決算委員会 第2号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1950/07/19
会議録
○委員長(前之園喜一郎君) 只今より決算委員会を開会いたします。本日の議事日程に入ります前に、昨日委員長と理事の打合会をいたしましたので、その結果を御報告を申上げて御承認を願いたいと存じます。 昨日打合せをいたしましたことは、第一に、この決算審査方針というものが昭和二十二年の八月六日に議決せられておるのでございます。ところがこの審査方針の中に、両議院の決定の單一化ということを強く考えられて、衆議院と参議院の合同審査を行うという方針が確立せられておるのでございます。ところがこれまでの実績によりますると、合同審査が行われたことは殆んどないように聞いておるのであります。それは、その決算の取扱の時期、審査の時期等が必ずしも衆議院と参議院と一致しないというような点もあるようでございまするので、今までは両院の合同審査が余り有効的に行われていないということでございますので、こういう点から考えまして、将来はこの委員会の合日同審査ということでなく、両院の委員長理事の打合会を行つて、そうしてできるだけ両議院の決定の單一化を図つて行く、こういうような方針で進んだ方がよくはなかろうかということになりまして、委員長理事打合会では大体そのように方針が決まつたわけであります。 尚その決算審査方針につきましては、刷りものにいたしまして、委員各位のところに配付いたしますが、昨日委員長理事の打合会で決まりましたことを御承認をお願い申したいと思いますが、昨日の打合会の通りの審査方針に決定して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) ではそういうことに決定いたしまして、後程印刷物を皆様のお手許に配付することにいたします。 次に昭和二十三年度の一般今本計、特別会計の決算の審議でございますが、これは実は第七国会において、一応政府並びに会計検査院の説明を聞いておるのでございます。ところが、御承知のように今回大部分の委員の方々がお変りになりまして、殆んど本委員会の三分の二はお変りになつておられますので、更に改めて政府の御説明乃至会計検査院の御方針を承ることが審議の上に非常に便宜ではなかろうか、こういうことで最初からやり直すということに相成つた次第であります。これも御承知をお願いいたしたいと思います。 尚将来の審議の方針といたしまして、御承知のように今国会は余すところ幾らもありませんので、この厖大な審査は到底できないだろうということが考えられまして、今国会におきましてはこの公団の問題、今問題になつておりますが、公団の不正問題、それから薪炭需給特別会計の問題、こういうような問題のそれぞれの関係者から説明を聞きまして、そうして更にその問題をどういうふうに進行するかというようなことにしたらどうだろう、こういうような相談があつたわけであります。そうして時間がありましたならば、更に二十三年度に関しまする検査院の報告の中にありまする給與に関する問題であるとか、或いはその他重要な各省に関係のあるものだけの審査をいたしまして、例によりまして分科会を設けるというような方針で進みたい、こういうようなことになつておるわけでありますが、これらの点について御意見がございますならば承つて置きたいと考えます。若し委員長理事の打合会の通り御承認下さいまするならば、只今申上げたような方針で進行いたしたいと思いますが、如何でございましようか。
○尾山三郎君 私共初めての決算委員でございますが、大体二十三年度の決算は第七国会においてすでに承認済に相成るのが順序、妥当ではないかと考えますが、今回は臨時国会であつて臨時国会がなければあれは暮の議会に持越されるということになりますが、大体国会の決算は二十三年度分に対してはいつまでに承認をすればよいのか、期日等において限定があるのですか、又無制限でありますか、その点についてちよつとお伺いいたします。
○委員長(前之園喜一郎君) お答えいたします。時期については制限はございません。なるべく早く結了する方がよいと思いますが、今まではいろいろな事情で遅れております。時期についての制限はございませんから、御了承願います。 外に何か御意見はございませんか。……外に御意見もございませんければ、昨日打合会で決まりました通りに、本日先ず昭和二十三年度一般会計歳入歳出の決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出の決算について政府並びに会計検査院の御説明を承ることにしたいと思いますが、御異議はございませんか。 〔「異議言なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) 尚その前にもう一つ御相談申上げたいと思うのでございますが、それは休会中に調査のために問題のありまする地方に議員を派遣したいということが昨日決議されたのでございます。大体の方針といたしましては、北海道、東北、中国、九州、四班に分けまして、一班三名ぐらいの議員を派遣することにいたしたい、こういう意見でございますが、この点について御藤見がございましたならば承りたいと思います。別に御意見もございませんければそういうようなことにいたしまして、それらの手続等については委員長の方にお委せを願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前之園喜一郎君) それではさように取計らいます。 —————————————
○委員長(前之園喜一郎君) それでは昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算について政府委員の御説明を願います。
○政府委員(西川甚五郎君) 昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算及び同特別会計歳入歳出決算を会計検査院の検査報告と共に国会に提出いたしましたのでその大要を御説明申し上げます。 一般会計決算に計上いたしました歳入の決算額は五千八十億三千七百七十六万余円でありまして、これに対して、歳出の決算額は四千六百十九億七千四百六万余円でありますから、歳入歳出差引四百六十億六千三百六十九万余円の剰余を生ずる計算であります。併しこの剰余金額中には、昭和二十四年度に繰越しました歳出の財源に充てなければならない額が十六億七千五百七十九万余円ありますので、これを差引くと、結局昭和二十三年度一般会計の純剰余金は四百四十三億八千七百八十九万余円となるのであります。而してこの剰余金額中には昭和二十二年度剰余金の使用残額三十億八千五百万余円が含まれておりますので、これを差引きました四百十三億二百八十九万余円が本年度新たに生じた、剰余金となる計算であります。なお、右の剰余金は財政法第四十一條の規定によりまして、一応翌年度の歳入に繰入れるものでありますが、この二分の一相当額は同法第六條の規定によりまして、公債又は借入金の償還財源に充てることとなつております。 次に昭和二十三年度の歳出予算額協四千七百三十一億四千五百六十万余円でありますが、予算の決定後において昭和二十二年度から昭和二十二年に十七億千二百八十一万余円の予算の繰越を承認しましたので、右の歳出予算額と予算決定後の増加額を合計いたしますと歳出予算現額は四千七百四十八億五千八百四十一万余円となる計算であります。 以上昭和二十三年度の歳入決算額を同年度の歳入予算額に比べると、三百四十八億九千二百十五万余円を増加し、歳出決算額を同年度の歳出予算現額に比べると、百二十八億八千四百三十五万余円を減少しておる次第であります。 尚歳出予算現額のうち支出済となつた金額は前記の通り四千六百十九億七千四百六万余円でありまして、昭和二十四年度に繰越しました金額は十六億七千五百七十九万余円でありますから、これらの金額を差引き、昭和二十三年度歳出予算の不用となつた金額は百十二億八百五十五万余円となる計算であります。 次に昭和二十三年度一般会計における予備費の予算額は六十五億円でありますが、これの使用を決定いたしました金額は六十二億七千七百六十一万余円でありまして、結局差引予備費の使用残額は二億二千二百三十八万余円となる計算であります。右の予備費の使用につきましては、第七回臨時国会におきまして承諾を得ております。 次に昭和二十三年度一般会計の国の債務について概説いたします。 財政法第十五條第一項に基く国庫債務負担行為の昭和二十三年度の限度額は百三十二億八千三十万余円のところ、実際に債務を負担いたしました債務額は十億二万余円でありまして、これに財政法附則第四條に基く繰越国庫債務負担額四十億三千三百七十二万余円を加えますと、債務負担総額は五十億三千三百七十四万余円でありまして、そのうち本年度支出その他の事由によつて債務の消減いたしましたものは十五億五千七百五十三万余円でありまして、差引き翌年度以降へ繰越しました債務負担額は三十四億七千六百三十一万余円であります。 次に財政法第十五條第二項に基く国庫債務負担行為の昭和二十三年度の限度額は三億六百三十三万余円でありますが、実際に負担いたしました債務はなく、財政法附則第四條に基いて国庫債務負担行為となりました二億九千七百万余円がありますので、結局債務総額は二億九千七百万余円でありまして、そのうち本年度支出によつて債務の消滅いたしましたものは二億七千百五十九万余円でありますから差引き翌年度以降へ繰越しました債務負担額は二千五百四十一万余円であります。 次に公債でありますが、昭和二十三年度発行額は戰時補償特別措置法第六十四條に基くもの等が三百七十七億八千九百九万余円でありまして、これに既往年度からの繰越額千八百六十七億八百六十五万余円を加えますと、債務総額は二千二百四十四億九千七百七十五万余円でありまして、そのうち本年度償還その他の事由によつて債務の消滅しましたものは三十五億四百九十二万余円でありまして、差引き翌年度以降へ繰越しました公債の債務負担額は二千二百九億九千二百八十二万余円であります。 