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8回国会衆議院1950/07/21

郵政委員会 第1号

発言数
48
登壇者
12
会派数
3
開催日
1950/07/21

会議録

池田正之輔自由党

○池田委員長 これより郵政委員会を開会いたします。  この際一言ごあいさついたします。不肖私が委員長の席をけがすことになりました。郵政事業はこれからますまま重要性を加えて来ると思われますから、この機会にわれわれ当委員会としても、十分に委員会としての独自の見解に立つて、これが推進に向いたい、かように念願するものであります。どうぞ皆様の御指導、御協力をお願いいたします。よろしくお願いいたします。(拍手)  次に理事の互選を行いたいと思いますが、いかがいたしましよう。

玉置實自由党

○玉置委員 理事はその数を五名といたしまして、委員長におきまして御指名あらんことを望みます。

池田正之輔自由党

○池田委員長 ただいまの御動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田正之輔自由党

○池田委員長 御異議ないものと認めまして御指名いたします。    飯塚 定輔君  風間 啓吉君    白井 佐吉君  吉田  安君    受田 新吉君  以上の五名の方々にお願いしたいと思います。(拍手)     —————————————

池田正之輔自由党

○池田委員長 次に国政調査承認要求の件を議題といたします。これはこの前の委員会でやつておるのかと思いましたけれども、まだこの決議をいたしておりませんので、この郵政行政、ことに今問題になつております、今日大臣からもこれから御説明願うのでありますが、予備金から繰入れられた保險金の流用等に関する権限の問題、こういう重要な問題もありますので、これは郵政行政の全般に関連を持つて参りますので、そういつた問題とからんで、この会期のうちに調査するようなこともあろうかと思いますので、一応決議をいたしておきたいと思いますが、いかがでしよう。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田正之輔自由党

○池田委員長 それでは御異議ないものと認めましてさよう決します。  なお国政に関する調査の承認を要求いたしますについては、衆議院規則の第九十四條によりまして、国政調査承認要求書を議長に提出いたさねばなりませんが、この手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田正之輔自由党

○池田委員長 それではさよう決しました。     —————————————

池田正之輔自由党

○池田委員長 次に郵政行政の近況につきまして、郵政大臣から説明を聽取いたしたいと思います。田村郵政大臣。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 今回はからずも私が郵政省の仕事を受持たしていただくことと相なつたのでありますが、御承知のごとく郵政事業につきましては、まつたくのしろうとでありますので、今後とも皆様方の御鞭撻をいただきつつ、この大任を果したいと思うのでありまして、本日の委員会の席をお借りいたしまして、ごあいさつかたがたお願い申し上げる次第であります。  申し上げるまでもなく郵政事業にいたしましても、一つの企業であります以上、公企業と私企業との違いこそありましても、一般民間企業と一脈相通ずるものがあらうかと存ずるのであります。ことにこの事業が、好むと好まざるとにかかわらず、独立採算制のもとに経営せられております実情から考えますと、さらにその感じを深くするのであります。もつとも郵政事業の特質でありまする公共性というものは、他の私企業と著しく相違いたしておるのでありまして、むしろこの点から見まするならば、採算を度外視いたしまして、国民の福利幸福をはかるべきことであろうかと思われるのでありますけれども、独立採算という立場の上からいたしまして、赤字経営を続けて参りますることは、好ましからざることなのでありますから、郵政事業経営の苦心は、この間の調整をいかにすべきか、いかに合理化すべきかという点にあろうかと存ずるのであります。以下、各事業の概況について申し上げてみたいと存じます。  まず、郵便事業でありますが、郵便サービスの改善につきましては、その基本をなしますものは、業務の運行を正常化することにあるのであります。終戰後の経済的悪環境に加え、特殊事情も相まつて、業務運行の正常化が期せられなかつたのでありますが、その後逐次改善を見まして、特に昨年十月特殊事情の解除により、著しく好転して参りました。本年は年度初頭に業務指導の面より、その基本的措置といたしまして、職場規律の確立と郵便物の円滑なる疏通を強化することにつきまして、従事員の注意を強く喚起いたし、郵便の正確、迅速なる取扱いをはかりました結果、相当改善せられて来つつあることが認められるのであります。最近の調査によりますと、郵便物の送達所要日数は、昨年九月ごろに比較して、普通通常において約一日、普通速達において約半日早くなつている結果が現われております。こうした業務の正常化が、利用状況にも反映しまして、郵便の利用通数は、全体として増加の傾向をたどつて来ていますが、その中で書留、速達等の特殊取扱いが減少し、通常郵便物が増加し、ことに最近においては書状が減少して、はがきが増加するという傾向を示しております。しかしながら経費の面におきましては、終戰後毎年赤字に苦しんでいる実情であります。郵政省といたしましては、これを克服すべく種々の施策を講じ、経営の合理化に努めて参つたのでありますが、昭和二十四年度には、收入百四十六億一千二百万円に対し、支出百六十億四百万円でありまして、約十四億円の赤字を生じ、本年度に入りましても四、五の二箇月に、郵便物は前年同期に比較して約一%の増加を見ましたものの、なお予定收入に対して毎月相当大幅の赤字を生じているのであります。従いまして当省といたしましては、極力経費の節減をはかるとともに、増收に努め、これが施策といたしまして、広告業務の取扱い、暑中見舞はがきの発行、また切手はがきを一組取りそろえて百円として、壁掛式容器に入れた郵便セツトの販売等、郵便利用の勧奬について計画、実施いたしているのであります。  次に為替貯金事業の概況について申し上げます。為替貯金業務も、戰災復旧意のごとくならず、事故犯罪が多く、国民に相当御迷惑をかけたのであります。内部事務の整備や従事員の訓練等に努めました結果、逐次信用を回復して来たのでありますが、なお相当の犯罪が跡を絶たないことは、まことに遺憾であります。しかしながら従事員の積極的努力と、経済事情の変遷により、郵便貯金の最近における増勢はすばらしいものがありまして、二十五年度の増加目標額四百億円に対しまして、本年一月は六十八億円、二、三、四の各月はそれぞれ三十数億円の純増加をあげ、年初から六月末日までの純増加総額は二百六十九億円に上りまして、その目標額に対する割合は約六割七分に達しておるのであります。ちなみに六月末の預金総額は、千三百四十六億円余となつております。なお一月以降六月までの純増加額を、貯金の種類別に見ますと、定額貯金で百四億円、積立貯金で四十四億円、その他の貯金で百二十一億円となつており、約半数以上は定額及び積立貯金による増加となつております。次にアメリカ合衆国との郵便為替業務につきましては、昨年十二月再開以来、引続き活況を呈しまして、到着高累計は六月二十日遂に五十万ドルを突破いたしました。この口数約一万六千、邦貨額にいたしまして約一億八千万円となり、戰前の年間実績六十二万ドルを越えて、年間百万ドルに達する見通しもつき、まことに喜ばしい次第であります。  次に簡易生命保險及び郵便年金事業経営の現況について御説明申し上げます。簡易生命保險事業はおかげをもちまして、去る六月末、保險金額三千四百三十四億円、郵便年金も四億円を越え、その資金総額は保險におきまして二百十五億円、年金におきまして二十八億円、合計いたしますと実に二百四十三億円の巨額に達しておるのであります。しかしながらこれらの両事業の経営の現況並びにその前途は、種々の客観情勢によりまして、必ずしも楽観を許さないものがあります。これを簡易生命保險事業について見ますると、簡易保險は事業創始以来、年々堅実な経営状態を続けて参りましたものの、終戰以来インフレの高進に伴う事業費の膨脹によりまして、相当多額の欠損を見るに至り、昭和二十三年度末における赤字の累計は、十億八千万円に達したのであります。しかしこの現象は、急激に膨脹した事業費業費支出に対して、保險料收入の増加がこれに追随し得ないことに基因する過渡的現象でありまして、これに対応するため、積極消極両面の收支改善方策、すなわち高額契約の大量募集並びにこれが維持強化、少額契約の整理、延滯保險料の一掃、事業合理化による人件費、物件費の節約等を実施することによりまして、收支のバランスをはかることに極力努めたのでありまして、本年度におきましては、收入を四百三十六億円、支出を四百二十一億円と予定することによりまして、ここに従前からの赤字の累積を解消し、逆に四億円余りの剰余を生ずる予定となつております。次に郵便年金事業の経営状況につきましても、簡易生命保險と同様に、インフレの影響によりまして、その経営状態はやはり良好とは言えないのでありまして、昭和二十二年度におきましては一千八百万円、さらに二十三年度においては三千七百万円の赤字を生じたのでありまして、本年度におきましては、簡易保險と同様、一日も早く健全財政に立ち直ることを目途といたしまして施策を講じ、收入を九億九千万円、支出を九億八千万円と予定することによりまして、従前からの赤字の累積を解消し、約五百七十万円の黒字を生ずる予定と相なつておるのであります。次に簡保年金積立金の運用問題について御説明申し上げます。この問題は簡保事業の死活にかかわる問題であり、郵政省といたしましてもかつて例を見ない重大な案件でございますので、一通りかいつまんで御説明申し上げ、本問題解決のため、御教示、御援助を賜わりたいと存じます。簡保年金積立金は、現在二百四十三億円の巨額に達しておりますが、この運用は、事業創始以来三十数年の長きにわたりまして、薄資者階級の生活安定、社会福祉の増進という事業の使命と、零細な資金の集積であるという資金の特質にかんがみまして、有利確実、公共の利益増進、それから資金の地方還元ということを、運用の根本原則といたしまして、主として地方公共団体に対し、各種公共事業資金として融通し、一部は国債、社債その他有利確実な有価証券に投資して参つたのであります。簡保事業が類例まれな発展を遂げ、今日の基礎を確立し得ましたについては、地方公共団体に対する積立金の融通を通じまして、加入者側の事業に対する理解が深まり、また地方団体の首脳部の協力、支援を得られたことが、きわめて大きな寄與をなしているのであります。しかるに二十一年一月、関係方面の指令によりまして、郵政省における運用は全面的に停止せられ、資金はことごとく預金部に預け入れするよう命ぜられ、今日に至つております。申すまでもなく積立金の運用業務は、保險事業の経営上重要な機能の一つでありまして、これを持たない現状は、いわばかたわの状態でありまして、これではとうてい事業の円滑な運営も発展も望み得ないのであります。経済九原則の至上命令であります特別会計の独立採算確立にいたしましても、この運用権を回復いたしまして、運用收入の増大をはかり、また契約の募集維持を飛躍的に向上させなければ、なかなか実現は困難であります。本問題につきましては、国会側の御関心も非常に強いのでありまして、昨年五月の第五国会におきましては、衆参両院でそれぞれ運用再開を要望し、政府を鞭撻する決議をなされたのであります。次いで九月には閣議におきまして、郵政省において直接に運用するという政府の根本方針が決定せられ、これに従つて早速関係筋に対し許可方を正式に懇請いたしました。かくて国内的には一応問題は解決を見たのでありますが、遺憾ながらいまだ関係方面の許可を得るには至つておりません。本質論といたしましては、われわれの主張を十分御理解になつているのでありますが、政府資金の運用をどうするかという根本方針とつながつている問題でありまして、目下関係方面では、当面する金融財政政策の方向をきめる重要な課題として、預金部資金の運用方法について愼重検討中の模様でありますが、最近における関係方面の意向も、次第に当省の主張の方向に傾いて来ている模様であります。事業経営の面を見ますると、新契約の募集、既契約の維持、ともに経済情務の今後の進展により、ますます困難が予想せられ、積立金の運用という強力な援護が、今日ほど痛感されるときはありません。何とか一日も早く実現いたしますよう、今後とも一層努力いたす覚悟でございますから、どうか委員の皆様方の御教示、御支援を切に御願いいたします。  以上郵政省の所管します三事業の概況を申し上げたのでありますが、その中で郵便料金の調整と積立金の運用再開の問題は、郵政事業にとつてきわめて大きな問題でもあり、かつまた国民生活に直結する事柄でもありますので、当局といたしましては、早期解決を期し、愼重に善処いたしたいと存じている次第であります。何とぞ各位の理解ある御批判と御支援とを御願いいたします。なお私、新任早々でいまだ詳しく仕事の方を勉強するまでに至つておりませんので、本日は次官以下関係部局長にも出席してもらつておりますから、何か御質問でもありましたらお答えいたさせたいと存じます。一応これをもつて私の説明を終りたいと思います。

