考査特別委員会 第12号
- 発言数
- 479 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1950/10/31
会議録
○篠田委員長 これより会議を開きます。 電力事業再編成問題について調査を進めます。この際昨日の証人尋問に関連いたしまして一言申し上げます。先に委員長から御報告申し上げました調査の結果のうち、日発秘書役扱い昭和二十四、二十五年度の合計七百余万円は、委員会において主として官庁関係その他と申し上げましたが、実際の調査の内容は、証憑、証拠書類皆無のため的確に申し上げることができませんので、一応使途不明ということに改めて、その使途につきましては、本日以後の証人尋問において明らかにして行きたいと思いますから、御了承願います。
○椎熊委員 それはどういう理由で……。われわれは先に聞いた報告では、官庁との折衝に使つたというふうに了解しておるのだが、使途不明としたのはどういう理由ですか。そういうことに改めずに、第一回の報告通りにしておいて、この委員会の調査の結果、そう改まつたというのならいいのですけれども、事務当局の單なる便宜上そういうことにするということははなはだ迷惑です。
○篠田委員長 主としてということを申し上げましたが、主としてという言葉が全部そうだという印象を與えておる。ところが証拠書類不明のため、主としてということは強過ぎるということで、今事務局から訂正が参りましたから申し上げました。これはその内容が不明でありますから、ただいま椎熊君御提案の通りにして、本委員会で尋問の結果そういうふうに改めるということも一つの方法であろうと思いますが、それはいかがいたしますか。
○佐々木(秀)委員 それは事務局から單なるそういう改訂の申出があつたというだけで、こつちはお聞きする程度にしておきまして、結論は委員会においてきめればいいことだ、私はそう思います。
○篠田委員長 それではさようとりはがらいます。 —————————————
○篠田委員長 この際お諮りいたします。前回の委員会に病気のため欠席いたしました証人松永安左衞門君につきましては、理事会において協議の結果、何分松永氏は老齢でもあり、病気もいつ再発するかもしれず、委員会において長時間の尋問をすることはどうかと思われますので、委員長において松永君及び主治医と連絡をとり、病態のいかんにより、臨床尋問にたえ得るようであるならば、適当な日時を選んで臨床尋問のために委員を派遣することに決定したのでありますが、さようとりはからうことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○篠田委員長 御異議なければさよう決定いたします。なお派遣委員の人数、氏名及び派遣の日時につきましては、松永君の方の事情もあることと存じますので、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○篠田委員長 異議なきものと認めまして、さよう決定いたします。 —————————————
○篠田委員長 これより証人に証言を求めることといたします。ただいまお見えになつておりますのは、大西英一さんですね。
○大西証人 そうです。
○篠田委員長 これより電力事業再編成問題について証言を求めることになりますが、証言を求める前に、証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 〔証人大西英一君朗読〕 宣 誓 書 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います
○篠田委員長 宣誓書に署名捺印を願います。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○篠田委員長 これより証言を求むることとなりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なおこちらから質問するときはお掛けになつていてよろしいですが、お答えの際は起立してお答えを願いたいと思います。 証人の略歴について述べてください。
○大西証人 私は明治四十五年の三月名古屋の高等工業を卒業いたしまして、その後水力界に入りまして、長く名古屋の矢作水力に勤務いたしておりました。矢作水力が昭和十七年三月に日本発送電に全設備を出資することになりましたにつきまして、私も社員とともに日本発送電へ御やつかいになりました。その後二十年の五月に発送電の理事になりまして、土木部長を勤めておりました。二十二年の六月前新井総裁がおやめになりまして、あとを引受けまして日本発送電の総裁を拜命いたしました。それで先月の十三日に依願退職の辞令をいただいて今日に至つております。
○篠田委員長 日本発送電株式会社の事業概況、資本金、固定資産、借入金、收入関係等について説明をしてください。
○大西証人 概要について申し上げます。日本発送電は、資本金は現在三十億円でございます。社債及び借入金でございまするが、社債の現在総額は四十八億九千九百余万円でございます。借入金の長期借入金につきましては、総額が本年の三月末でもつて約百九十九億円でございます。そのうち復金から借入れましたのが約百二十億円、見返り資金の借入れが約七十九億円であります。
○篠田委員長 復金の借入れは幾らですか。
○大西証人 復金は百二十億。——その程度でよろしゆうございますか。
○篠田委員長 固定資産、收支関係…。
○大西証人 固定資産は百八十九億三千四百余万円でございます。收支につきましては電力料金が二百七十八億五千三百余万円でございます。それに雑收入その他を加えまして二百七十九億三千五百余万円でございます。支出の方は二十五年の決算の額面で参りまして、二百七十六億九千余万円でありまして、差引き二億四千五百万円の今期利益をあげておるわけであります。
○篠田委員長 今の固定資産ですが、ここに昭和二十五年九月に出された日本発送電株式会社の概況というのは、委員会の調査員が行つてあなたの会社からもらつて来たのですが、その中には「保有する資産の総額は三百七十九億七千七百万円であります。」と書いてありますが、ただいまあなたは百八十億というように言われたのですが、違いありませんか。
○大西証人 固定資産としては百八十九億会社の資産になつておるわけであります。
○篠田委員長 その他のものを合せて……。
○大西証人 その他のものが入つておるのじやないかと思いますが……。
○篠田委員長 そうするとその他のものの分類はどういうようになつておりますか。
○大西証人 流動資産が百七十七億であります。それは貯蔵品とか未收入金、短期貸付金、社債元利支拂い資金とか預金関係とかであります。
○篠田委員長 電気事業再編成に関する日発の見解及び日発案について説明をしてください。
○大西証人 電気事業再編成につきましては、私といたしまして事業を全国的視野から見ております関係上、現在の日本の実情に照しまして、これをあまり極端な分割をいたしますれば、産業に悪影響があるとかように信じておるのでございます。その結果二十三年の二月かと思いますが、集排法の適用を受けまして、私どもはこれを全国一社にすべきであるという答申をいたしたのであります。その後商工省に民主化委員会が設立されまして、大山博士が委員長で、委員が約二十名だつたと記憶しますが、約半年にわたりましていろいろ討議をいたした結果、現状においてはまず現状維持が適当ではないかという結論が出されまして、当時私も委員としてそれに参加しておつたわけであります。そういうような関係で、その後発送電といたしましては、なるべく現状を維持していただきたい、かりに再編成をなされるにいたしましても、産業に影響を與えないような需給状態になるようやつていただきたいという見解のもとに、今日まで参つておるわけでございます。
○篠田委員長 日発案というのは今の説明の中に含まれておるといえば含まれておるけれども、あまり簡單すぎるが、日発案というものを持つておりましたか。
○大西証人 現在では、現状維持が一番いいだろうと信じております。
○篠田委員長 絶対に現状維持ということですね。それではただいまあなたのお話になりました大山案とか、あるいはそのほかにもバーカー案とか、三木案とか、十分割案、松永案、あるいは政府案といつたようなものがあつたのですが、その案に対する日発の見解を、簡單でよろしいから述べてください。
○大西証人 大山案は大体私どもの考えておる現在の産業にそんなに悪影響を與えない案であると信じております。その後五人委員会のバーカーさんの御意見だというので、七分割案というのが出ました。これは私どもの考えておる電力融通その他に支障があるというような見解を私どもは持つておつたわけでございます。三木案につきましては、これは私どもの心配する電力の融通という点においては、相当御考慮を拂われておると考えるわけでございますが、しかし発送電の事業を営んでおります建前から、あの四十何パーセントの発電力をもつては完全な融通は困難ではないか、かように考えておるわけであります。九分割案に対しましては、私どもとしてはむしろ他の案に比較して支障が大きく出るのではないか、かように考えておるわけであります。
○篠田委員長 十分割案は。
○大西証人 十分割案につきましては、これはやはり九分割案と同様に、融通の点においては支障があると考えるわけでございますが、しかし九分割案に比較いたしまして、電源設備を区域内に所有するという点におきましては、いわゆる格上げ式の案よりはいいのではないかと考えております。
○篠田委員長 松永案と政府案について……。
○大西証人 その差はほとんどないのではないかと思いますが、私どもその間のこまかいことは今記憶がございません。
○篠田委員長 松永案、政府案については記憶がないのですか。
○大西証人 いや、政府案は、今申し上げました九分割案でございまして、十分割案に比べて、地域外に発電所を格上げをして持つというようなことになつております。この点については相当融通の点に支障があるのではないかと思います。
○篠田委員長 そういういろいろな案があつて、要するに分割案については日発としては反対しておられたわけですね。その各案に対してどういう対策を講ぜられたか、あるいはまた電産労組とどういう関係において運動を行われたか、説明してください。
○大西証人 私どもといたしましては、電気事業の再編成は当然なさるべきである、かように考えておつたわけであります。ですから電気事業の再編成は必ずしも私はこまかく分割するのが再編成であるとは考えていなかつたわけであります。いわゆる日本発送電会社法であるとか、あるいは電力国家管理法であるとか、こういうふうな法案を撤去して、レギユラトリー・ボデイのようなものができて運営されるような組織になれば、完全な再編成がなされるのではないか、かように考えておつたわけであります。私どもとしては、この電気事業の現在の姿が皆様に非常にわかりにくい。ですから私どもは現在の電気事業の姿がどういうふうに運用されておるかということを十分に皆さんが御認識をしていただいた上で、最もよい案がなされるようにしていただきたい。そういう意味におきまして、私どもは現在の日本の電気事業のあり方というものについて、各方面に御了解、御説明申し上げたのが私どもの運動方針の根本であります。電産労組につきましては、これは私どもと全然別の考えで、労組は労組單独の考えで行つておりますので、私どもは別にそれと何らの関係を持つておりません。
○篠田委員長 増資費用の明細について説明してください。
○大西証人 御承知のように日本発送電は元十四億七千余万円の資本金でございましたのが、約倍額の三十億に増資をいたしました。当時非常に金融界が逼迫しておりました関係上、この日本一の大増資は非常に困難である。それと加えまして私どもは集中排除法の適用を受けております関係上、持株整理委員会の許可を受ける必要がある。その認可條件に、公共団体及び配電会社の持つておる株は拂い込む権利がない。それをかわつて拂い込みをすべきである。こういうような御命令が出ました。また数百万株というものは全然株主のない——株主のないと申しますと語弊がありますが、割当のできない株式でありましたので、それであとの株式約二千二百万株を株式一株に対して一株の割合で引受けをお願いしたわけであります。ところが当社の株価がだんだん悪くなりまして、当時いよいよ額面を割るような状態に相なりまして、失権株が非常に出まして、約二割強の引受けがありましただけで、あと千数百万株は失権株に相なりました。それで私どもは証券業者に極力御協力を求めまして、生保関係あるいは金融界というようなところに、大口にお引受けを願つて、昨年の末に完了いたしました。従いまして増資費用といたしましては約一億一千万円を消費したわけでございます。これは拂い込み増資額の約八パーセント弱でございました。そのうちのおもなるものは消耗品といたしまして、株券とかあるいは申込書、割当通知書というようなものに約二千万円を消費いたしております。それから拂込みの取扱いをしていただきました銀行に、その金額の千分の七に相当する手数料を拂うことになつております。それが約一千万円余ばかりございます。それから登録税でございます。増資登録税、有価証券登録税、これが約千二百万円ございます。それから通信費、いろいろ株主に通知状を出しますのに、それに対しましても十七万人の株主の数がございますので、相当の通信費に相なつております。そのほか銀行拂込みの状況の電報通知、そういうような費用として約四百万円を消費いたしております。それから備品といたしまして、新株券の予備、あるいは株主名簿の処理というようなものに、わすか三十二、三万円を使つておるわけでございます。そのほか広告費、これは総合関係とかあるいは新株割当引きかえというような広告費、それから宣伝ポスター、そういうふうなものに約八百万円を消費いたしております。それから公募手数料、これが先ほど申しましたように、非常に失権株が多くて、公募をたくさん証券業者の手を通じてやりました結果、四千八百万円という消費をいたしております。そのほか株主総会費、増資説明会、事務依託費、そういうようなものに約九百万円、合計いたしまして一億一千万円余を使つておるわけであります。
○篠田委員長 見返り資金の融資を受くるに至つた事情、及び見返り資金の経理方法並びに見返り資金による工事の概況について説明をしてください。
○大西証人 御承知のように、電源開発は現在の日本として、最もこれを熱望しておるところでございまして、終戰来その筋へいろいろ懇請をいたして参りました結果、昨月の六月に電源開発の認証をいただいたわけでございます。ところがこの電源開発には厖大な資金が必要と相なりますので、とうてい一会社の資本金あるいは借入金、社債等ではまかないきれない程度の金額でございます。それで政府におかれましても、電源開発の必要をお認めになりまして、見返り資金の放出を御許可相なつたわけでございます。それで昨年は私どもとしては、発送電だけで百十億、見返り資金を出していただくようにお願いをいたしたのでありますが、その後その筋との御折衝の結果、七十九億余円を放出されました。それは昨年からこの三月にかけまして三回にわたつて放出を受けまして、それはすぐさまそれぞれの取引銀行へ預金といたしました。それで見返り資金の使途については嚴格な御監査があることに相なつておりますので、その筋からの御命令により、全然見返り資金の使途については、一般会計と別会計にいたしました。それでその見返り資金の支出につきましても、小切手帳も全部別の小切手にして現在支出をし、日本銀行、大蔵省の御監査を受けておるわけでございます。それでただいまは電源開発工事といたしまして二十二箇所、火力が七箇地点ですが、これだけの工事を目下続行いたしております。
○篠田委員長 日発には指定請負業者というものがあるそうだが、だれとだれが指定請負業者であるか。またその指定をする理由はどういう理由によるものですか。
○大西証人 指定請負業者というものはございません。これは御承知のように戰争中は軍需工場会社の工事が非常にたくさんございました。それで発送電の仕事を顧る業者もきわめて少かつたわけであります。戰後は進駐軍関係の工事が非常にたくさんにございまして、また当時はわれわれの方の仕事をそんなに熱望してやる業者がなかつたわけであります。それで発送電といたしましては、創立当時から出入りしておつた業者を特に指名いたしまして、そしてほかの忙しい仕事のなか、われわれの仕事もやつてもらうというような姿であつたことは、これは私発送電にごやつかいになつた当時、そういう状態であつたことを記憶しております。その後各方面の工業が一斉になくなりまして、そして一方土木工事といたしまして、発送電の電源開発工事が非常に各方面から嘱望されまして、そして今まで顧られなかつた業者の方方がどんどん指名願いを出して来られたわけでございます。それで、そのうちで私どもはその資産、技能、実績等というようなものを調べまして、一定のリストをつくつておるわけでございます。そういうような関係で、今お尋ねのような、特に指定の業者というものはございません。
