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第8回国会参議院1950/09/18

運輸委員会 閉会後第1号

発言数
78 件
登壇者
11 名
会派数
2
開催日
1950/09/18

会議録

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) これから委員会を開きます。  本日は暑い折から御苦労様でありました。本日は派遣議員諸君の御報告を伺うことにしてありますが、実は派遣議員の御報告の中にもあろうと思いますが、ジェーン台風による被害が予想外に多く見受けられますので、これに対する予算措置を政府は如何にせられるか、至急委員会を開いて政府の説明を聴き、御審議を必要があると思いましたので、誠に急でありましたが、予算編成時期でもありますので、少しでも早い方がよいと思いまして、至急委員会を開いた次第であります。御了承をお願いいたします。最初派遣議員諸君より御報告を願います。先ず岡田議員。

岡田信次自由党

○岡田信次君 それでは私から九州方面に参りました視察の報告を申上げます。 今回九州地方に派遣されました議員の一行は小泉、岡田の両委員でございまして、八月二十五日に東京を出発し、門司に赴き、若松、博多、三池より肥薩線を経て鹿児島に参り、薩摩半島より海路大隅半島に渡り、日南、宮崎、別府を経て、九月三日所定の視察日程を終つた次第でございます。  今回の視察の目的は、九州における港湾の状況、九州の主要貨物と認めらるる石炭、木材の輸送状況、殊に貨物運賃値上りに伴うこれら貨物を初めその他物資の荷動きの模様及び九州のごとき遠隔の地方よりの長距離輸送における国鉄のサービスと、かかる僻遠の地区におけるローカル・サービスの状況、並びに国鉄の新機構の運営、状況に主眼を置きますと共に、観光地と目される地方におきましては、その観光施設を視察することにいたしたのであります。  先ず九州における港湾でありまするが、九州は殊に良好な港湾に富んでおりますので、門司港を初め、若松港、博多港、三池港、鹿児島港、並びに枕崎、山川、古江、油津、大分、別府等行く先々の諸港を視察し、関係当局より現地において説明を聴取いたしました。右各港湾はいずれも岸壁、防波堤、港内浚渫等の修築計画を持つておりまして、これに相当の資金を要し、国庫補助を望んでいる向もあるようであります。私共は地方交通の用に供する港湾は地方の負担とするのが本義であり、又国家的色彩の濃厚なものにつきましても散発的に資金を放出せず、重点的に一ケ所を完成して行くことが望ましいと考えた次等であります。尚一、二の港湾に関して聊か感想を加えますと、門司港につきましては、西日本の玄関口としての抱負を以て修築計画を立てておられるようでありますが、後進の博多港は現に七、八の倉庫会社があり、目下日通のごときは大きな倉庫を建造中でありまして、博多港は倉庫設備は優れております。倉庫設備の不十分なものは港湾としては片輪の感じを受けるのでありまして、この意味におきましては場所の関係もあり、博多並びに将来の三池港は優れておると見て参つたのであります。  次に港湾で大切なことは水深でありまするが、更に水深を深める要のある所が甚だ多く、殊に三池港は石炭積出港としてのみならず、将来雑貨の出入港としての使命を果すべく目下大きな計画を持つておりまするが、湾内航路の水深が不十分なので、これを九米に維持するよう目下計画中であります。尚三池のことを申しましたついでに一言触れて置きたいと思いますことは、三池港は三井港務部の管理する特殊な性格を有する港でありまして、三池港に対する大きな計画を持つております。その一環といたしまして、大きな埋立がほほ完成しており、将来ここに三井の関連産業を誘致するものとのことであります。この石炭は最近主として有明海の下を採掘しているのでありまするが、これがため海中に人工の島を造り、そこに竪坑を廻り或いは新らしい埋立地先に竪坑を築造し、材料の搬入、石炭の搬出並びに換気に資しております。石炭は港頭貯炭約二十万トン内外を持つておつたように見受けておりまするが、主として船で運ばれております。  荷三池港に隣りいたしまして市営の港湾が築造中でありますが、設備の完備いたしました三池港の隣に甚だ不完全なる市営の港が築造されれつつありますることは、全体の港湾といたしまして甚だ奇異に感じた次第でございまして、この点につきましては港湾当局の愼重なる御考慮を煩わしたい、かように考えた次第でございます。  次に商港と漁港を兼ねております港湾は沿岸至る所にあるのでありまして、これらにおきましても、防波堤、岸壁、水深の整備増大の工事が計画されております。これはあとに関連することでありまするが、かかる港湾が改良されますると、九州沿岸相互、又遠く瀬戸内海、近畿方面への海運による貨物が相当予想されるのでありまして、国鉄の建設、改良に要する資金とこれら港湾費及び港湾までの臨港線のごとき陸送設備資金とを睨み合せ、我が国の交通政策について海陸輸送の正しい分野の確立を期する要があると考えた次第でございます。  最後に若松と別府について一言申上げますると、若松港は主として機帆船による石炭積出港としての特徴を持つておりまするが、石炭輸送のための油の配給がありませんために、闇油によるものが若干動いておりまする外、殆んど全部動いておりません。若松に船籍を有する三百の機帆船の外、若松を中心として動いておりまするものの大部分が繋船されておる実情を目撃して参つたのであります。これがため船主及び従業員は全く生活の脅威を受け、機帆船が動かなくては日本産業がどのくらいの影響を受けるか十分認識を新たにして貰う最後の手段として、むしろ機帆船を全部廃止するか、政府に買上げて貰いたいという切実にして且つ悲壯なる陳情を受けたわけでございます。若松——大阪間のごとき長距離の石炭輸送に機帆船を使用することの可否は別にいたしまして、我が国の港湾の現状から機帆船を陸上における小運送機関的に活用することが今後機帆船の生きる道であり、海上輸送の円滑を期するゆえんであろうと考える次第であります。又別府については元来別府という港は小規模の漁港設備しか持たないところでありますので、将来は阿蘇、雲仙を結ぶ国際観光港としての近代的設備を整えるため新たな港湾計画を持つておりますが、促進の要がありましよう。  以上諸港湾関係の御報告を終るに当りまして、九州海運局管内の汽船の輸送状況を御紹介しで置きますと、七月の実績で、石炭約二十万トン、雑貨約六万トンでありまして、最盛時の六十万トン乃至八十万トンに比べれば比較になりません。これは汽船の実績でありますが、まだこの外に機帆船の分が若干あるわけであります。  次は石炭と木材輸送についてでありますが、石炭は北九州の代表貨物、木材は南九州の代表貨物と言えるのであります。九州炭は全国生産高の五四%を示し、昭和二十四年度生産高は二千二十九万トンでありました。うち鉄道輸送にかかつたのは千四百八十二万トンで七三%、海送が三百四十二万トンで一七%、残二百五万トンが山元消費で一〇%ということになつております。運賃値上げの直後は一時五百車程度のものが二百車程度に減つたそうでありますが、国鉄の自家用炭の陸送転移の面が大きく響き、今日では値上前と大差のない輸送実績を示しておるとのことであります。又木材輸送については鹿兒島監理局の実績を見ますと、本年七月までの実績は坑木で五万五千四百トンでありまして、前年は五万八千二百トンであります。又坑木以外の木材は本年十万トンで、前年は九万八千トンであります。従つてこれも本年と前年と大差はないのでありまして、総量の上から見れば貨物運賃値上げの影響は感ぜられませんが、仔細に検討いたしますると運賃値上げにより減量された分は九州地区ではパルプ需要の旺盛によりカバーされ、又最近は特需関係により補われておるのであります。これらの事情を拔きにしまして見ますときは、運賃値上げによると出貨減は予想し得るのでありまして、これは輸送キロの減に現われて来ると思います。同じ鹿児島監理局内における本土向の坑木以外の木材が昨年は七月まで九千七百八十九トンでありましたものが、本年は六千五百トンに減つておりますのもこの辺の事情を伝えるものと考えます。但し貨物の減量は必ずしも運賃値上げのみによるものと速断はできませんので、一般産業の状態、殊に金融事情に依存することの多いことも考え合せなくてはならんと思われます。  運賃値上げで遠距離貨物に打撃のありましたことは、その他の貨物についても同様でありまして、その一例として九州の特産の竹の輸送について説明がありましたが、九州地内着と本土向の輸送量は昨年の十、十一月は四対六であつたものが、本年の二月、三月、四月、五月の四月は七対三に逆転し、竹細工等の製品は生産者が手控えておるとのことであります。  次は国鉄のサービスの問題でありまするが、一口に申しますと九州のような僻遠の地区の方にはお気の毒な感じを持つ点が若干感ぜられたのであります。貨物輸送の点については先程代表的なものについて一応触れて置きましたが、その要は、現在は輸送力の点よりむしろ運賃の点であろうと思われます。鹿児島におきましては遠距離貨物運賃逓減の陳情がありました。旅客輸送の面につきましては九州の旅客人員は四監理局の昭和二十四年の乗降一日平均は約百五十万人でありまして、その乗車効率は幹線で、百四十から百七十に及んでおります。混んでおることは戰後止むを得ない現象といたしましても、もう少しサービス向上の余地のあるように思われました。それは直急行の少いという点、支線では標準の列車回数が一日四回であるという点、直急行以外には木造車が多く、一編成に鋼鉄車は一両くらいしか混つていないこと、木造車の多くが板張りの腰掛であることなどは、列車キロの増設や、車両の改良につき国鉄の努力を希望いたす次第であります。国鉄当局の説明によれば、輸送力の増強については北九州に改良計画を持つておられるようでありますし、現在の設備では適当な時間に所要の列車を増すことが技術的に困難の趣きであります。それでも近く列車増設の準備をされておるようであります。尚肥薩線につきましてはこの委員会でも話題に上つておりましたので、今回の旅行でも視察して参りましたが、車体の粗悪な点と、貨物列車速度で混合列車として走つております点につきましては難はあるが、窓ガラスの点は良好であります。これは肥薩線に限らず九州一円改良が行届いておりました。尚媒煙の点につきまして最近煉炭を焚いておりますために、殆んど煙はなく、私共の利用しましたのは下り列車のせいもありましようが、隧道の中でも窓を開け放しにしておいて煤煙による苦痛はありませんでした。国鉄においては先の窓ガラスといい、この点といい一つ一つ改良の跡が見えますことは御同慶の至りと存じます。