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8回国会衆議院1950/11/13

電気通信委員会 第6号

発言数
5
登壇者
3
会派数
1
開催日
1950/11/13

会議録

關内正一自由党

○關内委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。  まず派遣委員の報告聽取の件を議題といたします。本委員会におきましては、閉会中審査の一方法といたしまして、さきに議長の承認を得まして、八月十一日より電気通信事業の経営並びに電波管理の状況調査のために、北海道・東北班、北陸・中部・近畿班、中国・四国・九州班の三班にわけまして、委員を派遣いたしたのでありまするが、この際各班よりその報告を求めます。第一班辻寛一君。

辻寛一自由党

○辻委員 御報告を申し上げます。電気通信事業の経営並びに電波管理の状況につきまして、現地調査第一班として私どもは関東、東北、北海道の各電気通信局、東北、北海道の両電波監理局及びその管下諸機関並びに所在の電気通信学園、逓信病院及び日本放送協会の諸施設へ出張いたしまして、つぶさに実情を視察して参つたのであります。視察結果の詳細は、それぞれとりまとめ整理を終りまして、今後の審査、調査の資料に備えてありますが、何分部厚にもなりますので、ここにはその概要を謄写印刷に付し、報告書としてお手元に配付した次第であります。  これより調査班の所見といたしまして申し述べますものは、すなわちそれらを重点的に概括いたしたものであることを、まずもつて御了承願つておきたいと存ずるのであります。  まず電気通信事業経営について申し述べます。  第一は、電話架設の需給状況と工事不能地域ということであります。視察地方の電話普及状態を、人口割出しの全国平均に照しますると、関東管内がその平均線上にぬきんでていることはさもあるべきでありまするが、東北管内では平均の十三分の一、北海道では十八分の一という貧弱さであります。しかしながら電話架設の需要といたしましては、はなはだ旺盛なものがあるのでありまして、現に現われておりまする未開通積滞数を見ましても、三地方の通勢として、現在開通数の二五%に当るものがあります。このほかに潜在需要として、少くともその八倍に上るものが推計されているのであります。すなわち現在電話の供給を抑制しております種々の悪條件が取除かれますれば、加入開通数はたちまちただいまの三倍以上に飛躍すべき可能性が認められるのであります。電話の加入開通阻害の原因が那辺にあるかは、あらためて申すまでもありませんが、ここにさつそくに取除き得ようと思われますことは、いわゆる工事不能地域の問題であります。各管内を通じて本年度内の開通予定数は、視察当時の積滞数に対して、わずかに三四・九%にすぎないのでありまして、その残りの大部分は工事不能として放置されているのであります。工事不能の原因として、線路関係、局内設備関係及び資材、資金関係があげられておりますが、いわゆる工事不能地域というのは、主としてその資材、資金関係に制約されるものであります。工事制限距離を三百ないし五百メートルとし、それ以上の距離では加入申込みにも、移転の請求にも応じない。しかもこれについては必要な資材物件の寄附、提供をしてもよいという熱望に対しても、冷やかな否認態度がとられているのであります。思うに一徹な営業観念からすれば、これは一応うなずけるものではあるが、独占事業として、かようなことで本来の便益性を阻むのはどうかと思われるのであります。必要な資材物件を寄附させても、それに対して一定期間の料金免除とか、低料金適用等の方法で補償の道を講じますれば、そこに憂いも矛盾もなくなるではないか。なおこのことにとどまらず、電気通信事業経営の全般を通じて、利用方面の事情に即応するためには、画一主義をもつて押し通すことはいかがかと思われます。あわせて電気通信省当局の考慮を促したいのであります。  次に第二として、サービスの状況と設備関係であります。視察地方のサービスの消長を通観いたしますと、戰後としては漸次好転して来ているようであります。電話の有料市外通話度数は前年の約二割増、市内通話も相当に増加しております。それで疏通状況を接続完了率で見ますと、市外通話において大体八五%、市内通話にあつては東北、北海道で大体七〇%、関東が四一%というところにあるのでありますが、これはもとより戰前の状況にはまだ遠く及ばないものであります。