次に借入金でありますが、昭和二十三年度の借入額は百億円でありまして、これに既往年度からの繰越額五百三十九億千六百七十万余円を加えますと債務総額は六百三十九億千六百七十万余円でありまして、そのうち本年度償還その他の事由によつて債務の消滅しましたものは百億円でありまして、差引き翌年度以降へ繰越した借入金債務負担額は五百三十九億千六百七十万余田であります。 次は昭和二十二年法律第四十二号第九條第三項の規定による元臨時軍事費特別会計の借入金の借入額は七十億円でありまして、これに既往年度からの繰越額七十億円を加えますと、債務総額は百四十億円でありまして、そのうち本年度償還その他の事由によつて債務の消滅しましたものは七十億円でありまして差引き翌年度以降へ繰越した債務額は七十億円であります。 次は大蔵省証券又は一時借入金でありますが、その昭和二十三年度の発行限度額は六百億円であらましたが、実際発行した最高額は三百七十億円でありまして発行総額は八百九十億円応ありましたが本年度全額償還済みであります。 以上昭和二十三年一般会計決算に関して、極めて概略を申上げた次第であります。 次に昭和二十三年度特別会計の決算について一言申上げたいと存じます。 昭和二十三年度における特別会計の数は二十八であります。これら各特別会計の歳入の決算額及び歳出の決算額等につきましては特別会計の決算書によつて御了承願いたいと存じます。而してこれら各特別会計の歳入決算額の合計額は一兆千四百四十三億六十二万余田、歳出決算額の合計額は一兆九十五億九千五百二十八万余円であります。併しながらこれら各特別会計及び一般会計各相互間におきましては相当多額の重複額がありますので、これらを控除調整した決算の純計額は、歳入一兆千百六十八億六百五十六万余円、歳出一兆三百八十五億九千八十三万余円となる計算であります。 以上昭和二十三年度一般会計及び特別会計の決算に関しまして極めて概略を申上げましたのでありますが、更に御質問によつて御説明申上げたいと存じます。何とぞ十分御審議の程お願いいたします。
○委員長(前之園喜一郎君) じや次に会計検査院の検査報告をお願いいたします。
○説明員(東谷傳次郎君) 昭和二十三年度決算検査報告につきまして、その概要を説明いたしたいと存じます。昭和二十三年度決算検査報告には、憲法第九十條及び会計検査院第二十九條の定めるところに従つて、国の収入支出の決算の確認、検査上不当と認めた事項の外、会計事務職員に対する懲戒処分の要求、出納職員に対する弁償責任の検定、政府出資団体等に関する検査事項等を記述いたしてございます。 昭和二十三年度の一般会計決算額は、歳入五千八十億余万円、歳出四千六百十九億余万円、各特別会計の決算額合計は、歳入一兆一千四百四十三億余万円、歳出一兆九十五億余万円でありまして、一般会計及び各特別会計の決算額を総計いたしますと、歳入一兆六千五百一十三億余万円、歳出一兆四千七百十五億余万円となりますが、各会計間の重複額等を控除して歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入一兆三百五十三億余万円、歳出九千七百八十二億余万円となり、前年度に比べますと、いずれも倍額以上の増加となつております。 以上申し上げました一般会計及び各特別会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ検査が済んでいないもの、すなわち検査未確認といたしました金額は、一般会計におきましては歳入八千五百余万円、歳出百四十二億四千三百余万円、又特別会計におきましては、歳入八億一千二百余万円、歳出四百二十六億A千七百余万円でありまして、未確認額は総計額五百七十九億二千九百余万円に上るのであります。 この未確認金額のうち主なものは終戰処理費関係で概算拙いしたもののうちで、まだ精算を終つていないものなどが八十八億八千五百余万円あるのと、食糧管理特別会計の支出のうちで、まだ会計検査院で調査中のものなどが三百七十四億二千八百余万円あるのでそうなつておるのであります。 次に会計検査院は歳入徴収官及び支出官の歳入、歳出証明額と、日本銀行における現金出納の金額とが符合するかどうかをも検査いたしておりますが、その検査の結果によりますと、一般会計歳入において三百六十余万円だけ日本銀行の方が多く、これは主として出納職員が所属の会計年度を誤り、すなわち三十四年度歳入に属すべきものを二十三年度歳入として現金を日本銀行に拂い込んだものがあることによるのでありまして、また特別会計歳入において五千八百四十余万円だけ日本銀行の方が少く、これは主として出納職員が日本銀行の出納締切期日直前に現金を収納し、日本銀行への拂込みが日銀の出納締切期日に間にあわず翌年度になつて日銀に拂い込むようになつたものなどがあつたことによるものであります。 次に会計検査の結果会計経理上不当と認めた事項、すなわち批難事項として昭和二十三年度検査報告に掲げました事項の件数は、歳入に関するもの三一九件、歳出に関するもの一九〇件、その他国有物件に関するものなど一一四件、合計六二三件に上り、前年度の三八六件に比較して著くし増加しておりますことは、国家財政が国民の租税などを主な財源としておりますことに鑑みまして、甚だ遺憾に堪えないところであります。 尚、不当と認めた事項のうち、事態軽微等の事由でこの検査報告に摘記しなかつたものは多数に上るのでありますが、これらについては別途にそれぞれ関係機関に対し嚴重な注意書を発しておきました。前に申し上げました六二三件の批難事項につきましては、この検査報告の第五章に詳しく記述してありますから、これによつて御承知を願いたいのでありますが、一応全体を通覧してその概要を申し上げます。 第一は歳入の収納未済についてであります。 一般会計の二十三年度の収納未済額は八百十四億余円であり、これに特別会計の収納未済額三百三十九億余万円をあわせると、収納未済額は一千百五十三億余万円の多額に上り、更にまだ徴収決定をしていない金額を考慮すれば、事実上の収納未済額は巨額に上るものと認められます。これらの収納未済額は、そのうち租税収入六百六十四億余万円を除きますと、その殆んど大部分が物件の売渡代金又は貸付料その他国の反対給付を伴う収入であり、而もこれらの代金、料金等については前納の建前となつておるものについても前納させないて処理するなど、収入確保についての処置が十分でない点は改善の必要があります。 第二は政府の支拂遅延についてであります。各官庁で工事等を請負わせ又は物品を購入した場合、その代金の支拂が著しく遅延しているものが少くなく、ことに終戰処理費、国有鉄道事業関係等にその事例が多くみられるのであります。このような事態は各官庁で予算を超えて債務を負担したり、支拂手続に関する事務が澁滞したり、支拂資金が不足したことなどがその原因として挙げられるのでありまして、先般公布をみました政府支拂遅延防止等の法律によりまして此の点は余程改善されることとは存じますが、尚一般的には予算を計画的に経理すると共に、支拂事務を促進する必要があります。 第三は職員の厚生施設についてであります。 時節柄の傾向といたしまして、予算に積算がないのに職員の宿舎等を新設したもの、予算を流用して職員の厚生福祉施設を新設拡張した事例などが各官庁に見出されましたが、これらのうちには事情の諒とすべきものもありますので、今後は必ず予算に計上してこれを実施すべきものと考えます。 第四は工事の施行についてであります。 二十三年度中におきまして、公共事業費関係の事業費は四百八十九億余万円、終戦処理費関係工事費は百八十九億余万円で、これを合計いたしますと六百七十八億余万円の巨額に上るのでありますが、その施行に当り処置当を得ないものが少くないのであります。即ち工事の計画又は設計の立案に当りまして、調査研究が不十分なため結局工事が失敗に終つたり、工事の手直しをしたものがあり、又契約当時の設計を変更して契約代金の増額をするに当りまして、過大は積算をしたり、更に工事の完成検査が十分でなく、請負人の工専費についての申出額をそのまま認めて過大な支拂をなしているもの、あるいは官給材料の残称の回収について何らの処置をとつていないものが少くないのであります。 第五は補助費についてであります。 補助費の昭和二十三年度支出額は一般会計及び各特別会計を通じ二千百八十億余万円に上つておりますが、補助事業が年度内に完成せず、甚だしいものは着工さえしていないのに、年度末にいたつて補助金の全額を支出しているもの、或いは補助金交付当時精査すれば補助金交付の必要がないか、又は少額で足りることが判明したはずであるのに、示達された補助予算全額を交付したため補助超過となつておるもの、或いは補助金交付後における事業実施状況の確認が十分でなく、補助事業の精算及び超過交付した補助金の高取についても漫然放置しているものが少くなついのであります。 第六は事実に基かない不当の支出についてであります。 工事の施行、物品等の購入の事実がないのに、その事実があつたように関係書類を作為して小切手を振り出し、その金を別途に保管して、交際費旅費等に使用したり、職員宿舎の新営、物品の購入費などに充てるなど、予算を無視して随時随意の費途に使用している事例が認められますが、このような作為は会計経理として、甚だ公公明を欠くものであるばかりでなく、関係者が公金をほしいままに費消する誘因ともなり、嚴に成むべきものであります。 第七は物品の経理についてであります。 物品の経理につきましては、従来から現金に較らべ、とかく軽視される傾向が少くありませんので、二十三年度においては特に物品経理の状況を重税して検査を施行しましたところ、終戰処理費関係、薪炭需給調節、国有鉄道事業等におきまして、特に改善を要する事項が多いと認められました。即ち物品の調達にあたり、実状をよく把握しないで購入したために多額の過剰品を保有することとなり、止むを得ず購入後間もなく不明品として他に売り渡したような事例があります。 又物品の出納につきましても、物品出納簿の記帳整理が十分でなく、甚だしいのは数年にわたり現品を確認することなく放置し、帳簿上の在り高と現品保有高とが符合しなかつたり、故意に帳簿外に保有してこれを使用したり、或いは現品は拂い出しているのに仮渡整理をして、物品出納簿には現品があることとなつているものなど、正規の佛出手続を経ていない事例があります。