農林委員会 第11号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/08/16
会議録
○千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。 農業関係公共事業に関する件を議題といたします。質問の通告がございますからお許しいたします。八木一郎君。
○八木委員 土地改良を中心といたします農林関係の公共事業費の予算化に関しまする問題は、去る第八国会会期中を通じまして、熱心に当委員会においても問題とされた点でございます。なかんずく第八国会の終末に際しまして、私どもは、政府を代表いたし経済安定本部長官周東大臣より、基本的な政府の態度として明瞭にされた三、四の点を確認して、その後今日に及んでおるのであります。すなわち現内閣は二十六年度の予算編成方針の中に、この農林関係公共事業を筆頭の課題といたしまして、経済基盤の充実を期する重要な施政の方針に取上げられておるということ、また與党である自由党においても、土地改良推進本部等の特別なる機関を設けて、これが推進に熱意を傾けておるということ、また衆参両院の土地改良議員連盟の名において、政府に申し入れた所定の金額に対処いたしても、誠意のある成案を持つてこたえるということ、また当農林委員会におきましても、これがために公共関係事業の小委員を設けて、これが事務的とりまとめに当るというようなこと等、いずれも二十六年度の予算を前にいたしまして、国の内外の状況が、この土地改良を中心として、まじめに、真剣にとつ組んで、新しい広川農林大臣の政治力に期待するところが多いのであります。そこでその後相当の期間もたつておりますので、本日の新聞紙上、また手元に配られた材料等によりますると、十分ではありませんが、かなりな相当の計画をお立てになつたようでありますから、まず農林当局においてとりまとめられた案の内容を御説明願い、逐次質問を進めて参りたいと思う次第でありますから、委員長においては、農林当局よりこの手元の資料に対する説明を求められんことを望みます。
○千賀委員長 佐野農地局長。
○佐野説明員 それでは農地の関係の説明を申し上げます。ここに公共事業計画というのがございますが、大体計画の概要を書いてございまするので、これでごらん願つた方がよろしいと思います。 農地の関係といたしましては、大きくわけまして土地改良と開拓と災害復旧になるわけでありますが、土地改良といたしましては、本年度予算は三十三億でありますが、二十六年度におきましては、三百四十六億円程度となつております。これの編成の考え方といたしましては、前々から御説明申してあります、土地改良十箇年計画に基いて編成をいたしておるのであります。また既着手の事業につきましては、従来程度の予算でありますと、完成までに約十箇年を要するのであります。これを三年程度に完成せしむるという目標をもちまして計画をいたしたのでございます。 なおこの土地改良事業といたしまして、従来の国営及び県営の灌漑排水事業、これは今申しました方針によりまして継続をいたして参るわけでありますが、二十六年度に特に新しい問題として取上げておりますのは、団体営の灌漑排水事業でございます。これは御承知のように、ドツジ・ライン以来相当圧縮されておるのでありますが、大規模な改良事業と並行いたしまして、どうしてもこれは必要でありますし、また補助によらなければなりませんので、団体営の改良事業を相当な規模で計上いたしております。また小規模の土地改良事業でありますが、暗渠排水でありますとか、区画整理、客土、農道といつたような事業でありますが、これも昨年来ほとんど認められていない。これを二十六年度におきましては、相当な規模で着手をいたして参りたいという考えでございます。 それから全然新しい項目といたしまして畑地の灌漑事業であります。これは十箇年計画では約六十万町歩ということになつておるのでありますが、二十六年度におきましては、さしあたり三万町歩にしてほしいという計画で、約二十億を計上いたしてございます。 次に開拓の関係でありますが、開拓につきましては、今後は地元農家による増反開墾を主にいたしまして、農家経営の安定をはかつて参りたいと考えておるのでありますが、しかしやはり入植によらなければ開拓のできない地区も相当あるのであります。十箇年計画におきましては、今後十一万戸の入植を予定いたしておるのでありますが、明年度におきまして一万戸の入植という線を基本にいたしまして計画をいたしておるのであります。開拓の事業も従来開墾作業といいますか、いわゆる土地を掘り起す仕事の方は相当進捗いたしておるのでありますが、これに伴いまして、どうしても必要な開墾建設工事の方が遅れております。跛行的な状態になつておりまして、入植者の農業経営上非常に支障を来しておりまするので、二十六年度におきましては、この開墾建設工事費を相当多額に計上いたしまして、開墾作業との足並をそろえて参りたいということで、計画をいたしております。 次に干拓でございますが、これも従来程度の予算で参りますと、やはり完成までに十年を要するのでありまして、干拓の国家投資が効果を発揮いたしませんばかりでなく、年々災害等による損耗もあるので、これを急速に完成せしめたいということで、新規地区につきましてはあまり考えておりませんが、既着手土地の急速な完成を目標にいたしまして、五十五億を計上してございます。なお入植者に対しまする育成の施設といたしまして、あるいは共同作業場でありますとか、電気の施設というようなものを考えて参りたいと思つております。 ちよつと言い落しましたが、干拓について、全体といたしましてはあまり考えていないのでありますが、ごく規模の小さい五十町歩未満というようなもので、比較的容易に開拓事業を行い得るものにつきまして、補助による干拓というものを二十六年度に新たに計画いたしております。 最後に災害復旧事業でありますが、これも従来の予算はきわめて僅少でありまして、昭和十八年度の災害が、二十五年度においてまだ完了しないというような状態になつておるのであります。二十四年、すなわち昨年の災害復旧は二十六年度中に全部完成させたいということで、残事業量が約三百億ございますが、それに対して復旧の補助金といたしまして、約二百億を計上いたしてあるのであります。 はなはだ簡單でございますが、概要以上であります。
○八木委員 第八国会において、政府を代表して御答弁のありました食糧自給態勢の急速強化に関する問題解決のために、十年先を見越して、われわれの目途とする自給度向上の線を見事に解決し得るというような、一つの確信を持つて立向おうとしたあの政府の答弁に対して、本日御説明をいただいた程度のもので、その目的が達し得られるかどうかということに、私はまず疑問を持つのであります。私どもが最も力をいたしたいのは、あたかも昨日、本日あたり読売新聞の調査に出ておりますごとく、端的に言えば、国民に今他国依存の投げやり気分が非常に出て参つておることは、いなめない事実でございます。なかんずく生活費をくれるだんなに対する妾のような気分になつておることは、読売新聞の数字がこれを説明しておる。私どもは、生活費を他国にゆだね、口を他人にあずけて、経済自立の日がいつ来るかわからないようなはてしない暮しは、いたしたくないのであります。そのためには、財政投資を相当大幅に確保いたし、外国の資本と技術を思い切つて導入する施策を大きく展開いたしまして、十年先にはかくかくになるのだ、人口もふえるが食糧も自給できるのだという、確信の上に立つた予算の編成を期待いたすのであります。先日周東大臣より承つたところに、かようなわずかな数字でこたえ得るかどうか、この基本的なところを聞かしてもらつて、題目に入りたいと思います。 大蔵当局の方から忙しいところをお差繰りくださつて、佐竹査定官がお見えになつているようであります。信頼すべき筋から聞きますと、大蔵省においては、予算を査定することの腕前のすぐれた者が栄進をいたして、目下鋭くかみそりをといでおつて、とにかく切りさえすればよいというような作業をなさつておるそうでありますので、その査定に臨む心構えを聞いておきたいと思います。
○佐野説明員 先ほども申しましたように、来年度予算の編成につきましては、御承知の十箇年計画を織込んでやつておるのであります。ただ過去の継続事業を急速に完成せしめるということと、十箇年計画とがかち合つて参りますので、干拓の例でも申しましたように、ものによりましては、新規事業として十年計画には織り込まれていないところもありますが、全体の線といたしましては、十箇年計画の線に沿つてやつておるので、その点につきましては、われわれもこういう計画で行きまして、十箇年計画は遂行できるというふうに考えておるのであります。
○佐竹説明員 本来ならば本日は主計局長ないしは次長が参りまして、十分お答えいたさなければならぬのでありますが、何分にも今月一ぱいに予算の編成をやらなければならないということになりまして、実は日夜忙殺されておりますので、私がかわつて参りまして、まことに未熟な者で、十分な御答弁がはたしてできますかどうか、それを危惧するのでありますが、その点あらかじめ御了承願います。 ただいま八木委員から、大蔵省の土地改良計画に対する査定方針はどうか、すなわちいかなる心構えをもつてこれに臨むかというお話でありました。これにつきまして、われわれも今次事変の動向並びに国際情勢の見通し、その他から見まして、何とかして食糧の自給度を高めなくてはならないという点においては、農林省とまつたく見解を一にしておるのでございます。 そこで具体的に来年度の公共事業を見ますにあたりましては、極力土地の生産性を高め、農業の生産力を向上するという面に向つての財政投資を、画期的に増額いたしたい、こう考えておるのでございます。ただいま予算を割るほどいいんだというお話もございましたが——中にはいろいろ冗費もございまして、削らなければならぬものもございますが、これという大事なものに向いましては、集中的に投入して参るというのが、われわれの従来の方針でございます。ただ何分にも一方においては相当大幅な減税をしなければならない。自由党のスローガンにおきましても、一千億減税ということもございまして、財源の関係等もございますので、前年度に対してそう思い切つた増額はむずかしいのではなかろうか。しかしながら、わずかでも増額し得る総額のうちから、重点的に土地改良方面に集中して参るということについては、われわれの心構えで作業を進めております。具体的な点になりますと、御承知のように公共事業費の編成は、各省から経済安定本部に要求が出まして、経済安定本部において総口調整をいたしました上、大蔵省に協議が参るのでございます。現在の段階では、安定本部の査定がまだ完了をいたしておらぬのでありまして、われわれの手元には安定本部の査定案がまだ出て参りません。近日中に参ると思いますが、それを見ました上で、ひとつ御趣旨の点を十分体しまして処置いたしたい、こう考えております。
