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8回国会参議院1950/10/02

大蔵委員会金融政策並びに制度に関する小委員会 閉会後第3号

発言数
68
登壇者
8
会派数
4
開催日
1950/10/02

会議録

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) それでは只今から金融制度並びに金融政策に関する小委員会を開会いたします。この小委員会は九月一日にその第一回を開催いたしたのでありまして、大部分の委員のお方々はその後の経過を御承知の筈でございますが、念のため極めてかいつまんで中間的に経過を御報告いたします。  第一回は九月の一日に開催いたしたのでありますが、その際お手許に配付してございます昭和二十五年一月、銀行及び金融業務等に関する法律案第三次案というものを中心といたしまして、大蔵省銀行局長並びに主管課長から本案の立案に至ります経過、並びに当時恰も第三次案から第四次案を作る経過にあるということを前提として詳細な説明があつたわけであります。その説明の内容は、大体この第三次案の各條ごとにつきまして主要な点を補足的に説明したわけでございますが、その主な点を極くかいつまんで申しますと、先ず第一は、いわゆる関係方面との話合というものはまだ細部に亘つては結論は出ておらない部分が相当多い。従つてこの法律案は大蔵省の省議として大蔵省或いは政府案として固まつたものではない、大体これを中心にして関係方面側と折衝を続けている段階にあるのだということが第一でございます。  それから第二は、目次にもございますように、第五章に相互銀行と第六章に信用協同組合という章がございますが、その九月一日の当時の大蔵省の立場におきましては、或いは第五章、第六章はこの法律案から外しまして、別個の法律案として制定するのがよろしいかも知れないという意見も一部にはある。併しその内容については法律を別個の單独法にいたしましても、内容としては第五章、第六章を是非本法律案と同時に制定施行いたしたいということの説明がございました。それは主として銀行及び金融業務等に関する法律案というものが、大体主な点は、銀行を中心にしておる。そういう関係から或いはこれを銀行法という恰好にして、別個に相互銀行と信用協同組合法というものを作つた方が法律の体裁としていいかも知れないというような意見が一部にある。併しいずれにしても総合一体的に是非制定したいもの  である。こういう説明がございまし  た。   それから内容の中の主な点でございまするが、一人に対する貸出の制限と  いうものがこの法律案の中にございまして、大分各方面で問題になつておる  のでありますが、これに対しましては、  一人に対する貸出の制限はできるだけ実情に即して、資産の流動性を確保するという建前から、資本金の二五%というものを最高限にしておりまするが、併しながら例えば期限六ケ月以下の商業手形は全部その枠の中から外すこと。又銀行引受手形の割引もその枠から外すこと。又或いは地方公共団体に対する貸付金もその枠から外すというような各種の例外を置きまして、成るべく実情に即するようにいたしたいということと、経過規定を三年程度置きまして、これ又現在の金融梗塞ということを、この法律案を施行することによつて激化することのないようにいたしたいという説明がございました。  それから不動産担保につきましても、相当の制限規定があるのでございますが、必ずしもこの法律案に、表面にこれが出ておらないのでありまするが、例えば、定期預金と金融債券発行額の六割以内というような制限をするか、或いは不動産担保について特定の独立を置くか、いずれかにいたしまするが、できるだけこれも実情に急激な変化のないようにということを建前にしたいというような説明でございました。  それから銀行の業務につきまして、アメリカでは銀行が行う債務保証というものをやつておらぬ関係上、日本の銀行についても銀行の債務保証ということを止めたいという希望が関係方面にあるそうでございますが、これについてはいろいろと説明がございましたが、この本案ではこれをやらないということになつております点に多少の問題があると思います。  それから預金準備制度がやはり本法案で考えられておるわけでございますが、これも又アメリカの制度を移し植えようとする趣旨でございますが、現状のように日銀の貸出が非常に多いというような現状において、果していわゆるリザーブシステムを日本に取入れることがどうであろうかということについては、立案者側にも相当まだ問題としておる点があるようでございますが、いずれにしても銀行を大きくAB両クラスに分けて、大銀行とその他の銀行に分けまして、例えば預金準備の枠にいたしましても、定期制預金のAクラスについては百分の一、Bクラスについては百分の三というような程度に区別を設けるというようなところで、いろいろと実際上工夫を凝らしたいというような説明がございました。その他主な点は証券担保の関係で、  マージンリクワイアメントの制度、それから金利については金利調整審議会、金利調整法を廃止して、本法案に  これを入れるかどうかという問題、それから銀行所有の不動産の制限の問題、これは実質資本の問題でございますが、その問題、それから預金保險制度の採用、それから役員の項におきましては、銀行の経理の監査については公認会計士制度を、これと連繋を持たせるかどうかというような問題等々。その外にも申残しましたことが多々ございまするが、極くかいつまんで申しますと、当局側の説明並びに当局側でも多少問題にしておりまする点は以上の通りかと思うのであります。これは先程第四次案なるものが如何ようにできつつあるか、又九月一日以降、関係方面との折衝がどうなつているかという点につきましては、まだ本小委員会としては報告を受けておらないわけでございます。併し私の想像するところではそう大した進展がその後なかつたように仄聞いたしているようなわけでございます。  それからその次に、やはり本小委員会を聞きまして、引続きこの法律案について不審議をするつもりでおつたわけでありますが、銀行界におきましては、大体いろいろの機会に銀行協会その他の名目によつて意見を公表しているので、格別銀行協会としては本小委員会に出席をいたしまして申上げるべき特殊の問題もないということでございましたので、銀行界の御意見を本小委員会で聞いたことはまだないわけであります。そういうような関係で、中間に今一度会議を予定しておつたのでありますが、その際はむしろ当時問題でございましたが、ユーザンス・ビル等の問題を中心にいたしまして、外国為替の現状、それからそれに対する外国為替管理委員会の意見と、それから民間業者の代表として、第一物産の営業部長から実情並びに希望を聽恥したに止まつておりまするので、本法案に対する継続審議は、当局の説明を聞きました一回だけになつているわけでございます。本日は先程小串委員長からお話のございましたように、この法案の中で特に重大な問題でありまする相互銀行と信用協同組合の章につきまして、業界からの率直な意見を一つ伺いたいということで、全国信用組合協会の安武常務理事、それから無盡協会の島崎常務理事の御出席を求めたわけであります。  それでは如何がでございましようか、安武常務理事から、この銀行及び金融業務等に関する法律案におきまして、いろいろと当局側とも御折衝の点もあろうと思いまするが、この法律案を中心にいたしまして、信用組合協会の御意見を承わることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか、    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) それでは安武常務理事にお願いいたします。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) 只今御指名を受けました全国信用組合協会の安武でございます。御指名によりまして、最近におきます信用協同組合の現状と、特に問題になつております新金融業法におきまして、信用協同組合がどういう立場に置かれるか。又業界といたしまして、どういうような希望を持つておるかという点につきまして、若干お話しいたしたいと思います。お手許に極く汚ないプリントでございますが、組合の現況について差上げておるのでございますが、御承知のように俗に信用組合と申しますが、これは昨年第五国会において通過いたしました中小企業等協同組合法に基きます信用協同組合のことであります。この法律が御承知のように昨年成立いたします当時は、いわゆる市街地信用組合法によります市街地信用組合或いは産業組合法に基きます信用組合、或いは商工協同組合法によりますところの信用事業をやつておつた組合、こういつた各種の法律に基きました組合が新中小企業等協同組合法によりまして一本に纏められたのでありまして、これらの事務は今年の二月二十九日又は四月一日、それぞれ所要の手続を踏みまして現在に及んでおるのであります。従いましてその当時の改組をいたしましたときの情況を申上げますと、「信用協同組合数」という表に出ておりますように、市街地信用組合からこの信用協同組合になりましたものは四百三十四組合、それから産業組合からなりましたものは百三十四組合、商工協同組合より改組いたしましたものが十六組合、それからこの九月末で見ますと、この中小企業協同組合法によりまして新設、新らしく出て参りましたものが、内認可の二十七組合を含めまして九月末日現在で六百四十五の組合が誕生しておる。こういうような実情でございます。