郵政委員会 第1号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/07/19
会議録
○委員長(大野幸一君) それではこれより委員会を開会いたします。 参議院規則第三十條の二によつて理事の互選をいたしたいと存じます。本委員会の理事は二名でございます。互選の方法は如何いたしましようか。
○石原幹市郎君 只今議題となりました理事の互選の件につきましては、成規の手続を省略いたしまして、委員長より御推薦願うことの動議を提出いたします。 〔「動議に賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大野幸一君) 只今の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大野幸一君) 御異議ないと認めます。それでは深水六郎君と柏木庫治君を理事に御推薦いたします。この両君を理事にお願いすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大野幸一君) 御異議ないと認めます。理事はこの両君に決定いたしました。 —————————————
○委員長(大野幸一君) 次に郵政事業の独立採算制等に関する調査承認要求書を提出いたしたいと存じます。お手許の要求書案を御検討願います。念のために専門員をして朗読いたさせます。
○専門員(生田武夫君) 朗読いたします。 郵政事業の独立採算制等に関する調査承認要求書 一、事件の名称 郵政事業の独立採算制等に関する調査 一、調査の目的 現行郵便料金制の適否、特定局制度の在り方、簡易保険事業の運営等を調査し郵政事業の今後における適切なる運営方策を確立する。 一、利 益 郵政事業の公益性と独立採算制との調整に寄與する。 一、方 法 関係官民の意見を聴取し、資料を要求し、又必要に応じて各地を視察する。 一、期 間 今期国会開会中
○委員長(大野幸一君) 原案通り調査承認要求書を提出することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大野幸一君) 御異議ないものと認め、早速議長宛に手続を取ることにいたします。 —————————————
○委員長(大野幸一君) 次に大臣より所管事項について説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大野幸一君) 只今大臣は他の委員会に御出席のようでありますから、暫らく速記を止めまして、懇談を願います。 〔速記中止〕
○委員長(大野幸一君) 速記を始めて下さい。この際大臣が御出席に至るまで折角でありますから、政府委員のお方に対して御質問のある委員の方はどうか質問をして頂きたいと思いますが、如何でございますか。
○石原幹市郎君 質問というよりも、ここの例えば郵便事業の独立採算到とか簡易生命保険積立金の運用など、いろいろ問題が提示されておりまするが、こういう問題についてお話願つたらどうかと思うのですが、如何でございましようか。
○三木治朗君 賛成です。一応の御説明を政府委員よりお願いいたします。
○委員長(大野幸一君) それでは政府委員よりお願いいたします。今の課題になつておりまするところの例えば郵便事業の独立採算制、郵便貯金事業の復興と預金部収支、こういうこと等に関し、所管政府委員の方から簡単なる御説明でも頂きたいと思います。
○説明員(大野勝三君) 只今委員長からお話のありました郵政事業の独立採算制、或いは簡易生命保険積立金の運用の問題等につきまして、概略を申上げて御参考に供したいと思います。 郵便事業の独立採算制につきましては、昨年度郵政省が新発足いたしましたときの予算におきまして、終戦後初めてと申しますか、終戦後初めて予算面におきましてはバランスのとれました予算ができ上つたのでありましたけれども、これを実行いたしました結果から考えてみますというと、昨年度におきましても結果的には独立採算の維持ができなかつたのでございます。