○篠田委員長 日発が工事請負業者から工事費の何割かをとつて、いわゆる拂いもどしを受けておる。うわさによれば一〇%の拂いもどしがあるというようなうわさもありますが、そういう事実はございますか。
○大西証人 毛頭ございません。
○篠田委員長 全然ないということであるが、うわさが出るには、何らかそこにあるのじやないですか。そういうことはありませんか。
○大西証人 ございません。
○篠田委員長 それでは資材の購入の方法はどういうふうにしておりますか。
○大西証人 お答えします。資材につきましては、機器、電線、そういうものにつきましては、それぞれの会社の特異性を持つておりますが、しかし大体は指名競争入札にいたしております。特定の会社が、最もすぐれた技術を持つておるというものに対しては、たまさか特名にして請負させることもございます。それから石炭につきましては、御承知のように発送電は非常にたくさんの石炭を使いますので、各四半期ごとに大体の予想数量を立てます。そうして毎月の購入石炭量というものは、前月の雨のぐあい、貯炭の状況というようなものを判断いたしまして、その月の実際の所要数量をきめまして、そうしてそれぞれの炭鉱の出炭能力あるいは品質というものに応じて数量を割当てて購入をいたすことにしております。セメントにつきましては、やはり四半期ごとに数量を計算いたしまして本店におきまして各セメント業者の能力に応じて一括割当契約をいたしまして、実際の取引は各支店が直接その小売業と話合いをいたしまして、必要量だけとりまして、それについての支拂いをいたしておるわけであります。おもな資材の購入方法は、大体、そういうふうにいたしております。
○篠田委員長 社用雑費の中に秘書課扱い、秘書役扱い、総務課扱いの三つの区別がありますが、それはどういう区別であるか。またその金額は、昭和二十四年度と二十五年度にわたつてどういうふうになつておるか、あるいはその使途について説明をしてください。
○大西証人 秘書課扱い、秘書役扱い、総務課扱い、こういうふうにわけておりますが、秘書課扱いと申しますのは、主として渉外関係でございます。秘書役扱いと申しますのは、私の雑費その他役員の雑費を主として取扱つておるわけでございます。総務課関係と申しますのは、会社全体の各部課の雑費を取扱う、こういうことに相なつておるわけでございます。
○篠田委員長 そのほかに労務対策費というものがありますね。
○大西証人 それは昨年からですか、御承知のように私ども電気産業におきまして、公共事業の重要性を考えまして、戰後非常に過激な分子がふえて参りました。従いまして、私どもとしても、ぜひこれを整理して事業の健全性をはかりたい、こういうふうに二年前から考えておりまして、着々それに対する準備を進めて参つたわけでございます。従いましてそういう問題は、えてほかへ漏れがちでございますので、きわめて極秘にそういうものを処理するということにいたしました結果、二十四年度と、二十五年度の半期というので、約二千数百万円出ておると記憶いたしております。
○篠田委員長 そうすると、その秘書課扱い、秘書役扱い、総務課扱い——労務対策費の金額は今言われましたが、その三つの金額は、昭和二十四年度と二十五年度で幾らになつておりますか。
○大西証人 二十四年度が、秘書課扱いが九百三十九万七千余円、秘書役扱いが四百五十三万余円、総務課扱いが千八百六十八万余円であります。二十五年度の四月から八月までは、秘書課扱いが五百二十三万円、秘書役扱いが二百六十四万七千円、総務課扱いが四百三十七万円、かように相なつております。
○篠田委員長 秘書課扱いは渉外費であるということ、秘書役扱いは主として総裁以下重役の機密費であるということはわかりましたが、そうしますと、秘書役扱いの七百十七万七千円というものが主として官庁関係の接待費に使われているというふうに聞いておるのですが、そういう事実はありませんか。
○大西証人 そういう事実はございません。ほとんど各重役にこれを二箇月に一回ぐらいずつこまかくわけて渡してやつておるわけでございます。それで各重役が、それぞれ支店長あるいは部長として必要な雑費に使つておるわけでございます。
○篠田委員長 しかし総務課扱いというものが約二千万円ありでしよう。その総務課扱いから地方の支店長などに渡されているのじやないですか。
○大西証人 そうじやありません。支店長の雑費といたしましては総裁の手元から渡しております。
○篠田委員長 そうすると総務課扱いのものはどういうふうに使つていますか。
○大西証人 それは各部課でいろいろ会議を持つとか、あるいは連絡会をやるとかいう場合に、各部が大体予定の計画申請書をつくりまして、当該部長のところへその申請書を出しまして、その許可を得まして、いろいろの会合を持つわけでございます。持ちました結果、その收支の必要金額を総務課に請求して支拂いをしてもらつておるわけでございます。
○篠田委員長 そうすると、官庁関係を接待するところの接待費はどこに入つておるのですか。
○大西証人 それは事務としてはどこに入つておるかということは私記憶いたしませんが、それぞれの科目に多少ずつは入つているのではないかと思います。
○篠田委員長 それから労務対策費というものが全部で三千六百万円出ておりますが、これは直接労働組合に渡されたものであるか。あるいはまた、何か特別な方法で使われたものですか。
○大西証人 それは直接労働組合に渡すようなことは、法律で禁止されておりますし、できないわけでございまして、私どもは、支店長が毎月一回ずつ理事会に上京して参りましたときに地方の労務対策状況を聞きまして、支店の大小、職場の大小に応じて適当な金をその都度二箇月に一度、三箇月に一度ぐらいずつ各支店長に渡します。支店長はそれを持つて帰りまして、支店の労務部長とそれを適当にいろいろな対策部面に使用しておるわけでございます。
○篠田委員長 労働組合に正式な機関を通じて直接に渡すということは、新しい労働組合法の違反であるということは御存じのようだが、そうしますと、労働組合に正式には渡さないが、労働組合の重要なるメンバーに支店長を通じて渡された場合があるということは考えてよろしいのですか。
○大西証人 そういうものは私はないと思います。
○篠田委員長 対策費というのは、主としてどういうところに使いますか。
○大西証人 御承知のように、私の方の職場は相当広範囲にたくさんございます。各変電所まで入れますと、全国でその数は数千に上るわけでございますが、まず第一に最も必要なることは、その長が十分に理解を持つてくれなければなかなかできませんから、そういう各支社長あるいは現場の所長というようなものを支店長が集めまして、いろいろ思想教育というようなことをやつたり、あるいはいろいろの対策を協議いたしますのに、それぞれの集会所を各支店とも設備して、数箇所持つて、それぞれ転々としてその集会所に集まつていろいろな対策を研究しております。そういうような費用に使われておると私は信じております。
○篠田委員長 そうしますと、労務対策費は組合に直接渡されたものでもなく、組合員自体に直接渡されたものでもなくて、要するに組合員の思想教育あるいは講演会の費用、あるいは現場の長の組合との会議費といつたようなものに使われた。そういうふうに考えてよろしいですね。
○大西証人 さようでございます。
○篠田委員長 それからもう一つお尋ねしますが、電力再編成問題のために、非常にたくさんの政治献金が行われた。いわゆる政党方面に政治献金が行われておるといううわさが立ちまして、それがひいては日本の政党政治に対する、民主主義に対する一つの非難となり、不信となるおそれがあつたので、本委員会においてその問題を主として取上げ、そのためにあなたの方の帳簿も、あるいは配電請負関係、その他の帳簿も全部洗つたわけです。あなたは総裁としまして、この多額の政治献金が行われたという事実があるかどうか、御説明願います。
○大西証人 お答えいたします。御承知のように、私先月の六日に辞職の勧告を受けまして、九日に辞表を提出いたしました。それで十三日の午後辞令を頂戴したわけでございます。そうしますると、とたんにその日の夕刊に追い打ち的にああいうスキャンダルが出たわけであります。その点につきましては、私としてもそれが故意か偶然かは知りませんが、非常に遺憾でありまして、これがために電気事業に対する国民全体の信頼性を失い、今後の増資あるいは社債というような面においても、非常に電気事業の信用を落したということ、もう一つはそれがために全然御関係のない一部の方にまで、とんでもないぬれぎぬをおきせしたということは、非常に遺憾だと考えておるわけでございます。私どもとしては、そういう政党に献金をするとかというようなことは、これはやつてもそんなに全部を動かすようなことはできるものでもございませんし、ことに国会の皆様は国を代表され、また地方の選挙区を代表しておられる方でありますので、わずかの黄白によつてその節をまげられるようなことがあつたならば、その方の政治生命はなくなるんじやないか、と私はかように考えておるわけでございます。そういう意味におきまして、私どもは努めて大衆の方、産業界の方、そういうような方に主力を注いで説明をいたしましたけれども、そういういわゆる政治献金というようなものはいたした覚えはございません。
○篠田委員長 あなたの方で積極的に政治献金はされたことがないということは、ただいまの御説明でわかりましたが、しからば何か政治家の方からでも、あなたの方に個人的にでも政治献金の要求でもありましたか、日発総裁として……。
○大西証人 私としては一度もそういうことを受けたことはございません。
○篠田委員長 会社としてもそういうことはお聞きになりませんね。
○大西証人 ほとんど聞いておりません。
○篠田委員長 それではあなたは総裁を辞職されたのでありますが、総裁を辞職されるに至つた事情について一応御説明を願いたいと思います。
○大西証人 御承知のように先ほども申しましたように、私二十二年の六月に総裁を拜命いたしました。当時の非常な労働争議のさ中に就職をいたしまして、そうして今日まで参つたわけでございますが、その間戰災のためにいためられました発電設備というものの復旧に全力を注ぎまして、その結果御承知のように二十三年、二十四年と年々多少豊水も影響はございましたけれども、今までにない発電記録を上げ、また本年もそれ以上のものを出し得るんじやないかという程度に設備の改良もいたしました。それから先ほどお尋ねのございました日本一の大増資も、ほんとうにあのきゆうくつのときに、ほかの事業界は全部延期されたにかかわらず、電気事業の重要性を各方面でお認めくださいまして、御協力を得て、大増資もとにかく無事に完了したのでございます。それから引続いて国民の待望であります電源開発も緒にいつた、それから多年の懸案でありました人員の整理も済みました。そういうようなときでございましたので、私は通産大臣から懇切な御勧告がありましたので、私といたしましては、この際おひまを頂戴した方が事業のために何かよい結果が来るであろう、こういうふうに自分一人考えまして、気持よくやめさしていただくことにしたのでございます。
○篠田委員長 政府からあなたの辞職を勧告されたことについて、世上ではいわゆる電力再編成の分割に対して反対であるということから、当然分割しなければならぬ立場に立つている政府から勧告されたのであると、言いかえれば詰め腹を切らせられたというふうな世上の観測もあるのでありますが、今あなたからお聞きしますと、いろいろの困難な仕事をやり終えて、言いかえれば功なり名遂げたような状態であるから、そのときに政府から辞職の懇切なる勧告があつたので、自分としては喜んでやめたというお話でありますが、それは事実ですか。
○大西証人 その通りでございます。ただ先ほどの、とたんにスキャンダルが飛ばされましたことについては、これは心外にたえないわけでございます。
○篠田委員長 それは新聞紙上へ出たのは、あなたがおやめになつたあとかもしれませんが、ずいぶん前から飛んでおつた。ただ新聞に出たか出ないかの違いで、それがあなたに関係があるかないかわからぬ、あなたの辞職に関係はないと思います。ほんとうにあなたはおやめになつたことについて、不満はなかつたわけでございますね。
○大西証人 ございません。
○篠田委員長 それでは委員長の証人尋問はこれでおしまいにいたしまして、各委員の方から証人に対する御質問を願いたいと思います。
○佐々木(秀)委員 一番問題になつていますのは、政治献金のことでございますが、元総裁からのお話によりますと、政治献金がなかつたということでありますので、政界の淨化ということを叫んでおりますわれわれといたしましても、満足しておるのでありますが、ただしかしながらそれだけでわれわれの納得行かない点があるのであります。もちろん日発として各政党に献金はなかつたろうとは思いますが、たとえば日発総裁でないといたしましても、個人大西さんとして、いずれかの政党に何らかの理由によつて、自発的かあるいはまたお願いされたかによつて、ひとつの献金的なものとも解せるものもありましようし、あるいは寄付というような意味もあるだろうと思います。そういうことで金を多少なりお出上になつたことがございますでしようか、その点お伺いしたいと思います。
○大西証人 お答えいたします。ただいま政治献金というお話でありまして、何でございまするが、そういう何らかの形でというお話でございますので申し上げます。それはただ一回そういうことがあるわけでございます。それは昨年のたしか五、六月ごろであつたろうと私は考えております。総理官邸へ在京の産業界の代表の方々がみなお集まりになりまして、そうして自由党の政調会の参與会をつくるというお話がございました。そのとき各界の方方も大体皆さん、党の御方針——戰後不安の状態にある日本を安定に持つて行こうという矢先でございますので、その参與会に参與として参画するということは大体御了承になつたように私見受けておつたわけであります。その当夜は、私、あるその筋の方に呼ばれておりましたので中座いたしましたのですが、大体私のおりました当時の空気はそんな状態でございまして、その後自由党の事務局から参與として参加をしてくれるように、こういうお話がございました。これは私の方の副総裁のところにそういうお話がございました。それで副総裁からその話を受けましたので、私はそれは一発送電だけで処理すべき問題ではない、これは電気事業全体としてその趣旨を皆さんにお話して、そうして皆さんの賛同を得た上で参画すべきではないか、こういうふうに申しました。それで私ども、御承知の電気事業経営者会議というものを各配電の社長と日発の正副総裁で持つております。それに諮りました結果、皆さんの賛成を得まして、各社それぞれ代表の人を出しまして、そうして会議といたしまして百万円を出したわけでございます。それ以外にはございません。
○佐々木(秀)委員 ただいま百万円という金の金額が明らかにされたのですが、この百万円なるものが非常に一般に誤解されているように私らも承つているのであります。その点、もう少し明らかにしていただきたいことは、まず当初においてあなた方が百万円の金額に達するような人たちが集まつて参與になられたのか、それともいわゆる党から話がありましたときに、党としてはこういう方針で政党を維持しているんだ、それでこういうような政策であるということを聞かされて、それに対してあなた方はこの政党ならば、われわれがまあ個人的においても協力してもいい、また参與になつてもいいということで、自発的にいわゆるその参與というものにおなりになつて、いわゆる参與としての御寄付ですか、それをお出しになつたのか、それをよくお聞かせ願いたいと思います。
○大西証人 お答えいたします。先ほども申しましたように、一度われわれもお招きにあずかりまして、そうしていろいろ党の御方針その他についてるる御説明がございました。そういうような意味において私どもは参與として参画しよう、こういうことにいたしたわけでございます。
○佐々木(秀)委員 百万円の金額に達したのでありますが、そうしますと一参與がどのくらい金をお出しになつたかお聞かせ願いたい。