市外通話の待合せ時分を見ますと、特急通話で今日なお長距離二時間以上、中距離もこれとさしたる違いがなく、それで近距離のものが長距離以上の時分を要することがまれではない実況にあるのであります。電報の取扱い数も、有料信で前年の約一割増となつており、その到達時分も漸次短縮の傾向にはありますが、長距離区間でまだ二時間を越え、近距離でも標準とされる四十分にはほど遠い状況であります。電報の伝達内容の正確度につきまして、も現に照校電報でも一万字当り三十字の誤りが見出され、普通電報ではほぼその倍数の誤りがある状況であります。  かような現状にある電気通信事業の改善策といたしまして、それは直接には線路、機械、従業員の関係に帰着するのであります。なかんずく設備関係の改善、拡充を急務とするものと認められるのであります。戰時、戰後を通じ、ほとんどこうやく張りと申してもよい設備の多い現状から考えまして、拔本的の対策を講ずることの必要が痛感せられるのであります。すなわち拡張に、改良に、相当長期にわたる大幅な計画を立てて推進しなければならない段階に、今や行き当つているのであります。資金面、收入面に重大な関係もあるのでありますから、拡張と改良いずれを主とし、いずれを従とするわけにも参りますまいが、ここに電気通信省当局の最善のくふうが要望されるのであります。  視察地方で現前、当面の問題といたしましても、線路関係では主要区間の市外線の負荷が重く、一回線当り百通話を越えるものが多く、中には二百通話を越えるものすらあるという現状であります。すみやかに緩和策が講じられなくてはならないのであります。さらに東北方面ケーブル・ルートの改修とか、東北、北海道のごとき寒冷積雪地の幹線路のケーブル化、それから僻陬地において最近とみに頻発いたしまする通信線盗難の防止策等、これらは実に急務中の急務であると存ずるのであります。  機械関係におきましては、福島、室蘭両電話局の老廃状態は、特に自動改式の急速実施を要望するものでありまするし、仙台電話局の行き詰まり状態は、所要の増設を要望するものであります。  局舎関係として、函館、福島両電報局舎は老朽、狭溢、非衛生的な見地からして、また青森、宇都宮の両電報局舎は危險、不安の見地からして、いずれも新、改築の強い要望のあるものであります。また弘前、八戸の両電話局は、新加入收容の余地がない状況で、これまた増築を要望されているのであります。  次に第三といたしましては、管理機構と事務能率の問題であります。これにつきましては、御承知の通り電気通信省設置法審議の当時から、深い関心が拂われたのであります。すなわち事業の合理的、能率的の経営が、郵政、電気通信両省分割の根本精神であつたこと、それから独立採算制をとり、その他企業的な運営によつて事業の健全な発達をはかるのが、電気通信特別会計のねらいであるということ、それでこれらを現実にし、事業の特異性を伸ばすためにライン・オーガニゼーシヨン・システムを取入れ、強い責任性と機動性の横溢する事業機構を持ち来すことが、電気通信省組織規程の意図であり、願望であるとせられたのであります。従つてその成果につきましては、内外ともに非常な興味をもつて、これを見守つているのであります。実施後まだようやく一年有余にすぎないこれに対して、是非の批判を下すのは早計であるとも言えましようが、率直に申しまして、この機構が管理の方に重く偏していることは、必ずしも皮相の見解でなく、異論の少いもののようであります。現業の一段階に対して、管理が四段階、しかも管理段階において、たとえば通信局は、局長、次長、部長、課長、係の五段制で、監督段階の複雑を感じさせる。一方、現業の取扱い局においては業務長、施設長の平行線だけで、それを結ぶ地位、たとえば局長というものがないのであります。それから一地方が通信局で統轄できるかと申しますと、そうでなく、通信局と平行のラインに本省直属の資材部があり、学園があり、病院があるのであります。これは非常に進歩したシステムではありましよう。それにいたしましても、国情、国民性にしつくりしない関係から、横の連繋がなめらかに行かず、これがため事業は非能率、不経済をあえてし、いたずらに従業員の不幸をつのらせ、利用者の不満を買うという逆効果のみが顕著になつて来ることを懸念されるのであります。電気通信部が浮き上るという声も聞かれ、人の関係でもあろうかと注意して見ますと、権限の関係もあるようであります。