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8回国会参議院1950/07/24

農林委員会 第3号

発言数
8
登壇者
4
会派数
2
開催日
1950/07/24

会議録

岡田宗司日本社会党

○委員長(岡田宗司君) それでは只今より第四回の委員会を開会いたします。本日は要る十九日本委員会に付託されました自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  そして最初に広川農林大臣から提案理由の説明をお伺いいたしまして、続いて政府委員からいたしまして、本案の内容それから参考資料その他の附随説明を聽くことにいたしたいと思います。  それでは広川農林大臣より本案の説明をお願いいたします。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○國務大臣(廣川弘禪君) 本委員会に提案いたしました自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。  御承知のごとく農地改革事業は、農地及び牧野の買收並びに売渡を終り、更にこれに伴う登記事務もほぼ完了いたしたのでありまして、概ね所期のごとき目的を達成することができました。この間における関係者多数の努力に対し敬意を表しますると共に、この大事業がさしたる支障なくここに一応の完了を見ましたことは御同慶に存ずる次第であります。  右の如き農地改革の段階に臨みまして、今や問題は農地改革によつて達成せられた成果を恒久的に保持するところの方策を確立すべき時期であると考える次第でございます。政府と致しましては前国会に「自作農創設特別措置法の一部を改正する等の法律案」を提出したのでありますが、審議未了に終つたのでありまいす。  ここにおきまして再び前回と同趣旨の法律案を提出いたしまして御審議を煩わす次第でございます。  今度提出いたしました改正法律案は、市町村農地委員会と市町村農業調整委員会の合体をとり止めた点を除けば、前国会に提出いたしました法律案と殆んど異る点はないのでございまするが、この改正法律案の骨子について申上げたいと思います。  先づ第一は本年七月三日以後に自作農創設特別措置法第三條に該当する小作地が生じたといたしましても、同法による政府買收は、これを行わないことであります。尤も同期日以前の事実に基いて当然政府が買收すべきであつた小作地等いわゆる買收洩れのものにつきましては、飽くまでも同法の競走により政府買收を続けることは申すまでもありません。  第二に本年七月三日以後に自作農創設特別措置法によれば政府買收に相等する小作地、即ち不在地主の小作地又は平均一町歩を超える小作地が新たに生じた場合には、政府買收に代えて、農地委員会の定める讓渡計画によりまして土地所有者より耕作者に強制的に讓渡せしめることといたしたのでございます。  第三は市町村農地委員会の構成でございますが、現行制度よりも一層実態に即するように小作農及び中位以下の経営規模に属するもので小作的と考えられるものを一号階層として五名、耕作の業務を営む者で右に該当しないものを二号階層として十名、合計十名といたしました次第でございます。  以上の外改正を加えた事項もございますが、御参考のため御手許に法律案の要綱をお配りいたしてありますのでそれについて御覧戴きたいと存ずる次第であります。  何とぞ慎重御審議の上速かに御可決あらんことをお願いいたします。

岡田宗司日本社会党

○委員長(岡田宗司君) 只今農林大臣より提案の理由の説明がございましたが、佐野農地局長が御出席になつております。佐野農地局長は説明員でございますので、御発言につきましては委員会の許可が要ることにはなつておりますので、これを許可して差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡田宗司日本社会党

○委員長(岡田宗司君) それでは佐野農地局長より今回の改正案の内容につきまして、尚委員会より提出されておりますところの参考資料等その他につきまして御説明がございますればこれを伺いたいと存じます。

