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8回国会参議院1950/08/14

内閣委員会 閉会後第1号

発言数
69
登壇者
5
会派数
3
開催日
1950/08/14

会議録

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) それではこれから内閣委員会を開会いたします。  本日の議題は警察予備隊の設置につきまして、すでに第八国会の議に付することなくして、政令を以てその組織等が決まつたのであります。内閣委員会といたしましては、この事柄は非常に重要な事柄でありまして、委員諸君の多数の御意見は、国会に付議して、これを決めるべきものである。即ち法律事項であるという御意見が非常に強かつたのであります。併しいろいろな事情もありまするし、会期も延長せられなかつたのでありまして、従いましてポツダム政令によつてこれが発表せられたということになつております。つきましては、本日は官房長官においでを願いまして、この政令の出ました事情は勿論、その予備隊の組織、運営及びこれの経費をどういう、かうにして支弁するかということ等につきまして、御説明願いたいのであります。政府の御説明に続きまして、委員各位からいろいろな観点から、この予備隊につきまして、十分その性格等を突き止めて頂きたいということをお願いする次第でございます。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 第一に、この予備隊の組織並びに経費につきまして、通常の手続によるか、ポツダム政令によるかという意見はいろいろございまして、政府としても各方面の意見を聞いております。結論を申上げますれば、政府はこれはポツダム政令によるべきものであるということになりまして、政令をその趣旨で公布したわけでございます。それからこの内容につきましては、あとで政令自体について二、三、政令だけでは或いはお分り難いかと思う点は御説明いたしますが、大きな趣旨といたしましては、マツカーサー元帥の書翰にありますように、現在ある警察力を補うということが先ず一つの中心であります。従つてこの警察は常時出て行つて警察的の仕事をするのではなくして、現在の警察で足りない場合にのみ出て行くということになつております。尚出て行く際には特別の事情がある場合に、総理大臣の命令によつて出て行くということにして、何と申しますか、この警察力を濫用するようなことのないように、特に配慮をしておるのであります。  それから第二の点としましては、世上ややアメリカの通信等によりまして、これが再軍備の始めになるんじやないかというふうに言われております関係上、そういうことでは決してないのであるという点を強くいたしたいと思つております。同時に常時出動しないという点からしまして、いわゆる警察国家的のものにならないように、或いは特高的の機能を出さないようにということを常に心掛けておりまして、その意味ではこれは飽くまでも治安維持のために専念するのであるということを主眼としております。そうしてこの経費の点になりますと、差当り二百億を予定しておりますが、これは何分にも初めて作り上げるものでありますので、正確に計算が出ないのであります。まだ予期されないものも必要となつて来るわけでありますので、二百億円というふうに極く大まかなところで押えております。そうして更に特に年度内に契約をいたしましても、例えばトラックを注文するとか、或いは宿舎を建造するとか、その他装備、洋服だとか、靴とかいうものでも、相当数用意しなければなりませんが、注文は年度内にしましても急の場合でありますから、年度内に支出を終らない場合があり得るのであります。この二百億の中から、特にちやんとした契約によつて支出金が生じた場合には、年度内に支拂わなくても、翌年度にそれは繰越ができるというようなことも特に規定しております。又若し、やつて見た上でなければ分りませんが、或いは支出をしまして余つた金がありますれば、これは例えば人件費のようなものが余りました場合には、この債務償還費の方に戻す、こういうようなつもりでおります。そうしてこの警察につきましては、特に日本の国内の平和と秩序を維持する、或いは公共の福祉を保障する、こういう必要の限度内で行動するのだということを特に強調いたしまして、これを国民にも周知徹底させたい、こういうふうに考えているのであります。尚この予備隊の一番頭になるものは本部の長官となるわけでありますが、この長官は認証官といたしまして、前の香川県知事の増原君を任命することになつております。すでに閣議の決定を終えまして、本日もう葉山において認証式が終つているだろうと思います。終り次第発令いたします。次長は前労働次官の江口君を任命することになつておりますが、これも増原長官の任命と同時に任命したいと思つております。その他の高級幹部につきましては、只今人選中でありまして、まだ決定しているものもあり、決定していないものもありますが、ちよつと任命が遅れる、だろうと考えております。  それからこの実際の組織につきましては、大体において東京に本部を置きまするが、本部の人員は極く少数にいたしまして、その下に部隊を置くわけであります。東京に部隊の本部をもう一つ置きまして、その本部の下に大体四つ乃至五つの地域に分けて、全国に亘つて分駐させるつもりでおります。原則としては、もう全部宿舎の中において集団生活を営むというつもりでやつております。部隊は総員七万五千人でございますが、その中の少数の幹部、まあこれが五百人になりますか、七百人になりますか、詳細のところはまだ決めておりませんが、その程度の者は除きまして、大体七万四千人以上の者は公募によるつもりでおります。只今募集をやつておりますあの公募でございます。募集した者の中から、本当の巡査のような者及び巡査部長に当るような者、或いは警部補、警部、又更には警視の下の方の人達という程度の者は、学歴とか、経験とか、年齢とかを参照しまして、公募の中から採るつもりでおります。極く少数の上の方の幹部だけは、これは公募によつて採れる見込みが十分ありませんので、個人個人に予定してこれを採用したい、こう考えておりまして、現在募集中でありますが、募集の成績は今のところ非常によいようであります。数日ならずして七万五千人は遥かに突破するであろうと考えております。それからこの募集に応募した人の人選がなかなかむずかしいのであります。試験等は比較的簡單にいたしまして、体の丈夫なしつかりした人物を採用したいと考えておりまするが、いろいろの思想系統がありまして、必ずしも我々の考えておるような人ばかり来るとは限らないのであります。これにつきましては、場合によつては市町村長の推薦を必要とするとか、或いは地元の警察署長の推薦を必要とするというようなことも考えております。募集の條件につきましては、すでに新聞に出ておりますから、御承知の通りと思いますが、大体に申しますると、こういう勘定にしております。つまり一人の警察官の給與を今の国家地方警察の給與から割り出しまして、つまり全体で八千円とか、七千円とかいう給與が平均してあるわけでありますが、それに多少これをよくしております。そうして全体の給與額を決めまして、その中から食料として二千円差引く、それから退職のときの手当として二千五百円差引く、そうして残りを給與として本人に現金を手渡す、これが平均して巡査級で以て五千円、こう見ております。その外に実際は食料が二千円あるわけであります。