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8回国会衆議院1950/08/17

農林委員会 第12号

発言数
139
登壇者
17
会派数
2
開催日
1950/08/17

会議録

千賀康治自由党

○千賀委員長 ただいまから農林委員会を開会いたします。  本日の議事に入ります前に小委員の補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴いまして、現在畜産に関する小委員二名、公共事業小委員四名がそれぞれ欠員になつております。従いましてこの際その補欠を委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕、

千賀康治自由党

○千賀委員長 御異議なきものと認めます。  畜産に関する小委員に    原田 雪松君  深澤 義守君  公共事業小委員に    川西  清君  原田 雪松君    平野 三郎君  深澤 義守君を指名いたします。     —————————————

千賀康治自由党

○千賀委員長 次にこれより日程に入る順序になるわけでありますが、まだ政府当局がおそろいになりませんので、此の機会に各位の御了承を得まして、先般来調査をいたして参りました新潟県外数県下における土地改良等の問題について御報告申し上げたいと思います。  今般視察いたして参りました北陸四県(新潟、富山、石川、福井)は一般に河川に恵まれ、灌排水路は比較的よく整備されており、富山、福井の一部を除いては、水不足を訴えている所はありませんでしたが、新潟県を除いては、平野の中が狭く、河川は水源山岳部よりただちに奔流して参りますので、氾濫しやすく、水害を被る危險性が多いので、いずれも徹底した治水対策の樹立を要望しております。  又富山県黒部川のごときは、特に流水地域が短かく、水源地帯の冷水が直ちに水稲耕作地帯にかかりますので、水温低く、水稻耕作の上に種々支障を與えております。これがいもち病発生の一誘因ともなつているのでありまして、水温を上げるために種々苦心を拂つていますが、現在実施中の流水客土は、流水を利用して粘土質土壕を水田に流し込んで沈積せしめる方法で、これにより水田の保水をよくし、水温を上げています。この方法は経費が少なく普通反当三百円程度と見積られ、好結果をもたらしています。その他ため池の構築、あるいはますの如き淡水魚類の養魚等により水温を上げる計画が進められていますが、これらは冷水対策に対するよいサンプルを提供しているもとの考えられます。  しかしながら、土地改良事業は、今日の食糧増産並びに農業経営の合理化の見地から見て、決して満足すべきものではなく、現地側はいずれも徹底的土地改良の促進を熱望し、これによりまして、裏作面積の増大、水田酪農の発展等を図り、蛋白並に油脂資源の増強確保とともに、農家経済の安定向上を希望しているのであります。土地改良事業の推進にあたり、現地側におきましては、団体営以下の小規模土地改良の資金調達に非常に苦心をいたしており、また国営、県営等の大規模のものにつきましては、補助金のすみやかなる交付を希望しております。  土地改良作業促進上一審障害となる点は資金問題でありまして、地元側の要望といたしましては、一、国営、県営等大規模改良事業に関する補助金はすみやかに交付すること。一、補助事業の地元負担金及び非補助事業の資金調達の円滑化、並びに利子補給の措置を講ぜられたい。という二点を特に強調いたしております。  なお、此の機会に特に申し上げておきたいことがあります。  それは、本調査の途中において随所に見られましたいもち病の被害についてであります。いもち病の発生は、後にもふれますように、水田の状況にも関連があるようでありますし、農地改良の一指針にもなるばかりでなく、農家にとつても市大な問題となつているのであります。以下、いもち病の被害状況について御報告申し上げ、各位の参考に供したいと思います。北陸水稲單作地帯におけるいもち病は、かなり広範囲にわたるもので、新潟県は七月二十五日現在で、発生面積は七万五千余町歩と見られ、総水稲作付面積十七万三千余町歩の四割五分に当り、富山県は二万二千六百町余りで、日割二分、石川県は約二万町歩の被害で四割に相当し、福井県は一万五千余町歩で三割四分余を占める状況にあります。  被害状況は次表のごとくであります。    いもち病発生状況     新潟県 二五・七・二五現在  激甚    四四、八〇三反(收穫皆無見込二三、九九〇反)  中庸     二七三、二九〇反  軽微     四三七、二一二反  計      七五七、三〇五反  水稻作付面積 一七三、〇〇〇余町歩     富山県 二五・八・三現在  いもち発生面積  二二・六〇七町  穂首いもち要防除面積一五、三四七町  同上 一株葉数中三分の一未満罹病 三、〇五四町  同上 以上罹病 一二、二九五町  水稻作付面積   七一、七八九町     石川県  七〇%以上       五八三町  七〇%—五〇%   一、二〇〇町  五〇%—三〇%   二、二五九町  三〇%—一〇%   五、六三四町  一〇%以下     九、五八四町  計        一九、二五八町  作付面積    五〇、〇〇〇町歩  被害率           四〇%     福井県 二五・七・二〇現在  收穫皆無        一四七町  九〇—七〇%    一、五六二町  七〇—五〇%    四、三三七町  五〇—二〇%    九、二七一町   計       一五、三一七町  作付面積     四六、一〇五町  被害率        三四・一町  発生の原因につきましては、これを一つの要因に還元することはできないのでありまして、種々の要因が集り合つていると思うのでありますが、現地側の意見といたしましては、天候の不順に最大の原因があつたと考えているようであります。すなわち本年の苗代期間の気象状況は、播種幾時から一般に高温多照で発芽は良好でありました。その後四月下旬に一時低温の時期がありまして、苗腐敗病の発生が懸念されましたが、五月に入ると天候回復し、近年まれな高温が続き、苗代は急激に伸長し、軟弱徒長の傾向を示し、これに反し根の伸長が不十分でありました。しかるに五月中旬以降は一変して不順となり、低温、寡照、多湿梅雨模様が続き、これが六月下旬まで約四十日近くも続いたのでありますが、七月に入るとともに天候は回復して本格的な夏型気象を示すに至つた。  以上の天候はいもち病の発生蔓延に好條件を提供いたし、すでに田植え当時にいもち病の発生を見、田植え後も活着は惡く、分蘗の発生は遅々として進まず、これに乗じていもち病が急速に広まつたのであります。  最近の研究によりますと、低温から急激に高温に上昇した場合はもちろん、反対に高温から低温に急激に移行した場合にも、土中の空気が著しく不足状態となり、作物の生育を害するのでありますが、本年の北陸地帯の気象はまさに高温から低温に、低温から高温へと急激な変化を示したので、これがいもち病誘発の原因となつたことは当然増えられるところであります。しかしながらいもち病の発生については、このほかに窒素質肥料分の過多、耐病性の低い農林一号のごとき多收穫品種が普及されていること等があげられると思います。特に北陸地帯の裏作れんげが本年はよくでき、この後作地にしかも相当多量の窒素質肥料を施した所は、ほとんど例外なく病害をこうむつているようであります。  また新潟県においては、いもち病のためほとんど收穫皆無と思われる田と酒井を接して、無病息災の田がありまして、いもち病は一面に発生しているのではなく、点々と散在しておるのであります。この事実に徴しますると、健苗の育成、施肥方法の改善、耕種技術のくふう等によりまして、相当程度までいもち病の発生あるいは伝播を防止することができると考えられるのであります。  さらに富山、石川両県下におきましては、いもち病は山間の通風の惡い、湿気の多い地帯に多く発生いたし、特に富山県においては、耕土の浅い水温の上らぬ黒部川デルタ地帯に主として発生しております。この浅耕冷水地帯には、根の伸長が惡い上に、砂質土壌でありますので、窒素質肥料はこの砂粒子の問に水溶体のままになつておりますので、一時に吸收される等の関係がありまして、いもち病にかかりやすい條件下にあるのであります。ただ福井県におきましては、福井及び大野の二大平坦稻作地帯に一帯に発生しているのであります。開くところによりますと、この地帯は従来から施肥の量が多く、これに多收穫品種を配しまして、反收平均三石近くをあげているのでありますが、本年は四月から五月にかけて降雨量が少く、一時乾土となつた関係があり、その後天候不順となり、雨量も多くなり、窒素質肥料の分解を早めた上に、多湿、冷温が続き、いもち病の一齊誘発を促したのではないかとの観測が行われております。  今般のいもち病の発生によりまして、どの位いの收穫減になりますか、今後一、二週間の天候の推移に左右されると思うのであります。幸いにして天候に恵まれますれば、現在程度で喰い止めることができますが、もし不幸にして天候不順になりますれば、穗首いもちを誘発いたしまして、予想以上の減收を招くことになるかも知れません。富山、石川両県は今後とも防除に十分努力いたしますれば、県全体としての收穫量にはそれほど大きな影響を及ぼすこともないように思われました。新潟県につきましては、一番被害の多い北部地帯を調査できませんでしたけど、實地視察いたしました西蒲原郡の状況から見ますと、それほど大きな減收になるとも考えられませんでした。ただ福井県は前述のごときありさまなので、一番被害が大きく、従いまして減收の度合も大きいように思われました。  いもち病の防除につきましては、各県とも非常な努力を拂つており、気象の長期予想により、天候不順を察知いたしますと、早期に防除対策を立て、県及び町村当局はもちろん普及員その他技術員を動員し、新聞、ラジオ、パンフレット等を利用して、防除方法の宣伝普及に努めるとともに、動力及び人力噴霧器を全面的に活用して、一齊に薬剤撒布をいたし、少くとも二回ないし三回、多きは五回六回に及んでいます。かような必死の努力が効を奏していもち病の拡大を阻止して、今日の状態に食い止め得たものと考えられます。これら防除に費しました費用も莫大に上り、各県ともに三、四千万円を支出しているのであります。  以上が北陸地帯いもち病発生状況の概況でありますが、これに対しまして、現地側の要望といたしましては、  (一)防除対策費につき国庫補助を受けたいということであります。いもち病はその蔓延が非常に急速でありますので、発生の徴候が現われましたら、ただちに防除対策を講ずる必要があります。従いまして今般北陸四県におきましては、防除費として特別に計上した経費がありませんでしたが、一日も放置することはできませんので、農業技術改良普及費等を流用して、防除に努めたのであります。ついては昨年高知、広島の両県に対し、いもち病防除費を特別に補助をいたしたごとく、北陸四県に対する特別の補助金を交付されたいというのであります。  (二)供出に際しては、実状に即した補正をしてほしいという点であります。殊に個々の農家について見ます場合には、全然無被害のものもある一方には、ほとんど收穫皆無の農家もありますので、この間の実状を正確に把握して、公正な供出割当をしてほしいというのであります。  (三)被害地帯の各町村は、防除のための財政支出に加えて、被害農家の收穫減に伴い、勢い税收の減少が予想され、今後の町村政運用上にも支障を来たすおそれがありますので、地方財政平衡交付金配付の際に、これらの実状を考慮した何らかの措置を講じてほしいというのであります。  (四)福井県大野地方においては、收穫皆無を予想される農家は、農業経営に見きりをつけ、その子弟は他に仕事を見つけて離農する傾向にありますので、これら收穫皆無農家に対する救援の対策を講じ、特に明年の再生産を確保するよう何らかの方策を講じてほしいということであります。  (五)災害共済保險金の支拂を迅速にしてほしい。  以上の五点でありました。  以上をもつて私の報告を終ります。

千賀康治自由党

○千賀委員長 ただいまの説明員は、大蔵政務次官西川君、佐竹主計官、林野庁指導部造林課長武藤博忠君、治山課森林枝官田中幸吉君、農地局長佐藤君、農地局建設部長桜井君、以上であります。足立篤郎君。

足立篤郎自由党

○足立(篤)委員 私は農林予算確保に関する村委員会における決議を願いたいとの緊急動議を提出いたしたいと存じます。その理由を簡單に申し上げますと、目下御承知の通り、昭和二十六年度の予算編成が具体的に推進をされております絶好の時期に際会いたしておるわけであります。昨日熱心に各委員から、それぞれその当局に対しまして質疑なり意見なりがかわされたのでありますが、われわれがかねて期待しておりました、この国際情勢のもとにおきまして、食糧の自給態勢を根幹といたしますところの、農林政策の拔本的な強化整備と申しますか、強い政策を実行していただく線には、まだまだほど遠いように感ずるのでありままして、はなはだ遺憾に存ずる次第であります。申し上げるまでもなく現下の国際情勢から考えますと、昨日も特に井上委員からも御発言がありました通り、まことに切迫した事情にありまして、一日も早く食糧の自給態勢につきましては、見通しをつけなければ、八千万国民の生命の維持さえも危惧されるという事態なきにしもあらずと、私ども衷心から考える次第でありましてこの際この自給態勢の確立を根幹とするところの農林予算の確保につきましては、国をあげて邁進すべき時期であろうと確信いたすのであります。それにつきましては、この際本委員会におきまして御決議を願いまして、その趣旨を徹底すべく政府に申入れをいたしたいと存ずるのであります。  それにつきましては案文等用意いたしておりませんので、委員長におきまして適当に御指名を願いまして、起算委員をあげて起草されました上で、本委員会において本日決議をいたしたい、かように存ずるのであります。特に申し添えたいと存じますのは、この決議の内容は、農林予算と一般的に申しましても、これは漠としたものでございますので、特に食糧の自給態勢の確立という点に重点を置きまして、その重点を明らかにするということが第一。第二は昨日も論議されました、特に大蔵省当局からの御答弁にもありましたが、今まで一千億減税ということが第一に取上げられておつた関係上、勢い公共事業費等も圧縮されざるを得ないというような御説明もあつたわけでありますが、今日なまやさしい時期ではございませんので、場合によりますれば減税の方は第二義的に取扱うべきじやないか。もちろん減税をいたしたいのはやまやまでございますが、やむを得ざる場合には第二義的に取扱わざるを得ないという国際情勢にあることも御認識願いまして、この点をつけ加えていただきたいということを、私から希望申し上げて、動議を提出いたす次第であります。

八木一郎自由党

○八木委員 議事進行に関して……。ただいま発議されました件は、基本的に私ども反対ではないのでありますけれども、議事の進行から見まして、昨日われわれは、政府当局が国をあげて、野党の名で言えば、救農国会、與党廣川農相の名で言えば、興農国会、農政を中心として、單独に国会を開くという声が、全国津々浦々で盛り上つておるこの際に、特に救済地方継続審査の名において、昨日、本日において委員会を開く段取りに入つたのでありますけれども、政府のこれに臨む態度きわめて冷淡、一事務官や局長をして説明に当らせたのみであります。責任を持てる大臣は、あすを約してきのう別れたにもかかわらず、本日は大臣の出席がないのであります。かくのごとき状態において、ただ單に紙の上で、われわれが国権の最高機関として農政の向うべき道を決議文にするということ、それ自体では済まされない。私どもはそれだけでは引下がれないのであります。委員長は昨日以来本日までに、いかなる措置をとつて大臣の出席を求めたか、いかなる事由によつて大臣は出席できないか、まずその理由を明らかにして、昨日に続いて審議を進め、審議の結果、必要とあればただいま発議の通り、決議に至るように議事を進められんことを望みます。     〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕

千賀康治自由党

○千賀委員長 お答えいたします。大臣の出席、特に大蔵大臣並びに安本長官、この両君が出席せられますように、私の動員し得るすべての力を結集いたしまして、それぞれ交渉いたしました。ところがGHQの関係であちらに行つておるから、どうしても来れぬ。ことに大蔵大臣は大蔵政務次官を、それも晝までにはどうしても帰してもらいたいというような條件つきで代理に出されておるので、私は昨日以来の本委員会の空気もよく了知しておりますので、等閑にしておつたというわけではありませんが、政府の方からさような回答を得まして、ここに委員会を開く次第であります。その点はどうか御了承を願います。

八木一郎自由党

○八木委員 議事進行に関しての御答弁満足できませんが、GHQに行つておられても、本日の会議中に顔をちよつとも出せないというはずはないわけであります。昨日委員長に非公式ではありましたが申し入れをした際、大臣の出席の都合を見て招集をするということであり、これを了とせられた委員長は、散会にあたつて、大臣の都合を確かめて午前にするか午後にするかといつてわかれたはずであります。私も本日はGHQにどうしても行かなければならない国際会議出席の打合せがあるにかかわらず、十時という公報を見ましたので、本日やつて来たのであります。時間励行を約束して、大臣が出るその時間を確かめて招集をするという約束が不履行であるところから考えまして、本日引続き大臣の出られる時間を考慮しつつ会議を推められんことを、議事準行として重ねて望みます。

千賀康治自由党

○千賀委員長 それに対しましていまひとつお答えをいたしますが、大蔵大臣が大蔵政務次官を出席させたということは、自分が出席がどうしても不可能だということでやつておられますので、現在の情勢といたしましては、午後まで待つてもやはり大蔵大臣の出席は不可能、かように私は判断をいたしまして、午前中から招集をいたした次第であります。どうかそれも御了承を願い’ます。

八木一郎自由党

○八木委員 私はそこで議事進行の一つとしてただいま発議せられた議題はしばらく議題にのぼせないで、昨日に引続き、大臣の出席を求める交渉をしつつ、会議は農林公共事業を議題として進められんことを望みます。さようとりはからい願います。

千賀康治自由党

○千賀委員長 ただいま八木一郎君の御要求ごもつともだと思いますので、引続き大蔵大臣の出席を慫慂いたします。強く要求をいたしつつ、質問を進めます。ただし足立篤郎君の御動議はしばらく採決を保留しておきます。  これより質疑を許します。

八木一郎自由党

○八木委員 私は衆議院の農林委員会委員諸君より特に必要ありと認められて選任せられました農林関係公共專業小委員会の委員長をしております関係上、公共事業に関する一般の予算編成方針に関して、大臣の政治的良心と誠意ある態度について、どういうふうにお考えになつておるかということを伺いたく、本日を期しておつたのであります。昨日事務当局より、事務的にほとんど徹夜に近い作業を続けておるという苦心のほどを伺いまして、本日大臣の腹の底を聞きたく思つたのでありますが、おさしつかえのために見えないということでありますから、大臣にかわつて御出席の西川甚五郎君より、ひとつ予算編成に関する一般的な方針、なかんずく農林公共事業に対する現内閣の予算編成方針等とにらみ合せた構想一般について、素朴のところでよろしゆうございますから、御説明願います。

