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8回国会参議院1950/08/11

地方行政委員会 閉会後第1号

発言数
134
登壇者
7
会派数
3
開催日
1950/08/11

会議録

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) これより地方を政委員会を開会いたします。  今日は警察予備隊令につきまして所管の大橋法務総裁から説明を承わりたいと思います。これは昨日ポツダム政令で公布されたものであります。それでは法務総裁の説明を求めます。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 昨日ポツダム政令が公布せられまして警察予備隊が創設せられた次第であります。その要旨を簡單に申上げまするというと、警察予備隊の目的は、国家地方警察及び自治体警察の警察力を補充することが目的でございまして、一般に憂慮せられておるがごときいわゆる軍隊化、さような心配を極力なくするという点を主眼としてその目的が規定せられたわけであります。この警察予備隊は総理府の一つの附属機関として設置せられるものでございまして、その任務といたしましては、総理大臣の命令によらて出動いたすことに相成つております。一部の考え方といたしましては、地方の公安委員会、或いは中央の公安委員会の請求によつて出動するようにしてはどうかというような考え方もあつたのでございまするが、実際問題といたしまして、警察予備隊が出動いたしまするような際におきましては、特に地方の公安委員会のごときは、その機能を喪失するというような状況になつておる場合も少くございませんので、かような場合におきましてはむしろ内閣総理大臣の職権によつて出動するということが建前としてよろしかろうと存じたのであります。尤もこれが運用に当りましては、中央地方の公安委員会と緊密なる連絡をとりまして出動すべき場合を定める。そうして出動の命令は総理大臣から下される。こういうことになることは勿論であるわけであります。法令の建前といたしましては、さような公安委員会との連絡その他は運用上の問題として処理いたすことにいたしたわけであります。警察予備隊の警察官の任務に関し必要な事項は政令で定めるということを第三條の第三項に担げてございまするが、この点につきまして特に問題となります点は、司法警察官たる職務をこの警察予備隊の如何なる隊員に、如何たる場合において行わせるかという問題でございまして、これは今後政令において具体化するようにいたした次第でございます。第四條におきまして定員を規定いたしてございまするが、七万五千人を警察官の定員といたしまして、外に百名を警察官以外の予備隊職員ということにいたしたのであります。この考え方といたしましては、警察官は部隊に所属いたしまして、本部には警察官にあらざる百名の職員を配属する。他の七万五千名はすべて一つの部隊を組織する。こういう考え方でございまして、他の例を以て申上げまするならば、今日検察官を構成いたしております検察庁が法務府に所属し、法務府の関係部局の外に一つの一体的な検察庁という大きな機構を持つておるのであります。丁愛そういうふうに本部という警察官にあらざる職員から構成されまする、行政管理を行いまする部局に所属いたしまして、その機構の外に一つ大きな部隊組織を成すものが七万五千の警察官、こういうことに相成つておるわけであります。そしてその組織といたしましては、只今申上げましたる通り、本部及び部隊、その他所要の機関を置く、こういうことに相成つておるのでありますが、部隊の中には先ず部隊全体を指揮いたしまするところの総司令部的な性格を持ちまする指揮本部というべきものがあり、その下に幾つかの單位の部隊が所属し、又外に恐らくは補給部というような部隊全体の補給を行うことを目的といたしました部隊もできる、こういう考え方でございます。本部の長官、次長の外に警務局、人事局、装備局、経理局及び医務局、五局を置くことになつておるのでございますが、只今はこの幹部の人選をやつておる次第であります。  職員の人事管理という第八條の規定でございまするが、警察予備隊の職員は特別職ということにいたしてございます。これは本部に所属いたしまする警察官以外の職員につきましても特別職ということに相成つておるのであります。尚「警察予備隊の職員の階級、任免、昇任、給與、服制その他人事に関する事項については、政令で定める。」ということにいたしてございまするが、この政令は数日中に出したいという考えを特ちまして、目下立案をいたしておる次第でございまするが、特にこの階級といたしましては、従来の警察官と異なりまして、相当沢山の階級的な構成を採ることが部隊を動かして行く上から申しまして必要でありまするので、むしろ軍隊における階級に近いような階級的なものになるであろうということを予想いたしておる次第であります。尚その他の事項につきましては総理府令で定めることに相成つておるのであります。  それから附則の第二項におきまして、昭和二十五年度におきまする予備隊に要する経費の移用を規定しております。これは財政法三十三條に対する特例をポツダム政令によつて措置いたしたことであります。そうして特に本年度におきましてはこの二百億の中で年度内に契約いたしましたる部分につきましては、年度を超えて支拂をなすように繰越免許の規定を置いた次第であります。  募集につきましては、来る二十三日頃に第一回の募集を行いたいという考えの下に、すでに募集要項を発表いたしてございまするが、その内容といたしましては、年齢は二十歳から三十五歳まで、給與といたしましては幹部にあらざる一般の警察官の平均給を大体五千円程度にいたしたい、こう考えております。外に食事、被服等はすべて官給をいたす筈でございます。  而して勤務年限は一応二年といたしまして、二年を経過いたしまして退職をいたす者に対しましては、特に特別の退職手当といたしまして六万円程度を與える。又それ以上延長いたしました場合におきましては、その年数に応じて退職手当を増加いたしますようにいたしたいと思います。  志願の大要の資格といたしましては、中学校卒業程度の学力ある者ということにいたしておるわけであります。尚幹部につきましては別途に採用の計画を立つておるような次第でございます。できるだけ早く七万五千人を充足いたしたい、かように考えておるのであります。尚これが内におきまする配置の地区別の人員その他につきましては、尚関係当局と折衝いたしておりまして、また決定をいたしておらない次第でございます。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) 只今の法務総裁の説明に対しまして御質問願います。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 第四條の職員の定員でありますが、警察法の場合はそうなつておつたのですが、それを警察官の定員というふうに実は修正を国会でしたのです。それは警察官はその定員が必要であるけれども、それ以外の職員を定員の中に入れますというと、警察官そのものがいわゆる警察の任務でない雑務をやるようなことになり、却つて能率的に惡くなりはしないかというようなことで、警察官は純然たる警察の仕事を担当して行く。その他の職員はそのときの必要に応じて予算の関係もありましようが、それの見通しがつけば定員として置くことができる。従つて国内において持つことができるところの十二万五千人というものは勿論警察官である、国家警察の三万というものも警察官である。その他の職員はそれに含まないというような原則で進んでいるわけですから、これによりますというと職員の定員ということになつておりまして、警察官以外の職員は百人に限定されるということになる。而も今の説明によりますというと、この百人は本部に置くということになりまするが、それぞれの部隊において事務を執るような者も若干あるのじやないかと思うのでありますが、そういう場合には全部この七万五千人の警察官を以て充てるような形になるので、能率的にどうかとも思われるのですが、そういう点はどんなふうに考えられて職員の定員というものをこの七万三千の中に百人と限定したのであるか、お伺いしたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今鈴木委員から、誠に御尤もな御質問がございましたのでありまするが、実はこの警察予備隊はその行動の際には部隊行動を採るということが建前に相成つております。従いまして必要なる際におきましては、その本来の所在地を離れまして、遠く全国に治安上の必要に応じまして部隊の形で移動をいたして行く、こういう際におきましてはすべてこの部隊として一つの規律を持つた人員のみによつて、この隊の構成されることが必要でございまして、警察官以外の職員を部隊の中に含めるということはいろいろ行動その他におきまして、不都合を生ずる場合が多いと、こういう考えの下に部隊に属する者はすべて警察官である。そうして部隊における一切の事務は、例えば医療施設に属する医療職員であるとか、或いは看護をする者、或いは食事の炊さんその他に従事する者、すべて一切の職員はこの警察隊の隊員たるところの警察官を以て構成する、かように相成つた次第でございます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 その方針はよく分りました。そういう方針の下に七万五千というものを考えたのであるからして、実際に警備その他に当る者はもつと少い者が当るということを考えつつ七万五十人というものができたのであるというふうに了解するのでありますが、その他に例えばタイピストとか、給仕なんかは職員に入らないでしようけれども、相当職員なみに考えられる者については、全部これは警察官を以て当てるということになるのでありますか。そういう場合には婦人の警察官なんかも置くようなことになるのですか。或いはタイピストとか、それに類する者は職員以外の者として取扱うのであるか。或いは全然そういう者は入れないという考えなのですか、それを伺います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 本来の建前といたしましては、すべての業務について警察官を以て当てる。御指摘のような業務につきましても警察官を以て当てるということが建前になつておるわけであります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 この警察隊には婦人というものは全然入らないで、男だけであると、こういうことになりますか。或いは女も入ることが予想されるのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今のところは婦人は予想いたしておりません。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 次にこの本部について第六條に規定しておるものは、全部警察官以外の職員を以て当てることになるのですか。