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8回国会参議院1950/10/02

文部委員会 閉会後第3号

発言数
64
登壇者
7
会派数
5
開催日
1950/10/02

会議録

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) それではこれより文部委員会を開会いたします。その前に災害の視察に行つて頂いた方からの御報告を求めることにいたします。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 荒木委員と私とが九月二十六日から二日間、九月三日関西地区を襲いましたジェーン台風の災害視察のために大阪府並びに兵庫県へ出張を命ぜられまして調査、視察して参りましたその結果についで御報告を申上げます。  先ず二十六日と二十七日の二日間大阪府、二十八日、二十九日この二日間を兵庫県を視察したわけであります。大阪におきましては大阪市、それから郡部の一部と水無瀬神社、これだけを視察し、兵庫県におきましては神戸市、芦屋市、西ノ宮市、尼崎市以上の重要文化施設並びに文化財の視察をしたわけでございます。昨日帰つたばかりでありまして、数字的な資料も十分整つておりませんので、本日は重点的に御報告を申上げ、尚この災害復旧視察につきましては文部省の方からも田中、中尾両氏が視察されておりますので文部省当局の災害復旧に対する対策も承わり、最後に当文部委員会としましてこの災害復旧に対する対策を決定されるようお願いいたしたい、こういうふうに考えるのであります。  先ず実情でありますが、行つて参りましてその被害の予想以上に大きいのに驚いたわけであります。案内して下つた方は、もう少し早く視察に来れば尚被害状況がよく分つたのであるが、少し時機が遅れたので応急措置をしてあるから外から見たところ被害は軽いように見える、その点案内する人としては残念だ、こういうようなことを申されておりました。まあ我々は戰争で鍛えられた関係上災害に関する応急措置に対する点はもう秩序整然と行われたように承わつて参りました。一応の応急の措置はしてありますけれども尚現在大阪市の河北小学校には相当数の避難民が避難いたしております。特にこの一つの教室内に四家族も小さな襖を塀にして住んでおる姿はお気毒で見られませんでした。人間としては最低の生活だと思います。然もこれは九月三日に襲われましてもう二十日以上経過しておりまして尚收容できない。これは避難民に対して非常にお気毒であります。又学校当局としては教育上非常に支障を来しておるように拝見した次第であります。尼崎市におきましても術三校に七百人の避難民を收容しておる状況であります。  損害といたしましては公立学校関係を先ず申上げます。大阪府が約十八億六千五百万円と算出いたしております。これに要する復旧費用二十三億四千七百万円、こういうふうに説明を承わりました。損害より復旧が多いのは後程申上げますが、災害地におきましても建築を鉄筋コンクリートにしたい、そういう角度から算出いたしました関係上損害額よりも復旧額の方が大きくなつているわけであります。兵庫県におきましては復旧費として四億九百万円を算出いたしております。次に私立学校でありますが、大阪府の方で九千六百万円、兵庫県の方で三千六百万円。次に文化財の方では幸いに大阪といたしましては殆んど被害がなかつたようであります。水無頼神社の被害が可なりありますが金額は算出されておりませんでした。兵庫県の方は百九十五万円、こういうふうになつております。この実情について非常に我々注目しなくてはならん点は、中破以下が非常に多いということであります。猛烈な風が西淀川区、尼崎、この附近を中心として襲つたために大阪市は勿論のこと、大阪府全体それから兵庫県全体に亘つて屋根瓦が片端から傷んでおるのであります。現在の補助の実情では大破以上補助するということになつておりますが、屋根瓦の傷んだのは補助の対象にならない、下から見ますと一列ずつと瓦が傷んでおるのであります。屋根に上つて見ますと全部の瓦を取換えなければならんという実情を至るところで見せつけられたわけでありまして、中破以下、これが非常に多いということと、高潮が襲つたために浸水地域の被害が予想以上に大きいということであります。尼崎それから先程申上げました大阪市の西淀川区、この地区は二十日以上も浸水して減水しなかつた、こういう状況でありまして、西淀川区の河北小学校のごときは尚校庭に汚泥が数尺そのままになつておる状況であります。  次に被害の点について是非申上げたい点は新制中学校の建築、これが非常に脆いということであります。これは多数の生徒を收容するために質よりも量というわけで、收容力を増すために横に拡げた関係もありましようが非常に粗末な建築で、そのために最近二、三ケ年間に建築したところの新制中学の校舎というものが非常に脆く傷めつけられております。これが今後新制中学の建築に当つて余程注意しなければならんことだと視察いたした次第であります。  尚鉄筋コンクリートの災害時における偉大さには驚かされたわけであります。典型的なものとしまして西淀川区の河北小学校でありますが、これは非常に低位置にありまして一階は殆んど浸水し、附近の住民は全部そこに避難して二階をまあお便所にしたり、その当時は随分と臭気歩々として住まわれなかつたような状況でありますが、鉄筋であつたために附近の家屋は大部分流失したのでありますけれども厳然として生命を守つております。これらは昭和九年の室戸台風のときに余りにもひどく傷めつけられて鉄筋建築をしたのでありますが、そのために今度随分と市民の避難所となつて生命を守つたわけであります。これは兵庫県の西宮市においても同様でありまして、今後浸水地域には先程も大阪市から陳情が出ておりましたが、是非とも鉄筋コンクリートが必要であるということがまざまざと見せつけられたわけであります。