P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ ☆
第8回国会参議院1950/11/17

外務委員会 閉会後第3号

発言数
25 件
登壇者
6 名
会派数
3
開催日
1950/11/17

会議録

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) これより外務委員会を開会いたします。議題は講和に関連する諸般の基本方策樹立に関する調査の継続調査であります。最初に最近の国際情勢等について政府から御説明をお伺いいたしまして質疑に入りたいとこう考えます。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○説明員(草葉隆圓君) 最近におきます国際情勢の特に主だつた問題につきまして御報告を申上げたいと思います。  まず第一に国際連合の最近の動きでございますが、九月十九日から開催されております第五回国際連合総会は、今回の問題といたしましては特に新鮮問題とこれに関連する総会の権限強化案が中心になつておるように思われるのであります。去る十月七日に本会議で可決いたしました朝鮮の統一及び復興に関しまするイギリスを含む八ヶ国提案が、四十七票の賛成に対しまして反対五票、棄権七票という圧倒的多数を以て可決されましてから、いわゆる三十八度線を越した国連軍の北鮮における作戰と相成りました。又国際連合総会の強化といたしましては、拒否権のために実効的な活動を行い得ない状態にありました安全保障理事会中心の国際連合機構に代りまして、総会の権限を拡大強化をする国連強化の問題が取上げられまして、開会の翌日の九月二十日にアチソン・アメリカ代表からいわゆる四項目の国際連合強化案が提案されましてこれが十七日に本会議に上程され、九日から政治委員会で討議をされまして十八日各項目ごとに表決をいたしてその結果圧倒的多数で可決され、翌十九日に平和監視委員会、集団保障処置委員会の構成国が決定されますと共に一括これを表決にされて、これ又圧倒的多数を以ちまして可決され、それが総会の本会議に回付されまして本月三日に本会議におきまして五十二票対五票、棄権二票という圧倒的多数を以て可決されましたのであります。  この内容は大体アチソン・アメリカ代表が提案しました内容を含んで、前文と十四項目からなつておりまする本文と最後の本文附属書で、現在の総会手続規則の改正がなされておるのでありまして、その主なる点を申上げますると、第一項において平和に対する脅威が発生し、又平和の破壊なり或いは侵略行為が行われました場合には、安全保障理事会が五大国の意見の不一致でその責任を果し得ないときは、安全保障理事会七ケ国の投票又は国際連合加盟国過中数の要求に基いて二十四時間以内に緊急総会を開くことができるといたしました点。第二はその第三項において述べております十四ヶ国からなる平和監視委員会を設置しまして、国際的な緊迫状態が存在するいずれの地域にもこれを派遣し監視報告させるという点。第三はその第八項に申しておりまする、全加盟国は、自分の国の軍隊内に安全保障理事会又は総会の指令の下に国際連合軍として行動をなし得る部隊を、各国の憲法に即した方法で設置するという点。第四はその第十一項に述べております十四ヶ国からなる集団保障処置委員会を設置して、国際平和と安全保障を維持するための方法を検討し、明年の九月一日までに安全保障理事会並びに総会に報告するという点であります。この決議は総会議長のエンテザームが申しましたように、国連創立以来最も重要な決議といわれ得る大きな改正と思われるのであります。即ち国際連合の最も重要な機能であります国際平和及び安全の維持に関する機能は、安全保障理事会におきまする拒否権の濫用によりまして麻痺されておりました状態でありますから、この拒否権を制限し、或いは拒否権のない総会の権限を拡大しようとする主張が従来種々の方法において試みられたのでありますが、この決議の採択によりまして総会の権限が大いに強化されるとみることができると存ずるのであります。  