勿論この非常に尨大な組織と人員を擁して、而も都鄙くまなく行渡りました郵便機関を正常に運行いたしますためには、相当能率経済の点におきまして考えなければならない点が多々ございますので、それらの点につきましての我々の努力の足りない点もこれを認めなければならないのでございますけれども、何と申しましても予定した収入が上つて来ないために、どうしても収支のバランスをとることができなかつたというのが事実でございます。と申しますのは、歳出面におきまして相当の節約を図ることはいたしましたけれども、併し只申今しましたような全国に遍くありますところのこの郵便或いはその他の郵政機構を動かして行きます上に最低限度必要な経費というものはこれは節約し得るといたしましても、凡そ限度がございますので、どうしてもその結果収入だけを以て賄い切れない、若干の足が出るということを防ぎ得なかつたような状況でございます。幸いにいたしまして丁度郵政会計が受継いで持つておりました現金に若干の余裕がございましたので、それを穴埋めに実際において用いますことによりまして、それから又御承知の寒冷地手当、石炭手当といつたような昨年度当初において予想されなかつた経費の支出につきましては、一般会計から四億何がしでございますが、特に繰入を認められましたような関係もあり、それからをう一つ先程も申しましたような経費面の節約を極力図るというようなことによりまして、昨年度は收支の辻褄を合わせることができましたので、恐らく決算も、只今決算の手続中でございまして、不日でき上ることと存じますが、決算面におきましてはどうにか辻褄が合つたものができる見通しでございます。 で、今年度におきましては、勿論御承知のように独立採算制の要請は非常に厳しいものでございます。予算面は勿論收支のバランスのとれたものにできておりますが、併し又今日予算面も単なる辻褄を合わせるという意味でなくて、收入の面ではできるだけ前年度の実績を参考といたしまして、手固くこれを見積り、歳出の面におきましては極力無駄な経費はこれを排除いたしまして、最小限度必要な経費を計上するという方法をとることによりまして、バランスのとれた予算を今成立いたしましたのでございますけれども、四月、五月、大月の実績を見て見ますというと、依然としまして收入が予定より遥かに下廻るという結果に相成つておるのであります。これは郵便物の数の見込におきましてはさしたる狂いはないように思われるのでありますけれども、ただその内容の構成が、例えば封書つまり手紙でございます。それと葉書との関係を端的に比較して見ますというと、封書よりも葉書の方に通信の量がずつと庁寄つて来る傾向が顯顕著になつて来る、それから又、これは、郵便のサービスが或る程度回復いたしまして、郵便事業に対する信頼が高まつたという意味におきましては喜ぶべき現象ではございますけれども、多少見積つておりました收入の面から見ますというと注目すべきことは、例えば速達とか書留とかいつたような特殊取扱の件数がずつと減つて来ております。このことは只今申上げましたように、それだけ速達にしなくても、書留にしなくても郵便のサービスそのものがスピードアツプされ、又安全確実になつたということを物語るものではございますけれども、そういう特殊取扱から来る一種の増料金が少くなつて来るということは、それが收入の面からはマイナスに響いて来るということであります。主なる例を挙げて見ますというと、そんなようなことでなかなか本年も前途誠に赤信号をすでにはつきりと我々は前途に見ておるという恰好になつて、相当警戒を要すると思うのであります。そういつたようなわけでございますので、何とかしてこの郵政事業の独立採算という線に沿つた経営の合理化と申しますか、能率化、経済化を図るべく今懸命にいろいろな面から検討をいたしておりまして、このためには相当思い切つた郵政機構の内容についても全く考えを新たにした構想を以ていろいろ工夫をして参らなければならんのではないかと考えておりますが、まだそれらの具体的な点につきましては、只今この席で御報告申上げる程度に至つておりませんので、お許しをお願いしたいのでございます。 保険その他の問題につきましては、丁度本日拝見いたしますと、当委員会におかれまして極めて詳細な而も極めて的確な資料をお作りになつたようで、私共も却つてこの資料に啓発されるような感じがいたしておりますので、私から蛇足を加える必要もないと考えられますので、この辺で端折らせて頂きます。
