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第8回国会参議院1950/07/21

予算委員会 第2号

発言数
4 件
登壇者
2 名
会派数
2
開催日
1950/07/21

会議録

波多野鼎日本社会党

○委員長(波多野鼎君) それでは予算委員会を開催いたします。この委員会におきまして昭和二十五年度の予算実施が国民経済に及ぼした影響に関する調査をいたすことになりまして、今日その第一回を開くことでありますが、先ず最初に大蔵大臣からこの問題についての概括的な説明をお願いいたしまして、あとで質問をするという順序で進めて行きたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 只今昭和二十五年度の予算実施が我が国民経済に及ぼした影響について発言を求められたのでありまするが、何分にも予算成立後まだ三、四ケ月で確たる、何と申しまするか結果が現われておりませんが、これは予算の実施と一般金融政策と絡み合つている問題でありまして、大体そういう線で思いついたところをお話申し上げて参考に供したいと思います。  先ず第一に四月からの我が国の経済界の状況でございますが、これはやはりデイスインフレの線によりまして私はやはり安定の度を加えておると言うことができると思うのであります。通貨は現に大体三千億から三千百億、ときに三千億を割ることも月の半ば過ぎにちよつとありましたが、概ね三千億から三千百億のところを辿つております。又物価の点に至りましても闇物価は下つて参りまして、まあ平穏な状況を持続し、從つて消費者物価指数も昨年の七月は一四〇ばかりでございましたが、本年になりまして、四月は一二四、相当の下りようを示しております。五月が一二六とちよつと需要の関係で上つて参りましたが、昨年のそれに比べまして相当の消費者物価指数いわゆるCPIの引下りがありまして、一般の生活は全体的には楽になつたということが言えると思うのであります。生産の状況も滯貨も殖えませんしやはり予想程度に下らずに上目の生産になつております。輸出は御承知の通り、今年一、二月におきましてはスターリング地域の買控えによりまして、予想よりも非常に少かつたのでありますが、ドル地域殊に米国方面への輸出が予想通りでありまして、大体四千四百万ドル程度一、二、三月となつております。三月が四千五百万ドルでございまして、四月がちよつと下りまして四百何ドルか、五月が六千六百万ドルという終戦以来の最高記録を示しております。六月の状況もまだしかとしたものは分りませんが、五月までには行かなくても六千万ドル近くは行つているのではないかということを考えておるのであります。御承知のように今年の貿易計画は、六億一千万ドル弱でございまするが輸出が当然できる、或いはこれを上廻つて七億ドル或いはそれ以上にもなるのではないかとふうな状況にあるのであります。ただ遺憾な点はデイスインフレの線で安定計画の実行によりまして、そうして又外国貿易の情勢によりまして、或る程度の失業者の増加を見つつあるのであります。失業者の状況が心配になるのでございます。この点につきましてはできるだけ緊急失業対策費の繰上使用をするとか、或いは又本年の特殊の事情といたしまして、地方税法案ができなかつたために、地方の事業又これに乘つかつて行く公共事業費の使用が少し遅れておりましたので、早急に公共事業の施行を督励すると同時に、見返資金公共事業費、又別にとつておりました百億円の災害復旧費の予備費の分も出しまして、殖えつつありまする失業者に対しましてできるだけの措置をとろうといたしておるのであります。全般から申しまして金詰りあとから御説明申上げまするが、大体普通の数字を辿つておると言うことができると思うのであります。  次に予算の執行状況を申上げまするが、第一四半期におきまする歳入方面は大体予期の成績を挙げております。大宗でありまするところの租税收入は全体としては順調な成績でございます。更に法人税は非常な増收を期待せられ、酒の方面におきましても売行不振の声がありまするがこれは大体予期以上の收入を来たしております。