考査特別委員会 第8号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1950/09/19
会議録
○篠田委員長 これより会議を始めます。 この際お諮りいたします。昨日の委員会におきまして、不正入出国並びに密貿易問題について、二十一日光田健輔君外三名、二十二日間林潔君外三名、二十五日長谷川信蔵君外三名、合計十二名の証人の出頭を求めておつたのでありますが、調査の都合上これは一応とりやめまして、後日に延期したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○篠田委員長 御異議なければさよう決定いたしましました。 —————————————
○篠田委員長 それではこれより配炭公団をめぐる不正事件について調査を進めます。ただいまお見えになつておる方は小澤幸助さん、山本定次さんのお二人です。あらかじめ文書で御了承願つておきました通り、正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたから、さよう御承知願います。 ただいまより配炭公団をめぐる不正事件について証言を求めることになりますが、証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。小澤さん、代表して宣誓書の御朗読を願います。 〔証人小澤幸助君各証人を代表して朗読〕 宣誓書 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
○篠田委員長 それでは署名捺印をしてこちらに出してください。 〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○篠田委員長 最初に小澤さんから証言を求めることになりますから、山本さんはしばらく元の控室でお待ち願います。 小澤さんですね。
○小澤証人 はい。
○篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また発言の際はその都度委員長の許可を受けてなさるようお願いいたします。それからお答えになるときは立つていただきます。こちらから質問しているときはすわつていてよろしゆうございます。それから上着をおとりになつてかまいません。 証人は現在何をしておられるか、また配炭公団へ就職される前は何をしていたかお尋ねいたします。
○小澤証人 お答えします。ただいま配炭公団清算事務所大阪支部長をやつております。配炭公団に入ります前は、日本石炭大阪支店長を勤めておりました。
○篠田委員長 経済調査庁のやつたたなおろし調査について説明を願います。
○小澤証人 昨年十月二日ごろだつたかと思いますが、私の方の持つておる全貯炭につきまして、たなおろし調査をせよということでありました。その際経済調査庁、それから通産局、財務局、たまたま会計検査院の方もお越しになつておられましたので、会計検査院の一部の方もそれに加わつていただきました。大体約三週間、二十五日ごろまでかかつたと思います。貯炭場は当時約二百三十箇所ほどあつたかと思いますが、貯炭は約九十五、六万トンあつたと思います。それについて大体が公団が主体で、そうして経済調査庁なり、今申し上げましたような官庁が監督または指導のためにそれぞれ臨時にお立会い願つたようなかつこうではありましたが、ただ私の方の手不足のために、むしろ経済調査庁の方が人数がたくさんで、だからまるで経済調査庁と公団とが一緒になつてやつたようなかつこうになつております。
○篠田委員長 それで内容は……。
○小澤証人 はつきり記憶しておらないのでありますが、相当いろいろな書類も持つて来ておりますので、探し出したらあるかと思いますが、その際に大体……。
○篠田委員長 あなたの声は少し低くて、委員の方に聞えないようでありますから、もう少し大きな声を出してください。
○小澤証人 その当時欠減廃棄がたくさん出なかつたと思うのでありますが……。
○篠田委員長 何が出なかつたのですか。
○小澤証人 欠減でございます。九月の当時罪欠斤数は約三%見当くらいではなかつたかと思います。従つて百万トンに押えまして、約三万トン、それから廃棄——当時実際決定的な調査は非常に至難なものでありますから、まあ実際何というか、それが絶対的に正確であつたかどうかということは相当問題であると思うのでありますが、とにかくもそのときの調査の結果によりまして、欠斤が約三%、それから廃棄がやはりそれに近いものを出しておつたかと思うのであります。二、三万トンの廃棄。欠斤数量で約三万トンくらいのものが出ておつたかと思います。大体において……。
○篠田委員長 そのたなおろしの調査を証人は批評しで、こんなたなおろしはナンセンスであるということを言つたということがあるのだが、それはどういう意味ですか。
○小澤証人 恐れ入ります。どうも申訳ないことでありますが、実際私はそう言いましたのは、ほんとうに真実をつかむことが非常に困難だ。二百箇所の貯炭場で約百万トン近いものの貯炭をほんとうにたなおろし、しかも品質数量についてやることは、單に外だけから見たのではできない。それでごく少い人数でもつて限られた期間でこの厖大な貯炭をほんとうに真実をつかむということは、おそらく不可能に近いのではないか。それははなはだ言い過ぎでもありますか、レベールを持つて来い、なわを持つて来いというお話もあつたのであります。しかしほんとうにレベールやなわだけでおやりになりましても、みんなコンクリートを敷いてしつかりした底ができている貯炭場ならいいのですが、大体貯炭場にあらざるところに貯炭をせざるを得なくなつておりました状態で、ある場所のごときは二尺も二尺五寸も入つておつた。そういうように底に大きなものが入り込んでしまつている。そうして厖大な山を実際單にレベールを持つて来て上だけかく。しかもそのときには一メートルの立方箱を持つて来て、そこでスコップでさいてその箱に入れて、全体の山からそれでカルキユレートするのですが、一年も一年半もこの山が風雨にさらされ、あるいは貯炭するときにトラツクでどんどん山のところまでかき上げているような、かたい詰め切つたものを、今度スコップなりがんづめでたたき落して、そうして斤匁ではかつたものは、それは多少アロアンズを見ましても、これはかつてやつたことのないようなものでありまして、ちようど鉄道用炭のように、ごく新しいもので、一定の法則をきめてしつかり秤量できているものはいいのでありますが、これは種々雑多の山で、しかもそこにいろいろな炭種があるものを、こう言えば失礼ですけれども、あまり経験の乏しい方々が集まつて、短期間になまじつかいいかげんな査定をされたんでは、これは気持が相当大きく働きはせぬか。それで大事をとれば大きな欠減を出す。甘く考えて、行くとまるで過剰が出て来るという結果になつて、むしろこれは相当危險じやないか、そういう気持合いから実ははなはだ言い過ぎでありましたが、まあナンセンスに近いようなものだということを実は申したわけであります。
○篠田委員長 それはどこで申しましたか。
○小澤証人 私は二回ほどあつたと思いますが、軍政部で一回言いました。もう一回はちようどうちの連中にこれからやる、さあ一斉に立つてここ一週間なり二週間で、できるだけ短期間に徹底的に調査する。そのときいろいろみんなに訓辞を與えたときに、一部調査庁の方もおられたと思いますが、こんなことをやつたつて実際むりな話なんだ。この短かい期間にこれだけの人数で徹底的な調査を仕上げるということは、これはナンセンスに近い。しかしやる以上はわれわれとしてはどうしてもそれは知りたいところなんだ。何とかしてできるだけそれの真実をつかみたい。やる以上は諸君は真劍にやつてもらいたい。
○篠田委員長 一番の責任者が仕事を始めるにあたつて、熱意を持つてさあこれからみんなどうしてもやり遂げなければならない。不可能に近いがこれを可能にしなければいけないという意味でやるならばいいけれども、自分の部下を集めて、ナンセンスに近いんだけれども、お前たちやれというのでは、部下も一生懸命にならぬと思うが、そういう面はあなたは考えて言つたかどうか。
○小澤証人 委員長のお言葉でございますが、私の気持では、やはりやる以上は真劍にやるんだ。しかしこのこと自体は、実際これはむずかしい、不可能に近いことで、ナンセンスみたいなものだけれども……。
○篠田委員長 ナンセンスみたいなことなら真劍にできないでしよう。やれるかね。ナンセンスであると初めからわかつていることをどうして真劍にやれるか。言うことと考えていることと違うじやないか。今でもそれはナンセンスであつたと思つておりますか。
○小澤証人 今ではナンセンスとは思つておりませんが、でき上つたあの成績は、まあ多勢の人間で——一人のなれた練達の人が、一人の目でずつと見るならいいのですけれども、そのときは公団の人が一千人から三百人くらいおつたと思いますが、これがみんなくらがえした、配置転換した、そんなことをあまりやつたことのないような人がぶつかつたことで、でき上つた成績は、あの場合には帳面から見て、帳面ずらはこうなつておりますが、これより二%ぐらい少いのじやないかと思いますが、そんなことを離れて、真空をほんとうにやつておる。そのために大きな過剰が出ている所もあれば欠斤か出た所もあります。しかしその地域全体から見ますと、平均したものが出ていると思います。
○篠田委員長 結局たなおろしをやつたことによつて、何か得るところはあつたのですか、なかつたのですか。
○小澤証人 やはりやらぬよりはよかつたと思います。
○篠田委員長 じやナンセンスじやなかつたわけだね。
○小澤証人 さようでございます。
○篠田委員長 それから本年三月末までに七十万トンの貯炭があつたが、かかる多量の貯炭を持つているのはどういう理由であるか。
○小澤証人 一口に言いますと、一生懸命になつて何とかして探そうと思いましたが、売れなかつたために、引取りが悪かつたことが第一。第二は予定数量よりも地元が幾らかよけいめに送つて来ている。だから入つて来た数量は計画よりもまあ多かつたし、それから引取つてくれる数量は、いろいろ折衝をやりましても、それにはいろいろ理由がありまするが、どうも引取りが非常に悪い。その結果が四月ごろから、大体一口に言いますと、月によつて消長はありますが、月十万トンくらい平均しますとふえております。
○篠田委員長 何月から……。
○小澤証人 四月から。
○篠田委員長 四月というのはいつの四月ですか。
○小澤証人 二十四年の四月。それからはなはだ失礼でありますが、もう一ぺんお尋ねいたしますが、今の……。
○篠田委員長 本年の三月末に七十五万トンの貯炭があつた……。