いわゆる部隊ではなくして、本部に属する者にもやはり警察官が入る、こういうことになるのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 部隊におきましては部隊はすべて警察官でございますが、本部におきましては警察官たる職員は一名も含まない、こういう趣旨でございます。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 予備隊員の募集、その他は総理府令で決められると思いますが、予備隊員の資格とか、その応募條件、そういう点について御説明を伺いたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 応募の資格條件といたしましては、先ず年齢といたしまして二十歳から三十五歳までの間の男子でございます。それから学歴といたしましては中学校卒業程度の学歴、こういうことになつております。そして実際の採用に当りましては、恐らく曾て軍隊に所属いたしておつたというような経験が尊重されると思います。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 この予備隊の問題につきましては、巷間聞くところによれば追放軍人、中でも大物である将官級の者がこれに加わらんとしておるというような、これはデマであればいいが……、そういうことを聞きますので、例えば今の説明の資格の中にはいわゆる追放軍人も応募する資格があるのか、そういう点について伺いたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今のところ追放者は応募資格は認めないという建前になつております。尚只今申上げたのは一般の隊員でございますが、幹部につきましても、只今のところでは追放者は入れないという考えを以て進んでおるわけであります。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 尚こういうような予備隊を作るその趣旨から考えても、この隊員たる者は少くとも一例を挙げれば共産主義者というような者は誠に不適当であろと思う。そういう点について例えば共産主義者は採用しないとか、そういう方針をとつておられるか、その点を伺います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 共産主義者並びにこれが同調者は採用しないという考えを以て選考いたしております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 この前から法務総裁にも、いろいろお調べを願つておるので御承知かと思いますが、こういうような予備隊を作る趣旨から言いまして非常にすつきりした国民の支持を得るようなものでなくてはいかんと思いますが、今度は七万五千ですから、非常に多数のものを募集するので、今のような点十分御調査がないと、却つてこういうものを作つてそれが逆効果になる虞れが、今日の段階においては非常にあると思うのですが、そういう点について、單に共産主義者並びにそのシンパは採らぬと言われるが、私は共産主義者でございということでなくて、巧妙に入らんとするだろうと思いますが、そういう点についてどういうふうな考えを持つておりますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) すでに共産主義者の計画といたしましては警察予備隊の創設に際し、できるだけこの中に多数の党員、或いは同調者を送り込みたいというふうな考えを持つておるやに聞いておるのでありまして、この点につきましては、警察予備隊といたしましても極力警戒をいたしまして隊員の採用に当りましては、身元の調査ということを特に重要視いたすことに相成つております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 この問題に関連いたしまして、共産主義者は予備隊には採用しないというような只今方針で、私は少くともそれは非常に結構なことだと思いますが、そうなくちやいかんと思いますが、現在自治体警察、国家警察の両警察がありますが、そういう点について齋藤国警長官は、国警の中にもそういう者があるやに伺いますが、そういう点を今後どうなさるのですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○説明員(斎藤昇君) 御質問の点でありますが、巷間雑誌、新聞等に或いは国警本部の中堅幹部に共産主義者がおるかのような記事を出しておるものもあるのであります。併しながら私の信じます限りにおきましては、少くとも幹部にはさような者は絶対にないと考えております。又幹部以外におきましても共産主義者或いは同調者というものがあるということがはつきりいたしますならば、これは断乎として解職をいたす所存であります。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 重ねて法務総裁に伺いますが、例えば今の国警の方の長官の御意見ははつきりしているのですが、その他自治体警察があるのですが、そういうものは少くとも警察官というからには、予備隊を含めてその他の警察官でも、共産主義なんというものは適当でないと思いますが、現在例えば自治体警察などでそういうものを排除しようとする根拠は、どういうところに基いてできるのでしようか。例えば共産主義者が不適当である、これはやめさすというふうな、單にそういう考えでできるのかどうか、その点伺いたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 御承知の通り、共産主義者は日本でない外国に忠誠を誓つておりまして、国家の破壊、国内の秩序の紊乱或いは国内におきまする産業の破壊、かようなことを目的として行動をいたしておるわけであります。従いましてこれらの共産主義者或いはその同調者が国家のあらゆる重要なる政策面、或いはその他の部面におきまする従業者といたしましては、甚だその資格を欠いておる場合が多いのでありまして、これらを擬用いたしておりましたところの使用者側におきまして、その自己の経営し、或いは管理する仕事に不適当なるこれらの人達を、その仕事から排除するということは、これは使用者として当然の権利に属する行為でありまして、かような場合には、解雇というものは法律上正当の理由あるものとして処理さるべきものである、こう考えるのであります。これがこの問題に関しまする解雇の正当性を理論付ける根拠である。かように私共は考えておる次第であります。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 今回の予備隊の問題はここにはありませんが、新聞等で伺うと、例えば退職金を何年で貰うというようなことまで出ており、又いろいろの給與その他も国で持つように伺つておるのですが、そうしますと、従来の国警、自治体の警官の待遇のことを考えまして、非常に差があり過ぎて、ために現在の自治体、国警の警察官が非常に羨ましがつて、その程度ならばいいですが、非常にひがんだ気持になつて、そういうような国警、自治体警察官の士気に影響するというようなことがあり得ると思うのですが、そういうふうな問題について、法務総裁は今後予備隊との関連においてどういうふうに考えられるか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今のところでは警察官においてさような懸念はないと考えております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 今の法務総裁の御答弁ですが、今度の予備隊も、従来の国警自治体警察と待遇が同じならばそういうことも質問しないのですが、今度の問題は、その性質が、例えば訓練に重きをおくとかいうような点、辛い面も、今度の予備隊は普通の警官と違つておると思うのですが、やはり現在の自治体、国警の警察官の待遇から考えれば、やはりこつちの予備隊の方は、更に優秀のように思うのですが、そういうことはないと思うと言うだけでなく、やはりそういう待遇は現在遺憾ながら非常に惡いのですから、そういう点は急速に、こういう国際情勢が非常に緊迫しておるので、警察官の給與が惡い上、存分に働けないというふうなことがあつてはいかんと思うのですが、この間地方自治委員会で消防署の見学をしたのですが、それを見ましても、例えば演習をしておるところを見ますと、靴もばらばらであり、ゴム靴あり、ズック靴あり、被服もまことに貧弱であつて、ちよつとした訓練でもそれではまことに気の毒に思う。こういうことを見ましたから、現在の警察官も大同小異であると思うので、こういう際ならば予備隊を作ると同時にやはり待遇の面が当然考えられなければいかんと思う。そういう趣旨で伺つたのです。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今国家警察におきましての警察官の待遇というものは、他の公務員と同じベースを基礎として決められたものでありまするが、併しその業務の性質上、特に一般の公務員よりは多少優遇をいたしてあることは御承知の通りでございます。従いましてこの国警、自治体の給與が他の公務員に比較して均衡のとれておるものである。かように私共は考えておる次第でありまするが、この度できました警察予備隊の警察官、これと比べた場合にはどうであるか。私共はこの予備隊の警察官は、これは短期間の就職であるという点を、その給與においても考慮しなければならない。こういうふうに考えるのでありまして、国警、自治警の一般警察官は殆んどその力の続く限り勤務が続けられるのであります。予備隊警察におきましては、二年三年或いはよほど志願をいたしまして勤務年限を延長されましても数年で以てその仕事から去らなければならんというような事情があつて、かような給與を決めたわけでありまして、かれこれ勘案いたしまするならば格別不均衡と認むべきではない、こういう考えを持つておる次第であります。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 今度の予備隊は今の御説明では、短期間である。例えば二年、三年であるというようなことのように伺つたのですが、そうしますと、例えば二年勤務した者は元の軍隊の予後備に行くようなことになり、又新たな人員を募集して訓練する、こういうわけなのですか、その点はどうなんですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今のところでは、或る年限を以て隊員は更新するというふうに考えております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 これもこの官報にはありませんが、新聞で拝見したのですが、いろいろの階級制度が新聞に発表された。