勤労所得税に対する收入も予算通り或いは少しオーバー程度に行つておりまするが、申告納税の問題はまあ納期を一ケ月遅れさせました関係上まだしかとは分りませんが、この点にちよつと危惧の念が起るので、歳入全般といたしましては大体順調な経過を辿つております。而して歳出の方につきましては、先程も触れましたように政府の支払をできるだけ促進いたしておりますものの、なかなかうまく行つておりません。大体四—六月の政府の收支を申しますると、いつになく今年は三百四億円引上げ超過になつております。この原因は、二十五年度の予算では八十億円余りの撒布超過になつておりますが、二十四年度のズレがありまして三百九十億近くの引上げ超過になつた関係上、政府関係におきましては三百四億円の引上げ超過になつております。そういう事実に鑑みまして、私といたしましては、第二四半期におきましてできるだけ引上げ超過を少くするという計画の下に、今月は予定は二百億ばかりの撒布超過の計画でおつたのでありまするが、次に申上げまする見返資金の債務償還二百億という予定がなかなか話がまとまりませんので、二百億の撒布超過になるかどうかということは疑問でございまするが、只今のところ昨日現在では百五十億ばかりの撒布超過になつております。八月、九月は税が入ります関係上、少し引上げ超過になりまするが、七—九の第二四半期におきましては大体撒布超過になる。或いは引上げ超過をさせないよう努力いたしておるのであります。第三四半期は御承知の通りに米の買上或いは又年末等におきまして通常のごとく相当の撒布超過になり、第四四半期は租税徴收等で引上げ超過になつて年度を終る、こういうふうな状況に相成ると思うのであります。  次に地方税でございまするが、地方の收入が得られませんので、御承知の通り地方税法案否決に伴う善後措置といたしまして、四—六に四百億の平衡交付金の繰上げ支給をいたしました。又預金部の方からつなぎ資金といたしまして二百億円を支出することにいたしまして、平衡交付金の四百億円は皆出ましたが、預金部資金の方は百八十億ばかりしか出ません。從いまして回收を入れますと百六十億程度の預金部資金が四—六に出た状況に相成つておるのであります。七月におきましては二百十八億円の平衡交付金を出すことにいたしております。若し出さなければ預金部の短期融資をいたそうとしておるのであります。今のところ二百十八億の平衡交付金は大部分出るようなことに相成つております。地方税法案が通過いたしまして八月一日から執行することになれば、地方税の方は相当の收入を得ることになりますけれども、平衡交付金の支出は暫く待ちまするが、預金部から出ておる分の引上げにつきましては、地方財政の状況を十分見まして適当なときに適当な計画でやつて頂くような恰好で行きたいと思つておるのであります。  今年度の予算を執行してどういうような結果になるだろう、こういう見通しでございまするが、只今のところいろいろ問題もございます。私といたしましては歳出面では或る程度の剩余が出るのではないかという考を持つております。どういうところから剩余が出るかと申しますると大体価格補給金で剩余が出るのであります。この最も出る理由の主なるものは大体輸入食糧が値下り、即ち小麦或いは米にいたしましても予算見積当時よりは小麦価格も米価も主として下がるこういうことによりまして輸入補給金が非常に減ることになると思うのであります。その他国内の補給金につきましても思い切つて削減いたしておりますので相当の金額が出るのではないかと思います。併しながら小麦もずつとこれから下るままで行くわけでもございませんが、今の状態を持続するならば百億余りの補給金の減は出るのではないかと考えております。尚一般の予算の執行につりきましても、物価の値下り状況を考えまして、或いは予算を組んでから後のり定員法の改正によりまして定員の数が減つたりなんかしております関係上、一般費目につきましても或る程度の剩余金が出るのではないか、又できるだけ定員の欠員は補充する考えでおりますが、この経費につきましては節約する等、できるだけ予算の削減を企図いたしておるのであります。歳入の方におきましては先程申上げましたように、一般の状況は全体として租税の方はいいのでございまするが、租税の大宗をなす所得税、殊に又所得税の中の重要なる部分の申告納税につきまして徴收が懸念せられておる程度であります。ただ新聞に発表しておりますように滯納が千二百億余りあるのであります。