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川説明員 先ほど農林委員会をたいへん軽視するというようなお話がありまして、たいへん申訳なく思つております。いろいろ今予算の編成にとりかかつております関係上、またGSとの交渉の関係上、大臣が皆さんの御期待に沿えなく、出席できなかつたことを申訳なく思つております。今後でき得る限り皆さんの御期待に沿うように、大蔵省は懸命にやりたいと思つております。  農林関係の予算編成でありますが、御承知の通り、朝鮮事変が起ります以前におきましては、財源に相当余裕もありまして、あるいは一千億の減税ができるのではないか、ひよつとすればそれ以下になるかもしれないが、ある程度の減税ができるということを目標に、いろいろの予算を考えておつたのであります。特に農林省関係につきましては、今日われわれは、先ほど八木委員がおつしやいました通りに、相当重大なる段階に入つておると思います。ところが朝鮮事変が起りまして、先ほどおつしやいましたように、食糧の自給対策あるいは一割増産、この問題につきましては、われわれは特に注意せねばならない。また今日の農業関係の救済につきましては、これまた重大なる段階にあると存じております。しかしながら歳入歳出の方面から見まして、昨年度より歳入方面において一応減らしたいという考えもありますし、警察予備隊もできますし、また給與べースの問題もございまして、農林関係方面のみに力を注ぐということは、できる限りやりたいのでありますが、農林省から出しております額に対して、十分なる御満足をいただくことは不可能かと存じております。しかしながら先ほども申しましたように、今日の食糧事情あるいは農村の窮状から見まして、本予算におきましては、できる限りやりたいというのがわれわれの腹でございます。特に土地改良につきましては、農林省が請求いたしております額は、ちようど昨年の十倍になつておりますが、とてもこれだけは出せないのであります。何とかいたしまして、幾分かでも相当額をふやしたいという考えで、今予算を組んでおる次第でございます。そのほかに畜産の問題等につきましても、十分考慮をいたしたいと考えておる次第でございます。

八木一郎自由党

○八木委員 ただいまの御答弁は、内閣の予算編成に関する基本方針を読んでおられますかと聞きたいような御答弁で、不満足でありますが、さらに質問を続けて参りたいと思います。  まず第一点は、お話を伺いますと、歳入額を初めからきめてかかつた予算編成方針であるような印象が深い。足立君の言葉に従えば、国の運命に関するような、八千万国民の生命にも関するような重大なる段階にあるということを、ほんとうに認識して予算の編成に臨むならば、閣議の予算編成方針の中に作文化されておるような気持がそのまま現われなければならぬはずである。それが一向に現われていないということに、非常なる不審を持つのであります。歳入をきめてかかつて、そのわくの中で、ないそでは振れないと初めからきめてかかつておる態度は、私どもの最もきらうところでありまして、政策とともに生き、政策とともに倒れる、国民の生命とともに生きて、国民の生命とともに倒れるという気構えがほんとうにあつて、その上に裏づけとして臨むのが予算であるはずであります。それを頭から、どうせ足りないときめてかかつておる。われわれは食糧自給態勢のために立てた、昨年の十倍という数字を見て別に驚かない。これだけのことで一体今要求されておる国民的な不安が解消できるかどうか、そこに不安を持つのであります。それを頭からどうも満足なことはできないというようなことは、どうしても私には解せないのであります。その点は腹のきめ方の問題でありますから、それをまず伺います。

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川説明員 わくをきめて歳出を考えるというような御批評をいただきましたが、確かにそのようなことを申し上げたのですが、ドツジ・ラインによりまして、今まで五箇年間漸次財政も黒字になつて参りまして、国民の生活も次第に、ある方面におきましてはいろいろの問題もございまするが、戰前より次第によくなつて来たということは事実であります。それでありますから、ここ少しの間漸次計画的に歳入面も考え、歳出面も考えてやつて行くのが予算のきめ方じやないかというのが私の考えでありますが、今おつしやいました通り、実際に政治に倒れ、そうして今日のすべてを救済するというお考えも、確かにごもつともでございます。しかし今日われわれはそういうように歳入面と歳出両を考えて、予算を組むというようなやり方で進んでいる次第でございます。

八木一郎自由党

○八木委員 ないそでは振れない、入るをはかつて出づるを制する、均衡予算を建前とするからやむを得ないのだ、と言つてしまえばそれまでであります。しかし安定より復興への経済基盤が、ようやくインフレ收策の政策の効果として、成果が上つて来た。次にわれわれが顧慮しなければならないのは、徹底した食糧の自給政策を断行するという、その腹の問題であると思います。この腹が動かざること山のごとく、断固としてやると決意ができれば、自然に次の財政金融諸般の政策の裏づけは、順次解決の道があいて参るはずであると思うのであります。かように私が意識しながら、昨日もちよつと引用したのですけれども、読売新聞の輿論調査を砕いたその社説、またその資料に現われたものを次官はごらんになつたかどうか。国民の気持は、あの輿論調査から来ると、結論として、卑近な言葉で言えば、生活を保障してくれる、だんなに生活を預けためかけのような、自立も独立もなくなつたしまつたような国民層が、輿論の中にはつきりて出ている。相当数量出ているという憂うべき事態があるのでありまして、これは私どもが依存する資本、資金、外資を導入しても、どうしても食うことぐらいは自分でやる。マッカーサーの言葉で言えば、食を他国に預けて政治的自由はあり得ないという、この国民的自覚の上に立つならば、私はもう少しつつ込んでこの問題を考えてしかるべきだと思うのであります。これをほんとうに考えているのは、所管省である農林省であると思うのでありまして、その農林省の出した原案も満足すべきものではありませんけれども、これを数字の上で見ると、今お話のようにちよつと手が出ぬ、こういうことになると思うのでありまして、これには基本的に腹の問題がすわつていない結果から、かようなお言葉が出て来るとしか承知できません。国土と資源を開発する総合施策をやらなければならない事態の中で、何に重点を置くかと言えば、口を他人に預けてしまつて問題が解決するだろうか、海を越えて持つて来る食糧には異常なる危惧を持たざるを得ないというところに目を配つて、いろいろな施策が次々に展開せられて行くのが自然である。それには長期の年次計画のもとに、一定の国家計画をもちまして、そのうち、差迫つている問題をこなして行く。スターリンが第二次大戰後十五箇年計画のもとに、着々国家計画をやつているという、この長期年次計画的なことを、破れたりといえども、わが日本においてやらなければならないのが、できずにいる。ようやく安定から復興へという段階へ来たこの際、講和も近づいたというこの際、この機運のある際に、年次計画を立てて、明るい光明を前途に求めながら、そのうちの一部分の差迫つた問題を繰上げて実施するという態度で、本年度の食糧政策に関する予算はどうしても組み立てねばならない。これはわが自由党の党是としても、中外に声明しているところでありますし、国民もこれを期待しているのであります。期待し得ざるその政治的措置は、私どもとしてはこのまま帰れないということになるのであります。この長期年次計画を目標に置いて、繰上げ実施のような気持に立つて、取急いで効果の上る仕事をやらなければならないという観点で、本年度の予算組立てに当つておられるかどうか、予算の査定に臨んでおられるか、これを伺いたいと思います。

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川説明員 八木さんのお言葉を承つて、たいへんごもつともでございます。しかし今日の食糧自給の問題、あるいはこれに伴う一割増産、あるいは農村の救済等に関しましては、今まで申しました通り、大蔵省はやはり農林省の予算を見まして、いかに必要であるかということもよく存じ上げておりますから、ここで私がこれ以上申し上げますよりも、八木さんのお言葉、また皆さんのお言葉によつて、よく大臣とも相談いたしまして、できるだけのことをやりたいという御回答で、お許しを願いたいと思います。

八木一郎自由党

○八木委員 わかつているというならば、この審議もいらない。全部信頼するわが党の政府にまかしておきます。国民的期待の大きな——およそ期待はずれということぐらい反対に動く心理はないのであります。信ずるものに重切られたことくらい、その反動の恐ろしいことはないのでありまして、われわれは絶対多数党を擁して農村に基盤を置いている自由党が、今度は安定より復興への基本的な年次計画を持つた政策を断行してくれるという期待に燃えております。従つてこの問題を中心にしてとくとひざを交えた審議をいたしたいという意図から、昨日、本日にわたつた会議があるのであります。次官にして大臣と相談してやろうという誠意がありますならば、ひとつ大臣に直接談判をしてれわずかな時間でもいいから、ここに来るだけの誠意があつてしかるべきだと思うのでございます。私の希望としたならば、見えるまでは幾日でも動かぬ、こう言いたいのですが、交渉をして出てもらうという余地はありませんか。

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川説明員 大臣に一応連絡さしていただきまして、御回答を申し上げたいと思います。

小笠原八十美自由党

○小笠原委員 ちよつと大蔵政務次官に私は伺いたいことと、申し上げたいことがあるのだが、次官の冒頭のごあいさつは、つとめて今後、大臣と連絡をとつて、委員会の要求に応ずるようにいたしたい、こういうことを申されましたが、これはあなたのお立場としてはごもつともなことでありますが、しかしながら大蔵省ぐらい委員会の要求に応じないものは、かつてどこの省にもありません。その空気をあなたはよく御存じないでしようから、よく大臣にも、局長連中にも、徹底するように連絡をとつていただきたいと思います。  もう一つには、一体大蔵省というところは、この委員会あたりをなめてかかつて、ここでどんな議論が出ようが、どんな意見が出ようが、そんなことは少しも歯牙にもかけない。そんな記録なんか見たこともないし、もしあなたが話をしても、ああそうかと言うだけで、その問題を重要視して、それを元にして議論するというようなことは一回もないでしよう。その空気をあなたが御存じなければ、次官として大臣の代理に出て来ても、これは実際むだです。われわれの決議を否認するような局長がいるのだ。その局長をとつちめれば、その局長を何とかするといつてわびをしておつて、大臣が処置するといつてそのままにしておいて、しやあしやあしているのだから、そんな空気で委員会でいくら足立君が熱弁をふるつても、八木君が野党同様な攻撃議論をはいたつてちつとも響きはせぬのだ、むだなのだ。第一大蔵省の態度から改めて、大蔵省でも実際委員会の意見を重要視するという態度を現わさないうちは、いくら議論したつてだめです。ことに次官とか政務次官とかは、大臣がときどきかわるから、新しい人がひよつこり来ると、もうおもちやにするような気分でいる、それを許してはならぬのだ、政務次官は手前らにおもちやにされるかということの覚悟をしつかり持つて、前の速記録をごらんになつて、その始末をどうしたかということをちやんとのみ込んで、それをたたいてみて、それから御研究なされて御答弁なさるようでなくては、これはとうていだめなのです。大蔵省くらい重要なところはないばかりでなく、大蔵省くらい横暴をきわめる、わがままをきわめるところは、おそらくどこにもありません。この内閣をして誤らしむるならば、おそらくは大蔵省だ。第一この空気をごらんなさい、足立君といえども與党の人、八木君だつて與党だ、私もその一人だ、それが遺憾を表して、まつたく野党の立場で攻撃しなければならぬくらいの意見を、ここでみんなそろつてはかなければならぬ、それ自体がどうなのです、これをひとつ反省しなければ、とてもこれはだめだ、もうあきれ返つてしまつているのです。大蔵省は金ばかりはつかんで離さない、大きな権限だという、それが何としても西にも東にも動かないのだ。これで食糧問題を国民に満足するような決定も何もでき得べきはずはない。この暑いところを委員長はいくら開いても、大臣をひつぱつて来なくてはむだですよ。実際これはほんとうにつまらぬことだけれども、言うだけは言う。よく大蔵次官は前の速記録を見、また今までの経過等をお調べになつてください。大蔵省内部の者はあんまり強情だ、とてもひどい。連中の頭の切りかえを大臣と一緒になつて御研究なさつていただきたい。その回答を、大臣と二人で相談して御返事願いたい。それによつて私もあとで言うべきことは言うし、申込むべきことは申込む。改めさせることはいや応なしに改めさせなければ、国家のためにならぬと考えておりますから、十分ひとつと御検討願いたい。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 西川さんは滋賀県の選出でございまして、滋賀県は御存じの通り、ほとんど農業で立つておる、所であります。従つて農業問題に関する対策は十分お考えになつておられると存じますので、この際特に伺つておきたいのですが、あなたのさいぜんからのいろいろな御答弁を総合しますと、農林省では土地改良その他公共事業関係の予算を昨年の約十倍要求しておる。しかしこんなことはとても今日のわが国の財政上不可能だということになりますと、本年要求しております予算が承認されることによつて大体一割近くの増産ができるという一つの見通しの上にこの予算は組んでおるのです。そうするとこれをあなたの方は削るということになると、明年度の年間の主要食糧は、外国からの輸入によつて大蔵省はまかなつて行こうとするのか。まずこれを伺いたい。

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川説明員 一割増産の問題につきまして、また自給の問題について歳出面はただいま検討中でございますが、その予算面におきまして、必ず増産するならばそれだけの予算が必要になつて参りますから、ここは十分に検討して参りたいと存じます。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 昨日そこにおいでになります佐竹主計官のお話では、事務的ないろいろの予算的措置の検討を今やられておるそうですが、それによりますと、自由党は千億の減税を公約しておる、また大蔵省としても何とか減税を具体化したい。一方災害復旧その他やむを得ない必要経費というものは、どうしても計上されなければならぬ、そういう関係から、かりに国除情勢がどう緊迫化しようとも、食糧増産に必要な経費を、この際特別に増額するという処置は要務的には困難だ、こういう大体の御意向のようでございます。そこでわれわれは、その考え方はこの際政治的にも何とか解決しておかなければ、東亜の政局きわめて重要な事態になつておりますので、そこで今私が伺います通り、これはかりに朝鮮事変が朝鮮だけの局地的な問題として解決しましても、依然として年間約三百万トンの不足食糧が必要でございます。大蔵省としては、国内増産に多額の金を使うよりも、補給金を出しても外国食糧を輸入じた方がいいとお考えになつておるか。この問題はわが国食糧殖産の基本的な問題で、ございまして、特に西川さんのように商売をやられておつて、長いことそろばんで大きくなられた方でありますならば、食糧を国内増産の計画を立てて、それだけの投資をいたしますならば、ここ数年を経ずして、それだけの元はとりもどすのだ、はつきりそろばんはこう出ておるのだ、何も外国食糧にたよる必要はない、国内自給体制を十分立てて、それが完成されるまでは国家投資をし、金融の措置を講じて増産をやるべき必要がどうしても起つて来る。万が一事態が急迫した場合においても、国民は安心しておれるという、国内食糧の国内基本対策というものがそこにでき上ることが必要なんだ、それをあなたに聞いておる。どちらにするのだ。これは政治的な、根本的な問題でありますから、これをまず明らかにしてもらわぬことには、議論は進みません。あなたを選挙された滋賀県農民のほんとうの気持を考え、またわが国国民経済の立場から、どちらがいいかということをあなたに伺つておる。

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川説明員 もちろん食糧自給ということは絶対的なものでございます。しかしながらある程度は食糧を外から持つて来ることを、全然やめることはできないと思いますが、この食糧増産につきましては、限られましたところの財源でありますから、でき得る限りその方向に集中いたしましてそうして増産に充てて一日も早くこの日本の食糧自給ができますようにやつて参りたい。こういうように考えております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 その気持は了といたしますが、しかしながら今までの政府のとつて来ました態度は、まつたくあなたの今の気持と違うのです。年々農業災害及び農業公共事業予算は削減し、農業金融は引締めてそれで農業だけに大きなしわを寄せて来ており、わが国の農業生産は年々縮小生産へ持つて来ている。今あなたの言われることとまつたく違うのです。多少国会がやかましくなり、国民がやかましくなりましたから、この芦にこたえなければならぬとして、私ども今ここであなた方の心持や、大蔵省の予算編成の考え方を仄聞すると、大体昨年のたかだか二倍になつたらいいところだというぐらいの腹じやないかと、私はにらんでいる。そんなことでは今日の時局に対応できない。この八千万国民を養うことができない。私は昨日も申したのですが、われわれは国民の負担の軽減をはかるということは、これは当然考えなければなりませんが、しかし自分の生活なり、国の将来ということを考えて、その不安のなからしめるようなことをするためには、しばらく市税であつてもがまんをしてもらう。そのかわりこの事業さえ完成したらば、その政策さえ具体化し、実現したならば、必ず約束は実行するということで、ここしばらく多少の重税を課せられましても、大きな目的を果すためでありますから、この際公共事業のわくを、千億という一つの限定したわくにきめずに、これを千五百億ないし二千億にふやしまして、それで当面する火急の問題を解決することこそ重大ではないか、こう考える。その自信があなたにあるかどうか。軍に大臣に相談してとか、あるいは他の関係方面に相談してとかじやなしに、あなたも大蔵政務次富を引受けた以上は、そしてこれを実際重大だと考えた以上は、このおれの意見が通らなければ、責任をとつてやるというぐらいの腹でもつておやりになつたら、必ず成功するのです。その確信と自信があなたにあるかどうか。これは何も農業だけ特別にどうしようと考えていない。わが国国民生活全体の上からわれわれは考えているのですから、結局この問題が解決されなければ、都市工業も貿易も一切だめになつてしまうのですから、この点を十分あなた方に御理解を願つて、ひとつ腹をすえてがんばり通せるかどうかということをひとつ伺いましよう。

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川説明員 先ほどから二十六年度の減税の問題についていろいろお話がございます。私はこの減税というのは国民の生活の水準を上げるのに一つの重大なる要素だと思つております。でありますから、今日の高い日本の税率も、やはりでき得る点において下げるべきものではないか。それと同時に食糧問題にもこれ以上に集中して生産の増加もやつて行かなくちやならぬと私は思うておるのであります。先ほどからおつしやつていただきました私の決意に対しては、私は十分御好意を受けまして、懸命なる努力をいたしたいと存じております。

