内閣委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/09/25
会議録
○委員長(河井彌八君) それでは内閣委員会を開会いたします。経済調査庁から説明を求める手筈にしてありますが、特別調達庁の調査、それから次には朝鮮事変後における暴利取締及び第三国人の国内経済撹乱の実情調査、第三には公団の調査、この三つにつきまして経済調査庁から説明を求めたいと思います。
○説明員(吉田龍雄君) それでは今回の暴利取締の今までの経過について御説明をいたしたいと思います。
○委員長(河井彌八君) ちよつと申上げますが、今のはさつき申しました第二の、朝鮮事変後における暴利取締及び第三国人の国内経済撹乱の実情調査という中に入るのですね、よろしうございますね、どうぞ。
○説明員(吉田龍雄君) 御承知の通りこの朝鮮事変が発生いたしましてから、これを契機といたしまして国内の物価が急速度に高騰を始めまして、殊に繊維類、並びに生ゴム、非鉄金属というようなものが非常な高騰を示したんでありまするが、延いてはこれが国内の経済にも非常な悪影響を及ぼすというような事態になつて参りましたので、調査庁といたしましては取りあえず思惑買というようなものを中心といたしまして買しめ、売惜み等によつて、著しく価格の高騰するような物資について、各地方の調査庁に命じまして、その価格の高騰、並びにこれに伴つて起るところのいろいろな不在事犯というようなものの調査、並びにそれらのひどいものについては同時に事件として取上げるようにということを命じまして、その物価の変動の動きを中央において始終監視して参りました。と同時に取締も実施して参つたのであります。ところが次第に物価の高騰というものは猖獗を極めまして、八月の大体十日頃がその最高潮に達しました。殊に繊維品、綿を中心にいたしましてスフ、人絹というようなものが非常な値上りをいたしまして、政府といたしましてもこれを放置することはできないというので、閣議等におきましてこれが問題となつて取上げられました。その結果政府としてはこの思惑というものによる価格の高騰を抑える意味で、主として重点を繊維類に置いてこの思惑買を取締る必要があるということに相成りまして、お手許に配付いたしましたところの、この一枚刷りの二頁に出ておりますが、政府の声明、御承知の通りこの声明が出されたのでございます。それと同時に、次に書いてありますところの暴利取締要綱というものが決定されましたような次第であります。これを御覧頂きますればよく分るのでありまするが、政府といたしましては物価、並びにこの配給の再統制というようなことはしない。併し価格が著しく騰貴して、これが国民経済に悪影響を及ぼすものは放任して置くわけに行かないから、これを暴利と認められるようなものに対しては、断乎たる取締をするという方針を決めました。その方法といたしましては現在物価統制令、並びに臨時物資需給調整法、この二つの法令を活用して、そして暴利を抑えて行こうという方法、手段を講じたのであります。即ちこの思惑等によりまして不当な価格で以て取引したものについてはこの物統令を活用してそれを違反売件として取締をする、他面この思惑等によつて非常な物資を手に入れていてこれを売惜みをする、或いは買しめをしていて、将来の値上りを待つておる、やはりこういうようなものに対してはその物資を吐き出させると言いますか、一応一般の流通過程に乗せる、即ちそれの譲渡、出荷の命令を出すというこの二つの方法で以て物価の高騰を抑えようとしたのであります。この在庫物資を吐き出させるという点につきましては、統制の実施されておる物につきましては、臨時物資需給調整法に基いて出ておりますところの指定生産資材関係の規則によりまして出荷並びに譲渡を命ずることができるのでありますが、すでに統制の外れておりますところの自由品、即ちスフ、人絹、或いは綿の一部であるところの落綿糸、特紡糸、こういうような物に対しましては、直接この臨時物資需給調整法では出荷等を命ずることができませんのであります。これについては新たなる規則というようなものを作りまして、出荷の命令ができるような処置を講じようという構想で以て一応取締を進めたのであります。調査庁といたしましては、この政府の声明並びに暴利取締を受けまして、すぐさま関係の東京、名古屋、大阪の調査庁の首脳者を東京に招集いたしまして、その対策を練つて直ちにこれが取締等に移つたのであります。何と申しましても綿につきましては大阪が中心でありまして、綿糸の取引の約九〇%というものは大阪で以て行われておる。綿布につきましてはそれの五五%が大阪で以て取引をされておるというような状況から見まして、問題の中心は大阪になるのであります。そこで今回の暴利の取締の中心を大阪に置いて、調査庁といたしましてはここに暴利取締の臨時対策本部というものを大阪に設置いたしまして、全国的の暴利取締の指令を発するというような体制を整えたわけであります。そうして大阪等におきましては、現在調査庁の各地方局の職員の数というものは非常に行政整理後少くなつておりますので、この取締に当てるのにはいささか不十分の嫌いがありましたので、近県の各地方局から応援を出させまして、これの取締に当つたのでありまするが、大阪は勿論のこと、名古屋、東京におきましても同様に近県の調査官をここに動員して取締を実施したのであります。一応調査庁といたしましては、この繊維の暴利を取締るといたしましても、何といたしましても綿につきましては現在まだ統制が残つておりますので、綿の面から取締をするということが一番合理的であります。又実際問題といたしましても、綿が繊維の中樞をなしているのでございます。自由価格の値上りというものも綿を中心にして、スフ、人絹、落綿糸というふうなものが動いているというのが実態でありまするもので、この綿を中心といたしましての取締を進めたような次第であります。それでその取締をいたしましてから以後、どういうような結果が出たかということを申上げたいと思うのでありまするが、ここに暴利取締後の綿糸の価格の変動の出ている図表がありますが、これは朝鮮事変が勃発いたしましたところの六月の二十五日、これは二十六日となつておりますが、この日を基準にいたしましてこの場合を百といたしまして、その後の経過を価格指数で以て現わしたのであります。この図でも分ります通り大体八月上旬が一番高騰をしたのであります。その中でも一番高騰しましたのは名古屋が約価格で申しますると、二十番手の綿糸一梱四十ポンドでありまするが、これが三十三万円まで上つたのであります。ここで一つ実際公定価格がどれくらいになつているかというと、すでに御承知かも知れませんが、申述べて置きまするが、綿糸の一梱の価格が内需用といたしましては約六万二千円ばかりになつておるのでございます。これが輸出用の場合には約十二万円、倍ぐらいになつているのでありますが、この国内の六万二千円であるべきところの綿糸が三十三万円というような途方もない高騰をいたしたのであります。東京等におきましては、最高が約二十八万円程度まで上つております。こういうような状況であつたのでありまするが、先程話しました通り調査庁といたしましては、すでに八月の上旬から一部この暴利についての実態の視察並びに取締をやつて参つたのであります。それが又多少なりとも取締の効果が現われたこともありましようし、又一面におきましては、この暴利に対するところの世間的の非難、或いは業者の自覚等と相待ちまして次第に下つては参つておるのでありますが、この政府の政令の出ましたところの八月の二十四日、これを契機として調査庁等の取締が本格的に又全国的に大規模になされることになりましたので、それから先はこの図表にもあります通り相当急ピツチで以てこれを下落させることができたのであります。大体ここにも綿糸の価格の変動状況という表が出ておりますが、これを見てもお分りになります通り、八月の二十六日には東京においては十九万円、大阪で以て二十三万円、名古屋が二十三万円、福岡がやはり二十三万円であつたものが九月一日になりまして約一週間ばかりでありますが、そのときに東京においては十八万円、大阪におきましてはやはり十八万円、名古屋が十七万円、福岡が二十万円というふうに、いずれも相当大幅な下落を示しました。その後も引続いて若干は下落したところもありますが、大体この十七、八万円という線において安定したと申しますか、この横這いの状態に入つたのであります。まあ業界等の意見によりますと、現在御承知の通り綿糸は本年度のアメリカの生産高が、收獲予想が非常に今年は低いというようなこと、それに伴つて米国では重要物資の統制を始めたので、綿の輸出等は許可制になるというような問題が響きますし、更に又、原綿の輸入価格が現在では約四十二セント、朝鮮事変の勃発いたしました当時三十セントから三十二セントであつたものが四十二セントというような値上りをしております。それの国内需要から申しますと、内需用の綿糸の割当というものが非常に低い。そのために、あらゆるデータを検討いたしましても綿の価格というものは、まあ将来相当上るような強気でありまして、どうしても将来は上るんではないか、上るべきところの條件があるのでありまして、ただ取締をすることによりまして、この程度まで下げ得ることができたのでありまして、外の條件は非常に悪かつたのであります。従いましてこれは如何に下りましてもこの綿糸の価格というものは、業界等の見るところでは、十五万円以下に下げることは到底むずかしいであろうというのが一般の見たところでありまして、従いましてこの十七万円程度というものは取締におきましては、殆んどまあ限界に来ておるということが私共から申しますれば言えるのではないかと思います。これ以上に下げさせようというときには、もつと行政的の何らか積極的な手を打つ。例えば、内需用の綿糸の割当の枠を殖やす、或いは価格等の不合理の点があれば、これを助成するというようなことでなければ、これ以上下げさせるということは相当むずかしいのではないかというふうにも思われるのであります。即ち限界に来ておるのではないかと思うのであります。いずれにいたしましても、取締をいたしましてから相当取締の効果が現われたということを私共は確信しておるのでありますが、それと同時に業者も非常に自粛いたしまして、今までの取引というものは軌道外れであつたということを反省いたしまして、次第に自粛の色が現われ、又取締が強化するに従つてむしろこの取引全体が非常に萎縮してしまつたのであります。取引価格というものは一応果すけれども、これに伴うところの実取引というものは殆んどない。あつても僅かに一梱二梱というような小さいものばかりである。大口の取引というものは殆んど影をひそめたというような形になつたのであります。従いましてそこまで参りますると、取締の効果というものは一応成果を挙げたのでありまして、それが却つて桎梏となつて取引の円滑を阻害するというようなことになりますると、取締が却つて逆効果を来すというようなことにもなります。そこで調査庁といたしましては九月の半ばにおきまして、一応当初の価格の暴騰というものを抑えることができ、或る一定の水準まで下げて価格が横這いの状態に入つたのを機会にいたしまして、取締を全国的のまあ一斉取締的の、非常にドラスティツクな取締というものを、この際ここで以て方向転換をして平常の取締に戻すことにいたしたいと思いまして、一応この取締の方向転換をいたしたのであります。即ち先程申しましたところの大阪、名古屋、東京に、各附近の地方庁から応援等を出して強力に実施しましたところの取締というものを解除いたしまして、これらの応援人を元に帰して、ただ大阪、名古屋、東京の地方局の手持の人員だけでやれる程度に戰線縮小といいまするか、そして違反事件の取扱等につきましても、現に調査中の事件を処理するということに重点を置いて、新らしいところの事件に手掛けて行くということは一応ストツプしたような形になりました。ただ将来におきましては、特に悪質でありて捨て置くことができないというようなものだけは将来ともこれを取り上げて調査はいたしまするけれども、原則としては現に調査中の事件だけを処理する。即ち手を伸すということは止めて、今あるものを処理するというような段階に入つたのであります。そして現在かような方針で以て取締の終息をする段階の処理をいたしているのでありますが、ここにおいて問題は二つばかりあるのであります。綿糸につきましては先程も話しました通り、現在統制が行われておりまして、噂もあるのでありまするから価格の点につきましては問題はないわけであります。ところが綿と、綿の一部であるところの落綿糸或いは特紡糸、こういうものは御承知の通り現在統制が外れているのであります。ところがこの落綿糸、特紡糸というようなものが、これからできたところの製品というものが殆んど純綿からできたところの品物とまあ区別のつかないような優秀な品物までできるような状況にありますので、そこで取締等をなす場合にはこれの区別が非常に困難である。業界においてもこの純綿のものと落綿糸或いは特紡糸からできたものとの見分けが付かないために、これが始終混同され、或いは純綿のものが落綿糸である、或いは特紡糸であるというような姿を以て、高い価格で取引をされるというような実情にありますことと、綿の価格は抑えて行こうといたしますれば、どうしてもこの特紡糸、落綿糸というようなものを一応抑えなければならないような宿命があるのであります。そこで業界といたしましても、特紡、落綿等の一応何らかの基準を示して貰いたいという声が暴利取締の始めますと同時に、殆んど同時にこういうような要望が強くなりまして、又実際これに或る一定の線を引いてやりませんければ不正取引というものを抑えることはできないのであります。調査庁といたしましては一応の取締の見地からいたしまして、この特紡糸についてどの線から以上の価格で取引をした場合には、物価統制令によるところの不当価格の取引とみなすかという一応の線を引いたわけであります。これは元来理論的に申しますれば、やはり特紡糸とか、落綿糸というのは純綿よりかも質が悪いのであります。純綿が公があるといたしますれば、その公である梱六万二千円よりかも低かるべきが、これが理論的には正しいのであります。併しこの落綿糸、特紡糸というものが自由品となつております関係で以て、従来から純綿よりかも遥かに高い値段で以て取引されていたというのもこれも事実であります。そこで純綿糸の公で抑えるということは、これは取引の実態からいつて非常に無理である。それならば国際価格、輸出価格であるところの約十二万円、これの価格を考えて見ますときに、如何なる点から見ましても、純綿糸は国際価格においても、或いは山内価格においても十二万円を超えるということは、これは最早明らかに不当価格であるということが言えるのでありまして、そこで調査庁といたしましては、不当価格というものの、理論的には純綿糸の公を超えたものはこれは不当価格であるというべきであろうけれども、実際の取締の基準としては、輸出価格の十二万円を超えた場合にはこれは明らかに不当価格であるとみなして嚴重な取締をするという、その綿糸の輸出価格というものに一つの基準を求めまして、将来取締を実施するということを業者にもはつきりさせて、現在そういうような基準に基いて今後取締をいたすことにしておるのであります。 尚人絹、スフにつきましては、目下物価庁、通産省等におきましても、これについての取引の適正価格というようなものを今検討中でありまして、近くこれが決定せられることとなると思うのであります。そういたしますれば、この繊維品の取締については一応の基準というものが示されることになりまして、業者といたしましても一応のよりどころがあり、これを取締るところの調査庁、警察といたしましても、これを基準にしてやつて行かれるようなことになるのであります。 以上が今日までの経過のあらましでありまするが、ここで取締を実施いたしましたところの違反がどういうような違反があつた。手口がどういうような手口で以てこの取引が実施されたかという点を若干お語いたしたいと思います。速記を止めて頂きたいと思います。