例えば従来の警官の名称とは非常に違つた、而も多数の、十三ですか、十四でしたか職名が載つておりましたが、そうしますとこの予備隊が又違つた名称を使うと、他の警察官とどつちが上なのか、下なのか一般国民は分りかねると思うのです。そういう点はどうなさるのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 他の警察とこの警察予備隊の職員がどちらが上であるか、下であるかということについては私共別に考えておりません。自然に世の中の振り合上決つて来るものであろう、こう考えております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 それは警察士でしたか、非常に変た名前があつたので伺うのですが、例えばこれは国警、自治警を補うための予備隊とも言えるのですから、実際の場合のことを考えれば国警なり予備隊が一緒になつてやる場合がある。そういうときに、これは細かい点ですからこういう名前でなくちやいかんというようなことを私は考えておるわけじやないのですが、やはり従来の警官の名称、階級があるわけですから、それと全く違つたのをやるとか、非常に同じ警察官にそういうふうな特別に区別をつける必要があるのかどうかということなんです。そういう点を伺つたのです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○説明員(斎藤昇君) 一応御尤もの御意見でもございまするが、予備隊と国家警察及び自治体警察とが一緒に仕事に当るという場合はあり得ると考えるのでありますけれども、併しながらその場合におきまして同じ指揮下に入つて、そうして一つの指揮の下に働くというような働き方を考えておらんのであります。従つてお互いにそこで仕事を分け合い、或いは協力し合つて働くということはあり得るわけでありますが、今の一つの団体になつて働くという場合は考えられていないのであります。自治体警察と国家地方警察とは場合によりますると一つの編成の中に入りまして、そうして事件に当るという場合があり得るわけでありまするから、その間におきましては階級が非常に違つておつたりした場合に、指揮をする場合に困る場合があるわけでありますけれども、予備隊との間には今申しまするように考えておりませんので、階級をこの問に権衡して置くとか、同じような名称でなければならん、そうでない場合に起る不都合というようなことは考える必要はないであろう。かように私共は考えております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 馬鹿に階級が多いのでありますが、その名称は確定しておると思うのですが、その名称を一つ上から下まで伺いたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) この名前はまだ決定をしたというところまで至つておりません。実は私もその詳細をまだ存じておらないような次第であります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 この機構は国家警察或いは自治体警察の警察力を補うために作られているものであり、そうして軍隊的なことを予想しているものではないということなんでありまして、今一緒に仕事をする場合の関係は……別々の分野に、別々の指揮系統でそれを行うということになるという説明なんであります。それからもう一つは、公安委員会の機能が殆んど喪失するような場合に出動することが予想されるのであつて、公安委員会そのものの機能が十分生き得る、或いは国家警察がそれに応援してやれるという範囲の場合には、これは出動しないのだというような説明がありましたが、そうしますと、殆んどもう平常は、いわゆるちよつとした事件とか、そういう場合にはこの予備隊というものは全然出動しないのだということが考え得られるわけであります。例えば今まで平事件とか、或いは福島の事件とか、いろいろありまするが、そういう場合においてはこれは出動するのか、しないのか。そういうことを予想した場合にどういうふうに出動されるか。どういう場合に出動するかという例をちよつとお聽きしたいのです。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) この運用につきましては、今後十分に研究いたして参りたいと存じているのでありまするか、このでき上つた建前からいたしまして、国家地方警察及び自治体警察の警察力を補うという趣旨でございまして、或いは平事件、それから福島事件等の場合、これらの場合におきましては殆んど警察力が機能の喪失に近付いているわけであります。かような場合には当然或る程度の出動が要請されるものであるわけであります。かように考える次第であります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 そうしますと、平事件等においては現地に私も視察に行つて見たのでありますが、あの場合に出動するということに仮になつたといたしますれば、警察予備隊が駐屯しているところからそこへ押掛けた。そうしてそこの平警察なら平警察署に行つた。こという場合においては国家警察の方面からも相当の部隊が来ておりますし、又自治体警察方面においても、実質上においては応援に来て、そうしてそれに当つているということになる。そうすると三つの警察隊が一緒になる。併しながらこれは自治体と国家警察は今は一応の連絡がありまして、指握系統もはつきりしておりますが、この予備隊が行つた場合にやはり混乱をするのではないかというふうに考えるのです。別々にやるということは非常にその間においてこんがらかつて来やしないかということが一つ。それからもう一つは先程これは政令で決めるという話がありましたが、予備隊に如何なる権限を與えるか。或いは逮捕の権限とか、いわゆる司法警察官としての権限を與えるかどうかということにも関連するのでありますが、これに司法警察官としての権限を與えるということになりまするというと、入乱れてそれぞれの警察官が司法警察官としての仕事をするということになつて、現状においては相当混乱するのではないか。何か一方の方面において指揮権をとる、そうして統一的に行動をするというように行くべきものではないかというふうにも考えられるのですが、そういうことを想定において指揮命令の関係、或いは司法警察官としての職務を與えるかどうかということについての構想をお聽きしたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 先ず三者の行動についての調整の問題でございまするが、これは誠に鈴木委員の御質問は御尤もなことと存ずるのであります。私共もこの予備隊の創設に際しましては、この問題は特に今後の運用上の重大な問題であると考えたのでありまするが、何分にもこのたびに予備隊の創設がポツダム政令によつて行われまする結果、法律で規定いたしでありまするところの現行警察法によりまする国家地方警察並びに自治体警察等の関係は、これは法律で決めてあることに手を加えまする場合には、法律でやるということが過当でありまして、むしろこの場合におきましてこの警察法に手を加えるということは時期的には適当でない。又ポツダム政令によつてやるということも適当でない。こういう考えの下に一応予備隊令におきましては予備隊自体のことを規定するにとどめた次第でありまして、今後はこの運用に当りまして只今御発言になりましたような御趣旨を以ちまして、細心の注意の下にこれらの行動の場合に如何に調整されるかという問題を研究いたし、又これを関係の部隊にも徹底いたしまして、その間の活動の規律を乱すことのないように努めて参りたい、かように考えておる次第であります。  それから司法警察の問題でございまするが、先ず第一に考えられますることは、この部隊内部におきまする犯罪につきましては、部隊内部にはいろいろ左機密を要する事項等も少くございませんし、又部隊内における特殊な問題もございまするので、この部隊内に発生いたしまするところの犯罪につきましては、部隊内において処理するという意味におきまして、司法警察権も部隊に所属する者に與えて行く、これによつて処理せしめるのが適当であろう、かように考えております。もう一つ、部隊外の一般に対する活動の場合の司法警察権の問題でございまするが、只今御指摘になりましたような現行犯人の逮捕等は、これは敢えて司法警察権を附興しませんでも、この予備隊が行動いたしまする場合には当然になし得るところであります。かようにして逮捕されましたる者に処罰を受けしむ目的を以ちまして爾後の刑事訴訟法による手続を進行いたしまするには、聽取調書の作成、その他司法警察官としての必要な手続があるわけでありまして、これを一般の国家地方警察、或いは自治体警察に託してその後の手続を進行させるか、或いは場合によつて予備隊自身がその逮捕した犯人について爾後においても調書の作成、その他の手続をやつて起訴するところまで持つて行く必要が……検察庁に送付するところまでやる必要があるのではなかろうか。この点は只今研究をいたしておる次第でございます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 この司法警察官云々の問題については今この説明によると、いわゆる現行犯等においては当然それはどんな人でもやり得ることなんですから、この点については当然権限が及ぶというのでありますが、それ以外の点に対しては、何らの権限もこれは持たない。この政令によりますと或いは目的とか、任務、組織というのができておりますが、いわゆる権限、これは「任務」の第三條の第三項だと思いますが、これは政令で定めるということになつておるのでありますが、これによりますというと、この警察隊のいわゆる権限と言いますか、国家地方警察並びに自治体警察の警察力を補うに必要とするところの権限というものが全然與えられておらない。ただ七万五千人か部隊的な行動をとつて、そういう組織の下にどこかに駐屯しておるというだけであつて、その人達は総理大臣の命を受けて行動しまするけれども、併しながらその行動する場合の法律的な基礎といとのものは一つもこの警察官に與えられておらない。一般警察官つきましては、犯罪の捜査とか或いは犯人の逮捕とか、そういうようなことが第二條でありましたか、権限があり、又司法警察官として刑事訴訟法上與えられておることでありますから、いつでもそういう職務として発動し得るけれども、これらの七万五千人というものは單なる一つの国民のかたまりであつて、決して人間の自由或いは財産というものに対するところの束縛をやり得る権能というものは一つもここには與えられておらない。従つて七万人が一緒になつて平警察署に押掛けましても、現行犯は別でありまするが、それ以外の場合においてはただ傍観する以外にはない。若し何らかの方法をとつてその群衆を逮捕したということになれば、それは法に基かざるところの、一つのいわゆる国民としてなすべからざることをやつた、暴行としてむしろ逆に処罰されるのではないかというふうに考えられる程、ここには何らの権能というものを警察官に與えられておらないように思う。