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8回国会参議院1950/07/22

水産委員会 第2号

発言数
42
登壇者
6
会派数
4
開催日
1950/07/22

会議録

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。先ずお諮りいたします。この前の委員会におきまして、地方税法案に対する水産委員会としての改正点について連合委員会を開きまして、その席上で二、三決定した問題について質問をいたしましたが、それに関連して水産委員会といたしまして改正を要望いたしたい、かように存じますが、その内容は、「地方税法案の一部を次のように修正する。第二十三條第三項第二号を次のように改める。」それは「二の水産業(第二十四條第五号に定める漁業を除く。)」、これは非課税の問題で農業の次に漁業を入れますことであります。その漁業の漁業といたしまして、その次に政令で定めるものを除くという字句を入れて、非課税にいたしたいというのが改正の要項であります。それから次に「第七百四十一條第四項第二号を次のように改める。」、二の水産業でありますが、「水産業」の下に「(第七百四十三條第七号に定める漁業を除く。)」と、こういう工合に修正を要望いたしたいと存じます。これは農業、林業と同じく漁業を非課税として、ただ政令で定めたものは課税するという意味であります。これを附加価値税の方にも、事業税の方にもさように要望いたしたいと、かように存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 御異議がないようでございますが、それでは委員長の方で地方行政委員長に折衝いたしますが、皆さんは党にお帰りになりまして、この旨を強調して頂きたいと、かように思います。

青山正一日本社会党

○青山正一君 只今の問題ですね。私共はその理窟は分つておりますが、例えば原始産業に附加価値税を課せられるのは、実質的な漁業だけであるとか、そういつた理由ですわ。この漁業には地租の負担がないからということを理由にしているが、漁業には土地に代るに漁船に対する固定資産税がある。從つて外の産業と同じ率で漁船に課税するならば、漁業に対する附加価値税は止めるべきであろうというふうな理由などもはつきりして置かぬことには、各党派に帰つて行きましても意見が区々になると因りますから、そういつた意味合いのことをやはり專門員の方で一つ纏めて頂いて、それぞれ納得の行くようなふうのことで党内に諮る。こういうふうな方法を講じて頂きたいと思います。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 專門員の方で、その理由を簡單にして皆さんに伝えますからして、至急一つお取計らい願いたいと思います。外にこの問題について御意見ありませんか。

千田正第一クラブ

○千田正君 大体見通しはどうなんですか。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) このくらいの修正は別に……今政府案は水産業に税を課すると、但し主として自家労力を以て行う漁業にして、政令で定むるものはかけないと、こうなつております。それを反対に行くわけでありますからして、漁業には税はかけない。但し政令で定めるものはかける、反対をやるものでありますから、一体主として自家労力を持つている漁業というものは、千差万別で恐らく何万種類あると思います。それをいちいち政令で定めることは困難だろうと思います。だからむしろそれは非課税にしまして、かけるものが僅かであるからして、これを政令で定めるという方が遥かに法としてはよかろうと思います。こういうふうに説明すれば納得が行きはせんかと思います。

青山正一日本社会党

○青山正一君 どうしてもその附加価値税をかけるならばというようなことを全然度外親して、そういう一本槍で進んで行くか。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 税は漁業にはかけない原則にして、併し大きな漁業がありますから、これを免税するということはどうかと思いますので、例えば畜産業でも、農業が付帶的に行う畜産業にはかけない。酪農とか、大きなものにはかかつております。それでやはり畜産業並に大きなものはこれは片方がない。幾つかを政令でこれだけけかける、あとは全部かけないということにしたらはつきりしないかと思います。

