P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
8回国会衆議院1950/10/04

海外同胞引揚に関する特別委員会 第8号

発言数
27
登壇者
7
会派数
4
開催日
1950/10/04

会議録

若林義孝自由党

○若林委員長 これより会議を開きます。  昨日の派遣委員調査報告に引続き、東北地方派遣委員の調査報告を聴取することといたします。菊池義郎君

菊池義郎自由党

○菊池委員 東北へ参りましたのは、最初三人ばかりの予定でありましたが結局私一人になつてしまいまして、随員の鎌田君と二人でまわつて参りました。結論において一番痛感いたしましたことは職業のないこと、収入のないこと。収入さえあればたとい住宅は悪くてもそれを改良することができますし、いろいろの環境を改めることもできるわけでありますが、どうも一定の収入がない。それが一番困難な原因となつておるということでございます。  これから簡単に御報告申し上げます。九月十日から十九日にわたる十日間でございました。調査の対象といたしました県は宮城県、岩手県、青森県の三県でございます。調査は引揚者集団収容施設及び引揚者住宅の建設、補修並びに利用状況、開拓及び入植状況、更生資金運用状況、生業資金利用の状況、これは他県とまつたく同じでございます。それから就職の状況、相談あつせん、応急家財等の支給状況等にわたつております。東北三県の土地事情並びに定着援護における重要性より見まして、特に重点を住宅問題、開拓入植及び就職問題に置いたのでありまするが、まず住宅問題から申しますると、各県とも海外引揚者の援護については、昨年六月以降引揚げの最終的段階に対応して、応急援護から恒久的な定着援護に重点を移し、県各機構並びに市町村をしてその具体的実施を進めるとともに、関係外部団体と協力して援護に力を注いでおる現在、この住宅問題においても応急収容施設より分散住宅へと対策を移行しつつありまするが、まだ各県とも分散個別住宅の建設については、その建設費の国庫補助より見てはるかに満たし得ず、引揚者総世帯数の約二、三パーセントが極度に住宅に困窮し、学校、公会堂等の公的施設に一時収容されたまま、あるいは神社仏閣及び壕舎、かり小屋、物置等にかり住居しており、宮城県におきましては腐朽はなはだしく、いずれ疎開を要すべき応急集団施設に四十世帯もの申込みがある実情でありまして、この問題の解決にはきわめて多量の引揚者住宅の建設をしなければならないと思います。宮城県における引揚者集団収容施設は現在十箇所、五百十三世帯、二千二百人でありまして、そのうち樺太無縁故者の住宅が五箇所、二百八十世帯千百人を占めております。岩手県は五箇所、千百八十七世帯、四千九百九十七人、青森県は三十箇所、九百世帯で、集団住宅はおおむね兵舎等の旧軍用建物、工場及び工員寮、土木工事の飯場等の転用が主でありまして、住宅として永住するには不向きの上、終戦後の管理、修繕の不十分より、腐朽、破損が多く、また部屋割、炊事場出入口等の改修を必要としなければならないものでありましたために、今年まで毎年相当の補修費をかけて、どうにか応急的収容施設として使用しておるのでありますが、居住者の不便は申すまでもないのであります。  個別住宅については、昭和二十三年度より新築されたものでありまして、宮城県は二十三年四十五戸、二十四年百四十戸、二十五年七十五戸が建設され、岩手県は二十四年二百四十一戸、青森県二十四年二百六戸、二十五年十五戸という状況でありますために、現在までの数はきわめて少く、各県においては割当の増加を要望しております。なお家賃は地区によつて異なりまして、平均百円を徴収してこれを補修費、維持管理費に充てているのでありますが、居住者のうちには失職により、あるいは低賃金労務についているために、この家賃さへ払えぬ者が多く、結局破損等の補修もまかなうことができず、主として所在市町村の負担となつている現状であります。