○八木委員 農林当局のお答えで私が満足できないのは、これでどうにかあの第八国会の終末に際して、十年後にはこうなるという説明をしたのが達成できるんだという、何だかあぶなつかしい御説明でございますが、私ども財政投資のこれつぱかしのものでは、とてもできるものではない、技術と資金等の関係を伴わして行けばできる、あるいは希望が持てるんではないかというふうに、希望的な観察をするのでございます。農地当局においては、この財政投資のみをもつてしてあの十年計画が達成されるとは、よもや考えておるまいと思いますが、これに関連していかなる資金計画、いかなる関連政策を持ち合せておるかを承りたいと思います。
○佐野説明員 今申しましたのは予算の面のことでございます。お話のように、これをやつて参りますためには、資金並びに技術陣の充実も必要とするのでございまして、資金につきましては、別途農林漁業金融公庫というようなものも考えられておるのでありまして、そういう方面で資金の充実をはかりまして、この予算と並行してやつて参りたいという考えでございます。またこれを実際実施いたして参りますためには、相当技術陣容の充実をはからなければならないのでございまして、この点につきましても、この予算と並行いたしまして、別途一般会計の方で要求いたしております。
○千賀委員長 ちよつと途中ではありますが、佐竹主計官が長くこの席にとどまれぬそうでございますので、他の関係ある議案もこの際お諮りした方がいいと思います。 本年度産麦の推定実收高その他五等麦の設定等について政府の説明がありますので、これを承ります。山添事務次官。
○山添説明員 それではきわめて簡單に御説明いたします。麦の推定実收高につきましては、お手元に資料を配付してございますが、これは、先般発表になりました予想收穫高と比べますと、第二表にもございますように、二十四万石の減でありまして、一%。また本年の実收高と昨年の実收高とを比べますと、第三表にございますごとく、二十六万石の減少でありまして、一・一%ということになつております。本年の予想收穫高と実收高との違いを県別に観察いたしますと、大体関東以北の方面におきまして減少、西の方におきましてはプラスということになつております。なお供出割当をいたしました数字、すなわち事前割当の数量から補正すべきものを減じ、また超過供出として期待すべきものをプラスしました数字と、今回発表になりました推定実收高とを、県別に比較して参りますと、この表には載つておりませんけれども、いずれもその中に納まる。これは当然でございますが……。従つてこの予想收穫高を参考資料として、供出の減少、増加をいたしましたものは、今回発表になりました実收高に照しましても、何らさしつかえはないということになつておるのであります。もつとも三、四の県におきましては、数字上多少むりと思われるのもございましたけれども、これも五等麦の政府買上げがきまりました結果は、さしつかえないようになつております。この五等麦につきましては、本年の作況にかんがみまして、特にそういう規格を設定し、かつその格差は、小麦におきまして百円ということにいたしております。これは本年における麦の作柄、農家の所得というようなものを考え合せまして、さように決定をいたした次第でございます。きわめて簡單でございますが、これだけ御報告いたしまして、あとは御配付いたしました資料によつて見ていただきたいと存じます。
○八木委員 先ほどの御説明によりますと、大蔵省側においては、目下晝夜別なき査定のために、お忙しい際であるからということで、よくわかりましたので、私が続いて関連してお伺いしたいのは、御答弁によりますと、現内閣の方針に沿うて、重点的、画期的に、土地改良を中心とした食糧自給度達成の長期計画をながめながら作業しておる、かように了承いたしました。それが当然だと思いますが、そこで掛声はさような線で、抽象的には今申しましたようなことで、毎年々々終戰以来五箇年暮れて来ておるのであります。結果は実に数字で明瞭に出るのでありまして、ついに五箇年間この大切な——読売新聞の言葉で言えば、さつき申しましたように、生活費を預けてしまつても仕方がないのだというようなところまで国民が堕落してしまつたという責任は、お互いに思い合せますと、掛声倒れであつて、内容が伴なつていなかつた、こういう一語に盡きると思うのであります。そういうことをなぜ私が申すかというと、公共関係の事業の中で、二十一年度から始められた予算の推移をながめますと、公共事業全体の中に占める農業関係の事業予算の割合は、二十一年度においては五七・二%を占めておつたものが、二十二年度には三九・五%、二十三年度は二九・四%、二十四年度は二八・三%、二十五年度は二五・一%であります。つまりトータルの額の消長はありましても、その中に占むる重点的な、画期的な——目をそこに置いて査定を加えて行くのならば、その割合が五割七分から二割五分に減つてしまうというのでは、国民に向つてその誠意の片鱗の説明のしようもないのじやないかと思うのでありますから、先ほど御答弁がありました線に沿つて、結果として出て来る数字は、公共事業全体の中に占むる農林関係公共事業の割合だけは、いかなる事態が出て来ても、かような情勢を打破いたしまして、相当に重点的な、画期的な配慮が行われて、内閣の予算編成方針に沿うた措置をとつたということになることを、期待してさしつかえないかどうか。その期待が持てるかいなかについて、まず伺いたいのであります。
○佐竹説明員 ただいま八木委員から御指摘がありましたごとく、公共事業費中に占める良業関係の投資額というものは、二十一年度以来逐年減少をたどつて参つたことは事実であります。ただ今八木委員がお示しになりましたパーセンテージが、多少われわれの考えておりますところと違つておるように承つたのでありますが、おそらく災害復旧事業も含めての御意味かと思います。一応私どもは、これを災害復旧事業と一般公共事業にわけて考えておるのでありますが、それによりますと、年々の農業、なかんずく土地改良の金額は、二十一年度におきましては大体一二%程度でございました。それが二十二年度に至つては約八%に低下し、二十三年度に至つてこれが六・四%に下つておるのであります。さらに二十四年度に至つては、これが四・六%に下り、遂に二十五年度に至つて三・七%というところに落ちて来たのであります。ところが一方において公共事業費の総額の変動もございますけれども、災害復旧事業費、これは農林災害のみならず、土木災害をことごとく含めまして行つております分につきましてながめますと、これが非常な勢いでもつて実は増加しておるのであります。すなわち昭和二十一年度におきましては、災害復旧事業費の占める割合は大体一六・六%程度でありました。それが二十二年度に至つて一挙に四〇%に上りました。さらに二十三年度において四五%、二十四年度においては大体ほぼ同じの四三%でありました。それが二十五年度に至つて、土木災害の全額国庫負担制度をとられましたために、一躍五三・四%という巨額に上つたのであります。そのために災害復旧以外の一般公共事業費というものは、おのずから圧縮されざるを得なくなつて参りました。さらにもう一つの要素を考えますときに、災害復旧事業にあるいは準じて考えるべきかもしれませんが、要するに災害を防除する、すなわち災害を予防するという施設に対して、相当な投資をしなければならない。これはまた農林委員の皆様もまつたく同じお考えであろうと存ずるのでありますが、この災害防除に対する、すなわち治山、治水の事実であります。これは農林関係の山の荒廃地復旧ないしは造林というものも含めまして考えておるのでありますが、河川、砂防、治山、造林、この四つの大きな項目につきまして、これを治山、治水事業というふうにくくつて考えますと、これも年々増額を見ておるのであります。すなわち二十二年度において六%程度でありましたものが、二十三年度においては大体倍額の一二%に上つております。さらに三十四年度でこれが一八%、二十五年度には約二〇%でございます。このように災害復旧事業が急激にふえたことと、それから治山治水事業に漸次重点が置かれて参つたこと、これらの二つの結果、しかも公共事業費の総額が、われわれの期待するほど伸びなかつたということから、やむにやまれず一般公共事業のわくが次第に食い込まれて行つた。こういうことになると思います。一般公共事業におきましては、農業のみならずその他の面につきましても、やはり同じような減少の傾向を見ておるのであります。ただ道路につきましては特殊な事情がありまして、これはさしたる減少を見ておりませんけれども、全般としますと今申し上げましたようなかつこうになつて来たわけであります。そこで来年度の編成を考えますときに、災害復旧事業をどう考えるか、あるいは治山治水というものをどう見るか、それとの関連において一般公共事業のウエートをどの程度に持つて行くべきか、しかも一般公共事業の中において——これは農業以下、道路、港湾、都市復興、その他ございますが、それらの中における農業のウエートをどうするか、こういう三つの問題があると思うのであります。