青山正一日本社会党

○青山正一君 この間の委員長の総理大臣に対する質問に対して、総理大臣なり、主管大臣から御返答がなくして、小野次官から御返答があつたわけですが、そのときにやはりかけるものだというふうな建前に進んで行つておるようにも伺われたのであります。そうなると附加価値税を若しかけるとすれば、例えば船ならばトン当り一万円以下とするとかいうふうなことに、やはり何か一つそう言つたものも用意して置く必要があるのじやないかと思うのでありますが、どうですか。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 小野政務次官の答弁は私はああいう細部のことは聞くつもりはなかつたのであります。あの場合に大体半分以内のものを抱えて置くならば、二十人おるならば、八人か、九人かを雇つてやるような漁業は自家労力と認めるということを言つておりました。重ねて質問したときに、首相は水産業も大いに重ずる、近く漁区も拡張せられるというような意味を強調されて、水産事業に資材が足りなかつたらどんどん言つて貰いたいというようなことを言つておりました。これは質問には全然関係なかつたのだが……。それから只今衆議院の川村議員から、こういうことを相談に参りましたから、御報告いたします。漁業法の一部を改正する法律案を今回出したい。その要領は、第八十五條第三項第一号中「被選挙権を有する者につき選挙した者七人」の下に「(北海道の海区漁業調整委員会にあつては十一人)」ということに改めると、即ちこれは海区漁業調整委員の数の問題です。内地においては七人、選挙した者七人、それから学術経験者が三人となつておりますが、それを北海道においては選挙された者を十一人にして、あと三人の学術経験者を加えて十四人にしたいという改正であります。それを衆議院の方で出したいから、できるだけ一つ協調願いたいという申込みであります。

千田正第一クラブ

○千田正君 この内地におけるところの七人と、それからあとの三人ですね。これはやはり運営上の関係のバランスの意味から、そういうふうに定めてあると我々は首肯するのでありますが、今の北海道のお話を聞くというと、十一名であつて、更に学術経験者を三名、内地と変わりがないということになると、そういう点についての運営のバランスはとれていないのじやないのですか、水産庁当局の御意見を伺つて見たいと思います。

山本豐水産庁次長

○説明員(山本豐君) その点私も突然で、はつきりしたことを申上げ兼ねるのでありますけれども、学術経験者と、それと漁業者の代表というもののバランスというものは、内地が七対三なら、北海道は仮に十一人にするならば四人にするとかいうのが、これは常識論だと思うのですが、ただこの漁業者の代表ということを今度の制度改革については重税しておるようなわけですから、学識経験者というものは、これは附けたりのような恰好になつておるのですが、そういう意味で、そう問題にしなくてもいいようにも考えられるのですが、北海道などは、これは当時市町村区域でやるというふうになつていたのです。それをやはり十ヶ町村ぐらいを一つにしちやつたのです。市町まではいかないのです。川村さんのようなことが出て参つたのだろうと思うのです。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 内地においては大抵一県の海区が二つ、三つ或いは四つになつておりますが、北海道は一村でも殆んど大きい村は一県に相当するものがある。それを十ヶ町村も併せて、それを一海区にして七人の委員では問題にならぬということも言つておりました。そういう関係で十一名に殖やす、千田委員の言われる十一人に対して学識経験者の三人はバランスがとれないのじやないかというようなお言葉がありましたが、そのことについては私の方で尚川村君にその旨を通報いたします。

青山正一日本社会党

○青山正一君 今の問題についてちよつとお聞きしたいのですが、政治的なからくりが中に人つておるかどうかということを一つお聞きしたいのですが、それはこの前から衆議院の委員会におきまして、海区の問題について相当騒ぎが起きておるのですが、そういつた問題に絡んで政府は一つの安全弁というか、妥協の途というようなことで、そういつた方法を講ずるようなことで、関係方面に当つた結果オーケーを貰つた。こういうふうなことになつたのじやなかろうかというふうに想像する向が多いように思うのですが、そういう点があるのですか、ないのですか。それからもう一つは、この選挙は八月十五日ということに決まつでおるのですが、そういつた場合において、北海道だけそういうふうな別扱いにするというのは、いろいろな用意とか、そういつた面に差障りはないのですか、どうなんですか、その点について一つお聞きしたいと思います。