佐野憲次農林省農地局長

○説明員(佐野憲次君) 本法案の改正の要点につきましては只今大臣から御説明があつたのでありますが、更に細かく入りまして私から御説明を申上げたいと思います。お手許にお配りいたしてありますが、自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案における改正事項と書いたのがございますが、それに從つて御説明を申上げたいと思います。  先ず最初に自作農創設特別措置法関係でありますが、一に「定期日後における政府による農地の強制買收及び認定買收の特例」、これはこの農地改革も一応完了いたしましたので、この際ここで一つ区切りをつけまして、今後は不在地主でありますとか、在村地主で一定の面積を超える小作地につきまして、自作法の三條による買收はいたさないということでございます。この新旧対照表の三條を御覧頂きますると、三條の一項の但書に書いてあるのでございます。併しこの七月三日以前に不在地主であり、或いは制限面積を超えている小作地につきましては、いわゆる買洩れのものにつきましては、今後も旧規定によつて買收を続けて参るのでありますが、新たにそういう事態が起りましても、それは買收いたさないということであります。併しこれは全然放置をいたすわけではないのでありまして、あとで調整法の方に出て参りまするが、政府といたしまして買收売渡しということはいたしませんのでありますが、農地委員会におきまして強制讓渡の計画を立てまして、そういう小作地ば地主から耕作者の方に強制的に讓渡をさせるという方法を取るわけでございます。それから認定買收の特例と申しますのは、三條の五項の関係でございますが、これは御承知のように耕作なり、経営が不適正であるというような認定に基きまして買收をいたす場合のことでございますが、これも今後はやらないということにいたします。ただ不適正であるという事実が本年の七月二日現在においてそういう事態があり、それが将来も継続いたします場合には買收をいたすのでありますけれども、今後新たにそういう事態が発生したというものについては、買收を行わないということにいたすのであります。  二番目の「交換分合により生ずる交換差金の徴收」、これは二十六條の二でありますが、現在の整地を売渡す代金の徴收につきましては、市町村の方にお願いをしておるわけでありますが、それと同様に交換分合によつて生じました交換差金の徴收につきましても、これを市町村にお願いしたいという規定であります。  三番目の「政府による農地先買制度の廃止」、これは二十條でございますが、これまで自作法によりまして創設いたしました自作地について、耕作者がその耕作を止めるというような場合には、政府がその土地を買取りまして、そうして又別な耕作者に売渡しまして自作農を創設する、こういう方法を採つておつたのでございますが、今後におきましてはそういう方法を止めようということで十八條を削除いたすのであります。併しこれも全然止め放しではないのでありまして、調整法の新らしい規定によりまして、そういう事態が起りました場合には、農地委員会が強制讓渡の計画を立てまして、新らしい耕作者に、強制的に讓渡をして自作農にいたして参るという方法を採るようにいたしておるのであります。  四番目は「公有水面埋立法による埋立地の買收及び売渡」、この公有埋立法によりまして事業の許可を取りまして、埋立乃至は干拓をいたす工事が完了いたして事実上はもう立派な農地になつておる。併し法律の手続き上から申しますと竣工の認可を受けておりませんがために、法律的にはその土地がまだ公有水面のままでおるというような土地があるのであります。こういう土地につきましては、そのままの形では自作法の適用に困難がございまするので、今回二十九條の三というものを新たに設けまして、そういう場合におきましては、この法律の適用につきましては埋立をする権利を所有権とみなす。從いまして埋立をする権利を、政府が買收することができるというふうにいたすのであります。  第五番目の未墾地の買收対価の基準」でありますが、それは三十一條の三項でございます。これも從来は実際はこの通りいたしておつたのでありますが、ただ中央農地委員会議というのが、從来は蔭に隠れておりましたのであります。実際に中央農地委員会議で決めておりましたのでありますが、それを今回は法律の表面に現わして参つたのであります。規定の仕方も從来のと多少変つておりまするけれども、趣旨におきましては別段変つているところはないのであります。  七番目は未墾地売渡計画についての公告、縱覧の実施、これは四十一條の二項であります。これはただ規定を整備いたしましただけのことであります。從来この十八條の三項と五項を準用して、四項が抜けておつたのでありますけれども、四項を準用することにしたのであります。四項にそういう公告とか、縱覧とかいうことが現定いたしてあるのであります。  それから次は未墾地牧野の売渡対価の規定でございます。峰文で申しますと四十一條の四であります。これも從来規則でこういうふうにやつておりましたものを法律に現わしたのでありまして、内容として別段変つた事柄はないのであります。ここに書いてありまする要点は、この未墾地を売渡します場合には、政府が取得した価格で売るというのが原則でございます。ただ第四号に書いてありまする政府、都道府県、開発営団等が開墾を完了いたしまして、農地になつておるものを売渡します場合にはこれは農地の価格で売るということにいたしておりますが、素地のままで売る場合が多いのでありまして、素地のままで売ります場合には、政府の取得した額で普通売るという建前になつておるのであります。  