この決議で特に重要な点と思われまするのは只今申上げました第一項でありまするが、これは国際連合号憲章の第十二條第一項によりますると、御承知のように安全保障理事会が、憲章によつて與えられました任務をいずれかの紛争又は事態について途行いたしておりまする間は、総会は安全保障理事会が要請しない限りその紛争又は事態について報告をしてはならないということを規定いたしておるのでありまするが、この改正の決議の第一項は、拒否権によつて安全保障理事会の機能が麻痺いたしましたことは、安全保障理事会がその憲章にいう任務の遂行をしないものであるから、安全保障理事会の手続事項として緊急総会を招集し、その総会が集団的処置を加盟国に勧告し得るということにいたした次第であります。  次に朝鮮の問題について申上げたいと存じますが、去る九月十五日国際連合軍が仁川に上陸いたしましてからいわゆる国際連合軍の作戰は着々成功をいたして、三十八度線の突破の問題は相当論議があつたようでございまするが、只今申上げましたように九月三十日特別政治委員会に上程せられて、十月七日朝鮮の統一及び復興に関するイギリスを含む八ヶ国提案が本会議で圧倒的多数で可決されまして、これによりまして国際連合軍が三十八度線を越えて北鮮に作戰の状態をとつたのであります。十月二十日に北鮮人民共和国政府の首都でありました平壌が陥落いたしましたことによりまして、軍事的段階はいよいよ終末を告げたかのように思われたのであります。今後はむしろ経済再建と統一政府樹立の準備に重点が移つたように思われたのであります。  八ヶ国の提案は朝鮮の戰後処理に対する国際連合の方針を明らかにしたものでありまして、この決議の具体化には尚多くの問題が残されており、殊に統一された朝鮮に自由選挙に基く政府を樹立することが国際連合の一つの終局目的でありますることは明らかでございまするが、この決議が規定いたしておりまする総選挙は北鮮だけの選挙であるか、或いは全鮮を通ずる選挙であるかは明瞭を欠いておると思われる点があるのでありまするが、国際連合中間委員会は十月十二日秘密会を開きまして、オーストラリヤ提案の北鮮を韓国政府の権限下に置かず、統一政府の構成を決定するまで、全鮮を通ずる総選挙までは国連軍司令官の権限下において、国連の北鮮民政機関に各国際連合の国連軍代表が参加するという趣旨の勧告を満場一致で決定いたしまして、この決定は直ちにマツカーサー元帥に勧告されたのであります。  ところがこの問題に対しましては朝鮮政府は一旦はこれを拒否いたしたのでありまするが、その後態度を緩和いたしまして、李承晩大統領は国際連合の如何なる指令にも服するといいながらも、なお国際連合が総選挙を処理することよりもむしろ監視し或いは助言を與え、援助をされんことを希望すると言明いたしておるようであります。併しながら結局この総選挙いわゆる行政の問題は国際連合の委員の任務に属するものでありまして、選挙の時期なりその他の今後に俟つべきいろいろな問題が含まれておると思われるのであります。又国際連合の朝鮮統一復興委員会は濠洲、チリー、オランダ、パキスタン、フイリツピン、トルコ、ノールウエー等のこの七ケ国によつて現在の国連朝鮮委員会の機能を引継いで統一した民主的政府の樹立を援助し、且つ朝鮮の救済復興事業について国際連合総会の責任を遂行するというのがその任務でありまするが、その構成いたされまするまでは国際連合、只今の構成国の常任代表から成りまする中間委員会が国際連合司令官と連絡しまして、これに助言を與えることとなつて現在はその機能を執行しておる状態であります。併し十一月三日にリー事務総長は構成国が自国代表をそれぞれ任命した旨発表いたしまして、委員は近く現地に出発する段どりとなり、この二十日には東京で会合が開かれるやに伝えられておるのであります。  朝鮮の復興、経済救済につきましては、只今申上げました決議によりまして、経済、社会理事会が專門機構と協議の上に朝鮮の経済復興計画を研究することとなりまして、この決議に基きまして理事会は七ケ国から成りまする朝鮮救済復興計画調査委員会を設置いたしたのであります。