運輸・労働連合委員会 第1号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/07/27
会議録
○委員長(佐々木鹿藏君) と只今より運輸、労働連合委員会を開会いたします。前例に従いまして、私が連合委員会の委員長の職を勤めさせて頂きたいと思います。さよう御承知をお願いいたします。公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求める件を議題といたします。先ず関係大臣の、本件の経過概要について御説明を願います。
○国務大臣(山崎猛君) 国鉄第二次仲裁裁定につきまして、御説明を申上げます。 国鉄第二次仲裁裁定につきましては、第七国会におきまして御審議を願つておつたのでありますが、事柄は極めて重要且つ影響するところも大きいのでありまして、又予算の検討も十分できかねました関係上、衆議院におかれましては五月一日、参議院におかれましては五月二日、それぞれ継続審議を決定せられた次第であります。その後の国有鉄道の経理の状態を見まするのに、收入の面においては、多少の増減はございましたが、大体当初予定したような推移を辿つておりまして、又支出の面では特に考慮せねばならんような事態は今のところ見受けられない状態にあるのであります。従いまして国有鉄道におきまして、企業努力によつて経費の節約をいたしますならば、特に新たな財源を外に求むることなくして、或る程度の裁定の趣旨の実現が可能となるのではないかと思われておる現状であります。併しながら今日の段階におきましては政府においても鋭意予算の検討をいたしておるところでございまして、未だ具体的な的確な数字を申上げ得ないことを遺憾に存ずる次第であります。以上誠に簡單ではございますが、国鉄第二次仲裁裁定についての現状を御報告御説明申上げる次第であります。
○内村清次君 只今運輸大臣の御説明によりますると、第二次国鉄仲裁裁定につきましては、現在の国鉄予算の状態、即ち経理の状態を見極めた上において考えるというようなことが含まれておつたようです。とにかく現在経理の状態を見ておるというような御発言があつたようでありまするが、問題は私この問題につきまして特に大臣の意図されておるところの基本的なお考え方を承わりたいのでありますが、即ち今回の国会審議に持込まれたことは、仲裁裁定の項目について政府は公労法の十六條によつて予算上、資金上不可能にあるという観点からして国会に審議を持込まれたことだろうと私は思いまするが、そういたしますると今大臣のおつしやることは国鉄の予算の内におきましていわゆる收入の状態が支出の状態よりも上廻つて行くという状態が見えたならば、この予算の中から支出をして行くというようなお考え方でこの裁定を履行して行こうというお考えであるか。 又は一方におきましてこれは国鉄法におきましても他にこれをこの裁定実施の財源を大臣みずからこれを内閣に要求して、そうして他の追加予算その他においてこれを解決して行こうというお考え方であるか。第三におきましては、大臣といたしましてはこの裁定に対してはこれを尊重して、そうして完全なる履行をするというようなお考え方で臨んでおられるかどうか。この三つの点を先ずお伺いいたしたい。
○国務大臣(山崎猛君) お答えいたします。嚴後に第三点として仰せになりました第二次裁定を尊重して、できるだけその実現の方向に向つて進むということを第一にお答え申上げて置きます。 それから財源は先刻も申上げましたように、特に新たなる財源を他から持つて来るという意味でなくして、国鉄の企業経営の上における努力によつてそれを捻出してこれに充てたいという方向で目下検討中なのであります。その意味における予算措置を研究中である、かように御承知をお願いいたします。
○内村清次君 大体明確になりましたが、そういたしますると、国鉄の予算の中からこの裁定を履行しようというお考えか、そうするとこの裁定にも明らかにしてありますように、国鉄の收入予算の点につきましては二十五年度におきましても国会審議はすでにできておる。併しながらこれは予算であつて、実績がどういうふうに運輸收入が増加して行くかということは先程大臣も言われたように検討中であろうが、併し裁定の中に含まれておりますこの裁定事項に対するところの財源というものは、建設補充費があるのだというようなことがはつきり謳われております。そういたしますと、百八十億の建設補充費を組んで、そうしてやつて行かれるということは、現在の国鉄の独立採算制の上からしては、余りに過重な見積力であるということが謳われておるようであります。本員におきましても、この裁定の中の補充費問題に対するところの考え方につきましては同感であります。そういうような一方におきまして運輸收入が増加しないと裁定が履行できない、裁定は尊重するけれどもが履行できないという段階にありましたならば、今二つの問題か起つて来やしないか、その一つの問題は、即ち予算上資金上不可能な部分はは国会が審議しなければならないが、可能な部分におきましては裁定を尊重するということは、公労法の三十五條にまつて可能な部分に対しては国会関與は必要でない、政府も関與は必要でなくして、公労法の三十五條によつて、公社はその資金の支出の義務がある筈であります。そうしますと大臣が言われることは、国鉄の企業の経理内におきまして解決ができるということは、何ら大臣がこれに關與しないでも、公社の総裁自体が自主的にこれを解決し、而も法律を守つて解決し得られるものではないかと私は思う、そう考えますると、今一つの問題にやはり企業の実收入は現在見通しがないが、併しながらどうしてもこれを、裁定を尊重しなければならんというならば、やはりこの補充費あたりに目を着けて頂いて、いわゆるこの補充費の費用については、或いは一方において、これも国鉄法に明示されておりますように民間から株を募集する、或いは又一方預金部に政府の方は努力されて、預金部から借入金を借りて、そうして補充費の全額に対して建設はやつて行つて、尚且つ裁定の実行ということがこれが大臣の即ち努力されるところの目的でなくてはならないと思うのでありますが、大臣はこの二つの点に対しまして、予算上資金上余裕ができたときには自分の管轄ではない、これは当然その余裕ができたときには、組合とそれから総裁の間においてその額の点においては随時団体交渉されて解決して行くということが正しいのではないかと思うのでありまするが、大臣はどちらを取ろうとされておるのであるか、これを一つお伺いいたしたい。
○国務大臣(山崎猛君) 先刻も申上げ差した通りに、目下国鉄当局においてできるだけ、できるだけということは完全に到達するために大なる努力をいたし、予算検討の上に立つておるような次第でありますから、その結果においてはいよいよ足りないという分は、裁定を履行することができないというときには、お尋ねのような大臣としての責任を遂行する途に向つて進みたいと存じておるということを申上げる次第であります。
○堀木鎌三君 大臣から大変結構な御答弁を頂載いたしましたが、大体既定予算の範囲内において経営の合理化によつてどれだけ財源が出るか、又その財源によりまして第二次裁定の所要財源に満ちませんときには、更に大臣として国家財政の中から所要財源の発見に御努力なさるという非常に私共といたしましては結構な御答弁を頂戴いたしたのでありますが、その点についてお聞きをいたしたいと思いますことは、私余り細かいことは大臣も運輸行政について最近お当りになりましたのでありますから、詳しい、細かい事務的なことはお聞きいたしませんが、大体のお考えとしてこういう点についてどうお考えになつておるかをお聞きいたしたいのであります。即ち国有鉄道は終戰以来相当の赤字を続けて参りました。そこで二十四年度におきましては、百五十億の見返資金からの財源を得ておるわけであります。本来もうこれは私が申上げるまでもなく見返資金というものは赤字補填にと申しますか、工事に使われたのですから無論赤字補填とは言えないのでありますが、併し自己資金がありませんために、工事勘定に属しまするところの建設改良の所要財源として百五十億の見返資金からお借入れをなすつたわけであります。本年度、二十五年度は僅か見返資金から四十億しかお借入れになつておりません。そして残りの百五十億を自己資金でお賄いになつておる。即ち国有鉄道が皆努力いたしまして出て参りました益金を充当して百五十億の自己資金をなさつておる。こういうふうな点から考えますと、見返資金につきましては国有鉄道はもう少し見返資金をお使いになるのが当然でなかろうか。殊に企業努力によりまして二十四年度に比して本年度の財政が非常によくなつたといたしますれば、かくのごとき工事につきましては普通の企業的な観念から申しますれば、これは建設勘定なのでありますから社債なり、或いは株式の増加なりによつておやりになるのが先ず当然の常識である。