次は未墾地先買の規定でありまして、四十一條の五でございますが、先程も御説明申しましたように、農地につきましては先買ということをやらないことにいたしまして、二十八條を削除いたしたのでありまするが、未墾地は素地のままで売渡しておる場合が多いのであります。こういたしますと、素地を買いました入植者が十分開墾をやらないとか、或いは中途において脱落するとかいうような事態が起るのでありまして、そういう場合に農地と違いまして、強制讓渡の方式でやつて参るということことは、なかなかむずかしい場合が多いのでありまして、未墾地につきましては、やはり從来のように政府がそれを買收いたしまして、又新らしい入植者にこれを書換えるということにいたす方が適切でございまして、これは既耕地のようには参らないということで、この書換の規定を未墾地についてだけは残して参るという趣旨からいたしまして、この規定を設けたのでございます。  それから十番目は政府所有の土地及び物件の解放のための所管換及び所属替の規定でございまして、これも從来政令でこれと同じことをやつておりましたのでありますが、それを今回法律に挙げたのでありまして、四十三條の二と四十三條の三でございます。これも從来やつておりますことと別段変りはないのでありますが、ただ四十三條の三の一番おしまいの第五項でありますが、河川敷等を自作農創設の目的のために供するというような場合におきまして、從来その河川の維持管理の費用を府県とか市町村が負担をしておるというような場合があるのでありますが、その場合にはこの河川敷の対価はこれを從来経費を負担しました府県なり、市町村に交付をするということにいたしたのであります。これは国有地であると申しながら、事実府県なり市町村という公共団体が管理しておつたものにつきましては、全然そういうところへ挨拶なしにやるということも適当でないのでありまして、その団体に対価を交付するということが適当だろうというのでこういうふうになつたのであります。  それから十一番目は買收又は買取によつて取得した国有の土地及び物件で、農林大臣が自作農創設の用に供しないと認めたものの売買の特例、これは四十五條の二でございます。政府が自作農創設のために、農地でありますとか、或いは未墾地を買收いたしますが、その後事情の変化によりまして、或いはそこに道路をつける必要がある。或いは新制中学を建てなければならんというような事態が起つて参るのであります。そういう真に止むを得ない必要が起りまして、折角自作農創設のために買收した土地ではありますけれども、そういう用途に供さなければならんというような事態が起るのでありますが、そういう場合には、その土地を元の所有者、又はその一般承継人に取得したときの対価で売渡すということにいたしたのであります。これは土地の所有者から強制的に政府が買收いたしましたのは、自作農創設という目的に供するがためにそういうことをいたしたのでありまするからして、これを他の用途に使うという場合には前の買收を実質的には取消すというような意味合におきまして、旧所有者に元の対価で売つて参るというのが最も適当であろうということで、こういう規定を設けたのでございます。  それから最後に、農地委員会がその処分を取消す場合の手続き、これは四十六條の二でありますが、農地委員会は買收計画を建てまして、それに基いて知事が買收令書を発行する、その後におきまして農地委員会が買收計画を取消しましたり、或いは訴願の裁決を取消すというような事態がまま起つて参るのであります。こういうことは非常に重要な事柄でありまするので、農地委員会だけに任しておきませんで、そういう処分の取消しをすることが適当であるかどうかにつきまして、予め知事の確認を得させる、愼重を期する意味におきまして、こういう方法を取ることにいたしておるのであります。 以上が自作農創設特別措置法の関係でございますが、次に農地調整法の関係であります。一番目の自作地、小作地、自作採草地、小作採草地、自作放牧地、小作放牧地の定義、これは從来自作法の方にあつたものでありますが、今度は農地調整法の方に強制讓渡に関する規定等が入つて来ます関係から、從来の自作法同様、これらの事柄につきまして定義をはつきりさしておきませんと、あとの規定が書きにくいという意味合を以ちましてここに定義を載せましたのであります。二番目は、農地、採草地及び放牧地の移動、統制の規定の明確化でございます。法律の四條でございますが、所有権、賃借権その他の権利の設定、移転はこの四條で統制をいたしておるのでありますが、この規定を明確にいたしたわけであります。で第二項の本文が変つておるのでありますが、この二項と申しますのは、二項の各号に書いてあるような場合には権利の移動を許可することができないという場合を規定してあるのであります。併しこの但書にあるように農地等を耕作以外の目的に供するという場合には、この二項の各号の規定は当嵌らないのでありまして、耕作の目的以外に供する場合にはこれは当嵌らんということを書いてあるのでありまして、これは極めて当然のことを書いておるのであります。抵当権の設定につきましても同様であります。極く当り前のことでありますが、明瞭にいたしたのであります。  二項の各号につきましては、一号と七号が新らしい規定でございます。一号はこの移動に当りましては、耕作者以外の者に移動させてはならないという原則をここに掲げておるのであります。それと同時に但書を加えまして、その小作農が権利の取得に応ぜない場合には小作農以外の者に移動をさせてもよろしいということを規定してあるのでありまして、これも事柄といたしまして極めて当り前のことであるのでありますが、はつきりさせて置いたのであります。  