○大西証人 各人がどのくらい出したかについては、ただいまちよつと記憶がございません。しかし各社で代表者を数名選びまして参與の申込みをいたしました。そうしてそれぞれの会費として二年分、三年分というのをまとめましてお納めしたわけでございます。その点はもし何でございましたらば、経営者会議の事務局で後ほど調べましてお答えしたいと思います。
○佐々木(秀)委員 もう少しはつきりしておきたいことは、そうすると、日発として百万円を出したのではなくて、経営者協議会なるもののいわゆる構成人員によつて百万円の金が集まつたということに了承してよろしゆうございますか。
○大西証人 その通りでございます。
○佐々木(秀)委員 その百万円が出たあとにおきまして、もちろんこれは政党に対する合理的な寄付であろうと思いますが、これに対する党からの領收書なり、あるいは受取りというようなものをお受取りになりましたかどうか、お聞かせ願いたい。
○大西証人 それは私直接扱いませんで、経営者会議の事務局長が扱つておりますので、むろん領收書はいただいておると信じております。
○佐々木(秀)委員 大体この百万円問題の内容がわかつたのでありますが、ただたまたま多額の献金がされた。しかもその金額は四億円に上るというような新聞記事が出ておりますことは、あなたも御承知のことと思います。その四億円という金の出道については、昨日もいろいろこの委員会において検討し、また証人より証言を求めたのであります。その証人の証言の中に、想像的な言葉ではあつたのですが、ある人が座談か、あるいは何かの席上において、請負業者からその請負金額の一〇%に値する金が、要するに政治方面に流されているのではないかというような想像的な言葉があつたということに、政治家は非常に迷惑しておるのですが、あなたは日発の総裁として、たとえばこの請負業者あたりから請負額の一〇%といえば大体一割であります。一割というような厖大な金が出るものか出ないものかというお考えを述べていただきたいと思います。
○大西証人 お答えいたします。そういう業者の請負金額の一〇%頭をはねて四億という金が出たというようなことは、つい最近私も新聞で拜見したわけでございます。御承知のように現在の土建業界というものは、そう申しましてははなはだ失礼でございますけれども、現在非常に経営困難であることは皆さんも御承知だろうと思います。はなはだしいのは社員の給料も拂えないというのが実情でございます。そんなに余裕のある業者はないと思います。それから発送電の今度の見返り資金工事による請負というものは前渡金を一文も出しておりません。だから先生たちは工事をやるのに、その工事を引当てにして銀行から金を借りて工事にかかつておるわけであります。それで発送電としても、従来の工事には前渡金は出しておりました。しかし今度の見返り資金の工事には、万一のことがあつてはというので嚴重にそういうものは出さない條件で見積りを出させたのでございます。それでそういう血の出るような、銀行から借りた金でございますから、四億という金を集めるというのは容易でないと私は思います。ですから、そういうことはおそらくあり得ないことであろう、絶対に私はそういうことはないのじやないか、かように考えます。
○佐々木(秀)委員 もう一つ承りたいことは、もちろん日発としては、政治献金というようなものは先ほどのお話以外にはないということでありますが、今回のいわゆる電力再編成の問題に対しましてお話のごとく日発としては現状維持である、九分割その他の案に対しては賛成ができない立場から、この法案が議会を通過したのでは、いわゆる日発としての考え方が根底からかわつて来るので、何とかしてこの九分割ということは不成立に終らせたいという気持があつたのだろうと思います。またそれに対して賛成の人たちは、これを通過させようとして、お互いに賛否両論にわかれての相当の運動があつたろうと思いますが、この電力再編成に対して日発がいろいろ動きを示したということは、先ほどお話の通りと私は了承いたしますが、このことにつきましても、いろいろスキヤンダルが起きているのであります。日発のいわゆる反対運動をせんがためのいわゆる運動として、特定の政治家に金を出したというようなことがあつたのかどうかということをお聞きしたいのであります。
○大西証人 特定の方に金を出したということは絶対にございません。
○佐々木(秀)委員 そうしますと、再度私は繰返してはつきりさしておきたいのですが、いわゆる日発としてはこの電力再編成問題に対しては全然特定の政治家に金を使つたことがない。また政治献金の問題にいたしましても、参與制度に対するところの寄付金以外の政治寄付はない。こう二つ了承してよろしうございますか。
○大西証人 その通りでございます。
○安部委員 ただいまの佐々木委員の質問に関連いたしまして、ちよつと一点だけお聞き申したいのでありますが、昨年の六月に総理大臣官邸で政務調査会の報告会がありました。その際に私も政務調査会の役員といたしまして出席いたしましたが、その際多数の参與の方が御出席になりまして、午前中には佐藤政務調査会長の報告、午後には根本副会長の報告がありました。その際大西証人は御出席でございましたか。
○大西証人 しつかり記憶はございませんが多分お晝ごろだつたと思います。総理もお出ましになりました。ちよつと記憶はございませんが……。
○安部委員 それから終りに一緒に御飯をたべましたか……。
○大西証人 それはちよつと記憶ございませんが……。
○安部委員 そういう場合に参與としてあなたとか、あるいは各方面の人、実業界の人、いろいろな人が参與として御出席したのでありますが、御記憶ありますか。
○大西証人 どなたという記憶はしつかりございませんが、多数お出でになつたことは記憶ございます。
○安部委員 そしてその寄付されたというのはその後でございますか、その前でございますか。参與として政務調査会に百万円という金を寄付をしたというのはあの会合の以前でありますか、あるいはその会合の以後でありますか、もし御記憶があれば述べていただきたい。
○大西証人 その前後につきましては記憶がございません。
○椎熊委員 大西総裁は終戰後の電気事業回復のため非常にお骨を折られております。あなたの会社の算定によりますと、現在の日本の経済状態で電力の不足額はどのくらいですか。
○大西証人 約二割前後じやないかと思います。
○椎熊委員 それは需用者の要求の二割ほど足らないというのですか。
○大西証人 需用の二割ぐらいは不足しておると思います。
○椎熊委員 わかりました。次のお尋ねですが、日本が経済的独立をするために電力の充実は当然のことでございましよう。そこで日発は長期の計画を立てて電力の開発を始めました。その理想案として、現在の電力量がどの程度になるというのが日発の理想案であるのか目安はどこに置いておりますか。
○大西証人 理想案と申しましても、目発案という特に会社單独の案はありません。実は安本、電力局その他と御協力を申し上げまして、そうして五箇年後に大体このくらいの程度に持つて行きたいという案をつくつたのが、現在言われておる五箇年計画の案でございます。
○椎熊委員 それでこの五箇年計画案を完成せしめるために、もしその再編成が九分割の状態で行われるとすると、重大なる支障が起るとお考えになるでしようか。
○大西証人 電源開発につきましては、現在のような発送電の組織がありますれば、御承知のように日本は電源が非常に偏在いたしております。そういうような関係で、需給がマツチしておる地点でも開発しなければならない。そしてそれを足らない区域に送らなければいけない。そういうような関係がございますので、私としてはこれが個々の会社になりますれば、個々の会社自体の需給のみを考えるようになるのは当然じやないかと思います。ことに最近のような物価高におきまして、戰前の建設費に比べれば百倍、二百倍もかかる工事を何を好んでやるかということになるのであります。そうしますれば、電源のせつかく豊富な地帶も、自分のところだけ需給のバランスがとれておれば容易に開発をしない。また電源の足らない、電源の少い地方、中国、九州のごとき、開発しようにもよい地点がない。そこは非常に高いものをやらなければならない。そういうような事態にあるのですから、中国の例をとりますれば、中国が独立会社になつた場合、他地区よりも非常に高いものを開発して、そして営業が成立つかどうかということを考えますと、私としては電源開発は幾つかの数に分断されれば、相当支障を来すのではないか、かように考えておるわけであります。
○安部委員 あなたの先ほどの証言によりますと、現状のままの方が一番よいと思う。しかしながら集中排除という至上命令的法律があるものだから、何らかの形で再編成しなければならないだろう。それは必至なんです。そうすると、あなたはどういう形で編成した方がよいとお考えになつたのですか。
○大西証人 それは私としましては、北海道のごときは現在送電連繋がないわけでございます。四国もございません。しかし四国には中国から島伝いに送電線引く計画をわれわれは持つております。四国には水力発電が相当豊富にございます。それで四国の豊水期に水力を中国に送つて、中国の火力を助けるという計画を持つておるわけであります。そういうような意味におきまして、北海道、四国というようなものは、現状においては放してもいいのではないかと考えております。しかし現在の発送電の北海道支店、四国支店の收支状況はずつと赤字でございます。それで数億の赤字が出るわけでございます。それで水力地帶の中央部でもうけて、発送電としては全体的のバランスをとつておるわけであります。そういう意味におきまして再編成は、これはなさなければならない。ですから私といたしましては、今申し上げましたように、北海道、四国が自立経営ができる見通しが立つたときには分けてもいいじやないか。ですから私といたしましては、北海道、四国はある時機をみてわける。それからあと本州、九州は、御承知の九州がああいう火力地帶でございますので、これはなるべく本州の水力と連繋を持たせて、今しばらく行くのがいいじやないか、そういうふうの編成をし、一方その筋でも最もやかましく言われております官僚統制の法案を撤廃して、そして自立的経営に移すという面を強く御主張願えれば、私は日本のためにいいじやないか、かように考えております。
○椎熊委員 ただいまの御意見によりますと、二十三年、水谷長三郎氏が商工大臣当時に三分割案というのがあつたのですが、その案はその当時の日発の当時の意見等も多分にしんしやくした案であります。ただいまのあなたの説明とやや似ていると私は感じておるのですが、あなたはあの社会党案と称せられたる三分割案は、御賛成であつたのでしようか。
○大西証人 私もあの委員会に、実は委員の一人として出たのでございます。それで半年にわたる検討の結果、各委員の方も強く主調されましたし、私もそれに賛成をいたしたのであります。しかしあれは三分割をすぐやるという案ではなかつたのであります。適当な時機が来た場合には、北海道、四国は分割する、こういう案でございました。
○椎熊委員 次に別な問題ですが、政治献金の問題です。あなたは政治献金をした覚えがないとおつしやりつつ、最後には百万円の献金を別な形においてなされたことをお認めになりました。この百万円の献金はなぜなされたかというと、総理大臣官邸に電気関係有力者その他の実業家が招待された。その席上には総理大臣も出られて、一同と会食せられている。自由党の政調会長その他有力な政治家から、自由党の政調会が考えている政策の基本についての説明があつて、それに賛成せられてしかも参與となられた、参與というものは政党の党員となると私どもは心得ております。あなたは政治家に迷惑をかけてはいかぬから、なるべく政治方面には運動をしないというようなお話もあつたようですが、政党員となつてまでも貢献せられた。それほど自由党の政策を支持せられたあなたが、他面これとはまつたく別個のイデオロギーを持つている社会主義政党たる社会党に対しても、貢献を約束されているという事実を、当委員会の調査員が調べ上げているのです。この事実をお認めになりますか。
○大西証人 お答えいたします。社会党に対して献金はなされていないと私は思います。
○椎熊委員 いや約束しているという……。
○大西証人 それはいつか新聞に、そういうようなことがちよつと出ておりました。やはり百万円というふうに……。これは実情を申し上げますと、社会党の事務局の方が私の方の副総裁のところにおいでになりまして、今度の資金カンパについて何分応援してくれというようなお話がありました。それで副総裁からやはり私に相談がありました。私はやはりそれも自由党のときと同じだから、この前のことがあるのだから、経営者会議に相談したらよかろう、かように申しておりました。その後聞きましたら、経営者会議に諮つたけれども、まだみなの意見がまとまらぬで、そのままになつておるということを聞いております。絶対に約束したことはございません。
○椎熊委員 私はそこに非常に大きな疑問を持つのです。あなたは自由党の政策は、国家安定のために非常にいいと考えられて、それに賛成して参與にまでなつて献金した。これはあなたの考え方として一応のりくつが通る。けれどもこれとまつたく別な、反対の政策を持つところの政党にもやるというようなことを約束されたとなれば、あなたは今それは確定的ではないと言うけれども、われわれが信頼する調査員の報告によると、すでに約束してあつて、未だ現実に渡していないという状況にあるだけだ。そうすると、これは先に申された自由党の政策を信頼して、これが国家のためにいいと思つての献金ではなくして、何か日発経営の上に、政党などの反対を受けることは便宜ではないと考えられて、うるさいのにはやる、あるいは総理大臣が出て来て献金をせよと言うのだから、これはどうも時の権勢に阿諛迎合しておかなければ損であろうから、やつた方が都合がよかろうというような意味合でなされている行動のように思われてならない。その辺あなたの信念的なお答えをお聞きしたい。どういう意味で自由党に百万円を出し、どういう意味で社会党に百万円を約束されたか、もう一度念のために承つておきます。
○大西証人 社会党に百万円約束したということは、私絶対に聞いておりません。それははつきり申し上げておきます。ただそういう話があつたということを副総裁から聞いたことは聞きましたが、約束したということは聞いておりません。そういうような関係でございますので、社会党に約束した云々ということは、私はあの新聞を見てびつくりしたわけであります。
○椎熊委員 あなたの会社が、政治方面に金などを出し入れしたりする方は、主として総裁ではなくして副総裁櫻井とか申す人のやられる仕事の方なんでしようか。あなたは、大体承れば技術屋出身であつて、渉外的のこととか、政治向きの話とかはあまりなさらないもののように、新聞等では伝えられている。そうすると、そういう方面は櫻井副総裁がやつておられたのでしようか。
○大西証人 それは櫻井副総裁が職分でやつておるというわけではございません。しかし御承知のように、非常に日々多忙でありますし、おつたりおらなかつたりする面が多いものですから、それで、副総裁は、主として留守番として常におりますし、まあ何と言いますか、話いいから副総裁に話されたのじやないかというふうに思うわけです。別に副総裁が專門的にやつておつたというわけではございません。
○椎熊委員 最後に、大西さんは今百万円の自由党の献金を認められました。その他には一切そういうことはないと言われました。私どもの当委員会の持つておる調査員の報告によりますと、これが世にいわゆる日発事件なるものと関連があるかどうかはわからぬけれども、日発の金から政治家と称する者に献金しておる事実が発見せられておる。それは本年四月五日、かつて電力局長を勤めておつたという、自由党に所属する古池信三君、それから六月の六日民主党に所属すると称して参議院議員に立候補したる田倉八郎君、同日緑風会に属すると称する石川芳次郎君、この三君に対しておのおの二十万円ずつの金が出ておるということを、この当委員会の調査員の方が調べられたのです。あなたはこの事実を御存じないのでしようか。
○大西証人 今の古池さん、石川芳次郎氏、田倉君は、それぞれ先生たちが著書をつくつておられます。その著書に対して私どもは本を買つて、その本の代金としてお拂いをしたように聞いております。古池さんについては私ども聞いておりません。
○椎熊委員 調査員にお伺いしたいか、調査員の調査はそういうことを報告を受けていないのだが、事実はどうなんでしようか。
○篠田委員長 きようは証人の喚問でありますから、証人の尋問を主としてやつていただきます。調査員の調査につきましては、主として理事会で報告することになつておりますから……。