更にその保管にあたり注意不十分のため、これを亡失したり、品質低下を生じさせているものがあるなど、物品の経理については特に制規による的確な経理と保管上周到な注意が望ましいと存じます。 第八は国有財産の管理及び処分についてであります。 国有財産の管理についてその効率的運用を図つているとは認められない事例が多く、例えば公用財産がその用途は十分活用されないでいたり、普通財産のように利用されていたり、普通財産でも特殊の目的のため特に低価で貸付けたものが、その目的外に使用されていたりしているものなど、当然利用の現況に照らしまして調整を要すると認められるものがありますのに、そのまま放置されている状況であります。 又財産の売渡処分についても、不当に低価に売り渡しているもの、財産売渡代及び財産貸付料の徴収が著しく遅延しているもの等、その経理が妥当でないと認められるものが多くあります。 第九は職員の犯罪についてであります。支出官の補助者が小切手用紙及び官印を盗用して僞造小切手を振り出し、金銭を詐取したり、出納職員又はその補助者が所得税その他の収入金等を横領したり、司法事務局の職員が収入印紙に消印をしないで、これを横流ししたなどの事例が多く厳正な官紀の確立が望まれます。 以上その概要を説明いたしましたような不当事項の発生については、検査院といたしましても極力その再発防止について努力を盡しております。 なお、検査報告の説明を終るに当りまして、会計検査院の検査状況及び検査方針について一言附け加えたいと思います。 検査院の会計検査は書面検査及び実地検査の二方法によるのでありまして、書面検査のため各省各庁から送付を受けました収入支出等の計算書は、二十四年一月から十二月までの一年間に十七万二千余冊、その証拠書類は五千九百余万枚の厖大な数量に上るのであります。同期間中に実地検査しました箇所は延三千二百三十箇所でありまして、書面検査と相応じて会計検査の完璧を期しております。又検査院の職員は現在事務官以上八百二名であります。 次に政府及び政府関係機関の会計経理に対しては、検査院は、特に収入の確保及び支出の節約を図り、経費を効果的に使用し、又事業を能率的に運営し、物件を経済的に管理処分すると共に、債格の支拂遅延などにより一般民間に不当な損害を及ぼすことのないよう関係諸機関の注意を喚起し、一般的に当務者の経理の適正を期し、且つ不当事項の是正及び発生の防止を図るなど、適正な経理事務の執行を確保するよう検査の徹底を期したいと存じている次第であります。 以上を以て説明を終ります。
○委員長(前之園喜一郎君) お諮りいたしますが、昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会 一計歳入蔵出決算に対する一般質問は後日に譲りまして、先程御承認を願いました公団の不正に関する問題について説明者が見えておりますが、この問題について説明を聞くことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(前之園喜一郎君) それでは公団に関する説明をこれから承ることにいたします。先ず最初に会計検査院第一局長の池田直氏にお願いいたします。
○説明員(池田直君) 会計検査院の各公団に対する会計検査の概況につきまして私から御説明申上げます。 先ず会計検査院の各公団を会計検査いたしまする法的根拠でございますが、これは会計検査院法の第二十二條及び各公団法の規定、公団等の予算及び決算の暫定措置に関する法律、この規定に定めるところに基きまして各公団の会計の検査をいたしておりまして、その財産目録、貸借対照表及び損益計算書につきましては承認を行うことになつております。会計検査を受けておりまする公団は御承知の通り従来十五ありましたが、すでに八つの公団は解散になりまして、目下清算中のもの、或いは清算を結了したものということになつておりまして、残りの七つの公団が現在残存いたしておりまする次第でございまして、会計検査院といたしましては現在残つておりまする公団の会計並びに清算中の公団につきましてもその会計を検査いたしておる次第でございます。 この機会に会計検査院がどういうふうな方針を以まして検査をいたして参りましたかということにつきまして、御参考までに簡單に御説明申上げたいと思います。 会計検査院といたしましては、公団の会計経理の適正を期し、その決算書類の承認を行わねばならない必要上、公団の経理の実態に即応しつつ、大体次のような事柄を主眼に置きまして検査をいたして参りました。当初の程は、先ず公団の経理制度の確立ということに主眼点を置いて参りました、それは公団の経理運営の根本的事項なども割合に確立しておりませんで、事務の円滑なる遂行を阻害するようなことも多かつたので、先ず当初の程は経理制度の確立ということを主眼に置きまして検査して参りまして、そのために余計検査院といたしましては、安本長官などに対しまして、改善方につきまして意見も表示いたしたような次第でございます。 次に収納及び支拂の促進、これと資金滞留の防止ということにつきまして、検査の主眼を置いて参りました。各公団必ずしも一様ではございませんが、いろいろの事情によりまして未收金、未拂金、これは非常に多額に上つております。一方公団資金が市中銀行に滞留する傾向も著しいものがありましたので、公団経理の運営及び国の財政経済に及ぼす影響もこのため重大なる影響を及ぼしますので、この点に思いをいたしまして、収納及び支拂の促進と、資金が高くも滞留することのないように検査上当初から大いに意を用いて参つたような次第でございます。 次に現品関係でありますが、現品関係もこれをよく把握いたしておりますことが緊要でありますので、この点につきましては、公団によつてはなかなか商品の棚卸しもできていなかつたような状況でございましたから、現品につきましても毎期必ず一高は棚卸しをするように督励をして来たような状況でございます。 次に事業費の内容の関係でございまするが、事業費につきましても、ややともしますと、公団の経理におきまして、法令又は定款の規定などに違反いたしまして、これを目的外に使用する、或いは放漫に使用を行うというような傾向が著しかつたので、その節減と適正な使用を期するために愼重に検討を加えて参りました。 最後に申上げたいことは、只今申上げたように、公団の会計検査につきましては、公団の設立後日も浅く、又諸般の制度もまだ確立していなかつたなどのいきさつもありましたので、当初の程はこの会計経理を軌道に乗せるということが先決問題でありましたので、これに勢い重点を置かなければいけなかつた次第ではございますが、御承知の通り、近時公団の解散も次々に行われて、不正事件の頻発も多いのでございますので、会計検査の方針を不正防止という点に重大を置かざるを得ないような状況になつて参りまして法律的には会計検査院としては民間の取引先、公団の民間の取引先、取引先の帳簿とか、その他の会計のことにつきましては検査の権能はありませんが、公団の協力を求めまして、不正防止ということに力を注ぎまして、金銭商品の件につきましてやはり検察的手心を加えて検査を行つて参りまして、最近みたような公団の不正事件が未然に防げるように努力いたしておるような次第でございます。 この機会に検査院がどのくらいの職員を配置して、又どんな検査をやつておるかということを簡單に説明さして頂きます。 常時の公団の会計検査のために現在課を二つ置いております。これに配置いたしておりまする職員は、課長以下事務官五十一名ということになつております。検査の方法といたしましては、各公団から毎月資産表及び附属諸表を提出させまして、これらの書面につきまして検査をいたしまする外、職員を公団に出張いたさせまして、実地の検査を行つて参らております。公団から毎月提出いたして参りまする資産表などは至つて概略でございますので、会計検査の実施につきましては、実地検査の活用ということに主眼を置いて参つております。 次にこの機会に会計検査をいたしました成績につきまして極く簡單に御報告さして頂きます。 会計検査院が各公団の検査を行うようになりましてから、今日までに二十二及び二十三事業年度の十五公団の検査の決算を了しまして、違法又は不当と認めた事項を除きましてはその承認を行つております。現在二十四年度の決算につきまして審査を進めますと共に、能う限り二十五年度の会計につきましても検査を行つておるような状況でございます。 先ず二十三年事業年度の決算の極く概況につきまして御報告申上げることをお許し願いたいと思います。十五公団の二十三事業年度の決算は公団法の定めるところによりまして、前期及び後期に分れて作成せられましたのでございますが、これらの事業、損益につきまして極く簡單に御説明申上げます。 十五公団の二十三事業年度を通じました収支及び損益の決算状況は収入総額が七百四十三億、支出総額が五百五十三億、差引剰余が百九十億と帳簿上なつております。併し決算が百九十億ということに剰余金が出ておりますが、収入総額の中には各公団の人件費及び事務費などの一般経費を支弁するところの財源といたしまして、国庫から交付を受けた金額、これが百七十二億円ございまするので、この国庫交付金相当額を控除いたしました純剰余金は結局十七億七千九百万円ということになつております。 次に公団運営資金につきまして簡單に御報告申上げます。 公団の運営資金は御承知の通り貿易公団にありましては貿易資金、その他の公団にありましては復金から借入金によつて賄つて参つております、 二十三事業年度の各公団の借入及び償還の状況を簡單に御説明申上げますと、二十二事業年度から繰越して参りました借入金の総額が三百六十一億円ということになつております。そうして二十三事業年度中に借入れました総額が千八百四十九億円ということになつております。この中二十三事業年度内に償還いたしました総額が千五百三十三億円ということになつておりまして、二十三事業年度末の借入金の残額の総額は六百七十七億円ということになつております。この六百七十七億円の二十三事業年度末の残額は前年度の同期末に比しまして三百十六億円を増加いたしております。 