建設委員会 第1号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1950/07/15
会議録
○藥師神委員長 これより建設委員会を開会いたします。 この際一言ごあいさつ申し上げたいと存じます。第八臨時国会開会劈頭におきまして、衆議院規則第九十二條の改正が行われ、常任委員が一新せられたのでございます。この機会にあたりまして、不肖引続き建設委員長の職を汚すことに相なつたわけであります。従来皆様方の非常なる御支援によりましてその職を勤めて参りましたが。今後もなお一層の御支援、御援助をお願い申し上げる次第であります。大部分の方は、前回の方が留任されておりますが、過去おいては、お互いの協力及びなごやかなうちに会議を続けまして、また一面においては真剣なる研究を続けて参つたのであります。日本再建途上において建設委員会の担当するところは、実に重かつ大であると考えるわけでございますから、今後とも各位の格別なる御支援と御理解をいただきまして、職責を全ういたしたい、かように存ずるわけであります。一言ごあいさつ申し上げます。 —————————————
○藥師神委員長 それではこれより理事の互選を行います。
○西村(英)委員 動議を提出いたします。理事はその数を五人といたしまして、委員長において指名されんことを望みます。
○砂間委員 理事はこれまで通り七名といたしまして本委員会におきまして、祕密無記名投票に付せられんことを望みます。
○藥師神委員長 西村委員の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
○藥師神委員長 御異議なしと認めます。それでは理事の数を五名としまして、委員長から指名することにいたします。 内海 安吉君 鈴木 仙八君 田中 角榮君 天野 久君 前田榮之助君 以上五名を理事に指名いたします。
○藥師神委員長 次に国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。大体国会の初めに、慣例——というよりも、むしろ承認を受けておかなければ国政の調査がやれませんので、国土計画、地方計画、都市計画、住宅復興、治山治水事業、道路、特別調達庁所管の営繕及び保有物資等に関する事項について、この際衆議院規則第九十四條により、国政調査の承認を求めたいと存じますが、承認を求むるに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藥師神委員長 御異議がないと認めます。なお本書の作成並びに提出手続等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藥師神委員長 御異議がなければさように決します。
○藥師神委員長 それではこれから河川道路等の災害復旧対策に関する件を議題といたします。災害の実情に関して河川局次長の伊藤説明員から説明を聽取することにいたします。
○伊藤説明員 本年度に起りました災害の実情につきまして、私どもの方におきまして調査査定いたしました事情を申し上げます。本年は一月以来豪雨が非常に多くありまして、一月三十一日、次には二月八日、相次ぐ出水並びにそれに伴う融雪の災害が相当ございました。これは五月以前とそれ以後にわたつております。五月以前の融雪災害というものは、お手元に配りましたように、全国的にまんべんなく起つておるわけでありまして、その総額が約三十四億六千三百余万円ということになつております。なお最近六月に、長野県、それから茨城県、靜岡県というようなところを中心といたしまして、豪雨によりまして相当の災害を起したわけでありまして、その額が約二十七億三千六百二十四万幾ら、こういうことになつておるわけであります。災害の起りました都度に、私どもの方といたしましては、人を派遣いたしまして実情を調査するとともに、その後は査定官が参りまして、逐次その災害を査定いたしたわけであります。本年におきましては、総額におきまして、今までの査定済み額は、約六十六億九千、約六十七億円という実情になつておるのでございます。これに対します手といたしましては、幸いに予備費がございますので、第一回、第二回とわかちまして、予備費の要求を安本の方へ提出いたしておる次第でありまして、その金額につきましては昨日の閣議におきましては、新聞報道による通り、何か四十億程度において予備費を出すということに決定いたしたような事情であります。その金額につきましては、なお安本方面から司今部方面と折衝がございますので、どういうふうになりますか、まだはつきり申し上げる段階にはなつておりません。なお四十億というのは河川局関係の災害に充てられるばかりでなく、これは各方面の災害に充てられると思いますので、河川局関係にどの程度になりますか、いまだ決定はいたしておりません。はなはだ簡單でありまするが。今までの災害の実情を申し上げた次第でございます。
○藥師神委員長 次に、災害復旧国庫負担額について安本建設交通局次長の説明を承ります。
○今泉説明員 ただいま河川局の方から御説明がありましたほかに、農業関係、それから山の関係、それから水産関係、道路関係、漁港、港湾関係、都市計画、上下水道、厚生施設、文教施設、住宅、こういつたものにつきまして各省からそれぞれ被害の報告とその報告に基いて現在までに査定した数字が出ております。合計額によりまして、大体被害総額の報告額で申し上げますと、二百四十一億七千三百万円余という報告額になつております。それに対しまして、現在までに各省としてすでに査定を終つたもの、これが概略事業費で申し上げまして百四十五億程度になつております。その内訳の一番大きいのは、何と申しましても河川が一番大きな被害を受けておりまして、河川につきましては若干今河川局の方からお話のあつた数字と私どもの方ですでに査定を終つたという数字と、若干食い違いがあるようでありますが、安本の方で今まで報告を受けた数字は、一応直轄と補助と両方加えまして、事業費で申し上げますと、七十六億四百万円余、国費で申し上げますと七十四億六千三百万円余、こういうことになつております。 その次に大きな金額は農業でございまして、これがやはり直轄と補助とを合せまして、事業費で申しまして四十五億一千九百万円余、それから国の補助、国庫負担額から申し上げますと二十九億三百万円余、あと山の方で申しますと、事業費で申しまして十七億五千万円余、国庫補助で申しまして十二億六千三百万円余、あとは林道、水産道路、港湾、都市計画上下水道、厚生施設、こういうふうになりますが、もしあとから御質問があれば申し上げることにいたしまして、一応先ほど申し上げました通り、現在までに査定済みの額が百四十五億程度出ておりますので、これに対して二十五年度災害の予備金から、どれだけこれに振当てるかということで、安本といたしましては一案をつくりまして、きのうの閣議においてそれを提出したわけでございます。その原案は昨年、一昨年等におきましては、原則といたしましては、災害に対して大体初年度は三〇%次年度が五〇%、それから第三年度が残りの二〇%、こういう原則をずつと以前においてはとつておつたのでございまするが、昨年、一昨年等は非常に被害が大きかつたことと、それに予算が伴わなかつた結果、昨年、一昨年の初年度の災害費として、国庫負担した率は大体一二%平均くらいにつております。そこでことしは相当初期に災害が来たのと、それから予備金が設けられてある。こういう次第で、従来よりもできるだけ多く見てやろう。こういう大体の空気で、率から申しますと、一八%強、約一九%近くをことしは見ようじやないかということで、配分案をつくりましたのが二十六億二千万円余り、こういう配分案をつくりまして、昨日の閣議に提出した次第でございます。閣議の方といたしましては、ことしは予備金もあることであるし、時期的に非常に早いから、できるだけ多くこれは出すべきだ。こういう御結論で、この二十六億二千万円では不足と思うから、総額を四十億の案に改訂して、そしてこの次の閣議までに、その配分案をつくつて出すようにということで、総額を四十億円とするということに、昨日の閣議で決定されまして、来週の火曜日までに安本がこれに対する配分案をつくつて、閣議で正式に御決定を願う、こういう段取りになつております。以上従来の経過を御説明申し上げます。