池田正之輔自由党

○池田委員長 これで大臣の説明は終りましたが、これに関連して、あるいは一般についての御質疑はありませんか。

高橋權六自由党

○高橋(權)委員 サービスのことについて、非常に御高配をしていただいておることは感謝いたしますが、私痛切に感じたのは、移動郵便自動車です。あれは局に一台、九州に一台くらいでは、あつてもなくても同じことになるのではないか。せめて道府県に一つずつくらいは設けた方がよくはないか。いろいろ臨時の郵便局を設けると、費用において非常に加算されることが多いと思う。人が多く寄るような場合、また何か大きな大会でもあるような場合には、必ずこの移動郵便自動車が出て行くことになると非常にいい。平生においても保險の勧誘その他宣伝について、非常に役に立つものだし、こういうことは金を有意義なことに使えることだから、大いに発展されたらよくはないかと思う。そうすると、すみずみに至るまでサービスが徹底し、また保險の勧誘なんかも、わざわざ時日を費していなかの方まで、不便な電車あるいは列車を利用するよりも、スピーカーなんかもあつて、非常に徹底するだろうと思う。最近では郵政省と電通省と区別されたためであるかもわかりませんが、初めは電信機まで備えてあつたのが、撤去されたようであります。今外国とでも交際しようというのに、これではいけない。もう少しどちらからでも話し合つて、費用の出し合いをして、どちらもできるように考えていただきたい、私はこういうような考えを持つております。将来は重要都市のみでなく、郡市にも置く方がいいが、第一番の方法は、県に一台ぐらいこの郵便自動車を設けることを、お願いしてみたいと思います。そういうお考えがあられるか、また経費の都合でそういうことまで考えていらつしやらないか、ちよつとお伺いしたいのであります。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 たいへん有益な御意見を承りまして、ありがとうございました。なお現在の実情につきましては、郵務局長より申し上げます。

浦島喜久衞郵政事務官(郵務局長)

○浦島説明員 ただいま各郵政局ごとに一台ずつ移動郵便車を配置しておりますが、これはその郵政局の管内の各地域に、ただいまおつしやいましたような大会とか、いろいろな催しものがあります場合に、直接こちらから出かけて行きまして、郵便の利用を勧奬いたしておるわけであります。何分経費もかかることでございまして、今ただちに各県單位に一台ずつつくるということは、なかなかむずかしいと思いますが、理想としましては、私どもはそこまで持つて行きたいと考えておりますが、ただいまは各郵政局單位に、やつと一台ずつ配置ができたというところでございます。なお従来逓信省時代には、移動郵便車で同じく電報を扱つたのでありますが、二省にわかれまして、電報電話につきましては、電通省がまたこれと同じような自動車をつくられまして、実施されておるようでございます。