従いまして今度の組合の内容と言いますか、業態を見ますと、市街地信用組合は従来地域を基盤といたしまして設立されておりました組合でありますが、商工組合のごとく、同業者又は特殊の業者が集まりまして作りましたいわゆる同業者的な組合とか、産業組合の一部、一つの職場を單位といたしまして作つております通称職場的な組合、こういつたようなそれぞれ形態を異にした組合があるのでありまして、それらの分類は、地域的なものが六百二組合、職場的な組合が十九組合、同業者的な組合が二十四組合、こういうような現状に相成つておるのでございます。而もこれらの組合の実態を更に細かく見て参りますと、次の表の「出資金及び貯金段階別調」、お手許に差上げておりますが、貯金におきましては一番上は十億円以上に達しておりますが、一番下は一千万円くらいの組合が八十四、こういつたような非常に上と下との開きが広いと言いますか、幅の広い状況を示しておるのであります。従いまして信用組合の問題をとるにしましても、どこを中心に取上げればよいかという点に非常に悩みを持つのでありまして、業法を作つて行きます場合におきましても、どの程度のものをどう基本にして制度を考えるかということに非常にむずかしい問題を持つておるわけであります。元来今申しましたように地域的な組合、又は市街地信用組合が主体になつております関係から、どうしてもこの地域的なものを中心としたもので今度の新制度は考えて行かなければならないであろうということは分るのでありますが、この中小企業等協同組合法ができました当初、市街地信用組合側といたしましては、中小企業等協同組合法は事業協同組合を主体といたしました法律であつて、金融事業については殆んど考慮されておらないというような、而もこの法律は、御承知のように中小企業庁、通産省の立案にかかわつておりますので、金融事業についての顧慮が全然されておらなかつた。特に最近のように金融の健全化なり、預金者保護というような点が強調されて参りますことになりますと、どうしても中小企業等協同組合法の現行の法律では困るという面が多分に生れて参つたのであります。当時もそういつたような点がいろいろ検討されまして、国会でも相当の問題を呼びまして、十数ケ條に亘りまする修正を加えてあの法律が通りましたことは、皆さん御承知の通りでありまして、而も市街地信用組合につきましては、そうした特殊な事情があるので、これはこの中小企業等協同組合法では蔽い切れない。従つて八ケ月の施行を延ばしまして、そうしてその間に新らしい制度を作つたらいいではないかといつたような、いわば付帶條件はであの法律が通つておつたのでありまするが、その後客観情勢がそれを許しませず、今日に及んでおるのでありまして、業界におきましては、一日も早くそれらの法律の改正なり、新らしい制度の制定というものを希求してやまないわけであります。 今具体的に中小企業等協同組合法におきましての信用組合が非常に困つておる点を一二拾い上げて参りますというと、先ず組織の面におきまして、これは中小企業という一つの枠を捕えておる関係から、組織員、組合員に対しましての制限が加えられております。即ち、これは事業者団体法等の関係におきまして、事業者の工業者が二百人以上の従業員を持つておる場合には組合員になつてはいけない、商業者或いはサービス業の場合においては二十人以上の従業員を持つていれば組合員になつてはいけない、こういうような規定がありまして、工業者の場合はまだいいといたしまして、商業者の場合におきましては、普通の商業者が二十人の従業員を持つておる場合においては組合員に入れられない、こういつたような制限は、少くとも金融事業をやります場合におきましては、大きな制約に相成るわけであります。更に又一番重要な問題といたしましては、役員或いは総代の選挙の方法であります。これは協同組合でありますから、当然民主的にこれを選び出すというところにおいては何ら否定をするものではありませんが、みんなが一人一票で必ず無記名投票をやらなければならない、こういう規定に相成つております。法律の三十五條なり、五十五條がそれを規定しておるのでありますが、金融機関が信用を維持してやつて行きます場合において、特定の人の策動によりまして、組合長が代り或いは理事者がくるくる代つて行く、こういうようなことがしばしば行われるということでありますれば、信用の維持は到底困難であることは御承知の通りでありまして、今年の四年乃至五月におきましては、この法律に基きまして全組合が役員改選をしなければならなかつたのでありますが、それらの実情を調査いたしましても、特定の人達の策動によりまして組合長の更迭が行われた例は数えるにいとまないのであります。尚又事前にそういつたような運動が行われまして、例えば総代の選挙等は、恰も市会議員の選挙か町会議員の選挙といつたように、演説こそ行われなかつたけれども、相当深刻な総代の争奪戰があつた。こういつたような事例は少くないのでありまして、こういつたような選挙方法なり、運営方法を以ちまして、金融機関としての維持は到底望まれないのでありますから、こういつた点が非常に今の制度上から言いますと、問題な点と言わなければなりません。尚、事業の面におきましては、ともすると信用協同組合は小さいものだといつたような観念から、まだ為替の仕事をやるというのはでき難いではないか、或いは株式の拂込の機関になるのは適当でない、或いは国税、地方税の取立徴收、或いは金庫の事務をやるとか、こういつたようなことはできないというようなことで、実際組合員が中小企業者を相手として仕事をしております関係から、送金の依頼がありましても、それは銀行でないとやれない、こういつたような事業面におきましての制約も少くないのであります。  こうした幾つかの事業なり、組織の面におきまして、現在の信用組合の課せられております枠は、それは協同組合であるというような面から協同組合の原則に照しまして、成る程度止むを、得ないものもあるのではなかろうかとは思いますが、それは余りに酷に過ぎまして金融機関としての発展を阻害し、又金融機関としての健全性を阻害するというような点が少くないのであります。従いまして業者におきましては、現在の新制度に向いまして、何としても、今申しました著明な点はともかくといたしまして、根本的に金融機関としての立法をこの際少くとも確立しなければならない、こういうようなことを申しておるわけであります。又大蔵省当局者におきましても、組合の健全性なり或いは預金者保護の立場から、所要の改正を加えて新立法に盛られるやに伺つておるのでありますが、何といたしましても、協同組合というような建前に立ちます場合におきましては、やはりそれによります原則的な桎梏を余儀なくされるわけでありますので、更に協同組合を一歩飛び出したところの制度をこの際確立したい、こういうような希望なのであります。特にこの点が業者間におきまして強く言われましたのは、御承知の、去る七月三十一日でしたか、前国会の幕切れに、協同組合等によります金融事業に関する法律の一部改正案が出まして、皆様方のところで継続審議をやつて頂きました問題でございます。これにつきましては、新らしい組合が適当なところに設立されることは、我々といたしましても何らこれを拒絶するものではないのでありまして、むしろそうした地域に立派な組合が生まれまして、そうしてそこの中小企業者なり、庶民階級が金融上の便を得られることは当然でありますが、徒らに既設の組合のあるところに、どうもあの組合では金を貸して呉れない、それでは別に組合を作ると、こういつたような形で沢山な組合が設立されますれば、どうしてもそこに競合が生まれ、或いは運営自体がうまく行かないということは、今までの例を見ましても明らかであります。従いまして、協同組合でありますれば、当然そこに自主的な結合といたしまして、組合を作るということであれば、大蔵大臣がこれを制約するということは或いは困難かも知れない。従つて、それらの自主的な協同組合とは少し形態を変えまして、そうして金融機関としてのものを作つて頂く、こういうふうに言わざるを得なくなつたのであります。と申しますのは、御承知のように、現在の信用協同組合は員外貯金を相当持つておるわけであります。表の上に現われておりますのを見ますと、組合によりましては、四〇%から五〇%、六〇%の員外貯金を持つておるわけであります。従いまして、組合員相互の預金だけを持ちまして、組合員相互に資金を融通しておりまするということでありますれば、若しその組合に経営上の欠陷があり、貸付が取れないというようなことがありましても、お互同志が出資を打ち込み、或いは預金を切つてそれを弁済するという仕組が考えられますが、少くとも員外貯金を扱つております場合におきましては、全然組合に対しましての発言権を持たない。或いは役員の選任権を持たない。こういつたようなものにつきましては、その預金だけが打切られてしまうというようなことでは経営が非常に困るのでありまして、従つて員外貯金を持つておる組合合と、員外貯金の取扱い得ない組合との間には、そこに問題は別に処理されなければならないのじやないか、員外貯金がありますれば、これは当然預金者保護として、第三者の預金といたしまして絶対に確保してやるというだけの経営なり、仕組を考えざるを得ないのではないか、こういう点から若し協同組合の形で行きますれば、むしろこれは員外貯金を止めまして、自由にそれを自主的にやればよろしいという、こういうようなことで、現在の組合といたしましては、中小企業と協同組合とは一歩出ましたところの一つ組織をこの際確立して貰いたい、こういうふうに言つておるわけであります、然らばその根拠となるものがどういうふうになるか、こういう点であります。従いまして、それでは全部銀行になつてしまうというようなことは勿論毛頭考えておらないのでありまして、銀行と今申します信用協同組合との、いわゆる中間的な組織といたしまして、中小企業、庶民金融の面を担当する金融機関という形を、まあ抽象的に言えばそういうことに相成るわけであります。