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7回国会参議院1950/04/28

本会議 第47号

発言数
92
登壇者
21
会派数
4
開催日
1950/04/28

会議録

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  この際、日程に追加して常任委員長辞任の件をお諮りいたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。通商産業委員長高橋啓君、運輸委員長中山壽彦君及び決算委員長谷口弥三郎君から、それぞれ委員長を辞任いたしたい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて本件は許可することに決しました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、欠員となりました通商産業委員長、運輸委員長及び決算委員長の選挙を行いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 只今議題となりました常任委員長の選挙は、成規の手続を省略して、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 只今の左藤君の動議に賛成いたします。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 佐藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて通商産業委員長に深川榮左エ門君を、運輸委員長に佐々木鹿藏君を、決算委員長に前之園喜一郎君を指名いたします。(拍手)      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、中日貿易促進に関する決議案(帆足計君外十九名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては、帆足計君外十九名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者の要求通り委員会審査を省略して、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。帆足計君。     —————————————    〔帆足計君登壇、拍手〕

帆足計緑風会

○帆足計君 本日各党の御賛同を得まして、イデオロギーに偏することなく、又超党派的な立場から、中日貿易促進決議案をお諮りするようになりましたに当りまして、その提案の趣旨を一言御説明申上げますことをお許し願う次第でございます。  先ず決議案の内容を朗読いたしますことをお許し願います。   中日貿易促進に関する決議案   戰前の正常期において、わが国貿易総額の六割五分を占めていたアジア貿易、特にその過半を占めた中国との貿易再開は、米国の援助が漸減されようとするわが国経済にとつて重大な問題である。   依然として不振を続ける貿易と深刻化する国内不況の根本的打開策として、産業界も貿易界も一般国民も新中国との直接貿易の緊急な再開を強く要望している。   英国、印度、スエーデン、ソ連等世界の十数ケ国が既に新中国政府を承認し、更に国連の承認を通じて米国の承認もそう遠い将来ではないと予想される。   政府は、日本の生存に絶対に欠くことのできない貿易振興の一環として、政治問題やイデオロギーの問題を離れ、純経済的観点から、新中国と相互に経済使節を交換し、早急に直接貿易を再開するよう、積極的方策の確立実行に関し万全を期すべきである。  右決議する。  趣旨を一言御説明申上げます。敗戰日本の経済は丁度終戰五ケ年目の春を迎えております次第でありまするが、その生産は未だ戰前の八割前後を低迷し、食糧は戰前の七割程度でございます。連合軍からの食糧援助によりまして、漸く九割方その必要を満たしている状況でございます。貿易は連合軍の援助がなくば輸出入は戰前の僅かに二割九分という深刻な不況の状況でございます。これを欧米に比べてみますると、あれ程の戰禍を受けた西ヨーロツパ諸国はすでに戰前の三〇%以上を超過し、カナダ、アメリカ、いずれも戰前の水準の七割以上を超過しておりまするときに、敗戰の祖国の実情は、戰前に比べまして、引揚同胞六百万を迎え、二千万以上の人口は増加し、年に三百万の生れて来る幼兒を控え、誠に惨澹たる状況でございます。