このうち申告納税の所得税が八百億余りあるのであります。これには審査請求、異議の申立が出ておりますので、只今早急に処理いたしまして訂正すべきものは速かに訂正いたしまして、徴收すべきものは適当なる時期にできるだけ早く徴收するようにいたしておるのであります。併しこれもやはり金融財政政策と兼ね合つてやらなきやならん問題でありますので、滯納処分その他につきましては十分配慮して行きたいというふうに考えておるのであります。大体今のところでは今申上げたような見込でおるのであります。  次に三十四年度の剩余金の見込でありまするが、大体まだ見当だけでありまして正確な数字はもう暫く待たなければなりませんが、百七十億程度剩余金が出るのではないかと考えております。そのうち剩余金の出ます主なる原因は、終戦処理費の剩余金が百二十億円ばかりございまして、それから租税收入の自然増が三十億ばかりあつたのであります。この租税の自然増收の主なるものはいわゆる税関の方の收入が案外多かつたのであります。国税におきましては殆んど五千何百億程度のものであつたのであります。それから一般人件費或いは物件費につきましては不用額が相当出たわけであります。歳入の方で減が出たのはたばこの益金でございまするがこれは大体二十億余りの歳入減が出ました。まあこういうような条件を見まして大体百七十億円程度の剩余金が出るのではないかという見込みを持つておるのであります。  それから今年度の問題といたしましては、今国会で問題になつております国家警察の予備隊創設、或いは海上保安庁の拡充等によりまして相当の金額が必要であるかと思うのでありますが、これは一般会計から計画いたしておりまする債務償還から出すことになつておるのであります。この警察予備隊の経費につきましては、只今どれだけ要るのか私のところに予算の要求が参つておりません。近日来ることであろうと思うのでありますが、只今のところ何とも輪廓を申上げる段階になつておらないのであります。  尚二十六年度の予算につきましては、これは先般の国会でも申上げましたように債務償還をやらないこと、又価格補給金を思い切つて削減すること、その理由として肥料とか鉄鋼を止めますと同時に、麦の価格或いは米の価格を上げないことによつて、又外国の市場が下がることによつて、補給金が相当削減されると思うのであります。大体今年御決定を得ました九百億の分で今年度百億余りからの剩余が出るということを申しましたが、明年度においては九百億円が大体五百億円ばかり減つて、まあ多くて四百億円ぐらいを組めばいいのではないかというような考えを持つております。そういたしますと債務償還はしない、或いは補給金を減らすこと、その他できるだけ経費の節約等によりまして、私は九百億円の財政規模の縮小と申しますか、財源が出て来るのではないかという考えを持つております。從いまして九百億円の分をどういうふうに使うかという問題につきましては、ここで私は七百億程度の国税の減と、そうして残りをペースの引上げ、或いは社会保障制度、又文教施設の拡充、失業対策、こういうような方面に四五百億を向けようという計画でおつたのであります。併し警察予備隊或いは海上保安庁の拡充ということになりますと、この千九百億の割振り方につきまして新らしい構想を練らなければならん。又この費用を賄うために既定経費の思い切つた節約をやつて、どうしても減税とか或いは一般国民生活の安定の社会政策的施設、或いは教育の拡充、こういうことを成るべく減らさないようにして行きたいという考えの下に、只今折角検討を続けている状況であるのであります。  次に御参考に金融の問題について申上げたいと思いますが、先程のごとく今年度に入りまして経費の方は三百四億円の引上げ超過になりました。どうしても通貨の現在量を維持しできるだけ金詰りを緩和するという意味におきまして、第一四半期におきましては財政の引上げ超過に相応いたしまして金融政策の方で日本銀行よりこの引上げの三百四億に相当する三百二億余りの金を日本銀行の信用供与によりまして、貸出し増加という結果を現わしまして金融と財政の一体化に努めたのであります。從つて日本銀行の貸出は千四百六十億を最高といたしまして未だ曾てない貸出の数字を見たのであります。