従つて組合の中におきましても、未だその基本となります体系をどうするか換えますというと、資本主義的と言いますか、株式会社的な経営体にするか、或いは協同組合的な、人的結合を中心とするかという点については、いろいろ議論が分れておるところでございまして、組合の一部におきましては、一部と申しますか、大きい組合、或いは大都市の組合等におきましては、信用銀行をこの際作つて欲しい。でこれはあくまで中小企業の企業者と勤労者を対象といたしましてやつて行きまして、銀行と違つた分野において活動をするのだ、或いは株式という制度をとらないで、出資の制度といたしまして、その出資の最低限度というものも、五百万円なり、或いは一千万円というところで、高いところに一つ置いてやつて行く。それから設立地もやはり区域というものは一定の区域を以て、全国どこでも利用ができるというようなものでは困りますので、少くとも県或いは県の半分というくらいの一つの区域を持つた地域においてやり得るというようなことで、いわゆる小規模の銀行というような形態を以てこの際新制度を作つて欲しい、こういう主張であります。その一番根幹となります点は、いわゆる株式でありますと御承知のように一口一票でございます。それから協同組合の方におきましては一人一票でありますので、先程申しましたように、非常に低額な出資者が一人一票ということで、総会なり或いは総代会に参りまして策動をするというような点を防止する意味におきまして、やはり一口一票の方が金融機関としての形態としては正しいのではないか、こういつたようなことで、今申しました信用銀行というような制度を主張をされております。それから一面におきましては、やはり組合というような長い伝統を持つて今まで参りました、例えば分量が若干大きくなつたといたしましても、組合の本質、組員の特質というものが銀行なりに違つた特質があればこそ、現在においても存在の価値があり、又発展するのであるから、その特性を生かして、あくまで人的結合に中心を置いてやつて欲しい。言換えますというと、やはり一人一票であらねばならない。併しながら現在のように五十円、一口五十円で大きいのは五十万円くらいのもあります。それだけの開きがありますので、五十円の小さい出資者からのそういう策動等に対しましては、これを出資の限度を或る程度引上げるというようなことにいたしまして、それを防止することは可能ではないか、こういつたような点で、あくまで組合的な特色を生かした制度として欲しいというようなことで、現在の段階では二様に分れておるように見受けられるわけであります。併しながら、いずれにいたしましても先程申しますように、中小企業と協同組合をここに一線を画しまして、中小企業と協同組合を更に高度の形において合同して欲しいというようなとは同じでありまして、従いまして金融機関としての性格を作るためには、今まで加入脱退が自由でありますから、資本金はいつでも増減が可能なのであります。併しながら、これはやはり金融機関としての健全性から、一つの最低限度を引いたらどうか、三百万円なり、五百万円の最低限度を引きまして、それ以下は下られないような形にしたらどうか、それから今までは脱退者はこれは年度末において現金で拂戻しをやつておつたのでありますが、これを資本金が下らないようにするためには譲渡脱退の方法をとる、いわゆる自分が脱退をして行くときには、他の第三者に組合の出資を譲渡しなければ脱退ができない。こういうような形をすれば資本金が減らぬ。加入脱退は自由ではあるけれども、資本金が減る という途を防ぐことができる。こういうような点、それから今一つは名称の点におきましては、信用組合と信用協同組合では少し混同し易いのでありますから、銀行とも違い、組合とも違うという形であれば、これは仮の名前でありますが、信用金庫ということではどうだろう、こういうことを申しておるわけであります。  それから決議権の点におきましては、今申しますように銀行を主張される、組合側におきましてはあくまで一人一票ではありますが、組合的な色彩を盛込める方におきましては、一人一票を或いは強調されておる、こういうような現状なのでございます。それから事業の面におきましては、先程現行法律においてでき難い点を申上げたのでありますが、やはり金融機関として中小企業者の面倒を見るというような建前でありますれば、為替の業務は当然この機会にやらせて頂くような途を開いて頂きたい。実は納税準備預金等を組合で一生懸命やつておりますが、国税や地方税の徴收事務はやれない関係から銀行に持つて行かなければならん。こういう面、或いは自分の組合に特定の小規模の株式会社なんか入れるわけでありますが、その株式会社を新設します場合においては株式の拂込機関というようなものについては取扱いがやれない、こういう点は当然金融機関としての業務として、これをやらなければならないのでありますから、この機会に是非ともやらして頂きたい。  それから最後に出資の配当の問題でありますが、組合でありますから、どうしても出資の配当は一定の限度制約を受けております。現行法律においては六分なのでありますが、銀行等におきましては、八分なり或いは一割という配当をいたしますし、組合も余剰がありますれば、出資の配当は銀行並までにはやり得るような仕組みを考えて欲しい。と申しますのは、先程申しましたように、資本の増加ということが最近非常に強く言われますので、従来信用組合の場合においては人的の結合で資本の結合ではないということで、資本金はどつちかと言えば等閑視しておつたのでありまして、どうしてもそうした観念が強うございますので、やはり出資を延ばすには非常に困難を来たしております。そこで或る程度これは配当をも認めて出資の増加を図るというようなことも考えて欲しいという点から、出資の配当制限を相当程度引上げる、こういうようなことが考えられるわけであります。  大体信協法につきましては如上のようでありますが、最後にそれでは現在の信用組合でどの程度の規模を持つておれば経営ができるであろうか、こういつた点について若干述べて見たいと思います。最近の原価を計算をしますと、まだ資料が十分まとまつておりませんので、ここに表を差上げる段階ではございませんが、極く中心的な組合を二十組合くらいとりましての統計の結果によりますと、人件費が資金の大体四%かかつております。言換えますというと、百万円の資金を集めるのには四万円の人件費を拂う、こういうような計算になるわけであります。その外物件費がかかり、或いは貯金なら支拂利率を拂うとか、こういうようなことで四%の人件費がかかつておりまして、言換えますというと、百万円について四万円かかつておるわけでありますが、人件費を仮に一万円ベースと仮定いたしますというと、年間十二万円、従つて今の計算を逆算しますというと、一人が三百万円の資金量を持つておらなければ一万円の月給が抑えない、こういう計算になるわけでございます。そこで然らば、今度は組合の方の仕事をして行くのに何人くらいの人間が要るかと言いますというと、これには土地によつてそれぞれ規模も違いますが、通常の形において事務組織も或る程度完備し、或いは調査機関も或る程度まで揃えたといたしまして、事務分担等から勘案しますと、二十名乃至三十名ということが大体の陣容として必要なのであります。仮に三十名といたしますれば、今申しました一人が三百万円の資金を持たなければ経営ができないというような数字が出ておりますれば、九千万円のいわゆる規模を持つておらないと、実際の経営はできない、若し地方の方で二十人程度でいいということになりますれば、これは三万円といたしましても六千万円、地方の方は若干給與が安いというようなことで、やはり五千万円、六千万円という分量を当然持たなければならないのじやないか、これは今年の三月におきましての数字から逆算いたしました数字でございますが、現在信用組合の貸出の金利を見ますと、最高が率直に申しますと五銭、最低が三銭二、三厘というところでありますが、平均金利をとりましても四銭くらいには当つております。その四銭くらいに当つている計算の上に立ちまして、今申しました一人につき三百万円という数字が出ているわけでありまして、銀行等の貸出金利の低下ということが問題になつておりまして、組合と雖も当然これは金利をどんどん下げて行かなければいけないのじやないか、銀行とまでは……、当然これは小さいものは小さい金を預る、小口の金を預つておりますから、銀行と同額の金利までということは行きませんが、銀行とさや寄せをして行くということは当然考えて行かなければならない。それから今一つは給與のベースが銀行等に比しまして問題、にならない程低いのでありまして、全国平均をとりましても、最近の数字では五千円そこそこの給與なのであります。大銀行においては、一万何千円というのでありますから、一方給料の方も改善をする、貸出の金利も下げて行くということになりますれば、一人当り三百万円が更に四百万円も持たなければ実際の運営はできない。こういうような矛盾に相成るのではなかろうかというように考えられます。したがいまして今度の業法によつて、新らしくこの金庫なり或いは信用銀行という形で、大蔵省の監督下なり、金融機関として認めて頂きますものにつきましては、今申しましたような、相当の資金量ということを当然考えて、健全経営のもののみを一つ対象に考える。又健全経営の可能なもののみを対象にして考えるということでなければならなかつたのではなかろうか、こういうふうに思う次第であります。  非常に話がまずうございましたが、以上大体の我々の方の意向をお伝えいたしまして、十分の御批判をお願いしたいと思います。尚の足りなかつた点につきましては、御質問によりましてお答えいたします。

