何ですね、補正予算の数字が確定する頃は、同時にその調査もできている筈ですね。そうでなかつたら確定しないでしよう。
○説明員(河野一之君) これは確定というのはどの程度の確定と言いますか、或る程度の……、どつちにしてもゲスでございますから、正確性の問題だと思います。或る程度の目鼻はつけなければならないと思つております。
○委員長(波多野鼎君) それと補正予算の数字が大体確定して国会に提出されるときとは同じにしておりますね。
○説明員(河野一之君) 大体同じ程度の時期になると思うのでありますが、できるだけそういうふうにそれを見て平衡交付金の額というものもやつて行くべきであろうと思います。ただそのことは歳費の節約というのは、冗費冗費というのは、それは必ずしも全部の地方団体が持つておるとは思わないのでありますが、これは節約がどの程度できるか、できないといえばできないのでありますが、これは要するに地方団体の努力如何にかかつておる。それから税金なんかに関しましても、これは或いは景気が悪いとかいろいろありますけれども、これもやはり地方団体の努力如何にかかるところでありまして、その点が結局国の財政と地方財政と総合一体してどういうふうに考えるかということ、ただ取れないからといつて、それじや平衡交付金をただ取ることにはならない、やはり或る程度地方団体としても努力して貰いたいという意味で、あり得べき、あつて欲しい地方財政の姿というものを考えるより外ないと、こういうふうに思うのです。従つてその点は客観的な計数というよりは、あり得べき、あるべき計数というものを考えるということになろうかと思います。
○委員長(波多野鼎君) 補正予算の審議のためにも必要ですから、大蔵省で今調査しておるやつが中間的なまとまり方でいいからまとまつた場合、予算委員会の皆さんに配つて頂きたいのですが……。
○説明員(河野一之君) これはまあ先程西郷委員から言われましたのでありますが、大蔵省と地方財政委員会が対立するというふうな空気になりますことは私共としても本当に本意のない、遺憾なことでありまして、今回図らずもああいうふうなことが新聞に出まして、実際は内部ではそれ程でもないのですが、議論としては非常に激しい議論を交わすものでありますから、それがそのままにそつくり生のままに出ると、いろいろ反響を及ぼしまして、私としては誠に申訳ないと思つております。こういう意味からいいまして大蔵省の案とか、地方財政委員会の考えておるところとか、これは御判断願うのは別でありますけれども、そういうものでなしに、政府としてはどういうふうに考えておるかというふうな数字を出すのが至当であろうと思います。できるだけそういうふうな方法で御審議の参考に供し得るようなものを考えたい、こう思うわけであります。
○委員長(波多野鼎君) それを出して下さい。政府でもいいし、大蔵省からでもどつちでもいいが、とに角なかつたら平衡交付金のことが全然問題にならん。今のような話だと審議のしようがない。さつきの大蔵大臣の話では、何も分つておらんが、こちらの資料の千三百億ということは到底受取れんから、何か基礎になるような、計算の基礎になるような数字を出して下さることを要求いたしておきます。
○西郷吉之助君 僕は資料を要求しておくのですが、委員会として、やはり節約でも冗費でもいいのですが、地方に冗費があるということを始終政府が言うのですが、今度の補正予算のときも審議の材料としても必要なんで、冗費として大蔵省としてはどういうふうに見ておるのか。その冗費を項目別に金額等を出して頂くと非常に好都合だと思うのですが、これは地方行政委員会においても委員長から主計局長にお願いしてあるのですが、出て来ないので……。どうも数字を出して項かないと、抽象的に冗費があるといつても、地方も非常に迷惑な話であつて今のいろいろな資料が数字が固まらないでも、大蔵省としては、担当は地方財政委員会、自治庁であるのですから、その数字をもう少し信頼されたら私はもつとそういう解決は早いと思うのですが、それをどうも大蔵省側は数字を信頼しないで、自分で極く一部の地方公共団体の数字を集めてそれを類推して全体の数字を出しておられる。そこに私は大蔵省の数字の方が非常に不当なんじやないか。財政委員会とか自治庁は一応は全体の数字を取つてやつておるが、大蔵省の方は極く一部の地方公共団体から数字を取つてやつておられるので、自治体から言うと一万のうち僅か六十ぐらいを取つて、あとは類推でやられる。