○伊藤説明員 先ほど河川局から申し上げました点で、直轄の金を落しましたから、追加いたさせていただきます。直轄といたしましては、五月前の災害が約五億三千一百二十五万円、それから六月以後の災害が現在までの査定額が三億六千五百五十万円、合せまして八億九千六百七十五万円、こういうことになつております。従つてこれを総計いたしますと、七十五億八千万円、約七十六億になります。 —————————————
○藥師神委員長 これより質疑を許しまま。今村君。
○今村(忠)委員 ただいま本年度災害復旧に関する総括的な御説明を聞いたのでありますが、お手元へ資料を配付申し上げておきましたが、本年に入りまして、六月の上旬、時期としては豪雨などない時期でありましたが、偶然のことに非常な豪雨がありまして、長野県の南信地帯が恐ろしい水害を受けたのであります。今の総括的な説明では、この長野県南信地区の被害状況ということが明らかでありませんが、実はこの水害が起きました直後、私は建設委員という立場もありましたので、もとより個人で参つたのでありますが、幸いにして建設專門員の側から参加もいただきまして、当時被害の状況をつぶさに見たのであります。後に建設大臣、続いて農林大臣等も順次視察してくださいましたので、その都度行をともにいたしまして、説明もいたし、またみずからも進んで調査等をいたしたのであります。この時期はずれの時期における水害といたしましては、あまり例もないことと思いますが、その被害の総額は三十一億に達している。河川関係、言いかえましたならば、主として建設省所管に関するものでも、大体十一億以上に達するという状態でありました。これに対して今総括的な復旧費の説明を受けたのでありますが、私はこの際單に総括的な数字にとどまらずして、一体どういう技術の面から復旧に当られるのか、責任ある当局の御説明を承りたいと考えるのであります。私たち今回の水害の状況を見まして、先ほど刷りものにして、「天龍川の水害とその根本対策について」というものを差上げておりますが、そこで一体当局は、この時期はずれの豪雨にかような被害がどうして起きたか、その原因とでも言うべきものを——水が多く出たことは当然のことでありますが、その水が多く出た割合を天龍川について調べますと、昭和二十年の場合よりははるかに少かつた。しかるに昭和二十年当時の被害に比べて、数字で言えば、ほとんど十倍以上の被害を、少い水で受けた。その原因はどこにあると当局は考えておられるか、まずその点をお聞きいたしたいと思います。なお順次質問を重ねたいと思いますから、責任ある、権威ある御答弁を願いたいと思います。
○伊藤説明員 今、今村さんから長野県の水害の状況について御説明がありました。当時私の方も係官並びに課長等も出て参りまして、いろいろと実情も調査に参つた次第でございます。従つてその災害の被害の多かつたことについては、十分認識いたしているわけでございます。災害が従来よりどしてひどかつたかという御質問もございましたが、それにつきましては、いろいろの原因もありますが、第一に、最近の山の荒れ方が非常にひどくて、河川へ押出した土砂が非常に多くなつた。従つて川底も上りました関係上、水の割合にその氾濫がひどかつた。こういうことも一つ大きな原因であると思います。その川底の上りました原因は、ただ山だけではない。結局天龍の川下につくりましたダムの関係が非常にひどいものがあるということは、これは私は十分聞いております。私技術官でないものですから、実際の関係についてはここではつきり申し上げるわけに行きませんが、各方面からお聞きいたしたところによりますと、この堰堤の関係が土砂の堆積に非常に影響があつたということを聞いて、そうであつたであろうと私としては考えているわけであります。さらに戰時中川の堤防につきましても、この手入れを非常に怠つておつたということも非常な原因であると思つております。いろいろの原因があると存じております。従つてなお十分この点につきまして精査いたしたい、こういう考えから、早急に調査費を捻出いたしまして、すみやかに調査に当つて、十分その点を研究いたしたい、こう存じておる次第であります。
○今村(忠)委員 今一応の御説明をお聞きしまして、はなはだその不十分なるのに驚いたのでありますが、およそ災害が起きまして、これに対してその衝に当る者が相当な熱意を持つてかからなければ、この災害を克服するといいますか、單なる復旧ではなく、将来再び重ねて起きないというだけの処置ができないと私は思うのであります。立場が違うからといいましても、建設省という地位にあつて、今回の災害が時期はずれでありながら、しかも二十年のときの水よりもはるかに少いものでありながら、なぜこの被害を受けたかという、およその項目くらいあげてでもわかつていなければならないのに、それをも研究せずして、予算の編成にあたるなどということは、はなはだ国費を濫費するものと言わざるを得ない。生きた金でなければ、——わずかのものにいたしましても、それがほんとうに魂の入つた使い方をしなければ、いかなるものができますか。現に今回は建設省みずからが手にかけてつくり上げて、まだ県に引渡さぬが、金額にして二億に近い堤防が全壞いたして流れております。みずからつくつた堤防が、まだ完全にでき上つたとは言えないかもしれませんけれども、すでに工事は終つて、まさに県に引継ごうという直前において、跡形なく流れてしまつたというこの事実は、これは真剣に考えていただかなければなりません。今日の金で二億足らずの金額は、大きな数字から言えば大したものでないと言えるかもしれませんけれども、私は今言う通り、でき上つておつて、県に引渡す寸前において跡形もなく流れるような堤防を技術の面からなぜつくつたかということを言いたい。利根川のごとき平野を流れる川と、名も天龍と言われて、動いておるおそろしい激流の川を扱うのに、われわれしろうとが見てもまつたく技術上に一つも努力が拂われておらぬ。われわれに言わせれば、豆板式の堤防と言いたい。砂利を積んで、砂を積み、その前面だけ豆板と同じように丸い石をセメントで固めているああいう堤防では流れます。現に惣兵衞堤と徳川時代に言われてつくり上げたという古い堤防は残つておる。古い堤防が歴史にして百年、二百年と長い間残りながら、新しい堤防が厖大な国費を使つても流れておるというこの事実は、記録破りの大洪水が出たという理由ならばいたしかたありませんが、先ほどもお断りした通り、昭和二十年のころから比べてみればその水量ははなはだ少いのであります。それが流れるような堤防をつくつていられる。そうして原因がどこにあるかも確めずして予算を組んで復旧なさつたところで、また流すに違いないと思う。私はこれを断固申すのであります。私はその衝に当つておらぬからわからぬと言われるならば、衝に当つてわかつておられる人を連れて来て、国会に臨んでもらいたい。不見識にもほどがある。そんな考えでもつてこの荒れ果てた日本の戰後の国土を回復できると思いますか。一体今度の水害で諏訪湖の天然の遊水池が、しかも釜口水門というものをつくつて以来例のない被害を下に及ぼすような結果になつたと私は思うのでありますが、当局はこれに対してどうお考えになりますか。