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) 只今の説明に対しまして御質疑がございましたならば、どうぞお願いいたします。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 全国平均規模のこの数字がちよつと消えているのですが、一組合当りに貯金額は幾らですか。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) 全国平均規模ということでございますが、一組合当りの貯金額は五千八百八十六万一千円、一組合当りの出資金は二百二十六万四千円でございます。

油井賢太郎国民民主党

○油井賢太郎君 ちよつと伺いますが、信用組合の方の「その他預り金」という内訳はどういうのが一番多いのですか。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) これは個々の名称にずつと振り分けております以外の預りの方法でやつておるわけなのであります。

油井賢太郎国民民主党

○油井賢太郎君 それでこの中に政府の預託金とか、或いは府県、市町村というようなものの預り金が含まれておるのですか。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考今(安武善藏君) これには入つておりません。政府の預託金は通知預金で処理いたしております。

油井賢太郎国民民主党

○油井賢太郎君 それはどのくらいになりますか。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) 信用組合全体で六億九百万円、これは預金部資金の預りしておるのが六億九百万円であります。府県、市町村から若干預つておりますが、それは全部併せまして一億に及んでおりません。

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) 外に御質疑はございませんか。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 役員の選挙方法で、今おつしやつたような弊害を除くには、もつと具体的に言うと、どういうことですか。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) 従来の選挙方法は一人一票ではありましたけれども、総会或いは総代会におきまして選考委員を挙げて、そうして有力な人を適当に選挙しておつたわけです。それでその地区におきましての大体の有力者がお入りになつて円満な選挙方法ができておつたわけですけれども、考え方によりますれば、それがボスだけで話合いが付くというような弊害もないではないわけでございますから、今度の選挙方法は一人一票で、とにかく無記名投票をしなければなりません。投票しなければなりませんので、具体的な例を申上げますというと、総代の選挙が、今大きな組合によりますと、総代を先ず選びまして、その総代が役員を選ぶという間接方法をとつている。従つて総代の数が自分の方に一人でも多いと、而も連記をやりますから、一人でも多いというと役員が全部自分のものをとれる。こういうような形になつているわけでございます。連記を單記にする方法も一つの方法でありますが、何と言いましても地方の実情からいたしまして、無記名投票で組合の役員、組合長を決めて行くという形は、どう考えても今まで慣れないことでございますし、非常に面白くない、特に思想的な面からの制約なんかも可なり最近では脅かされておる状況なんで、そういう点から、これを従来のように線会においての選考委員を挙げてやるとかいうような方法が考えられればいいじやないでしようか、こういつたふうに考えておるわけであります。