河野謙三自由党

○河野(謙)委員 先ほどから農林予算の問題をめぐつていろいろ論議がありました。この論議は主として食糧の増産、自給度を上げる、さらに自給自足の線まで持つて行く、これが現在の国際情勢では非常に緊急を要する問題である、こういうことであります。もちろんこれに間違いないと思うのですが、さらにもう一つ重大な要素としては、われわれがこの農林予算の問題について非常なる決意をもつて政府に当ろうという最も根本的な問題は、少しく私見に入るかもしれませんけれども、農村の経済、農民の生活安定、これをまず一日も早く解決しなければならぬ、こういうことであります。私がいまさら申し上げるまでもないのですが、御承知のように、戰後の農村というものは全人口の半分を抱えている。土地はふえていない。資本は、通貨の面だけで申しましても、終戰直後において約半分の通貨を持つていた農村が、現在では一五%ないし一六%に減つている、こういう状態であります。そこで資本と労力と土地とのバランスが非常に乱れている。かように乱れている部門というものは、工業、商業、農業を通じて、農業が最もひどいじやないか。これを歴史的に見ましても、革命後のロシアが農村に向つてとつた態度、中共の態度、また最近は南方諸地域の農村に対する政府のとつた態度、これらがいずれも国の復興を農村の犠牲においてのみやる。この歴史的に見れば、ほとんど定石的な政治を日本もまたやつている、その結論が今言うロシアであり、中国であり、南方諸地域の各農業国であつてそれと同じ結果になるじやないかということを私は恐れるのであります。われわれはこの場合農林を担当しているので、農林省のことだけやるのだ、農林予算の要求だけすればいいのだ、單にわれわれは農林省と妥協するだけじやない。その点は誤解のないようにしていただきたい。われわれは現在におきましては、少くとも日本の農村の経済を安定し、農民の思想を安定させるということが政治の全部であり、これ以外に政治はないと私は思います。この意味合いにおきまして、われわれは農林予算の問題をやつている。少くとも平面的にふやすことのできない地域は、立体的にふやす、そして全人口の半分を抱えた農村に、少くとも職を與え、資本を投入し、国家財政によつて農村を救うことをやらなければ農村の人口のはけ口はないのであります。御承知のように、明治から大正、昭和を通じまして戰争が始まるまでの農村といもうのは、その人口は少しもふえていない。千三百万ないし千五百万の人口で、明治から大正、昭和の戰争が始まるまで少しも動いていない。ちようど伊豆の初島と同じように、農村は明治から大正、昭和と戰争の始まるまで收容人口は常にふやさない。ふえる分は工業とか、商業とか、あるいは海外移民によつてこれを吸收しておつた。こういう状態で細々ながらも日本の過去の農村というものは安定しておつた。ところが、その農村の人口問題が解決つかなくなつた、そこに大きな農村の恐慌問題が起き、また将来の恐るべき農村の、思想の惡化というものが起つて来ると私は思う。その問題を中心にして私は特に今回の来年度農林省予算につきましては、もちろん全面的ではありませんで、重点的に農村の経済を安定させ、日本の思想を安定させて、日本の復興の基盤をまず農村に置く、そして私が先ほど申し上げました世界の各農業国のとりました過去のあやまてる政治の跡に続かないようにしなければいかぬ、こういうことであります。そういう意味合いにおいて、先ほど次官は大臣ともゆつくり相談するということでありすが、單にわれわれ食糧の自給度を高める、食糧の自給自足をやるということだけで、これをやつているのではないのであります。それにプラス今申しました大きな政治問題として扱つているということを、ひとつお含みおき願いたい。なお私が申し上げましたことについて、もし政務次官が御意見がありましたら、この機会に伺つておきたい。もし御意見がなければ、先ほどいろいろ御決意をお述べになつておりますが、さらに一段と固い決意をもつて、この農村予算の実現に向つて努力していただきたい、かように思います。

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川説明員 お答えします。ただいま仰せになりましたお言葉は、私も同様に感じております。お言葉をよくいただきましてその方面に懸命な努力をいたします。

八木一郎自由党

○八木委員 河野君のお話に関連して、御参考までに申し上げ、次官の所信をただしたいのであります。ない財政資金の中から必要性を認めて何とかしなくちやならなぬという線で、しかも今河野委員の述べられたように、さんたんたる、民度の低い農業本位の国のような形にならないようにという配慮から、われわれはいろいろの形において、アメリカの資力、経済力によつて日本農業の再建復興をする、何か手近な道はないかというような点で、検討、研究を進め、調査をいたして握りますと、ちよつと皮相な、卑近なことでありますが、アメリカ農業に学ぶ点はない、なぜないかというと、あまりにかけ離れた、三千年来いわゆる肥だめとすきくわでやつて来た農業は、アメリカの農業組織、規模の大きいのに驚いて手が出ぬ。どんなふうだといいますと、山崎渡米議員団長の言葉をかりますと、山のてつぺんにもつて行つて大きな肥だめをつくつてやる。これは日本式に言えば肥だめだが、よく見るとこれはダムである。そのダムのわきに肥料会社ができておる。そこでできた肥料は、有効成分としてそのダムに投下して、その水を灌漑排水して土地改良をやつている。従つて八木さんは、ちよつと学ぼうといつてもどうも学びかねるという話をしておりますが、これはまさにそういう隔世の開きがあるでしよう。飛行機で種をまき、飛行機で消毒するという所ですけれども、この国が三十年、五十年の長期年賦にわたる資金を投下いたして、私企業的に採算面をにらみながら、財政援助を加えておるというところには、私どもは大いに学ぶことができるのではないか。もし、どうしても財政投資のみに依存することができないという場合に、すぐこれを公式論で増税に考えなくても、外資導入あるいは見返り資金等の活用を、国民食生活の改善と増産に向けるのだという腹があるならば、今申したように、三十年、五十年の長期の投資を考え、その利子補給等の線を財政で見て行くというようなことも、当然くふうされるので、さような角度から私どもは過去における農政全般を特に見て参りました際に、インフレの盛んな時代はいたし方ありませんけれども、インフレを收束して、安定から復興へとなれば、当然これも考えてやれるはずだ、こういうふうに見ておりますが、この線に沿うた構想が何かありますかどうか、今思いつきの程度でもさしつかえありませんから、直接次官のお品から伺わなくても、御出席の政府関係の方からでけつこうでありますが、それを承りたいと思うのであります。

佐竹浩大蔵主計官

○佐竹説明員 説明員からお答えいたします。ただいまのお話まことにごもつともだと存じます。日本の農業の生産性を向上するための機械化を促進しなければならないという点については、われわれもかねて農林省ともまつたく一致した意見を持つておるのであります。現在におきましても、大規模の土地改良、すなわち灌漑、排水事業におきまして、相当大きなダム工事等も農林省で施行されるようになつて参りました。そしてまたこの建設機械の使用につきましても、この数年来急速に進歩を見たという状態でございまして、今後ますますこの農業生産力向上のための機械化促進については、非常に明るい見通しがあるのではないかと考えるのであります。なお財政投費のみをもつてしては、長期にわたる資金の調達は十分に期待することはできませんので、何とかして農業金融を疎通させる道を考えねばならない。アメリカにおいても、相当大きな投資が金融部門から農業部門に対してなされておるようであります。農林省で提案されました農林漁業金融金庫のごとき構想は、日本の実情から見ましてもきわめて必要なものではないが、もしそれがなかなか実現し得ないという場合には、たとえば現在の農林中央金庫を使つて融資をして行く場合に対して、利子の補給を財政から見るかどうかというような問題も出て来ると思うのであります。いずれにいたしましても、去る七月十一日の来年度予算編成に関する閣議決定の線に沿いまして、農業金融の疎通については、一段と努力をいたしたいと存ずる次第であります。

八木一郎自由党

○八木委員 着想はあるが、その緒につきかねておるというお話である。農林漁業金融公庫のごときも、そこに着眼をして作業を始めたということは開いております。しかしきよう当の農林省の所管官房長が見えておりません。その農林漁業金融公庫などという案は、私どもの聞いたところによると、これもお茶濁しの案であつて問題にはならないという気がしておる。と申しますのは、五十億ほどを資本といたして、これに何十倍かの公債資金の発行というものを認めて、これをもつて第二農林中金的な性格で、農業開発を総合的ないわゆる国土開発の重大施策でやつて行こうということであるようでありますが、どう計算しても、さようなものではお茶濁しだと思つて、その五十億の財源はと聞いて見ますと、三十億は蚕糸関係から出て来る。私どもが第四国会以来やつて来ております三十億のはからざる收入がここに出て来たわけであります。この三十億をもつて充て、あとの二十億は何か充ててみるのだといつたことにあるらしい。かような三十億は、蚕糸の線で先般農林大臣と確約いたしておりますように、国際民主勢力の期待にこたえて、どうしても日本は、蚕糸の安定国策を立てなければならぬ。これは一昨々年あたりのローマ会談で明瞭のように、海外の需要国からの要求が来ておるが、独占の思想が多数を占めて、蚕糸の線を曲解して、需要国側の要望をいれようとしない勢力が一部にあるのであります。そこで国際民主勢力は、この秋にニューヨークで蚕糸のみの国際会議を開いて小麦の国際協定におけるがごとき線をはつきりして、われわれが言つておる線を支持しようとしておる動きが見えておる。それには必要財源が二百億に対して三十億あれば——二百億ですけれども、今の相場ならば四百億であります。これに携わる農民の婦女子の労働力は、私どもはおそらく延八千万と数えております。三百五十万の婦女子が自家労力で副業的にかように外貨獲得の仕事をしておる。この四百億の外貨獲得によつて、しかも安定国策が軌道に乗つて、需要国国際勢力の期待に沿うことができるというのならば、立ちどころにしてその食糧補給金等の問題も解決して、輸入食糧にも貢献する。農村の過剰潜在失業労力と言つては当りませんけれども、生活と労働と区別のつかない農村に、しかも婦女子がいそしめるかような特殊な事業があるのであります。その重要な仕事を蚕糸業関係者みずからが積んだ三十億で、ようやく国際的な希望にこたえてやろうとしておる、この三十億を持参金に考えて、二十億ばかりのものを出して、食糧、農村関係及び土地改良事業全部に向つての何か金融措置をやろう、これを第二中金的な考え方でやつてみようなんというお茶濁しの案では、満足できないのであります。どんな構想があるのか、着眼しておることが私どもの今申し上げたような内容であるかどうか、これを開通して伺いたい。

佐竹浩大蔵主計官

○佐竹説明員 この案につきましては、まだわれわれ研究中でございまして、確たる結論には到達しておりませんので、われわれの見るところをはつきり申し上げるという段階に至つておりません。ただ農林省の構想につきましては、ただいまお話のありました線と大体一致しているのではないかと思われますが、ただ私の聞いておりますところでは、農業金融を大きく二つにわけて、いわゆる現在公共事業投資の対象になつている、すなわち土地改良ないしは適林等あるいは漁港の修築というような面のみを取上げて、これを金融公庫に依存する。それ以外の、すなわち営農資金でありますとか経営改善であるというような面は、従来とも引続き農林中金に依存するというように承つているのであります。考え方といたしましては、およそ農村、水産関係のあらゆる金融を、すべて一つの機関に集中するということは、技術的にもいろいろ問題があるのじやないか。その意味におきまして、いわゆる恒久的な施設に対する投資と、短期的な融資をわけて考える農林省の構想は、大体方向としては正しいものではなかろうかと現在考えております。

八木一郎自由党

○八木委員 財政のしりを金融で、金融のしりを財政でというふうに行かないで、これは一緒に財政金融離るべからざる関係に立つて、当然国の予算を組み立てなければならないと思うのです。そこで農林公共のようなものは、財政投資で当然やるべきだ、国さえ財政ゆたかならば、国土の半分以上は山であり、水であり、国民の半数も農民である、そうして国民全部の食生活を、一人で二人しか養えないという農業国ですから、財政投資で全部やつてしかるべきである。しかし、やれないので国家が肩がわりして、しかるべき見返り資金あるいは外資等を、国家の信用と負担等によつて、形をかえて金融でやれる方法をくふうする、こういう観点から着目して参りますと、今お考えのように営農資金その他のものはさておいて、長期計画に基く国土保全利用の総合開発、こういう観点から災害をも含まつて考えられる、こういう観点から、何か相当幅の広い、深みのある金融構想が、これと合せて考えられなければならぬと思うのです。昨日もちよつと片鱗を伺おうといたしましたけれども、なかなかお漏しにならないのですが、一緒に研究して行こうという誠意を持つておるのですから、新聞やラジオに出てからでなしに、ひとつ腹を割つて、率直に意のあるところをお答え願いたいと思います。

佐竹浩大蔵主計官

○佐竹説明員 ただいま八木委員から、およそ農業関係の公共事業に対する資金の投入というものは、財政投資によるべきである、多少私の聞き違いであつたかと思いますが、そのように承つたような気がいたします。その点につきましては、いろいろと考え方がございますので、私どもとしては何とも申し上げかねるのでありますが、ただ今日の公共事業投資の中を見ますと、いろいろな種類がございまして、すなわち大きなダムをつくる工事もあれば、片方においてはほんの二、三箇月で片がつくような、非常に小さな、たとえば農道でありますとか、客土でありますとかいうようなものもございます。そこで全体としてこれを見れば、やはり農業の投資というものは收益性が必ず伴うものでなくてはならぬと思うのであります。この点につきましては、八木委員もむろん御同感のことと存じますが、すなわちいくら投資をしてみても收益力が上らないということは考えられないと思います。一方において、たとえば川の堤防を直すとかいうようなことになりますと、これは実は收益というものが伴わないのでございまして、まあそのへんに考え方のわかれて来る限界があるのじやないか。收益の伴うものにつきましては、極力これを金融に仰ぐということが常道ではなかろうか。ただ何分にも今日の農村における資本の蓄積というものが非常に少ない。明治以来の歴史を顧るまでもなく、農村の所得、資本の蓄積が少ないというわが国におきましては、その点はアメリカのごとく資本主義化された国と、まつたく同一には論じられないと思いますが、しかしそれにしても金融に乗るべきものは金融に乗せて行くということが常道ではないか、こう考えております。

八木一郎自由党

○八木委員 今のお話に関連して、アメリカのような高度資本主義のまねはできないけれども何とか考えたいというお気持は、大蔵当局にも今あるようであります。財政のしりを金融で、金融と財政とをあわせ考えて行けば、何とか手がありそうなものだというところまではお考えになつているようでありますが、私はもつと突込んだ考えがあわせてできねばならぬと思う。そのべんは大臣が見えたら、腹の構え方ですから、伺いたいのでありまして、これ以上この点は、まことに困るのですが、このくらいにしておきますが、これと関連した問題で、きのうのニュースですか、二十七億の見返り資金、農業水利関係をようやく公表したというかつこうになつておりますが、あの作業が実績を上げた経緯にかんがみて、見返り資金を農林関係公共事業には、どういう着眼で利用しようと用意されておるか、その二十七億の内容と、今後に処する農林省の方向を、お漏らし願いたいと思うのであります。

佐竹浩大蔵主計官

○佐竹説明員 見返り資金の投資の運用並びに計画の設定につきましては、経済安定本部においてこれを調整するということになつておりますので、安定本部の方からお答えを願つた方が適当と存じます。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉説明員 御承知の通り、本年度の見返り資金のうち百十億は公共事業関係に使つてもよろしいという関係方面の了解も得まして、先般来その具体案をつくりまして先方と交渉中でございましたが、今日実はその見返り資金関係の資料を持つて来るのを忘れましたので、正確な数字は後ほどまた御連絡いたしますが、大体百千億の使い方の根本方針といたしましては、できるだけ一般の公共事業では、長年かかつてやつと完成するというような、大規模な河水統制関係、農業水利関係、こういつたものを取上げてやろうじやないかということに、閣議の御方針がきまりまして、大体農業関係におきましては、金額で申しますと、純粋の農業関係、山林、漁港、こういつたものを含めまして、大体三分の一程度がこれに使用されておるはずであります。なおそのほかに河水統制関係も約三分の一くらいになると思いますが、河水統制関係の目的も、主として洪水を防禦すると同時に、農業水利関係にこれを充てようという目的がございますから、大きく百十億の予算の使い方を見ますれば、大体その六、七割が広義の農業関係に使われておる、こういう状況であろうと思います。  そこで今百十億のうち、どの程度それではもう配布されて使う段階に入つておるかと申しますと、まだ最後的に決定を見ませんのが九億なにがし、約十億がまだ関係方面の最後的了解を得ていないものがございますが、大体百億余りはすでに関係方面の了解も得まして、今日までに配付申請をして得られたものが、第一次的に約六十億見当、今度新聞でごらんになつた通り十七億余りで、約八十億見当は大体向うでも使つてもよろしいという段階になりまして、着々その方も進んでおるという状況でございます。二十五年度はさような状況でございましたが、二十六年度の見通しはどうか、こういうお尋ねは当然あろうかと思うのでありますが、二十六年度においては、見返り資金の総額はまだ決定されておりません。従つて的確なる見通しはまだできませんけれども、しかし見返り資金が若干総額において減るであろうという二とは、当然予想されます。しかしながら本年度その非常に大きな部分が債務償還に充てられたものにつきましては、明年度は総額は減つても、見返り資金から債務償還はだんだんやめようじやないかという大体政府の意向のように、私聞いておりますので、債務償還を除いたところで、産業投資に実際使用される額は、昨年よりも、私の見通しとしては、ふえるとも減ることは万なかろうかと存じておる次第であります。従つてそのうちの相当程度は、私は依然として公共事業関係に使われるものと予想しておる次第でございまして、公共事業に使われるものにつきましては、御趣旨の点もございまするので、来年の一割増産という大目的に向つて、われわれはできるだけ農業増座関係、なかんずくそのうちの大規模農業水利関係につきましては、今年以上にそういつた方面に予算の配分も考えて参りたい、こう考えておるのであります。

八木一郎自由党

○八木委員 見返り資金の百十億は非常に手間どつて遅くなつたが、大体めどはついておるということは、私も承知しております。その経験にかんがみて、明年度の対処の道は開いてあるから、性格論は必要はなく、ただ金額をそこへ持つて行けばいい。しわを寄せて行けばいい、こういう関係に関係方面との交渉経緯がなつている、こういうふうに承知してさしつかえないかどうかお伺いしたい。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉説明員 ことしの予算のつけ方でございますが、たとえば道路関係にも相当の予算がついておりますが、大体道路関係は今年度で完成すみというようなところを選んでやつております。しかし河水統制、それから大規模農業水利につきましては、ことしの第一期としては、大体三年くらいかかるといつたものについてやつております。従つて関係方面にわれわれが資料を出す際も、初年度として、今年は、全体に六億かかるならば一億であるとか、あるいは一億五千であるとか、こういつたことで今年で完成しない大規模のものについては、継続的な予算を立てまして先方に交渉してございまするので、はつきり来年度以降も必ずその年度割額を今日出してやるということは、確たる向うの了解は得ておりませんけれども、われわれの底意としては、こういつた計画のうち、三箇年計画は三箇年のうち初年度こうですぞということで向うに出してありますので、見返り資金について大きな変革があればともかく、われわれはそういつた計画のもとに出して初年度が認められたということは、来年度もそういつた大規模な継続関係の費用につきましては、大体了解していただけるものと信じておる次第であります。

八木一郎自由党

○八木委員 見返り資金と農林公共事業の関係は、相手のあることでありますから、一応その程度で了承しておきますが、金融についてはどうしても満足できないのであります。どうも考えて肥る、いい方法だから考えておるがというのでなく、もう少し割つた話を聞きたいのですが、これは今出ておる説明員ではできないので、かわつてだれかから聞きたいのです。