○委員長(河井彌八君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。
○説明員(吉田龍雄君) 調査庁といたしましては、今後は一応当初の目的であるところの価格を引下げるという目的は達し得られましたので、取締の終息段階に入つたのであります。よほど悪質なものでなければ取上げて参る考えはないのであります。むしろ現在萎縮しているところの取引というものを正常なものに戻して、円滑なる繊維の取引が促進されることを望んでおるのであります。併しながら今後におきまして、現在の横這い状態にあるところの価格というものが、再び著しく高騰をするというような気配が見えましたならば、或いは又強力なる取締もいたさなければならないかと思うのでありまするが、現在の横這いの状態が続く限りは、一応その今後の成行きを監視いたしたいと、かように考えておるような次第でございます。非常に簡單でお分りにくかつたことと思いますが、若し御質問でもありましたならばそれに従いましてお答えをいたしたいと思います。
○委員長(河井彌八君) この際今の説明に対して何か御質疑がありますれば願います。
○郡祐一君 これは見通しはむずかしいと思うのですが、お話の中にあつた反騰する見込みですが、これはどんなものでしようか。
○説明員(吉田龍雄君) これは只今申しました通り、国際的のいろいろな條件というようなものから見ますと、反騰するフアクターが非常に多いのです。併し国内のフアクターといたしましては、若し内需用の綿糸の枠等が殖やされることになりますと……、具体的に申しますと、現在内需用としては一月に三万七千五百梱が割当てられているわけですが、これが五万梱ぐらいになりますれば、現在の国民の購買力その他から申しまして殆んど国内向も十分である。勿論これが又輸出価格のほうが高いからといつて国内向に割当てられたものが輸出にどんどん横流れをするというようなことが起ればこれは別ですけれども、そうではなくて国内向に割当てられたところの枠が大体順調に国内に出廻るということになりますれぼ、これはそう価格が高騰するようなこともないのではないかと私共見ておりますけれども、この国内向の枠等が殖やされないというようなことになりますると、やはり綿糸の国内価格、闇価格というものは上らざるを得ないのではないかというふうに見ております。
○郡祐一君 経済調査庁からの今繊維のお話で、繊維は、確かに調査庁として非常に御苦労なすつたお仕事の対象だつたと思いますけれども、それ以外の物資についてはどんなお見込みでございますか。
○説明員(吉田龍雄君) それ以外につきましては、現在私の方といたしましては、繊維に限らず、先程申しましたところの生ゴム、或いは非鉄金属等につきましても著しく高騰したものにつきましては、各調査庁がその高騰の実情、それからいろいろなそれに伴つて発生するところの違反事件等につきましては調査を進めておりまして、それの最も悪質なものであるというようなものは取締もしております。今後こういうようなもので特に国民経済に著しく悪影響を及ぼすというような物資がございますれば、それをやはり一つの対象として取上げて参りたいと思います。殊に御承知の通り羊毛等につきましては非常に価格も高騰しており、これから冬に向うのでこの価格の高騰には消費者等も悩まされておるというのが実情でありまして、これも今後どういうふうに推移するかということについては、調査庁といたしましても特別の関心を拂つております。若しこれが更に価格等が高騰するようなことにでもなりますれば、一つの大きな取締の対象として取り上げて綿に準ずるような取締も実施しなくちやならんかとも考えております。
○郡祐一君 非鉄金属についてはどんなお考えをお持ちですか。
○説明員(吉田龍雄君) 現在のところ特に全面的にこれを取り上げてやるという計画は持つておりませんけれども、これは今申しました通り国民経済に直接の悪影響を及ぼすというような点にまでは今のところ来ていないようです。そういう面といたしまして、今のところはこの中のどれを取り上げてやろうというような具体的な計画というものは持つておりません。
○郡祐一君 それからこの間の水害の時の京阪神でやりました救助物資の暴利取締ですが、あれはどんなやり方をされ、どんな結果になつておりますか。
○説明員(吉田龍雄君) あれはですね、こうなんです。大阪におきまして、風水害の後すぐにこれは早く災害の復旧を急速に実施しなくちやならない。それには物を集めなくちやならない。併し物が集まつても実際にこれを使うところのものが非常に価格が高騰しているということは非常に困ることでありまして、物を集めることも大切だが、価格の高騰も抑えなくちやならないというような見地からいたしまして、関係の機関が大阪の府庁、高検、調査庁、国警、こういうふうなものが府庁に集まりまして、その対策を協議いたしました。そこで一応取引の適正価格といいますか、そういうものを決めようじやないかという、これはまあ大阪府庁の発議で以て府庁のほうでこれを研究いたしまして決めました。その決め方といたしましては、一応風水害のありましたところの九月の二日ですかの価格ですね、これを風水害のあつた前日の価格、これをまあ基準にしよう。一応基準とするわけでありまするが、その価格というものが建築資材等につきましては、公が撤廃されてから以後ずつと非常に価格が下落して来た。そして朝鮮事変の始まつた……朝鮮事変じやない風水害のあつた当時は或いは非常に高まつていた、その価格をそのままとつて適正価格ということになつては品物が出廻らないので、一応旧公の線まで引き上げて而もそれに或る程度の幅を持たせて、そういうような線で以て一応適正価格というものを府庁のほうで決めたらしい。でありますから風水害のあつた当時の価格から見て相当上廻つた価格で適正価格を決めて、この価格でなら物を集めるのにも支障はない、又消費者の面からいつても旧公から少し上廻つた価格だから辛抱しなくちやならないというよう線で、一応適正価格というものを決めたらしい。それにこういう価格で実施したいがという相談がありました。調査庁や高検のほうもそれで以て差支えあるまいということで一応決めて、これを府知事の名前で発表いたしました。これを基準にしてその後取締をしていたのです。併し御承知の通り各県の間の昔のような密接な連絡というものは、なかなか取りにくいというので、中には大阪と兵庫と価格に凸凹があつたというようなことがあります。例えば亜鉛鉄板等につきましても、大阪で決めた適正価格より若干騰つた価格で神戸が決めたようなことがありまして、そのために大阪には亜鉛鉄板がなかなか出廻らなかつたというような事態もあつたようであります。併しそういうような場合にはまあ両者が相談して、その適正価格の再検討をしようというような初めから話合いになつておりました。さようなものも逐次是正されて参りましたから、現在その価格が非常に不当に安いために、物が出廻らないというようなことはあり得ないと思うのであります。併し何といたしましても需要が非常に厖大な需要であり、瓦だけにつきましても、約大阪で似て一億くらい要るのじやないかということが言われておる。それだけの厖大な需要が急激に起こつたので、それに供給の面が追つかなかつたというのであつて、品物はなかなか入りにくいようでありまするけれども、各府県との話合いもし又通産局或いは調査庁等も品物の入荷についてはできるだけ協力しておりますので、逐次品物も入りつつあるように聞いております。従つて今のこの復興資材の入荷等も著しく悪いというようなことは言えないと思います。又価格等の関係におきましても、この価格の関係において品物が入りにくいというようなことも私はない、ように信じておるのであります。
○楠見義男君 ちよつとお伺いしますが、或いは御説明があつたかも分りませんが、暴利の観念ですね、抽象的に大幅とか、異常に高騰とかいうことなんですが、たしか物調法の前の、或いは物価統制令前の、暴利取締令ですね、これは関東大震災の直後ですか、それにできたのではないかと記憶しておるのですが、そのときの運用上の基準というものは、これも私は正確には覚えておりませんが、たしか三割とか四割とかそういうように一定の目安というものがあつて、それが取締の対象になつておつたように記憶しておるのですが、現在の取締対策要綱を拝見しましても、適正価格が大幅に超過せられた場合、こうなつておる。その大幅という意味ですね、これはどの程度にお考えになつておるのですか。
○説明員(奥村重正君) ちよつと速記を止めて下さい。
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。 それでは特別調達庁の調査につきまして、この前からやつておられたところに引続いて司波調査部長からそれの説明を求めます。
○説明員(司波實君) 前回も当委員会におきまして、調査庁でこの六月から七月にかけてやりました横浜特別調達局を対象とする需品部門の御報告を申上げたわけであります。それに基きまして、八月から若干九月にもかかりましたが、大体それの例に倣いまして横浜以外の八特別調達局を全国的に対象といたしまして、需品部門の業務経理の面の調査をいたしました。尚それに並行いたしまして、本月の初めから特調の業務の一番複雑であり、問題のあると思われまする工事部門につきまして、これもやはり横浜特別調達局をモデルといたしまして中央庁におきまして現在調査を進めております。そして十月には他の局を対象といたしまして、やはり工事部門につきまして全国的にやる予定にいたしております。大体それに一ケ月半くらいを要し、それと並行いたしまして更に役務関係につきまして中央でモデル調査をやり、大体十一月の二十日くらいから本格的に役務関係の調査をやりまして、一月の遅くも末頃までには特調全体の業務に関する調査としての或るめどを付けたい。そういう心組みで進めておるわけでございます。で、現在中央庁で進めておりまする工事関係のモデル調査につきましては、中間的な報告しかできない段階でございまして、結局只今申上げまするのは需品契約に関する全国的な調査の総合報告というようなものでございます。これは前回横浜を対象とした問題を取上げたときの問題点が大体全国的な傾向だということを結論付けたというようなことになろうかと思うのでございます。いろいろな事実を実例を申上げながら御説明いたしますと非常にお分り易いと存じますけれども、時間の関係もありますので、先ず結論的にどういう点に問題があるかということから一つお話申上げたいと思います。その前に需品部門はこの前も御説明申げましたように、中央需品と地方需品と二つに分れておるのであります。で石炭とか材木とか、相当大量の需註の予想されるものにつきましては、これはいわゆる中央需品と称しまして八軍が直接に発註する。それからそれ以外のいろいろな細かいものにつきましては地方需品と称しまして、占領軍のそれぞれの部隊に年間の予算の枠を與えまして、例えば甲部隊は年間三百万円、或いは乙部隊は一千万円、その範囲内において各部隊が発註するという建前になつておることは前回申上げた通りでございまして、勿論金額的には中央需品の方が多いのでございまするが、地方需品につきまして昭和二十五年の予算を見ますると、全国で約十八億五千万円ということになつております。中央需品については実はこの今年の予算の組み方が非常に分りにくくなつておりまして、はつきりした金額を掴めないのでございまするが、八、九十億くらいではないかと大体予想されるのであります。まあそういう十八、九億という予算を占めるその業務の特調の扱いぶりに関する結論的な問題点でございます。これは前回にもちよつと申上げましたが、特調の業務運営の方針として八軍からも示され、特調の本庁から各調達局に示されておる重要な方針が三つあります。その一つは業者選定を公明正大にしろ、そうしていろいろなスキャンダル等を起さないようにやれということを厳重に言つている点、それから第二は、終戰処理費をできるだけ節約しろという点、それから第三は事務を占領軍の要請に応えて迅速で而も正確にやれ、この三方針があるわけでございます。この三方針が現実面でどういうふうに現われているかということをそういう角度から我々としましては見たのでございます。 その第一の点から実情はどうかということを結論的に申上げますと、その一つは業者選定を公明正大にするためにあらかじめ業者名簿というものを各調査局で作りまして、そうしてそれらの信用とか、その他重要な事項を調べて置くという建前になつておるのでございますけれども、現実はその業者名簿が全国的に不整備である。そうして業者選定の基礎としての意義に欠けるということが言い得るのでございます。これはいろいろ実例もございまするが、結論的にそういうことが申されるのです。その二は、業者と契約する場合に大体四つの方法があるわけでございます。一般的な競争入札と、それから指名競争入札、それから見積り合せの随意契約、それから無條件の随意契約、この四つに分れておりまして、特調といたしましては、この一般競争入札を原則とする。