○小澤証人 はあ。そこでちよつとついでにもう少し言わさせていただきたいと思います。配炭公団が解散いたしましたときの、実際大阪支部が持つておりました貯炭は約九十五万トンから九十七万トン見当であります。ところが九月解散時より前に、九州なりあるいは山口方面から積み出しておるもの、これがやはり七、八万トンありました。それから解散時後なお地元の方の貯炭繰りかえのために、これは計画的に送つて来た数量が約十万トンばかり、合計して解散時現地における手持数量というものは九十七万トン。その後受入れました数量が約二十七、八万トンある。合計してともかくも百二十二、三万トン持つておつたわけであります。それを清算に入りましてから、何とかして一日も早く、一トンも多くさばかなくちやならぬ。総力をほんとうに結集いたしまして、これに向つて中央方面、指導官庁の方面にも非常に心配を願いまして、われわれも一生懸命さばいたわけであります。ところがどうも引取りが悪い。それでいろいろな手を打つて来ましたのですが、結局それが解散時から三月三十一日までには約四十七、八万トンさばき得て、差引七十五万トンというものは残つたかと思います。 〔委員長退席、内藤(隆)委員長代理着席〕
○内藤(隆)委員長代理 それでは小沢さんにお尋ねいたしますが、処分価格の一億七百八十万円の算出方法について説明してください。
○小澤証人 ちよつと委員長にお伺いしますが、参考書類等持つて参つておりますので、出してよろしゆうございますか。
○内藤(隆)委員長代理 参考書類がなければ、この説明ができないとおつしやるのですか。
○小澤証人 大体できますが……。
○内藤(隆)委員長代理 大体でよろしゆうございます。
○小澤証人 さようでございますか。当時の七十五万トンの数量を公団当時の標準価格で計算しますと、約三億数千万円になつたのであります。そこで、もう一つその前にこういうことを申し上げてみたいと思います。七十五万トンの買取り当時における平均カロリーといいますか、それが四千二百から三百の間であつたかと思います。その七十五万トンはいろいろな炭種がありますが、その全体の炭種を平均したカロリーというものは四千二百から三百の間になつている。それから、いろいろやつておりますけれども売れません。それでたしか十二月の七日か八日ごろに、第一回の新聞広告をやりまして入札をしたのであります。そのときその標準価格に対する一つの修生価格を出したわけであります。その当時いろいろ分析その他をやりまして、大阪の持つている四千二、三百のカロリーのものが、大体三千六百に減つたかと思います。それでその三千六百平均カロリーを修正価格にしておるわけであります。そこでもとの標準価格によりますと、この七十五万トンが約三億七、八千万円になるわけであります。それから修正価格によりますと二億七、八千万円になつたと思います。そこで何とかこの価格だけですらつと買つてくれれば、一番私どもとしては望ましいわけでありますが、協同組合がこれを買い取りまして、今後その下級炭、すそもの炭をさばくのには並たいていのことではない。相当な期間を要する。相当なリスクをふまなくちやならない。当時自由販売になりましてから、大阪に入つて来ますものの大体の平均カロリーが、これは全国的にも大体似たものだと思いますが、六千二、三百ぐらいになつておりました。だから六千二、三百の平均カロリーのものがどんどん大阪に入りまして、大阪地方——これは近畿全体でありますが、近畿全体の需要量がまず三十二、三万トンぐらいでありました。それに対して大体三十四、五万トンぐらいのものがどんどん入荷するのであります。そうすると二、三万トンから三、四万トン——月によつて消長がありますが、大体平均して三、四万トンくらいが供給過多でたまりつつあるのであります。そういう状態でもつて、しかもその平均カロリーが六千二、三百であります。公団の持つておるものはそのとき三千六百カロリーくらいに落ちておりますが、これを長期にかかつて処分するには——話が飛び飛びになりまして申訳ありませんが、受入炭が七十五万トンで、そのうち大体三十万トンが宇部炭、それから二十五万トンが九州炭、あと二十万トンはすそもの、雑炭です。それで宇部炭、すそもの炭を加えますと、約帳簿面においては五十万トン以上、五十二、三万トンあるわけであります。こういうものはすでに一年以上もたつて風化しておる。これを引受ける人が相当長い期間かかつてさばくためには、これはもう一段品質が低下して来る。そこで将来の予想を立ててみますと、今後一年なら一年かかつて処分するとして、平均カロリーを考えてみますと、まず三千二百カロリーぐらいになる。それで、この貯炭を持つておつてもどうにもならない、何とかさばかなくてはならないが、予算定員で人手はどんどん減つているので、何とかひとつ協力を願つて販売分野でうまくやつてもらいたいということで、ほんとうに頼んだわけでありますが、それはよくわかる、しかし値段次第だというのです。一方各販売業者は生産業者にみな直結して、ちやんと販売網ができている。それを手に入れて、適当に悪い石炭をまぜて行くためには、相当値段が安くなかつたらどうにもならぬというところから、向うもやかましく言いますし、それから私どもも今申し上げましたような四千二、三百カロリーのものが三千六百にも下つて来ておる。今後三千二百ぐらいになるだろう。そういうところからだんだん計算してみますと、結局残念ながら一億七百八十万円という価格になつたわけであります。
○内藤(隆)委員長代理 要するにカロリーの下ることによつて価格が下つたというのが、あなたの今の御説明の主要な点ですか。
○小澤証人 それともう一つは、廃棄、欠斤のそれと二つであります。全体の品質が低下しますから、その低下のはげしいものによつては、どうしてもこれは廃棄炭になつて来るものが相当ある。それとやはり石炭はああいうばらもので、野原に貯炭している関係上、盗まれる場合もありますし、今申上しげましたように、相当荒地に貯炭しているから、どうしても完全に拂い出すのにはよほど困難であつた。そのためにはやはり相当欠斤もある。欠斤と廃棄炭と、それと全体の品質の低下ということで、残念ながらそういうところに追い込まれたわけであります。
○内藤(隆)委員長代理 しかし標準価格からいつても三億七、八千万円これを修正価格からいつても二億七、八千万円になるものが、一億七百八十万円というような、何と申しますか、半分以下に下つておるということは、どうもそればかりのりくつではのめないのてすか、何かもつと、算出方法について参考になる資料がありましたら提出してください。 それから売掛金はどのくらいありましようか。
○小澤証人 八月末現在で六億二千万ぐらいになつておると思うのであります。公団解散時の九月十五日現在において十九億七千万のものが、その後新しい債権、古い債権全部を合せましてとにかく売掛金と称するものは約六億二、三千万円であります。
○内藤(隆)委員長代理 それから大阪支部の商品損失について、あなたの知る範囲における説明をしてください。
○小澤証人 どうも非常にむずかしいものでございまして、私どもただ單に九州から積み出して来たものを受け入れますと、クーポンに基いてそれを渡す。そうしてそのきまつた單価でそれを売るということでありまして、幾らで買いつけて、そうしてその原価、コストが幾らになつておるというようなことは、本部で経理の人がしておることで、従つて私どもはただこの標準価格といいますか、売るべき値段で売れてさえしまえば、それは動きがあるかどうか知りませんが、ばあつと考えましてどうしても値引きされて来た、あるいは欠斤が立つて来た、あるいは廃棄が立つた、こういうものの損失、それをまた売れる値段に比較して、それだけの赤字が出たという計算から考えますと、それがほんとうに商品損失であるかどうかということは、本部でやらぬとちよつとわかりにくいのではないかと思います。ただ私の立場から言いますと、あたりまえに欠斤がなく、思つた通りの値段で売れればパアであつたものが、欠斤が出たり廃棄が出たので、どうしてもクレームが起つてそれで値引きされて来た。そういうことになりまして、それが約十五、六万トンほどであつたと思います。
○内藤(隆)委員長代理 そうすると、それは大阪支部では詳細のことが説明しにくい、むしろ本部の方がその説明ができる、こういうことですか。
○小澤証人 さようでございます。
○内藤(隆)委員長代理 他に何か御質問はございませんか。
○島田委員 経済調査庁その他がたなおろし調査をやつたときの大体の欠斤、廃棄のパーセンテージは、合せて五、六パーセントということでしたね。先ほどの話では……。
○小澤証人 そういうように記憶しております。
○島田委員 ところがそういう経済調査庁だとかその他通信局だとかというものが寄つて調査した際に、欠斤、廃棄のパーセンテージは、あなたの先ほどのお話では五、六パーセントぐらいに言われているが、今度貯炭を一括処分する際に、欠斤廃棄の量というものが非常に多かつたように私は聞いている。これは私の聞き違いかもしらぬが 全数量の四、五十パーセントぐらい欠斤、廃棄を見込んだらしい。そういう大量に見込んだ算出の根拠だとかその他、理由を御説明願いたい。
○小澤証人 ちようど三月の五日ごろからだと思いますが、政令が三月三十一日になつておつたので、三月末日現在においてどのぐらい欠斤、廃棄があるだろうか。これは私どもも一番知りたいことなのです。それから本部においても、それだけはぜひつかまなくちやならぬ。過去においても、経済調査庁と一緒にやりましたあのときも、私のまずい点もありましたが、とにかくあれも一つの参考資料にして、それから以後、ほんとうに三月末日にどのぐらいが欠斤、廃棄になるかということを、本部からも来ていただき、私どもの支部の方からも十名ほど応援しまして、それまで適時経済調査庁と一緒になつてやりました調査に引続いて、連続的にうまずたゆまずやつておつたわけであります。その間もちろん出入りはありますが、その出入りを十分考慮してやつておつた。そうしてでき上つた数字は、大体三月末日における欠斤廃棄の予想が二十一万トン、七十五万トンとしての当時の帳簿じりの推定で二十一万トンが廃棄炭、欠斤炭となつたのであります。従つて一応三月三十一日と押えますと、廃棄と欠斤は無価値にしますれば、ほとんど販売の対象になる数字は五十四万トンということになる。それをきれいに買つてさえくれれば、お叱りを受けることもなかつたのですが、残念ながら向うではそれでは買つてくれない。二十四年の三、四月ごろからたまつて来た貯炭が、二十五年の三月までに、多少の出入りはありましても、三月末日現在において二十一万トンの欠斤炭と廃棄炭が出た。これは下級炭、すそもの炭がうんと占めている。あとの七十五万トンは一年かかつても、——最悪の場合には一年半もかかるかもしれない。うまく行つても一年はかかるだろう。その相当長い間にこれを処分するにしても、その間に欠斤も当然起るでありましよう。あるいは風化もありますし、自然発火もありましよう。あるいは盗炭等もありましよう。そういつたものを拂い出すためには、やはり狂いもある。それをいろいろ山口炭、九州炭、それから上中下炭等にわけまして相当入念に計算いたしました結果が、大体欠斤で約五万トンくらい、それから廃棄炭で約十万トン前後、それで十五、六万トンの廃欠片数量という先方の主張は必ずしもむりはない。のんでくれれば一番いいが、だれが買手になつても、実際まずい石炭が大部分を占めている。だれも魅力を感ぜず、振り向いてくれない悪い石炭を使つて行くについて、買手の主張としてはむりはない。買手の言い分をどうするかという問題に対しては、われわれもいろいろ合理的にやつてみた結果、これくらいのものはやむを得ぬということになつたのです。その結果が欠斤で約五万トン、廃棄で約十万トン見当、合せて十五、六万トン、先ほどの三十八万七千トンに合せまして、合計五十四万トンとなり、相当大きな廃棄、欠斤数量になつたということは、まことに申訳ないと思つております。