或る学校のごときは若しも鉄筋コンクリートでなかつたならば、六百人の人が生命を失つていたであろうと、こういうふうに市当局の方から説明を承わつたわけであります。  次に生徒の人命についてでありますが、幸いにもこの日は日曜でございましたので生徒の死傷は極めて少数であつたことは不幸中の幸いだつたと思います。倒壊家屋を転々と視察したのでありますが、若しもあの九月三日が日曜でなかつたならば、昭和九年に千人からの生徒が死亡したそうでありますが、それに匹敵するところの死傷者が出たのではないかと、こういうふうに考えた次第であります。  最後に教職員の活動でありますが、聴くところによりますと、最近教職員の責任感が稀薄になつたとかいろいろの風評を聴くけれども、ああいうことがあるときに臨んで、やはり教師というものは責任感が強くて頼りになるということははつきりと窺えた、こういうことを承わつたのであります。河北小学校それから港区の八幡屋小学校、こういうところでは附近の人家の屋根に避難している方を先生方が舟で鉄筋コンクリートの校舎に收容した。それから兵庫県の尼崎では取敢ず給食の物資を避難民に放出した。これはまあ学校長の責任で即座にやつたそうでありますが、市役所とか、警察あたりはなかなか規則がむずかしくて、なかなか物を渡してくれないそうでありますが、学校の知生方は真先にその物資を出して下さつた。ああいう場合に最も我々は力強く感じたというようなことを市民が言つておりました。尚このこういう災害時において、学校の教職員の責任の重大さということを痛感するわけでありますが、西淀川の河北小学校の校長のごときは、避難民の中にお産をした人があつてそのお産を助けた。又避難民で死亡した人があるのでありますが、死亡すると真先に校長の、ところへ駈けつけてどうしたらよいかと、校長は金がかからないように葬式の用意万端まで整えてやるというようにして、校長以下職員が避難民に非常に慕われ十分働いている点を視察することができた点は、非常に力強く感じた次第であります。  以上は災害の実情でありますが、これに対しまして大阪府並びに兵庫県の視察地域におきまして、我々に強く要望された点を以下五点について御報告申上げたいと思います。  第一点は公立学校において大破以上のものについては、先程も大阪市の方から陳情がございましたが、三分の二是非国庫補助にして頂きたい後の三分の一を起債に仰ぎたい、これが第一点であります。  それから第二点は先程ちよつと申上げましたが、中破以下を是非とも考慮して頂きたい。浸水して随分と備品等殆んど流出したというような学校もあるわけでありますが、そういう浸水とか中破以下といすものは現在のところ補助の対象にならない、これではどうにもならない。だから是非とも中破以下に適当な補助又は起債を是非ともお願いいたしたい。これはもうあらゆる市で最も強く要望された点であります。或る学校のごときは、五十坪の新制中学校の建築を許可されておるが、今のこの中破以下で雨漏りがして雨の日には授業をしないで休んでおる。この復旧をよそにして新制中学五十坪を建築するということはどうしても忍びない。その五十坪の建築を中止しても先ずこの金で雨漏りその他の修理をしたいわけだとこのように非常に苦衷を述べられておりました。それで是非ともこの災害に対する補助率については、具体的に実情に副うように再考慮して頂きたいという切なる要望があつたわけであります。  第三点は鉄筋コンクリートの件であります。昭和九年の台風によつて鉄筋を建てて、今度の台風によつて鉄筋コンクリートというものが浸水地域とか、或いは防火地域に如何に大事であるかということがよく分つた。これなくては附近の住民の災害時における避難場所もなし、又生徒児童の生命の安全も保障されないので、是非とも浸水地域とか或いは防火地域には鉄筋コンクリートを建設するようにして頂きたい。  それができない場合においてはせめてもの都市において一つの学校には一線は是非その鉄筋コンクリートにして、万一の場合の避難場所として貰いたい、こういう要望があつたわけであります。  第四番目に私立学校の件でありますが、現在の私学の経営が不如意であることは皆さん御承知の通りでありまして、それにもつて来て是非ともこの災害を受けた私立学校の復旧について、できれば二分の一の国庫補助、それから二分の一の低利資金融資を願いたい。国庫補助ができなければ昭和九年のときにして頂いたように是非ともこの低利資金の融資をお願いいたしたい。こういう要望を受けたわけであります。  最後に各観察地において要望された点は、早急にこのことを運んで頂きたい。即ち地方自治体は税金が今入らず六・三建築で随分困つて、財政は行き詰まつてしまつておつて、こういう災害に対してどうにもならない実情である。それで是非とも早急に国庫補助、起債の許可、低利資金の融資ということを運んで頂きたい、こういう要望を受けたわけであります。  以上が視察地において受けた要望でありますが、視察した結果、荒木委員と私と相談した結果、特に本委員会に強調して御報告申上げたい点は、さつきも申上げましたように、浸水地域、中破以下に対する補助というものを考慮しなければならない。この点とそれから新制中学校の建築については量のみを追わずに、監督を厳重にしてしつかりしたものを作らなければならない。次に浸水地域並びに防火地域にはやはり若干の鉄筋コンクリートというものを是非とも必要とする。今後の建築方式というものをそういう方向に転換する必要がある。最後に私立学校の低利資金融資については十分の配慮をしなければ、私立学校というものは復旧ができないであろう、こういう点を特に強調して承り委員会に御報告を申上げる次第であります。  資料も頂いて参つておりますので、私の不十分な点は荒木委員からも補充して頂きたいし、荷皆さん方のお尋ねを仰げば分つている範囲内でお答えいたしたいと考えます。後ほど我々としましては文部省にこの復旧対策に対する構想というものを承わり、荷その結果によりまして本文部委員会は復旧対策の態度を決定されることを要望いたしまして、御報告を終る次第でございます。