昨年の四—六の時におきましては、日本銀行の貸出は六百億七百億或いは六月末の最高が七百九十億の貸出があつたのでありますが、今年は財政のしわを金融で埋めるという考えの下に貸出増加をして参りましたから、昨年より倍とまでは行きませんが千四百六十億までの貸出を見たのであります。この点につきまして一部議論があります。財政のしわを金融で蔽うことはいやだ、又やるべきだという議論がありますが、これはとにかく財政金融は一体をなして経済の運営を円滑にして行かなければならぬという趣旨の下に、日本銀行の政策におきましてもしわを直して行くという方法で行かせておるのであります。幸いに千四百六十億の貸出も今年になりまして平衡交付金を早期に出します等、いろいろの措置をいたし、先程申しましたように政府が本月の撒布超過が百二十億程度でございますので、一時千四百六十億の貸出があつたのが昨日末は千二百億を割つておるような状況で行つておるのであります。でこの五月頃から六月にかけて非常な金詰りという声が強かつた。私が向うから帰りまして状況を見ますと、これは非常な金詰りでございまして、今までの金詰りは民間産業界の金詰りが主であつたのでありますが、五月の末から六月にかけては産業界は勿論銀行の方も金詰りになつたのであります。そこで私は先程申上げましたような手を打つたのでありますが、この銀行の金詰りの原因は預金の増加が思うように行かなかつたのであります。毎年三月の決算期におきましては例の年度末のドレツシングで相当の預金の増加を見まして、四月におきましては実質的の預金の増加があるのでありますが、形式的には一応減をするのが普通の状態であります。その例に洩れず本年四月におきましては預金の減がありました。併し五月は相当預金は殖える月なのであります。昨年におきましても市中銀行で二百数十億円の預金が増加したので、五月には預金が殖えるという計画の下に貸出計画を立てて貸出を実行した。然るところ二百数十億円例年殖える預金が五月におきましては八十億円余りしか殖えなかつた。そこで市中銀行が金詰りを起したのであります。併し六月になりまして預金が先月の八九十億円に比べまして二百億円しか増加いたしておりません。五月のピークの際に日本銀行が貸出をやつたのでありますが、これは余り貸出しが多過ぎるというので銀行の当局者も驚いたのでありますが、工業手形の再割につきまして貿易手形のように無制限にやるということを止して、そうして工業手形は担保として取るというふうな私金融の方法を変えて来たものでありますから、非常に今度金詰りを起すというようなことが民間に伝わつたのでありますが、全体といたしましては日本銀行も相当財政の皺に応ずるように貸出を増加し、そうして六月になりまして預金が殖え只今も今月になりまして預金の増加は順調に行つております。從いまして今では銀行の金詰りも緩和し從つて最近は東京市場におきましても六十億ばかりのコールが出ております。金利も一銭六厘程度になつておりまして銀行の金詰りも緩和いたしております。從つて今の日本銀行の貸出も最高のときよりも二百六、七十億減つたというような状況に相成つておるのであります。何と申しましてもこのインフレから安定経済へ移り変ります場合におきましては、いろんな困難があるのであります。金詰りだとか不景気だとか或いは失業者が出るとかいろんな文句が出て参りますが、あの惡性インフレから経済安定へ移り変るときは並大抵のことではない、世界の歴史が示しますごとく普通尋常のやり方では越え得られないのが一般の人の心得べき事柄であるのであります。決してこのインフレから安定経済に移りますときを生やさしいものだと思つて、その途中の困難に会つた場合に尻込したり不平を言つたりなんかするようなことがあつてはいけないと思うのであります。幸い皆様方の御協力によりまして、私は今までのところはこの難関を大体まあスムースとは申上げませんが、凹凸線をとりながら越えつつあるのではないかと思つておるのであります。まだまだ十分ではございませんが何とかしてここを切抜けたい。今までの結果は私は大体予期の通りに行つておると思うのであります。で今後におきましてもこの金詰りを打開し又失業者問題を解決いたしまして、そうして自立経済をやるときにはどうしても資金の運用を効率的にしなければならんと思うのです。  そこで資金の運用につきましては問題は見返資金でございます。