○椎熊委員 そうすると、これは著書を買つたということであります。これらの三人は参議院の選挙に立候補しておる。われわれの報告によると、これは選挙の陣中見舞であろうというふうに了解しておるのだが、あなたはそうじやないとおつしやるのでしようか。
○大西証人 私が聞いたところでは、そういうふうに本を買つてくれと頼まれて買つたというふうに報告を受けております。
○内藤(隆)委員 大西証人に二、三点お伺いいたしますが、さいぜんの委員長の尋問に対しまして、あなたの総裁におなりになつた時期が昭和二十二年の六月と聞きましたが、その当時の内閣はだれでございましたか。
○大西証人 内閣は芦田内閣でしたか、片山内閣でしたか忘れましたが、大臣は水谷商工大臣でございました。
○内藤(隆)委員 ただいま私ども巷間伝えるところを聞いておるのだが、あなたは社会党にすこぶる好意を寄せておられる、むしろ社会党の同調者と聞いておつたが、どうですか。
○篠田委員長 その問題はきのうのあれと同じじやないですか。証人の事実に対する証言を求めるために本日証人を喚問しておりますが、内藤君の御質問は、意見もしくは当人の思想傾向に対する尋問であるように思います。この点は私は不適当と認めますから、証人において答弁する必要はないと思います。
○内藤(隆)委員 要するに私はそういうことを聞いておつたという事実だけを申し上げたのであります。 もう一つ、これは佐々木委員並びに椎熊委員から触れておりましたから、社会党百万円の申込みの問題のごときは、あの程度で私触れないで置こうと思います。 それから電気事業再編成の必要性につきまして、昨日の電力局長の答弁と、あなたのただいま委員長並びにその他の委員からの尋問に対するお答えとは、私根本的に違つておるようなものが見えますが、それは單に集中排除法の要請によつてのみ一体この電気事業の再編成をしなければならないのかどうか、その点ちよつと……。
○大西証人 電気事業を再編成するかしないかということは、これは現在の政府のお考えでございまして、私どもとしてとやかく申し上げる資格がないわけでございます。
○内藤(隆)委員 実は日発というものができましたいわゆる明治憲法時代、私その当時の速記録を少し読んでみましたが、大体重力管理法あるいは日発というものができたあの軍閥のはなやかなときのことを考えると、これは当時のフアツシヨとあるいは社会主義者とが何か合作をしてできたような会社のように考えられますが、あなたはどういうふうにお考えでしようか。
○大西証人 当時私はまだ末輩でありまして、その問題について語るあれはございませんけれども、しかし日本の電気事業のあり方、要するに電源地帶の偏在とか、有無相通ずる意味において必要があつてなされたものであつて、そういう思想的になされたものでないと私は思つております。
○内藤(隆)委員 その当時、今社会党の国会対策委員長か何かしておいでになる三宅正一君の御演説の速記なんかを見ますと、たとえば当時の政友会の方は、さようないわゆる国家の電力を管理するような、そういう強力なものをつくつてはよくないじやないかというふうに演説をしている。それに対して三宅君のごときは、非常に新会社をつくることを強力に主張しているわけです。たとえばこういうことを言つている。そういう会社をつくれば、電源の開発のごときはかえつて支障を来すというようなある委員の主張に対しまして、今回の会社は特殊会社でありますから、会計法であるとか、予算の制限を受けない、従つて迅速にもできるので、能率化されるものである。こういうような強いことを言つておりますが、あなたは総裁として、はたしてこの会社をつくつて、いわゆる豊富低廉なる電力を供給し、さらにまた能率的に電源開発のごときができたとお思いでしようか。
○大西証人 当時の抱負につきましては私何とも申し上げられませんが、日発になつてからその趣旨に沿う電源開発ができたかどうかということは、これは今日非常に批判の的になつているわけです。御承知のように、日発ができましてすぐ大東亜戰争が勃発し、資材その他すべてあげて戰争目的に使われる、そういう関係で電源開発というものが、やろうにも非常に困難でやれなかつた。戰後におきましてもやはり同様資材は使い果してしまつている。資金は全然ないというような状態でありましたので、最初この発送電を計画されました方々の御抱負のような電源開発はできておらないことは事実です。しかしその苦しい中において、発送電ができましてから、今日水力にいたしましても約百万キロの電源開発をいたしており、火力にいたしましても相当の増強をいたしていることは申し上げられると思います。
○内藤(隆)委員 ただいまの前総裁の説明では、資金あるいは資材等の関係において思うように行かなかつた、こういう御趣旨ですね。これは私の手元に入つたパンフレツトですが、その印刷物の中に三宅晴輝という人の談が載つておりますが、それなんかを読んでみると、要するに五大電力時代と比べますと、統合されたがためにかえつてその電源開発を遅らしているということを数字的に言つております。昭和五年から十六年までの十二年間につくつたものは、いわゆる五大電力時代は二百七十万キロである。しかるに日発になつてから十一年間にわずかに四十四万キロしかやつていない。こういうことを述べておられますが、この点から考えてみましても、私は前段に申したように、いわゆる社会主義的イデオロギーからつくられて来たこの日発会社というものは、まつたく当初の豊富低廉なる電力を供給するという、その目的に反した結果になつたのではないかと思いますが、いかがでありましようか。
○大西証人 それはつまりその條件が違うわけでございますから、あの戰争と戰後の廃頽の時期と、最も有利な状態に置かれた当時とは、いろいろの面において違うことは当然でありますので、同じ條件のもとに同じ比較をされるならばけつこうですけれども、時期、條件の違うものをただその結果の違いを言われても、それはお互いに水かけ論でありますので、お答えできません。
○内藤(隆)委員 それでは水かけ論はやめますが、もう一つあなたにお聞きしたい奇々怪々なる一つの問題が私の手元に入つておるのです。それは日本水力工業株式会社社長加藤金次郎という人の名において出ておる文書であります。これを読んでみますと、大牧発電所の電力一万八千キロをあなたの会社が強奪しておるという文章があるのです。これに対して何かあなたは思い当ることはございます。
○大西証人 大牧の問題は確かに今係争になつておる問題なんです。これは御承知のように電力国家管理法によりまして発送電へ出資をすることに政府から慫慂されまして、讓渡契約をして発送電へ出資を受けたわけです。ところがその出資をするとき実費と申しますか、要するに実際かかつた費用、真実適正な費用によつて讓渡せよという御勧告を受けておるわけでございまして、それで、その費用の査定をお互いに話合いをいたしましたところが、大体両者に開きができた。これは前総裁の時分で、十九年でございます。値段の折合いがつかないので延び延びになりまして、終戰当時加藤氏からこれを返してくれという話が出て来たのであります。しかし現在の状態において財政は苦しいのだからぜひ私の方に讓つていただきたいということで今日までやつて参りました。この問題につきましては検察当局も私どもを呼んでいろいろ御質問もございましたし、いろいろそういう事情はございますが、今私の方ではとうてい対等に話をしては話はきまらないのだということで、私の方から価格の設定と登記の申請を、今裁判をこちらから起して、法律によつて解決して行こう、こういうことでやつておるわけであります。
○内藤(隆)委員 そうすると今あなたの方からそれを支拂うべき法的な手続をとつておるというわけですね。
○大西証人 はい。
○内藤(隆)委員 しかしこの文章そのものを私はまつ向から信じてはおりませんが、これを読んでみますと、日発は爾来七箇年無償使用して六億内外ピーク・キロワット・アワー、時価十億円を大西前総裁が横領着服してびた一文ももらつておらぬというようなまことに激烈な文句が並べておるのですが、その間無償使用をなさつたのですか。
○大西証人 それは無償使用と申しましても、私の方から金を拂うと言つても受取らないわけでございます。そういうような関係で、前総裁時代に七年間延び延びになつて来まして、私に引継がれまして、私としてもその後総裁になつてから、お気の毒だと存じまして、すぐに加藤氏の自宅を訪問して、そうして何とか円満に解決するようにということを懇請いたしましたが、それを文章に書いてあるような言葉を書かれるような始末で、これはもうとうていお話にならないというので、今のような実情になつておるわけであります。
○内藤(隆)委員 そうすると、支拂いに行つたけれども、向うが受取らなかつたというわけですね。その使用代金は何か保管でもしてありましようか。
○大西証人 その問題は十九年から起きまして、前総裁は二十二年までそういう状態に来ているわけです。それで当時新井さんとしましては、供託をしてやれば、これは非常にけんかになる。だから何とか円満に話をつけたいというので、供託をなさつていなかつたのであります。ですから、私もその趣旨を体しまして供託するということをさしひかえて何とか円満に解決するよう話をして行きたいと考えておるわけです。ですから、会社の帳簿にはたしか発電所の代金と、それに対する金利は未拂いとしてやつて来ておるわけであります。
○内藤(隆)委員 そうすると、会社の讓渡を受けるという何か法的根拠でもございますか。
○大西証人 それは元来大牧発電所は庄川電力が持つておつたものであります。そうして途中で庄川電力が日本発送電へ出資をされた。そしてその工事を当時加藤金次郎氏が請負つてやつておつた。そうして完成した上で引継ぐというような内約がございましたが、一方電力国家管理法によりまして、これがそのまま発送電へ引継がれたわけで、そういう例は戰後もずつと続けて来ております。それ一つに限つたものではございません。円満にやつて来ております。
○内藤(隆)委員 法的な根拠というものは電力国家管理法であつたと解釈しておるわけですね。
○篠田委員長 この際内藤君にお諮りいたしますが、時間の関係上あまり質問が長くわたらないようにできるだけ簡單にお願いします。
○内藤(隆)委員 簡單にします。この問題は、この文章によりますと、社会党の猪俣代議士もこれを法務委員会か何かに取上げておるようで、これはいずれまた猪俣君から質問が出るかもしれませんけれども、要するに私の言わんとするのは、まだ安全に讓渡も受けないものを、会社が費用も拂わずしてこれをお使いになつておるということでありますが、常識で考えられない。どういう事情があるかしらぬが、怪々な事実ではないかと思います。そこで総裁としては後任総裁にこの問題を引継ぎになりましたかどうか。
○大西証人 私やめましたときには森総裁心得に全部を引継ぎました。森君は従来から十分に承知しておるわけです。
○内藤(隆)委員 これで終ります。
○篠田委員長 ちよつとお諮りいたします。実は今発言の通告がありますのは與党が四名、野党が六名ありまして、全部で十名であります。大体時間も相当長引きますので、五時にやめるといたしますと、ちようどこれから百分間の時間がありますので、大体一人十分平均で與党四名、野党六名の尋問を終るように御協力願いたいと思います。
○梨木委員 今までは與党の方がたくさんやつて来たのですから、野党側に……。
○篠田委員長 そういうことはありません。ただいままで與党と野党とかわりばんこにやつておりますから、そういうことはありません。——それでは與党三名にいたしまして、あと野党六名。ですから一人十分ずつという見当で御質問を願いたいと思います。それでは猪俣君。
○猪俣委員 昭和二十四年の四月二十一日、日発は増資を決定されたのでありますが、これは昭和二十三年二月にすでに集中排除法の適用会社となつておりまするがゆえに、これを再編成しなければならぬ。ところがその再編成ということについて必ずしも分割とは理解しないのだという総裁の御説明でありまするが、但しこれは見返り資金を使うような会社でありまするから、司令部の意向をそんたくして事を運ばなければならぬことは明らかだと思うのであります。そこで大西前総裁は、一体この増資を決定される前に、こういう司令部の意向というものが分割にあつたということをほぼ察知されておつたかおらなかつたか、それをお聞きいたします。
○大西証人 分割に対する司令部の意向というものは、当時私どもまだそこまで確かめておりませんでございました。集排法の適用を受けておる会社であるために増資をするということにつきましては、特株整理委員会の許可を私どもは得なければなりません。その許可を得まして増資をいたしたわけであります。そういうような関係で、必ず持株整理委員会の方とその筋の方と御相談があつて、その上でこの御許可があつたものと思います。
○猪俣委員 司令部関係におきましては、五人委員会というもの、バーカー委員会というものが設立されまして、再編成について愼重検討せられ、昭和二十四年の五月にバーカー氏自身が、あなたの会社の森理事に非公式でありましても、この五人委員会の結論なるもの——これは七分割案であります。これを通じてあるはずであります。そうすると森氏からバーカー委員会の意向というものをあなたはお聞きになつたことがありますか、ありませんか。
○大西証人 それは非公式に、こういう七分割はどう思う、日発はどう考えるというお話があつて、森君がそれに対する意見を述べられたことは聞いております。
○猪俣委員 このバーカー氏が帰米いたしますと、その後を引継ぎましたのは、ケネデイ氏でありますが、このケネデイ氏はいかなる分割案の考えを持つておられるか、それをお聞きになりましたか、なりませんか。
○大西証人 どういうお考えをもつて——具体的な案を伺うことはできませんでした。しかし日本の電気事業は再編成しなければならないのだというお話は数回承つております。
○猪俣委員 いや再編成という言葉をあなたが言うのは、日発をこのままでも再編成できるような意向でありまするが、ケネデイ氏の言う再編成ということは、分割案だというようなことをあなた方は察知したのかしないのか、それをお聞きしておる。
○大西証人 私はただいまお話のような察知という意味では、お話をケネデイ氏からいろいろ伺つておりますときには、ひどく分割の数にこだわつておられないのではないかというような感じを受けた程度でございます。
○猪俣委員 分割の数は問わずして、日発の現状のままではいかぬ。分割しなければならぬという意見であつたのかないのか。あなたのそのとき聞いた話によれば……。
○大西証人 日発を分割しなければならぬというような御意見をはつきりおつしやいません。しかし再編成はしなければならないというお話でございました。
○猪俣委員 それは私どもあなたの常識を疑わなければならぬわけであるが、今そういう御答弁なら、それでよろしゆうございます。但し集中排除の会社であり、ことに戰時中でき上つた統制会社これを再編成しなければならぬというところには、もう分割ということが明らかに出ておることは常識上わかるのであります。そうしてあなた方もそういうような態勢が動いておることも察知しておつたろうと思う。そういう再編成問題、とにかく分割すべきか、すべからざるかということがてんやわんやになつておるときに、日発を増資を決定された。そこで私どもお伺いしたいのであるが、この増資を決定なさるときに、今なかなか株が集まらなかつたというお話であるが、この株を集めるために、相当の宣伝もなさつたようであるが、その宣伝の中には、日発は分割なんかされないのだという宣伝をなさいましたか、されませんか。
○大西証人 再編成の問題については、別にはつきり私どもは向うの筋の御意見を伺つたわけでもございませんから、われわれとしては、その問題には強く触れて説明をする資格もございませんし、また触れて説明もいたしておらぬと記憶しております。
○猪俣委員 いや、そうじやないでしよう。この株を募集するときに、分割なんかにはならぬのだという説明を熱心になさつたはずじやありませんか。よくそれを思い出してください。これはそのはずなんである。よく思い出して正確な答弁をしていただきたい。これは偽証罪になるところですからね。いいかげんなこの場のがれの答弁じや困る。正直な、直実なところを述べていただきたい。過ちなからしめるように忠告しておるのだから……。
○大西証人 はつきり再編成をされないというようなことを宣伝した覚えはございません。ただ私どもとしては、なるべく現状維持で行くように、今一生懸命に努力をいたしておるという点は申し上げたように記憶しております。
○猪俣委員 しからばこの増資をなさる際に、もし日発が分割されるというような危惧の念があつた際に、応募する人がありますか、ありませんか。