○伊藤説明員 ただいま私が技術問題につきましてしろうとのためにお叱りを受けました。技術面についてお叱りの点もよくわかつております。技術方面におきましても、早急にその計画を立てて万全の対策を議するように努力いたします。それから今釜口水門のお話が出ましたが、釜口水門のできましたために——ちよつと聞き間違えましたらお許しを願いますが、特にあれができてもなお災害が起つたのはどうかというお話かととりましたのですが、釜口水門ができましたので、この水の調節が非常によくなつたことと、それからその操作によりまして灌漑用水に非常に便利になつたというのと、若干の洪水ならばこの諏訪湖である程度は調節できるということは承知いたしておりますが、本年程度の水が出ました場合におきましては、はたして諏訪湖におきまして十分なる調節をいたして、下流に水害を起さないようにできるということにつきましては、私十分にその点存知しておらないので、お叱りを受けるかもしれません。聞くところによりますと、今回のような水が出ますれば、なかなか調節が困難である、こう聞いておるような次第であります。
○今村(忠)委員 なお水害の原因の一つとして、私は河川改修そのものを取上げてみたい。 建設省は年々尨大な経費をかけまして、各地において河川改修をなされているのでありますが、私は一概に言いきれませんけれども、概して河川を改修したところに水害多しと言いたい感があります。それはその河川改修の原理に大きなあやまちがあるのではないか。大体日本のように山岳の多い国におきまして、河川改修をいたすとなりますと、どうしても川の流れが従来の自然に流れたものと違うものになつて参る。簡單に申せば、非常に羊腸の流れ方をしておつたものを、改修すればどうしてもまつすぐに流れざるを得ないようになつて参ります。ところが、これが従来の堤防の不完全な場合におきましては、堤防を破つて、今言う羊腸の流れ方を自由にして、底の高くなつたときには低い方に流れて、自然川の瀬がかわる。ところが改修いたしますと、その模様によつては川の自然というもうが阻止されているのでありますから、その結果起きて来る水の当る度合いがはなはだ変化もするし、強くもなるわけですが、それに対して十分な対策が講じてないと私は言いたい。そこで私は河川改修というものをもう一度科学的に再検討してもらいたいということが一つと、もう一つはこの河川を改修して、今言う山の木の濫伐、過伐等から起きる土砂の流失というようなものと、もう一つは、本流をとめて下にダムをつくるというようなことから、改修された川に恐ろしい土砂が出る、その土砂についての対策がとられておらない。それで金をかけた堤防を流すという結果になると思うのでありますが。一体当局はこれらに対して総合的な何らかの研究を現にしているものかどうか。あるいはすでにこの結論が出ているとするなら、その結論も、寡聞にして私は知らないのでありますから、お教えを請いたい。いずれにいたしましても、現に建設省が先ほど申すように、年々尨大な経費をもつていたしておる河川改修は、簡單な言葉で言えば、金はかけたけれども、あるいは不十分であつたとも言われますけれども、何らの役に立たないという結果になつておる。それならむしろ昔のような応急的な堤防、もう少し説明いたせば、石を組んで蛇かごに入れた式の堤防にしておきますれば、経費も少いし、被害も見ようによつては少いと思う。このごろ改修するときのように、土砂を集めて豆板式のセメントで張つたものにしておけば、被害はむしろひどいと思う。しかもその被害を受ける区域の広がり方と被害の受け方が非常に時間的に早い。二、三百メートルの堤防が流れるのに、わずか二、三時間で流れる。しかも跡形もなく流れてしまう。石を組んで蛇かごに入れた式は、そんなに長い二、三百メートルにわたるものが一ぺんに流れることは絶対にない。そうだとすると、あなた方建設省でお考えの河川改修というか、建設改良というか、従来の災害復旧におきまして近代的工事をしたものが、金を多くかけてかえつて悪いという結果になつておる事実がある。一体こういうことは天龍川流域のみに起きたことではない。われわれは建設委員として全国各地を見ておる。利根川の決壞を見て、私が即座に言つたことは、人為的につくられた利根川はすでに壽命来れり、使うことのできない利根川に水を流すことに誤りがある。天罰にあらず、人間の力の足りなさによつて切れたのだと私は指摘した。これらに対して建設省では何らかの研究というか、根本対策を一体考えておるのが、まずそれをちよつとお伺いしておきます。
○伊藤説明員 まず上流の砂防並びに河川改修との関係につきましてはいかがいたしておるか、こういう御質問でございます。上流の砂防と河川改修とが不離一体であることは十分承知いたしておりまして、そういう線に沿うて工事を実施いたして来ておるわけであります。上流の砂防につきましては、古くから直轄もいたして、なお県に補助もいたしてやつて参つたわけであります。ただ戰時に入りました時分から、砂防工事につにましてはセメントの関係などがございまして、資材の観点から事実上工事が非常に困難になつて参りました。そういう観点で、河川改修との間に若干の齟齬を来しておつたわけであります。最近においては、この方面につきましてもある程度の予算の増額もできましたので、前からの申入れに十分のつとりまして、上流の砂防と河川改修との関係につきましては、常に連絡をよくいたしまして河川の改修をやり、また上流においては砂をとめる。この両者は常に密接な関係のもとにやつております。ただまだ予算面におきまして若干そこに不均衡がございますので、この点については本年度の予算においても十分考慮いたしまして、砂防の方にも力を入れたい、こう存じております。なお山林と砂防との関係でありますが、林野局においても、できるだけ河川上流の林産物の復旧に力を盡していただくように、私ども砂防工事とよく連絡はいたしておる状況でございます。実際の面においていろいろと行き違いのある点につきましては、十分問題の重要性を考えて、なお研究して行さたいと存じております。 なお河川の改修方法でありますが、緩流並びに急流河川につきましては、方法が違います関係上、堤防についても、水勢その他の問題についてもいろいろと研究はいたしておるわけであります。この点におきまして、堤防の土質の問題でございますけれども、なかなか遠方からいい土をとつて来ることができないという関係上、河原の土を盛り上げてやつたという脆弱な部面も出まして、いろいろとおしかりを受けておるわけでございます。こういう問題につきましても、経費の許す限りなるべく良質の土砂を取入れまして、工事に遺憾のないようにいたしたいと考えております。なお水勢の問題につきましては、今の方法が若干研究を怠つておるという面もあると私は思います。古くから言われました底固めというような問題につきましても、なお十分なる研究をいたしたいと存じます。なお水当りの問題でございますけれども、河床が絶えず変化いたしますので、一応従来の河床において改修いたしましたのが、その後の土砂の堆積のためにその水当りがかわるというようなことで、困難も起きるという関係もございます。なおこういう技術上の点についてはいろいろと目下研究をいたしております。従来の河川の改修計画につきましても、今後よく調整をいただきまして、さらに再検討いたして、万遺憾のないようにいたしたいと考えております。