そうして又預金部資金の運用でございます。私はこの見返資金と預金部資金とを常に頭に入れておりまして、これを、どういうふうにして運用して行つて金詰りを緩和し産業資金の供給を潤沢にしようかと日夜苦慮しておるのでありますが、見返資金の状況は御承知の通り芳ばしくございません。昨日現在でまだ四百五十六億円の金が遊んでいると申しまするか、或いは見方によつては食糧証券を買入れておるのでございますから運用しておると申しまするか、とにかく食糧証券に四百五十億円の金が使われておるのであります。で今年度になりましてからの見返資金の運用は大体通信の方に七月の十日頃までで四十億、これは百二十億円のうち四十億円出ております。それから国有林野の方へ予定三十億円のところが六億円出ております。私企業の関係の方では御承知の通りに銀行、即ち興銀、勧銀、農林中金或いは商工中金、北拓、この五行に向つて五十二億円の優先株の引受をしております。造船の方に四億円余りを出しております。それから中小企業には御承知の四—六の二億円を出しております。それから進駐軍の住宅を建てますあの五十億円の予算のうち二十一億円がすでに出ております。こういたしますと七月の十日までに百二十六億円出ておつたのでありますが、三、四日前に通信関係四十億円のところ、もう十五億円出ました。それから国有林野の方へ十億円出ました。その他進駐軍住宅の方に八億円出まして、只今のところ本年におきまして見返資金は百七十億程度出ておるのであります。併しそれにいたしましても年度に繰越したものは百五十億円足らず百四十八億円の今年度への繰越があつた、百七十億円出しても四百五十億円になつて二百億円ばかり殖えております。この三百億円を早急に一つ運用して行きたいというので関係方面とそれこそ毎日折衝いたしておるのでありまするが、まだこの点ははつきり申上げる段階に至つておりません。困りますのは御承知の通り昨年百億円出しました水力の開発の分が七月から八月の半ばに金がなくなつて、これを途中で止めますと折角やりかけた工事が挫折いたしますので何とか出してくれということを言つているのでありますが、電力再編成の問題と絡みましてなかなか出そうにございません。併し我々としては極力この方面にも出すように努力いたしたいと考えております。形は変つてもとにかく見返資金をできるだけ早期に有効に使おうというのが私の最も力を入れている点であります。  次に問題になります預金部資金でございますが、御承知の通り昨年度におきまして預金部資金は六百四十四億円殖えました。即ち二十四年の二月末におきましては千百八十億円ぐらいのところへ昨年度中に六百四十四億円殖えて、そういたしますと千八百億円になつております。本年度になりましても銀行の預金は先程申上げましたように四月、五月は非常に伸びなかつた、農協の金も余り伸びておりませんが、郵便貯金だけは非常な勢いで伸びているのであります。五十億円或いは五月は七十億円ぐらいの増加になつて今は六月末で二千億になんなんといたしておるのであります。勿論この三千億になんなんとする金は地方債に六百五十億円、国債を六百五十億円、これはまあ六百四十億とか六百三十億とかで大体のラウンド・ナンバーでありますが両方で一千三百億円の国債を持つております。それで市中銀行に大体昨年の暮百億円預けて、そうして又糧券を二百五、六十億円持つている、そうして又一般の市町村へ短期金融として百八十億円ぐらい出しておる、その他でやつておるのであります。只今のところは預金部に金は余つておりません。金は余つておりませんが、ただ強いて言えば二百五、六十億円の糧券に運用している金が余つていると言い得るのでありますが、今後地方団体に貸しております百七、八十億円の金と銀行預金にしております百億円の金と、又公団に貸しております百数十億円の金が却つて郵便貯金、厚生年金、簡易保險がどんどん殖えて参りますということになると、今年度におきます預金部の運用し得る金は預金部の国債の債務償還がなくても相当の金額は貸せるのであります。預金の殖え方によつて違いますが八百億円程度は貸し得る金があります。これをどういうふうにするか、八月からどんどん殖えて来年の三月までにそういうふうな金になつて来る。これを一般産業資金に使いたいというので、即ち一般産業資金と申しましても金融債を引受けるとか何とかいうような方法で使いたいのでございますが、これ又関係方面との折衝が思わしく行つておりません。