地方行政委員会 第23号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1950/11/14
会議録
○前尾委員長 これより会議を開きます。 最初に警察に関する件、地方自治に関する件、地方財政に関する件を一括議題といたします。ただいまお見えになつております政府側の方は、国警予備隊次長の江口美登留君、国警本部次長の溝淵増己君、それから地方自治政務次官の小野哲君であります。三人の方に質疑を許します。立花敏男君。
○立花委員 小野さんに地方公務員法の問題でお尋ねいたしたいのですが、まだ地方公務員法の條文案が提出されておりませんので、きのうお出しになりました要綱に従いまして、一般的なことを伺います。 御承知のように二年ばかり前に国家公務員法が改正されまして、現在に及んでおるのでございますが、あのときの情勢と現在の情勢とでは私、非常に相違があると思います。特に地方公務員法の対象である地方公務員の現状につきましては、その労働運動のあり方、また彼らの労働條件の現状、給與の現状などから見まして、あの当時とは非常に異つておりまして、二箇年経ちました現在に、あの改悪されました国家公務員法の地方版ともいうべき地方公務員法を実施すべき客観的情勢は、何らないのではないかと考えます。この点で、まつたく異なると申しますか、逆の実情を無視いたしまして、地方公務員法を制定しなければいけないという理由は、私どもその原因の那辺にあるかを疑わざるを得ないのでありますが、この点で政府はどういうお考えをお持ちになつているか、承らしていただきたいと思います。特にあの国家公務員法の改悪が、十一月三十日に本会議へ上程されました場合に、根本龍太郎さんが民主自由党の代表として、賛成演説をおやりになつたその中にも、これは非常に特殊な事態に対応する異例の立法であるということを、はつきり申されております。しかも異例の立法だから、この運用を誤れば、従来の日本の悪い官僚制度の悪弊を、より一層釀成するおそれがあるということも、賛成演説の中に言われているのであります。現在の自由党自身が、その代表者の口を通じて、こういうことを言われた。これが遺憾ながら現在実現されておりまして、あの国家公務員法の改悪がありまして以来、政府の意図と非常に反しまして、官僚のいわゆるフアツシヨ的な傾向が強化されて参つておりますし、また一方、国家公務員の生活水準あるいは給與というものが改善されるどころか、かえつて改悪の方向をたどりつつあります。これを見ますると、この国家公務員法の改正が決して改正ではなしに、改悪であつた。その結果において非常にその意図とは反した結果が生れておるということが言えるのでございます。かかる場合に、これとまつたく同じ形の地方公務員法をおつくりになる理由は、私どもにはわからないのです。特にこの国家公務員法の改悪の場合におきましても、国際的な輿論から見ましても非常に大きな反対があり、特に国家公務員に対する制限を何らやつていないイギリスあたりにおきましては、きつい反対の意向があつたということは御承知の通りでございます。最初に申し上げましたように、現在の地方公務員のいろいろな運動から申しましても、こういうふうな異例な立法をやる必要はない。特に現在の地方公務員の状態は、あの国家公務員法の改悪あるいは政令二〇一号によりまして、非常な活動の制約を受け、基本的な人権を奪われておりますので、あの改正があり、あの二〇一号の発令がありまして以来は、ずつと労働條件の悪化、あるいは生活水準の低下を来しておりまして、むしろこれの救済という方が当面取上げられなければならない問題になつておるのであります。この際になぜそういうふうないろいろな現実を無視されまして、こういう一方的な立法をおやりになるのか、私どもには納得できません。これはむしろ端的に申しますと、国家公務員法の改悪が異例の措置であり、異例の立法であるというふうな特殊的な立法でありましたのが、むしろ現在に至りましては、その特殊的な場合が恒常的なものにされようとしている。一時的な民主団体に対する抑圧の方針が、今度は全般的にそういう抑圧をやろうとしているというふうにしか私どもには受取れない。現在の地方公務員の現状において、これ以上の民主的な活動の制約、あるいは政治活動の制限を加えられますと、ほとんど地方公務員はその日々の生活にすら困るじやないかということが憂えられます。これは決して地方公務員だけが申し上げているわけではありません。現在の地方自治団体の代表者、市町村長、あるいは知事というような連中すらが、このままで放擲されましたならば、来年の一月からは職員の給料も拂えないということを公言しておりますので、こういう状態のもとにおいて、自由党の代表自身が、異例的な措置だと言われたあの国家公務員法の改善そのままを実施なさることは、どうも納得が行かないのですが、この点で今度の地方公務員法の制定に対する政府の根本的な態度を承らしていただきたいと思うのであります。
○小野説明員 いずれ法律案が提案されましたあかつきにおいて、ただいま御指摘になりましたような、根本的な立法の趣旨であるとか、法律案の内容であるとかを御説明申し上げることが筋であろうと思います。従つて今日の事情といたしましては、いまだ法律案自体の内容についての説明をいたす段階でもございません。ただ昨日は一応手元に持つております草案によつて、その要綱によつて御説明を申し上げたような次第でございますので、さような前提のもとに、私から所見を申し述べたいと思います。 ただいまの立花さんのは、情勢の変化があるから地方公務員法のごときものは制定する必要がないのではないかというのが、根本の御趣意のように承つたのであります。これに対しましては、私はさようには考えておらないのでありまして、さきに説明いたしましたように、地方自治法の改正をいたしました際において、すでに地方職員に関しては、別に法律をもつて任用その他に関する規定を設けることになつておりまして、しかもそれはできるだけ早い機会に国会に提案をいたしまして、御審議を願うということになつておつたのが、今日まで延びているような次第であります。従いまして政府といたしましては、地方自治法の規定にのつとりまして、これを基礎として、地方公務員法案を国会に提案いたさなければならない義務があるものと、私は考えておるのであります。 次に今回考えられているところの地方公務員に関する法律案は、立花さんの御指摘のように、地方公務員に対して悪い影響を及ぼし、またその活動、行動に対して好ましからぬ状態に置くものであるというふうな御意見のように承つたのであります。しかしながら情勢の変化というものは、先ほども立花さんが御指摘になりましたように、国家公務員法の改定に際して、あるいは異例の立法であるというふうな意見も一部にあつたようでありますけれども、わが国の経済、社会情勢の推移に伴いまして、当時異例なものも、今日においてはむしろ恒久的な立法として必要である、またそれが妥当であるというふうな見方も、必ずしもできないことはないであろうと思うのであります。要は、地方公務員制度もまた国の総合的な公務員制度の一環として考えなければならないと私は考えておりますので、従つて国家公務員において制度が確立されておりますにかかわらず、地方公務員について、いまだこれに関する具体的の制度の確立を見ないということは、いわばびつこの状態におかれておるのであります。従つて憲法の條章にありますように、全体の奉仕者としての一部であるところの地方公務員に関しましても、やはりこれに必要な制度を確立するということが、地方公務員自体の保護の点から申しましても必要ではないか、かように考えておる次第であります。従つて政府としましてはできるだけすみやかに成案を得まして、臨時国会に地方公務員法案を提出いたすべく、準備をいたして、おるような次第であります。
○立花委員 こういう法案が必要だと思われるから、お出しになつたという御説明は、今述べられた通りでございますが、たといそれが実は妥当といたしましても、非常に一方的な措置だと言わざるを得ないと思うのであります。それは実は給與の問題です。私ども新聞等で承知いたしておりますように、国家公務員に対しましては年末手当あるいはベース・アツプの問題につきまして、それぞれ三十数億円ずつの予算の措置をなさるということを承つておるのでありますが、実は地方公務員につきましては、何ら予算的な措置をお考えになつていない。しかも現在の地方公務員のベースは依然六千三百円ベースでありまして、一昨年の決定による賃金でございます。この間人事院の八千五十八円べースの勧告がありましたが、これは完全に政府が無視されまして、地方公務員に対しましても、やはり六千三百円が固守されておることは御承知の通りであります。しかもこの際国家公務員に対しましては、一応の措置をおとりになるのに、地方公務員に対しましては全然この問題にお触れになつておらない。これに対しまして政府は、地方には相当財源をやつておるのだから、それでまかなえばいいじやないか。ことに総理大臣のごときは、地方には冗費がたくさんあるのだから、これでまかなえばいいというようなことを言つておりますが、これに対しましてきのう小野政務次官は、冗費というのはまだ具体的につかみ得ないということを言われましたが、あなた自身が具体的につかんでいない冗費を、財源としてやれというようなことを総理大臣が言われる。これは非常に私政府の態度として不可解なのでございますが、それはともかくとして、地方公務員に対しては何ら予算の裏づけを国家が考えない。地方におきましても、年末手当の問題あるいは地方公務員のベース・アツプの問題につきましては、現在のところではほとんどの公共団体が、やはり何らの予算的措置を講じていない。と申しますのは、地方におきましてはほとんど予算措置を講ずる余地がないわけであります。現在におきましては、もうすでにこういう問題を解決するどころか、現在の予算のやり繰りすらできなくなつておるというのが実情だろうと思います。これはすでに先月ごろから知事会議あるいは町村長会議、市長会議をやりまして、政府の方へもきつい陳情がありますので、御存じだろうと思いますが、こういう状態のもとにおいて、国家か何ら地方公務員の給與の問題をお考えにならずに、冗費があるのだから地方でやれと言つてつつぱねておきながら、その結果といたしまして、実際は地方公務員の給與の問題は解決されないで、そのまま年を越すことになるだろうと思うのであります。こういう状態のもとにおいて、そういう問題は放擲しながら、一方私どもから見ますと、非常に反動的な、地方公務員に対する彈圧的な法案であるところの、この法案だけをおつくりになるということは、非常に一方的なやり方ではないか、そう思うのでございます。小野政務次官は昨日の私に対する御答弁の中にも、二十五年度は地方の財政にとつては、異例的な年であるということを言われましたが、異例的な状態が生れましたのは、これは決して地方公務員の責任でもありませんし、また地方自治体だけの責任でもないと思います。これはあげて国家の責任であろうと思います。異例的な状態だからこれでがまんしておけということは、これは言えませんので、異例的な状態のもとにおきましても、国家公務員に対してはそういう措置をおとりになりながら、地方公務員だけは異例的な状態だからがまんしておれというようなことは、これは通らないりくつだと思いまするが、なぜ政府は地方公務員の給與の問題はお考えにならずに、ただ地方公務員の取締りの面だけをお考えになるのか、この点はつきり承りたいと思います。
○小野説明員 立花さんは地方公務員の給與ベースの改訂について、政府は何ら考えておらぬじやないか、こういうふうな御意見のように承つておるのでありまするが、この点につきましては、この委員会においても、地方自治を担当しております当局者といたしまして、いろいろ御説明もいたしまして、また財源の措置が必要であるということも申し上げて、御了解を得ておるはずであります。ただいま立花さんが、全然考えておらぬというふうに言われますことは、立花さん自身の一人ぎめのお考えじやないかと私は考えるのであります。昨日申し上げました際にも、私から説明の内容として織り込んでおいたのでありますが、地方財政の現状から考えまして、何らかの措置を講ずる必要があるという考えは、今もつてかわりはないのであります。従つて平衡交付金等におきましても、給與べースの改訂に伴う歳出増につきましては、できるだけの考慮を拂つて行く必要があるということを私どもは考え、所要の折衝を実は続けておるわけであります。従つて今日ただいまの状況において、何ら方途が講ぜられておらぬということの断定を下されることは、時期尚早であろうと私は考えております。同時に地方公務員の給與に関しましては、御承知のように、地方団体の個々の財政の状況に応じて、判断をしなければならない点があろうかと思いまするが、同時に現行の法令に準拠いたしますと、やはり国家公務員法に準じた、その例にならつた取扱いをすることが原則になつておりますので、従つてこの原則を尊重し、これに準拠して、地方公務員の給與の問題も取扱つて行くべきであるということを、考えておる次第でございます。従いまして、この地方公務員法案が提案されるということと、それから給與の問題とは必ずしも不可分一体の問題ではなしに、それぞれの方向において政府といたしましては、特に地方自治庁におきましては、地方財政委員会と十分に連絡をとり、またその資料に基きまして、努力を傾倒いたしておるということを申し上げておきたいと存じます。