ただここに一言申述べたいのは、幹線にありましては最近サービスの向上見るべきものがありまするが、国有鉄道である以上支線のそれも向上し、幹支線の差を極力縮めるよう国鉄当局に強く要望いたす次第であります。以上のことは営業線についてでありますが、九州、殊に南九州には相当鉄道建設の要望が強く、山川枕崎間、日南宮崎間、国分古江間については多年要望されたところでありますので、沿道町村は強くその実現を希望しております。尚大隅の資源開発を目的とする岩川町を中心とする岩川国分、岩川鹿屋間に鉄道建設の声もあります。右のうち山川枕崎間及び日南宮崎間を今回バスで視察いたして参りましたが、山川枕崎間は国鉄バスを、又日南宮崎間は宮崎交通株式会社のバスを利用いたしました。一体に九州には優秀な民営バスが動いておりまして、広地域に亘つて営業をいたしております。殊に宮崎交通のバスは全国的に見ましても非常な優秀な部類に属するものであります。かような優秀なバスが普及されて参りますと、国営バスは人気が落ちて参るように感ぜられます。国鉄敷設予定線を今回視察いたしまして、沿道町村の鉄道要望の声を聞き、同時に沿岸における港湾の改修計画を親しく見、又道路の改良された場合の自動車交通を思いますとき、将来の旅客貨物の交通政策に多くの示唆を受けるのであります。やはり鉄道自動車の陸運と海運の関係を睨み合せて輸送機関全体としての均衡と適正を期待する要があると存ずるのであります。  次は国鉄機構問題でありまするが、九州には従来門司鉄道局の下に七つの管理部がありましたのが、門司、熊本、鹿児島、大分の四つの鉄道監理局と、四つの地方経理事務所、二つの地方資材事務所、地方営業事務所及び門司の自動車事務所に分れたのでありまして、その後の運用につきまして門司駐在の運輸支配人、現地各機関の長及び現場長より説明も聞き、且つ意見も徴したのでありまするが、大体において職務系統の階段を一つ省いた点及び責任体制を確立した点については、むしろ好感を持つて迎えられており、新機構の運営は現在のところ良好と認めました。又職員も、この新機構を十分活用する意気に燃えておるように見受けたのであります。ただ現在不十分と思われます点は、職員の宿舎の問題でありまして、これは当局としても急速措置する必要があることを認めたのであります。  次は観光でありまするが、私共が経過した地方につきましては、鹿児島県は全県観光地帶と認むべきものが多く、従つて国立公園設定の運動、観光施設の充実計画につき、大いに張切つておられます。又別府は、前に申しましたように、長崎、雲仙、阿蘇を結ぶ国際観光ルートの基地として別府観光都市の建設に努力されております。  最後に、右に関連し現地で多くの陳情を受けましたが、それらはいずれも請願又は陳情の形で書類となつて提出されることと思いますので、御紹介は省略いたしたいと思いまするが、一、二申上げて置きたいことは、鹿児島県では、今回の民間航空事業開始に伴い、鹿児島県にその基地を求めようとする考えが、知事初め地元では熱心であるということであります。  以上で私の報告を終ります。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) 次は菊川君にお願いいたします。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 関西班の派遣議員の報告を申上げます。関西班は私と前之園喜一郎君が参る筈でございましたが、前之園喜一郎君が出発前日に病気のために参れませんので、私一人参りました。当初の観察目的は、海陸輸送状況及び観光事業並びに国鉄の機構改革のその後の実施模様でありましたが、丁度関西は九月三日のジエーン台風の被害に遭いまして、その被害は昭和九年の台風又はそれ以上の被害を受けておりましたので、これが復旧には多額の資金資材を緊急迅速に要するのは論を俟たないが、関西班は丁度台風通過直後、大阪、神戸両港を九月の五日より八日の四日間に亘り視察いたしましたので、主としてその被害の模様につきまして、詳しい被害状況は関係当局からそれぞれ資料として提出されておりますが、私が実地に見て参りました模様、それから業者並びに関係当局から痛切に訴えられた諸点を先ず御報告申上げまして、委員各位のこれに対する対策を是非とも緊急に考えて立案し、政府に対して要望されんことをお願いする次第なのであります。  第一番に、最も被害の甚だしかつたのは、何と申しましても、大阪港でございまして、大阪港の造船設備並びに船舶、それから倉庫の被害は、漸くにして戰災の被害から無理をして業者はそれぞれ立直つて、これから本当に動き出そうとする矢先を叩かれたために、その被害額たるや誠に甚大なものがあると共に、業者の受けたところの衝激は極めて深刻なものがあつたのであります。尚それと、関西方面の私鉄の被害がこれ又甚大でありまして、そのために各会社におきましては、漸く赤字の経営から脱しようとする矢先にこの被害を受けたために、その復旧に相当の資金を要しますが、到底自力を以てはこれを復旧することは極めて困難な状態にありますので、私鉄企業の公共性に鑑みまして、これに対しましても、預金部資金、或いは国庫の余裕金、復金の回收金、見返資金等を、低利で而も長期に融資をいたしまして、これらの復旧を促進しなければならんと存じます。  次に第二点といたしまして、市中の金融機関への日銀の貸出の枠を拡充して、日銀の中小企業別の枠も増大いたしまして、中小企業の木造船或いは造船所等の関係につきまして、特にこうした手当をしてやらなければならんと思います。  第三点といたしまして、何といつても信用保証協会に対する再保証をこの際特に考慮しなければならん。この三点を、どこの被害地へ参りましても、業者から真剣に要望されておつたことを、ここに御報告申上げて置きます。  被害の状況につきましては、お手許に参つておりまする資料でよく分つておりまするが、大阪港におきましては、最も被害を受けたのは関西汽船でございまして、太平丸、あかね丸、あけぼの丸等の三隻が、いずれも港内において沈没し、その他の船舶も出帆間際に波打際に打ち上げられて欄坐する、或いは機帆船の高潮によつて岸壁その他に打ちつけられて破損したもの、或いは沈没したもの等、惨但たる有様でございまして、再び立上る気力さえも失つておる中小輸送業者のあることを、我々は見逃してはならないと思う次第であります。  次に陸運関係に参りまして、阪神鉄道の方では約一億円ぐらいの被害を被むつております。南海鉄道は大体七、八千万円、これが一番被害が大きく、次に阪神急行等も相当被害を受けておりますが、これは三、四千万円くらいの報告を当時我々は受けて帰つたのでありまするが、中でも一番何といつても海岸に面しておりました阪神鉄道の被害が最も甚大であつた。次に大阪の市電の方の被害も、港近辺の高潮を受けた部面におきましては、電車或いはバス等がそれぞれ被害を受けまして、いずれもモーターが潮水を受けまして、これ又動くことができなくなつており、その被害も相当なものがあると思いまするが、これはいずれも被害の金額につきましては、お手許に参つておりまする資料によつて一つ御承知願いたいと思うのであります。  倉庫の方は、さすがに住友倉庫等は、相当の資金をかけて頑丈なる設備にしてございますので、その被害額は、割合に軽微でございまするが、その他の倉庫は、戰後の資材の不足な中から漸くにして拵えた倉庫でありまするために、その被害額が極めて大きく、而も中に入れてありましたところの諸種の物資が、いずれも高潮のために海岸に引き下ろされてしまつて、港内を棉花或いは煙草等の重要物資が浮流しておるというような惨恒たる状態でありまして、私達が参りました九月の五日には、まだ港方面と都心との市電による交通ができないために、いずれも機帆船、ランチ等によりまして、海上によつて漸く港と都心との交通をやつておつたという状態であります。  今後の復旧に当りましても、何といつても建設関係の方は割合に早く手当もできて、復旧するかも知れませんが、交通運輸方面に対する諸手当につきましては、ややもすると等閑に付されて、自力を以てこの復旧をしなければならんというような羽目に陷りましたため、先程から申上げましたように、いずれの会社にいたしましても、業者にいたしましても、それぞれ戰後の漸くの立直りから、どうにか動き出そうという矢先にやられた関係上、これ以上業者の自力によつて再建を図ることは極めて困難であろうということを痛感して参つたわけでありますが、これの手当は是非とも委員会において十分なる措置を考え、政府に緊急に要望しなければならんと存じます。  尚次に自動車関係につきまして御報告申上げますが、自動車の通運関係としては約三億一千万円ぐらいの被害を受けておるのでありますが、その他の交通機関に先立ちまして、通勤、通学等のための代行輸送を、不眠の活動によつて行い、尚災害の復旧の援助等につきましても、陸運局の誠に適当なる処置によりまして、動員せられまして、活撥なる復旧に動いておりまするが、これもやはり今被害を度外観して、みずからの復旧或いは損害額等を度外視してやつておるような状態でありまして、自動車業者に対するところの復旧につきましても、これ又相当な、国家といたしまして補償してやる必要があるんじやないか、こういうことを痛感して参つたような次第であります。  次に観光事業関係といたしまして、賢島志摩の観光ホテルを視察して参つたのでありますが、賢島志摩の観光ホテルにつきましては、多少見返資金が、或いは放出されるのであろうという声もあり、近く放出されるんじやないか、そういう予想の下に計画せられたそうでありますが、一向に放出されない。止むを得ず三重県が一千万円、それから近畿日本鉄道が一千五百万円、それから三重交通が五百万円出資いたしまして、漸く建築に取りかかつておるのでありまするが、何を申しましても、殆んど何らの施設のないところへ、漸く観光ホテルだけを設けまして、それだけの金をかけて建設いたしましても、附近のこれに伴うところの諸施設がなされない限りにおきましては、これが利用についてもそう当初に予定したような利用がされないんじやないか、従いまして、今後の日本が観光事業によつて相当の外貨獲得に乗り出さなければならんとするならば、それに対するところの設備も、各要所要所には設けなければならん、こういう観点から、やはり観光事業の育成につきましても、もつと積極的に、而も長期の低利金融を図らなければならん、そうでない限りにおいては、折角業者並びに県当局が血の出るような思いで投資いたしました資金も、徒らに投資倒れになつてしまう危險があることを、その地元の諸氏並びに県当局からも国会の善処を強く要望されて参つたことを御報告申上げて置きます。  