山本豐水産庁次長

○説明員(山本豐君) これは青山さん御存じと思いますが、衆議院で、この開会の前に委員会がありまして、そのときに出た話は、北海道は市町村に置く、法律でもそう書いてありますし、又当時水産庁から北海道に出張して行きまして説明するときに、無論市町村單位に置くというふうな説明をしておつたのであります。ところがその後関係方面と最後的折衝の段階に入りまして、北海道が少しこれでは多過ぎるというようなことで、結局まあ十ヶ町村くらいを一つの区域として、百ヶ所が四十九ヶ所か何かに減らされたわけであります。そういうときに衆議院あたりと連絡が不十分であつたので問題になつたわけでありますが、併しそれはそれといたしまして、確かに北海道においても市町村という考えは初めあつたわけでありますから、それを海区をこの際いじり廻すということは、今の青山委員のお話でないけれども、選挙間近でありますので、これは非常に困るのではないか、ただ選挙される人間を殖やして、その間の調整を図るということはこれは比較的まあ実害が少ないのではないかというふうに思うわけであります。

青山正一日本社会党

○青山正一君 この問題は只今の次長のお話で了承はいたしましたのですが、今後こういう事柄がたびたび起るとすれば、政治も何もあつたものでなかろうと思います。そういつた意味におきまして、農林省では万全の策を講じて、こういうふうな間違いの起きないように予め注意してやつて頂きないと思うのです。一々代議士からそういうふうな文句が出た、それによつて農林省が言訳的にそれを変えるというふうなことは、これは政治があつてないと同じようなものだと私は解釈しております。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) これはいずれ法案が廻つて来ましたら愼重審議いたすことにいたします。その際に一つ御発言を願います。ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて……只今農林大臣がお見えになりましたので、本日の議題であります金融問題について、各委員の御質問を願いたいと思います。先ず今回の底曳漁船の整理問題についての補償からお願いいたしたいと思います。