調査班の見るところといたしまして、機構について少くとも現業第一主義を如実にすることが緊要であり、その第一着手として、取扱い局に局長を置くとともに、通信部、管理所の段階を簡素化の方向に調整することを提唱したいのであります。また一地方の諸機関は、すべて通信局長の傘下に統轄できるようにいたしまして、地方における工事の執行、資材の調達、その他可能の限度において、その権限を予算とともに通信局長に委讓するを望ましいものと考えるのであります。なお特定郵便局の取扱いについて、現在の郵政省包括委託の体制には、監督の徹底を要する実情に照らし、再検討の上善処するの要があると見るのであります。  終りに第四といたしましては、人事管理及び会計経理と事業経営の関係であります。以上申し述べましたように、視察各地方の電気通信事業経営の改善対策といたしまして、問題は山積しているのであります。しかもそれらのどれ一つとして実はこの人事管理、会計経理と離れては考えられないのでありまして、実に人事管理、会計経理の両面は、問題解決のかぎであると申し得るのであります。企業的人事管理制度を樹立すべきであるとか、自主的会計経理制度を確立しなくてはならないという要望を、各地で聞いたのであります。私どもとしてこれには全幅の賛意を表するものでありますが、それもひつきよういたしますると、経営形態の問題まで押し進めませんと、徹底はおぼつかないものと思わざるを得ないのであります。経営形態につきましては、所見の概要を載せました報告書に讓りまして、ここでは各地方当面の問題について申し述べることといたします。  人事管理の方から申しますると、職員の撰択、指導の面におきまして、学園の運営が事業上の特殊技能の訓練に主眼を置くことは当然といたしましても、今回一般学校教育に期待できず、しかも事業のサービス向上の人間的要素として軽視できない社会的生活規範についての課程を、それに加える必要があろうということであります。定員の面におきまして、定員法の実施、行政整理の跡始末などの関係でもありましようか、いまなお定員に対する実在員の過不足が目立つようであります。長期欠勤、再教育、訓練等のために備えた補充定員もないようであります。給與の面へ参りまして、なかんずく焦眉喫緊の問題は、ベース引上げであります。それと勤務地手当支給方法の合理化であります。なおそれに超過勤務手当の完全支給、及び特殊勤務手当支給額のべース並行の増額要求が伴つているのであります。地域的の特別給與として、北海道の石炭手当査定基準を実情に即するよう改訂すること、及びこれと同様事由を持ちまする青森県の薪炭手当の支給の要望があるのであります。さらに住宅及び保健衛生につきまして、職員の宿舎、寮などの施設を増加し、安定させること、並びに病院施設を改善充実することについて、一々具体的な要望が提起されておるのであります。これら給與ないし厚生関係の要望に対処して、電気通信省においてはそれぞれ考慮中とは存じますが、私どもといたしまして、その急速実現を期待するものとして、この際新たな注意を喚起したいと存ずるものであります。  次に会計経理の方に移りまするが、調査班の見聞の問題は、大小ともに制度の根本に触れて参るのでありまして、その対策の推進については相当の抵抗を感ずるであろうと存ずるものであります。以下述べます事柄は、いずれも事業の能率的、合理的経営のために、きわめて肝要なものと認められますので、私どもは電気通信省に対して、その実現上の努力をとりわけ切望してやまないのであります。それはまず一般的に見まして、予算執行の面では、工事予算の繰越し制限を緩和すること、流用制限を撤廃すること、及び地方に対する予算の包括的令達ということであります。経理の手続の面では、公共事業実施認証の手続を省略すること、及び支出負担行為認証の手続を簡素化することであります。これらの諸点に関連して改善根本策として、あるいは会計年度の開始を一月に繰上げることを要望する向きもあるのであります。それからこれは地方的かとも存じまするが、支出官の配置について、それを機構系統の現実に即応させるようにという要望があるのであります。  なお会計経理関係として、ここに具体的の問題が二つあるのであります。その一つは、旧日本軍用の器材その他の物件で、現に事業用に供しておりますものに、最近使用料が課せられることであります。金額も巨額に上つております。これなぞは保管がえ等の交渉によつて、無償にすることはできないものか。またもう一つは、従来地方準備品であつたものが、最近本省準備品に変更されたことであります。