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) 只今の御報告に荒木さんの方から何か補足されることがありませんか。それでは外の委員の方で御質問があれば……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちよつと今の御報告で新制中学の建築については量よりも質を考慮しなくちやならないというお話があつたのですが、今度の観察の中で新制中学の特にそういうふうな被害を受けておる現状を見九わけですか。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 見ました。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それが例えば二年前ぐらいに建つたのだけれども、十年前或いは十五年前に建つた校舎よりも非常に中破、大破しておる、こういうようなところがあるのですか。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 その通り。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の建築は非常に脆弱だからこういうものが今度の災害では大きくぼろが出て来た……。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 その通り、この五月に竣工したというのが目も当てられんように、屋根、天井が剥がれてしまつたですね。特に大阪府でひどかつたのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それには僕達も災害ではなくて北海道あたりに行つたときにも、一年も経つていないのに壁なんか落ちておる。そういうところを随分見て来た。それだけです。

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) 他に御質疑ございませんか。それでは災害地を実地に視察された文部省の田中施設部長も出席しておられますので、御質疑のある方から御質問願います。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 この復旧対策については大体構想ができておると思うのですが、従つて文部省の復興対策ということを一応聞いてそれから御質問をしたい、或いは要望したい、かように考えます。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 現在文部省におきましては、各地方の数字を集計いたしております。特に学校方面におきまして災害の報告が非常に遅れておるというような声も聞きますのでございますが、非常に広い範囲に亘りまして偏鄙な場所にも学校が散在しておるために十分な集計ができかねるというような現状にございますが、九月二十六日現在におきましてジェーン台風による全国の被害は、全壊が約二万坪、半壊が六万五千坪、大破が十九万五千坪、以上合計二十八万一千余坪になつております。中破以下におきまして三十九万一千坪、総合計六十七万二千坪でございまして、このように大きな被害を蒙つたということは誠に遺憾なことでございまして、これは一つは戰時中からの学校の維持保全が非常に放置されておつたということ、それから終戰後におきまして、これは單なる学校建築のみではありませんが、資材関係或いは施工技術の低下というようなことからいたしまして、質低下の校舎が非常に多かつたというようなこと、こういつたことによりましてこのような実は大きな被害を受けた結果となつたのであります。特にこの台風には風圧の関係もありますが、水害関係が又非常なこの被害を大きくした原因にもなつております。そのようなことから考えまして、この災害復旧に対しましては甲に原形復旧ということのみならず、先程も矢嶋委員からの御報告にありましたように、長い自の建物の経済効果、或いは学校がその地域社会の公共施設として非常に必要であるというような観点、又はその地域の災害勃発に当りましては、これが唯一の救護施設となるというようなことから考えまして、できますれば原形復旧を更に広めまして、恒久的な鉄筋コンクリートに建設したいというのが、従来の災害対策の原形復旧のみに限定せずに更に予算の増加を計つて、少くとも今後災害に対する学校の被害を少くしたい、のみならずこれを更に有効な施設といたしまして、その地域の災害時における一つの救護施設にしたいと考えておる次第であります。  この坪数に対しまして一応鋼金コンクリートを三万八千円、全壊を一万八千円、半壊を一万円、大破を五千円、中破以下を二千円見積りますと、その金額は二十九億九千四百万円となります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちよつと済みませんが、今の数字をもう一遍。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 鋼金を三万八千円、半壊を一万円、大破を五千円、中破以下二千円、この金額を総計いたしますと約二十九億九千四百万円、三十億に近い復旧費となるわけであります。これにつきまして一応文部省といたしましては大破以上に対しまして、その八〇%を補助し、尚中破以下に対しましては起債、その使用金額は約十八億、これを国費使用額と算定しております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 ちよつと今のところ分らなかつたのですが、起債とおつしやいましだが、大破は八〇%、中破以下は起債……。