高橋權六自由党

○高橋(權)委員 自動車だけは両方から持ち寄つて、二台を有益に使うようにしてやつていただきたい。片方はステージまで設け、拡声機、受信器と、いろいろ行き届いているのを拜見して、有意義だと思います。国際的なことまでやろうという場合に、日本内の両省が他人向きでやるというのは、あまりけつの穴のせまいことだと思う。ひとつ両方よく話し合つてやれば、局内に二台の有意義な車ができる。ここらは生産的に頭を動かせる必要がある。もしぐずぐず言うような大臣が、郵政大臣のように開けない大臣がおつたら、その人はやめてもらつてもいい。どうかそのように願いたい。

受田新吉日本社会党

○受田委員 私、今大臣が初めての抱負を語られた機会に、まだ大臣として就任間もないことで、これから大いに勉強されるという、熱心にやるというお気持に対しては、敬意を拂うものであります。ひとつ大臣にお伺いをし、これに対して説明の補いのつかない部分を、局長その他政府委員にお願いすることにして、まずお尋ねしたいのは、今抱負を申し述べられた中に、郵便料金の問題は最も重要であると言うておられた。私自身も本日ここに郵政委員の一員として、ここに当面の問題を特に強く取上げてみたいと思うのでありますが、国民生活と最もつながりを持つものは郵便料金の問題だと思う。これは国民が文化的な生活を営む上に一番の血脈だと思います。特にはがきの利用が多く、封書その他の利用にいささか難点があるというお話もあつたのですが、この際封書をもつと奬励し、お互いがもつと心の通いをするという、たとい山間僻地にあつても都のたより、またお互いの意思の交通をするためには、郵便料金のうちの封書の料金を引下げることが、基本問題だと思う。はがきの料金は二円で、これはけつこうだと思うのですが、少くも封書は五円か六円かに切り下げて、印象的にも封書の料金が引下げられた、この際われわれはもつともつとこの郵便を利用して、お互いの心の交通をはかろうというところに、国民の意欲を向けて行きたいものだと思うのです。そこで画期的な事業として、郵政省所管事業の中では、郵便料金の値下げ、封書の値下げということは、特に重大なことだと思うのですが、この際ひとつ思い切つた措置を、大臣に就任されて、しかもその重大な郵政省所管問題として、郵便料金の問題、簡易保險の積立金の問題などをおもに考えておるという点におきまして、その第一として郵便料金の値下げという画期的な仕事、これは他の各省の問題に比較して、最も重要な国民生活直結の問題だと思うのですが、大臣として封書の値下げに対して、この際思い切つた処置をとりたいという意思があるかどうか。これは私は新郵政大臣にお伺いしたいのでございます。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 先刻も申し上げましたように、一方に独立採算制の赤字克服という問題がありますことと、一方に今御説のありましたように、郵便という問題は非常に国民生活に身近に関係しております問題と、こういう問題がありますために、その辺の調整をいかにするかということが非常にむずかしい、デリケートな問題だと考えております。私も就任いたしましてから、その問題につきまして一生懸命に勉強を始めたのでありますが、今御説のようなことがいいかどうかという点について、まだ結論を見ませんので、まださようなことを申し上げるまでに相なつておりませんことを遺憾に存じます。さよう御了承をいただきたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 私はこれは局長がまだ進言をしておられないので、大臣もそこまで勉強しておられないのだろうと思うのですが、郵便料金、特に封書の八円を五円ないし六円に切り下げることによつて、今まではがきで出すべきところを封書にしようか、こういうことで切りかえの数が相当ふえると思うのです。たとえば八円を二円引下げ、もしくは三円引下げたその分は、はがきの二円が五円の封書に切りかえられるという点において補いがつく。この点を考えて、ただ独立採算制を考えるという漠然としたことでなく、減少した部分が増加した部分によつて補われるということによつて、国民の意欲が、封書を五円に切り下げた場合には、おそらく今引下げた部分以上に利用するようになると思うのです。この点ははつきり国民の動向はつかめると思います。この際文化国家としてやはり簡便なことははがきで済ますけれども、普通はもつと封書を利用するように国民生活を指導し、特に用紙事情その他の事情も好転しておる折柄、切手付封筒さえも、郵便局が民間の業者の圧迫をしながらもこれを断行しつつある今日、この封書の引下げをやることによつて、封筒などをサービスするよりも、料金を引下げる方がもつと効果的だと思うのです。その点は関係局長によつて技術的に見て、現在の国民生活、経済生活の状況から見て、最近の用紙事情、国民的な意欲、文化生活の意欲の問題、こういういろいろなものを判断して、郵便料金を五円ないし六円に引下げることにより、封書の料金をそれに引下げることによつて、独立採算の場合から見ても、大した損失にはならないのだというような見通しがつかないか、ちよつとお伺いしたいのです。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 現在の封書をはがきの枚数、大体の状況について、御説明をさしたいと思います。

浦島喜久衞郵政事務官(郵務局長)

○浦島説明員 それでは私から御参考までに御説明を申し上げます。先ほど大臣から第一種の書状の利用数がだんだん減りまして、第二種の利用数がふえているというようなお話がございましたが、それを数字的に申し上げてみますと、一昨年二十三年度の第一種書状は、およそ一年間六億四千六百万余通ございます。しかるに昨年二十四年度の第一種の利用数は、約五億七千九百万通に下つております。しかるに第二種の方は、二十三年度一昨年の通数は、八億一千百万通あつたのでございますが、昨年二十四年度一年間の通数は十億二千五百万通、こういうふうにふえて来ております。これを月別に一つの利用数の状態をグラフでながめて見ますと、御承知の通り昔は大体書状と一種の利用数は同じカーブで来ておつたのでございますが、一昨年後料金値上げから、封書と二種との開きが少し出て参りました。昨年の五月料金改正がありまして、そのときは御承知のように第一種の方が八円に値上げされまして、第二種の方は二円にすえ置かれたのであります。その結果かと思いますが、昨年の五月からの月別の利用数を見ますと、その開きが非常に大きくなつて参りまして、ちようど扇のかなめのように第二種の方はぐんぐん上つて来る。それから第一種の方は下つておるというような状態になつておるわけであります。  そこでただいまお話のございました大いに郵便の利用を増すために、特に第一種の書状の利用を勧獎するために、料金を下げたらうんと出るのではないかというような御意見のようでございましたが、これに対しまして、なるほど現在の第一種の八円は、二種に比べますと高いようであります。昔は一種と二種との大体の料金の率は倍であつたのでございますが、現在は四倍になつておる。こういうような状態でございます。従つて一種の方が非常に高過ぎるから、利用が少いということも言い得ると思うのでありますが、かりにこれを一円下げました場合に、下げただけの減收になる。一種としての收入はより一層少くなるわけでありますが、減收になりましたものをカバーするだけ、利用数がふえるかどうかということになるわけでありますが、それをカバーするだけ利用数がふえれば問題はないわけでありますが、私どもは料金の高いことというばかりでなくて、ほかにもやはり要素があるのではないかと考えるわけなのです。一つは御承知のように第二種は、はがきを一枚買えばそれですぐ通信が出せるのでございますが、第一種の方は封筒を買う金がいるという関係もありますし、封筒代が相当かかる。従つて手軽であるはがきの方に移つて行く。こういうことも一つ言えるのでございます。それからこれは当るかどうかわかりませんが、最近の人は非常に忙しいという関係かしれませんが、昔は大体書状に達筆をもつて麗々しく、拜啓何々候という手紙を書かれる習慣があつたのでありますが、最近はだんだんそういう習慣が少くなつたのではないか。これはむしろ国民の教養程度、あるいはまた教育程度という点において問題にしなければならぬと思うのでありますが、今そういう関係で非常に簡易通信である第二種の方が利用される傾向があるのではないかと思うのであります。かような要素は、料金を下げまして必ずしも量がふえるということは言い得ないのでありまして、やはりその他の理由につきましては、その理由に応じたところの施策を講じなければ、利用度は上り得ないと思うのであります。そこで料金を一円なりあるいはまた二円下げまして、下げただけ利用ができますかというと、過去の経験からいたしまして、必ずしもそうではないのでございます。かりに一円下げますと、大体一割の料金値下げになるわけでございますが、過去の経験からいたしまして、料金を下げましたときの利用の増というものは、大体私どもは專門的に五分程度しか見ていないのであります。そういう観点からいたしまして、郵便事業の独立採算制を確立しますために、料金を値下げして利用増をはかつたために、ただちに收支が償うかということにつきましては、相当考慮する余地があるのじやないかと考えておるわけであります。従いまして事務当局といたしましては、まだ結論は出ておりませんが、必ずしも一種だけを下げて利用増をはかるのではなくして、やはり現在の料金体系の不合理という観点からいたしまして、料金を調整すべきではないかという考えをもちまして、鋭意研究をいたしておる次第であります。