この結果として、多年設備の改善に、技倆の向上にと專念して来た地方の当業者が、打撃を受けるに至つたというのでありまして、私ども仙台において業界代表者の陳情に接したのであります。この二点についても、この機会に電気通信省の熟考を促したいと存ずるのであります。  以上をもちまして電気通信事業関係の御報告といたします。  続いて電波管理について申し述べたいと存じます。  第一は、電波三法の施行の関係であります。制度の改正に伴いまする電波監理局、その他電波行政の地方機構、及び日本放送協会の地方機関には、実質上格別の変更はなく、従つて移行の状況も、その後の業務も、円滑に運ばれておるのであります。御承知のごとくこの三法施行について予期されましたことは、電波法によつて新規に必要となる各般の措置と、放送法によつて生じて参る新しい事態とであります。それで電波法関係といたしまして、二、三の問題が認められたのであります。  まず漁業無線の施設及び運用のことでありますが、これはいずれ本委員会において詳細なお話が出るものと存じまするがゆえに、ここでは省略いたしまして、その他について申し述べます。  その一つは、船舶内連絡設備、受信可能周波数及び従事者資格、員数の現況が不適格化するに至りました無線設備が、東北官内だけでも三百近くあることであります。もう一つは、周波数の指定変更に伴う損失を、事由いかんを問わず無差別に国家補償をいたすこととなりまして、すでに現実のケースが北海道管内だけで百三十二件に上つていることであります。放送法関係におきましては、日本放送協会の受信機修理業務の制限と、民間放送の開設申請の状況に注目されたのであります。これらのいずれにつきましても、電波監理委員会の愼重な考慮によりまして、適切妥当な措置のとられまするよう期待いたすのであります。  次に第二は、電波の利用方面のことであります。これにつきましては、あるいは放送関係といたしまして放送電力の増加、第二放送の開始、受信機の水準向上策などの提唱されるものがあります。あるいは一般無線関係といたしまして、漁業無線局の普及策、漁船無線通信士の技倆増進策、警察用、自治体用の無線施設の拡充策について、地方的の要望があるのであります。これらの内容につきましては、報告書でごらんいただくことといたしまして、ここに一つ等閑視できない問題として、ラジオ共同聽取施設の現状、ことに北海道におけるその急激な普及状況を取上げなければならないのであります。これは電燈のない村落のラジオ普及策として戰前日本放送協会が試験的に勧奨したことに始まつたものでありまするが、戰後北海道において格別顯著な普及ぶりを示しつつあるのであります。すなわち、本年七月末の実況として二百八箇所、加入者一万九百十七でありましたものが、一月後の八月末には二百五十箇所、約一万三千の加入者を数えるという、最近ではまことに加速度的な増加傾向を持つて来たのであります。しかもこれはただ日本放送協会の受信契約を必要とする以外には、まつたくの放任状態に置かれているのであります。北海道のごとき厖大な面積にまばらに点在する村落生活にとりまして、これは絶好の文化施設であり、また通信連絡手段として有用性の高いものであることは率直に認められるのでありますが、その用法いかんによりましては、予想される弊害も少くないのであります。すでに設備の関係から、公衆通信線や鉄道タブレツト線に対して、通信障害原因となつているものもあるようであります。その運用状況を嚴格に見ますると、電気通信省の公衆通信独占権侵害に擬せられるものも、絶無を保しがたいのであります。さらに親受信機として電力三百五十ワツトを使用するものすらあり、実際上農業協同組合の連絡事項や広告などの放送もしている模様であります。といたしますれば、あるいは電波法、放送法等にも抵触のおそれがありましよう。かようにしてその利用の可能性をたどりまして、政治的、思想的に展開する結果に思い至りますと、ただ標準放送の受信という表面の目的だけで、看過できないこととなるのであります。さればといつてこれが普及を阻止し、または施設を禁止することなどは、とるべき道でない。とすればすみやかにそれをよく導く方向において、取締り方策を講ずることを急務とするのであります。この点につきまして電波監理委員会及び電気通信省の、深甚かつ迅速な考慮を要望されるのであります。とともに本委員会といたしましても、これに対し拱手傍観の態度はとれないものと考えられるのであります。  これをもつて私ども調査第一班の御報告を終ります。

