運輸委員会 第6号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/07/27
会議録
○前田委員長 これより会議を開きます。 低性能船舶買入法案について討論に入ります。討論の通告があります。これを許します。江崎君。
○江崎(一)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、本法案に反対の意を述べるものであります。 本法案提案の理由によりますと、内航貨物の激減によつて、内航船腹に多大の過剰が生じたために、九十万重量トン以上の低性能船舶が繋船されております。これがわが海運界に非常な重圧となつておるのであるから、これを国家が買い上げて、鉄くずにする必要があるというのでありますけれども、われわれはここに暦代の政府、特に吉田内閣の一貫した大資本擁護の手厚い保護政策を見出すことができると考えるのであります。船舶会社が、逐時低性能船舶を近代的高性能船舶に置きかえて行くことは、あたりまえのことで、営業技術の上から当然やらなければならぬことであります。 しかも買入れ対象の船は、船齢三十年以上に達する老朽船とか、あるいは戦時標準船で、前者は特に投下資本の回收された船であり、また後者は戦時中大船会社が政府から手厚い補助金を支給されてつくつた船で、もはや利潤は十分上り、元はとれた船であるにもかかわらず、何を好んで政府が法案まで出して買い上げるのか、はなはだ理解に苦しむ次第であります。今や日本の海運界は強い戦時色を帯びて来ておるのであつて、特に朝鮮事件以来、軍時的な輸送のために徴用された船腹は三十万トン以上にも上り、特に日本船舶による輸送は、政治的、軍時的重大な意義を持つに至つたのであります。この目的のためには、従来のボロ船では役に立たないのであつて、だからこそ政府は独占的海運資本に、本法案によつて手厚い保護を与え低性能船舶を破棄して、軍事的要求にも即応し得るような船舶への、肩がわりの機会を与えているものだと考えるのであります。また一方本法案は、船員の首切り法ともいうべきものでありまして、船舶の廃棄を理由に、国際独占資本並びに吉田内閣として好ましからざる進歩的な労働者の首切りを断行する機会を与えるために、注意深く仕組まれたところの法案であるとも考えるのであります。従いましてかかる意図を持つておりますところの本法案に対しましては、共産党は絶対に反対の意を表する次第であります。
○前田委員長 これをもつて討論は終局いたしました。 これより低性能船舶買入法案について採決いたします。 本案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
○前田委員長 起立多数。よつて本案は可決すべきものと決しました。 なおお諮りいたします。本案に関する委員長報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前田委員長 御異議ないと認め、さよう決します。 それでは本日はこれをもつて散会いたします。 午後一時二十九分散会 ————◇—————