尚貿易公団の借入金につきまして見ますと、二十三事業年度末の残高は四百九十五億円ということになつておりまして、前年度末に比べまして三百十億円を増加しております。この三百十億円を増加しておりまするのは貿易物資の売却代金の徴収が遅れております。このためと、滞貨が大きいという関係が原因をなしておりまするので、これに対しまする適切な措置が肝要でございますので、会計検査院といたしましても、この点に大きな関心を持ちまして検査をいたしております。 次に商品のことを簡單に申上げますと、二十三事業年度の商品の受拂総額は二十三事業年度の初めの棚卸高が四百五億円でございまして、二十三事業年度中に受入れました総額が七千三十九億円、拂い出しました総額が六千四百四十八億円ということになつておりまして、二十三事業年度末の棚卸高の総額が九百九十六億円ということになつております。この九百九十六億円の年度末の棚卸高は前年度末に比較いたしまして五百九十一億円を増加いたしております。 会計検査院が公団の会計検査を行いまして、その経理が違法又は妥当でないと認めました事項につきましては、是正、改善をなさしめるために、公団当局又は監督官庁に対しまして文書を以て質問、照会を発しております。この事項は今日まで概数千三百余件に上つております。この外に、文書の外に検査の都度経理の担当者などに対しましては口頭を以て絶えず注意を與えて参りまして、是正、改善にまあ努力して参つておるような次第でございます。かように検査をいたして参りまして、二十三事業年度の決算につきまして、その結果がどうであつたか、商品関係がどうなつておるかということを御報告申上げたいと思います。検査の進行に伴いまして商品代金の徴収とか、或いは経費の使用等につきまして、違法、不当、又は誤謬などがありましたときは直ちに是正、改善を行わしめまして、決算について承認を與えないような事項のないように努力して参つておるのでありまするが、公団の会計経理は改善を要する事項が非常に多うございまして、昭和二十三事業年度の前期及び後期の決算につきまして、違法又は不当と認めまして承認を與えなかつた事項は、油糧配給公団の後期分を除きました各公団を通じまして合計百三件ということになつております。油糧配給公団の二十三事業年度の後期分につきましては、調査が完了するに至らなかつたために現在まで承認を全部留保しております。試みに承認を與えなかつた事項を類別してみますると、資金を目的外に使用したものが十七件、商品代金などの徴収などが妥当でなかつたものが九件、経費の使用が妥当でなかつたものが十五件、棚卸が妥当でなかつたものが十三件、決算の整理等が妥当でなかつたものが四十一件、その他八件、合計百三件ということに今なつております。 公団の会計検査の結果につきましては、毎年度の検査報告には必ずしも掲載を要しない建前になつておりまするが、国会の決算の御審議の御参考までに主な事項につきまして二十三年度決算検査報告に掲載いたしておりまするが、それは検査報告の二百五十二頁から二百五十四頁に亘りまして三件、石油配給公団と繊維貿易公団と、それから食料品配給公団の三公団の事項につきまして御参考までに掲載いたして置きました。 尚公団の不正事件の極く大雑把なことにつきまして、私共が現在までに調査いたしておりまするもの、或いは報告を受けておりまするものにつきまして、簡單に御説明申上げます。 各公団を通じまして不正事件が続出しておりまするのは、会計監督の責任にある者といたしまして甚だ遺憾に堪えないところであります。検査院といたしまして、この六月末現在で、公団、当局から報告を受け、又は検査の結果、こちらで発見いたしましたようなもの、これを合せましても、公団の職員等によりまして横領或いは脇板されたと思料されるような総被害金額は、総額六億七千余万円に上つております。そのうち回収済額を除きました実際の損害高、これが二億三千余万円に上つておるようでございます。そのうち……
○矢嶋三義君 ちよつと途中ですが……こういう今のような御報告ですね。油糧公団の不正、ああいうものは文書報告をして戴けぬものですかね。これは実際の理由を簡單に申上げますれば、ああいう公団の不正というものは徹底的に摘発してやらない限り、国民のこれは精神的な安定ということはあり得ないと思うのです。これははつきり責任ある文書報告をして頂いて、決算委員会でも肚を据えてやらなければいかんと思うのですが、ちよつとこういう暑いときにそういうことを聞いてもちよつとぴんと来ないので、文書報告して頂きたいと思うのですか……。
○委員長(前之園喜一郎君) 大体これから今問題になつておりまするいわゆる不正事件ですね。これの御説明を簡單に願つて、すべて今の御希望のように全部印刷にして頂きます。それで皆様に配付いたします。
○説明員(池田直君) それでは公団の不正事件のうち金額の大きい主なるものにつきまして極く簡單に御説明をいたします。 先ず、鉱工品貿易公団の鉱産部の問題でございます。これは新聞紙等によりましてすでに御承知のことと思いますが、経理課の出納係の早船、商品係の荒川、川村、審査係の佐竹、それから商品係の井上某、それから経理部の資金課長の羽鳥、その他合計合せまして約九名ということになつておりますが、二十四年六月二十八日から十二月二十八日までの間に、いろいろ共謀いたしまして、前後五十三回に亘りまして鉱産部が取引先から受領いたしました商品の売却代金、或いは経理部から鉱産部が受取りました支拂代金、この支拂代金は産業復興公団その他に支拂う代金でございまするが、こうした金を横領しまして勝手に外に闇金融的な性質のものに使用いたしましたようなものでございます。これの実際に不正に使いました総金額は二億五千三百余万円ということになつておりますが、併しこれは不正を働いておりまする間に順繰りに差繰り補填などに使つた金もあります。又その後不正に使用しました金額の残額等を回収いたしましたもの、これらの回収金額が三月末までに一億四千六百万円ございまして、結局三月末の実損額でございまするが、これが約九千七百万円ということになつております。御承知の通り検察当局がこの事件を調べておりまして、尚多少数字が動くのではないかというふうに考えられます。私共といたしましても、この事件が分りましてから時を移さず、すぐ鉱工品貿易公団の鉱産部の検査を実施いたしまして、その実損額等につきまして調べをいたしましたわけでございますが、調べの途中におきまして書類等が殆んど残らず検察当局に押収されましたために、検査が完了はいたしていないような次第でございまするので、そういうものはその後段一に返つて来ておるようにも聞いておりますので、そのうちに速かによく帳簿を検査いたしまして、実損額等につきまして実態を把握いたしたいと思つております。 それから次に飼料配給公団でございます。飼料配給公団の不正事件は経理局の次長心得の藤野さんが協同水産株式会社の社長の長谷川某という人と共謀いたしまして、二十四年の九月八日から同年の九月十六日頃までの間に協和銀行の新橋支店に公団の資金二千万円を長谷川名義で一応預け入れまして、その後そのことを大澤経理局長が知りまして、早速大澤経理局長は自己名義に預入替えさせました。併し長谷川某の甘言によりまして、いつの間にかこの預金が担保といたされまして闇金融に使用されまして、長谷川はこの協和銀行の新橋支店から二千万円の不正貸付を受けました。このうち約三百万円が回収されまして、千六百万円の穴があいておるということになつております。この事件も御承知の通りすでに検察当局で調べられておる次第であります。 それから価格調整公団でございまするが、価格調整公団は、先ず時期の早いのから申上げますと、福岡の砂利支部におきまして支部長の山本、それから次長兼総務課長の三笠、この二人が新飼組と共謀いたしまして、或いは判決の結果共謀ということがどうなるか分りませんが、新飼組と一緒にたりまして、昭和二十二年十一月から二十三年の一月までの間に、新飼が明楽工業株式会社に砂利類を販売いたしたことにいたしましてその書類を作為いたしまして、公団に対しましては買取代金なぜを請求しまして、前後に亘り総額千七百万円を騙取しまして、このうち約六百万円が返つて来ておりますので、実際の損害は千百万円ということになつております。 それから価格調整公団のことにつきましては、目下いろいろ新聞に報道されましたような大きなことが問題になりまするわけですが、このうち私共が実損額としてどうなるかという問題に関心を持つておりまするのが一件ありますが、これは二十四年の五月十四日、千代田銀行の荻窪支店に三ケ月の期間で無記名定期預金を千万円いたしましたことであります。同年八月十五日に期限が参りました次第でありますが、この預金の元利の支拂を公団で請求いたしましたところ、この預金は意外にも公団の全く関知しない野長瀬某という人の債務の担保になつておりまして、これと差引計算しまして、銀行ではその債務の弁済に当てたと言つて、公団の再三の請求にも言を左右にして応じなかつたような状態でございまするので、今年の五月十七日に至りまして、銀行を相手取つて公団では民事の訴訟を提起いたしております。この金は相当回収できる公算が多いのじやないかというふうに考えております。尚いろいろ価格調整公団のことにつきましては、新聞に報道をされておるのでありまするが、実損額は今のところないのではないかというふうに考えられます。術事実の詳細のことにつきましては、私共といたしましては、検察当局で調べておられまするので、この際これ以上ばちよつと御報告が少しできないような状況でございます。 それから次に油糧配給公団でございますが、これもすでに皆様御承知の通りと思いまするが、西川副総裁、木村経理部長、それから藤林関東支部次長、この三人の方が閉鎖機関清算担当者及び、油糧産業株式会社の方の関係におきまして、いろいろの容疑で調べを受けられたようでございます。その大体の事実の点につきまして、私共が承知いたしております点を御報告申上げますと、二十三年の五月頃から同年の十月までの間に東京都の油脂協同組合等に対しまする債権、その八百五十万円を回収して、これが外の方の経費に当てられた、これが一つ。次に三十三年の七月から二十四年の一月までの間におきまして、油糧産業株式会社から保險料の二重支拂があつたために、保險料の拂戻がありました。又期限前に保険を解約いたしましたために、返戻を受けました保険料があります。その保險料の総額は五百七十二万円ということになつておりまするが、これをいろいろの経費に使用して公団の收入には入らなかつたということが一つあります。それから二十三年の五月から二十四年の二月までの間に大豆特製油等に関しまして架空の支拂諸掛勘定を設けまして、六百十四万円を外の方の経費に使用した。それから二十二年の四月から二十四年の五月までの間に、日産化学工業株式会社に対しまする売上代金及びヴイタミン油の輸出業者に対しまする売掛金、延滞利息及び別段預金の利息など、合せまして七百二十八万円、これらを収入に向けないで外の経費にした。これらのものを大体合せまして約三千万円近いのでありまするが、これを経理部長個人名義の簿外の預誓いたしまして、いろいろな方に使用した。(「よく聞えません話が、もう少し大きい声をして下さい」と呼ぶ者あり)油糧配給公団の只今申上げました不正にいろいろ使用されました金額であります。これが合せまして約二千九百万円ということになるのでございます。 大体主なる金額のものは、以上のような次第でございます。