そうしてできるだけ多くの人間に入札の機会を與える方法を講ずるという建前をとつておるのでございますけれども、この業者に対する入札の周知方法が甚だ徹底を欠いて、結局縁故業者のみがそういう入札のチヤンスを持つということが現実の運営上に現われておりますのみならず、その三といたしまして、競争入札の原則が守らないで無條件の随意契約、これが甚だしく濫用されておる。原則と例外が逆になつておるという事実、これも全国的に一般的な傾向として見得る問題でございます。その四は、この見積り合せの随意契約をやりました場合に、結局二人以上の業者から見積り合せを取るわけでございまするから、そのうちの一番安い誰かと契約した場合に、選に洩れた業者が如何なる見積り合せを出したかというような書類を、当然特調といたしましては保管して、その業務の公正があとで証明できるという構えにして置くべきにかかわりませず、これはこの前に横浜のでも御説明申上げましたが、全国的にやはりこの書類の処理が非常に乱雑であるということが結論付けられるのでございます。従いまして果してこの見積り合せをやつたのかどうかということすら第三者には分らない。本人は一応やつたと申してもそういう証拠はないというのが一般的な傾向であります。それからその五は、これも横浜の例でこの前申上げましたが、業者のうちにはメーカーと、それからいわゆる仲介業者としてのサプライアというこの二通りでございます。特調といたしましてはいろいろな経費の点もございましてメーカーを原則とし、止むを得ない場合、例えば例を引きますと青森県の三沢の飛行場、航空基地、こういう地方にはなかなかそういうメーカーがない。従つて便利屋的なサプライアを利用して需品を調達する。そういう特別の場合を除いてはメーカーを原則として使えということになつておるのでありますが、例えば東京とか、大阪とか、京都とかでは幾らでもメーカーを探し得るような環境にある場所においてすら、やはりサプライアの利用に偏しておる。而も特定の業者の独占的な傾向が強くて、そうしてこういう場合多く無條件の随意契約が行われておるというのが一般的な傾向でございます。それからその第六といたしまして、これも前に触れましたが、今の各部隊に割られた年間の予算内におきまして、いわゆる個々の調達命令が出ます。パーチエス・オーダーというものが出るわけでございますが、これは実は軍の方針といたしまして、二十五年度におきまして一口五万円を超えることができないということになつておるのであります。従いまして、百万円のものを需品しようとする場合には、これは地方需品ではできない場合が多いのでございます。それを潜る手段として、軍側におきましてはパーチエス・オーダーの分割ということが行われております。これは明らかに脱法的なやり方なんであります。そういう分割が行われるために、調達庁といたしましては非常に事務が煩雑になつておる。而も五万円の契約ならば入札でなくて見積り合せの随意契約ができるという建前をとつておりますので、結局随意契約濫用にそのパーチエス・オーダーの分割ということが利用されている。この例が全国的に、むしろ大部分といつていいような状態でございます。以上のような、業者選定面における公明正大さということは、方針にもかかわらず非常にこれに反した現実の運営になつておる。かような事実は、篤いろいろ特徴をめぐるスキヤンダルが各地に発生しておりますが、それを生んでいる一つの温床ではないかと考えられるのでございます。これらの点につきましては、一層調達庁といたしまして、反省努力の必要があるのではないかというふうに考えております。 第二は、終戰処理費の節減の角度から見た問題でありまするが、その第一は、入札或いは、要するに契約の基礎になる特調の立場からする積算であります。結局その積算、特調におきましては、わざわざ技術部という特別の部門を置きまして、そういう見積積算を相当合理的に、損の行かないようにやるという構えになつておるのでありますけれども、この積算というものがまじめに行われておらない。特に随意契約の場合には、或る業者から見積価格を出させて、それを鵜呑みにして、そのまま契約しておるという例が非常に多いのであります。このことから、その二として出て来るのでありまするが、特にこのサプライアに不当な高額なマージンを與えておる、中にはサプライアが二人も三人も中に介在いたしておりまして、結局その全体としてのマージン、鞘取りというものが非常に大きなものになつておるという事実が全国的に各所に現われております。それからその三といたしまして、これは特調の責任も若干ありますが、この軍と業者とが直接に取引をしてしまいまして、特調はあとの書類の始末だけする。そういう恰好の契約が相当あるということでございます。これは結局中に……呉の管内の問題でございますけれども、二十四年度の年度末に砂利とか木材というようなものが、予算が余りましたので相当量業者に直接軍から発註している。ところが現実に納入されたのは、砂利とか木材とはおよそ縁のない家庭用品であるとかいうようなものが納入されている。それで特調の係官は後でその始末に弱つている。これは極端な例でございまするけれども、要するに相当そういう意味で軍側にも考えて貰わなければならん問題を含んでいるのでありまするけれども、こういう問題もあります。特調といたしましては、軍の言われることならば結局そのまま聞かなければならないというような、安易な傾向が一般的に見られる。その意味で特調にも一部の責任を追究すべきではないかというような問題がございます。一般的に申上げまして、この終戰処理費の節減という点につきましては、調達庁の職員全体に熱意に乏しいのではないか、そういうことがかような傾向を生んでいるのではないかというように思われる節があるのでございます。これはこの前も申上げたかどうか、特調の或る係官は、結局この終戰処理費というものは、講和條約の際に、ちよつとこれは速記止めて下さい。
○委員長(河井彌八君) 速記止めて。 〔速記中止〕
○委員長(河井彌八君) これから速記をつけて。
○説明員(司波實君) それから特に最近御承知の特需という問題が入つて参りまして、向うの軍が直接調達する。そういうことが起つてから以後、特需形式に軍側も慣れて来まして、この調達庁に調達を要求する場合も只今申上げましたような、業者に直接取引して、結局後の事務上の始末だけを調達庁にさそうという傾向が若干強く現われているというような傾向が看取されるのでありまして、特需は別といたしまして、少くともこの特別調達庁に任された日本の予算で賄われるこの問題につきましては、相当厳重な処理がなされねばならん。この点は私の方からGHQの方へ一つ是非要望したいというように考えております。それから第三は、この事務処理の迅速正確という点でございます。この点で一番問題になりまするものは、物品の納入、物資の検收、この点につきましては、事務処理の建前といたしまして、軍側が直接やり、特調は全然タツチしないという建前になつているのであります。それから来るいろいろな弊害が現れております。例えばこれはやはり年度末に起つている問題でありまするが、未納品に対して代金を支拂つている。これは一応未納品であるにかかわらず、軍側がリシートを出しまして、そうして特片側に金を支拂つてやれというように強要しているというような事例も出ております。それから又この代金支拂の遅延、この点は横浜の場合にも申上げましたが、やはりこれは全国的な傾向でありまするが、二十五年度になりましてからは、やや改善の跡が認められます。それから最後にやはりこれは年度末の問題といたしまして、認証額と支出済額との不一致、これは横浜にもありましたが、呉、名古屋でございますか、一千万以上の食違いがある。結局繰越に関連する問題で、結局解決つく問題でございますが、そういう点で事務処理がやや正確を欠いておるという一つの問題として取上げられてよかろうかと存じます。全般的に我我は考えるのでありまするけれども、特別調達庁が占領軍と直接タツチするという非常に苦しい立場に挾まれて、なかなか自分の思う通り、信念通りにはやれないという点は十分分りまするけれども、わざわざやはり特需というような、直接の形式でなしに、特別調達庁という一つの機関を作つて、それに軍の需要を調達させるという、そういうものが設置された以上は、先程申上げましたような諸点について相当の決意を以てやつて頂かなければ結局これを設けた理由というものの大半が没却されるというような感じを持たれております。横浜調達局につきましては、調達庁の幹部にもいろいろ申入れまして、最近いろいろ具体的な問題について改善のあとが現われております。そういう意味で今回の全国的な調査につきましても、成るべく早く書類を整えまして特調側に適当な勧告をいたしたいと存じております。尚これは報告書は大体案がまとまつておるのでございますが、総合報告書という意味でいろいろな実例も沢山挙つておりまするので、今月又或いは来月早々にはでき上る予定でございまするので、でき上り次第当委員会にも提出いたしたいと存じております。
○委員長(河井彌八君) 何か御質疑があればこの際お願いします。
○梅津錦一君 最近工事が非常に殖えておるように民間では伝えられておりますが、事変後の工事関係の仕事の分量と事変前と相当違いますか。
○説明員(司波實君) これは事変後に特調の関係で殖えたというものはない。これは終戰処理費の額は正確な数字を覚えておりませんが、百億ちよつと切れた予算だと思います。それに進駐軍住宅見返資金で出た百五十億だつたと記憶しますが、それとでありまして、朝鮮事変で殖えたというのはいわゆる特需の形式で軍が直接納入の業者にやつておる点で相当殖えておると考えられます。
○カニエ邦彦君 この工事の、先程聞きまして未納の分については、支拂つておるものがあるということですが、これは全体の大体の額が出たのですか、結論は出ないのですか。
○説明員(司波實君) これはまあ具体的な事例が数件出ておりますが、それについてはもう特調側に対して私共としてはできるだけ早くそれは納入するように促進させるというように勧告する以外に途はないのですから。
○カニエ邦彦君 額はどの程度ですか。
○説明員(司波實君) これは年度末に予算を早く使い得るというようなことから出ているのです。いろいろ沢山資料がございますので、ちよつと……。
○カニエ邦彦君 それではその数字はあとで結構ですが、それからもう一つサプライアがまあ相当多く、やはり今でもそういう規定以上に動いているのじやないかというように聞いたのですが、これに対しては何ですか、特調としては一定のサプライアの資格とか基準とかというものを決めているのですか。
○説明員(司波實君) 形式的には一応決めているのですが、実質的にその実態を調査するというようなことがまあ大体なされていないようです。そのために大阪などにも例がございますが、半年ほど未納して、そのうちにつぶれてしまつた。それから又登記もしていないような幽霊会社がこの名簿に載つている。そういうふうな例が散見されるわけでありまして、この業者の調査、要するに業者名簿の作成について非常に乱雑である。そこからいろいろな問題が出ているということが言えると思います。それは特調側から見ますと非常に複雑多岐な仕事を受持つていて、非常に忙しくて手が廻らんということを弁解しているのですが、それは基本的な問題ですから、やるようにと我々強く言つているのです。
○カニエ邦彦君 その名簿なんかはそういつたように的確を期さないが、併し各特調には何ですか、正確な名簿を備え付けているのですか。
○説明員(司波實君) 名簿が一応できておりますが、甚だ正確でないということです。
○カニエ邦彦君 それからもう一つお聽きしたいのですが、こかは特調の関係のことではないと思うのですが、国税庁関係との連絡ですね。税金の関係や何や、それらのサプライアについてはやはり相当によく調査をしている風ですか。
○説明員(司波實君) その点ちよつと私共の方では存じませんのですが。
○カニエ邦彦君 大体そういう面で非常に多くの闇所得というか不当所得というものが拔けておるのではないですか、恐らく……。
○説明員(司波實君) それはあり得るでしようね。一例でございますが、非常に参考になると思いますが、サプテイアにマージンを余り取らせてはいけないというので、呉の調達局でサプライアが下から幾らで仕入れるかということまで報告させておるのですが、それを私共の方で調べて見たのですが、その報告が果して……、そちらのメーカーなり、相手方になつた者にどれだけ行つておるか。そうするとそこに非常に鞘がある。それで下請の者から幾らで買つたという領收書を付けてやらせておる。着想としてはいいのですが、そこに嘘が出ておるというような実例も出ておるのですが……。
○カニエ邦彦君 だから不当に儲ける者をなくするためには、儲ける者は儲けてもいいとしても、そこにやはり正確な税の形で取つて行くということで、まあ虚偽のそういつたような申告があればこれを摘発した場合には、厳罰に処するということで行けば恐らくそういつた不正もだんだんなくなつて来るのではないか。それがまあ目こぼしになつて行けばやはりそういうことが多くなるのではないか、そう考えられるのですが。
○説明員(司波實君) それも一つの方法でございましようね。
○カニエ邦彦君 そうしますと、工事関係ではまだ資料としても結論的なものは今の段階では出ていない……。
○説明員(司波實君) 来月早々くらいまでには一つだけ、横浜の例でございますが、中間的な結論は出ることになつております。それもやはり業者の選定問題が一つの大きな問題でございまして、非常にひどい、横浜ですが、べロースとかいう白系露人の業者ですが、これが相当食込んでいる。こういう者をやつて自分では仕事をやらん。そうして相当鞘を稼ぐというようなことがある。やはり問題点は工事でも何でも、今申しましたようなところに一つの問題があるのでございます。ということでまあ我々の頭としては、そういうところに又着眼点を置きまして、やはり工事についてやつているのです。ただ非常に工事関係が複雑でございまして、ものの動きだけではないのでして、それで苦心しているんです。
○カニエ邦彦君 それじや大体まあ結論が早いうちに出るそうですから、結論が早く出れば、一つできるだけ早い機会に委員会に資料等をお出し願つて、又お聞かせ願う、こういうことにお願いいたします。
○梅津錦一君 この経済調査庁のほうが、特調のほうの調査ができるようになつたのは去年の九月からですか。