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 大破以上を国庫の補助の対象に取上げまして、中破以下は一応起債でこれを……。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 その大破の方が八〇%……。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 大破以上の被害に会つたものに対しましては八〇%が国庫補助となる……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あとはどうなるのでございますか、二〇%……。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) あとは起債……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その十八億というのはどういう金ですか。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) それは今の両方の額を集めましたものが……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 起債も全部入れてですか。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 起債も全部入れまして十八億二千六百万円でございます。いや間違いました、こては今の国費の方でございます、国費が十八億二千六百万円でございまして、その残りの二〇%に相当するものが起債でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると二十九億九千四百万円のうち十八億二千六百万円を国費で出し、後の残りは起債、こういうことですね。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) さようでございます。私立学校におきましては約四万七千余坪が被害を蒙つております。その復旧使用額は一億八千七百万円になつております。それに対しまして五〇%の九千三百万円を補助として出す。一応このような数字を以ちまして関係方面と今折衝しておりますが、尚実はその後地方からもいろいろ新しい報告が出て来ておるためにこの数字が多少変動するかも知れません。ジェーン台風に対しましての被害の状況とこれが整理に要する費用並びにその国費の支出、起債関係の内容につきましては以上の通りでございます。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 今の私立学校に五〇%国庫補助をする、あとの五〇%はどういうふうになるのですか。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) あとは貸付金の予定でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 融資でございますね。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 融資でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この見通しはどうですか。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 実は私昨日関西方面から帰りまして今これを今日から実は関係方面に連絡を取ることになつております。実は局長からも大臣に今説明されておるような現状でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 局長は見えておりませんですか。局長でないと無理でしよう。この問題は全体の災害の総合した対策なりを入れなければ実際可能性が非常に薄くなるのです。今までの文部行政だけに切離してやると、これは今まで何回もあつたことですが県の総合対策としてやるという考えですか。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) その点につきましては安本当局の方にも連絡を取りますと同時に、災害対策協議会の方にもこの数字を早速送り込みましで、そうして根本的の対策の一環として取上げて参りたい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その方針ですね、それだけは立つてそれを入れて、そうして総合的にやる、そういう方針でございますね。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) さようでございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 尼崎辺りに浸水して備品がずつと流れ、近くの避難民が船なんかで来て学校の机なんかを持つて行つて薪にしたとかいうことで、鉄筋コンクリートの建物はしつかりしているが中が空つぽになつておる学校がありますが、ああいうのは大破にするのですか、中破にするのですか。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) ちようどもう一度おつしやつて頂きたいのですが。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 侵水して備品が流失したり附近の住民によつて品物を運び去られたような学校は相当の被害だと思うのです。中の科学実験器具類なんか潮水に浸つてものにならないのです。