○委員長(大野幸一君) それでは、只今大臣が御出席になりましたので、所管事項についてお聞きしたいと思います。
○國務大臣(田村文吉君) 今回図らずも私が郵政省の仕事を受持つことと相成つたのでざいますが、御承知のごとく郵政事業につきましては全くの素人でありまして、今後共皆さん方の御鞭撻を頂きつつこの大任を果したいと思うておるのでございまして、本日の委員会の席を借りまして、御挨拶かたがたお願い申上げる次第であります。 申上げるまでもなく、郵政事業にいたしましても一つの企業でありまする以上、公企業と私企業の違いこそありましても、一般民間企業と一般相通ずるものがあろうかと存ずるのであります。殊にこの事業が好むと好まざるとに拘らわらず独立採算制の下に経営されておる実情から考えますと、更にその感じを深くするのであります。もつとも郵政事業の特質でありまする公共性というものは他の私企業と著しく粗違いたしておるのでありまして、むしろこの点から見まするならば採算を度外視いたしまして、その福利民福を図るべきこととなろうかと思われるのでありまするけれども、独立採算という至上命令からいたしまして、赤字経営をそのままに放置することも許されないのでありますから、郵政事業経営の苦心はこの間の調整を如何にすべきか、如何に合理化すべきかという点にあろうかと存ずるのであります。幸いにいたしまして、各事業とも当局の努力によりまして概ね戦前の姿に立返りつつあるわけでありますが、郵便事業におきましても甚だしい経営難に陷りまして、毎年赤字に苦しみ、今年度に入りましても大月までに業務收入において、実績は予定收入を相当大幅に下廻つておる状態でありまして、当局といたしましては種々増收対策を講じておるのでありまするが、逐年増大する赤字を克服いたしますことは甚だ困難な状態にありまして、この際郵便料金の徴集、その他経営の合理化等につきまして根本的な施策を講ずるの外は途はないかと存ずるのであります。併しながらかような問題は一般社会に與える影響も相当大なるものがありますので、愼重に扱いたいと思つております。 次に、簡易保険積立金運用再開の問題でありますが、昨年十月日本政府といたしまして、関係筋に対しまして正式に運用再開の許可を懇請いたしまして以来、速かなる再開を期待して鋭意折衝を続けておるのでありまするが、最近における関係方面の意向も次第に当省の主張の方向に傾いて来ておる模様であられます。いずれにいたしましても、これらの問題は郵政事業にとつて極めて大きな問題でもあり、且つ又国民生活に直結いたすことでもありますので、当局といたしましては早期解決を期し愼重に善処いたしたいと存じておる次第であります。何とぞ各位の理解ある御批評とお支援とをお願いいたす次第であります。 尚私就任早々で全く仕事の詳しいことを勉強するに至つておりませんので、本日は次官以下関係部局長にも出席して貰つておりますから、何か御質問がありましたらお答えをさして頂きたいと存じます。
○三木治朗君 私もこの委員会に初めてなんで一向に分らないのでありますけれども、或いは見当違いの質疑になるかとも思いますが、この独立採算制の問題についてすでに赤字が出ておるというお話ですが、まあ人事院の勧告も前々国会に出てそれがそのままになつておりますが、いずれはやはり給與ベースの改訂というようなことも近いうちにあるのじやないかということが予想されるのでありますが、それに対してこう赤字ばかり出ておるということになればいずれ国庫の負担と申しますか、国から出して貰わなければならんということになると思いますが、その場合に政府の方としてやはりこの郵政事業がかような赤字である、この上に又これだけしなければならんというようなことになると、その給與ベース改訂の支障にもなるのじやないかというようなことも考えられるのですが、これは今度の新大臣の大なる手腕によつてその間をうまく切り抜けて頂かなければならんと、こう考えるのですが、大臣の御抱負を一つ聞かして頂きたいと思います。