○島田委員 その後廃案炭はどういうふうに処分されましたか。
○小澤証人 一切一括しまして、三月三十一日付で協同組合に売却したのであります。だから廃棄とかあるいは欠斤とかいうことは、あげて買つた方の協同組合がこれを適宜処理する。私の方はそれにはノウ・タッチということにしてあるのであります。
○島田委員 いずれにしても結果からいつて、廃棄炭は商品価値があつたということになるのでしようね、土同様に、たとえば捨てたとか、その後売り買いできなかつたという意味でなく、他の石炭と同様に、廃棄炭も込めて商品価値あるものとして取引されたということにはなつておるのですね。
○小澤証人 公団と組合との関係は、値段の建て方はそういうものを全部考慮に入れまして、その結論を出しておりまするが、売買の建前として、三月三十一日付で載つておる帳簿面の数量は、一応その数量そのままで買つてくれるものというかつこうでやつておるわけであります。
○島田委員 今の説明で行きますと、一応拂下げは廃棄炭としてそれだけの数量を切り捨てて拂下げを受けたが、売る場合には廃棄炭を込めて商品価値あるものとして売買したという結果になつておるわけですね。
○小澤証人 そうです。
○島田委員 それからあなたが先ほど経済調査庁その他のやつたたなおろし調査というものはナンセンスだということにつきまして、その調査自体はおそらく不可能だろう。これは一生懸命やらなければならぬが、ナンセンスものだというふうな意味でおつしやられておつたのか、むしろどうなんです。そういう不可能だという意味でなくして、一応筋を通すというか、あるいはまた公にそういう調査のもとにこれだけの数量なりあるいは、欠斤廃棄等もこれこれになるのだ、それから炭質もこれこれだというふうなことを、筋を通すために大がかりに経済調査庁だとか、あるいは通産局とかあるいは財務局だとか、あるいは会計検査院だとかいうような膳立てのもとに、形式上そういう調査をやつておるということに対する一つの諷刺というか、あなた自身の見たいわゆるひやかし的な気持からナンセンスという言葉が出たように思うのだが、それが真実じやないですか。
○小澤証人 恐れ入ります。どういうように申し上げればよいか知りませんが、よく当つているような気持がするのでございます。あなたのおつしやいましたことは、ある程度当つているのではなかろうかと思います。そういう深い意味でなくて、とにかく不可能に近いことだ、非常にむずかしい、しかもしろうとの人ばかりが集まつて、ごく短い期間でなわ持つて来いレベール持つて来い、板持つて来いだけでは私なかなか困難だと思う。よほどなれた人が一人の目でずつと見て行つた方がいいかもしれね。当時陸揚げするときに秤量をやつておりますから、最近の陸揚げの秤量から見ましたとき歩減りが出ているとか、帳簿数量から見まして三%あるいは五%の廃棄、欠斤があると見ることが当つているかもしれぬ。しかしそういうわずかなものをもつて全体の山を評価するということは大それたことでもあり、危險でもあるという気持もあつて、複雑な気持で申し上げたわけでございます。
○島田委員 だから正直なところを言いますと、こんなものはなかなかできる仕事ではないのだ、一応世間の筋を通すためにそういう膳立てでやつておるのだから、そんなに真劍に考えるほどの問題ではないのだ、かなり程度にやつていた方がいいのだ。これは一応そういつた数量とか炭質を公に示すためにやつておる膳立てにすぎない、仕事にすぎないといつたふうな意味合いのあなたの気持が一つの言葉として現われているというふうに解していいと思うのですが、それが正直なところでしようね。
○小澤証人 いい加減にやつておるというのは……。
○島田委員 真劍にやれということはうわべであつて、真劍にやつてみたところでなかなかこんなものはできる仕事じやないし、またそういう調査の膳立ても、そんな嚴密な意味で必ずしも真相をつかむとか、真実をつかまねばならぬという役割でやつたのではなく、一応世間に筋を通すための仕事だということが正直なねらいでもあるのだろうと思うし、あなた自身が見た正直な見方でもあるし、そこにくろうと筋のあなたとしてこれはナンセンスものだと感ぜられ、みんなに元気出してやれと言うか、腹の中では何、やつたつてそんなに的確なものが出るものかというくらいの気持があつたのだろうと思うが、すなおなひとつの表現をすればそういつたところがあるのじやないですか。
○小澤証人 そういう面はまさしく相当あつたと思います。
○島田委員 大体その当時の実情はわかりました。それから証人が貯炭に対して裁定委員会の裁定をやつた席上で、正直なところこの石炭には魅力がないと言つているようですが、それは事実ですか。
○小澤証人 さようでございます。
○島田委員 それはどういう意味でそういう言葉を吐かれましたか。
○小澤証人 清算委に入りましてから今まで何とかして少しでもさばきたいというので一生懸命にやつておりますが、だれも寄りついてくれない。ということは品質においては悪い、値段は割高だ。しかも何といいますか、きわめてやつかいなところに品物がありまして、それを搬出するのに余分な仕事がかかつて来る。一口で申しますと、公団の貯炭過ということも需要家一般の問題になつております。それからまたあとから出て来た炭が悪かつたら別ですが、あとからいい炭が次から次へと出て来ますから、公団も悪い炭ばかりではない、ときにはいい炭も入るが、いい炭はどんどんさばけて行く。結局きらわれた炭、引取り主のない、みんなのいやがるものだけが残つたということになります。そこでいろいろ手を盡してみたがどうにもならない。需要家にもいろいろと手をかえ頼んでみたが、公団の貯炭はけつこうですといういようなかつこうであつた。一度新聞広告に出して大々的に落札をいたしましたときにも、業者はあれでも三十人くらい来てくれたかと思います。私はそのときに演説をやりまして、大分うまいことを言つたつもりです。それでこの落札価格はほんとうに諸君の市場を守るかどうか、またあなた方の墓穴を掘るか掘らないかはこの一票にあるのだ。このことは統制経済から自由経済になつてわれわれは非常に苦労しておる。できるだけ公団に協力するように、深い理解と厚い同情をもつてやつてもらいたいとなかなかうまいことを言つて一生懸命にやつた。ところがそのときに落ちましたのは百トンがたつた一つ。あと三十幾口かありまして、三万七千トンばかりは五十円から百四、五十円くらい安かつた口が四つほどありました。それは私が頼み込んで、何とか大阪の名誉のために、せめて十口や二十口は落して五十円から百二、三十円は奮発してくれと言つて頼み込みまして買上げ契約をしました。その後の手当はだれも振り向いてくれない。そのうちに今度は日発大阪だけで十五万六千トンはとるであろうということが、その筋からの命令でありましたが、ところが日発がとりましたのは五万トン以下の四万六千トンでありまして、しかも大勢の人が出て来て、そして見るだけ見まして、いいところばかりとる。それでとり切つている。国鉄は非常に成績がようございました。十万トンの予定が、追加もありまして、十万三千トンくらいになつております。それから進駐軍がやはり六万トンくらいとつております。それから一般の諸官庁、国庫の支出をもつてやる方面が、一生懸命やつておりまして、百何箇所で約一万四、五千トンさばかれた。それに日鉄がやはり五万トンくらい出ております。汽船バンカーは少うございまして約四、五千トン、合計で約二十六、七万トンくらいのものがさばけた。ところがほんとうにいいところだけとつてくれたのです。トラツクに人間を乗せて連れて行つて、全部貯炭場を見まして、一番いいところを優先的にとつて行つた。まつたくただでさえいいものが少く、悪いものが多いのははなはだ残念ですが、そのうちいいものだけ選ばれたようなかつこうなんです。だからあとに残つた貯炭については、まつたく魅力がないというのがほんとうのところです。これも値段次第ですけれども、実際に見て、世間の石炭は平均六千三百カロリーになつておるのに、現在三千四、五百カロリーになつておる。しかもやつかいなところに荷をかかえておるというような状態を見ますと、搬出費その他これは非常な費用もかかるものですから、まつたく実際魅力がないということは、私はこれは実情であつたと思います。
○島田委員 私は広くは知らないのですが、その当時の私自身が目撃した地域内における実情では、何とかしてその貯炭を安く踏み倒して手に入れたいものだ、そういう買い競争が——これはみなより高く買うというのじやなくて、どのようにすればその貯炭を手に入れるかということで、今度はそういう意味合いの買い競争が相当強くて、しかし買気を出して直を上げられると困るから、いらないような顔をして、今にほうつておいたら安く投げるだろう。但し自分が一番につかみたいという気持で、業者はなかなか苦労した連中が多いので、じつと待ちかまえておうた。だから石炭自身は非常に欲しかつたが、但し安く手に入れたい。そのために、下手に手を出すと高く買わなければならない。そこで三すくみという形の中で、安ければ一番に飛び出して行つて引取りたいという、非常に複雑な買い競争というものが、一般にみなぎつていたというか、強かつたように思われる。そこで一応石炭は欲しいのだが、安く引取ろうというねらいがあつたために、あなた方がうまくやられたということが、結局売れずに困つたということになつておるのだろうと思います。その当時の事情は、決して石炭が売れないとか、あるいはまた買手がないとかいう意味でなくて、買手はずいぶんみな目を光らせて、その時期をねらつていた。しかしなかなか飛びつかないものだから、実際売り買いができない。そのときにちようど国鉄とか、日鉄とか、多少の大口の相手がいいものを持つて帰つた。ますますあとへ残つたものは悪い。今度は一般業者がひとつ安く引取つてやろうという含みのある行動のために、すぐ処分がつかないというようなことが、実際における当時の実情であつたろうと思います。そこであなたが魅力がないという意味の中には、そういう実情も十分お知りになつた上で、実際上の取引が困難であるということから、むしろ投げ売りを覚悟して、そういつた言葉が一応吐き出されたものだというように、私などは解釈したいのですが、こういう実情に対してはどうでしようか。私が今申し上げたようなことについて何かあなたの方にもありましたか。