關内正一自由党

○關内委員長 第二班松本善壽君

松本善壽自由党

○松本(善)委員 私から第二班の調査の結果を御報告申し上げますが、詳細はお手元に配付いたしました報告書をごらん願うこととして、ここでは主要な点のみなるべく簡單に申し上げることにいたしたいと存じます。  先般私どもが全国各地にわたつて電気通信事業並びに電波管理業務の実地を視察いたしましたおもな目的は、電気通信事業につきましては、第一に、郵政事業と分離し、独立した電気通信省の業務が順調に運営されているかどうか。第二、その運行状況から帰納して、制度、機構等に改善すべきものはないか。第三に、懸案の公共企業体移行は適当かいなか。第四に、もし移行するとすればどんな制度にすべきかという点であります。電波管理業務については、第一に、いわゆる電波三法の施行状況はいかん。第二に、これらの法律施行後の状況に照して改善すべき問題はないか等の諸点でありました。  第二班の参りました地方は、中部、近畿、北陸、信越の四地方で、名古屋、鈴鹿、大阪、小野、京都、金沢、長野の各地において、電気通信関係二十局、電波管理局四局、放送局五局、合計二十九局について調査を行つたのであります。  次に内容に入りまして、まず電気通信事業の現状から申し上げます。御承知の通り電気通信事業が郵政事業と分離、独立してから一年余になりますが、現行の機構は昨年実施の当初からいろいろの問題を持つておりました。その第一といたしまして、管理機構の段階が必要以上に多いのではないか。第二といたしまして、管理職が多過ぎて事務の澁滞を来すのではないか。第三といたしましては、横の連絡が不明瞭ではないか。第四といたしましては、資材部が実施部門から分離、独立しているのは支障がないか。第五といたしましては、郵政省への委託業務は成績が上らないのではないか等の問題でありますが、一年余の実績を検討してみますと、これらの憂慮はかなり当つていたようで、何らかの改善是正を要するものと思われますので、この点報告書に触れておきましたが、なかんずく資材部の問題、特定局の委託制度に関しましては、各地の当局者もひとしく改善を希望いたしております。  次に経理会計制度であります。現在の電気通信事業の会計経理は、特別会計法のほか、財政法、会計法等の適用を受けているのでありますが、これらの会計法規は、主として一般行政官庁を対象とした消費会計的な支出規正に主眼が置かれておるので、電気通信省のような事業体には適当でない点がすこぶる多いのであります。すなわち第一点は、継続費制度が原則として認められないため、長期にわたる事業計画の策定遂行が困難である。第二点としましては、款項流用禁止の制限が強いので、経営上の彈力性がない。第三といたしましては、予算の配付が円滑でないため、経費が効率的に使用されない等の諸点は、いずれも事業成績の向上には根本的な障碍となるものであります。また決算制度も現在のそれは、予算の使用規正に主眼が置かれ、事業收支比較等の企業的計算が等閑視されている点は、民間企業の決算が、事業経営上の指針または反省の材料として重要視されているのに比較して、再検討の必要があると存ずるのであります。  次に定員についてでありますが、昨年実施された定員法に基く行政整理は、天引き主義で行われた結果、事業官庁の定員はきわめてきゆうくつになつたのでありますが、その後継続的に増設拡充される施設に対して、運用定員の増加がマッチしない等の事実もありまして、この問題もようやく深刻になつて来たかのようであります。当局では、定員不足のため事業收入が大きく失われている点、従業員の健康保持の困難な点等を中心に、定員を法律で規定することは、事業官庁の運営には適合しない制度であり、員数の算定も合理的でない旨説明いたしておりましたが、考慮しなければならない問題であります。  給與制度も考究すべき点が多々あります。現行の制度では、従業員の努力に対する報償の方法がまつたくないが、これは事業体として能率の向上、事業の振興をはかる重要な手段を奪われていることではないかという点を第一として、二、現行の六千三百七円の賃金ベースは改訂を要するのではないか。三、職務の格付が不都合ではないか。四、超過勤務手当の原資が所要額に足りないのではないか。五、特殊勤務手当の算定基準、寒冷地手当の支給時期が不適当ではないかという点がそれでありますが、給與の制度が業務遂行に相応した内容を持つているかいないかは、事業消長の重要な分岐点となるのでありますから、慎重な考慮を要すると存ずるのでございます。  次に業務の状況であります。まず電信事業でありますが、御承知の通り電信回線、サービスともに急速に改善されていて、ほとんど戰前に近いところまで復旧しておりますが、問題は経営の赤字でございます。