尚小運送関係といたしまして、日通の大阪支社へ参りまして、小運送業の実情を、報告を聴取いたしたのでありますが、小運送業の今一番当面しておる問題は、何と言つても運賃の收入金がなかなか回收できない。そのために日通支社だけにおきましても、数億に及ぶ未收金がある。そのために今後これ以上未收金のあるままで小運送を引受けておつたのでは、会社の経理状態がますます悪くなるのみであるから、止むを得ず関係の業者と申合せて、今後未收金を拂つて貰えない限りにおいては輸送を引受けるわけにはいかないから、止むを得ず了承して貰いたいというような通知を各荷主に発しまして、これが切拔け策を講じておる。これを見ましても、中小企業がそれぞれ深刻な打撃を受けまして、運賃の支拂の余裕さえも失いつつあるという事実を我々は見逃してはならないと思うのであります。尚ガソリンの税率を二割値上げの案がありまするけれども、実はガソリンの税率は一〇〇%であり、これが実現しましたならば、実質的に四割の値上げということになりまして、通運事業の被むる打撃は極めて大きいから、このガソリン税の税率値上げについては、是非とも考慮して貰いたいという強い要望があつたことを附加えて置きます。尚この問題は阪神両港の沿岸地帶の倉庫業者並びに農業協同組合から通運の免許につきまして、反対の陳情を受けて参りましたが、この問題につきましては、反対論と賛成論といろいろありますので、俄かに私がここでこれについての反対、賛成の意見を申述べることは差控えたいと思いまするけれども、要するにそういう問題が起きておるということだけをここに御報告申上げて置きたいと思います。日通といたしましては、これについて強い反対の意見書を、当委員会に提出してあることを御報告申上げまして、後刻その提出された文書は謄写いたしまして、委員各位に配付して、十分御覧願うことにいたしたいと存じます。  次に大阪における自動車の整備工場を見て参りましたのですが、これはいずれも自動車の整備業というのは、企業内容から見て採算が到底合わないのでありまして、金融の途もこれは非常に困難でありまして、なかんずく殆ど家庭工業的に行なつておるところの自動車の整備業の圧迫を受けまして、と申しますのは、道路端等のちよつと空地を利用いたしまして、二、三人の工員を使用して、自動車の整備を行なつておる、併しそこで整備をやつてそのでき上りは、一時は成る程使用に堪えるかも知れませんけれども、長い目で耐久力を考えましたときに、そうした中小企業の家庭工業的に行われておるところの自動車の整備業というものは、現在事業の面においては本当の意味の自動車整備業を圧迫いたしておりまするけれども、併しながら将来この自動車整備業というものを、もつとしつかりした基盤の上に立つた、そうしてせめて運輸大臣の免許制にでもいたしまして、そうして信用のある業者を免許して、自動車の整備につきまして、運輸省としてももつと監督権を拡充する必要があるということを、業者みずから我々に要望されておりましたので、この点等も将来の問題として考えなければならん問題であろうかということを痛感して参つた次第であります。  次に神戸へ参りまして、中日本重工業の神戸造船所及び川崎造船所を視察いたして参りましたが、越船技術について世界に誇つたところの日本の技術が、今やアメリカの技術よりも遺憾ながら十年或いは二十年間のギャップができてしまつたということを、業者みずから認めざるを得ないというところまで落ち込んでしまつた。これは戰争の結果による設備、機械の老朽化が原因していることは勿論でありまするが、尚戰後日本の廻船につきまして、いろいろの制約を受けておりました、併しながらこの制約も徐々に今解かれんとする矢先、再び日本の造船業は世界に乗り出さなければならん矢先でありまするので、これにつきましてこの業者からの国会に対する要望といたしましては、第六次の造船を早く決定して、そうして仕事を廻して貰いたい。そうすれば設備の近代化、或いは機械の、新らしい技術の導入等についても業者としては積極的に一つ乗り出す意欲を持つておるということを申しまして、早く仕事を與えて貰いたい、これのみを要望されておつた点を御報告申上げまして、第六次造船計画の速かなる実施を政府に対して我々は要望しなければならないじやないかということを痛感いたした次第であります。  尚神戸港を視察いたしまして関係当局から陳情を受けたのでありますが、神戸港は御承知の通りに第七突堤建設を今予定しておるのでありますが、これは主要なる突堤は殆んど進駐軍に接收されておりまして、漸く昔台湾航路に使つておつたような突堤を使用して、今漸く開かれんとする海外貿易にこれを使おうとしておるのでありますが、尚朝鮮事変等の関係で影響を受けまして、特需の目的のために使われる埠頭が段々殖えて参りまして、殆んど今では民間貿易に提供する面が少く、窮屈になつて参つたので、第七突堤を是非とも今年度の予定計画でやりたい、それには約五億五千万円の建設資金が要るそうでありますが、これに要する経費といたしましても或る程度は県、或いは市等で用意する意図を持つておつたのでありますが、今回の台風の被害をやはり兵庫県神戸市等も受けておりますので、その方面に相当の復旧資金が必要でありまするために、何としてもその五億五千万円の建設について国の速かなる手当を要望されておつたことを御報告申上げて置きます。  最後に国鉄の機構改革について御報告申上げますが、これは今あの機構改革が実施される際に縦割制か横割制か、或いは時期等についても本委員会においても何回か論じ合つた問題でありますので、今更これの是非については論ずることや、或いは視察の結果について意見を述べることは差控えたいと思いまするけれども、何と言つても極めて新らしい機構が、而も準備期間等の少なかつた関係上、未だ十分にその辷り出しがなされておらないということは認めざるを得ないと思うのでありますが、なかんずく、それぞれ関係当局の説明を受けますると、非常に理想的であるとか、或いはよい面の報告を我々は聽取したのでありますけれども、その局長、或いは支配人等の報告をそのまま鵜呑みにしておつたのでは視察の目的に私はならないと思うのでありまして、やはりその裏に潜んでおるところの、外から見てこの頃の機構の運営につきまして、我々は考えなければならん点が多々あつたと思うのでありますが、第一点といたしましては各所に運輸支配人、或いは営業支配人、或いは営業事務所等はできたのでありますけれども、一体何をやつてよいか、未だにどういう仕事を本当にどこまでの権限でやるのかということについて確固たるまだ規律と言いますか、運営方式というものが皆に呑み込まれておらないというところが一番欠点ではなかろうかと思うのでありますが、この点につきましても鋭意新らしい機構になじむように従事員が一等努力しておる、その努力は我々は認めなければならんと思うのでありますけれども、何と言つても、私が本委員会において当初に指摘いたしましたように、幹部の椅子が非常に殖えて頭が大きくなつた割合に、いわゆる論議に日を費やすという弊害が生ずるのじやないかということを皆恐れて参つたのでありますが、この点につきましては、今後の国鉄当局、並びに運輸大臣の善処を国会として要望しなければならん点が多々あると思うのであります。  第二点といたしまして、関係者といたしましては資材事務所、経理事務等の運営については、決して労働組合等が指摘するような事務の齟齬は来さないということを強調いたしておりましたけれども、下部の実際の現場にあつても駅長、機関区長、その他助役等の実際の仕事をやつておる連中に聽いて見ますると、やはり仕事を関係上局の方に申請いたしましても、それはあちらの関係である、それはこちらの関係であるというので、むしろ責任体制の明確化というよりもその責任体制の明確化の名の下にむしろ小さい殻に閉籠り過ぎて、大局から事務を処理するという点において欠くる点がある。即ち言い換えますならばよく言われましたところの一つの自分の分野のみを護つて小さい殻に閉籠もる弊がますます強くなるのではないか。併しながら新らしい機構を一旦実施いたしました以上は一日も早くこの機構になじむよう我々も要望し、且つ関係の幹部といたしましてもそれが一日も早く具現するように努力しておる努力だけを十分認めて帰つた。併しながらそうした点が今後生じて各方面にここ一年ぐらいの間はいろいろの問題が派生することがあることは認めなければならん、かように存ずる次第であります。  次に四国へ参りまして、四国の海運状態を視察いたしたのでありますが、四国の方の海運状態で特に御報告申上げなければならないことは、御承知のように四国は非常に海岸線が広いのでありまして、どうしても機帆船によりまして九州並びに本土との交通が極めて重要性を持つておるのであります。ところがこの機帆船に対するところの重油の配給が少いためにいずれも機帆船業者は闇の重油を手に入れる、或いは経営に無理をいたします等の関係上それぞれ経営不振に陥りまして、これが一つの労働問題とまでなつて来ておる実情から鑑みまして、四国における機帆船の持つ特殊性に鑑みまして、速かに重油の特配方を我々としては考慮せなければならんのではないかということを関係当局からも強く要請され、業者からも陳情を受け、且つ私実際に視察いたしましてもこの点を痛感いたした次第であります。  以上概括的に御報告申上げましたが、要するに冒頭に申上げましたように、今回参りましたらたまたまジエーン台風の生々しい被害を視察して参りましたので、運輸業に対しましても被害復旧対策について国がややもするとその手当が遅れる嫌いがあることを認めなければならんと思うのでありまして、河川、道路の復旧については建設省の大臣が直接飛んで行つていろいろ手配しておるような事実もございましたが、何と言つても建設省関係の復旧が第一になつて、次に農林省の被害対策が第二に廻されて、運輸業に対する復旧の手当というものは業者の、或いは国鉄当局の自力による復旧を要望するようなことになるのでありますが、普通の場合であつたならばそういうことも或いは可能であるかも知れませんが、現在の業者というものはいずれも長い間のインフレの赤字経営の結果漸くにして立直つた出鼻を挫かれた状態でありますために、このまま放任いたして置きますならば、日本の運輸並びに造船の将来に暗影を投ずることなることは必至でありますので、この際速かにジエーン台風の被害状況を復旧するために、当委員会といたしましても積極的なる対策を講じ、政府に強く要望せられる必要あることを痛感して帰つて参つたことを最後に強調いたしまして簡單でありますが、私の現地報告を終らせて頂きます。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) 最後に小酒井委員が欠席でありますので、岡本專門員を以て……。