青山正一日本社会党

○青山正一君 前国会におきまして決定いたしました水産資源枯渇防止法によつて許可取消しを受ける以西底曳船に対する補償金額について御質問申上げたいと存じます。後程秋山さんからいろいろ御質問もあろうかと思いますが、大体この法律によつて三百隻以上の船が整理されるわけでありますが、この面に関しておりますところの以西底曳漁業者の苦境というものは、これは想像に余りあるものでありますが、いろいろな情勢から考えて見まして、これは止むを得ないことであります。併しながらこの本漁業というものは、終戰直後、食糧増産のため農林省がみずから、国家みずからが奨励して急速に発展せしめた漁業であり、船一組造るにいたしましても、木船で数百万円、或いは鋼船で一千万円を越え、漁具その他を含めますと、優に数千万円を要するのでありまして、この減船によつて及ぼす損害というものは非常に大きなものであります。この一千万円以上もかかりますこの損害額を、全部が全部今度の法律によつて政府が補償せよということは、これは国家財政から考えて見まして、なかなかむずかしいことでありますが、農林省では、この問題に関しまして、その最低の線で極く切詰めて、一組三百二十万円という補償要求を提出しており、これに対しまして、大蔵省は、先程も申上げました、この一千万円の中の僅か一割に満たぬ百十万円そこそこで査定になつておられる様子であります。これじや問題になりません。そこで私は大臣にお願いいたしたいことが二つあるのであります。大臣は私の党とは全然反対の立場にあるお方でありますが、曾ては社会主義的な傾向の強かつただけに、酢いも甘いもよくわきまえたお方で、非常に政治力の強い、実行力のある、少くとも自由党ではこの点第一人者であると聞いておりますが、その力をお願いいたしまして、この問題に関しまして、第一に、このたび農林省で、最低の線として一組三百五万円再要求をなさつておられるようでありますが、この線を必ず守つて頂いて、力強く大蔵省に折衝して頂きたいということと、それから第二点として、こういつた、減船の対象になつたものを、海上保安庁で、今度の朝鮮の問題に関しまして、例えば哨戒の任務をやつて貰うとか、場合によればマッカーサー・ラインの外で働いて頂いて、食糧難で喘いでおりますところの南鮮なり北鮮なりに、新たにそのライン外で働いて漁獲されたものを供給するとか、そういつた任務のため、海上保安庁に減船の対象となつたものを賃貸する、これは廣川大臣なら必ずできると思いますが、この二点について大臣の見解を承りたいと思います。それからついででありますが、農林大臣のこの力強い政治力を以ちまして、例えば減船の対象となつておりますところの船舶と失業船員を救助する意味におきまして、整理船の中から優秀船を買入れまして、漁撈技術の優れた者を乗組ませて、漁場の調査とか、或いは研究に当らせると、例えば方法は、半額を政府が補償する、半額は民間の業者団体が負担する、これは大臣ならば必ずできると思いますが、こういつた計画でやる気持があるかどうか、この三点について承わりたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(廣川弘禪君) 今まで懸案になつておりまする以西底曳の補償金に関する問題でありまするが、これはあなたのおつしやる通り、全く食糧確保のために政府が奨励して、非常な早さで造らした船であり、又今まで日本の食生活に非常に貢献をざれた船であるわけですが、これを今回整理する、その整理するについて、基礎算定が農林省案の三百万円を支持するかどうかという話でありまするが、私はこれは全く妥当であると考えております。で就任以来大蔵省に再三再四今交渉いたしておるところであります。最初七千万円でありましたが、それから段々せり上つて、近頃は一億三千万円程度にせり上つておるようであります。昨日も事務次官と同道いたしまして、池田君攻撃に参つておるのでありまするが、これをできるだけ農林省の最初の案に漕ぎつけたいと思つてやつております。それから、この船を保安庁の方に向けてはどうかというお話ですが、これも私考えまして、保安庁の方に話してありまして、手頃な船でもあり、特に無線電信も備えてあり、又航海技術等の優れておる人達も乗つておるのでありますから、これはどうかと言つて私話してあります。それから、優良船をその中からピック・アップして、これをいろいろな漁業のの調査に資したらどうかというお話でありまするが、これは私実はあなたから今大変よいことをお示し頂きましたので、これは省に歸りまして、皆さんと相談いたしたいと思つております。