○立花委員 私の独断だというふうにおつしやられましたが、ひとつこちらが納得できますような政府の具体的給與対策、あるいはこの委員会に政府の方からお出しになるかもしれませんが、政府の具体的対策をお聞かせ願いたいと思います。
○小野説明員 決して私は言葉尻をつかまえるわけではありませんけれども、全然手を打つておらぬと、こう言われるものでありますので、私としましては、責任者の一人として手を打つておるということを申し上げておるわけであります。どういうふうな手を打つておるかということは、すでに二十五年度分の補正予算につきましても、平衡交付金の増額が必要である、また臨時的な経費をまかなうために必要な起債のわくの拡張も必要である。しかしながら一面、地方団体自身も、その財政の運用につきましてはできるだけ経費の節約をはかることが必要である、またこれらの見地と相まつて適当な財源の措置を講ずることが必要である、かような考えのもとに折衝、努力を続けておるわけであります。この点につきましては、すでに地方財政委員会から御説明を申し上げておることかと存じますが、ただいま私は計数上の資料を持つておりませんので、基本的な考え方を申し上げて御了承願つておきたいと思います。
○立花委員 地方財政委員会の方から、給與の問題ベース・アツプの問題、あるいは年末手当の問題で、百三十億ばかりの財源の措置が必要だという意見が出ておることは御存じだろうと思いますが、それを今次官が言われました平衡交付金の増額の中に、どれほど具体的な数字として織り込まれておられるか。またその問題につきまして、関係方面あるいは政府部内におきまして、今どういう交渉が行われておるか、どういう目安が立つておるか、これをひとつはつきり承らせていただきたいと思います。さいぜんから申し上げておりますように、国家公務員につきましては、ほぼ具体的な数字がはつきりと出ております。しかるに地方公務員につきましては、今次官自身がはつきりした計数はここで述べられない、お知りにならないとおつしやいましたような、非常に漠然としたものである。平衡交付金の増額あるいは起債の増額というような漠然たる言葉で言われておりますが、それは絶えず問題自身にも問題があるのでありますが、特に差迫りました給與の問題、あるいは年末手当の問題につきまして、そういうことでは地方の公務員は納得ができない。だから次官が私の独断だ、おれはやつておるのだと言われるならば、この問題につきまして、地方財政委員会の百三十億という数字を、具体的に政府あるいは地方自治庁はどう処理されようとしているか、その目安はどうなるのか、きようの日に至つてもまだはつきり言われないのは、次官は私の独断だと言うけれども、それは次官自身の独断ではないか。ただこういうふうに言われた次官のお言葉だけでは、地方公務員は納得できないと思う。ほんとうにおやりになつているならば、もつと具体的な、話の詰まつたものをお知らせ願いたいと思います。
○小野説明員 話の詰まつた状態にまでは、今日のところまだ至つておりませんので、話が詰まつて参りましたら、いずれ詳細に御報告いたしたいと考えております。
○立花委員 それは地方自治庁としては、具体的に話をはつきり詰めて、地方公務員の給與に対する財政的な措置もおやりになるという固い御決意を持つて、やつておられた上での答弁だと了承してよろしゆうございますか。
○小野説明員 私の申しておりますことは、地方自治庁は御承知のごとく、地方団体と政府との間の連絡をいたす機関でありまするし、地方団体の財政状況につきましては、地方財政委員会が十分に内容を検討いたしまして、これら財政計画の基準を立てることになつておりますので、地方自治庁、地方財政委員会は、むしろ地方団体の財政の現況に応じた財源措置その他をやつて行くべき責任がある機関であることは、御承知の通りであります。従つて私としましては、たとえば地方公務員の給與改訂に伴う財源措置につきましても、政府部内においてはもちろん、関係方面に対しましても、せつかく実現方の努力を継続しておる。但し今ただちに、地方財政平衡交付金において、補正予算にどの程度の予算の計上ができることになつたかということについての結論的な御説明は、まだいたす時期に至つておらない、かように申し上げておる次第でございます。
○立花委員 今の問題は、政府がこの地方公務員法案だけをお出しになることは、一方的だという一つの問題として出したのですが、そのほかに私どもは、地方公務員法案をお出しになるのであるならば、やはり並行的にやつていただきたい問題があると思います。それはきよう新聞でも発表になつておりますように、地方公益企業の問題です。これはやはり働く方から申しますと、同じかまの飯を食つておる労働者の問題であり、一つの自治体という中で、同じ條件の中で働いている労働者でございますので、これはやはり一括してやつていただきたい。もし二つにおわけになるならば、おわけになつた双方の措置について、やはり同時的に並行的にやつていただきたい、こう申しておるのであります。この点につきましては、きようの新聞の発表におきましても、きよう閣議でおきめになるようでありますが、非常にあいまいな点が残つております。四つの公益企業に対しての措置の問題も具体的に出ておりませんし、あるいは残されました現業面に対する措置も、具体的に何ら出でいないようであります。この問題を拔きにいたしまして、その他の地方公務員だけの問題を扱いますことは、私どもは非常に審議がしにくいと思います。政府といたされましても、権衡を失しないということを非常に原則的に重んぜられておりますが、かように多くの部分を拔きまして、他の一部分だけの問題を扱いますことは、いわば権衡を失するおそれなきにしもあらずであります。これはぜひひとつ並行的にやつていただきたいと思いますが、その御用意があるのかどうか。きよう新聞で非常にあいまいになつております部分の補足的な説明ができれば、ひとつやつていただきたいと思います。
○小野説明員 昨日も私から申し上げましたように、公益企業の職員につきましては、いろいろの研究途上における意見があつたのでありますけれども、政府としましては、公益企業の性質から考えまして、それに従事する職員については特別な取扱いをすることが適当であるという観点から、ただいま立花さんの言われましたような考えのもとに、別個の取扱いをする方針にいたしたいと思つておるのであります。従つてこれに必要な法律的な措置を講じて行かなければならぬと思うのでありましで、これが準備を進めておる次第であります。いつこれを提案するかということについての時期につきましては、いまだ明言をいたすことははばかりたいと思いますが、かような方針のもとに進んで参り、また準備もいたしておるということを申し上げておきたいと思います。
○立花委員 それからきのういただきましたこの法案の要綱でございますが、これに現われております範囲でも、この法案は地方公務員の民主的な動きを抑圧するための法案ではないかというふうに見られるので、私はこの点で二、三御質問申し上げたいと思います。 最初にお書きになつておる目的の問題でございますが、この目的は、地方公共団体の行政の民主化、能率的な運営ということが非常に強調されておりまして、その地方公務員自体の利益の擁護、あるいは地方公務員自体の人権の擁護とかいうものが目的の中にうたわれていないのでございますが、これは私どもは、この法案をおつくりになつた根本的な考え方が少し違うのじやないかと思うのです。地方公共団体の行政の民主化、あるいは能率的な運営というような問題は、これは地方公務員法とは関係がないとは申されないかもしれませんが、地方公務員法自身をおつくりになる基本的な考え方ではないのではないか、地方公務員法の基本的な考え方は、やはりこの地方公務員の利益を守り、民主的な団体としての地方公務員の保護育成ということが、実はおもな目的にならなければいけないのでございまして、ここに書いてあるようなことは、決して地方公務員法の主たる目的ではないと考えますが、その点で私は非常にこの法案の根本的な立法の趣旨が違うのではないかと考えます。こういう考え方から参りますと——地方公共団体の民主化あるいは能率的な運営の保障というようなことから参りますと、これはいわゆる東條時代に言われました全体主義的な考え方が先に立つて参りまして、その基礎でありますところの地方公務員自体の民主化、地方公務員の生活の擁護、人権の擁護という問題が拔けますと、非常に危いものになるのじやないか、そういうふうに考えるのでありますが、なぜこの目的の中に地方公務員自体の利益の擁護、あるいは地方公務員自体の基本的人権の擁護ということをおうたいにならなかつたか、それを承りたいと思います。こういう一般的な問題だけをお出しになりまして、そういう問題をお拔きになりますと、かえつてその一般的な目的自体も完成されないのではないか、これは非常にフアツシヨ的なかつての日本の地方団体、あるいは国会が犯しました全体主義的な方向へのおそれがあるのではないか、そういう方向によつて、実は基礎的な働く人たちである地方公務員の利益が踏みにじられるのじやないかというようなおそれがありますので、なぜここにお拔きになつたのか、またどういうおつもりでお拔きになつたのか、ひとつ承らわしていただきたいと思います。
○小野説明員 お答えいたします。用語を解釈いたします場合に、見方によりましては、また立場によりましては、立花さんのような御意見も出るかと思うのでありますが、私の考え方を申し上げますならば、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営ということは、非常に広い意味を持つておると思うのであります。特にその前提として、地方公務員制度に関する根本基準を確立するというところに、一つの問題があるのでありまして、單に地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営を保障し云々だけをお取上げになつての御議論では足りないと思うのであります。地方公務員制度に関する根本基準を確立するという中には、ただいま御指摘になりましたような給與であるとか、あるいは勤務時間その他の勤務條件、あるいは地方公務員の福祉及び利益の保護であるとか、その他の人事行政に関する全般的な根本基準を確立しようという基本的な考えがあるのでありまして、その基本的な考えに立脚しての地方公共団体の行政の民主化でありますために、従つてただいま御指摘になりましたようなぐあいに、單にこれがフアツシヨ的な一方的な押しつけがましい法律であるというような考え方にはなるまいと、私は思つておる次第であります。