岡本忠雄常任委員会專門員

○專門員(岡本忠雄君) 第一班北海道班でありますが、これは派遣議員は運輸委員長と小酒井委員であります。一週間の命令が出ておりましたが、実際問題として北海道視察は一週間では困難でありまするから、便宜自費を以ちまして、二週間に延長し、この視察を終つた次第であります。この班の目的は、第一に北海道総合開発計画交通運輸部門の調査検討であります。第二には国鉄機構改革後の北海道における実情であります。第三にはその他海陸運輸事業の一般の状況であります。視察地は札幌、旭川、北見、美幌弟子屈観光ルート、釧路、帶廣、廣尾、岩見澤、室蘭、函館の各地及び経過路線であります。以下各事項につきまして大略御報告申上げます。  先ず第一に北海道総合開発計画の交通運輸部門についてであります。本件につきましては、予め中央計画を検討し、現地計画と突き合せまして、二十六年度予算審議に寄與できるように調査研究を行う予定であつたのでありますが、中央においては、審議会の建議書が漸く提出されている程度でありまして、現地におきましても、まだ正確なる実行計画が熟していない現状であり、且つ計画樹立につきまして、中央地方の連繋は必ずしも緊密でなく、又地方における国鉄、海運局等交通運輸機関が本計画案策定に参画していない事実は誠に遺憾であります。本件は二十六年度より実施せられるのでありますが、現状を以て推すならば予定通りの実行着手は極めて困難でありましよう。一行が乏しい資料と僅かの経過地を大観することによりまして、総合計画の適否を批判することは聊か早計ではありまするが、大体次のように言い得ると思います。北海道の八十年の拓殖の歴史は、交通費の軽減、開発地の無償交付、租税の減免、その外国家財政の負担において、入植者の誘致、民間資本の導入等開拓政策をとつて来たのでありまするが、この国家の投資と回收との関係の計算資料がありませんので、不正確ではありまするけれども、これらの投資が北海道の自力涵養に役立つて来ているかどうかは甚だ疑問であります。殊に戰時以来の掠奪経営、濫伐、濫獲は開発を中絶せしめたのみならず、相当資源を荒廃せしめた点もなしとしないようであります。殊に敗戰により樺太、千島の喪失は、北海道に著しい変貌を来しているのでありまして、海陸交通運輸の施策についても、既往の計画について根本的に改変を加える必要があるものと認めます。従来発表されている北海道資源を割引して考えましても、尚相当程度の人口扶養力があるでありましようが、科学的な根拠に基く資源の実情及び開発計画を明確にせん限り計画通りの開発、入植者の誘致は困難であり、恐らく百万人の入植も相当困難でありましよう。又国費の有効な活用はできないでありましよう。海陸運輸施設の整備についても、拓殖が未完成のところへ、戰時以来の掠奪経営が行われたために、北海道の自力によつて経費を負担する能力がないことを考慮すべきでありましよう。尚次の点について特に考慮を要するものと考えます。その一つは、国鉄の独立採算制と総合開発の関係につきまして、本道におきましては尚相当期間拓殖会計的なやり方を加味する必要を認めます。私鉄についても同様と感じました。第二には主要港湾の荷役の能力は、現在年間八百万トン乃至一千万トンを要しているのでありますが、水陸連絡施設は、一般的に極めて劣悪でありますから、他に比較しまして、荷役費は著しく高いようであります。木材の輸送は、特にその影響を受けております。それは改善をすることによつて恐らくは五億以上の利益があるものと推定されます。第三には、本道の港湾の修築は、従来拓殖計画によつて外郭施設等は全額国庫負担であつたものが、港湾法の制定によりまして半額地元負担になつたことは、拓殖途上の本道の実情に適しない。本道の港湾を一応整備するためには百億を要しまするから、その港湾の修築等が停頓を来しまして、開発に重大なる支障を来すことが懸念せられます。又一方漁港法との均衡も失しておりますから、速かに港湾法の改正を要するものと認めます。  次に国鉄機構改革後の実情について申上げます。国鉄機構改革につきましては、北海道に試行せられ、いろいろと検討を続けられた地域であります。その成績については、前国会において活發に論議せられたのでありますから、一行は特に留意して事業の運営状況を視察したのでありまするが、結論として、この地域においては、新機構の欠陷についてはいろいろと工夫を加え、営業部を除いては大体新らしい軌道に乗りつつあります。業務運行上従つてさしたる支障を来していないようでありました。併し次の事項につきましては、急速に改善を加え、又は十分検討する必要を認めたのであります。その一つは、通信回線の不備は現場把握力を弱めております。その二は営業部門は如何なることをするか明瞭でありません。その三は、地方権限を大幅に拡張することが臥龍点睛でありましよう。例えば各種資材七十億のうち一割弱が地方調弁になつているのでありますが、特に枕木、電柱のごとき中央調弁は、北海道につきましては疑問であります。その四は豊富なる資源を控えた製材のごときは、旭川工磯部を大々的に拡張して本土の供給源たらしめることがいいように考えるのであります。その五は、経済ブロックを対象とする営業部と路線系統を重観する監理局との区域の食違いにつきましては、極力一致せしむるがごとく、将来検討を要するものと認めます。その六は、自動車工場を拡充し、余力を民間車の修理に開放することは本道のごとき地域においては、交通発達に寄與するところ大なるものがあると思われまするが、この点研究問題とする考えであります。その七には、住宅及び宿舎の不足は転出者に対して悲劇であります。本年度計画以外に更に百五十戸の不足であります。下級者の配置転換は不可能に近いようであります。速かに解決すべきであります。  次にその他の事項について申上げます。海上保安関係でありまするが、一般的に航路標識の不完備、漁船の集中等によりまして、海難が極めて多いのであります。全国の二〇%を占めております。又千島との接触面については、毎日のごとく警戒を要する現状にありまするが、現有海上警備力は極めて弱体であります。マッカーサーラインの拡張せられざる限り解決困難でありまするから、人的物的警備力の速かなる充実を必要とすると共に、航路標識の整備を急ぐべきでありましよう。  次に国鉄関係につきまして、その一つは国鉄法の改正及び通運事業法の制定に当りまして、運輸施設の授受については規正せられたのでありまするが、不合理の点があります。改善を要するものと考えます。例えばロコクレーンの手数料と維持費の負担関係のごときがその例であります。その二は北海道に対する軍手、ゴム靴の支給につきましては、曾てのサービス改善に関する本委員会の勧告によりまして、改善が期待されたのでありますが、未だ十分改善せられてないようであります。速かに実行さるべきでありましよう。その三はその他寒冷地に対する労働條件の改善につきましては、多くの問題であります。いずれもむずかしい問題もあり工夫すればできる問題もありまするが、相当の改善を促進する必要があると認めます。  次に観光関係でありまするが、この観光につきましては、美幌弟子屈観光ルートを視察したに過ぎませんが、このルートは極めて優秀なルートでありまするけれども、道路の改善、ホテルの施設及びサービスの改善をしなくては外客誘致は至難であろうと考えられます。  最後に各地の陳情、請願について申上げます。海陸運輸施設の改善又は整備、サービス改善等につきまして、北見市、釧路市、広尾町、岩見澤市、伊達町、豊浦町等よりそれぞれ数項に互る陳情又は請願があつたのでありますが、これらは次の国会における小委員会において審議して頂くことにいたしたいと思います。以上を以て終ります。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) 右御報告に次いで、政府委員が来ておられますので、政府委員に対する御質疑がありましたら順次御発言願います。  ジェーン台風の被害状況並びに政府のこれに対する処置について、それぞれ所管の事項について政府の御説明を求めたいと思います。

安井正巳運輸省大臣官房企画課長

○説明員(安井正巳君) それでは御説明申上げます。私は大臣官房の企画課長でございます。  一応運輸省関係のものにつきまして概略を御説明申上げまして、あと御質問とその他につきましては原局の方からお答えして頂くことにいたしたいと思います。  お手許に差上げてございますジェーン台風被害状況の資料で御覧願いますと分りますように、運輸省関係では国有、公有、民有を合せまして、百五億七千七百六十四万円の損害が一応十五日までの報告の分としまして判明いたしておるわけであります。その内訳は一々読み上げる必要もないと思いますが、簡單に申上げますと港湾が約四十七億円、港湾荷役施設が四億四千万円、倉庫関係が七億六千万円、船舶が七億八千万円、造船所が七億二千万円、国有鉄道が十七億六千九百万円、通運事業が二千八百万円、民営鉄道が五億八千六百万円、鉄道車両工場が二億八千万円、自動車関係が二億九千万円、気象台が七百万円、海上保安庁関係が一億一千四百万円となつております。先程も申上げましたように概略約百五億七千万円になつておるわけであります。政府としましての対策は安本が中心となりまして、災害復旧対策の協議会を政府に設けまして、その中に分科会を第一分科会と第二分科会、第三分科会と一応三つの分科会を設けまして対策を講じておるわけであります。各省それぞれ委員、幹事を出しまして、安本が中心となつて目下その対策協議会の各分科会が運営されておる状況でございまして、只今までに大体各分科会が一同乃至二回開かれた状況であります。第一分科会におきましては、主として国有関係のもの、それから損害額の査定と申しますか、一応どれだけの損害があるかということを決める、こういうような項目を担当いたします。第二分科会では租税の逓減及び免除の問題、地方起債の問題、或いは融資の問題とか公共事業費その他復旧支出の捻出の問題、こういつた問題を第二分科会で取扱つております。それから第三分科会では災害防除の恒久対策を一応その任務といたしております。我々の方といたしましては、それに委員、幹事として出まして一応これについて所要のそれぞれ要求を出しておるわけであります。現在対策協議会の方から要求を受けておりますのは、差向き幾ら応急的に必要であるかということの報告を求められております。それを目下取りまとめをいたしておるところであります。  尚参考までに現在までに対策協議会でやつておりますことを、私の方とは関係のない事柄でありますが、一応御参考までに申上げますと、第一回に約七億円で一応公共事業費から出される予定でありますが、繋ぎ資金として預金部資金が支出される、こういうことになりまして、私の記憶では大阪府に五億円、兵庫県に一億五千万円、それから和歌山県に五千万円、こういうふうに記憶いたしております。それが第二回目に二億一千万円追加になりまして、和歌山県に六千万円、それから徳島県に二億一千万円出される、こういうことになつております。これらの資金はいずれも一応国有又は公有のものを対象にいたしておりますものでありまして、民営の損害については只今までのところこの対策協議会の担当官の説明を御披露いたしますと、政府において日銀に融資の斡旋をし、主として民間資金によつてこれの復旧費を賄おうという、こういうふうな方向に進んでおるように聞いております。尚この前の第二分科会の説明では本年度の公共事業費が災害復旧用として約五十億程度であるそうでありまして、この問題についてどれだけ出せるかをその次に起りましたキジア台風との関係とも睨み合せて検討したい、こういうふうな説明が安本側からありましたから、その事情を一応御披露申上げて置きます。甚だ簡單でありますけれども、運輸省関係として受けました損害の概況、以上を以て御説明を終ります。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 私港湾局長でありますが、港湾関係の対策につきまして先程の企画課長からの説明を補足して申上げたいと思います。  港湾関係の公共施設の被害はお手許に差上げました資料にも掲載してあります通り、約四十八億でございまして、そのうち大阪の二十四億と、それから兵庫の十億が最も被害が甚大なのでございます。これに対しまして政府といたしましては緊急に応急措置をとらなければならない問題がございます。これは第一番に大阪、尼崎におきまして決壊した防潮堤を復旧いたしまして、これの浸水を早くなくするという問題と、第二は大阪港、その他の港におきまして航路とか、各地に小型船その他の泊船がございますので、これを引揚げたり、或いは掃海して早く利用できるようにすることでございます。これらのために緊急分として今年度に四十七億八千万円、まあ四十八億のうち約その半額の三十四億程度を必要といたしますのですが、この災害の復旧費につきましては、今年度保留分が残額が五十億しかございません。この五十億に対して各省の復旧の皆要求がありますので、今年度の補正予算か何か特別の措置をとつて貰いたいということを災害対策委員会の方に運輸省として申入れておるような次第でございます。既存の公共施設の被害を原形に復する問題につきましては以上御説明した通りであります。更にこれを恒久的と申しますか、計画的に二度とこのような災害を受けないような防災対策を講ずる必要がございます。これは大阪、尼崎、堺市から神戸の港に亘りまして防波堤を築く、或いは防波堤を築き得ないところには防潮堤を築くという問題で、この防災工事としての概算が約五十五億になつておりますが、このうちこれを三ケ年でやるといたしますと、二十五年度、二十六年度におきまして約二十六億程度の緊急の工事費を必要といたしますので、これにつきましても今年度の補正予算若しくは来年度公共事業費としての追加を必要としておるような実情でございます。その他港湾の荷役関係、或いは倉庫関係につきましては先程御説明のありましたように原局といたしましても、日銀或いは出先金融機関を通じまして必要な企業者に融資できるように斡旋しておるような現状でございます。以上を以ちまして終ります。