油井賢太郎国民民主党

○油井賢太郎君 先程の政府預託金はどういう形式で大体標準はどのくらいの、例えば出資とか、預金とかある者に貸すというようなことは決まつておるのですか。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) 政府の預託金はちよつと忘れましたが、五回ぐらいに分けて去年の十二月からずつと出しましたのでありますが、一番最初は資金量においてやられまして、六億以上が第一回に出ました。その後三億、一億五千万、一億、それから一番最後のものが八千万以上の資金量のところに出ております。それだから当時八千万以下の組合は一文も出ておらない、こういうことでございます。それから出し方といたしましては、当時まだ全国の信用協同組合連合会ができておりませんので、政府としても一つの組合にそれぞれ出して頂くということは、数も非常に多うございますし、又金額も非常に小さいのでございますから、フロックごとに幹事組合を設けまして、その幹事組合宛にそのブロックの総額を出して頂く、従つてその幹事組合の中のメンバーはお互いに連帶保証というような形でお預りしておると、こういうことになつております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 安武さんにちよつとお伺いしますが、大体信用金庫、信用銀行、いずれでもよいが、そういう制度にしたいというのですが、そうすると、大体協同組合の精神と余程変つて来るのですが、結局この中小協同組合法というものを改正をして貰いたいという御趣旨なんですか。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) 当初の意図は私らの率直な気持を言いますと、中小企業等協同組合法の規定によりましての信用事業というものは、恐らく今申しますいろいろな点から経営ができないじやないか、でき難いということから、むしろこの金融機関としてのものでありますれば、同じ精神でありましても、同じ仕組でありましても、別個の法律にして、信用協同組合法なら信用協同組合法というような法律でやつて頂いたらどうか而も金融業に関する法律制定の機会に、そういうふうにしてやつて貰つたらどうかと考えておつたわけでありますが、協同組合という建前をとりますと、先程申しますように自由設立でありますし、大蔵大臣の認可を必要とすると、こういうことでありますと、弱体な組合が沢山できて参ります。そうしますと、そういう組合と軒を並べて仕事をしたり、閲撃し、刺戟し合つて伸びて行く場合はそう大したことではありませんが、閲撃することは余り面白くありません。問題はそうした組合がミスを起しまし  て、貯金が拂えなくなつたということが起りますと、よその有力な組合まで非常に影響を受けるというような点から、むしろ大蔵省の嚴密な検査監督の下に金融機関として立つということでありますれば、この信用協同組合とは別個に別な形のものを考えて欲しいというのが現在の我々の気持なんであります。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 そうすると、結論的に申せば、この機会に金融機関としての体制を整えたいという御趣旨でありますが、むしろこの際金融機関に合流してもよいという結論にもなりますね。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) それは今申しますように、長い歴史から考えますと、例えば無盡会社の方を今度は相互銀行というような計画がされております。従つて規模から言いますと、若干信用組合の方が落ちるのでありますが、目標、建前から言いますと、中小企業者なり、庶民金融をやつておるそれと同じ組織、同じ制度でよいじやないか、こういうことになるわけでございますが、今までのやはり運営の仕方が人を中心としてやつております関係から、ぶつつけ直ぐ株式会社というような形にまだ踏み切れないものを持つておるわけなんであります。やはり株式会社組織によりますと、銀行なり或いは相互銀行なりと共に、人的な結合によつての金融機関というものがありはしないか、むしろ自分達が今までやつておるのは、そういう形のものではないかと、こういうふうに我々の方では考えておるわけであります。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 結局協同組合法による信用協同組合ですが、大体信用協同組合はその設立の当初の趣旨から見ても、これは自主性を持つて、又一般的な金融機関とも違つた協同組織による相互扶助の途としてできたわけなんです。が、その精神を逸脱して金融機関と同じような取扱業務並びに配当などもその程度に引上げろということになると、これは全く現在の一般的金融機関とまあ同様のような程度にしろと、こういう意味だと私は思うのですが、そうなつて来ると、安武さん、どうも庶民金融制度としての趣旨によつてできたこの信用協同組合法の精神がどうも逸脱して、結局意義がないということにも考えられるのですがね、その点はどうなんですか。それでその点あなたのお話がまだ私はつきりしないのですが、どういう点を違えるか。こういう点は一般金融機関と同じにして呉れということはよく分りましたが、それじやどういう点が違つておるかという点についての私の理解がないのですがね、その点ちよつとお話願いたいと思うのです。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) 従来例えば産中業組合なり、或いは商工組合の場合におきましての組合金融制度或いは組合の外の制度の場合におきましても、これが他の金融機関或いは他の会社と同じように、或いはそれと匹敵して有力な力を持つて今まで運営をして、中小企業者なり哉いは庶民階級のために働いて来ておつた大きな原因は、勿論組織的な面も大きな役割を持つておりますが、今一つこれに対する保護育成というものが相当強かつたわけでございます。産業組合当時におきましては、産業組合の預金には課税をしない、或いは出ました法人税も免税をしておる、こういうようないわゆる保護助成の政策が加えられておつたのであります。従つて職員も犠牲的な精神というようなことで、月給も安くてそれで運営をしておつたのが今までのやり方だつた。尚又資本金等も、組合であるが故に資本金はそう高くなくても人的な結合によつて健全なのだというようなことでやつて来たのでありますが、金融機関という一つの枠と言いますのを嵌められます場合におきましては、資本は外部負債の何パーセントを持たなければいけない。それから一面税金等の問題におきましても、もう現在では銀行と何らさほど大差はありません。こういうことになりますれば、やはりそれと匹敵するだけの力と言いますか、あれを與えられなければ当然これは成立たないわけであります。むしろ私が申上げたいのは、この中小企業等協同組合法におきましての協同組合等については、やはり何らかの別な保護助長の政策を別途に考えなければ協同組合の経営は尚困難である、むしろ独立独歩でやらせる。自主的なものではあるけれども、独立独歩でやらせるとするならば、或る程度のこれに基準も高め、或いはそれ相当の活動もやはり、又嚴選をして認めて行く、こういう形をとつて行かなきやならん、こういう気持なんでございます。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 先程お話の組合員以外の貯金でございますね、これはどこの信用組合でもやつておるのでしようか、そのやつておるところと、やつていないところとあるのかどうか、それから員外貯金をやつているとすれば、組合員の貯金と組合員外の貯金とは平均がどのくらいになるのか、それから員外の人で貯金をしている人には貸出をするということになりますと、貸出は大体組合の員外へは全体のどのくら  い行つておるかというようなことは分りませんか。

安武善藏全国信用組合協会業務理事

○参考人(安武善藏君) 組合員外の貯金を扱つております組合は、この表で見ますと、一番最初の表で見ますと、地域的な組合は全部これは員外貯金を殆んどやつておると思います。職場にある組合は定款の中でその職場のいわゆるメンバーだけの預金しか預らない、但し職場内の職員会の金だとかいうような、公共団体的なものは恐らく扱つていると思いますが、それも引つくるめますと、員外になるわけでありますから、殆んどの組合は員外の貯金を扱つておる、併しこの員外の貯金を更に細かく見まして、今言うような経理団体の金であるとか、或いは組合員の家族の金、こういうものを一応員外と見ますというと、総計におきまして、先程申しましたように四〇%から六〇%くらいが、貯金の総額から見ますとどの組合も大体半分程度は員外の貯金になつておる。こういうことでございます。それから貸付の面は員外に対しまする貸付は、今年の四月この信用協同組合法で皆がなりましたあとしか貸付は認められておりません。従つて貸付をやりますのも、この法律の上では貯金担保、いわゆる員外貯金の範囲内において、その貯金を担保として貸付けるということであります。言換います  と、貯金の拂戻しをやつておることと同じことでございますから、その数字は四月以降でございますので、私共の方の手許に十分調べておりませんが、そう大した額には上つておらない。こういうふうに考えております。