○説明員(司波實君) いいえ、今年の六月の改正以来です。
○梅津錦一君 今年の六月の改正以来ですか。以来横浜を最初として手を入れて来たわけですけれども、全国的にはそういうような大変な仕事をやつておるわけですが、併しながら特調が依然として経済調査庁を軽んずるということになりますか、或いは業者が更に経済調査庁が手を出してもそれは形式的なもので、何ら我々の今までのやり方に対して別に驚くことはない。こういうような軽く見る傾向と言いますか、非常に嘗めたような形がありますかどうか。
○説明員(司波實君) 今までのところでは可なりこちらの言うことを聞くというふうに見受けられます。横浜の場合なんかでも、早速本庁から飛んで行きまして、更に本庁の立場からもこちらから提起した問題を再調査しまして、改善の余地のある問題は一々改善して来ておるという事蹟も認められますし、この前もちよつとお話申上げましたが、今年の四月から中央の特調は従来東京管区は現場を兼ねておりましたが、それを切離して地方調査局を作りまして純然たる監督官庁になつておりますが、相当そういう意味で我々の意見も聞いて、いわゆる監督官庁としての中央庁の役割をやろうという熱意が中央の幹部にございますので、相当そういう意味での成果は期待し得るのじやないか。ただ問題は占領軍側との関連のある問題ですね。それから何でもそちらへ責任を持つて行こうとする傾向が見受けられるのです。そういうところにいろいろ積幣もございまするし、なかなか根本的な改善ということは困難だと実は思いまするけれども、だんだんよくなつて行くんじやないかというふうに私は考えております。
○梅津錦一君 直接軍側と業者とがやる仕事に対しては特調はただその斡旋をされるだけですか。
○説明員(司波實君) 斡旋もいたしておりません。最近の特需は全然タツチしていないわけです。
○梅津錦一君 金の支拂だけですか。
○説明員(司波實君) そうでなしに、朝鮮事変の特需というものは純然たる向う独自にやつている仕事でありまして、これは経常的な占領軍の需要を充足するために特調が中に入つて仕事をやる。だから予算も終戰処理費から出ているのです。特需は向うから持つて来ているわけです。
○委員長(河井彌八君) それでは特別調達庁からの説明を聞きましたが、公団の調査がまだ残つておるのです。只今から一時半まで休憩いたしまして、それから公団の調査について説明を聞こうと思います。さよう御承知願います。 ではこれで休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 —————・————— 午後二時十九分開会
○委員長(河井彌八君) それでは午前に引続き内閣委員会を開会いたします。 経済調査庁によつて公団の調査が行われました。その状況をこの前もすでに説明を伺つたのでありますが、引続いての報告を伺うことにいたします。
○説明員(木村武君) 当内閣委員会におきましては私共として誠に感謝に堪えないほど非常に私共の調査に関心を持つて頂きまして、すでにたびたび御報告を申上げておる次第なんでございますが、その際に多分竹下先生からだと思いますが、お話がございまして、なかなか今までとは違つたような突つ込んだ調査をしている。併しその調査をした結果がどういうふうに実現するかというところに問題があるように思うのだが、そういうことについてはどういうふうにやるのだというお話がございまして、そのときに私共実はかような監査というものは、ただ監査のしつ放しでは殆んど意味がない、むしろ相手に能率阻害の一面を残すだけで、却つて無意味である。そこでむしろ今我我は監査を始めたばかりで結論を出したところで、むしろ監査の始まりだ、その結論の実現を必要に応じてホールドアップして行くというところに実は監査というものの一番大事なところがあると考えておるのだと、こうお話を申上げたのであります。それでは如何にしてその監査の結論をホールド・アップして行くかということになるわけでございまして只今その段階におきまする状況を、中間的に御報告申上げようと思いまして、甚だぶざまな表をこしらえまして恐縮なのでありますが、こういう大きな表を一応作つて見たわけでございます。今度はもう少し御覧になり易いような表にして、お目にかけるつもりでありますが、今日は誠にぶざまな、大きな表をこしらえまして恐縮でございます。この一番初めの上に書いてございますように、それぞれトピックを約八つ、九つばかり出しておるわけでございます。最初は買取方式の合理化、或いは取扱物資の買取継続の検討の問題、つまりだんだんと公団がいらなくなつて来て、需給は緩和して来て、その緩和して来ている状態において、公団の買取方式の問題として、買取方式を考えて行かないと、いわゆる配炭公団の例、或いは薪炭特別会計の例などから見まして、この買取方式をそのまま……、需給が逼迫して、何でもかんでも物を確保しなければいかんという考え方の下にできた買取方式は、つまり質よりも量と申しますか、量に重点を持つ買取方式を以て、解散の段階に入ると、とんでもないということを申したわけでございますが、その問題が第一のトピックでございます。このトピツクにつきまして、ずつと上から下まで御覧頂くわけなのでございますが、この食糧配給公団は、これは実は」いも」類について相当な問題があると思いまするが、その点は未だ改善されておりません。ただ北海道産の澱粉と小麦、澱粉につきましては、売渡買取方式を変えまして、その関係でこの分について解散の場合に大きな滯貨を抱くという問題はなくなつたわけであります。それからその次に官庁関係の食糧庁が、何でもかんでも機械的に公団に荷渡しをするときに、倉庫に入れてから荷渡しをする。そういうことを最近やつている。そのためにみすみす倉庫に出し入れの料金並びに保管料というものを、これを消費者側に負担さして、相当なものになつている。これは我々の計算では約二億円くらいのものがこの関係で、若し昭和二十三年度に行いました方法で、或る程度レールで渡す。こういうふうな経費の節減の見地を重視したやり方でやりますればできるのに、それをやつておらんという問題があるのであります。これは今後の主食の配給経費の中間の経費をどうするかという問題にも、相当大きく響く問題でございますが、この問題を勧告してございますが、この点もまだ相変らずにえきらないで、まあ総括的に申上げますと、官庁方面がこの公団の関係について改善の実情が思わしくないという、一つのあれが出て参るのでございますが、こういう点なども、もうこれは大分勧告いたしましてから永くなるのでありますが、未だにそのままになつておるという状態でございます。それから油糧公団関係、これは大部分のものが統制を外しまして、まだ公団のあるうちに統制を外しまして、そうして処理をすることになりましたので、解散の際に大きなものを抱いてやるという問題は、大体解消いたしたわけであります。それから次の肥料公団でありますが、これは実は私たちの狙いは肥料公団にあつたのであります。肥料公団が若し解散の際に今のままの買取方式、これは独立の生産者の工場買取方式、工場で製造の報告があれば、そのまま買取るという方式になつておつたのであります。そのままでやればとんでもないことになるのだ、私共の一番大きな悩みはここにあつたのであります。この肥料公団は結局解散の際に、逆に私共の勧告から申しますと、形式的には全く逆にわざわざ八十万トンのものを、ここには八万トンに見えますが、零が一つ足りませんで八十万トンの肥料在庫を買つて、そうして解散する。こういうふうなことになつておるわけであります。只今肥料の値段が若干上廻つておりますので、これを放出してどうするかということなどは、非常に安定しておりますので、心配するようなことにならんで済むかと思いますが、最初の予定では、来年の春の春肥の需要期に出す、こういうようなことでございましたので、その時期に果してうまく自由な取引をしておる商売人と競争して、この公団の商品がうまく行くかどうかということについては非常な疑問であります。やはりこの点は一つの産業的な見地からどうしても、こうしなければならんというように政府として決定されたわけでありまして、私共の勧告の狙いは公団の解散の際に買取方式が取られておつて、そのために無意識に非常に大きな量を抱いて解散する。そのために配炭公団の例、薪炭特別会計の例、こういうようなことになつては困る。こういう心配であります。その辺を十分我々勧告したのに、かような一つの産業的な見地からやられたということでありますので、私共としては、これが必ずしも勧告に対して実現しなかつた、勧告を無視したのだというふうには考えておりません。それから次の食料品公団でございますが、これは乳製品について、これは罐詰には同じような問題があつたのでありますが、昨年の五月に、たびたび申上げてございますが、例えば五月三十一日に一億円の物を買取つた。こういうふうな解散の際に、そういう出たらめなことになるのであります。それで強い勧告を発したのでありますが、乳製品については、今年の一月から売渡買取、売渡買取と申しますのは、どういう方式かと申しますと、公団として出荷指図をやりまして、出荷指図によつて配給先に物が渡る。物が渡つて、配給先から受取状が出たときに買取つたことになる方式、そういう方式に改めましたので、只今乳製品の大きな滯貨量というものはございません。そこでその問題を解消いたしまして、只今は売掛金の問題ということに問題はなつておるわけであります。それから次の飼料公団につきましては、この表全体を御覧下さいまして気の付くことでございますが、一つも実は私共の、一つもと言つては語弊がありますが、殆んど三月に解散するまでに我々の勧告は実現しなかつた。てんやわんや、まさしくてんやわんやの公団であつたのでありまして、随分きつく勧告いたしましたが、遂に実現しなかつた。これはこの表に、まだこの表は十分完成した表でございませんので、その辺のあれが出ておりませんが、農林省の監督官庁の責任が相当大きなものがあるというふうに私は見ております。農林省は或る程度その辺の事態を十分認識しながら監督を適正にしなかつた。公正迅速にしなかつた。こういうところに非常な問題があるのであります。そのためにこの公団は未だに相当な飼料を売れずに抱えておりますし、売掛金の問題なども相当だらしのないことになつておる。この表全体を御覧下されば分りますように、飼料のところは殆んどブランクでございますが、改善を余り発見いたしませんで、各公団を通じまして最も醜態を、直言いたしますると醜態を晒した公団でございます。それから次は、第二番目の自家保険積立金の制度に切替えるという問題でございます。この産業復興公団、貿易公団のほうに買取方式の問題はございません。従つて今ここに出てないわけであります。 第二番目の自家保険積立金の問題、これは食糧配給公団は私共が前に配給行政監察ということで、公団監察ということでなしに見ましたときに、さような問題を申上げまして、そのときからすでに実行中でございます。この公団については、我々が勧告したから自家保険積立金の制度になつたというのではございません。次は油糧配給公団でございますが、これはこの三月から自家保険積立金に移行いたしました。それから次の肥料配給公団、これも四月から自家保険積立金制度に移行しました。それから食料品配給公団、これは三月に結局解散いたしまして、この問題は実現しなかつた。さようなわけに行かなかつた。さような段取まで行かなかつたのであります。それから飼料配給公団は、今申しましたようにこの三月解散になつておりますが、これも実現いたしていないのであります。それから産業復興公団は、これは商品については前々から営業倉庫に保管せしめておりまして、営業倉庫には直接保険の問題は起りませんので、この問題はこの公団にはございません。それからこの両貿易公団についてはあるのでありますが、これは非常におかしな言葉でありまして、この貿易特別会計というものは特別会計でありますが、通産省の特別会計であり、大蔵省の特別会計でない。大蔵省からは我々の勧告をいち早く取上げて自家保険積立金にしろという通牒が出ましたが、通産省は俺の特別会計に向つて何を言うのだと言つて、つまり貿易公団は特別会計の公団であるというふうに考えて頂けばいいのでありまして、そういう公団でございまするそこで俺の特別会計に何を言うかと言つて通産省の方では旋毛を曲げて実行しない。こういう状況に陷つておるのでありまして、こういうところに非常におかしな状況が出ております。そして両公団共実は実行いたしておりません。 次に第三番目のトピツクの、手許現金預金の効率的運用の問題でありますが、短期債の復金への早期償還の問題、それから当座預金で多額の九十何%も殆んど全部当座預金に預けておる。従つて銀行といろいろな因縁がついておる。それからだんだんと高じて浮貸の問題になる。それから政府納付金の早期納入を図らなければならないという、こういうように分ければ三つの問題になるわけであります。食糧配給公団はこの経本、大蔵省のところを御覧頂きますと、こういうふうな措置を昨年の九月並びに今年の八月、昨年の九月は結局通牒で一応実施いたしましたし、それから今年の八月からは大蔵省令で……、昨年の九月の際には單に公団の資金を大蔵省の預金部から借りろ、借りるから従つて引落しを自動的に預金部に入れる。日銀の預金部の口座に入れる。こういうふうな行き方であつたのでありますが、今年の八月からは今度全部公団の資金は、それが政府から借入れたものであろうが何であろうが、それに関係しないで、預金部の普通預金として預金部に預金しなさいというような形にしたわけであります。その言葉ですべての問題が大体解消したわけであります。それから非常にもう一つおかしな問題があつたのでありますが、食糧庁は昨年までは公団に物を売渡しいたしますと延滯利子を取つておる。延滯利子は二銭五厘乃至三銭、ところが食糧庁は日銀からいわゆる食糧証券を借りてやつておる。それの日歩は二銭三厘であります。その間に利鞘がある。それでできるだけ公団からゆつくり金を取ると食糧庁は稼げるというようなおかしなことになつております。それが何も消費者に迷惑がかからないからいいのですが、米の消費にそれがかかつて来る、こういう実に馬鹿げたことになつている。これが我々が勧告をいたしました結果、この二十五年度から全部食糧庁は公団から延滯利子を取らない、その代りどんどん納入告示をてきぱきと切つて早く金を引上げる、こういう繰作になつたのであります。それから油糧配給公団の問題も今の経本、大蔵省の通牒で殆んど全部解消したわけであります。全公団につきまして大体同様と考えて頂けばいいと思います。