又二千五百円の退職手当を差引いておりまして、これが二年勤めると丁度六万円になるということになるのでありまして、二年後には六万円渡す。これは一年で三万円という勘定になりますが、一年勤めて辞めたら三万円やるかというと、そうではないのでありまして、二年勤めなければならないということになつて、義務ではありませんけれども、退職手当が欲しければ二年我慢しなければならん、こういうことになります。二年以上はどうなるかと言いますと、二年の期限が終りますと、本人の希望によつて、又警察隊の方で同意した場合には更に継続して勤務ができる、そのときには退職手当をどうするかと言いますと、大体同率で以て拂う、つまり一年三万円の限度で三年勤めれば九万円になる、四年勤めれば十二万円になるというふうにして拂うつもりでおりますが、余り勤務年限が長くなりますと、退職手当が非常に多くなりますので、それが余り長くなりますと、必ずしも同率ということにはならないかも知れません。十年だと三十万円貰えるということになるものが、或いはそれがちよつと減つて二十八万円になるか、二十七万円になるか、そこのところは分りませんが、三年、四年のところなら成るべく同率で三万円ずつ殖やして行きたい。これによつて長く落着いて勤務ができるようにしたいという考えも持つております。 それから宿舎等はどうするかと申しますと、この二百億で宿舎を賄うということになりますと、とても足らないのであります。今のところは宿舎は米国側と連絡しまして、アメリカ側で接收しているけれども、割愛できるという建物も或る程度あるようでありまして、それを成るべく融通して貰う、それから足らないところは各地の建物を利用するということに考えておりますが、九州の方、四国の方、中国の方、北海道の方、各地から自分のところへ相当数置いて貰いたい、空いておる建物はこういうものがあるということで連絡に来ておる向きも沢山ありまして、建物は賛沢さえ言わなければ間に合う予定にしております。服装等につきましては、差当りは間に合いませんので、今の国警と同じような夏服を作ります。色はちよつと変ると思いますが、大体似たようなものでありますが、将来は服装は成るべくちやんとしたものを着せて、規律の正しい気品のある立派な警察にしたい、こう考えております。それから幹部と言いますか、極く少数ではありますが、中枢になる幹部、それは東京の本部における人々及び地方の支部において中心になる人々につきましては、今いろいろ各方面に当つて研究中でありまして、まだその方の人選は決定に至つておりません。併しそう長くかからないでこれは決まると思つております。装備につきましては、これもちよいちよい新聞に出ております。が、アメリカのカービンといつておりますが、ちよつと肩へかける騎兵銃のようなものであります。長さがどのくらいありますか、四尺もありませんでしようか、肩へかける短い銃であります。これを差当りはアメリカ側から補給されることになつておりまして、もう各地に或る程度の数量が行つております。その他の武器をどの程度持たせるかということについては、これは実は日本側としては武装解除されて以来、自分の方でこれこれの武器を持たせるというようなことをなかなかこちらから決めてやるわけには参りませんで、アメリカ側と連絡をいたしまして考えるわけでありますが、これの警察隊が規律がよくて、武器を持つでもそんなに乱暴なことはない、心配はないということになれば、更に他の武器も給與される見込みであります。大体そういうことが極く大まかなところでありますが、念のため警察予備隊令というポツダム政令について簡單に御説明いたしたいと思います。  もう大体お分りの通りでありますから、極く簡單に、これではお分りにくいところだけ御説明いたします。第一條、これは特に我が国の平和と秩序を維持し、公共の福祉を保障するに必要な限度内で国家地方警察及び自治体警察の警察力を補うため警察予備隊を設ける。その組織について規定する。こう書いてありまして、この警察予備隊が何をするかということについては、平和と秩序を維持し、公共の福祉を保障するのだ、その必要な限度内でやるのだ。それ以上のことはやらないのだということをここではつきりしておるわけでありまして、又先程申しましたように、今ある警察力の足りない場合だけやるのである。こういうことで、無暗にこの警察予備隊がどこにでも出て行くというような心配をなくしておるのであります。第二條は、これは簡單でありまして、総理府の中にこの予備隊を置くというだけであります。第三條は、先程申しましたように、「治安維持のため特別の必要がある場合において、内閣総理大臣の命を受けて行動する」、こう書いてあります。治安維持のためだけであつて、而もそれに特別の必要がある場合だけであるというわけであります。内閣総理大臣の命を受けるということについて、ややもすれば総理大臣の私兵のように、私の兵隊のようになるというようなことを言う向きもありますが、これもいろいろ考えまして、例えば公安委員会のような種類のものを設けるとか、或いは出動する場合には必ず政令によつて閣議の決定を経て出るという、こういうことも考えたのでありますが、通常の場合にはそれで結構だと思うのです。併し何か非常な突発事故が起つた場合には、そういうようなことでぐずぐずしておられない場合もありますので、主として警察としては、この予備隊としてはそういう場合も考えておるのでありますから、総理大臣の命令一下すぐ出るということにして置かないと、万一の場合役に立たぬではないかということで、行動の範囲を限定する代りに、総理大臣の命令で直ちに行動ができるというふうにそこをしてある。それから第三條の二項で、「予備隊の活動は、警察の任務の範囲に限られるべきものであつて、いやしくも日本国憲法の保障する個人の自由及び権利の干渉にわたる等その権能を濫用することとなつてはならない。」、こう書いてあります。これは実は警察法の中に規定があることでありまして、同じ文句をここに出しておるのであります。で、警察官である以上は、当然こういうことは分り切つたことなんでありますが、併しこれは重要なことでありまするから、予備隊についても特に警察法と同じ文句をここに入れまして、個人の自由及び権利の尊重をここで強調しておるのであります。第三項に、「警察予備隊の警察官の任務に関し必要な事項は、政令で定める。」、こういうことになつておるのであります。これにつきましては、実は初めの原案は別に一章を設けまして、警察予備隊は政令の定めるところによつて司法警察権を行使するという趣旨のことが入れてあつたのでありますが、何かそうしますると、常時司法警察的の職務をするように見えますので、これを止めまして、この第三條の中に入れたのであります。というのは、第三條の中で警察予備隊が行動するのは治安維持のために特別の必要がある場合に限る、こう書いてありますので、その第三項に「任務に関し、必要な事項は、政令で定める。」と、こうなりますと、その特別の場合に活動するときの任務に関して政令で定めるということになるのであります。この政令で定めるというのは何かと申しますと、多少いろいろな任務はありますが、主たる問題は、この司法警察権の行使ということであります。これは政令で以てどういう場合には司法警察権を行使できるかという点を、これから細かく書き入れるつもりであります。司法警察権の行使ということには二つの意味がありまして、一つはまあいわば普通のことでありますが、この警察予備隊七万五千人おりますので、この隊内の紀律の維持、犯罪の防止ということが必要であります。