受田新吉日本社会党

○受田委員 今の御答弁で、最近における利用状況並びにその値下げによる見通しをお聞きしたわけですが、私そのことについて、特に封書を取上げることは、ほかの郵便料金——もちろん料金体系というものを一緒に考えなければならぬのですが、郵便料金のうちで特に封書を指摘することは、去年の十一月でしたかまで、終戰直後から検閲制度で行われたので、いつ関係方面からの検閲があるかわからないのです。従つて封書とはがきとの差異がない。途中で見られるという危險もあるという不安があつたわけです。しかしその制度が今なくなつたので、信書の不可侵が守られておる今日、封書の価値は相当増大しているので、去年の末からことしの一月以後の封書の利用状況は、先ほど六億何がしから五億何がしに減つたというお話がありましたが、その後の利用状況が、去年の一月と比較して、今年の一月から最近まではどういうふうに変化しておるか。それから今までの例から見て、料金を値下げしても、値上げしても、五分程度しか利用度が違つていないというお説でありましたが、こういう情勢下において、特に今年の一月以後の用紙事情などが相当よくなつております。今まで封筒を買うのにも相当高い代金を拂い、硬筆便箋も相当の代金がいつたのでありますが、これらがもつと安く買える今日においては、これを五円あるいは六円に引下げることによつて、はがきよりはこの方がよいのだという印象が起るし、代議士があいさつをするようなはがきでも、もし料金を安くしたならば、あの二円のはがきでは書き切れぬたくさんの事柄があるのに、五円にするならば封書の方がよい。はがきよりも五倍も六倍も利用できるならば、封緘はがきを五円にして出す方がよほど効果がある。その方がむしろはがきよりももう少し奮発して、その五倍も六倍も書ける封緘はがきとか、そういうものを利用するようになると思うのです、そういう問題が一つ。  それから私は第一、国民生活の体系の上から、郵便料金を独立採算制というような形をおもに見るよりも、国民生活を潤させるという意味から、私はこれを特に首唱したい。それをもうけにならぬからという主義で行くと、日本の特に大事な基盤になる文化生活に切りかえることができない。憲法二十五條の保障ができないわけであります。これは大臣として、たとい独立採算制が五億が十億の赤字になろうと、今十四億と言われたが、さらに二十億、二十五億になろうと、郵便料金の値下げによつて得るところの国民の生活の潤いは、大したものだと思う。これを特に独立採算制ということを考えると同時に、それを超越して、他の一般会計からの繰入れをも考えて、政治力を発揮してもらい。逓信省時代から、郵政省というものはサービス省として動いて来た省であると同時に、政治的にとかく軽く見られるようなおそれもあつたのだが、これを特にこの際ひとつ国民生活に直結する最も潤いのあるサービス省としての真面目を発揮していただきたいと思うのであります。その点について独立採算ということよりも、もつと大きな立場で、国家的意味からこれを考えてみる必要はないか、お伺いしたいと思います。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 ただいまのお説たいへんごもつともに伺うのでありますが、仰せの通り必ずしもこれが独立採算制ばかりで行き得る仕事か、あるいは国民文化に非常に影響の深い問題ですから、そういう点はある程度ネグレクトしても、やらなければならぬ場合もあるというようなことも考えるのでありまして、また実際の今の收支の計算の上からいつて、お説のように下げたら意外にふえるということもあり得るかもしれません。しかしその点はもう少しひとつ研究をして行きたいと思います。お説を承つて、研究するようにして参りたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 それではもう一つ、郵便料金に関係する郵便切手の問題ですが、この郵便切手に記念切手を適宜発行しておられます。この記念切手がほんとうの記念の意味にならないで、少し濫発されているというような傾向もある。それから記念切手がある特定の局などに多く配付されて、山間僻地の農村その他へは行き届かないで、せつかくの潤いのある郵便切手が、ある特定の人たちのみの利用にとどまつておるというおそれがある。これは私は非常に不合理だと思うので、ほんとうに山の中の人にも、せめて記念切手の一つも行き渡るように、山の奥の方の郵便局へもそれを持つて行く。また現に委託郵便局というようなものを考えておられるようで、適宜全国の町はずれ、村はずれというようなところにも、郵便局を適宜設置して委託させるような処置もとつておられるようですが、そういうところまでひとつ利用せしめるように、文化が中央に偏しないで、全国津々浦々に徹するようにさせることが、郵政省としては大事なことだと思うのであります。特に郵便の記念切手の普及の程度が、一方に偏しないようにするということは、ほんとうに濫発によるところの記念切手の意義を失わないようにすることと、もう一つあわせてお伺いしたいのは、日本の切手をアメリカなどへ持つて行つて、アメリカのそうした切手收集の何か協会みたようなものがあるでしようが、そういうところへ持つて行くと、一枚が三円くらいに買われるというようなことになつているようです。こういうようなことがあるかどうか、その実態をひとつつかまえてもらつて、この間も昔の乃木大将や東郷元帥の切手が、郵政省所管のどこからか出て来たので、これを向うの切手收集の協会へ持つて行つたら、何億円とかになるというような甘い話もあつたのであります。それから特に今日本の古切手收集によるところの外貨の獲得という線に、非常にわれわれは期待しているのであるが、こういうところをひとつ明らかにしてもらいたい。

浦島喜久衞郵政事務官(郵務局長)