そこでわれわれの考えておりますところは、災害復旧事業費はこれはにわかに減額を見ることはできない。すなわち、食糧の年年の收穫量の相当な部分が災害のために失われておるのであります。従つて災害復旧事業を徹底させるということが、とりもなおさず食料の増産運動の有力なる要素になるのではないかという点が一つであります。もう一つは治山治水でありますが、災害を根本的に防除するということなくして、いかに下流の田畑に投資をしてみましても、一軒にしてこれが氾濫水没するということであつて見れば、いたずらに賽の河原に終りはしないか、そこで治山治水事業にも相当な重点が置かれなければならない。なかんずく治山治水においても、河川、砂防、治山、造林という四項目の中で、河川については、従来から相当な金額が盛られて参りました、ところが一番大本である山を直すということについては、遺憾ながらウエートが置かれなかつたという実情がある。これは何とかして直さなければいかぬ。そこで農林省関係の治山事業でございます荒廃地復旧ないしは水源林涵養、海岸砂地造林といつたような、一連の災害の根源を取除くということに何とか重点を置きたい、さらには山に木をはやさなければならぬというところから、造林に重点を置いて行きたいということで、治山治水事業中の山を直すという点に、相当なウエートがかかつて来ると思います。さらに河川の上流の砂防工事でありますが、これにやはり治山と同じようなウエートを置かなくちやならぬではないか、こういうかつこうで、災害復旧と治山治水事業をながめて行かざるを得ないと思います。その場合に、まず第一の問題は、一体公共事業の総額が、来年度においてはどの程度になるかということであります。御承知のように二十五年度は九百九十億でございました。来年度において見込まれます分は、おそらく千億ないしはそれを多少上まわる程度ではなかろうか、これは大蔵大臣から御答弁しなければならぬ事柄でありますので、私はただ推測で申し上げますが、ほぼその程度で、これが二千億なり三千億なりに一挙にふえるということは、ちよつと現実的に考えてみた場合に、非常にむずかしいのではなかろうかということから、ほぼ前年の千億程度の規模を想定いたしまして、今申し上げましたような重点について、経費の配分をながめてみますと、一般公共事業に振り充てられる額というものは、去年に比べてそう一気に二倍、三倍というところには、遺憾ながら行きがたいと思うのであります。しかしながら、前年度に対してこれが三割なり五割なりふえるという場合に、そのふえた一般公共事業の増額分を、一般公共事業の中でどうわけるかということになりますと、そのときこそわれわれは土地改良にそれを集中的に持つて行きたい、こう考えるのであります。もちろん漁港も大事だ、林道も大切だ、道路の復旧もゆるがせにできないというお話もあると思いますが、今日目下の急務は土地改良ではなかろうか、開拓というものを一応離して、土地改良という問題に重点的に行かざるを得ないのではないか。そういたしますと、先ほど二十五年度の土地改良の比率は三・七%と申しましたが、これをどこまで持ち上げるかということでございます。これを二十一年当時の一二%程度まで上げ得るならば非常にいいのでありますが、そういたしますと前年度の約四倍程度となるのであります。四倍ということになりますと、前年度が御承知のように大体八十五億でございますから、約三百数十億になります。三百数十億ということになりますと、二百数十億の増額をしなければならない。ところが一般公共事業全体として見たときに、二百数十億の増額はおそらく困難であろうと思われますので、許される範囲内で極力これを伸ばして行くということをとらざるを得ないのであります。それが何パーセント程度見込むべきかという点は、なお作業を継続中でありますので、はつきりした数字は申し上げかねるのでありますが、ともかくも三・七%ということでは話にならぬ。何とかこれを少くとも倍くらいに持つて行きたい、おそらくその辺が限界ではなかろうかというのが、事務的に考えた場合の判断でございます。これに加うるに政治的な判断が加わりまして、たとえば道路のごとき前年に比してさらに食い込む余地があるかどうか、ないしは治山治水においてそれを増額する必要はないかどうかというようなことになりますと、これはわれわれの事務的な判断の限界を越えますので、その点はひとつ大蔵大臣ないしは安本長官におただしを願いたいと思うのであります。大体われわれの今日考えております構想は、そういうかつこうになると思うのであります。 そこで先ほど農林省の農地局長からお話もございましたが、土地改良の中においても、団体営の灌漑排水でありますとか、ないしは小規模の土地改良、すなわち客土、暗渠排水、農道、区画整理といつたような、いわゆる小規模な土地改良に対する投資を思い切つて増額をしなければならぬというお話がございました。その点につきましては、われわれも、これらの投資効果というものは、非常に急速に生れて来るという点におきまして、その重要性は十分認識をするのであります。しかしながら今申し上げたように、全体のわくが非常にきゆうくつであるという場合に、大規模の事業を圧縮してまでそちらにまわすということは、なかなかむずかしいのではないか、つまり農業金融の制度が確立しておらないところに問題がある。そこで農林省の提案されました農林漁業金融金庫というようなものがございますが、これを来年度においてはぜひとも実現いたしたい、ないしは実現の方向に向つて、われわれとしては何とか努力をいたしたいと思うのであります。これらの金融機関が確立いたしますならば、団体営ないしは小規模土地改良というものは、相当大幅に事業が進展し得るのではないか。これをやりませんと、先ほど八木委員がまさに御指摘になりました通り、現存の公共事業だけをもつてしては、とうてい土地改良十箇年計画を、満足に遂行ずることはできないという判断をとらざるを得ないのであります。そこで金融金庫の設立につきましては、幾多の問題がございまして、なかなかわれわれの所期するごとくは参らぬと思いますが、その点につきましては、農林委員皆様の絶大なる御支援によりまして、何とかこれをものにしたい、こういうことをわれわれは希望しておるのであります。
○八木委員 関連の質問者もあるようでございますから、私は最後に一点だけ佐竹主計官にだめ押しをして打切りますが、今御説明のように、事務的に誠意を盡して、この内閣の予算編成方針に沿つた作業を進めればこの程度までであるという御苦心のほどは、十分了承できました。一千億の減税を一方に掲げながら、あわせてこの食糧の自給度向上の線に沿つた政策を断固として行おうとするその調整は、まつたく政治的に解決せざるを得ないのであります。この点については、私は明日大蔵大臣の出席を求めて、とくとその意のあるところをただしたいと思うのでありますが、委員長においてはもとより、農林大臣、大蔵大臣は明日要求してあるはずと思いますが、それはどうですか。
○千賀委員長 御趣旨に沿うように極力努力をいたします。
○八木委員 大蔵省の政府部内においては、大蔵大臣の来る時間がわかれば、その時間にあわせてわれわれはいろいろ尋ねたい点を持つておるのでありますが、部内の事情はいかがですか。何とかむりをして出られる都合はつきませんか。
○佐竹説明員 大蔵大臣の都合がつくかどうかということでございますが、それは帰りまして、極力大臣に出るように連絡はいたします。
○八木委員 明日大蔵大臣がこの委員会に出席願えるという予定のもとに私の質問を打切るのでありますが、その返事はすぐにもとりまとめてもらいたい。もしまとまらなければ私は質問を継続いたします。 そこで最後に今お尋ねしておきたいのは、さつき申したように、かりに一千億の公共事業のわくだ、これは第八国会のときに予算委員会において、池田大蔵大臣もそう言つておりました。目下の素朴なる構想では一千億程度しかできない前年よりはふやすというだけの誠意ははつきり言明できるがという前提で、こう言つておられました。そうなりますと、一方に限られたわくが出て来た、その中に政治的な解決を求めるということになれば、勢い所管大臣の政治力の結果によつて左右せられて、国の将来を明朗にし、この際どうしてもやらなければならないような事態が、いつの間にか忘れられて、所管争い、いわゆる建設土木の方に流れてしまつて、農林土木の方は等閑に付せられるというような事態がなきにしもあらずということに、国民の半数を占めまする農民層は非常に注意を向けておる。私どももその声をそのまま所管の大蔵大臣に訴えて、この点を十分話し合いたいと思いますので、作業に当られます事務当局としましては、今明日に行われます当委員会の中で発言せられる国民の声を、十分にくみ入れて作業をなさる用意があるかどうか。その点だけをだめ押しをいたしまして、私の質問を打切ります。
○佐竹説明員 その点は八木委員の御趣旨を十分に体しまして、極力盡力をいたしたいと思います。