その内容は大体アンラの原則とほぼ同一の救済復興事業に関する原則を可決いたしまして、去る十一月八日には五十一年末までの復興計画費といたしまして二億五千万ドルを可決しました。これらの決定は近く総会の討議に付されて決定される筈であります。  こうして大体朝鮮におきまする統一及び復興計画は順調に進んだかのように思われつつあつたのでありまするが、去る十一月六日マツカーサー元帥が正式に言明いたしましたように、十月の中旬から中共軍が事件に関係いたしまして以来、朝鮮動乱は解決の見通しが誠に困難な状態になつて来たと思われるのであります。この事件に対応いたしまして、安保障理事会はマツカーサー元帥の報告を聽取し、更に八日にはこの報告を審議いたしまするに当りまして中共代表を招請する動議を可決いたしたのであります。これまでのところは国際連合側といたしましては、朝鮮問題に対しまする中共介入につきましては非常に愼重の態度をとつて当るようでありまして、朝鮮中間委員会は中国国境の尊重を決議し、国際連合軍の国境爆撃につきましても特に乘組員の越境禁止の言明をしたとさえ伝えられているのであります。  一方これに対しまして中共は十一月四日中共民主同盟その他各党派の共同声明によりまして北鮮援助声明をいたしますと同時に、中国人民が義勇兵として北鮮で戰つているということを明らかにいたしたのであります。更に十一月には中共政府は、マツカーサー元帥の報告に基いて中共部隊の北鮮侵入の問題を審議いたしまする会議の出席を求める安全保障理事会の招請に対しまして、拒絶の回答を送り、マツカーサー元帥の報告を一方的非合法的なものといたしまして、米国政府の朝鮮に対する武力干渉と台湾に対する侵略の問題の討議を主張いたしたのであります。又外交部のスポークスマンもその声明に当りまして、米国こそ中国の領土を侵犯しておると申しまして、中国人民が朝鮮人民を援助して米国の侵略に反抗するのは合理的であり、且つ正当であると主張いたしておるのであります。  又一方におきましては去る十五日アチソン・アメリカ国務長官は国務省におきまして、商工業、農業関係者ら二百名ばかりの人々に演説をいたしまして、米国は朝鮮における中共の介入によつて世界が最も大きな悲劇に陷ることを防止するため、でき得る限りのことをしなければならないと中共に対する保障を言明したと伝えられております。このことは相当大きく関係方面に響いておるようであります。  次に対日講和の問題について御報告申上げたいと存じます。対日講和の問題は去る九月十四日にトルーマン大統領が声明をいたしましてから、ダレス顧問が責任者となつて、極東委員会構成十二ケ国と非公式に個別会談を進めて参りつつあつたのでありまするが、十月二十日になりまするとソ連は交渉に応ずる旨を申出て、二十六日にはダレスマリク会談が行われ、米国はその基本方針の説明をいたしたようであります。この各種の報道を総合いたしますると、アメリカは関係各国との会談討議に当りまして七項目からなる條約草案の方針となるべきものを示しておるようでありまして、その七項目の第一は手続の問題、即ち対日戰に参加いたしました国はすべて條約に調印する権利を有するということ。第二は国連加入の支持の問題、即ち條約調印後国連加入の資格につき敵である日本の加盟を支持するという点。第三は領土の問題、小笠原、琉球はアメリカの信託統治とし、朝鮮はこれが独立することを日本は認める、台湾、千島、樺太は米・英・ソ・中この四大国で決定をして、それが一年以内に意見が一致しないときは国際連合総会で最後の決定をするという意味の点。第四は、日本の安全保障についての問題。即ち日本が自己の軍隊で保障できるまでは、日本の安全保障については日本とアメリカと協力をするという点、第五は国際條約の遵守の問題。第六は賠償の問題、即ち一九四五年九月二日以前に発生したあらゆる賠償請求権は放棄するという意味の問題。第七は賠償に関する紛争処理の問題。第六の賠償の紛争が今後ありまする場合はへーグの国際裁判所において解決するということ。以上の七項目に対しまする各国の回答を求めて、なるべく多数の国が参加できるように共同草案を作つて、対日講和会議を開きたいという希望のように伝えられておるのであります。  