○國務大臣(田村文吉君) 御尤もの御質問なのでありますが、これはまあ独立採算ということではありますが、併し公務員の給與の問題は実際生活の上から言つてもどうしても上げなければならんというような場合には、ただ独立採算であつて財源がないからというだけでするわけには行かないと思いますので、さような場合にはやはり一般会計から流用をして頂くなりしなければならんと考えております。併し又できるだけ収入を図りますことも私共の方においても必要と考えております。幸いに郵便事業も年々回復率が大きく響いておりますので、この事業も戰前のようにすべての通信が復活するということになりましたならば、相当収入も増加する途もあろうかと思います。その他いろいろ現在の簡易保險の資金運用等の問題もございますので、折角一つその辺の問題を検討して参りまして、できるだけ合理的な経営によつて赤字を少くするということには努力して参りたい。併しまあ給與の問題は今申したように、どうもこの官庁は儲けがないから上げられないというわけにはいかん問題でありますので、そのつもりでおります。
○三木治朗君 これも私一向分らないのですが、今までこの積立金の運用権はどこに行つておつたのですか、簡易生命保險の積立金の運用権は………ところが今度郵政省に返して呉れというお話ですが。
○國務大臣(田村文吉君) 次官から一つ過去の経過を………。
○説明員(大野勝三君) お尋ねのありました簡易保險及び郵便年金の積立金は、三十数年前事業創始の当初以来先般の第二次世界大戰の中途までずつと当時の逓信省におきまして、即ち逓信大臣においてこれを運用して参つたのであります。ところが戰争中に一時当時の国家非常時の体制に応ずるためにすべての国家資金を統一して集中的に運用する必要から、一時契約者貸付という面がございました。つまり旧保險契約に入つた人が自分の契約に応じて保險金を受け取り得る限度内において貨付を受ける制度であります。その契約者に貸付けるというものを除くの外は全部一括保險年金の積立金は大蔵省の預金部に預け入れるということになりました。併しこれは勿論戰争中の非常体制によつてできたことでございますから、戰争体制が終れば当然に本来の姿に復して、逓信省、或いは今日の郵政省の方に戻されるべき筋合のものであつたのであります。ところが終戰の年の翌年の一月に、関係筋から簡易保險、郵便年金積立金は従前通り預金部の方に契約者貸付のものを除いては預け入れろようにという趣旨の覚書が参りましてそれによりまして今日まで契約者貸付以外の一切の積立金は預金部に預け入れまして、預金部から確定利子、比較的低いものでありますが、確定利子を保険金特別会計に繰り入れるという形で今日までやつておりました。ところが問題はこういう形が如何にも保險事業、年金事業の特別会計の本来の建前から言つて変則的な行き方である。それから又保險年金事業を合理的に運用して行くために、どうしても年金を本来社会保障と申しますか、全く公益的の色彩の強い小口保險の進展をバツクアツプするためにも、これが如何にも地方還元の趣旨において運用されて行くことが是非必要なわけでありますから、そういつたいろいろの実際面の妙味が全く殺がれておるということは、保險年金事業運営の上に非秘密に痛手になつておるわけであります。昨年の五月でございましたか、国会の参議院及び衆議院両院におかれまして一致した御決議で、これは一日も速かに元の姿にかえすようにする趣旨の決議がございました。それを受けまして、政府でも昨年の九月に政府部内の意向として、これを積立金の運用を本来の姿に戻す、つまり郵政省の方に戻すということに議が一致いたしまして、それを実現するために、先程申しました関係筋の覚書を取消して頂くように懇請をその筋に出した、ところがそれに対して今日までまだ正式の回答が来ておりません。併しその間いろいろと前大臣及び現在の田村大臣も非常にお骨折りを頂きまして、関係筋と御折衝を頂いておりまして、その形勢日に日によくなつておるように、これは只今大臣からのお話もございましたように、よくなつておるということに考えられるのでありますが、未だ最後の結論が出ていないというのが現状でございます。
○三木治朗君 今のお話で大変分つて来たのでありますが、現在の郵政省の仕事は、要するにお金の儲かる面のものは、いわゆる預金部で引上げてしまつておつて、そうして甚だ採算の合わない仕事の方を受持つてやつてる、従つてまあ赤字か出るのは当然だということになると思うのです。従つて一つ新大臣におかれては、大いに、この何といいますか、郵政に携る従業員のために、最も愉快に明朗に働かれるように一つ十分力を盡して頂きたい、かように考えます。