野原正勝自由党

○野原委員 八木君の質問に関連して見返り資金のことをちよつと一点伺いたいと思います。大規模農業水利事業等に対しまして見返り資金を使うことは、たいへんけつこうなことでありますが、私は見返り資金の出し方について、実はふしぎに考えておる点があるのであります。それと申しますのは、現在の日本の食糧問題、特に朝鮮事変以来非常に大きな問題になつておるわけでありますが、国内食糧自給態勢の確立という問題に関連いたしまして、大急ぎで食糧増産の効果の上るようなものに対しまして、政府の財政支出はもちろんのこと、その別個の面として、見返り資金等が導入されるべきものでありまして、その線に沿つてやつておられるということは、今のお話でもよくわかつておるのでありますけれども、実際問題として、三年もしくは五年もかかるようなものに対してやるよりも、今すぐに完成できるようなものに対しておやりになつた方が、もつとよかろうと思う。実例を申し上げますと、昭和二十一年以来始めておりました岩手県の山王海のダム、これは昭和二十五年に完成を期してやつた。ところがいろいろな財政関係で明年に繰越しになるわけであります。ところがこれが予算面で非常に実行が思うように行かない。今年も少くとも貯水のダム工事だけは、予算さえあれば完全にでき上る。先般その点に関しまして、農地局の方面では、一生懸命に見返り資金の融資をいただきたいという要望をしておつたようであります。それがどういう事情かオミツトされた、そういうような例がほかにも多くあつては困る。非常に効果の上る、本年で必ず完成できる、来年から三万石以上の増産がすぐにも期待できるようなものに対して、どういう事情か知らぬけれどもう見返り資金から削除されたというようなことでは、非常に困るのでありますが、今後の見返り資金の配分につきましても、あるいはまた国家の財政支出におきましても、食糧増産にただちに効果の上るような、そういう緊急のものに対しまして、超重点的にやつてもらわなければならぬと思いますが、安本の御方針や、また佐竹主計官がおられますが、大蔵省側のこういう事業に対するお考えはどういうお考えか、一応お伺いしておきたい。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉説明員 御趣旨まことにごもつともでございまして、私たちといたしましても、ことしの公共事業の見返り資金の配分につきましては、大体御趣旨に沿うて採用箇所をきめておるような次第でございます。大規模と申しましたが、全然今まで手もついていないようなところを新規に取上げたというようなことは、ほとんどございませんで、従来手がけてやつておるが、一般公共事業費をもつてしては、なかなか完成いたさない。これをどかつとつければ——今までのようなことでは、あと十年かかつて完成するかどうかわからぬというようなものも多少ございまして、これらをひとつ單年度でできろものは、なるべく單年度、できないものもやはり二年か三年までのところで完成したいということで、大体今まで手がけておつたものを速度を早めるという意味において、一般の公共事業費としては、なかなかそういつた大きな金額がつかぬというものを、この際思い切つてつけようじやないかということで、大体やつておりますが、ほかに今御指摘のような山王海のダムの問題も、今度の選定の場合には、有力なものとして載つたわけでありますが、やはり全体のわくの関係等で、今年のわくには入らなかつた次第であります。これがあと一億ぐらいあれば完成してほんとうに経済効果も出て来るということも、われわれは十分承知しておりますので、明年度におきましては、見近り資金でこれを取上げるか、一般公共事業費として取上げるか、いずれにいたしましても、なるべく早くこういつた経済効果の上るものは完成するように、明年は予算をつけて参りたい、こう考えておる次第であります。

野原正勝自由党

○野原委員 今具体的な一つの問題になつたのですが、来年度ぜひやるという点は、これは確約をお願いしたいと思いますが、それにつけても、現在仕事をやつておりますが、本年の予算では、すでにもうこの八月一ぱいの工事をやると予算全部を食つてしまう。ところがあの大きな仕事をやります関係で、非常な施設がいる。その施設を維持して行くだけでも、相当な経費がかかるのでありますが、今せつかく仕事をしておるのに、大勢の労務者を分散させる、いたずらに技術者その他が来年の雪解けまで、新しい年度まで待機しているということは、まことにどうももつたいない。施設を維持するだけでも一箇月二百万円以上の金がかかるそうであります。私先般あすこの現地を見て参りましたが、はなはだ遺憾であります。こういう所こそ、一刻も早く完成させて、いろいろなケーブルの施設であるとか、その他の貴重な資材、金額に見積ればおそらく一億円以上かかつておりますああいうような施設を、ほかにまわす方が、よほど効果が上ると思う。だから何とかして本年度において何らかの予算的措置を講ずる考え方があるか、この点は農地局長からちよつとお伺いしたいと思います。

佐野憲次農林事務官(農地局長)

○佐野説明員 御承知のように、本年度の予算は各地区に配当が決定をいたしておりまして、余裕はないのでありますが、ただ今回見返り資金のつきました地区等につきまして、若干既定の予算を他に流用するというようなことを考えて参りたいと存じております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 農林大臣の御出席がないようでありますので、農政局長なり関係の大蔵省の係の方に伺いたいのでありますが、先般の閣議において食糧の一割増産ということが御決定になつた。しかしまだ正式に私どもはその構想と申しますか、概要というものについては承つておらない。本日この「来年度農林予算の要求概況」という資料をいただいたのでありますが、この中において、いわゆる一割増産確保に該当するものが含まれておるとは大体想像できますが、とても煩雑で私どもこれを検討する余裕もありませんが、これはどういう関係になつているのか、一割増産の確保に対するところの予算は、この中にどういう形において含まれておるか、それを知る資料があればこれを承りたい。公共事業との関係においで特にそれを知りたいのであります。この点を最初にお伺いいたします。

藤田巖農林事務官(農政局長)

○藤田説明員 ただいまの御質問は、お配りをいたしております「昭和二十六年度予算における主要食糧一割増産を目的とする諸施策」この資料についてのお尋ねかと存じますが、これは閣議決定に基きまして、昭和二十六年度予算において、主要食糧の生産量の大体一割増加をはかるという目的をもつて、積極的の施策を立てる、その予算によつて農林省の要求しておるところの予算が実現いたしました場合の経済効果というものを、個々の具体的項目についてとりまとめましたのがこれであります。従つて各項目についての予算の金額というものは、実はこれには載つておりません。これには別に農林省全体の昭和二十六年度に現在大蔵省で査定をしておられますところの資料とあわせて関連してみませんとちよつとわからないのであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 資料を今いただいてただちに判断することは困難でありますが、一番私の考えておりますのは、従来も増産運動というものはあつたのですが、これはまつたくポスターとビラの運動にすぎなかつた。その轍をふまないことを——おやりになることはけつこうでありますが、十分御留意を願いたい。そういう意味において昨日来問題になつておる、そういうポスターやビラの宣伝、いわゆる翼賛運動的な一割増産運動でなくして実際に緊急欠くベからざる農業公共施設の徹底、充実というところに、ここに一割増産運動と農業公共事業の予算との大きな関係が生れて来ておると思うのであります。ただこれは單に農地局であり、農政局であると、局がわかれておるからという意味でなくして、大きく農林予算として関係が生れて来なければならぬ。そういう意味において私どもとしては一割増産運動というものと、今度の農業公共事業費の予算の確保という問題を、非常に重視して考えて参るのであります。そういう意味からこれをお尋ね申し上げたのでありますが、公共事業の問題は先日来論議がされておりますからやめますが、いま一つこの一割増産運動にほんとうに魂を入れる問題があると思う。それは価格問題である。結論的に言うと、いろいろな農業施策の最後になつて、ほんとうに農民にじかにこたえて来るのは価格問題である。これによつてほんとうに仕上げができて来るのであります。ところが本年の新米価の問題にしてみましても、まだ基本的な算定方式すらもきまつておらない。大蔵省は大蔵省で国際米価へのさや寄せを主張しておる。しかしそれは、はたして農民の経済安定の立場からこれを考えておるのかどうかということは、私どもはすこぶる疑念を持つておるものであります。あるいは安本においては所得パリティー方式を持つておる。農林省方面では、現在までの価格パリティー方式を若干かえて、麦の超過倍率引下げによる余剰金の繰入れ、あるいは別な財源を求めて、現在の価格パリティーを若干補正して行く、こういうような考え方であると伝えられておる。一体もうすでに早場米の供出が始まらんとしておる今日において、この大きな食糧一割増産運動を来年において起すことは、最も必要でありますが、現実において、ただいまただちに問題として行かなければならないのは価格問題であろうと思う。これが結論であり、これが前提でなければならないと思う。これに対して基本的な政府の方針すらもまだ確立されておらない。非常にこれは私ども遺憾にたえないのでありますが、この一割増産運動に関連して、いかようにこの問題については進行しておるのでありますか。大蔵省の査定官もおいでになつておりますし、次官もおいでになつておりますが、この問題は予算との関係もあると思う。どういうふうに準行しておりますか、その状況についてこの際承つておきたいと思います。

藤田巖農林事務官(農政局長)

○藤田説明員 これは非常に大きな問題でございまして、大臣あるいはまた所管関係から申さば、食糧庁長官あるいは安定本部の長官、その他関係官から御説明を申し上ぐべき問題であろうと思いますが、ただ私どもそれに関係をいたしております一員として、いろいろ聞いておることを申し上げますと、新米価の決定の根本方針につきましては、お話の通りいろいろ意見が出ておるのであります。農林省自体といたしましても、いかなる方針でこれをやつて行くかという根本的な態度は、まだ決定をいたしておりません。しかしながらただいまお話のありましたように、価格の決定ということが一番重要な問題でございますので、これは当然案ができれば米価審議会にかけられることでありまして、急速にその手続を現在農林省としては関係方面と進めておるわけであります。なお今後の増産運動を展開いたします場合の私どもの心構えといたしましては、たとえば本年の冬、まきつけます麦の増産運動をまず展開させて行きたいと考えておりますが、そういう場合におきましても、やはり基礎となるものは、増産をいたしました結果できた麦が、はたして従来の制度通り政府買上げを実行し、無制限にこれを買入れ、しかも価格はどうなるか、ここのところが非常に大きな関心の的であります。それが決定をいたしませんければ、増産運動というものに、真剣にほんとうの腰が入らないであろうと私どもは思つております。従つて私どもが現在研究をいたしております麦の増産運動につきましても、基礎的なそういう問題をまず決定をして、それと合せてその態度を明らかにして、それに対して増産運動を推進して行きたいという考え方で現在研究いた上ております。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 大臣がおいでになりませんので、あまりむりな御質問を申し上げてもどうかと思いますが、関連いたしまして、今年の要求予算の中には、来年の米価と直接関係のあります平場米の奨励金というものは、繰入れてあるのでありますか。金額も相当大きいものでありますし、ちよつと今もらつた資料ではただちに見当がつかないのですが、どういうようになつておりますか。それからこれは大蔵省の方にお伺いしたいのですが、イギリスあたりでは補給金、補助金、助成金というものを打切つて、すべてこれらを農産物価格へ持つて行くという意見が強く、大蔵省方面としても、そういう意見に同調をされつつある。従つて大蔵省の米価案というものは、六千円説、あるいは五千五百円説というものがあつて、非常に反響を呼んでおる。そこで大蔵省は真に米価問題に対して、理解と認識を持つておられるように一部では考えておるのでありますが、私どもの杞憂するところは、今言つたように各種の補助金、助成金、補給金といつたものを打切つて、これを米価へ繰入れて行くという構想において、米価問題を取扱いになつておるのであるかどうか。大体農林省あたりの生産費米価論、あるいは米価審議会における答申が実現できないのは、いつも大蔵省の一つの予算案に当てがつて米価が一応制限されて行くからであるというふうに、われわれ従来聞いおるのであります。本年も一割増産ということが閣議で決定をされ、それがどう予算化されて行くかということは別でありますが、そういう従来の米価に対する考え方、取扱い方をするならば、一割増産運動は結局において精神運動にならざるを得ないのではないか。私はそういう点において、大蔵当局のほんとうの米価に対する基本方針は一体どうであるか、大蔵大臣がおいでになつておるならば、直接承りたいのでありますけれども、おいでになつておらないから、この点をお伺いいたしておきたいと思います。

西川甚五郎自由党大蔵政務次官

○西川説明員 ただいまのところ、米価につきましては目下検討中でありまして、ただいままだはつきり申し上げられないということで御了承願いたいと思います。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 関連して……。昨日私は食糧増産の総合的な資料を要求したのでありますが、本日農政局関係で、大豆、菜種の増産に関連する資料が出て参りました。これを見ておりますと、まつたくお茶を濁しておるといいますか、問題にならぬ増産計画でありまして、初年度において、わずかに大豆で三万六千石しか増産ができないというのであります。これもむりにこじづけてつくつたような案でありましておそらく実際これを実行した場合は、実際的な増産効果というものは、問題にならんじやないかと考えるのであります。そこでこれは農政局長直接の所官であろうと思いますが、大豆に関する考え方を、ひとつ真剣にもつと考えなければならぬと思うのであります。職後次第に大豆が内地において需要が高まり、また農家経済も、いろいろな関係から大豆が盛んに増産の傾向をたどつておりますけれども、大豆に対する政府の考え方——私はいつもこの委員会で申すのですが、政府の食糧政策は、主要食糧として米麦中心の食糧政策には、あらゆる金をものすごう使つても、かんじんの蛋白資源、油脂資源の増産についてはほとんど金を使わない。わが国の食糧が米麦中心の食糧であつたのでは、日本の国民の体力、また知力というものは、実際欧米に比して対抗できないと考えている。これは人口統計でごらんになつてもわかります通り、英国なりアメリカ、あるいはまたドイツ、フランス等の人間の壽命を統計で見ましても、欧米人に比して日本人は二十年も十五年も平均しますと早く死んでいる。これは一体何が原因しているか。もちろん、わが国の民度の低い、また文化の低いいろいろな條件もございましよう。しかしながら全体から考えまして、その食糧構成というものが一方に偏しているというところに、大きな原因があることは、これは学者間の定評であります。そこで権威ある人々が、わが国生活環境の改善と特に食糧関係のいろいろな研究をいたしました結果、総合栄養に持つて行かなければいかぬという結論がはつきり出ている。その重要な構成要素である蛋白給源の確保について、政府はまつたく冷淡である。特にこの植物蛋白の問題については、ちよつと手を入れれば、すぐ翌年多くの効果が現われるにかかわらず、これをやろうとしない。戰前わが国は満州大豆を約百万トン輸入しておつた。職後、御承知の通り、わずか十万トンかたかだか十五、六万トンしか入つておりやしない。あとはどうしておるかという問題である。ここにわれわれは国内において米麦を中心にするよりも、この大豆の増産に非常の力を入れることによつて、蛋白給源を十分補給することができるのでありますから、この点について、もつと積極的に予算を組みかえて考えなおしてみたらどうかという問題です。これは人間が一定の労働をいたしますためには、蛋白がどうしても必要であるというやむにやまれぬ要求がありますから、これを除いたのでは、人間の体力が持たないということになつております。これは私があなたにそんな説教をする必要はない。百姓は一升飯を食う、一升飯を食うというのは、からだがえらいから一升飯を食つておるのであつて、現実に蛋白をそれだけ要求しておる。これは米麦による蛋白を補給することよりも、大豆なりあるいはまた動物蛋白によつて補い得るんです。それだけ食糧の消費節約できる、これもはつきりしておる。そういうことから、いろいろ手もあろうと思いますが、ことに大豆の増産計画について思い切つた対策を講じてもらいたいと考えるが、これに対するところの御所見と、それからまた今足鹿君から価格問題についていろいろお話がありましたが、今日わが国が職人しておる外国大豆の価格と国内大臣の価格の開きを、あなたはどう考えるか。これも最近承るところによると、農林省の若い人々が、大豆の輸入について輸入関税を課する、こういう話で、国内大豆の増産を奨励することから、そういう意見が出ておるそうでありますけれども、国内に外国大豆に負けないだけの価格を設定して、増産をはかる処置をまず講じてから、それから輸入関税の問題になるのはいいのですけれどもう国内の増産計画を立てずに、またそれに対する十分な価格的処置を講ぜずに、今入つておる大笠に職人関税をかけるのでは、これはどうにもならぬ。そこで私の考え方は、大体今の価格を少くとも倍以上に引上げて、そうすることによつてひとりで増産ができるであろう。私は先般農林大臣に対して、大豆年間五十万トンの増産を計画しろ、それから菜種三十万トンをやれという要求を出したのでありますが、大臣も大いにやるという答弁をしております。それだから、あなたの方でそれに伴う、ひとつここ数箇年計画でもいいのですが、それを立てて増産をはかるというように、米麦だけに増産をたよるということよりも、総合食糧で増産をはかるように計画を立ててもらいたい。菜種、大豆等の植物資源について、ひとつお考えを伺いたい。同時に価格問題に対して一体どうお考えになつているか、これも後刻一緒に、どうもわしの方じやというのではなしに、積極的に、あなたの方の担当でありますから、がんばつてもらつて上げる方法をとつてもらいたい。これについてあなたの御見解を承りたい。

藤田巖農林事務官(農政局長)