この七項目の原則に対しまする各国の反響はまだ十分これを知り得ないのでありまするが、只今まで現われておりまする三、四の点を見ますると、日本の再軍備に何ら制限を設けんという意味の問題につきましては、フイリツピン、ニユージランド、オーストラリヤ等に相当の難色があり、日本の軍国主義復活に警戒する点がいろいろ公私の場合に言明されておるようであります。これに対しまして十月十四日ダレス顧問がニユージランドの公使の質問に対しまして、日本を太平洋地域の反共同盟に加えて、日本の戰争遂行能力に関し十分な情報を他の諸国に與えるような、全般的太平洋條約の構想を受け入れる用意があると答えておるようであります。又印度におきましては米軍或いはイギリス軍が調印後尚日本に留まることは主権の侵害であると申しておると伝えられております。ソ連におきましてはまだ回答はしていないようでありまするが、併し講和の手続の問題につきましてはマリク代表は一部新聞等に伝えられておりまする点を否定いたしまして、米国方式に同意したという事実はないということを明らかにいたしたのであります。殊にソヴイエトの対日講和に対する内容を窺い得るものといたしまして、十一月六日の革命記念日の前夜祭におきまするブルガニン元帥の演説の中に米国軍隊の撤退、日本の軍国主義の解体を條件にして対日講和の締結を主張しており、米国は日本を極東における侵略計画の実現の足場としているといつて強く非難をしておつたようであります。対日講和に対する中国の問題につきましては、中国代表として国府、中共いずれを認めるかという問題については、対日講和開催に当つての大きな障害となることが予想されるのでありまするが、アメリカは十月二十二日国府代表にアメリカの方針を示したと伝えられておりまするし、国府はこの提案を台湾、澎湖島を除いた点において同意をしたいと言われております。中共はソ連と殆んど同一歩調をとつておるように見受けられますが、現在国際連合極東委員会に参加しておりませず、殊に最近チベツトの侵入なり朝鮮事件の介入等がありまして、米英その他の諸国の態度が相当硬化しておるように伝えられておりまするから、中共代表の参加問題は今後尚相当紆余曲折を予想されておる次第でございます。  以上二、三の点について御報告申上げました。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) この際御質疑がありましたならば御質疑を願いたいと存じます。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 私は只今の政府の御説明に対しまして若干の点について質問いたしたいと思います。  只今の御説明は非常に客観的な簡潔にして要を得た御報告だと思います。ただ少しアカデミツクに過ぎておりますので、我々として日本の講和問題或いは安全保障或いは平和問題等に関連する点につきましてのお考えを政府に伺いたいと存ずるのであります。  第一に、国際連合がこの度の朝鮮動乱以来真に世界の平和を保障する力を示した。更に又この度の国際連合総会の決定によりまして、従来とにかく安全保障理事会が大国の拒否権の濫用によりまして安全保障の能力を麻痺されるような場合が起つた。これでは我々日本国民といたしましても、将来の日本の安全保障を国連に託したいと、もう国民の一致した要望から見ましてもやや遺憾な点があつたようにも思いまするが、この点がこの度の総会の決定によりまして、安全保障理事会の機能が麻痺した場合には、より民主的ないわば世界の輿論の結集体ともいうべき国連の総会が速かにこれを取上げて、世界の安全保障に転じ得るという機能ができましたことは、我々といたしましても極めて双手を挙げてこれを歓迎しなければならないところと存ずるのであります。この意味におきまして国連が真に世界の安全保障をする機能を強化した、従つて又、これを我が国にとつて見ましても、我々が講和後の日本の安全保障を国連に託しようという意図が決して非現実的なものではない、十分な現実性を、その裏付けを得たというふうに考えるのでありまするが、その点に関する政府の見解を伺いたいと思います。  