○大西証人 それぞれの株主あるいは応募者のお考えによるものでございまして、ことに日発の資産状態というものを再評価いたしますれば、相当のものになるというようなお考えで、将来かりに分割されても、この株を持つて利益があろうというお方はお持ちになつたろうと私は信じます。
○猪俣委員 しからばあなた方が増資を決定なさる際には、大体において分割されないであろうという見込みの上で増資を決定なさつたのであるか、全然そういう見込みを立てずして増資をなされたのであるか、それをひとつお伺いいたします。
○大西証人 そういう見通しは全然当時は持つておりませんでした。ただ日本発送電といたしましては社債の限度にもう来ておりまして、資金というものに非常に困つておるというような関係で、どうしても増資をして支拂い限度を拡充し、そうして設備の改良その他に使わなければならないという点から増資したのであります。
○猪俣委員 しつこいようでありますが、常識上考えまして、集中排除法の適用を受けてこれが分割されるという、運命がどうなるかわからぬうちに増資をするということはあり得ないと考える。それでお聞きしたいことは、あなたは分割反対の信念をお持ちになつておる。 〔委員長退席、内藤(隆)委員長代理着席〕 この信念がやはり貫徹でき得るものだという見込があつたために、募集をされたのではないかと思う。そうでないと、これははなはだ株に応募する人を欺瞞することになりはしないかと思ますが、株主に迷惑をかけまいとすることが会社の首脳部の親切な態度でなければならない。そうすればこの増資の際も、今応募されても迷惑をかけないだけの確信がおありになつて増資されたのではないかと思うのでありますが、まるで先は七つか九つかわからないが、分断されてしまうような不安の状態において、なおかつ株を募集されたのであるか、大体の見通しにおいてはまず分割されないであろう、あるいは大山案とか、そういうような案がだんだん出て来るのでありますが、そんな線でまとまるであろうというお見通しの上で増資されたのでありますか、そこをお聞きいたします。そうすると、はなはだ株主に迷惑をかけることが起るのではないかと思います。その点まさか親切を欠いたとは思われませんから、あなたの親切の心を聞くのであります。
○大西証人 今お話の、株主の迷惑をかまわずに増資したかというお話でございますが、私はそういう心持で増資をしたわけではございません。いろいろ会社の実情その他を御説明申し上げて、株主の方々が納得して持つていただくということを念願したわけであります。
○内藤(隆)委員長代理 ちよつと猪俣君に……。お約束の十分は大分過ぎてしまつているのですが、今坂本君から私の時間を多少さいてあげてもよいという親切なことですので、なるべく簡單にしてください。
○猪俣委員 そこで増資の際に、あなたはいわゆる国会関係その他の有力なる政治家が自分たちを支援してくれるという自信が一体あつたのではないのですか。それでないとするとはなはだでたらめな増資だと思います。
○大西証人 国会その他が御支援をくださるというようなことを考えてはおりませんでした。ただしかし電気事業の重要性を全国民が認識して増資に協力してもらえるものと思つてやつたわけです。
○猪俣委員 その際に生命保險及び金融関係から相当協力を得たというのであるが、生命保險関係として何人が一等活躍しておつたか、株の引受けに努力されたか、及び金融関係としてはいかなる銀行、いかなる人間がその間に介在されて活躍されたかを承りたい。
○大西証人 保險関係におきましては保險協会の会長をしておられました小林社長を通じ、あるいは保險協会の事務局を通じて、各社の担当部長にそれぞれ御説明を申し上げ、御支援を願つたわけであります。
○猪俣委員 金融関係は。
○大西証人 金融関係は、私どもは従来とも興銀、日銀——日常ごやつかいになつております興銀あるいは日銀の総裁その他にも何分の御援助をお願いするように御依頼をしたのです。
○猪俣委員 この銀行の中に協和銀行は入つておりますか。
○大西証人 協和さんというと、もとの日本貯蓄でありますが、協和さんにもお引受けを願つておると思います。
○猪俣委員 この金融関係に活躍せられて日発の増資に協力された方の中心三浦義一氏はおられませんでしたか。
○大西証人 増資問題に関して三浦氏にごやつかいになるとかいうことは、私どもは毛頭考えておりませんし、また私どもはそういうことに関係があつたかどうかは存じません。
○猪俣委員 そうすると三浦氏がこれに関係したかどうかということはあなたは知らぬ、こういうのですか。そういうことは絶対にないというのですか。あるいはあつたかもしらぬが、自分は知らぬというのですか。
○大西証人 会社の増資に対して三浦氏が活躍されたということは私はないと思います。
○猪俣委員 なお今度は別なことをお聞きいたしますが、本委員会の調査員が調べ上げました労務対策費のうち、電源防衞講演会というものがあつて、これに千九百三万円金が出ておるのであるが、この講演会の主として中心的主催者になつて活躍した人は何という人でありますか。
○大西証人 たしか千百万円弱出ていると思います。それは御承知のように非常に過激分子のいる猪苗代地区、飛騨川地区、群馬地区、あるいは木曽地区、あるいは大阪方面というようなところで、思想的あるいは国際情勢というようなことを十分理解して協力をさせるために、田中清玄氏に依頼して、同氏並びに外務省の第三課長、そのほか佐野博氏、そういう方々に講演をお願いして、大体回数にして約三百回近くの講演会を開催した次第であります。
○猪俣委員 そうすると、この講援会の中心は田中清玄氏であるということがわかつたのでありますが、なお時間がありませんから飛び飛びにお聞きいたします。日発が石炭を買う、その購入費が非常に高上りな購入をやつておるということを世上言われるのでありますが、一体一トンいくらくらいで石炭をお買いになつています。
○大西証人 大体三千円前後で買つております。
○猪俣委員 昨年の電力料金一・四九倍値上案というものを出したときに、司令部から、トンあたりの單価三千七百円で買つておることは、はなはだ高過ぎる、少くとも三千三百円見当が妥当であるという指示があつたというのでありますが、あなたはさようなことを存じませんか。
○大西証人 その炭価の公定については、物価庁が指令を出してやつておられますので、私どもそれについてはそういう指示があつたかどうか存じません。
○猪俣委員 そうするとこういう物品の購入はすべて物価庁の決定によつて購入なさつておるのですか、日発が独自の見解でやつておるのですか、どちらですか。
○大西証人 今のお話は電力料金を御決定になる資料として、物価庁がそういう單価をおきめになるのでございまして、料金がきまりました後は、私どもは自分の收入範囲内において、自分で石炭を買うわけで、決して物価庁のお指図を受けておるわけではございません。
○猪俣委員 なお九州方面におきまして、日発が工事をされて、その工事を引受けられた方は、どういう人が引受けられたか。
○大西証人 ちよつと記憶がございませんが、甲佐の方が星野組と西本組、津江の方が、清水組にもう一つどこかでございますが、今それは記憶がございませんから、のち程……。
○内藤(隆)委員長代理 猪俣さん、ちよつと……。もうすでに二十分になりますが……。
○猪俣委員 それではまた明日おいで願いまして……。まだ三分の一ぐらいしかやつておりません。さつぱりわからない。
○内藤(隆)委員長代理 それでは先刻申し出られている坂本委員は質問を棄権せられますか。
○坂本(泰)委員 もう一度呼んでくだされば何だけれども……。
○内藤(隆)委員長代理 それは理事会で決定するのですから……。 〔「再編成に対してのスキヤンダルに重点をおけばいいじやないか」と呼ぶ者あり〕
○猪俣委員 だからこれからそれへ入ろうとしておるのだ。 その九州の配電工事を何人がやつたかおわかりにならぬようでありますが、あとでお調べ願いたいのであります。 この日発工事にからんで、いわゆるリベートの問題が発生したということで、九州の地方検察庁が取調べをしたという事実があつたかどうか、お聞きになつておりますか。
○大西証人 聞いておりません。
○猪俣委員 ではやめます。
○内藤(隆)委員長代理 それでは次の質問通告者、柳澤君。
○柳澤委員 私はさきに委員長から証人をお調べになりました順序に従つて、きわめて簡單に要点だけをお伺いします。 まず第一の日発案というのは、証人としては、どんな方面から支持を受けておつたか、これをお尋ねします。
○大西証人 私としてはどういう方面から支持されておるか、はつきり存じませんが、大体として電力の不足しておる地帶の方々から御支持を受けたと存じます。
○柳澤委員 それが政党関係とか、あるいは政府筋というような、ある程度具体的なお話は承われませんか。
○大西証人 別に特別の筋はございません。
○柳澤委員 それでは先ほど来ほかの諸君がちよつと触れたこともございますが、この分割再編成の問題は集中排除法の適用を受けるということにあつたということは、先ほど来証人の言われたところでございますが、先ほど来御説明の日発案によりますと、いろいろな專門的な御見解、再編成の方法等御説明はありましたが、結論は單なる延期策のように考えられる。どうもその説明をお聞きいたしますと、結局見込みはないけれども、現情を少しでも延期しようという結論になるのではないかと思われるのですが、この点はいかがでございましよう。
○大西証人 むりにひつぱるというわけではございませんが、再編成をなされるに時日があれば、そのとき多少でも電源の開発ができ、需給関係のバランスがとれるのじやないかという考えは持つておりました。
○柳澤委員 先ほど委員長から資材購入の方法についての説明がありました際に、資材購入については業者の能力に応じてということを標準にされたようでございますが、巷間伝えられるところによると、セメントなどはきわめて厖大な数字に上りますが、磐城セメントに主として発注されておるというようなことが雑誌その他に伝えられておるのであります。また発電機械関係は、日立製作所に命じておるというような具体的なことを指摘して伝えられておりますが、この点はいかなる標準によつて行われたものでありますか。
○大西証人 今お話のような磐城セメントに関して多分に発注しておる、また機械に対しては日立に多大なものを発注しておるということは毛頭ございません。委員会の專門員の方に正しき書類を提出してございますから、ごらんを願えばわかります。
○柳澤委員 そうすると指名入札とか何とかいう方法によつたものでありましようか。
○大西証人 機械に対しては指名入札でございます。セメントに対しては、その工場の分布状態と、工事現場と照らし合せて、個々に折衝してきめる。その数量においては、その工場の生産能力に大体バランスをとるようにしております。
○柳澤委員 次に先ほど委員長の言われたことでありますが、これに関連して機密費の資料についてでありますが、先ほどあげられました数字によりますと、巷間伝えられる数字とはたいへんなへだたりがあるように思われます。これも雑誌その他に数字を上げて、ことに年間三億円という機密費が使われておるというようなことを指摘しておりますが、かような事実は先ほどのお話の具体的な数字ではないようでありますが、これらの数字のほかに、なおかつ機密費として見られるようなものがあるのでございましようが、その点をお聞きしたいと思います。
○大西証人 ほかにそういうものは絶対にございません。
○柳澤委員 雑誌に発表しておるところによりますと、山本という理事が年間三億円の、四億のという渉外費を使つておるといつたようなことを堂々と書いて発表しておるのでありますが、これらはまつたく無根の事実でございましようか。その点をはつきりいたしたいのであります。
○大西証人 山本理事が渉外費の何億という金を使われておるというようなことは、私は毛頭信じられません。
○柳澤委員 これらのことは証人の御説明によると、まつたく虚構の事実を発表されておるものと思われまするが、そういうように了承してよろしいのでございましようか。
○大西証人 その通りでございます。
○柳澤委員 政治献金の問題についてでありまするが、先ほど来他の委員の御質問に対して、御説明は非常に複雑いたしておりましたが、結論として自由党への献金といいまするか、この百万円という金は、政調会の参與会の会費として出されたというのは、出した方は経営者会議のメンバー全体と了承してよろしいのですか、この事をはつきりしておきたいと思います。
○大西証人 各社それぞれ代表を選びまして、参與会に……。
○柳澤委員 そうしますと、一方社会党から百万円の資金カンパの申入れがあつたというようなことを先ほど申されましたが、これは櫻井副総裁からお聞きしたということでありますが、社会党の申入れというのは、会社自体に対しての申入れであつたのでありましようか。この点をはつきり願いたい。
○大西証人 会社自体にお申込みになつたか、その点は私直接聞いておりませんからはつきりいたしません。今の百万円という数字でございますが、金額の申出はなかつたように聞いております。
○柳澤委員 もう一点お尋ねしたいのです。先ほど総裁辞職に関して、いろいろ御説明がありましたが、総裁の辞職をめぐつて、やはり雑誌等に伝えられておりますること、堂々と印刷して発表されておるところによりますると、八月十二日司令部から見返り資金打切りの通知があつた直後に、三浦義一という人から、司令部は分断に強硬だ。従つて反対運動は見込みがない。大西総裁は辞職しろというようなことを警告されたという記事が載つておるのでありまするが、これはこの三浦義一という人との深いつながりを示唆するものであつて、社会の一般に非常な疑惑を持たせるという点でありますから、かような警告がなされたものであるかどうか、事実の真相をはつきり知りたいと思います。
○大西証人 それは絶対にございません。最近ほとんど会つたことはございません。
○内藤(隆)委員長代理 それでは横田君。
○横田委員 総裁はずいぶんとぼけた答弁をなさいますので、簡單なことからお尋ね申し上げます。まず第一に、古池、田倉、石川、この方々が参議院選挙当時に、二十万円の金を日発からもらつておられます。このうちのだれか名前を忘れましたが、それは本を買うたと言われましたが、この二十万円の本は、本を買う日発の方で、本が必要だつたのか。あるいは候補者が金を必要としておつたのか。この点はどうお考えですか。
○大西証人 日発で本が必要だつたのです。
○横田委員 これはどんな本ですか。
○大西証人 それは私聞いておりませんから、今お答えはできません。
○横田委員 それでは今度見て来て答えてください。 そういたしますと、次のことなんですが、品川白煉瓦会社というものがありますね。そこの社長に青木均一という人がおる。これは今までれんがをこしらえて、日発に納めておられた事実はありますか。
○大西証人 白煉瓦の青木さんは存じておりますし、また白煉瓦の耐火煉瓦は代理店を通じて買つておることは承知しております。
○横田委員 このれんがは現在でも入つておりますか。
○大西証人 現在入つておるかどうかということまでは私存じませんが、買う都度氏名に入つておることだけは入つておるだろうと思います。
○横田委員 もしこれのことを詳しく御存じないのであるならば、品川の白煉瓦関係のことについてたれが一番よく知つておられるのでありますか。
○大西証人 それは私の方では資材部がありまして、資材部長が扱つておりますから……。
○横田委員 名前はどなたですか。
○大西証人 前の資材部長が安藤と申します。昨日でしたか、一昨日でしたか、異動がございまして、今度は安生という方が新しく資材部長になつたというように聞いております。しかし資材部の次長なりたれなりお呼出しになればはつきりすると思います。
○横田委員 時間がないので簡單にしますが、日発の工事関係のことを承ります。大体工事関係のことはどの程度まで御存じですか、たとえば地域的なものは知らない、あるいはそうでないことは知つておる、こういうことから承つておきたいのです。
○大西証人 方針だけは存じております。
○横田委員 そうすると伊丹送電線工事はどういうことですか。
○大西証人 それは伊丹の変電所から姫路までの超高圧の送電線の工事でございます。
○横田委員 その次に進藤という副総裁がございましたね、この進藤さんはどなたですか。
○大西証人 進藤君は前に私の時代に副総裁をやつておられまして、新しく資源庁ができまして、資源庁長官に行かれた方です。
○横田委員 その方は伊丹、姫路までの送電線工事のことに関しまして、何か日発から譴責とか懲罰に当るようなことをやられたことはございませんか。