○藤田説明員 大豆は油脂原料といたしまして、またみそ、しよう油のいわゆる蛋白関係の原料といたしまして非常に重要である。従つて特に現在のごとき食糧事情からいたしまして、米麦の増産を非常に重要視して行くことも当然でありますけれども、それ以外の菜種あるいは大豆等の作物についても増産をはかつて行くということは、きわめて必要であるというふうに考えております。それで私の意見を率直に申し上げますと、大豆の増産をする最も効果的な方法は、まず第一に大豆についての優良種苗を普及すること、つまり大豆の種によつて非常に影響するわけでありますから、いい種を普及することがまず第一点、それから大豆についての病害虫の防除、これを徹底せしめる、これが次の点であります。それから全体的に大豆の増産に対する農家の生産意欲というものを高揚しなければならぬ、それには啓蒙運動も必要であろうと思います。  なお先ほどお話がございましたが、価格の点につきましては、私の意見では、国内大豆は統制を撤廃する、むしろ統制をはずして自由な価格にするということが、やはり増産を刺激するのではないかと思つております。これはやはり対米価比率の関係その他からいたしまして、公定価格をもつて二倍、三倍に引上げるということは、これはとうてい不可能である。従つて現在は大豆はマル公価格よりも非常に高くなつておる。そういう点がいろいろの障害になつて来ることがあると思いますから、国内の大豆は、むしろ増産の見地からこれをはずす、はずすことによつて農家が大いに大豆をつくつて行く、こういうふうなやり方によつて行くのが筋だろうと思います。それで今回の予算も、そういうふうな線に浩つて実は組み立てたのであります。このうちの昭和二十六年度の大豆増産対策費というのがございますが、この二ページの、右に伴う増産効果というところをごらんいただくとわかるのでありますが、まず種苗対策をしつかりさせる。現在大豆の作付面積が約三十万町歩であります。三十万町歩のうちの六割につきまして、隔年更新をさせて行くというために必要な種を原種圃、採種圃の設置によつて確保する。大体この計画がその通り実現いたしますと、少くとも更新対象面積十八万町歩についてのその種というものは、隔年更新が確保できる。従つてその反收についても、大体現在の基準反收が約八斗ぐらいでございますが、それが約二斗程度の増收ができる。そういうふうな面について、優良種苗の確保ということを考えて行きたい、こういうふうに思つております。  それからその次の病害虫の防除でありますが、これにつきましては、従来大豆の害虫になつておりますひめこがね虫、これによる害が非常に多いのでありまして、これについては螢光誘蛾燈を設置いたしまして、これによつてひめこがね虫を防除する。なおそのほか、大豆の全体の面積について、DDT等の撒布によつて適期に一齊に防除しようというようなことも、この予算以外に別途に考えておるのであります。そういうことが実現いたしますと、相当大豆の増産には効果があるだろうと思つております。  なお農家の増産意欲を高揚いたします一つの手段といたしまして、非常に原始的なやり方でありますが、共進会というようなものをやりまして、各県で優良な大豆増産の効果を上げた者を選拔し、さらにそれを全国的に選拔してこれを表彰し、その機会において、大豆の増産の趣旨徹底をはかつて行くというようなことでやつて参りたいと思つております。  なおまた大豆の来年度の扱い方につきまして、これは現在関係方面といろいろ打合せを食糧庁あるいは安本方面でやつておられるわけであります。私どもの希望といたしましては、先ほど申し上げましたように、むしろ国内産の大豆については、統制をはずしてもつと増産を刺激した方が、かえつていいのではないかというように考えております。従つて予算は金額から見ると非常に少いような御印象を受けられるかと思うのでありますが、従来の大豆に対しての施策というものは、はなはだ貧弱であります。その点から比べますと、今回のこの予算が通ることによつて相当の効果をあげるというように考えております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 さらに一段の増産対策を考えてもらいたいと思いますが、この際特に、安本の公共事業次長がおいででございますから、先ほど八木さんからお話のございました農林金融の問題について伺いたいと思います。次長のお話によると、広く考えれば見返り資金の金融の約七、八割というものが農林関係に使われておる、こういうお話のはうに承つたのですが、少くとも私の存じておる範囲では、現在見返り資金からの農業関係に対する金融は、たかだか二十億くらいが認証されておるのではないかと見ておる。あなたのおつしやるように、山のてつぺんから川のしりまで考えれば、そういうことが言われるかもしれませんけれども、それはそれでおのおの所管違いますし、また考え方もいろいろかわつて参りますが、直接増産に効果があり、食糧確保に関係のある農業への見返り資金の融通というものは、問題にならぬ。あなたはそうは思いませんか。それをまず伺いたい。  それから預金部資金の農業への配分は、どういうぐあいに大蔵省や安本ではお考えになつておるのか、この金融の面についてのお考えもあわせて聞きたいと思うのであります。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉説明員 先ほど見返り資金の配分につきまして、農林増産関係についての分の概略の見込みを申し上げましたが、七、八割とは申しませんで、大体六割見当くらいが間接的になるのではないかと申し上げましたのは、狭い意味の農業水利関係あるいは農業土木関係、あるいは山林関係の砂防、それから漁港関係も取上げられております。そういうものは農林省予算として直接農業関係に使われる費用でございますが、先ほど私の申しましたのは、河水統制関係として、かなり大きな金額がダムの建設関係に使われております。このダムの建設は、一体どういう目的に使われるかということを分析して見ますならば、一つは消極面として、洪水を防禦することによつて破堤その他による農地の災害を防止するという意味において、消極的ではありますが、やはり農業生産に大きな関連を持つ、それから積極的には、ダムを建設することによりまして、それから水を引いて参つて、従来水の不足のために農業生産能力が低下しておつたところを水田にしたり、あるいは畑作灌漑にも用います。そういつた面かれこれ考えますれば、單に農林省所管に公共事業費がついたからというだけでなくて、ただこの河水統制に関する関係は、所管といたしましては建設省関係についておりますが、ひつきよう今の河水統制の最も大きな恩恵をこうむるのは、やはり農業生産関係ではなかろうか。これは積極面と消極面と両方ありますが、そういう面から私は申し上げておるのでありまして、これは單に見返り資金の関係だけではございません。一般の公共事業予算にいたしましても、あるいは昨日もお話が出たかと思いまするが、なるほど終戰後の農業予算の配分の割合等から申しますれば、純粋に農業と申して、農林省についた予算額は、特に山林と水産関係を除いた狭い意味の農業予算というものの比率は、確かに年々若干ずつ減つて来ておるということは、数字の上には出ておりますが、これもなぜそういつたふうになつたかということを申しますと、その一番大きな原因は、災害が最近非常に多くなつて来た、そのために昨年度の予算で申し上げますれば、全体で九百七十億予算のうち、予備金までまぜれば四百七十億、大体半分の予算が災害費に食われておる。災害によつて何が一番被害をこうむるかと申しますれば、これは申すまでもなく農地関係が一番大きな被害である。従つてその予算のつけ方は違つて参りましても、ひつきようするところ農林省についた予算だけが減つたから、農業関係に公共事業の関心が薄くなつたということは、私は申せないと思う。そういつた広い意味から申しますならば、所管は建設省についておつても、やはりそういつた災害関係の事業費、それからさらに河川関係——この河川関係は最近非常にふえておりますが、河川関係と申しても、その大部分はやはり砂防なり築堤などといつた河川改修関係に用いられる費用が大部分でございましてその目的も、一番はやはり耕地の災害をそれによつて防止する、こういう見地に立つのではなかろうか。そういう意味からいつて、今言つた形式的な農林省配分の予算がどう、それから建設省予算の配分がどうという見地だけからでは、農業に公共事業費のつけ方が少い、多いということは言えないのじやないか。そういう意味で、先ほどの見返り資金の配分の問題についても、実はきようその資料を持合せておりませんので、はつきり何億ということは的確には申し上げかねますが、大体論としてはそういつた点は申し上げられるのじやなかろうかと思います。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 御存じの通り、さつきからいろいろ質問をされおるのも、お聞きの通り、要は本予算において、政府の農業関係に対する、特に政府が閣議で決定いたしました食糧一割増産に対する所要経費が大幅に削られようとしておる。これは現実の問題です。せつかく農林省が閣議の決定を生かそうとして、具体的の計画を立てて、予算を要求しておるにかかわらず、実際はそれがまつたくペーパー・プランに終る危險性が現われて来る。しかし時局はそういう予算的処置というものは許さないから、どうしてもわれわれは今農林省が要求しておる増産計画の、もつと積極的な、もつと飛躍的なものをこの際はからなければならぬと考えておる。ところが政府は一定のわくをはめて、そのわくで勝負をしようと考えておる。そこでいろいろ議論をしておるのを聞いておると、結局は災害が大きいので、その復旧に金がいるということに盡きていて、少しも積極的な増産計画への手が打たれない。あなたの今の議論から申してみましても、災害が年々大きくなつて、その復旧をゆるがせにできない、だからこのために相当の金を使うのは、結局農業に使われたことになるじやないかということは言われるかもわかりませんけれども、問題は、政府投資が本年においてせつかく計画せられたものさえ、問題にならぬ額に切り落される危險が起つておることであります。これがもしわれわれが要求することが実現できない場合は、その裏づけとしては、当然この農林金融というものが考えられなければなりません。その面で見返り資金のもつと確実な、もつと速急な融通の道を、この際政府としては考えておく必要があると思う。それも依然として予算処置と一緒に、やはり災害が優先だ、あるいはその他の金融が優先だということで、農業関係をいつもあとに残そうとしておる。これはよくわかつているのです。あなたは二十四年度の見返り資金の配分関係を見てごらんなさい。問題になつていないじやないか。農業に一体何ぼ見返り資金を融通したというのか。問題になつていないのです。この点から考えてもらつて、われわれは両面から、いわゆる国家投資と金融とこの二本建で、当面する危機を何とかひとつ緩和する対策を講じたいという面で主張いたしておりますから、安本においてもぜひひとつその線で、国家が今何を要求し、国民は何を要求上ておるかということを静かに検討されて、われわれの主張が具体化されるように御努力を願いたいと思う。私は特にその点をあなたにお願いしておきたい。

足立篤郎自由党

○足立(篤)委員 私は先ほど予算確保に関する決議についての緊急動議を提出しましたが、議事進行の都合上これを留保されたのであります。そしてこれを留保すべき御意見を八木委員から言われたのでありますが、その際その趣旨については賛成であるという旨の御発表もあつたわけでありますから、この際私の動議をお取上げ願いまして、委員長よりお諮りいただきたいと思うのであります。なお先ほど、この決議案の起草につきましては、委員長より委員を御指名願うようにつけ加えて提案をいたしてございましたが、これは今回の予算問題の中心になる公共事業小委員会があるわけでございますから、この公共事業小委員会に一任あるように訂正いたしたいと思います。なお公共事業小委員会におきましてこの決議案の案文が決定されましたならば、当委員会において決定ありたるものとして、本委員会はこれに事前に承認を與えると同時に、速記録にもこれを載せるということについて事前の承認を與えられるように付帯的に提案いたしたいと存じます。先ほど私が動議を提出いたしました際に希望條件を付したのでありますが、これにつきましては、公共事業小委員会におきまして、決議案の起草にあたりまして、ぜひ御考慮いただきますように、重ねて希望を申し上げておく次第であります。

八木一郎自由党

○八木委員 土地改良を中心とする農業公共事業の重要性を、單なる農林関係予算確保のためと誤解されては困るのでありますが、昨日、本日両日にわつてこの点はおおむね解消しておると思います。ところがかんじんの政府から、責任ある所管大臣、特に大蔵大臣の出席がないために、私どもは、気持の上では大蔵大臣が出るまでは幾日でもここにとどまつて審議を盡したいのでありますが、それがかなえないというので、午前中からその交渉をしつつここに及んでいるわけであります。そこでこのくくり方については、昨日公共事業小委員において運営方針を協定いたしまして、特に別段の小委員会を開かないで、当委員会の中で筆頭議題といたして公共事業の審議を続ける。そうしてその結果は昨今両日にわたつて行われた討論の内容を重点的に取上げて、そのとりまとめ役に当委員会散会後小委員会を開いてこれをまとめる。そう上て今足立委員の御発言にあつたように、小委員会の成文化したものを当委員会で再開の煩を避けて、一切を小委員会に御一任を願うことができるならば、その成文化したものを速記録に載せることまで含めて締めくくりをつけていただく、こういうふうに委員長より委員各位にお諮り願つておいていただきたいと思う次第でありますが、小委員長としての発意で委員会にお諮りあらんことを提議いたします。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 私は今足立君の動議、並びに八木君のこれに対する賛成に反対をするものではありません。しかしながら、本委員会がこの休会中にわざわざ招集されましたのは、当面する国際政局の重要性から、国内食糧自給体制の確立というものが非常に重要であるという見地から、招集されておるのであります。これに関連する明年度の増産に関する政府の予算的措置、また増産に関するいろいろな具体化について、政府は本委員会に出席して、そのとろうとする決定の具体的な説明を行い、また国会の了解を得るということは、当然あるべきことである。しかるに二日にわたつて本委員会が開かれておるのに、農林大臣、安本長官、大蔵大臣は少しも出席しない。しかも現実に昨日論議をしておる結論は、せつかく農林省が苦心さんたんをしてその責任を果そうとした原案さえ、大幅に削減されるという事態に当面しておるのです。委員長はこれに一体どう処置しようとするのか。われわれは今足立君がどういうりつばな決議を政府に出そうとするか、内容を見ておりませんからわかりませんが、單に紙一片の今まで決議を幾らしたか。その効果は一体どうあつたか。そこで、これはあくまでも委員長としては、この国会に出された重大な任務というものを自覚されて、少くとも私はこの際大蔵大臣だけでも、本委員会に何はあつても出席を要求しなければいかぬと思う。それで大蔵大臣との十分な相談の上で、そこで政府として最高のひとつ御考慮を拂われたい。要求するのはいいのですけれども、全然顔を出して来ない。しかも今の西川政務次官はまつたくお話にならぬ。蚊や屋のおやじさんですから、蚊にかまれてふかれるという、まことに頼りない、話にならない。どうです委員長、あなた聞いておつてあれでいいのですか。これはあなたの責任になつて来ますよ。重大な責任になつて来る。そこでひとつ大蔵大臣のありかを探して、ここに出席を求めて、嚴重にくぎを一本打つておく。農林大臣は要求しておる側ですから、あまりむりを言えぬということがあるかもしれませんが、われわれは農林省のひいきをするものではありません。国会として当然の要求をわれわれはすべきものでありますから、しかも予算が各省の間で編成されてきまつてから、本委員会でわいわい言つてみたところで、與党の皆さん方にしましても、なかなか修正を出すということはできないことになるのです。編成されないうちに、十分な意見を国会として出して、国民の要求を織り込んでもらう予算を編成しなければいかぬので、そのためにわざわざ本委員会を招集して、暑い中御足労を願つておるわけですから、委員長としては、非常にこの取扱いは大事でありまして、今お出しになります要望書をあなたは委員長の責任において必ず実現してみせる。もし実現ができなければ委員長をやめる。これだけの腹をくくつて、前の小笠原委員長みたいに、ひとつがんばると言うならば、話はわかるのですが、この点まずあなたに伺つて、これが取上げられますと、どうせ決して散会と来ますから、その前にあなたの御決意のあるところを伺つておきたいと思います。

千賀康治自由党

○千賀委員長 私の決意をという今のお話でありますが、委員長は一人の存在ではなく、農林委員会の上の委員長であります。農林委員会の総意はこれすなわち委員長の意思でありますから、この点はそれより多くを説明する必要はないと思います。どうかそれは今の言葉で御了承おきを願いたいと思います。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 そうしますというと、委員長としてはこのまま閉会するつもりですか、それとも午後でも——もう午後になりましたが、大蔵大臣の所在を確めて、どうしても出席できぬということならば、われわれとしては委員長を信頼して、今足立君が小委員会にかけて発表しようとする案を、ひとつ委員長の御手腕におまかせをして出られないというのを綱をつけて引つばつて行くわけにも行きませんから、そこのところを委員長どうお考えでございますか、非常に重大でございまして、この次に来てやつたところでもう予算は大体きまつてしまうと思う。われわれは軽卒にしまつできないと思います。

千賀康治自由党

○千賀委員長 その点につきまして御報告申し上げます。先ほど西川政務次官もおりましたので、あらためて大蔵大臣を探して連絡をとることを努力いたしましたが、依然として連絡はとれません。そこで政務次官の判断からいたしまして、やはり午後も出席が不可能だと思つてもらいたい、こういう申入れであります。大蔵政務次官でさえも今の居所をつきとめることができない、連絡がとれないということであれば、もちろん私があらためて走りまわつてみたところで、あるいは事務当局の御足労を煩わしたところで、やはり同様の結果だと思います。晝から続行いたしましても、今日は大蔵大臣の出席は不可能だと認めております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 そうすると、委員長は大蔵大臣の意見を十分確かめることなしに、決議の具体的な実行について、当分東京でひとつがんばつてもらつて、農林大臣や、安本長官や、大蔵大臣に対して、農林委員会はこうこうこうで、わしが一切の責任を持つから、何とかしてもこいつは具体化してもらいたいということでがんばつてもらえますか。

千賀康治自由党

○千賀委員長 御趣旨に沿うて大いにこれは努力する決心であります。

八木一郎自由党

○八木委員 今の責任問題を私は大蔵大臣みずからが感じておらぬと思います。というのは昨日午前中で委員会を散会するときに約束した線が、次々に伝わつておるうちに消えておる臨時国会をさえ召集せよという国民的な声、これはいろいろな国際政局の動きに処して、内閣自体は考えを持つておるようであります。全国津々浦々から盛り上る国民の声というものは、私が勢頭に申し上げた通りであります。ようやくインフレーションを收束した今後に処して、安定から復興への長期計画にわたつての施策を必ず考えてくれるという期待をかけておる。この期待を裏切るということは、信じた者に裏切られる結果になつて、そのときたなつて責任の問題を追究しても遅い。ですから、その真意をいかなる形で大臣に直接伝えるかということをしりぞいて考えてもらいたい。私どもはこの意味で、問題の焦点である公共事業に関する小委員会を設け、私も乏しきにかかわらず小委員長という責任を負わされている立場からいたしましても、責任ある処置を大蔵大臣に伝える見通しを持たずして、ただ成文化したことだけは御一任はできます。けれども、それだけではどうしても私はもの足らない。私が大臣に来てもらつて伺いたいのは、政策を生命として立つておる政党政治の大蔵大臣であるから、財政金融、見返り資金、外資導入、その他の政策裏づけの面に向つては全面的に努力する。そうして少くともこの程度の案は実施するということに向つて行く熱意と決意があるかどうか、その表情を見れば私は満足する。その決意と表情を見ずにただ下るということは、国会中心の活動をしようとしておる私どもとしては忍びない。これは党人でありますから、党内活動もけつこうでありますけれども、党内活動では果せない。国会活動として、ここに国権の最高機関たる権威の前に立つて動いてもらいたいというのですから、そういう意味で委員長が引受けて善処しようというのかどうか。重ねてくどいようでありますけれども、その決意のほどをお伺いしたい。

千賀康治自由党

○千賀委員長 大体は八木君の言われる通りでありますが、一から十まであなたの御指示通りに私が行動し得るかどうか、それはここで言明はできません。われわれは非常にこの農林問題は大事だと思いますし、その決意に対しましても、あなた方と何も劣るところはございません。しかしより以上な国際問題が新たに進展して来るようなときには、その政策が必ずしもわれわれの言うことを今部取入れなければ、というようなことは、言えない事態もあるいはできるかもしれません。その点は、過去のあらゆる日本の政党政治の歴史に徴してみましても、そうは言えまいと思います。少しでも可能な範囲を推し進めるという点につきましては、あなたとまつたく同感であります。また可能な範囲を推し進めながら、われわれの考えていることを絶対的に実現して行こうという熱意も同様であります。しかしそれより先の、ほとんど神にあらざればわからぬ程度の変化までも、ここでお約束することができるかできぬか、それは私は不可能なことだと思います。

幡谷仙次郎自由党

○幡谷委員 時間もすでに二時に追つております。かようにまで全員が大臣の出席を熱望している以上、何とか委員長の力によつて出席を求め、できんければ全員をひつさげて大臣を訪ねて——いやしくも大蔵大臣が東京市内にいる以上は、行方がわからぬというようなことはおそらくないことだと思います。東京市中にきようは必ずいるわけであります。どこにかいる。われわれは全員をあげて、委員長の引率のもとに大臣に会見することが一番適切だと思います。ここでいつまでやつておつてもこれははてしのないことであります。

千賀康治自由党

○千賀委員長 お答えします。幡谷君のお説は非常に実際的なお説でありまして、これは可能だと思います。もちろん皆さんが晝から大臣の居所をつきとめて、一緒に面会を求めようということならこれはできると思います。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 われわれは單に大臣をつかまえて陳情するのじやない。国会として要求するのです。そういう処置ではだめなんです。やはり正規な手続を踏んで委員会を開いて、委員会の席で、やはり今八木さんが申されましたような、政府としての所信を明らかに表明するところに国会の最高の権威があつて、われわれが大蔵省へひよこひよこ頭を下げに行く必要は何もない。そこをあなたははき違えている。あなたが探しに行かなければ、私がこれから探しに行つて来ます。午後委員会を開く処置をとつてください。