而も復興しますための民主主義の理想が高らかに掲げられておりまするが、この民主主義を裏付けしますためには、経済の安定と、復興と、将来への希望がなくてはならないのでございます。私共はこれらの問題の解決を徒らに外に求めようとするものではありません。曾てデンマークがその復興のスローガンに、外に失いしものを内に耕せと申しましたように、我らも我らの努力によりまして、国土を耕し、食糧を増産し、電源を開発し、科学技術を振興し、輸出中小工業の育成を図り、そうしてできるだけの努力を国内的に立体的にせねばならぬことは、本会議におきましても各議員の方々からそれぞれ要望されたところでございました。併しながら如何に国内を耕しましても、私共はやはり限られた島国に住んでいるのでございます。島国とは即ち海の国であります。海の国とは即ち海運と貿易によつて生きねばならない国でございます。海運と貿易によつて生きねばならないということは、世界を理解し、世界から理解され、又特に隣邦諸国を理解し、隣邦諸国から親善を得る国にならなければ生きて行けないということでございます。  今次の戰争の本質は、必ずしもイギリス、アメリカと戰つた戰争ではなかつたと私は思います。日本は数千年に亘り中国、インド、インドネシア、アジアのこれらの友邦と、歴史的にも、人種的にも、文化的にも、又更に経済的にも深い宿命的な関係にありました。この宿命に束縛され、我々はその解決の道を誤まつて、武力と侵略の手段によつて解決しようとしたのでありました。然るにこの方法は誤まつており、劍によつて得んとした民族は劍によつて打負かされて、今その深刻な反省を要請されておる次第でございます。我々が過去を清算しようと思うならば、過去の方法を再批判し、みずから反省し、武力と侵略による過去の一切の方法を拾てて、今後は友愛と理性によつて、平和によつて世界的に生きるという決意をいたさなければならぬのでございます。アジアと日本との貿易は戰前において約六割四、五分方を占めておつたのでございます。この生糸が減りました今日、その割合は全体的には更に大きくならなければなりません。この六、七割の貿易のうちの丁度半ばというものが即ち中国との貿易でございます。曾て生命線と叫びまして、父祖三代に亘りまして我々は中国と結ぼうといたしました。その方法は先程申しましたように間違つた方法によつて出発いたしましたために、すべては瓦解に帰してしまいました。私共が再び起き上り隣邦諸国と友愛を結ぶためには、完全に過去を清算せねばならぬことを今更のように深く痛感する次第でございます。この新らして友愛と理性の道によるところのアジア諸国との親交並びに中国との貿易の再興なくんば、日本の更生は絶対に不可能であり、真の講和というものは絶対に日本に来たらないことを覚悟いたさねばならぬのでございます。  日本と中国とはこれまで深い経済的関係にあり、貿易の関係を結んだ国でございます。鉄鉱石、粘結炭、更に大豆、塩、桐油、飼糧、牛皮、豚毛、螢石、各種の鉱石、「うるし」等の豊富にして大量なる原材料をこの国に我々は求め、そうして中国に対してその国民の生活に必要なる各種の雑貨その他生産の復興に必要なる抗木、枕木、車輛、電気機器、通信機、各種機械、化学製品、薬品類、水産物、農業機械等各種の製品、これらを隣邦に輸出したのでありました。更に特に中国の諸君とは、中国から多数の有為の青年の方々が日本に留学されまして、日本の技術を学び、日本の技術を持ち帰り、そうして日本の機械や設備によつて動かされております工場、鉄道、交通、港湾の設備も又莫大なものでございます。然るが故に、今日若し私共が中国と新らしく結ぶ道を誤まり、ここ数年停滞しまするならば、これらの資材は日本以外の国に次第に取つて代られてしまうでありましよう。そうして機械工業、技術工業に関しまする限りは、若しかくのごときことが今後続きまするならば、日本国民は再び起ち上れぬところに追込まれてしまうでありましよう。現に私共がこの問題に関する決意と正しい態度が足らないために、最近車輛又はレール等につきましての大量註文が参りましたのに、これを受けることができず、むしろ我々より遥かに遠隔の地にあるところの西ドイツにそれらが発註されたということも新聞で聞いておるのであります。  中国と日本との貿易を再開しまするためには、併しながらここに重要なる條件があることを知らねばなりません。第一には、日本が政治的、軍事的に過去の誤まつた形を徹底的に反省し清算することが私は第一の前提條件であると思います。このためには、過去の軍国主義、帝国主義的政策並びに民族的偏見を根こそぎにし、清算いたさねばなりません。曾ての日本民族は、過去数十年におけるような偏狭にして卑屈なる国民ではありませんでした。