○國務大臣(田村文吉君) 只今三木委員の御発議に対して十分了承いたしまして、その線で行きたいと考えております。
○石原幹市郎君 折角の機会でありますから、僕らも初めてなものだから、今程度の説明で結構なんですが、要するに郵便貯金事業の復興と預金部収支、その次の特定局長会制度の廃止と、特定郵便局制度の行方というようなことを専門員の方で、こういう問題が相当の問題であるというふうに取り上げておられますので、我々全く初めてなものですから、極く簡單で結構ですら……
○國務大臣(田村文吉君) 只今石原さんからお話のありましたように、説明員の方から今の問題になつておりまする問題を二つ、三つ重要の問題を御説明申上げることにいたしたいと思います。
○説明員(大野勝三君) 郵便貯金の問題につきましては、大体二つございます。一つは郵便貯金が非常に経費の割合が高い事業であつて、ますますその採算的には面白くない傾向にあるのです。これを如何にして合理的に、又経済的な事業として運営できるように建直するかという問題であります。それかつらもう一つは、郵便貯金と一般市中銀行との競争関係でございます。前の問題につきましては、これは郵便貯金が本来小口のいわゆる庶民金融の役割をもちまして、採算的にそれが引合うか、引合わないかというようなことを度外視し、あまねく窓口を全国に普及されるという建前でできております以上、或る程度いわゆる全く純営業本位でその採算の引合うところだけに窓口を設けて行く市中銀行の経営の場合とは趣きを異にすることは、成る程度これは当然だとも言えるかと思います。併しながら確かに御承知のようにこの郵便貯金の仕事は、仕事そのものは費用も経費もすべて郵政省においてやつておりますけれども、その必要の経費の裏付けは大蔵省預金部から一括支給を受けてやつておるわけであります。そこでつまりその経費の支給は大蔵省の立場といたしましては、これは一層合理化され、又本当に採算的に能率の高い経営がされることに非常な関心を持たれることはこれは当然だと思います。自然この毎年のことでありますが、郵便貯金経営のために必要な経費を幾ら大蔵省としては出すべきか、郵政省としては又貰うべきでかという、そのつまり預金部特別会計から郵政特別会計への繰入金の額を決定するときに、常にこのことが問題になつて来るわけです。まあ幸いに市中銀行とは違つた一つの目的、公益性の強い庶民金融の仕事をやるものであるという趣旨、これは異論のないところでございますが、今日までのところ、特にこの問題について、非常に両者困つた立場になるというようなことはございませんが、我々といたしましては、そういうことに拘わらず事業そのものを本当に経済的に、又能率的に経営するような合理化方策というものを着々これは実行に移すべきであるという建前からいろいろとやつております。例えば人の配置、或いは事務組織の簡易化というような点につきましても、いろいろと工夫をこらして今日までやつて来たような状態であります。尚、最近に、将来にそれの特別な研究会なども設けまして、本年度以降におきましては更に徹底した合理化と申しますか、経済化ということをやるということを考えている次第であります。それから第二の市中銀行の競争の問題は、それは極く最近になりまして、今年の春頃からでありますが、主に経済新聞などにときどき、取上げられて問題になつていることであります。と申しますのは、昨今郵便貯金の増加趨勢が非常にすばらしいのでございます。ひと頃、先々月でございましたが、一月に二億以上も、どんどん延びて行くというような日がありました。そうでない普通の月でも一億円を遥かに上廻るような、これは毎日の増加趨勢であります。それに対して市中銀行の予金の吸収が意のごとくならないというようなことから、まあ端的に申しますると、一般市中銀行筋からと思われるような、つまり郵便貯金はすでに優遇され過ぎているためにこのように伸びるのではないか、むしろ金利の状況、或は税金の問題とか、そういうような点では全く市中銀行と同様に扱うべきではないかというような議論が相当に出ております。