かかる事情より、でき得れば所在市町村の負担を軽減するため、この収容施設の維持管理費を補修費と同様国庫より交付してもらいたいという県の要望もあるのでございます。  今回視察いたしました住宅は、宮城県では仙台市の白菊寮、台の原住宅、槻木町の入間野住宅、船岡町の山崎住宅、太子堂住宅、大衡村の開拓住宅、上原開拓住宅で、岩手県に参りましては花巻町日居城野住宅、盛岡市の岩鷲寮、青山寮、親和寮。青森県は青森市第一ないし第四厚生寮、桜川荘でありますが、その詳細につきましては他の機会に譲りまして、ここでは省略いたしたいと存じます。  次に開拓入植の状況について申しますと、東北は比較的未墾地の多いために、各所に引揚者の入植が見られ、宮城は二千二百三十一戸、岩手千百九十二戸、青森九百八戸が入植しておりまして、特に満州、樺太の開拓民が多いのであります。入植地としてはおおむね山地でございまして、岩手は標高三百五十メートル以上の高冷地で、社会的、経済的条件に恵まれぬところが多いのでありますが、一般に定着はよいようであります。入植以来満州及び樺太引揚げの開拓民にあつては、かつて外地において結ばれた同志的協同精神が非常に役立ちまして、寒冷地の農業の体験も手伝いまして、非常に孜々営々と仕事に当つておるという状態でございます。ほとんど落伍者がないのでありまして、これは非常に愉快に存じます。一戸当り一町八反、多いところは二町以上も耕作しておりまして、土地が酪農に適するところより、今後大家畜の導入及び製粉、木工、しいたけの乾燥、れんが焼等の農村工業につき電化設備を欲し、その資金及び乳牛購入費に一戸当り十万円以上の融資を望んでいる状況であります。  第三に就職問題について申しますと、現在までの引揚者の職業紹介、あつせん状況は、宮城県五〇%、岩手県二六%、青森県二五%となつており、他は自家就業及び職業安定機関を利用しないものと未就職者となるものと思われます。  各府県とも引揚者の就職問題については特に重要視し、パンフレット、宣伝ビラ等をつくつて配布したり、個別訪問によりその実態を把握することに努め、またあらかじめ求人開拓をなす等、手を尽しておりますが、最近二十三年十二月より二十四年にかけて引揚者の内地上陸後の行動は国民の期待に反し、引揚者の一般に与えた影響は就職並びにそのあつせんに大きな影響を及ぼし、一層困難となつたということであります。これについて雇用促進を打開するために引揚者の真実を訴える一方、就職してまじめに働いている引揚者の好事例等を広く新聞ラジオ等、あらゆる報道機関を利用して周知せしめた結果、雇い主側も十分認識を改め、全面的に協力するようになり、現在就職は順調に行つているのであります。しかしながら一方いまだ職につけず、あるいは自由労務に、行商にと、わずかに糊口をしのいでいる者が数多く、各所においてその悲惨な生活を目撃して来た次第であります。  第四に更生資金並びに生業資金利用の状況について申しますと、更生資金の貸付は本年三月末までに、宮城県は貸付件数が八千四十一件中引揚者が六千七十七件を占めており、四千二百二十二万円。岩手県は三千九百十四件中二千五百四十四件を引揚者が占めており、二千三百三十万円。青森県に参りますと、四千四百四件中二千八百十九件を引揚者が占めており、金額にいたしまして二千七百八十二万円となつておりまして、約六、七割の利用率で、引揚者の就業資金面に大きな役割を務めているような次第であります。未貸付者に対しては早急に貸付わくの増大をはかるように考慮すべきものと考えております。また水害にあつた宮城県においては、罹災者中引揚者及び一般生活困窮者の約五百世帯に対して更生資金の貸付わくを増大し、これが救済をはからなければならないことを向うでも言つておられました。  生業資金につきましては、更生資金の場合と同様の状況で、資金不足は申込みの一割八分という貸付率でありますところより、これも資金わくの増大を要するものと思われるのであります。  