記紀、萬葉事代の日本民族は如何におおらかにして優しき民族であつたか、皆さん御承知の通りであります。奈良朝の時代における日本の大学は、あのフランス語のように優しい中国の言葉をそのままの言葉で勉強し、又毎年数多くの留学生が遣唐使として隣国に送られ、我々は朝鮮、中国その他の隣邦諸国を理解し、これらの偉大なる民族を尊敬し、又愛し愛されることを当時知つていたのでございます。このおおらかにして豊かなる日本の伝統を再び復活いたさねばならないと思います。徳川三百年の間に歪められたところの、この民族の、長いものには巻かれろ、泣く子と地頭にはかなわぬ、卑屈にして冷酷なるこの民族の性質を、この際徹底的に反省し直さねば、隣邦諸国と仲よくし貿易を再開することは私は困難であると思います。  第二の條件は、軍事的には飽くまで中立を通し、日本は永世中立の立場を貫くことであると思います。勿論この中立とは即ち実質的中立であります。他国の軍事基地に身を委ねるような考えがあつたり、又いずれかの国の傭兵になるような浅ましい気持では、インド、インドネシアの諸国並びに中国諸国との親善を保つことは到底不可能ではなかろうかと存じます。日本は地政的にカナダでもカリフォルニアでもありません。アジアの一角に属し、そうして経済的にアジアに属することを我々は知らねばなりません。このことは司令部におきまする経済專門家の各位も夙に我々に指摘いたしておるのでございます。然るが故に、スエーデン、スイツツル、インド、インドネシア、日本の繋ぐ線を、飽くまでも平和と中立の線にいたさねばならないことを痛感いたすのでございます。  第三に、両国の貿易の再開は、一党一派の利益のためにこれを利用したり、又はイデオロギーに囚われてこれを云々することは間違いであると思います。経済の問題は、思想、宗教、信仰と離れて純経済問題として取扱い、イデオロギー並びに国境を越えた問題として取扱われねばならないと思います。従いまして、私共は政治に囚われず、いわゆる政治的イデオロギーに囚われず、相手を害せず又害されず、そうして無害にして有益なる道を摸索せねばならないと存じます。曾て回教徒とキリスト教徒とが愚かにも数百年に亘つて戰い、血を流した時代がありました。又我が国において不倶載天の敵という愚な言葉がありました。併しながらやがて自由、平等、博愛という、より高次の世界観が人類に理解されるに及び、万国通商の旗が人類に飜つたことを我々は知らねばなりません、  最後に世界の動向から見まして中国との親善を考えてみたいと思います。やがて三ケ年後、世界の両極には千発以上のウラニウム原子爆彈が貯えられ、ロケツトにしつらえられるに至るでありましよう。五ケ年後には二千発の原子爆彈、百発の水素爆彈が貯えられるに至るでありましよう。人類は生を受けてから十七万年の努力の後、初めて物質の細胞粒子のその秘密の扉を開き、僅か一ポンドのウラニウム原料から三千万トンの石炭のエネルギーに等しい力を爆発せしめるに至りました。今人類は大いなる転換期に臨んでおることを知らねばなりません。日本の平和も、中立も、無軍備もかくのごとき原子料学の観点から理解されねばならないと思います。このように考えますると、やがて三年なり五年後に如何なる患者が再び世界戰争に訴えるような手段に出得るでありましようか。その日までには必ず原子科学に関する人類の共同管理と平和が確立され、万国の民族は平等の資格を以て世界会議に招集されるでありましよう。その日に、どうして各国の持つておりまする軍備が、爬虫類の持つております鱗の数が、民族の発言権に影響するでありましよう。そのときに世界に評価されるものは、ただその国民の持つておる科学技術の水準と、その生産能率と、その民族の教養と自尊心、その自由と独立への熱意によつて、その民類は評価されるに至りましよう。そのような大いなる歴史の展望に立つてことを考えまするとき、私は日本国民は、将来に光を望み、そして現下の不況の打開のために、中小商工業の振興のために、失業者に職を與えるために、又八千万の民族に正しい復興の希望を與えるために、只今のような條件を以ちまして中日貿易を再開し、平和と理性と友愛の下に、隣邦諸国と経済提携をなさねばならぬことを私共は痛感し、その必要を叫び、そしてこれを連合軍に強く要望いたしたいと思うのでございます。  何とぞ皆樣満場一致御賛同をお願い申上げる次第でごぞいます。一言提案の理由を申上げました。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本決議案は可決されました。  只今の決議に対し通商産業大臣より発言を求められました。高瀬通商産業大臣。    〔国務大臣高瀬荘太郎君登壇〕