それからマツカーサー・ライン外において、哨戒或いはその他のことについて、この船を用いたらどうかというお話でありまするが、これは昨日どういう関係で、総理が漁区の拡張というようなことを申したのか、まだ私存じておりませんが、何か考えておるのではないかと思つております。又私達の間におきましても、その辺のことを今研究いたしております。発表や何かということでなく、我我は内々一生懸命漁区の拡張についても、我々ででき得ることを十分今考えておる最中であります。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 只今青山委員からの質問に対しまして、大臣からの御努力の御様子を承わりまして、非常に感謝いたしておるものであります。この以西底曳減船につきましては、すでに昨年この問題は大綱を決めて、その事務的の取扱いを当局ば進めておられたのでございまして、先に資源枯渇防止法が制定されましたために、その法律によつて減船さるべき漁船に対する補償が決定したのであります。その間の期間は比較的短いと存じますけれども、すでに減船という問題は早くから決定しておつたものであります。而して、本月から実行の段階に入りまして、八月三十日を以て、約八〇%の漁船が減船になる予定であるのであります。ところで、現在の漁業界の状態は、御承知の通り極めて金融方面におきましても緊迫した状態にあります。又漁獲は著るしく減じつつありますし、更に統制撤廃の結果といたしまして、魚価が暴落して来たというような、いろいろな悪條件の下に非常に困つておるのでありまして、今日次々に減船の処置を各業者がやつて行くにしましても、先ず第一に漁夫に対する退職の方法を講じなければならない。この金融に非常に困つておるのであります。これも現在この以西底曳網は休漁中でありまして、そうして各漁船の修繕、補修をやつておりまして、收入は全くないのであります。出漁するにしましても、或いは九月の中頃及び十月にならないと出て行きませんが、その漁獲の收入は、今日の状態でありますと、十一月を過ぎなければ、その売上げの金が入つて参りません。要る一方の際でありますので、この際補償の問題も早急に決定しなければならない。況んや支給にならないということでは漁夫を解雇することもできない。その間給料も払わなければならない。二重、三重に費用がかかりましてできるだけ早くこれが決定をお願い申上げたいことと、現在のような大蔵省査定では到底業者としては辛抱ができない状態であります。くどくどしく申上げるまでもなく十分御承知のことと存じまするので、是非とも早い機会にこれを解決して頂くことと、若し本年度において水産庁が最低の案として出しております復活要求が、本年度におきましても全額支出ができないといたしますれば、一部は明年度に亘りましてもやむを得ない。是非今日の業者の窮状を篤と御推察頂きまして、是非ともこの最低線は確保して頂くように一層の御盡力をお願い申上げたいと思います。私共はかねがねこの漁船が今になつて多過ぎるということは業者にその罪はないものと考える。私共はあの食糧難の時分に、これはお互いに取敢えず食糧を補給しなければならんということで、決して業者は勝手に漁船を建造したのではありません。その筋とも然るべく十分連絡して許可をとり、多額の資金の融資を受けて漁業生産に努力しておつたのでありますことを特に御考慮をお願いいたします。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(廣川弘禪君) お説の通りでございます。業者の陳情を、私党におるときからよく聞いて了承いたしております。まだ大蔵大臣と二回でいいということで妥協しておりません。全額出せと今突つ張つております。業者の方では二回でもいいという声を聞いております。苟くも一旦農林省として、そういうことを発表しておるのでありますから、いろいろな都合もあると思いまして、できるならば一回でやつて貰いたいということを私大蔵大臣によく話をしております。できるだけ早くいたしたいと努力いたしております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 大変快く御答弁を頂きました。我々業者はこのたびの内閣改造によりまして、廣川大臣をお迎えしたことは、実は廣川大臣は水産には余り御経験はないと存じますけれども、非常に強い政治力を持つておられるということにおいて、必ずや我々の期待は挙げられるものだという非常な期待を持つておるわけであります。是非とも一つ、かねて水産業は下積みになる嫌いがあるのであります。この際一つ水産のために格別の御配慮を頂きたいと思います。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 次に、一般水産金融について御質問がありましたらお願いします。