○井上(良)委員 この際ちよつと八木委員の質問に関連して、きわめて重大な問題でありますから伺いたいのですが、今政府の立てております二十六年度の公共事業計画は、大体これは自由党が立てております十箇年計画と言いますか、この線を一部具体化しよう、こういう構想の現われであることは、今までの御説明で大体了承いたしました。ところが私どもの考え方は、そういう計画の上に立つた仕事をするということも、今日わが国の置かれておる国際的な諸情勢の上からきわめて重大でございますけれども、しかし朝鮮事変の動向というものがどうなつて行くかということを考え、ここに米ソの対立というものをわれわれが考慮いたしました場合、将来万が一米ソの鋭い対立の結果、戰争になつた場合、一体日本の食糧自給はどうするか。しかも第三次世界大戰というものがそう遠い将来のことでないように、われわれはいろいろな角度から判断を下すことができるのであります。そうなりますと、今日本の食糧のほとんど大部分は、アメリカ大陸に依存しておる現情にある。ところが万が一この紛争が戰争化された場合、アメリカとしましてはヨーロツパの食糧も供給しなければならぬ。そのヨーロツパよりはるかに輸送に危險な、しかも非常に遠い日本の食糧の供給もしなければならぬ。こういうことでわれわれがアメリカの援助を仰ぐといたしましても、このこと自身が非常に困難な見透しに立たざるを得ないのです。南方方面の状況をわれわれが見ましても、御承知の通り、南方諸地域にも相当困難な状況が起つて来るということは、予想され得る。そういう息詰まるような国際情勢の緊迫下において、国内食糧自給の態勢というものは、きわめて重大な段階に今頭をうつつけておるのじやないか。そういう息詰まるような情勢をわれわれが見ました場合、十年計画などと、そんな遠い計画はわれわれは考えられないのです。もつと早急に、国民のあらゆる協力を求め、あらゆる努力を求めて、早急にここ二、三年のうちに何とか最小限度足らぬ分は、国内で自給できる態勢を確立する必要があるのです。これは政府として当然考えなければならぬ。また特に農林省の担当官は、積極的に全力を上げて、この問題の解決に当つてもらわなければならぬと思う。それができないようならできないという一つの腹をくくつて、またそれを実行が不可能ならば、なぜ不可能かという理由を明らかにされて、ただのんびりひよろひよろやられたんでは、国民は迷惑至極なんです。従つてここ数年のうちに、最小限度これだけはどうしても米をつくらなければ日本は困る。かりにアメリカがぐずぐず言おうが、日本の国民の生命財産を預るわれわれ政府として、これはどうしてもやらなければなりません。万が一こうなつた場合、われわれはあなたの国ばかり頼つているわけに行きませんという、明らかな線を堂々と出せばいい。そして思い切つた対策をこの際立てるべきだ、そういう見地から、今も佐竹さんのお話を承つておりますと、せつかく農林省が苦心さんたんをしてつくつた案も、今の説明によると、本年度の倍ぐらい行つたらたかだかいいところだ、こういうまことに心細い話なんです。土地改良だけでも昨年度は三十四億足らず、三十三億二千四百万円、こういう数字で、これが倍になつたところで六十六億、こんなもので一体どうなります。さきにちよつとあなたの一方減税せなければならぬというお話がございました。一方では減税せい、一方では事業をやれ言うても、同じさいふをそんなうまいこと使わらへんという御心中はお察しいたしますが、われわれはそういう具体的な事実に当面して、ほんとにこういう事業をやればこうなるということを、国民に納得させ、得心さすならば、この際多少の重税はがまんをしてもらつて、減税なんてこの際考える必要はない。こういう仕事でここ二年や三年はこうするのだから、ひとつしばらくがまんをしろ、私は、この日本の時局はそういうふうに要求しておるのですから、そのくらいは思い切つて、この際やつていただきたいと思うのですが、そういうお考えはありませんか。それから農林当局は実際食糧需給の責任者でありますから、ことしは三箇月、四箇月の食糧を保有しておりますから、問題はないにしても、しかし中部地方その他にはいもちが猛烈に蔓延して、災害の率がきわめて大きいことが予想されるのです。そうしますと、来年の食糧の自給確保を一体どうしようということが真剣な問題です。これは具体的な事実に立つて、ほんとに腹をくくつて、これが通らなければ責任をもつてやめる、おれたちはようやらぬ、農林省としては食糧の自給態勢に責任を持てぬ、これだけの腹をくくつて大蔵省を押し切りなさい。佐竹さんも、そんならひとつ考えるということがあるやろうと思うから、このくらいの腹をくくつて考えて、佐竹さんも農林省担当の大蔵事務官としてわきの分取りに来る都市建設あるいはその他の公共事業に対して、まあ、ことしは金融でやつておけというくらいで、この点は一万田日銀総裁も、目的がはつきりし、また使い道がはつきりする点については、できるだけ金融をはかるということを大蔵委員会で言明しております。だからあなた方の考え方は直接役立つ、また直接国の一番大事な基本点でありますから、これを去年よりちよつと毛をはやしておくくらいで済ましておかれたら、たまつたものではない。どんなことがあつてもがんばつてもらわなければならぬ。この決意をあわせて山添さんと佐竹さんにひとつ伺いたい。
○佐竹説明員 ただいまの井上委員のお話はまことにごもつともだと思います。われわれも御指摘の通りの事態が、あるいは起るのではないかという危惧を持つております。それだけに増産運動というものは早急にやらなければならぬということも、まことにごもつともだと思うのです。ただ御参考までに申し上げておきたいのでありますが、問題は災害復旧事業にあるのでありまして、これがまだ確定した数字ではございませんけれども、すなわち二十五年度末において後年に残される事業量というものは、どの程度あるかということでございます。それはわれわれのまだラフな計算でございますが、約九百七、八十億程度残るのでございます。このうちには、先ほど農林省農地局長からのお話にもございましたが、ものによつては十八年災というものも多少残つておるかもしれません。しかし大体において二十二年災までは片づけたが、二十三年以後のもの、二十三、二十四年とさらに二十五年のものを加えますと、それを今後二十六年度以降において完成させなければならぬ分が九百七、八十億に上るのでございます。しかも災害復旧というものは、一日もゆるがせにできないことは、十分御承知の通りでありますが、これをもし来年度において全部やるということになりますと、どうしても公共事業費の大部分を食わざるを得ない。それも多少むりでありますので、これをかりに三年計画を立てて、三年以内に完成するということにいたしましても、やはり来年度において四百二、三十億の金は使われてしまうのであります。そこで技術的な増産計画の問題は、私よりもむしろ山添次官からお話があると思いますが、かりに十年以内に自給態勢を確立する案が策定されまして、たとえば大体何億の金がいるということになりました場合においても、ただいまのような災害復旧事業の残額を抱えております段階においては、農業関係を飛躍的に増加させるためには、どうしても公共事業費の総額を思い切つてふやさざるを得ないと思います。その点はわれわれの判断を越えますので、何とも申し上げかねるのでありますが、結局問題の根本的解決は、公共事業費総額の増加にある。これを二千億なりないしは三千億なりに増加せざる限り、まことに申訳けないのでありますが、先ほど井上委員が御指摘になりまして、たよりないというおしかりをこうむりましたが、千億程度のベースに考えますと、申し上げた程度のことしか考えられないのじやないか、これは総額の問題でありますので、十分に大蔵大臣とお話合いを願いたいと思います。
○山添説明員 井上さんのおつしやいましたことは、これは国民ひとしく心配をしているところでありまして、局に当つております私どもも、これはいいかげんな予算数字というような意味で考えているわけではございません。土地改良を中心といたしまする予算も、自由党でおつくりになつた十箇年計画をべースとして、最近の世界情勢をしんしやくいたしまして、繰上げて施行しよう、そしてここ二、三年といいますか、三年というよりは、むしろ来年、再来年におきまして、一割程度の増産、言いかえてみますと、一千万石程度増産をいたしまして、現在輸入しております数量の半額は、少くとも国内で確保する。もし何らかのことがございますれば、現在持つております多くの貯蔵量、これを今後も減らさないで、むしろ、なし得べくんばふやすという状況を保ちまして、いかなる場合におきましても対処し得るような考え方、及びそういう構想に基いた土地改良その他の予算を要求いたしておるわけであります。そういう意味におきまして、今後の折衝もいたしたいと考えております。
○河野(謙)委員 八木さんの質問に関連して申し上げます。食糧対策につきましては、大きくは時局の情勢、時局の推移によつておのずと緩急の度合が生れて来ると思いますが、われわれの方もたしかにかねて十箇年計画を立てて、政府の方にも要望しております。しかしわれわれの言う十箇年計画には、おのずと時局の推移によりまして彈力性がある。ある場合には初年度、次年度に厚く、後年度に薄くする。またある場合には、後年度に厚く初年度には薄くするということもあるわけですが、今の時局の推移を見ますと、まさしく初年度、次年度、三年度にほとんど大部分をやるというように行かなければならぬことは当然であります。そこで、財源の関係もありますが、具体的にひとつ山添次官に伺いたいのですが、この緊迫した時局——この時局の見方はいろいろあります。私がこの間ある先輩に聞きましたら、政府は来年度食糧の一割増産計画をやつているが、何をふざけたことをやつておるか、来年までもたないじやないか、今年の暮のことをどうするのだ、一体今輸入食糧をどうしておるのだというお話がありましたが、こういう極端な意見も相当の人から出ているこの際に、私はこの土地改良、干拓等に対しましても、具体的な問題として農地局で経済価値の査定をやつておりますが、その査定のものさしもおのずとかわつて来なければならぬ。そのものさしをかえなければならぬということは、少くとも三年、五年で計画が完了するというようなものは、この際経済価値はないと思う。少くとも反当二万円かかろうが、二万五千円かかろうが、最も重点を置いて、最も優先的にとらなければならぬものは完了年度の早いもの、一年で済むものもしくは二年で済むもの、こういうものに重点的に持つて行つて、これをもつて経済価値の最も高いものだ、こういうふうに行くべきだと思います。そこで来年度におきまして事業済了年度が早いものが採用されるということは、最もいいことだと思います。それで来年度の土地改良事業の査定に当りまして、今までと同じような経済価値の算定をされるか、それとも、私が今考えておりますようなふうに、経済価値の算定をかえて行かれるかどうか、また別の面で申しますと、今まで一つの面積に対して單位を置いておりますが、たとえば十町歩のものであつても、二十町歩のものであつても、これがただちに土地改良によつて経済価値を次年度に生むというようなものは、これは土地の面積のいかんにかかわらずどしどしとやつて行くべきだ、かように私は思います。これも時局の推移を見まして、どうしてもさように来年度からしなければいかぬ、かように思いますが、これらの考え方に対しまして、どう考えておられるか。同時にこれは土地改良の目的とは直接関連がございませんが、輸入食糧につきまして、最近におきまして、輸入食糧の計画をどのように変更されたか、これもこの際ひとつ次官から伺いたいのであります。