柳澤米吉海上保安庁次長

○説明員(柳澤米吉君) 台風に関しまして保安庁といたしましては八月下旬、お手許にお配りしてありますように台風による海難防止対策の実施ということによりまして、毎年来、まず台風の被害を極少に止めようという対策を先ずとつております。同時にこれが被害の原因その他を探求いたしまして、これに対して次の台風に対する予防対策というものを考究するという考え方を以てお手許に配つております予防対策の実施というものを実施しておるわけであります。台風の問題につきましては皆様篤と御承知の通り、昨年のジユデイス、キテイ等の台風によりましての被害は、台風だけによりまして三百三十六隻、その他艀等を入れまして、その損害額、去年におきまして五十億と称されております。この被害を如何にして食止めるかという問題につきましては、船舶の安全上の注意、例えば気象及びその状況を如何にして早く船舶に伝達するか、又船舶が一旦事故があつた場合にその救命施設その他は如何にできておるかということを事前に十分に検査をして置く。又台風の一旦襲来して来ましたときのその警報の伝達、避難の方法等につきまして注意事項を十分に予め決めまして、これによつて関係の各官庁と連絡いたしまして、これが被害を最小限度に食止めようとしておつたわけであります。この実施によりまして或る程度の被害を食止め得た事実も各所においてあります。併しながら大阪のごときはあすこに図面を張つてありますが、相当重大なる損害を受けたわけであります。この台風による損害につきましてお手許に配りましたジエーン台風被害状況報告という別冊がございますが、この別冊を御覧になりますと保安庁の問題におきますところの被害の状況がここに述べております。第五頁におきましてはこのジェーン台風におきまして保安庁としてとりました防衞措置及び伝達措置、その後の状況を期日と時間とによりまして、尚神戸、大阪港に分けましてこの方向を詳細に書き連ねております。尚九頁に入りまして神戸港における被害状況というものを並べております。十一頁に大阪港における被害の船舶、その状況を並べております。これを集計いたしますと十三頁に……かように一般船舶としては七百十一隻というものを一管区から第九管区に互りまして各地において被害を受けておるわけであります。これを船舶の型別に分けましたものが十四頁にございます。それの主な船舶の損害状況が十五頁に書いてございます。十五頁以下に主なるものの被害状況全部書いております。次に海上保安庁独自の船につきましての損害状況が十九頁にございます。次に二十一頁には灯台及航路標識の被害状況が書いてあります。この灯台は大体金額八千万円と書いてあります。航路標識は御承知の通りに直ちに復旧しなければならないので、これは今年度災害復旧費予算で公共事業費から頂く交渉を続けております。尚その後におきます状況によりますと大体八千五百万円、今日の集計では八千五百万円という数字になつております。尚その他各管区におきます建物の被害状況、これが二十二頁から二十三頁に互つて書いてあります。これが大体千四百万円という数字があるわけであります。  次に別冊といたしまして、キジア台風の被害状況、これは現在入りましたキジア台風の被害状況の報告書であります。これも現在の状況におきましては、第三頁にございます通りに、百九十七隻の船舶の被害がございます。これに対しまして人命約二十二名の救助をいたしました。尚、その外に七頁に航路標識の被害というものが大体千八百万円という状況でございます。これに対しまして、保安庁といたしましてはこの最後の頁に附けておりますような、船に対する各自の注意事項というようなものを配付いたしまして、同時に台風と称しますパンフレットを渡しまして、八月末から各漁船その他の小型船舶に対するところの台風に対する注意及びこれが台風の性質に対する知識ということに力を入れまして、各方面に特に小型船舶に対してこの知識を與え、これが警戒をやつておつたわけであります。  以上大体海上保安庁関係の説明を終ります。

小泉秀吉日本社会党

○小泉秀吉君 政府の報告はもう……。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) 一応終ります。

小泉秀吉日本社会党

○小泉秀吉君 ちよつと伺いますが、海上保安庁のジエーン台風の被害状況報告というものの四頁の図面を見ると、ジエーン台風が歩いた進路が入つておりますが、実際は新聞でもちよこつと見たし、ちよこちよこ責任のない話を聞いたのですが、三日は日曜日だから、それで船の人も割合におるべき人がおらなかつたし、ドックのようなところでも日曜であつて人が足りなかつたので、それで台風が来たのが急であつたから手当ができんで船が沈没した。岸壁にぶつかつたというようなことを聞いたのですが、その台風の通つたあとの距離はこの通りかどうか知らんが、見ると一日から二日まで、或いは三十一日から一日までの歩きようが非常に遅かつたのに、それから二日から三日にずつと距離が早く速度が早かつたように見えますが、こういうふうなためにその三日の日曜日にこういうコースをとつて来るというようなことが割合に気象台の報告で予想し難いというようなことがあるのか。或いは当然そういう予報としてももう少し適切なその予防方法が現実にとられなかつたのですか。それからその後のキジア台風の歩き振りというものは非常な変な歩き振りをしておる。珍らしい歩き振りであるけれども、キジア台風に対して我々がラジオや新聞で警戒をして聞いておるというと、日本国中にもう警報を発したような妙な警報の発し方をしておつたし、随分妙な報告をしておるようなんで、少し面喰つたのですけれども、ジエーン台風に対する気象台並びに関係者の方はあれで十分の報告をしたと政府は思つておるのかどうか。そういう点をお伺いいたします。

柳澤米吉海上保安庁次長

○説明員(柳澤米吉君) 今の御質問に対しまして、海上保安庁に関するお答えをいたします。海上保安庁といたしましては、先程申上げました通り、八月末からこの台風に対する対策を各地に発しまして、十分なる準備をやつておりましたし、ジエーン台風のありました即日、現地に人間を派遣いたしまして、その原因等を十分調査しております。その調査はまだはつきりとした結論は得ておりませんが、昨年の横浜港の被害に鑑みまして、今回の神戸及び大阪におきますところの各船の整備状況は、海上保安庁の予防対策が有効であつたとは申せませんが、各船が去年の被害に鑑みまして相当に準備をしておつたということは大体言えると思うのであります。尚従いまして、日曜であつたために本船の人が下りておつたというようなことは、先ず我々としては、我々の調査の範囲におきましては非常に少くて、結局割合に去年に比べまして非常に準備はよく行つておつた、かように考えられる次第でございます。  尚先程御指摘になりましたジエーン台風の進路に関しまして、その伝達方法が多少急であつたという点は、現地でも一部の人は申しておるようでございます。これはあの日の大体午前中におきまして、数時間以前にあそこへ来ることがはつきり確定したような次第でございまして、この点につきましては、進路につきましては現地の一部の人は非常に準備の期間が短かかつたということは申しております。併しながらそれに対しますところの用意は各船舶ともやつておつたように、私の方の調査では現在のところ来ております。尚詳細に亘りまして現在その損害や原因等を研究して、研究部会を設けて保安庁としてやつておりますので、はつきり結果が出ましたら又御報告できることと、かように考えます。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 港湾局長にちよつとお尋ねいたしますが、日銀の出先機関を通じまして、日銀の融資の斡旋をしておるということが先程の御報告にありましたが、私特に大阪の方を視察しまして関係業者から、被害を受けた部面から融資という問題につきまして、特に強く要望もされ、陳情も受けて参つたのでお伺いするのでございますが、一体この利率はどのくらいであるか。それから期間等につきまして成るべく低利で長い期間一つ願いたいというのが、どこでもああいう倉庫にいたしましても、それから鉄道にいたしましても、それから復旧資金を注ぎ込んだやつを回收して、今度それを返済するまでには相当の期間が私は必要だと思うのですが、そういう点について、業者のまあ要求する程度に或る程度満たしておるか。その金額その他お分りであつたら一つお知らせを願いたいと思います。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 現地の海運局等でこちらから連絡をとりまして、日銀が斡旋をして至急金融機関から貸出のできる方法、途が講ぜられておるから、できるだけ業者の希望するような額を希望するような方法で早く入手できるように連絡はいたしておりますけれども、その結果等につきましてはまだ報告が参つておりませんので、詳細なそういつた額が分りましたら又御報告いたします。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 額は結構でございますけれども、融資を受ける利率はどれくらいで、期間等について具体的に一つ、そういうものはもうお分りにならんのですか。どのくらいの利息で貸して貰えるか。それをやかましく問題にしておつたのですが……。

安井正巳運輸省大臣官房企画課長

○説明員(安井正巳君) 私から代つてお答え申し上げます。それは只今申上げましたように、第二分科会の方で主として扱うことになつておりまして、その席上でも担保の問題であるとか、結局まあ大企業は割合信用があるけれども、中小企業は困るのじやないか。いろいろ意見が出ますし、市中銀行でも資金の手持がそうないので、預金部資金でも廻さなければいかんのじやないか。非常に各省からそれぞれ意見が出まして、まだその委員会でも一応の方針を日銀の融資斡旋によつて、民間銀行の資金で賄うことだけ決めまして、具体的対策については、今申上げましたように、まだはつきり決まつておらないのであります。次の分科会までに議案を作るということに私は聞いております。運輸省としては、従つてその運輸行政につきましては、その席上でも私鉄あたりは非常に公共性のあるものだから、民間資金でなくて、公共事業費あたりでも考えられないかというような要求も一応出しますし、更に民間の融資についても、応急的に必要とするものは是非入れて貰うように相当強くその部会には主張しております。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 もう一つ港湾局長にお尋ねしたいのでございますが、あの大阪、この前の昭和九年のときも大分高潮を食うたのでございますが、それについてのもつと年々どうも、まあ私ちよつと現地を見て参りましたときに、丁度あれは港の品が西を向いておりまして、風をあの港は非常に真正面から受けるようになつて、神戸は割合に波にしろ風にしろあの防波堤は割合に防げるようになつているのですが、大阪の入口というものは、正に風が入つて来るところに品が開いているとみえて、そのために高潮なんかの被害が非常に大きいのじやないか、こういうふうに私は見て参つたのでございますが、その点についてもつと恒久的に、この前の昭和九年にも受けておりまして、まだ十五、六年の間において被害は本当に同じような状態だと私は見て参りましたのでございますが、そこから考えまして、今度は恒久的な対策として、港湾局長の方でお考えになつておるかどうか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 大阪港の高潮に対する被害というものは、おつしやる通りなんでございまして、この前の昭和九年の被害を受けましたときに何とか方法を講じなくちやいけないというのでありましたが、人家が建て混んでいて、どうにも手がつかないものですから、水際に接する部分に防潮堤を築きまして、これによつて防ごうと、それから万一水が入つた場合にはポンプ排水によろうというわけで、ポンプが浸水いたしましても尚濡れずに働けるだけの高さにポンプを据えておつたのでございますが、その原動力を電気に期待しておつたがために、今回は途中の電源からの供給がないものですから、非常な災害を受けまして、今後はその地区に対しましては自家発電で行こうということであります。併し終戰後あの地区が全部焼失したものですから、従来も外へ延びる行き方に検討を加えまして、安治川、木津川等におきましては内降下する、安治川の川幅を広げて、そこに接岸施設を作り、又浚渫して、従来の沈下して低くなつた部分を蒿上げするということで、今回でき上つている部分が相当あるのですが、その部分は高潮と丁度同じくらいでありまして、一部波などによりまして、少し十センチとか十五センチ浸水した部分がありますけれども、蒿上げした部分に対しましては、殆んど被害がありませんでした。そのために従来その蒿上げを反対しておつた住民の大部分が早く蒿上げを促進して呉れというような陳情に変つておりますような現状でございまして、大阪港に対しましては、木津川、或いは安治川を内降下して、そうして更に蒿上げすると、蒿上げし得ない部分につきましては、防潮堤を築いて、万が一の場合には排水をやる。このことにつきましては、港湾地帶は運輸省港湾局がやつております。又川に接する部分は建設省の河川局、都市の道路とか、その他の部分につきましては、都市局がやつておりますので、この三者のうまい連絡をとつてやつて行つて貰いたい、防災をやるにしても、一方に予算が沢山取れて、一方には三分の一しか来ないというようでは困るので、足並を揃えて防災工事をやつて貰いたいということを安本等に対して今折衝を進めているような次第でございます。尼崎におきましても浸水が非常に多くて、二米乃至多いところでは四米の浸水を受けた部分があるのでございますが、ここはすでに工場も相当沢山建つておりまして、蒿上げする余地がございませんので、これはやはり防潮堤を築きまして将来の災害に備えて行きたい。これも予算との関係等がございまして、毎年、毎年と申しますか、この前のときにもそういつたような防潮堤を築くと同時に、外界に対しても防波堤を作つてそれで高潮を一度防ぎ、それに更に中に浸入したものは防潮堤で引受けるというような恒久対策を立ててやつておつたのですが、国家財政等の都合によりまして、外の防波堤は尼崎においてはまだ起工に至りませんし、中の防潮堤は一応完成しておつたのでございますが、あの地区が御案内のように非常に地盤の悪いところでございまして、年々その沈下したのと今回の二十センチ内外沈下しておりますので、台風は室戸台風と比べますと、高潮は多少低かつたかも知れませんが、風の吹いている間、或いは高潮の期間が長かつたがために裏から廻り、堤防の上を越して、堤防が相当ずたずたに破壊されて、非常な損害を受けたというような実情でございますが、それに対しまする対策は先程来申上げた通りでございます。