○浦島説明員 たいへんごもつともな御意見でありまして、まず第一に記念切手の濫発の問題でございますが、これはずつと昔から記念切手を発行しておるのでございまするが、特に終戰以来、事業の收入をはかり、また一般に切手の趣味熱の増加に伴いまして、逐年切手の発行数をふやして参つたのでありますが、特に昨年におきましては、発行回数において二十三回、発行種において五十九種に及んだのであります。これは非常に従来にない発行回数、発行種でございまして、これは国内におきましてはもちろんでありまするし、海外においても日本切手に対する批判として、あまり多過ぎるという声があつたのであります。しかしながらこれらの特殊切手、記念切手の発行によつて、相当郵政省としては收入を上げておるのでありまして、昨年度におきましては約一億円以上の收入を上げたような状態でございます。しかしながらかように濫発になりますと、自然切手に対する收集熱あるいは購買熱というものが減退するわけでありまして、そこにおのずから限度があるわけであります。これらに対しましては、私どもとしましても反省をいたしまして、二十五年度におきましては現在記念切手及び特殊切手の発行につきましては、極力限定をして行く。こういう方針のもとに、御存じのように郵政省に郵政審議会というものがございますが、ここに大臣から諮問せられまして、その郵政審議会において大体の発行方針をおきめ願つたのであります。それによりまして、本年度は大体十五回——十五回といいますと大体普通でございますが、十五回程度発行する。発行の方針につきましても、記念切手等につきましてはあまり濫発にならないよう、大体四分の一世紀の周年において、しかも国家的なまた国民的な記念行事にのみ発行するというような方針をおきめ願つておるのであります。従いまして本年度におきましては、昨年ほど濫発のおそれはないと考えております。それからもう一つは、切手を通じて文化を高揚するために、山間僻地でも郵便切手が自由に買えるようにしてほしいというお話でありますが、まことにごもつともなことでございます。しかしながらこの記念切手とか特殊切手等は、あまりたくさん発行しても、これが売れなければ、いたずらに製作費ばかりかかつて経費がむだになりますので、大体記念切手、特殊切手等については、一回三百万程度を製作して発行しておるわけであります。従いまして全部の郵便局に十分にまわるということはなかなかむずかしいのでありまして、さような点をひとつ御了承願いたいと思います。もう一つは、記念切手でありますと、何かの記念に関連したところがありましてできればその記念に関連したところで販売をするというような方針をとつておるわけでありますので、自然記念に関係のない地域におきましては、配給が少くなるというようなこともあり得ると思います。しかしながら山間僻地で郵便局の窓口に切手がございませんでも、現在私どもの本省の郵務局に切手普及部というものを設けまして、いろいろな記念切手あるいは一般の切手を買いたい方がありましたならば、こちらの方に御注文になりますれば、大体現在十分ストツクがありますので、御販売ができるのではないかと考えております。それから第三の、海外に切手を売つて、そうしてドルを獲得したらどうかというお話もありましたし、また現実に切手の料額印面以上に売買されておる事実があるかどうかというお尋ねでありますが、御承知のように切手は通信として使われて、初めて通信料としてそれだけの料金が徴收されておるわけでありますが、相当切手趣味が普及いたしまして——切手として個人の持つておりますのは個人の所有物でありますが、その所有物につきまして互いに切手趣味家が、幾らでこれを交換するとかいうようなことにつきましては、別にこれを取締る法規もございませんし、また取締る必要もないかとも存じますので、現在御説のように現実に切手が料額印面以上に売買されておる事実はあります。また中に値打ちのないものは、料額印面以下に売買されておるものもありますが、大体そういうような現状であります。それからもう一つは、お話の乃木大将等の切手等につきましては、御承知のように追放切手として、終戰後郵便切手として使われないことになつておるのであります。しかしながら海外におきまする切手趣味家におきまして、相当これを希望する声もございましたので、関係方面の了解とお勧めによりまして、外貨獲得の一手段といたしまして、特に海外、外人だけに売るというような條件を付しまして、これを発売いたしておるのであります。もちろん価格につきましては、関係方面の承認を得まして、やみ価格でなしに、郵政省できちつときめました公定価格でもつて販売をいたしておるような次第でございますので、この点御了承願いたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 今の外貨獲得のために出す切手の価格は幾らで取引されておるのか。つまり表示した価格と取引される価格とは違つておると思いますが、今公定価格とおつしやつたが、外国の切手趣味收集家がとるところの価格は、相当高価にやられておるのじやないか。特にこの間引揚げの同胞のために、向うに古い切手を送つて、向うから相当金を送つてもらえるような道があるとも聞いておりますが、こういう点の状況をちよつとお聞きしたい。

浦島喜久衞郵政事務官(郵務局長)

○浦島説明員 現在郵政省で正式に取扱つておりますのは、追放切手だけであります。これは非常に種類が多いのでございまして、種類によつて料金が違いますが、別に高くとつておるわけではありません。大体料額印面をドルに換算した額で販売をいたしております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 わかりました。そこで私はこの際もう一つ申し上げておきたいのですが、今せつかく大臣が説明されたところの郵便料金の問題、簡易保險の問題について、二つ三つ重要問題があるので、今後この委員会で特にそれを取上げて、たとえば郵便料金の問題に関しては、過去に値上げしたり、値下げをしたときの種々の統計を出してもらつて、最近において売りさばきをしたところの郵便切手やはがきの価格の変動とかいうようなものを、ひとつグラフにして出していただきたい。そうして今後郵便料金の問題は、大臣自身も非常に重要な問題であると言つており、私もそう思つておるので、この際国会の郵政委員会で特に取上げるとか、もしくは簡易保險が民間保險を圧迫しないように、大衆性を発揮するようにするためには、どういう点に重点を置くべきかというような基本的な問題を、郵政委員会が取上げて、重要法案がないから閑散だと言われないように、頻繁に委員会を開いて、熱心に審議ができるように、委員も熱心に関心を持つような空気をつくらなければならぬ。閑散委員会として、これを第八国会において無用の長物視されることのないように、委員長において特にこの点をおとりはからいを願つておきたいと思います。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 特に大臣にお願いがありますが、先ほど御説明になりました收支の計算を伺いますと、百六十億四百万円の支出に対して、百四十六億一千万円の收入しかない。郵便切手あるいは封書の收入を計算してみますと、大体二十五、六億円の收入しかない。そのほかは大体どういうところから入るのであるか、今の受田君のお話に関連して、この次に御説明のときには、ぜひそういう点も御考慮願いたいと考えます。それからなお赤字の解消のために、どういう御方針を持つておられるか、この点も御説明願いたいと思います。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 現在大分委員の方もかわつていらつしやいますので、郵政事情の現況、予算の問題がどうなつておるのかということがおわかりになるよう、できるだけ早く資料を皆さんのお手元に差上げたいと思つて、ただいま準備をいたしております。

高橋權六自由党

○高橋(權)委員 先ほど受田さんも言われたのですが、私は同委員が言われたよりもより療切に感じておりますので、この際あらためて郵政大臣に伺いたいのであります。それは何であるかというと、もよりの郵便局を利用しておるものは非常に恩惠を受けておるが、それ以上の恩惠を受けるように仕向けていただきたいことが一つある。それは郵便貯金と簡易保險の方面を、勧誘をしなくともより以上に増額する方法があると思います。衆議院議員であるわれわれは、北海道の者が九州のこと、九州の者が北海道のことをやるのはあたりまえでありますけれども、それはそれとして、保險の金とか貯金を、そのもよりもよりの郵便局を愛する者に融資する方法をひとつ考えて、サービスしていただきたいと思います。これにはちやんと回收のできる方法を講ずることはもちろんでありますが、預けていない人には貸さない、保險に加入しない人には貸さないでよいから、私はほんとうに大臣として、また当局の皆さんとして、これをまず最初に考慮していただきたい。そうすれば郵便局が、ほんとうに自分たちをかわいがつてくれるからということで、ますます保險にも加入するし、貯金も増して来るということです。そうして抵当物件をとるとかとらんとかいうようなことは、地方々々においてその人の信用程度なんかも相当わかつていることだから、第一番にそういう方面に頭を向けていただくようなことはできないか。これができたら、またさつき同僚議員のおつしやつた郵便の料金よりも、まだこの方が一般国民は御利益にあずかるのではないか。こう考えるのであります。その御意見をひとつ拝聽いたしたいのであります。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 高橋君のお話は、たいへんおもしろいお話なのであります。今度保險の方でも、団体で保險をするようにやつております。なおこれを拡大して、今のお話のように、保險者自体が非常に郵便局と深いつながりを持つような考え方を、何かできないものかというようなことを実は考案中であります。そういうわけでありますので、なおいろいろ御意見等もございましたら承りまして、参考にして行きたいと思います。