高瀬荘太郎緑風会文部大臣・通商産業大臣

○国務大臣(高瀬荘太郎君) 只今の決議案に対しまして政府の所見を申上げたいと思います。  中国との貿易を促進、振興いたしますことが我が国の経済にとつて極めて重要であるということは全く今御決議の通りであります。政府といたしましても中日貿易の促進につきましては十分の熱意を持つているのでありますが、現在置かれている両国の特殊な関係から、正常な貿易を大幅に実行するという段階にまだ至つておりませんことは、甚だ遺憾な次第であります。併し香港を通じ又は直接にはバーター方式などによりまして、現状において可能なあらゆる手段を通じ今後一段と中日貿易の増進に努力したい所存であります。(拍手)      —————・—————    〔若木勝藏君発言の許可を求む〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 若木勝藏君。

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 私は北海道未開発魚田開発に対する財政措置の問題について、緊急質問の動議を提出いたします。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 只今の若木君の動議に賛成いたします。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 若木君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます、よつてこれより発言を許します。若木勝藏君。    〔若木勝藏君登壇、拍手〕

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 私は北海道未開発魚田開発に対する財政措置の問題につきまして、政府に二、三の質問をいたしたいと思います。  北海道は豊富な水産資源を包蔵しながら、今尚開発の余地のある状態に放置されているところの魚田があります。これを開発いたしまして国民の蛋白食糧の増産を図ることは、現下我が国の食糧の事情から当然のことでありまして、政府も未利用六千四百万貫の資源に着目をして、これが開発のために、見返資金による融資によつて必要な施設を講じような企図しておつたのであります。この政府の企画に呼応期待いたしまして魚田の開発に従事しつつあつたところの開発団体は、二十四年度におきまして五十四に達しているのであります。而もその大部分は引揚者による漁業協同組合、漁業生産組合であることは、政府も承知の通りであります。この漁民の多くは幾多の苦労を重ね、裸一貫で故国に帰つたところのものでありまして、政府の指導計画に多大の期待をかけて開発に当りつつあつたのであります。殆んど資産のないこの漁民達は、面倒な見返資金融資の申請手続等に非常に苦労をしておつたことは、私も篤と知つているのであります。然るに政府はこれに対しまして、初め二十四年度分の融資は十月頃にはできるであろうということを表明したのであります。漁民はそれを目的に準備を進めておつたのでありましたが、それが延びて年末になるだろうということになつたのであります。正にこれは当事者にとつては最大の苦痛に相違なかつたのであります。ところが、更にこれが年明けて二月か或いは三月頃でなければ出ないであろうということになつたのであります。年度当初において用意されなければならないところの資金が年度末まで持越されたということになつたのであります。而して最後に與えられたところのものは、資金ではなくして、実は二十四年度は融資不可能であるという、全く漁民の期待を裏切つた一事であつたのであります。この政府の措置は、道義的に見ましても誠に無慈悲な措置であるとの批判は免れ得ないであろうと思います。又行政的に見ましても極めて無為無策であるというところの譏りは甘んじて受けなければならないものであると考えるのであります。私は漁師の家に生れておる者でありまして、幼少の頃から漁業の動態についてはよく知つておる者であります。漁業にとつて最も大切なことは、漁期を逸しないということであります。これはもとより農家の作付の時期を失わないということと同樣のことでありましようが、併し魚群は動くものであります。その期を外しましては、漁獲は望み得ないのであります。又漁具にしても、例えば「にしん」を取るところの網や船は、これを「たら」と取るところの漁具に転用することができないのであります。私はこの一年、人里離れた北方僻陬の地に、而も朔風に肌をさらして、資金・資材がないために、魚群の立ち去る光景に悲憤の涙に暮るるところの漁民の姿や、又繋ぎ資産で漁具は用意したものの、多額の借財に四苦八苦しておるところの漁民の姿を、吉田首相並びに森所管大臣に想像して貰いたいのであります。彼らはただ見返資金の融資を一日千秋の思いで待つていたのであります。それが一ケ年後の今日一銭の融資もなく打切りとなつて、悲惨これに越すものがないと言わねばなりません。先般池田蔵相が記者団との会見で、金詰りや税金のために中小企業者の五人や十人倒産しても仕方がないと言いまして、各方面から手痛いところの批判を受けたあの放言と、一脈相通ずるものがなしとしないのであります。而して彼の場合はまだ放言であるのに対し、この場合は嚴然たる事実であります。私は先ず第一に、政府の責任者である吉田首相と所管大臣であるところの森農相に、この事実に対する所見と、何故に昨秋閣議において決定したこの未開発魚田開発の融資が打切られることになつたのであるか、その理由を伺いたいのであります。  伝え聞くところによりますると、二十四年度の私企業に充てられておつたところの二百五十億の見返資金が、年度末においてすでに農林、水産関係に充当されておつたものが他に使われて、残り幾ばくもないことが分つて、従つて魚田開発の分一億も融資不可能になつたということでありますが、若し然りとすれば現内閣の農林行政は勿論、財政方策は実に無計画杜撰なもので、一大失態であると断ぜざるを得ないことは勿論、魚田開発に従事する零細な漁民を悲痛のどん底に落し込んでおる政府の責任は重大であると言わなければなりません。  この際、政府は、二十二年度、二十三年度の前例にもある通り、これを公共事業費扱いとして、その余剩或いは保留の分を勘案する等、適当な方法によつて、この漁民の死活問題の解決に当る意思がないか、特に森所管大臣の明確な答弁を伺いたいのであります。  次に質問の第二点は、この未開発魚田開発の融資について昭和二十五年度は如何なる方針をとられる計画でありますか、それを伺いたいのであります。若しその融資計画が明瞭でない場合は、開発漁民の事業計画は全く立たないのであります。宙に迷うことは当然であります。殊に二十四年度のごとき事態を繰返すことになりますならば、ただに当面する漁民の困惑にとどまらず、国家の食糧確保に一大損失を招くことは明らかな事実であります。今や年度に入りまして一ケ月を経過しているこの際、政府のこれに対する計画を明らかにすることは喫緊のことであると思うのであります。森農林大臣の明確な答弁を伺いたいのであります。  第三に、未開発魚田の開発に対して、政府は今後如何なる方針で計画を進められるのであるか、この点について伺いたいのであります。従来この財政措置としては、二十二年度、二十三年度においては少額の公共事業費を以てこれに充て、二十四年度においては見返資金の融資を以てこれに処して来たのでありますが、これはいずれも魚田開発の根本方策としては当を得ないものでありまして、二十四年度のごとき事態は、これを明らかに証明するところであります。千島樺太を失つた今日、全国水産漁獲高の三分の一を占めており、更にその三〇%の未利用資源六千四百万貫を有している北海道の魚田開発は、北海道の開発は勿論のこと、延いては国土開発の上から見ても極めて重大な使命を帶びていると思うのであります。これが開発の根本対策を樹立して蛋白食糧を確保することは今や躊躇を許さざるものであると思うのでありますが、政府はこれに対しまして如何なる方策を企図しておられるのであるか、首相並びに農相の所見を伺いたいのであります。(拍手)    〔国務大臣森幸太郎君登壇〕