小泉秀吉日本社会党

○小泉秀吉君 今のに関連したのが一つあるのですが、今の尼崎ですが、これは大体尼崎というところは、ああいうふうな工業地帶にしたことに無理があるのじやないかと私はこう思うのですが、作つてしまつたのだから仕方がないということで、室戸台風の時分もそうだし、今度もそうだし、今後もそうだろうと思うのですが、今のお話のように予算がないからやつぱりそのときは仕方がないということも一つの行き方だけれども、何が国としてもう少しそういうことのないようにする方法はあるでしようけれども、何かそういう考えはないのでしようか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 国といたしましては、恒久対策としまして、五十五億あれば尼崎、大阪港地区に対しまして、今回程度の台風による高潮は防ぎ得るのであります。五十五億のうち早速かからなくちやいけませんので、約これを三年間にやるといたしまして、今年から三年間でございますから、その半額三十五億程度を今年からかかれるように追加予算なり、補正予算で何とかならんかということで、今安本等の関係方面に対して折衝いたしているような現状であります。

小泉秀吉日本社会党

○小泉秀吉君 お考えのようなふうに大体なりそうですか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 非常に困難があると思われますけれども、現在のところは台風に対する関心が非常に強いものですから、何とか恒久的に考えようじやないかという意向が強いようでございますけれども、段々とどうなりますか。それは予算が伴うことでございますので、ここではちよつと……。

小泉秀吉日本社会党

○小泉秀吉君 あなたの方が一番玄人だから、こういう機会を活かして使うように是非努力をして下さい。あなたの方で足らなければ、この委員会あたりでも、恐らくこれは決議でもして皆さんと御一緒にやりたいと思います。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) その場合には是非御援助をお願いしたいと思います。

小泉秀吉日本社会党

○小泉秀吉君 防波堤をあんな低くして、ああいうところに港を、大きな工業地帶を作つたということが私は作つた時分から間違つていると思うのだ。できてしまつたのだから、何とかしてやつて貰いたい。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 港湾局長にちよつとお尋ねしたいのだが、尼崎から大庄に至る防潮堤の防災工事は全体でどのくらいかかりますか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 五十五億……。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 それは外の科目を入れてでしよう。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 防潮堤と防波堤全部で五十五億です。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 殆んど五十五億使うわけですか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) その外に現在受けました災害を原形に復旧をするのが大阪港で二十五億ございます。兵庫で十五億……。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 防潮堤、それに五十五億かけるというのですか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 新らしくやる分に対して五十五億、復旧の分に対しましては大阪二十五億、兵庫十五億……。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 それでどのくらいの高さに計画されておりますか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 五米乃至四五米を考えております。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 現地の方じや、どうしても港湾に面しておる、大阪に面しておるところでは六米平なければいかんと思いますが、その点はどうですか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 五米あれば外に防波堤がある場合には大丈夫だろうと思います。今回の場合は四米ちよつとです。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 例えば鳴尾なんか六米半のところで嚴密におつておりましたね、コンクリートで。而も一番ウイークポイントから水が入つておりますね。だから今のあなたのお話にあつたが、総合的にやりまして、どこか予算の関係でウイーク・ポイントができれば、外の工事と違つて防潮堤はどこかウイーク・ポイントがあると何にもならんから……防潮堤、防波堤というものは他の復旧工事とは違うのじやないかと思います。従来その点が非常に予算が欠けているから、ウイーク・ポイントがあるとそこから水が入ります。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) その点につきましては港湾区域は運輸省でやるから……。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 だからそういう点は中央災害対策委員会が総合的に而も重点的にやらないと私は駄目だと思うのです。お互いに建設省だ港湾局だと言つておりますから、ウイーク・ポイントを衝いておらん。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) その点は従来から数回こういう会議で私の方から発言をいたしまして、総合的にやるように安本あたりが調整をとれば一番いいのじやないかということを従来とも言つておりますが、足並が揃うように……。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 それと原形復旧は最小限度に止めて、できれば防災工事をやらなければ何にもなりませんね。四米復旧しても何にもならんわけですね。だからできるだけ防災工事に重点を置いて総合的にやつてウイーク・ポイントを作らないようにやらないと、形式だけでは……これは殊に大阪では先程来お話があつたように折角やつても中途で台風が来れば何にもならんので、少しお考えを願いたい。

岡田信次自由党

○岡田信次君 大体今までの話と関連するのですけれども、災害を防ぐために原因を本当に究明しなければならんと思いますが、どうも先程来お話を聴いていると原因の究明ということに非常に欠ける点があると思う。海上保安庁ではまだ調査中だ。こういうものは日が経てば段々薄くなつて原因が掴めなくなる。それじやしようがないから、その点についてどういうふうな実際のことをやつておられるか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 私共の方としましては基本的な原因と、それからこれが対策を決めるために專門の調査隊を約十名以上派遣する目的で、今もう災害がありました翌日から打合会をやりまして、それぞれの專門部門の調査事項、研究事項の担当を決めまして、派遣区域等もそれぞれ分担をやりまして、今週から被害地に出掛けて基本的な調査をやりたいと考えております。

岡田信次自由党

○岡田信次君 遅いですね。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 併し基本的の……。

岡田信次自由党

○岡田信次君 防波堤の壊れたあととか、岸壁の壊れたあとを、何のために壊れたかということをやつても今からじやもう分らないだろうし……。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 災害で壊れたのは従来ともどういう点を研究したらいいかということを一応目標に立てて参りませんと、現地に行きますと、それに、ぶつかつた問題だけに気を取られて、根本的な問題は忘れ勝ちなものですから、基本的な概念を持つて相当掘り下げて行きたい。

岡田信次自由党

○岡田信次君 先ず防災の恒久対策については原因の究明が先ず第一だ。台風は不可抗力だ、天災だと言つておつては何にもならないので、真意を掴むということが一番の要諦だということを御承知願いたい。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) その点は御趣旨に副つてやつて行きたいと思います。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 企画課長にお尋ねいたしますが、自動車の被害でございますね。自動車の被害は大阪の方が一番多いと思いますけれども、大抵は高潮を冠つた自動車が多いと思うのですが、そこで大阪で調査して参つたのは、中央気象台が、七時に大阪に来るということが確定して、警報を発令しまして、七時五十分に伝達をしてあるというのですが、あの当時には大阪の桜島だとかあの辺に来るということになれば大体高潮だということはすぐ予想されると思いますが、相当自動車にいたしましても、或いは市電の電車にいたしましても、もつと逃げ出す方法について、そういうことはやはりあんな大きなものが来るという予想があの当時としてはなかつたのだということについて私現地で聞いたのですが、どうも曖昧でございますが、その辺の原因は……これは将来の問題として大きいと思うのですが、逃げ出す余地が電車にいたしましてもそれが皆水浸しになつて、その損害は私現地で見て参つたのでは相当大きいのですが、七時に言つて十二時に被むつておるのですから、相当時間があるわけでございまして、国鉄なんかで聞いて見ますと、できる限りの手配を講じて安治川口あたりの車両の引揚げをやつたそうですが、それでも力及ばずして……この点について一つ。

安井正巳運輸省大臣官房企画課長

○説明員(安井正巳君) 御説明申上げます。只今の御質問は先程の小泉委員の方からの御質問にちよつと関連がありますけれども、主として気象台関係の伝達の問題についての御質問と思いますから、気象台の係官がおりませんから私が代つて甚だ満足な答弁はできないと思いますが、お答えいたします。  気象台の現地の話を聞いて見ますと、気象観測の情報が入つて来る区域が非常に狭くなつておるということが、気象予報を出すについて非常に不便を感じておる点が第一点であるのであります。それからその次は進駐軍の方の飛行機でやる観測が一日一回しか連絡が受けられない、これがもう少し多く受けられると非常に的確な予報が立てられるのじやないか、この点にも不便を感じておるようであります。従いまして更にレーダーによつてやれば、もつと正確にできるわけですけれども、現在レーダーを使用するということは水平のレーダーは一応認められておりますけれども、上下に動かすのは日本としては許されておりませんので、水平のものでは台風の観測には役に立ちません。そういう関係で気象台としては台風の調査をするのに非常に困つておるような状況であります。  その次に情報伝達の仕方でありますが、現在は中央地方共に台風の情報はそれぞれ一定のルートで流すような仕組みを考えておるわけですけれども、一つ困つたことの起りますのは、気象台の話では台風の予報ということは、只今の御質問にありましたように、実際にそれが襲来する時期よりも一時間でも二時間でも三時間でも早く的確に分れば分るだけ、今の自動車の車両も逃げ出す余地はあるわけですから、早くやる程効果的なわけですが、実際の面にたりますともうそのときにはラジオにしても、エリミネーターの受信機であると停電の結果情報が各家庭に入らない。それから電話が不通になるとか、そういう関係で、情報を出そうとしましても、そういう方面の通信連絡の関係で非常に今回は困つた。こういうことを申しておりました。これの対策として考えておりますことは、今一般情報と特殊情報に分れますが、一般情報は各国民全部に流す。その責任者は府県、市町村を一応対象としまして、ラジオによる方法が一番いいのじやないかと、こういうふうに考えております。気象台の方の計画によりますと、そのためにはどうしても電池式のラジオを市町村に一つぐらいは持つようにして貰わないと、普通のエリミネーター式であると、停電となつた場合には全然情報が入らなくなる。而も一番肝心の回五時間前のときにラジオが聞けないということになりまして、それに対して的確な事前の対策が各団体において講ぜられなくなるような欠点がある。そういうふうな式にしたい。それから特殊情報につきましても、一応中央地方とも管区気象台、或いは測候所あたりから情報を出しておりまして、大体各官庁、府県の代表者が取りに来て、それを伝達することになつておるのでありますが、その伝達の方法も今のところでは実際問題としてうまく行つていないのが実情でありまして、この点は御指摘の通り、何とか改めまして、四時間五時間でも早く予報、伝達が隅々まで徹底すれば、それだけ被害は相当防げるのでありまするので、その点至急に今、今後の措置を研究して対策を講じておるところであります。  それからもう一点は、気象台の方の代弁をするようになりますが、気象台としては最近こういうふうな見解を持つておるように承つております。それは毎年台風が来まして、一様に被害を受けておる。気象台としてはどういう気象配置になつたような場合はどういうふうな被害が陸上で発生するというふうなことについて、今まで調査をしたことが一度もないのだそうであります。今回の例に鑑みまして、今後気象台としては、国の予算その他の措置を講じて貰いまして、そういう方面の調査をしまして、今後陸上の施設を整備復旧する場合に、気象観測の見地から見たいろいろな意見を織込んで貰うようにして貰わないと、実際の台風対策としてはその点欠けるところがあるんじやないかということを強調しております。我々としても至極尤もだと思いますので、今後の第三分科会の恒久的防災分科会においてはこの点を力説しまして、できるだけそういつたような気象の方面からする整備復旧対策の樹立に当つては、気象の面からも意見を挿入して貰うように努力いたしたいと思うのであります。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 それから今実は自動車の被害は金額にして相当に上つておる。民有が二億円、それから公有の方は九千万円、大体三億ばかりの被害になつておる。これは主として高潮によるところの被害でしよう。モーターをやられて、この被害を増しておる。それで先程お尋ねしたのは、警報が、中央気象台から、大阪へ上陸確実ということは七時五十分に大阪でこれを受けて伝達したと言つておる。第二回のキジアのときに、業者の方から盛んに聞いて来て、相当操作をしたらしいが、ジエーンのときにも二億それから一億近くの自動車をやられておる。大抵見て参りますと、みんな潮にやられておるのが多いと見て帰つて来ましたが、そうすると、これだけ時間があれば、少くとも自動車なんかはもつと逃げ得る余地があつたのではないか、こういうふうに思いますが、国鉄なんかでは車両を相当一生懸命フル・スピードで逃がすようにやつた。逃げるものは逃げたが、逃げ遅れたやつはやられた。そういうふうですが、自動車の方は線路を伝わつて来るのと違つて、逃げるにはもつと敏速にできると思いますが……。