次に住宅金融公庫の利用については、ほとんど引揚者には利用されていない有様で、これは頭金の問題及び建築費の七五%の貸出しでは、収入に恵まれぬ引揚者の利用範囲外にあるといつてもよいものであります。  応急家財等の支給状況につきましては、各県とも国庫補助を得て、衣料、家庭用品及び越冬の寝具等を毎年購入支給して来ております。  以上概観的に申し上げましたが、住宅問題については、集団収容施設の補修並びに生活環境の改善、引揚者住宅の追加割当及びその認証時期については考慮を必要とすべく、更生資金、生業資金については貸付わくの増大、就職問題については失業救済の積極的なる対策を必要とすべき段階にあることを申し添えておく次第であります。  最後に各県とも未復員者給与法に関する要望がありましたので、簡単にその点を申し上げますと、未復員者給与法は、法に定むる資格を具備する者は、貧富の区別なく給与を受け得ることとなつていますが、すでに法施行時より四年を経過した今日において、なおまだ一家の支柱たる壯齢の男子が帰還せず、かつ生死不明が大多数でありますことは、単に関係家族の精神的打撃が甚大でありますにとどまらず、貧困家庭にあつては、その経済に及ぼす実質的損失がきわめて大きいのであります。また給与法の内容も俸給、扶養手当、死歿者給与、療養費、障害一時金等でありまして、総体的に生活を援護補償するという含みが強い点をあわせて考えますれば、本法は給与上の一律主義を廃し、留守宅生活の実態に沿うことく改正せられたいというのでありまして、細部について申し上げますれば、  第一は同法施行規則第二条に、扶養親族認定条件として、年齢において満六十歳以上の者として規定されているのを、満五十五歳に引下げてほしい。  第二は母が留守を守つている場合は、同法の制限年齢のいかんを問わず、扶養親族に該当せしめるよう改正してほしい。  第三は未復員者が死亡した際の遺骨引取り並びに埋葬経費を、遺骨引取り経費現行千七百円を三千円程度に、遺骨埋葬費現行千五百円を五千円ないし一万円に改正してほしい。  第四は俸給月三百円を増額し、扶養親族の有無にかかわらず、留守宅渡しとするよう改正してほしい。  第五は、療養費については、復員後六箇月以上医師の治療を受けなかつた者及び一旦治療後六箇月以上を経て再発した者には給与しない。傷病恩給等の一時金を受けた者についての支給について改正してほしい。  また特別未帰還者給與法について、特別未帰還者の決定条件を緩和されたいという点でありました。  なお未復員者給与法による給与金過誤払いについて申し上げますと、これも陳情がございました。第一は終戦直後未復員者給与法制定までの混乱は、本人より復員届がただちに提出されなければ、過誤払い金が生ずる旨の規定が全般に周知していなかつたし、当時の交通事情からしても数箇月の遅延はやむを得なかつたと思われるから、この種の過誤払いは減免せられたい。  第二は死亡公報発令済みの留守宅に対する過誤払い金は、名義受領人たる者が無資力の場合は減免せられたい。第三は留守宅の悪意によらず、当初軍人として申告して来たものが、調査の進捗に伴い、一般邦人と判明したときに生ずる過誤払い金は、判明したときまでにおける復員官署の取扱い及び終戦時の動員召集、徴用状況からして一般邦人と軍人、軍属の差異が判然としなかつた特殊の事情より減免せられたいという要望があつたことをつけ加えて、定着援護実態調査の報告といたします。  最後に青森県庁の案内で十和田湖を見ました。十和田湖は観光地帯となつておりますが、その観光地帯のバスの説明者、それから車掌、それから船の説明者その他ほとんどみな引揚者を使つております。引揚者はとても見聞が広い上に、遠慮会釈なく客に接するというのでもつて非常に重宝がられて、そういうところに非常に採用されているという話も聞きました。