そういう点から考えますと、この点から見まして自己資金による百五十億というものが余りに多過ぎやしないかということが一点でございます。経済常識から見まして見返資金をお考えになるか。鉄道債券を発行いたされまして、そうして他に資本をもつと吸收するということをお考えになつたら如何かと思いますし、かたがたここに問題になつております労働問題、労働問題の御解決についての観点から考えまするならば、今申上げましたように国有鉄道の財政状態が二十四年度と比較いたしますと著しく改善された。而もその蔭には種々なる従事員の犠牲、十万人の整理でありますとか、或いはより増して参ります仕事量の増加というようなものに対して対処いたしております点から考えまして、従事員諸君の給與というものを二十四年度のあの財政の惡いときと同じような状態において釘付けにして置くというふうなことが、そして百五十億の自己資金が出て参りますというふうなことに関しましては、ここで私の意見を申上げるのもどうかと思いますが、その問題を放置いたして置きましてお考えになることは資本的な面からしまする問題、つまり企業活動としての、経済活動から見ましての問題及び労働問題としての、そういう際の労働問題の扱い方としての従事員の関係、こういうふうな点から見まして大臣は政治家でいらつしやるのですから政治的に、大局的に、小さなことは別といたしまして、そういう観点についてどうお考えになりますか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(山崎猛君) 只今御発言の最初において新任日が浅いのだから細かいことは拔きにしてという極めて御理解のあるお尋ねであつて、私も恐縮いたすのであります。実は全くその通りなのであります。併し今全く新任日浅く直ちに臨時議会に突入したような形でありまして、運輸行政の本当の根本の建て方の問題については今折角自分みずから検討中なのでありますので、問題は極めて重大、大きな根本的の御発言でありまするけれども、私においてはそれだけにまだ運輸行政についての全般的の結論、意見というものをまだはつきり把握、獲得いたしておらないのが現状であります。従いまして只今の御発言の中にありました過分の御意見に関する点は私も十分傾聽いたしておつた次第でありますが、これに対する私の批判的の意見を申述べるという段階には今申上げたようにまだ自分みずからの用意が整つておりません。ここで軽卒にお答えするよりもさようの時間の余裕を與えて頂きたいというように考えます。
○堀木鎌三君 私が却つて申上げましたことを大変御謙遜あそばしてお答えを願うので困るのでございますが、今申上げましたことは運輸行政そのものと申しまするよりは、率直に申しますれば大臣のごとく政治家としても一般財政及び経済についても御識見がございますのでありますから、私は決して、何と申しますか大臣に何か言わして揚足を取つて喜ぶようなことはいたすつもりは決してないのであります。国の政治及び全体のことを取扱う際でございますから、今までの大臣の御識見から見まして私の申上げましたこと自体についてどうお考えになりまするか、甚だ失礼でございますが、重ねてお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(山崎猛君) 私は前に申上げたのが心のありのままを披瀝いたしたので、更に多くを附加える余地がないのでありますが、更に又私が率直に気持を申上げて見まするというと、政治、経済、労働、社会というような一般的の論はむしろこの場合避けまして、公共企業体としての国有鉄道の在り方、更に又ここに働くところの特別の労働組合の在り方に対する判断というようなことは、私が運輸大臣として国有鉄道を監督する立場から特に愼重に考慮をして国有鉄道が公共企業体としてある在り方にふさわしい結論を確信を以て申上げる時期までは暫く御猶予を願う方が順序であろうとかように考えおる次第なんであります。どうぞその意味において御了承願いたいと思います。
○堀木鎌三君 余りこの問題につきまして申上げるのはどうかと思いまするから、私は今申上げましたことは率直に申しますると、国有鉄道そのものにだけ適用する問題でないというふうに考えましてお願いを申上げたのでありますが、この問題につきまして、これ以上申上げるのはどうかと思いますので、十分今申上げました観点についてお考えを至急おまとめ願いたいと思うのでありますが、これはそれでは非常に常識的な、余り私ここでは法律問題をいたそうとは思いませんから、常識的な問題につきまして二、三お尋ねをいたしたいと思います。 御承知の通りに国鉄の組合そのものは終戰後変転いたしまして、現在のような状態になつて参りました。今朝読売新聞を見ておりますと、国鉄の労働委員長の齋藤君もその間の苦心を語つているようでございますから、この問題につきまして、私申上げなくてももうこれは大臣として御承知だと思うのであります。併し私ここで特にお考えを願いたいことは、近く例を引きましても、昨年の整理時分におきましてから、御承知の通りに三鷹事件でございますとか、福島事件でありますとか、平事件でございますとか、広島事件でございますとか、ひとり国鉄のみならず、各方面に非常に矯激な組合員が動きまして、社会の耳目を奪つたというふうな不祥な事件が相次いで起つたことはこれは申上げるまでもない。殊に国有鉄道の労働組合は、終戰後、官業及び民間の企業を通じまして、国鉄の組合自身の動きというものは、一つ組合運動の先頭を行つておりますと申しますか、指導的立場にあつたということは御承知の通りである。この国鉄の組合の動き方というものは、非常に私は国家の、ひとり国有鉄道のみならず国家産業の復興、及び日本の新らしい民主主義の行き方としての健全な労働組合を希求されるといふ観点から見ますると、非常に大きな影響のあるものだと思うのであります。で、私はこういう点に関しまして、幸い労働大臣も運輸大臣もおいでになつておりますことでありますが、私考えますことは、この際に運輸大臣、労働大臣は、組合運動自身が日本の民主社会を建設して参ります上において、最も関係の深いものであつて、今後もこの育成には御努力になるというお考えがあることだと思うのでありますが、その点についてのお考えはどうであるか。と同時に最近の国鉄の労働組合自身の動き、そうしてあの健全な組合を持つて参りますための苦心というものは、大きな国家全般を見ておるものから見ても同情と援助を惜しまないものではなかろうかと思うのでありますが、その点についてのお考えをお伺いいたしたいと思うのであります。
○国務大臣(山崎猛君) 只今の堀木さんのお尋ねでありますが、全くお尋ねの趣意に御同感であります。政治家としてでなく、一社会人として、戰後における鉄道運営の上に現われる労働組合の在り方については、お説の通り一時は果して将来どういうことに相成るだろうかと憂慮に構えなかつたような姿もあつたのでありまするけれども、僅か三、五年の間に今日までの見上げた立派な姿に労働組合の在り方が進んで来たということ、或いは進行した、改善された、あるべきようの姿に立戻つたと申してよろしいか、いずれにしても誠に国鉄関係の労働組合の在り方、活動の動き方というものは只今のお説の通りであると双手を挙げて御同感の意を表する次第であります。これは一社会人として十分に認め且つ感謝して行かなければならないけれども……、あるべき在り方に進んだものと思うのでありますが、政治家としても、殊に当の責任ある運輸大臣として勿論その通りであるのであります。これらに対しましては、ひとり物質的のことばかりでなしに、ややともすれば経済闘争の結果は、物質的の結果にのみ陷り易いものでありまするけれども、国の秩序が徐々に精神的に回復の途を辿りつつある現状と照し合せて、更に精神的にこの組合の在り方に対して認識して行くということも当然でなければならないと私は信じておる次第であります。
○堀木鎌三君 労働大臣はお答えにならないが、無論御同感だと私は思うのでありますが、その点で続いて……。実は労働組合としては、組合自身の自主性があつて、そうして私が今申上げたような観点から、ただ労働組合は、何でも政府の施策に御都合のいい動き方をする組合が健全だ、そういうふうな観点でものを申しておるわけではございませんが、労働組合としては、やはり労働者の権利を擁護するということは当然の任務だと思うのでありますが、その点についてお聽きいたしたいことは、今国家公務員と……、国家公務員は拔きにいたしまして、これは第三段にお聽きいたしたいと思いますが、民間の給與と、そうして国鉄從事員諸君との給與の開きをお認めになりませんかどうか、これが一つお聽きいたしたいことであります。そうしてその開きがありとすれば、労働組合が民間の賃金と同じような程度に、同じような待遇、給與を受けようとすることについて、大臣として積極的に解決に御努力なさるお気持がありましようかどうか。その点についてお聽き申上げたいと思います。