飯塚定輔自由党

○飯塚委員 大臣のただいまの御意見で、たいへん喜んでおりますけれども、これは先ほど大臣から御説明がありました保險の積立金運用の問題に、重大な関係があるものだと思いますから、これはぜひ実現していただきたいと思います。それからお願いしたいことは、現在郵政省として簡易郵便局を去年からつくつておられます。あの簡易郵便局は、実は郵政省御当局としては、はなはだこれは虫のいいやり方ではなかろうかと思つておる。私の郷里などでも、その恩惠に浴して簡易郵便局をたくさんつくつていただいて、非常に便利に使つておりますが、但しその経費等に関しては、町村当局においても相当な支出の面でひつかかつて来るのではないかと杞憂しております。ただこの際喜んでいただきたいことは、私のいなかでありますけれども、人口わずか三千五百しかおらない村でも、簡易郵便局を開始しました結果、今までは隣村の郵便局へ行つての貯金というものは、ほとんどとるに足らないものであつたけれども、今年度は百万円を突破するということで、村長が喜んでおりました。これはひとつ喜んでいただきたいのと同時に、貯金でも保險でも、勧誘せずに黙つて、役場でお役所式に貯金させても、自分の村に簡易郵便局があるために、それだけの貯金ができたけれども、もしこれが特定局であつて勧誘する人があつたならば、より以上の貯蓄もでき、保險もでき、郵便年金もできると思うのであります。人員の増加とか経費の問題等は、それによつて十分解消できるものと私は確信いたしております。どうかその点も御考慮くださいまして、この委員会におきましても、おそらく簡易郵便局でなく、普通の特定局をつくつていただきたい。あるいは特定局の無集配を集配局にしていただきたいといす請願も、たくさん来ることと思いますので、その点十分御考慮くださることを切にお願いいたしまして、私の質問を終ります。

受田新吉日本社会党

○受田委員 最後に大臣にお伺いしたいのですが、あなたは電通大臣を兼ねておられるのですが、郵政大臣と電通大臣の二つの職を兼ねられることは適当であると思うかどうか。省をわけた以上、それぞれの專任大臣がおるべきであるとお思いにならないかどうか。現にこの国会においてすら、二つの頭があそこにがんばつておられる。また地方でも従来の郵便局と電気通信業務をわけてやつたために、第一線において、それぞれの立場を発揮する長所もあろうが、事務の分担その他においてセクト的なことが起りはしないか。あるいは頭を二つつくつたために、そこに何らかの対立的な空気が起りはしないか。所管大臣となられてもう一月近くになりますので、そういう見通しについては十分判断ができておると思いますので、この点について伺いたいと思います。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 私は両方兼務でやれということでありましたから、実はお引受けいたしたのでありますが、二つの省ということになりますと、なかなか仕事の分量も多いのであります。昔は一つであつたということから考えれば、大したことはないじやないかと考えられますけれども、二つの省になりまして、それぞれの仕事を掘り下げて研究するということになりますと、なかなか重荷なのでありまして、私にはこの二つを背負い切つて行けるかどうかわかりませんけれども、初めから二つ兼務でやれということでございましたので、お引受けいたしました限り、私は自分のからだの続く限りはやろう、こういうつもりで一生懸命やつておるのであります。  もう一つは、セクシヨナリズムの考え方が両省の間に起りはしないかということでございますが、その点はないようであります。それは仕事の分野もはつきりしておる関係もございまして——むろん全然ないということは言い切れないかもしれませんけれども、セクシヨナリズムがあるために、運営上非常に困るということは、今日まで私は経験しておりません。御承知のように組合が両省合同の組合になつております。これは組合側自体として、むしろわかれた方が都合がいいのではないかということで検討しておられるようであります。この点が両省に関係する一番大きな問題になるわけであります。しかし今のところ、これらの労働行政に関する限り、両省の間によく協調をとつてやつておられるようでありまして、別に不都合もないと考えております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 今大臣は二つの大臣を兼ねておることは重荷であるが、しかし一生懸命にやるという御決意には非常に敬服いたしますが、この内閣においては、電気通信省と郵政省は、とにかくこれは関連する省であるから、今まで一つであつたから、大臣も一つにしようという方針があるのではないか。これは大臣になられたあなたが、二つをやれと言われたからやるのだというような、消極的なことではなくて、これは專任の大臣を置くべきであると思われたならば、堂々と意思表示をされて、電気通信省、郵政省にそれぞれの專任の大臣を置くことに御努力あるべきだと思うのですが、何かそこに、今まで一つだつたから、連絡調整をはかるために一人にする、そういう含みがあるのではないかと思うのですが、これは特に兼務だからやるというのではなく、もしこれが一人の大臣がやらなければならぬということになるならば、行政機構の改革をさらにやつて、この両省を一本にするというようなことも考えるべきであります。この点は重大な問題であると思いますので、大臣の御意見を伺いたいと思います。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 一つの省が二つにわかれましたのは、まだ去年のことであります。その辺の運用状態等も考えられて、総理大臣が兼務でよかろうということでやつておられることと私は思いまして、自分の根限り、続く限りやる。しかし自分が良心的に考えて、これは兼ねてはできないという場合を想定いたしましたら、私はどつちか一つやめさせていただくことになるかもしれませんけれども、今のところは一生懸命でがんばつてやれると考えておりますので、やつておるわけであります。どうぞさよう御了承願います。

風間啓吉自由党

○風間委員 郵便貯金があらかじめ想定された目標額よりも、はるかに上まわつておるということを承りまして、邦家のためまことに慶賀にたえないものであります。これはとりもなおさず関係職員諸君の涙ぐましい努力のたまものであることも申すまでもないのでありますが、インフレ終熄による国民生活の健全化というようなことが、大きな原因ではないかと思うのであります。この増額されつつ行く好條件下におきまして、さらに一段と創意くふうによつて、この好條件を大いに活用しなければならぬと思うのであります。たとえば夏祭りに店を張つた氷水屋さんが、きようは暑くて人の出も多いので売れるという、眼前の喜びで満足することなく、一般のくふうによつて、さらに売上げを増大するというような建前から、郵便貯蓄の増額にさらに努力を必要としなければならぬと思うのであります。私どももわずかの使用人を使つておりますが、そうした若い使用人等に質問をしてみますると、郵便局へ行つても貯金をするのにずいぶんと待たせられる、それでどうもめんどくさいので、つい貯金がおつくうになるというようなことを聞いておるのであります。これはささいな問題のようでありまするが、郵便貯蓄の成績を上げるという見地から行くと、大きな問題ではないかと思うのであります。たとえばよそから親切なお客が来て、小僧に何かお使いをさせて百円なり五十円なりくれた、わずかな金でありましても、これを自転車でお使いに行く途中に貯金しようと思つても、窓口が混雑しておるというようなことで、ついおつくうで貯金しないということになるのであります。これがもしあのポストの立つておる、はがき、切手等を売りさばく店等におきまして、はがき代の二円あるいは五円、十円、五十円、百円、いろいろな金額の貯金通知書というようなものを売り出して、それに風間啓吉なら風間啓吉、所番地を書き込んでポストにほうり込めば、それがちやんと貯金帳に載るというようなことをするならば、もつと郵便貯金は増額するのではないか。これは一つの愚案でありますが、この好條件下をさらに活用する点につきまして、関係係官の一層のくふうと努力を要望するとともに、これにつきまして何らかの具体策がありましたら、お聞かせを賜りたいと思うのであります。