○委員長(前之園喜一郎君) 次に中央経済調査庁の監査部長の木村説明員の御説明をお願いいたします。
○説明員(木村武君) 私の方は本日お喚び出しの不正に関係したことを調べるということを直接の目的といたしておりませんので、行政監査と申しますか、公団も行政機関の一つといたしまして、行政機関としての能率を挙げておるかどうか、或いは経費の節減という問題について遺憾がないかどうか、こういうふうな観点から調査いたしておりますので、或いはお尋ねの点にしつくり行かないことになるかと思うのでありますが、決算委員会の御関係からいたしまするならば、或る程度御参考になるかと存じますので、極めて簡単に申上げさして頂きます。 私共の調査いたしましたところによりますと、最近公団のかような経費の浪費と申しますか濫費と申しますか、こういうふうなものが頓に問題になつて参りましたのでありますが、それは一つには一昨年の後半期以来のドツジ・ライン以降のデフレ的傾向と申しますか、さような傾向下におきまして公団の経費、予算まあ予算の基礎は物価庁が定めますところの公団のマージンが基礎になつておるわけでありますが、さようなものが相当甘くなつて参つた。その前まではむしろ、例えば運賃などにいたしますと、見せかけはマル公で買うたのでなければ公団ですから契約しないのですが、併し裏では例えば積載効率を甘く見るというようなことなどによつてやらないと、とても一般の者と太刀打して公団は仕事ができないという事情があつたのであります。ところがだんだんと一昨年の後半期以来さような情勢が逆になつて参つたのであります。ところがさような情勢についてフオローしておらん。むしろ非常に易きについておる。こういうことが第一の問題かと思うのであります。 その問題が端的に出て参つておりますのは、これは運賃でありますとか保管料、或いは包装諸掛り、こういうふうなものが最近は非常に安くなつて参つておりまして、御承知のように機帆船のマル公というものは昨年の八月になくなり、今まだトラツクのマル公とか、それから保管料というものが残つておるのでありますが、これは別途な見解でありますが、今の時期に保管料の公などが残つておることは、むしろ実は私共の見るところを以ていたしますれば非常に無意味なのでありまして、そういう公が残つておつても、結局その公に何かの拠りどころを認めておるのは、公団でありますとか、特別会計でありますとか、そういうふうなものだけになつておる。一般の者はそういうものはさつぱり無視してしまつておる。ところが公団の場合には、それがむしろ墨守されておる。いわゆる文字通り墨守されておる。こういうふうな状況になつておると思うのであります。で、その端的な例を挙げて見ますると、肥料配給公団、これは二十三年の後半期に、トラツク運賃にさようなうまみがあつたということが原因になりまして、ただの平年間、六ケ月間に十億円の純黒字を出しておるのであります。これは運賃の、トラツク運賃に余裕があるということに一つはよるのでありまして、さようなことになつておる。大体同じような状況になつておるのでありまするから、各公団共二十三年の後半期も相当に運賃面では黒字が出て然るべきものである。それがさつぱり出ていない。こういうふうな状況になつておるということによつて、その辺の消息が端的にお分り頂けると思います。保管料などになりますと殆んど全部公によつておるのでありまして、公によること自体は悪いというわけでは勿論ないのでありますが、それによつておることによつて、いろいろ情実的な問題も起つて来るというようなことになるわけであります。中には寄託価格は従量従価の保管料に関係を持つのであり、それが寄託価格によつて変つて行きますわけでありますが、寄託価格かどはすでに市場価格が下つておる、公団が取得したものよりも下つておるというにも拘らず、一般の今までの商習慣が取得価格から一割増ぐらいで保管料にするのが通例であるなどというような、本当の常識論からいたしまして、そういうふうな状況になつておる。こういうふうに見えるのであります。そこで特にこのいわゆる第二会社問題というものは、そこに発生しておるのでありまして、さようにいろいろ公団の請負料金が甘いということがはつきりして参りましたので、とてもその公団の理事者なども馬鹿々々しいというような気がある。併しそこで、それを取得して見たところで自分のボーナスが殖えるわけでもありませんし、何ということはない。それから命旦夕に迫つておる。こういうふうなことなども大体絡み合つていると思われるのでありますが、第二会社などを桁えて一種の薄外留保というような恰好にそれがなつておる。こういうふうなことがいわゆる第二会社の真相であります。そういうふうな状況になつておるのであります。この包装諾掛りなども、なかなか馬鹿にならないのでありまして、先程お話のありましたいわゆる肥料公団の包装諸掛りなんということも、事業費のうちで最も大きなものでおりますが、これに御丁寧にいろいろなことをやつております。麻袋諸掛りとか、回收促進費とかいつて実際は何らの回收促進もやらないで費用を出したり、それからその回収のための第二会社を作りまして、そうしてその第二会社にすべてのうまみが集中するような仕組にしたり、御丁寧にいろいろなことをやつておる。その上に、後で申上げまするが、麻袋諸掛り関係で内部方面でやつておる。こういうふうなことをやつておるようなことになつておるのであります。 それから大体同じような一昨年の後半期以来の関係から出て来たと思われるものが、先程申上げました内部留保の問題であります。これが一番大きいのは、先程申上げました肥料配給公団が十億円の黒字を出して、そのうちの半分は内部留保を企らんだというわけであります。これが内部留保の段階で、いわゆる予防的な段階で私共発見いたしましたので、引続き直ちにこれを出庫に帰属するような手続をとつたのでありますが、これは農林配給五公団全部に金額の大小の相違はありますけれども見られたのでありまして、これはいずれも、今申上げました請負諸掛りに相当ゆとりが出て参りましたので、金がなければ話にならんのでありますから、ゆとりが出て参りましたので、そのゆとりのところに目を付けまして、そして架空の相手方を作つて、そうして決算面で損失に落しておる。そうして後から適当にどういう始末をつけるつもりであつたか、これはいろいろ善意に話を想像いたしますると、公団の機構は一年方々景気がありまして、前年度に幾ら余裕金が出たからといつて、その次の年には全く金詰つて来るというようなことなどもございますので、或る程度折角余裕が出て来た金を後年度に持越して、そうして事業費なり或る程度ゆとりを付けようというふうなことなどもまあ考えられるわけでありまして、必ずしも悪意とのみは考えられませんが、さようなこともやつておる、これなどもやはり一昨年の後期以来特にその事業費などにゆとりが出て来たということのためにさような誘惑と申しますかに陥つておるようなことが行われておる、こういうふうに見られることと思います。 それから第二番目の問題としましては、つまり公団が先程申上げましたように、ああいうふうに非常な巨額な、食糧配給公団になりますと、何千億というような事業分量に上る物を並びに金を扱うわけであります。さようなものが僅かに普通一般の公務員などからいたしまして若干まあ待遇はいい、併しナムポテリーなものであるということはもうすでにそういうことは見えておる、こういうような状況において、故に幾ら経巨費を節減をいたしましても、なんら自分には、その給與條件等には返つて来ないというようなことなども背景になつておると存ずるのでありますが、さつぱりそういう意欲がない、公団の企業体のさような特質からの反映かと思われますが、そういう経費の節減というようなことについてはさつぱり意欲がない、こういうふうなことはこれは公団に全般的に見られる情勢であります。 次に第一点は、例えばこの金利の操作を、これは普通の企業体でございまするなれば、勿論申上げるまでもなく、この金融が結局理事者の一番大きな仕事と言えましようが、公団の金は全部政府の資金に繋がつておるのでありまして、さつぱりその辺の心配はしない、そこで甚だしいのはこの手持の現金預金が何十億というふうに上つておるのでありますか、それを九十八%も無利子の当座預金に廻しておる。その無利子の当座預金が大体コンスタントにあるのでありますから、実に銀行側に取つては非常に有難いお客さんだということになる。それが銀行のウインドウ・ドレツシングのため、公団のかような遊び金は、それが積み重なつで参りますと銀行の窓口にいたしましても浮貸の金にそれが使われる、かようなふうに公団の金が利用されるというような経路をだんだんと辿つて行つたというふうに見られます。大部分の公団が相当に大きな金をさようなふうにいたしております。この例外をなしておりまするのは僅かに産業復興公団だけであります。