森幸太郎自由党農林大臣

○国務大臣(森幸太郎君) お答えいたします。只今御質問になりました北海道魚田開発につきましては、二十二年、二十三年と継続して参りまして、二十四年におきましては公共事業費より支出することができ得ぬために、見返資金より一億万円を予定いたしておつたのはお述べになりました通りであります。この見返資金の実際の運用に当りまして遂にこれを実現し得なかつたことは、誠に漁業者の期待を裏切りまして申訳なく考えておるのであります。政府におきましては、この見返資金の運用が、農林省のいろいろ計画いたしましたすべての点において、これはひとり農林省関係のみではないのでありますが、当初の計画より非常に齟齬した結果を招かざるを得ないような情勢に立至りましたので、二十四年度におきまして、一応一億万円の計画をいたしておりましたことが実現でき得なかつたことは、誠に漁業者に対しましても申訳なく考えているわけであります。この事実に対しましては、二十五年度におきまして、この二十四年度になすべき事業の分量に対しまして、更に二十五年度におきましてもこの魚田の開発は、今お述べになりました通り最も重大な、北海道といたしましても六千万貫以上の漁獲が予定されておる大いなる仕事であり、殊に引揚者に対する一つの授産の意味も含まれておるので、是非二十五年度におきましてはこの事業に対して適当なる融資をいたしたいと、かように考えておるわけであります。

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 質問の要点を一つ抜かしておりますので、再質問をいたしたいと思います。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 僅かばかり時間が残つておりますから、よろしうございます。

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 議席からお許しを願います。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) よろしうございます。

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 第三番目の今後の根本方策についてのお答えがなかつたようでありますので、その点を伺いたいと思います。    〔国務大臣森幸太郎君登壇〕

森幸太郎自由党農林大臣

○国務大臣(森幸太郎君) 申し忘れまして失礼いたしました。今後におきましては北辺の漁区を失いました北海道といたしましては、今計画いたしておりまする魚田開発のことが一層重要性を生じて参つておるのでありまするから、この魚田開発に対しましては、当初の計画によりまして今後も推進いたしたいと、かように考えております。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総理大臣の答弁は留保されました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際、日程第一、小型自動車競走法案(衆議院提出)、日程第二、特別鉱害復旧臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員長深川榮左エ門君。    〔深川榮左エ門君登壇、拍手〕