千田正第一クラブ

○千田正君 一般金融の中で私は基本的な問題と、それから早急にお願いしなければならない問題と、二つに分れると思いますが、基本金融の問題としましては、水産業に対するところのいわゆる信用保証制度、或いは長期資金借入に関係しまして、水産或いは漁業金融金庫というような特殊金融の銀行或いは銀行に類似した金庫を必要とするということは前々から我々が要望しておつたのでありますが、幸い廣川大臣であれば、こういう問題は相当強く解決の方向に向つて頂けると思いますが、この点につきまして大臣の御見解を伺いたいと思います。  それから現在、我々水産業の立場から最も必要としておるのは、この新協同組合法が設定されて、今当面しておるところの各県の重要問題というものは、前のやはり漁業会から引継いだところの財産、いわゆるこの財産が、インフレの收束に当りました今日において引継いだために、非常に赤字の固定資産を引受けなければならない。更に流動資産も固定してしまつておる。全国の業者の概要を見ますると、大体四十億という非常なる厖大なこの赤字財政を、今度の新漁業協同組合が引受けなければならない。現在十分でないところの漁業金融の状況において、更にこのような赤字財政の財産を引受けて、新漁業協同組合が先ずこの発足に当つて大きなデツドロツクにぶつかつて来ておる。これを解決するには何とかして長期の貸付、或いは特殊な金融政策を講じなかつたならば、折角この法律によつて設定されたところの漁業協同組合というものは、もうすでに発足から破綻を来しておる、この点について是非これは育成しなければならない。又強化して行かなければならない。この漁業協同組合に対しまして、大臣としてはどういうお考えを持つておられまするか、この際一つ力強い御回答を頂きたいと思うのであります。  それから特にこの今秋の漁業の著業資金が今の状態であるというと、殆んど方途が見付からない、金詰りというものは、まあ全部の部門になつておりますけれども、殊に漁業についてはひどい。今秋の著業資金などは、大体水産庁あたりの調査によりますと、あらゆる調査した点においても合致しております。百七、八十億なかつたならば、今秋のいわゆる漁業に対する著業はできない。こういうような非常に緊迫した状況にありますので、こうした点につきましても、我々としましてはどうかして低利の貸付或いは長期の貸付、若くは何かの信用保証制度というものを確立して頂いて、水産業の健全なる発達を期して頂かなければならない。そういう点につきまして、廣川大臣の御回答を頂きたいと思うのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(廣川弘禪君) 金融問題は、これはどこでもなかなかむずかしい問題であるのでありますが、特に水産方面におきましても、御多聞に洩れずに非常に困つておるようであります。長期の金融に対しまして、公庫のようなものを作つたらどうかというお話でありますが、私農林省へ入つて見ましてつくづくそう思つたのでありますが、長期資金はどうしても要るのであります。水産に拘わらず、その他の農林全般に関して長期資金が非常に必要に見えております。これを新たな特殊な銀行のようなものを作るといつても、なかなかこれは人的構成その他によつて困難のようでありまするから、私は今度やろうとしておる輸出入金庫のような極く簡單なもので、而もそれを農林中金等をして下請さしてやらして、その金庫には單に預金部資金等を沢山それに預託いたしまして、その金を中金あたりで利用して行く、こういうような形のものが一番手取り早いのではないかということを、これは閣議の了解を得てもございません、省議にもかけてもおりませんが、そういつたものでなければ、これは救われないのじやないかという考えを持つております。その他中金を十分これを活用いたしまして、幸い資金も殖えて参つて来ておりまするから、これを極度に利用いたすと同時に、或いは又手形等もこれを十分活用いたしまして、万全を期したいと思つております。まだ差当つてこれをこうする、ああするという手は打つておりませんが、省内でよく意見をまとめまして、業界の発展し得るように考えたいと思つております。