かようなものは大破に扱うのですか、中破に扱うのですか。実情としては何らの救いの手を伸べなければ立ち直らないと思いますがね。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) そういつた点につきましては、従来備品関係とか施設の面には実は織込んでいなかつたのであります。今まではそういつた際におきましては補助金が出ておりません。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 柱がちよつと曲ればこれは中破だと、併し柱ががつちりしておつた、その他にどんな損害を受けてもこれは中破以下ならば国庫補助の対象にならんというのは実情に副わないと思いますので、実際そういう被害を受けておつたらその実情に従つて救援の手を差伸べるようにせにやならんと思うのですがね。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 ちよつと二三質問をいたしますが、只今説明になつたのは文部省としての考えに止まつておるのか。或いはこの考えが政府としても了承してそうして関係方面と折衝しているのか。その点を明らかにして貰いたいと、かように思うのです。例えば今聴きますと、私立学校に対しまして五〇%の国庫補助をしたい、こういう考えであるというお話であつたのでありますが、政府部内、特に大蔵省として現にこの補助を出すことに対しては反対しております。そうすると、これは車に文部省だけの考えに過ぎない、こういうことになるわけです。そこでこれのみに止まらず一般的にこれは政府として了承しておるのかどうかという点を明らかにすると共に、その折衝経過についてもやはり明瞭にして頂きたいと思います。それが第一点。  それからいろいろ被害の計数的な統計、これは文部省の調査に基いたものか、或いは地方の報告に基いておるのか、更にこの両者が一致しておるかどうかということをお伺いしたいと思います。というのは特に地方からいろいろ報告されておると思うのです。ところがそれを文部省が別個に調査して非常に計数を少くするような憂がないかどうかということを私心配しておるのです。そういう点でそれらの計数というものが、地方の報告或いは視察によつて明らかになつたものを十分に考えられて行われておるものであるか。そういう点を先ず質問をいたします。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 対外的の折衝経過でございますがこの点につきましては、私は実は十日間ばかり留守にいたしましてその間に相当に進展しておつたのではないかと思いますが、これは後程或いは局長あたりから御説明願つたらいいかと思います。御了承願いたいと思います。  それから地方のこの数字の算定でございますが、今申上げました数字は大体地方の報告と一部推定が入つております。本省関係におきましては各県に調査員を出しましてこの内容を現在検討しております。そのために多少この数字が下るというようなことも予想されるというふうに考えます。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 その点は非常に私は重要になると思うのです。でとかくあり勝ちなことでありまするが、地方の報告を無視してそして本省で新たな数字を作る、こういうようなことがあつてはこの復旧に阻害を来す。ですから勿論文部省も十分な調査をしなければなりませんけれども、何と申しましても地方は不断そこにおつて十分調査しておるわけですからその資料というものを尊重し、そうして考えて貰いたいということを要望いたしたと思うのです。  それから先程のお話の中に中破以下のことについて国庫補助の対象として考えていない。こういうお話でありましたが、何故国庫補助の対象として考えないか、その理由を一応聞きたいと思います。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 中破以下の補助につきましては、従来我々もこの補助を出したいというふうに考えまして、特定災害に対する補助金の際に安本とも連絡をとりました補助でありますが、現在におきまして総額の金額が少いというような結果からいたしまして、中破以下は市町村の支弁で以てやつて頂く。併し大破以上になりまする場合は非常な大きな金額の負担となる、そのために大破以上を取上げまして補助の対象といたしたのでございますが、現在中破以下の被害件数も相当あります。併しこれを出すことによりまして大破以上の補助金が非常に削減されるというようなことになります場合を考慮いたしまして、私達といたしましては中破以下を実は削減いたしたのでございますが、問題は総額の枠が非常に少い場合におきましては、やはり中破以下を補助の対象とせずにこれを起債の対象として取上げて頂きまして、被害の非常に大きな場合に市町村の財政が苦しいという建前からいたしましてこれを補助の対象に取上げたい。こういう意味におきまして中破以下を削除いたしたのでございます。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 ちよつと今の説明では了解しにくいところであります。大阪市の診療所の中にも中破以下の損害は被害総額の半ば以上に達するというふうに思うわけです。私共も実地に視察をいたしまして屋根瓦が半分ぐらい飛んでおる、或いは大部分飛んでおる。これらは中破に入つておるわけです。それらの被害は非常に大きな額に上るのではないかというふうに考えるわけであります。従つて被害額が割合に僅少であるというような理由で国庫補助の対象にしないということは実情にそぐわない。かように思うのです。