法務委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/11/20
会議録
○委員長(北村一男君) 只今より法務委員会を開会いたします。 本日の議題は検察及び裁判の運営等に関する調査でございます。本件につきましては、去る八月北海道、東北及び四国に調査のため議員派遣を行いましたので、先ず本日はこの三地方へ派遣されました方々より調査報告を伺いたいと存じます。先ず北海道でありますが、派遣委員であられた長谷山委員が欠席されておりますので、後日御報告を承わることにいたしまして、四国につきまして、山田委員の御報告をお聞きしたいと存じます。
○山田佐一君 四国へ参りました調査の報告を簡單にそれでは御報告申上げます。 当委員会におきまして調査を継続いたしておりましたところの検察及び裁判の運営等に関する調査のため、私は岡部委員と共に、去る八月四国方面に派遣せられることになつたのでありまするが、岡部委員は一身上の都合によりまして、これに参加することができなくなりましたので、私が單独で及川調査委員を帶同いたしまして、八月九日出発いたした次第であります。 先ず調査の目的といたしましては、検察及び裁判の運営等に関する調査の一項目といたしまして、かねて当委員会において小委員会を設けて調査を続けて参りましたところの青少年犯罪に関する事項を主とし、司法行政に関する事項を従として調査することにいたしまして、約十日間に亘り高松、松山、高知、徳島の各家庭裁判所において関係各裁判官、少年調査官及びその他の検察庁少年保護鑑別所、少年保護観察所等の各係官より、青少年犯罪に関する各現地の実情及びこれに対する意見等を聴取いたしました。又丸亀市の少女少年院、少女の家及び善通寺の四国少年院を視察いたし、少年保護施設の現状を具さに知ることができましたのであります。荷その外高松高等裁判所、同高等検察庁、高松矯正保護管区本部及び四国地方少年保護委員会におきましてそれぞれ当該係官より、青少年犯罪及び司法行政に関する管内一般の事情を聽取し、意見の交換を行なつた次第であります。このようにいたしまして、私共は調査の目的を十分に達成いたしまして帰京したのでありまするが、調査の具体的な内容につきましては、調査員の作成いたしました報告書によりまして御了承を願うことにいたしたいのであります。ただ私が特に気が付きました点について二三申述べまするならば、明二十六年一月より少年法の適用を受くべき少年の年齢が、満十八歳から二十歳に引上げられることになるのでありまするが、その点に関しまして、家庭裁判所、少年院の双方より相当強い意見が出たのであります。それば現在の人員、設備では十八歳から二十歳に引上げられることによつて増加を予想せられる少年事件を処理することは極めて困難であるということ及び現在の状況では急速に職員を増加し、施設を拡充するという見通しも付かないということの二つの理由によるものであります。一方検察庁側といたしましても、戰後激増しつつある少年の犯罪事件の現状に照しまして、明年から二十歳までの犯罪少年に対して少年法の特例を適用することはどうも時期尚早ではないかという意見が強かつたようであります。 次に、裁判所書記官及び少年調査官の待遇の問題でございますが、この問題につきましては、各地ともその職責の重要性、その職務の困難なこと等を強調して、その待遇を是正して俸給を是非経済調査官並に引上げるよう、国会としても全面的に協力をして貰いたいという熱心な要望が行われた次第であります。その要望に答えて、本問題は人事院規則の改正によつて、その要望通り解決を見たことでありまするが、いずれにしましても、このような要望は各地において聞かれたところでありまして、その解決は私といたしまして非常に喜んでおる次第であります。以上の他にもいろいろ有益な意見も聞き、又少年問題につきまして、私自身啓発せられるところも沢山あつたのでありまするが、それは前に申しました通り、詳細を報告書に綴つてございますから、よろしく御参照願いたいと思います。 以上を以て私の報告を終ります次第であります。
○委員長(北村一男君) 次に、東北へ行つて頂きました高橋委員から御報告を頂きたいと存じます。