産業復興公団はこれは十万円に達する毎に通知預金に振替えるというようなことで銀行と特約を結んでやつておりますので、さようなことになつておりませんが、外の公団は軒並にさような状況になつておるのであります。これは又併し最近昨年の十以降預金部資金にこれが繋がりましてこの公団の受入れ資金は全部直ちに日本銀行の支店から預金部の方へ入るようになりましたので、これはかような状態はもう防げるような状況に相成つたと存ずるのでありますが、さようなことになつたと思われるのであります。只今公団の不正事件として持ち上つておりまする問題は、全部この公団の遊金を種にしてのいろいろの操作というふうに見てもよろしい状況でございます。これを私共の見るところを以てしますれば、公団始まつて以来相当なことが行われたのではないかと想像されますが、インフレ時代にはこれが全部適当に返つて参りますので、殆んど顯在化しない。ところが最近の金詰り情勢で、それが焦付きかかつて、これが顯在化して来た、こういうふうな状況に見受けられるのであります。 その次は、やはりこの公団の理事者に余り企業意欲と申しますか、経費の節減意欲がないということの一つの現れといたしましては、保険料の不法操作面であります。不法操作面は、公団の創設以来大体約十二億円くらいの保険料を拂つております。その公団の受け取り保險金はどのぐらいかと申しますと、それが一億五千万円ぐらいにしかなつておりません。従つて保險吸収率は約十五%というようなことでございます。これが一般の場合でございますと、約三十五%とか四十%になつておりますので、それに比較いたしまして、公団の場合を含めてでございますが、如何に公田の場合は足りないことになつておるかということが分るわけであります。まあこの例外をなしておりますのは食糧配給公団でありまして、食糧配給公団として昭和二十三年の十月から自家保險積立制度というものを始めました。そこで昭和二十四年度になりますと、それが引続き実施されまして約二億円ぐらいの金がセーヴできるというようなことが考えられるのでありますが、さようなことで、いかに不経済なことをやつておつたか、まあ公団の物資でございますると、結局全国に大量のものを分散しておるのでございますから、そのこと自体一つの保險操作ということになると思うのでありますが、さようなふうな着意は見られないという状況でございます。これは一つは保險の代理店というものが、これは相当御承知の方があろうかと思いますが、うまい商売になる点があるようでございまして、いわば浮貸みたいなことを合法的にできる仕組みとも言えるのであります。そういうことでなかなかその代理店がくつ付いておつて、そのために、例えば自家保險積立制というものをやろうとしましても、なかなかそういう関係から実際に移れない。こういうふうなことなどもあつたようであります。併しこの点は大蔵省から今年の四月から自家保險積立制に一切切り換えるということを、私共の勧告に基きまして大蔵省で採用いたしまして、公団の方に通知いたしましたから、さようなことにこの四月一日から切り換わるということになつております。 その次は売掛金の回収操作の問題であります。これはもともと公団は御承知のように戰時中のカルテルの寄せ集め、例えば鉱工品公団などでありますと、四十幾つのカルテルの寄せ集め、さようなことで、お互いに連絡がうまく行かない。それに銀行から経理部門の人が入つておる。こういうふうなことで、各公団を通じて見られる一つの仕組みでありますが、銀行の方の簿記のやり方と商業の方の簿記のやり方とは必ずしも合わないというような点なども基本的な一つの原因になつているようでありますが、この経理部門と業務部門が非常に連絡がまずいということ、これが結局は売掛金の回収操作などに出ておるのであります。売掛金の回收ということになりますと、それが経理の方にはつきり数字が掴めて、それが督促されなければならんのでありますが、その点がさつぱりうまく行つていない。こういうふうになつております。これはもともと公団はCODが原則であるから、売掛金などはできつこないのだという、こういうようなことで、それがまあ一つの自繩自縛の議論になりまして、そうして例えば売掛金の延滞の顯在化となつて来た。ですから売掛金ができるのは当り前なんであります。そういうような自繩自縛の議論をして、そうして売掛金については延滞利息を取つておらんというようなものもあるのであります。何十億というものに上るものを延滞利息を取つておらんところと、同じ公団の中で延滞利息を取つておるところもおらんところもある。カルテルの寄せ集めのようなものでありますから、それぞれまちまちなことをやつておる。取ることにしたり、取らないことにしたり、取ることにしておつても大部分のものは取らない、こういうふうなことで非常にまちまちな情勢になつておつたのであります。これもやはり大蔵省から、我々の勧告を採用いたしまして、この四月から売掛金の問題は日歩五銭というものをはつきり取ることにいたしましたので、その点はある程度解消いたしたかと思うのでありますが、この売掛金の回収促進ということについて熱意がないということが、まあ非常な弊害を起しておるように思われる。中には、CODであるから売掛金は起せないと言つて、ちやんと売掛になつておるに拘らず、売掛金の請求書だけをルーズリーフみたいに綴つておつて、自分では記帳してないと、こういうふうなことなどもあるのであります。なかなかいろいろ弊害面が多いような情勢にあるようでありまして、私共収束段階の公団におきましては、この売掛金の把握、処理、回収促進ということが非常な大きな大問題ではないか、こういうふうに考えておるのであります。 又如何に整理、回収に熱がないかということの現れといたしまして、鉱工品公団などに見られる例でありますが、得意先借受勘定というものが無暗に多いのであります。そこで実際に売掛金というものは、一体どういう金なのか、従つてそれを催促するのに、どれを基準にして催促するか、見当がつかない。公団の理事者には本当に正確な売掛金がどれなのか分らんというような状態に陥つておるような例もあるのであります。そこで私共は恐らく売掛金は公団の実際の帳簿より多いんじやないかと見当をつけております。恐らく売掛金は公団の実際の帳簿面よりは多いであろうというふうに考えておるのであります。そこで清算の……只今食糧品公団、餌公団というようなものは清算段階に六つでおりますが、私共公団の清算に対しましては、売掛金は公団の帳簿の売掛金を取つたら済れだのだと考えたら大間違いだ、実際に本当の売掛金というものを、むしろ相手方の帳簿などから逆にとつて見て、売掛金がいくらあるかということを見て、実際の売掛金を把握して、そうしてその売掛金を元にして考えないと、とんでもないことになるんではないか、甘いことになるんではないかと、こういうことを言つておる状況であります。 それから次は在庫の把握、整理でございますが、これは無理からん点もあるのでありまして、公団は先ず初めできまして早々直ちに公団無用論でありまするとか、いろいろな議論が出ますし、いつも行政整理というと、公団が真先に槍玉に上るということで、できた、直ちに整理ということで、人がなかなか十分に貰えないというようなことなどが原因になつておるという点が多々あるのでありまするが、公団発足以来、本当に確実に公団の在庫というものをフイジカルに、現実に抑えて棚卸しをやつたということは一回もない。どの公団もございません。そこで結局公団ではその最初の原始取得の段階から、その後の出し入れが正確に記帳されて、公団にあるべき姿のインヴエントリーがあると、それに基いて現実の公団の在庫がどうなつておるかということが見られるようなことになつておれば、これは私共今の段階でお手伝いしてできるのでありますが、その整理すらも十分にできていないという状況でございます。貿易公団などもこれも無理からん点もございますが、非常な大きな、何百億という滞貨を抱えながら、その辺の整理ができてないというところに、一番大きな問題があろうかと思うのでありまして、仮に現実に今公団の在庫の調査をやりましても、それは何月何日に公団の現品がいくらありましたということがただ出て来るだけ、それだけの意味しかないのでありまして、ずつと引伸ばしまして、現実にいくらある、それがいくらあるべきだということと照らし合せて、どうなつたかということはなかなか分らないという状況でございます。これもやはり公団の業務、経理の間の連絡調整がうまく行かなかつたということの一つの現れとも見られるのでありまして、私共繊維貿易公団について大阪で見た例でありますが、甚しいのは相当有力な倉庫において、このデイヴアリー・オーダーが、成規のものによらずに、番号があろうがなかろうが、それによつて物が出ておるというようなことがありまして、さようなことと思い併せますと、整理のできてないということが、どんなことに收束段階ではなるであろうかということを考えますと、これ亦売掛金の問題と並びまして、この公団の収束段階において最も大事な問題になろうかと思うのであります。 大体各公団を通じまして今申上げましたような状況が見られるのでありましてり簡單にというお話でございますから、以上のようなお話を申上げておきまして、若し何か具体的な問題でお尋ねがございますれば申上げることにいたしたいと思います。 ただ私の方は、先程申上げましたように不正事実を直接的に捜査するということなしに、当該官庁、当該公団にこういう点に非常なロスがあるんじやないかというようなことを、これをまあ勧告する、そういう材料を蒐集するというようなことが実は目的でございますので、具体的なものにつきましては、私共の方では只今会計検査院から批難がありましたよりももつと大ざつぱな話しか実は持つておらんのであります。そこでお尋ねもございますので、特に鉱工品公団で何故あのような不正事件が起つたのであろうかというようなこと、これが大体外の公団についても通則的に考えられるわけでございますので、その点を一つ申上げて御説明申上げます。 大体私共の見解を以ていたしますれば、鉱工品公団の不正事件の原因は、これは先ず最初に公団制度自体から胚胎して来ておる一面があるというように考えるのであります。これはこの多額の非常な巨額な全員物資を扱つております。