それから総額で押えられた場合に困る、こういうお話がありましたが、総額で押えられるかどうかということは今後の折衝の過程には起つて来るかと思います。併しながら初めからそういうことを予想して中破以下は全然国庫補助の対象にしない、そういう態度を決るめことはどうも腑に落ちないのです。やはり中破以下も国庫の対象として支出するという態度を決めて、そうして交渉をして行かなければならないじやないかと私は思う。どうも先程の部長の説明では十分納得できないのでもう一度お伺いしたい。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 今までの特定災害に対する補助の点につきましては、安本との交渉の結果におきまして中破以下をオミットするというような止むを得ざる実は事情にあつたのでございますが、今後もその点につきまして相当の中破以下の被害がある、そのためにこれを補助の対象から除くということが地方の財政面において非常に困るというような陳情も地方からはありましたが、従来の慣例によりまして一応は中破以下を削除いたしたのでありまして、荷この点は安本と早速交渉を始めまして、これを取上げるようには一応考えてみても結構だと存じます。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 是非そういうふうにお願いしたいと思います。  それから私立学校の問題でございますが、先程二分の一を国庫補助あとは貸付け或いは融資という方法でやりたい、こういうことであつたのですが、先程も申しましたようにこれを大蔵大臣が拒否しているというふうに聞いているのですが、その点はどういうふうになつておりますか。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) その点につきましてはその経過は私実は知りませんが、局長からでもあとから一つこちらに御連絡することにいたします。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 その点について私も私立学校を今度の視察で矢嶋さんと一緒に数校廻つたのでありますが、到底私立学校の自力で以て復興することは困難であるということを我々も十分察することができたのであります。従つてこれに対して二分の一国庫補助をするということは当然な措置であると思う。従つてこの点については十分文部当局としても最後まで頑張つてこれが実現を図るようにして頂きたいということを特に附加えておきたいと思います。  それから災害の大きかつた理由を部長はいろいろお挙げになつたのですが、やはりその中に挙げられなかつた他の一つには、老朽校舎が相当あつたということです、四十年五十年或いは六十年というような古い校舎があつたということです。これはどうしても今度の復興対策については、この老朽校舎の問題についても考慮する必要があるということを私は痛感しているのですが、そういう点については別に今度は考慮されていないのでしようか。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 現在のこの災害補助では考えておりません。この問題につきましては、すでに四、五年前から老朽校舎の予算を計上いたしまして安本方面とも折衝を続けて参つたのでありますが、つい六・三制整備の方の予算に重点が置かれましてその予算が削除されまして、今日に至りましても尚この老朽校舎がそのままになつて、いるというようなわけでございます。今後ともこの老朽校舎の対策につきましては十分その予算的措置を考慮して、これらの老朽校舎の整備につきまして十分準備して行きたいというふうに考えております。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 もう一つだけ外の方にも質問があると思いますので簡單に。  先程大破以上のものについては八〇%の国庫補助をする、その金額は十八億円になる、こういう説明であつた、この十八億円という数字の中には先程矢島委員の報告の中にも要望がございましたように、鉄筋校舎として復旧するという金額はどのくらいに見積られているか、その点を説明して頂きたい。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 鉄筋校舎といたしましては四億四千万円の復旧費でございまして、その八〇%が国庫補助でございます。数字の内容を申上げますと木造の復旧費は十七億七千万円、鉄筋の復旧費が四億四千万円でございます。その会計が二十二億千二百万円となりますが、そのうち約八〇%が国庫補助で賄う、こういうことになつております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 外の公共施設の災害復旧には全額負担という場合があるのに、何故こういう学校関係だけに対しては地方起債に仰いだり、地方財源に仰いだりこういう方法をとつたのか、これは非常に重要な問題だと思う。地方からは非常に最初からそういう点を考慮した要請もあつたようでございますが、併しこれによつて我々は見通さなければならないのは、一方でこの調子で行くと六・三制などというものは非常に大きな障害を受けると思う。こういう点から考えて今度の思いがけない災害に対して、全額国庫負担という線を堅持しなければ波及するところは非常に大きい。この点について文部省はすでにこのいうようないわば一種の妥協案のようなもので立案されておるが、その根拠はどういうのですか。外の公共施設なんかと比べて決して遜色のない程全額国庫補助の線を堅持しなければならない。こういうように考えられるが、この点は文部当局はどういうふうに考えておられるのでしようか。