この赤字は電話收入の超過分から補填しておりますが、赤字克服については当事者もきわめて強い関心を持ち、伝送方式の機械化、通信方式の改善、電話の総合利用によつて、事業支出の八〇%に及ぶ人件費の節約をはかる等の努力をいたしておりますが、とうていこれのみをもつて赤字の克服は期待できませんので、現在の電報料の均一制を滞域制に改める等の制度改訂をも研究してみるべきではないかと思います。  電話事業については、特に市外電話の疏通状況と電話の需給状況について調査いたしましたが、市外電話の疏通状況は、終戰直後に比較すれば著しく改善されたとはいえ、まだまだ国民の期待するサービスとははなはだしく隔たりがあります。市外通話の大部分が至急扱い、特別至急扱いになつていることはこのよき証左であります。かように現在の通話需要をもつてしてもきわめて不満足な疏通の状況であり、これがさらに電話の加入が増加し、疏通率の向上に伴つて、潜在から顕在に転じて来る通話需要をまで考慮に入れれば、現状はまことに寒心にたえないのでありまして、待合い時間を短縮して国民の期待に沿い得るサービスまで持つて行くには、思い切つた回線の増設をはからなくてはならないと思うのであります。一方、電話の需給関係を見ますと、これまた供給数は顕在需要数に比較してもはなはだしく下まわり、真の有効需要は捕捉しがたいとはいえ、需給関係ははなはだしい不均衡であることは容易に想像できるのでありまして、この不均衡是正には莫大な数の電話の増設を必要とするのであります。しかもこの電話増設には、局舎、局内設備、線路等の基礎設備の拡充を伴うので、勢い架設の予算單金は増嵩せざるを得ないのでありまして、事業の現状は実に厖大な資金、資材の投入の必要に追られているのであり、いかにして資金を調達するかは、電気通信事業当面の大課題であることを痛感するのであります。  福祉、厚生、保健施設につきましては、各局とも相当の関心と努力とを拂つていますが、何分予算の制約もあり、決して満足すべき程度に至つておりません。従業員の保健問題、ことに胸部疾患は、事業の宿命のようにさえ考えられている問題でありますが、これに対しては予算その他の点で、格別の考慮を要すると存じます。  業務状況は、昨年の行政整理から著しい変貌を遂げております。昨年九月の全逓分裂によつて、左派の凋落となり、民同系の従組が主導的役割をになつて来つつありますが、いまだ従業員の大部分をその傘下に收めるまでには至らず、中立の單独組合のほか、全職員の約三分の一に及ぶ未組織者があり、今や組合各派の勢力消長の過渡期であろうかと思われますが、組合運動はようやく健全化の軌道に乗りつつあると見て参りました、  最後に、ただいま懸案の電気通信事業の経営形態の変革、すなわち公共企業体移行の問題でありますが、これに関しましては各局ともきわめて強い関心を持つていて、当事者の立場から種種の意見を述べてくれました。これらの意見と実際の見聞とを総合しました結果は、報告書に記載しておきましたが、これを要するに経営形態の変革は、ただ公共事業体に移行すれば万事うまく行くというのではなくて、今日の行き詰まり状態を招来した事業の欠陥、すなわち資金の不足、経理会計制度、人事管理制度の非能率性等が除去される制度の確立によつて、初めて意義があるのであつて、このためには事業行き詰まりの原因を徹底的に探究し、公共企業体制度の前例である国有鉄道の実績の検討等を総合して、決定すべきであると考える次第であります。  以上で電気通信事業に関する報告を終り、次に電波管理業務について御報告いたします。電波管理業務は、いわゆる電波三法の施行によつて大変革を見ることになりましたが、電波三法の施行は六月一日で、調査当時はいまだ関係規則の制定も進捗しておらず、地方機構も発足早々で、関係規則の制定まで暫定措置によつて当面の業務をとりさばいている段階で、総合的な批判をする時期に立ち至つておりませんでしたので、調査は現状の聽取のみにとどめました。その現状説明のうちで気づきました二、三の点については、報告書に記載しておきましたが、ここでは省略いたします。  今次調査に際しまして、調査班に寄せられました要望、陳情等は、要点を報告書に記載いたしましたが、これらはそれぞれその内容に応じ、関係の向きに伝達する等の処置をとりたいと存じます。  以上で私の報告を終ります。

關内正一自由党

○關内委員長 本日は都合によりこの程度にとどめまして、残余の第三班の報告並びに報告に対する政府の意見聽取、質疑等につきましては、明日に讓ることにいたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時九分散会

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