○山添説明員 お話の点ごもつともでございます。どこに重点を置くかといえば、やはりここ一、二年のうちに効果を上げる事業でなければならぬ。そこで一番手取り早いのは、現にやりかけておる仕事を早く仕上げるということが一番早いわけです。その次に、この冬もしくは来年の冬というような、一つの期間で仕事のでき上るようなものをたくさん仕上げて行く、こういうことでありまして、その辺のことにつきましては、要は明年、明後年において生産を具体的に上げるということを目安にして考えておる次第でありまして、特にそのことは予算要求と同時に、予算が確定しましてからの実施運用面につきまして特に考慮を拂うべきことと考えております。先ほど佐竹さんからもお話がありましたように、公共事業投資と金融とを通じまして、所期の生産量は確実にあげるという方向に持つて行きたいというように考えております。
○河野(謙)委員 今の御答弁は少しく抽象ぎみでありましたけれども、そういたしますと、いわゆる経済価値の算定の基礎は、今までと違つた算定基礎の上に立つてやつて行く。要するに完了年度の早いものを重点的にやるというふうに、ものさしの取方をかえるということを私がお願いした、そのことそのままが次官の考え方である、農林省の考え方である、こういうふうに了承していいかどうか。それからやりかけの仕事とおつしやいますけれども、やりかけの仕事必ずしも早いとは限りません。やりかけの仕事でも三年も五年も、ずいぶん長い計画のものもあります。だから要するに、早く効果を生むもの、価値を生むもの、こういうふうに重点的に行く、それが地域の大小の別なく、とにかく早いものから行く、こういうことに徹底的にかえて行くという私の考え方に、まつたく同様であるか、そういうふうに了承してよろしいのですか。
○山添説明員 ものさしのはかり方は、投資の額とそれによつて生じまする生産効果とを比較しての問題でありまして、これはかえるわけではございません。これはこれの一つの標準であります。同時に、早く生産効果を上げるものに集中的に仕事をやるというのが、また緊急なるものさしでありまして、その後者のものさしに重きを置いて計画も考え、特に予算が確定しました後における実施については、そこに重点を置きたい、こういう意味であります。なお大きな仕事につきましては、完成年度までにずいぶんかかります。かかりますけれども、それもあるところまで行きますと、これもまた部分的にそれぞれ効果を発揮して来るのが実情でございまして、その辺のところを勘案していたしますと同時に、土地改良のような十箇年計画に基きました仕事につきましては、新規のものも、ことしやつてすぐというよりも、準備という意味において顔を出しておくということはやはり必要なんです。従つて新規ということも相当これを計画面に取入れておく。しかしそれにつける金は初年度は少くしておきまして、準備をやつておく。そうして次の年にどつと仕事の完成に持つて行く。こういうようなやり方をいたしたい、こういうような考えであります。
○千賀委員長 足立篤郎君。
○足立(篤)委員 私は先ほど次官から御報告のありました麦の問題につきまして質問をいたしたいのでありますが、大蔵省の佐竹主計官にお忙しいところをわざわざおいでを願つておりますので、財政に直接関係します問題——これは間接的になるわけでありますが、これを先に取上げまして質問いたしたいと思います。 その前に、農林次官に一点だけ確かめておきたいのですが、次官の御報告の中で、実收高調査で、今回の麦の供出補正の数量とにらみ合せてむりはないのだというような、一見非常に苦しいような御報告があつたわけでありますが、私どもそれにつきましては、非常な疑問を持つております。特に事前割当の作付面積と、統計調査部が調べられます実作付面積、こういつた面積の食い違い、あるいは調査、集計の方法等からいたしまして、これをただちに供出補正にあてはめて、これをものさしとしてやる——事実これが相当有力なる資料になつておるようでありますが、これが非常なむりがあるのではないか、合理性を欠いておるのではないかという、数点疑問を持つておるのでありますが、その問題はあとにゆずりまして、かねてこの委員会におきまして、農林大臣が、今後の麦の供出については、超過供出は強制はしないということを言明されておるのであります。ただいま私が申し上げましたような、いろいろな、基礎につきましても、本年度の供出割当は相当なむりがあるということは、全国的な声になつておるわけでありますが、これが至上命令という鶴の一声で、相当むり押しにされておる。しかも地方におきましては、相当強い強制的な呼び声がかかつておる現状でありまして、この大臣の言明された点は、農林省におきまして、その後関係方面との関係もございましようが、変更はないかどうか、この一点をまず確かめておきたいと思います。
○山添説明員 これは責任をもつて出していただく、こういう趣旨に解しております。
○足立(篤)委員 これは大臣から承ることでありますから、この程度にしておきます。 それでは本年度産麦の共済金の評価と支拂いにつきまして、まず次官から一応のお答えを願いたいと思います。本年度産麦につきましては、御承知の通り五月の末から六月初めにかけまして行われました予想收穫高調査におきましては、その被害はきわめて局地的でありまして、大体平年作ないしはこれを上まわるというように予想されておつたのでありますが、右の期間を経過いたしましてから以降、收穫期までにきわめて不良な天候が続きまして、地方によりましては未曽有の降雨量を見たのであります。従つて水害、病害等が全国各地に発生いたしまして、農家の当初の期待に反して、本年度また異常災害ということになりましたことは、まことに遺憾に存ずるのであります。この本年産麦の被害の特徴は、災害の起りました時期が收穫期直前にあつたということでありまして、これがために量的にもまた質的にも、非常な打撃を受けたのであります。従つて統計調査部の調査は、時期的に相当ずれがあるように思いまして、その後ある程度修正はされておりますが、いかにも実態を把握しておらないのではないかという疑問を持つておるわけでありますが、この点はさしおきまして、最近の農家の金詰りの現状等からいたしまして、この減收が農家に及ぼす経済的な影響というものは、まことに甚大なものがあるのであります。農業災害保障制度は、このような災害に対処いたしまして、農家の損失を補填し、再生産を維持培養せんとするものであることは、御承知の通りでありますが、本制度実施以来わずか三年の間に、百三十億の共済金が支拂われておる。なおこれによつて救済された農家は、実に数百万戸に上つておるという実情にあるのでありますが、政府並びに與党におきましては、この制度の強化整備を、今後の農業政策の最重点として取上げられまして、力強く推進をはかつておる現状ではございますが、遺憾なことには、いまだ拔本的な改正が行われておりませんので、せつかくのこのありがたい共済金の支拂いが非常に遅れるという、重大なる欠点を打つておるのであります。異常な災害をこうむりました農家は、供出はおろか、飯米にも事を欠くという状況でございまして、その現金收入といたしましては、まつたく支拂いを受ける共済金しかないという農家も少くないのであります。これらの農家には、一日も早く共済金を支拂つて、次の作物の生産資金に充当させることが、保障制度のおもなる目的であるわけでありまするが、今までの例といたしましては、県の連合会が再保險金の支拂いに必要な書類を、農林省に提出いたしましてから二月も三月もかかり、はなはだしきに至りましては、半年以上もかかつておるのであります。共済金は忘れたころに来るという悪口を農民が申しておるのでありますが、せつかくの制度も、かような面で非常に効果を減殺しておる現状であります。 そこで第一点としてお伺いいたしたいのは、最保險金の支拂いがなぜなぜかように遅れるかというその理由について伺いたいのであります。 第二点といたしましては、昨年度及び一昨年度の麦の再保險金は、たしか八月中旬に支拂いが開始せられたと記憶いたしておるのでありますが、本年産麦の再保險金は、いつごろから支拂いを始め得るかどうかについて伺いたいと思います。 第三点といたしましては、支拂いが遅れる理由にはいろいろございましようが、農林省としては、今後再保險金支拂いの迅速化をはかるため、いかなる対策をお立てになる御所存であるか。特に基金等の設定がどうしても必要だと私ども日ごろ考えておるわけでありますが、これに対する予算的措置についていかなる案をお立てになり、なお大蔵省当局ともどのような折衝の経過になつておられるか、まずこの三点につきまして伺つておきたいと思います。