千田正第一クラブ

○千田正君 今の御答弁の中に、公庫のような問題についてはなかなか資金が早急には出ないであろうから容易ではないという点につきましては、私も同感でありますが、ただここに水産に関する関係から言いますというと、幸いなことには丁度農地開放と同じように、農地の買上げと同様なのでありますが、新らしい漁業法によりまして、漁業権に対するところの政府が支払うべきところの金がある。この金は全額それを直ちに支払わなくちやならないのでありますけれども、それを一部こういう公庫に出資させることにしまして、この水産金融の将来のいわゆるべースを作つたらどうかということを我々として考えておるのであります。それで今直ぐに右から左にどこにも置いてないところの金をよこせというのじやなく、当然この漁業権に対して政府が支払わなければならない金を公庫に積立てて、それによつて長期の水産の金融の発達を図るべきであるというのが我々の要望なのであります。この点を十分お含みの上、こういう問題につきまして御善処を題いたいと思うのであります。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(廣川弘禪君) あなたの着想のようなことも省内でよりより話合つて聞いております。これをいろいろ相談いたしまして、具体化に努力いたしたいと思つております。   —————————————

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 次に、漁船保險制度の問題を議題に供します。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 漁船保険につきましては、まだその制度が比較的新らしいのでございますけれども、現在動力を付けた漁船が全国に約十万隻程度のものができております。そのうち二万隻に足らない一万七、八千隻のものが保險に加入しておる状態でありますが、今日この漁船保険は、農林省がやつておられますところの組合による保険制度は料率において一般会社のものと比較いたしまして、余程安いのであります。業者にとりましては非常な便益を頂いておりますが、ただ事故のあつた場合に、この保険の支払が非常に遅いのであります。それは何によるかと申しますと、この保険金がやはり定期に入つて来ないというために、中央においてその支払をする金に困るということから、これが遅れるのでありまして、業者といたしましては、損害があつた場合に直ちに手を打たなければ、遅れれば遅れる程損害が嵩むのであります。この点民間会社の保険と非常な遜色があるのであります。従つてこの保険に加入する度合いが非常に遅れておるという関係から、若し多くの船が保険に入りますならば、金融の途も非常に都合がいいのであります。或る地方におきましては、大部分の八〇%、九〇%を担保といたしまして、銀行から金を引出しておる事例もあります。ただ一旦損害のあつた場合に金を貰えなくちやしようがないじやないかというところから、この発達が非帶に遅れておりまして、待つて是非とも政府がこれに対して、一般会計から保険に対する基金を繰入れて置いて貰いたい。これはなくなる金じやありません。一時の立替えのための金でありますから、決してその損失を見る金じやございませんから、是非ともこれをやつて頂きたいと思います。農業の面から比較いたしますと、水産の方はお話にならない程貧弱な状態であります。この点について大臣は如何ように考えておりますか、今後これを拡充する意思があるか、若しおありとするならば、一つ急速におやりになる意思があるがどうか。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(廣川弘禪君) その問題も大分業者から陳情を聞いて承知いたしております。基金を設定しなければならんということも、これも陳情のうち、又は省内の者から聞いて承知いたしておりまして、具体化に努めたいと思つております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 今一つお尋ねいたしたいのであります。只今朝鮮事変が起つておりまして、特にこの西日本における漁船は非常な恐怖を感じつつあります現在、差当つてどうこうという損害はありませんが、いわゆる戰時状態に入る可能性が多分にありますために、あの海域で操業いたしまする漁船は非常な不安を持つております。万一この事故の起りました場合には、現在の保険では保険金をとることができない。従つて戰時保険と申しますと、言葉がおかしいのでありますが、特別保険とでも申しましようか、そういう災害について特別の御考慮を払う意思かありますか、その点を一つ……。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(廣川弘禪君) これはお説御尤もであります。かようにいろいろな言葉で現わされている事変でございますが、戰争状態には聞達いないのでありまして、拡大するにつれて漁船の損害が相当起ると思います。これについて速急に措置を講ずるように努力いたします。

千田正第一クラブ

○千田正君 さつきの協同組合の引受財産の赤字財政補填並びに新聞協同組合の運営に対するところの金融政策として、廣川大臣のお答えが明瞭でなかつたように思いますが、これが預金部資金その他からこれは出して頂けるようなことがありませんかどうか、その点を一つお聞きしたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(廣川弘禪君) 先程言い漏らしましたが、一般農業協同組合と同様に、これは預金部資金等を流用いたします。それからもう一つは、これは予算に影響いたすのでありますが、補給金でも出して、他から借入れたものの利子を補填するような方途を考えないといかぬと思います。前の団体から引続いた価格が非常に高率になつていることは誰しも分つておるのでありまして、それがために運営が非常に悪くなつているようでありますから、補給金、それから預金部資金等を早急に考えたいと思つております。

青山正一日本社会党

○青山正一君 廣川大臣に特にお願いしたいのは、この補給金の撤廃によりまして、大体第一・四半期には二十八億の差額かあるわけであります。つまり業者の負担か二十八億の差額がある。第二・四半期には四十八億、つまり業者負担、余分にかかるものが四十八億、それから第三・四半期には二十三億、第四・四半期には四十億、こういつた面から考えて、大体今年は百四十億だけ余計に、昨年よりは資材の面から考えて余計かかる。こういつた面を特に御研究頂いて、その面から一つ金融の途を講じて頂かれるかどうかという問題と、それから先程から千田委員なり或いは秋山委員からいろいろ問題にしておりますところの、この漁業保険の問題とか或いは補償金によるいろいろな問題、つまり金融金庫を作るとか作らぬとかいう問題、その他に災害補償制度或いは信用保証制度、つまり信用保証制度というのは、ただ單に定置とか、巾着とか、或いは底曳とかいう業種別の関係のみに止まらず、日本全国の漁業者がお互いにそれを共済し合う、お互いに信用を保証し合うというふうな信用保証協会というようなものを作り、いわゆる基本的な金融の面に進んで行くお気持があるかないか、その点について承わりたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(廣川弘禪君) 只今申しました相互保証の関係、それから又今やつている保証制度に対する欠陷等についても、私今勉強中でありまして、まだこの点成案を持つておりません。ただ今やつておる保証制度について非常に欠陷がある。基金もやはりない、それから又これにも五千万円くらいの赤字があつて、これもどうしても埋めなくちやならんというような具体的な個個の面を見ておりますが、大きく総合的に考えてやろうということは、まだ確たるものを持つておりません。   —————————————

青山正一日本社会党

○青山正一君 ちよつと一般質問を……。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 農林大臣に対する一般質問を許します。