○国務大臣(山崎猛君) 今、前回私が申上げたような心持が、私の労働組合に対して、労働組合の待遇に対して考えておるところでありますから、それらはお言葉までもないと御了承を願いたいのであります。
○堀木鎌三君 大臣非常に御親切な御答弁でございますが、実はもう少し率直に申上げさして頂くと、今の内閣は国家公務員の給與を改訂いたしたいというふうな事柄を一つの政策として掲げておられる。その大臣といたしまして、国有鉄道……、公共企業体なる国有鉄道の従事員諸君の給與が、民間の待遇、民間の給與と著しく差があり、それらについても解決に努力されるというお言葉は、私も御尤もだと思いますが、と同時にここで先程挙げましたような、又内村議員からもお話のありましたように、何と申しますか、常に労働問題につきまして、その賃金その他につきまして、一方的にただ財政の資本蓄積という観点に重点を置いた、そういう予算の下に……、その予算の下において、従事員諸君に、言葉はは惡いのでありますが、余りが出て参つたら給與、待遇を改善するというふうな姿は、労働大臣、運輸大臣として特にとの点についてお考えを願いまして、むしろ積極的にその待遇、給與についてお言葉が実現するように、而も公約だけでなしに早急に御実現なさるように措置をいたして頂きたい、こう思うのであります。 と同時にもう一つその点について、これは少し具体的になりますのでどうかと思いますが、大臣にお聽き申上げたいのであります。今国鉄の第二次の裁定、即ちお手許に参つておりますのは第三号の仲裁裁定について問題になつておりまするが、実は第一次の裁定がまだ片附いていないということは御承知だと思いますが、この点につきまして私ここで大臣のお考え方だけを、内容については申上げませんが、今言われるような大臣のお考え方、及び公共企業体労働関係法の、私の経験ではこれをよく大臣は実はお忘れになる傾きがあるのでございますが、公共企業体労働関係法の第一條第二項に、ちよつと読ませて頂きますが、「国家の経済と国民の福祉に対する公共企業体の重要性にかんがみ、この法律で定める手続に關與する関係者は、経済的紛争をできるだけ防止し、且つ、主張の不一致を友好的に調整するために、最大限の努力を盡さなければならない。」これは余り法律論をいたさないために、こういう法律らしくない法律の條文を引いたわけですが、そういう点から考えまして、組合と国有鉄道の間の紛争は、できるだけ相互が最善の努力をして解決するというふうに考えなければならない。又大臣としてはその努力が結実するように後ろでやつて頂かなければならない問題であると私は考えるのでありますが、この点に鑑みまして、今第一次裁定について実は御承知の通りに訴訟になつております。而も考え方によりましては、国有鉄道としては僅かな金額であるがこういうふうな問題を健全な組合が発達して参つておりますときに訴訟で以て争つて、第一審におきましては組合側が勝訴する。第二審においては組合が敗訴する、そうして政府がこの訴訟には無論参加されているのでありますが、そういう現象は大臣として避けるべきであるとお考えになりませんか、どうでありますか。その点をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(山崎猛君) 只今のお尋ねはいろいろの項目長く亘つて尋ねを受けたように考えるのであります。国鉄の組合に対する問題、給與改訂の問題以外に全官公に対する給與の問題も考えてはどうかというお尋ねでありますが、これは勿論国務大臣として国政全般のことに責任を感ずる次第でありますから、切にこのことに関心を持つことは当然であると考えております。併しながら同時に又運輸大臣としては、国鉄従業員の給與問題について、当然ここにはつきりした線を描いて、裁定を尊重して、その線に沿うて行くべき義務があり責任を持つていると考えることは、決して両方の問題が混雑する問題でなくして、はつきりなし得ることであると考えるのであります。同時に予算措置等で、若し余つたたらば引上げの資金に充てるというふうに御了解を得たようでありますけれども、私の申上げるのは余らせるように努力するというところにあることを繰返し申上げたいということを御承知置き願いたいのであります。余つたならばやるというのではなくて、余らせるための努力をするということで、最善の努力をするという意味であることを繰返し御了承を願いたいと思います。 それから訴訟の問題は、私は実は古い日本の伝統、歴史、習慣等から来るそういう教育を受けて今日の年齢に達したものであります。日本の美点、特徴というものを保持して行きたいという過去を持つた者であります。従つて法廷で相争うというようなことはできるだけ避けたいという教育を受けで今日に至つたものであることは御同様であろうと考えるのであります。併し今日は新らしい憲法以来は権利義務をはつきりして行くべきである。権利の主張は忌憚なくその機会において與えられたる機会を生かして行かなければ権利の上に眠る結果になるということが、新らしい憲法以来のものの考え方であろうと思うのであります。これは殊更に争いを好む現象の弊を助長するという意味ではなくして、権利はあるべきようにあらしめなければならないという新らしい考え方から出ておると思うのでありまするから、訴訟によつて解決する途がある限りは、堂々と訴訟によつて解決をして、これを以て他のあらゆる問題に対する一つの基準ともなり、模範ともなつて行くのでありますから、殊更に問題の如何に拘わらず訴訟を避けて行くという温情主義というか、話合い主義というようなことにのみ走つて行くということは、今日以後は容れられないように考えておるのであります。でありますから、古い我々の教育された思想から申せば、法廷で相争うということは誠に苦が苦がしいことのように考え勝であつたのでありますけれども、私共頭を新憲法以来切換えて、権利はどこまでも主張し、正々堂々とそれを主張して行くということが新らしい憲法の在り方だと、かように考えておりまするので、私所見を申述べてお答えに代える次第であります。
○堀木鎌三君 無論私共も労働問題を扱つておりますので、新らしい権利の上に眠るということは考えられないということは存じております。労働問題を扱うのに先程読み上げました第一條の第二項を御覧願えば、先ず積極的に両当事者が解決する、関係者が積極的な努力をする。そうして解決の途があるならば、それに解決の途を求めるのが当然である。而もそれが不可能な状態だと私は思えないのであります。併しその不可能な状態であると思えない理由を申上げることは、ここで事務的に予算の内容を私が申上げなければなりませんから御遠慮して、そこまで大臣の御判断を俟たない。併し経過から御覧願つて、僅かな金で解決の途があるならば、早急解決させる方が常道に戻るのではなかろうか、こういう点について私申上げたのであります。
○国務大臣(山崎猛君) 只今お述べになつたような御趣意であればこれ又私も同感であります。
○堀木鎌三君 労働大臣、先程からお答え願つてもいいような問題が起りますが、お答えを願えないのでありますが、併し特にこちらがお答えを求めたわけではございませんのですが、今山崎運輸大臣から言われましたのは、公共企業体の仲裁委員として主張して参つた点であり、ややこの頃政府部内においてもその方向に進んだと思われる問題でありますが、第一に公務員の給與ベースは労働委員会でお聞きしましたからここでお聞きいたしません。併し国家公務員と公共企業体の職員との待遇給與は必ずしも同一でなくていい。要するに企業の努力によりましてそれだけの給與待遇ができる場合はしてもいいのだ。それから公共企業体の間でも必ずしも待遇給與は同一に考えなくてもいいのだ。やはり企業体の内容によつて異なつて来る。こういうことで、実は改造前の内閣の初期時代にはそうでなかつたのでございます。殊に昨年の年末の手当が出ますようなときには比較的そういう思想が支配的でなかつたのでありますが、専売裁定以来その思想が強くなつて参つたと思います。今山崎運輸大臣は国家公務員のことについても言われたようだが、これについては国務大臣としてやはり全体として考えなければならない問題である。併しそれと同時に運輸大臣として別個に国有鉄道の従事員諸君の給與待遇も考えなければならない問題である。こうおつしやつたことは一つの労働問題の行き方についての示唆だと思うのでありますが、その点について労働大臣はどうお考えになりますか、ここで御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(保利茂君) 先程から御質問があつたと存じますが、問題は私は山崎運輸大臣から申上げた通り、私から附加えることはございません。決して御答弁を回避したわけでもないのでありまして、御了承願います。一般公務員の給與と公共企業体の給與と違つてもいいじやないか、私も全くそのように考えております。そのような線において御審議になつております第二次裁定のできるだけ十分実現のできるように努力したいと思います。もとより一般公務員の給與ベースの問題につきましては、これは先程運輸大臣から申された通り、私共もそのように考えております。ただ多少考慮を要すると思われますのは、やはり公共企業体と申しましても、つい先年までは一般君国家機関としてやつておられた歴史的沿革的な事情もあるので、その辺は多少やはり考慮して行かなければならないと思います。全体として考える場合には多少考慮を要するであろうと思います。併し大体御趣旨はその通りだと思います。