○小澤証人 ただいまだんだんそうして聞かされますと、よほど私はぼんやりというか、人がよかつたのかもしれません。私もお尋ねのお言葉を否定する気持になれないのですが、しかしそれを全部さようでございましたと言うこともどうかと思うのであります。といいますのは、やはり相手は商売人なんで、私ども公団にいるとぼんやりしておりますが、商売人になれば利口にまわるかもしれまんが、商売人はもうけ本位に考えるから、そういうこともあるいは考えられないこともない。だからそれをお互いに言わず語らずに、どうせ公団の貯炭はあれだけ多量に持つているのだから、これは一定期間にとにかく処分しなければならぬ。そのときには安く入るのだから、欲しいが、待つているのだということで、お互いに暗黙のうちに商売人同士やつておつたことがないとは断言できないと思います。しかし私がほんとうに魅力がないという気持は、さつきも申し上げたように、とにかく一般の需要家も公団に対する一つの反動的な気分もあつたかもしれませんが、もうぼろ炭はいらぬ。ただ單にカロリーの差で値段が相当の差があるだけでない。そのあとの処理、要するにカロリーの差、熱の効率の差が、燃焼効率に非常に影響する。あとの操作に非常に影響する。だからかりにカロリーにおいて一割の差があるならば、ほんとうの経済価値からいえば、それはボイラーにもよりますし、工場にもよりますが、二割にも二割五分にも相当する。今では比較的悪い石炭でがまんして、戰争末期から戰後ずいぶん苦しんでやつて来た。今度はわれわれの時代が来た。いい石炭を買えるのだ。それから大阪では生産業者の会社が十九社あつた。そして販売店がかれこれ百五十軒くらいのものがあつた。そういう人たちはたいてい生産業者に結びつかなければ、自分らの永続性がない。だから販売店はこぞつて生産業者について行く。ところが大きな生産業者は自分で売りたい。しかし小さいところは余つているし、絶対量において供給過剰になつている。だからそういう機構を相当活用しなければならぬということから、それで君はこれだけやつてくれといつて、押しつけて行く。そこで販売業者は、ある程度まで販売分野の需要家にもつながりをつけなければなりませんし、また生産業者に対する顔をよくする立場もありますし、それでどうしても今のうちに早く競争して、いい地盤を握らなければならぬ。そこへ公団の貯炭を持つて行つたのでは、非常なギヤツプがあるということで、私はその一面も確かにあつたと思います。しかし今おつしやいましたようなことが、私はぼんやりというか、人がいいというか、ばかというか、そういう面で今から考えてみると、それは商人だから、そこらをねらつておつたことがあるかもしれないと思います。
○田渕委員 先ほど島田委員の御質問に対してお答えがあつたのでありますが、価格裁定委員会の原案のできました本年の四月二十七日から五月二十七日まで、大体できたものは五月六日でありますが、この間、きのう大西証人が価格査定は一億円にして欲しい、こう言つておられる。証人の方では一億一千万円とろう。そこでこの拂下げ価格といいますか、一括処分の価格というものは、大体公団側でつくつたと言つておりますが、さようでございますか。
○小澤証人 さようでございます。公団側でつくりました。
○田渕委員 そういたしますと、少くとも順序がかわつて来たのですが、先ほど証人のおつしやつた通り、宇部炭が三十五万トンとして、公団のあなたは配炭公団大阪支局長として、大体宇部炭を買い入れた額は幾らでありますか。それを伺いたいのです。大体プール計算でよろしいのです
○小澤証人 二千円くらい。
○田渕委員 大阪着ですか。それとも山元ですか。
○小澤証人 実際申訳ないわけでありますが、買取り価格というのは、配炭支部の方で全部やつておるのでありまして、本部としてはやはり物価庁と打合せて、支部へ行つてすべて買いつけをやつているので、私ども配炭局は、売る方のことは詳しく何でも知つていると思うのでありますが、買取りの方は実際のところあまり知らないのであります。
○田渕委員 証人は少くとも大阪配炭公団の支局長だ。配炭面の切符を切るのが大阪商工局で、配炭面の切符を切り、配給面を管掌しておる。ところが少くとも買入れ方面のことについて、およそ幾らで買入れて幾らで売るということを支局長は知らないはずはないのでありますから、およその計算でよろしいのでありますから……。
○小澤証人 およそ似計算で申しますと、宇部炭の平均カロリー大体三千二、三百くらいだと思います。それでただ計算してみますと、大阪着で大体二千円見当だと思つております。宇部炭にも悪いやつがいろいろある。
○田渕委員 そういたしますと、支局長の言う買入れ当時はオン・レールで大体三千三百カロリー以上のものを二千円とすれば、この三十五万トンの宇部炭は七億円であります。この宇部炭だけを持つていても、七億円で買入れているものを、どうして四月二十八日の裁定委員会に証人が発言して、大体今島田委員が質問されました通り肯定されておりますが、結局七億円のものを一億一千円で買つてもらいたいと言つたか。あなたが配炭公団の支局長としてやつている間は、公団法によつて買取り規程もあればあるいは売渡し規程もある。これを無視して、自分がやつておる時代に二千円でオン・レールで買つたものを、国民の税金で七億円で買つておるものを、大体一億一千万円くらいで買つてもらいたいというとを、みずからその買手の方へ言つているということが、議事録に載つている。これはどういう御心境であつたか。
○小澤証人 ごもつとものお尋ねでありまして、私も至らないところがたくさんあるのでありますが、私も率直に、いろいろなことをあらゆる角度から研究しました当時の頭から言いますと、大体買手と売手があるが、私は一銭でも高く買つてくれればけつこうなんですが、それが高いときにはついて来ない。大体私の常識から考えまして、大阪の一般の市場値段というものは、まず六千二、三百カロリーが標準になつておりますので、カロリーが六千カロリーの場合には大体六十銭、五千カロリーの場合には五十銭、四千カロリーの場合には四十銭、従つて六千カロリーの場合には三千六百円、四千カロリーの場合には千六百円というようなことで売ります。大体そういうような考え方が常識的に当てはまる、それが実際の実情なのであります。そこで今の石炭は、先ほど申しました七十五万トンの平均、実際は二十一万トンカットしてあとは五十四万トン、それの平均カロリーが先ほど申し上げました通りでありまして、大体三千六百カロリー、修正して考えて、今後売れるだろう平均の品質を考えますと、大体三千二、三百、そうするとうまく行つて向うの着づけでつつ込みで千円見当がいいのではないか、ここでこの千円見当の値段なら、平均して五十万トンは大体売れる値段ではないか。そうするとやつかいな貯炭を出す費用、出されたものをはしけに積んで先方の河岸まで持つて行く費用、この諸掛が大体において——その場所によつて違いますが、五百円から六百円かかるわけです。それに組合の実際の費用、それを買い取るのから売るまでその他の口銭をかりに百円ずつと見ても二百円かかる。そうすると運搬費が三百円々々々でつつ込んで六百円、それに今の組合の費用が二百円かかるとすると八百円。千円から全部引くと——置場で千円で売れるならいいが、先方着ということが大体のべースになつている計算から勘定を出しますと八百円引かなくてならぬ。二百円で今の五十四万トンに当てると一億一千万見当になる。今の大づかみの目から見て、一般の市場が六千カロリーか七千カロリーが七十銭か七十五銭になるから、四千カロリーが平均が下つて来て三十七銭にたるかもしれない。三千二、三百カロリーが、うまく行くといいものがあるが、まず平均して千円見当で行けば、はしけ着も河岸着もわれわれが現在の大阪市場からみたむりのない値段である。しかも三十一万トンカツトしているが五十四、五万トンある。これが千円から八百円引けば二百円、それならばむりのない値段であると考えたわけです。
○田渕委員 大体オン・レール二千円でございますと、そこで今度はあなたの方の公団がやつておれば、公団の経営、つまり公団の手数料、これは百六、七十円といつております。それから工場などの持込料、小運搬料をとられる。こういうものを加算すれば二千円で入れた宇部炭は三千円というふうにやることができる。買つたのは宇部炭から積んではしけで貯炭場に上げた、オン・レール二千円だから、それから上げたものを公団が一旦受け入れて工場に持つて行くとすれば、やはり小運搬料がかかる。それに公団の経営費、そういうものを入れてマージンを入れて売るのであります。少くとも三千円近くで行つておる。いかに品物が悪くなつたとはいえ、みずから大体四十万トンに近いものが一億一千万円というような数字が出たら、これは売り手と買い手があらかじめ相談をし合つていたから、こういう価格に接近したのではないか。昨日か大西証人の証言では、一億円で私どもの方は買いたかつた。ところが公団がこれこれで買えというようなことで、結局一億七百万円になつたのだと言つておる。証人は一体一億一千万円で、二百八十何万円しか違いがないというのは、これはほとんど相談ができておつた、こう思うのでありますが、この点について打合せがありましたかどうか伺いたい。
○小澤証人 打合せは全然しておりません。ただこちらの気持が、何だびか折衝しておるとき、せいぜい、買い上げてくれ、頼むというようなそんなことで話合いをしている。副理事、理事が十四名おりますが、それが連日会議をやつておる。ときたま私も出て、何とかひとつがんばつてもらいたいというような話をしたときに、私大体探つてみても、あれらの言葉裏を考えてみると、一億円ならついて来るなという気持はわかつた。私どもは一銭でもよけい高く売りたいが、向うはどこまでついて来るであろうか。六千七百万円、七千万円は一ぱいだ。七十四万トンで、七千四百万円という話もありましたが、私は一億円ならついて来るなということを感じた。