そういう意味においてどういうふうにこの警察官に対して警察としていわゆる国民を逮捕したり、検束したりするというところの権能を得せしめるかということでありますが、これは政令で定めるということになつておりますけれども、そのときの構想というものは、今もない筈はないと思うのです。若し現在もないとするならば、よく世間で言われますけれども、この組織は警察という名目の下に立つた軍隊ではないか、確かに武器は持つておるのだから……。従つて例えば他の主権が日本の主権を侵すという場合には、自衞権の発動として、そうして偶然に持つていた武器も自衞権の発動として使用し得られるということは、それはあり得るわけなんですけれども、国民に対して治安を維持するという権能はここにないものですから、これは確かに軍隊であろうというようなことが巷間に言われておるわけであります。従つてその警察官に対するところの権能をどういうふうに與えようとしておるのかということを一つお聽きしたい。  それから第二には、この警察と軍隊との違いです。これは警察であつて軍隊的なものでないように考えたと言いますが、軍隊というものはどういうものを想像し、警察というものはどういうものを想像したかというようなことを分り易い方法で説明できたならばこの際それを一つお聽きしたい、この二点をお伺いします。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 先ず最初の御質問にお答えいたします。御質問の趣旨は、この警察予備隊につきましては、任務についての規定がすべて政令に委ねられてあるが、その点はどうかという御質問でございまするが、実は私共は警察予備隊というこの名称自体から、及び各條にありまする通りに、この警察予備隊所属の隊員というものは警察官であるという表現からいたしまして、この警察予備隊は一つの警察官よりなる部隊である。こういうふうに考えております。又これはこの予備隊令の規定の字句の上から当然である。こういうふうに解釈をいたしておるのであります。この解釈の下に立ちまするというと、これは警察予備隊の部隊に属する者は悉く警察官でございまして、他の法令において言ういわゆる警察官に法律上院当然当嵌まるものであります。で、このことからいたしまして次のような結果が現われて参ります。即ち第一には、これらの警察官の任務につきましては、当然警察法第一條の規定が適用されるものである。即ち公安の維持或いは犯罪の捜査、犯人の逮捕というようなことは、当然に警察法第一條に照らしまして、警察官たるこれら予備隊の職員の任務になるわけであります。次に第二には、これらの部隊に属する職員は警察官でありまするから、当然これらの職務の執行につきましては警察官等職務執行法が適用されるわけであります。それから第三には、刑事訴訟法第百八十九條の規定によりまして、司法警察官たるに必要なところの素質を持つておる。この点につきましては第三條第三項によつて、任務については特に政令で定める。こうありまするからして、この政令の定め方如何によつて決まることでありまするか、併しこの政令によつて、司法警察官たる地位を與えようとすれば與え得るところの本来の警察官たる性格を持つておる、かように考えておるわけであります。  それから第二の御質問の警察と軍隊との差異は如何という点でございまするが、警察と申しまするものは、国内におきまする社会秩序の維持を目的とします、いわゆる国内治安を目的とする活動をするもの、これが警察である。軍隊というものは当然外国との交戰ということを予想に入れて編成されたものが軍隊である、こういうふうに私共は観念をいたしております。この点は装備の如何というのではなくして、その使用される目的によつて警察となるか、軍隊となるかという区別が生じ得るものと考えておるのであります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 実は私はこの第四條における警察官というものは警察法に基く警察官と違うのだろうというふうに、実は今まで考えていたんです。これは警察予備隊の警察官と、こういうふうにずつと読むものであつて、いわゆるこの警察予備隊というものは、警察法に基く警察官と同じ性質を持つた警察官の隊をなしたものである、こういうふうに実は考えなかつたんです。従つてここにあるところの警察官というものは警察法に基く警察官とは全然別個に、これは新らしくポツダム宣言の受諾に伴い発する命令の警察予備隊令というものによつて新らしく設置されるところの予備隊の隊員の名称である、こう実は私は考えておつたわけなんです。従いましてこの政令によるというと全然権能が規定されてないのはおかしい、こういうことを申上げたのでありますが、今の説明によりますと、これは警察法に基くところの警察官であるということならば、それは原則としては警察法乃至警察官等職務執行法が当然適用されることになるわけでありますが、併しながらそうしますというと、その警察法に基く警察官の例外的なものがこの政令で規定されておるのである。例えばさつきの特別職であるとか、或いは第三條の第三項に基いて政令で以て定めるところの警察官の階級ですか、西郷君も言われました階級……、何か警察法に基く警察官とは全然別個な階級を政令で定められんとしておる。こうようなことで、非常にここにこんがらかつたような解釈が出て来るわけなのでありますが、そうしますとあれじやないですか、今お話になつたように、個々の勅令なり或いは個々の予備隊令なり或いは他のこれに催く政令に規定されていない分については、全部警察法が適用になる。警察法は原則として警察官についてはそのまま適用になるのだけれども、このポツダム勅令に基く範囲内においては抹殺されるのであつて、こつちが優先されるのである、こういう解釈をとつてよろしいですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) その通りでございまして、例えば警察予備隊令の第一條であるとか、第三條であるとか、こういう規定がございまして、この警察官の任務の執行の目的及びその任務が一般の警察法により制限されておる、こういう趣旨でございます。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 今鈴木委員から述べられたように、私も実はその予備隊というのは特別な警察官だと思つていたのですが、今の御説明を聽きますと、警察官に対する現行法が適用されるということになると、これは我々の考えとはちよつと違つていたのですが、そうするとさつき私が御質問した例えば階級の問題でも、現行法の警察法その他がこれに適用されるというならば、いろいろな点において非常に不都合を来たすのではなかろうかと思うのです。さつき国警長官も、そういうことは何ら問題じやないと言われたけれども、現行の法規にそういうものがない場合誠に変なものであつて、そういうことが今の御説明では、さつき私が階級という制度をお聽きしたときと趣旨が一致しないと思うのです。その点はどうですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 先程国警長官から申上げましたことは、警察予備隊は国家地方警察或いは自治体警察の警察官と同一指揮の下に行動することがないから、従つてその階級についてどれがどれに相当するということをはつきりいたすことは法律上必要ないということを申上げたのであります。只今私の申上げましたことは、これは警察予備隊も本質的には警察でありますからして、特に国家地方警察或いは自治体警察というものを目標にいたしまして規定された事項は別といたしまして、警察法の総則の規定は当然これに適用されるものであるということを申上げたわけであります。併しながら現実の問題といたしましては、警察法の中で警察予備隊について当然に適用あるものは警察法第一條だけである、こう存じます。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 更に法務総裁に伺いたいのですが、現在我が国は連合軍の占領治下にあるのですが、憲法は現に存在しておるわけですが、それによつて現に我が国の憲法でも軍備は放棄してありますが、自衞権はあるわけであります。例えば今の朝鮮事件でも、この敗残せるところの兵が内地に上陸したような場合、そういう特別の場合か起きたときには、この予備隊はどういうふうな行動をするのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今さような事態は考えておりませんです。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 それは今考えておらないというのは、あなたが考えておらなくつたつて起きたら仕方がない。起さてないから聞くのであつて起きておれば聞く必要はない。起きた場合にはどうするか。これが動かないのか動けるのか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今の仮定の御質問に対しましては、ちよつとお答えいたしかねます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 只今法務総裁から警察法との関係は、警察法の第一條だけが適用になるといいますが、それは同じ警察の目的であるのだから、同じだということはこれは当然でありますが、今この第四條にいうところの警察官というものは、この警察法の第四條にある警察官、「警察官の定員三万人を超えない」といういわゆるその警察官、そういうものが当然ここにおける警察官と同じである。ここに警察官として第四條に規定してあるのは、警察法にある警察官というものをそのまま持つて来たものである。従つて警察官に関する限りにおいては警察法においてもこの司法警察、刑事訴訟法におけるのと同意義であるというようなお話でありましたが、それは違うのではないでしようか。いわゆる警察予備隊の警察官というものは、どこまでも警察予備隊の警察官であつて警察法による警察官ではない。刑事訴訟法による警察官ではないし、警察吏員というものでもない。従つて警察官等職務執行法によるところのいわゆる警察官ではない。これは、ポツダム勅令によるところの警察予備隊の警察官であつて、これにどういうふうな任務と権限を與えるかということは、今後この予備隊令において決めるものである。従つて刑事訴訟法とどういう関連を持つのか。或いは警察法とどういう関連を持たせるかということは、今後の政令で決めるべき事項に属するものであるということが正しいのではないかと思うのですが、如何ですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) これは解釈論に亘りますのでいろいろな意見も立ち得ると思いますが、立法当時の政府の考えといたしましては、先程私の申上げた通りの考えを以て立案いたしたわけであります。