○堀木鎌三君 私だけ余り時間を取りますことは御遠慮いたそうと思つて、一応これで又の機会にさして頂きたいと思いますが、今先程読み上げました公労法の第一條の第二項から申しますると、関係者の努力によつて問題の解決を図つて行くということが非常に大切なことだと私はこう考えます。その点でここで大臣としてお考え願いたいことは、殊に運輸大臣としてお答え廟いたいことは、一番これは私は……尤も労働大臣としても同様に重要な問題だと思いますが、国有鉄道をすつかり公共企業体になさりながら、給與待遇に関しては国有鉄道の総裁は、一文でも出すのは運輸大臣及び大蔵大臣の承認を得なければならんというような今の会計の建前でございます。率直に申しますれば日本国有鉄道法の第四章の会計の規定によりますると、国有鉄道の総裁、専売公社の総裁というものは、私実は前の議会に公述人で参りましたときに申上げたんですが、要するに団体交渉能力がないんだ、給與体系について団体交渉能力のないのと組合とが交渉したつて問題は実際解決しない。でありまするからこの頃は折角両当事者が交渉いたしておりましてもしようがない、成るべく早くこれは調停に移そう、公共企業体労働関係法の調停に移そう、或いは仲裁をして貰おう、こういうふうな状態になつて参ります。労働問題から見ましてこういうふうな財政的自主性のない国有鉄道というものは、私はコーポレーシヨンの実質を欠いておるものだというふうに考えるのであります。労働問題から見ましてそうでありますのみならず、他の方面、もう一つ企業的に見ますると何のために国有鉄道をコーポレーシヨンになさつたのか、コーポレーシヨンの規定に書いてありまするように、要するに高能率を挙げて国利民福に寄與しようということが問題であつたのであつて、そのために場合によれば長い歴史を持つておつた国家の企業体をあのコーポレーシヨンの形にお移しになつた、そうするとこの際に私が特にお願い申上げたいし、特に御答弁を御要求いたしますのは、この公共企業体が財政的な自主性を持つて活動ができるように改正なさる理由はありませんでしようか、これに日本国有鉄道法ができましたときに議会でやはり問題になつた主要な点であります。もう一つ、次に国鉄の第一次裁定ができましたときに、当時大屋氏が運輸大臣であつたのですが、大屋運輸大臣もその点を痛感されまして、参議院の選挙後の国会に是非この国有鉄道の財政的自主性を取戻す、国有鉄道の会計規定を改正した改正法案を出すんだと私共に確言されたことがある。大臣がお迭りになりましたが、同じ内閣が政治をとつておられるのであります。この点につきまして実は私はこの議会にその改正案が出ませんことを非常に遺憾といたしておるのでありますが、両大臣から御覧願いまして、こういう点は至急改正するの要ありとお認めになりますかなりませんか、その点についてお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(山崎猛君) 只今のお尋ねはコーポレーシヨンの自主性の拡先という要求についてのお尋ねであると考えるのであります。これにコーポレーシヨンとして国家的にも社会的にも独立採算制の大きな責任を持つておるのでありますから、その使命遂行の上にできるだけ自主性の拡充を伴なわなければ、徒らに鞭撻をするばかりでは無理であるということは、我々運輸行政に極めて不慣れな素人の者の立場から参りましても、常識的に御同感の意を表する次第であります。而もその自主性の問題が相当社会的にも、或いは議場においても問題になりつつ今日まで行かなかつた事情も、又今日の日本においてお互いに了解を得たり、申上ぐべき事情があることと考えるのでありますが、併し時勢も非常に変化を来しております。日本の在り方についても段々よき方に転回して行くべき情勢にもあるのであります。前大臣がさようなことを諸君の前にお約束をしたということは、私も十分理解もし得るし、同感の意も表し得るのであります。これにつきましては篤と研究をいたしまして差し障りのない形においてできるだけの途を開きたい、かように考えておる次第であります。
○国務大臣(保利茂君) 国有鉄道の内部の労働関係を調整して参ります上におきまして、御指摘のように国有鉄道創設以来の情勢から判じまするに、法制上相当検討を要する点があると私共は考えます。公労法の関係もございますし、その方との関係から私共も今検討を加えております。
○内村清次君 只今両大臣の御答弁によりまして、一つは労働大臣が国鉄職員の給與は国家公務員の給與と切離して特殊性的な性格を認め、切離しても考えてよろしいというようなことを伺つたわけでありまするが、これは当然な御答弁であると私は考えます。この点がまだ大蔵大臣の従来までの御答弁の中におきましては甚だ不明確であつた。これは先程の堀木委員の質問の内容にも、又国鉄の企業の経理に対するところの自主権の問題につきましても、現在の国有鉄道法のいわゆる予算権の三重の権利を以て、そうして積み重つて自主を妨害しておるという点にも多分に触れた問題でありまするが、併しながらいま一歩これを考えて貰わなければならないことは、御承知のごとく憲法におきましては、第三章の国民の権利及び義務の上におきまして、団体行動権もこれは基本権として国民の自由に與えてあることは、もう申すまでもないのであります。然るに国家公務員は憲法十五條の精神によつて罷業権を剥奪され、同時に又公共企業に移行いたしましたこの国鉄の業体におきましても、やはり罷業権だけはこれも取られてしまつた。その罷業権を取られましたところの公務員と公共企業体の職員の関係は、これは申すまでもなく国家公務員法の二十八條によつて人事院はこれはすべての科学的な調査をした上において給與実態の資料を集めて、そうして五%以上の変動があつたときには政府及び国会に二十八條によつて勧告をしたければならないという義務を附して公務員の給與を守つておる筈であります。これは罷業権に対するところのいわゆる公務員の生活権の擁護の大事な基本的問題であろうと存じます。同時に又国鉄の方はやはり罷業権を取られておりまする以上は、仲裁委員会の裁定を以て生活権を擁護してやらなくてはならない。これは嚴然たる憲法の基本権に対するところのすべての法律がこれを擁護してやらなくてはならないところのものでなくてはならない。然るに政府は第一次裁定のときにおきましても第二次裁定のときにおきましても、公社の予算上資金上において不可能な部分であるからというので、拒否の態度を以てただ予算も附けずに国会に審議を求めておられる。こういうような筋合というものは、政府の態度がいわゆる罷業権に代る生活権の擁護に対するところの考え方の非常なる稀薄な点にあるのであつて、これでは私は国家公務員にいたしましても、特に又重要な国鉄の政治経済にも密接な関係を持つております企業に、而もその企業の努力内容というものが労働條件というものが非常に重い仕事に従事しております職員の生活権の点につきましては、誠に憂うべきことであると私は存ずるのであります。そうでございますると、この十六條とそれから公労法の三十五條、これは連関をいたしましてやはり十七條の職員が或いは怠業をしたり、又は罷業の行為をしたときにおいては、これを禁止するというような嚴粛な禁止規定を設けておる以上は、この三十五條十六條の改正ということは最も早い機会になすべきものであると私は考える。この点につきましては、参議院の議運の方においてはこれを認めるという前提の下に労働委員会に付託してこの改正が今なされようといたしておりまするが、労働大臣は先程の御答弁におきましては積極的にこの改正の問題については政府としても意図する、又自分としても意図して、この妥当な改正をやるというお考えを披瀝されたように存じますが、この点につきましてはもう一つ明確に十六條と三十五條の関連性についての御所見を明確に出して頂くと同時に、改正の問題についての所見を今一つ明確にして頂きたいということを私はお伺いいたします。 それから運輸大臣にお尋ねいたしたいことは、先程の御答弁によりまして現在の企業の経理状態は検討中であるというようなお考えで、而もその最終的なお考えとしては、公労法の今回の裁定については尊重するというお考え方を披瀝された。ところが御承知のごとくこの第一次裁定はすでに三億円の訴訟問題が起きたり、又第二次裁定については何も見るべきところの経緯がなくて国会で継続審査をしている。