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) 外に御質疑はございませんか……。それでは信用組合の問題はこの程度に一応止めまして、次に全国無盡協会常務理事の島崎さんからお話を伺うことにいたします。それでは島崎さんどうぞお願いします。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 私全国無盡協会の島崎でございます。最近金融機関のあり方或いは新金融業法に関連いたしまして、金融機関としても相当考えなければいけない。又政府当局にも相当お願いをしなければいけない問題があります。その機会にこういう御多忙のところを席を頂き、我々協会として厚く御礼申上げます。  無盡会社の点につきまして大体申上げますと、一大体無盡会社というのはどういう歴史を持つているかという点から入つて行つた方がよくはないかと思いますが、勿論皆さん方よく御存じのことと思いますが、無盡というものは、我が国におきましてはいわゆる頼母子講或いは無盡講、そういう点から国民に親しまれて参りまして、大体その起源というものは鎌倉時代からあるというような、或いはインド或いは支那方面の宗教と同時に入つて来たというような非常に古い歴史を持つておりますが、これが金融機関としていわゆるその線に入つて参りましたのは、大正四年の無盡業法の法律ができ上つてからでございます。併しながらそのときの法律というものは、いわゆる取締的な寒気が非常に強うございまして、どちらかというと無盡業の発展というよりも無盡業の抑制というような方面に相当強いような法律でございましたので、勢い無盡業の発展についてはなかなか思うようにできなかつたのでありますが、だんだんこれが世間に普及いたしますと同時に、その業績も漸次上つて参りましたのであります。殊に終戰後におきまして、無盡業は民主的な立場という点に非常に重きをおきまして、同時に金融の逼迫、この両方面から無盡業の発展は非常に拍車をかけたような情勢でありまして、お手許に簡單な資料を差上げて置きましたのですが、先ず資本金につきましても、終戰当時は二千四百万という程度でございました。現在では十七億三千万、二十四年中に十一億円の増資をし、今年に入つて二億三千万の増資をしている状態でありまして、新金融業法が、伝えますところによりますと、来年の十月から施行されるというようなふうに伺つておりますが、恐らくそれまでは大体無盡会社の資本金は私は二十五億から三十億の程度になるのではなかろうかと思つております。と言いますのは、現在各会社が新金融業法の線に沿つて、又大蔵省の健全資本、健全経営、それに対する資本の充実、こういう線に沿いまして、矢継早に増資しております。話は余談でございますが、現在証券取引委員会で金融機関の増資は無盡会社だけというような批判も聞いております通りで、来年の十月一日までには大体二十五億から三十億までの資本金になるのではないか、こう思つております。同時にこの無盡会社では先ず資金量、或いは契約高、融資方面、これが主たる面でありますが、その契約につきまして見ましても、二十年九月は五十三億円のものが現在では千五百九十八億という数字になりまして、正に二千九百七十倍というような状態でございます。この点については、結局無盡会社が、終戰後我々は一企画でなく、国家や国民が今困つている情勢を打開するには、我々が身を以てこれに当るというこの精神から積極的に動き出した点でありまして、これが無盡会社の今日の基礎を作つて来たというふうに私は思われます。この第三にあります資金量を御覧になりましても、終戰当時の二十億程度の資金量は、現在では六百八億という数字になりまして、そのうち無盡の掛金によつて得た資金が五百二十四億、預金によつて得たものが八十四億、こういうふうな点でございまして、これは毎月二十億円以上の増加、漸増を示しておりまして、従来政府でやつておる救国貯蓄運動、その他の運動についても、この終戰以来常に他の金融機関を圧して、常にその率においてはトップを切つているという点でございます。恐らく今年度末には、私としましてはこの資金量は大体八百億近い数字になるのではなかろうか。実はお話は余談になりますが、無盡業界といたしましては、二十五年度において資金量八百億達成運動というものを自主的に展開しておりますが、今年度下期に入りますれば、各会社は相当目標に対する自信を持つているようでありますので、この八百億達成運動も私は達成し得られるものと思つております。併しながらこの預金部もここにあります通り八十四億、而もそのうちには大蔵省の預金部資金の十八億がありますので、この点が非常に少いのでございますが、これは実は戰時の特別法令によりまして、この無盡会社に対する預金の取扱を終戰後になりましても取扱つた関係でございまして、この点が非常に金額が少い点でありますが、大体三億程度毎月増加しておりまして、この点についても相当の私は実績が挙げ得られるのではなかろうかと、こう思つております。こういうふうにして得ましたところの資金というものは無盡会社の本来の特質からいたしまして、これを殆んど全部地方に還元しておる、いわゆる中小企業並びに大衆に対してこれを全面的に融資しておるという点でありまして、これが銀行さんあたりと多少性格を異にする点であろうと思います。  次の第五表にあげます融資状況を見ましても、大体六百十億の資金量を、その六百十二億の融資をしておるという点でございまして、この点が或いは見方によると多少オーバー・ローンしてれるのではないかというふうな見解もありますが、実際の面から見ますと、現在無盡会社が運用し得る金は七百億程度でございます。そういう面から、ただ單にこの無盡掛金と預金と融資という点から見ますると、ここでオーバー・ローンしておるような数字が出ますが、とにかく無盡会社は、現在の金詰りに対しまして幾分でもお客さんに便宜を與えたいというのが今日の実情でありまして、この点はこの庶民金融機関としてはこれは止むを得ないものと思います。現に毎月私の方、無盡会社が新規融資をしております金は、月平均が五十八億円でございまして、恐らく今年度は七百億程度私は新規融資があるのではなかろうか、こう思つております。まだまだこれだけでは実際の中小企業並びに大衆のこの金詰りを緩和することはできないのでございますが、併しながら我々はこの全部の会社がとにかく地方のために汗みどろになつて働いておることは事実でございまして、この点につきましては、他の金融機関もそうでございましようが、特に我々は多数の外務員を派遣しまして、とにかく掛金についても毎月集金するというような、或いは日掛けを実行するとかいうふうにしてその点非常に努力しておる点であります。そういうふうでございまして、最近の融資は然らばどういう方面に融通しておるかという点でございますが、大体今年度の第一四半期の実績から申しますと、鉱工業方面、これが大体一一・八%ぐらい、それから農林、水産関係が八・四%それから公益事業、公益事業と言いますと、運輸、電気、通信、そういう点でございますが、それが三・四%、それから商業が四・六%、それから雑業と言いますのは、まあ料理飲食店、旅館、そういう点でございますが、それが一九%、まあ大体こういうふうな融資をしております。又金額別に行きますと、これが一口当りが五万円未満のものが一九・三%、それから五万円以上十万円未満のものが一八・九%、十万円以上三十万円未満の貸出が三三・七%、三十万以十五十万未満の貸出が一〇・八%、五十万以上の新規貸付が一七・三%、こういうふうな状況でございまして、あくまでも中小企業並びに大衆金融であるという点であります。