○立花委員 非常に言葉の上ではうまくお逃げになるのでございますが、こちらに條文をいただいておりませんので、この要綱に現われました場合の個個の内容を見ましても、非常に今次官の言われました民主化あるいは地方公務員の人権の擁護というようなことは、逆な形でこの中に現われております。一つの例をあげますと、七のところにあります懲戒の問題の場合におきましても、「その意思に反して降任、休職」云々の問題が出ておりますが、これは実は去年地方団体がやりましたレツド・パージー去年の地方公務員の首切りの問題におきまして、明らかに去年の首切りが不当であつたということが、いろいろな裁判の判決によりましても明らかな今日におきまして、実はその誤つた去年の首切りの理由を、そつくりそのまま今度の法案の中にお入れになつておる。次官はこの地方団体の行政の民主化という中には、地方公務員自体の民主化が含まれておるのだとおつしやいますが、このことは單なるお言葉でございまして、実際條文の上ではそういうことが現われておらずに、かえつて逆に間違つておると、はつきり判決すら下りておりますような去年の首切りのあの不当な理由、天降り的な首切り、そのものを実はそのままそつくり取入れておられるというようなことが現われております。このことは、地方公務員に対する新しい今年度のレツド・パージの問題も問題になつておりますが、それを目の前に控えまして、去年の首切りを合法化しようという意図が明らかに見えると思うのでございますが、この問題をどう考えられますか。あるいはその次に参りますと地方公務員と理事者との団体交渉の問題が出ておりますが、その交渉ができますものは、人事委員会に登録したものだけに限るというようなことが書かれてあるようでございます。しかもその登録を許しますには、その職員団体のあり方とか、会議の持ち方とか、会計のあり方とかいうものまでもこまかく規定いたしまして、その上で登録を許しましてその登録できたものと理事者側と交渉ができるというような、非常に自主的な民主的な動きを、上からきめました法規で制約した上での奴隷的な交渉のみを許しているのでございますが、こういうことは次官が言われました職員に対する民主化が事実の上では行われていないということを証明しておるのだと思います。なぜ口には職員団体の民主化を許すのだと言い、その方向を進めるのだと言つておきながら、こういうふうな措置をおとりになるのか。これは今私が気づきました二、三の点だけでございますが、こういう点で実は法案全体がやはり貫かれておりまして、この結果地方公務員自体の利益の擁護、あるいは人権の擁護というものが考えられておらないということは事実なんであります。その点が集中的に、やはりここに最初にお書きになつた目的の点に現われておりまして、この目的という言葉にとらわれたわけではございませんが、やはり形は体を現わしますので、この目的にお書きになつた言葉の中に地方公務員自体の利益の擁護あるいは基本的人権の擁護がうたわれていなくつて、かえつて地方公共団体の行政の民主的なかつ能率的な運営だけが強調されている形になつて現われていると思います。もし次官がさいぜん言われましたように、地方公務員の生活の問題までも立ち入つて民主的にかつその利益を守るのだというお考えであれば、それに反する私が指摘いたしましたような問題はどういうふうにお考えになつておりますか、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○小野説明員 御承知のように地方公務員は、地方住民全体の奉仕者であるという立場で活動をしてもらわなければならない、勤務に專念してもらわなければならぬことは申すまでもないかと思うのであります。と同時に地方公共団体は使用者であるところの地方住民を代表いたしました機関でありますので、一般の私企業における場合とは趣が異なつているということも、御了解が願えると思うのであります。同時にまた、先ほど来申し上げましたように、国の公務員制度の一環としての地方公務員制度でありますので、従つて国家公務員制度との間において、均衡をある程度保持して行くという方途が講ぜられるべきことが必要であり、それによつてこそ、初めて公務員制度そのものが円滑に運営されて行くことは、考え得る点であろうと思うのであります。従いまして、ただいまお話になりましたような任用、あるいは分限、懲戒等の処理につきましても、おおむね国家公務員法の規定に準じて、地方公務員法におきましても考えて行くことが、正しい行き方であろうと思いますし、また職員団体の問題につきましても、国家公務員法の場合と同様に考え合せまして、処理して参ることが必要であろうと考えておる次第でありまして、特にこの法律案を制定することによつて、一方的に地方公務員のみに対して重圧を加える、あるいは彈圧を加えるというような意図は、持つておらない次第であります。
○立花委員 最後に一つ質問しておきたい。これは施行の日でございますが、二箇月ということを書いておられますが、そうお急ぎになる必要はないのじやないか。この問題は次官が言われましたように、国家公務員法の改悪をやられましたときにおやりになるべき問題であつた。ところがそれから二箇年たつておりまして、今さしあたつて、これを急速におやりにならなければならない理由は、私はないと思う。ところが新聞によりますと、臨時国会にお出しになる。臨時国会は御承知のように二週間あまりしかございませんし、不可能だと思うのでございます。とにかく政府の方では非常にあせつておられるという形が、はつきり出ているわけでございますが、私はこれは非常に不可解なんです。今まで二年数箇月も放つておいた問題を、二週間しかない臨時国会にお出しにならなければいけない。しかも施行を二箇月というように非常に狭く限定されておる。ところが逆に人事委員会とかそういうものの成立は、六箇月とか八箇月とか、あとに残されておるわけでございます。取締りの面だけは二箇月でやつてしまつて、それの苦情を処理したり、あるいはいろいろな問題を処理いたします公平委員会とか、人事委員会というものは、六箇月も八箇月も先に延ばしておる。私どもなぜそういうふうに施行を急がなければいけないかという問題が、不可解なのでございます。聞くところによりますと、非常にこの法案の成立につきましては、関係方面との折衝があつたようでございますが、特に最近八日の日ですか、政府の発表になりました修正案などにつきましても、関係方面の意向が非常に強かつたということを聞いておるのでございます。そういう関係でこの法案の成立が急がれておるのではないかと、私ども憶測するわけでございますが、その間の事情を明らかにしていただきたいと思います。特に修正案の問題につきましては、私重要な問題だと思いますので、たとい秘密会にされましても、修正案がどういうわけで、どこから出て来て、どういう意図のもとに発表されたのか、また政府は、あの修正案をどういうふうに取入れようとされておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○小野説明員 たびたびお話申し上げておりますように、地方公務員法を制定しなければならないということは、以前から取上げられて来ておつたわけでありまして、その間政府としましても、これが法律案を提案いたすべく準備を進めて来ておつたのであります。それがいろいろな事情のために遅れて参つておりますので、できるだけすみやかな機会に法律案を提案いたしたいということに相なりますと、臨時国会に提案することが適当である、かように考えておりますので、提案いたしたいと思つております。 なお修正云々の問題につきましては、具体的な内容を承りませんと、ちよつと説明がいたしかねますので、承りたいと思つております。
○大矢委員 先ほど立花君との応答の中に、特に地方公務員に対する給與の問題を、平衡交付金とあわせて考慮して行くというお話でありましたが、昨日いただきました都市公務員の給與現況に関する件というもので、全国市長会の調査の結果をいただいたのでありますが、これを次官はごらんになつたかどうか。それから新聞紙上その他で大蔵省か言つているように、地方都市の公務員が、国家公務員よりかはるかに越えている、財政にゆとりがあるということを言つて、問題になりました。その結果調査した資料が、ここに参つております。四十二の都市の調査の結果、大蔵省の言う一人に対する十一万円を越えているというのに反して、平均八万二千円、しかもそこには非常に年齢の多いものとか、さらにまた家族が多くて特別給與をするものが多いとか、いろいろ特殊な事情を調べてあげております。この調査を自治庁の方で、特にこれは財政委員会で聞けば一番よくわかると思いますが、御承認になるのかどうか。それから次官が財政委員会その他でお聞きになつて、御承知なんですか。これは重要な点だからお聞きしたいと思います。
○小野説明員 大矢さんが今御指摘になりました資料につきましては、私実はまだよく見ておりません。従つてこれに関連した御答弁を申し上げることは、差控えたいと思います。ただいまお話のありましたように、都市におきましては、年齢が割合に高いことやら、あるいは勤続年数等から考えまして、比較的高給者が多い。また実際問題としまして、任用の際に、ある程度給與の問題に考慮を拂わなければならないような点もあるように、私は聞いておるわけであります。従つて、国家公務員と比較いたしまして、実質的な調査による給與の額が、多少上まわるということは、考え得る点ではないかと思つております。従つて国家公務員全体の平均給と、地方公務員、これは都道府県、または市町村、それぞれのグループによつて、あるいは異なつて来るかと思いますが、それを比較いたしますと、必ずしも地方公務員に対して高給を支給しておるということにはなるまいかと考えております。しかしこれは数字の問題でございますので、公務員課等において持つております資料によつて、適当な機会に御審議を願えば、けつこうかと考えております。
○大矢委員 あまりにもへだたりがある。大蔵省では十一万円と言い、この調査によると八万二千円になつております。後日でけつこうでございますから、自治庁の方で調べた結果を、御報告願いたいと思います。 それからけさほどの新聞によりますと、例の公益企業——電気、ガス、水道、交通が別個に取扱われるということで、私きのう質問いたしました趣旨が、ここに現われておるのですが、これによりますと、別個に講ずるということでありますが、これは法律ができるまではこの公務員として扱うのか。そうでなしに、今まで通りの政令二百一号をもつて、労働関係法その他とあわせて、現状通りで行くのか、この点がはつきり新聞紙上で現われていないので、この機会にお聞かせ願いたいと思います。
○小野説明員 昨日は実はいろいろ折衝の途上にございましたので、公営企業の職員についてはいろいろの意見があるということを申し上げまして、私の考えとしては特別の取扱いをすべきであろうということを申し上げたのであります。大体政府の考え方としましては、公営企業の職員については特別な取扱いをすることにまとまつて参りましたので、この点を本日申し上げておきたいと思います。 なおただいまお話がございました、しからば特別の取扱いをするために、必要な法制措置をとるまでの間をどうするかという問題でございますが、公営企業職員の身分の取扱いにつきましては、その実情に考え合せまして、現状の例によつてやりたい、かように考えておる次第であります。
○大矢委員 いま一つ、第二項にこういうことがあるのです。地方公務員法を適用するが、その労働法上の取扱いについては、現業員——單純労務と申しますか、に対する取扱いを、国家公務員法の現業員の場合とあわせて別途に研究する。こう書いてありますが、別途というのは、たとえば規則においてかえるのか。さらにまた別な法律をつくるのか、あるいはまた條例とか規則でそういう労働法規上の手続だけをやるのかどうか、この点を私は聞きたいと思います。 それから第三に、地方公営企業職員以外の現業員については、労働基準局の監督権限を認めることとする。こういうことがありますが、これは、現業という言葉を使つておるから、多分今言つた單純労務だと思いまするが、しかしわれわれの常識からすると、現業といえば、行政事務以外の者をいうので、たとえば教職員の場合、これは理業といつてもさしつかえないと常識上考えるのですが、それは入つてない。單なる單純労働だけだ。労働基準法の監督の権限についてどこまで及ぶのか。と申しまするのは、せんだつて京都で問題になりました例の超過勤務の問題なんかも、どつちが監督するかによつて非常な影響が多いので、この点の解釈が、現業員とは教員が入つているのか、いないのか、その二つをお聞きしたいと思います。
○小野説明員 まず第一の国家公務員たる現業職員との関係の点でございます。この点につきましては、国家公務員たる現業職員の取扱い方は、今日きまつております。従いまして、国家公務員法上の取扱い方の今後の模様によりまして、それと符節を合せるようなぐあいに、地方公務員における現業職員についても考えて行きたい、こういう趣旨であります。 それから第二は、労働基準監督機関の職権が、地方公務員につきましては、どの程度まで及ぶかという、範囲の問題でございますが、種々協議検討いたしました結果、一般行政職につきましては、人事委員会等の機関によつて職権が行使されることが妥当であろうけれども、清掃等に従事しておるような、いわゆる單純労務者たる現業職員につきましては、やはり労働基準監督機関の職権の対象とすることが妥当ではないか、かように考えておる次第であります。
○大矢委員 それでは初めの方はこういうふうに解釈していいのですか。国家公務員法の現業員は、近く何らかの措置をとりたい。そのときにあわせて地方公務員の現業員についても同一に扱いたい。国家公務員の方が現状になつているから、今ただちに扱わない、こういうのですか。それとも私が言いましたような法的措置をとるのか。あるいはこの機会に規則、條例で改めるのか。その点をお聞きしたいと思います。
○小野説明員 国家公務員法において現業職員の取扱い方がきまつておりますことは先ほど申し上げた通りでありますが、将来国家公務員法におきましても、現業職員の取扱い方について何らかの変更を生ずるというような場合におきましては、それに応じて地方公務員につきましても考えて参りたい。ただ今日の状況といたしましてはただちにしからば国家公務員法を改正するかどうかというところまでには、今のところは至つておりませんけれども、研究はいたされておるはずでありますので、従つてこれと関連を持たせつつ、現業職員についても考えて参りたい、かような趣旨と御了承願いたいと思います。