例えば隊員が外で以て何か乱暴を働いた、或いは隊内で何か物がなくなつたというようなとき、この隊員自体に対する紀律維持、犯罪防止という意味から司法警察権を行使する場合があるのでありますが、これは常時行います特別のそういう職務を持つた人間を何百人か定めまして、常時行いますが、これは一般の国民に対しては何ら関係がないのであります。隊員の紀律維持と犯罪防止ということで、場合によつては司法警察権を行使して取調べをやるというところまでやるつもりでおりますが、これはまあそう問題はないのであります。問題になるのは一般の司法警察権の行使でありまして、これは国民の各自に対する関係で、或いは逮捕し、或いは取調べをするという、こういうことになるのであります。この方は、現在の警察は国家警察でも自治体警察でも皆司法警察権を持つておりまして、現にこれを行なつておるわけでありますから、これと重複しないことが第一に必要であります。それからこの予備隊が権利を濫用して無暗に人を捕えて調べるというようなことがないように考えなければなりません。両方の意味から極く特殊の場合にのみやる、こういうことであり、且つこれは予備隊の長官とか、或いは総理大臣でも自分勝手にそういうことを命ずるわけに行かないので、閣議の決定を経て政令で以てやる、こういうことにいたしております。  それから第四條には、警察予備隊の職員の定員は七万五千百人ということにしております。うち七万五千人が予備隊の警察官、この百人はどういうものを何するかと申しますと、これが先程申しました東京の中央にある本部の職員でありまして、長官、本部長官、本部次長、各局長、各課長、課員その他電話の交換手であるとか、運転手であるとか、こういうものを交ぜまして全部で百人ということにしております。これは人数が非常に少ないようにお考えになるかも知れません。実際普通の常識からは少ないのでありますが、とにかくこういう七万五千人は、これはマツカーサー元帥の指令によつて作り上げるものでありますが、それ以上に百人でも人を殖やすということは国の税金で賄うのでありますから、できるだけ節約しなければならんというので、もうこの本部の職員は長官初め全部が自分で仕事をする、まあそうして給仕等はもう置かない、お茶なんか汲まないということで、非常に簡素に、まあ自分が皆仕事をするという意味で中央の本部の定員は百人と押えたわけであります。  それから第五條には、これは何でもありませんが、予備隊に本部及び部隊その他所要の機関を置くということにして、そうして六條には、「本部に、官房の外、警務局、人事局、装備局、経理局及び医務局を置く。」、こういう五つの局と官房を置く。それから今申しましたように、百人で以て本部長官、次長、官房その他五局を置くのでありまして、従つて一つの局或いは一つの課の人員というのは非常に少うございます。  第七條は、これも何でもありませんが、本部に、長官と次長を置く、長官は総理大臣が任命して天皇が認証する、認証官であるというような趣旨を規定しております。  それから第八條は、「警察予備隊の職員の職は、特別職とする。」ということにしております。これは一般の国家公務員法の適用を受けますると、第一に何と言いますか、過失がなければずつといつまでも職に就けるわけであります。又この八時間制でちやんと登庁退庁の時間も決まつており、超過勤務手当等、いろいろな規定もあるわけであります。又試験によつて昇進するというようなことも規定してございますが、この警察予備隊は特別のものでありまして、極く若い体力の優れた人達を一定期間採用したいということで、又その人達は集団生活を営むのでありまして、必要の場合には晝間は呑気にしていても、夜間に訓練をしなければならんときもあります。いろいろな意味で国家公務員法をそのまま適用するのは困難でありますので、人事院と相談の上、これは特別職とするということにしております。但し国家公務員法の中の第三章第六節の規定、要するに紀律維持その他の規定、義務の規定及び罰則の規定等はこれは同じことでありまするから、準用するというつもりでおります。又第八條の三項には、恩給法、共済組合法、退職手当臨時措置法等の法律の適用を受けないということにいたしております。これは恩給法は適用できません。普通にできませんので、例の退職手当等を特別に拂うわけであります。それから国家公務員の共済組合法、これも普通の場合と違いまして、集団生活を行いまするし、或る程度普通の公務員よりは危險を伴う仕事も予定されておりますので、公傷に対する手当等はやはり普通の組合法では間に合いませんので、別の法を作るということで適用を除外しております。退職手当につきましても、二年で六万円渡すというのは普通の退職手当の法律ではないのでありますか、これは特例を認めるということで三つの法律を外しております。その他の階級とか、任免、昇任、給與、服制等は第四項で別の政令で定めることになつております。  第九條は、内閣総理大臣のこれは直属のものでありまするが、相当厖大な機構でありますので、必要がある場合にはこれを専管する国務大臣を任命することができるという規定を設けておるだけで、まだ国務大臣を任命するかどうかということは全く決まつておりません。  第十條では、この外の予備隊の組織編成等の必要な事項は総理府令で定める、こういうことになつております。これは何故総理府令として、政令としなかつたかと言いますと、組織、編成等につきましては、一応やつて見まするが、何しろ新らしい試みでありまするから、やつてどうも十分でないという場合もありますので、総理府令でうまくない場合にはどんどん直して適当なものにしたい、こういう考えでやつております。まあそれに事項の重要性が必ずしも政令の必要を要さないと見たからであります。  それから附則の中で、第一項は何でもありません。公布の日から実施する。第二項で、「昭和二十五年度に限り、内閣は、一般会計予算における国債費の金額のうち二百億円を、警察予備隊に必要な経費に移用する。」、こういう規定で移用しております。第三項は、先程申しましたように、「昭和二十五年度内における契約等に因り支出の義務を生じ、当該年度内に支出を終らなかつた経費の金額は、翌年度に繰り越して使用することができる。」、こういう規定を設けておるのであります。第四項には、「内閣総理大臣は、当分の間、国家地方警察の機関をして、警察予備隊の事務の一部を取り扱わせることができる。」、これは警察予備隊がまだできておりませんので、建物等もありませんし、そうかと言つて募集はどんどんやらなければなりません。そこで国家地方警察の管区学校というものが全国に六つございますが、この管区学校を借りまして、そこで募集をやるのであります。そうして募集をやつて、いろいろの調査、或いは応募の受付、その他管区学校に收容する等の手続は国家地方警察に依頼して行う。そこの管区学校に例えば千人くらい集まつたならば、それを新らしい服装を與えて各予定してある所へ移す。いわば何と言いますか、レセプシヨン・センターと言いますか、応募事務を国警に頼む、こういうことで特にここに規定してあるのであります。  第五項は何でもありません。これは総理府設置法の中に警察予備隊の條項を入れただけであります。  第六項は労働三法、つまり労働組合法、労働関係調整法及び労働基準法、この三法は警察予備隊の職員には適用できませんので、ここに適用しないことを明らかにしておる。これが予備隊の政令の根幹を成すものでありますが、これより直ちに今準備しておりますが、政令を公布いたしまして、予備隊令の第八條四項の隊員の階級、任免、昇任、給與、服制その他に関する政令を出すことになります。  