○今村(忠)委員 御回答は了承いたしましたが、次に発電ダムによる河床隆起、これが水害の大きな原因の一つになつておるという点につきましては、今回天龍川流域の水害において大きな二つの実例があります。一つは下伊那の泰阜のダム、一つは上伊那近くにあるダムがその大きな被害を與えるいろいろの原因になつておる、こう思うのであります。この春われわれは九州福岡における石炭掘つたあとの鉱害なるものが順次ひどくなつて参つたというので、特別鉱害復旧臨時措置法というものをつくりまして、これに根本的対策を施すことを決定いたしたのであります。私は全国各地において、ちようど国家国民の必要とする石炭を掘り出して起きて来た鉱害と同じように、国家また産業上必要である電源開発のために起きて来る被害は、当然鉱害に対する措置と同じようなものを、発電ダムによつて起きる被害に対しても取上げるべきと信じております。これは当建設委員会におきましてすでに問題になつておるのでありまして、その後小会員会において取上げて研究しようではないかという打合せをしたこともございます。そこで一体建設省当局は各地における電源開発のためにつくりましたダムの被害についてどう考えておるか、しかもかようなことは今日にわかに起きたことでないのでありまして、河川改修の衝に当つておる人々としてはすでにある程度この事実もわかり、また当然これに対する研究もできておるものと思うのでありまして、その研究の結果と申しますか、わかつておる範囲内のことをこの際お聞きしたい。同時にこれに対して先ほど申したように、石炭を掘つて起きた被害に対する鉱害復旧臨時措置法のごときものを当局は考えるか、この点をひとつお聞きしておきたい。
○伊藤説明員 大きなダムの建設によりまして、上流に未曽有の被害を與えておりますことは、今村先生からお話の天龍流域の問題のみならず、各地に起つておることも十分承知いたしておる次第であります。ダムの建設によります上流地帶の堆積は、意想外に多いということにつきましては、正直に申し上げまするけれども、若干今までの何から、古くは技術的にもその点について誤算があつたことと思う次第であります。従つて各地からそういう問題についていろいろと問題が起こりました。従来におきましては、その問題の解決といたしましては、特にその地元と発電関係の人とよく打合せまして、その防災の施設を、会社をして金を出させるなり、会社をしてやらせるという方法を講じて参つて来ておる次第であります。今回の泰阜ダムの問題につきましても、若干の支出をして、ある程度の設備を、建設省の委託で工事を実はいたした次第であります。しかしこの被害が予期しない以上のものを起しておるということにつきましては、今後十分ダム建設については考えなければならない。こういう点についてさらに愼重に、不測の災害を考えて、余裕をとつて、ダム建設について監督して行かなければならないということを痛切に今感じておる次第であります。そこで現在のことといたしましては、できるだけ今の発電関係のものとの間に打合せまして、なお今までして来たように、災害の除去に努力して参りたいと思います。今後これを国家の補助で参るかどうかという問題につきましては、私の方の河川局といたしましては、あくまでこの問題について国家的に何かの救済方法を考えなければならない、こう存じておる次第でありまするが、この問題につきましては、幸い大臣もおいでになりまするから、本心を吐露して、大臣から御答弁を申し上げるだろうと思います。
○今村(忠)委員 われわれ建設委員はさきの国会において水防法の制定に努力いたしたのでありますが、水防法実施後日もないことでありますから、一面われわれは当局を苛酷に責めませんけれども、せつかくできた水防法を、今回の水害状況から見て、またその準備というか、水防訓練の点において、また水防を実施する必要の施設の点において、はなはだ不十分のものがあつたと見受けるのであります。第一は水防に必要な資材というようなものが、非常に特殊なものであるということが一つ、また非常に多量のものを要するということが一つ、そうしてまた資材がありましても、これをもつて応急修理をいたすというようなことが一つの技術を伴う。しかも激流の中でしなければならない作業というようなことになつて参りますと、なかなか人が集まつてもそれでいいというものではないのでありまして、何とかしてこれにある一定の技術的な訓練というものを與える必要を私は感じたのであります。そこで私はせつかくでき上つております水防法をして意義あらしめるために、当然その衝に当つておる建設省としては、少くともかようなことを考えてもらいたいと思うのでありまして、それに対してどう考えるか、所信を承りたい。第一は今言う通り一定の資材等を貯蔵する水防小屋とでもいいますか、そういう場所を要所々々につくらなければならないと思いますが、御承知のように川の流れておる村というものは、全国を通じてどこにでもあるわけではないのであります。特殊の事情にある村にその必要を感ずるのでありますから、その村の全額負担でやるというようなことになりますと、なかなか今日の農村経済では困難だと思います。従つてある程度これが施設に対しましては国庫において見てやるべきであると痛感いたすのでありますがこれに対して当局はどう考えられるか。 第二には、先ほど申した水防の技術的訓練というものを必要といたすのでありますが、これがなかなか困難でありまして、直接川に接触して田畑を持つ者といたしますればば、言いかえれば利害関係のある者といたしますれば、熱心に当然いたすのでありますが、また実際利害関係のある者の数というものもはなはだ少い結果、それだけの人の集合と訓練というだけでは、今回起きた水害の状況から見ましても不十分であります。これを補うために、水防常備員とでも申しますか、ある村の水防団のうち、一定の数を限りまして、技術的な訓練を與えるとともに、その村でわずかしかない数字のものを各地集めて、災害の起きた所を協力して守るというような方法をとる。それはなぜかと言いますと、火事でありますとせいぜい焼けても二日や三日であります。水害の方は、今回の例を見ても本流が切れて流れ込むというようなときにおいては、その対策はわずか三日や四日では済まない。どうしても十日、二週間というような非常に長い日を要するのであります。そういたしますと、将来にわたりわずかな人々では疲れ果ててしまつて、応急処置にももう手が出ないという実情に現にあつたのであります。そうなると、どうしても各地の水防要員というような人が参加して協力してやるということが必要になると思うのでありまして、そうだとするなら、ここに昔江戸時代に防火に当つた火消しが、実際、仕事に出て消火に当つた場合には手当を出したという古い例があるのでありますが、何かやはり技術を持つた者が自分の利害関係のある所を離れて、他の地域に応援に行つた場合においては、何かこれを経済的に簡單な言葉で言えば日当のごときものを與えて、長き期間協力してもらえるというような制度をつくる必要があるのではないかと、こう思う。言いかえますならば、せつかくできた水防法を活用することに対して、当局はどの程度の研究をしたといいますか、熱意を持つておられるのかを、この際お聞きしたいと思う。