併し何といたしましても見返資金が溜り、預金部が溜り、一般民間は金詰りと、こういうようなことがあつてはとんでもないことでございますので、先程申上げましたようにこの両資金の活用ということが私共の最も重要な任務だと考えておりまして日夜苦慮し折衝に当つておる状況であるのであります。徐々に目的を達し得ることと思つております。又達しなければならんというので努力を続けております。  次に債務償還の問題でございまするが、債務償還は千二百八十億円、このうち大体一月から六月までには百七十億円はかりのものをやつております。で先ず一般の人の持つておられる証券を返そうというので直ぐ頭に上つて参りますのが農地証券、あれは三十年間のものでございましたが、農地証券の八十何億円ですが、これを早く返そうというのでやりまして、四月から六月までに四十億円余りを償還いたしました。今後も続けて申出があり次第やります。それから電話公債三十億円それを償還いたします。これで七十億円、今度は一般金融の方におきましても大体金融機関の持つておるのを八十億円、百億円の予定でおつたのでありまするが銀行の方は八十億円、その他の小額国債は二十億円でありまして、只今のところ百七十億円を六月までにやつておるのであります。銀行の方も八十億円の債務償還をいたしましたため、これを以ちまして金融債の引受けをいたしております。興銀が逸早く債券を発行し、勧銀も十三億円或いは又農林中金も十億円、商工中金も四億円、こういうふうに六月中に金融債を発行しまして全部引受が終りました。今月に入りまして北拓が七億円くらい、出しましよう。又他の金融機関もどしどし金融債を出しまして長期金融の方に乘り出すのでありますが、この金融債の発行と債務償還を見合いまして、そうして債務償還されたものが金融債に行つたり一般の貸付に行くように仕向けて行こうとしておるのでありますが、大体予定通りに行つておると思います。從いまして極く最近は即ち五月から六月にかけましてはちよつとピークが出て参りましたが、七月に参りまして金融の状況が普通の状態に相成つて来ておるのであります。  ここで申上げなければならんことは資本市場の問題であります。御承知の通りに昨年は六、七ケ月の間に株式の新規発行が七百数十億になりました。一月から六、七月頃までの間に七百数十億円の株式の発行を見たのであります。そこで金詰りになつた、株もたれというので秋からどんどん下つて参りました。株価が下りますと増資は困難でございますので、今年度に入りましてから株式の発行が非常に衰えまして大体一、二、三、四、五、六は十七、八億円から二十億前後、昨年に比べまして殆んど五分の一とか八分の一とかいうふうな激減を見たのであります。併し何と申しましても長期資金は必要でありますので、株式の発行に代つて社債の発行が相当伸びております。株式の発行以上の社債の発行が行われつつあるのであります。こういう状態のときに朝鮮事変が起りまして、今まで非常に下り過ぎた株価が上昇の恰好をとつて参つたのであります。最近における一番下火の相場は東京取引所の平均株価が七月六日には六十二円四十銭であつたのが七月七日頃から上り気味を見せまして、十八日までに相当の即ち多いときには九百万株を超えるという戦後未曾有の取引の結果、六十二円四十銭というのが七十九円八十九銭にまで上り、そこで一昨々日、一昨日とちよつとした下落をいたしまして七十九円が七十五円余になりましたが、昨日はちよつと上り気味になつております。今日の相場はまだ聞いておりませんが、大体株式は順調な経過を辿つてこれから上昇を続けるのではないかという見通しを持つております。何と申しましても会社の経理状況は最近よろしうございます。これは極く惡い会社もあるのであります。今までとにかく四苦八苦して来たのがここで持ち切れんようになつた会社もありますが、全般といたしまして会社の收益状況はよくなつて参つております。配当も昨年に比べましてどんどん配当する会社が多くなつておる、増配も多くなつておるというので、全体を通じまして株式の配当はよくなつて参りますから、今年の一月から七月六日までの相場を底にいたしまして今後相当出て来ると思うのであります。