深川榮左エ門民主党

○深川榮左エ門君 只今議題となりました小型自動車競走法案について、通商産業委員会における審議の経過並びに結果の報告を申上げます。  本案は衆議院議員栗山長次郎君外四十一名の提案によるものでありまして、本委員会におきましては衆議院修正案を議題として審議したのであります。  先ず提案の理由並びに内容を御紹介申します。本法案の目的は、小型自動車の性能の向上等、品質の改善を図り、輸出対象として将来有望である小型自動車を海外に宣伝するためには、競走によるのが最も近道であること、並びにこの競走の施行によつて期待し得る收益を以て地方の財源に寄與し得ることであります。次に競走は都道府県並びに京都、大阪、横浜、神戸及び名古屋の五大市が小型自動車競走施行者として、それぞれの地方議会の議決を経て自動車競走を行うことができるということ、その実施は当該都道府県に設立する小型自動車競走会に委任することができる。そうして一口金二十円以下の勝車投票券を発売し、勝車投票券の売上金額の百分の七十五は配当金として投票券の購入者に拂戻しされるが、残りの百分の二十五を競走施行者たる都道府県又は五大市が受取り、そのうち百分の三は国庫に納入し、百分の五以内の金額を競走の実施を委託した小型自動車競走会の費用として與える。従つて残余の百分の十七が都道府県又は五大市の直接の財政收入になるという構想であります。  本委員会におきましては、本案が地方行政の面にも関連いたしますので、地方行政委員会との連合委員会をも開催し、審議の愼重を期したのであります。審議に際しましては各委員からそれぞれ熱心な質疑がなされたのでありまするが、その最も主要なる点は、第一には道義上からの疑問であり、第二には自転車競技のごとき不祥事を起す危險はないかということであり、第三には、果して本法により自動車工業を振興し得るかということでありました。第一点については、自転車競技に加えて更に自動車競走が行われることによつてますます賭博心をそそり立て、国民の勤勉精神を低下させるのではないかとの質問に対しては、提案者代表栗山長次郎君から、精神面の問題については提案者一同苦慮した問題であるが、失うところは若干あるけれども、得るところの方が多いであろうという結論に到達したわけで、弊害面はできるだけ抑制しようと考えておるという答弁がありました。又、競輪ほど弊害が大きくないと言われておりますので、今後自動車競走を行う都道府県、五大市においては、競輪場の増設を抑制するとか、或いは競輪の開催回数を減じて、漸次競輪から自動車競走へ移行し、かかる競技による賭博心の挑発は現状以上に大きくしないという方針は採り得ないものかという質問に対しては、政府側から、誠に適切なる御注意と思うので、自転車競技運営委員会の運営に当つて考慮することといたしたいという答弁がありました。第二の点については、技術的に見てこの競技からは現在の競輪のような弊害が生ずる虞れはないかとの質問に対しては、政府側及び提案者代表より、自動車競走の場合は機械の要素が約七、八割で、操縦者の力は二、三割にとどまるものと考えられるので、搭乘者の意思によつて競走が歪曲される率は他の場合より少いと思う旨の答弁がありました。第三点については、競輪の実施以来の経験からして、その功罪はどうであるか、又自転車の改良に果して役立つたかどうかとの質問に対しては、政府側から、競輪の実施以来地方の財政收入となり、その多くは庶民住宅、学校等の建設費として使用され、戰災都市の復興に役立つておる。又自転車工業の改良の面にも寄與しておることは事実である。本競走の実施によつて小型自動車の発達は促進せられるであろうとの答弁がありました。その他種々質疑応答がございましたが、その詳細は速記録により御覧願うことにいたし、ここに省略させて頂きたいと思います。  尚、本法案に対しては地方行政委員会から特に次のごとき要望事項が提出されたのであります。その第一は、小型自動車競走を施行する都道府県及び五大市は、競走場所在地の市町村に対して、当該競走の実施に関連して、その市町村が支出する施設費、秩序維持費等に充てるために、適当な方法により勝車投票券の売上金額の百分の二以上の金額を交付するよう措置すること、第二は、小型自動車競走は本邦において最初のものであり、競走の安全と公正を期することが極めて重要であるから、政府はその指導により中央に学識経験者を加えた一つの適当な自治組織を設けしめ、これによつて小型自動車競走の健全なる発達に資せしめるよう措置すること、第三は、競技について不正等のあつた選手その他については遅滯なく登録を取消す等、嚴重に処置し、不正競走を根絶すること、第四は、通商産業大臣は本要望事項の趣旨を実現するため、本法の施行に関する省令、範例等のうち、所要の規定を置くと共に、施行者その他の関係者に対する指導に努めること等であります。右の要望事項に関しては、委員会の審議過程において、しばしば各委員から質問がなされたのでありまして、政府側及び提案者代表よりそれぞれの点に関し、万全の措置を講ずる旨の言明がありました。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、境野委員から、最近の自転車競技において各種の不公正なことが多く行われておることに鑑み、前轍を踏まぬよう十二分の注意を拂つて運営実施することを強く要望して、本法案に賛成する旨の発言がありました。討論を終結し、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上簡單に御報告申上げます。  次に、只今議題となりました特別鉱害復旧臨時措置法案の委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  本法案は前国会提出のところ、諸般の事情により、衆議院において審議未了になりましたが、政府においては再び前国会同様の法案を提出いたしました。