そろいたしますると、すでに国鉄の職員というものは昨年の七月からは政策運賃の犠牲になつて毎月一千円ずつの損をしておる。これは企業のために損をしておる。いわゆる給與改訂がなされなくてはならない段階が昨年の七月に来ておりながら、それが政策運賃のための犠牲になつておるという重大なる状態があります。而も又現在六千三百円ベースにおいて、そうして毎日毎日の生活が困窮しておるという実態熊は今尚続いておる。而も又今回の地方税法その他の関係からいたしましても、相当生活面のフアクターになつておりますところの問題が起りつつあるところの現段階におきましては、尚又生活の窮迫というものはこれはもう眼の前に見えておる問題であります。これを早く救済しなければならない。一方においてはやはり公労法の精神を生かし、又生活権の擁護を生かして行かなければならない政府の義務があります以上は、この裁定を速かに解決せなくてはならないところの義務というものが私は目下最大な義務でなければならんと思います。そういうようなときにおきまして、先程のお話では企業の経理を余らせる、努力を以で余らせるというお言葉があつた。ところかこれは私共はこの経理の各款項目というものは、流用禁止の制限というものが予算総則においてもあるようであります。すでに二十五年度の予算というものは策定せられておる。この中から実收入の剰余が出ましたといたしましても、これは直ちに流用ができるかどうかということは、又大臣の御努力によつては可能な場合もあるでありましようが、併しながらこれは閣議の、即ち問題にもなつて来る慮れがあります。そういうような点を見廻しますと、一体給與をするところの裁定というものが、政府はこの国会にいつ見通しがあるか、即ちどれくらいの剰余財源ができてこれはどういう努力によつて、裁定を尊重して解決するという見通し、その見通しがいつあるかというところを一つ明確にし頂かたいと、国会におきましても前国会から引続いての継続審査でありますし、而も國会といたしましてももう政府の態度が従来通り不徹底でおりますけれどもが、国会に付託された以上は、国民代表といたしましてこれを解決せなくてはならないところの義務が残つておるのでありますからして、その見通しの点を一つ明確に申して頂きたい。 それから先程大臣は堀木委員の御答弁におきまして国鉄の経理というものの自主性が非常に制限をされておるということにつきましての御感想も述べておられたのでありまするが、この問題は今の現状におきましては全く国鉄の企業の経理の自主制というものは縛られてしまつておる。そうして折角その企業努力によつて、従事員の努力によつて、そうして剰余ができましたものは今回のごとき、又国鉄の機構改革というような、而も非民主的な決め方によつて、そうしてこれを、費用を使つて行く、こういうような点に使われようとしておるわけでありまするが、そうして見ますと、いつ一体国鉄の職員の給與問題というものが解決するものであるかということは多大の、即ち五十万の職員の人達は今不安の状態に置かれておるわけです。何か少し努力して見るとこれが直ちに外の費目の中に流用されてしまつておるというような考え方であるといたしましたならば、私達は、給與問題の解決というものは非常に不安の状態にある。而も先程から申しましたように罷業は、これは重要なるところの罷業というものは、憲法の制限というものがなされておる今日におきましては、労働者の生きる道というものは塞がれてしまつておる。こういう状態のときにおきまし三この国鉄法の改正に当りましては早急にこの自主権の取られますような改正方につきまして一段の新大臣は努力をして頂きたいということを重ねて御希望いたします。そこでこの裁定の実行の見通しの点につきまして具体的にここで明確に御答弁を頂きたい。 労働大臣においては、十六條、三十五條の問題についての改正の御意見を明確にして頂きたい、これを一つお願いいたします。
○国務大臣(保利茂君) 率直に私としての結論を申上げる段階に至つていないことを非常に恐縮に存じております。先程堀木委員の御質問にお答えいたしましたのは、要は国有鉄道の、いわゆる国有鉄道企業体の内部の労働関係を調整して、企業体の発達を促がして行きますために、国有鉄道の自主性を強化して行く必要があるではないかどうかとうことは相当検討を要するところへ来ておるのではないか、そういうふうに私は考えておるのであります。更に公労法の十六條と三十五條の問題は、もとより公共企業体のその点に非常に関連を持ちますから、併せて検討を要しなければなりませんけれども、すでに各方面に御検討の気運が出て参つておりますし、同時に又本件に関連して最高裁判所の提訴にもなつておるようでありますから、未だ私共の、政府としての考えを結論的に申上げ得られませんけれども、只今事務当局におきましても慎重に検討をいたしておりますことを御了承願います。
○国務大臣(山崎猛君) 只今のはつきりした見通しを述べるようにというお尋ねでありましたが、今日の段階におきましてはまるつきり室を掴むような段階でありませんので、或る程度、この程度で進むならば第二次裁定の線にどの程度まで行き得るかということの見通しの下に折角検討中なのであります。併し無理不当に亘らざる範囲において努力せなければなりませんので、給與総額の枠を拡げて補正予算を要求して御審議願う段階の見通しは今のところはまだつきません。つきませんけれども、まるつきり空を掴むものでなくして、相当御信頼を得ていいのではないかというプランで進みつつあります。もう暫くの間はつきりしたことを申上げることは御容赦を願いたい。
○菊川孝夫君 運輸大臣にお尋ねいたしますが、最初に御説明になつた短い御説明でございますのでちよつと要領を、私はお考えになつておる趣旨がよく分らなかつたのでございますが、十六條の二項によつて国会に議決を求める件とこう出て来ておるわけでありますが、如何なる議決を求められておるのであるか、はつきり明確にして頂きたいと思います。そうせんと今後のそれに関連してお尋ねして行けません。どういう議決を求められるかはつきり分らない。
○国務大臣(山崎猛君) 説明員よりお答えいたさせます。
○説明員(石井昭正君) 国会に議決をお願いいたしましたのは、予算上、資金上支出不可能な部分に関しまして承認、又は不承認の議決をお願いしておるわけでございます。
○菊川孝夫君 それでは今のお答えでは、予算上、資金上支出不可能なる部分というのはどれだけが不可能であるか。第二次の裁定のどれだけが不可能で、どれだけが可能であるか、その点を……。
○説明員(石井昭正君) 只今のところでは全部不可能でございます。(笑声)
○菊川孝夫君 全部不可能とするならば、その全部の不可能を、拂わなくてもいい支出をしなくてもいいように国会で承認して呉れというのであるか、これを不町能であるからして何とか国会において予算的措置を講じて貰いたい、こうい、う意味であるか。どちらか。
○説明員(石井昭正君) これはこの前の国会におきまして御審議願つたときに大臣から御説明があつたと思うのでございますが、御審議の過程におきまして政府といたしまして何らかの予算的措置を講じ得る見通しがつきましたら併せて御報告申上げる。そうして御審議の参考に供したい、そういうことを申上げておるのであります。
○菊川孝夫君 予算的に措置の見通しがついたときには御報告申上げるというのが、今日の御報告ではまだはつきりしないと言われるのでありますが、この裁定書を見ますると認めても差支ないという判定を下しておる。これについて大蔵大臣か運輸大臣に対して折衝をおやりになつたのか、或いは大分あれから長いこと期間も経つていると思うのですが、その後に運輸大臣か大蔵大臣との第二次裁定についての折衝経過、何故それができないか、これはまだはつきりしないのか、その折衝経過を御説明願いたい。どういう折衝をされたか。
○国務大臣(山崎猛君) その折衝の経過はまだ結論に達しておりません。只今申上げる段階に進んでおりません。
○菊川孝夫君 この国会において弔うあと予定は三日か四日でございますが、その間においてまだ結論に達しない段階というものは、いいとも惡いとも分つていない、こういうふうに了解していいのでありますか、大蔵大臣に……。
○国務大臣(山崎猛君) 結論に達していないということは、よいと、いうことを希望して進みつつあるが結論に達していないのであります。
○菊川孝夫君 今のところは大蔵大臣が惡いとこういう意味でありますか。折衝は今日の段階においては……。
○国務大臣(山崎猛君) 今申上げた惡いという断定を下すことはできません。交渉の過程にあるのであります。さよう御承知願います。
○菊川孝夫君 それでは国会の方において、まだいいとも惡いとも分らんのだということ、そいつを国会で決めて呉れ、政府間の大蔵大臣と運輸大臣との折衝も分らんのに、国会で決めて呉れといつてもこれは決めようがないと、我々は考えますが、その点を一つこの国会中にその結論を出して、上がるようにできる見通しがあるかどうか、それをお聞きしたいのであります。