○高橋道男君 東北班は、宮城委員と私とが三原調査員を帶同して、八月十二日から秋田、青森、岩手の三県下における検察、裁判の機構を視察いたしました。それぞれ係官、の列席を得て調査の次第についての検討をいたしましたが、更に少年保護鑑別所或いは刑務所或いは教護院等の視察も時間の許す限りいたした次第でございます。その調査の結果につきましては、別に報告書を提出いたしまするので、それによつて御了承頂きたいと思うのでございます。 この機会に一、二意見を述べることをお許し願いますれば、只今山田委員も仰せられましたように、少年の犯罪が逐年累増の形をとつていることは我が国の現状として誠に憂慮すべきことであると思うのであります。で、これが犯罪者或いは虞犯者に対する対策といたしましては、いろいろあると思うのでありますが、それの機関が一貫していないというようなところに対策を立てにくいという点があろうと思うのであります。同時に、これは又單に法務委員会に関するところだけでなしに、更に積極的にこういう禍根を絶つという意味においては、文部、厚生等の関係とも相図つて、もつと大きな意味での一貫して対策を練る必要があるように私は考える次第であります。 次に裁判の迅速化ということについてでございまするが、只今までの状態を見ますると、検挙を受ける、或いは告発を受けるというようなことが起りましてから、裁判の決定まで、事件によると一年或いは二年、或いはもつと長い年を要するというようなことが始終あるようでありまするが、国民の多数としましては、裁判に関しての十分な認識がございませんがために、裁判にかかつている間生産意欲もなくしてしまう。或いは更に自分の生活意欲までもなくしてしまうというような人さえもございまするので、希くは裁判を促進して早く済まして貰うというようなことを是非考えなければならん、こう思うのであります。それについては先だつて新聞によりまして、最高裁判所から地方機関に対して、それの方策について何らか御指示があつたように思うのでありますが、今回地方に出ていろいろ状況を聞いて見ますると、私はこの裁判に関する要員が非常に少い、案件は逐年殖えて行くのにも拘わらず、これに対する要員が非常に少いのではないか、而もその定員につきましても、欠員のどころがあちこちにあるのであります。これは今申しましたような、最高裁判所の方の対策でありましても、やはり裁判を迅速にはなし得ない原因になつておると思うのであります。裁判に対する要員の登庸については、いろいろ資格とか、年限とかの制限がございますために、今直ちに十分な要員を得るということはできないかも知れませんけれども、これもやはり我々としては当局者にその欠員の補充だけではなしに、更に定員を増加するというようなことも研究して貰う必要があるかと思うのであります。 それから裁判官の定員の補充はしにくいというもう一つの理由は、今も山田委員の御報告の一部にもございましたが、待遇が不十分であるということもその一因であろうと思います。今回の政府の対策としましても、そういう待遇問題については、相手の考慮をしておられるようでありますが、いずれにしても、裁判関係は極めて特殊の任務に属しておるわけでありまするから、十分の配慮とすることが必要であると思います。それから待遇の中に含まれる問題でありますが、住宅の問題も私はやはり考えなければならん大きな問題だと思うのであります。只今の状態では、裁判所長或いは検事正、いわゆる極く特殊の方については、一応その設備があるようでありますけれども、大部分のその他の職員についての設備はないと思うのであります。これは極めて特殊の場合かも知れませんが、先だつて東北地方の水害の際に、仙台の高等裁判所の判事の婦人がその水害において死亡された。その原因は、住宅が裁判所から與えられておるのだけれども、それが河岸に建つておつて、而も戰後の非常に粗末な建物であつたのでありますが、いろいろの関係でどこでも行われておるように、判事の自宅における審議のために書類を持ち帰つておられた。たまたま水害があつたのであるが、その書類を持ち出すために、再三この自宅へ洪水を押してまで、洪水に自分の家も襲われておつたのでありますけれども、洪水を押して自宅に書類をとりに帰り、その途次たまたま家と共に婦人が流されて結局死骸となつて数日後に現われたというようなことを聞いたのでありますが、これらも私は裁判官の特殊な勤務に対する住宅問題が忽せに扱われておるという一つの現われだと思うのであります。これは勿論予算の全体の上での配慮が必要になるのでありますけれども、これなども含めて裁判官の待遇問題、待遇をよくして行くように考慮する必要があるのではないか、こういうことを感じた次第であります。 以上を以て終ります。 —————————————