第二に、かような意味におきまして、日本国内におきましても朝鮮動乱以来、如何にも世界の第三次戰争というようなものが極めて真近にあるやに錯覚を抱き、或いは、さような宣伝を行なつていた向きも遺憾ながらあつたと思うのでありますが、世界の情勢は決してさほどは逼迫しておらない、真に国連というものは決して東と西との二つの陣営の軍事的対立ばかりではなくて、そこにいずれの陣営にも加わらない例えば印度のごとき、或いはイスライルのごとき、或いはその他の回教諸国のごとき、或いはスエーデンのごとくいずれの軍事同盟にも加わらない世界の多くの国々が国連に結集することになつて、且国連総会という民主的な多数決制、勿論三分の二の多数決でありますが、かような機構の運用によりまして世界大戰のごときものを避けて行くという、かような方向に大体において進んでおる、かように存ずるのであります。言い換えますならば、国連の安全保障に関する機能の強化ということは第三次世界戰争を押える、これを喰い止める大きな力ではないか。かような意味におきまして国内における一部の先走つた戰争恐怖症というようなものに対しては、当然にこれをもつと冷靜に取扱つて行かなければならないと考えるのでありまするが、この点に関する政府り御見解を伺いたいと思います。  第三に朝鮮問題と申しまするよりもむしろ差当つての中共の問題でございます。只今私自身が先ず申上げましたように、第三次世界戰争の本格的な米ソの正面衝突というような悲惨事は避け得るという大体の見通しがあると思いますが、然らば世界の平和は現在すでに確立されたというような決して安心ができる状態ではないと思います。即ちここにこの度の中共の行動等から見ましたように確かにまだ冷い戰争の強化というものが、特に極東において行われているということが事実であります。そこで中共の意図の判断の問題でありまするが、私は中共と申しまするか或いは中国といつた方がいいと存ずるのでありまするが、中国が朝鮮の将来のあり方につきまして、政治的にも経済的にも又軍事的にも非常な深い関心を持つておるということは、これは極めて当然であろうと存ずるのであります。元来朝鮮という一つの国或いは地方、このあり方について最も直接関心を持つておる国は中国であり、ソ連邦であり、又我々日本でなければならないと存ずるのであります。従いまして我々日本国民といたしまして、朝鮮が真に統一した民主的な平和的な独立国として誕生されることを心からこれを歓迎しなければならないと思いますし、中国が朝鮮の問題について重大な関心を持つことは当然だと思うのでありまするが、この度の中共のとりました行動につきましては、果してさような政治、軍事、経済上だけの発言権確保というような意味だけであるかどうか。例えて申すならば何もこれば妥当と存ずるのは、あの水豊ダムの問題でありまして、この水豊ダムから得られるところの電力についての中国側、殊に満洲地方における需要というものはこれは当然のことと存ずるのであります。併しながらかような意味だけであるかどうか。或いはこの朝鮮に対する出兵と更にチベツトに対する出兵、更に又印度支那のホー・チミン軍に対するこれは殆んど公然たる援助でありまするが、これらの問題を通じて見ますると果して中共は真に中国的な見地のみから行動しているとのみは思えない。そこにはつきりしたコミンフオルムの路線に従つた、いわば西欧陣営と申しまするか、アメリカの軍事力を極東において膠着させよう、かような国際路線に乘つた行動かも知れないと存ずるのであります。然しながら又かようなソ連のためにのみ中国が動くとは我々も考えられません。そこで先程申しましたように、この朝鮮に対しましても中国らしい要求があればこそ、そこにソ連の單なる手先ではないが、やはり国際路線としての戰略的な行動にも出たという裏付があるのではないかと存ずるのであります。さような点につきまして一体中共の意図をどう判断するか。このことは我々といたしましても非常に大きな極東の平和に関する基本でございまするから、かような点について当局の判断が若し伺えるならば伺いたいと存ずるのであります。  