それからもう一つは、予備隊の組織編成についての総理府令を出す。これで大体必要な措置が終りまして、予備隊を具体的に編成することができるという段取りになるのであります。で只今のところは募集を昨日から開始いたしまして、大体十七日頃から個人の出頭を求めて、そうして二十二、三日、多分二十二日になると思います。十日の期間、二十二日頃から人間を受入れて仮採用をして、その間に身許の照会をやつたり何かしなければなりません。確かだと思う者を採用するということになつて、実際人を受入れるのは二十二日、若しくは三日と予定しております。で今のところは応募の成績極めてよろしいのでありますが、試験して見ないと実ははつきりしたことは分りません。体格の問題とか、或いは思想傾向その他の点もありますので分りませんが、この調子で行きますれば、七万五千人を集めることは、さして困難じやないのじやないかというふうに思つておりまして、今年中は勿論のことでありますが、早ければ九月、十月頃までには予備隊の人が揃うのじやないかとさえ考えております。但しこれを訓練して、実際に十分ものの役に立つというところまで持つて行くには、まだ相当期間がかかる、こう考えております。一応御説明を終りましたが、何か御質問がありましたら……。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) それでは質疑をこの際始めます、どうぞ。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 数項目簡單に……。成るべく意見を述べることを避けましてお尋ねしたいと思います。お話の一番始めに、その制度をポ政令によるべきものと政府は決定したということでありましたが、よるべきものと決定されたという意味は、その本質上ポ政令によるべきものであつて、議会の議には付してはならないものだというふうな意味でありますか。それとも本質上は議会に付すべき性質のものであるけれども、客観情勢によつてポ政令によるべきものと決定したという意味でございますか、その点一つ……。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 本質的に申しますということについては、どういう点が本質と申しますか、その点ははつきりいたしませんが、要するにマツカーサー元帥の書簡はデイレクテイヴであるという解釈は動かないものと政府は見ております。デイレクテイヴで元帥が直接に総理大臣宛に出されたものはポ政令による外はないと思います。こういう解釈でございます。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 本質的ということを申しました意味は、警察予備隊と雖も警察の隊である。警察事項を取扱う隊である。普通警察の問題というものは国会に付議して、そうして制度をお定めになるべき筋合のものである。特に何かの理由が外にない限り、この警察予備隊の制度がやはり国会の議に付すべき性質のものであると思うのは、これは常識であると思う。それが付せられなかつたということは、私共の想像するところでは、客観情勢で止むを得ずおかけにならないのであつて、本質上外の警察と違うから国会の議に付すべき性質のものではないというふうに政府がお考えになつたのではないだろう、こういう想像をしておるのであります。そういう意味において本質的ということであります。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) それは御説の通りであります。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 それから次にお尋ねいたしたいのは、この警察予備隊の制度は、たまたま朝鮮の事変が起りましたこの際に同時に起つた。で、それは或いはそれと関連した、もう少し具体的に言うならば、進駐軍も向うの方に沢山行つております。刻下の日本の秩序維持のために多少不安もある。そういう点でやはりみずからの手によつてしなければならないというふうな意味で警察予備隊を置かれようとするものであるならば、これは臨時的のものである、こういうふうに一応考えなければならないと思うのですが、併しこの後のいろいろな国際情勢の関係もございましようが、そうでなくて、これはもう朝鮮事変が済んでも経常的にずつと設置して行かれるという考えのものであるかどうか、一つその点伺いたい。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) これは直接的には朝鮮事変との関係は全然ございません。あの手紙の中にもあります通り、普通の民主国家に必要な警察の限度まで日本の警察力を増加するということでありまして、将来長きに亘つてこの程度の警察力は少くとも必要であろうという観点から認められたものであります。従いまして今後長くこの警察は保持せられるものと政府は考えております。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 そうしますと、従来国家地方、自治体警察を通じて十二万五千という数がまだ足りないというような話も前にもあつたのですが、今日までこれで十分であるというような説明を強く主張しておられたかのように記憶しておりますが、その認識が誤まつておつたので、或いはその後の情勢も又変つて来たから、特に七万五千という警察予備隊が必要になつた、こういうふうに理解してよろしいのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 必ずしもそうではございません。といいますのは、現在の警察力は通常の場合の警察に対しては、警察事務につきましては能率も大変よくなつて、よく働いております。従つて通常の、何と言いますか、ルーティーンの仕事に対する援助は必要ない、こう考えております。ただ万一の場合が起りましたときに、いろいろの内外の情勢から見まして、現在の警察力では治安維持に必要なだけの警察力がないかも知れない、こういうことで、この警察予備隊を置くのであります。そういう意味から言いますと、警察力が足りないということになりますが、今の警察の仕事が能率が悪いとか、人数が足らぬとか、うまく行かぬということではないのであります。通常の仕事と別の場合のことを考えたのでありまして、従つてこの警察予備隊の行動を必要とするような事態が起らなければ、無用の長物になるわけであります。その方が結構と考えます。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 そうしますと、今まで十二万五千を主張されておつた時代において予想されておらなかつた心配が、この際出て来たから、こういうことでございますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 一部にはそういうことでございます。尚併し講和会議も近付きましたわけでありますので、その場合のことも考えまして、今からこういう治安維持のための警察を設けた、こういう意味もあろうかと思います。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 次にお尋ねいたしますが、御説明の中に、従来の特高的なものでなくして、治安維持を専ら目的とするものである、こう言われたのであります。ところが治安維持を目的とし、その目的を貫徹するためには、特高的な視察とかいうようなことも、みずからなすか、或いは現在ある警察等の密接な連絡を得るか、いずれかしないと本当の治安維持ということはできない。