○大西証人 ちよつと記憶はございません。
○横田委員 記憶がないということは全然ないという意味でもないのですね。
○大西証人 取調べてお答え申し上げます。
○横田委員 そうしますと尼崎の火力発電の復旧工事のことを伺いたいのですが、この当時齋藤支店長の名前が出て、この人が辞任しているのですが、この人はどこの支店長ですか。
○大西証人 近畿支店長です。
○横田委員 これは一体どういうわけで辞任されたのでしようか。
○大西証人 近畿支店の資材関係に不正事件がございまして、当時責任者である支店長として責任をとつて自発的に辞表を出したのであります。
○横田委員 近畿支店の資材課に不正関係があつた。その不正関係とは一体どんなことか御存じですか。もし御存じでなかつたならば、御存じである方はどなたか承つておきたい。
○大西証人 こまかいことは忘れましたが、人事課長が一番よく知つております。
○横田委員 こまかいことは人事課長が御存じですね。
○大西証人 全部一切の関係書類もそこにあろうと思います。
○横田委員 名前はどなたですか。
○大西証人 山崎という人です。
○横田委員 そういたしますと、次は俗に言う岐阜県の丸山発電所、群馬県の岩本発電所、北海道の然別発電所、こういうようなものの工事の進捗状態はどういうふうになつておりますか。あるいは手続その他を承りたい。
○大西証人 丸山につきましては、まだその筋の委員会に出ませんので、今準備工事をやつておる程度であります。工事としては何もやつておりません。岩本、然別につきましては、現在ある程度の工事は進捗中でございます。
○横田委員 大体工事費はどのくらいの予算でやつておりますか。岩本の場合あるいは丸山の場合、然別の場合について承りたい。
○大西証人 大体岩本は二年の予定でやつておると思いますが、丸山は三年ないし四年かかります。
○横田委員 工事費はどのくらいかかります。
○大西証人 丸山は約四十億以上かかるのではないかと思いますが、まだ全然確定しておりませんから、確定の数字ははつきりいたしません。
○横田委員 他は六億ないし七億ですね。
○大西証人 そのほかは大体六、七億程度でございます。
○横田委員 そういたしますと、次に長野県の平岡発電所の工事のことで承りたいのですが、これは一体どういう形で入札されたのですか。
○大西証人 長野県の平岡発電所は大体御承知の通り堰堤が主体の工事でありますので、堰堤関係に経験のある業者を一応指名して、指名競争入札をしております。
○横田委員 富山県の成出も指名入札ですね。
○大西証人 さようでございます。
○横田委員 北海道の久保内の場合は談合入札ですね。
○大西証人 いずれも指名競争入札です。
○横田委員 いずれもですか。それではその点についての工事関係のことは非常に世上とかくのことが言われておるので、詳しく承りたいのですが、どういう人に聞いたらよいのですか。
○大西証人 最近まで土木部長をしておりまして、現在建設局次長をしております平井という人にお聞きくださればよいと思います。
○横田委員 そういたしますと、日発に建設局というものができておりますが、これはいつごろからできたのですか。
○大西証人 建設局をつくりましたのは、近畿電源開発の認証をその筋から得ました当時つくつたように記憶しております。
○横田委員 構成人員はどんな方ですか。
○大西証人 構成人員と申しますと、約十名くらいの各部課から優秀な社員をそこへ集めて、新しい電源工事に関する官庁その他のいろいろ折衝事務をやつておるわけでございます。
○横田委員 運用はどういうふうにやつておりますか。
○大西証人 運用は建設局次長がおりまして、次長が主査をして、そうしてそれぞれ官庁関係、それからG・H・Q関係、電力開発の仕事をやつております。
○横田委員 そういたしますと、次に今度は日発が分断に反対したやつについて、過日の九月二十八日の通産委員会で、あなたは再編成そのものには反対ではないのだ、日本特殊事情をよくのみ込んで、それから再編成をしようと主張しておるのですが、下手な分断をやつては作業に影響を及ぼす、とこういうふうに言つておられますね。日本の特殊事情に応じた分断の再編成をやれ、下手な分断はいけないというのは、一体どういうことが下手なんですか。そうして特殊事情とは一体どんなことなんですか。
○大西証人 日本の特殊事情と申しますと、御承知の通り日本の未開発電源地帶が非常に片寄つておるわけでございます。よい水力地帶は本州中央部、アルプスを中心にした地点に固まつておるわけであります。中国、北海道、九州等は、新しい水力資源が非常に少いわけでございます。ありましても工事が非常に高くつく。こういうふうな関係で、私どもとしてはなるべく小さくしたい。そういう点を十分御理解願うように御説明したわけであります。
○内藤(隆)委員長代理 ちよつと申し上げますが、もうすでにお約束の時間が……。
○横田委員 先にばらばらに言うたので、質問しなくてもよいようになつてしまつたのです。そういたしますと、あなたの御意見のように行かない結果になつたような再編成になるような傾向がある。さようなものに対しては、これはどうもならぬからというので、何か反対運動をやられたようなことはございませんか。
○大西証人 私の方は反対運動を受けたことはございません。ただこういうふうにやればどういう結果になりますから、よくその点をのみ込んで御審議が願いたいということを御説明をして輿論に訴えたわけです。
○横田委員 分断反対のための費用が含まれて、電源地防衞のためのいろいろの活動にまで移つているのではないですか。そういたしますと、この案を出したのは日発のあなたの方ですから、やはり相当反対運動をされたのではないですか。
○大西証人 反対運動という意味における反対運動はやつておりません。
○横田委員 もう一点伺いますが、そういたしますと、日発の資本構成を聞きたいのですが、特に先のことを聞きば長くなりますが、増資が実現した、増資実現後のいわゆる出資者の名前を、おもなるものをおつしやつていただきたいのです。
○大西証人 増資引受者のおもな方と言いますと、実は私記憶がございませんが、大体この東京の大銀行、それから東京にある生命保險会社、そういうところが大株主としてお引受していただいたわけです。
○横田委員 土建屋は出していないのですか。
○大西証人 それは従来の縁故関係で、縁故募集として適当に引受けてもらつております。
○横田委員 縁故関係の人の名前はどんなものですか、あるいは金額……。
○大西証人 こまかいことは私存じませんから、後ほど資料をまた調べまして御報告いたします。
○横田委員 この資料は必ず出してください。
○大西証人 承知いたしました。
○内藤(隆)委員長代理 よいですか、それでは岡君。
○岡(延)委員 三時間にわたる尋問を聞いておりますと、本日の一番のポイントは、自由党にいわゆる献金をしたという百万円のその金の性質がどうであるかという点に帰するのではないかと私は考えます。ところが先ほど、ここに椎熊さんがおればけつこうですが、椎熊さんはこれを政治献金なりと、二、三回そういう言葉を用いられた。これは速記を見れば明らかでありますから、おられなくてもあえて申します。ところが政治献金と言いますと、最近の社会的通念から申しますとスキヤンダル、こういうふうに大体受取つておるのでありまして、これはそういう意味においては私は非常に政治献金なる意味は重大だと思いますので、証人にその点をはつきりしておいてもらいたい。証人は先ほどこれを自由党の政調会の参與となるその会費だとこうおつしやいましたが、あなたはそうお考えになつておりますか。
○大西証人 私はそう考えております。
○岡(延)委員 それから一口幾らであつたか、一年幾らであつたか御記憶ですか。
○大西証人 それはしつかり記憶はございませんが、二万円でしたか、五万円だつたかと思います。
○岡(延)委員 私も実は自由党に所属しておりますが、私は二万円だつたとはつきり承知しております。先ほどあなたは経営者会議に相談いたしまして、そうして二年分あるいは三年分、そうして百万円にとりまとめて会費として納入した。こうおつしやつておられますが、その経営者会議なるもののメンバーは何社でございますか。
○大西証人 十社でございます。
○岡(延)委員 そうすると十社でもつて五年分として納めた。こうなるわけですか。
○大西証人 大体十社でそういうふうな割合になりますが、各社によつてメンバーの数が多少違つていたように記憶しております。 〔内藤(隆)委員長代理退席、委員長着席〕
○岡(延)委員 社によつて違うというのは、すなわちそれは社ではなく、加盟という語弊がありますが、要するにそのメンバーが社ではない個人であつた。そういうことを意味しますか。
○大西証人 社を代表してやつたわけではなくて、経営者会議で各自が相談をいたしまして、そうして各社で代表をそれぞれ推薦したわけです。
○岡(延)委員 そこでこの参與というものは先ほどあなたも申されましたが、自由党の政策に共鳴をして、そうしてまたあわよくばその自由党の政策の推進までやつてやろう。こういう意味においてできたのが参與制度であつて、その後においても、あなたは先ほど一番最初の会合で、すなわち自由党の総裁といいますか、政調会の会長といいますか、そういう方からその趣旨の御相談を受けたことをお話になりましたが、これは参與すなわち党員でございますので、その後においても総理官邸において、政策の浸透、あるいはまた党といたしましては、経済人から專門的知識を吸收したいという意味において、二、三回の会合を持つて、将来は分科会までやつて、お互いに研究して行こう、こういうことをやつたのでありますが、そのことを御存じですか。
○大西証人 そういう話を受けたこともございましたが、私はいそがしくて出なかつたことが多いと思います。
○岡(延)委員 あなたはそのことも御存じでありますが、もう一度最後にはつきりお伺いしておきますが、要するにこれはいわゆる自由党の政治献金にあらずして、参與会の会費であつたということをはつきり確認されるわけなのですか。
○大西証人 その通りでございます。
○岡田(春)委員 それでは簡單にお尋ねいたしますが、今岡君の質問でお話があつたのですが、参與会費として金を出されたと言いますが、日発としては幾らお出しになりましたか。
○大西証人 日発としては代表三名でございましたので、金額にいたしまして十五万円かそこらになるのじやないかと思いますが、しつかり記憶がございません。調べまして御返事します。
○岡田(春)委員 代表三名の名前を伺いたい。
○大西証人 それは私と副総裁の櫻井と矢萩、たしかその三名だつたろうと記憶しております。
○岡田(春)委員 それじやそのお出しになつた金の、日発からの経費の費目はどこからお出しになつておりますか。
○大西証人 それは私ども経営者会議の費用として、各社それぞれの資本金その他に応じまして経営者会議の費用を分担しておるわけであります。その経営者会議の費用から出したわけであります。
○岡田(春)委員 それでは経営者会議の費用はどういう費用でありますか。
○大西証人 経営者会議の費用は、おそらく事業者関係負担金となつておると思います。経営者会議の費用、あるいは電気協会の会費、資材協議会の費用というようなものは……。
○岡田(春)委員 それじやお出しになつた日にちは大体いつごろでありますか。
○大西証人 しつかり日にちは記憶がございません。多分七、八月ごろじやなかつたかと思います。
○岡田(春)委員 じやあ六月に御相談があつて、七、八月にお出しになつた。こういうことに解釈してよろしゆうございますか。——それからもう一つ、先ほどあなたの証言の中で、総理官邸における会議の席で、櫻井副総裁から話を受けた。こういうお話があつたようですが、その櫻井副総裁に話があつた相手の人はどなたであつたか御記憶はありませんか。
○大西証人 総理官邸で櫻井にお話があつたわけではございません。そのとき参與会の計画の御説明がございまして、その後事務局の方が申込用紙を櫻井のところへ持つて来られた。
○岡田(春)委員 それは大体いつごろですか。それからその事務局の方というのはどなたであるか、もし御記憶があればお知らせ願いたい。
○大西証人 その事務局の方はどなたであつたかということは、私ちよつと記憶がございません。たしか事務局から書類を持つておいでになつた。その書類は私は櫻井から見ました。
○岡田(春)委員 それでは自由党の参與会に対して支出されました金の期日、並びに御相談のありました期日もお調べになればわかるはずでありますから、この点あとで資料として提出を願いたいと思います。 それから続いて機密費関係のお話があつたのでありますが、この機密費関係のお話は、ちよつとわれわれの調べておるところと数字的に違うようでありますが、あなたは先ほどお話のときに読み間違いか何かされておるんじやありませんか。
○大西証人 雑費としてはそれに間違いないと思いますが、もしその数字がございましてあれでしたら、お示し願いたいと思います。
○岡田(春)委員 じやおいおい出して参りたいと思いますが、秘書課扱いは渉外関係だというお話でしたが、渉外関係は具体的にどういうようにお使いになつておるか、その点をお話願いたい。
○大西証人 こまかい内容は私今記憶はございませんが、しかし大体として電気事業は全国にまたがつておりまして、事業の性質上司令部の方々、経済科学局のみならず、天然資源局、あるいは労働問題に対してのレーバー・セクシヨンの方々、こういう方々が地方の発電所なり各支店へ御出張なさいまして、いろいろ指導をしていただいておる。そういう場合の費用を支店は本店の方へつけ出して参ります。それを支拂つておるのでございます。
○岡田(春)委員 私は非常に不審に思うのですが、渉外関係は秘書課扱いとして、これは一定の費目で支出をしておる。ところがさつきからあなたのお話を伺つておると、役所関係の経費は、今と同様に現場その他に、役所関係の人がやはり特に日発の新しい工事なんかの関係で行く場合が多いだろうと思うのでありますが、その経費は全然費目として出ておらない。それでは一体どういう費目から官庁関係はお出しになつておるか、この点具体的にお伺いいたしたいと思います。
○大西証人 それはおそらく各支店の雑費で出ていると思います。
○岡田(春)委員 本店の方では従来役所とは全然お会いになつたこともないし、そういうことはないわけですね。
○大西証人 絶対に会つたことも何したこともないとは申しておりません。そういう費目は先ほども申しましたように、総務課の方の扱いの雑費の中に入つておる、かように申し上げたように記憶しております。
○岡田(春)委員 それは総務課の方の扱いの経費の中で扱つているというお話でありましたが、ここで私は具体的にあなたの数字の点についてお話したいと思うのです。先ほどのあなたの証言によると、昭和二十四年では総務課扱いとして千八百六十八万円、二十五年度分として四百三十七万円、こういうように言われたと思うのですが、これは総務課扱いとしてどういう経費として使われたのですか。これは役所に関係する経費なんですか、どうなんですか。
○大西証人 それは全部役所に関係するものではございません。私の方は御承知のようにあれだけの大きな事業を持つておりますので、いろいろな研究あるいは委員会というものを持ちまして、それらの食事代であるとか、あるいは会合費というようなものを全部それで支出いたしております。地方から上京して陳情に来られる方々の御接待もしなければなりませんし、株主各位の御案内もいろいろしなければならない。そういうものが全部含んであります。
○岡田(春)委員 先ほどのあなたの証言では、千八百六十八万円、この関係は総務課の扱い分として各支店関係に出しているのだ、こういうようにお話になつていらつしやるのじやないですか。
○大西証人 それがもし速記にそうなつておりましたら間違いです。私はそう申したとは思つておりません。
○岡田(春)委員 それではこの点はあとで速記を調べて具体的にお話したいと思うのですが、大体われわれの調べている関係では、総務課扱いが三つにわかれている。総務課扱いのなかで社用雑費と言われる、あなたのいわゆる役所関係の経費だろうと考えられるものは、二十四年度分として千五百八十八万円、ところが労務対策費では、先ほどあなたの言われた関係の労務対策費の千九百万円、それからもう一つ八百万円ばかりの金があるわけであります。こういうような数字になつて参りますと、先ほどあなたのお話になつた労務対策費の経費というものはこの費目から出されたのではないのですか、どうですか。
○大西証人 それは総務課扱いとなつております金額の別に出したわけです。これは先ほども申しましたように、この問題は非常に秘密にやりたいというような意味において、全然別にいたしておつたわけでございます。