安井正巳運輸省大臣官房企画課長

○説明員(安井正巳君) それは今申上げましたように、結局大阪の管区気象台で七時五十分に出しましても、それが恐らく実際に港区の現場の方に的確に届いていないのじやないか。そこで、現在の伝達方法に欠陷があるのじやないか。気象台としては予報を出しましても、それが隅々にまで届いていない。結局我々は今その問題を検討しておるのですが、一体この伝達責任を持つのは、誰を責任者にすれば一番いいのかという点が問題になつております。気象台は、一応予報を出すという程度でもういいんではないかと考えられる点もあるわけです。それから先を受けて次々リレー式に伝達して行くには、どういう仕組みにして、それを誰の責任においてやるかという点に、まだ非常に検討の余地が残されておる。恐らくそういう点で、この前の台風の場合にも、気象台としては予報を出したけれども、それが隅々まで徹底していない。そこへ持つて来て、先程申しましたように、一般情報の外に特殊情報の伝達方法を考えて置けば、例えば自動車避難をさせろというような特殊な情報が出せるのじやないかというふうに考えるのです。今回は誠にそういう状況で、恐らく気象台が出した予報が隅々まで徹底しなかつたためと思います。この同じ悔いを再度繰返さないように、至急に今研究しておる次第であります。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 これは船においても同様なことが言えるのでありまして、現地で私も見て来ましたが、外国船なんかは、フル・モーターというのですか、エンジンをかけて、風に向つて帰つて来ておつたそうです。それで船は殆んど被害なしに済んでおつたが、日本船はじつとしておるためにやられたという説明を聽いて来ました。外国船はみんなエンジンをかけてしまつて、風に向けてあつたそうです。それで殆んど傷んでおらない。日本のやつはそういう点においても、伝達の関係はやはり相当あるのじやないかと思うのですが……。

安井正巳運輸省大臣官房企画課長

○説明員(安井正巳君) 今申しましたように、今後十分に研究しまして、的確な対策を講ずるようにいたします。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) 国鉄の施設局次長が見えておりますが、説明がありましたら……。

太田和夫国有鉄道運輸総局施設局長

○説明員(太田和夫君) 私国有鉄道の施設局の次長の太田でございます。本日、施設局長が参上して御説明申上ぐべきところでございますが、只今九州へCTSの者と行つておりまして、留守にいたしておりますので、代つて御説明申上げます。今回のジエーン台風の被害とキジア台風の被害について、簡單に御報告申上げます。  ジエーン台風につきましては、当初被害の状況が、通信が悪かつたために、案外少いように報告されておりましたが、実際に調べて見ますと、非常な損害でございまして、総額は十九億五千万円くらいに達するのでございます。大部分は、金の面から申しますと、建物の被害が多いのでございますが、大きな被害をその中から拾い上げて申しますと、港の浸水、駅の構内の浸水によるもの、それから電車線が倒壊いたしまして、その霊車線の電柱が壊れましたための被害、それから通信線が倒れたための通信線の被害、港におきまする機械、特にクレーンが壊れました被害、そんなものが大きなものでございまして、後で復旧の方針を申上げるときにその御説明を申上げます。ざつと金の額だけ申上げますと、土木関係だけが三億八千万円、建物は八億五千万円、機械の関係が四千五百万円、電気関係が三億六千万円、電気と申しましてもこれは主に電力関係でございます。それから信号通信の関係が二億八千万円、車の被害が四千三百万円合計約十九億五千万円ぐらいに達します。これにつきまして主だつたものを申上げますると、今回の台風は雨が非常に少なかつたのでございます。けれども、大阪湾における高潮が非常に高うございまして、室戸台風のときよりも低かつたそうでございますが、地盤が沈下しておりますために非常に結果としては高かつた、それでその浸水のために安治川の駅、それから櫻島の駅、それから大阪港の臨港線、一体尼崎あの辺が全部港内にやられたのでございます。そこにありました車も可なり手配いたしましたが、車も相当水につかつたのでございます。  それから大体復旧の方針としましてはどうしても護岸、防潮堤と申しますか、防潮堤を高くしなければならないのでありますが、これは大阪の府でも高くるす計画を急いでやるそうでございます。防潮堤ばかりでなく、平生の高潮でもその港内は水につかるのでございます。従つて一年に数回水がつかつて車が動かなくなるということをどうしても止めなければいけないと考えております。最低限度本線並びに殊に港の臨港線の方では倉庫の地盤の方と、レールの方の高さとが違うところがございまして、同じくらいまではレールを上げないとしよつちゆう被害が起るような状態でございます。  それから阪和線は、御承知の阪和線の仮復旧には相当努力いたしまして、南海が開通するよりも、二日ばかり前に全通いたしております。その電車線が非常に沢山倒れまして、その復旧は晝夜兼行でやりましたために一応現在は木柱で立ててやつております。これも目下研究中でございますけれども、コンクリート地を使うとか、鉄骨を使うとかいう方法で災害を繰返さないような方法に持つて行きたいように考えております。それからその阪和線の電柱は、通信線はそれに乗かつておりましたために今後通信線を別なところに通して行こうというようなことも考えております。これらは皆金を要するものでございまするが、金との睨み合せで実施したいと思つております。  今回のキジア台風につきましてはこまごました被害は至る所にございましたけれども、目立つた大きなものはそうでございませんので、築堤が壊れたもの、護岸が壊れた、その他不通になつたものなど累積いたしますと約四億ぐらいの損害になつております。この二回のジエーン台風とキジア台風を通じまして被害の亘る範囲は相当広範囲に上つております。例えばジエーン台風でございますると、大きなところは大阪と天王寺の鉄道監理局管内でございまして、この大阪と天王寺の両方を加えまして約十六億に近い損害でございますから、その他のところは約三億ぐらいで、全部合せましても三億ぐらいになるわけでありまして、大部分が大阪と天王寺の管内に集中いたしております。キジア台風でございますると、その大きなものは四国と九州でございまして、その他の地域はそれ程には上つておりません。  以上簡單でございますが、被害の概況でございます。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) 国鉄の資料につきましては、後程お手許へ届けることにいたします。他に御発言ございませんか。

岡田信次自由党

○岡田信次君 台風被害の措置の扱い方につきましては、予算の関係、その他も伴いますので委員長が理事と協議をされて政府と連絡をされるような措置がよかろうかと思います。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) 只今岡田委員の御発言の通り計らつて御異議ございませんか。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 大体賛成でございますが、特に私が御報告申上げましたように例の復旧の、特に中小……まあ大企業におきましては、復旧は非常に自力で以てやれるところがあるかも知れませんが、自力でやれん打撃を受けた運輸関係の業者、運輸、造船業者等につきましては、早急に融資の手を打つてやらなければならんと思いますので、委員長は理事と会を開いて御決定になる前に、こいつについてだけでも、せめて当委員会の決議を以てでもいいから政府に要望する方法を特に御考慮願いたいと思つておる次第でございますます。大企業や国鉄などは自力で以て復旧ができます。中小の企業の打撃を受けたものについての融資、而も低利で長期、こういう成るべく低利で長期の融資ということを考えて貰わなければならない。労働問題から言つても、そこで働いでおる連中は私共としても困りますので、これだけでも是非願いたいと思います。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) 菊川君の要望に対しましては委員長及び理事が十分考慮を加えて善処したいと思います。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 先程の港湾局長の御答弁は間違つておりはしないかと思いますから訂正して頂きたいと思います。先程の菊川さんのお話のように、根本は、大阪湾の地理、それから台風の来る、いつ頃、径路或いは発生情勢から見て尼崎から以西、本州に及び、神戸の東に及ぶ防潮堤が一番根本だと申しましたが、それの復旧工事ではなくて、本当の防災工事が根本だろうと思います。他のことを放つて置いてでも十分これをやらなければならんと思いますが、それに対する政府の予算はどうかというと五十五億とおつしやいましたが、この五十五億は三重、和歌山全部含めて五十五億でしよう。五十五億二千万円というのは……。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 入つておりますが……。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 私の言うのは、一番根幹をなす、恐らく今回の運輸関係の防災工事の一番根幹をなしておりますが、それに要する防潮堤に対してどうかと質問したのでありますが、何回も質問したのですが、五十五億と重ねておつしやつておるが、こういうことではない。高知、三重、徳島を入れてその他の防潮堤を合せて五十五億ですか。今私の言つたのは根幹の防潮堤に対する経費は幾らかということを言つたのですが、記録に残るから局長に質問して置いた方がいいと思います。大体でいい。細かい数字はあとで結構です。大体の経過、進展状況について……。殆んど大部分と見てよろしうございますか。非常に大事なことだから……。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) 大阪が二十六億、尼崎が六億三千、和歌山が四億五千でございますが、これだけが拔けます。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 小さいことは結構です。それに対して大体どのくらいの査定をしておられますか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○説明員(黒田靜夫君) これは防災工事ですから港湾局として計上している予算額でございます。査定の点はまだこの通りやらなければ実際ものができません。この五十五億は尚調査すれば或いは増額するかも知れません、この点は。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 この点先程申しました根幹であるということを予算の措置について御承知願いたい。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) それでは只今御決定になりましたこの資料について政府と折衝いたしますことを委員長及び理事に御一任を願つて置きたいと思います。更に委員各位は要望その他お考えについての御意見ございましたら私共の手許にお提出下されば、それに向つて善処したい、こういう考えを持つておりますからよろしくお願いいたします。

植竹春彦自由党

○植竹春彦君 国鉄の機構の改革問題につきまして御報告かたがた御発言をいたしたいと存じますが、お取計らいをお願いいたします。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) どうぞ。