今回の取引所の取引が非常に多くなりまして、三百七十万株或いは六百万株、九百万株、過当投機を考えてこの際手を打つべきではないかという人がありますが、私はこういう人とは見解を異にしております。今こういうときにあのくらいの相場になつたのは大体単価が安くなり過ぎておる、前は千株くらいを取引しておる、今大体三分の一から二分の一くらいになつておりますから、千株取引する人が今は二千株取引或いは三千株取引してもいいというくらいになつております関係上、相当程度の取引があるのはそんなに心配は要らないと思うのであります。この際私は自然の成行きに任せで経済の本当の力を取引所に現わすような方向で指導して行きたいと考えておるのであります。尚株式対策或いは証券対策について從来から云々せられておりまするが、私は積極的に政府がこれにどうこうということを全般的にやるべきではなく、先ず証券会社といたしましては、証券業者が資産内容をよくすることが第一であると考えまして、これに関する法案を本国会に提案するつもりでありますが、証券業者の資産内容をよくするということに私は先ず業者が努力し、金融機関がこれを助け、又政府としてもこういうことを勧奨しようとしておるのであります。証券業者の内容がよくなれば証券の流通も円滑に行きますし、又大衆もこれを信用して証券投資に向うようになりますので、私は証券対策としては只今のところ取引所の内容強化に努めることが第一であろうと考えておるのであります。  尚この機会に先般選挙前に吉田総裁より自由党の政策とし、或いは又その後吉田内閣の経済財政政策として出しました輸出金融金庫、並びに中小企業に対する措置につきまして簡単に申上げたいと思います。輸出金融金庫は我が国の貿易を進展させ、そして援助資金がなくなつたときの自立態勢を整えます上においては、どうしても輸出振興より外に手はないのであります。私はアメリカへ行きます前に通産大臣のときにこういう考えを起しました。そうして向うへ参りましてもこの点につきまして折衝し、大体同意見で帰つたのであります。その後法案の立寄に当つておりまするが、いろいろな点で内外共にいろいろな意見が出まして、即ち船頭多くして船山に上るというような恰好になつておりましたが、いずれにしても早く出さなければいかんというので今日閣議決定いたしまして最後案を持つて来ておるのであります。先方とはもう一ケ月以上も折衝を重ねておりますので早急にできると思いまするが、これには大体只今のところでは見返資金を流し込んで行く、そうして外国の業者に信用を与える、クレジツトを与える、そうして実際は金が国内の輸出業者、製造業者に出て行く、こういう建前を原則といたしまするが、国内の製造業者貿易業者に対しましても或る程度融資する、事前融資の途も用いたいという考えを持つておるのであります。而うして今は一応円資金を出資することにいたしておりまするが、最近の我が国の輸出の上昇によりましてドル資金も相当政府の資金として持つておるのであります。又朝鮮事変の勃発によりまして、私は成る程度のドル資金が輸出の恰好で入つて来る、こういうことを考えまするが、アメリカの東南アジア政策のポイント・フオアの問題とも兼合いまして、この輸出信用金庫は円資金の供給のみならず、ドル資金のクレジツトにも乘り出すべきだというふうな構想の下にやつておるのであります。今一度にそういうところまで進みますかどうかは疑問でございますが、とにかく我が国の自立経済のためにはどうしても輸出金融金庫を作り、そうして主として東南アジア方面に日本の品物を買う資金を与える、こういう恰好で行きたいというのでやつておるのであります。  中小企業金融につきましても、とにかく何と申しましても日本の経済で八千億円程度の銀行の預金では、これは十分な金融はできないことは皆さんお分りだろうと思います。この金詰りということは日本に資金の蓄積がない、まだ敗戦後十分のときもなし経済力もなかつたために、各方面に金融をしますところの資金の蓄積がない、これが一番の問題であります。我々は今後資金の蓄積ということに財政金融政策を進めて、できるだけ資金の蓄積をよくすることが第一、そうして蓄積せられた資金を全般に流れるようにして行かなければならない。大企業の方は流れ易うございますが、中小企業の方にはなかなか流れにくい。