白根玉喜郵政事務官(貯金局長)

○白根説明員 ただいま郵便貯金の状況につきまして、心強い御鞭撻のお言葉がありまして、まことにありがとうございます。おつしやるような面におきまして、簡易な方法によつて貯蓄制度をつくつたらどうかというお話でございますが、おつしやるような制度をやるにつきまして、利子の記入その他の関係等も考えまして、われわれといたしましても、今せつかく研究中であるのでありまして、御趣旨のように、できるだけそういう零細な資金を集めるようなかつこうに持つて行きたいと存ずるのでございます。子供郵便局というような制度も、おつしやるような趣旨を加味いたしまして実施いたして非常に成績がいいのでありますが、貯金券等につきましては、なお原簿その他の面を考え合せまして、研究させていただきたいと思う次第であります。

石原登自由党

○石原(登)委員 この際ちよつと申し上げておきたいと思います。従来衆議院の郵政委員会はきわめて友好的でありまして、政府に対してもずつと積極的に、しかも好意的に協力をいたして来たと、かように考えております。そこでどうか新大臣も今後虚心坦懐、ほんとうの協力者である、こういうようなお気持で、郵政委員会に臨んでいただきたい。決して他人行儀にならない、言質をつかまえてどうこうということでなしに、協力的にやつていただいて、従来ともにつちかつて参りました委員会と政府との関係をこわさないでいただきたい、このことをまず要望いたしておきます。  それからお尋ねいたしておきたいのでありますが、最近聞くところによりますと、政府は特定郵便局長会議の解散を命令するのだ、こういうようなことをちよつと漏れ聞いておるのであります。実は新大臣はどういうようにお考えであるか存じませんが、特定郵便局長会議は逓信省ができまして以来、郵政事業の発展のために相当以上の寄與貢献をいたしております。こういうような、益はあつても害はないところの局長会を、いかなる理由によつて廃止されようとするのか、私どもには理解ができないわけであります。この点をお聞かせ願いたい。

浦島喜久衞郵政事務官(郵務局長)

○浦島説明員 局長会の廃止の問題につきましてお尋ねがございましがた、私から経過を申し上げたいと思います。御承知のように特定郵便局長会は、昔の純請負制度でありました三等郵便局長時代から、全国の局長さん方が自主的に会を結成せられましたのがまず初めてでございまして、それ以来だんだんとこの一つの団体が、郵政事業の運営上非常に積極的に協力せられまして、ますます発展をいたしまして今日まで来ておるわけでございます。この局長会が結成せられてから今日まで、五十有余年の年月を経ておるわけでありますが、最近のたとえば公務員法あるいは設置法等の建前から、はたして従来のような公私混同の団体が認められるかどうかという情勢になりましたので、昨年の八月に局長会の従来の性格に再検討を加えて、私的な面を拂拭して、従来公的な面に非常に活動しておつた局長会の長所を取上げて、純然たる公的機関に切りかえをいたしまして、昨年の八月に公達が実施せられました。そうして今日まで至つておるのであります。しかしながら昨年やりました措置について、その後現在の郵政省の設置法の建前からいたしまして、御承知のように設置法は本省と郵政局という管理機構がありまして、末端に郵便局という現業機関があるわけであります。この三本建の機構において、もしその中間に別な機構、あるいは団体的なものがあつて、郵政業務の運営上そういう権限を持つておるものが、設置法上はたして許されるかどうか、こういう問題が起つたのであります。しかしながら私どもとしましては、この局長会というものは公達によつての公的な機関でありますけれども、あくまでこれは現業の特定局、全国に一万四千ありますところの特定局、しかもその特定局の規模は種々雑多でございます。そのような数多い、しかもまた地域的に分布いたしております特定局の業務を、郵政局がすみずみまで管理して行くということは、なかなかむずかしい次第でございます。従いまして何らかそこに集団的な、一つの特定業務の円満なる運行のために、その必要を感じておつたのでありますが、法律的に設置法の建前上どうしても許されない。こういう関係方面の指示もありまして、やむを得ずこの局長会を七月三十一日をもちまして、廃止せざるを得ない結果になつた次第でございます。しかしながら先ほど申し上げますように、この数多い、しかも規模のまちまちであります小局の郵便局の、一つの円満なる運営をやりますために、何らかやはり、ただ單に個々の特定局を郵政局が個々に管理して行く方法でなくして、別にまた実情に即したところの方法を考えなければならぬと存じまして、大体一定地域内の、たとえば十局くらいの地域を一つの單位といたしまして、そのうちの交通、通信、地況等から考えまして、大体連絡のとれるような一局を指定いたしまして、そうして従来局長会の末端機構であります部会がやつておりましたような仕事、あるいはまた最近庶務、会計、特に給與、経理等につきまして、いろいろ取扱いの仕方が複雑になりましたので、さような仕事を一箇所の一局に指定をいたしましてやらせたらどうかというような構想をもつて、寄り寄り研究いたしておるわけであります。従いまして局長会が廃止になりましても、それにかわるというわけではありませんが、別途の方法をもちまして、実際の業務運営上支障のないような方法を講じて行きたいと考えておる次第であります。

石原登自由党

○石原(登)委員 特定郵便局長会議が廃止されるという経過については、私も若干承知しておるわけでありますが、実はこれを考えてみますと、非常に今後の郵政事業の運営に大きな影響がある、こういうふうに私は実は結論を持つのでありますが、そこでお尋ねいたしますが、今後一つの研究団体、あるいは親睦団体として、特定郵便局長の諸君が独自の立場でそういうような会合を別に持つ、こういう場合は、郵政省当局としては禁止される御意向がありますかどうか、その点ちよつとお尋ねいたします。

浦島喜久衞郵政事務官(郵務局長)

○浦島説明員 もちろん先ほど申し上げましたように、局長会は公的機関でございますから、公的機関としての局長会が廃止されるわけでありまして、特定局長である個人の方が、親睦的に別の団体をつくられるのを禁ずるというところまで行つていないのであります。従いましてすでに現在特定局長さん自身で、相互扶助、あるいはまた協助的な団体として、協助会というものをつくつておられます。あるいはまた生活協同組合というものをつくつておられます。そういう私的な面は別に禁ずるという建前にはなつておりません。

石原登自由党

○石原(登)委員 それからもう一つお尋ねいたしますが、けさの新聞に、全逓の従業員組合の諸君が郵政と電通にそれぞれわかれまして、新しく発足するというような記事が出ておるようでありますが、これが二つにわかれました結果、いろいろな問題が惹起して来ると、かように予想されるのでありますけれども、郵政当局としまして、この場合あらかじめ予想される問題、それに対処する方法として、どういうようなことをお考えになつておるか。さらに補足いたしますと、もうかつておる電気通信省と損しておる郵政省では、はつきりきまつた月給は別としまして、いろいろな実質的な待遇において、相当な懸隔が出て来ると考えております。ところが従事しておる従業員諸君は、数十年来ほとんど同じような環境の中に育つて参りまして、ただ制度の改革によつて、たまたま郵政関係であつたとか、たまたま電気通信関係であつたということのみで、非常に大きく運命がわかれて行くということが考えられるわけであります。現に郵政省と電気通信省の従業員諸君は、相当待遇の懸隔がございます。将来この懸隔はさらに大きく開いて来るのじやないかと思いますが、この問題に対して何か郵政大臣はお考えがございますかどうか、ひとつお尋ねいたしたいと思います。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○田村国務大臣 根本的に考えました場合、企業官庁が、もうけが多いから多くする、もうけが少いから少くするというようなことは、適当でないように考えております。その点はひとり郵政省の立場から、電通省を見た場合だけじやありません。その他の官庁の場合もあるのでありますが、同じような事業に勤労される場合、やはりそれは同一に扱われるのがあたりまえである。大体こういうふうに私は考えております。  なお今の二つにわかれた場合にどういう変化が起るか等につきましては、人事局長から御説明申し上げます。