相当改善もされて参つております。 次に第四番目のトピツクは売掛金の回收の促進、それから売掛金の利息の統一的徴收という問題であります。公団は相当売掛金を持つていながらさつぱり回收の促進態勢ができていないという問題があつたのであります。それから利息も使用主だからとらないのが当り前だと言つて、とらないことにしておつたり、とることにしておつたり、各費目ごとにまちまちで、大体とることになつおつても殆んどとつていないという状態であつたのですが、利息の統一的徴收の問題は、大蔵省に通牒を出して頂きまして、大体それによつて、その通牒に基いて事態は解決したのでありますが、売掛金問題もこれは随分やかましく我々の方で側面的に協力をいたしておりまして、まあどつちかというと、調査庁が極め手を引受けて、何故あなたのところは公団の金が納められないのですかということの調査を相手方にいたしまして、そうして売掛金の回收促進に手伝つているというような状況でございます。併し、もう一つ今お配りいたしております資料を御覧下さいますと分りますが、この公団の売掛金というのは利潤が原則だというような宋襄の仁的な考え方からいたしまして、さつぱりこの方に重点が行つていない。そこで売掛金の整理がさつぱりできつていない。その証拠には各公団を通じまして得意先前置金というのが多いのであります。こういうようなことで、大体公団の帳簿上の売掛金と実際上の売掛金は、無論実際上の売掛金が多いが、半面滯貨の問題になると、公団の経理上滯貨の数字が実際の滯貨よりも多い、こういうような状況になつているのでありまして、この売掛金整理の問題は公団の終熄段階において非常に大きな問題ということになるわけであります。最近どの程度に売掛金が減つて行つたかというような一つの例を申上げますと、食料品公団で御覧下さいますと分りますように、二十四年の十二月末には二十四億ございましたのが二十五年の九月には七億六千というような状態になつております。それからその次は事業費請負面の支出の節減の問題であります。これは毎々申上げますように、一昨年の後半期以来のドツジ・ライン以降も経済情勢の変化がさつぱり公団の経営面に反映していない。それで非常なイージー・ゴーイングをやつている。物価庁の公団の査定がその経済情勢に応じてあまい。物価庁に言わせると、我々は最高を決めるからその最高の範囲内で勉強をするのが当り前だというのですが、そういう勉強のできるような機構になつておりません。従つてそれが非常にあまい。公の上に眠つている。或いはそれがあまいということが分つているから、中にはいろいろな中間の鞘取り機関を入れている、こういうような状況であつたのであります。これが驚いたことには食糧配給公団のような主食の非常にやかましい、各方面で監視の眼が十分届いているはずの食糧配給公団においてすら、こういう上に揚げてございますようないろいろな、特に甚だしいのは愛知、北海道、福井というような例でありますが、これは県内を一つのプールにいたしまして、非常にあまいものを作つて、そのあまいものを一種の歩合留保と見られる程度にまで、そのあまいもののうまみを吸わせているというようなことがあるのであります。これもいろいろやかましく言つておりますが、食糧配給公団は只今終熄段階でございまして、今のうちにできるだけ何とかうまみを残して置かなければならないというような考え方だと、それが共謀いたしましてなかなかてきぱきと行つていない、相当最近行きつつありますが、二十五年度に入りましてそれが我我がやかましく申しまするので幾らか実現しつつありますが、なかなかそうてきぱきとは行つていない、こういうような状況であります。この油糧公団等も大体同様な状況にございます。それから肥料公団は元々実はこの運賃面などではなかなか努力しおつた公団でございます。努力しておつた中の五億円をいわゆる内部留保しておるというところがあるのでございます。後でそのほうの問題が出て来るのでありますが、やはり保管料のほうは同様な状況に置かれております。最近この保管料の問題だけでございますが、この公団といたしましては、最近九月から実現を見られるというような状況に来ておる。こういうようなことでございます。それから食料品公団、これはなかなかよく公団の解散までやつたのでございます。この面はここに書いてございますように割合よくやつたのであります。それから次は飼料公団、飼料公団はさつき申上げたように殆んど実現してないのであります。ただ保管料の問題について、この二月から辛うじて若干寄託価格を加えた、こういうようなことが見える程度でございます。それから産業復興公団、これも非常な情実的な請負契約が見られたのでありまするが、これはこの四月から相当随意自己契約をやつておりまして、非常に情実が見られたのでありますが、大分この四月になりますとこれが改善されて参ると、こういうふうに考えます。それから鉱工品公団、これは保管料の問題があつたのでございまして、この保管料の寄託価格を時価に引下げて参るというような、そういうようなものがだんだんと進行してしおります。まあ割合によくやつておるほうでございましよう。それから繊維公団、繊維公団のほうも最近の情勢は幾らか変つて参りましたが、絹織物、人絹織物などについて、非常に時価が低くなつたにかかわらず、依然として仕入価格でやつておるというような問題があつたのでございますが、これも昨年の暮から引下げの努力が実を結んで参つております。 それから次は第六の在荷把握処置面の適正迅速化の問題でございます。でこれは毎々申上げますように、各公団を通じて出荷面というものは殆んどできてない、こういうふうなことでございまして、経理面はただ單に帳面を持つている。そうして実際の経理面というものは、実際の材料部門から見ると相当に多いのでフィジカル・インベントリーから始めなければならないのでありますが、それがなかなかでき難い、こういうふうな状況にあるのであります。この関係で一番今大きく、問題として上つておりまするのは、これは鉱工品貿易公団の場合でございまして、この輸入保管物資などは百億以上あつたが、こういうものがさつぱり整理ができてない。今盛んに整理を督促しておりまするが、さつき申上げましたように、これは特別会計と一心同体のものでございまして、貿易特別会計の問題と一緒にやらなきやならん。ところが特別会計のほうはやはり役人根性で、貿易公団のほうへ任しちやつてなかなかこれをうまく自分の責任としてやつて行くというような考え方がない。この関係で一番大きな問題は原材料を貿易公団に引継いだものについて、それをさつぱり整理しておらん。今だに約十億ぐらいの物の引継きが……。これは昨年の三月に解散を実行したが、引継ぎがうまくできておらん。貿易公団というものは解散したのでありますが、その引継ぎがうまく行つていない、それが未だ実現しておらない。こういうふうなことでございます。まあ幾らかずつは進んでおりまするが、鉱工品公団の最後の把握は各公団を通じての最も大きな問題である、こういうふうに御記憶願いたいと思います。次は繊維貿易公団、これも同じことでございまして、これは公団というものは他の公団も同じようなことですが、実務代行者の報告に基いて帳簿を整理しておるということなんでございますが、その整理がさつぱりできておらん。言い換えますると、最後は幾らあるべきだという簿帳の整理ができておらんのであります。そこでフイジカル・インベントリーが單にできておるだけでありまして、それを付けたというだけであつて、本当に公団にこれだけのものはなくちやいかん。それが合つておるかどうかということがそこに出て来る。こういうふうな性質のものでないというところに問題があるわけなんであります。そういう点を我々も鋭く衝いたのでございまするが、それでやつとフイジカル・インペントリーガ……、大阪で漸く綿糸売掛に適用ができると、こういうふうな段階になつておるのでございます。で保管制度のようなものも非常にひどい乱雑な状況になつておるというようなことが見られたのでありますが、それなどもどうやら最近軌道に乗つて来ておる、こういうようなことであります。 次は第七番目の内部留保云々の問題でありますが、これは食糧配給公団も、飼料公団も材料のほうはいずれも二十三年度の後期なのでございます。それを我々が発見いたしたのでありますが、この後始末ができておりません。次は油糧砂糖配給公団も、油糧部でも砂糖部でもいずれもここに書いてございますように六千八百七十三万円、二千六百九十二万円というような程度の内部留保がありまして、これも表面に出しまして何しました。次は肥料公団でありますが、これは一番大きなもので五億円というような内部留保をやつております。決算を補正いたしましてこれを国庫に納入したのであります。それから飼料公団も赤字を出しまして、一番これはまあどの面でも醜態を極めた公団ということになつております。 次は各公団を通じて見られた例で、たびたびこれは申し上げておりますが、業務と経理の間の連絡がうまくできておらず、業務は戰時中のままですし、経理は銀行預金を引張つて来てくつ付けたというもので、全くの寄木細工でありまして、それに運営がうまくできておらん。その点についても明らかに欠点があつたのでありますが、それらも幾らかずつは改善されておりまして、油糧砂糖公団の油糧部で非常に経理の不明期な処置が見られたのでありますが、幾らかずつ改善の緒についておる。それから飼料公団でありますが、飼料公団は北海道の経理が全くひどいくらいでございまして、今だに北海道の売掛金の実態は正確には分らんという、こういうような状況でございます。この三月に解散いたしましたにかかわらず、今だに実は正確な本当のところは掴めない、最終的の欠損の売掛高というものが確定しない。こういうような状況になつております。今盛んに我々のほうで協力中でございます。それからこの問題は鉱工品公団、それから繊維公団においても同様でございまして、貿易特別会計が公団任せで、公団に責任を負わせて知らん顏をしておる。こういうようなことなどが公団整理の大きな原因でございまして、そういうようなことは、貿易特別会計は本当の自分の責任を自覚しないことには、なかなか問題がうまく行かんのであります。そういうことはやつと貿易特別会計も腰を上げて来たと、こういうような状況でございます。貿易公団を通じまして通産省の立ち上り方は、我々としては余り十分とは申上げられない。こういうような遺憾の意を表明しなければならないような状況でございます。それから公団資産の不当拂下げの問題がございます。こういうようなものは今丁度終熄段階でございまして、常識的に誰でも分つていることでございますが、こういうような数字を示しております。 最後にどのくらいの経費の節約が実際にできたか。或いはできべかりしものかというような計算をしてお目にかけることになつておりますが、この表は未完成でございまして、その計算が食糧配給公団だけについてできております。二十四年度の後期の節約が、我我の勧告の結果後期の節約ができたものが一億二百万円、更に年間の節約可能の見込額を見ますと十八億五千万円くらいは節約できると、こういうことでございます。この食糧配給公団の問題は只今来年の一月一日から主食の消費者価格の改訂が当然行われるのでありますが、その際には大きな問題となるのでありまして、我々がここに、取上げましたような問題を一つ一つ取上げまして、只今どのくらいの経費の節減ができるだろうかということを專ら検討いたしております。私共の今の検討は大ざつぱの検討でございますが、食糧管理特別会計関係で三、四十億の節約ができるのじやないか、それから食糧公団なんかで十五億ぐらいの節約はできるのじやないかというように見当をつけまして、只今作業中でございます。そうなりますと、主食の消費者価格も二%やそこらのものが節約できると思います。大体さようでございます。それからもう一つお配りいたしておりましたところの、只今各公団を通じまして清算段階に入つている公団は逐次多くなつて参つております。ところが清算に入りますと公団は大蔵省の所管に移るのであります。ただ貿易公団の場合は通産省が依然として監督いたしますが、そこで今までの業務所管庁では何と言いますか、涼しい顔と申しますか、まるで大蔵省に問題が移つてしまつたということで、さつぱり今清算公団がどうだというようなこと は自分の責任ではないという顔をしている。清算には全く素人が乗込んでいるということで、清算人が單に解散に入りましたときの決算の数字をフオロすれば足りるということで、そこの売掛金が幾らと出ておれば売掛金をフオロする。在庫が幾らであればそれをフオロして行く。それから公団が赤字にならずに例えば黒字であればそれでいいのだと、こんなふうな大体心構でやつておられるようであります。而も手伝を一人か二人連れておりますが、それが公団の清算人としてただ消極的に受身で判を捺す。そういうやり方では、さつき申しますように、公団では売掛金は公団の帳簿より実際多い。それから在庫は経理帳簿よりも少い。それから更に最近の経済情勢に応じていろんな中間機関等を使つて、そして簿外留保等が行われている。こういうところに公団の終熄段階の問題が集中するわけです。そういうことについてはさつぱりこれをつつ込んで調査しようというような気魄がない。こういうような状況でございますので、こういう意見を立てましてここに書き入れてあります。これを御覧下さいますと、そういう趣旨ですからお分り下さると思いますが、関係各省にこういう意見を勧告いたしておるわけであります。大蔵省管財局が中心になりまして、各関係省に対しましてこの問題について取上げて貰うような段取になつております。要するに、実は公団が清算に入らん前から問題があるのでありますが、極く太く短く公団生活を切り上げよう、うまいことをしてしまえということになつているのが公団なんでありまして、或る意味ではああいうふうな公団の機構の場合は止むを得んかとも言えると私は思いますが、それが清算に入つておりますから尚のこと、殆んど公団には出ておるけれども後の就職の心配なんかで一杯だということになつております。そこで私共が見まするのは、而もそういう状況で公団の清算人は肝心の清算事務はどうもさつぱり進まん。そして公団の人間の就職の世話等を公団の清算人が一生懸命になつてしなければならん、又、少くともする覚悟をしなければ公団の清算事務に従事しておる人間は、言うことを聞かない状況になつておる。そんなことで何のための清算か分らない。それでむしろ私は従来の業務所管の官庁が大量に就職の斡旋に親身を入れて、或る程度のめどをつけて一生懸命就職の世話をしてやる態勢にこぎつけることが、一番清算に協力することになるのではなかろうかと考えるわけであります。それから一番最後の五に書いてございますように、清算に黒字が出た場合には、その高等に応じ公団の清算事務に携わつた職員に対し、特別退職金を支給し得る途を開くというような、いろいろ清算がうまく行くような手段を考えてやらなければ、清算はうまく行かないというところに問題の中心があるように考えております。而しこれも司令部の関係、その他、今就職の問題などはそう簡單にできることじやないという通り一遍の常識論で片付けられて、実際実現はむずかしい状況でございます。そうなるとますます公団の清算に従事する人間が言うことを聞かなくなる。鉱工品公団の総裁は非常識のことをいう人ですが、ぬけぬけと我々の前でそういうことを言つて仕事をしておるのでありますから、以て清算段階の公団の事務がどういうふうに行われるかということは知るべきであります。そういうことを考えてやらなければいかん。その証拠には繊維貿易公団が割合に清算の事務がうまく行きそうです。というのは最近朝鮮事変で滯貨しておつた繊維品が羽が生えて飛ぶという状況になつておるということもございますが、これは一つには最近例の商品取引所ができるというので、そのほうに繊維公団の者が大量に就職がきまつておるので、その関係で実は非常に落着いて仕事をやつております。こんなところに公団の清算をうまくやつて貰うというところの問題の中心があるのではないかと考えております。