七号と申しますのは、これは自作法によりまして創設した自作地、それからその調整法の強制讓渡によりまして創設した自作地、とにかくこの法律によりまして新たに創設されました自作地につきましては、こういう一般の移動統制の方式によりませんで、これは別途農地委員会が讓渡計画を立ててやつて参ることになるのでありまして、こういう普通の農地と区別をした取扱をするということを明確にいたしておるのであります。  次に一定期日以後新たに生じた不在地主及び在村地主の法定面積を超える小作地等の強制讓渡の規定でありますが、これは先程も申しましたように、今後新たに自作法の三條に該当するような土地が出て参りました場合に、從来のように政府がこれを買收して小作農に売渡すという方法を止めまして、その代りに所有者から小作農に強制的に讓渡させる計画を農地委員会が立てまして、その計画に基いて強制讓渡を実施するという規定でありまして、それが五條の二からずつと二十一まであるのであります。で非常に規定の数は多いのでありまするが、大体のやり方といたしましては從来自作法でやつておりましたやり方と実質的には変らないのでありまして、ただその間に政府が買收という形で入らないという点が違つておるだけであります。で新たに不在地主の小作地ができたとか、或いは制限面積以上の在村地主の小作地ができました場合には、農地委員会ばそのことを公告又は関係者に通知をする、それを讓渡を受けたい者は讓渡を受けたいということを申し出る、それによりまして農地委員会が讓渡の計画を立てる、又それに対しまして異議のある者は異議を申し出る。そこで計画が確定いたしますれば都道府県の農地委員会にかける。ここで承認を得ますれば知事が讓渡の令書を下すというような順序になるのでありまして、やり方といたしましては今までのやり方と大した変りはないのであります。  第四番目は、自作農創設及び維持に必要な資金の貸付け斡旋をなし得る規定でありまして、五條の二十三であります。で、從来の自作法の行き方でありますれば、政府が土地を買收いたしましてこれを耕作者に売る、土地を買つた人は年賦で償還をすることができたのでありまして、この間に融資という問題は起らなかつたのであります。今回は強制讓渡ということにいたしましたので、農地等を讓り受けます場合に、この資金の必要が起つて参るのであります。二番目のこの相続に要する資金でありまするが、これも現在におきましては、大体他の共同相続人が相続権を放棄いたしまして、一人の者が纏めて相続するようなことに事実上行われておるようでありますが、今後やはり法律の規定通り分割して相続が行われるということを考えなければなりません。併しそういう場合に農地を分割させることが適当でないのでありまして、できるだけ一人の人に農地が行くようにしなければならんのでありますが、そのためには相続分に対する補償金というようなものが必要になつて参るわけでありまして、そういう資金については斡旋をしなければならんということであります。それから三番目のこの維持に必要な資金ですが、段々農村の不況等も進んで参りますると、所有権の維持についての資金ということも重要な問題になつて参ると思うのであります。自作農の維持につきましては勿論農政全般といたしまして、あらゆる政策を行なつて行かなければならんと思うのでありまするけれども、やはり資金の面から御維持を考えて参るということも重要な問題であるわけであります。この資金につきましては、これまで政府におきましても、又関係方面におきましても非常に熱心に、又愼重に研究努力をいたして参つておるのでありますが、本年度におきましては具体的に成案を得るまでに至つておりませんのでありますが、二十六年度におきましては、是非これが実現を図るつもりで折角研究いたしておるのでありまして、法律といたしましてはこの趣旨をはつきり出すということでここに掲げておるわけでございます。  次に第五番目、「許可無しに農地を潰廃した場合農林大臣又は都道府県知事の原状回復その他必要な措置の下命」。これは六條の規定でありますが、農地の潰廃につきましては許可を要することになつておりまして、これに違反した場合には罰則があるのでありますが、なかなか罰則では励行を期し難いのでございまして、今度は少し強くいたしまして、違反があつた場合に原状回復その他必要な措置を命ずることができるということにいたしたいのであります。この運用につきましては、勿論十分愼重を期さなければならんと思いますが、法律が励行されまするように、強い態度で参りたいということで、こういう規定を置いたのでございます。  次に「農地価格の基準及び統制決定方式の変更。」六條の二でございます。農地価格は承知のように二十一年以来据置になつておるのでございます。農地改中の進行の途上におきまして、ここれを変更いたしますることは適当でないのでありまして、今日まで据置で参つておるのでありまするが、農地改革も一応完了いたしました。ここで恒久的な方策に切替えて参る。又インフレも一応ここで收束をいたしたかに見えるのでありまして、この機会におきまして農地価格の統制方式に改訂を加えて参るということが適当であろうということで改正をいたしておるのであります。從来の規定は賃貸価格に主務大臣の定める率を乘ずるという方法で規定をいたして、御承知のように現在賃貸価格の田にありましては四十倍、畑にありましては四十八倍ということになつておるのでありますが、今度の行き方といたしましては、農林大臣が中央農地委員会に諮問して定める基準に從つて市町村農地委員会が一筆毎に長地の価格を決めまして、それについて知事の認可を受けるという方法になつておるのであります。