第四に直接に我々の最も期待いたしております講和問題に関連することでありまするが、只今の御説明にもありましたように、只今の段階におきましてはアメリカのいわゆる七項目というものを中心といたしまして、ソヴイエトも含めた十三ケ国間の内交渉の段階であると存ずるのであります。そこでこの内交渉の内容につきまして、勿論我々全日本といたしまして政府も国民も非常に大きな期待を持つておるわけでありまするが、国民は御承知のごとく新聞紙上に伝えられる程度以外の情報は何も持つておらない。併しもとより日本のことでありますしこの問題につきまして至大な関心を持つておるわけでありまするから、若し政府において何らかの情報をお持ちなら、只今の客観的情勢のみならず、進んでここに国民に対して内容等についての何らかの情報があつたならばこれを披瀝して頂きたいと存ずるのであります。殊に私が注意いたしたいと存じまするのは、政府においても御承知のように昨日、本日の新聞等に出ておりまするがごとく、又AFP或いはロイターからキヤリーしておりまするところのタス通信の十六日付のものに日米間にアメリカ軍隊が日本に残るというような軍事協定の交渉をやつておる、こういつたようなことで、詳細は本日の毎日新聞東京版の第一ページに出ておりまするので御承知であろうし、尚同新聞によりますると、すでに岡崎官房長官が、政府の官房長官としては私はこの問題は全然関知していないと語つたということが伝えられておりまするが、私は日米間におけるかような祕密交渉のごときことは断じてないだろうと存ずるのでありまするが、更に又この点は去る第八国会におきまして吉田総理が本委員会におきまして、自分としては日本に軍事基地を設けたくないのだ、かようなことをはつきり言明された趣旨から見ましても、更に又政府は第八国会の劈頭において日本の安全保障についてははつきりとは言われなかつたけれども、国際連合にこれを求めるというような趣旨を述べられた点から考えまして、更に又国会と政府との関係から考えましても、かような祕密交渉殊に軍事的な祕密協定というようなことはあり得ないと我々は考えるのでありまするが、これは国民の知らんと欲することは勿論でありまするが、この際かような点がないならばないとはつきりと世界にこれを明らかにして頂きたい。かような意味におきまして当局の明確なる説明、肯定、否定等を伺いたいと存ずるのであります。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○説明員(草葉隆圓君) 只今曾彌委員からの御質問の第一点の国際連合総会の権限が拡大いたしましたために、対日講和、なかんずく日本の将来の安全保障というものは相当はつきりして国際連合による保障というものが最も妥当になつて来たのであるし、又今次の改正が第三次世界大戰を押えるものであつて、ややもすると一部に第三次世界大戰がまさに起るがごとき印象を持たせるごとき行動は愼むべき点であると思うが、これに対する見解はどうかという御質問と承知いたしたのでありますが、政府におきましても今回の国際連合総会の権限拡大は誠に重大なる一つの国際連合の転機と存じまして、将来あらゆる意味において有利に国際連合が伸展し得るものと歓迎をいたしておる次第であります。又国内において第三次世界大戰が如何にも近々に起るかのごとき印象の言動は私共の殊に愼むべき点であると存じまして、この点につきましては全く同感に考えております。  次に中共の朝鮮問題に対する介入について、朝鮮が速かに平和なる国としての再建を希望いたしますことはこれ又全く同感であります。中共が如何なる意思によつてなしておりまするかは私共現在の資料によつては尚判断いたしかねておる点であります。対日講和の問題につきまして何らか本日の通信等にもあつたような交渉がすでになされておるかという点につきまして、現在のところ何らさような点はないのでありまするからさよう御了承を頂きたいと思います。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 第三の点はこれは否定ですね。