千賀康治自由党

○千賀委員長 私は開会時間中、あるいは四時までとかいうような範囲でというなら、もちろん委員会に連れて来れると思うが、幡谷さんのお説なら、夜中でもあすの朝でも必ず会えるというわけで、これは可能性があることだということをお答えしたわけであります。四時までなら四時までに必ず大蔵大臣に会えるかどうか、その点だつたら今ここで私は言明はできないと思います。

八木一郎自由党

○八木委員 私はくどいようですが、昨日大蔵大臣が出席しないと、政策の裏づけになる予算に関係が深いのだから、今や農林大臣の要求している予算を査定するほど出世が早いといつた属僚まかせにしておいて、全部査定したら何のための参與だということになるので、どうしても政策のために生き、政策のために倒れる責任のある大臣の出席を求める、出席不可能なら次官に出席してもらおう、こういうことで、委員長の責任においてきのう散会を宣言した。しかもその宣言通りになつておらぬじやないか。

千賀康治自由党

○千賀委員長 それが不可能な事情なんです。

八木一郎自由党

○八木委員 不可能な事情になつて来たのなら、もう少しねばつて、この際散会しないで、この趣旨に沿うように、ひとつ委員長及び理事各位が委員会の権威のために御足労を願いたい。

千賀康治自由党

○千賀委員長 八木君の動議の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千賀康治自由党

○千賀委員長 さよう決しました。  次に足立君の動議に対しまして、八木君の御意見も加えて、御動議通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千賀康治自由党

○千賀委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。  暫時休憩します。     午後一時二十九分休憩      ————◇—————     午後二時二十五分開議

千賀康治自由党

○千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。八木一郎君。

八木一郎自由党

○八木委員 質問に入る前に議事進行上問題になつていた点をはつきりして短時間で済ましたいと思いますから、あえて伺いますが、大蔵大臣は昨日この本日の委員会に都合のつく時間に出てもらえるかという交渉を受けたかどうか、その点をまず明らかにしてもらいたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 きのうからきようにかけまして、御承知の緊急輸入問題並びに金融対策で関係方面と折衝いたしておりましたので、私の耳に入りましたのはきようになつてからであります。

八木一郎自由党

○八木委員 昨日、時間をきめて招集すると約束をした委員長の責任や重大である。公報を見て十時というから私は時間励行で、十時に行つたらば大臣が待つているだろうと思つてかけつけて来た。聞けば本日になつて承知したという、これはまつたく委員長の責任にあるということを了承いたしまして、次に伺いたいのは、時間はどのくらい割愛してもらえるかということを聞いて、それから内容に入りたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 国会が最高の何でありますから、お好みによりましていかようにでもいたします。

八木一郎自由党

○八木委員 かようにわかりのいい大蔵大臣を迎えて、この二日間に費した時間のエキスを、政治的な問題にのみ限つて伺いますことはまことに仕合せであります。そこで質問の要旨はきわめて簡單に進めますから、説明の方は丁寧に詳しくお願いいたしたい。  第一点は、二十六年度予算の編成の方針を、自由党の農政の線に沿つて閣議決定がきめられ、党の推進態勢をも加味し、またこれに伴う忙しい作業を盡して、今所管省でありまする農林省からは、要求予算なるものが一応できておりますが、この要求予算の細部については、事務当局で細目を検討している。そこで大臣に伺いたいのは、大蔵省の本分は予算編成の査定をすることにあると考える、第八国会の末期に大臣の口から言われたような、いわゆる二十六年度予算編成の構想に従つて、一定のわくをもつて否定にとりかかるのが大蔵省の所管事務である、こういうような感じを受けるのでありますが、この点はいかがでありますか伺いたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 予算の編成につきましては、入るをはかつて出ずるを制するとか、あるいは出る方から見て行つて入るのをかげんするとか、昔からいろいろな原則が言われておりますが、実際面から言いますと、両方にらみ合せてやらなければならぬと思うのであります。歳出面におきましては、予算編成方針に言つておりますように、本年はできるだけ積極的な方向へ持つて行きたいといと考えで、農林関係、文教関係あるいは社会政策的の考え方などを強く持つて行きたいと思いますが、何分にも国民の要望しておられまする減税ということも相当やらなければならぬのでございます。こういう点を勘案いたしまして、適当にわが国の経済力、また自立計画に合うような予算をつくつて行こうと、ただいま晝夜兼行で実はやつておる次第であるのであります。一定のわくというと少し語弊がありますが、やつぱり国民負担には限度がございます。それからまたいい仕事だからといつて、そう一年のうちにみなやつてしまつて、しかもそうしたあとが経済の自立に害があるというようなことになつても困ると思いますので、彼此勘案しながら、適当な方法でやつて行こうといたしておるのであります。

八木一郎自由党

○八木委員 彼此勘案はけつこうですが、昨日、本日にわたつて事務当局を通じて承知したところによると、総花的な考えが強くて集中的な八千万の国民の生命、財産に至大な線を引いて考えなければならないような国運打開の今日、ぜひともやらなければならないことは、自由党の党員の一人として、政策に生き政策に倒れるという線ならば、本年こそ安定から復興へのこのときに、まず食生活についての安定感を與えなければならない。そうして復興の面において、その他の産業に関するいろいろな施策も、食糧の点に不安を持つような形では相ならぬ。この点は農林省が要求しておる予算は、前年に比べれば十倍になつておるが、ばかなというような頭で見ないで、十年先を見越した明るい将来の前に立つて、しかも農業の用語で言えば、速効肥料的な施策を基本的な経済自立の線に合せて考えて行こう。あすあさつてに間に合う施策をやろうというふうに盛り込んで、ようやつとでき上つておる予算、この予算を見て、あたかも当委員会の発言は、農林省のまわし者にでもなつて、所管争いの一翼にでもなつて審議するかのごとき印象を受けた、といつてもわからぬでしようが、たとえば今おりませんが安定本部から出られた説明員の今泉君のごときは、建設に関する土木というけれども、たとえば河川、あるいは災害、その他いわゆる建設関係土木予算も、これはひつきようするに農業である。だから畑は違うけれども、広い意味の農業公共事業の一端であるというふうに見たいというような説明さえしておる。私はかようなことを討論する意思ではなくて、ほんとうに政府がやろうとする意思があるならば、そんななまぬるい説明でなく、專門的な立場から十分に議を盡して、私どもの政務調査会を通じて長い間の希望をもつて立向えるような案と取組んで来て、一応ここにでき上つて来ておるのです。そういう線から考えて、今建設当局が言うようなことを言つておるならば、農民は何と言うかというと、国民の半数を占めておるのは農民である。農民所得は二割五分である。その所得二割五分の農民が半数を占めて、やつと他の国民の半分を養つておる。財政支出が六千億であるならば、その半分三千億は当然農業関係に、直接財政投資、あるいは金融、その他の線からやつてもらつてもしかるべきだろう、こういうくらいのことはすぐ言われるのであります。いわゆる農林関係公共予算、食糧政策の基盤の上に立つた施策を重点的にやろうという腹があるかどうか。私はその腹のほどが疑えて来ましたので、ひとつ大蔵大臣の表情を見ながら、決意のほどを伺いたい。いつも見ている池田君だけれども、きようはひとつあらためて見直そうというので、御出席願つたわけであります。決意のある責任ある言明を、この際この点についていたしてもらいたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 お話の点まことにごもつともでございます。われわれも農村から出ておりまして、また国の事情が今お話の通りでありますので、農林水産関係には、できるだけの力を入れたいと考えておるのであります。しかし人口の半分を占めておるから予算の半分というわけには行きません。やはり教育問題につきましても、これまた農民の子弟の教育に当るわけでございます。また一方社会政策的の考えも、やはりわが党としてはやつて行かなければならぬ。片方では減税も、国民全般の建前からやつて行かなければならぬ。こう申しますと、重点はお話の通りに農林水産関係の方に向けて行きたい、思いますが、金額の点につきましては、やはり全体を見ながら考えて行くよりほかにないと思つておるのであります。

八木一郎自由党

○八木委員 財政面では今のような点をかりに肯定しますと、結局食つて行かなければならぬ。生きて行かなければならぬ。その食つて行かなければならぬ、生きて行かなければならぬために、いわゆる輸入食糧事情については、過去五、年におけるような事態ではない。大臣は少くとも世界の情勢、特にアジアの政局を見通して、大衆国民に不要を與えないように、何とか対処しなければならぬということは、お考えであろうと思いますが、この点はどうですか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 御承知の通り八千数百万の国民がおりまして、六千二、三百万石の米とか、あるいは二千万石足らずの麦では、不足することはわかり切つたことでございます。戰前におきましては、朝鮮が主でございまして、台湾からも少しくらい入れておりましたが、一千万石以上の米を入れておつたのであります。今急に増産はいたしましても、自給自足ということは、言うべくして、二、三年、あるいは三、四年のうちには困難であろうと思います。しかし自給自足が困難だからといつて、増産の手をゆるめるわけにはいきません。ことに朝鮮の問題がああいうふうになりますし、またスターリン、エリアの方は、どちらかというと食糧を売り澁る、こういう傾向が見えるのであります。だといつてドル地域からどんどん食糧が入るかというと、なかなかいろいろな貿易関係でむずかしい点がありまするから、ただちに自給自足態勢はできませんけれども、外国依存の度をできるだけ弱める、すなわち国内でできるだけ早く増産をして行こうという考え方に、われわれは異存はない。それで進んで行つておるのであります。足らざるところを輸入するのでありますが、その足らざるところをできるだけ少くしようということにつきましては、できるだけの力を入れるように考えておる次第であります。

八木一郎自由党

○八木委員 足らない食糧は輸入食糧に依存する。もとよりこれは本意じやない。世界の情勢、アジアの政局等から見て困難はあるが、食糧を他に依存せざるを得ないじやないかということはわかる。その反面に、だから不安だという気持も国民の立場に立つてよくわかるのであります。だから不安であるということを解消する方法は、いろいろな施策を考えてありましよう。しかし台所をあずかつておる、米びつをかかえておる立場に立つならば、ただいまは四箇月分米びつに、持つておるから、安心感のあるこの際に、食糧に関する見通しはかくかくであるという納得のできる説明でなくては、閣議で一割増産を決議したというような形で、また戰時中の食糧増産運動のように、予算的な裏づけのない精神運動で食いものをつくり出そうというようなことでは、目的は達せられない。これは米びつをかかえておる線と、財政、金庫をかかえておる方とは立場が違うのですが、米びつをかかえておる方の廣川弘禪君がお見えにならないから、財政をかかえておられる立場の方で、どうそこを調整しようとしておられますか。具体的に一割増産閣議決定の線について、十分これで物的裏づけはある、従つて国民に協力してもらえれば期せられるのだという、納得の行く内容の御説明を求めたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 一割増産のことは閣議で決定いたしたのでありまするが、いかなる方法をもつてやるかということにつきましては、まだ私のところへ具体案が参つておりません。私としては、できるだけ増産に力を入れたいというので、一割増産に賛成いたしたのであります。具体的の問題につきましては、ただいままだ参つておりません。

八木一郎自由党

○八木委員 どうも政治的な答弁で困るのですが、内容も聞かないで、財政をあずかつておる大蔵大臣が、農林大臣が一割増産できると言うから賛成する、それで閣議で決定したと言われても、これは引下るわけには行かないので、相手のある関係方面との事情もあり、数字的な態度は最終的に決定はしていない、しかしこのくらいのことはというわくで言えそうなものだと思いますが、全然その数字の線は知らないのですか。知らないで賛成したとすればずいぶんうつかりしたばかな話だと思うわけですがその点いかがですか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 一割増産の基本方針に異議はない、しかるところどういうふうな方法でやろうかということは追つて相談しよう、こういうふうなことになつております。

八木一郎自由党

○八木委員 それでは五割の増産をやろうといつてももちろん異議がないが、どの方法でやろうということは、追つて相談しようというような形で閣議できめられて行くというのでは、国民は閣議の権威と威信のために、まことに何とも言いようがないが、一体そういう儀礼的な答弁でなしに、必要なら速記をとめてもよろしゆうございますから、かくかくであるということを、どうしても言つてもらいたい。言うことができなければその大綱なりと、これは大蔵大臣で言えなければ農林大臣にでも聞かなければならない。およそ私は閣議できめたならば、裏づけとなる予算を考えずに、作文だけで一割増産だ、それで賛成してずつと通つている。そのあとは相談だというふうではどうしても了解しかねる。閣議の決定には至らないが、了解事項として了解された事項があると思う。その点重ねてお尋ねいたします。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 われわれの努力目標として一割は適当であるというのできめたのであります。しかし今食糧を五割とか十割増産とかいうことは、これはとんでもない話で、そんな問題は議論になりませんが、一割程度の増産は物理的に可能じやないか、それでまあとりあえずそういう方針をきめまして、それで具体的の問題はこれから考えよう、こういうことにいたしておるのであります。

八木一郎自由党

○八木委員 抽象的に、その数字が一割くらいだから、一割くらいならば可能だ、常識でわかるので賛成しておいた、内容はあとから審議するんだという御答弁でありますけれども、この一割を実施しようとする資料をきのう、きよう審議してみて、これは一片の紙くずにすぎない、かけ声にすぎないということを、私どもはすぐ察知できるのであります。およそ誠意のある裏づけのある施策をもつて臨めば、国民ももとより協力します。しかし單に害虫駆除その他の施策をちよつとやるだけで、一割は簡單にと言いますが、この一割は計算してみるとたいていのものではない。これはみずから農家の生れであると自負する大蔵大臣に説明の要はないと思う。一割程度ならばまあ常識で行けるということをかりに認めたといたしましても、さような態度で私どもが十年先を見越して、十年先は明るい見通しのもとに、やがて自立経済の第一歩は食糧の安定からだというようなことで、一体国民が納得するとお考えですか。その一割は追つて相談するというようなことで……。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 これは基本方針をきめただけでございまして、基本方針をきめるときには、具体的の予算があるとか何とかいうことがありますと、時間がかかりますので、予算編成のときにその基本方針で行こうとしておるのであります。たとえば予算編成方針をやりますと、さあ治山治水に力を入れる、それで幾らにするかということだと、編成方針をきめるときにはこれはできなくなるのでございます。各省からのあれをとりまして、その方針のもとに具体策を練ろう、こういうことは八木さんももう十分御存じであろうと思うのであります。だから基本方針としてきめたのであります。

八木一郎自由党

○八木委員 そのきめたことを私は惡いというのではないのです。その了解がなければ、いつまでにこの裏づけをつけようとしておられるか、その時期をお伺いしたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 これは今度の予算編成方針その他のあららゆる政府の方針を具体化するので、今予算を編成しておる最中でございます。予算ができ上りましたら大体わかると思います。

八木一郎自由党

○八木委員 この時期は新聞の伝えるところでは、遅くも八月一ぱい、こういうように聞きますが、おおむねその見当と承知してよろしいか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 大体八月一ぱいには一応荒ごなしをしたい、こういう考えでおります。御承知の通りに、一応予算をきめましても、関係方面の了解を得る必要がありますので、その通りにはなりません。ただ政府としての考え方は、一応今月末までにはきめたいというので、実はもう晝夜兼行でやつておるような状態であるのであります。

八木一郎自由党

○八木委員 今月中にもきめようということで、晝夜兼行の作業の事態に入つておるというその認識の上に立つて、なおかつきまらないからこの財政的な裏づけの構想を言えない、こういうふうに了解しますが、そうすると限りある財政をもつて無限の希望的施策を無謀に広げて行つても、これはできない、こういうふうに入るをはかつて出ずるを制するという観点で考えますると、実はまことに不安なのだ、この不安を除去するためには、責任をもつて、大蔵大臣が財政でまかなえない場合ができれば、これはあわせて金融で考える、昨年のように財政のしりを金融でというのでなく、財政と金融措置をあわせ考えて行く、なお及ばざるところを見返り資金で行く、なお及ばざるところは導入外資の利用で行くというように、事財政の裏づけに関する限り、事食つて行かなければならないその線を国民に安心を與えるという限りは、ひとつ犠牲をしのんでもこれはやらなければならぬのです。その点を財政金融、見返り資金、導入外資利用の総合的の線で、何としてもこれだけはやらなければならぬという御決意があるかどうか、数字的な裏づけを伺いませんが、決意のほどを明言願いたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 できるだけの努力を拂いたいと今せつかく努力を続けておるのであります。