○田渕委員 そういたしますと、先ほど委員長が証人の前職を聞かれたときに、現在は配炭公団の清算事務所の大阪支部長である。その前は何をやつておつたかというと、日本石炭の大阪支店長であつた。こうおつしやつた。そこで日本石炭の大阪支店長から公団の大阪支部長になられた。そうしてその下に買手の大西次長というものをひつぱつて来た。もう日本石炭はできておつたが、宗像を代表するところの大西さんが入つておつた。これはきのうの証人を調べて各委員も御承知の通り、実際においてなかなか一筋なわでは行かない。そこで証人は女房役である大西君にいいように傀儡にされてしまつた。実際買うときには七億で買つたものを——そのうち宇部炭は三十五万トンだけ、国家の拂つた金は七億円である。それも入れ、他も入れ、少くとも七十五万トンという数字のあるものを四十万トンも頭を削つてしまつた。三十五万トンの宇部炭を一億一千万円で持つて行つたということは何ともわれわれは納得できないのであります。 そうするとあなたは大阪配炭公団の支部長として、実際二千円の価格で帳面の上で買つておるけれども、実質には山元宇部の石炭業者と結托して、こういうものを目をつぶつて入れたかどうかということになると、あなたの石炭公団の支部長として現職時代の背任行為をわれわれはついて行かなければならぬ。まずここで伺いたいのは、実際あなたが処分するのに、司令部は幾らでもいいから売つてしまえと言うから売つたのだということを、本年六月二十四日に大阪事務所で取調べたとき言つておる。公団はどちらでもいいのだが、司令部が売つてしまえと言うから一億二千万円くらいで買つてくれ大西君、こう言つた。大西君の方はそうでない、大体百円にして七千五百万円くらいで欲しいのだ、どうせ相手は日の丸だ、公団のつぶれかけた、赤の職員も引受けた。大西君ここらでどうだという話が出ていなければ一億一千万円という数字が出ないのではないか、こう思う。これは想像ではありません。社会常識です。そこをおつしやつていただかないと、あなた方どこまでも自分みずから一億一千万円で買つてくれというような、そういうものをなぜ売つたのだとあなたの責任を追究して行かなければならぬ。この点をこの際ある程度率直に言つていただきたい。
○小澤証人 ただいま田淵さんからいろいろお話を承りまして、ごもつともの趣旨もうなずけるわけであります。まさに自分の微力というか、不徳のところがたくさんあつたかと思うのであります。しかしこれは先ほど申しました通り、十二月にいろいろ折衝しまして入札までやつた、二回か三回かいろいろな手をやつた、入札ではてんで問題にならぬ。それで随意契約に持つて行つてねらい討ちにだんだん交渉をした。その結果が先ほど申し上げた通り、相当安い値段を標準価格においておつても、なおかつ入札の結果は三十何万トンあつた中で落ちたものは実際一つもなかつた。そういうような現状から考えて来ますと、平均六千何百のものが現在売られておる値段と、今の平均価格のものと比べてみますと、私は少しでもよりよく高く売りたいのが、何と言いましようか、最後を飾る御奉公だというつもりでやつておりますが、しかしそれで買手がついて来ないのではどうにもなりませんし……。
○田渕委員 そこで証人がそうおつしやれば、それから聞いて行かなければならぬ。そうすると公団が、相手の方からものを小切つて来ればいいけれども、ほとんど自発的にものを言つておるのが四月二十八日の貯炭最終処分価格裁定委員会の議事録にはつきり出ておるのであります。この議事録によりますと、公団側からまず小澤君がこう言つております。「議案の細部に入る前に、まず大阪の実情を大づかみに申し上げたい。昨年の九月配炭公団が解散した当時、大阪には百二十万トンの貯炭が二百二十三箇所、二十六万三千坪の貯炭場に残つておつた。」こういうことを言つておられるのであります。これは先刻島田委員の質問に対して大体九十万トンと言つておられましたが、との百二十万トンの貯炭のうち、三十万トン近いものが国鉄、日発、進駐軍その他に売られたということはあるのでありますが、これは数字の食い違いが島田委員と証人との間にありましたが、これが事実であろうと思うのであります。そこで「この貯炭を何とか一日も早く処分しようと急いだのであるが、三月末現在になお二十四万坪という広い貯炭場に七十五万トンを残すことになつたのである。」と言つてはつきりあなたが数字を七十五万トンということを言つております。「この残炭は国鉄、進駐軍、日発、一般販売業者等へ売れるだけは売りさばいて行つた残りもの」である。しかも三月末公団は解散になりましたが、九月末の貯炭が百二十万トン、二百二十三箇所の貯炭場にあつたものは、国鉄、進駐軍、日発、一般販売業者が「食い荒したものである」と言つておる。「実質は非常に悪いものになつている。これを三月末には何とかせねばならぬこととなつたので、種々検討したが、もはや公団職員の手で限られた日時以内には、これ以上の処理はできない。そこで三月末貯炭一括処分の交渉を進めることとなり、」と言つてあなたの方からこの交渉を進めておる。「大阪の有力な販売業者に呼びかけ、この処分に助力を求めたところ、販売業者としても正直なところ、この石炭にはほとんど魅力がない、」こうはつきり言つておる。この魅力がないという言葉と先ほどの経済調査庁の真摯な調査に対してナンセンスだというあざけり方、きのうの大西証人の「かつてはね」というまことに国会を軽視し侮辱したようななめ方、これらをみな総合してみると、ずつと線が合つて来るのであります、そこでこう言つておる。「しかし、下手にこれを処分されたのでは経済界、石炭界また国家的にも非常にまずいことになる」こういうことを言つておりますが、石炭界、経済界はいざ知らず、国家的に非常にまずいことになるということはどういうことを言われたのでありましようか、本年の四月二十八日のこの貯炭の一括処分の第一日の会議に、あなたは冒頭においてこうおつしやつておる。これをひとつ伺いたいのであります。
○小澤証人 いろいろ申し上げたときに、はなはだ何でありますが、私は国家的にどうこうという深い意味は今から考えて別段なかつたのであります。公団の大量の貯炭がむちやくちやに処分されたら、実際炭界の販売分野においては相当混乱するだろう。またせつかく戰後石炭鉱業を育成して来た公団の役割も、公団の貯炭のために非常にまずいことになつてはいかぬ、こういうような気持でありまして、多少調子に乗つて偉そうな言葉を使つたかもしれませんが、私別に何も他意はありません。
○田渕委員 私は少くとも証人は国家的にまずいということは、後日国会がこれに非常に干渉して来るということをあるいは想像されたかどうか、また国家的に非常にまずいというのは、今日非常に苛酷な税金を国家の財政経済上課しておる。この大衆から寄せ集めて来た血税で買つたものを一部の特定人に安く売つた場合には、国民が承知しないだろうということを考えられたかどうか。国民の代表たる国会が動いて来るということが、国家的に非常にまずいことになるというようなことの観念があつたのかどうかというふうに伺いたかつたのでありますが、ただ調子に乗つて言つたということならば、それでよろしゆうございます。そういうことはわれわれの判断で行きましよう。それでまたこう言つておる。「販売業者もこれを何とか引受けようということになつたのである。引受けの方法としては、最初、会社案を持つていたが、独占禁止法の関係もあり、門戸開放の協同組合で行くことになつた」こう言つておる。門戸開放の協合組合で行くことは、御承知の通り、私的独占禁止法によつて、今日あなた方の売つた買手側の大阪石炭協同組合というものが、公正取引委員会の審判を受けるようになつておる。こういうような無資格なもの——しかも大阪石炭協同組合の設立登記というものは昭和二十四年の十一月二十二日にしておる。それから価格裁定委員会で、一括処分をきめるときには四月二十八日の会議である。五箇月間もあるのに、それにこの買手の大西君の方の大阪石炭協同組合——かつてはあなたの次長であつた女房役の大西君は、私的独占禁止法の法律によつて、事業者団体法の第三條によつて公正取引委員会にこれを届け出なければならぬ。その手続をやつておらぬ。ことに協同組合を設立したならば、登記すると同時に通産省あるいは企業庁に届け出なければならぬ。これらを五箇月間に何らしていないのに、なぜそんな無資格な仮想的につくつた協同組合というものに、資格の審査もしないであなたが売つたか。実際その法的なことは知らなかつたのかどうか。
○小澤証人 ただいまいろいろと詳細にお聞かせ願いましたが、まつたく法的のことについては私は全然知りませんでした。何か前に協同組合ができ上つておる。それには六十人くらい販売業者が入つておる。五、六の人や十二、三の人でやつて世間の疑惑を受けるのはいやだ。門戸開放というか、機会均等というか、全販売業者を網羅した今の協同組合をもつと拡充強化して、それでやつたら一番ガラス張りで公正でよかろうと單純に考えてやつたわけであります。
○田渕委員 そう伺つておきましよう。そこでまた証人はこういうことを言つております。「近畿地方の現在の需給は月に大体三十二万トンの需要に対し、出石のみで約三十五万トンは優に入着がある状況で、供給過剰が明らかな状態のところへ持つて来て、さらに七十五万トンの貯炭はすでに全量が過剰といつて過言ではない。なかんずく宇部炭の貯炭は一昨年からのもので、最も新しいものでも山元で相当時期を経過したものもあり、ほとんど腐りかけている状況である。」これは長いこと石炭をやつたあなたとしては珍しい言葉を使つておる。石炭が腐りかけておるということまであなたが言われた。これは実際腐つて来ておるという観念でありましたかどうか。
○小澤証人 石炭が腐るということは、ちよつと常識上はまらぬ言葉ですが、実際宇部炭は、皆さん御承知と思いますが、常盤炭でもそうですが、宇部炭あたりは、しかも下級の宇部炭に至りますと、ものの半年、さらに一年、一年半経つて来ると、まつたくペンペン草が生えて来る。実際下手に使えば燃えるよりはかえつて火を押えるというような状態で、新しいときの宇部炭は見ばもいいし、火つきもいいし、ものにもなるのですが、宇部炭あたりの下級炭、中級物以下あるいはすそ物に至つては一年半、一年くらいたつとまつたく石炭か泥かわからぬような状態になる。それを指して言うたわけであります。
○田渕委員 ペンペン草が生えるのは悪い石ばかりではありません。相当高級の物でも貯炭をしておれは草の生えることは当然であります。それを聞くのではない。価格裁定委員会は相当構成メンバーはいいんだけれども、実際四月二十八日の価格裁定委員会に出た者は青二才の小僧どもである。あなたから見れば幼稚な赤子みたいなものである。これらに向つて大西君の方は一億円に買いたい、あなたは一億一千万円で売りたい。そこへ出て来た青二才どもをごまかす意味で、もう腐りかけているのだということまで言つたのかということをはつきり聞きたい。現に安定本部から青柳という若い小僧を出している。私もこの人に会つて直接調べております。資源庁からは島津邦夫、物価庁からは和田勝美、大蔵省からは高橋謙二、これを調べたのでありますが、大蔵省の公団の清算室にいるという資金課長くらいのしつかりした者だと思つたが、そうじやない。こういう小僧にひとしい者を中立委員だのへちまだのと並べておいて、公団側のあなたが腐りかけておるのだ、ああだ、こうだと売る方からたたいて行つたならば、買う方は待つていました、それ見なさいと言うことは当然である。七億もの国民の血税で買つたものをあなたが一億一千万円で売るのに、なぜそんなに大西にサービスをしなければならなかつたのか。あなたは人のいいのを知つておるから言うのですが、大西君にほとんどあなたは愚弄されておる。まあ局長はわからないからこう言いなさいというようなことでやられたものじやないか。そういうことは全然ありませんか。ないとすれば、なせ現職配炭公団の支局長がこういう不正なことをやるか追究しなければならぬ。ここらであなたの心証をよくするために、実際買手の方で安く買いたいからたたいて来たんだ、こういうことでなかつたのか。聞きたい。