で專ら能率的に、低下する線に沿うてこれをマネージしなければならない、そういう使命を帯びておるわけであります。ところが幾ら経費節減に努力してうまくやつて見ましても、なんらそのフエバーはその職員のあれには入つて来ない。勢い職員はそんな責任の中で踊つておられるかというような気持が先に立つておる。そこで私の見ましたところで特にはつきりいたしますのは、これは若し私の申上げ方が率直過ぎてあれすると困るのでありますが、民間の業界出身者の方で公団に入つておられる方が特にそういう傾向が目立つのであります。役人の場合には昔から予算の枠の中で無理無理に踊らされておるという点があるのでありますが、民間の業界出身者の方が公団の理事者になると、どうも馬鹿馬鹿しくてこんな枠の中でやつておられるかというので、極力公団の経費の仕組をまあ私利追求と申してば語弊がありますが、そういうようなところに結び付けて極力利用するというようなことになる、こういうふうなことが見られます。それからテンポラリー的な、臨時的な短命の機関であるということからいたしまして、それから公団の使命ということになつておりますので、職員の非常な身分の不安がある。そこで何とか太く、短かく公団生活を切り上げよう、こういうふうになつております。こういうようなことが、これがまあ公団制度自体からこういうようになつておるというふうに見なければならんのは遺憾であります。それからこの公団の固有の組織機構面の事情から考えて見ますると、この鉱工品公団は昨年の四月から特に従来の食糧貿易公団、それから現在の貿易公団という三つの公団が一緒になつたような形でありまして、非常な大きな分量の仕事を持つておつて、而も事務室が目茶苦茶に二十二の分類の取扱品もございます上に、事務室が東京都内に三十三ある、そういう状況でありますから、とても統制などはつくわけには参らんのであります。さような状況に陷つておるということ、そこで総合的に管理するということが非常な困難になつております。それからそういうふうに事務室が分れておりますので、これは一つの便宜から来ておるかと思いますが、各業務部が経理課を持つておりますので、これは繊維公団の場合にも見られるのでございますが、各業務部の経理課というのが、実は一つの独立した会計を営んでおる。そこですべて預金現金の出入をやる。そこで本部に経理部というものもございますが、本部の経理部は経理の統計をする、こういうような恰好になつておる。そこで各部がまちまちなことをやつてもさつぱりよく訳が分らん、こういうような状況になつておるのであります。それから累次に亘つて機構改革がございまして、非常な事務処理が、会計が混乱になつております。大幅に人員整理がありまして、人手不足で著しく事務処理が澁滯しておる。それから現在食糧貿易公団の引継ぎに伴つて、非常に混乱が行われたのでありまして、二十四年度の上平期に人間一人当りの売上げ高を見ますると、期末の実人員が千七百六十九人、一人三千二百三十五万円、こういうような非常に大きな金額になるのであります。さような金額になりますので、先程第一番目に申上げえようなことも睨み合せて頂けば分ります。それから四十二の戰時中のカルテルが寄せ集めになつておる。そこで人事管理なども実にまちまちでありまして、私の一つの見た例を申上げますと、或る公団では自転車の売掛金というものが二億円ぐらい焦げ付きましてなかなかとれないのであります。この関係の一つの原因はたつた一人の人間がその自転車の関係をやつておる、誰も外に手伝いもしない。こういうようなことで人事管理も如何に目茶苦茶になつておるかということが分るのであります。 それから公団の貸付ということもございますが、公団の監事は誠に妙なものでありまして、総裁の区署を受ける。そこで余り思い切つたこともできない、こういうことに相成つております。それからこの公団の固有の業務運営面の問題といたしましては、公団当局者の責任観念が如何にもおかしいと言いますか、甘いと言いますか、こういうことが見られるのであります。総裁のああいうちよつと常識を外ずれたような言動などもそういうふうな観方をいたしますると或る程度分るのですが、例えば今申上げましたような自転車関係で売掛金が二億円も焦げ付いておる。一昨年の八月頃の売掛金、それはどうして焦げ付いているかと申しますと、当時これは輸出用の自転車でありまして、それが輸出ができないので、それでそれを国内に放出して出したわけであります。当時はまだ自転車は余りそう簡單に手に入らないものでございましたので、それを学校の先生だとか、そういう官庁関係の者に優先的に売渡すというやり方をやつたのでありますが、そこで通産省は、例えば文部省口でありますとか、農林省口でありますとか、こういうように分けて、関係各省は又それによつて代理店を持えて、その代理店が公団にその拂下げに行つた、こういうわけであります。そこでそれが結局焦げ付いている、殆んど金が取れずに焦げ付いておる、こういう状況であります。公団に言わせますと、それは通産省と、それぞれの関係各省がお決めになつたことで、それが取れないということは、関係各省の責任で、関係各省の方で何とかそれは心配して下さるに違いない、こういうことを言われる。正気になつて言われる。そんなことでは一体何のために公団の理事者があるのか。そういう金銭上の心配もさつぱりしない。金融の心配もしない。物はすべて官庁が売つたのだから。そういうことで、一体公団は何が仕事だということになるわけであります。さようなことを平気で言われるような状況、これなどは一つの公団の欠陷ではないかと私共は考えております。 それから具体的の欠陷といたしましては、この業務部の商品課と経理課間のインターナル・チェツクというものがさつぱりできていない。この公団の一つの特質といたしましては、何か見せかけはやつておるやに見える。私共も実は胡麻化されていた。昨年の十一月から公団の監査を始めたのでありますが、今年の一月頃までは胡麻化されておりました。如何にもこの公団は仕組みの上ではがつちりしているが、実際にはそれが行われていないのがこの公団の特長でありまして、インターナル・チエツクができておるにも拘らず、これは三菱式のインターナル・チエツクでできておるにも拘らず、その通りやつておらん。そこでその公団で先程お話のあつたような出納係が横領事件を起す、こういうようなこともその経理の方からちやんと入金があつたということは連絡がついて、商品課で切るということになつておるにも拘らずそれをばらばらに切つておる。横領があつても片方の方には分らん。何のためのインターナル・チエツクか分らん、こういうような状況に陥つております。そういうわけでありますから、先程申上げましたように本部の経理部と支部、それから各業務部の経理課との相互の間の連絡ができていないことは申すまでもないことで、経理の統計は経理部だというような状況に陷つております。それから取引銀行が非常に多い。取引銀行は私共調査いたしました。二十四年三月末現在によりますと全体で銀行の取引口座が百十五あるのでありまして、この関係で、従つてこの公団では、実に驚いたことには、各月末の銀行からの預金の通知、あなたの方の預金はこれだけありますという銀行の通知が各月末に大きなお得意さんでありますからあるわけであります。その帳尻と公団の預金帳尻と見合せて見ますと、違うのであります。公団の方に少くて、銀行の方からの通知が多いのであります。さような状況に陥つております。それからこれは若干技術的な問題でありまするが、約束手形、これを簿外で保管している。帳簿には記載しないで、簿外で保管しているというようなことなどもございますし、それから売掛金の整理が先程申上げましたように、得意先借受金を非常に沢山作つて、そうして実際の二十二年、二十三年の売掛金などがあるのでありますが、片一方非常に大きな得意先売掛金がありますから、非常に老練な……、売掛金がどうなつているかというようなことは分らないというような状況であります。それから物資の管理面も非常に複雑でありまして、これは細かくなりますから申上げませんが、私共の調査いたしましたのは、殆んど全部、若干その公団の帳簿と現実の在庫とは違う、これはサンプル調査をやつて見たのでありますが、私共の調査いたしましたものは、悉く公団の帳簿面と、現実の在庫面は違う。こう言いうふうな状況になつております。大体さようでございます。
○委員長(前之園喜一郎君) 池田説明員、並びに木村説明員に御相談申上げますが、今大体、お話し下さつたことを印刷して頂きまして参考に頂きたいと思うのですが、如何でございましようか。
○説明員(木村武君) できるだけ御要望に副うように相談いたしまして……。
○説明員(池田直君) 私の方も書類が相当ございますので、相談いたしまして資料を出したいと思います。
○委員長(前之園喜一郎君) お諮りいたします。大体只今お聞きになりましたこと、その外にもいろいろと問題があると思うのですが、それを印刷して頂いて、委員の皆さんに御研究を願つて質問した方がよろしか、或いはこで御質問等なさつた方がよろしいか、いずれにいたしましようか、御相談いたします。
○中田吉雄君 委員長の申されたように、印刷して頂きたいと思いますけれども、調査庁の方にちよつと二、三お尋ねしたいと思うのですが、如何ですか。
○委員長(前之園喜一郎君) どうぞ。
○中田吉雄君 ちよつとお尋ねしますけれども、肥料公団が八月一日ですか、廃止になりまして、清算段階に入るのですが、現在七十万トンぐらいの農家が引受けない肥料が手持になつている。これをどのような機関に保有させるかということが非常に問題になつているんですが、只今御報告されましたように、非常な不始末がありますし、特に財産の清算段階になつて、職員の人が浮足立つて来るわけだと思うのですが、その者に、七十万トンとすると百億からの在庫なんですが、それを我々が今日農政局長から承つたところによると、清算段階に入つた公団に保有させようとするような意向が見えて、甚だこれはよろしくないと思つたのですが、果してこれまでの経過から鑑みまして、十分政府の委託に応えるような保管ができるでしようか。