八木一郎自由党

○八木委員 私は関連質問者も多いようでありますから、私の質疑はこれで打切ります。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 ちよつとこの際大臣に伺つておきたいのですが、今八木さんからきわめて重要なる、わが国食糧の自給体制についての基本問題について質問がございましたが、私もちよつと納得行かぬのでございます。閣議の決定というものは、途中で前の決定と異なることが、——非常に情勢が変化し、新事態が生れて来ます場合はこれはやむを得ないといたしましても、さようでない場合は、大体その方針を具体化しまして、実行に移すということで御決定になると思いますが、そう考えてよいのでございますか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 大体その通りでございます。事情の変化があつた場合はいたしかたがございません。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 そういたしますと、当然食糧一割増産を実現いたしますためには、それに必要な予算的措置が必要でございますが、大臣はまだ農林省から要求しております予算の大綱について目を通しておりませんか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 まだ目を通しておりません。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 農林省が要求いたしておりますのは、今八木さんからお話をされました通り、大体昨年度のざつと十倍くらいの公共事業関係の予算を実現しなければ、一割増産の確保が困難なりという要求のようでございます。これに対して、大臣は直接国の財政を預るものとしてまた閣議決定を具体化するものとして、この予算を大体具体化される、つまり閣議に大蔵大臣として出席し、また実際その閣議決定を具体化せなければならぬ国務大臣としての責任上、当然一割増産の具体化に必要な予算は優先的に認める、こういう御方針をとることができますか、これは政治家としてまた国務大臣として、きわめて重大な問題でございますので、この点を明らかに願いたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 閣議決定のあの基本方針によつて行きたいと思います。しかしお話の点は、農林省から出している予算をうのみにするか、あるいは十倍にふやさなければ一割増産ができぬ、こういう問題につきましては、私は大蔵大臣として適当の措置を講じます。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 特にこの際同つておきたいのですが、昨日来あなたの部下であります農林関係の予算を担当しております佐竹主計官から、農林省が要求して来ております予算の内容について、いろいろ検討を加えておられますが、大蔵主計官としての意見といたしましては、本年度の公共事業費のわくは大体一千億というところではないかと考えられる。そうすると農林省が要求しております食糧一割増産に必要な予算を具体化するためには、どうしても公共事業費のわくを全般的に広げる政治的な考慮が拂わなければ、事務当局としてはどうにもしかたがない、こういう御答弁でございました。これは当然のことでありますが、そういたしますと、大臣は本年度の公共事業費の全般のわくを、どのくらいの見当でおつけになつておりますか、これを一応承りたいのであります。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 明年度の公共事業費のわくについては、ただいま申し上げる段階に至つておりません。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 そう逃げられますと、ちよつと話がむずかしくなりますが、先に大臣は八木さんの御質問に対して、特に農林関係の予算、文教関係、社会事業関係等の予算も考えなければならないが、その一方国民はきわめて重税に悩んでおるので減税をしなければならないから、これとにらみ合せて全体を考えて行く、こういうまことに妥当な答弁をされておるのでありますが、この予算の全体的な組み方の上にきわめて重大な問題は、朝鮮事変のわが国に及ぼす影響でございます。その一つは、すでに問題になつております朝鮮事変に関連して起きているわが国のいわゆる戰時物資の需要の問題であります。御存じの通り、特需物資の相当大口がどんどんどんどん発注されており、これが国内の産業面及び国民生活面にどういう影響を持つて来ておるかということは、すでに政府の方で、特需全体について統一的な手を打ちたいということを新聞でも伝えております通りでありますが、この特需関係の発注は、年度内にどのくらい発注されるという見通しを大蔵省はお持ちになつておりますか。これによつて国民の所得がかわつて参りますし、税制の上にもまた新しい手が打たれると考えられますが、その見通しを一応この際御説明願いたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 率直に申しまして、今年度内における特需関係の金額は、はつきり申し上げる資料を持つておりません。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 一体大臣はそういうことで済まされますか。これは大蔵大臣としてはまつたく無責任だと思う。私ははなはだ失礼なことを申すようですが、一国の大蔵大臣が、今朝鮮事変によるわが国の特需関係がどういう影響を及ぼしておるか、またこれに対して国民の全般的な経済がどうかわつて行くかということについて、今すでに発注されておるものが、どの系統のものがどう動いておる、この調子で行くならば、およそ本年度にはどのくらいになる——新聞や雑誌等に伝えられまするところでは、三百億くらいではないか、あるいは六百億くらいではないかというように言われておりますが、国民はそれによつておのおの生活方針なり事業方針なりを立てなければなりません。またわれわれがこれから政府が組もうとする予算を検討します場合においても、やはりこれは大きな作用を持つて来るのであります。すでにトルーマン大統領は、アメリカの議会に対して国防費百億を要求しておる。そうしますと、この百億がわが国にどういう影響を及ぼして来るかということは、当然大蔵大臣としては考えて、これに対する対策をあわせて立てるべきではないかと私は考えますが、そういう考え方は間違つておりますか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 考え方は間違つておりません。われわれもそういう考えを持つておるのですが、何と申しましても百億ドルのあの予算がいつ通るか、しかもこれが朝鮮あるいは東南アジア、あるいはイラン、イラク、欧州の方にどういうふうに渡るか、こういう問題があります。だから私が申し上げましたように、今年度内における特需の額は申し上げる資料を持つていません。ただお聞きになるなら、六月の二十五日から今までに、大体どのくらいなものがあるかということについてのお答えなら私はいたします。大蔵大臣として今年度二月末までに特需がこのくらいあるだろうとか何とかいうことは、この権威ある国会の席上で申し上げる問題じやないと思います。しかし私としてはできるだけの見通しその他をつけまして、そのときそれに適当な措置をとろうとしております。大体七月末までの特需の分は、まあ百億円見当じやないかと思います。しかしこれは全部金が拂われたわけではありません。註文でたとえば十月までに納めろとか、あるいは十二月までに納めろとかこういうものもありますし、すでに拂われた労務費その他もございます。こういう関係でありましてなかなかわからない。たとえば船の問題にいたしましても、ああいうふうな戰況になりますと、船をずつと集めておつても、入る港が釜山だけ一港になりますと、船の特需関係は少くなります。戰況が発展して木浦とか、その他港がふえますと、船の特需が多くなります。こういうことはなかなかむずかしい問題で、軽々しく大蔵大臣が言うべき問題じやないと私は思います。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 もちもん国連軍の作戰によつて、いろいろの関係がかわつて参りますから、特に責任のある政府といたしましては、簡單にそれについての具体的の説明は困難というよりも、責任上は実際できないのじやないかと考えます。ただ問題は、これがわが国に、いろいろな面に非常に影響を持つて参りますので、これに対応する対策、少くとも被占領国のわが国といえども、一応の対策をやはり立てて行かなければならぬじやないか、こう私どもは考えております。そこでこれはこれから私が質問しようとする内容にきわめて重大なる関係を持つて来るのでありまして、たとえて申しますと、今私が問題にしようとするのは、来年の公共事業費のわくの問題でございます。これをふやすか減すかということで、農林関係の公共事業費のわくが拡張され、縮小される運命になるのでありまして、そこにわれわれはこの特需関係その他を考慮いたしまして、相当程度の税收入の、ある片寄つた一つの契機にはなると考えますが、一応こういう見透しも立てられるじやないか。かりにわれわれがこういう想定をいたしまして、本会計年度中に三百億の特需があるといたしますならば、三百億というものは、完全に国民所得になるわけでありまして、そういう面から税の上においても相当考えるべき手が打たれなければならぬ。そこであなたの主張されております減税の問題にいたしましても、ここでまた新らしい考え方が起つて参ります。そこでこれはどうでございましようか、公共事業費のわく、また今後の食糧自給態勢の確立の基本的な裏づけである予算の問題に重大な関係を持つて参りますから、秘密会にいたしましても、大臣のお考えになつております見通しというか、考え方を一応伺つておいた力がいいではないかと、私は思いますが、どんなものでございましよう。秘密会でもそういう見透しというものは言い得ないとお考えになりますか、これを一応お伺いいたします。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 秘密会だろうが、公開の会議だろうが、先ほど申しましたように、三百億なんということは申し上げるわけに参りません。それから三百億の特需があれば、三百億の所得がふえると申されましたが、そういうものではございません。原料代なり、材料代なりというものか、いるのであります。ただ特需と見合いまして、こつちの物資が不足するというためにあるいは自立経済を阻害する。インフレになるということについての善後措置は、ただいま講じておるのでございます。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 それではその問題はそれくらいにしておきまして、次に減税に対する問題でございます。これは私どもが考えますに、朝鮮事変の東亜における情勢の変化の問題でございますが、少くとも私は朝鮮事変は相当長期にわたると見ております。もしこの事変が朝鮮だけで解決されるとしても、またかりにこれがいろいろな惡条件で、世界戰争に発展する場合を考えましても、わが国の国内食糧というものは、この際政府は思い切つた自給態勢を立てる必要がある。そこでかりに日本が孤立化した場合、常にあなた方が心配され、自分も心配しております自給態勢がくずれた場合、一体どうなるかという不安を国民が持つているのです。そこでこの際少々むりをいたしましても、多少税は重たいけれども、ここ一、二年がまんしてもらえば、これだけあなた方の不安がなくなる。これだけ国はよくなるのだから、この税はそのために使うのだからということを、国民に納得させ、得心させますれば、必らずそれだけの効果を上げる場合に、政府が責任をもつて政策を具体化いたし実行いたしますならば、私は国民はあげてそういう自分の運命、自分の生命に関する大切な問題について、そこまで大きく反対はして来ないと思います。そういう面から、この際一千億の減税をある程度縮小いたしまして、今度は逆に食糧増産の方に思い切つて力を入れて進む、その結果は輸入食糧の補給金も少くなりましようし、同時にまた国民全体の生活程度もそれによつて引き上つて来ましようし、そういう点でこの際あまり減税減税ということで、他のやらなければならぬ大切な仕事を繰延べする。あるいは一部打切りというようなやり方よりも、積極的にやはり大切なところは大切なところで取上げて、実行するということが、私は必要じやないかと思いますが、これに対する大臣の御所見はどうなんでございましようか。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 御意見のほどは承つておりますが、減税は最も重要な私の施策の一つであるのであります。従つて減税ばかりして、他の仕事をしないというのじやございません。国税におきまして、目標として七百億円減税する。そうして補給金その他が少くなつて参りますので、これをまたできるだけ復興方面に持つて行きたい。こういう考えで行つておるのであります。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 次に前の方にちよつともどつて参りますけれども、御承知の通り、食糧一割増産の閣議決定がされまして、この一割増産の閣議決定に基いて食糧増産の責任者たる農林省は、明年度の予算を組んでおるのであります。この予算が事務当局の意見によりますと、公共事業費のわくが、かりに一千億というわくに限定された場合は、とうていこの予算はこのまま具体化できない、それもある程度の削減ならともかくも、少くとも本年度予算の約倍、たかだか倍ぐらいの想像でないかというお話も、一部あつたように承つておりますが、もしそういうことでございますならば、これは完全に閣議決定と異つた予算的措置になるのであります。ここで一番大切な問題は、何としましても公共事業費のわくを何によつてふやすか、どういう措置によつてふやすかという問題が、基本的な問題になつて来ると思う。かりに国家投資の面を考えなくても、金融措置もあるわけでございますから、その国家投資の予算的措置ができぬ分は、他の金融によつてこの際一時やつておくという手が打たれますならば、これまたそこで恩つぎもできます。しかし金融措置も、伺つておりますとなかなか難航で、ただちにこれが具体化されるという見通しは、今のところちよつとつかないという状態にもあります。そういたしますと、結局これでは閣議決定も実際は空文に終るといいますか、單なるペーパー・プランで農民をぬか喜びさせたという結果になりまして、またわが国食糧の前途を考えましても、非常に大きな不安が残るのであります。これらの点について、大臣がどういう一体構想で、この一割増産を具体化しようとするか、これを一ぺん伺いたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 食糧一割増産も閣議決定でありますし、予算編成方針も閣議決定であるのであります。財政のスケールはできるだけ小さくする、減税をする、こういうのも同じ立場に立つて、そうして今検討を加えておるのであります。公共事業費を幾らしても倍くらいだと申しますが、私はただいまのところ公共事業費は千億円かそこらで、予算編成方針で財政スケールを縮小する、減税をするということがこわれて参りますので、公共事業費の倍になるというようなことは今考えておりません。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 いま一点で終りますが、私はざつとした常識的なことしかこの際資料を持つておりませんから、話はできませんが、大臣は数日前の新聞で、御存じ給與べースを約千円がた引上げたい、こういつた新聞記者会見による談話を発表しております。そうしますと、給與ベースの改訂やあるいは警察予備隊の設置や、その他朝鮮事変に関連しますいろいろな支出の激増によりまして、思わざる予算的措置がここに講ぜられなければならぬ事態が起りはせぬかと見ておる。そういうことから考えてみますと、二十六年度予算というものは、平和的な建設的な仕事の方面の予算がどんどん削減される運命に置かれやせぬかという危險があるので、そこでわれわれといたしましては、今われわれがこの暑い中に、わざわざ農林委員会を開いて検討いたしておりますのは、朝鮮事変の発展するところ、東亜の風雲きわめて急なりという観点に立つて、万が一東亜の舞台が広くたたかれますならば、日本の国内の食糧の自給度は持たないという非常事態にわれわれは立つておるのであります。この認識がどちらに考えられておるかということによつて問題の所在点は明らかになつて行くと思う。そこで私どもは、平和な状態のもとで、何分にも厖大な国家投資を要します国内の食糧自給態勢を確立するということは、容易ならぬことでありますので、まあまあそれはぼつぼつやつて、足らぬ分は外国食糧に一応依存して行くという手もあります。しかしながら万が一危機が日本を包んだ場合、日本の八千万国民、食糧を、どうして一体確保するかという、きわめてわれわれとしては不安があるわけであります。この認識を少くとも大蔵大臣もちろんお持ちでございましようが、やはり各省の御協力を願つて、何としてもこれについての基本的な対策を押し進めて行くようにやつていただきたい。これに対して、ぜひひとつ大蔵大臣の御決意をこの際承つておきたい。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 明年度予算につきましては、お話の通りにいろいろな問題があると思うのであります。幸いに皆さんの御協力を得まして、今年度におきましては財政のスケールも小さくする、あるいは減税もして行く、あるいは債務償還をする。そうしてまた議会でいろいろの議論がありまして、井上さんからもおしかりを受けたと思いますが、大豆を入れて三百七十四万トン、大豆を除いて米換算三百十六万トン、多過ぎるじやないか、とんでもないというおしかりを受けたのでありますが、われわれは将来の見通しをつけまして、三百十四万トンの食糧輸入計画を立て、そうしてこれも予定通り入つて来ておるのであります。いろいろの問題がありますが、われわれは日本の財政、経済の安定、自立に向い、しかも国民生活が安定上て行くように、あらゆる対策を講じてやつて行きたいと思う次第であります。

足立篤郎自由党

○足立(篤)委員 大臣に伺いますが、よく大蔵省の役人は、各省から出ます予算を、ぶつた切ればぶつた切るほど出世をするのだというようなことを言う人がありまして、大蔵省の役人が、予算を無残にも切ることを非常に非難をしておるのであります。私は実はそうつむじ曲りではないつもりですが、それは当然だと思つております。というのは、それはいかに上手に切るかということにあろうかと思うのでありまして、各省から出ます予算は、これは大体思う存分の案を出してあると見ていいわけでありまして、それにはほんとうにいいものと、あるいは冗費とも見られるべきものと、必ずうそとまことがまじつておる。その中から少数の人員で、短時日の間にまことをほじくり出してそれを通す。冗費を切るということはあつて当然でありまして、それをうまくやる大蔵官僚は、どんどん出世をさせていただいて当然だと私は思います。そこで大臣に伺うのでありますが、先ほど八木委員の質問の中で、大臣がやはり減税という点に非常におこだわりになつておる。そうしますと結局補給金その他いろいろ玉手箱もありましようが、いきおいこれはわくがきまる。大臣がわくをおきめになると、事務官僚、いかに優秀な幕僚がそろつておりましようとも、いきおいある程度むちやくちやに切らざるを得ないという結果に陷るのじやないか。そうしますと、私が今申し上げましたように、ほんとうに大蔵官僚の頭のいいところを示して、できるだけ切るべきものは切り、生かすべきものは生かすということができないというおそれを私は持つております。にもかかわらず、ただいま井上委員からいろいろと懇切丁寧な意見もあり、質問もありました通り、国際情勢の急変転に対処しまして、二十六年度予算こそはほんとうに生きた予算をつくつていただきたい。これは大蔵大臣の腹と腕に大きな期待を持つておるわけであります。うつかりわくをつくりまして、ただ切るということになりますと、これはとんでもない死んだ予算になる危險があると私は思うのであります。與党である私から、與党がかねて公約いたしております減税について、この際多少の加減をすべきじやないかと言うのは、はなはだ公約違反のそしりを免れないのでありますが、これは場合によりましては、今の情勢からして、必要なものを強力に実行することになりますれば、あるいはやむを得ない場面も起つて来るのじやないかと考えるわけであります。大蔵大臣は先ほどの井上委員への答弁に際しまして、減税は自分の大きな政策だからというような御答弁がございましたが、これは失礼ながら私は大蔵大臣もう少し腹の大きな人だと思つております。面子にこだわらずに政策を生かす、八木委員の言葉をかりますれば、政策に生き、政策に死ぬ政党政治の代表者としての大蔵大臣の要職にあるのでありますから、この政策を生かして国を救い、八千万国民を安心立命の境地に置くという、強い御決意で行つていただきたいものと、私は念願するものであります。これに対する大臣の御所見を重ねて伺いたいと思いますが、なお具体的な問題をつけ加えて伺つておきたいと思うのであります。自由党の政務調査会といたしましても、昨年暮以来鋭意研究を重ねまして、農業政策を立案いたしました。特に昭和二十六年度から発足いたしたいという農業政策の重点項目といたしましては、先ほど来問題になつております土地生産性の向上を期するために、土地改良の公共事業費を拡充するということ、農業経営の安定をはかりますために、畜産の導入による多角経営化、あるいは農業災害補償制度を強化整備いたしまして、農家の不測の損害を補填して、経営を安定するというような重点項目をあげて、これが推進をはかつて参つておるのであります。なお現在米価の改訂につきましても、大蔵大臣の思い切つた処置を期待している農民の声が、津々浦々にわき起つでおるわけでありますが、こういう重点的な考え方をなされるかどうか。なおこれを実行します場合には、そうかといつて無限に財政をこれにつぎ込んでいいということになりませんので、やはり先ほどもちよつと申し上げました通り、各省から出ます予算の冗費を省くという点に、鋭いメスを加えていただく御決意があるかどうか。これは私ども実際に当つてみますと、名前は麗々しい項目になつておりますが、実際は役人の給料になつたり、あるいは出張旅費になつたり、場合によりましては、余つた金を流用いたしまして、宴会費になつたりする例がたくさんあるわけであります。こういつた單なる補助金とか、事務費に出しておりますような、効果のない死んだ予算を、思い切つて切る御決意があるかどうか、この点もあわせて伺つておきます。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 減税にとらわれるというお話でございますが、私はやはりただいまの政治の根本は、何としても減税が第一であろうと思います。わが党の政策にも、まず地方税を入れて千億円という減税の公約をいたしておるのであります。同時にまた財政当局といたしましては、七百億円の国税の減税という一つの目標に向つて邁進いたしたいと思います。何分にも本年も実質的には九百億円でございますが、七百億円を減税いたす。先般も農村その他の税務署へ行つて参りますと、農村関係は昨年に比べて大体三分の一ぐらいの税の徴收に相なつて参りました。中には、税を持つて来られると、そんなに少くなつたのかと言つて驚かれるような状態がある。これは二つの税務署で二つの実例を聞いたのであります。しかしただいま納税義務者がうんといる。広島県では六反くらいをつくつておる人が所得税を納めておつたのでありますが、今の例から言いますと一町以上になる。こうなつて参りますと、納税人員も三分の一くらいになつて参る、税額も非常に減つて参ります。国税に関する限りよほど負担は軽くなつたと思います。それでは今後もまたそれを続けるかという問題がありますが、これは今年の負担状況を見まして、やはり税金が少いに越したことはないのでありますから、減税ということを第一目標にして行きたい。減税を第一目標にして参りましても、大体私は七百億の減税ならば、警察予備隊等を入れまして五、六百億ぐらいは出て来るのではないか、こう考えております。しかし減税は七百億以上なければならぬというわけではございません。目標がそうでございますから、積極的政策を彼此勘案いたしまして、適当にやつて行こうと考えております。  農地の改良だとか、あるいは多角経営の問題、あるいは災害補償の問題、まことにごもつともな点でありまして、従来から力を入れてやつておるのでありますが、一割増産の方針にのつとりまして、やはりこういう方面も相当考えて行かなければならぬと思います。  なお最後に御質問になりました冗費を節約することを考えたらどうか。まことにごもつともでございます。農林省関係でも、今まではいろいろな補助金が、いろいろな名前を借りて相当出ておるので、来年度の予算におきましては、こういうようなのをぴつたり切りまして、重点的にはつきりした補助金を——事務費になつてしまうような補助金ではだめでございますから、事務費に行かないような方向でやつて行きたいと思います。私は補正予算を入れまして今度が三度目の予算でありますから、とにかくすつきりした予算で、これならばと皆さんから御賛辞を得るような予算にいたしたいと思うのであります。何分にも時期的に切迫いたしまして、各省との折衝で二日、三日徹夜というような状態も続きますので、とにかく最後のやりくりは私がいたしますが、今しばらくお待ちを願います。