若しそうでない、連絡もとらない、自分でも特高的なこともやらないのだということになれば、もとの軍隊と少しも変るところはない。御存じの通りもとの軍隊のありましたときには、警察力で足りないというときには、地方の知事が師団の方に出兵の要求をいたしまして、それで治安を維持して貰うことがあつたのです。これは法律で認められておりました。そういうことと考え併せまして、特高的なことを全くやらないのか。やらないというようなことになると、その当時の軍隊が知事の要求によつて飛び出して行つたというのと、殆んど変るところはないことになるという疑問を持つのでございます。その点を……。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) この軍隊であるかどうかという定義は非常にむずかしいと思いますが、その場合、今おつしやつたような場合は、軍隊は軍隊としての仕事をしておるのじやなくして、警察なり何なりの仕事を代つてやつておるのだろうと思います。従つてその部分におきましては、その警察予備隊が同様の仕事をしても、これが軍隊であるというようなことにはならないのではないか。その外この特高的た仕事をしないと申上げましたことは、特高というと非常に概念が曖昧ですけれども、非常に従来非難があつたことでありますので、そういうようなことはいたさないという意味でありまして、或る程度国警とか、自治体警察と連絡をいたしまして、必要な情報を收集するというようなことは当然しなければならないと思つております。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 そこに私は疑問を持たぬのでありますが、併し特高というものが必ずしも悪いものだとは思わないので、特高の制度があつて、それを非常に濫用した傾向があつた。そのことが悪いのであつて、特高が悪い制度であつたということは、私は必ずしも言えないのではないか。ただそこに濫用し易いような制度であつて、濫用することができないような厳格な規定が成立していなかつたという欠点があればそれは別であります。今のお話で、特高の関係もよい意味における特高の視察というようなことはしないわけでもないというお話であります。その点は了承しました。  それから次にお尋ねいたしますが、先程の御説明のうちに、今度募集される場合の応募者が適格者であるか否かということについて、市町村長なり或いは警察署長の推薦を俟つというようなことにするというのですが、これはただ漫然といいか悪いか、適格者であるか否かを決めて、そして通報するということになりますか、それともこれこれの者はいけないんだ。だからそういう者は不適格者として審査して報告して貰いたいというような、具体的の趣旨でも市町村長なり、警察署長の方へ出されるのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 今まだ具体的に考えておりませんが、警察署長等に一種の身許保証のようなものをして貰いたい。こう思つております。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 そうしますると、市町村長なり警察署長、その人の判断において一その人の思想によつて適否の見分け方が非常に違つて、全国まちまちになる傾向があるし、中央の方ではお困りになるのではないかという、かうな気持もいたしますし、一方余り細かい條件を示されるというと、何だか世間の一部で言われるように、それがおかしなことが起らないとも限らないので、その辺の匙加減というものが非常にむずかしいと思つております。その点具体的にどうされるか伺いたいと思います。  それから次に退職年数が余り長くなるというと、一年について三万円ずつというのは額が多過ぎるから減らすかも知れないというお話がありましたが、これは今日までの退職金の給與の方法から見ると逆な行き方で、従来は長くおつた者は年功加俸みたいなもので殖えたのですが、減額されるのは、国家の予算というような点から申しますれば、お話の通り節減することが必要でしよう。併し本人を精励ざせるというような点から見るというと逆な考え方、つまり今のような制度の考え方の方がよろしいのではないか、こう思うのでありますが、その点は余程お練りになつての御説明でございますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 一応こういう制度は一各方面の日本国内における先例も見まして、又外国における例も調べました。例えば二年で六万円やるということになりまして、その後本人の希望した場合は、どのくらいの條件で採るということで承諾があればいいわけで大体多くの場合には、二年で一応年数を切りますと、その後は率が減つているのが多くございます。又これはよその国で、例えば軍隊の例をとりますと、アメリカなどは普通募集しております。募集されますと、何年かは義務的にやり、それを終るとどのくらいの退職金、あと本人の希望でやる場合には退職金の率は下る。こういうのが多くの例であります。但し今度非常に長くなりますと、今度は普通の恩給的なものを適用いたします。今度継続的にずつと長く上の幹部まで行くということに知りますと、今度は長くなればなる程殖えるという規定も別に作ることになるのではないかと思います。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 それから四、五ケ所本部の下の機関と言いますか、配置される。その下に又相当に置かれるんじやないかと思いますが、各府県に創設するというわけにも行かないかも知れませんが、その第三次的なものはどういうふうにお考えになつておりますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) その通りでございまして、四、五ヶ所と申しますのは、支部の何と申しますか指揮所のようなものが置かれる所が四、五ケ所、その外に宿舎の関係或いは地勢によりまして、大体各府県に、ずつと置くことになると思います。でその最小の各府県におきまする一番小さな部隊が大体千人という予定であります。そうしますると、七万五千人でありますから、七十五置けるわけであります。そうすると千人以上のものもまあ置くわけであります。北海道が一つ、今の予定の四ケ所は仙台、東京、大阪、福岡こう四ケ所になつております。その外にも北海道にも或る程度必要じやないか、これは支部になりますか、或いは文部よりちよつと小さなものになりますか、分りませんが、相当置かれることになります。但しこれはついでに御説明いたしますると、普通警察などはやはり日本は六つの管区に分れております。各地に分れておりますが、一つの管区と申しますのは、警察ではその管区内の治安維持を責任を以て守るということになるのであります。この予備隊は日本全体の治安維持を守るのでありますからして、場所においてもその地域の例えば関東なら関東の治安を東京の支部のものが責任を以て守るという意味ではありません。ただ置く場所であります。それで総理大臣の命令一下必要の場合にはそれがどこへでも出て治安維持に当る、こういうわけでありますから、警察の言う管区ではありませんが、各地に置かれることになります。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 この政令の第三條でございますね。