○小澤証人 それは大西君はぼくをなめて、あるいは愚弄しておられるかしらぬが、私は負けぬと思つておるのです。それはまあ別としまして、今の田渕さんのお言葉にはまるかはまらないか知りませんが、私は三月三十一日までに何とかして処分をつけなければならぬ、これが私のほんとうの心情でありました。実際あの厖大な貯炭複雑な貯炭、やつかいな貯炭があの貯炭場にばらまかれて、ほんとうになれない人ばかりがおつて、その人たちはあすの日もわからぬような不安定な人である。これらがいいかげんにやつておつたら、ぬすまれたりいろいろな事故が起る。私は一日も早くやめたかつたけれども、清算人初め皆さんが最後までやつてくれ、跡始末だけはやつてもらわなければならぬと言われたので、私も責任を痛感して、とにかくこのやつかいなものは何とか処分せなかつたならば、想思的に不安定になつておるものには、いろいろな誘惑や何やらか出て来る。何百という貯炭場でございますから、目も足もとどくものではない。ほんとうにガラス張りでもつて行かなければならぬ。三月三十一日までに処分するということは、公団としてはどうしてもやらなければならぬことであるという気持はほんとうに強かつたのです。もう一つざつくばらんに申しますと、買手が安いことを言うのだ、売手は高いことを言うのはわかつておる。買手と売手と四人ずつ出て中立委員が七人出た。中立委員も売手側も一銭でも高く売りたい。あとの四人は一銭でも安く買いたい人たちです。ここで私が強いことを言つたら話は成りません。私は信念的に、あの平均火力から言つて、大阪の市場値段にはめてみますと、実際価格はこうなる。これはどこでも言える話だと思います。ここで決裂するようなことになつたらたいへんだ。火が出て警察の方で始末書を書けなんと言われたらやつかいでたまらぬ。あの公団のわずかの人間ではなくて、全体の業者にこの管理、保管をさせて適宜処分させなければならぬ。そのためには何とか話をつけなければならぬという熱意だけは持つておりました。
○田渕委員 もう一点だけ。そこで本員と民主党の大森、玉木委員が大阪であなたにお目にかかつたときに、政府がとにかくたたき売つてしまえということでやつたのだという話が記録されておるが、それはどこからあなたにそういう命令が行つたのですか、それを伺いたい。
○小澤証人 文書で東京から移牒して来ました。それから二月会議のときにも清算管理人からありました。それから私どもの方の業務関係、あるいは本部からの業務関係の人が往復しております。その都度話を聞いた。ただ総司令部が幾らでもいいから売つてしまえ、公団は三月三十一日までやればいいのだ。それであるからやつてしまえということでやつたのじやないのでございます。それだけは、そういう命令が出ておるが、しかし国家、大蔵省としては少くとも予算があり、予定価格はあるのだ。予定価格があるから、これはりくつがついておるのですが、しかし大幅にやることは踏み切りがつかぬ、そういうことで清算人にも申し上げた。たしかに予定価格をつくつたが、そういうことで……。
○田渕委員 それで文書で聞き、二月会議でも聞いたというのですが、それは公団の清算人からでありますか。あるいは公団のだれから、今の副総裁の八代君か、当時の総裁の藤井君からですか。
○小澤証人 八代君はもういないのです。総裁も関係なし。
○田渕委員 結局清算人の加藤八郎君がそういうような命令を出したのですか。
○小澤証人 加藤さんでしたか。あるいは調整室でありましたか、とにかく幹部の方からそういう話があつたのですが、幾らでもいいから売つていいという気持では毛頭ないのです。
○田渕委員 それなら幾らでもたたき売つてというバナナのたたき売りはできないわけですね。
○小澤証人 さようでございます。
○田渕委員 一応証人の言葉を信用いたしますが、われわれは絶えずこう言つております。こういう百二十何億という赤字の原因は那辺にあるか、公団と生産業者との間にあつたか、あるいはそこに政界、官界、財界の不正があつたのか、腐敗があつたのか、それを調べるのだから率直に言つてくれというときに、司令部から三月三十一日までに売つてしまえという何があつたから売つてしまつたのだ、そういう記録が出ておる、それで調べたらそういう指令は出ておらぬ。実際から言つて誠意があるならば、われわれは資材を取寄せておりますが、経済安定本部の方からもう公団はよしたいということは、何回も経済科学局の方にお伺いを立てた。三回にわたつて立てております。この三回の伺いに対して、一九四九年八月二十四日に配炭公団の廃止及び石炭の価格統制の廃止に関する件という回答が来ておる。それに対していろいろ手持石炭を処分しなければならぬ、それを経済安定本部長官はどういうぐあいに処分をするか、その計画を出せという指令が来ておる。しかるにこの指令にどうしたものだか完全なる回答をせず、時の閣議の決定は漠然たるものをさしておる。そうしてこれを経済安定本部長官におそくも八月二十七日まで提出せよといつておるのにかかわらず、ずつと遅れて来争の四月一日を目途として処分したい。こういうことでそれが少しも出ていない。 それからもう一つこの点お考えおき願いたいことは、こういうようなことの遠因がまずある。それから近因としては、配炭公団の損失補填のための交付金等に関する法律案、これは内閣から提出されたけれども、大蔵省から出ております。しかもこれが三月二十日の大蔵委員会に付託になりまして、四月八日に修正をして、四月十一日に衆議院の本会議を通過した参議院に送り込んだ。それからこの公団の拂下げの問題がずつと会議されておつて、これが御承知の通り第七国会は五月二日に終つたのですが、その五月二日の最終日に参議院を可決して五月十一日に公布した。この間、ちようど四月二十七日から五月六日までの間に、国会の配炭公団の損失補填金の委員会の状況、本会議の状況、参議院の状況を見比べて、そうして四十三億五千七百万円プラス七十五億八千八百万円という二十三年度以降の国庫に約付する利益金と合体して、百十九億四千五百万円という損失の数字を合せたものがこれである。少くともこれに対してもう少し掘り下げて行かなければならぬと思いますので、つまり今申し上げました法案が提案された四月二日から参議院を通過する五月二日の日まで、第七国会末期に行われたこれらのことに対して、買手の者は相当安く買おうとした。公団はこれを百四十五円、無煙炭八十円にすえ置いたということをお考え置き願つて、後日の委員会で御答弁を願いたい。
○内藤(隆)委員長代理 それでは他に御質問もないようでありますから、小澤証人に対する尋問は後日に譲り、本日はこれにて一応打切りまして、次の山本定次証人をこれから調べることにいたします。 〔内藤(隆)委員長代理退席、島田委員長代理着席〕 —————————————
○島田委員長代理 それでは引続き……。 山本定次さんですね。
○山本証人 はい。
○島田委員長代理 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また発言の際はその都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なおこちらで尋問するときはおすわりになつていてください。 証人の略歴を聞かしてください。
○山本証人 私は大正二年に神戸の高商を卒業しまして、ただちに三井物産に入りました。それからずつと石炭部の仕事をしておりました。昭和十九年に退職いたしまして、それから日本石炭に入りました。公団の成立します直前まで日本石炭におりました。公団が成立しましてからは、私は公団の顧問ということになる予定でありましたけれども、閉鎖機関整理委員会の方の日炭の整理事務所の仕事を仰せつかりましたので、その方の仕事を本職としてやつております。従いまして公団の方の実務にはタッチしておりません。ただ総裁なんかから諮問ないし意見を聞かれましたときに、自分の意見を申し上げるという程度の仕事をしております。
○島田委員長代理 それから証人は配炭公団の貯炭最終処分価格裁定委員会の中立委員でしたね。
○山本証人 はあ。
○島田委員長代理 中立委員に送任された事情をひとつ言つてください。
○山本証人 私が中立委員になりました理由というのは、私自身実はよくわかりませんが、多年石炭の経験があつたということで、私ともう一人國崎というのと二人、そういうことをやつてくれぬかという公団からの頼みがありましたので、ある條件のもとにそれをお引受けしたわけであります。
○島田委員長代理 公団から頼まれて中立委員になつたわけですね。
○山本証人 そうです。公団の清算人から頼まれました。
○島田委員長代理 裁定委員会の性格はどんなものですか。
○山本証人 裁定委員会は、初め公団の清算人から参りました書面には、公正なる拂下げ値段をきめるということになつておりました。しかし私ども中立委員が委嘱されましたときは、その数日前でありました。しかもその値段は三日ないし五日の問に解決してもらわなければ困るというお話でありました。従いまして向うに書いてありまする仲裁委員という性格では実は引受けられないわけで、それは私どもは現物を一つも見ておりませんし、また現状がどうなつておるのか遠ざかつておりまするし、またそれを一々どういう価格であるべきかということを査定いたしますのには、われわれ自分ではできないので、それらの組織をもつて、相当の日月を費して、実情を調査しなければできないわけであります。従いましてそういう意味における裁定委員というものはお引受けできない。公団から出ておりまするいろいろな値段、あるいは欠斤、あるいは廃棄数量というものについては、公団で詳細に調べ上げて、その数字は適当なものであるという前提でないと、この話はできないのだということでわれわれは引受けたのであります。従いまして、公団から出された値段、あるいは数量について買手側との意見の相違があります場合、その相違についてわれわれが適当な妥結を求めるような調停の労をとることでさしつかえないかということで申出ました結果、それでけつこうだという清算人のお話がありましたので、われわれはそれを引受けたのであります。