○伊藤説明員 水防の問題につきましては、今お伺いしたのは三点かと思いますが、まず第一水防小屋とか水防資材というものに対して、何らか水防の責任を負うべき費用を負担する町村への保護態勢ができておるか、こういうお話でございます。これについてはわれわれもその点を痛感いたしまして、この法律の通過と前後して、それに対する予算の要求もいたしたのであります。それが不幸にも財政上の理由により削除せられまして、昨年度におきましても、また今年度におきましても、それを実は続けておる次第でございますけれども、何しろ国費多端のために、この方面の問題につきまして、財政当局の方面からの十分なる同情を得られないのをはなはだ遺憾に思つておる次第でございます。本年度におきましても、いろいろの水防の実情を見まして、むしろ小屋を建てるということよりは、この資材を使つてというその熱意、そこの負担を何とか、金の方面においてでも、感謝の意を表したいという意味で、何か救助的に、事後ではありますが、その出た金の一部分でも出したい。こういうような観点から、予算を提出してございます。せつかくでもございますから、ひとつこの方面の援助をお願いしたいと存じておる次第でございます。 それから水防訓練につきましては、従来から、ある一定の地域におきましては、反復やられておるわけでありまして、群馬県あたりにおきましても、数十箇所において、現にこの訓練指導に当つておる。それから県あたりの現場の連中も応援に出て、その訓練に盡しておるというような実情でございまして、これは県方面に対しましても、われわれはたびたびその問題について、よくお願いいたしておるわけであります。ただ先ほど申し上げますように、最近におきましては、訓練にも相当な経費を要するために、県によりましては、その経費の捻出になかなか困られるということで、その訓練が遅れるということもございますので、どうしてもまず水防の資材の関係につきまして、何らかの助成の道を講じなければならぬと存じておる次第であります。 なお水防態勢の問題につきましては、各府県を督励いたしまして、それぞれ審議会をつくり、その水防の態勢のいろいろの細目について計画を立てさせておる次第でございまして、相当水害の多いところにおきましては、その態勢についてのいろいろな整備を急いでおられるという実情でございます。ただ荒川につきましては、水防の問題がなかなか困題でございまして、庶幾するように効果を上げ得ないということは、川の性質上非常に困つた問題だと存じておるわけであります。 なお応援態勢の問題でございまするが、これも実は水防法において若干うたつておりますように、各市町村間において十分なる連絡をとられまして、一層の援助と、常に必要なる場合には連絡するような組織をつくるように、これも慫慂いたしておるわけであります。
○藥師神委員長 大臣は参議院の本会議の方に時間を急がれるそうですから、この際大臣に御質疑のある方は簡單にひとつ……。
○今村(忠)委員 それでは大臣に結論として聞きたい。実は敬愛する新任の建設大臣がお見えになりましたから、私は四年間の建設委員の結集したものをもつて責任ある御答弁を求めたいと思う。 第一は吉田内閣になります前から、一体建設行政が一本化されておらないことは、敗戰の結果領土を失つた日本が、尊い領土を保全する上において不十分ではないかという見地から、われわれ建設委員は党派を超越いたしまして、建設行政の一本化ということを主張して参つておるのであります。吉田内閣になりましてからも、行政整理、行政機構改革が行われるときにぜひそうしたいという、それぞれの係りからの答弁を受けているのであります。これに対しまして、漏れ聞くところでは、行政機構の改革等順次研究が進んでいるということでありますから、増田建設大臣は、いわゆる国土建設に関係ある建設行政の一本化、特にここでは河川のことについて申しまするが、いわゆる中小河川の砂防だけでなく、林野砂防に至るまで、ぜひとも一本化して行く必要がある。そしてまた先ほど来申す発電ダムの被害のごときは、実に顯著にして莫大でありますから、電源開発の権利というようなものを通産省に與えずにおいて、建設省に持つて来る。一例をあげれば、さような建設行政の一本化ということに関して、新任の、敬愛する増田大臣はどう考えておられるか、まずお聞きしたい。
○増田国務大臣 今村委員の御説はまことにごもつともでありまして、建設行政を一本化することは、私も痛切にその必要を感じている次第であります。そこで御承知のごとく、行政制度審議会において、過去一年間研究をいたしましたその答申が出ている模様でございます。あの答申の線も、今村委員の御指摘の線に沿うている。こう私は答申を読んで感じた次第であります。極力一本化のために努力を続けて参りたいと思つております。御指摘の山林砂防も、渓流砂防と調和ある関係において行つて、初めて効果を発揮するものと考えております。ことに今回の災害にかんがみまして、砂防が拔本塞源の道であるということをお互い痛感いたした次第でありまして、この点は特に力を拂つて参りたいと考えております。それからダムの点について御指摘の点は、まつたく私も被害府県の代表者の一人としてあなたと感じをひとしうするものでございまして、将来ダムを建設するにあたりましては、上流方面の耕作地に対して、どんな影響を及ぼすかということをよく研究した上でないと、将来は軽々に、いやしくも水力資源の開発というようなことばかりで、どしどしダムを無計画的に非科学的には建設できないという感じを持つているのでありまして、先般災害地を視察して帰つたときも、閣議においてその状況をつぶさに説明をいたしました。またGHQの天然資源局等におきましても、砂防には特に力を入れておりまして、向うで種々努力をし、また多大の経費を拂つて空中写真等をとつたものがありまして、その写真等を示しまして、ダムの建設と上流耕地に対する影響、また山林砂防、渓流砂防の必要性、しかも全体の関係が総合一貫調和の関係において事業を実施しなければならぬということも力説した次第でございまして、将来は御指摘の点については特に気をつけて参りたいと思つております。
○今村(忠)委員 ダムの被害に対して大臣が深い関心を持つているというお答えがありましたが、その関心の程度であります。九州福岡の鉱害復旧に対する臨時措置法というようなものができたのでありますが、水害は発電ダムの影響によつて受けている被害が相当大きいものがあるのでありますから、この際国家が必要とするところの電源開発によつて起きて来る水害を受ける地方のために、ぜひとも発電ダムによる水害の臨時措置法というようなものをつくつていただきたいと思うのでありますが、これに対しては大臣はどうお考えになりますか。
○増田国務大臣 立法措置というところまではまだ考えておりませんが、今回の降雨による災害の起きた地方の災害を将来未然に防止するという見地から、拔本塞源的な措置を講ずる必要がある。あるいはすでにできたものを除去するというようなことが困難であるならば、堤防関係についての受益者負担というようなことについても考えなくてはならぬ。とにかく天龍川その他ダムによつて川の流れが非常にスピートがのろくなりますから、従つて砂はけも悪い、河床が高上して来る、従つて堤防の効用が減却して来る。この関係については特に考慮をする。そこで、国費で足りない部分については受益者負担というようなことも考えてよろしいのじやないか。災害者に対するお見舞というような程度でなしに、もう少し積極面を考慮研究すべきであるということを、内閣においてもまた省議においても私は主張いたしております。御指摘の鉱害予防法に匹敵すべきダムによる水害予防といつたようなことは、まだ私の頭に浮んで来ませんでしたが、しかし御指摘があつて、私もこれから研究する必要があるということをただいま感じた次第でございます。将来研究して参ります。