○国務大臣(山崎猛君) その見通しは困難であるということをはつきり申上げて置きます。
○菊川孝夫君 そこでまあ困難であるということになつたら、更に運輸大臣に外の面からお尋ねしたいのであります。今回の裁定につきましては、第一次の裁定もああいうふうな恰好になつたことは大臣すでに御承知の通りでありまして、第二次の裁定につきましても又未だに困難である。而もこれは四月からこういうベースを実施せよということをはつきり明示してあるのでありまして、そもそも公共企業体労働関係法を制定されるに当りまして、声を大にしてその当時の政府が自伝しておる、労働組合に対しても説得に努めたわけでありまして、今までは交渉によつて事件が解決せられ、解決しないときには双方力を以て、一つはストライキの権を発動する。一方は工場閉鎖等の手段を以てこれに対抗をして、力で以てもみ合つておつたのだ。それを平和的に解決するために仲裁制度を設けて、その半面において罷業権というものを一応剥奪と言いますか、禁止した。この裏付けとして設けられたことは、これは運輸大臣も労働大臣もお認めになつておると思うのでありますが、にも拘わらず第一次の裁定もああいうふうな恰好になつて実施されない。又第二次の裁定もこのようになつて未だに見通しもつかないし、折衝も極めて困難なる段階である、こういうふうな説明でありますが、そうするとこの十六條によつて国会に折角議決を求めらるるにいたしましても、むしろこの三十五條との関連からいたしまして、労働組合の方で守るべき点だけを守れと言つて、政府が実施しなければならん点を実行できないということにつきまして、運輸大臣並びに労働大臣が十六條において……これは一方において関係方面からも相当指示を與えられまして、我々もその当時説明を何回も聞きに行つたのでありますが、丁度今お前達が野球のゲームをやつておるときに、セーフかアウトか決まらない。セーフかアウトか決まらないときには、選手同士が殴り合いをして決めておつたが、今度はアンパイヤーを出して審判を下すことにするのだ。セーフかアウトかどつちか決まつた場合には、それは本当にスポーツマンシツプにやつて行くのだ。こういうのが公共益業体労働関係法に基く仲裁委員会の制度であるということを説明しておるのであります。それが一応国会に持つて来て、国会でてんやわんややらなければならんことになりましたならば、仲裁委員会なんというものは必要はなくなると思う。それよりか国会で決めてしまえばいいとこういうことになるのでありますが、これをやるかやらんかということは政府ができないならできないとはつきりして来たならまだしも、議決を求めなければならんとなつて来てしまつて、どちらでもいい、国会で決めて下さい。こういうふうな出し方をするのであるから、私は今度は調停委員会で調停案が出て解決しないならば何ら仲裁の権威というものは、これはなくなつてしまつた。将来の労働運動の慣行の上にも極めて惡い例を残すと思うのでありますが、というのは折角仲裁委員会で出してもこれは室つぶてになつてしまうと思う。これを尊重して、こういうものも政府がどうして出そうかということを努力するならばいいが、どうでもいいというような出し方をするなら国会にすべてこの判定を委せて、労働委員会等において決めるということになるのでありまして、立法精神は私は根抵から覆えしておると思うのであります。この点について労働大臣並びに運輸大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山崎猛君) 先程来申上げておる通りに、政府といたしましては第二次裁定を尊重して、それを実現するために努力も献身的努力もいたしておるので、更に又大蔵大臣との折衝もその線に沿うて進めておるような次第でありまして、決して仲裁アンパイヤーを無視して直接行動によつて解決しようというような気持は毛頭ないのであります。仲裁裁定を尊重して、その線に沿うて目下鋭意努力中であるということの御了解を願えれば私の申上げたことに多分間違いはないと思います。
○国務大臣(保利茂君) 只今運輸大臣から申上げた通りでございますが、尚十六條、三十五條の解釈上の多少問題にお触れになつておられたようでありますが、この解釈の問題につきましては、従来政府がとつて参つております解釈の上に私共も立つておりますので、私が申上げるよりも、労政局長からお答えを申上げることにいたしたいと思います。
○政府委員(賀來才二郎君) 菊川委員の御質問につきましても、内容はもう菊川委員の方が十分御承知と存じておりますので、却つて私から御説明申上げますことは失礼に当ると考えます。ただ今御意見にもありましたように、当時この法律の立法に当りましたのは、主管局長といたしましては私でございます。只今の御意見のように労資の紛争を実力でやるのでなしに、アンパイヤーがやつて行く。従つて公平なる判断力によつてやつて行くために仲裁委員会を作つたということにつきましては、これは御意見の通りでございます。今日まで政府がとつて参りましたところの方針につきましても、やはりその精神によつて処置されておるものと我々は考えておりますと同時に、仲裁委員会が今日まで努力をなされました点については深く敬意を表しますと共に、この仲裁委員会がお扱いになりました結果につきまして今日まで効果がなかつたとは我々考えておりません。専売公社の場合の、ごとき、これはやはり、調停委員会の非常な御努力で円満に解決が付いておりますし、又この度政府におきましてもできるだけ尊重して、そうして解決に当りたいというふうな意向を強く出されましたことは、やはり仲裁委員会の権威の然らしめるところであると、かように考えておる次第でございます。
○菊川孝夫君 尊重と言われることは、この審判制度というものは厳粛な態度で私はなければならないと思うのであります。これは今後組合側として不利になるというふうな審判も下らんとは限らんと思うのであります。そういう場合にでも、いや精神を尊重して御努力するのだということになつてはいけないのであつてこの審判制度というものは一旦決めた以上は不利であろうがそこへ持つて行つて喧嘩の仲裁をお願いしたのであるから、そこが下した以上相当相方に不満な点があつてもそれを厳粛な態度で実施するところに私は審判の意義があると思います。尊重するのだ、精神だけは尊重するのだ、実際には四月から八千二百円を実施するのだ、もう八月になつておるのにまだ可能であるか不可能であるか分らん。そこを無視して極めて困難であるということを言うことは私は審判を尊重するという態度でないと思います。これはそのまま本当に嚴粛に実施して、これは将来の例にもなりますので、例えば組合側に対しまして、今度は極めて不利な判定が下された、併しながらこれは組合も尊重いたします。その精神は結構でございますから尊重いたしますが、併し今はなかなかそう簡單には決まりません。今度大会を開くまでお待ち下さいと言つて大会を延ばすという戰術も今後はとり得ると思うのでありますが、そういうような場合に賀來さん、或いは労働大臣がどういうふうにこれを判定するか、そういうような場合には、組合の不利なような場合に。一見して組合の勝ちでないというようなことも出されたときに、尊重はいたしますけれども大会もあります、中央委員会もあります、大会で決まるまでは実施できませんからというときに、労働大臣としてそういうことを一応尊重するという声明は出しておるのだから、決めるという態度に今後出られるかどうか、その点。
○国務大臣(保利茂君) 十六條の規定によりまして仲裁裁定がありましても、予算上、資金上不可能な分については政府を拘束することはない。あの規定は決して仲裁裁定の権威を私は没するものではないと思います。従つて全くあの場合のみ仲裁裁定の拘束と申しますか、制約を受けるわけでございまして、その他の面につきましては私は双方とも嚴粛にこの裁定に服すべきものであると、かように考えております。