青山正一日本社会党

○青山正一君 この機会に極く簡單に一つ御質問申上げたいと思いますが、最近中央審議会の委員の選任の問題に絡みまして、廣川さんの方の党の関係の衆議院の水産委員会の方々が、この委員を辞めさせるとか、どうとかと、えらいお騒ぎの様子ですが、一旦総理大臣の発令によつて決まつた事柄を、そういうことができるかできないか、そういつた問題についてお聞きしたい。又そうすることが、総理大臣に対する不信任ということになりはしないかどうか、これについて大臣の御見解を発表願いたいと思います。それからそういつたいろいろな問題から絡んで、国会無視とか、或いは官僚独善というようなことで、一課長なり或いは事務官が吊し上げになつておられるような様子でありますが、大臣としてこれについてどういうふうなお考を持つておられるかどうか、重ねて申上げますが、つまり中央審議会の委員の任免権は総理大臣の責任にあり、又最近やかましく論ぜられておりますところの漁区とか或いは海区の問題は、これは結局森農林大臣の責任下にあつたと私は解釈するのでありまするが、この点について廣川大臣の御見解を明らかにして頂きたいのであります。  それからもう一つは、森農林大臣と飯山長官とのああいうふうな争いの原因も、結局お互いの感情上のもつれというよりも、大臣自身が渉外関係の仕事をおろそかにした結果と私は考えるのであります。それで廣川大臣は、農林大臣として対渉外関係の御交渉を、以前の森農林大臣のようにやるつもりか、やらぬつもりか、その点を明らかにして頂きたい。  それからもう一点は、今度も又漁業権改正の問題、即ち紀伊水道の問題で、衆議院の水産委員会で、特に本日の自由党の総会におきましても論ぜられるわけでありますが、取上げようと計画されておられる様子であります。今日の衆議院の水産委員会で提案されるわけでありますが、こういつた問題は、徒らにあなたの方の自由党の内部の醜悪を天下にさらすだけで、それよりも大臣の力強い政治力を以て適当に、例えば瀬戸内海の規則を改正し、紀伊水道に入れておりますところの和歌山或いは徳島に多少の特典を認めるとか、或いは船のトン数々多少殖やしてやるとか、網目の細かい漁網も多少は考えてやるとか、或いは季節的に移動性のある、いわゆる法律の堅苦しさというようなことではなく、つまり廣川大臣の政治力で以て潤いのある、いわゆる政治力で解決するというふうな行き方でやるお気持があるかどうか、この四、五点について承わりたいと思います。

廣川弘禪自由党農林大臣・行政管理庁長官

○国務大臣(廣川弘禪君) どうも答弁しにくい質問ばかりで……。審議会の委員の任命については御承知の通りであります。責任は農林大臣にありまするので、全部私が責任を負いまして、一切私に任せろということで、衆議院の委員会は私に任して貰つてあります。一課長の責任でないことを言明いたします。  それから飯山君と森君との何か気まずい関係は、私よく分りませんが、私も飛ばつちりを食つて斡旋これ努めたのですが、併し飯山君は外遊するときに気持よく私の所に挨拶に来て、喜んで旅立つて行つたことを追記いたします。  それから渉外関係は、私至つてベロが動かないので困るのですが、でき得る限り努力いたします。  紀伊水道の関係は、党にいたときも大分中に入れられて問題にされたのですが、何か正式に委員会から私に呼出しがございません。もう持つて来る筈じやないかと思つておりますが、私の所にまだ持つて来ませんので、如何ともまだ返事をいたしかねます。

木下辰雄緑風会

○委員長(木下辰雄君) 外に一般質問ありませんか……ないようでございますから、本日の委員会はこれを以つて散会いたします。    午後零時二十六分散会  出席者は左の通り    委員長     木下 辰雄君    理事            青山 正一君            千田  正君    委員            秋山俊一郎君            入交 太藏君            松浦 清一君            櫻内 義雄君   国務大臣    農 林 大 臣 廣川 弘禪君   政府委員    水産庁長官   家坂 孝平君   説明員    水産庁次長   山本  豐君

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