○藤田説明員 私からお答えを申し上げます。まず第一点の政府支拂いの再保險金の支拂いが非常に遅れておる理由はどうかという点でございますが、これは御承知の通り、共済保險制度が始まりましてから、引続き毎年災害がございますたびに、政府の特別会計に不足金を生ずるわけであります。つまり特別会計自体では不足が生じまして拂えません関係上、それを毎年あるいは日銀でありますとかあるいは大蔵省の預金部から借り入れる、あるいは一般会計からの繰入れによつて調達して来ておるというような事情がございますので、これは農林省だけでこれを決定することができませず、勢い調達等についての折衝も要します関係上、非常に遅延をいたしておるということが実情に相なつております。 それからことしの麦の再保險金の支拂い、これはいつからできるかということでありますが、ことしの麦につきましても、昨年よりも多い災害が発生しております。従いまして現在のところ相当不足金を生ずるというような事情になつておるわけであります。私どもの団体からとりました調査をまとめてみましても、本年度に支拂うべき共済金額が三十億程度にも達するというふうになつております。昨年支拂いました共済金額は十八億円程度であります。そういうことになつておりますので、政府の再保險金の支拂いについても非常に不足金を生ずる見込みになつております。この点について現在折衝をいたしておつて遅れておりますが、できるだけ迅速にこれを決定いたしまして、できますれば九月にはひとつ支拂いをするようにいたしたい、かような心組みで極力急いでおるわけであります。 それから第三点の、再保險金の支拂いがかように遅れておるのを改善するための今後の対策について、私の方といたしましては、恒久的な対策としては、やはり毎年々々不足金というものが生ずるということでありますと、それが遅れるわけでありますから、長期バランスはとれてあるわけであります。いわゆる特別会計に基金制度というものを設定いたしまして、その基金によつて、かりにその年において非常に再保險金が遅れましても、それを一時まかなうというようなやり方をすることが必要である。なおまた一方できるだけ一定の條件のもとに仮渡しの制度というもの、いわゆる概算拂いというような制度を設けまして、全体のものがきまりませんでも、一定條件のものについては極力これが概算拂いで支給し得るというような道を開くことによつて、改善をして行きたいということで、現在相当額の予算を計上いたしまして、現在大蔵省の方面の御盡力を願つておるわけであります。
○足立(篤)委員 ただいま農政局長の御説明によりますと、麦の共済金が遅れておる理由といたしましては、特別会計に不足金を生じて、その不足金の処理についても、折衝を大蔵省といたしておるので遅れておるのであるという御答弁でございました。それにつきまして特に御出席願いました佐竹主計官に伺いたいのでありますが、この特別会計の不足金は、いずれ補正予算によらなければ処理がつかないと思うのでありますが、それに対するお心構えを伺いたいと思うのであります。伺う前に特に私から申し上げておきたいと思いますことは、先ほど農林次官から御報告のありました統計調査部の調査によりますところの実收高調査、こういつたもの、あるいは、麦の供出補正の基礎になります減收率とか、いろいろな数字が優秀なる参考資料として大蔵省においてもお持ちになり、こういつた面から御検討なさつておるのであろうと想像いたすのでありますが、先ほどもちよつと触れましたように、たとえば統計調査部の調査は、被害調査ということをやつてはおられますが、私ども実態を見るところによりますと、何と申しましても国内で、あるいは各県別に、実收高がどれだけになつたかという点に重点を置かれたような調査のように見受けられるのであります。それはどういうことかと申しますと、事前割当の作付面積ということを無視いたしまして、実作付面積を拾つて行く、極端に申しますれば、屋敷の中にある畑まで拾い上げまして、洗いざらい出しまして、それに査定しました反收をかけて実收高を想定するというやり方をとつておるように見受けられるのであります。そういたしますと共済制度の方は御承知の通り一筆ごとに引受けました作物につきまして、被害が三割以上ありましたものに対して評価をいたすのでありまして、おのおの根拠が著しく違うわけであります。供出補正の数字につきましても、この基礎は相当に統計調査部の数字を基礎にいたしておりますので、これまた基本的に数字が違つて来るということを申し上げてさしつかえないと思うのでありまして、こういつたものによりまして、大蔵省が農林省の決定しました案をさらに決定するということは、法的権限からいいましても疑問があるのみならず、将来に悪前例を残すことになるのじやないかということを憂慮いたすのであります。もちろん財政支出でありますので、厳格に御審査あるのは当然と思いますが、それによつて著しく制度の運用を害し、支拂いが遅れて、せつかくの制度の効果を減殺するということでは、私どもまことに憂慮にたえない次第でありまして、先ほども申し上げました通り、この制度は今日残された唯一の農民の経済安定の方策であるということもお考え合せ願いまして、この点は主管省であるところの農林省の決定を尊重され、大蔵省においては、一日も早く予算措置について具体的方途を見つけていただくというふうに御善処を願いたいと、私は希望いたすのであります。これだけを付言いたしまして大蔵省当局の御見解を承りたいと思います。 なお、ただいま農政局長から基金を設定すればこれが解決する見通しであるという御説明もございましたが、これこそぜひ必要であると私ども日ごろ考えておるのでありまして、これについて、二十六年度予算に、それぞれ農林省から案を立てて大蔵省に要求をいたしておるはずでありますが、これに対する担当主計官の御迷惑を承りたいと思います。
○佐竹説明員 ただいまの足立委員の御質問の第一点についてお答え申し上げます。この点につきましては、昨日衆議院事務当局を通じまして、農林委員会の御了承を得ておいたのでありますが、実は農林省から正式の要求数字が出て参りましたのは、つい一両日前のことでありまして、まだわれわれも十分に御説明を承つておらぬという段階でございます。従つてこれに対していかなる査定をするかという点についての、主計局の腹はどうかという点につきましても、実はその点が確定しておりませんので、今日まだ御答弁申し上げる段階には至つておりません。もう少し先にお延ばしを願いまして、計数の確定をまつてお返事申し上げたいと存じます。 第二点につきましては、基金制度を設けたらどうか、この点はわれわれもまつたく同感でございます。極力この制度の確立につきまして、来年度予算を通じて十分研究をいたしたいと思います。ただ何分にも基金を設定するという場合の一つの前提條件としては、現在の保險の料率がはたして適正であるかどうかという点を十分に検討をいたす必要があると存じます。この料率の決定が適正を欠きますならば、いかに基金を設定いたしましても、年年歳々基金を食つて、いくらつぎ込んでも足りない、こういう状態に立ち至るおそれがないとは考えられないのであります。すなわちただいま農政局長が、長期バランスはとれているのだというお話もありましたが、現在の保險の仕組みは申すまでもなく、二十箇年の長期をとつて一応バランスするものとされているのでありますが、何分にも過去の昭和元年から二十年までの統計が基礎となりまして、被害率の算定をされ、それに基いて保險の料率が決定されているのが、現在の実情でございます。そこで、それらについて、はたして統計的に十分もはや検討の余地がないかどうかという点を突き詰めてみますときに、必ずしもそこにまつたく疑問なしという答えは出ないのであります。われわれといたしましても、基金制度を考えますにあたつては、料率の算定を十分に農林省とも御協力いたしまして、再検討いたしたい。それとあわせて、この問題は考えて参りたい、こう存じます。
○足立(篤)委員 決して佐竹さんの言葉じりをとるわけではありませんが、今のお話の中に、農林省から一両日前に案が出たばかりであるので、まだいかに査定をするか検討していない、時間がないというお話であります。この大蔵省が査定をするという考え方が、私は大間違いであろうと思うのであります。予算の査定ならばいざ知らず、これは予算ではありません。農林省が各県連合会から出ましたものにつきましては、相当嚴重な査定を加えまして、評価をいたしているのであります。農林省が主管省であります以上は、農林大臣が決定をしましたものが、私はこれが国の確定災になるべきだと考えているのであります。これを大蔵省がさらに査定をするという考え方が、運用を誤る根本ではないかと思うのでありまして、これは農林省の自主権にまかすべきものである。大蔵省はこの財政支出をいかに処置するかということについて、誠意をもつて御協力あつてしかるべきものではないかと私は考えるのであります。これは言葉じりをとつて議論をするようになりますから差控えますが、さように考えることだけは表明しておきます。 なおただいま特別会計に赤字ができて、支拂いが遅れるというお話がございましたが、それにつきましては、実は昭和二十四年度の末におきまして、全国の連合会の事業面における不足金は、合計いたしますと、農作物関係だけで約十億の巨額に達しているのであります。この不足金は公団等の赤字とは、全然その性質を異にするのでありまして、事業実施をいかに嚴正に行いましても、その巧拙にかかわらず、一旦異常災害が発生いたしますと、制度的に生ずる不足金であるのであります。天災が不可抗力であると同様に、この不足金の生ずることも、また制度を改めない限り不可抗力であると考えるのであります。本年度に麦の異常災害が起りました結果、約三億の不足金が、さらに全国の連合会に生ぜざるを得ないという見込みであるわけであります。従いまして、県の連合会といたしましては、政府から災害保險金を支拂われたといたしましては、この三億円の手当がつきませんと、農家にまるまる共済金を支拂うということができないのであります。しかも單に不足金の三億円ばかりではなくて、実際のところを申し上げますと、麦の收入保險料というものは、ほとんど昨年度までの借入金の十億の償還に充当しておりまして——償還と申しますのは借入金の償還でありまして、県の連合会における麦の支拂い財源はほとんどないと申し上げてもいいのであります。従つてこれが結局また赤字になつて、十億というものが浮び上つて来るのであります。県の連合会がかかる実情にありますので、金融機関はもはやなかなか金を貸してくれないというのが実情であります。実は農林中央金庫におきましても、昨年の水稻の不足金約八億円につきましては、頑強にこれを拒みまして、長い間根気よく折衝いたしました結果、結局大蔵省の御助力を得まして、預金部の資金を中金の金繰りが困つた場合には出すという、大蔵省との話合いをつけてもらいまして、ようやく貸出すことに同意をしてもらつたようなわけであります。このような実情で、結局だれの責任でもない、制度の責任というこの連合会の赤字のために、運営が著しく困窮をきわめているこの下足金に対しましては、特別な御考慮をいただくべきものであると考えているのであります。特別会計における基金の設定と同時に、これに対する金融措置、場合によりましては、従来の赤字の政府国庫負担というような点につきましてもお考えを願わなければ、この制度の運営は立ちどころに困つて来ると思うのであります。ただただいま佐竹主計官からお話のありました通り、料金率の問題等確かに再検討を要する問題があろうかと思います。そういう点ともにらみ合せまして、二十六年度の予算編成に際しまして、農林省並びに大蔵省当局で極力御研究、御検討を願いまして、全国農民から要望のあります点、並びに政府與党で立案いたしておりまする農業政策の要綱等をにらみ合せまして、十分なる御処置をぜひともお願いいたしたい。この点は特にお願いをいたすのでございます。これにつきましては、今まで農林省におきましてもいろいろお考えくださつておりますが、この際相当大幅に制度の改正をいたすと同時に、恒久的な対策を講ずる必要があると思うのでありまして、これに対して特に本日は大蔵省の御見解を承つておきたいと思うわけであります。