田中徳治文部省教育施設部長

○説明員(田中徳治君) 特定災害に対しまするこの学校の被害の全額国庫負担でございますが、今までの災害復旧関係につきましては、全額国庫負担は道路港湾につきましてもなかつたのではないかと承知しておりますが、特にこういうような学校関係につきましては補助に対しまして法的根拠がありませんで、たびたび安本に対しましては道路港湾、農地問題と同じように補助率を上げるように要望しておりましたのですが、今までの慣例といたしましてそういつたことはなかつたという理由からいたしまして、到頭今日に至りましても二分の一の補助になつておりますが、文部省といたしましては、できますれば道路港湾と同じような補助率にいたしたいというふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると今まで学校にはそういう例がなかつたというのですが、今度こそそういう例をはつきり確認させるにいいときだと思いますが、外の文部関係でない大臣とかそういうような連中が学校に行つて見ていますか、どうですか左藤さん、実際に見ていますか。

左藤義詮自由党

○委員外議員(左藤義詮君) 先日水田政務次官が参りましたし、現在文部大臣が予算の……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 文部関係ではなくむしろ外の関係の大臣にやはり学校の問題を見て貰つた方がいい。そうするとやはり外の公共施設なんかと重要性においては変りないことが分ると思う。  もう一つはさつきの視察団の報告では避難所というような意義を持つておる。いざ災害のときとかそういう点から考えても……。

左藤義詮自由党

○委員外議員(左藤義詮君) 建設大臣のときは同行しました。それから四大臣のときも、避難関係のことで学校のことを若干考えておると思います。学校を対象にして見るということは、文部省以外の大臣ではまだないと思いますが、併し書類その他では十分に学校の被害等については認識しておると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはやはり本委員会でもつといろいろ相談しなければならない問題だと思います。こういう点で注意をこの際大いに喚起する必要があるのではないか。つまり今まで例がないという、例で縛られないでこういうときこそ新しい情勢が発生したのだから、やはり今後の文部行政に対して注意を喚起するには非常によい時機だと思いますから、そういう点を委員会において特に……。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 折衝過程の責任者である久保田監理局長に一刻も早く来て頂きたい。そうしなければ話は進まない。

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) 速記を始めて下さい。それでは本日の委員会はこれで閉会いたします。    午後零時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            木内キヤウ君    委員            加納 金助君            川村 松助君            木村 守江君            荒木正三郎君            波多野 鼎君            高良 とみ君            鈴木文四郎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   委員外議員            左藤 義詮君   説明員    文部省教育施設    部長      田中 徳治君

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