衆議院においては修正議決し、参議院に送付して来ました。先ず本法案の提案の理由並びに内容について申上げます。  この法案は、いわゆる特別鉱害の復旧に関する臨時措置について規定したものであります。そこで特別鉱害とは如何なる鉱害を指すかと言いますと、これは本法第三條第一項に規定するもので、いわゆる太平洋戰争中、戰争遂行のため、緊急な国の要請に基く石炭増産の応急措置として発せられた命令、又はこれに準ずるものと認められるべき行政上の措置に基いて強行出炭をしたために発生した鉱害であつて、而も急速に復旧を行う必要のあるものでございます。これが復旧費は、配炭公団の存続中は、国費及び地方公共団体負担金の外に、出炭トン当り十六円四十一銭の割合で炭価に織込まれた特別鉱害復旧費を配炭公団にプールする方法によつて調達し、復旧工事を進めていたのでありまするが、昨年九月十六日の配炭公団廃止と共に、石炭の統制が撤廃され、右の復旧工事費の主要な財源が失われることになつたのであります。併しながらかような事態発生のため、すでに発足し、順調に進行中の復旧工事を突如として中絶させるわけには行かず、そのために発生する社会問題は大なるものがあり、特別鉱害の被害者初め関係者の懸念と焦慮は極めて深刻なものがあり、かくて従来の配炭公団プール資金制度に代るべき新らしい財源措置を求める声が現地を中心に澎湃として起り、政府に対し強い要望があり、政府はここに速かに所要の法的措置を講ずることとし、今回再び国会に提出した次第でございます。  次に政府原案の大要を申上げますと、法案の目的は、第一條に明らかなように、太平洋戰争遂行のため国の要請に基く強行出炭を行なつたため起つた特別鉱害を急速且つ計画的に復旧することにあるのであります。即ち本法に基き特別鉱害復旧団が設立され、この法人は石炭を目的とする鉱業権者から納付金の徴收を図り、復旧工事の施行者に対する費用の支拂を行わしめ、特別鉱害の計画的且つ急速なる復旧に資することにしてあります。而して復旧工事に要する費用は、国又は地方公共団体の負担となるものを除いては、原則として石炭鉱業権者より石炭一トンにつき二十円を超えない範囲内におきまして通産大臣が定める金額にその出炭量を乘じて得た金額を復旧団に納付せしめ、工事施行者に支拂う仕組になつております。工事施行者は原則として特別鉱害に関係のある鉱業権者で、他の法令に定めのある場合はそれによることとし、復旧工事に要する費用の全部又は一部が国の公共事業費によつて支弁される場合、その他公共事業として施行される場合には、主務大臣が定めることとしてあります。本法は有効五ケ年の臨時法で、この期間内に特別鉱害の復旧を完了せんとするものでありまするが、差当り年間十億円程度を目途としてあります。  次に衆議院修正案の主要な点を申上げます。先ず復旧団に対する鉱業権者の納付金については、全炭鉱一律に出炭トン当り二十円を超えない範囲において納付させることになつておりましたのを、特別鉱害に関係ある企業体中、関係炭鉱からはトン当り二十円以内を、関係企業体中、特別鉱害に関係のない炭鉱からは十円以内を納付させることとし、又当該炭鉱の復旧費が納付金より少い場合はみずから復旧することができることとしたこと、又復旧団の性格を変更し、政府機関として、復旧公社と改め、その職員は国家公務員としたこと、又復旧公社に対する地方公共団体鉱業権者等からの寄附を受入れることのできることとしたことであります。尚、本修正案の実施については、公共事業費国庫補助率の増加につき努力することにしてあります。以上が衆議院修正案の主なる点であります。  本委員会におきましては、本法案審議に特に愼重を期し、昨年十二月九日、第一班として九州に鎌田、島、廣瀬の三委員の現地視察を行い、次いで一月十一日には第二班として山口、九州に中川委員の現地視察を行い、二月八日には公聽会を開き、被害者炭鉱業者、地方自治団体、学識経験者等の意見を聽取し、次いで三月二十七日には本法案に関する小委員会を設け、更に十分な検討を加えた次第でございます。さて本案審議に際しては委員各位より熱心なる質疑がありましたが、その詳細は速記録に讓りまして、その主なるもの一、二点を申上げます。  一委員より、特別鉱害と一般鉱害との区別が困難ではないかとの質問に対し、政府は、石炭採掘に際しては各石炭局において施行案の認可をしますので、当時の国家要請の命令書等十分なる検討を加えれば、その認定は困難ではなく、又金額的にも便乘工事の入る余地はない旨の答弁があり、次いで他の委員より、衆議院修正によると鉱業権者よりの徴集額が減少するが、復旧工事に支障はないかとの質問に対し、政府は、最低限の復旧工事は進められるものと思われる旨の発言がありました。  かくて質疑を終り、討論に入りましたところ、廣瀬委員より自由党を代表して、本法案には賛成であるが、本案に関しては小委員会においても修正案の申合せをした程で、衆議院修正案に対しては幾多考慮すべき点があるが、配炭公団廃止により復旧工事も中絶し、深刻な社会問題を惹起している今日、本法案成立を期することを痛感し、賛成するもので、政府は特に国庫補助増額について努力され、少しでも多く非公共事業の促進を図り、本法実施に万全を盡されんことを要望し、賛成の意を表明、次いで社会党を代表し吉田委員より、廣瀬委員と同趣旨で、特に特別鉱害に漏れた一般鉱害の救済については政府において十分なる措置を講ずるよう要望され、賛成の意を表されました。又緑風会玉置委員、民主党境野委員より、それぞれ賛成の発言があり、かくて討論を終り採決に入りましたところ、全会一致を以て衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。以上御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 討論の通告がございます。発言を許します。吉田法晴君。    〔吉田法晴君登壇、拍手〕