○菊川孝夫君 この件についても、これは前から第一次のときにももみ合つたのでありますが、予算上、資金上可能、不可能ということは、一方勝手に当事者がこれは不可能であるということを決めることはできないということを言うておる。これはあの当時の仲裁委員長の末弘さんが証言しておられるので客観的に決まる問題であるけれども、それを一方的に、わしの方だけ決まつた、これは不可能でございますといつてふんぞり返つておるということは許されないことであるといつて、審判を下した人が言つておるのだ、そういうふうでいかんと言つておるにも拘わらず、あなた方だけが予算上、資金上而もこれは十日以内に国会に付議して、その承認を求めなければならんというような、飽くまでもこれを実施するように承認を求めなければならないと思うのでありまして、実施するには国会に対しまして、こういうふうに実施したいから、例えば仲裁委員会におきましては特別補充取替費その他から求めても差支ないと認めるというのだから、それに対しまして、特別補充取替費からどういうふうに金を出すか、その折衝の模様を明らかにせしめまして、こういうふうになつておるのだけれども、これはとてもできないから、それならば追加予算でも補正予算でも、どちらでも出してやればいいのでありますが、これは予算上、資金上不可能でございます。将来こういうものが出ましても予算を伴うものとして政府が故意にやろうと思えば、惡く解釈するのはどうかと思いますが、そのときの政権の如何によりましては、何でもこれは予算上、資金上不可能である。そういうものを予想して予算を組んでいないのでございますから、全部切換えて行かなければならん。それを予算上、資金上不可能であると言つて自分達だけが断定しておつたのとは、何もできないと思うのであります。一銭一厘と難も、すべて年度初めにおいて決まつておつて、予備費というものは僅かなものである。予備費より他に負担するということは、一銭一厘も出ることはないと思いますが、それを努力して、特別補充取替費からこれを出す、それから転用をするということになつておりますから、これについてはこういうふうにこれまでやろうと思つたけれども、それが変つて転用することはできない。こういうふうに我々に説明されるならば分るのですが、その説明が何らなされておらずに、折衝中である、将来においても困難であると言つておられるならば、議決を求めても議決のしようがない。議決を求めるというその点について一言労働大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山崎猛君) 或いは今のお尋ねと違つたお返事を遡つて申上げてはつきりさして置きたいのでありますが、尊重するということは、何か体をかわすための遁辞であるように軽く御解釈になつたようでありますけれども、これは私の申上げた尊重するという意味とは非常な隔りであるのであります。我々の知つている日本語において尊重するという場合におきましては、決して遁辞ではありません。十分に敬意を拂つて、それの精神に従うということになつて、初めて尊重と申し得ると思うのであります。單に鉄兜を被つて彈を避けるというような気持じやなくして、嚴粛に実施する以上の意味が、尊前という精神の中に含まていると思うのであります。運輸大臣の関する限りにおいて、私は尊重という意味をこういうように強く申上げて、そうして私の心のあるところを御了解願つて置きたいと、こう考えます。
○菊川孝夫君 そこでそろそろ具体的に少し入りたいと思うのでありますが、そのお言葉を聽いて具体的に入りたいと思うのであります。第一次の裁定がああいうふうな結果になつて、今裁判上の争いになつておるのですが、あの年の終りにおきまして、日本国有鉄道におきましては、我々特に普通の一般職員がそんなことを今急いでやらなくてもいいというようなものを故意に工事が相当行われたのであります。而もその工事におきましても表面だけはこれは完成したというふうな恰好を見せて置いて、四月一日後に完成しても金だけは拂つて置くという空工事ということまで行われたという噂さえ飛んでおる。それで各駅におきましても、今塗らなくてもいいような所へ三月三十一日になつてから盛んにペンキを塗り出して、それから年度末に殆んど近付き出してから三月の二十一日、二十日過ぎになりまして盛んに高級の職員が出張をした、例えば駅長とか、機関長とか、もう十日、二十日というふうに出掛けて、労働組合の組合員にはそういう恩惠はなかつたけれども、高級の職員に対しましてはいずれも十日、或いは二十日というような出張の、何か見学して来い、とにかくまあ見学して来いというような出張は昨年の、二十四年度末にはなされておる。そういう事実があるのでございます。ところが一方において三億の問題はどうしても抑えない。一方においてはペンキを塗らなくてもいいような所にペンキを塗つたりして、或いは屋根を直さなくてもいい所をやつたり、どぶ直しなどをやらなくてもいいのをわざと直し、橋を架けるとか、必要もないところをわざとやつておる。これだつたらもう少し延ばしても三億円の問題、或いは今回のこのような予算の方へ振り向けられる余裕が相当あるような面が多々あつたのでありまして、運輸委員会としても実際にこれはどこをどういうふうにやつたかということを調査してないので、私その当時組合員であつたために運営に関しましては関與させないというために実際に調査をしてございませんが、そういう事実は相当あつたのでありますが、その点について一つ運輸大臣に、この年度末の三月三十一日頃と前との三月で決算した工事費と、それからそれまでの工事の恐らく三月になつてから厖大に上つておるだろう。それから旅費額も厖大に上つておると思うのですが、この点について一つ、去年そういうことがやられておる。恐らく今年も又最後になつたらこれをやるということは必至である。役所の仕事で必ずそういうことをやつて、実際に今のうちには何んだかんだと言つてこの問題は実施されない。こういう結果になることは私は必至の趨勢だと思うのですが、運輸大臣におかれましては一つその点の実情を調査せられまして、指導監督の責任にあられる運輸大臣において指導監督者といたしまして、去年のその三月分に使つたところの旅費並びに工事費の経費と、それからその前の各月の平均をとられて見ますると、非常にその年になつてからわざと使つておるという証拠が歴然と私は出ると思うのでありますが、本年においても又そういうことは恐らくやられる。そういうことを見越して今から少し節約して行つたらできると思うのですが、そこを一つ大蔵省と折衝されたりする都合上、或いは国鉄総裁に指示される都合上、一度御調査なさつてこの次の会にはつきりここでして頂きないと思うのですか、この点についてお願いできますかどうか。
○国務大臣(山崎猛君) 只今の御希望でありますが、できるだけ若しさようなことであるとするならば調査はいたして、結論の断定があなたと同じ断定になるかどうかは私は今保証できません。事実を知らないのですから、調査の結果を御報告申上げることに取進めたいと考えおります。
○菊川孝夫君 次に又これは予算の出所はそういうところで一つ編み出せると思うので、この御努力を願うために一つこちらからも意見を申述べておるのでその点からも御検討願いたいと思います。 次に衆議院の大蔵委員会におきまして交通公社の浮貸というようなことが問題になつたようでありますが、これも私も事件の真相はよく分らないのでありますが、五億五千万円ぐらい毎月一月送り国鉄の切符を借りて行つて、そうして売つてそれで今度は一ケ月先になつてから国鉄に納めればいい。こういうシステムがあるようであります。そのために五千万円かロマンス社という雑誌に金を貸したのが焦付きになつたというのであります。浮貸といつて衆議院の大蔵委員会において問題になつておつたことは運輸大臣もうすうすでありますか、或いはよく御了知のことだと思うのでありますが、その五億五千万円をただ先に切符だけやつて、そうしてそこで金を流用させるということがやられるということであつたならば、これは大きな問題だと私は思うのでありますが、そこらからも相当この予算、今回の裁定実施のために資金が浮くのではなかろうかと思うのですが、その点について運輸委員会としても重大な関心を示さなければならないと思うのですが、運輸大臣、この裁定実施に私は関連いたしまして外にもまだそういう関係があるのではないかと思うのですが、一応この際あの浮貸問題、衆議院大蔵委員会において問題になつた浮貸関係についてはこれは見逃すことはできない問題だと思いますが、一つこの裁定実施とも関連いたしますので、分つておりましたら御答弁願います。
○国務大臣(山崎猛君) 私も菊川君と御同様に新聞紙上で浮貸云々の記事のあつたことを漠然と記憶いたしております。実は内容は読みませんでしたけれども、浮貸であるというような如何にも大きな疑いの目を向けられたような記事のあつたことを記憶いたしております。その後運輸大臣に就任しましてから、高田君に実は直接お目にかかつた機会に、新聞記事にあんなことがあつたが、どうですかというようなことを聞いて見ましたところが、そのときには詳しい内容の説明はありませんでしたけれども、あれは仮拂です。こういうことを私に言われておられたのであります。それから大蔵委員会におけるこの問題についての問答は承知いたしておりませんけれども、これは調べれば直ぐ分ることでありますが、私が直接高田君からお聞きしたことによれば仮拂であつた。金額もさように大きなものではないという程度でその場は別れたのでございます。必要とあれば詳細に調べることも極めて簡單なことでありますから直ぐ分ると思います。御報告の必要があれは取調べて御報告申上げます。