併しこれに対しましては、まあいろいろと反対意見も成立つのでありますが、幸いに昨今大蔵当局の專門家筋でもこの問題を取上げまして、郵便貯金には郵便貯金としての立場上いろいろな金利或は税金に対する特典などが設けられているのであつて、それらの点の大いなる不合理とか、不権衡な点がないというような見解をとつておられます模様でございますので、だんだん関係筋の間でもこれは了解を受けて、こういつたやや我々から申しましてもいわれのない非難は影をひそめておるのではないかと考えております。 それから特定局の問題でございますが、当委員会でお調べになりました資料にもございますように、明治初年に新式郵便ができまして以来、長い間三等郵便局という名前で国民に親しまれておりましたこの郵便局の業務を円滑に運営して行きますために、各郵便局長が一つの集団ごとに或る程度自主的に業務の研究をし、或いは事故の防止に努め、或いは保險、貯金等の奨励、募集に協力をするといつたような仕事をやつて参つたのでございまして、この特定郵便局長の集団である特定郵便局長会というものが非常に特定局という特殊な、と申しますのは非常に規模の小さい一人か二人の郵便局から、大きいのになりますと五十人、大十人という局もございますけれども、大体において非常に小さい規模の、数の多い全国で一万三千五百近くもあるこの郵便局の業務を整齊に、而も能率的にやつて行く上におきましては、そういつた局長相互の共同精神といいますか、一つの共同動作が非常に役立つのであつたということは否まれない事実でございます。ところがこれに対しましては、すべて官庁間の行政機構というものは上から下まで筋の通つた一本の系統で運営さるべきであるし、その間に自主的な或るグループが協力するという体制は如何なものであろうかといつたような疑問が関係筋から提起されておつたのであります。これは可なり前からそういう疑問が起されておつたのでありますが、最近に至りまして、やはりこれは法律上はつきりした根拠のない一つの団体であるから、たとえその役割は特定局業務の運営に寄與するというような非常にいいものであるにしても、その存在を認めるわけに行かないというような意向がはつきりといたしましたので、これは止むを得ずこの七月末を以ちまして一応解散することにいたしたのであります。併しこの一万三千五百に近い全国にばらばらとありますこの郵便局業務を、一々四県とか五県、小さいところでも二県、以上の広い地域を管轄しております現在の地方機関である郵政局が、非常に目を通して残りなくうまく指導監督ができるかと申しますと、それは人手を殖やしたり、いろいろ経費を使えばできないことはありませんけれども、現在のままの組織、人手においてはなかなかむずかしいことでありますので、又そのために余計な組織を殖やしたり、或いは人手を殖やすということは決して好ましいことではございませんので、特定局長会が解散すれば、これに代るべき何か集団管理の能率的な機構を考えたいと、現在いろいろと研究中でございます。大体の構想もこの資料にすでに取上げてございますが、大体我々の考えと一致いたしたものでございます。つまり十局とか、まあ十五局くらい、郡の單位くらいになりますと、その辺の局ごとに一つの中心局というものを指定いたしまして、その中心局で共通の仕事をそこへまとめまして、いわば隣組式のような仕事をそこでやつて貰う。そうすることによつて従来の組織がはつきりして、殖えたような役割を指定局と申しますか、集中局と申しますか、そういう局が受継いで行くということに、すれば、或る程度能率的な経営ができるのではないかというような構想でしております。それから尚進んで参りまして、もつと合理的に郵便局そのものの機構も考え直して、何かそれを規模に即応した合理的な管理運営かできるような方式を考えたいと思いまして、これ又まだ研究をいたしておるような状態であります。大体問題の要点は以上の通りであります。