○大矢委員 ちよつとわかりにくいのですが、最後に別途に研究するということが書いてある。これは私は国家公務員法の現業職員とにらみ合せて特別に考慮するという現われじやないかと思いますが、なぜ私がこれを詳しく聞くかと申しますと、われわれは一体地方公務員並びに国家公務員に單純労務すなわち現業員は加えるべきではないという原則を持つておる。それははずすべきだ。またずつと前の原案ははずれておつた。それが今度は加わつて来たから、そこでもう一歩考えて国家公務員法の現業員の場合も考慮して、それとにらみ合せて別個の法律、別個の條例をつくる。そういうことと解釈しているが、今聞きますと、かわつて来た場合にはしなければならぬが、今かえる意思がない、かように承るが、この点が非常に重大な点です。この際別個にしたいが、いろいろ国家公務員の関係があるからできない、しかし後日、あるいはできれば並行して、あるいはまたできればこの機会に條例、規則その他において別個な取扱いをしたい、そういうことがうたわれておるのか、その点先ほど来何べん聞いてもはつきりしない。もう一ぺん御答弁願います。
○小野説明員 端的に申しますと、国家公務員たる現業職員とのにらみ合せをいたしまして、後日地方公務員たる現業職員につきましても、その取扱いをきめて参りたい、かような趣旨でございます。
○大矢委員 それで大体わかりました。後日ということがいつになるか、その点があいまいでありますが、とにかく別個に扱いたいという気持のあることはわかりました。 それからこの機会に予備隊警察のことでちよつとお聞きしたいのですが、例の新聞で問題になつている、前の委員会においてもそのことが問題になつておつたようですが、募集の際の契約と申しますか、月五千円、それから二年間で六万円ですか、みな大体あれを目標に応募されて、それがいまだにきまらぬことになつている。あれは確実にきまつたのかどうか、その点が一つ。 もう一つ、予備隊警察と軍隊との限界がいろいろ議論になつた。私はその際に、一体これが予備隊警察制度のものか、あるいは来るべき次の軍隊にかわるべきものかということは、装備、訓練その他に大体違つたものがあろうと思う。装備をどういうふうにされるのかと聞いたら、大橋法務総裁は、大体今アメリカの兵隊の持つている小銃、それに拳銃を持つか、それくらいのもので、それ以上のものはないということを言われたのでありますが、最近聞いたり、あるいは見たりしますと、英語で訓練したり、軽機関銃もこしらえたり、なかなか装備も相当なものを使つておるようですが、この点どの程度までされるか。あるいはまた来年度に六万五千というものを、もつとふやす計画があられるのかどうか、この点もあわせて伺います。
○江口説明員 お答えいたします。給與の問題は長い間懸案になつておりましたが、ここ数日前にようやく決定を見るに至りまして、五千円程度と申しますのが、初任給が大体四千五百円になりました。それからこれは軍隊用語ではなはだ不適当でありますが、昔の下士官以下、今度の警察予備隊で申しまする一等警察士補以下の平均が、やはり五千円程度になります。これはわれわれの公約と一向違わないのでありまして、紙上に発表されましてから、予備隊の隊員もきわめて沈靜を取返したというような報告が参つておりますし、二年間六万円ということもさきに決定を見まして、これも十二月十五日に採用された一等警察士補以下のもので二年間無事に勤められれば六万円支給する、これもはつきり決定をされておりますが、新聞の発表がまちまちでありまして、あるいはまだ未決定のようにとられる向きもありますが、数日前に決定を見まして、目下政令を準備中でございます。御了承を願います。 それから警察と軍隊とはどこが違うか。これはしばしば論議になりますが、これはむずかしい点でありまして、ただ装備だけでもきめられないと思います。すでに終戰後におきましても、警視庁あたりにおきましては、相当重たい武器を持ち得るようなところまで進んだこともあるのでありまして、現在の警察予備隊において採用いたしておりまする武器の範囲で、これを軍隊的だと申しますのも、少し言い過ぎではないかと考えております。それではどういうものを今持つておるかと申しますと、短銃、カービンでございます。これは短い銃を持つて訓練しております。それに最近もちろん機関銃の操作も加えられるようになりました。それでは全国的にそういうことになるのかと申しますと、今のところ必ずしもそう行つておりません。小銃の配付と訓練だけはほとんど全国的にやつておりますが、あと申しましたものにつきましてはまだ全般的にやつておるわけではございません。そのほか試験的に試みられておるものもありますが、これは全体的に及びますものやら、一時限りでやめになるものやら、まだその中身が未決定であります。国際情勢とのにらみ合せなどによりまして、そういう方向もきまつて行くと考えます。従いまして七万五千人がこの次の機会にふえるかどうかということは、ただいまのところでは申し上げられないと思います。
○大矢委員 それではもう一つ。大体ことしの年度内の予算で流用したのは二百億円というのですが、来年度はどのくらい見積つてあるか。今すでに予算編成になつておりますが、大よそどのくらい要求されておりますか。
○江口説明員 本年度は御承知の通り二百億見積つてあります。来年度は一応きまりましたところが百二十億ぐらいになつております。しかしこれも装備の点で、本年度の二百億を来年度にも流用できるものがあるかもしれませんが、今申しますようにいろいろな情勢の変化によつて中身はかわつて参りますので、来年度は百二十億でありますが、足りない場合はこれまた適当な措置を考えて行かなければならぬのじやないかと考えております。
○立花委員 ちよつと関連しまして、その装備の問題ですが、短銃というものは日本でおつくりになつたのか、どこから持つて来たのか、その費用はどういうふうになつておるかお聞きしたい。それからもう一つは機関銃ですが、これは日本の工場でおつくりになつたのか、どこから持つて来たのか。これをお聞かせ願いたい。 それから現在起つておる犯罪で小銃を用いたり、機関銃を用いた犯罪が起つておるか、これをお聞きしたい。
○江口説明員 短銃、カービンはアメリカから借りております。
○立花委員 費用は……。
○江口説明員 費用はまだ出しておりません。
○立花委員 出さないのですか。
○江口説明員 これは将来の問題で、今のところまだきまつておりません。すべて武器は日本では製造を禁止されておりますので、一切向うの貸與品を使うということになつております。
○立花委員 それから犯罪の問題を……。
○江口説明員 現在のところ銃を用いたり、それ以上の火器を用いて犯罪を鎭圧するといつたような事態は考えられませんし、また今のところそういう事例の起つたこともございません。
○藤田委員 予備隊のことを簡單にお伺いします。 まず第一点はポツダム政令によりました七万五千一百名の採用状況を簡單にお示し願いたい。現在欠員がありとすればどのくらいあつて、いつごろまでにそれを補充するかということをお伺いしたい。
○江口説明員 募集は全体で七万五千人を充員するわけでありますので、そのやり方としていろいろな方法がございます。最初の案は七万五千人を全部公募して、その中から適当な資格のある者を階級づけて、りつぱな部隊につくり上げるという考え方でおつたのでありますが、それでは一般隊員だけが集まりまして、幹部を採用するのに非常に困難を感ずるというところから、とりあえず一般公募は七万四千人としまして、あとの千人は別の名義で募集する。つまり千人のうち八百人は幹部募集として、別に採用したわけでありますが、残りの二百名は特別指名採用、たとえば衛生技術監とか、通信技術監というような人たちは公募してもなかなかやつて来ませんので、これらの人たちは特別に私たちの方から指名をして入つていただくという三つの充員方法をとつたわけであります。すでに七万四千人の方はその充員を終つております。それから八百人の幹部募集をいたしました者については、その中から随時編成が明瞭になるにつれて、十五人、二十人ずつ採用しておりますので、これで八百名の幹部募集については、はつきり覚えておりませんが、百名か、百五十名採用されたと思います。二百名の特別指名採用も四、五十名は採用されておると考えております。従いまして間もなく七万五千が充実されることになろうと考えております。
○藤田委員 先般関係方面から発表されました陸海軍の下級将校の追放解除と、予備隊の幹部の採用に何か関係がございますか。現在ないとしても将来ぜひともこれを起用したいという方針がありますかどうかお伺いします。
○江口説明員 最近若い元将校が追放解除になつたのでありますが、私承知いたしておりますところでに、予備隊その他にそれらの人を採用するためにその解除が行われたものとは聞いておりません。ただ若い人たちの将来に希望を持たせるために、ああいう解除が行われたのだと聞いております。それでは将来そういう人たちを予備隊に使うかどうかという問題であります。これは微妙な問題でありまして、大体あの当時少尉までになつております。年齢は今日では二十四歳か、二十五歳であります。そういう人たちに来てもらつて、今われわれが採用しております七万四千人の隊員との折合いがうまく行くかどうかということは、非常に考えなければならぬのであります。技術的にはそういう人たちに来てもらいたいが、あまり年齢が若過ぎて、しかも少尉になつておりますために、相当の階級にしなければ本人は来ないと思います。その階級づけをした際に、年齢が若いために一般隊員との折合いがどうなるかということを真劍に考えますと、軽率にはそういう人たちをぜひ採用したいのだということを言いにくい。どうするかという問題は、もう少し研究をした上で最後の決定をくだしたいと考えております。
○藤田委員 警察予備隊の幹部の問題でございますが、国警次長も見えておりますので、お伺いしたい。実は国警におきましても、相当重要なポストが空席のままになつております。国警の重要なポストをいつごろ補充されるのか、予備隊の人事とも関連して考えておるのか、あるいは予備隊とは別個に国警自体として早急にやられるのか。重大な治安の総元締めの人事が空席になるということは、その及ぼす影響が非常に深刻であると思いますので、この際お伺いしておきたいと思います。 次に予備隊の部隊員の配置の基準と申しますか、方針というものがありましたらお聞かせ願いたいと思います。実は全国各地で相当配置を進んで希望する向きもあるようでございます。ところがこれか受入れに関しましては、小野政務次官もおられますが、地方自治体の負担というものが、相当強く要請されているようでございます。現に九州のある地方におきましては、今月の初めに関係方面の人が参りまして、十五日に先遣隊を入れるからそれまでに受入れ態勢を整備せよというきつい希望がございまして、自治体では非常にあわてまして、財政難の折から相当困窮しているようでございますが、こういう経費は将来予備隊の責任において補充されるのかどうか、あるいは自治体の負担においてやられるのか、相当大きい問題になつて来ると思います。これは予備隊に何か方針でもあるだろう、思いつきでこういうことを決定されているのではないと思いますので、この際お伺いしておきたいと思います。自治庁とも連絡があれば、自治庁の方針も、これらの財源に関しまして、あるいは財政上の緊急の需要であるがために、特別平衡交付金等の考慮の対象になるのかどうか。こういう点をひとつ小野政務次官にもお伺いしておきたい。平衡交付金法の建前からしますと、財政上緊急の需要があれば当然考慮することになつておりますが、平衡交付金法の制定の当時は、予備隊というものは予想されておりませんでしたが、その後発足しました予備隊の受入れに対する地方財政の負担に関しまして、平衡交付金の考慮がありやいなやということも、あわせてお伺いしておきたいと思います。
○溝淵説明員 ただいま国警の人事について御質問がありましたが、実は国警の方も、今予備隊へ行く者が数名ありまして欠員になつておりますが、これは兼務その他で一応まかなつております。ところがなお予備隊の部隊の方に隊長級で数名の者が行くことになつておりますので、この方がきまりましてから異動をやりたいと存じております。もし予備隊の方で採用決定がつかなければ、途中でもなるべく早くやりたいと考えております。