そういうふうな情勢で、無盡会社の業績は毎月非常な増加を示しておりますが、一方この收益両から申しますと、昨年の下期の決算におきまして、大体計上益を三億九千万円、純益金を二億二千万円、配当いたした会社が四十五社、それから配当していないものが十四社、結局五十九社でございますが、そういうふうになつておるのでございます。恐らく今期の利益は、計上面から見ますと、私は大体八億程度、当期純益金は四億以上になるものと思つております。配当につきましても、二、三の会社を除いた他の全部の会社が今期は配当し得る状態にあるのではなかろうかと、こういうふうにまあ存じております。そういうふうでございまして、その経営は相当確実になりますし、とかく無盡については、まあ世間から、或いは一部有識階級の方々から、どうも他の金融機関に毛の生えたようなものだという感じを受けられておりますが、実際の無盡会社は非常な経営について熱を持つておりまして、現在では一社当りの資金量は十億円、その全部の会社が健全経営に移つておりまして私としては、無盡業のこの対外的信用並びにこの資産の確実の点から申しましても、その他の金融機関に私は劣つているとは思つていないものでございます。勿論最近二、三新らしい会社もございますし、この点については、創立早々の点もございますので、赤字経営は止むを得ないと思いますが、その二、三の新らしくできた会社も、まあ確実な見通しで黒字経営に移行すべく非常に努力しておられるのでございまして、恐らく来年になりましたらば、全部の会社が黒字になるというふうに私は思つております。そして全部の会社が配当し得る状態が来るということをまあ予想しております。そういうふうでございまして、無盡の実態は、地方還元的な性格でございまして、あくまでも地方的な、ローカル的な色彩を備えております。その点は銀行さんと性格を異にしておる点でありまして、こういう点から見て、又我々も無盡というものは普通考えますと、一つの団を作る、例えば三十乃至六十の団を作つて毎月それを掛金にして、そうして抽籖入札の方法によつてこれをお客さんに融資をするというのが無盡の典型的な行き方でございます。現在の情勢におきましては、それだけではこれはお客さんに対する取引の敏活を欠くという点もありますし、又お客さんも現在では無盡会社の無蓋の契約をするのも或いは無盡に預金をするのも、信用組合に取引するのも、銀行に取引するのも同じような観察を持つておられますので、そういう無盡会社としても、この典型的な無盡の法則がだんだんと壊れまして、現在ではとにかく団組織もないところの無盡、いわゆるみなし無盡、これが非常に大きくなつて参りまして、この点について無盡会社の経営がいわゆる無盡という点だけに止まつていない。同時にこの貸付資金が非常に殖えまして、この表にもございます通りに、この四百十六億の無盡による給付に対しまして、百九十四億の貸付けをする状態でございます。これは結局無盡に入つていても、そのお客さんが資金の需要が止むを得ないという場合には、無盡会社としては貸付の方式までまあこれを融通、融資しておるような状態でございますので、これが無盡会社は無盡だけに、これに限定するということではなく、あくまでもこのお客さんの便宜を図るという意味から、この貸付の方もだんだんと大きくなつているのであります。又預金についても、とにかく現在我々はこの終戰後預金の取扱いを認められたのでございますが、この成績が上つているということは、結局お客さんも非常に便利だし、又会社としては国民貯蓄の点から言つてもこれは非常に必要なことであろうと思いまして、恐らくこの預金面については相当今後私は殖えるものと考えております。現在この金のないときに、この我々の行くべき道についてはいろんな点から非難されておりますが、今日我々が一番熱望しておるのはいわゆる無盡銀行或いは相互銀行という点でございまして、この点についてはひとり業者だけではなくて、社会的事情からも私は当然そういうふうになるべきではなかろうかというふうに思つております。現在この地方銀行は相当ございますが、中小企業及び大衆に対して、これが預金の吸收については努力しておられますが、その銀行の性格からして、中小企業及び大衆金融にこれを宣伝するということはなかなかむずかしいし、又現在のような情勢で医家的にこれが資金を流すということも銀行の性格からして止むを得ないと、私はこう思つておりますが、とにかく昔千何十行あつたこの銀行が、今日七十数行に止まつている、これが私は中小並びに地方金融に対する非常な障害になつているだろうという点であります。これを補うものが無盡会社並びに信用協同組合ではなかろうか、こういうふうに思つています。そういう点からして、この銀行は軍に資金を吸收するだけであつて、地方の金融については性格から十分なし得ることはできない。そうすると、地方の金融、中小企業及び大衆金融について自主的になし得るものは、私は今日においては無盡会社が銀行となつてこそ初めてなし得るのではなかろうかという点であります。又貯蓄の面から行きましても、この無盡会社が全国に営業所を持ち、又沢山の外務員を使つてやることも、この貯蓄の実績又貯蓄の面から言つても非常な必要性があるものと、こう思つております。今日まあ地方銀行が余り地方の金融について親切でないので、更に地方銀行の新設運動という点もありますが、私は單に地方銀行がその銀行という線で地方銀行を作つても、果してこれが経営がうまく行くか、又対外信用をうまく取り得るかという点について、これらについても相当疑問もございますし、この結果そういう銀もは又銀行の線によつて行くとすれば経営が不可能である。又仮りに大きくなつても更に大銀行への移行ということになりまして、依然としてこのローカル的な色彩は私はなべなつて行くのではなかろうかというふうな気もいたします。そういう点から見て、とにかく無盡会社は今日五十九社並びに殖産無盡会社が他に十二、三社ございます。この無盡会社がここで銀行となつてこそ初めて私はそういうような線を国民から消すことができるのではなかろうかと、こういうふうに思つております。今日地方銀行が七十数行というふうににあります。昔は貯蓄銀行が相当ございました。多いときは六百数行ございました。この貯蓄銀行がとにかく現在一行もないということから考えても、我々はここでやはり銀行としては、この銀行のあり方からして、やはり中小企業或いは大衆金融、いわゆるローカル的な色彩がこれはだんだん消えて行くというのは当然でありまして、この際我々が銀行になるということは、取引者のために又各地方のために本当に私は必要ではなかろうか、こういうふうに思つておるのでありまして、政府におきましても、我々の意向を十分酌まれて今回相互銀行案なるものを考えておられるようでございます。この点については、一応我々はあくまでもこの貯蓄の吸收と同時にローカル的な色彩をここではつきりさせるという点でいろいろな考え方がありますが、政府が内示されましたあの相互銀行案そのものについては我々は全面的にこれを了解し、又同時に強力にこれを推進して貰うという点でございます。個々の問題については多少の見方もございますが、とにかくこの線について我々業界としては、どの会社もこの点に対しては異論がないということであります。それでこそこの金融機関のあり方、大衆に対する金融は初めてここで充たされるのではなかろうかというふうに思つております。この銀行になります問題につきましては、とにかく我々としてはこの業界多年の懸案であるあの相互銀行、勿論相互銀行というためには普通の銀行とは又その性格をおのずから異にしなければならない、又業務についても又おのずからそこで画然たる分野が決められるということも私は止むを得ないものと思います。要は相互銀行の法案が早くこの国会を通過して、我々が本当に大衆に打込んだ金融機関となることを、一日もその実現が早く来ることをお待ちしておるわけであります。銀行につきまして、いずれお話があると思いますから、私のお話はこれで終ります。