○佐竹説明員 いわゆる農家経済の安定という面におきまして、農業保險制度の占める重要性はわれわれも十分に認識しているつもりでございます。従いましてこの制度の改善ということにつきまして、われわれとしてもできるだけの努力をいたしたいと思います。
○足立委員 先ほど本年度の麦の共済金の支拂いは、九月になればそうそうにやりたいという農政局長のお話を伺いましたが、今申し上げました通り、災害保險金が出ましても、連合会の負担の資金についての手当がつきませんと、実際の支拂いができないという関係にあるのでありますが、この金融措置に対する見通しを農林省から伺つておきたいと思います。
○藤田説明員 本年度の麦は、全県異常災害になつております。従つて連合会に生じます不足金につきましては、私どもの考え方といたしましても、やはり昨年と同じようなやり方で、農林中央金庫に何らかその調達を頼まなければならぬというふうに考えております。これはその問題と並行いたしまして、極力円滑に行きますように努力して行きたいと思います。
○足立(篤)委員 先ほども申し上げましたように、この金融につきましては、先年水稻の問題で非常に苦労いたしまして、農林省もよくおわかりの通りであります。これにつきましては、大蔵省当局ともお打合せ願いまして、重ねて万全の措置をお願い申し上げておきますが、さらにこの金融がうまくついたといたしましても、現存の農林中金から共済団体が借りております金利は、日歩二銭七厘でありまして、今までに出ております赤字十億の金利は、実に一日に二十七万円かかつておるのであります。一部の県におきましては、これを県費で助成をしておる県もございますが、大部分は連合会の負担であります。言いかえれば、農民の負担であります。さらに言いかえれば、共済金を受けておるのに、農民が一部を負担しておるという結果になるわけでありまして、これくらい矛盾撞着したやり方はないと思うのでありますが、これに対する金利の補償、助成という問題につきまして、農林省はいかようにお考えになつておるか、あるいは大蔵省と今まで御折衝になつたことがあるかどうか、この点について承つておきたいと思います。
○藤田説明員 この金利の問題については、従来もしばしば要望されるところでございますが、率直に申しまして、国が金利まで持つということは非常に困難な財政事情にあると考えております。従いまして、私どもといたしましては、極力県当局その他につきまして、もしも財政が許すならば、これを持つていただきたいということを、従来も申しておるわけであります。やはり連合会がこのように不足金を生じない、不足金が生じました場合にも、うまく行くような根本的な対策を立てる必要がある。従つて先ほど申しました基金制度の問題、あるいはまた佐竹主計官の申されました保險掛金全般の適正化ということとも合せ考えまして、私どもといたしましては、この際災害補償制度全般について根本的な考え方をいたしたい、それに必要な予算を要求いたしたい、かように考えております。
○足立(篤)委員 佐竹主計官に一言だけ伺つておきますが、土地改良につきましては、きわめて重点を置いて予算を確保したいというお気持の御表明があつたわけでありますが、先ほど来の私の質問あるいは御答弁等によりまして明らかになりました通り、この農業災害補償制度の重要性、なおこの制度を根本的に改正する必要があるということにつきましては、佐竹主計官もみずからお認めになつておるのでありますが、これはいずれ財布とにらみ合せなければならない問題でありまして、現在農林省が要求しております予算は相当な額に達しておるように聞いておりますが、これをどの程度やつていただける見通しであるか、それによりまして、制度そのものがどの程度改革できるかというバロメーターになるだろうかと思いますが、その点について一点だけ誠意のある御答弁を伺いたいと思います。
○佐竹説明員 ただいまの点につきましては、実はまだ完全に査定が終つておりませんので、はつきりした御返事をいたしにくいことを御了承願いたいと思います。
○千賀委員長 土地改良公共事業の問題につきましては、本日はこの程度にいたします。 —————————————
○千賀委員長 この際農業関係公団の整理に関する件を議題といたします。質疑の通告があります。河野謙三君。
○河野(謙)委員 当委員会におきまして、去る国会から引続き各種公団の調査をやつております。現在その調査の継続中でありますが、なかんずくわれわれが最も関心を深めておりますのは、現在清算機関になつております肥料公団の問題であります。次官もしくは農政局長にこの際特に伺いたいのは、七月三十一日で閉鎖しました肥料公団が、どの程度の在庫を持ちまして精算機関に入つたか。これが七十万トンであるか、八十万トンであるか、九十万トンであるか、これはすでに清算機関に入りまして半月以上経過いたしましたので、当然わかつていることであります。またこの数字は、今後の肥料の需給関係並びに今後の一箇年間の肥料価格にきわめて重大な関係があります。ですから、私はむしろもうこの十日か十二、三日ごろには、農林省から発表があつてしかるべきだと思いましたが、いまだに御発表がありませんので、この機会に伺いたいと思います。引続き一、二伺いたいと思いますが、まずその点を御答弁願います。
○藤田説明員 これは御承知の通り、七月末限りで公団が一応清算に入つたわけでありますが、その七月末にはたして農家渡しがどの程度まで行つたか、つまり農家に配給辞退等で未引渡しのものがどれくらいあるかというような問題、それからまた在庫のつき合せということをはつきりいたしませんと、確実な数字がつかめないわけでありまして、従つてこれは八月一ぱいにその在庫のつき合せをやり、確定をいたそうというわけで、現在経済調査庁が中心になられまして調査をやつておるわけであります。従つてこの問題は八月一ぱいに相なりませんと、はつきりしたことが申し上げかねますので、それまでお待ちいただきたいと思います。
○河野(謙)委員 今後一箇年間の肥料価格に重大な関係を持つこの数字が、通常であつても当然半箇月あればわかるものが、いまだにわからないで、農林省みずから今月末をもつて数字をまとめるというようなことは、非常に怠慢だと思う。あとの調査その他については一箇月かかろうが、二箇月かかろうが、それは別であります。しかし少くとも公団から万單位か何かの数字でもよいからこれを集計して、そうして七十万トンとか、八十万トンとか、九十万トンとかいう万單位の数字くらいは、当然集まるはずだと思う。もしそういうことが集まらぬとすれば、非常に怠慢であります。私はこれは單なる数字でなくして、先ほど申し上げましたように、農家に秋肥として春のうちに幾らくらい渡つておるか、また今後一箇年間の肥料需給関係を推算する場合に、その数字が今後の肥料価格の基礎になるのであります。であるから、私はこの問題は、今から言つてもしかたがありませんが、至急に集めて発表していただきたい。同時に私は、この際現在の肥料の情勢について、私が知る範囲のことを申し上げて、農林省の御見解を伺いたい。清算公団は大蔵省の予算において五割七分アツプを平均の販売価格として予算をとつておるので、五割七分平均に売れば清算公団は一ぱいに行く。ところが現在清算公団は全然売つていない。一方製造会社はいかなる価格を発表しているかと申しますと、農政局長御存じのように、窒素肥料が一番内輪に発表して七割アツプ、燐酸のごときは八割アツプであります。しかもこれは個人としての御意見であつたかもしれませんけれども、農政局長は去る議会の委員会におきまして、最高価格は七割アツプと心得る、最低は三割五分価格をもつて最低と心得る、その中間をもつて政府は適正価格と心得ると言う。適正価格をはるかに超過した最高価格をもつて、暗に製造会社は価格の協定をやつて発表しておる。しかも実質的に見れば、七割アツプにあらずして、製造会社の手取りは七割五分にも、八割にもなつておる。よく御承知のように、製造会社が七割アツプと申しますのは、従来公団の統制当時においての中間口銭を一切そのまま見ての七割アツプであります。ところが実質的には製造会社が自由になりましてからは、運賃その他の中間経費は、公団の統制当時の中間口銭よりも三割も、四割も安くなつておることは間違いない、三割、四割安くなつておるということは、七割アップにさらに中間経費を節約した分だけその製造会社の手取りは上つておる。従つて製造会社の手取りから行けば、七割アツプということは、実質的には七割五分、七割八分アツプであるということになる。こういうふうな事態をながめて、少しもこの肥料の価格について政府が見解を発表しないということは一体どういうことであるか、少くとも清算公団が相当数量のストツクを持つておる。しかも公団が廃止になつて以来、今月に入つて外国の硫安もどんどん入つておる。これらのものを処分することによつて、肥料価格は自由経済と言いながら、政府の手によつて自由に価格のコントロールができる今の情勢を申しますと、製造会社はなるほどデイーラーは入つておりません。デイーラーは品物をとつて値段は入れておりません。さらにデイーラーは農家に対しててどんどん売つております。農家は高いものを買わされておる。デイーラーは製造会社との仕切りをしておらない、今後一箇月、二箇月たつてだれかもうけますかというと、デイーラーがもうけるのであつて、農家は高いものをつかまされる。現在のメーカーの発表しておる価格は、いたずらに農家に高い肥料を使わせるということに役立つておるような状態であります。でありますからこの機会に政府が考えるところの最高価格を、さらに突破した現在の肥料価格をながめて、政府は一体いかなる措置をとられるか、いつその措置をとられるかということをこの際に伺いたいと思います。