○説明員(木村武君) 私のお答えできる範囲外の問題で、誠に恐縮なんでありますが、大体清算になりますと、もうすでに大蔵省から任命になりました清算人が決まつているようでありますが、相当な方がおやりになるようであります。それから今七十万トンというお話がございました。大体只今いわゆる公団の蔵置所でございます。農業協同組合の倉庫を中心といたしまして、あの関係に入つておりますものが十万トン、あとは営業倉庫に入つておる。これはまあ最近余程立直つて参りまして、さつき私が申上げました繊維貿易公団のようなことは昨年くらいの話でありまして、最近余程立直つて参りましたし、六十万トンの肥料の管理自体につきましては、私は心配することはないではないかというふうに考えております。それであとの公団の蔵置所でございます。十万トンというものは、これは大体が硝安並びに石灰窒素ということになります。そこで一日若し処分が遅れますれば、大げさに言えば一千万円くらい損が出るのではないかと、そのくらいにまで考えまして、早急に処分をいたさなければならんと考えております。これが非常に大きな問題でありまして、これは現実に蔵置所に入つておりますものでありますから、それを八月一杯は実は私共が手伝いいたしまして、その指定業者ごとに資料を確認して、確認のできたものから、片つ端からこれを指定業者の方へ売り渡す、こういうふうなことにしたならば、できるだけ国損の発生ということは防げるのではないかというふうに考えております。あとの六十万トンの清算、公団が管理している営業倉庫の管理でありますが、これをどういう機構でどう売渡したらいいかということになりますと、余程大変な問題で、私には及びもつきませんから御勘弁をお願いいたします。
○中田吉雄君 もう一つ、調査庁の査察される方針について、これは希望なんですが、先程も申されましたように、あらゆる公団が国民がびつくりするような不正をしておるのに、査察が非常に遅かつたと承つたのですが、我我の見受けしますところは、例えば町村長なんかが供出割当を受けて非常に操作米などを苦労して、許される範囲の操作であるに拘らず、そういうような極めて些末な事件について徹底的に調査して検察庁へ告発するというようなことをしながら、飼料公団であるとか、食糧配給公団が第二会社を作つて、誰が見ても分つておるような問題については何らメスを加えないという点が地方の調査庁においては十分見受けられるわけであります。我々からしますと、こういうふうに沢山の公団が、大きな疑惑を起すような事件をしたのに調査庁が十分の機能を発揮せんところに大きな問題があると思う。最近私は、私は鳥取の地方区ですが、非常に高い割当がありまして、町村長が実に多くの苦労をして供出割当を完納にして、その若干の操作米の手続について誤謬があつた。これは誰が見ても許されろ限界です。これを地元の鳥取の地方紙に発表さして検察庁に告発するというようなことをやつて、一方肥料公団や餌料公団、特に食糧公団は第二会社を造つたりしていろいろなことで相当我々から見ますと問題にたるようなことについては、目を閉じておられるというようなことについて、一つ清算段階に入ります公団が非常に多いわけでありますから、その点特に一つ地方の調査庁に対しまして、査察の方針について確立して、一つお願いいたしたいと思います。
○説明員(木村武君) 只今の御意見は誠に御尤なのでありまして、実は先般の国会で他の公団の調査は、非常におかしなことなのでありまして、従来は重要物資需給調整法の関係で、そういう統制物資を扱う機関であるという関係から、いわゆる物調法の運用関係から入つて行くというような、非常に廻りくどいやり方をしなければ入れなかつた。それがこの前の国会で特に公団については経理の監査、業務の調査を真正面からがつちりやれるということを国会で決めて頂きまして、そこで実は大体今お話のような方向で、私共二、三日各地方々々を廻るのでありますが、地方々々に、公団の問題を特にとりさつて力を入れるように実施いたす運びになつております。ちよつと申上げておきます。
○中田吉雄君 どうも公団は弱いな。
○矢嶋三義君 委員長の諮られましたプリントの件ですが、結論として詳細にプリントして頂きたい。理由を簡単に申上げます。これは先程御説明を承つたのですが、総括的に我々は把握しなくちやならんと思います。数字も可なり出ておりますけれども、お聞きしただけでは、我々もはつきりした対策が立ちませんし、尚悲しいことながら公団不正の大家になられるように非常に原因あたりの分析も妥当な点があつて、将来こういう問国が再発しないためにも相当参考になると思うのであります。それで是非共プリントして頂きたい。 それからもう一つはこういう調査は單なる專門的調査に終つてはならんと思うのです。デイスカツシヨンに終つてはならんと思うのです。我々が調査した結果というものを、必ず処置というものをはつきりして、そうして将来の日本の政治にプラスにするようにしなければならんと思う。そのためにははつきりした資料を掴んで十分の質疑応答をやつて、そうして徹底的な究明をやることが我々公僕の責任、義務である、こう考えておりますから、是非共詳細にプリントして頂きたいと思います。
○委員長(前之園喜一郎君) 只今矢嶋委員の御意見のごとく成るべく早い機会に只今の説明を印刷いたしまして、又それに関係のある資料も取集めて各委員のところにお届けいたします。それから又御研究を願つて、改めて御質問をして頂くということが徹底するのではないかと思いますが、如何でございましよう。(「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)
○千田正君 先々国会からいろいろ問題になりまして、我が決算委員会が特殊物件拂下問題につきましては出張その他皆さんが熱心な調査をやられておるわけですが、今議会におきましては特殊物件の問題は一応片が付いておるのかどうか、この点会計検査院から一応この点についてはすでに片が付いて別段問題はないというのかどうか、この点を承りたいと思います。
○説明員(東谷傳次郎君) 只今御質問がございました特殊物件でございまするが、特殊物件は御承知のように旧陸海軍の保有しでおりました物件全部についてでありまして、二十三年度の決算報告書にも掲げてあるわけでありまするが、二十三年度においてはまだ全部片が付いておりません。現在においても荷検査中でございまするが、二十四年度、それから二十五年度、本年度におきましては片が全部付くのではないかと存じております。その片が付いていないもののうちで大きなものを申上げますと、まあ艦艇解撤というようなものがあるわけでありまするが、これらのものは二十五年度では大体片が付くのではないかと思つております。それから廃兵器の処理、いわゆる兵器処理委員会が掌りました問題でありまするが、これは兵器処理委員会で御承知のように、大体支出関係が十四億、収入の関係が二十億九千万円許りでありまして、差引一億四千万円許り政府から支拂わなければならんということになつておりまして、二十三年度の終りにそのうち九千万円の支拂を了しまして、後の点は越えて二十四年度の年度末に差迫りまして五千六百万円あまりでありましたかを支拂つておるのでありまするが、実はこの五千六百万円について問題があるのでありまして、建設省の方から兵器処理委員会に対して最後の確定的支拂として、債主たる兵器処理委員会に拂つたのでありまするけれども、これはそのまま、差押と言いますか、G・H・Q関係方面のお言葉によりまして兵器処理委員会には全然渡つていないのでありま噛す。名儀上は兵器処理委員会には五千六百万円が渡つておるのでありますが、二つの銀行にこれを預託さしまして、その預金帳を最高検察庁が押えて持つておる。そういたしまして会計検査院の検査が結了いたしましたときに適当な金を会として本人たる兵器処理委員会に渡されるということを関係方面では考えておるようであります。ただ国内法的に申上げますると、兵器処理委員会は事業は終り、支出も全部確定的にいたしておるのでありまして、二十四年度の決算で結了するのでありまするが、さようなわけでありまして、目下会計検査院で、これは極く簡單なように申上げましたが、なかなかこれは複雑な事件でございまして、慎重に検査を今やつておるような次第でございまして、あまり時を経ないで検査の確定を見、従つてその五千六百万円がどのようになりますか、まあ見当で申上げるのは恐縮でありまするから申上げませんが、そのまま、どうなるかというようなことでちよつと心配しながら今検査を続行しておるようなわけであります。
○千田正君 最後に決算委員会は、我我としましてもそういう決算を更に再確認し或いは批判するばかりが能でないのでありまして、むしろ不幸な事態が将来生ずるというような慮れがある場合においては、進んでそういうようなマイナスの点を廃除しなければならないという点に決算委員会の我々委員としての責任が相当あると思うのであります。でありますから不幸な事態が起らない方法がとれるとするならばそのような方法をとりたいというのが本委員としましてお願いする一つの理由なのであります。でき得れば只今の会計検査院のこの特殊物件に対しましても一日も早く結了して、我々決算委員としましても国民に対しても義務が完徹できるようにという要望なのであります。どうか会計検査院といたしましてもこの点を十分お含み置きの上に、一日も早く終結に至らんことをお願いいたします。
○説明員(東谷傳次郎君) 只今千田委員らのお話は肝に銘じまして誓つて成るべく早い時期に終了いたしたいと決心をしておるような次第であります。
○委員長(前之園喜一郎君) 本日はこれを以て散会場いたします。 この次は追つて開くことにいたしまして、公報を以て御通知申上げます。 午後四時三十九分散会 出席者は左の通り。 委員長 前之園喜一郎君 理事 中川 幸平君 カニエ邦彦君 相馬 助治君 溝口 三郎君 委員 岩沢 忠恭君 大矢半次郎君 小杉 繁安君 栗山 良夫君 中田 吉雄君 村尾 重雄君 赤澤 與仁君 尾山 三郎君 杉山 昌作君 岩男 仁藏君 谷口弥三郎君 千田 正君 矢嶋 三義君 政府委員 大蔵政務次官 西川甚五郎君 説明員 会計検査院事務 総長 東谷傳次郎君 会計検査院第一 局長 池田 直君 中央経済調査庁 監査部長 木村 武君