○石原幹市郎君 これは小さい問題かも知れませんが、今日丁度大臣も、皆さんお揃いでございますので、私、前前からいろいろ陳情しておつたのでありますが、まだどうも解決してないところが多いと思うので、お願い申上げて置きたいのです。丁度今郵便局制度の話も出たのでありますが、実はこの局の中心局というか、集配局の関係が昔の郡の行政区画で親局、子局というような関係が取られておるのかどうか。まあ福島県の例でありますが、最近省営バス等も通いまして、僅か数時間で行く或る村があるのであります。それが他の郡に属しておりますために、非常な廻り道をしてそこえ郵便物が運ばれる。省営自動車に委託して運ばれれば、二時間か三時間ぐらいで行くところが、場合によつては二日も三日もかかるということがある。それでその村の次の村になりまするというと、そこはもう正常の形で、却つて遠いところが非常に早く郵便物が届いて、割合に近いところがそういう関係上非常に遅れて着く。これを再三その村からも陳情があり、我々もそれをお手伝いしておつたのでありますが、予算の関係とか、いろいろのお話で、恐らくまだ解決されてないと思うのです。こういうところが全国的にもその他まだ相当あるのだという話であつたのでありますが、こういうことは何とかもう少し早く、どのくらい予算の要ることか分りませんが、その地方民の受ける不便というものは非常に大きなもので、県なら県で会議を招集する場合にも、その町村長が会議が済んだあとで招集状が来るということもよくありますので、非常に不便を訴えられておるのであります。こういうことについて格段の御考慮を願いたい、これにつきまして何かお話を願いたいと思います。
○説明員(浦島喜久衞君) 只今のお話は郵便の送達の関係だろうと受取られるのであります。先程次官からお話になりました集中局の建前の問題とは別でございまして、飽くまで郵便業務そのものは個々の局でやる。郡單位に大体中心となるところに共通的に大部分集中するということを考えております。従いまして一応今の集中局の建前と郵便の送達とは別にお考えになつても差支えないのじやないかと思います。そこでお尋ねの点もございますが、具体的にどの地域か、お話がなかつたのでございまして、私も御陳情の内容を或いはうつかりして耳に入つていないかも知れませんが、どこということははつきり分りませんが、大体私共の郵便の業務を運行して行きます一つのやり方といたしまして、郵便が出されましたならば、それを取り集めてそうしてそれを素分けをしまして、宛名に分けます仕事をやつているわけであります。その中で局から他の局に行きますのを或いは自動車を使い、或いは又汽車便を使い、或いは又人手を使いまして、とにかくこの郵便を輸送いたしているのでありますが、お話のようにその村から隣の郡までに非常に迂回して行くというような所がありますのは、多分それはその村から他の隣の郡までは一応汽車便で、鉄道沿線でありますので、汽車に積まれて送られて隣りの村に行く所じやないかと思うのであります。むしろその方が直接自動車便を開くよりも経済的であるという所ではないかと思うのでありますが、直接その自動車便を開かずに、汽車便でやつたために二日も三日も遅れるということはあり得ないと思います。ただ少し距離的には迂回する、これは郵便物の運送順序から迂回するということはあり得るかも知れませんが、そのために二日も三日も遅れるということはあり得ないと思います。併し若しお話のように、具体的にその村から隣の郡に行きます省営自動車を使つてその方を利用した方が早く着くということでございましたならば、計画をよく検討いたしまして、その方が早く着きますれば、その方にいたしたいと存じておりますが、具体的にどこかというお話はございませんので……。
○石原幹市郎君 併し問題は、迂回されているのではないかと思いますが、具体的の例は福島県の安達郡山木屋村です。そこは福島から省営自動車が山木屋村を通過しておりまして、福島から浪江という所へ省営自動車が通つておりまして、その省営自動車に郵便物を委託すれば直ぐ二時間ぐらいで行くのです。ところがその村に集配局がないのだと思いますが、福島から汽車で二本松という所まで行きまして、そこから又自動車で針道という所まで運ぶのです。その針道という所から今度は恐らく自動車でなしに、自転車か何かにつけて運ぶのではないかと思いますが、或いは自動車で持つて行くかも知れませんが、四角形の三辺を廻るような形でそこへ運ばれているのです。そうしてたまに二日も三日もかかるというようなことがあるのでありまして、これは仙台の何といいますか、今大分機構が変つておりますからよく分りませんが、仙台の昔の逓信局です、ここへもたびたび願い出ておりますので、実は私、前の小沢郵政大臣のときにも口頭ですが申上げたことがあるのです。会議の席でも申上げたことがあります。