○島田委員長代理 それで中立委員として、そういう調停の労をとつたというような事実は相当ありますか。
○山本証人 公団が出ました値段と買手の値段との間には、あるものは一致していいるものがありましたけれども、中には一致しない場合の方が多かつたように記憶いたします。その一致しない金額は非常に大きな金額ではありませんでしたが、たとえば片方は五千万といい、片方は五千五百万というような程度の差違はあつたと思います。従いまして、最低値段はこういうところをもう少し切り詰めて値段を出したらいいじやないか、あるいは公団側は買手側の意向もこういうところにあるとすれば、それもやはり聞いてやるべきではないかというような点で多少妥結の労をとつた。こういうようなわけであります。
○島田委員長代理 中立委員は、要するに公団側と買手との間のそういういろいろな食い違いとか、あるいは欠斤、廃棄、品質、値段というようなことに対する調停という程度の役割たつたのですね。
○山本証人 さようでございます。それはあとからわれわれがちようだいしました議事録にそのことが明記してあります。
○島田委員長代理 それで一括処分した最終価格というものは、あなたの立場から見て妥当だつたと思いますか。
○山本証人 これはいろいろの見方があると思います。私ども中立の立場から行きますと、これを世間的に見ますと、あるいはその値段は安いというように一般に見られると考えます。ただこの問題は普通の品質の査定をして、一般の石炭がどういうような値段で売れているか、それに対して、これだけ品質の下つたものはどういう値段であるべきかというようなことをほんとうはやらなくちやならぬと思いますが、なかなかむずかしい問題であると考えます。そうしてこの売買の條件には三月末日をもつて残つた石炭を一トン残らず一手に讓つてしまうのだという前提がありますので、買手の方もあの炭を買う、この炭を買う、まず売れるものから買つて行くという話ではないので、売れるか、売れないかわからぬ、またどのくらいの値段で売れるかわからぬが、とにかく一括していいものも悪いものもロツトで引受けて、しかもその数量が十万トンなり五十万トンなり、七十万トンという取引で、その値段の見方にはいろいろあると思います。売手の方から申しますると、これはこの値段で買つてもらいたいということは、一応の見解はあると思います。しかし買手の方から行きますると、三月と申しますとだんだん市況も下つて参りまして、石炭過剰の傾向があるときであります。そういうときに何十万トンという炭を一括して引受けてその処分に当り、そうしてその炭代を公団に納めるのだということになりますと、買手の方も相当のリスクがあります。従いまして、まずこれならたいていやつて行けるだろうという自己値段をつけた。それでなかなか意見が最初合わなかつたのじやないかと思いますが、われわれのところへ出て参りました値段は、大体接近したような値段が出て参りました。従いましてこの値段が高かつたか安かつたかということは、なかなかほんとうは判断がむずかしいと思います。
○島田委員長代理 安かつたということは今でも一応考えられるですね。
○山本証人 その後の模様からいたしますると、市況がこの六月に多少好転して参りましたので、相当に売れているという話を聞いておりますが、多少安かつたという気はいたします。
○島田委員長代理 官庁からも中立委員が出ておりましたね。
○山本証人 出ておられました。しかし名簿に載つている方で出ておられます方は少うございまして、たいてい代理の方が出ておられたように記憶いたします。
○島田委員長代理 そういう人々の意見はどうでしたか。別に何も意見は吐かなかつたですか。
○山本証人 いや、それぞれいろいろな質問なり意見を述べられておりましたようです。具体的にこのときにどういうことをおつしやつたかということは、はつきり記憶いたしておりません。
○島田委員長代理 それは議事録にはつきり載つているのですね。
○山本証人 さようでございます。
○島田委員長代理 他に何かお尋ねはありませんか。
○田渕委員 証人は委員長の質問に対して、日本石炭株式会社におり、その前は三井物産、現在の三井鉱山株式会社におつたとおつしやいましたが、日本石炭からあなたは配炭公団の理事をやつておられませんか。
○山本証人 やつておりません。
○田渕委員 配炭公団の理事には全然就任なさいませんでしたか。
○山本証人 御承知の通り、日本石炭の理事をしておりましたので、一応公団の理事になりましたけれども、その後就任することができぬということで、みんな退職いたしましたことは御承知の通りでございます。私は日本石炭という会社が閉鎖機関整理委員会にかかりまして、その方の事務の担当者として、公団の方へは正式な席は置いておりません。
○田渕委員 どうも配炭公団の理事としてお目にかかつたような記憶がありまするので、あるいは人違いかもしれませんけれども伺つたのであります。
○山本証人 公団ができました当時、私としては——菅さんがそのときの長官でありましたが、私が顧問に就任すべき予定になつておりました。従いましてその当時あるいは会議の席上へ総裁が出てくれという場合には出て話をしたり意見を述べたことが一、二度あるかと記憶いたします。
○田渕委員 証人は菅禮之助君が総裁をしておりました当時、本員と数回会つておるのであります。それは公団の理事ということはしなかつたかもしれぬが、公団の設立当時には相当の役割をせられたように思つておりますが、そうではございませんか。きよう私は初めてあなたにお目にかかつて見たことのある人だということの記憶から私は伺つておるのであります。そうすると、少くとも公団の設立当時において、重要な位地におり、ことに当時の総裁で石炭長官を兼ねておつた菅長官の代理として出られるような人が、末期において——その間に切れたかもしれませんが、中立委員というような仮面をかぶつて、この公団の査定をするということに対して、公平にやれるかどうかということを私は疑わざるを得ない。何がゆえにそのときに引受けることを拒絶されなかつたかということの、私ははつきりした御心境を伺いたい。どうしても自分が出る方が円満に行くと思うか。少くとも公団に多少とも関係し、少くとも総裁の代理までした人が、最後の処分に対して最も公正を期する意味合いから、学識経験者として中立委員に出ておる。ところが公団の設立当初は総裁の代理だつた。こういうような人が、はたして公平な判断と、公平な裁定ができるかどうかということを私は疑いますので、あなたが引受けられてもそれで公平に行ける、りつぱな人格を保持して行けるという御自信があつたかどうか伺いたい。
○山本証人 私は公団の総裁の代理ということで仕事をしたことはありません。前言に申しました通り、公団に移りました当時、日本石炭が閉鎖機関整理委員会の手に移りましたので、私はそつちの方の整理担当者としての事務を仰せつかりました。公団の方は最初のうちはお手伝いをしておりましたか、間もなくそれはやめまして、本職は日本石炭の整理の方においておりましたような次第であります。なおただいま田渕委員からのお話のありました、お前は前は公団の理事の仕事をしておつて、公平に値段の査定が引受けられるかどうかという御質問に対しましては私も正確な値段がはつきり私のところででき上るとは考えておりません。ただほかに人がないので、ぜひやつてくれという加藤清算人のお話がありましたので、私と國崎君は日本石炭に関係があつたので、それでお引受けいたしました。但し今申しましたような條件で、われわれは調査もできませんし、何もないのだから、ここに出す数字は公団自身が調査して正確なりという自信があるならば、そういう前提のもとに私どもは値段の合わないところを御周旋申し上げる、こういう趣旨でお引受けしたような次第であります。
○田渕委員 そうすると証人は現地の、とにかく全国各地の数百、あるいは千を越すかもしれませんが、貯炭場に貯炭されておるところの数量の確認をするためには、どういう資料を今までの学識経験者としてお集めになりましたでしようか。いわゆる現地における数量の確認の資料をどういう方面から求めたかということを伺いたい。
○山本証人 私自身は何もそのことについて数字を求めておりません。また調査もいたしておりませんし、無用意であります。従いまして公団が自分の石炭を売るのだから、こういうものだという調査が十分行き届いておるという前提のもとに、私どもはその話を進めたわけであります。
○田渕委員 私は先日池田大蔵大臣に会つてけしからぬことをやつておると話をしたところが、うまい機構でやつただろうがという池田大蔵大臣の答えがあつたのでありまするが、少くとも日本石炭におられた。日本石炭の前身というものは、要するに石炭屋さんである。私どもがいつも言う通り、その看板を塗りかえてできたものが配炭公団の全職員である。そういうふうな人はすべてを知つておる。公団の資料だけでやるのならば、何も学識経験者としての中立委員としてはつきりした決定を與えられないじやないですか。それにあなたは二十五年の何月何日かわかりませんけれども、貯炭最終価格裁定委員会の議事録というものが出ておりまする、その確認書に山本定次として判を押されておりまするが、あなたはとにかくこういうふうに考査特別委員会で非常に問題になつておるということを御存じであり、しかもこれが問題になつておるということを知らなければならぬあなたの環境であり、しかもこの議事録のできたのが、本員が数箇月前に、この委員会でなぜその議事録を取寄せないかと言つて事務局に要求した、まだできていないというので、それから後につくつたものである。そうしてわれわれに本日ここに出されたものを見ますると、議事要録というぐあいに要の字を入れておる。おそらくこれは全文を調査しなければ、相当私は疑いを持つておるのでありまして、信じられません。かようなものに証人はどうして——本員がただちに、ここに取寄せろというて要求したときには、ここにはつきりありまする通り署名しておる。貯炭最終処分価格裁定委員会議事録。どうも私ふしぎなのは、当時こういうようなことが議事録に、もちろん速記をされておるのですから、公団が署名捺印はできなかつたかもしれぬが、四月の二十八日から五月の最終四国会議において、四国の値段が高かつたのにほかが安いから、もう一ぺんこれを高くしようというクレイムがついたのです。それでこの議事録を十分調査されて山本という御判をお押しになつたかどうかということを伺いたい。
○山本証人 議事録はなるたけ早くつくつてもらいたいということを、中立委員としては申しておりました。しかしなかなかできませんで遅れましたのですが、でき上りましたときは、私ちようと一箇月ばかり北海道へ旅行しておりまして、私が帰りましてから非常に急がれるので、精読するいとまもなく、もちろんそれに全員出席したものとして捺印して出したわけであります。