○江口説明員 予備隊の宿舎を方々に設ける際の基準でございますが、申し上げるまでもなく予備隊は国警、自治体警察の補完作用として設置されるものでございますので、配置に当つては当然警備上の問題というようなことをいろいろ検討の上、どこそこへどれくらいの隊員を置いておく必要があるということをきめる必要があるのでありますが、何せ七万五千人を急速に募集しなければならぬという事情に差迫られました関係上、配置計画を立てて、ある県へ何千人置くとかいうような準備を整えておるひまが実はなかつたのであります。要するに七万五千人を急速に揃えなければならぬという要請のもとに、その配置上の問題よりは、收容する建物の方が先決問題となつたわけであります。従いまして、收容し得る建物があるところにまず入れるという方針で進んだのであります。従いまして、最初は米軍が朝鮮に出て参りましたあとのキヤンプを一時借用するというようなことで入れたものも数万ございまするし、あるいは幸いに大蔵省所管の雑種財産で、まだどこへも拂下げない建物であいているものを借りて、收容したような事情であります。ところがまた最近に至りまして、朝鮮の戰況の影響によつて、米軍が多少帰つて来るのではないかというような話が持ち上りまして、一旦入れたキヤンプからまた出なければならぬというような事情にも差迫られておりますので、とにかく警備上の問題よりも入れ物の方が先だという現状になつているような次第であります。それで米軍の出たあと、ないしは一文も買收に金がかからない、現に国で持つておるもの、それを探すのに大わらわだつたのであります。ところがそれだけでは足りません。一方お話のように国の建物、つまり無料で使える建物ではないが、ある市の方から提供するからぜひ来てくれというような予備隊設置の誘致運動も熾烈に行われまして、われわれといたしましては、できるだけ予算を節約する意味におきまして、ただの建物でなければ入りにくい。借りて入るとか買つて入るとかいうようなことでは困るのだ。無料でそれが借りられるのと、それに修繕費をかけるくらいはやむを得ないけれども、買收して入るというようなことは、とうていわれわれの方針として持つていないところであるというようなことだつたために、ある公共団体といたしましては、これは民営の建物であるけれども、市の方でとにかく何とかしてこれを自分のものにして、予備隊にお貸しするから来てくれというので、それではそこへ設置しようということになつて、置いたものも二、三ございます。ところがあとから調べてみますと、われわれの方では市の方と建物の所有者とが相談しまして、しかるべく予備隊を置けるようにしてくれたと思つておつたのでありますが、市としてはその建物を買收するとか修繕するとか、非常に負担したというような実情も聞いております。これはわれわれの方の約束とはずいぶん違うので、市がそのために負担した金を予備隊の方であとで拂つてくれと申しましても、われわれの方針として現在のところそれはお拂いできないと考えております。二、三そういう非常手段を講じて予備隊を設置された向きもありますけれども、われわれの方としては市がかけた経費をあとで補充してあげるというような考え方は、今のところ持つておりません。
○小野説明員 藤田さんの御質問にお答えいたしたいと思いますが、ただいま江口君からお話がありましたような、具体的な事情も地方によつてはいろいろあるやに思うのであります。従いまして抽象的に、一般的に地方財政平衡交付金によつて処理するということは、ここでは申し上げかねるのでありますが、当該地方公共団体の財政力の許す限りにおいてやつた場合におきましては、地方財政平衡交付金の問題にならずに済む場合もあろうかと思いまするし、また特定な事情によつて予測しがたい財政需要の結果、地方財政平衡交付金で見なければならないようなものも起ろうかと思うのでありますが、原則論といたしましては、具体的の実情を十分に精査いたしました上で、考えてみなければならない問題であろうか、かように思つております。
○藤田委員 小野政務次官の御答弁ははつきりいたしましたが、この配置の問題に関しまして、いま一言お伺いしたいのは、隊員の出身地と配置された場所というものが全然考えられていない。東北の青年が北海道に入隊し、あるいは四国の青年が九州に入るというような物心両面で不合理な、不都合な配置がされておりますが、これは将来出身地と配置される場所とをマツチされるつもりであるかどうか、あるいは現在の態勢で、わざと出身地とかえて配置されるものであるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○江口説明員 最初公募いたしまする際には、全国を四地区ぐらいにわけまして、その地区内で応募されました人は、その地区内のどつかのキヤンプにできるだけ收容するというふうに、実は公表したのでありまするが、いろいろ募集の際にも、まず北海道方面を早くする必要がある、非常に急ぐというような関係がありましたので、北海道だけではその地区の警察官で充員することができない場合があつたのであります。従いまして、北海道に対しましては、東北あるいは関東地方からとにかく急ぐという意味で送つたものもございます。従いまして、北海道地区の方で充員がされるにつれまして、東京方面から行つた隊員もこちらに帰えしたということもございます。ただ北海道には関東地方から募集されたものが、まだ八百名ほど残つております。これは何とか適当な機会に関東地方ないしその近郷に配置がえいたしたいものと考えておりますが、なかなかその編成、配置との関係上、急速にはかどらないことは、それらの人々に対してはなはだお気の毒なことと思つておりますが、将来といたしましては、もちろん出身地に近いキヤンプに入れる方針でございます。決していろいろな都合を考えて、出身地以外のところにまわした方がいいというふうな主義ではございません。 それからただいま申しましたように、米軍が一度明けたキヤンプを、あるいは再び使用するようになるかもしれないというようなことのために、こちらのキヤンプの修繕ができない先に、こちらのものを明ける必要が起つて来るかもしれない。そうすると一時こちらのキヤンプに入つておる隊員を、とんでもないところへまわさなければならないというようなことが過渡期にもありますので、一時的にはとんでもないところにやられたという隊が、今後もできるかもしれない。しかし将来の計画としてはできるだけ出身地近くに帰えすという方針にはかわりございません。さよう御了承願います。
○藤田委員 その受入れ施設の問題でございますが、これは二、三の市が自治体と関係があるというような見解でございまするが、おそらく終戰以来五年間完全なあき家になつておつたものはないと思います。将来安定せる施設がどうしても予備隊の配置に必要になると思いますが、江口さんのお話では修理程度は予算で用意しておつたが、本格的な受入れ施設の費用は、全然予想していないというようなことでございましたが、おそらく進駐軍の施設との関連において、恒久的な態勢をとらなくてはならぬというような、いろいろなトラブルが各地で起つて来るんじやないかというふうに、私は想像いたしております。明年度も百二十億の予算の中に、大体そういう施設の恒久化に関しまして、何か予算が考えられておりますかどうか、考えられないで補修費程度で当分やつて行かれるつもりであるかどうか、いま一度お聞きしておきたい。
○江口説明員 その宿舎の設営費は、本年度二百億の中にすでに六十数億見積つております。そのうちキヤンプの補修費として今日までに支出されたものは、きわめてわずかでございます。従いまして本年度内にも恒久的なキヤンプを建てるという予算はあるのでございます。ただキヤンプだけの問題でございませんので、いろいろ装備の問題もありまするし、当初の本年度の予算としましては、どの方面に幾ら経費がいるかということが、実ははつきり見当がつかないのでございます。従つて設営費としては、相当たくさんの経費が計上されておるが、それをできるだけ節約して、そうして二月か三月に行つて、その本年度の二百億の経費の最後的な使い方を決定しようじやないか、こういう方針になつております。しかも御存じかと思いますが、あの警察予備隊の政令をつくりました際に、その附則の方で特別会計的の措置を講じまして、本年度内に契約したものは来年度になつても拂えるというような特例を設けております。この二、三月ごろになりましてから、二百億の内訳の全部の使途が決定するであろうと思います。その際にあるいは今までの方針をかえて、どうしてもここには警備上必要な地区であるからやむ得ず新設するというようなキヤンプが出て来るかもしれない、そのときにはこの地区に必要なものであるから、国のものでないけれども、買收しなければならぬという建物も出て来るかもしれません。今は中身がわからないだけに、できるだけ節約して二、三月ごろまでその経費を見送るという方針でございますので、そういうことになつておる次第でございます。
○藤田委員 最後に一言お伺いしたいのですが、ただいま申されました警察予備隊ですが、これは非常に不自然なかつこうでできております。当然法律でつくるべきであつたのを、政令に讓られたわけであります。将来法文化してすつきりした姿にされる計画がございますかどうか、あくまでも現在の政令をそのままにして行かれるつもりでありますか、予算の審議とも関連いたしまして、相当に論議の対象になりますが、何か計画がありましたらお伺いしたい。
○江口説明員 確かに早々の間に制定されました政令でございますので、中身につきましてはぼつぼつこれを改正しなければならぬのじやないかというような点が出始めております。その際にどういう手続で改正することになるかどうかにつきましては、この席で私説明申し上げかねますが、将来といたしましては、りつぱな手続を経たものに、いつかはかわらなければならないものだと考えております。さしあたつて法律に組みかえるということは考えておりません。
○前尾委員長 この際お諮りいたしますが最近問題となつております歓楽街設置の件につきまして、大石ヨシエ君から質疑の通告がありまして、お呼びしましたところ、参考人として東京都都市計画課長の塩澤弘君が参られましたので、同君に対して質疑応答を許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前尾委員長 御異議がなければさよう決定いたします。大石ヨシエ君。
○大石委員 都市計画課長さんにお尋ねいたしますが、今非常に問題になつております大森の池上附近に歓楽街を設置され、PTA及びその附近の婦人の方が声をからして反対をいたしておりますが、何ゆえにこうした所にああしたいわゆる特殊飲食店を新築されましたか、その理由を私ははつきり聞きたいと思います。
○塩澤参考人 ただいまの大森の池上の特殊飲食店について、何がゆえにそういうものを許したかという御質問でありますが、実は私東京都の都市計画を担当しておりまして、都市計画といたしましては全然ああいうものを予期しておりません。都市計画といたしましては、土地の利用に関係いたしまして建物のいろいろな使用制限はやつておりますが、実は中の行為については都市計画では全然関知しておりません。 大森の池上駅前の問題につきましては、実は最近駅の前が非常に復興して参りまして、俗称これを池上銀座と称しております。戰災を受けまして非常に荒廃に帰しましたが、最近非常に活発に復興の動きを見せておりまして、地元でも本門寺の復興と同時にいわゆる池上銀座を復興したいという意欲が強うございまして、結局りつぱな商店街をつくりたい、そのためには都市計画としても十分りつぱな商店街に育て上げ得るような措置を講じてもらいたい、こういうような地元の要望がございまして、都市計画でもいろいろ検討したのでございますが、最近非常に復興が顯著でございまして、りつぱな商店街にして附近の都民の日常生活の購買中心にしたい、こういうような意図のもとに都市計画としては、商店街の育成ということを考えて参つたのでございます。ところがただいまお話がございましたように、最近附近に特殊飲食店が多小できまして、この関係で、確かに今お話がございましたPTAその他で大分御心配なさつているようでございます。この出願関係は、実は私は都市計画でございますが、建築局の所管になりますが、出願はいわゆる料理屋と申しますか、族館と申しますか、こういう形で出願されておるということを聞いております。旅館あるいは飲食店につきましては、これは都市計画の面では、たとえば商業地域であろうと、住居地域であろうと、一向さしつかえないのでありまして、その中の行為が困る、こういうことでございまして、これは実は都市計画の所管外でございますので、私らといたしましては、あくまでも商店街の育成、これだけを考えているわけでございます。
○大石委員 ただいま課長さんが商店街を育成するとおつしやいましたが、あなたは風俗取締法というものはどう内容の法律であるかよく御存じですか、ちよつとおつしやつてください。
○塩澤参考人 風俗取締法でございますか、これはたとえばああいうものができますにはまず建築行為がございまして、それからいろいろたとえば旅館にいたしますると、それぞれの取締法規がございます。これはただいま申し上げましたように、都市計画の所管外でございますので、私らとしましては要するに建築の適、不適を考えるだけでございまして、そのほかのあるいは衞生施設、あるいは風俗関係の事項については、私らの所管外でございますので御了承願います。