そこを我々は中小企業金融としてやつて行くのでありまするが、この問題につきましても先般来たびたびいろいろな方法をとつておることを申上げておるのでありますが、見返資金の三億円を殖やすとか資金源を強化すると同時に、片一方におきま、ては中小企業が借りいいようにする、中小企業に出て行かないのはいわゆるコンマーシャル・ベーシスによつて銀行が貸すだけの信用を与えないということが根本の問題でありますので、中小企業が何とかして借り得るような制度を一つ布いて行つて、金の流れます途を作ろうといたしておるのであります。これはもう新聞にちよいちよい出ておりますように政府が保証する制度にあるわけであります。一定の保証料をとりまして一定額の保証をする、こういうような方向で進んで行きたいと思つて只今やつておるのであります。中小企業金融につきまして言いますと、中小企業でなしに零細中小企業というものも考えなければなりませんので、こういう問題につきましては国民金融金庫を思い切つて拡大する、それには政府の出資を殖やすのみならず、他からの借入金を認めるような制度を設ける。これができれば本国会に出したいという只今話を進めておりまするが、補正予算の問題がございまして、本国会には間に合わんかも分りませんが、次の臨時国会があればそのときには出せるようなところまで行くと思うのであります。  最後に朝鮮事件の影響並びにこれが対策でございますが、事変勃発以来アメリカのECA又アメリカ八軍の方から臨時物資の買入が行われておるまうであります。まだその金額は集計ができておりませんが、主なものはセメントとか罐詰とか或いは労務者の採用とかいろいろなものがあるのでありまするが、これにつきましてはその支払方法、その他につきまして関係方面と十分打合せをいたしまして、別途にドルを稼ぎ、そうしてそれが円資金として一般に支払われる、それで稼いだドルはこれを以て早期輸入計画を立てる、そうして朝鮮事件が日本の経済をインフレにしないように、やはりデイスインフレの線を堅持しながら生産の増強に役立つように、貿易振興のためになるように輸入計画を立てて行くようにいたしておるのであります。衆議院の方で終戦処理費を使つておるのではないかというお話でございましたが、原則として終戦処理費は使つておりません。最近の問題でございまするがこれを附け加えまして一応のお話を終りたいと思います。

波多野鼎日本社会党

○委員長(波多野鼎君) 只今大蔵大臣から概括的な説明を受けたのでありますが、この説明に対する質問は次回に延期いたしまして、本日はこれで閉会することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

波多野鼎日本社会党

○委員長(波多野鼎君) それでは本日はこれを以て閉会いたします。    午後零時二十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     波多野 鼎君    理事            石坂 豊一君            野田 卯一君            羽生 三七君            伊達源一郎君            藤野 繁雄君            東   隆君            岩間 正男君    委員           池田宇右衞門君            泉山 三六君            大島 定吉君            工藤 鐵男君            中川 以良君            平岡 市三君            佐多 忠隆君            原  虎一君            若木 勝藏君            飯島連次郎君            楠見 義男君            高良 とみ君            西郷吉之助君            櫻内 義雄君            一松 定吉君            堀木 鎌三君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君   政府委員    大蔵省大臣官房    長       森永貞一郎君    大蔵省主計局長 河野 一之君

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