若林義孝自由党

○若林委員長 ただいまの御報告に関しての御意見なり御質疑がありませんか。

天野久国民民主党

○天野(久)委員 ただいまいろいろ御視察願つた御報告を伺いまして、その中に未復員者給与法に対する要望があつたように承つたのであります。われわれとしましては、この報告を承るまでもなく、この未復員者給与法に対しては、ただちに修正いたして、未復員者を慰めなければならぬ義務がわれわれにあると思いますが、これに対してはひとつ委員長において、未復員者給与法を時宜に即した修正をいたすべく御準備願うとともに、援護局長もここにおられまするが、それに対する御意見を承つておきたいと思います。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁援護局長)

○田辺説明員 未復員者給与法と特別未帰還者給与法に規定しております俸給月額の三百円、それから遺骨埋葬に要する経費千五百円、この金額が今日あまりにも少額に失するのではないか。少し当を失する処遇ではないかという御意見及び増額を希望する陳情等があつて、引揚援護庁といたしましても、この増額については内々研究をいたしておつたのでございます。御承知の通り引揚げ問題に関しましては、国会で制定されました引揚同胞対策審議会というものが政府内に設けられておりますので、ここにこの問題を提議いたしまして、種々研究をいたしたのであります。これは各省の次官も入つておりますので、特に大蔵省当局と緊密な連絡をとりながら研究を進めて参つたのでございます。現在の三百円という俸給は、当初の未復員者給与法制定当時の百円というものを三百円に増額したのであります。当初の百円は千八百円ベースのときの給与でございました。それが六千三百円に増額されましたので、それに対応して三百円に増額されたという経緯に相なつております。百円という給与は別段さしたる根拠があつて定められたものではないようでありまするが、今振り返つてこの根拠をしいて求めますと、昔の兵の手当が九円と相なつておるのであります。この九円に対しまして百円に上げたいということは、一般の政府職員の給与の上り方に比べまして、決してあまり差がないという議論もあるわけであります。しかし今日九円という当時の手当をもつてそのまま考えて行くということは、国民皆兵ということがすつかりかわつた今日、また一家の柱石を、働き手を長くとられておるということを考えてみますと、九円という説をこのまま今日考えるということは適当でないという結論に到達したわけであります。しからばいかほどまでに増額するかいう問題につきましては、財政問題もありまするので、ことに昭和二十六年度においての所要経費を十分考えなければなりませんので、種々大蔵事務当局並びに大蔵省全体の給与の財源ということを考えながら、対策審議会の幹事会におきまして種々折衝協議いたしたのであります。まだ正式に対策審議会の委員会においては決定したわけではありませんけれども、目下進行しつつある過程においての一応の程度を申し上げますと俸給月額は少くとも千円程度に上げる必要があるのではないか、遺骨埋葬に要する経費は少くとも三千円程度にまでは増額する必要があるのではないか、一応こういう結論に到達しておるのであります。これを近く対策審議会にかけまして、委員会の御審議をいただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。この程度でございますれば、政府においてもこれを受入れて実施をする用意があるのではないかというように考えておるのであります。まだ委員会の正式の決定には付しておりませんけれども、一応の経過を申し上げて参考に供したいと思います。  なお未復員者給与法及び特別未帰還者給与法の給与の改訂にあたりましては、これは法律の改正を要しますので、いずれ国会において御審議をいただかなければならぬわけでありますけれども、従来の関係方面との折衝経過等から見ますると、国会においても十分積極的に御尽力くださることが、この実現をはかる上においてきわめて必要ではないか、かように考えますのでこの点もよろしくお願い申し上げたいと思います。

天野久国民民主党

○天野(久)委員 今援護局長からいろいろ御説明を聞いて、われわれたいへん安心いたしました。そのお考えには敬意を表しますが、この問題はどうも今まで何か戦争に参加したというようなためか、非常に社会からうとんぜられておつたということは事実であります。しかし終戦後すでに五年もたちますので、そういう考えは全世界の人類が捨てて、今日非常に不遇な立場にある家族と残られた人たちのためにわれわれは全幅の協力をいたして、そうして慰めるとともに、生活に困る人を助けてやらなければならぬ、こんなふうに考えております。われわれ議会人といたしましては、これが修正と通過には全幅の努力を払いますが、どうか当局においても、これに対してひとつ御尽力を願いたいと思います。  それからなおきのうの御報告の中に、住宅の問題が非常に各委員から報告されておりましたが、この住宅という問題に対して、何か御報告の中には、一家そろつて結核患者になつたというようなことも報告されておりまするが、これは人道上非常にゆゆしい問題だと思います。とにかく今のつまり転用住宅などを見ますと、山梨県あたりにも何かありますが、非常に気の毒な状態になつている。そこでこの住宅問題に対しても何かお考えがありましたらひとつ承りたいと思うし、もしお考えがないとするならば、われわれとして何とか特に政府に対して御要求いたすことを研究いたさなければならぬ、こんなふうに考えておりますが、何かお考えがありましたら承りたいと思います。

田辺繁雄厚生事務官(引揚援護庁援護局長)