吉川末次郎日本社会党

○吉川末次郎君 私はちよつと中座をしておつたので、見当違いなことを申上げるかも知れませんが、入つて来て聞くと、今の西郷さんの大橋法務総裁に対する御質問は、朝鮮事変等において、あの事変、戰争の敗残兵のようなものが、内地に入つて来る、或いは九州のようなところに逃げ込んで来たようなときにおいて、日本の警察官或いはこの警察予備隊はどういうことをするのかという御質問であつたと思うのですが、それに対する法務総裁の御答弁は、そういうことは考えていない、更に再質問に対しては、仮定に対しては答えられないということでありましたが、仮定に対して答えられないというのは、あなたの何といいますか、まあボスでいらつしやる吉田総裁がしばしば得意になつて議会で答弁しておられるところの答弁なんです。これは実に政治家として許すべからざる答弁であると、私は常から考えておるのであつて、首相にも私は言つたことがあるんですが、政治というものは仮定の上に立つて考えられなければならんことが非常に多いのです。殆ど将来こういうことが起るだろうということを予想して、それに対する対策、考えということが、政治の大きな役割でなければならんのであつて、殊に警察のごときは、考え方によれば、警察とか消防というものは、すべてが仮定の上に立つての準備行動なんです。何も今泥棒がそこにおるからといつて、我々は警察法を制定したのじやなくして、泥棒が出るだろう、或いは火事が起るだろうという予測の下に、或いは仮定の下において、そういう準備をして我々は警察制度を完備したり、消防の制度を完備したりすることを考えておるのでありますから、そういうような御答弁は、あなたもボスの真似をしていらつしやるのかも知れないが、非常に私は失言だと思うんです。十分西郷さんの言われたよう次ことは、私はこの問題に関連して政治家として考えなければならんことだと思うんですが、どうですか。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 法務総裁に伺いますが、仮定と言われるけれどもそういうことはいいことでないので、例えば警察関係では、特に一般警察は治安の問題から、そういうことが起つてはいかんがために、こういうものをお作りになるんでしよう、これも仮定じやないですか。現実の問題は、どういう事件があつて、どういうためにこれを作られるのか、それを伺いたい。仮定でしようが。