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) どうも有難りございました。速記を止めて下さい。    午前十一時五十九分速記中止    —————・—————    午後零時二十三分速記開始

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) 速記を始めて……。  以上で無盡関係の参考人のお話は終りました。御質疑がございますれば、時間も大分遅くなりましたが、続け  て……。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 今日やつてしまいましよう。簡單にちよつとお聞きします。今理事さんのお話では、この無盡会社が北海道を入れて六十社と、殖産会社が十二社ばかり入る、こういうお話ですが、これの、私共に示した表の第一頁には、今六十九社となつておるのですが、これはどういろのですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) これは殖産無盡会社に入つていない單なる五十九社だけの増資の問題でございます。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 六十九社は誤まりですね。五十九社ですね。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 五十九社でございます。

油井賢太郎国民民主党

○油井賢太郎君 一点だけちよつとお伺いしたいのですが、無盡会社では資金量、つまり使用人一人当りどのくらいですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 今平均三百万円くらいです。

油井賢太郎国民民主党

○油井賢太郎君 信用組合と大体同じですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 同じです。さつきのお話は中金のところの経営可能の線が三百方円というお話は、二百八十万です。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 預金部の預かりが十八億六千万円というのは、どういうふうに区別して、期間的に言つていついつというような御記憶がありますか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 期間というのは、大体出ている会社は、資金上大体の標準は五億以上の会社でございます。それから期間は当初に半年据置きで、それですぐ解消ということになつておりますが、現在すでに、半年の期間が来ておるのでありますが、まだ解消になつているのはございません。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 今まで政府から出したのは、どのくらいに分けて出したのですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 出した金は十八億。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 それはどういうふうに分けて出したのですか、去年の暮からずつと分けて出しましたね。

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中上〕

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) 速記を始めて……。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 昨年の暮に、二十四年の十二月に七億九千万円、それから第二回目が、あれは九月でしたか、三億幾ら出ました。それから第三回目が二月頃でしたと思いますが、そのときに八億余り出ましたのです。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 それからもう一つ、これ以外に府県その他の地方自治団体の預託金というのはないのですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 別にございません、特に……。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 ございませんですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) ええ。

大矢半次郎自由党

○大矢半次郎君 無盡会社は名称を変えて、相互銀行とするということですけれども、その内容は従来の本来の無盡そのものから更に「みなし」無盡に移り、次いでは預金も預かるというふうになつて、漸次むしろ元の貯蓄銀行或いは現在の普通銀行の類似のものに力を注いで行くように思われますが、その点は業界として全体どういうふうに将来の方向をとるつもりでありますか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 相互銀行となりましても、結局性格は従来の無盡、それと貯蓄銀行の線を入れたものがいわゆる相互銀行の性格と考えて行かなければいがんだろう、こういうふうに思つております。それでただその預金につきましては、貯蓄銀行の方では従来の貯蓄銀行では当座預金ができなかつた、そういう点が私は貯蓄銀行が今日潰滅した理由の一つではなかろうか、こういうふうに思いますし、やはり取引者の便宜を図るためには預金の種類を限定しない、併しながら相互銀行になつたから預金だけに主たる勢力を持つて行くというわけには参りませんし、やはり無盡と預金業務と並行的にして、それで金融して行くというのが相互銀行の性格だろう、こういうふうに思つております。

大矢半次郎自由党

○大矢半次郎君 そうすると、貸付は相互銀行の名称からいつても、預金者に限つて貸付するわけですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) いいえ、貸付はこれは預金者或いは無盡掛金者に限定するという方針ではございませんが、勢い実体から行くと、結局取引がなければそう簡單に融資しないから、実際的にそういうふうになると思いますが、表面的に言えばそれに限定するという意思はございませんです。

大矢半次郎自由党

○大矢半次郎君 そういたしますると、将来相互銀行になるというと、普通銀行の方のバランスからいつても、職員の待遇も相当改善しなければならん。又貸出金も預金者に限らずに、その他の者に対しても貸出すというふうになるというと、小口貸出につきまして相当コストもかかるというふうになつて、経営の面では現在のあれと大分違つて来るのではなかろうかという気がいたしますが、その点についての見通しはどんなものでしようか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 経営の面から言えば、預金者或いは掛金者以外の人に貸すからといつで、殊更経費が膨脹するとは考えられませんし、それに従来無盡会社の金利が高かつたということは、無盡のお客さんに限定したというのが金利を高くした点でありまして、例えばそれによつて勧誘しなければならん或いは集金しなければいかん。そういう面が却つて経営経費を高くしたのでありまして、その点は預金と並行的に行きますれば、却つて資金コストが下りまして、金利も私はもつと銀行の線に近くなるような金利の引下ができ得るのではなかろうか、こう思つております。附けたりですが、現在大蔵省が認めております金利は貸出し最高日歩三銭五厘、それから年利廻は無盡の方は年一割二分ということになつておりますが、これは資金量がもつと殖えれば、この点も相当私は値下することができる、こう思つております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 一言……私は今大矢さんの御質問に同感なのでございまして、私もさような危惧を持つておる者なのです。最近長野県の伊那に大火事がありまして、その金融上の問題について各金融関係もいろいろ心配したのですが、この無盡会社が今理事さんのお話のごとく非常に緊急の措置をとつて呉れたのです。そうして非常に便宜を図つて呉れたので、人々は無盡会社に好感を持つていたのです。これが銀行という名に非常にとらわれて来るのですが、先程から私聞いておると、相互銀行にすれば、一方能率が上るというようなこともお話になつたのですが、今日でさえも、先程聞くというと四億からの利潤を上げて相当の成果を上げておるか、銀行にすれば一体どういう大衆的な利益があるのですか、私は先ず第一に大衆的な利益を主張しながら、大衆的の利益を否定するようなふうにも聞えるのだが、銀行という名が欲しいのですか、さも付ければ、実際において庶民金融機関としての運用を従来通りやつて行きたいのですか、そういう点がどうもはつきりしないのです。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) 無盡だけでございましたらそういう点の名前で結構だと思いますが、お客さんが預金の取扱を非常に要望されますし、又これを推進して行く点から見まして、單に無盡会社というだけでははつきりいたしませんので、銀行さんと違つた意味の無盡業務並びに貸付を行うところの金融機関という点から相互銀行という点をお願いしておるわけであります。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 もう少し検討して見るこ  とにいたしましよう。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 三十二億二千三百万という預金でありますが、これは預け先は大体どこですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) これは全部普通銀行でございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 そうしますと、去年の暮に七億九千万円預金部が資金を出した場合でございますが、あのときに何か十二月の暮頃になつて出されたので、それを正当に中小業者に運用させる暇も何もなかつたので、銀行に預託してしまつたというような例が相当あるように聞いておるのですが、そういうふうに折角政府の方では中小業者への貸付に使うように出しておるに拘わらず、そういうふうに実際になつていない。これは出す日にちが非常に遅れたために、むしろ出す方にその責任がある。もつと早く出せばそういうこともなかつたのじやないかと思いますが、その辺の実情はどういうふうになつておるのでございましようか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) それは資金が各会社に着きましても、早急にすぐ右から左に消化するわけに行きませんし、やはりお客さんを大蔵省の預金部資金の性格に添うように持つて行かなければならんので、取敢ず一時まあ銀行に預金にして置く。そうしてそれをその線に沿つて順次出して、現在では殆んどその線に沿つて全部出ておる、こういうふうに解釈しております。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 そうすると、ほんの一時的な時期的な問題だけだつたというふうに考えて行つていいのですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) きようでございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 それにも拘わらず、やはり三十二億程度のものは銀行に常時預けておられるということが言えるわけですか。

島崎政男全国無盡協会理事

○参考人(島崎政男君) これは一つの支拂準備として持つておるものでございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 ああそうですか。

愛知揆一自由党

○委員長(愛知揆一君) 外に御質疑はございませんか……。本日参考人から伺いましたいろいろの御意見、御希望等は相当重大な問題をも含んでおるように思いますので、本小委員会といたしましては、荷愼重に十分検討を加えることにいたしまして、本日は一応これで小委員会を閉会いたしたいと思います。参考人の方々には多忙のところをわざわざ御出席頂きまして誠に御苦労様でございました。  本日はこれを以て散会いたします。    午後百零時三十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     愛知 揆一君    副委員長    油井賢太郎君    委員            大矢半次郎君            小串 清一君            黒田 英雄君            佐多 忠隆君            森下 政一君            松永 義信君            野溝  勝君            杉山 昌作君            森 八三一君   参考人    全国信用組合協    会業務理事   安武 善藏君    全国無盡協会理    事       島崎 政男君

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