○篠田委員長 岡田君に御注意申し上げます。お約束の時間が過ぎましたから簡單にお願いします。
○岡田(春)委員 この点もう少し私はやつて行きたいのですが、時間がありませんから……。この経理の担当者は一体だれでありますか。
○大西証人 経理部長です。水岡と申します。
○岡田(春)委員 この点だけ私は申し上げて次に参りますが、先ほどあなたのお話の電気事業経営者会議の経費は、総務課扱いの経費として八百三十五万円二十四年度に出ている。おそらくこの中からお出しになつておるはずです。この点さつきから伺つて参ろうと思つておりましたが、あなたはおわかりにならないようでありますから、こつちの方で調べたことが事実かどうか、もう一度確認しておきたいと思います。それから続いて先ほど辞任の経緯についてあなたがお話になりました。大体功なり遂げてやめたのであるという意味の証言があつたと思いますが、これに間違いはありませんか、どうですか。
○大西証人 私はやめるべき一番いい時期だと思つてやめたのです。
○岡田(春)委員 大分時間も経過いたしましたが、この点の関係で重要な点が一、二残つておりますからお伺いしたい。先ほどやめるべき時期というのは見返り資金とかそういう点で功なり遂げて云々とおつしやいましたが、櫻井副総裁もそういう心境のもとに御一緒にやめられたのですか、どうですか。
○大西証人 櫻井のことは私はわかりません。しかし先生としてもやめるべき時期だと思つていたのだろうと思います。
○岡田(春)委員 大西さんがそこまで証言をされるのではうそではないと私は信じているのです。特に今の言葉で私はそういうふうに信じておりますし、特に証言をされておりますし、特に証言をされておりますから、今までのことはうそでないと思います。先ほど九月六日に勧告があつたというお話がありましたが、特にこれに関連してあなた自身の口から九月二十八日の通産委員会で功なり遂げてやめたとか、そういうような時期であるからやめたということを一言も言つておられない。大西総裁はどう言つているかというと——読んであなたに聞かせてあげたいと思います。私ども通産大臣から辞職の勧告を受けましたとき、いろいろ考えましたけれども、私どもは政府から任命されたものであり、主管大臣からそういうお話があつたということを考えまして、私どもがやめることによつて電気事業云々がというような意味でやめたのである。この前に横尾国務大臣が答弁をいたしておりますが、正副総裁に私が勧告をなしましたことについてお話をいたします。私は正副総裁は再編成に対し多少御異論があるということを承つておつたのであります。今回われわれが議会に提出しようと考えておりまする再編成の方式は、これは正副総裁の方々には、全部とは言えぬけれども、ある程度の御反対があるように考えられるのでございます。しばらく飛んで私が申し上げることで御納得ができたならば、この際やめていただきたい、——やめられてはどうですかということをお話したのであります。幸いに私の心中をくんで御同意を得たのであります。かように言つております。これに答えてあなた自身が先ほど言つたように、辞職の勧告を受けてやめたと言つておる。これは先ほどの証言とまつたく食い違うとわれわれは解釈せざるを得ない。この点もう少しはつきりと辞職の経緯についてお話願いたい。
○大西証人 私はただきようは心境はと言われましたから、そう申し上げたのですが、当時辞職の経緯はどうかという御質問だつたから経過だけをお話申し上げたのが、今お読みになつたものだと思います。
○岡田(春)委員 それではここでもう一つ承つておきますが、先ほど椎熊君から質問があつたように、このような形で事実横尾通産大臣からやめろという勧告を受けた。言葉をかえていえば、詰め腹を切らされてやめたということです。これは先ほどあなたが証言を求められたときにそういう事実はないとかようにお話になつて、この点についての証言にはつきりした食い違いが出ているということが一つ。もう一つは、この辞職の前後においてあなた自身がほかの人から、九月六日に勧告を受ける前にやめたらどうだという勧告を受けた事実はありますか、どうですか。
○大西証人 勧告を受けた事実は絶対にございません。私は今度のことは、実際突然聞いたのであります。この前夜新聞社の方が来られまして、こういうような話があるが、お前たち知つているかということを聞いたのであります。それから御承知のように勧告を受ける前にあれが新聞に発表されたという経緯になつております。
○岡田(春)委員 詰め腹の問題は……。
○大西証人 全然そういう詰め腹式の問題はなかつたわけであります。
○岡田(春)委員 これで終ります。詰め腹でないと言われても、これは詰め腹であることは事実なんだが、三浦義一という人にお会いになつたことがあるかどうか。もう一つは九月三日に箱根であなた自身が詰め腹を切らされる、そういう相談が行われたと伝えられておるが、こういうことを聞いたか。この二つだけ……。
○大西証人 三浦君は櫻井君の友人でありまして、私も櫻井君の紹介で数回お会いしたことがあります。今の九月三日に詰め腹相談があつたというようなことは私毛頭存じません。
○篠田委員長 次に福田君。
○福田(一)委員 簡單に二、三御質問申し上げます。先ほどから証人は電気事業経営者会議の費用から何か献金をされたというお話があるのであります。私たちはこの電気事業経営者会議というのは、そういう意味のためにつくられておるものかどうか、どういう目的でどういう構成でつくられておるかということを、ひとつよく承りたいのであります。
○大西証人 御説明申し上げます。実はこの経営者会議の前身は首脳者の団体と申しておりまして、二十年の暮れ電産争議が勃発いたしました当時、各社の社長が集まつて、いろいろその対策を協議されましたが、その後経営者会議と名前をかえまして、電気事業全般に関する相談をそこでいろいろする。御承知のように需給の関係とか、あるいは料金問題とかいうようなこともそこでいろいろやります。それから各般の事業の調査、そういうようなものも下部機構でもつてやつておる一方、電産の方に対する対策などのおもな問題もそこでいたします。構成は発送電の正副総裁と各配電会社の社長がこれに入つております。
○福田(一)委員 もう一点お伺いいたしますが、日発は石炭購入のためにある種の予算を持つておられると思つておりますが、昨年は豊水期であつて、たいへん石炭がいらなくて、この石炭購入費というものは余つた、そういうふうに聞いております。その余つた金を何か流用しておるのではないかというようなことも伝えられておるのでありますが、昨年余つたとしたならば、どれくらいの金が、いわゆる火力をたかないで済んだために余つたか、また余つた金は社内においてその後どういうふうに使われておつたかということをひとつお伺いいたします。
○大西証人 正確な数字の記憶はございませんが、約四億強だつたと存じております。それでそれは石炭準備金として積立てをいたしました。それでその後それはどういうふうに流用されておるかということは、御承知のように、この四月から出るべき二十五年度の見返り資金が出ない、それがために工事を中止することも、今の日本の国情でできない、どうしても続行いたしたい、かように考えまして、私やめます当時までに見返り資金を使いましたのが約六十九億ばかり、現在なお十一億余り残つておりまして、それで一方発送電のただいま申しましたような石炭準備金とか、あるいは積立金その他の金額、それに社債を発行しましたりいろいろして、約三十一億ばかりを今現在見返り資金工事に立てかえをいたしておるわけでございます。
○福田(一)委員 もう一点お伺いいたしますが、日発が非常に電力再編成の問題で反対運動をされたということも伝えられておるが、これに関連して土建業者がまた同じような動きをしたということが伝えられております。そこでお伺いをしたいのですが、一体今までの日発の発電所の工事あるいはまた今度の見返り資金による発電所の工事、こういうようなことをおやりになる場合に、請負業者をどういうふうにして選定されて、そしていかなる工区をだれにやらせるというような指名の問題、こういうものは個々の名前をお覚えになつておられないでも、日発としての一つの方針があるだろうと思います。その方針がはたして私はまがりなく行われておつたかどうか、何か別途の力が加つて、この請負がなされたということはあるかどうか、こういう点について、請負をさせるやり方、指名をさせるやり方、またその後実際に指名された人たちが談合をしたような事実があるかどうか、そういうことをお聞きになつておるかどうか、この点を明瞭にしていただきたいと思います。
○大西証人 お答えいたします。指名の方法でございますが、これは大体従来発送電に出入りしておりましたのを主にいたしまして、今度の電源開発につきましては、非常に各方面からの業者の希望もございますし、従来通りの範囲でやつては、またとかくのうわさが立てられるというようなことで、最初は実は、この請負をどうしてやるかということについて、非常に私自身悩みました。それで実は司令部へ参りまして、今度の電源開発工事はどうしてやつたらいいだろうか、特名でやれば、会社が一番信用する人間に工事をさせられる、しかし特名でやらした場合には、なぜ特名にしたかというようなことについて、非常にまたいろいろ問題が出る。公入札にすればあるいは全然力のないものが、落す場合もある。そうすると工事自体に支障を来すというので、一体どうしてやつたらいいか、司令部としてどういうようなお考えをお持ちだろうかということを、私は総司令部の方に御相談をして、御意見を伺つたわけです。ところがそれはお前の言う通りで、どちらにしてもなかなかむずかしいのだ、そこでお前が従来やつておつた、最もいいと思う方法でやるよりほかにしようがないじやないか、こういうお話がございましたので、従来から発送電で行われておりました五名ないし七名の指名競争入札、こういう方法をとることにいたしました。それでその指名をいたします場合には、それぞれ私の方は九つの支店がございますので、全国の支店長からその地方の状況その他を勘案して、大体これこれを指名に入れてもらいたいという候補者を推薦いたして参りました。それで本店におきましても、また本店独自の見解で指名者の予定いたしまして、業務部長と経理部長とで、その支店の推薦を主体にして、指名者を決定したようなわけでございます。そういうようなわけでございまして、今の談合されたかどうかということは、これは私ども全然わかりません。しかし決して私は会社の予算をそれがために減すとか、あるいは今の一割をとるために余分にやつたというようなことは毛頭ないということは、会社のいろいろの請負の見積り、経過、処理あるいは予算等をお調べ願えればはつきりわかると思います。
○福田(一)委員 もう一点だけお伺いいたしますが、総務課の経費になつておるか、あるいは渉外関係か——渉外ではなくて総務課の経費かと思いますけれども、たとえば工事をやるような場合にあたりまして、水利権の問題で非常に問題が起き、そうするとそのために人が陳情に上京して来る、あるいはまた今度は土地の買收の問題で陳情に出て来るというような場合があると、そういう場合には何か——証人もちよつとそういうことにお触れになつたかと思うのでありますが、日発でそういう人たちの経費も若干はみなければならぬような場合があるらしい、こういうふうに聞いておるのですが、私たちから考えると、陳情に来るというのは、向うがかつてに陳情に来るので、何もそれをめんどうをみなければならないというようなことはないと思いますが、これについてはどういうお考えであるか。またこれは今までずつとやつておられたのかどうか。またそういう経費は相当多額なものかどうかということをひとつお伺いしたいと思いま
○大西証人 福田委員の御質問、ごもつとものような点もございますが、陳情は向うがかつてに来るのだということは、これはそう解釈もできましようけれども、実に遠いところから大勢の方がおいでくださいましてその間お晝になればお晝も差上げる、またお宿のお世話もする。というのは、御承知のように電源開発工事は、工事に着手いたしまして、あと、地元の協力がなくてはなかなか円満に遂行しにくいものです。ですから、地元の方々が電源開発工事に非常な好意を持つて、精神的にもいろいろ御援助くださるということは、これは会社側としてぜひ望ましいことだ。そういうような意味において、そうべらぼうなことはしませんが、お晝が来れば食事を差上げるというようなことはやつておつたのではないかと私は考えております。それで今お話のようにそういう費用の額の点でございますが、これはどのぐらいになるかということは私ちよつと今記憶がございませんが、しかし地元に参りまして補償、住宅の立退き、その他の協議を連日にわたつていたしますような場合には、ある程度の費用を使つておるのではないかと想像いたします。
○坂本(泰)委員 同僚猪俣議員からもまだ三分の一程度であるし、私も工事関係について聞きたいのですが時間がありませんから、理事会にお話をしてもう一ぺん出てもらうことにいたしまして、きよう問題に出ました百万円の問題で一点だけ聞きたい。この百万円の問題は、経営者協議会の貯蓄あるいはためていた金から百万円出されたのか。それとも、かような話があつて、この協議会の会員から、先ほどの話のように十社五年分というような割合で寄せ集めて出されたのか、その点ひとつお聞きしたい。
○大西証人 しつかり記憶がございませんが、多分経営者協議会の費用の中から出したと記憶しております。
○坂本(泰)委員 その費用を今までためておいてそれから出されたもので、新たに集めて出したのではない、そういう意味に了承してよいのですか。
○大西証人 それがために集めたわけではないように記憶いたしております。
○梨木委員 今年の六月ですか、首相官邸に呼ばれて、自由党の幹部の方々から、参與になつてもらいたいというのでいろいろ説明があつたということの先ほど証言がありましたが、そのとき日発からおいでになつた方々は、あなたのほかにどなたがおいでになつたのですか。
○大西証人 私一人でございます。
○梨木委員 そのとき、参與というものが新しくできたので、それになつてもらいたいという話があつたのか、それとも今まで参與というものはあつたのであるが、これになつてもらいたい、こういう申入れであつたのか、それはどちらですか。
○大西証人 その点記憶がございませんが、多分今度新たにそういうものをつくるについて、各産業界の御協力を得たい。こういうふうにお話があつたように記憶いたしております。
○梨木委員 その参與というのはどういう仕事をすることになつておるとあなたはお聞きになつたのですか。その参與の任務です。
○大西証人 それは参與会の規則書のようなものがございましたし、いろいろ事業を政調会で今後御計画になるについて、各産業の意見を聞き、いろいろそれを取入れる、それについて政府に協力してもらいたい。こういうふうな趣旨のように記憶いたしております。
○梨木委員 その参與というのは、そうすると、自由党の役員の一種になることになるわけでしようか。
○大西証人 その点は私どうも自分が発意したのではございませんから、どういう種類のものになるかということは、ちよつと御返答いたしかねます。
○梨木委員 そうするとあなたは参與というものはどういうことをするのかはつきりわかつておらなかつたわけですね。そういうふうに承つてよろしいわけですね。
○大西証人 何もはつきり知らないというのは、それは最初の発会のときでありまして、その後種々趣意書、規則書というようなものがまわつて参りまして、そうしてその性格は承知いたしておるわけであります。
○梨木委員 そうしますと、あとで参與に関する規則書のようなものを送られて来て、参與というものはどういうものかを理解した。こういうふうに承つてよろしいのでありましようか。そうだとするならば、そのときあなたは規則書にどう書いてあつたか、それを覚えておられるなら、ここで証言してもらいたい。
○大西証人 今記憶いたしておりません。もし何でしたら、その書類はおそらくどこかにあると思ますので、また調べまして御返答申し上げます。
○梨木委員 そうすると、その参與には主として産業界の方々がなるというのですか、それとも自由党の中でやはり相当経歴のある方々が一つの基準があつて、それになることになつておるのか、それをあなたはどういうふうに理解されておりますか。
○大西証人 そのときお集まりになつていたのは経済界の方々ばかりでして、別に党の方はお集まりになつていなかつたのですから、私はそういう党員の方が参與におなりになるとは想像いたしませんでした。