吉川末次郎日本社会党

○吉川末次郎君 吉田の惡い真似をしなくてもいい。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 私はこの朝鮮事件に関連いたしましてこの問題をお答えいたしたくないと思います。ただ折角、仮定であるが、是非答えろということならば、一つ他の仮定によつてお答えをいたしたいと思います。その点を一つお許し願うことにいたしまして、仮にいずれかの国の間に戰争が行われまして、そうしてその結果いずれかの軍が敗走して、我が国に流れつくという場合があろうと存じます。その場合におきましては、我が国におきましては、これは当然一つの不法入国と申しますか、不法入国者としてこれを処理すべきものであると思うのであります。この場合におきまして、若し普通警察が処理できないような事態が発生いたしたといたしまするならば、これは国内治安を維持いたしまするために、当然警察予備隊が出動をするということは想像できると思うのであります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 附則の第二でありますが、その一般会計予算を経費に移用というのは、これはやはり予算措置によつてやるべきもので、他の法律で以て予算の移用ということはできないものであろう。又従つて法律的にできないのであるから、ポツダム政令によつてもできないのではないかというふうに普通解釈されるのでありますけれども、ポツダム政令は法律でできないものでも、或いは予算の変更でもできるのだという解釈になつておりますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 予算の移用というのは、予算それ自体を変更するのではなく、でき上つておりまする予算から予算金額以上の経費、或いは予算金額にない経費を支出する手続でございまして、この手続をポツダム政令によつて規定いたしますることは差支えないと、かように考えます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 そうしますと、国債の償還費という項目で出ていた予算を、今度は警察予備隊費という全然別個な名目の費用に予算を組替えるというようなことは、これは国会の議決を経ずして政府自体においてやり得るものである、こういう解釈ですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) これは予算の金額を変更するとか、或いは予算の項目に新たなる項目を附加するという問題ではなく、予算によるところの支出方法に関する手続を規定したものである。従つてこれは法律を以て規定すべきものでありまするから、ポツダム政令によつて例外的な措置を規定することは可能である、こういう考えであります。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) じやそれに関連してお聽きしますが、そうすると予算措置は別にするのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 予算措置と申しまして、いわゆる補正予算のごとき手続はいたさない。この規定によりまして、現行予算より支出することが可能となつた、かように考えております。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 そうしますと予算の修正というものは不必要であつて、こういう場合には、これはポツダム政令でやつたのだけれども、普通ならば国会において財政法のいわゆる修正というようなことさえすれば、これはできるものである。併しながらこれは法律でやる代りに政令で以てやつたのだ、こういうのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) さような考えでございます。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) そうすると決算のときにはどうなりますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) これは国会の議決を経て移用をいたしました場合と同様の移用の手続によつて決算されるものと思います。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) そうすると、決算には、警察予備隊費というものが勝手にできますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) これは予備費を使用したる場合と同様にできるものと考えます。新たなる項目ができるものと考えます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 私はもう一度第四條の警察官ということについてお伺いしたいのですが、これは国家警察の面でどう解釈されますか。いわゆる警察法に基く警察官という名称、それと同じものを、同じ性質のものをここの第四條に持つて来たのであつて、第四條で警察官という名称を使つたのは、警察法による警察官をそのままここに持つて来たのであるから、基礎は警察法にあるのだ。従つて警察官に関する限りにおいては警察法なり、或いは警察官等職務執行法なり、或いは刑事訴訟法というようなものが当然にこれは適用になるものである。併しながらこの警察予備隊令に例外として載つけてある分については、当然こちらの方が皆優先、されるものだ。こういうふうに解釈をされるような説明がありましたのですが、警察法に基く警察官というのは、どこまでも国家公安委員会の下に従属する警察官であつて、ここに言う警察官とは全然別個のものであつて、ここの第四條はやはり警察予備隊の警察官として新らしくできたものであるというふうに考えるのが将来いいと思うのですが、その解釈については国家警察の方面においてどういうふうに解釈されますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○説明員(斎藤昇君) 只今の警察官の解釈問題につきましては、政府における解釈といたしましては、法務総裁の御解釈一つより外にあり得ないと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今の鈴木委員の御質問に、第四條の警察官と、こうありまするか、この警察法の第四條は国家地方警察の警察官に関する規定でございます。それで別に自治体警察の警察官に関する規定もございます。従いまして警察法自体のうちに国家地方警察の警察官と自治体警察の警察官という二通りのものを規定……、ここで先程私の申上げましたる国家地方警察の警察官と自治体警察の警察吏員、この二つのものの観念があるわけでありまして、この間におのずから一般的な警察職員というような観念が成り立ち得ると思うのであります。この警察職員というような一般的な観念に相当する字句といたしまして、警察予備隊におきましては警察官という字を用いたわけでありまするから、これは警察官に関しまする他の法令の規定は、当然にこの警察予備隊の警察官にも適用があるものという解釈を政府としてはいたしておる次第であります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 これは警察職員というものと警察官というものとは非常に違いますし、又警察官と警察吏員とは全然もう違う。従つて私が先程申上げましたのは、いわゆる警察吏員のことを申上げているのではないのであつて、いわゆる警察官吏ですね、国家地方警察の警察官、それに相当するものであるというふうに、この字句を当然警察法に基いた字句であるというふうに解釈すべきものではないであろうということを申上げたのです。ところが今法務総裁のお話ではそれに基くものではない……、いわゆる自治体警察なり、国家地方警察は警察官、或いは警察吏員というような言葉で以て、いわゆる抽象的な警察官、警察の任務を行う官吏、吏員というようなふうに解釈されるものがあるからして、それかやはり取りも直さずこの政令による警察官と同じような性質のものであるというふうなお話でありましたが、それは警察の目的のために作られていたものでありますから、それは当然同じような性質のものであるけれども、法律上から見れば全然ここに一言うところの警察官というものはポツダム政令に基いて新らしく生まれて来た警察官であつて、これは警察法に基く警察官とは違うものであるのだ。従つて今までの刑事訴訟法の第三十九條とか、或いは警察官等という名前があります警察官等職務執行法ではなくて、あれには警察官等という名前がありますが、それは警察吏員を含むから等という名前が付いておるのでありますが、警察法と警察官等職務執行法とは当然第四條が適用されるものではない。これは新らしくポツダム勅令に甚くところの政令により、新らしく規定することによつて刑事訴訟法が適用される、或いは警察官等職務執行法が適用されるというような形になるのではないか。こういう法律解釈を申上げているのでありますが、どうも私の考えというものは正しい、こういうふうに思うのですが如何でしようか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 要するに予備隊におきまする警察宿という字句は国家公務員たる警察職員という意味でございます。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) これは私も鈴木委員と同趣旨でありまして、国家地方警察の警察官と、このポツダム政令による警察予備隊の警察官とは違うものである。ただここに第一條及び第三條の規定がありますから、その警察力を補うために設けられたものであり、又第三條によつて「治安維持のため」という枠をはめて置いて、第二項において警察の任務の範囲に限られたものであるというふうに警察々々と言つておるが、その警察は即ち警察法の言う、第一條の警察である。ただそれがこの警察法の第二條は、この国家地方警察の警察官並びに自治体警察の警察吏員に当てはまるものであるから、それはそのまま適用される。第一條の警察の定義はやはりここに当てはまる。而もそれに「治安維持のため」という枠がはめられておるので第一條より尚狭くなつて来る。こういうふうに私も解釈し信じておりますが、これは政府の解釈はもう少しよく研究なすつて、この次の機会にもう一度これをこの委員会で御説明を願いたいと思います。ついでにお尋ねして置きますが、第一條の「この政令は、わが国の平和と秩序を維持し、公共の福祉を保障するのに必要な限度内で、」と、こうありますが、この意味は我が国の国内における治安維持の限度内において、と言うのと同じことであるかどうか、その点を伺つて置きたいと思います。もう一つは、この二條のうち「総理府の機関として」とあるのですが、これはこの委員会として、地方行政調査委員会議のときに初めて「総理府の機関として」という文字が生まれたのでありますが、そのときの前法務総裁の御説明によりますと、それは総理大臣の所轄の下にあるのと同じことだ。併しその文句はもう使わないで、「総理府の機関として」という字を使つたのだ、で要は総理大臣の所轄にある、即ち現行の警察法の第四條の「総理大臣の所轄の下に」とあるのと同じ文句であつて、総理大臣とこの機関との指揮命令関係は最も薄いものであるという御説明がありました。それは速記録に残つております。ところがその次に出ましたものにおいては、又「総理大臣の所轄の下に」というこの字句を復活されたので、そのときにも念を押したのですが、要するに今度の第一條の「総理府の機関として」という字句と「総理府の外局として」という表現とどう違うのですか、その二点を先ず伺つておきたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 第一に第一條に「わが国の平和と秩序を維持し、公共の福祉を保障するのに必要な限度内で」と特にかような字句を用いましたる理由は、この警察予備隊を創設いたしましたる目的は、飽くまでも国内の秩序を維持するということのみが目的であつて、外国との交戰というがごときものに使用する目的は毛頭持つておらないということをはつきりいたした趣旨であります。  次に第二條にありまする通り総理府の機関として警察予備隊が置かれたわけでありますが、この機関はいわゆる所轄というような指揮監督の色彩の極めて薄いというような趣旨を以て規定いたしたものではなく、これは総理府の一附属機関であるという程度の意味でございまして、これに対して如何なる程度の指揮命令が総理大臣から行われるかということは、この警察予備隊の性質から考えまして、極めて緊密な関係にあるものと私共は考えておる次第であります。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) そういたしますと先程私が申しましたように、前法務総裁の、地方行政調査委員会議設置法の解釈の問題で、総理府所属の機関として置かれたというのが、総理大臣所轄の下にというのと同じである。総理大臣の指揮監督の関係の最も稀薄なものを言い表わしているのだという、その解釈はお取消しになるのであると、こう解釈していいのでありますか、又この外局としてというのと、どう違うのかお尋ねしたのですが、その点もう一度……。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 財政委員会法におきまする「機関として」という意味は、これは前総裁の言われました通り指揮命令の極めて稀薄な場合にあると思います。併しながらこれは必ずしも機関という字句そのものから出るところの結論ではなく、財政委員会の性質から来るものと考えるのであります。この警察予備隊の場合におきましては、警察予備隊の性質から見まして、総理大臣の強い指揮監督の下に、総理大臣と極めて緊密なる関連の下にこの警察予備隊が運用される、こういうふうに考えるわけであります。  それから、特にこれを外局と申さなかつた理由といたしましては、外局は行政組織法の三條によりまして、委員会又は庁でなければ外局になれないということでありまして、これは警察予備隊という特殊の機構を持つておりまするので、外局という表現は必ずしも当らない。こう考えまして機関という字を用いた次第でございます。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 さつきのこの警察の性格の問題について一点伺つて置きたいのですが、さつきから政府は、従来の警察と同じであるというふうなことでありましたが、新憲法下の警察は日本の元の内務省が解体されて、自治体警察は勿論のこと、国家警察でも時の政府の指揮命令は受けていないわけでありまするが、同じであるということになれば、今度の予備隊の方は第三條において「内閣総理大臣の命を受け行動するもの」ということになつて来て、これは明らかにはつきり内閣総理大臣が指揮命令するのです。然るに政府の側では警察法その他警察官等職務執行法がやはり適用されるのであつて、同じ警察官である、この警察官と、その他の警察官との意義は同一であるというふうであると、警察というものの考え方が根本的に改まつて来て一部は依然として政府の外にあつて超然たるものである。公安委員というものが新たにできて、それと共にあるが、内閣総理大臣の指揮命令などは受けない超然たるものなんです。そうすると今回のこれによつて、警察官は或る者は従来通り超然たるものであるが、或る者は昔に返つてやはり政府の指揮命令を受けることになつた。そういうふうに解釈するのですか。その点どうなんですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 警察法におきましては、特に一般市民生活に常時関係のありまする国の警察作用でありまする国家地方警察につきましての運用を直接規定いたしたわけでありまして、第四條以下におきまして、国家公安委員会の指揮によつて動くと、こういうことが明らかに規定せられております。併しながらこれは普通警察の考え方でございまして、この度の警察予備隊は、普通警察力を補うための政府直属の機動力のある非常警察を規定いたしたわけでありまして、これにつきましては全国を一体として、その優秀な機動力を以ちまして完全にカバーするには、内閣総理大臣の指揮によつて動くことが適当であると、こう規定いたした次第であります。勿論このことは、同時に警察には従来は普通警察だけでありましたが、これを補充いたしまする非常警察機関といたしまして、新らしく予備隊というものができたわけでありまして、この予備隊に関する限りは、従来の公安委員会の指揮を離れた政府直属の機関としてこれを動かして行く、こういう考えが含まれているわけであります。併しこれは飽くまでも予備隊のみに関する原則でありまして、これは決して国家地方警察に関する従来の考え方が、毫も変つたという意味ではないのであります。