○委員長(北村一男君) 次に、本院規則第五十五條によりまして、委員会が閉会中調査を終らない事件につきましては、次の会期の初めに報告書を議長に提出しなければならないことになつておりますので、この報告書についてお諮りいたします。先ずこの件について專門員に説明を求めたいと思います。
○專門員(長谷川宏君) 検察及び裁判の運営に関しまして、前国会の終りにこれを継続調査することの承認を得まして、その後今御説明のありましたように、議員の派遣を得て調査をいたしまして、その結果先ず司法制度につきましては、その一環として調停制度の実情を調査いたしまして、ほぼ全国的の調査を終りましてございますが、たまたまこの問題につきましては、裁判所方面においても調査を進めており、これを立法化しようとする機運があるという情報を得まして、そちらの方を調べて見ましたところが、今法制審議会に諮問中であつて、不日その立案に取りかかるというような状態が分りましたので、こちらもこの資料をも参考にいたして、最終的結論を得たい、そうでないと万然を期し難いというような事情が判明いたしましたので、今までの実態調査を以て一応中間的にその仕事を終りまして、尚引続いて最終的の結論は今後に継続して調査する方が万事に都合がよろしいというように考えている次第でございます。 それから刑事訴訟法の運用に関する調査につきましては、非常にその後この面におけるところの情勢の変化がありまして、若し後に機会がありましたならば、或いはお許しを得て御報告申上げたいと思います。総司令部の方から裁判の促進を中心にし、裁判権の拡張に伴うところのいろいろの手続きをしろというような覚書がある。これに基いて政令の三百二十四号と三百二十五号というものが出まして、これに対して裁判所は検察庁と弁護士会との協力を得まして、この面の実績を挙げるように今頻りにやつている事情もございます。かような事情がありまして、この刑事訟訴法の運用につきましては、やはりこれらの諸情勢を汲入れて完全な調査をしたいというような機運にありますので、これも従来やつて参りました仕事をここで打切らずに、尚継続して調査したいというような事情でございます。 それから犯罪少年、少年問題に関する調査でございますが、この件は、これは犯罪の増加の情勢は別段変つておりません。相変らず上に向いて参つております。この調査は実態的には今までにはできておりますが、これに対するところの諸施設はいろいろ又小さく変つております。時恰もこの行刑問題に関しまして、各国の代表が集まつて会議をするというので、当委員会における青少年問題の小委員長の宮城さんが向うにお出になりましたので、向うの制度をも参酌して、大きな構想の下にこの結論を得たいというような状態になりましたので、最終的結論はこの小委員長のお帰りになるまで待つていろいろと御意見を承つてやる方がいいというような状態にありますので、いずれもそんなような事情で、この検察裁判に関するところの調査ということを、一応中間報告に止めて置いて尚後に継続したいという事情でございます。 この事情だけ御報告申上げます。
○委員長(北村一男君) 只今説明がありました通り、その線に沿つて中間報告と申しますか、さような形において提出いたすことに御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村一男君) 御異議ないと認めます。 尚報告書の文章とか体裁につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村一男君) 御異議ないと認めます。報告書提出に御賛成のお方の御署名をお願いいたします。 多数意見者署名 伊藤 修 鈴木 安孝 山田 佐一 齋 武雄 棚橋 小虎 岡部 常 高橋 道男 須藤 五郎
○委員長(北村一男君) それではこれで委員会を閉じたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村一男君) それではこれで散会いたします。 午後二時四十八分散会 出席者は次の通り。 委員長 北村 一男君 理事 伊藤 修君 委員 鈴木 安孝君 山田 佐一君 齋 武雄君 棚橋 小虎君 岡部 常君 高橋 道男君 須藤 五郎君 事務局側 常任委員会專門 員 長谷川 宏君