○田辺説明員 引揚者の住宅問題は、引揚者の更生援護方策のうちで一番重要な問題でございますので、厚生省におきましても、この点につきましては最も力を注いで来たところでございます。先ほども申し上げました通り、引揚げ援護対策はひとり厚生省だけでなしに、関係各省に影響するところが非常に広いので、引揚同胞対策審議会におきまして根本の方策をきめまして、その方策にのつとつて各般の施策を進めて行きたい、こういうふうに考えております。この住宅問題につきましては、同引揚対策審議会で従来たびたび対策が決議されまして、その都度少額ながら予算的措置を講じて参つたのでございますが、本年五月だつたと思いますが、この問題につきまして対策審議会を開きまして研究した際に、いろいろ議題がでましたが、特にこの引揚者の集団住宅をどういうふうに措置するかということについて真剣に論議されたわけであります。まず第一に、現在の引揚者住宅の実情を正確に把握して、そのうちでもし補修をして、将来相当恒久的に使えるものはこの際思い切つて経費を出して補修をする。そして恒久的な住宅にする必要がある。補修をしても補修のきかないもの、ほとんど新築するのと同じ程度の金がかかるというようなものにつきましては、この際その施設を疎開いたしまして、新しい住宅を建ててそれに入れる、こういうようなことが決議されたわけであります。これにつきましては、本年度当初の予算におきましては、予算的措置がそこまでは及んでおりませんでしたので、追加予算、補正予算の際にそれを考えたいと思つて今日に至つたのであります。実は昨年の追加予算の際には、集団住宅の補修費といたしまして一億八千万円の予算をもらいまして、これによつて全国の集団収容施設の改修を行つたのであります。しかしこれだけではまだ不十分でございまして、大よそ現在調べてみますと、総額三億五千万円程度の補修費が必要なんであります。それに対する八割補助といたしますと大体二億八千万円程度、これだけの経費があれば、一応現在の集団施設が人の住めるような恒久的な施設に改修できる、こういう地方からの報告でございます。なお集団施設の中で、とうてい使いものにならぬ、疎開しろというものは非常に多いのでございますけれども、そのうちで緊急を要するものにつきましては、ことに今年の冬を越せないというものにつきましては、急速にこれを疎開するという費用も必要でございますので、その費用と合せまして補正予算の際に認めていただきたいということで、大蔵当局に目下要求中でございます。これが全部実現するかどうかにつきましては若干疑問がございますけれども、少くとも補正予算の機会に、去年程度認められた経費はこの方面に認めてもらうという方針で折衝中でございますので、多分その程度までは実現できると思います。そうしますれば全部とは申しませんけれども、腐朽がはなはだしくて修理がきかないといつたようなもの、たとえば山口県の大津の援護館のような施設は本年度疎開ができる。なお補修を要するものは補修をし、ある程度きれいになると思います。なお残りましたものは、本年度にできませんければ来年度におきまして完全に疎開する、疎開の計画は逐次進めて参りたい、かように考えておるわけであります。

天野久国民民主党

○天野(久)委員 当局もいろいろと御心配願つて、それぞれ措置を講ぜられておるようでありまして、これには敬意を表しますが、まだ予算の要求中である、こういうお話でありますが、この問題は非常に人道上ゆゆしい問題であつて、実際問題としてその住宅の現実の状況を見れば、これ人間として捨ておきがたいという状況が社会に幾多あることは御承知の通りでありまして、これは大した予算ではないと私は思います。国の予算の額からいえばきわめて少額な金でその人たちが救えることになる。われわれはその予算の獲得に対しては全幅の御協力をいたしますので、どうか強く要求されて、今の計画通りに疎開するものは疎開し、修理するものは修理して、そうして人間として住むにふさわしい家に住まわしてやるように御協力願いたいと思います。  なお委員長にお願いしておきたいと思いますが、未復員者給与法及び特別未帰還者給与法に対して、委員会として今後とるべき何らかのお考えがありましたら、ひとつ漏らしていただいて、お諮り願いたいと思います。

若林義孝自由党

○若林委員長 昨日来、各三班にわかれられまして、第二回は九月五日、第三回は九月十日をもつて約十日間ずつ御視察を願つたわけでありますが、微に入り細をうがつた御視察の御報告が行われまして、なおその御報告に基いて関係当局ときわめて真摯なる質疑応答がかわされたわけでありまして、御視察を願いました委員各位に深甚の謝意と敬意を私から申し述べたい次第であります。この御視察に基きまして必ず留守家族の者たち、また引揚者たちの定着援護等が一層国政の上に反映をすることを願つてやまない次第でありまして、一応ここで御視察の御労苦に対して、つつしんでお礼を申し上げ、敬意を表する次第であります。  なおただいま、この御視察に基く未復員者給与法に対していかなる考えを持つておるかという天野委員の御発言でありますが、私、委員長といたしましても、早急に可能なる範囲内において、未復員者給与法の改正を当委員会として発案すべきであるという考えを持つておりますので、何とぞ各所から集まつて来ておりますところの声並びに御視察になられましたものを根拠とし、また昨日来当局といろいろなる質疑応答をかわしましたことを根拠として、いかなる方面からながめましても妥当であるという点に未復員者給与法の改正を試みたいと存じておりますので、委員各位の一層の御協力を願つてやまぬ次第であります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 未復員者給与法その他の改正につきましては昨日来相当論議し尽されて、視察された方々の報告に基いてこれを改善しなければならぬということがはつきりしたと思います。つきましてはこの際、私は本日の会議をこれ以上続行することは、出席議員の数から考えましても、はなはだ本委員会の権威を失すると思いますので、本日はこれをもつて散会されんことを動議として提出いたします。