○藥師神委員長 ちよつと御注意申し上げます。もう一時間以上になり、他にも質問者があるので……。
○今村(忠)委員 それでは二つだけ簡單に……。 堤防が不完全で、つくつたばかりのものが流れたという実例があるのでありますが、激流におきます堤防の建設画の研究とでもいいますか、改善を行わなければ、国費をかけてつくつた堤防が、でき上つてわずかの期間後に流れるということを繰返すのであります。われわれしろうとが考えても、根の深い鉄筋コンクリート式のものをつくるならば持つのではないかというような感じがするのであります。増田大臣は実際現場を見ておられるのでありますから、これに対して今後技術面から御研究になるような御決意がおありになるかどうか。これを技術面からもう少し科学的に研究をして参るならば、わざわざ金をかけて各地に遊水池をつくつている現状でありますが、そう金をかけずにできると思うのであります。しかも、先ほど事務当局者に質問しておいた通り、今回の諏訪湖の釜口水門の開閉ということについては、技術的、科学的操作の上に遺憾なものがあつたと思われるのであります。これは諏訪湖だけでなく、琶琵湖その他にも例はあると思いますので、建設の衝に当られるところにおいて根本的に御研究を願うとともに、大きな施策をしていただきたいと思うのでありますが、これに対してひとつ大臣の所信を承つておきたいと思います。
○増田国務大臣 堤防を全部鉄筋コンクリートでつくつたらよろしいではないかという御意見は私も賛成でありまして、国費が許せば鉄筋コンクリートで堤防をつくればおそらく災害はないと思いますが、御承知のごとく、国費の許す限度において土木工事をいたしておりますから、われわれの理想が達成できないことは遺憾であります。そこで資材あるいは国費の許す限度において、堤防にしましても堰堤にしましても、洪水統制の仕事をしておるのでありますが、建設省におきましては、土木研究所等もりつぱな仕事をいたしておる。そこで現在の科学の命ずる、また真理の要求にかなつた堤防工作といたしており、工法等においてはそう誤りはないと考えております。ただしかしながら、河床が初め堤防をつくつたとめよりも上つて来ておるというようなことになりますれば、堤防の効用が比例して下つて参りますから、初めつくつたときの堤防の効用は発揮できない。こういうようなことにも一原因があるのではないかという感想を先般視察した結果持つております。 それから諏訪湖の点につきましては、私は單に水門の操作ばかりでなしに、諏訪湖の湛水量とかあるいは上流の砂防その他各種の條件が総合してああいうような災害を惹起した、こう考えております。そこで将来諏訪湖の湛水量を減すようなことは絶対にないように、砂がどんどん入つてつまることがないように、あるいは埋め立てて湛水量を減すことがないように、レザーボイアーとしての効果を減さないということについては特に気をつけて参りたい。その減さない方法はいかんといいますと、結局は埋め立てをしないこと、また砂をどんどん流し込まないこと、上流の砂防を徹底してやること、その他いろいろな條件を満すことであろうと思いまして、せつかく事務当局を督励いたしておる次第であります。
○今村(忠)委員 今私がお尋ねして堤防のつくり方を研究してもらいたいということは、河床が上つて水が越えるようになれば、俵に砂礫を詰めても流れてしまうのであります。限られた国費で全部鉄筋コンクリートにしろというような無謀を言うのではありません。従来の要所々々を砂で固めて豆板式にセメントを張つたようなものでは不完全だということは、さきに指摘した通りでありまして、これに国費でまかなえる程度のことを考えてほしい先ほども指摘しましたように、いざとなつたら石を組んで蛇かごに入れる方が効果があるように思うのであります。そういう点を研究していただきたいので、不十分な国費でできぬことをせよと要求するのではないのでありますから、この点を訂正するとともに、同時に真劍にその研究をすることを希望いたしまして、私の質問を終ります。
○内海委員 最近建設省では建設白書というようなものを発表されておるようでありますが、国会、特にこの建設委員会に対しては、一片の何ものもない状態であります。大臣がおかわりになると、大臣は必ずこの委員会に対して建設行政のあり方、建設行政に対する御方針あるいは災害対策であるとか、戰災復興問題であるとか——今、今村君から天龍川を中心にしていろいろな御質問が出たようでありましたが、これに対する答弁ははなはだ不満足であるというようなことを表明されておるありさまであります。そこでこの次の機会でよろしいのですが、大臣から建設行政全体に対する御方針なりあるいはその詳細にわたり、予算面から、あるいは建設行政の拡大強化といつたような面から、夢のようなことでもよろしいからして、この際大臣の抱懷せられる理想なり、あるいは実行の可能性があるといつたようなことをはつきり示してもらつた上での質問応答でなければならぬと思いますから、この次の機会においてぜひこれを実行せられんことを望みます。
○砂間委員 今内海さんの御意見もありましたように、建設白書が発表されておるのですが、河川の問題、災害の問題、道路の問題、住宅の問題、いろいろ触れられておると思います。先ほど今村委員から天龍川の問題等を具体的な例といたしまして、災害の問題についていろいろ長い御意見もありましたが、そういうように一つの問題をこまかにつつ込んで政府の見解をただされることももちろん必要でございましようけれども、私はもつと大きい見地から、政府の建設行政に対して御意見を伺いたい点がたくさんあります。しかしきようは時間もあまりありませんので、機会をあらためまして、大臣の方でも十分用意されて来ました上でゆつくりお伺いしたいと思います。ですから内海委員の申された意見に賛成いたして、来週でもそういう機会を委員長の方でぜひつくつていただきたいと思います。きようは保留しておきます。
○増田国務大臣 内海さん、砂問さんにお答え申し上げます。この前私は、暑中に開かれました建設委員会において、建設大臣になりましたことについてごあいさつ申し上げまして、そのときほんとうは建設大臣としての抱負なり考え方を申し上ぐべきでありましようが、御指摘を受けて非常に恐縮に存じておる次第あります。ただしかしながら、建設大臣一個の所見でも、やはり施政方針というような意味で申すのでしたら、総理大臣でしようし、大蔵大臣、安本長官等が申しますから、もしお許しが得られるならば、御質問を得てお答えする。その間において私は自分の平素の所懷等は、昔土木行政に携わつておつたこともございまするし、御鞭撻、御教導を受けつつ、私の卑見も申し上げるということでお許しを願いたいと思つております。 それから建設省関係から出しました建設白書について一応お答え申し上げまするが、これは実は事務当局が非常によく勉強して出したものでありまして、私の責任において出したものでありまするが、去年建設省設置一周年記念のとき出したそうでありまして、毎年毎年半ば事務的、機械的に出すのであるというような事務当局の答弁でもありましたから私は出しました。もとより私の責任でありまして、その中に書いてあるようなことはすべて私の所見と大体同じであります。但し三十箇年もかからなければ河川改修が完了しないというようなことは、多少建設省的立場から、国全体、国会全体、あるいは政府に対して要望したというような立場も多少とつておりまするが、しかしこれも私どもの土木行政をりつぱに果し、水害を予防したい、その他災害を予防したいという心持から出た次第でございまして、まず技術的に、あるいは事務的に申しますと、建設白書に書いてあることが私の考えであるというふうに御了解くださいますと幸甚でございます。