そういうところに私は非常に地方団体の憤激を買つて、今年の全国知事会議、全国市長会、金田町村長会のそれが大会で論議した、その中に主計局長が地方自治庁を反駁した文が堂々と印刷されて、これが非常に問題を起したのですが、そういう原因はやはりもう少し大蔵省は自分のところの資料を信頼しておられるのだから、それと同様な意味におきまして、地方自治側、財政委員会、自治庁の数字をもつと信頼されて、お互いに小競合いをやつて行くということを止めた方がもつと数字が早く固まるのじやないか。大蔵省は大蔵省の立場で全国から資料を集める、財政委員会は財政委員会でやるというようなことをやるというと、甚だ地方団体が迷惑するので、それは同じ数字であるべきなんですから、大蔵省は自分の方の資料に忙しいのだから、自治体側の財政委員会に委せたその資料を信頼されて、その数字を出されれば、資料が同じなんですから……、要するに大蔵省は別個の立場でやられるから、自治体側としては、大蔵省に出したくない。下手に出せば平衡交付金もくれないという疑惑があるので、お互いはお互いの立場でもつと信頼されたら、もつと数字が固まるのですが、大蔵省は別個の又数字を取ろうとするから、そういう点に失礼ですが、いわゆる旧官僚の悪い癖がそこに出て来るのじやないか、そういうことは自治体のことは自治体の財政委員会に委せて、その資料に基いて、大蔵省は検討すれば、もつと早くまとまるのじやないか。それをおのおの別個に裏から手を廻して資料を取るということをされない方がいいと思います。それをされるところに甚だ対立を来たすのだから、そういう点をもう少し主計局側も考えて頂きたいと思います。
○委員長(波多野鼎君) それから地方財政の方の財政の立て方ですが、これが非常に酷なんですね。
○説明員(河野一之君) これは非常に酷であります。予算書の人件費なんかの組み方について、例えば役所、役場費という中に総ての人の経費を入れておるところもありますが、臨時的な経費については、別の方の臨時費の方に入れておるのであります。国の方でありますと大体行政費に固まつておるわけであります。 それから国の方の予算に最近だんだんフオームが合つて来まして、例えば国でいいますと、国会費とか裁判所費とか、それから行政費とか、産業経済費とかありますが、これが国会費であるとか役所、役場費、そういうふうにだんだんフオームが一緒になつて参つておるのでありますが、これは非常にいいことだと思います。併しその内容に当るものにつきましては、非常に違つております、それから町村あたりに行きますと、その実態が違うものでありますから、必ずしも統一がとれておりませんが、組み直してみると、これが本当の姿が出たのですが、地方財政の問題について、先程の西郷委員のお言葉を返すようで甚だ申訳ないのでありますけれども、どうもまあ、地方財政の実態が把握しておらない。勿論地方財政委員会側の方が玄人であるとは思いますけれども、過去の決算の数字を基礎にしてこれで物価を延ばして行くような行き方では、私は地方財政の姿は取上げられないというふうに思つております。今年の予算について四千三百億程度、一割程度出る。国の方の一般行政費についても勿論一割は殖えておりませんし、まあそういつた点も均衡をとつて考えねばならん点だろうと思います。来年千百億出す、四千三百億の歳出に対して千百億殖えるという数字で出しておられますが、それで以て二割以上も歳出が殖えると思います。やはり違う見方をして積んで行く一つの見方もあると思いますけれども、やはり違う見方をしていろいろな点から推して行つて、そうしてあるべき姿を見出した方が合理的なんじやないか。結局地方財政委員会がおやりになつている方法を非難するわけじやありませんが、そういう点についていろいろこういうふうな積算をしたらどういうふうになるだろうかという点について、いろいろお互いに研究し合う、対立しておるというふうにとられましては甚だ申訳ないと思います。
○委員長(波多野鼎君) ちよつと参考までに聽いて置きますが、今の地方財政の予算のフオームを統一するような考え方は政府の中にはないのですか。例えば統計のフオームについては、全国的に統一する努力を大分やつて来られまして、最近ではでき上つておると思います。戰後非常な努力をした、統計についてさえそういう努力をしたのに、地方財政の予算のフオームがそんなに区々であるというのは、ちよつとおかしいと思うのですが、そういう点について政府部内として何か話合でもあるのですか。