ま実際のやり方につきましては、まだ決めておるわけではないのでありますが、大体の行き方といたしましては、賃貸価格等を中心にいたしまして、一定の基準を設ける。それに或る程度の巾を持たしまして、その巾の中で市町村農地委員会が具体的にその土地の地形なり水利の関係なり、地味地方等を勘案いたしまして、決めて参ということになろうかと思うのであります。  それから次に小作料の決定基準及び統制方式の決定でございまして、これは九條の三であります。小作料を從来据え置くという方針で統制をいたして参つております。御承知のように二十一年に一石七十五円で換算をいたしまして、金納制になつてそのまま今日に参つておるのであります。その後水利費の負担等も増加いたして参り、又地租も相当増額になつておるのでありまするが、今日まで小作料そのものは改訂をいたしませんで、小作に附帶する條件の変更というような措置を取りまして、地租の増加分は小作農が負担するというようなことにいたしまして、辻褄を合せて参つて来たのでありますが、先程農地価格つのところで申しましたのと同様の理由によりまして、価格上の統制方式につきましてもここで改訂を加えることにいたしたいということでございます。この小作料の方も主務大臣が中央農地委員会議に諮問して定める基準に從つて、個々の土地につきまして一定の小作料を決めて参るのでありまして、これも相当複雑な仕事になつて参ると思います。併し從来すでに適正価格を実施した地方もあるのでありまして、そういう地方におきましては、基礎ができておりまするから、案外簡單に参るところもあろうかと思いますが、全体といたしましては相当複雑な作業になると思います。そういうわけでありまして、小作料並びに地価につきましても、この改正法律で出しまする個々の農地の小作料及び価格というものは、急には出ないのであります。併し政府といたしましては、この法律が成立いたしますれば、ここで小作料並びに価格の改訂を行いまして、それを基礎にいたしまして、先程来申述べました強制讓渡の規定、その他を動かして参りたいと考えておるのであります。このことはこの附則の四條の二項及び四項に出ておるのでございます。二項は農地価格のことでありますが、「この法律施行の際現に農地につき存する改正前の農地調整法第六條の二第項の額は、当該農地につき同法第六條の二第一項の規定による決定があるまでは、」即ち新法によります農地価格の決定があるまでは、旧法で決めました農地価格が動いて行くという規定であります。政府におきましては、この規定によりまして、この法律が成立いたしますれば、現行法の九條の五によりまして、小作料を改訂し、又農地価格につきましては、現行の六條の二によりまして、両方とも七倍に引上げをいたすという予定であります。このことは本年の五月に発表をいたしてある通りでございます。  八番目に農地利用上必要な農業施設等に関する使用権の設定でございまして、これは法律の十四條の九でございます。これは自作農におきましても、自作法によつて自作地を買いましたものについては、その買いました自作地の経営上必要な施設は、買收をすることができるという規定があつたのでありますが、今度はそれを少し拡めまして、自作地を買い取つたもの以外のものでもできるようにいたしました。併し買收できるものの範囲は施設の範囲といたしましては、從来は宅地建物等もできたのでありまするが、今度は宅地建物等は外しまして、その他の農業用施設及び水の使用に関する権利というものに、対象を狭くいたしておるのであります。それから自作法ではこの買收ができたのでありますが、今回の規定では買收はいたしませんで、使用收益権の設定をするということにいたしてあるのであります。  それから次に農地委員会の改組でありますが、この前は農業調整委員会と合体をいたしまして、農業委員会ということに改組をするということであつたのでありますが、調整委員会との合併は取り止めまして、農地委員会單独で参るということに改めました。併し委員会の構成その他につきましては、前回の案と同様でございます。二階層にいたしまして、一号の委員は小作的な色彩の濃いもの、二号の委員はその他のものということにいたしまして、一号が五名、二号が十名ということにいたしたのであります。これは大体前回と同様でございますが、ただ今回違つておりますのは、十五條の三の終りの方に、農地委員会の書記の規定をおいております。書記の身分の確定ということは、從来からやかましく言われておつたのであります。今度は法律にこの書記のことを書きまして、書記の身分関係をはつきりいたしました。  それから後は、この選挙に関する規定でありまして、公職選挙法ができましたので、公職選挙法を準用いたしまして、規定の整備をいたしたのであります。それから最後に土地改良関係で農地調整法の強制讓渡等の特例ということがありますが、これは実は大したことではないのでありまして、從来も自作法二十八條の先き買がございました場合に問題があつたのでありますが、即ちこの自作法によりまして創設した農地につきましては、自作をやめれば先き買をされるとか、その他いろんな制限がついておるのであります。そういう制限のついておる土地が土地改良法におきまして、交換分合等をされた場合に、その制限がどこにくつついて行くかということを規定したものでありまして、要点を申しますとこういう制限は交換分合の場合には交換の結果、元の土地の代りとして與えられた土地に、そういう制限も新らしい土地の方に動いて行くということを規定してあるというのでございます。以上で大体改正の重な点を御説明申し上げました。