○委員長(河井彌八君) それでは次の問題に入りたいと思います。ちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。行政管理庁の中川さんからアメリカの行政機構に関する視察談を伺うことにいたします。
○説明員(中川融君) 私は最近二月ほどに亘りまして、アメリカの中央地方両方の行政機構につきまして視察する機会を得ましたので、その結果につきまして気付いた点を御報告いたしたいと存じます。サンフランシスコに上陸いたしましてから、サンフランシスコ近辺、それから奥へ入りましてカンサス・シティ近辺、又東部に参りましてニユーヨーク、ワシントンを中心といたしました近辺、又シカゴを中心といたしました近辺、又西部に帰りましてシヤトル方面を中心といたしました近辺、こういうようなところを視察いたしました。その間に大中小のいろいろの都市、又州政府、又ワシントンの連邦政府と、こういうようなところを視察いたしました。アメリカの制度は日本におります当時からいろいろと話も聞き、若干は調べておつたのでありますが、行つて現実に見ました結果と、私が日本におりまして考えておりましたところと、若干相違いたしている点もあり、又全体の傾向等につきまして、日本で承知しておらなかつたような新らしい傾向等もございますので、それらの点につきましてお話いたしたいと存じます。中央地方を通じまして一番目立ちますことは、一つはアメリカ式のいわゆる連邦政府でございまして、州というものがやはり中心である。元々アメリカの建国の昔に遡れば、州が独立国でありましてこれが集つて連邦になつたというわけでありますので、その関係でありますか、州というものが強い権限を持つている。連邦政府も州が憲法で作つたものに過ぎない。又州の中にあります市或いは町というようなものも皆州が作り上げたものであるという思想が一貫してあるようであります。従いまして市又は町というようなものが持つております権限というものも全く州の憲法で認めた限度でありまして、州によりましていろいろまちまちであります。或いは非常に広汎な権限を認めておりまして、州が留保する以外のものは全部市がやれるといつたような市もございますし、或いは個々に市の権限を憲法で規定しておるような州もあります。従いましていろいろな市によりましてその権能なり或いは機構なりというものが非常に違うのでありまして、ここらも又日本で見ております地方自治制度というものが、地方自治法によりまして一定の枠がちやんと決まつておるのに比べますと非常な差異があるというように見たのであります。地方のいろいろの行政制度でありますが、これは單に市とか町とかいう一般行政機構のみならず、例えば港の機構でありますとか、或いはそれ以外のいろいろの特殊の目的のためにいろいろな機構ができておるのであります。例えば水道を布くために一つの水道部というようなものができておる。そういうものがあるのでありますが、これらの機構というものが非常にばらばらでありまして、これは最初は非常に一見奇異な感を與えたのであります。併しいろいろ沢山見ておりますうちに、結局このいろいろの形が許されておる、多様性と申しますか、これが結局又アメリカの民主主義の一つの現われではなかろうか、先方でもそういう説明でありますし、我々もまあそうであろうかというふうに感じたのでありますが、そういうところは日本とは非常に違つておるというふうに見たのであります。州の中におきましても一つの市と他の市とでは大分機構が違うというところがございますし、まして州が違うとなりますと非常にその形が違つておるというようなことが非常に注目をひいたのであります。この連邦的な制度と、それから多様性と申しますか、こういうようなものが非常に日本で考えましたのとよほど違つておるというように感じたのであります。その連邦制の一つの結果とでも申しましようか、連邦制によりまして州というものがいわば元々の権限を持つて、主権は州にあるということでありますが、併し州が作つたものでありましても連邦政府というものはやはり上位の政府である。従いまして段階としては飽くまでも三段階、そのおのおのの権威がはつきり上下の別があるのでありまして、連邦政府がやはり一番上位の機構である。従いまして州の憲法或いは法律というものも、連邦の憲法乃至法律には抵触することができない。又市或いは町というようなものは州の憲法或いは法律にはこれも抵触できないし、州の決めたことその他につきましては市というものはこれに服従しなければならない。この間の上下の区別と、おのおのの権限の分野というものが相当はつきりしておりまして、何人もこれに対して異議を唱えない。日本におきましては市町村というものと府県というものとは利害対立の関係にある。府県というものと国というものも又利害対立の関係にある。三者がまんじ巴となつて互いに闘争しておるわけでありますが、これらとは大部趣きを異にしており、相当落着いてゆつくりおのおのの分野で仕事をそれぞれ分担してやつておるどいうように見受けたのであります。 地方制度の点につきまして暫く若干触れて見たいと思いますが、地方制度は今申しましたようにいろいろの機構なり制度があるわけでありますが、併しおのずからやはり衆目の見るところ、これはいい制度であるというのと、これはもう時代遅れの悪い制度であるというのとが段々区別が出て来ておるのでありまして、例えば市につきまして見ますと、初めアメリカではやはり日本と同じように市長というものと市会というものが別々に選挙され、市会というものは相当数が多く、三十人とか四十人というように沢山の数がありまして立法行政をやつておつた。これが大体今世紀の初め頃までの形であつたそうでありますが、その後に至りまして段々とその市会議員というものの数が減つて参りまして、現在ではどこの市に行きましても市会議員というものはせいぜい十名内外というふうに数が少くなつております。又、少くなつた外に市の行政をやる仕方というものも大体三通り程あるようでありまして、その一つは昔からの方法で市長というものと市会というものが別々に選挙され、市の行政については市長が当る。併しながら市会はその行政についていろいろ監督をする。市長は自分で先頭に立つて行政をやるわけでありまして、市長の下に各局長その他の職員を任用して市政に当らせるというやり方でありますが、併しながらこれの欠点は市長というものが選挙で選ばれる職でありますので、町の中のいわば普通の仕事をやつておる有力者がなるということになりますので、どうしても市政といいますか、行政というものに対しては素人である。素人が一生懸命行政をやりましても、その人は政治的に、或いは町を代表するという意味においては町の代表的な人でありますけれども、必ずしも行政というものについては適任者であるかどうか分らない。そういうことになりまして、いざ非常時、或いは洪水が出たとか暴風が吹いたとか、或いは大火事があつたというような場合にはなかなかうまい市政ができない。そういうようなことで、その後におきましては今度は委員会制度というのができたそうであります。これは十名内外の市会議員が同時に行政をも担当いたしまして、そのおのおのが、例えば自分が税を取るほうの局長になる、或いは自分が道路を作るほうの局長になる、或いは自分が厚生関係の局長になるというふうにしておのおの分担いたしまして、これが同時に立法もやる。この十人ぐらいの委員が集まりまして内閣のような会議を開きまして、そこで決めて行くというわけでありますが、これがその次にできた制度だそうでありますが、これもやはりうまく行かない。それはどうしてもやはり自分の担当の仕事というものに重点を置きまして、いろいろその代弁を委員がやる。従つてどうも大所高所から見たところのいろいろの法制上の決定というようなことができない。それで最近におきましては市の行政者とでもいいますか、マネジヤーというものを市が任命する。これは市会が適任者をシテイー・マネジヤーというものに任命するわけでありますが、この任命されましたシテイー・マネジヤーというものは市長の下につきまして、これが市政を全部掌るというやり方であります。このシテイー・マネジヤーは勿論選挙によるのではありませんで、そういう能力のある人を任命するわけであります。而もこれは公務員法といいますか、そういうようなものの適用がない。いつでも任命し、いつでも罷免されるという職であります。この思想は要するに行政というものは立法とは離れて相当專門家に能率的にやらす必要がある。そうして一般の市民の代表から選ばれました市会議員或いは市長というものは、その專門の行政担当者がすることを監視しておる。そうしてそれが非常に成績が挙らないというように思えばこれを罷免する。いつでも罷免できるわけであります。そうして新らしいもつと有能なシティー・マネジャーというものを雇い入れる。そうして又それにやらすというのがその思想であります。この新らしいシテイー・マネジヤー制度というものは相当年々これを採用する市が殖えて参りまして、そのうちにもう十年もすれば、一九五〇年の終り頃になれば、恐らく大半の市がこのシテイー・マネジヤーを採用するであろうということを言われておりました。シテイー・マネジヤー制度の一つの特徴といたしましては、選挙に当りまして党を離れた選挙をする。市会議員というものは民主党である、共和党であるという選挙が従来行われたのでありますが、どうも市の行政というものはもう少し、例えば道路を作るとか、病院を作るとか、或いはいい下水制度を作るというようなことで、專ら技術的な專門的な事項が大体多い、余り政治というものを容れる余地はない。民主党であろうと共和党であろうと、市民にとつて最も便利な施設を安く提供するという以外にすることは余りないのでありまして、すべて政治というものは最下級の市の行政には余り入れる必要はないということから、選挙というものを超越いたしまして、不偏不党でやるということになつております。大体シテイー・マネジヤーや院制度を採つておる市は不偏不党の選挙というものを文明に書いておりまして、この不偏不党の選挙によりまして少数の市会議員を選挙するということでありますので、比較的常識的に見まして町の代表的な市民と言われるような人が立候補いたしましてなる。いわゆる政党の網というようなものがなくても、こういう人が選出されるという結果になつておりますので、そういう監督のほうに当る市会議員の方も比較的常識の発達した有力な市民の代表的人物がなる。又実際の行政を扱う方も非常に專門家として名声の上つております者がシテイー・マネジヤーに任命されるということになりますので、この行政の能率が非常に上るそうであります。たまたま私共の見ましたカンサス・シテイーというような町におきましては、シテイー・マネジヤー制度を採用いたしました結果として、経費におきまして例えば何割予算が減つた。そのシテイー・マネジヤー制度を採用いたして運営されましたのは約十年前でありますが、その後におきましてこのような、例えば公共のビルデイングができた、いろいろそういうような成績を示してくれましたけれども、確かにそういう効果があるように見受けられたのであります。まあこのように、選挙による公職と、それから一般の行政というものをできるだけ分離しようというのが、これはアメリカの行政の中心であります三権分立の思想からも出て来ることでありましようが、最近の現われであるというふうに考えられたのであります。これは御承知のように会社組織等におきましても、経営というものを資本から分離するということがこの頃よく言われるわけでありますが、あれを市の行政にも適用したと見ればいいのではないかと思われます。 その外、このアメリカの州でありますが、これが果して日本で言いますと県に当るかどうか。これを言い換えれば、日本の県というものは果してアメリカの州であろうか、或いは州の下に郡というものがあるわけでありますが、この郡であろうかというようなことがちよいちよい疑問になるのでありますが、これはどうもどつちということをはつきりなかなか言いにくい。今持 つております権限その他から言いますと、むしろ郡よりも州に近い。日本の県は郡よりも州に近いわけでありますが、併しその本質から言いますれば、州というものはもともと主権の存在した源でありますので、そういうことから言えばむしろ日本では国が州であつて、各県はむしろ郡に相当するとも言えるのでありますが、ここらはなかなか、私の一緒に行きましたグループの中にも県知事の人もおられますし、市長の人もおられたのでありますが、見る人によつていろいろ意見が違つたようであります。併しながらアメリカの郡というものは非常に中途半端な制度でありまして、これは州を、少い所では三十くらい、多い所では百五十くらいの郡に、全部地域的に分けておりまして、その郡におのおの公選によるところの委員会がありまして、それが郡の政治をやつておる。その郡の中に人口の稠密な所は市になつて、法人格を持つた市になつておるという三段階の立て方をやつておるわけであります。