植竹春彦自由党

○植竹春彦君 機構改革につきましては運輸委員としてではなく、他の会議に出席いたしまするために八月十九日から北海道方面に行つて参りました。その視察の状況を御報告申上げまして委員各位の御理解と御支援を得たいと存ずる次第でございます。資料が本日までに只今問題となつておりまする数ケ所の場所から届くことになつておりましたのでありますが、今日まで青森、宇都宮だけが届いておりますので、その点そのニケ所を中心といたしまして御報告申上げたいと存じます。  先ず宇都宮のことであります。去る八月一日機構改革が実施いたされましてから八月末までの一ケ月間に、この短時日のうちに体験いたしたもののみで本日各方面に亘つてその欠陷と不合理とが指摘されつつある次第であります。この欠陷と不合理とは誠に国鉄当局の意図せるシステムから生じたというよりは、むしろ單に地理的に宇都宮に監理局を設置することによつて、この欠陷は是正され救済されるものが多いのであります。従いましてこの報告なるものは、岡田、菊川両委員、並びに岡本專門員の御報告と食違いが生ずることはないと考えております。機構改革後の監理局配置状況はお手許の御覧に入れましたこの書類の第二頁の図面を御参酌願いたいと思います。この図面で瞭然としておりまするごとく、首都東京を中心として放射線状にほぼ等距離に衛星的に監理局が配置されておるのであります。ところがこの東北本線ばかりは例外として取扱われまして、上野、仙台間が御覧の通り三百六十二粁の長距離区間であるに拘わりませず、局の配置がない。而もその中間の一部(蓮田、黒磯間)を分断いたしまして、側方に偏在する高崎監理局をして管理せしめている。東北本線の重要性より見まして、管理機構のかくのごとき変態的配置は国鉄当局の申しておりまする能率運営方針と、全く反するのであると観察いたします。而もその終点の青森には監理局が設置されておらない実情であります。この一ケ月間におきまする機構改革の欠陷を指摘いたしますると、第一に監理局と現場との連絡問題であります。即ち上長の指示を受け、又は下部の事情を上申する場合におきまして電話を利用するのみではその真意を伝えることが困難な場合が多く、特に機密を要する案件に関しましては直接会談を要するものであるに拘わらず、監理局と現場とが偏在いたして遠隔の地に相離れておりますために、これがうまく行きません。詳細につきましてはお手許のプリントを御覧願いたいと存じます。又この局と現場との連絡問題につきましては局が余りにも偏在するため線路の状態の現状把握に遺憾の点を生じまして、資材の引当とか線路工事の妥当な計画及び実施並びに線路保守指導監督に不行届を生ずることは明らかでありまして、これはアイオン、カザリン台風のごとき場合においても明らかにその欠陷が露呈されておるのであります。八月六日の水害のときにも常磐線が不通になつた際にもこの監理局が高崎にあるので非常な不便と不連絡を現わしたのでありますが、詳細は又このプリントについてお読み願いたいと存じます。  第二に作業上の欠点につきましては上野、白河間に臨時列車を運転する場合とか、又は列車のダイヤを変更する場合にも東京、高崎、仙台の局報を照合しなければできないのでありますから非常に不便であります。殊に今回のダイヤ変更のときに当つては小山以南のところは極めてうまく行つておるようでありますが、小山以北の県下のダイヤは日光を含めまして非常に工合が悪くなつておると考えられます。宇都宮に局が設置されますれば東京と宇都宮の二つの局報を照合するだけでこの東京、高崎、仙台の三つの局報を照合しなくても完全に業務が遂行できるのでありますから、能率の増進上におきましても是非とも宇都宮に監理局が設置されなければなりません。更に又特殊輸邊臨時列車その他事故などのために緊急に列車を運転する場合に、関係監理局及び本庁がそれぞれ遠隔の地にあるので連絡が不円滑でありますことはこのプリントに詳細を書いてある通りであります。  三番目に局の境界の不合理制を指摘いたしたいと思います。黒磯、高久間が仙台、直崎両監理局の分界点となつておりまするので、運転関係の指令が直接白河、黒磯間と黒磯、宇都宮間との二途に出ておりまして、而も両者の間に指令の遅速がある定めに甚だ不便でございます。又白坂、黒田原間の貨車配給が逆配となつております。即ち逆に遠い白河から配給を受けるというような不経済な実情になつております。この点を宇都宮監理局が設置せられますれば空車廻送の流れから見て極めて順当な貨車配給ができると考えられます。  又対外関係の不便につきましても、監理局が鉄道自体の運営管理に専念するものであつて、部外には何ら折衝なく、地方民は営業所(又は営業事務所)を通じて折衝を持つものであるから、監理局設置の有無はその地方民には何らの利害関係はないものであると国鉄当局はしばしば説明しておられますが、この点につきましては先に菊川委員、岡田委員又岡本專門員が述べられましたところと同じように極めて不便の点が指摘せられるのであります。例えば労働基準法関係の問題を処理いたしますときにも、又消防條例とか、危險品取締條例、その他各種の施設設計協議などをいたします場合にも極めて不便であります。又第三番目には用地請願者の出願があつた場合にも、余り高崎は偏在しているために調査に著しく不便を感じているようなわけであります。四番目といたしまして来るべきもみじの紅葉時期の客の誘致にいたしましても、高崎に監理局があつたのでは到底円滑なる運転配車をなすことができないわけであります。  第五番目といたしまして、設備改善の緊急を要するという点を指摘したいのであります。只今電話連絡が非常に不便でありまして、最近の実例として、最も緊急を要請されている進駐軍の車の事故報告に二時間も要して、非常に宇都宮検車区の非番の当直の者が超過勤務をせざるを得ないような場合もありました。又高崎監理局の庁舎が狭隘でありまして、非常に局員一同が事務の運営上、仕事の上において非常に困つているのであります。  そうして最後に御報告申上げたいことは職員の私生活、家庭生活が、監理局が高崎にあるために非常に困つております。寄宿舎がないため、又それにつきましての不便については、岡本專門員から詳細に御報告があつた通りであります。  以上のような諸点が列挙せられましたが、詳細はいずれもお手許に御覧入れました機構改革に伴う欠陷についてというこの宇都宮監理局設置期成同盟会長の御報告を十分にお読み取り願いまして、皆様の御理解ある御同情を得たいと存じます。  又青森の監理局問題につきましても、米穀、鮮魚介、肥料、木材、セメントなどを県外に輸送いたしますあの青森の諸産物の輸送については、青森が三つの監理局に、栃木県と同様に分断されてしまつた結果非常に困つている。それから第二といたしまして通信設備が三局に分轄せられた点、従つて貨車の手配が非常に不如意となつている点、その結果輸送効率が極めて阻害されており、操車の打合せすらも十分に行かないという点を指摘いたしまして皆様の御判断をお願いいたしたいと思います。  その外又青森におきましては特殊の事情として、雪害の輸送対策を実施いたしますときも、ラツセル車運転の場合にも極めて不便を感じているのであつて、どうしても青森としてもこの東北線の長い運行区間のその終点駅として重要な個所であり、たとえそれが函館に監理局があつても、東北線の終点駅として青森に監理局を増設することが特に緊要であると観察いたして参つたのであります。その報告に基きまして、その外七月二十二日の我が運輸委員会におきまして問題になりましたいわゆる数ケ所の個所につきまして是非とも速かに増設実現できますように、皆様の高邁なる御見識によりまして、私の意の足らざるところを補つて頂きまして、監理局増設が速かに達成せられますようにくれぐれも御支援をお願い申上げたい次第でございます。御報告とお願いを終ります。

山縣勝見自由党

○山縣勝見君 国鉄の問題に関しまして前臨時国会におきましても私発言いたしました一人でありますので、尚又運輸大臣及び国鉄の総裁から我々の発言につき御答弁があつて、只今お話がありました通り、国鉄機構の改革に関する根本的なシステムに関しては、これは只今もお話がありましたが、一応了承するといたしましても、いろいろな点から当然に考慮さるべき数ケ所について運輸大臣なり国鉄総裁ができるだけ早い機会に考慮して、適切な方途を講ずるというお話でありました。尚又さような御答弁を得たについては我々の発言に対してさような御答弁があつたのでありますから、その後国会の終了いたしましたあと、やはり一番その事情に詳しい者がおのおのこの現地に当つて、果して我々がこの委員会において発言いたしたことが当つておるかどうかということを検討いたしまする責任がありますので、只今宇都宮や青森についてお話がございましたが、我々といたしましては、一番事情の調査に適当でありまする……主として姫路等について検討いたしたのであります。いろいろ現地の事情は異なりますが、只今監理局と現場との関係、或いは作業上のいろいろな点における欠陷、殊に局の境界の不合理によるいろいろな運営上の困難、殊に私は前国会の委員会におきまして申したことでありますが、国鉄の機構の改革は、單に国鉄の機構の改革に終つてはいかんので、公共性ということを最も考えてやらなければいかん。そういう点から申しますと、国鉄の持つておりまする使命、殊に経済関係とかその拙いろいろな現場の経済的な関係、或いは輸送上の関係、対外的な公共性ということを、余程考慮を要するということを中心に申上げたのでありますがそういう点について現地においていろいろな調査をいたし、又いろいろ鏡地の意見を徴しますると、依然として前委員会において我々が発言いたしましたことが妥当であり、当然にこれは機構の根本的の改革を伴わずして、運輸大臣並びに国鉄総裁の言明された、ごとく、当然に現に問題になつております数ケ所は、單に数ケ所だけがそのいろいろな関係上申出いたしておるにあらずして、当然に考慮すべきいろいろなデーターが揃つており、又当然現地のいろいろな事情がありますることの認識を深めました次第であります。この点についてはいずれいろいろな調査なりをまとめまして御報告いたしたいと考えますが、只今宇都宮、青森を中心といたしまして、我々が考えておりますと同じことをその方面からの立証もございましたので、我々が一番非常に通じ易い面において更に調査をいたしたいと思いますが、只今お話のありましたことは我々の面から行きまして全く同じことが考えられますから、この点に対しましては、尚依然として国鉄の機構改革に関しては継続審査しておりますが、我々も更に調査を厳密にいたし、委員会に報告いたし、政府の善処を希望したいと思いますから、丁度この問題が出ましたので、附言して置きたいと思います。

佐々木鹿藏自由党

○委員長(佐々木鹿藏君) 本問題に関しましては、本委員会において運輸大臣並びに国鉄総裁が採算制のみに囚われず、公共性をも考え併せて善処するという言明がありましたので、私としては必ずや善処せられるものと確信を持つております。本委員会といたしましても、これは進んで調査を推進したいと思います。ちよつと私の考えを述べました。  それでは外御に意見ありませんか。ないようでありますから、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     佐々木鹿藏君    理事            植竹 春彦君            小泉 秀吉君            高田  寛君    委員            岡田 信次君            山縣 勝見君            内村 清次君            菊川 孝夫君            前田  穰君   事務局側    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君   説明員    運輸省港湾局長 黒田 靜夫君    運輸省大臣官房    企画課長    安井 正巳君    海上保安庁次長 柳澤 米吉君    国有鉄道運輸総    局施設局長   太田 和夫君

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