○梨木委員 そうすると、あなた方は参與に就任を承諾されたということで自由党に入つたことになるのですか、ならないのですか。
○大西証人 それは私は入党したという気持ではありません。ただ主義、政策に御後援できればという意味の軽い気持であつたのであります。
○梨木委員 そこでお伺いいたしますが、昨年、つまりあなた方が首相官邸へ呼ばれてその参與の話があつた当時、自由党としては電力再編成の問題につきましてどういうような政策をとつておつたか。あなたはその当時自由党の政策として理解しておつたことをここで述べていただきたい。
○大西証人 再編成問題の具体的案ができましたのはこの年に入つてからでございますから、当時はまだおそらく持つてはおりましても的確な案はお持ちでなかつたろうと思います。従いまして自由党がどういう御案をお持ちになつていたかということは私一向に存じません。
○梨木委員 それではその当日自由党の政策の御説明があつたということでございますが、もちろんそこではその説明の中から自由党がおそらく電力再編成問題についてとるであろうという一つの方向というものは理解されただろうと思うのでありますが、それをひとつ御説明願いたい。
○大西証人 当時はそういう問題は一つも取上げておられませんでした。ですから何にもそういう特殊な費目をあげてどうこうということはございませんでした。
○梨木委員 自由党は企業の自由なる経営のもとに経済をやつて行くという、いわゆる自由主義的経済を党の基本的な政策にしておるということはあなたは御承知ですが。
○大西証人 党のそういう政策その他についてはそんなにはつきりは知りませんが、今お説のような大体意向ではないかと御想像は、いたしております。
○梨木委員 そういたしますと、あなたは先ほど電力の再編問題につきましては、現状維持つまり現状といえば、電力について国家管理を現在やつておるわけでありますが、この現状維持という政策を支持しておる。大体そういう方針でおつたとおつしやつたのでありますが、そのあなたが自由党の主義、政策に共鳴されて、多額の会費まで拂つてお入りになるというのは、少し理解できがたいところがあるのですが、そこのところの御説明を願いたい。
○大西証人 決して私の主張と自由主義と違つているわけではございませんので、私どもとしても現状そのままを主張しているわけではないのでございます。現在のような電力国家管理法だとか、発送電会社法だとか、そういう統制的規則は廃止して、自由な会社として活躍のできるような組織にして参りたいということを考えておるわけでございますから、そこに大きな違いはないと思うのであります。
○梨木委員 電気事業経営者会議と言われたように思つておるのでありますが、この百万円の会費というのは——あなたは会費とおつしやるのですから会費としておきますが、この会費というのは電力経営者会議が出したのですか。それとも経営者会議に入つておる各メンバーが出したことになるのですか、どちらですか。
○大西証人 先ほど申しましたように経営者会議の費用の中からそれを支出したように私は記憶しておるわけでございます。
○梨木委員 ところであなたの方からは、日発の方からは三人が参與になることを承諾したということでありましたが、それは日発を代表して参與になることを承諾されたことになるわけですか。
○大西証人 別に日発を代表したともせぬとも、そういうようなむずかしいことを考えずに、われわれは電気事業経営者会議で皆さんと御相談して、各社でそれぞれ代表メンバーを出して、お受けしようじやないかということで、そういうことは深く考えておりませんでした。
○篠田委員長 梨木君にちよつと御注意申し上げます。大分時間は経過しております。それに同じ質問を何べんやつても答えは一つであろうと思いますから、ごお簡單にあと一つだけ御質問していただきたいと思います。
○梨木委員 ところがあなたは個人だとか会社を代表するとか、そういうことを嚴密に考えなかつたとおつしやいますが、個人が自由党の参與に就任したものなら個人として会費を出さなければならない。日発を代表して入つたものならば日発からその会費が出るということになるのでありますから、非常に違うのであります。従つてこの点についてはどちらだかそう嚴密に考えなかつたということはきわめて無責任だと思うのでありますが、もう一度そこのところをはつきりと、個人として入られたものなら個人として拂わなければならない。日発を代表して入つたものなら日発が拂う、そういうことになるのでありますが、そこのところはどういうことになりますか。
○大西証人 先ほど申し上げましたように、経営者会議で皆が相談をして、それでは代表を出して入ろうじやないかということでありまして、経営者会議の費用でそれを負担するという決議をして、経営者会議から出したわけでございます。
○篠田委員長 もう時間は経過しております。
○梨木委員 それではもう少しほかの質問を少し……。
○篠田委員長 もう少しと言つても、各委員とのお約束によつてきまつておるので、あなたは大分経過しておりますから……。それならもう少しと言わないで、一つだけやつてください。
○梨木委員 ほかの委員は十五分やつた人があるんだから……。
○篠田委員長 そんなことはありません。うしろで時計を持つてはかつておりますから。簡單に一つやつてください。
○梨木委員 富山に成出という発電所の建設工事をやつておるのを御承知でございますか。
○大西証人 承知いたしております。
○梨木委員 いつ成出の発電所の建設工事が起工されたのでありましようか。
○大西証人 起工されました日は、しつかり覚えはございませんが、大分前でございます。
○梨木委員 戰争前でございませんか。
○大西証人 戰前からかどうかちよつと記憶がございません。
○梨木委員 じや、こういうふうに伺いましよう。戰争前に着工しまして、一時中止しておつて、今度見返り資金が出るようになつて再び工事を再開したというぐあいに御理解になつておられませんですか。
○大西証人 その通りでございます。終戰と同時に中止をいたしまして、そうして今度再開をしたというのが数箇所あるわけでございます。
○梨木委員 その点につきまして工事を再開すると同時に、建設工事ではどの程度に竣工しておつたかおわかりでございましようか。
○大西証人 それは的確な数字は記憶がございませんが、約四分前後できていたのではないかと思います。
○梨木委員 その点について一番よくわかる人はどなたでしようか。
○大西証人 先ほども申しましたように、この請負関係、土木に関するのは、土木部長が一番よく知つております。
○梨木委員 現在の建設……。
○大西証人 建設局次長平井と申します。
○梨木委員 終ります。
○篠田委員長 小松君。
○小松委員 簡單にお尋ねいたします。この電力再編成問題が起りましてから、あなたの方の会社が中心となつてこの再編成を阻止するために運動を非常に活発にされたようでありますが、その阻止運動はどういう運動をされたか、具体的にひとつお話を願いたい。
○大西証人 私どもが阻止運動というような意味合いでこれをやつておつたわけではないのでありまして、先ほども申しましたように、電気事業というのは非常に現在複雑でありますので、これをむりな再編成をされました場合には他産業に與える影響が非常に大きい。せつかく復興途上に来た産業に影響を與えるのも遺憾である。よく現在の実情を把握していただきたいという運動に主力を注いだわけでございます。従いまして現在の電気事業の実情というものをパンフレツト、書類その他でもつて各位にお配りをし、またその説明会を催したり、また書いたものでごらん願つてもなかなかおわかりが願えないので、御承知の日発の東京本店には中央指令所がございまして、全国をそこで電話一本で指令して日々時時刻々のロードの変化を操作いたしております。それを一目でわかるように電燈がついてはつきりわかるような組織がございますので、それを方々の方々に御案内をし、そうしてその実際のものについて電気というものの御理解を願うというような運動に主力を注いだわけでございます。
○小松委員 さような説明会は何回ぐらいお催しになりましたのですか。
○大西証人 それはもう数は記憶がございません。相当何回もやつております。
○小松委員 さような説明会のほかに政界方面に対していろいろこの問題に対しての陳情をなさつたことがございますか。もしあるならば、どういう方面にそういう陳情をなさつたか。
○大西証人 私ども政界各方面に陳情というようなことはいたしませんが、しかし国会の皆様方にもそういう資料をお送りして、そうして十分御研究の上御審議をお願いしたいというような意味で書類を皆様にお送りしたことはございます。
○小松委員 さような費用はどのくらいお使いになつておりますか。おわかりでしたら……。
○大西証人 その金額はただいま記憶がございません。相当の金額に上つておると思います。印刷物その他……。
○小松委員 約どのくらいであるか御記憶はございませんか。
○大西証人 今ちよつと記憶はございません。
○小松委員 なおお尋ねしたいのでありまするが、あなた方のいろいろ説明会というお話がありましたが、われわれは反対運動とこれを聞いておるのでありますが、そのためにいろいろあなたの方で政界に金をばらまかれたということで、われわれ政界人は非常な迷惑をしておるのであります。事実そういうことはなかつただろうと思いまするけれども、さようなことがあつてはたいへんなことでありまするので、念のために私どもはお伺いしたいのでありまするが、政界の人にこういうことについての金を出したのでなくして、そのほかのことで金を出したというようなことはございませんか。
○大西証人 政界の方に金を出したというようなことは私自身はございませんし、また社員からも聞いてはおりません。
○小松委員 あなた自身でなく、会社でそういうような金を出したことは絶対にないか。あるいはまた政界人に直接でなく、だれかを通じて金を出したことはないか。
○大西証人 そういう金を出したことはないと私は信じております。
○小松委員 さように承つておきますが、先ほど来いろいろ問題になつております自由党の参與の会費百万円の問題でありますが、これはよく事情がわかつたのでありますが、先ほど来承つておりますと、自由党の方のお話によりますと、この参與は党員であるという話である。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)いや、岡君が言つた。速記録を見てごらんなさい。(「党員じやない」「速記録に載つておらぬ」と呼ぶ者あり)いや、私は党員だと聞いた。党員でなくても、党員に準ずる扱いのものだと思う。しからばあなた方個人が参與ならばよろしいが、よしんば個人が参與であつても、そのお金が日発なり各配電なりの費用から出ておる。そうしてその金が会費として納まつておる以上は、個人が参與であつても、即日発なり配電会社なりが参與であるということに私は解されると思う。そういたしますと、日発なり配電のごとき公共企業体が一政党の准党員であり、かような一党一派に偏するような行為をしてよろしいか、この点を伺いたい。
○大西証人 今おつしやるように一党一派に偏するというような強い意味のものではないと私は信じております。
○小松委員 強い意味でないとおつしやるけれども、さように解されるのであります。 なおお伺いしたいのは、この参與になるについては、自由党の主義政策に御協力する意味であるといろいろお話があつたけれども、現にあなた方が反対しておるところの電力再編成を断行しようとしておる自由党の政策にあなた方は共鳴されたのですか。それに協力しようとして……。
○大西証人 当時、先ほども言いましたように、各党とも再編成に対する何らの案をお持ちになつていなかつたと私は存じております。従いまして最初からそれを承知でやつたのかというお話は、当時党の再編成に対する御方針というものをはつきり存じておりません。またおそらく当時はなかつたろうと思つております。
○小松委員 現在あなた方は自由党参與であつて、自由党の政策に協力しようという意味においての参與である。しからばこの電力分割案を自由党の政策によつて推進しようとするか、あるいはこれを阻止しようとするか、どういうお考えですか、最近のあなたのお考えは……。
○大西証人 私は電気事業人でありますから、電気事業のためにいい法案であれば御賛成をいたしますし、悪いような法案であれば、でき得る限りいい法案にいたすべく努力を拂うことは、今でも惜しまないつもりであります。それがために参與であつて悪いということであれば、参與をやめさしていただいてでもやるよりほかにしかたがない、かように考えております。
○篠田委員長 小松委員に御注意申し上げます。時間が過ぎましたから簡單に願います。
○小松委員 それではこの参與の会費というのは、私は自由党の党則は知らないのですけれども、明年またその会費を納めるべき時期が来たらあなた方はその会費をまたお納めになるのですか。二、三年分を前拂いしてあるのですか。
○大西証人 二、三年分前拂いしてあると記憶しております。
○小松委員 なお重ねて伺いたいのですが、経営協議会のメンバーは何人ですか。
○大西証人 全部で十一人でございます。その下にいろいろな部局がございまして、下部機構を持つておるわけです。
○小松委員 十一人ですか。
○大西証人 さようでございます。
○小松委員 委員長、過般の事務局の報告によると、十五社というような話があつたのですが、これはひとつよくお調べを願いたいと思います。
○篠田委員長 承知しました。
○小松委員 それから時間がありませんからお尋ねを進めますが、あなた方の会社では、官庁と同じように、本店と支店との間は予算制度で扱つておるというようなことを聞いておりますが、さような制度になつておりますか。
○篠田委員長 ちよつと今小松委員の御質問、事務局でわかつておりますからお知らせします。構成各社は十社だそうであります。但し日発から正副総裁が出ておるため、十一人というようなことになつておるようでありますが、自由党の参與になつておられる電力関係の人は十五人だそうであります。
○小松委員 十五口ではありませんか。
○篠田委員長 口は一人で何口でも持てるのですから、十五口ということはないのです。十五人の人が口を持つているわけです。 それでは時間が経過しましたからどうですか。
○小松委員 予算制度の問題を……。
○大西証人 お説のように予算を組みまして、各支店はそれを元にしてやるわけでございます。しかし私の方は決して余つたからそれを年度内に流用するとかいうことは決してありません。必ずそれの決算をしてはつきり收支をつけることになつております。
○小松委員 先ほどどなたかのお尋ねに、尼崎の発電所の不正事件のことがあつたのでありますが、この工事は総額どのくらいの工事で、そして不正はどのくらいの額があつたか、これをちよつと……。
○大西証人 尼崎の復旧工事は金額はしつかり記憶はございませんが、当時一億数千万であつたろうと思います。それから今の資材課の不正行為と申しますのは、これは別に会社の品物をどうこうしたとか何とかいうことでなくして、出入りの商人からいろいろに收賄的の行為があつたということが摘発されたわけであります。
○小松委員 不正行為というのは尼崎の資材購入に対しまして、業者と談合した。その不正行為ではなかつたのですか。
○大西証人 それは尼崎のみに限つたわけではございません。近畿支店全部の資材関係の問題であります。
○小松委員 收賄関係だけですか、工事に対する業者との談合ではないのですか。
○大西証人 業者との間に談合があつたという話は聞いておりません。しかし明細な記憶は私今持つておりませんから、関係の部課長にその内容を取調べさせまして、必要があればお知らせします。
○篠田委員長 小松君にちよつと御注意します。大分時間が延びておりますから……。
○小松委員 一点だけ、工事請負等に対しまして、工事人の推薦にあたりまして、三浦義一という方からいろいろ工事人の推薦があつたということはございませんか。
○大西証人 そういうことはございません。私の方はいずれもその業者の経歴、見積り、願書、そういうようなものを出させまして、その内容を検討し、そうして各支店の推薦を根拠にして請負人を決定いたしております。
○篠田委員長 これにて本日の大西証人に対する尋問は終了いたしました。証人には長時間にわたつて御苦労でした。 明日は午後一時から高井証人の証言を求めることになつておりますが、さらに先刻の理事会の申合せによりまして、明日正午から理事会を開いて今後本委員会に出頭を要求すべき証人及びその日程等について御協議をいたしたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十七分散会