○大石委員 ただいまあなたは、自分の所管外であるということをおつしやいましたが、あそこに学校があることを御存じですね。知つておられますか。
○塩澤参考人 知つております。
○大石委員 その学校の約二百メートルほど先に歓楽街のいわゆる特殊飲食店、これはすなわち昔の遊郭です。それと同じものができても、これは商店街を繁栄する意味において、それで都市計画課長として責任はありませんか。あなたはどうお考えになつておられますか。おそらく世界いずこを探しても、学校から遊郭の見えるような所はないと思う。あなたも子供をお持ちでしようが、父親の立場からどういうふうにお考えになりますか。
○塩澤参考人 いわゆる特殊飲食店、お話のように遊郭式のものでございますが、これは私らは全然予期しておりません。もちろん兒童の教育という面から言えば、これは非常に問題があると思います。私はただいま商店街の繁栄と申しましたが、先ほど申し上げました附近の都民の日常購買の中心、いわゆる小売商店街でございます。ところがただいま出ております出願は、いわゆる旅館として出ておりまして、族館というものについてはただいまの法規で言いますと、たとえば衞生関係、その他の施設関係が十分完備しておれば、旅館としての許可は当然あるわけであります。旅館の中の行為がどうであるかということについては、これはいわゆる施設の面の関係でありませんで、行為については都市計画としては何ら発言の余地がないのであります。
○大石委員 あなたは都市計画課長ですが、それに発言の余地がないとおつしやいましたが、少くとも都市計画課長さんという名前がついておつたら、あのそばに歓楽境ができることはわかりませんでしたか。そうして小さい三疊の間や四疊の間をこさえて、そうしてたくさんああした女子がおつて、皆さんも御承知のように一つや二つの小さい子供が花柳病に冒されておる、その状態を御存じでしようか。それでもあなた責任ありませんか。
○塩澤参考人 ただいまの小さい子供が花柳病に冒されておる責任でございますが、これは先ほども申し上げましたように、都市計画といたしましては、建物がいろいろな法規に照らして適不適ということで、中の行為につきましては、これはそのほかの法律関係がございますので、私の所管外でございます。
○大石委員 ほおかむりをしてはだめですよ。あなたほおかむりしているのじやありませんか。あなた責任があるじやないか。あなたは都市計画課長ではありませんか。それにこんな学校の三百メートルくらいのところに、子供が見ておるところに、昔の遊郭ができて、そうして自分は商店街を繁栄させる意味において責任がないと、こんなほおかむりをしてもだめですよ。もう一ぺんおつしやい。
○塩澤参考人 責任がないと申しますのは、建築許可、不許可は実は私の課でありません。
○大石委員 そんならだれなんですか。
○塩澤参考人 東京都の建築局指導課でございます。
○大石委員 しかしあなたは合議でやつたわけでしよう。あなた知らなかつたのですか。
○塩澤参考人 建築の許可につきましては、御承知のように私らの方ではどこを工業地域にする、あるいはどこを商業地域にする、あるいは住居地域にするという決定だけでございまして、中の建築の個々の具体的な許可、不許可は、これは合議はございません。建築局の所管でございます。
○大石委員 課長さんはそんなにぼけますけれども、これにはちやんと暗黙のうちに、あなたは相談に乘つておると私は思う。母の立場、父の立場、子供の立場からいつて、ああいうところに、ああいう歓楽境ができて、そうして商店街を発展する……。都市計画課長さんは、それで責任上よろしいか。そんなうそを言つてもだめですよ。責任者を呼んでもらう……。
○門司委員 今いろいろ大石さんとの間に応酬がありましたが、この場合私が聞いておきたいと思いますことは、実は神奈川県にもこういう問題があるのであります。御承知のように、横須賀市の問題で実は弱つておりますが、今の都市計画課長さんのお話では、都市計画に関する事項はむろん所管事項でありますから、その通りで私はいいと思います。しかし一つの都市の計画をする場合に商業地域あるいは工業地域あるいは住宅地域というものが設定される。それはあなた方の所管だが、その内容については一向わからぬというようなお話でありますが、これは法的に嚴密に言えばあるいはそういうことが字句の解釈上では言えるかと思いますが、もともと都市計画の中で商業地域、工業地域あるいは住宅地域を法で設定いたしますのは、住民の自由な意思を社会の公共の福祉のためにこれを束縛して行くという一つの行き方であります。日本は憲法で定められておりますように、居住の自由、営業の自由を持つております。住民が公共の福祉のために、そういつた都市計画法によつて地域をわけられて、そしてそこにそれらの営業を行わなければならない。そうするとこれはやはり基本的人権というものを法律により單なる地方の公共の福祉ということで制限を受けているということは、私ははつきり言えると思う。そういう制限をしておきながら、その制限の中で行われます行為が、全然地方の公共団体の福祉と相反するものが行われるというようなことが、さつき大石さんもやかましく言つておりますが、これは神奈川県の横須賀市にも、同じような問題が起つておる。それが單に法律でそういうものがないから、それでいいのだ、都市計画できめられた三地区をきめたのだから、それ以上は向うさんのかつてだということであれば、私は都市計画を施行した法律の趣旨からいいまして、ものの考え方があまりしやくし定規過ぎやしないかというような感じがするのであります。もしそういうことが簡單に考えられるとすれば、これは将来に非常に大きな問題を残す禍根になりますので、従つて私が今聞きたいと思いますことは、都市計画課長さんとしては、そういう地域を三つにわけることかできる。そのほかに未指定地もできるのですが、結局その中で行われまする行為は、いかなる行為であつてもそれは関知しないのだ、そして都市計画ができ上つて、せつかくあなた方が苦労されてでき上つた都市計画というものが、その中の内容のいかんによつて住民の非常な反対を受けるというような結果になるということになりますと、この都市計画はせつかくあなた方の苦労されたことが、何にもならなくなると思う。従つて都市計画を計画されまする場合においては、当然そういうことが考えらるべきではないか、たとえば学校の附近であるとか、あるいは公共の、目につきやすい場所には一応そうした世間から見ていかがわしいというような商売に対しては、これはある程度やはり牽制することが、都市計画の面からも考えらるべきだと考えておる。従つて問題になりました以上は、ただ單にそれが自分の方に許可、認可の権限がないということで逃げられては、私ども迷惑しますから、従つてこれ以上私は議論をいたしませんが、都市計画課長さんとして、自分たちのきめた商業区域内に、そうした世間の指彈を受けなければならないような営業が許されておるというようなことについて、それがいいのであるか悪いのであるかということの心境だけを、ひとつこの機会にお聞かせ願えれば、非常にけつこうだと思います。
○塩澤参考人 ただいまのお話でございますが、私らとしては、ああいうものは極力排除しなければならぬと考えております。しかしながら都市計画でそれでは排除できるかというと、その力がないのであります。
○大石(ヨ)委員 課長さんに質問いたしますが、これから先どうしてくれますか、私も婦人の立場として非常に心配しておりますが、あれはあのままですか。
○塩澤参考人 ただいまも申し申げましたように、私らとしては排除したい気持がありますが、都市計画の方面でいかなる手を打ちましても、これは力がないのでございますから、ほかの方法を考えなくちやいかぬと思います。
○大石(ヨ)委員 あなたは都市計画課長さんでしよう。その課長さんにほかのもう一人の何という課長ですか、その責任の人があなたに相談せずにやつておる。気づかいはないのですよ、あなたはほうかむりをしている。今後いかにする考えですか。
○前尾委員長 大石さん、当該責任者をもう一度呼びますから、今日はその程度にしておいてください。
○中島委員 ただいまの大石委員の質問はまことにごもつともだと思います。東京都の当局を御出席願う相手が私は違つておつたと思います。都市計画は建設局長のもとにある、それから建築の方は建築局長がありまして、この二人を呼んでお尋ねになれば、責任を持つておりますし、はつきりわかると思います。ですから建設局長と建築局長の二人に来てもらつて、大石さんの質問をすれば答弁し得ると思います。東京都は御承知のように厖大な区域を持つておりますから、まつたく事務的にしか仕事をしておらないと私は考えております。そういうわけでこの次の機会に大石さんの質問に、はつきり答弁のできた両局長を召喚することが適当ではないかと思うのであります。
○藤田委員 議事進行について——ただいま中島委員からも御発言がございましたが、私も本日午後でもお呼び出し願いまして、徹底的に真相を糾明していただきたいと思います。 それと別個の問題でありますが、われわれ委員会が委員会の権威にかけまして要望しました消防関係の公共事業費が、一官僚の手によつて握りつぶされたという重大な事実がございます。この課長もぜひとも至急召喚していただきまして、徹底的に真相を追究したい。これは国会の権威にかけてやるべきではないかと私は考えております。それは安本の公共事業課でございます。ぜひとも呼んでいただきたいと思います。ひとつ休憩しても本人の出頭を待ちたいと私は考えております。 —————————————
○前尾委員長 ただいま選挙管理委員会より関係官がお見えになりましたので、選挙に関する件をあわせて議題といたします。
○門司委員 これは実は法務総裁かおいでにならぬと、ちよつとぐあいが悪いと思います。法務府の次官でもよいと思いますが、おいでになりませんので、都合があるというなら選挙管理委員会にひとつ意見だけを聞いておきまして、法務府並びに自治庁に対しましては、後刻でもさしつかえないと思います。それははつきり申し上げておきますが、選挙管理委員会の方にお聞きをしたいと思いますことは、地方自治法の百三十四條から百三十五條の例の罰則の問題であります。この自治法の百三十五條によりますと、御承知のように罰則の四項に除名することができるようになつております。除名をされました議員は当然これは議員の資格を一応失うわけになつておるのでございます。ところが現在起つておりまする問題を具体的に申し上げますると、大阪府の茨木市の問題でありますが、ここでは一人の議員を適法によりまして実は除名をしたわけであります。除名をいたしまして、その後今度の教育委員会の選挙が行われるにあたりまして、実は同時選挙を行つたのであります。その内容は除名された議員が一人と、死亡欠格によりまする者が一人、二人の議員の補欠選挙を、選挙管理委員会は告示をしたわけであります。ところが除名を受けました議員は、ただちにこれを議会の議決が不当であるとして行政訴訟をいたしました。同時に身分保障の何処分を請求したわけであります。裁判所は身分保障の何処分に対しましては、その申し立を許可して参つたのであります。そういたしますると、除名されました議員は、一応身分保障の仮決定というものができ上つて参りましたので、当然議員たるの資格があるという形が出て参つたのであります。ところが一方においてはすでに選挙管理委員会はその人を含む二名の選挙を告示をしておる。従つて立候補いたしまする者は、二名の補欠のあることのために、実は立候補しているという事情になつて参りましたので、選挙途中において、選挙管理委員会はその一名の仮処分により身分保障を得ました議員を資格ある者として、当然これを取消さざるを得ない形になつて参つたのであります。そこで選挙管理委員会はあらためて、一人の議員であるということを告示いたしまして、選挙を行つたのでありまするが、一体こういう選挙のやり方というものが正しい行き方であるかどうか。これは具体的に言いますると、立候補者は非常に迷惑でありまして、実は二人の補欠のつもりで立候補したら、一人になつたということになりますと、これは事実上の問題は、実に笑えない問題が必ず出て来ると思う。そういうものに対して選挙管理委員会は、どういうようにお考えになつておるか。その辺をひとつお聞かせを願いたいと思います。