○藥師神委員長 それでは災害の問題に対しましては、ちようど河川局長も旅行中でありますから、いずれ来週に河川局長にも出てもらつて、もつと災害の説明を願いたいと思います。 それから砂間君からお話のあつた一般建設行政に対しても、次の機会にしたいと思います。ただこの際おはかりいたしますが、第四の日程にあります援助見返り資金による公共事業計画に関する件であります。これは御存じもありましようけれども、大体今度百十億使われることになつたのですが、その事業計画について、安本の建設交通局次長、特に河川関係について河川局次長、それから道路関係について道路局長から説明を聽取いたしたいと思います。実は安本長官にもきようは出席を求めておりまして、これに関連したところがありますから、同時に議題にして質問を求めるつもりでおりましたが、時間がずれたわけであります。これを議題にいたしたいと思います。
○天野(久)委員 河川局次長、その他がおられますので、ちよつとお聞きしたいのですが、この六月十四日までの災害で、河川局の方で約七十億、それから全部を総合しますと二百五十億以上の災害がある。そこで本年はかようなことがあるだろうという想定のもとに予備費をとつて、この急場に充てようということであると思います。今伺いますと、安本では二十六億二千万円を出そうというが、政府案では四十億出したらどうか、こういうようなことを、まだ政府部内で争つておるように先ほど来聞いておりますが、すでに五月以前の災害あるいは六月十四日以前の災害等に対して、一体どういう処置を河川局では、あるいは建設局ではとつておられるか、その点を承りたいと思います。災害というものは、起きまするとすぐ早急に直さなければならない道路とか橋梁あるいは隧道、こういうものがあるべきはずのものでありますが、何箇月も放置しておかれるのか、それとも何か別に方法を講じて、その急場を補つてあるのか、どういう処置をとつておられるか、その点承りたい。
○伊藤説明員 災害は早急に元にもどさなければならないということは当然のことであります。一月から起りました災害で、いまだに予備費を出していないじやないか、こういうおしかりごもつともだと思います。私の方といたしましても、一応この問題につきましては、一回、さらに二回と予備費の要求もいたしているわけですが、いろいろ各方面の事務的の手続で遅れておりまして申訳ございません。ただ早急にやらなければならないものにつきましては、どうしてもこれはやつていただくという意味で、まことに申訳ないのでありますが、府県の方におかれて何らかの金を立てかえてこれをやつていただいて、しかしてあとにおいてその金を補充するという方法で行くよりいたし方ない。各県に渡した金の中でやりくりしていただいて、さらに金が行つた場合に設備をやり直していただく、こういうような方法でお願いいたしているのであります。
○天野(久)委員 今の河川局のお話を聞くと、金詰まりで一般が苦しんでいるのに、政府は予備費をとつてあるにもかかわらず、その地方々々に苦しい金の中からやり繰りして応急な仕事をしてもらつているとおつしやいますが、一体安本は何のために予備費の支出に対してこう手間がとれるか。実は国会休会中にもかかわらず、本委員会を開いて、この問題について鋭い論議が闘わされておりました。大蔵省としてもこれはただちに出す、安本も最初は八月、九月の災害を見合して出す、こういう話であつたが、そういうことであればすぐ出すようにいたそう、こうすればすぐ出すようにいたそう、こういうお話を承つた。われわれはすでにこの予備費が各災害県に使われているとかたく信じておつたのであるが、今日お聞きすると、そういうことになつている。一体安本はこの金に腰をかけているということであるか、あるいはまた出すために何ゆえにこんなに手間をとらなければならないか、その理由をひとつ安本から承りたいと思います。
○今泉説明員 この前の建設委員会は多分六月の上旬だつたと記憶しておりますが、御発言、御希望がございまして、われわれの方の計画といたしましては、当初は今御指摘になつたような考え方もありましたが、政府といたしましては予備費から出すという方針にお約束いたしまして、その後決して出し澁つているわけではございません。今まで遅れておりますのは、安本としてはただ県からの報告だけでは予算の実際の支出の実行計画ができません。それで各省に鋭意査定方をお願いいたまして、今日までその査定済みをできるだけあまり部分的ではなくて、河川関係はすでに先ほど申しました通り終りました。しかし農業関係が若干残つているという状況でございますが、一番大口である河川、農業が大体査定を終る、これをつかんで、そうして何ぼ出すかという金額をきめたいというわけです。今まで遅れておりましたのは、その査定関係がはつきり私の方に報告が来なかつた。それが最近やつとまとまりまして、急いで昨日の閣議にかけました。それから金額がまだきまらぬじやないかという御質問であつたと思いますが、金額の点については、はつきり四十億を出すということに昨日の閣議できまりました。ただその配分計画は、もう一回内容を検討した上で次の閣議に出すことになつておりますが、四十億出すという方針はもうはつきりした、こう御了承願つてけつこうじやないかと思います。
○天野(久)委員 それはいろいろ手続上の方法により時日を要するということは、われわれも承認いたします。そこで災害というものが起きますと、ただちに直さなければ国民が生活に困るということが附随しておることを、よく御記憶に置いていただきたい。 河川が決壞いたしますれば、必ず道路、橋梁、それからまた日々使わなければならない水路の決壞等があることははつきりいたしておる。それからいま一つは、災害というものは順次起きて来るものであつて、それをまとめなければ金が出せないなんということは、一体あまりにもお役所式の仕事になり過ぎはしないか。これに対しては早急な手配をいたして、そうして応急な処置だけはすぐいたさなければならぬ、こういうことになつて参ります。従つてこの五月以前の雪解けその他の災害等は、相当期間がたつておるものとわれわれ考える。従つてこれに対して順次やつてもらわなければ、被害を受けた国民こそいい迷惑をしておる。しかしてその予備金は、政府にはとつてあるはずですから、そういうものをひとつ早急に出して、今後はその災害のために被害をこうむつておる国民の窮状を救つてもらわなければ、この予備費は何にもならないことになりはしないかと思う。どうかひとつその点によく留意されて、今後早急にこういう処置はとつていただくように措置を講じていただきたいと、強く要望いたします。
○藥師神委員長 それではこの見返り援助資金による公共事業計画に関する件について、安本の建設交通局次長から説明を聽取することにいたしたいと思います。簡潔にお願いいたします。