「内閣総理大臣の命を受け行動するものとする。」と書いてありますが、例えば暴動などが起つたというような場合としましても、大きな暴動がある、小さな暴動がある、三十人から五十人の人に百人出せばそれで大丈夫だというようなことも出て来るだろうと思います。そういう小さい場合もやはり一々総理大臣の命令を受けなければならないという建前になつておるのでありますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 小さなものは成るべくこの警察を出さないつもりでおりまするが、併し必要の場合には如何なる場合も総理大臣の命令がなければ出ないということにいたして、部隊の支部の、つまり部隊の長が勝手に動かすということのないようにいたしております。これは便利な場合と不便な場合とあると思いますが、両方考察しまして、多少不便でも一々総理大臣の命令を受けて出た方がよろしいだろうということで、そういたしました。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 この三條の三の御説明についてちよつと疑問を持つ点があります。この予備隊の治安の維持なり、犯罪の防止なりという場合、一般国民に関する警察権を行使をする場合におきまして、その場合には国家地方警察なり、自治体警察とのこの権限の関係はどういうことになりますか、同じ事件について両方の検挙者が権限を以て一緒に行動するということになりますか、それとも予備隊が出動する場合には、自治体なり、国家地方警察の権能は一時停止する、重複しないようにするというようなことにでもなるのでございましようか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) この点は政令の中に詳細に規定して、一目瞭然というようなふうにしようと思つておりますが、元来この予備隊は、現在の警察力を補うためのものでありますから、現在の警察力で、地方警察権を行使して足りる場合には出て行かない、地方警察権などを行わないのが建前であります。併し單なる想像で理論的になりまして恐れ入りますが、場合としては、何か非常に暴動でも起つて、地方で警察力を行使することができなくなつてしまうような事態或いは公安委員会もどこに行つてしまつたか分らないというような事態も想像としては可能であります。その場合にはこの予備隊が勿論出動して行きますが、すでに現地における警察力が分らなくなつたということがありますれば、これは当然司法警察権を行使して、今やつておる警察と同じ仕事をやる、こういうことも考え得るのであります。そういう点を一々細く書いて世の中の疑惑を避けたい、そういう意味で相当詳細に政令には規定するつもりでおります。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 その問題は私のことを申上げますならば、或る場合には予備隊の方の権限に移した方がいいと思います。或る場合には予備隊はどこまでも予備隊として補助的の立場をとつて行く方がいい、こう考えるのですが、要は指揮命令をするのは一本に限る。両方の権限を持つということになつたら、もう目茶苦茶になつてしまう、暴動がお互いの喧嘩になつてしまうような嫌いさえ、これはよく警察であり勝ちなことでありますから、その点をよく御注意願います。  私のお尋ねはこれで終ります。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) ちよつとそれに関連して伺いますが、例えば西南戰争ですね、ああいうことが起つだとすると、戰争でありますか、ただ治安の乱れたというのですか、どつちにとられるのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) これは国際法的の定義によりますれば、あれは一種の内乱でありまして、戰争ではないと思います。治安の問題になつて来ると思います。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) それではもう一つお伺いして置きます。外部から日本の領土に対して、そういうことを考えるのは甚だよくないことでありますが、侵略的行為があつた。そういう場合に内部においてやはりこれに呼応して立つ、治安を乱すというようなとき、それが相当の規模のものであるならば、この警察予備隊が立ち、これを鎮圧するということは、これは当然であると思います。併し外部の兵隊が上つて来たときは、これに対しては行使できないのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) これはいわゆる自衛権の問題になりまするが、自衛権は日本でもある。但し戰争行為を伴わない自衛権であるということに解釈は一定しておる。そこで外部の方からの侵略があつたような場合には、これはこの警察予備隊であろうと、普通の警察であろうと、又我々普通の国民であろうと、これは一致してこの侵略を防ぐ努力をするのは当り前でありますが、この警察予備隊に特にその任務を課しておるわけではないのであります。但しこれも出て行くであろうし、我々も竹槍を持つてでも何でも出て行く、これは戰争行為を伴わない自衛権というものは、我々日本人は全部持つておると私は解釈いたしております。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) そうすると、いわばこの予備隊は当然外部から侵入した侵入者を撃攘するという任務に当るということになりますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 特にその任務を持つておるわけではありませんが、日本国民として当然のことだと考えております。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) もう一つお伺いいたします。武装の程度ですが、これは先の説明によりますと、アメリカから一種の小銃を渡されるというのですが、これは貸與されるのですか、買うのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 今のところは貸與される。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) 貸與される……。それからそれ以上の強力な武器は必要に応じてやはり貸與か、買うか、どうかされるということになるわけですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) そうであります。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) で日本は兵器工場を持つことはできない。だからそういうものをつまり自分で造るとか、或いは自分みずからこれを修理するとかいうようなことはできるのですか、できないのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 造ることは今のところ困難だろうと思います。併しながら簡單な修理程度のことはこれはいたしても差支えないと思つております。これは現に現在の警察も拳銃を持つておりますが、簡單な修理等はいたしております。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) これは将来相当大きな問題を含んでおると思いますので……。