その場合にもそういう例はまだ外にもあつて、そういう村に集配局を設けるにつきましても、集配制度を作るにはいろいろ予算が要るのじやないかと思うのです。その予算が取れないためにそういうところは全国的にまだ相当あるのだということです。これはどの程度の予算が要るか分りませんけれども、そういう極めて短距離な所がある、そういう所は非常に迂回して行つておるのを何か自動車にでも委託するとか、或いはその次の村はもうすでに自動車で運んでいるらしいのです。次の村から逆送されても非常に区間が短縮できると思いますので、全国的にもこういう場所がまだ相当あるというお話も聞いているものでありますから、少し研究して頂いて地方民はそれの解決を非常に熱望しているわけなのです。で、小さいような問題でありますが、今日丁度皆さんお揃いでありますので、実情を申上げたわけです。
○説明員(浦島喜久衞君) 尚詳しく調べましてお答えすることにいたします。
○委員長(大野幸一君) それから私からちよつと伺います。政府の方として今国会若しくは次国会或いは本年の通常国会までに法案として出されるような案件が想像できますのでしようか。事務次官の方にお伺いいたします。
○説明員(大野勝三君) このたびの臨時国会には提出する法案はない見込でございます。それからこの国会以後の国会におきましては、状況によりましては法律案一、二件くらいが或いは提出、御審議を仰ぐようなことになるのじやないかというふうに考えられますが、まだはつきりいたしておりません。
○委員長(大野幸一君) その一、二件というのは、どんな内容が予想されるのですか。
○説明員(大野勝三君) 只今比較的確実に予想されますものは、御承知の通り民間航空が始まるという動きがございます。これが始まりますと、郵政省といたしましては当然航空郵便のサービスを始めたいと考えております。そうすると航空郵便のサービスを始めるにつきまして所要の法律手続が必要になつて参るかと存じますので、その関係の法案の御審議をお願いしなければならないようになるのではないかと考えられますので、その外には一、二件と申しましたが、具体的にまだどうというのではございません。比較的はつきりいたしておりますのは、そういつたものが一例でございます。
○委員長(大野幸一君) 葉書の値上が巷間に伝えられておるのですが、どうしてもこれはいわゆる郵便料金の値上の法案を考えていられるのは、そういう必要があると思つていられるわけですか。
○國務大臣(田村文吉君) 今の問題は非常に重要な問題でありますので、いわゆる独立採算で收入を増加するためには、封書に比べて葉書が非常に安い、その結果葉書は非常に増加しております。併し封書の方は減つております。そういうような関係もありますので、或いはそういう調整する必要があるかというようなことについて審議会もありまして、審議会に御相談しておるような状況であります。又只今のところ、それまでの肚が決まつておりませんので、研究にまで行つておりませんのでありますが、或いはそういうようなことがないとは申上げかねるかも知れません。
○石原幹市郎君 私もその点尋ねて見たかつたのでありますが、最近新聞でむしろあの封書の料金を下げるというようなこともちよつと見たような気がするのですが、先程のお話で封書より葉書の方へ非常に流れておるということで、我々も例の八円と二円の比率が少し封書が高過ぎるのではないか、これを少し下げられると却つて封書の方へ流れて、收入全体からいうと、減らないでむしろ殖えるのではないかというような感じもするのですが、そこらはやつて見なければ分らんことであろうと思いますけれども、この比率はどうも少しとれてないような気がするのでありますが。
○國務大臣(田村文吉君) それで皆様から御意見を沢山承りまして、そうして判断したいと実は思つておるのであります。
○委員長(大野幸一君) 外に何か御質問ありますか……。それでは本日の会議はこれを以て終ります。 午後三時三十八分散会 出席者は左の通り。 委員長 大野 幸一君 理事 深水 六郎君 委員 石原幹市郎君 三木 治朗君 小林 英三君 国務大臣 郵政大臣電気通 信大臣 田村 文吉君 事務局側 常任委員会専門 員 生田 武夫君 説明員 郵政事務次官 大野 勝三君 郵政省郵務局 長 浦島喜久衞君