○石渡説明員 お尋ねになりました茨木市の問題につきましては、お話の通りでございます。二人の選挙をやるように大阪府の委員会が告示をいたしましてから、後に除名になりました議員の身分保障の仮処分の決定がなされたのでありまして、二人の選挙は一人の選挙にかえなければならない。こういう事態に立ち至つたのでありまして、その一人の選挙にいたしまするために、どういうふうに手続をとつたらいいかということが問題になつたのでございます。この問題につきましては、その委員会から私どもの方の委員会に意見を聞いて参りまして、私どもの方の委員会といたしましても、いろいろ検討いたしたのでございます。方法といたしましては全然御破算にして出直すか、一人に訂正をして変更してやるか、この二つの方法しかないのでございます。ところが仮処分の決定がございましたのは、まだ立候補の届出をなし得る、また辞退いたしましても供託金の没收にならないというような時期でありました。立候補者も多分定数を超過しておりまして、四名か、五名立候補があつたかと思いますが、そういうような状態から見まして、すでに選挙も始まつておりまするし、また期間もそういうような期間でありまして、これを一人に変更いたしましても、選挙の実態にそう著しい影響はないのではないか。こういうような見解からいたしまして、私どもの方の委員会といたしましては、この際は一人に変更して選挙は続けてやるべきではないか、そういうような結論になつた次第でございます。
○門司委員 それではその点は法務総裁にも特に聞いておきたいと思いましたことで、一応聞いておきたいと思いまするが、まずそういうことがいいか、悪いかということは別の問題にいたしまして、これがもう一つ発展をいたしまして、選挙が終了した、そうして新しい議員が当選した。そういう問題が起つた場合は、議員が一人ふえるのであります。一人ふえた場合にどの議員が適格者であるかということが、当然私は問題になつて来ると思います。そうするとその選挙自体というものは、非常におかしな選挙になつて参りまして、やはり選挙自体が無効になるおそれが多分にあると私は思う。これは選挙管理委員会として十分考えていただかなければならぬ。同時に私はこの選挙については、供託金の問題が関係なかつたとか、あるいは立候補の締切り前であつたというりくつは、私はりくつにならぬと思う。選挙管理委員会がきめたときに、明らかに補欠選挙をするということにきめておる以上は、それがやはり選挙管理委員会の選挙の目的でありまして、別段そういう具体的のものがあつたからというので、便宜主義的にこういう選挙が行われることになりますと、さつき申し上げました飛躍した場合の取扱いに、非常にめんどうになるから、もし飛躍した場合にどういう態度をおとりになりますか、その点をお聞かせを願います。
○石渡説明員 いろいろな問題につきまして考えたのでございますが、今お話にもありましたように、二人のまま仮処分もなく行われまして、後になつてこれが無効になつたという場合には、議員が一人解任になるわけでございす。議員が一人多くなるという状態は法上許さない状態になろうかと思います。そういうような場合になりました際には、今の法律の解釈といたしましては非常に疑問がありましてそういう場合に、下位の当選者の当選を無効とするか、あるいは選挙を全部無効としてやり直すか、訴訟もなく確定いたしますと、非常にいろいろなめんどうなむずかしい法律問題が起るのでございますが、このことにつきましては、まだ私どもといたしましては、はつきりした結論が出ておらないような状況でございます。当時の状態といたしましては、選挙もすでに進行しておりまするし、また期間も相当ある、それから立候補者の状況その他から申しまして、一人に変更してもそう実害はないのではないか、そしてまたほかにとり得る方法として、合理的な他の方法が発見できないというような判断のもとに、そうした結論を私どもの意見といたしまして出したような次第であります。
○門司委員 選挙管理委員会としては、そういうことでそれ以上は実は法務総裁に私聞いてみたいと思うのであります。しかし選挙管理委員会に、もう一つ聞いておきたいと思いますことは、この選挙は同時選挙でありますが、今こういう問題が全国にたくさんあるわけであります。しかしこの議員の任期がすでに来年の四月に迫つておりますので、実際上の問題から言いますと、六箇月はないわけであります。そこでどうしてもこの選挙は補欠選挙を行わなければならないという切実性は私はないと思います。そういう事態でありまするときに、こういう事件が起つても、なお選挙管理委員会が、そうした非常に便宜的なものの考え方で、これを選挙してもよかつたんだということが言われておりますが、この点についてはどういうお考えをお持ちになつておつたのか。六箇月ないのでありますから、同時選挙を行つてもいいということでありますが、この点に対する管理委員会の御意見をひとつ……。
○石渡説明員 茨木市の市会議員の任期の満了は来年の四月ではなくて、それ以上先になつておりました。それで今お説のように、任期満了の六箇月以内に入りますと、これはたとい同時選挙を行うべき事由がありましても、これは選挙を行つておりません。でただいまの問題と関連いたしまして、公職選挙法の百十三條、百十五條の規定からいたしまして、欠員がありますと、選挙管理委員会の裁量の余地がございませんで、必ず同時選挙をやらなければならないという公職選挙法の規定になつております。この規定の運用につきましては、地方の選挙管理委員会あるいは地方の議会の議長の会から、これは必ずそういう場合に補欠選挙をやらなければならないという規定を将来改正して、事態に応じて、場合によつたらば補欠選挙はやらないようにできるような余地を残してもらいたい、そういうふうに改正してもらいたいというような陳情が実は出ておりまして、地方の選挙管理委員会といたしましても、そういうような要望が非常に強く出ております。現行法のままといたしましては、欠員が生じました以上は、必ず同時に補欠選挙をやらなければならないという規定の結果、どうも非常に困難な場合が生ずるような現状にございます。
○門司委員 もう一つは、この問題で、さつき言いましたように、最初は二名であつたということのために立候補し、さらに選挙は一名になつたというような、道義的な問題もありますが、実際問題といたしましては、候補者の方から言いますならば、非常に迷惑であります。従つて選挙管理委員会のこの処置が正しいものであるかどうかということの疑問があると思う。一体選挙管理委員会は、途中でそういう選挙の内容を変更することができるかどうか。ことにこれは候補者の一名多いか少いかということで、きわめて重要な内容であります。この内容の変更が、一体選挙管理委員会の権限でできるかどうか。これは法文上どこにもないようでありますが、それに対する御見解を、この機会に表明しておいてもらいたいと思います。
○石渡説明員 お説のように、選挙の告示をいたしましたならば、これは選挙管理委員会の裁量によつて、絶対にかえないという建前を堅持いたしております。しかし補欠選挙の場合に、その告示をいたしましてから議会が解散になつたり、あるいは選挙の無効が確定いたしましたとか、裁判の結果そういうような事態になりました場合には、選挙の告示は当然効力を失うのだ、こういうような解釈にはなつておりますが、そういう裁判の結果でありますとか、解散が確定いたしましたとかいうような場合のほかは、告示はかえるべきものではない。これはそのままやらざるを得ないという見解をとつております。
○門司委員 見解はけつこうであります。見解は私はその通りでなければならぬと思いますが、申し上げておりますのは、最初告示をいたしましたところの内容が、著しくかわつておりますので、告示をしなおさないで、一応取消すなら私は話はわかると思いますが、取消さないで、内容の非常に大きな問題がかわつておるにもかかわらず、それだけを取消せばいいのだというようなことが一体良心的に考えられるかどうかということですが、この点をもう一度御答弁願いたい。
○石渡説明員 御疑問の点はごもつともでございまして、私どももその点には非常に悩みを持つたのでありますが、ともかくも選挙が始まつておりまして、これを御破算にするということもどうか、そしてまた裁判の結果そういうことになつたのであるからして、他の方法をとつても、それは選挙の手続上に弊害はないのじやないかというような方法が他にあれば、その場合については変更の処置をとつてもさしつかえないのじやないか、いろいろな状況からいたしまして、原則としては、お説の通り告示をいたしましたならば、絶対に変更はしないのだという原則は堅持しつつ、しかも茨木のような具体の場合になりますと、選挙が相当進行しておりまして、それを御破算にするということはどうも適当ではないのじやないか、しかもまた一人にこれを変更しても、総選挙の実態に実害を與えないのじやないか、こういうようなことから、変更してやつた方がいいのじやないかということでありまして、原則的な御意見はまつたく同感でございます。
○門司委員 いつまで議論しておつてもはてしがありませんし、大分おそくなつておりますのでやめますが、私どもの考えといたしましては、なるほど同時選挙は法律には一応命ぜられてはおります。しかしこれも実態との考え方でありまして、その法の運用を誤りますならば、法は非常に迷惑をかけるというようなことになつて参りますので、その点の議論はいずれ法務総裁その他に聞いてみたいと思うのですが、もう一つ選挙管理委員会の人にお聞しておきたいと思いますことは、現在神奈川県に起つております茅ケ崎市の問題であります。茅ケ崎市は今市会のリコールをやつておりますが、この場合、リコールに賛成いたしました者が、はたして賛成しておるのかどうか、真偽をただすという名目のもとに、実は非常にたくさんの人が召喚されているわけであります。そしてそれがその人の任意であろうと、何であろうと、そういうことはおかまいなしに、一体リコールの精神を君は知つているのか知つていないかというようなところまで、聞かれているという話であります。こうなつて参りますと、もちろん怪しいことについて聞きただすということは適当だと思いますが、そこまで聞きただされるということは、少し選挙管理委員会として、当局者の行き過ぎじやないかと思いますが、この点についてのお考え方はいかがですか。
○石渡説明員 神奈川県の茅ケ崎の問題については、若干の情報を得ております程度で、あまり詳しいことは存じておりませんが、ただいまお話になりましたような署名の真偽を確かめる、こういう点についての本人の証言を求めることについては、これは選挙管理委員会として権限を持つておると思うのでございますが、それ以上、今お話になりましたようなことにわたりますということは、適当ではないというふうに考えております。
○門司委員 おそくなりましたから答弁は午後でよろしゆうございますが、これは自治庁の方にお聞きしておきたいと思います。今の百三十五條の問題と、先ほど私が申し上げました今度の裁判所との関係でありますが、この自治法の自治権というものが、非常に大きく阻害される。いわゆる議会の議決権でありますが、議決権で一応除名ときまつた者が裁判所に提訴することができるということ、あるいはこれは人権の擁護の上から不当である場合にはやむを得ないことであると思いますが、しかしそれが仮執行の場合に、今のような問題が必ず起つて来ると思います。従つてこの議決権と裁判所のそれらの問題の関連でありますが、この点は一体自治庁はどういうふうにお考えになつているのか。これは国会の場合にも除名という処分があつて、それが提訴して仮処分を受けて議員たる資格があるということになると、やはりそれを召集しないわけには行かないと私は思うが、除名しておいて、それをまた召集するということは非常におかしいと思うが、これは地方の自治体だけでなくして、国会でもそういうことをお考えになられるかどうか、こういう議決権の問題についてのお考えをお聞かせ願えれば非常に幸いだと思います。これは非常におそくなつておりますから、晝からでもけつこうであります。また法務総裁がおいでになつてからでもけつこうであります。
○小野説明員 門司さんのただいまのお尋ねに対しましては、いずれ後刻御答弁申し上げたいと思います。 —————————————
○前尾委員長 先ほど小野説明員から、昨日大泉寛三君の質疑に対する留保された問題について答弁したいという申出がありましたので、これを許します。
○小野説明員 昨日地方自治法の一部改正法律の附則第二條の、市町村の区域変更請求に関する費用負担の問題で、大泉さんから御質問がございまして、留保いたしておつたのでございまするが、お答えいたしたいと思います。直接請求に要する費用及びその請求に関連いたしまして生ずる費用の問題につきましては、実は疑義があつたのでございまして、それについては今年の五月、地方自治法施行令の一部を改正する政令を出しまして、これに関する新たな規定を設けまして、普通地方公共団体の議会の解散の請求に要する費用及びその請求に関連して生ずる費用、争訟のための費用を含むわけでありますが、これらの費用は地方自治法及びこの政令の規定により、当該普通地方公共団体の負担するものを除くほか、普通地方公共団体の議会の議員もしくは議員であつた者、またはその解散請求代表者の負担とする、こういう関係が明らかにせられたわけであります。市町村の区域変更の請求に要する費用につきましては、その負担に関する明文の規定はないのであります。区域変更請求の性質は、一般の直接請求と異なるところはないのでありますので、当然に地方自治法施行令第百九條の二の趣旨に従いまして、その負担関係が理解されなければならないと考えておりますので、従つて地方公共団体の負担にはならない、かように解釈をいたしている次第でございます。