森崎隆日本社会党

○森崎隆君 二、三質問いたしますが、国内の治安に限るということだろうと思うのでございますが、場合によりますれば、国内の治安維持をより容易にするために、必要によりますれば、日本国の周辺にまで出まして、積極的に国内の治安を維持するといつたような意味の、積極的な性格を持つ行動はできるのですか、できないのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) この警察予備隊は国外には出て行くことは全然予想しておりません。

森崎隆日本社会党

○森崎隆君 自衛権の問題が今お話がありましたのですが、結局外国の軍隊その他の暴力が不法に国内に侵入した場合ですね、当然やはり全国民を挙げて竹槍を持つて出るとおつしやいましたが、事実上予備隊も一緒にそういう意味でいわゆる武力行使をやるということに考えていいのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) この予備隊は治安維持に任ずるものでありまするから、将来武器につきまして今より多くのものを持つようになりましても、これは国内の治安維持に必要な限度に止まることは当然であります。例えばまあ大袈裟なことを言えば、長距離爆撃機というものが必要でないことは当り前でありますから、そういう種類のものは持たないことは明らかであります。従いまして外国の正規の軍隊が仮に万一、そんなことを申上げるのは変ですが、御質問がありますから申しますが、日本に侵入して来たというような場合には、これは武力的にはかなわないのは止むを得ないと思います。併しながらやれてもやれなくても、国民としてはできるだけ自衛の措置を講ずるというのも亦当然のことでありますから、その意味では自衛の措置を講ずるだろうと思います。

森崎隆日本社会党

○森崎隆君 憲法の戰争放棄というあの條文の解釈は、やはり自衛権というものはあの中にはつきりと盛つているわけですね。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) さようでございます。

森崎隆日本社会党

○森崎隆君 その場合自衛権を発動して、国内の治安を維持するという建前から行きますれば、やはり結局は起たなければならんと思うのであります。治安を確保しなければならん責任があると思うのであります。こういう関係から今後将来におきまして、ますますこの予備隊その他の、いろいろありましようが、予備隊を中心といたしまして、これはやはり拡充して行くといつたような意図が政府にあるのですか、ないのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) この予備隊は先程も申しましたように、マツカーサー元帥のデイレクテイヴにより作つたものでありまして、政府はこれを任意に拡張するというような考えは持つておりません。

梅津錦一日本社会党

○梅津錦一君 その武器の問題ですが、現在貸與ということになつておりますが、これは米国の貸與ですね。この貸與は将来いつまで貸與の形をとるかどうかは分らない。勿論アメリカでも将来その他の武器が日本に必要だという場合に、これを貸して呉れるというふうには考えますが、若しこれを将来購入する場合、これはアメリカのみから武器を購入するとは限らないので、その他の外国から購入することができるか、できないか、問題だと思います。若しアメリカだけから、米国のものだけ貸與されれば、米式の訓練なり、性格が非常に強くなつて来ると思います。丁度アメリカの附属警察隊みたいな形になると思います。そこで武器の問題に対して、将来その他の国から貸與の申出があれば、或いはイギリスとか、その他の国からこつちでも貸してやろうという場合には、借りられるものかどうか、マ書簡の内容からどういうものか、そこをちよつとお聞きしたい。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 只今貸與を受けようとしている武器も、これはマツカーサー元帥がアメリカの司令官として指令しているのじやないのでありまして重合白雪日亜局司令官という名前で指令して来ているのであります。勿論武器の種類、或いはどこからどの程度貸すということは、連合国の、主なる国の協議の結果によると私共は了解しております。従いまして常に連合国としての申出を受けるのでありまして、特にどの国の申出というものはないものと考えております。

梅津錦一日本社会党

○梅津錦一君 予算の問題ですが、現在その種目変更で国債償還その外を使つておる。そこで現在国債償還が二百億使つても千二百七十なんぼかあると思うが、その中の大体二百億使つたとすれば、あとの相当の金は国債償還に当てるべき性質のものだと思う。それを現在停止しておるわけです。一文も使つていないと思うのですが、使つておるのですか、使つておらないのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) この点は詳細な点は大蔵当局を呼んで来ないと私もよく分りませんのですが、今おつしやつた国債償還費は二種類ございまして、一般会計のやつと、それから見返資金と二つございます。只今のは一般会計の方でございますが、これは警察費を引きました残余は、今のところは国債償還に当てられることと私は了解いたしております。

梅津錦一日本社会党

○梅津錦一君 常識的にそういうことは考えられると思うのですが、併しこれをですね、政府が排出すのは政府の義務下にある。二百億というものがすでに数字上出ておれば、あと残余の分は早急に国債償還に当てべきだと思う。それを政府が現在国債償還に当てないでおれば、何らかの意図があると考えられてもこれは止むを得ない。そういう疑惑の対象になつている国債償還に対しては、政府は速かにこれに対して声明というか、或いは意思表示をする必要があると思うが、これに対して意思表示をする意思があるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 御意見伺いまして大蔵当局とも協議の上、何分の御返事を申上げます。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 自衛権の御説明がありましたが、ちよつとまだ分り兼ねますので、重ねてお伺いいたします。戰争行為を伴わないという條件的の自衛権ということですが、戰争行為というものはどんなものか、これは学者あたりにいろいろ議論があると思いますが、私共の常識からいうと、国と国とが武器をとつて争う。簡單に言えばそういうようなことではないかと思いますが、そうすると、外の国が日本に侵略を試みた。それを防ぐために政府が国民を結束せしめて、そうしてこれに対抗する、そうして自分を防ごうとするというような場合には、国と国と武器をとつて争うわけですね、それは戰争行為になる、それは戰争だとすれば、戰争行為を伴わない自衛権というものは一体どんなものか。国民が散らばらに俺は竹槍を持つてやる。俺はピストルを持つてやるというのは許すけれども、国が纏まつてやることは許さないというのは分らない。机の上のことになつてしまう。その点はどういうふうなお考えですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) これは今おつしやつた通り、戰争というものは何だということは、著聞にいろいろ議論がありまして、必ずしも一定していないと思いますが、併し又定説といたしましては、或る一国と一国とが政策を行おうとしてぶつかつて、それが行い得ない場合に力を以つて自分の政策を行おうとする、これが戰争であるというふうに考えております。従いまして例えば日本は何らその政策を実行しようという意思がなく、何らそういうことを発表しておらない。ただ国を守り、普通の防備をやつておる。平和的に進んでおる。そういうときによその国から人づて来れば、これは戰争でない、侵略行為、その侵略行為を防ぐという意味だろうと思う。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 それで結局できるということになるわけですね。