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 そうしますと、特別の事態の場合には、公安委員長は内閣総理大臣に依頼するのですか。そうすると内閣総理大臣に依頼か何かして、総理大臣はこれによつて補助のために出動させるということは分るのですが、今後やはり特別の事態にこの予備隊が出動した場合に、総理大臣はこの予備隊に対すると同様に公安委員長にも指揮命令することができるのですか、できないのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 予備隊につきましては内閣総理大臣は予備隊の隊長を直接指揮いたしますが、併しながら国家地方警察につきましては、国家非常事態の宣言がありましたる際に、国家地方警察本部長官を内閣総理大臣が直接指揮をいたしまする以外には、通常の場合においては国家地方警察を指揮するということはないわけであります。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) 尚もう一つ伺つて置きますが、第五條に「警察予備隊に、本部及び部隊その地所要の機関を置く。」とあるのですが、これはどういうことを予定しておられるのですか。新聞によると各都道府県に千人以上の群と言いますか、班と言いますか、それを置くというようなことが書いてあるのですが、それを意味しておるのかどうか。その他の所要の機関とはどんなものを予定しておられるか。それから第十條の「警察予備隊の組織編成その他必要な事項については、総理府令で定める。」という「その他必要な事項」というのはこの第五條のことを包含しておるのかどうか、そういうことを伺つて置きたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 組織につきましては第五條によつて規定いたしただけでございまして、第五條に規定する事項についてな総理府令で決めるということは只今考えておりません。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) 部隊というのは県に駐在する部隊ということを意味するのですね。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 部隊は階段的に相成つておりまして、大部隊から漸次小部隊に編成されるように相成つております。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 それから編成でありますが、今四ケ所が内定しておるようですけれども、後六ケ所に置こうとかいうような話もあるようですが、その外に何か各府県に小部隊のようなものを駐屯せしめるような計画になるのですか。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) それは後でお答えがあるそうです。この第九條の「内閣総理大臣は、特に必要があると認める場合においては、この政令に基きその権限に属する事務を、他の国務大臣に行わせることができる。」というのは、大橋法務総裁がそれを行うようにするというようなことも含んでおるのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 第九條はいわゆる担当大臣に関する規定でございまして、これは将来特に警察予備隊につきまして担当大臣を定める必要がある場合には、この規定によつて処理しようという趣旨でございます。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) 外に……。警察予備隊令に対しましてはこの程度にして、海上保安庁長官が見えておりますから、海上保安庁のことに移りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) それじや……。マツカーサー元帥の総理大臣に宛てた書簡によりまして、海上保安庁の保安官その他が八十名増員されたということであります。それはいずれ又ポツダム政令が出るのでありますか、又どういうふうな内容であるか、この前大久保長官をお呼びして説明を聽くことにしておつたのですが、御欠席になつた。そういうようなことでそういうことを伺いたいと思います。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 海上保安庁のマッカーサー書簡に伴いまする増員関係の諸準備は目下進行の途上にございまして、本趣旨を実施いたしますためにもやはり法令の改廃等の必要がございますために、ポツダム政令等警察予備隊と同様の措置を必要とするものである、かように考えております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 それだけじやなく今度の全般について御説明をして貫いたい。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 海上保安庁の今回のマツカーサー書簡に関する準備状況についてお話を申上げます。  海上保安庁の制度を書簡の趣旨に従いまして実施いたして参りますためには、最初に考えなくてはならんことは、この八十人の人員に必要とする船舶をどう考えるかという点にあるのでございます。この点に関しましては、現在ある船舶を高度に利用すること、尚史に進んで新らしく海上保安庁の巡視船を建造すること、こういうことが考えられる点でございます。そこで海上保安庁といたしましては、取敢えず二十五年度におきまして、すでに予算上繋船をいたしておりました木造船の二十隻の巡視船を直ちに全面的に活動をいたさせまして、現にこれを配備いたしておりまする次第であります。併し勿論これでは不足をいたしますので、現在更にこの船舶の増強につきまして、関係方面とお打合せを進めておる次第であります。  次に人員の点につきましては八千人の増員は解釈上海上保安官並びに船舶乗組員であつて、巡視警戒に任ずるものである。かように解釈いたしておる次第でございます。さような次第でございまするから、若しこの外に職員の必要とする面が生じたといたしますならば、極く若干の職員が増強されなければならんと考えておる次第であります。そこで極く最近海上保安庁が募集いたしました千五百七十五名の職員に関しましては、現在海上保安庁が二十隻の船舶を取敢えず応念の措置といたしまして全面的に活動をいたさせまして、従来乗つております船から人員をそれぞれ引抜きまして、新らしい船に充当いたしております関係上、目前の問題といたしまして相当に各般とも労働か過重いたしまして、相当の病者を続出いたさせておるような現状に鑑みまして、取敢えず応急の措置といたしましてこれらの職員をそれに充当したい。かように考えておる次第でございます。これらの職員は九月末頃採用の運びになろうと存じておりますが、その場合にはポツダム政令はこれを出ますようにいたす準備をいたしておる次第であります。  次に海上保安庁の諾船舶を最も機軸的に運用いたしますためには、通信その他の装備を必要とする次第でございます。この点に関しましては、現在の海上保安庁の前線基地の非常に通信その他の装備が不十分である、又船舶といたしましてもこれらの設備が不十分であるという点からいたしまして、今回はこれらの強化について遺憾なきを期したいと考えておる次第でございます。以上簡單でございますか骨子を……。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 予算は……。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 予算につきましてお答えを申上げますが、予算は船舶の増強見込みと見合いまして非常に大幅に変つて来る見当でございますが、若し現在私共が仮定の上に研究しておりますことでお許しを願いますれば、約七十億円乃至八十億円と考えておる次第でございます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 今の予算はやはり同じように国債償還費からポツダム勅会で移用するようなことになりますか。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) その通りであります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 それは大体見込みがあるわけですか。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 見込みがあるものと考えております。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 長官に伺いますが新聞等では、名前は忘れましたが、旧軍部で持つておつた何千トンとかの船も使うようになつたというふうなことをちよつと聞いたのですが、そういう大きい船が使えるようになつたのですか、どうですか。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 海上保安庁が持つております船の中には、旧海軍艦船を極東海軍に代りまして保官をいたしておりまする船舶がございます。大きい船はないのでございまして、大体一番大きいのが千トン内外の船でございます。この船の中二隻を巡視船のために使用いたしたい、かように考えておる次第であります。船舶の性質は変更をいたされませんが、巡視業務に協力をするということにつきましては承認を得ております次第であります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 日本の船に建造に対するところの従来の制限というようなのがありましたが、今度の場合においてはそれは取除かれておるわけですか。今新らしい建造、海上保安庁等において新造するトン数の制限を何と言いますか、解除と言いますか、そういう点はどこまで行つておりますか。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 現在の制限は、今度海上保安庁の進めております船舶計画が如何よりに解決されるかということと非常に関係がございまして、目下のところまだ研究の過程にあるということをお答えいたしておきたい。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 現在は何トンでしたか。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 現在は船舶の総トン数五万トン、一隻の最大トン数千五百トン、総隻数百二十五席、最、大速力十五ノツトという制限がございます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 十五ノットの制限は非常に遅いと思うのですが、その点はどうなつておりますか。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 私共は一般的考えから申しますれば、海上保安庁の船舶の性質から速力を制限いたしますことは如何かと存じておりますけれども、その点は海上保安庁法の規定するところでもございまするし、将来十分海上保安庁も国際的に信頼を博しまして必要なる速力を保有し得るようにしたいと考えておる次第でございます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 各地方で聞きますと、海上保安庁の船の速力が非常にのろくて目的を達成することはできない。こういうようなことが言われておるのです。従つて勿論装備の点もこれに伴うということが必要でありましようが、どうしてももつと速いものにする必要があると思う。そういう点についてはこの際特に関係方面と強く折衝をすることが必要であろうと我々は考えておるのでありますから御参考のために申上げます。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 朝鮮事変以来対島その他に、向うから避難して来た人数はどのくらいありますか。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 事変以来朝鮮海峡は三重四重の哨戒線が引かれております。即ち南鮮側におきましては朝鮮の沿岸警備隊並びに海事、更にアメリカの海軍、それに海上保安庁は対馬の線と北九州の線に配備いたしておる次第であります。かような関係で暫くの間密航者は非常に少い状態でございまして、極く数人を逮捕いたしたに止まつておる次第でありますが、この数日来若干密航者が増加いたしまして、船舶といたしまして私の記憶いたしておりまするところでは七隻、人員にして約百五十人程度の逮捕をいたしておるように承知をいたしております。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 その百五十人はどういう人が多いのですか、或いは官公吏とか、その他のそういう職業的な区別ですね。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) お答えをいたします。最近参りました者は、主として朝鮮の中産階級の避難民のように見受けております。即ち官公吏の家族、学生、会社員等でございます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 そういう人は大体この国内、日本の内地に親戚、縁者とか、関係を持つている人で、それを頼つて来るということですか。全然それはないけれども、避難して来るという関係が多うございますか。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) 従来日本に留守家族を残しておる者も若干はございましたが、今回の場合は殆んどそういう者は見当らないのであります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 そういう人はどういうふうな現在設置をしておつて、将来又帰してやるというようなことになるのですか。どういうふうにいわゆる不正入国者としての措置を採るのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今のところでは、人員も余り多数でございませんので、これは各地元の警察署等においてそれぞれ保護を加えておるような状況でございます。併しながら只今の政府の構想といたしましては、長崎県の針尾にありまする收容施設にこれを漸次收容いたして参つておる次第であります。この針尾の收容施設は約八百の收容力を持つておりまして、現在二百名程入つております。若し現在警察において保護をいたしておりまする者を、全部これをそちらへ廻しまするというと、約五百人になりまするので、收容の余力というものは三百人しかない、従いまして今後の事態を予想いたしまするというと、速かにこれらの避難民に対する恒久的な対策を樹立するということが非常に緊急な必要に迫まられておる次第でございまして、政府といたしましては目下これが対策を急速に考究実施いたしたい、かように考えておる次第でございます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 それは相当、例えば先程の法務総裁の見通しと言いますか、確信から見るというと、まあそういう戰局は将来非常に明朗になるので、又南鮮が悲惨な状態になつてしまうということはないだろうという見通しでおられるというお話でありましたが、それと逆のような場合も考えられるわけですが、相当沢山の人が将来来るということになつた場合、どういうふうにそれを処置するのか、これはまあ来てからいろいろ手を加えるということになりましようけれども、それを又帰してやるという、直ぐ船で帰してやるという措置は海上保安庁あたりではとつていないのですか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) これは只今のところでは事変以来帰すという措置を中止いたしております。従いまして密入国者、或いは避難民等はこちらに留めてございます。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 それから私は従来の経験から見ると、最近はどうか知りませ んが、なかなか海上保安庁だけでは密入国というものを防ぐということは非常に困難であります。従つて地元の陸上の警察が監視をして、それと連絡を取りつつやらないというと、いわゆる綱から洩れる者が非常に多いものと思うのです。その点について陸上の警察と海上保安庁との間において最近何らかの連絡を取つておられるのであるかどうか。又陸上の警察の方面において海上保安庁が知らなかつたものについて密入国が相当あるんではないかと思うのですけれども、そういう者の数はどんなふうになつておるでしようか、お聞きしたいと思います。