○藤田説明員 廃止後の肥料価格について従来いろいろ臆測があつたわけであります。実際問題といたしまして、七月末までのストツクを、メーカーの製品は大部分買うということが一つ、それからその後の朝鮮問題というものが非常にメーカーを強気にしておる。現在いろいろそういうふうな事情からいたしまして、相当強気の値段の出ておることは事実であります。私どもといたしましては、廃止いたされましたあとの価格は、公定価格をきめるわけでございませんで、役所が幾らで売れというようなこともはつきりは言えないわけでありますが、今後現われて来ます問題は、先ほどお話のございましたように、公団の手持ちしておりますものをいかなるフロア・プライスで売つて行くか、もちろんこれは入札によるわけであります。フロア・プライスを幾らにきめるかということが一つ、それからまた輸入をされております硫安についての価格をどういうふうにきめるかということが一つ、そういうふうなときにおのずと政府の見解がその価格に反映されるだろうと思つております。私どもとしまして、この機会にできる限り農家の経済力で肥料を買いやすいような値段できめて行きたいということで考えておるのであります。
○河野(謙)委員 私は今の段階では、さような抽象的なことでは満足しません。自由経済であるから値段を放りぱなしということはないはずだ。司令部から公団廃止についての出ましたメモを見ましても、明らかに司令部は、言葉には現われておりませんけれども、政府が需給調整をやつてくれというような趣旨が盛られておる。また政府は需給調整を十分にやる実力を持つておる。今局長の話で伺いますと、朝鮮の興南工場が爆撃されたからどうとかいうようなことでありますが、メーカーが値をつり上げんために宣伝しておる海外の事情を、そのまま受入れられておるということはあまりにおめでたい。海外の肥料がどうであろうと、肥料は輸出許可制であります。肥料は農林省が輸出の許可をしなければ出ないのであります。 さらにもう一つこの機会に申し上げますと、輸出において今製造会社においては四十八ドルとか四十九ドルというようなことを言つております。外国に出す場合には四十八ドルであり九ドルである。内地におきましては五十数ドルであるということは、明らかにダンピングであります。このダンピングを一体認めるつもりであるかどうか。私はその点も伺いたい。いずれにしましても、私は今抽象的な御意見を伺うのではなくて、今どういうようなことを考えて、いつそれをやるかということを伺わなければならぬのであります。私は由来農林省にはしつかりしてもらいたいと思つている。このごろ肥料行政については、まつたく通産省が握つておる。通産省が肥料行政を握つておるということは、製造会社偏重の肥料行政をやつておるということである。農林省は過去一箇年、また現在におきましても、肥料行政についての何らの見識も持たない、意見も持たない。そういうことで一体来年の一割増産がどうしてできるか。一割増産の一番の基礎は肥料です。病虫害駆除とか土地改良とかいろいろありますけれども、それよりもまず卒先して、しかも政府が何ら予算を持たずしてやれるのは肥料を適正な価格に安定させて、安い肥料を農家にほしいだけやる、これが増産の第一歩でなければならぬ。その問題について農林省はもう少ししつかりしてもらわなければ困る。それを今農家が硫安を一俵千円から千五百円で買つておる。農家は肥料を買つていないのじやない。農家は十月になつて肥料を買うなら、今農政局長のおつしやつたように、大目におやりになつてもかまいません。しかし現在買つておる。買わされておる。この事態をながめて、この機会に早急にこの肥料価格についての安定対策をひとつ立ててもらいたい。肥料公団廃止にあたつての自由党の主張といたしまして、公団の廃止によつて肥料は余つておるのであるから、少くとも五割アツプくらいの価格に肥料は安定する、その価格は十分維持できるということを前提にして、われわれ肥料公団の廃止を主張して、また政府もこれに同意して公団の廃止ができたのである。しかるに公団が廃止になつてただちに七割アツプであり、メーカーの実質的な手取りは七割五分であり、八割であるということを放任しておくことは、われわれの党としてはできない。また農林省としても、責任をもつてこの問題を解決すべきであると思います。かように考えますので、はなはだ言葉はきたなかつたのでありますけれども、重ねて農政局長にこの機会にはつきりした御見解を承つておきたいと考えます。
○藤田説明員 お気持は私ども全然同感であるわけであります。従つて私どもの考え方といたしましても、今後の肥料の価格の推移というものについては、現在もいろいろ調査をし、またどういう程度の価格が合理的であるか、たとえば公団放出の肥料についての価格はどういうものが合理的であるかということもいろいろやつておるわけであります。しかし現在率直に申しますと、農家は八月にもう肥料を買つておるというお話もございますが、大体の観測といたしまして、七月末までの肥料というものは農家にも手渡つております。ある程度の手持肥料というものも農家は持つておるように私どもは感じております。従つてわれわれといたしましては、現在メーカーは非常にいろいろの條件から強気で考えておるわけでありますが、これについては、私どもとしては、あくまでも公団の出します肥料の操作ということが一番かんじんであろうと思つております。そういうふうなことについて十分に御意見のところは考えまして、極力先ほど申しましたように、農家の肥料が非常に高くなるということのないようにやつて行きたいと思つております。この点はもうしばらくお待ちをいただきたいと思つております。
○河野(謙)委員 今お話になりました、もうしばらくお待ち願いたいというのは、私どもが先ほどからくどくど申し上げますように、一日も待てない問題である。そこで私は農政局長に誤解といいますか、非常に考え方の間違いがあると思う。なるほどこの公団の、あの当時に農業協同組合なり商人は相当の肥料を先高を見込んでとつております。これはなるほど安い肥料であります。しかし一方においてメーカーが、十貫目七百五十円であるとか八百円であるとかいう値段を出しておれば、いかに肥料の商人なり協同組合が五百円、六百円のものを持つておりましても、その値段で売るのです。六百五十円で買つたものを六百五十円でそのまま売るような商人や協同組合は一つもない。でありますから、農政局長はそこに非常に誤解があると思う。安く買つたものを安く売つていない。安く買つたものをメーカーが出しておる値段につり上げて売つておる。そこで一俵二百円も三百円もとつておる。こういう現実を——これは現実の問題です。でありますから私は一日も待てない、こう言うのです。あなたがおつしやるように安く買つたものを安く売るならば、九月、十月の初めごろまでは安いものを手持ちしておる商人なり協同組合は、なるほどたくさんあります。しかし安いものを即日高く売つておるのです。このことをよく御認識いただいて、もしその辺の納得が行かなければ、あなたの方の機関を通じて、末端の農家の肥料の仕入れ価格の調査をおやりになつたらすぐわかります。でありますからもうしばらくでなくして——私ははなはだきつくものを申しますが、即日と申しましても、きようこの際というわけにはいかぬでしようが、ここ数日のうちにこの問題を解決していただきたい。農家の実害は非常に大きいのであります。その実害はだれにも行かない、みんな中間のリーダーに行つておる、もしくは製造会社に行つておる。こういうことをよく御認識いただいて、認識いただけなければ、よく御調査の結果、数日中に対策を打立てていただきたいということを、私は最後にお願いいたしまして、時間の関係もありますから、これで質問を打切ります。
○井上(良)委員 私は午前中に質疑をいたしておりました食糧増産の基本的対策について、今政府の方で二十六年度予算の編成にあたつておるのでありますが、いろいろ伺つておりますと、やはり米麦を中心にする増産計画が中心になつておる。私ども常にこの委員会を通して政府に要望しておりますのは、蛋白、脂肪給源を総合的に高めて行くという、国民栄養食の確立という問題が、絶対重要でございます。この点に嘱して、政府は横政局を中心に、たとえば大豆の増産を来年はどうする考えか、菜種を一体どれだけの増産に高めようとするのか、また漁業関係その他におきまして、動物蛋白は一体どういう状態に持つて行こうとするかという、蛋白、脂肪の総合的な増産計画についての予算的処置、新規計画、これらを明日の委員会に資料として出してもらうことを、政府に要求しておきます。
○千賀委員長 次会は公報をもつて申し上げますが、午前中にするか、午後にするかは、努めて大臣の出席を交渉いたしますから、それによつて今予報を申し上げることができませんから、御了承願います。 今日はこれで散会いたします。 午後一時三分散会