○菊川孝夫君 最後は一言運輸大臣に要望いたして置きたいのですが、そういう事件というか、これははつきり事件になるかどうか分りませんが、相当国鉄内部においても私先程申上げましたようなのがもう公然の秘密として組合員が誰知らん者はない事実は極めて沢山あるのであります。そこらへ相当血を吸われておるにも拘わらず、そのことに血を吸われておりながら折角国の法律によつて決まつてあれだけ世間の問題になつた、そうして僅かな裁定の実施というものについては引延ばされて行くということにつきまして極めて四十万の組合員が不満を持つて、いるということだけは十分お含みの上で、そういう点も粛正してそれでも出ないというのだつたら分るのでありますが、いろいろ評判が飛んでおるのですが、火のない所に煙が立たんのでありまして、幾多問題があると思います。清康潔白なる運輸大臣におかれましては特に指導監督という点から日本国有鉄道のそうした外郭団体との繋がり、或いは年度末に行つて幹部職員だけが潤うような予算の使い方等においても検討されまして、そうしてこの裁定を少くとも実施いたしまして、そうして正しい労働慣行を打ち立てるように速かに本国会において我々は審議して可決できるような案をお示しになられるように要望いたしまして、私の質問をこれで一応打切ります。
○委員長(佐々木鹿藏君) 外に御意見ございませんか。
○堀木鎌三君 ただ一言だけ。私今日は両大臣おいでになりますから、特に政府委員の方向きの質問はいたさなかつたわけでございますが、ただ一言両大臣に申上げたいことは、法律論はいたしませんが、公労法の十六條の第二項で、国会の議決を求める件としてお出しになつておるわけでございますが、この公労法の十六條の規定によつて五日、十日と決めてありますることは、要するに労働者の賃金の問題は本来至急に解決しなければ円満に解決する問題じやないのでございます。これはもう労働問題をお扱いになつて御理解があるならば直ぐ分ることなんで、労働問題というものは気の拔けたような時期になつて解決することは、労働者の権利を擁護するゆえんでもなし、又円満なる労働運動の発達を助成するものでもないわけでございます。従いまして十六條にこの五日、十日という日にちを限つておるわけでございますので、私は実は率直にここでの感想を申上げますれば、以前よりは政府といたされましては進歩的な解決に努力するような方法で御返事を頂いておるような気がいたします。と同時に先程尊重してというお言葉がこういう意味だと言われましたようなことにつきましては、私共としては、こういう労働問題に関係しておる私としては非常に有難い、率直に申しますれば非常に有難いと思うのでありますが、併し、と同時にこの日にちという問題につきましては、是非お考えを願わなければならぬ。私としては依然として本国会におきまして見通しが立たないで延びているということは、少し具体的には精神的には運輸大臣の言われますことを御信用を申上げまするが、実績の現われましたところはこの五日、十日に出さなければならぬ、ということは、問題を早く解決するということなんですが、そういう意味から見ますると、非常に遅れているということが言い得るわけでございます。そういう点も十分に御考慮願いまして、一日も早くこれについての予算的見通しもおつけになり、殊にもう七月終りになつて参りました。私も役人上りでございますから、大体の官庁事務はやろうと思えば見当が付くわけであります。御承知の通りに上平期も大体近くなつて参りますれば、大体のことは見当が付くわけなんであります。どうか国会公務員の給與べースについても無論のこと、この公共企業体の関係につきましても法の精神を十分お酌み取りになつて一日も早く、むしろ事務的に万全をお期しになるよりは実際問題としての見通しというものがあるわけですから、そういう点に立ちまして法の精神によつて一日も早くお見通しをおつけになることを切に希望申上げます。
○内村清次君 これは重大問題ですが、会期が後四日くらいしかないような状態になつております。そうしまするとこの問題の結論は運輸委員会としての結末をつけなければならぬ。そうしますと、委員長といたしまして、労働委員会との合同審査というものがこれは最初の予定では一日ということになつているかと承つておりまするが、その後の経過はまだ存じません。そうするとこの外の法律案もあるし、国鉄機構改革の問題もある、こういうようなことを考え合せて参りますると、極めて短い期間のうちに国会としての判定を下さなければならぬ。そこでこの取扱いを特に慎重ならしむるために、委員長におかれましては、是非一つ委員会の開会を御考慮して頂きたいということ、それから運輸大臣にお願いいたしたいことは、この国会が継続審査に当りましての運輸委員会としての判定を下しますにつきまして、一つは先程の見通しの点、これは今大事なことにつきまして堀木委員も御発言になりましたようでありますが、国鉄の裁定問題は過去約一年にかかつての問題である、労働組合の実態からいたしましても、職員一人々々の生活の問題からいたしましても、急に解決をしてやらなければならない。今日これは恐らく参議院におきましては、前々国会におきましての第一次裁定に対する意思表示からいたしまして、殆んど参議院の各議員におかれましてもそういうお気持であろうと私は想像いたしております、そういたしますると、この政府が十六條の即ち第一項によりまして、予算上、資金上不可能な部分はどのくらい……これは別といたしまして、即ち二十五年度の予算内容からいたしまして剰余がある、即ち運輸收入が余計になつて来る、或いは経費の外節減が出て来て、そうして予算の剰余が出て来ている。これは当然国会に付議しなくてもよいのでありますから、そういう額というものは次の臨時国会が予定されているといたしまして、又これは議院といたしましても、後におきましては臨時国会の要求はやるつもりでありますが、併しこの臨時国会が十月になるか、或いは又十一月になるか、予定は政府の又お考えによつて決定する問題でありまするが、その間二ケ月乃至三ケ月間ある。その三ケ月間の空白の状態において継続審査という名義の下において一つの裁定の立法ができないということになるといたしましたならば、いわゆる民主的な労働慣行というものが私は非常に影響するので惡化はしないかと考えております。こういうことは現在の即ち国際情勢の重大な段階におきまして最も私達は関心を持つて、そうして行かなくてはならない一つのことではなかろうかと思います。だからして予真上、資金上国会の議決を求め得られない、即ち三十五條の義務によつて公社が服従しなくてはならない資金においては随時国鉄の労働組合と当局者の話合いの上においてこれを双方とも義務を即ち履行するという上において出して行くという方法をも大臣において考慮されるようにこの委員会の審議の終末におきまして是非御発言のできまするように予算の状態を明確にして頂きたいということを強く私は希望いたして置きます。
○委員長(佐々木鹿藏君) 外に御意見ございませんか。ないようでありますから、おり諮りいたします。この合同審査は今日で一応閉じたいと思いますが、尚重ねてやる必要があるかどうかということの御意見の発表を願います。
○堀木鎌三君 今日時間が非常に……そういつては何ですが大臣がおいでになりましたのも十時平を過ぎてお出でになりましたので細いことが実は余り出なかつたわけでありますが、随分会期も切迫いたしておりまするふう、今般的にいろいろな考慮をしなければならんこともありますと思いますが、できますればもう一回くらい合同をして頂けないかというふうに私としては考えております。今日打切らないということに願えないであろうか。この点私の意見として御参考までに……。
○委員長(佐々木鹿藏君) 堀木さんに御相談いたしますが、御承知の通り衆議院の方が上つておりませんから予備審査でありますと同時に、運輸委員会としてもいろいろな問題が山積しております。この国会に是非上げなければならん問題が沢山あります。で、この問題は、私の見通しとしては続継審査になるだろうという見通しをつけております。その間において労働委員会は十分な打合せができると考えますが、御意見はどうですか。
○堀木鎌三君 全体としての考慮もありましようから、私は強いて固執いたしませんし、必要があればはは出席もいたしますし、或いは又要求もいたします。
○委員長(佐々木鹿藏君) それでは重ねてお諮りいたします。合同審査は一応今日で閉じたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐々木鹿藏君) 御異議ないと認めます。それでは本日はこれで閉会いたします。 午後一時九分散会 出席者左の通り。 運輸委員 委員長 佐々木鹿藏君 理事 植竹 春彦君 小泉 秀吉君 委員 岡田 信次君 内村 清次君 菊川 孝夫君 小酒井義男君 前田 穰君 前之園喜一郎君 鈴木 清一君 労働委員 委員長 赤松 常子君 理事 原 虎一君 波多野林一君 委員 中村 正雄君 山花 秀雄君 鈴木 強平君 堀木 鎌三君 堀 眞琴君 国務大臣 運 輸 大 臣 山崎 猛君 労 働 大 臣 保利 茂君 政府委員 労働省労政局長 賀來才二郎君 説明員 運輸省監督局国 有鉄道部長 石井 昭正君