太田一郎外務事務次官

○説明員(太田一郎君) これは国務省側が今朝否定しております。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。

團伊能自由党

○團伊能君 只今曾彌君の御質疑にありました連関の最も深いものと存じますが、例えば第三次大戰へこのまま転入しようとするのではないかという一つの仮説的な意見のよつて起つて参りますところは、要するに北朝鮮におきます中共軍の行動の意図というものにいろいろな想像が加えられるところに存在するかと思います。北朝鮮の中共軍につきましてすでにこの度でなく、北鮮軍における協力が従来どの程度のものでございましたか。又今日甚だ沓として掴み難いのでございますが、これらの情報につきまして幾らか私共にその意図を察知せしめるような情報が若しもお教え頂けましたならば、非常に我々の判断として、又国民の判断として役立つと思いますが、その点お伺いいたします。

太田一郎外務事務次官

○説明員(太田一郎君) 新聞に伝えられておりますこと以外に特別な情報を持つておりませんですが、ただ先程の曾祢委員の御質問の第二点でありまするが、これにつきましては北鮮の問題であるとか、印度支那の問題であるとか、チベツトの問題であるとかいろいろございましたが、非常にアラーミングな情報を出すところもありますし、又それが必ずしも当つておらなくて事態はそれ程のものでないというようような情報も聞いておりますので、はつきりいたしたことは分らないのであります。それから又中共の意図というようなものにつきましても、これは結局時間的要素の問題でないかと考えるのでありまして、長い目で見れば中国の今までの歴史であるとか、或いは中国の国民性というものが大きく影響いたすと思いますが、その近い当面の問題としては必ずしもそうは行かないというふうに考えられる情報もあるのであります。  それから只今御質問の北鮮との関係における外国共産軍云々の問題に関しましては、事変が起りました当初より、果して中共軍といつていいかどうか、或いは従来の満洲国軍に属しておりました朝鮮人の部隊で非常に朝鮮語のできる者というようなものが入つておつたのではないかというようなことは、事変の当初から言われておつたところでありまして、これは最近の新聞などが朝鮮事変後数ケ月たちました後に、段々はつきりこれを外国共産軍と呼び或いは中共軍と呼ぶようになつて来ておるのであります。一方北京などにおきまする民主同盟その他中国の団体などの声明によりますると、まだこれは義勇兵であるとか或いは志願兵であるというふうに言つておるというような情報もございます。要するに先程政務次官が説明されました通り、アチソン長官の言われる通りに国境というものに対する心配からであるかどうか、或いはその他曾彌委員が言われましたような水豊ダムであるかその他の権益というものに対する心配であるか、或いはアメリカ或いは国際連合というものの意図に対する心配であるのかどうか。そういう点でありますならば十分その心配のないというふうに、今後説明もし努力もして行くというように国際連合では考えておるようであります。併しながらそうでなくて大きな国際的規模の下に考えているということになりますと又話が違つて来るというのでありますが、まあいずれにいたしましても私共といたしましては新聞以外特にここで御報告するような新しき情報は、何も持合わしていないというのが真相でございます。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 あの軍事協定等に関する祕密交渉は否定されたわけですが、七項目というようなものの以外についてアメリカの考え等について、外務省は別に情報を持つておられないのですか。その点を伺いたいと思いますが、講和條約の内容についてアメリカの提案等に関する情報について……。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○説明員(草葉隆圓君) 特別に持つておりません。又今後先にお話がありましたような特別なものがありましたら申上げます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 軍事協定その他について今政務次官から御答弁がございまして了承いたしましたのでございますが、この前の国会の終る頃に総理大臣、外務大臣が御出席なさいましてやはり同じことを明言されました。それから丁度一週間目くらいに毎日新聞に英国の新聞記者との御会見のときに、バーミユダ島の例に倣う云々の記事が出ておりましたので御承知と存じますけれども、あれはあの当時に外務大臣もお話しなさつたのでございましようか、如何でございましよう。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○説明員(草葉隆圓君) 新聞記事は承知しておりますが、その当時の模様は私立会つておりませんから承知しておりません。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 そういたしますと、今の御発解とあの御発言とはちよつと矛盾するのでございますけれども。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○説明員(草葉隆圓君) あれはやはり国会で当時総理がお答え申上げました点で御了承願つて置いて間違いないと思います。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 これは質疑じやないのですが希望を述べてよろしうございますか。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) どうぞ。

曾禰益日本社会党

○曾祢益君 国会が開会さされますので特に政務次官にお願いいたしたいのですが、これは委員会として決定されることですが、一委員の希望としてお聽き願いたいと思います。  この前の国会において総理が外務委員会に出席されましても時間を限つて出席された。これは健康の都合等もあつて我々も止むを得ないと思つておりますが、どうぞこの度は皆さんが十分に発言し、十分にここで、国民の前でこの重要な問題をデイスカスするような気持で一つやつて頂きたい。いずれ委員会の方から正式にあると思いますが特にお願いいたして置きたいと思います。

草葉隆圓自由党外務政務次官

○説明員(草葉隆圓君) よく伝えて置きます。

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言もなければ政府に対する質疑御意見等はこれで打ち切りたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。  尚議会も開会が迫まつておりますので、本閉会中に継続調査として続けて参つておるのでありますが、講和に関連する諸般の基本方策樹立に関する調査は問題の性質上その範囲が広汎であるため未だにその結論に達しておりませんが、近く臨時国会も召集されますので、一応従来までの調査の経過を付して未了の報告書を提出いたしたいと存じます。その手続等に関しては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻内辰郎国民民主党

○委員長(櫻内辰郎君) 御異議なしと認めてさよう決定いたします。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     櫻内 辰郎君    理事            曾祢  益君    委員            團  伊能君            加藤シヅエ君            野田 俊作君   説明員    外務政務次官  草葉 隆圓君    外務事務次官  太田 一郎君

国会会議録検索システムで原文を見る ↗