○田渕委員 少くとも山本さんの御年輩、また今日の日本石炭の地位から言つて、ことにこの重大な五百九十万トンの貯炭の最終の二百何万トンに近いものを処分する、しかも国崎さんとあなたは国民も政府も行政官庁も最も信頼しておる価格裁定委員会の仲裁委員である。こういうような信じられる方方が、かつての経験知識があるにもかかわらず、数量の確認をするのに資料を集めない。たとえば大阪なら大阪の経済調査庁が調べておる。あるいは名古屋財務局、大阪財務局が調べておるというような資料を集めて検討された上で、これに決定の御処分をなさらなかつたのかということを伺いたい。なぜそれをとるいとまがなかつたのですか
○山本証人 今の田渕委員のお話はごもつともだと思いますが、私どもが委員になつてくれということの話を受けましたのは、会議を開催いたします数日前でございます。それでその間とうていこれは時間的にもそういうひまは全然ありませんでした。残念ながらそういう資料のないままに会議を開催いたしました。しかもその会議は三日間でありまして、あれだけの資料を精査する、また実物を見ないでやるということは、結局そういう点においては確かに欠陥があつたと思います。しかし私どもはそういう委嘱を受けましたときには、もう時日も切迫しており、たしか数日しかなかつたと思います。それでどうすることもできませんので、しかも公団の方では急いで——たしかあれは四月の末日までにやつてしまわなければならぬ、それ以上遷延を許さないという事情でありましたので、曲りなりにもそういうふうにいたしたのであります。
○田渕委員 ふしぎなことを伺つたのであります。そうすると学識経験者として中立委員に出てくれというのが会議の数日前だとおつしやいますが、四月の二十七日から会議を開いておりますが、四月と言えば桜の開くころですが、中旬でしたか、下旬でしたか、それを伺いたい。いつごろに中立委員になつてくれという交渉がだれからありましたか。
○山本証人 それは手紙をいただきましたのが、たしか——ちよつと書類を拜見してよろしゆうございますか。
○田渕委員 どうぞごらんください。
○山本証人 ちよつと委嘱を正式に受けました日の書類を持つておりませんので、申し上げかねますが、しかもそれはここに四月二十四日に清算人から私のところに参りました手紙がございますが、四月二十四日に参りまして、二十七日から三日間にわたつて会議を開く、こういう手紙が来ておるのであります。その前にそういうことを頼むかもしれぬというような個人的な話は、そうずつと前からではありませんが、その会議の少し前に話を受けたことがあります。しかし私はその任ではないからお断りしたいということを申し上げたことがあります。それ以上正式に受けません。二十四日に参りまして、二十七日から会議を開催いたしました。
○田渕委員 そうすると証人は学識経験者として、元の一括処分のポイントであるところの中立委員としての書類による何は、四月二十四日と言われておる。数日前からあつたけれども、大したここに一週間とか十日という日はない。そこで二十四日付の書類によつてただちに三日後の二十七日の会議に出ておるのであります。これを二十四日の手紙で大体承諾をして、少くともこの間に十分な資料を集める時間的余裕がなかつたと伺つてよろしゆうございますか。
○山本証人 今申し上げましたのは、書類で正式に参りました日付は今記憶しておりませんので、これははつきりしておりませんから、その点私の偽証があつてはいけないので、その日付はわからないというふうに新承知を願います。
○田渕委員 そこで中央経済調査庁物資調査部のデータが来ておるが、それにこういうことが書いてある。「調査庁は容積による貯炭量の調査は実施したが、品位についてはこれをただちに現場において認証するに足る知識と経験とに乏しい関係上、品位認定は原則として分析結果によることとした。四、当庁としては貯炭の面より生ずる国庫赤字負担増の防止の目的をもつて公団において規定した嚴密なたなおろし調査を極力実施すべく努力と熱意を傾注したことであつたが、実地の調査にあたつては、地域により必ずしも当初の意図が貫徹できず、一部の地方においては目測をも併用せざるを得なかつたことは遺憾であつた。その原因は、(1)貯炭場によつては所定の器具が全然備えつけていない。(2)所定の器具が備えつけてあつても、單なる形式程度で実地調査には不備であつた。(3)貯炭場の散布状況と貯炭量とに比し、時間的にきわめて制約された。」この経済調査庁の調べるのも一週間でやるというようなことを公団側から言つておるので、現地で困つておるということを——後刻大阪経済調査庁の記録を読み上げますが、そうして「(4)貯炭場の石炭山を測定可能な程度に整形することの要求を拒否された。」こういうことを言つておる。これが重大なのであります。少くとも下敷二メーターなら二メーター、高さ一メーターなら一メーター、てつぺんが、一メーターなら一メーター、三尺なら三尺で、これを何間において幾らという幾何学的数字を出さなければならないのに、それを拒否された。こういうことである。これが中央経済調査庁の、つまり全国の総合的なものであります。「右の(1)(2)(4)の原因は公団側において経費、人員制約節減を口実に、前記の公団自身の規定したたなおろし方法を公団みずから無視したもので、本たなおろし調査に対する一部公団幹部の態度と真意を端的に露呈したものと思われる。現に大阪配炭局長のごときは、本たなおろし調査のごときは まつたくナンセンスであると放言してはばからぬことは、這般の事情を説明してあまりあるものである」と言つておる。それから名古屋の調査庁はもつとひどく言つております。私のところへ大阪の調査庁から回答して来たのはこう言つておる。いろいろありますが、調査の結果に対する意見として、「調査の結果は必らずしも満足し得るものではなかつたことは残念である。当管下においても福井地方庁管内のごとく、公団当局をして再たなおろしを納得せしめ得ず、認証事項皆無の結果を生じ、大阪地方庁管内のごとく調査期間嚴守の念にかられ、実測率低きに過ぎ、全般を推測する資料としては不十分なる憾ある結果を生じた点はあるが、左記諸点を明らかにすることができたことは、本調査の成果であると思わる。イ、信頼し得る在庫確認は、調査庁が関與して初めて可能である。」こうある。信用し得る調査は調査庁が立会つて初めて可能である。公団の帳面なんというものは皆でくの坊である。こういうことをはつきり言つております。「本調査の結論として調査庁の行う在庫確認は、最も嚴格なものであることが関係機関に周知徹底されたとともに、その反面他の機関の行う在庫確認が、常に便宜的であつたであろうことは、今次の立会い態度で立証し得たと思える。今次たなおろしに調査庁が関與しなかつたならば、公団自体のたなおろしはほとんど帳簿面のたなおろしに終つていたであろう」ということをはつきり言つておる。公団の帳簿面がどんなになつているか、経済調査庁が調べたのに、資料の算定方法がなかつたというようなものの、資料もとらずして、数日前に呼ばれまして、三日間これに出て、そしてこれだけのものを、だいこんかにんじんを切るがごとく価格を下げてしまつて、数百万トンの石炭をわずかの価格で処分してしまつたという中立委員の責任を、今日あなたはどうお考えになりますか。相済まぬと考えますか、中立委員の職責を果したとお考えになりますか。
○山本証人 いろいろお話でありまするが、私はその問題ついて非常に間違つたことをしておるとは考えません。と申しまするのは、前申し上げましたように、われわれはそういう材料を持たないから十分なことはできないぞということをお断りして始めたわけでございます。そこでもうわれわれのところへ出しますときには、公団はこういう値段で売るのだという値段が出ます。そこには買手もおります。しかし買手の方では、それは高いからこういうふうにしてくれというお話がありますので、われわれは古い顔だものですから、まあそう言わずにこういうふうにやつてくれというような、調停の役というような意味においてこの任務を引受けましたわけでありますから、田渕委員のおつしやるように、そう非常に間違つた職責違反をしているというふうには実は考えておりません。
○田渕委員 蘭室に入ればおのずから臭し、蘭室に入ればおのずから芳ばしということは、ほんとうに言うのはこういうことだ。日本石炭であり、公団の設立当初総裁の代理はしなかつたかもしれぬが、われわれ数回会つておる。こういうようなことで、公団が臭いから、こういうことをやるについても、あなたは関知しなかつた。もしこれを第三者のほんとうに学識経験者を持つて来たら、資料を集めなければ、おそらく裁定委員会の決定書、確認書というものには判を押さなかつただろう。ことにあなたの子供くらいの経済安定本部の青柳という事務官を私が調べたら、ああいうばかばかしいことはないので、もうわかりませんから、われわれとしては責任を持てぬからどいたと言うておる。証人としてこれを調べますと、若いあなたの子供さんみたいな青二才の事務官みたいな者が、まつたく伏魔殿みたいなところです、あんなところにわれわれが行つたつてわからないと言つている。その公団がある目的でずつと計画を立て、一つの構想でやつて来たところへ、あなたが刺身のつまに出られたのですか。それともロボツトか。要するにこういう中立委員というものをつくつてやるのだという謀略の形式につくつたものに、あなたが出られたのですか。それともあなたが出られて調停したという以上は、少くとも国家的なものを処分するので、国有財産を処分するにひとしいのだから、相当な信念を持つて、これはひとつやらなければならぬという観念がありましたかどうですか。あなたの子供さんのような青柳事務官が、相済まない、わかりません、だからわれわれは帰つてからああいう席には出ません、局長出てください、まつたく公団がいいかげんにやつているということを言つている。それをあなたは中立委員長として、いや協定をしたのだというので、職責を全うされたとは、われわれは了解できません。そこであなたは、どこまでも自分のやつたことは良心的であつて、まつたく数日前に委嘱されて、何らの資料もないのに、公団側からこれこれをやるから聞いたのだというように伺つておりますが、われわれはそう了解してよろしいでありますか。
○山本証人 田渕委員のおつしやる通り御了解願いたいと思つております。
○田渕委員 私はまだ質問もありまするけれども、この程度で留保しておきます。また後日もう少し研究してみたいと思います。
○島田委員長代理 ほかに御質問がございませんか。——別になければ、山本証人に対する尋問はこれにて終ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十五分散会