大久保武雄海上保安庁長官

○説明員(大久保武雄君) お答えを申します。海上保安庁の現在の船舶の状況件日本の全海岸線に対しまして僅か六十隻であります。その六十隻の船舶が大体日本では約五〇%が稼動しておると見なくてはなりませんので、常時三十隻が動いておると見ますと、約一隻の担当海域が三百海里に及ぶわけであります。これは実に想像を超えた非常に広大なる海域を哨戒しておるわけでありまして、かような状態では私は到底海上において全部を逮捕するということは困難であろうと考えております。かような状況からいたしまして、どうしても海陸の連繋が必要となる次第でございまして、海岸に監視所を置かせますことは国警等においてやつておる次第であります。海上保安庁も辺境の燈台職員等には適当に最近は哨戒見張の役目も海上保安官に任用いたしまして、その哨戒に協力しておる、かような状態でございまするし、相互の間におきましては常に情報の交換をいたしまして、相互協力をいたしておる次第であります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 地上の警察との連絡、打合せ等についてどうなつておりますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○説明員(斎藤昇君) この密入国者につきましての取締につきましては、海上保安庁と陸上の警察との連絡は絶えず陸上警察におきましても、又地元におきましてもやつておるのであります。そうして只今大久保長官からも答えましたように、陸上の警察といたしましては必要なところに或いは監視所を設けたり、或いは監視員を委託したり、或いはそういつたような方法も取つておるのであります。そうして実際の密入国者を逮捕いたしまする場合は、海上保安庁の船で向うの密入国者の船を抑えました場合には、これを陸上の警察の方に引渡して貰う、そうしてあとの処置をするということになつております。で陸上警察が海上保安庁から引渡されたものでなくて、陸上で独自に見つける、陸に上るところを捕える、或いは上つて若干時間を経過して捕えるという数の方が、海上で捕える数よりも多いと思つております。極く最近の数字は記憶いたしておりませんが、最近大きな船で参りましたものは海上保安庁が三隻ばかり捕えましたが、小さな船は大体陸上警察の方で上陸のところを抑え、上陸してから若干経つてから抑えるという状態であります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 それは警備部や何かで、全国的に自治体警察、或いは国家地方警察が連絡をとつてやつて、密入国というものを取締つておりますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○説明員(斎藤昇君) これは警察としましては警備の方でいたしております。警備部の警備課の方でございます。自治体警察におきましてもそれと同じ線の所と連絡を絶えずとりながらやつております。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 それからそういうふうな入国して来た者を警察に留めて置いたり、或いは收容して置いたりするわけですが、そういう場合の予算的措置に特に政府としては最近特別にとつてあるのでしようか。或いはどういうような方法をとつて自治体警察においてはやつておるのか。国家警察の第一線ではどういうふうな予算的措置をしておりますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○説明員(斎藤昇君) 密入国者の取締については特別の予算科目を設けて貰つておるわけであります。それで自治体警察にも必要に応じて支出しておると考えております。併しこれは十分ではありません。それで朝鮮事変が起りまして以来の密入国者、或いは避難者の数というものは、最近までの実績によりますると、ふだんよりも著しく減つておるのであります。殊に事変か起りまして当初は殆んどなかつたのでありますが、併し最近これが逐時殖えて参つておる。これは海上保安庁長官も今申上げたようでありますが、最近は若干殖えて参りました。この調子でどう殖えて行くかというのか今後の大きな問題だと思いますが、それにいたしましても、総数といたしましてはこの事変のなかつたときの方が多かつたのであります。それは朝鮮において朝鮮からこちらに出て来る者の警戒が非常に嚴重でありまして、朝鮮半島から他の方に出て行くことを嚴重に取締つている結果であります。

鈴木直人緑風会

○鈴木直人君 それからその警察の活動費については別といたしまして、留置したり收容所に入れて置いたりする人たちに対する費目ですね。そういうものはどうなつているのですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○説明員(斎藤昇君) 收容所は御承知のようにあれは援護院の所管になつているのであります。引揚援護院が收容所に收容した場合の費用は出されまして、警察部にあります間は警察の費用で賄つております。現在はそういう状態になつております。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。……それでは一応この程度で公開による審議は打切りまして、これから秘密会にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) それでは委員以外の方の……関係員はよろしうございますが、御退場をお願いいたします。   午後四時四分秘密会に移る

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) ではこれより秘密会を開きます。速記を止めて。    午後四時五分速記中止    —————・—————    午後五時四分速記開始

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。それではこれで秘密会を終ります。    午後五時五分秘密会を終る。

岡本愛祐緑風会

○委員長(岡本愛祐君) では本日はこの程度で散会いたします。    午後五時六分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            吉川末次郎君    委員            石村 幸作君            岩沢 忠恭君            安井  謙君            中田 吉雄君            鈴木 直人君            西郷吉之助君   国務大臣    法 務 総 裁 大橋 武夫君   説明員    国家地方警察本    部長官     斎藤  昇君    法制意見第二局    長       林  修三君    海上保安庁長官 大久保武雄君

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