岡田宗司日本社会党

○委員長(岡田宗司君) 只今農地局長より改正案の細かい点についての説明がありました。過日決定いたしました日程によりまして、本問題につきましては本日はこの程度に留めておきたいと存じます。御研究の上明日より御質疑をお願いいたしたいと存じます。質疑につきましては、最初総括的な質疑をやり、後に逐條的にやると、こういうふうに進めて行きたいと思つております。

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 私は二十一日の審議を休みましたが、本法案につきましては、すでに委員の中に以前御関係のある各位はお知りの通りでありまして、それぞれ御審議を煩わし、新たに委員となられた方においても、十分に御審議を盡したいというような御見解があるだろうと思います。本日の日程を見れば、法律案の取扱いかたの打合せというようなことも出ており、又最後に本会議、議運法律案等の付記等の通過によつて変更することがあるというふうにも規定されてあるのであります。從つてこの日程表を見ますれば、明日は今委員長の申した通りでありますが、二十七日、八日、九日と全部御審議と思いますが、二十八日の午前は消してありますが、本問題は十分に関係者も必要とするのでありますから、この審議の過程におきまして他の法案と又順等を睨み合せまして、準行方法においては、委員長は理事諸君と打ち合せの上において、必ずしも三十一日という日程でありますが、ここまでなくても三十日でも二十九日でも、審議が終了すれば直ちに委員会をお開き下さいまして、これを先決である関係から、参議院より衆議院に廻すということも進行の方向といたしまして、一同にお諮りの上その進行の過程は委員長及び理事において一任したいという動議を提出するものであります。

岡田宗司日本社会党

○委員長(岡田宗司君) 只今池田君から御発言がありましたけれども、この問題につきましては、前の国会において御承知のような、経過を取つておるのであります。新らしい委員諸君も非常に多いので、又問題が重要なので、かようなプランを組みまして御承認を願つた次第なのであります。で委員長といたしましては、本問題については十分質疑をされまして、その結果疑義が悉く明らかになりましたならば、これを通過せしめることが妥当であろうとこう考えておりますので、私共といたしましてはそのつもりで進めて参りたいと思います。尚その取扱い方、特に先に決めました日程を変更いたします場合が起るかと思います。例えば報奨物資の損失補填の法案が提出されるだろうと思いますが、そういうようなことのために、或いは審議の日程の変更等が起るかとも思いまするので、さような場合におきましてはこれは理事会にお諮りいたしまして、その取扱い方を変更することになるかと思いますので、御了承願いたいと存じます。それでは本日は本問題につきましてはこの程度にいたしまして、委員会を閉会いたします。    午後二時二十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡田 宗司君    理事            西山 龜七君            片柳 眞古君            岩男 仁藏君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            土屋 俊三君            平沼彌太郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            三輪 貞治君            赤澤 與仁君            加賀  操君            溝口 三郎君            三好  始君            三浦 辰雄君   国務大臣    農 林 大 臣 廣川 弘禪君   説明員    農林省農地局長 佐野 憲次君

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