梅津錦一日本社会党

○梅津錦一君 将来も現在もそう、だと思うのですが、向うの騎兵銃というようなものは、特に小型小銃のようなものは大部分贈られるわけですね。この騎兵銃が日本の方式なら相当技術的に昔の軍人は告知つておるわけです。併しアメリカの武器をいじつておらないから、今そのまま渡されても、それに対する的確な操縦技術が分りません。この操縦技術を修得するために、米軍の技術将校なり、そうした熟練しておる技術者を日本で招聘するとか、指導者として受入れるか、そういうことについての考えがあるかどうか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) この担銃と申しますか、肩へ担う、これは非常に簡單な武器でございまして、まあ言わば日本の前戰争当時使つておりました小銃と殆んど変らないもので、あれを短くしたようなものでありまして、操縦等も極く簡單なものだと思つておるのであります。従いまして、これを指導するアメリカの人なり何なりを雇つて来る必要は全然ないと思つております。

梅津錦一日本社会党

○梅津錦一君 もう一つ、この警察予備隊のこの訓練の方式は、日本独自の立場でやるか、或いは外国のこうした技術的な方法ですね、昔の日本の兵隊で言えば相当の方式があつたわけですそういう方式を軍隊でない以上、警察であれば日本独自の予備警察隊としての訓練方法をとるか、それとも連合国の知識ですか、そうした技術を取入れるか、その点についての政府はどんなお考を持つておるか、それをお伺いしたい。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) この警察予備隊というものと同じようなものは実はアメリカにはないのでございまして、アメリカにはありませんか、フランスとか、イタリーにはこれと非常によく似たものがあるのであります。我々もフランスや、イタリーの制度その他を研究しております。そういうものを参考にしていたしますが、組織、訓練その他の問題につきましては、我々が自分で考えて一番適当と思うものを作り上げようと思つております。特にこのために外国の援助を求めようとは考えておりません。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 もう一つお尋ねしてよろしうございますか。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) どうぞ。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 新聞でいろいろ申しますが、朝鮮事件に対する日本人義勇兵募集で、マツカーサー元帥の意見がある。これによりますと、講和條約が締結されるまでは義勇兵を日本人から募集してはならないという意味のようですが、政治的に考えれば、それも一つの考え方と思いますが、何かその外に理論上日本人は被占領国民であるから、義勇兵になつちやならないのだという考え方があるわけなんですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 私もよくその点は調べてありませんから、存じませんが、特にそういう制限はないのだろうと思います。

梅津錦一日本社会党

○梅津錦一君 聞き洩らしたのですが、上義勇兵の問題ですが、将来義勇兵を募るようなことはないとは考えられますが、若し義勇軍が最悪の場合必要だということになると、或いは義勇兵を募集することを命令された場合に、現在占領されておるのでありますから、そういう場合に警察予備隊の中から義勇兵が応募することができるか、できないか、これは問題だと思うのですが、前提の上に立つてではお答えができないということになるかと思いますが、これはやむを得ないと思いますが、その点も相当これは疑問視されておる点と思うのですが。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 今は仮定の議論でありまして、ちよつとお答えを差控えた方がいいと思いますが、理論的に申しますと、警察予備隊であろうと、外の国民であろうと、立場は全然同じだと思います。特に警察予備隊だからどうということはないと思います。

梅津錦一日本社会党

○梅津錦一君 そこで例えば義勇兵を警察予備隊の大多数から応募して、特に義勇兵という立場になれば、警察予備隊は一番使いいいと思います。訓練されておりますから、或る程度直ぐ使えると思います。そこでそれががら空きになれば、折角警察予備隊を作つた主なる目的が達成されない、こう考えるので、これは意見がましくなりますが、結局予備隊は独自の性格を持つておる関係上、義勇兵に応募することはできないという規定が設けてあれば、これは非常にはつきりすると思う。これが疑惑の種だから、この点もはつきり私はして貰いたいと思う。警察予備隊はあらゆるその他の応募には応ずることができない。隊員である在職中はできない、こういう規定が多少欲しいと思います。これがないとはつきりしないと思います。警察予備隊員は義勇兵になり得る。警察予備隊員は即座に義勇兵になり得ると考えられる場合があると思う。ここのところは将来残される問題であり、国際上の問題であり、将来の日本の自衛権の問題にも来ると思います。若しもこの予備隊員が義勇兵になるということになると、結局日本にそうした性格を持たせれば再軍備の芽が出たものだ。言換えれば再軍備を用意しているものだ、こういうふうにも考えられる。そういう点から再軍備というものが考えられないとすれば、この際警察予備隊は如何なるその他の応募にも応ずることができない、こういうような一條がこの中にあつてもいいと思うのですが、その点に対する御見解を一つお聞きしたいと思うのです。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○説明員(岡崎勝男君) 何か非常にむつかしい問題で、大分現在と離れておりますが、只今は総理も議会で申上げました通り、又マツカーサー元帥も言つておられる通り、義勇兵というようなことは全然考えておりませんから、これは問題にならないと思います。但し警察予備隊の人間は、予備隊を辞めれば、これは義務として何年いなければならんということはないのでありますから、辞めることは自由であります。ただ途中で辞めれば退職金をやらないというだけのことで、辞めることは自由であります。辞めた後自分が好きなことに従事するということは、これは基本的人権を抑えるわけに参りませんから、自然自由であります。但しその義勇兵というような特別のものになりますと、これは国の政策として認めないということは別の意味で明らかになつているように考えます。

河井彌八緑風会

○委員長(河井彌八君) それじや別に質問がないと認めますから、今日はこの程度にいたしまして、散会いたします。    午後零時五十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            仁田 竹一君            梅津 錦一君    委員            中川 幸平君            上條 愛一君            森崎  隆君            竹下 豐次君            林屋亀次郎君   説明員    内閣官房長官  岡崎 勝男君

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