○野村委員 この際選挙管理委員会に、ごく簡潔にお尋ねいたしたいと思います。今回全国的に行われました教育委員の選挙に関連をいたしておりますが、選挙公報は投票の三日前に、登録されておる名簿を対象にして配布することに、公職選挙法では規定をされております。特に候補者の氏名並びに所属する政党、これらはこれまた第百七十三條によつてこれを選挙管理委員会が掲示しなければならないわけですが、最近たまたま行われました教育委員の選挙は、教育上非常に重要性があるにもかかわらず、近来まれに見る低調のうちに記録されたことは非常に残念に思います。この選挙に関して、選挙公報の配布の氏名において脱落があつた事実があるのであります。もつともこの公報に対しては、選挙管理委員会の定めによつて、これを事務的に措置するということになつておるようですが、その中には婦人議員の候補等非常に異色のある方もあり、しかも二名だけが公報に掲載をされておらなかつた。今度の選挙こそほんとうに公報だけが候補者にとつては唯一の頼みである。こういうときに少くとも適法に立候補届出を終つて受理した以上は、当然これは公報に掲載すべきであろう、こう考えて非常に候補者のために同情を禁じ得ない。この点はあるいは公職選挙法の法律の不備から来ることであろう。これに対する御所見を伺いたい。
○石渡説明員 ただいまの具体的な問題はどういうところで起りましたか、私どもの方では今お話のございましたような情報は得ておりませんですが、ただ選挙公報は、これは府県の選挙管理委員会が定めます発行の規則がございまして、公職選挙法の委任に基きまして、公報の原稿をいつまでに提出するというその期限が定められておると思うのであります。その期限に遅れますと、これはたとえ立候補されておりましても登録ができない、公報に登載できない。こういうことになるのでありまして、あるいはそのような申請がなくて登録されておらなかつた事例ではないかというふうに考えられるのでございますが、この公報の登録の期限につきましては、もしこれがそうした期限に間に合いませんと、登載されませんので、そういうようなことの起りませんように、候補者と選挙管理委員会の連絡は緊密にとつていただくように、私どもの方としては特に府県の方に打合せ等をしてやりまして、指導をいたしておつたのでございますが、あるいは若干の手落ちのためにそういうような結果が生れたんじやないかというように考えられるのでございますが、私どもの方といたしましても、もしそういうことでありますと、非常に残念に思う次第であります。
○野村委員 この問題はただいまの御答弁によりまして、あるいはそうであろうかとは思われるのですが、この公報の実物をここへ持つて来ましたが、婦人議員一名とその他もう一名が全然掲載をいたされておらないのです。これは候補者自身にとつては選挙法の唯一の頼みですから、そういうようなことはおそらく考えられないのですが、特に婦人候補は唯一の候補者でございまして、そういう点から私は非常に同情を禁じ得ないのであります。あるいは今御答弁のように、期間的に管理委員会との連絡が完全でなかつたと思われるのですが、常識の上から考えて、今回の選挙はこの公報だけが唯一の何ですから、かりにそこに欠陷があるとは考えられるのですが、この氏名の掲示については、法律で明記しているこの精神によつて公報についても爾今そういうことのないようにしなければならぬ、かように考えております。東京都に最近行われた具体的のことでありまして、どうかこの点の真相もお調べになつて、幸いにただいまの御説明のように候補者自身がいわゆる資料の提出を怠つたために、事務的に間に合わなかつたのならば、これはやむを得ぬことだと思いますが、これは一人でない。そういう点から、しかもこの重要な選挙が今後続々行われるので、こういう点に対して法律の不備なところがありますれば、これを大いに補填をしなければなりませんし、幸いにしてただいまの御答弁の通りならばやむを得ないことと思いますが、常識上そう考えられて、この点はよく真相を御調査の上で、今後に処していただきたい、かように考えております。 —————————————
○前尾委員長 それでは派遣委員より報告聽取の件を議題といたします。本委員会におきましては、議長の承認を得て地方自治法改正後の実施状況調査、地方税法改正後の実施状況調査、警察及び消防に出する調査のため、北海道地方、関東東北地方、中国四国地方及び九州地方に委員を派遣いたしておりましたか、それぞれ調査も終了いたしましたので、これより各班より報告を聽取することにいたしますが、時間等の関係もありますので各班よりは簡單に御報告願うことといたしまして、委員長の手元に報告書が提出されておりますから、これを会議録にのせることにいたしたいと思います。 それでは第一班より御報告を願います。川本委員。
○川本委員 御指名により国政調査北海道班を代表いたしまして、調査の概要を御報告申し上げます。 私ども北海道班は大泉委員のほかは昨年度の国政調査においても同じく北海道班として渡道いたしたのでありまして前回、足をのばすことのできなかつた西部地方を訪れまして、また前回の調査の及ばなかつた面を視察して、全体としての北海道の実態を把握したい念願を持つて参つたのであります。特に今回は第八国会で成立を見ました新地方税法が、北海道という特殊な地域において、いかに実施せられつつあるかを検討することに主眼を置いたのであります。 八月十六日函館市役所を手初めとしまして、同月二十三日まで八日間にわたつて小樽市、札幌市上砂川町、旭川市、留萠市、稚内市等の各地を歴訪して、それぞれの自治当局並びに民間代表者等から意見や要望や説明を聽取いたしまして、その間また工場、鉱山等の視察を行つたのであります。調査の結果をここで詳細に申し上げることは時間の関係もありますので、これを省略いたしまして、別に報告書を作成してありますから、同僚各位の御同意によりまして、その全文を速記録に登載するよう希望いたします。ただ地方税法実施に関して、調査の一般的結論を申しますれば、私が去る九月十二日の委員会の質問で申しましたように、北海道の町村に関する限り新税法は内地同様な形で実施されるならば、地方財政を強化するどころか、かえつて一層の窮地にこれを追い込む結果となるというのであります。そのおもなる原因は財源の乏しい北海道では従来住民税、地租、家屋税におきまして、他に例を見ない高率課税を課しておる、かつ無数の決定外独立税を創設して参つたのでありますが、新税法によりまして、課率が全国画一的に押えられ、かつ法定外独立税が大部分廃止せられる運命となつたことに起因するのでありまして、従つて個人の負担はむしろはなはだしく軽減されておる現象も起つておるのであります。かかる変則的事態は、早急に救済されなければならないのでありまして、北海道に関して地方税法の特別な運用を考慮することも重要でありまするが、さしあたり平衡交付金制度の運用におきまして、十分道の自主性を考慮し、市は五割増し、町村は十割増し程度の補正が行われる必要を痛感いたしておるのであります。 以上簡單でありますが一応御報告を申し上げます。
○前尾委員長 第二班床次徳二君。
○床次委員 第二班といたしましては、関東班委員生田和平君、私並びに專門員の有松昇君の三人をもつて神奈川県、山梨県へ出張して、なお神奈川県のときは、野村專太郎君、門司亮君、小暮藤三郎君も特に参加していただいたのであります。 調査いたしました内容につきましては、報告書によりましてごらんをいただきたいと思うのでありますが、多少特に気のつきました点について御報告申し上げますと、地方税法の実施につきましては、有力な財源が多く市町村に移行したので、県としては非常な財源難で、特にこれに対して何らか恒久的な財源を要望しておる点は、他の地方とも同様であつたと思います。遊興飲食税及び入場税につきましては、税率が高いために徴收困難の状況にあり、これを軽減せられたい希望が多かつたこと、また住民税に関しましては個人関係のものは、前年度所得の認定が困難でありまして、また家事專従者にまで及ぶ場合は、その認定がきわめて困難であること、また昭和二十四年度の納税額を課税標準とするために、負担が過重となつておるということに対しましても希望があり、また一般勤労者に対しましては、非常に酷であるという事実も見受けられるのであります。大都市におきましては住民の出入、移動がはげしく、また一般納税思想の程度から申しましても、住民税につきましては源泉徴收を希望しておつたのであります。 なお固定資産税等に対しましても、その技術上から相当希望が出ておつたことを申し添えます。 なお警察につきましては、特に山梨県は非常に小さい町村がありまして、定員わずかに六名という警察署があり、定員十名以下のものが十一署もあるという現状でありまして、これではやはり警察としては十分な機能を発揮できないから、自治体警察の将来につきまして、あるいはこれを県單位等にまとめたらどうかという意見があつたのであります。これは特に山梨県におきまして、他の府県において見られない現象であつたと存じます。 以上特に気のつきましたことを申し上げたのでありますが、詳細は報告書によりましてごらん願いたいと存じます。
○前尾委員長 第三班大矢省三君。
○大矢委員 中国四国班といたしましては不肖、山手両委員によりまして八月七日から十日間にわたつて、岡山並びに香川県に参つたのであります。すでに委員長の手元まで報告書は出しておりまして、また各委員に配付されておると思いますので、先ほど来の報告のありましたように、私の方も速記録にとどめたいことをお願い申し上げまして、私の報告にかえます。
○前尾委員長 第四班門司亮君。
○門司委員 九州地方の国政調査に参りました御報告をきわめて簡單にいたしたいと思います。九州班は龍野君と私と丸山調査員が参りまして、龍野君から御報告申し上げることが至当だと思いますが、便宜上私から御報告申し上げたいと思います。 調査の結果の概略を申し上げますと、他の班とほとんど同じようでありまして、別冊に報告書として委員長の手元まで提出いたしておりますので、どうか同僚各位の御同意を得まして、これを速記録に登載していただきたい。そうしてそれをもつて詳細の御報告といたしていただきたいと考えております。 さらに内容をきわめて簡單に気のつきました点だけを、この機会に申し上げたいと思いますことは、今回の調査の目的は、第七国会及び第八国会の成果について、地方の実情を知ることであつたのでありますが、地方自治法改正や、あるいは地方税法の実施と警察、消防の概況を調査したのでありますが、結局新地方税法の成立に伴うその実施の状況や、財政の運営の状況が調査の中心となつたのであります。 九州班は今回は鹿兒島、宮崎両県及び鹿兒島市、宮崎市の両市を主として視察いたしたのでございますが、新税法の実施の結果を見るというには、なお時期尚早の感がありまして、新法実施の準備状況と、おおよその結果の見通しを調査するに過ぎなかつたのであります。大体県といたしましては、税收は減少するし、市町村といたしましては一応増收の建前とはなつておりましても、住民税、固定資産税等について、いろいろの点で相当の問題がありますと同時に、町村によりましては新税法によつてかえつて減收になるところもあるという状態にあつたのであります。鹿兒島、宮崎両県は言うまでもないのでありますが、九州地方は中央に非常に遠いところにあります関係と同時に、もう一つは近年災害が非常に頻発いたしておりまして歳出が膨脹し、また法律による義務的の行政経費がかさんで参りまして、歳入と歳出はきわめて不均衡な状態を来しておる次第であります。従いまして平衡交付金に多大の期待をかけておる次第でございますが、これによりましても、先ほど申しましたように、非常な遠隔の地でありますために、十分な実情をお訴えするというようなことが、平衡交付金交付についての技術上の問題点となつて参りまして、種々困難があるという問題が取上げられて参つたのであります。さらにこうした問題を両県及び九州全体について、私どもは十分中央において考慮されなければならない、こういうふうに考えているのであります。すべて詳細な点につきましては、先ほど申し上げましたように報告書に讓ることといたしまして、一応きわめて概略の御報告だけをいたしたいと考えております。
○前尾委員長 それでは休憩いたします。 午後一時三十九分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかつた〕