若林義孝自由党

○若林委員長 ただいま竹村奈良一君から動議が出ておるのでありますが、従来の慣例に従いまして、この点については委員各位と何ら異存のない議事を進めておるのでありますから、従来の行き方でひとつ御了承を願つて、一刻も早くこの給与法の改正を進めたいと思いますが……。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 ぼくがなぜそう言うか、はつきり申し上げますと——こういうことを言うのは悪いかもしれませんけれども、私は何もいこじになつて国会法をたてにとつてとやかく言うのではありませんけれども、報告者に質問したいことが二、三あつた。たとえば埋葬料の問題についても、五千円ないし一万円という報告が出ておるから、実際五千円でもいい、一万円でもいいという弱い報告であるかどうかということについて聞きたかつたのですが、報告者がおらない。これ以上やつていても無意味であるし、委員会の権威にかかわる。従つてぼくは国会法に基いて、本日はこれで散会されて、あらためてやられたらどうか。大体結論は出ておるのだから。

若林義孝自由党

○若林委員長 大体竹村奈良一君の意思は了承するのでありますが、この給与法の改正を促進する意味におきまして、当特別委員会内にこれに関する小委員会を設けて促進することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」「五人できめるのか」と呼ぶ者あり〕

堤ツルヨ日本社会党

○堤委員 そのように四人や五人できめることはやめてください。せめて自由党が五人も出ておればいいが、話にならない。ばかにし過ぎていますよ、与党は。

若林義孝自由党

○若林委員長 それでは速記をやめて懇談します。     〔速記中止〕

若林義孝自由党

○若林委員長 では速記を始めてください。

天野久国民民主党

○天野(久)委員 先ほど来話がありまする未復員者給与法及び特別未帰還者給与法、これはやはり時代の情勢変化によつて、早急にこれを改正し、妥当な支給をいたさなければならぬと思いますので、この際速急に当委員会に小委員会をつくつて、そしてこれの研究を進めて、妥当なるものをつくり上げて、これを政府に要求する、また法律の改正の資料といたす、こういうことにいたしたらどうかと思いますので、お諮りを願いたい。そして委員会の委員の数及び委員の選任等は委員長におまかせして、最も熱心な、最もそれに対する知識にたけた人をお選びを願つて、構成していただきたい。どうぞお諮りを願いたいと思います。

若林義孝自由党

○若林委員長 ただいま天野君から未復員者給与法の改正に関する小委員会設置の動議並びにその数、その人選については、委員長に一任するという動議が出ておりますが、これに御異議ありませんか。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 その内容の問題ですが、委員長の考えで、それだけでいいかどうか。そのほかさしあたつていろいろな問題が出て来ることは予想できないかどうか。そういう点はやはり一応検討して、その法律だけの改正を云々することに限定されると、せつかくつくつたものが行動が束縛されるわけなんです。そういう点はいかがなんですか。

若林義孝自由党

○若林委員長 先般来この委員会が開かれますたびごとに、各位の意見が出ております。また当局との質疑応答もあるわけであります。それを根拠にいたしまして、相当この委員会が関係当局とも直接折衝に当る必要があると思うのであります。これに関して、この法案のみではなくて、他の法令に関係することにも及ぶかもしれないと思うのでありますが、しかし休会中のことでありますから、今度の臨時国会までの間に、この法案の準備を整える、こういう意味ではないかと私は考えますので、ただいまの天野委員の動議の意味において、大体御了承を願つておけばよいのじやないかと考えております。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