併しながらこの郡といいますのは主として田舎の地方を行政上ておる区域でありますけれども、非常に昔ながらの、いろいろの古めかしい制度がそのまま残つておりまして、必ずしも成績は上つていない。郡の制度というものはもう少し再検討すべきである。或る人によれば、郡というものはなくしてもいいのではないかというような、アメリカの学者もあるということでありますが、郡の制度というものは非常にアメリカとしては問題の多い制度であるというように見受けたのであります。その外日本と比べまして、例えば比較をして見たのでありますが、アメリカ全体を通じましての、例えば警察制度というものはこれは大体日本の新らしい警察制度と考え方が似ておるようであります。アメリカにおきましては州がやはり中心になりまして、州警察というものがある。併し警察の大体実体は市がやつておる。市の警察はやはり市が自分で委員会を持ちましてこれがやつておる。それから田舎の区域は州がやつておる。このようなところは日本の制度と大体似ております。併しながらこの制度におきましても、いろいろな形がやはり例外的なものがあるのでありまして、例えばボストンであるとか、セントルイスというような大きな町の警察でありながら、市が自分で警察力を持たずに全部州が警察官を任命しているというような例外のあるところもあります。 教育制度につきましては大体日本の新らしい教育制度の通りであります。併しながら日本の制度よりももう少し分類が細かくできておりまして教育委員会、これが大体全国で十二万程区というものがあり、それにおのおの委員会がある。これらが学校を経営いたしまして自分で事務を執つておるという仕組になつております。日本の教育制度よりも細分されておるという状況でありまして、これと反しまして日本と全然制度の違つておりますのが司法制度でありまして、司法制度は日本は中央集権でありますが、アメリカでは裁判官も検察官も全部おのおのその地方地方で選挙しておる、公選によるところの裁判官が裁判している。公選によるところの検察官が検察をやつているというのが実情であります。これは新らしい日本の制度の中で、いわば旧来の日本の制度を採用した例外的なものであろうというふうに考えられます。 税につきましては、今度のシヤウプ勧告によりますところの国と府県と、それから市町村という税の三段階がはつきり区別されまして、おのおの税源を異にする仕組になつたのでありますが、アメリカの制度と大体これは似てはおりますけれども、今度の日本の法律で具現いたしましたようにはつきり区別がしてありません。大体の慣行として国は所得税を現行では中心として課する。それから州はセイルズ・タツクスというものを大体中心として課する。これはまあ取引高税のようなもので、セイルズ・タツクスというものを課しておる。それから市は大体財産税、主として不動産税でありますが、これは財産税を課するというふうに傾向としてなつておりますけれども、相互に併しいろいろ入り乱れはあり、州州によりましていろいろ作り方は違つておるようであります。併しながらアメリカとしてはやはりこの連邦政府と州と、それから市というものがおのおの税源をはつきり区別すべきであるという論が相当強く叫ばれております。それというのはどうもやはり、先程申しました連邦政府が一番権威が強くて、その次が州政府、それから市ということになつており、その結果といたしまして連邦政府の取つた税は大体において州以下はもうその区域には入れない。それ以上取ろうと思つても税源が枯渇してない。大体それ以外のところで取る。連邦の政府、州政府が取つた税目につきましては市が税を課そうと思つても税を課するゆとりがない。段々下になればなる租税の源が限局されてしまいますので、これを何とかもう少し市に税を與えなければ財政上困るというふうなことで、そういう論が相当有力に叫ばれておるようであります。それから日本ではまあ今度のシヤウプ博士のあれでいかんということにたつたのでありますが、補助金でありますが、これはまだアメリカで相当広く行われておる。日本程沢山ありませんけれども、例えば州の予算の中で約一割三分くらいまでは連邦政府の補助金が出ておる。実際補助金が出ます項目といたしましては厚生関係、労働関係、それから道路の建設であります。こういうところが大口でありますけれども、依然として補助金が出ている。補助金の出たものにつきましては連邦政府が相当強い監督を実施しております。まあいろいろのやり方がありますが、その中の一つとして面白いものは連邦から補助金を貰つた事業については完全な公務員制度、つまりその人の能力によつて任用、昇進させるという公務員制度を実施しなきやならん。こういうような條件をつけておるのがあるのでありまして、これは例えば厚生関係の社会保障の補助金につきましてはそういう制限がついておる。今各州で日本で新らしく採用されました式のいわゆる公務員制度、これを採用しておりますのは約半分でありますが、併しそれを採用していない州におきましても、この社会保障の職員については公務員制度を否応なしに採用しておるというような状況であります。こういうような地方行政でありますが、併しこれにもやはりアメリカでも悪いところといいところとは大分あるのでありまして、町によつては非常に地方制度が面白く行われていないところがある。それがどうも大きな町に多いのであります。例えばシカゴの町でありますが、シカゴの町はやはりボスに牛耳られておつてよろしくないという定評があるそうでありますが、シカゴを訪れまして、シカゴの市政府を見学しようとしましたところが、案内の人がシカゴの市は見学する必要がない。ああいう所は余りよくないからと言うので、ここは見学しなかつたのでありますが、これをシカゴ大学の学者は聞いて見ましたところが、どういうわけでシカゴの市政はよくないかと言いますと、やはりどうも余り人口が多過ぎる、人口百万人以上になりますと、どうも市民が市政に直接関心を持たなくなる。又直接関心を持とうと思つてもなかなかうまい仕組がない。従つてどうも人口百万以上の大きな市になると、アメリカでもうまく行かない。市はできるだけサイズを小さくして置いたほうがいい。例えばシカゴのような町も、これを五つ六つの市に分割いたしまして、おのおのに市会議員、それから市長、及び先程申しましたシテイー・マネジヤーの制度を採用するということにしましたならば、市民の監督が十分にきいていい市になるであろう。併し現状ではどうもうまい薬はないということでありました。ニユー・ヨークもどうも人口が多過ぎていかんというようなことを言つておりました。やはりこれらは面白い一つの例でありますが、アメリカの市でいろいろ聞いてみますと、近辺のいろいろ小さな町なり市というものを合併いたしまして大きな町になるということは、必ずしも市民が気乗りしていないのであります。お前のところは随分隣接して人口の稠密のところがあるようだから、あれを一体統合するという企てはないのかということを聞きますと、いや、もう大きくすることは真つ平だ。大きくすれば新らしいところにいろいろ施設を殖やしてやらなければならんし、そうなれば金がかかるし、採算上悪いということで、合併を受ける相手のほうでは大いに希望しても、市自体としてはなかなか併合を喜ばないという空気があるそうでありますが、これはまあ日本辺りで盛んに市を統合いたしまして人口を多くする。そうして市の区域内には又田舎がたくさんある。随分お百姓さんが田や畠を作つておる所が何々市という区域にあるがよく見られる風景でありますが、ああいう考えはないようであります。それは一つには従来の市の市民が、そういう田舎が入ることによつていろいろサービスを殖やすということが、いろいろ自分達のサービスを低減することになるから厭だという空気が強いせいだということを聞いたのであります。併し今申上げましたように、やはりアメリカにおいても市民が一人々々直接市政ということに興味を持ち、これを監視するということがなければ、どうしても市政はボス政治に堕落してしまうということが事実であるわけなのでありますが、その一つに全国的な企てといしましてナシヨナル・ミユニシパル・リーグというものが、全国的な民間団体としてできております。このいわば市政連盟と言いますか、この市政連盟はニューヨークに本部があるのでありまして、私もニューヨークでこれを訪れたのでありますが、これはもう五、六十年に亘りまして市政浄化と言いますか、市政を改善するための民間の声をいわばここで作つておる。そうしてここでパンフレツトをいろいろ出しまして、それによつて市政浄化の運動を起し、いろいろなことをしておるというところでありますが、ここで聞いてみました。一体今どういうことがアメリカのいろいろ地方行政について問題になつているかということを聞きましたら、先ず二つある。一つは先程私がちよつと触れましたシテイー・マネジヤー制度、あれをやはり今後普及させることである。これは相当効果が挙つておる。 それからもう一つは、アメリカの制度ではどうも選挙による公職が非常に多過ぎる。例えば或る選挙区を調べましたところ、十一月のアメリカ大統領のあの選挙に一緒に投票して決めなければならない公職が三十六あつた。それは大統領、副大統領の外、その州の州知事、それから副知事それから州のいろいろの役員、この役員にもいろいろあるのでありまして、州の国務長官と言いますか、セクレタリー・オブ・ステーツというのが州におりますし、それから州の会計官、州の財務官、州の法務総裁というような者がいろいろあり、それから州の上下両院の議員、こういうような者を一緒に選挙する。その外今度は郡のいろいろの委員、それから郡の検察官、郡の判事、郡の裁判書記、それから郡の警察署長というような者、又郡にも沢山役員がおるのでありまして、これらは皆選挙でありまして、而も同じ白に選挙する。選挙用紙を見せてくれましたが、沢山名前がべたべた書いたのを七、八枚束になつて渡されて、それを投票者は見まして、その中で党派別に、もう自分は共和党一本、自分は民主党一本ということであれば比較的簡單でありまして、共和党という所に丸をつける。その共和党に丸をつければ、おのずから共和党で推薦しました候補者がずつと一覧になつて載つて来るわけでありますが、それが全部投票される。民主党ならば民主党という所にはそれというわけでありますが、併しこれを良心的に見まして、この人間ならば党派は違つても、この人間がこの職にはいいというようなことで見ようとすれば、三十六人の名前を一々経歴その他で調べ上げなければ、本当に自信のある投票はできないということになるわけでありまして、どうも仕事に忙しい一般市民が、選挙の際に三十六人もの経歴その他を調べて投票するということは到底できないことであるから、これをせいぜい一つの選挙区では五人くらいを選挙すればいい。公職として選挙するのは五人くらいというところに制限したいというのが、今の市政連盟の第二の事業であると言つておりました。 これはおのおの州の憲法で決まつておることでありますので、憲法改正をやらせなければいけない。なかなか時間はかかるけれども、相当成功をしておる所もある。例えばバージニヤ州では、この趣旨に従つて憲法改正が行われて、相当新らしい簡易な制度が採用されておるということでありました。まあこういうところが地方行政について気の付いた点でありますが、今度ワシトンで見ました連邦の中央機構の点について若干触れたいと思います。 連邦の中央機構で一番注目を引きましたことは、国会と政府というものが完全に分れておる。三権分立で、立法と司法と行政が分れておるわけでありますが、その分れ方が相当はつきりしておる。従つて分れました限度におきましては、行政というものは完全に大統領に集中しておる。大統領がいわば独裁的に行政を行なつておるという点であります。アメリカにも大体日本と同じように省というものがありまして、これが現在では九つあるわけでありますけれども、この省の長官というのは、いわば大統領が任意に任命し、罷免するわけでありまして、大統領の使用人といつても差支えない程度のものであるのであります。従つて行政は一に大統領の意向によつて決まる。それからこれらの各省長官と大統領が集まり定例的な閣議を開くことは、日本と同じでありますが、併し閣議は何も必ずしも開かなければ腹らんとい。ことはない。一つの制度として決まつておるわけではないのでありまして、又重要政策というものは必ず閣議で決めなければいかんということもないようであります。一番大事な毎年の予算を決める際におきましては、閣議に付さないで予算は決めるそうであります。大統領の諮問機関に過ぎないという状況であります。そして大統領の補佐機関というのが大体五つ程あるのでありますが、その中の最も有力なのが予算を決めるための予算局であります。これはお手許に差上げました機構図にも載つておりますが、大統領補佐機関の中で白堊館事務局というものはホワイト・ハウスのいろいろ大統領の補佐役程度、秘書官程度のものでありまして、これは余り大したものではない。その次にあります予算局が一番大きな補佐機関でありまして、人数からして五百人程あり、これが大統領のいるホワイト・ハウスのすぐ横にあります昔の国務省のビルデイングにありまして、大統領の一番有力な補佐機関になつておる。その外人事連絡局というのがありますが、これは大した数のものではありません。主として人事を担当しております人事委員会の連絡に当るための役所であります。ここに経済顧問会議というのがございますが、これは相当重要な役所でありますが人間は少い。有力な経済学者三名が大統領の経済顧問になりまして、これがアメリカの国内経済状況を常時研究分析しておりまして大統領へ報告する。大統領はそれを集めまして毎年二回国会に対して経済状況の報告書を出すということになつております。この経済顧問会議は日本の安本に似た機関であるようであります。安本のように経済企画というところまでしません、経済分析を主としてやつております。その次は国防審議会というのがありまして、これは大体国務長官と陸海室等の軍部各長官、これらが寄つて作つておるところのいわばキヤビネツトと申しますか、そういうようなものであるようであります。その下の国防資源審議会、これは国防審議会と相並びまして、国防に必要な資源についての審議をする。これも関係各長官或いは予算局長がそれぞれ入つておる、これも委員会であります。こういうふうにこの大統領の補佐機関の中で、あとは大抵委員会程度の小さなものでありますが、予算局は五百人の人員を擁します大きな局であります。而もこれは予算局と申しまするけれども、單に予算をやるだけではないのでありまして、この中に部が五つありまして、先ず第一には毎年度の予算を決める部が一つあります。