○今泉説明員 お手元に資料として配付してございますが、今まで閣議で決定したラインに沿いまして、関係方面と打合せました結果、河川については二十二億という予定額が二十五億となつております。これは日本政府の案が認められたほかに、その後向うとの折衝によつて河川関係をさらに重要視すべきであるという結論を得ました結果、あらためてまた向うと折衝いたしました結果、こちらで政府案で出しました河川のほかに、北から申し上げますると、石狩川、信濃川、吉井川、筑後川、この四本が入りました結果、金額において二十二億が二十五億と相なつております。こういう次第でございます。それから砂防関係は政府原案通り、こういうことになつております。それから農業水利関係についても、政府決定案通りすでに承認を得た次第でございます。道路関係は四十三億一千万円が三十五億五千二百九十万円となつておりますが、これは政府原案のうち関門関係はどうしても承認が得られなかつた。それから東海道関係が少し時期的にもずれておるので、工事量からいつてやはりいま少し減らすべきだという結果、東海道については当初の二十二億が十八億に減りましたことと、それから観光道路としてこちらから提出いたしました富士、箱根、小田原、熱海、それから日光関係、それから京都、奈良、大阪、それから伊勢、志摩のうち承認を受けましたのは、單なる観光ということだけでは承認になりがたいということで、観光の面も加味して、そのほか経済効果ということも中心といたしました結果、採用されましたのが富士、箱根、小田原、それから京都、奈良、この関係は採用されましたが、あとの観光道路というものは採用されなかつた。その結果、金額が今申し上げたような状況になつておるわけであります。それから航路標識は原案通り。保安通信施設も原案通り。結核病院五億がまだ未済となつておりますが、これにつきましてはやはり関係方面にまだ意見の決定いたしかねる点がある。と申しますのは、ストレプトマイシンをつくれば病院はよいじやないか、こういう有力な意見がありまして、まだこれは未決定の状況であります。しかし政府といたしましては、ストレプトマイシンができても、やはり結核病棟は少くともこの程度は絶対必要であるということで、今こちらも向うに対して再要求をいたしまして交渉中である、こういう状況でございます。そこでしめますと、百十億のわくのうち、現在まですでに承認を得た額が百億四千二百九十万円、それから未済が結核の五億、かりにこの未済を承認されるものといたしますと、百十億からこの両者の合計を引いた額四億五千七百十万円という金額がまだ残ります。そこでこちら側といたしましては、結核関係がどうなりますか現在まだわかりませんけれども、この四億五千七百万円、あるいは結核関係の懸案の財源を考慮いたしまして、さらに東京の環状六号線、それから長崎、広島の道路、それから漁港、これはぜひ考えてほしいということで、向うと交渉中でありますが、結核関係が落ちるか、上るかという関係で、まだ未決定の状況でございますので、結核関係が承認を得れば、あとは四億五千七百十万円の間で今言つた事業を取上げる、こういうふうになるのではなかろうか。そうしてこの承認を受けた件につきましては、それぞれ関係各省の方から大蔵省を通じまして関係方面に解除申請書を今出しつつあります。従つて早いものは今月一ぱいくらいの間には解除の許可がおりて、現実に金も出るようになるのではなかろうか。大体の見通しを申し上げます。
○藥師神委員長 では特に河川関係について伊藤河川局長の説明を求めます。
○伊藤説明員 河川局関係のものといたしましては、大体項目をわけますと、ダム関係が四つ、それから河川関係が八本、それから砂防につきましては、水系別に利根川本筋、渡良瀬川、鬼怒川、それから神戸の六甲山、こういうことになつております。もうすでに新聞その他で御承知と思いますが、金額につきましては、今年度認められましたのは、猿ケ石につきましては四億円、胆沢の堰堤につきましては二億円、五十里につきましては三億円、物郡の堰堤につきましては二億円、こういうことになつております。河川関係につきましては、江戸川が五億円、淀川が一億五千万円、木曽川が一億五千万円、最上川が二億円、信濃川、吉井川、筑後川、石狩川がおのおの一億円、こういうことになつております。それから砂防関係では、利根の本川が二億五千万円、渡良瀬川水系が二億五十万円、六甲山系が二億円、鬼怒川が一億円、こういうかつこうになつておるわけであります。こまかい点につきましては、御質問がございましたらお答えいたすことにいたします。
○藥師神委員長 それでは次に道路関係について菊池道路局長の御説明を聽取いたします。
○菊池説明員 道路関係の見返り資金による運用状況でございますが、ただいま安本の方から内訳までも御説明がありましたから、つけ加えて申し上げることもないわけでありますが、何しろ当初四十三億一千万円というものが閣議において決定せられましたにもかかわらず、いろいろの都合でそれがただいま三十五億まで落ちたわけであります。道路関係で七、八億減つたのでまことに残念に思いますが、ただいままだ未決定の額があるようでありますので、この線まで道路関係で復活を要求したいと思いまして、今努力いたしております。 特にこの道路関係でもう一つ申し上げておかなければならないと思いますのは、東海道はただいま十八億というお話もその通りでありますが、関門国道のトンネルをこれでやれないかということであります。これはまことにわれわれ残念に思つております。それから観光関係がただいまのお話のようにどうも通りにくいので、特に資材等か自由になりました今日、鋪装等を十分やつて、失業救済等にも役立たせたいと思つておりましたが、それが通りませんので、はなはだ困つております。なおこの上努力したいと思います。
○藥師神委員長 以上について何か御質疑はありませんか。
○西村(英)委員 道路のうちで、今の関門関係のお話をもう少し詳しく承りたい。これはずいぶん以前からの工事でして、相当の工費を使つておるのですが、これからでき上りにどれくらいの金がいるか。また、ただいまのお話を承りますと、向うさんとの話がなかなかつかないようですが、どういう理由によつてそれを拒んでおるか。これは海中の隧道でありますから、放置しても補修費を相当使つておると思うのですが、その補修費は毎年どれくらいいつておるか。これを放置すれば放置するほど、だんだん状況も悪くなるし、毎年々々補修費を相当使つているものじやないかと思うのですが、その辺をもう少しつまびらかにしてもらいたい。
○菊池説明員 関門国道のトンネルにつきましては、先年当委員会におきまして、二十二、三億で完成する案を御決議願つて、その方向に進んでおつたわけでありますが、いろいろの事情でその予算が実現しませんので、遺憾ながらただいま仰せのごとく維持をやつております。本年度におきましては、ただいま九千万円の維持費を見ております。このままで維持ばかりして行きますと、やはり毎年八千万円、九千万円の維持費を続けて行かなければならぬわけで、それを完成しますには、ただいま当初の最も大きな構想のものでやりますと、三十億あるいは四十億かかると思つております。中間的に、少し姑息でありますが、エレベーターを使つてやるものでも二十数億要すると思います。これが見返り資金をどうして通らなかつたか、その理由を説明せよということでありますが、これは主として経済的に引合わぬということで、ただいまの日本の財政状態において、それに投じてもそれだけ入つて来ないだろうということが、おもな理由であると存じます。
○藥師神委員長 本日はこの程度にいたしまして、次会は追つて公報をもつてお知らせすることにいたしまして、これにて散会いたします。 午後零時十六分散会