若林義孝自由党

○若林委員長 ではさよう決します。  なお昨日、門脇委員からの動議が出ておりましたが、国際連合の総会に本委員会の希望懇請をするために、国会から議員を派遣することを、関係当局に要請をするという御動議であつたと思うのでありますが、門脇君の動議はやはり前国会における引揚げ捉進決議の趣旨にも沿うものでありますので、本委員会の意向といたしまして関係当局に伝えて、それを懇請をいたしてみたいと思いますが、御異議ありませんか。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 その問題はやはり動議として提出されている以上は、動議としてこの問題を取扱うべき問題であつて、委員会の意向を云々するまでに至らないと私は思うのであります。従つて委員会の意向として言われる場合におきましては、やはりこれを論議しなければならぬし、それに対する態度を決定しなければならぬ。しかしそれを扱うには、やはり動議として提出されたものは動議として、いわゆる国会法にのつとつて審議をすべきものでありまして、本日の委員会の様子から見て、改めてその動議を提出されて、これを取扱われるよう、私はそういうように委員会としての意向という点をお取消し願いたいと思います。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 この問題はきのう動議として提出されたのですが、これは単にそのときのその人の意向に限つたものではなくて、従来から本会議においても、またこの委員会においても要望されておつた問題であります。これは多少反対する人があるかもしれませんが、大多数が納得して、極力これは進めていただきたいという要望であると思います。しかしきのう深澤委員から、この問題を決定するについて意見が述べられ、委員長からも、その深澤委員の意見に対して賛成されて、今竹村委員が申されましたように、次会の委員会においてこれを決定するという態度に決した以上、やはりこの問題はそういう形をとつていただきたい。問題からすれば非常に緊急でもあります。もちろん重大な問題でもありますから慎重に取扱いたいと思いますから、次会の委員会には委員の招集方に一層の御配慮を願つていただいて、そうして決定をしていただきたい、こういうことを私要望いたします。とにかくこのまま放置されないようにということをお願いしたい。

若林義孝自由党

○若林委員長 現実の問題としまして、時日を非常に争つているわけでありまして、今日門脇委員の動議を正式に取上げず、委員長といたしまして、当局に対しては委員会の中にみなぎつております希望を希望とし意向としてこれを向うへ伝えることはさしつかえないと思いますから、一つ意向ということで進めたいと思います。

天野久国民民主党

○天野(久)委員 先ほど来委員会の構成問題についていろいろ異論があつたのでありますが、これはもつともなことだと思います。そこでこの問題は、動議が出たからどうするか、こういうことになると、先ほどほかの委員の言われることがごもつともになつて来ます。しかしわれわれのこの委員会は、海外に残れる人が早く引揚げること、また国内に帰つて来た人たちの定着を援護すること、あるいはその他生活の援護をすること、これが最大の目的である。従つて国連に対していろいろの陳情をいたし、あるいは海外に残つている人々を一日も早く日本に引取ろうということが、この委員会の最大の目的であります。従つてそう四角ばつて、動議が出たからこれをいかにするかということでなくして、わが委員会の最大の目的を果すために、どうかひとつあなたも国連へ行つてくれないか。そうして委員会の目的というものは、必ず向うの人を帰したい、帰つて来た人を楽に暮させたい、これが主なる目的であるのであります。どうかひとつ四角ばらずに、委員会の最大目的を果すために、国連に、委員長はだれとだれとだれとを頼むことを行つてお願いして来てくれということを言つていただけば、先ほど来のいろいろな御意見に対しても顔が立ちましようし、また委員会としてそれをやつたからといつて、ほんとうに誠心誠意、向うに残つておる人を一日も早く帰してもらいたいということに異議をさしはさむ委員会はおそらくなかろうと思います。どうか委員長もそのお気持においてやつていただければ私はいいと考えます。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 大体問題は少しおかしいと思うのです。それでは、先ほど私が散会動議を出したときに、あなたが紳士的な話合いで、そうじやない、まず未復員者給与法の改正の点だけで、小委員をつるということだけはしないといけないというわけで、その問題に限つてこの会を持つてやつておる。それで委員さへつくれば散会することになつておつたのです。それがはつきりした、そうでしよう。まず問題はそれだ。それからそれ以外に、きのうの動議を問題にされるのだつたら、私はこれ以外のことが問題に出て来るのがおかしいと思う。そのことについては私は意見を持つているわけです。もしそういう問題を取り上げられるならば、正式に意見を闘わさなければならぬ。しかしまた私は散会動議を出した以上は、この意見を言うべきではない。だから本日は普通の形式から行つたら、散会されるのが当然なのだ。そういうようにしてもらいたいと思います。

若林義孝自由党

○若林委員長 それでは、都合によつて本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時三十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