○説明員(河野一之君) これは地方財政について国が直接コントロールし、監督するという権限を実は持つておらないのでありますから、地方団体としては各々自分の予算の運営をしよいようにというふうなことで、実は国の方としてこういうふうにしろということは言つておりません。併し実際問題としてどつちかと申しますと、地方団体に比べまして国の予算制度の方が進歩いたしておりまするから、それに段々と倣つて来ておいでになるようではあります。併し地方団体のことでありますから、完全に統一しておるとは申上げません。例えば京都府なんかという所ですと、役所、役場費の中に組まれておりまする職員というものは、どういうものでありますか、五百人くらいある殆んどすべてが臨時費のほうに組まれておる。ところが埼玉県とかああいうふうな県になりますと、人件費というものは殆んど役所、役場費に含まれる。それに伴う物件費もそれに組まれておる。非常に比較がしいいわけです。これを本庁の行政系続だけの人にやつてみると、どういうことになるかというのはなかなか掴みにくい。それからいろいろな比較もしてみるのでありますが例えば産業部の系統、それから土木部の系統、それからおのおの厚生、労働なんかの系統、こう職員をずつと配置を分つておる所がありますから、それに伴つて予算がどうなつておるか、人員がどうなつておるかというふうにやつてみますと、県によつて、例えば労働関係の人にしましても、一人当りの人口は随分区々なんです。これがいいのか悪いのか、おのおの県の実情でやつて行く、これが実際は地方自治でありまして、どの県は土木に重きを置き、どの県は教育に重きを置く、おのおの地方の実情がありますから、これをどういうふうにしたらいいということは実は申さない、申すべき筋合ではないというふうに思うのであります。ただこういうふうに全般的に通観してみて、その結果の姿で見ると、先程職員全体で申上げましたように、東京都では百九十人に一人くらい持つておる、公共企業体関係を除いて……。香川県という所は三百人ないし四百人、市で申しますと、職員一人当り六百人くらいの所から三百人くらいな所まで分布がある。そういつた点、各々人を少くして給與を好くされておる所もありましようし、なかなかそこが合理的な姿というものは捉えにくいと思います。そういう点についてできるだけ私共として努力はしてみたいと思つております。
○佐多忠隆君 政府の国家財政は年々少くなつておるにかかわらず、地方財政のほうが歳出が殖えておる、これはちよつと両方調子が合わないのじやないかというお話だつたのですが、それは例えば価格調整費或いは国債費みたように、大幅に特殊な理由で減つたところの国家財政の歳出を除いて比較してみて、尚且つそういうことが言えるのですか。
○説明員(河野一之君) 雑件的なもので申上げますと、私はそんなに殖えていないと思います。ちよつと数字を持つて来ておりませんか、来年の五千九百八十億の予算につきましても、価格調整費とか、終戦処理費とか、そういうものを除きますと、一割程度の増加にはなつておりますが、それ程殖えておりません。ただこれは併しそれが国が殖えていないから地方も殖やすなという建前のものじやないと思います。むしろこれから地方自治行政の進展して行くべき段階ですから、必ずしもそうは言えませんけれども、いわゆる国のプロパーの行政としてはそんなに殖えていないと思います。
○佐多忠隆君 それから先程からこの税収の見込みがつかないので、どうも平衡交付金も決められないのだというお話のようですが、これは当初予算をお決めになるときに地方税収入千九百八億という数字を一応予定してお決めになつたと思うのですが、その後それを更に再検討して、これが恐らく殖えるだろう、実績推計をやるならば殖えるだらうというようなおつもりで、大臣或いは局長のああいう答弁が出たのがどうか。
○説明員(河野一之君) 私先程税の問題についてどういうふうになるか、殖えるからやらなくてもいい、こういうつもりで実は申したのではないのでありまして、千九百億取れないというような滞納があつて、或いは景気が悪くなつてという話があるのですが、それはやはり努力して予算だけは確保して貰うのが筋であろうと私は思うのです。ただ新しく経費上殖えることは確かであります。それを賄うべきものとして税をどうということじやありませんけれども、当初考えておつたよりは雑收入だけでも相当殖えておるじやないか、西郷さんのおつしやいましたように、いろいろ議論がございますけれども、或る程度殖えても、相当千九百八億というものは努力して頂くということでいろいろこの問題は検討して参りたい、こういうふうな趣旨でございます。