それから主計部とでも申しましようか、日本の主計局に類するところであります。それに続きまして行政管理部というのがございまして、これが日本で言えば行政管理庁に相当するのであります。行政機関の機構とか権限、そういうようなものを決めておる行政管理部というものが予算局の中にあります。それから更にそれに続きまして法制部というのがあるのであります。これは日本の法制局のような仕事をするところでありますが、日本の法制局とは違いましてもつど実質的に、例えばこういう法律が要るか要らないか。或いはこういう政令が要るか要らないかということを審査するのでありまして、この予算局の法制部を通らないと、各省は法律案乃至政令案というものを出すことができない仕組になつております。それに続きまして今度は統計部というのがございます。統計部は日本の大体統計委員会に相当するのでありまして、各省で作ります統計につきまして総合企画調整をやつたり、指導をやるということになつております。日本の統計委員会もそういう目的でできておるのでありますが、これがどうも各省の統計部局に対して睨みをきかす方法がないというので困つておるようであります。統計委員会の言うことを聞かなくても、どうにもあとしようがないというわけでありますが、アメリカにおきましては、予算局に統計部がありますので、この統計部の内示に従わない統計部局に対しましては、その次から予算をやらないというようなことで、横の連絡によつてすぐできますので、これがなかなか睨みがきいておるそうであります。この四つの部が予算局にありますが、その外にもう一つ財政分析部というのがあるのであります。この予算局の中にやはりありまして、これは経済の有力な学者がこの中に入つておる。そうしてこれは国全体の経済の状況というものを常に見ておりまして、国全体の経済政策というものと予算というものとの調整を図るところであります。これが又大統領の経済顧問等とも連絡いたします。予算局に参りまして、いろいろ予算編成の実情を聞いて来たのでありますが、その話によりますと、先ずアメリカにおきましても、徴税その他の国家の收入につきましては、やはり財務省、日本の大蔵省でありますが、この財務省が当つておるわけであります。財務省は今度は、来年度は一体幾ら歳入があるだろうかというその歳入見積りを作りまして、大統領に報告するのであります。これは法律上そういう義務がある。その財務長官からの報告は大統領の予算局へ来るわけであります。予算局は歳入見積りを見まして、これを今の財政分析部へ廻しまして、財政分析部で更にその歳入の見晴りが適当であるかどうかをここで検討する。そうして大体枠が決りますと、その枠に基きまして、予算集計部に荒きまして、各省別の大体予算の枠というものを決めるのであります。そうして決めました各省別の予算の枠を今度は各省に内示してやる。その枠の中で各省おのおの自分の予算を作つて、予算局に又出すわけでありますが、各省はあらかじめ内示を受けました、総額の中で予算案を作らなければいけない。従つて各省から出しました予算の案というものをまとめますと、結局、歳入見積り等によりまして作りました予算の枠に合うというわけであります。尤も予算局で各省に内示いたします枠を決めるまでには、各省から提出して来ておりますいろいろの資料に基きまして、次年度においてその省がやろうとする仕事を分析するわけでありますが、一旦その各省別の枠が決りますと、それを超すことはできないということになるわけであります。従いまして日本のように歳入から見まして、予算の枠に比べまして数倍の要求が各省から出るというようなことはないということであります。併しながら余りそれつきりでも如何にも気の毒であるので、それをA案といたしまして、もう一つB案というのを各省から出すことを認める。併しながらそのB案というのは全くただ参考にするだけであるという條件で出さすので、それは出しても出さなくてもよろしい。B案は今内示いたしました予算の各省別の枠を超しても構わんということにしてあります。A案とB案というものを出すということになるわけでありますが、その各省から出ました予算の要求を予算局でもう一回検討するわけであります。初め予算局がその各省別の枠を作る際には一応細目も検討して、一応の予定はあるわけでありますが、その細目は各省に示さないで置き、各省から出しました案を見まして、その予算局があらかじめ肚の中で考えておりました案と比べて見まして、項目によつて出入りがあるわけでありますが、予算局の説明によりますというと、各省の出した案の項目で自分のところの案よりも減つているものはそのままにして置く。自分のところの案よりも多いものは更に検討して、できればそれを節減するということをするから、予算局のいろいろ査定しました結果は結局予算の枠が縮小するということになるのだと言つておりました。それでは全然その予算局の作る予算というものはあらかじめ作りました大枠から減ることはあつても、殖えることはないのかということを聞いて見ますと、いやそうとも言えない。それはこの審議しておる間に大分日数もかかるので一年後の予算を一年前に編むわけでありますから、その後のいろいろな情勢の変化、客観情勢の変化があるので項目によつては殖やさなければならんというようなことも出て来るのだと、こういうことをいつておりました。こうして各省別に又査定をいたしました案を大統領に予算局長が出すわけであります。その際各省長官の意見を一応質しますけれども、大統領は何もその意見を左右する必要はない。それで予算というものは閣議を経ずして大統領が予算案を最終的に決めてしまうそうであります。さて決めました予算を一月の初めに国会に大統領の予算教書として提出するという段取になるわけであります。各省といたしましては不満な点が沢山あるわけでありますが、一旦、大統領が政府の予算案を決めてしまつたものには各省はこれに従わなければいけない。そうして国会におきまして、各種の委員会に予算案が付議せられるのでありますが、その際に説明の矢面に立つのは各省の長官である。各省の長官は政府案を飽くまでも支持しなければいかんということであります。私は参考までに各省がそれでは国会の段階において相当術策を策しやしないかということを聞きましたら、そういうことはない。いずれも政府の方針に反して、自分の所の予算を殖やそうというような長官なり、或いは役人なりいますと、それは大統領によつて直ちに罷免されると言つておりました。(笑声)相当強力な統制をこの大統領が予算局を通じてやつておるということに一応なります。そして予算の編成に当りましては先程申しましたように行政管理部というようなものがあり、法制部というようなものがこの予算局の中にありますので、これと横の連絡をとりまして、機構等につきましては行政管理部の意見を聽く。それからその外予算の裏付けのない例えば法律が出るとか、予算を必要とするような法律が出るというような場合には法制部と連絡いたしまして、そちらの方で調整するということが可能になるわけであります。これが予算局でありまして、これを見ますと日本で現在大蔵省の主計局がやつておるような予算の統制、これはまあ相当きつくて各省は非常な苦情を言つておるのであります。これから見れば更に強力なまあ権力を振つておるということでちよつと意外であつたのであります。 あと中央政府の各省機構でありますが、これは大体日本の各省の機構と似ております。併しながら日本の機構にないものといたしまして、日本の機構の中でアメリカにないものといたしましては、厚生、文部、運輸とこういう省がございません。厚生、文部は、これはアメリカでは連邦保障庁、フエデラル・セキユリティ・エイゼンスでやつております。 それから運輸は、これは州際交通委員会、インターステート・カマース・コミテイという所で委員会制度でやつております。それから日本の省では電気通信省がアメリカにはございません。これは勿論民間がやつておりますので省としてはないわけであります。 ところがアメリカに丁度おりました際でありますが、この今の厚生、文部等を連邦保障庁という恰好から省に昇格したいということが相当国会で論議されておりました。これはフーバー委員会の報告書にも省を作れというのがありまして、それに大体基きましてアメリカ政府がちよつと模様を変えてはおりますけれども、省に昇格する法案を出しておつたのであります。これはまあアメリカの国会では法律案を全部議員が出すわけであります。この行政機構につきましてはフーバー委員会の結果を実現するために例外的な立法ができておるのでありまして、それによりまして大統領が直接その行政機構を変える法案を作ることができる。そうしてその案を国会の両院に出しまして、そのままどこからも否決されないで二ヶ月間経てばそのまま法律になるという法律があるわけであります。従いまして行政機構につきましては、例外的に大統領が発議権があるわけでありまして、出したものを上下両院に送つておいて、二月の間に上下いずれにおいても否決されなければこれはそのまま法律になるという仕組になつておるわけであります。その一例といたしまして、今厚生省を作る案が出ておりますが、これは下院では通つたのでありますが、上院におきまして、お医者さんの反対が非常に多く、お医者さんの反対が強力であつたために否決になつたようであります。まあアメリカの社会保障制度というのは、或る面においては非常に日本の制度より遅れておる状況であります。殊に医療、保險においては遅れておる。アメリカのお医者さんが伝統的に医療に対して国家統制の行われることに反対しておりますので、その勢力が強くてどうにもならなかつた。そういうふうになれば恐らく医療に対して国家統制が強くなるだろうという慮れがあつたためだそうであります。連邦保障庁に参りまして、例の社会保障局長という人に会つていろいろ話もしたのでありますが、その際に医療保險ということは一体アメリカで何時行われるだろうかということを聞きましたら、自分の見るところではこれは当分見込はないと言つておりました。日本のほうがそれじや進んでおるじやないかと言うたら笑つておりました。このフーバー委員会でありますが、これは各省の機構について相当広凡ないろいろ改革を勧告しておるわけでありますが、これらを実施するための原案は、今の予算局の中の行政管理部で作つております。私が予算局に行きまして、フーバー委員会の結果は一体何%ぐらい実現されておるだろうかということを聞きましたら、約五〇%はすでに実施しておる。今国会に出ておるいろいろの法案、即ち先程申しました社会保障庁を厚生省にするようなああいう法案が国会を通れば、恐らく七五%ぐらい実現したと言えるだろうと言つておりました。日本におりましたときには恐らくせいぜいできても三〇%ぐらいしかまだ実現されておるまいと思つたのですが、案に相違して五割もできておるということであつたので、これも予想外であつた点であります。行政機構につきましては、日本のような例えば国家行政組織法というような一つの本になる法律というようなものはアメリカにはございません。従いまして各省の行政機関の名称も実にまちまちであります。省は皆デパートメントと言つておりますが、外局等になりますと、これがオーソリテイというのもあれば、アドミニストレイシヨンというのもある。実に種々雑多であります。それから各省の中の内部機構でありますが、これにつきましても実にいろいろの名称が使つてあるのでありまして、省の中にやはり何とかオフイスというのがある所もあります。オフイスの下に局がある。そういうこともありまして、オフイスの代りにサービスというのを使いまして、サービスの下に局があるというところもある。或いはアドミニストレーシヨンのところにまとめておる所もあり、その下に局があるという所もあるのであります。いずれにいたしましても、日本の局に相当するものに更に数局をまとめた一つの組織があるということが多いのであります。又局の下に課、班等があるということは大体日本と同じであります。併し名称の統一ということは日本の方が一歩進んでおる。そうしてフーバー委員会もこの名称は実にまちまちであり、何とか統一しなければいかんということを勧告しております。 それから各種の委員会が相当沢山あるわけでありますが、これにつきましてもフーバー委員会では御承知のように、委員会はできるだけ純司法的、純立法的なものに限り、その以外の仕事は委員会から切離して單独性の官庁に移せということを言つております。予算局での、今の行政管理部での話でも、そういう方針でできるだけやろうとしておるということでありまして、又外局の制度でありますが、これはこの大統領府といいますか何といいますか、要するに外局というものがアメリカ政府にもあるわけであります。これは併し各省に付いた外局というものはどうもないのであります。独立諸機関という中にいわば省に並んでいろいろの役所がある。委員会と同じようにいろいろな役所がありまして、庁というのがあり、何々局というのがありますが、併しながら日本のように各省に付いた外局というものはどうもない。それは一つには各局長等が相当の権限を独立して行えるような態勢にある。従つて日本式にいう外局というような観念を作る必要はないというように思われます。例えば財務省に付いております徴税の機関でありますが、これも日本なら差詰め外局の国税庁というところでありましようが、別に外局というような特殊の態勢はとつていないのであります。 それから定員につきましては、これは別に定員法もない。予算定員が即定員でありますが、併し日本の予算定員と違いまして、これは予算局長が毎年各四半期ごとに各省についての予算定員のもう一つシーリングというものを作る。シーリングの範囲内で各省が人間を現実に雇い入れることができるというのでチエツクしております。予算定員を予算局長の判断によりまして実情に副つて節約するという途が残されているのであります。以上甚だ雑駁でございましたが、最近の行政機構につきましての御報告を終りたいと思います。
○委員長(河井彌八君) 有難うございました。それでは速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。それでは本日はこれで散会いたします。 午後四時二十分散会 出席者は左の通り。 委員長 河井 彌八君 理事 大島 定吉君 梅津 錦一君 委員 郡 祐一君 上條 愛一君 カニエ邦彦君 楠見 義男君 西園寺公一君 説明員 中央経済調査庁 次長 奥村 重正君 中央経済調査庁 監査部長 木村 武君 中央経済調査庁 査察部長 吉田 龍雄君 中央経済調査庁 物資調査部長 司波 實君 行政管理庁管理 部長 中川 融君