川西清自由党

○川西委員 今足立君がちよつと触れられましたけれども、この米価についてであります。新聞紙上で大蔵大臣の米価に関する御構想を聞いて、全国農民ははなはだ期待しておるのでありまするが、本委員会におきまして大臣の所見をいまだ伺つたことがありませんので、米価に対する大臣の基本的構想を少しく伺えれば、非常にけつこうだと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 私は財政経済を担当しておりまする国務大臣として、米価はとにかくできるだけ高い方がいいという考えを持つておるのであります。国際価格にさや寄せするということは、米価ばかりではございません。日本が貿易に参加し、国際経済の一環として国を立つて行く以上は、日本だけ特別の価格でやつて行こうとしても、これはなかなかむずかしいと思う。だから国際経済にさや寄せするというのは、経済建直しの一つの基本方針でありまして、今まで安定政策をやつて参りましたが、結局大きい問題は、米価の問題と賃金の問題にかかつて来ておるのであります。最近は米麦が上つて参りまして、小麦は大体国際価格にさや寄せできました。今年の買入れ価格は、大体トン当り六十九ドルくらいになりまして、国際価格にさや寄せしました。しかし米の問題は国際価格がありませんが、朝鮮米をわが国に輸入いたしました場合において、CIF価格は百四十二ドルでございます。百四十二ドルと申しますと七千七百五十円になります。それからビルマその他の米になりますると、時によつて違いまするが、百二十五、六ドルから百三十ドル、換算いたしまして七千円という価格になります。こういうことで国際価格と言つてぴたつときまつてはおりませんが、いずれにいたしましても、日本の米の四千二百五十円というのは安すぎる。このために補給金が相当かかる。で米の値を上げれば農家がうるおう。しかしてまた米の値を上げれば補給金が少くなるから、これはいわゆる一石二鳥であります。しかも米の値が相当上れば、これに関連する中小企業者の方も助かる。ただ問題は給與の問題になつて参ります。それでは給與の問題をどうするか。そこで私は公務員の給與も引上ぐべしという考え方になつて来たのであります。その公務員の給與の引上げの限度は、やはり米の値段と減税、それから今後の物価のあり方ということを見てきめなければならぬ。財政経済を担当する私といたしましては、米の値が上り、公務員の給與がある程度上つても、それで二年前、三年前の物価の惡循環は来さない。それを来さないほどに日本の経済が安定したという確信が起きましたので、給與の引上げと米の値上げ、これを最後の安定政策の一環として行いたいというのであります。しかしながら、これをいくらにするかという問題につきましては、これは所管外でありますから、農林大臣か安本長官にお聞きくださつたらいいと思います。米価が農家をうるおすには安すぎる値段であるということは、どうしてもよくない。しかしこれはインフレ時代、惡循環の時代においては、いたしかたなしにがまんをしていただいたのでありますが、皆さんの一年の努力によりまして、安定の度をとりもどして来たから、これから正常なる価格改訂に持つて行きたい、こういう考えでおるのであります。日本の経済について申し上げますと、昔のことを言えば何でございますが、米と麦との比較を考え、小麦が一石三千数百円である、米が四千二百円ということはあり得ないと思う。これは日本経済自体の本然の姿ではありません。国際的に言つても本然の姿ではない。なるべく早く、私はもう米価を相当思い切つて上げても惡循環は来さない。しかも経済政策としては農家もうるおう、税金も少くなる、中小企業もよくなる。国全体のレベルが上つて来るのであります。こういう考えで申し上げております。

川西清自由党

○川西委員 もう一点だけお伺いいたしまするが、米価を五千五百円ないし六千円に引上げることは非常にけつこうでありまするが、その際に早場米奨励金とか、超過供出の奨励金は、それと関連してなくされるという構想でありまするか、あるいはまた農林関係の種々の補助金というものを創つてしまつて、米価へぶち込むというような御構想でありますか、その点を構想でけつこうでありますから、お伺いいたします。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 超過供出の問題、早場米の問題は、やはり米価と関連していることだと私は考えております。昔はそういうものはなかつたのであります。米価が相当上つて来れば、超過供出の分はそれだけ下つて来るのがほんとうの姿ではないかと思います。それから早場米の問題は、今の超過供出とは違いまして、地域的の問題がありますので、超過供出ほどに米価の問題と関連性はないかもわかりません。しかしいずれにしても、米価との関連性は早場米におきましてもあるということは、考えなければならぬことだと思います。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 ちよつと大事なことを落しましたが、さきに大蔵大臣が私の質問で、公共事業費のわくがまだ今日はつきり何ぼということ、具体的にどうするということは言えぬ。もちろんまだ予算編成中でございますから言えますまいが、しかしこれが非常に農林公共関係事業費の重大な問題になつて来るのでありまして、大体本年度政府が予定しております公共事業費のわくは、明年もこのわくくらいのところで落つくのじやないかと見ておりますか。それとももつとこれは災害その他の復旧、あるいはまた新規公共事業費の実施というような問題で、相当ふくれるのじやないかという見通しを私は持つておりますが、そういう構想をどういうふうにお考えでございましようか、この際伺つてみたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 二十五年度の分は、御審議願いました予算で行けると思います。  二十六年度の分は、大体の腹気持を申し上げない方がよろしゆうございましよう。これはやはり減税その他いろいろなものとからみ合つて、あした予算閣議にかけてその瞬間に私が決するのであります。今申し上げられません。ただ私はできるだけ事業分量をふやして行きたい。災害復旧その他の問題につきましても、全額負担でなしに、やはり地方にも一部負担をしていただきたいということは、事業分量をふやして、災害についても早く直したいという念願であるのであります。御承知の通りに、地方負担の分は地方起債で行きます。それだけ事業分量が多くなる、こういう意味で私は二十五年度予算編成とは違いまして、二十六年度は、災害復旧については一部地方で負担していただきたいということ、これは公共事業費等をふやしたいという念願から出ておるのであります。とにかく財政の許す限りにおきましては、できるだけふやすということにかわりはございません。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 非常にその点安心をいたしましたが、特に農林関係の公共事業費の中で、災害復旧の問題に今大臣は触れられましたが、今度あなたの方に農林省から出そうといたしております明年度の災害復旧の経費を見ておりますと、昭和十八年の災害復旧がまだできていない。つまり新しい災害復旧については全然予算を見ずに、過年度のまだ完成しでいない分を全体ひとつ至急に直すというところで、予算を組んでおるようでございます。それをあなたの方でどう査定されるかということは、これからの作業にあることでございますが、新規の分は全然手をつけずに、昭和十八年以来の災害の復旧をこの際拂おうという点だけでも莫大な経費がかかるわけです。今あなたのお話の気持を、実際予算の上でどう生かすかということでありまして、そういう点から特に農林関係の公共事業費のわくにつきましては、これは十分大臣にはおわかりのことと存じますから、ぜひひとつこの点では最大の努力を願いたいし、考慮を拂われたいのであります。さきに大臣は、本年度相当の備蓄食糧を持つておるから、この時局の動乱に対しても不安がないという自信のほどをお示しになりましたが、しかし明年は一体どうなるかということについては、これはまつたく大蔵大臣といえども予想はつかぬ。しかも国内食糧が年間三百トン、約三箇月半、百日分の食糧が絶対不足をいたしております。これがもし外国から補給がつかぬという場合には、重大な問題が起つて参るのでありまして、そういう火のつくような時局の緊迫下に立つて、国内食糧をどう確保するか、そのためにはこれだけの食糧がどうしてもいる、こういう切実な要求で、わざわざ予算編成前に、この委員会を開いて、政府に特に御出席を願つて、御質問いたしておるのはこの点にありますから、この点を十分に御了解を賜わりまして、何も私は單に農民のためや農村のためのみならず、日本の運命に関する大事な問題でありますから、こういう点を十分御了承いただきまして、特に農林関係の公共事業のわくについて、格段の御考慮を希望しておきたいと思います。

八木一郎自由党

○八木委員 私は衆議院の農林委員諸君から、特に農林関係公共事業小委員長の責任を負わされたのであります。党の土地改良推進本部の仕事をも、あわせ指名をされておるような立場に立たされて、静かに考えてみると、これが今井上君より述べられました通り、まつたく党派を越え園長の半数とは言え、單に農民層だけの立場に立つのではなくて、国際的なデリケートなこの情勢の動きの中に処して、国民は農民だけでなく、あたかも第二次大戰後に起きた国論のごとく、国会を開け、こういう声になつてもおるのであります。この際デリケートな国際問題処理のために、内閣においても考慮しようということにも伺つておりますが、それを国民は了とします。しかし了としますけれども、その裏づけになつておるわれわれの食生活の不安が一掃されるような、しつかりした予算編成のもとに、食糧政策が幅広く深く行われておる。そしてしかも大多数の食糧を生産する農民は、心から政府の施策に協力して、増産をする心構えができておる、こうなくてはならないと思うのであります。そこで昨日、今日と二日にわたつて審議が行われて来ますと、結論的に申し上げて、どうも公共事業費予算を、総花的な見解から、單に事務的な官僚的な細工で査定されてしまい、私どもが生命とする政策の線が細くなつてしまう、これを憂えるのであります。だからこそ今日は忙がしいこと万万承知でありますけれども、大蔵大臣の御出席を求めて懇談をしたい。もう大分時間心移つておりますので、私どもの意のあるところは盡きませんが、昨日、本日にわたつて費やされた審議の結果は、委員会の手元において成文といたし、これを政府に申し入れ、現内閣に善処を求める。こういうことになつておりますが、この点については、ひとつよく吟味咀嚼して、政策に生きて政策に倒れる政党内閣の有力なる閣僚として、誠意を傾けるというだめ押しをいたして、私の質疑は終りたいと思いますが、その点を了承できますならば、私どもはあとは成文化された線に沿うて、いろいろとお話を進めたいと思うのであります。  最後に一つ、派生的な問題でありますが、伺つておきたい。米価問題、私は賛成であります。これに関連して税金の問題も、大蔵大臣のお考えでその線も逐次——私も昭和の佐倉宗吾郎に似せて、農村行脚を二週間ばかり久しぶりにやつて来ましたが、今お話のようなことも多うございましようけれども、しかし農民の期待していることについて、非常に裏切られたような感じを持たれておる問題は何であるかというと、所得税の減額承認願いというのを本年から認めておる。税金の配分割当はしないが、そのかわり減税の承認願いを出さして——減額承認願い、つまり前年度を土台にいたした割当ではないけれども、申告書に税務署から鉛筆で全額が書いてある。これより減る場合には承認願いを出す、そこで調整して割当にしたのではないということで了解しておつた。ところが、第一線の税務署に向つて農民が、また中小工業者が怨嗟の声として言つておることは、この道はあいてはおるようだけれども、一切を拒否されておる。何のために所得減額承認願いを拒否するか意味がわからない。私が税金の配分は以前からあつたものをやめたという話をすると、そう言う。よく調べてみますと、確定申告後に確認してやるから、うるさいものは出してもらわぬ方がいいというので、窓口でけ飛ばしておるではないかというふうにうかがえますので、私はかなり立ち入つて調べてみたのでありますが、どうもこの点が私どもの考えに合わないし、非常にむりだ、無謀だと思う。かような事実はあるはずはないと思われますが、これは大臣から一ぺん伺つておきたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 初めの御意見、まことにごもつともでございまして、私の考えておりますことは、きようお話申し上げた通りでございます。食糧増産につきましては、政策のおもなるものでありますので、極力努力いたしたいと考えております。  なお所得税の減額申請の問題でございますが、これはさきの国会で所得税法改正のときに、原則として前年の決定額を出せ、しかし所得が非常に減つたものにつきましては、それによらなくてもいい。前もつて減額申請を出せ、こういうようなことに相なつておるのであります。私は昨日も税務署へ行つて参りました。大臣が税務署へ行くということは、戰争中賀屋さんが行つただけで、ないのであります。私が今租税收入ということについて心配しておるのは、滞納が多いからでございます。それからまた一方では、今言うように歳出の要求が相当多い。ここで何とかして滞納処分を早く解決するようにし、また税務署と納税者とのいざこざのないようにしようということで、私はきのう税務署へ行つて参りました。そこでお話の点も、京橋税務署で調べてみたのでありますが、相当減額承認をいたしております。そこで減額承認申請で受理したものが六割何ぼかあつた。それから拒否したものが三割何ぼと、はつきりは何ですが、そういうように私は記憶いたしておるのであります。今年の申告の状況は予想外にいいようでございます。昨年よりも多く申請した人もありますし、とにかく申告予定人員の九割五分くらい京橋の税務署である。これは割によく行つているとは申しません。万全ではございませんが、税務行政も一昨年よりも去年、去年より今年とだんだんよくなつて来ておるということは認められるのであります。ただ減額承認の問題は、農村につきましては割合に少いのではないか。いわゆる事業のように非常によくなつたり、惡くなつたりすることが少うございますから、農村方面の税務署の事情は知りませんが、京橋税務署へ昨日行つてみますと、今お話し申上げたようなことでございます。

八木一郎自由党

○八木委員 公共事業一般問題は、信頼する大臣の誠意に期待いたしまして打切りますが、今の税制問題はちよつと違うようであります。私の調べによりますと、ちようどその反対であります。受付で受理して審査をしてみようということになつたのが三割程度しかないと思います。それはいい方で、名古屋税務署管内でありまして、主として私は豊橋方面から私の選挙区の関係から入つたのであります。これはおかしいというので、農林関係については特段の考慮を拂つて調べますと、二十三年度の超過供出による所得及び二十四年度の超過供出による所得を所得の対象として前年拂いということで、所得のあるものは拂わざるを得ないというのでがまんして拂つた。ところが、本年はとても超過供出の見通しはないというので、この点を重要な項目といたしまして減額承認を出した。ここの手先にも相当資料はありますが、そういうものまでも一律に拒否し、アカハタの指導の合言葉だと言われた文句があつたが、この法律をきめた代議士のところへ行けというようなあしらいをしているというようなところが、まだあることを聞きまして、これは聞き捨てならぬと考え、調査を進めております。これは監督の局に立たれる立場からもお取調べを願いたい。農村の所得は前年についてやつて行くので、所得減額ということ自体がなかなかむずかしいのであります。しかし今のような明瞭な事実、しかも問題が数年続いて来た明瞭な事実、超過供出のためにあつた前年の所得より本年は減るにきまつている、麦その他の災害量を予想して申請したものまでも拒否している。この事実は私は見のがせないので、重ねて実態だけを報告して、答弁を要求しませんが、善処を希望いたします。

田渕光一自由党

○田渕光一君 特にこの際委員外の発言をお許し願いたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千賀康治自由党

○千賀委員長 御異議ありませんからお許しいたします。なるべく簡單にお願いします。田淵君。

田渕光一自由党

○田渕光一君 時間もたつておりますから、簡單に申し上げます。酷暑の折柄十六、七日二日間にわたつて審議され感謝しております。ことに今日は、お忙しいところを大蔵大臣の御出席を願いまして、いろいろつぶさに伺いました。私は水産委員の方の受持で寄りますので、農林委員会の先輩各位、ことにこの公共事業費の小委員長の八木委員から熱心にお願いいたしましたこと、また井上委員、川西委員、足立委員からお願いしたことは同感でありまして、ぜひ御考慮をお願いいたしたいのであります。ことに足立委員からお願いしました通り、冗費を切つてやるべきことと切れないことがある。これは特に二十六年度の予算にお考えを願いたいのであります。六月二十五日以降非常な情勢の変化によりまして、最も大きく考えなければならぬのは、農林関係だと思います。そこで切るべきは切り、とるべきはとるという線から参りますならば、この農林関係に対して、先刻から先輩各位がいろいろお願いいたしましたが、農林に対しては、特別の考えを持つというような御誠意ある答弁を伺わなかつたことを、はなはだ遺憾とするのであります。この際大臣から、特に私どもは農林関係に対しては特別の方法を考慮する。こういうような御意思が末端に行くならば、主計官としても相当考えられ得るのではないかと思うのであります。水産委員会の方では、各委員が出張いたしておりますので、あるいは委員会は開かれないかもわかりませんが、この機会にお願いいたしたいことは、漁港関係において本年度五十億の公共事業費をお願いいたしております。これも八木委員からお願いいたしておりますと同様でありますから、ぜひ特にお願いいたしたいのであります。これら漁港の関係を含め、各位が十六日、十七日と二日間御熱心に研究され、大臣に御出席をいただいてお願いした結果、いろいろ御質問に対する御答弁は万々了承いたしましたが、特にこれを含むところの農林関係においては、特別に考慮するという御発言をお願いして、おみやげをいただかぬと、委員長初め各委員は酷暑の折柄委員会を開き、ことにお忙しい大臣を司令部からわざわざ呼んだということの効果が、どこにあるかを疑うものであります。われわれは決して責任を追究するものではありません。あるいは隣邦の動乱をもつて喜ぶものではありませんが、少くとも三箇月に百億円という特需が出ておる見通しから行きましても、そういう方面でお考えを願うということを——関連はありませんけれども、取捨ができるのじやないか。今日われわれが最も信頼しておる池田大蔵大臣にして、これくらいのことは簡單にできることではないかと思いますので、お願いいたしたいと思います。

池田勇人自由党大蔵大臣

○池田国務大臣 これは本席上で申し上げましたように、予算編成方針におきましても、また先般の食糧通産方針につきましても、われわれの意のあるところは御了承願つたと思うのでありますが、今ここで農林、水産関係は特に意を用いるということは、もう言わなくてもわかつておる。これを言いますと、それでは通産関係はもう用いないか、あるいは厚生関係等は用はないかということになりますので、大蔵大臣としては、国民の希望せられておるところをつかまえて、その面に金を出すということがあるのであります。酷暑の折にあなた方が特に委員会をお開きになつたその意のあるところは十分わかります。

千賀康治自由党

○千賀委員長 今日はこの程度にして散会をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千賀康治自由党

○千賀委員長 御異議なしと認めます。それでは散会いたします。     午後三時五十四分散会      ————◇—————

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