○佐多忠隆君 そうすると今普通に言われておるのは千九百八億もなかなか実績としては取れないのじやないかというようなことがむしろ言われておるので、実績推計をすれば、仮に今の雑收入が相当殖えるとしても、千九百八億を越すことはないのじやないか、その点はむしろ資料が来ないから、調査がまだでき上らないからとかということは口実にならないので、むしろ千九百八億を前提にして議論をしていいのじやないか、だから今はその数字が固まらないから答弁ができないという問題ではなくて、千九百八億を、これは非常にむずかしくはあるが、一応千九百八億を前提にして尚且つ平衡交付金を殖やす必要がないのだとか、若干は殖やすとかということはもう決められる段階だし、單に数字的な問題だつたら口実にならないのじやないかと思うのですが。
○説明員(河野一之君) それは佐多さんのおつしやるような議論もあろうかと思いますが、千九百八億がうんと殖えるということになれば、この問題は或いは解消するかも知れませんが、それから今平衡交付金を増額せよという理由の中に、地方税が取れない、岩間さんもおつしやいましたけれども、何%しか入つていない、こういうことは相当理由に言われておるのでありますが、これはやはり地方団体としては一旦決めた税は取つて頂く、努力して頂く、こういうふうなことでやつて頂きたいという意味で申上げたに過ぎないのです。
○佐多忠隆君 併し地方財政委員会が考えておるのは、千九百億は一応取れることを前提にして尚且つ三百九十億くらい不足するのだという問題になつておるのじやないでしようか。
○説明員(河野一之君) そうではないのでありまして三百九十億という新たな経費の需要が起る、四千三百二十億という歳入歳出合計をとつて、これに対して新しい経費需要が三百八十九億ある、これを何とか財源措置をしなきやならん、経費の面から見られまして四十億節約をしよう、百五十億程でありましたが、起債を殖やそう、それから平衡交付金が百主、四十億、こういうふうな計算されているものですから、経費が殖えれば、これが何らかの別の既定の予算の歳入面を検討せずに、すぐ別の財源というのは、少し早過ぎるのじやないかということを申上げたのであります。
○佐多忠隆君 だから歳入面は検討しないで、仮に千九百億の歳入があると仮定した場合に、歳出増が三百九十億だから、そちらをなんとか考えてくれという考え方であるので、それに対して大蔵省は、さつきから大臣も、いや歳入面が分らないからだとおつしやるので、それならば歳入面として今決めている千九百億より大体殖えるだろうというようなお見込でその決定を延ばしているのかどうかという問題をさつきお聽きしたわけです。ところが、いや、そんなに殖えるということは言えないかというようなお話だつたので、それならば、それは一定のものとして議論してもいいのじやないか。それが分らないからという一点張りでその問題の決定を延ばしておくという理由にはならないじやないかというお尋ねをするわけです。
○説明員(河野一之君) 税の問題は、これは先程大臣から言われたことを繰返すようになるのですが、事業税なんかについても、今年の事業税というものを勿論地方団体にも相当滞納を持つている。そういうものを言葉は悪いですがピシピシやれば、相当出て来る筈だという意味で、大臣は言われているわけです。それを千九十百八億と見るのか、それはり議論がありますが、少くとも歳入面についての検討でないと、経費の殖える面だけを見て、その財源を新らたな別の手段でやるというのは筋が違うのではないか。やはり経費を検討するからには、歳入の方からも検討を要するものがあり、或いは千九百八億でいいのかも知れませんが、少くとも雑收入においては当初の地方財政の予算で考えられておつたところに対して相当殖えており、それもやはり経費は殖える以上歳入も殖えている面も検討して、全体として見たい。こういうふうに大臣は言われたのじやないかと私は思います。
○委員長(波多野鼎君) 外に御質問ありませんか。それでは今日はこれを以て散会いたします。 午後三時二十三分散会 出席者は左の通り。 委員長 波多野 鼎君 理事 石坂 豊一君 藤野 繁雄君 櫻内 義雄君 岩間 正男君 委員 大島 定吉君 中川 以良君 一松 政二君 安井 謙君 山本 米治君 岩崎正三郎君 内村 清次君 河崎 ナツ君 佐多 忠隆君 吉川末次郎君 原 虎一君 飯島連次郎君 楠見 義男君 西郷吉之助君 菊田 七平君 中井 光次君 一松 定吉君 堀木 鎌三君 国務大臣 大 蔵 大 臣 池田 勇人君 説明員 大蔵省主計局長 河野 一之君