松井一郎郵政事務官(大臣官房人事部長)

○松井説明員 現在におきましても、郵政と電政の実質的な給與については若干の差異があるということは、御指摘の通りでございます。これは給與政策本来から申し上げれば、私どもとしては望ましい点ではないと思うのでございますが、現在のごとく独立採算制というものが非常に強く表に出ておるときにおいては、ある程度こうした点はやむを得ないと思います。従いまして私ども郵政省の立場といたしますれば、できるだけすみやかに、給與というものは形式的にも統一するようにしたいという強い要望を持つております。  全逓の組合が二つに分裂するという問題につきましては、もうすでに大分以前から、そうした空気が組合の内部に醸成されておつたようでございます。私どもが推察いたしましても、組合が分裂するということには、おのおの長所もあれば欠点もあつて、いずれがいいかというようなことについても、にわかに言い得ない問題であつたろうと思いますが、今日の新聞の報道を見ますと、大体九月を期してその方に動きつつあるということでございます。しかし将来の動きを私どもとして推測いたしましても、おそらく両者が全然別々に行動するというようなことは、事実上はあまりない。実際問題としては、両方は何らかの意味で協同体として進むのではないかというようなことを感じております。従つて今すぐに二つの組合になつたから、私どもとして組合対策をどうするかというようなことは、まだ考えておりません。

石原登自由党

○石原(登)委員 ただいまの質問に関連して、もう一点だけ、これは希望的意見でありますが、特に新大臣に聞いていただきたいと思います。実は私が調べましたところによりますと、郵政省関係ほど厖大な課をかかえておるところはない。たとえば中央郵便局の郵便課のごときは、一課で五百人以上もの従業員をかかえておる。しかも一人の課長がこれを指揮監督しておる。こういうような事例は、いずれの役所にも全然ないのでございます。これは是が非でも何とか課を多数に分割していただいて、取扱いに齟齬がないようにしていただきたい。また同時にこれは一面従業員の精神的な待遇の改善にもなろうかと考えております。この点は電気通信省の方でも、いろいろ改善せられております。また他の省でも相当改善せられておるようでございますから、特にお考え願いたいと思います。  もう一点お尋ねいたしたいと思いますが、これは郵政省には特に考えていただきたいのでありますが、旧三等郵便局長制度が廃止になりました結果、実は大きな社会問題が起つて参つております。これは特にいなかではさような例はまず少いのでありますけれども、都会地の請負制度の三等郵便局長においては、切手の売上收入が相当あつた関係で、この郵便局長の任免その他の関係とからみまして、一つの大きな権利みたような状態になつております。従いまして郵政当局といたしましても、この郵便局長の任免につきましては、ある程度権利の譲渡というようなことを黙認したような形になつております。私はここに一つの事例をあげまして、郵政省の御意見を聞きたいのですが、実は三越の郵便局長が何か事件を惹起いたしまして、どうしても弁償しなければならなくなつた。ところが弁償するのに金がない。あそこだつたら切手は相当売れるし、收入も相当ある。そこである人に、こういうように收入があるから、ひとつぜひこの場合弁償金を立てかえてもらいたいと頼んで、立てかえてもらつた。郵便局の事業が一つの権利になつたわけであります。ところが切手の販売から来るところの收入がなくなつたため、局長の收入はその他のすべての收入を加えても、月一万二、三千円にしかならなくなつた。これでは弁償してもらつた金額の利子にも及ばない。こういう新たな事態が出て参りました。そこで何とか方法はないかといろいろやつたのですが、それが新しい制度における切手、印紙の売りさばきの規則に触れたというので、監察局の調べによつて、検事局に告発されたのであります。この人は私もよく知つておりますが、非常な紳士なんです。ところが制度の急激な変革から、この紳士が一朝にして罪人としてほうり込まれるような結果になつてしまつた。これは確かに悪いことではありますが、しかしこういう悪いことを惹起せしめた前提として、制度の急変があるのでありまして、監察当局はそういう面にまで思いをいたされて、いわゆる親心の処置をするという点に欠けているように思うのであります。こういう例はひとり三越の郵便局の例だけでないと思いますが、どうも今日の監察のやり方は、あまりにもきつい。言いかえますと警察当局のやり方にしましても、法律の趣旨によりまして、犯罪を起すに至つた事情等も相当酌量いたしておるようでありますが、監察官というのは、にわかに子供に刃物を持たしたような形になつて、いばつてしまう。そうして何でもかんでも犯罪をして摘発する。こういうような傾向が出て参りまして、どうもその空気が郵政省全体にも、何か暗い影を與えているのではないかというようなことも、私は実は考えているようなわけであります。そこで私は本来監察制度というものは、決して罪人をとらえるとか何とかいうことよりも、進んでそういうような罪を防止するという方向に行かなくてはならないと考えるのでありますけれども、こういう問題について監察局長はどのようにお考えになつておりますか。これは郵政省の制度が非常に改善されたために、りつぱな、社会的に名誉も地位もある人が、罪人として縛られておる。こういうことが現に起つておりますので、おそらくこういう問題は現在も起りつつあるのではないか、将来も起つて来るのではないかと考えますので、この点ひとつ監察局長の御意見を聞いておきたいと考えるわけであります。

成松馨郵政事務官(監察局長)

○成松説明員 ただいま監察の方針と申しますか、新しい監察制度による監察官が、刃物を持たせたようなあぶない場合もあるというお話でございましたが、私どもといたしましては、監察官が人間的な情をもつてやるように指導いたしておるのでありますが、多くの者の中には、この監察制度の精神をはつきりのみ込みませずやるものも、あるいはあるかと思うのであります。しかし私どもといたしまして、事業犯罪につきましては、一面情を持つてやるというようなことも必要ではありますけれども、終戰後部内犯罪が非常に起つておりまして、事業の信用を保持するという方面から、これをはつきりと事実は事実としてつかんで行くということは、非常に必要ではなかろうかというふうに考えておるのであります。ただ事実をはつきりつかみました場合に、どういうふうにするかという措置につきましては、ただいまのところ郵政監察官につきましては、微罪であるから措置しないというようなことはしないで、全部郵政担当検事と相談いたしまして、措置するようにいたしております。その点で自主性がないと言えばないわけでありまするが、今後郵政監察の実績が上るにつれまして、私どもといたしましても、この点を、多少の自主性を持つて実施して行きたいというふうには考えております。

石原登自由党

○石原(登)委員 ただいまのお答えでよく了承いたしました。ただ制度の欠陷から来る罪人ができるということのないように、この点については万全の対策をぜひお願いいたしておきたいと思います。

池田正之輔自由党

○池田委員長 それではあと御質疑もないようでありますから、本日はこれをもつて散会いたします。次回は公報をもつておしらせいたします。     午後四時四十七分散会

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