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 私は社会党という勤労者を代表する党の立場もありますが、鉱害の大半を占めておりまする福岡県、而も福岡県の鉱害の中心地帶であります筑豊に育つております者といたしまして、この特別鉱害復旧臨時措置法の上程に当り、簡單に賛成討論をすることをお許し頂きたいと思います。  先ず、現地を視察し、鉱害の惨状を目のあたりに見、鉱害の一日も速かに復旧せられんことを希い、本案よりも、もつといいものを作つてやりたいという親心から、本案以上の案を用意しながら、法案成立のためには是非今国会で通過させてやらなければならぬ、今国会での成立のためには、不満足であるが道をあけて準備して待つてやろうという態度をとられました通産委員会及び本院の理解と同情に対して、深く謝意を表するものであります。  鉱害は特に第一次欧洲大戰後、長壁式採炭法が採用されて以来、平坦地において広汎に現われて参りましたが、金銭賠償の外に原状回復は殆んど行われず、長く放置されて今日に至りました。昭和三年、九大教授、当時の助教授でありました沢村康先生が、農林省の委嘱によつて、福岡全県下に亘つて詳細に調査をなされ、厖大にして立派な報告書を作り上げられたのでありますが、従来鉱業法上の賠償が金銭賠償の建前をとつておりますので、原状回復は行われず、当時の西川村、劍村等、西川流域の耕地一千町歩の浸水状態はその後ますますひどくなるままに放置せられておりました。その他、福岡県を初め長崎、山口、佐賀、熊本と、各県に亘ります鉱害は、耕地一万七千九百町歩、家屋五万四千四百戸、墓地六万六千基を初め、今日見られるような井戸水は涸れ、水道は濁り、道路、河川を沈下するという広汎な鉱害となり、その復旧総所要額は二百三十一億に達しておる次第であります。そのうち特別鉱害として今回復旧されます予定のものは五十億円、全体の約二割強であります。言い換えますと、八割の一般鉱害が取残されて、一万町歩の耕地は依然水底に沒し或いは浸水して收穫なく、墓地、家屋の多くが尚沈下し或いは傾いたまま取残されております。遠賀川の川水も尚汚れて、関係市町村民は飲料水に苦しむことであろうと考えます。このことは、この際御認識を願いたいのであります。特別鉱害として認められた五十億の外は一般鉱害として金銭賠償の対象となるであろう、こういう委員会における宮幡政務次官の答弁でありましたが、政府は未だ鉱害問題を政治問題として十分受け取つておられないように考えるのであります。その深刻なる真相について十分の御理解がないように思うのであります。五月雨降れば一望水の下に耕地も墓も沒し去つて、壁は落ち、床は浸り、折角植えた稻が頭のみを水上に見せて、十日も浸ると腐つて收穫皆無になりますが、年々この空しい努力を続け、水に浸つた稻田を呆然眺めている百万の農民の心情は、政府は十分お分りになつておらぬのであります。政治の要諦は、一人の所を得ざる者もあらしめないことだと考えます。一人の不幸に泣く者もあらしめないことだと信ずるのであります。足尾の鉱害問題解決のため田中翁が一生を捧げられたように、鉱害問題の真の解決のためには私共も又骨を埋める覚悟も必要だと考えておりますが、今回の特別鉱害に非常な理解と同情をお示し下すつたこの参議院が、残された一般鉱害の抜本的な解決のために一層の御協力を賜わらんことをこの際お願いして置きます。  尚、従来鉱業法上金銭賠償の形を原則とした鉱害賠償が、この法律によつて原状回復の形をとることになつたことは、今後の鉱害賠償の原則を変更せしむる本質的な要素を含んでいる点を指摘して置きたいと思います。資本主義的な賠償方法としては金銭賠償の形をとるでありましよう。生命でも、貞操でも、何でも金に換算して賠償する建前をとるのでありますから、鉱害賠償も金でやるのに当然であります。併し鉱業権者の金銭賠償に任せておつたのでは陷落した土地は復旧しないのであります。国土の荒廃はますます甚だしくなるばかりであります。戰後の食糧不足、八千万が押込められた国土の復興開発という社会的な要素が加えられて、法律によるのではなく、制度上では鉱害トン当り十六円十一銭というプール資金が集められ、国家、公共団体の資金が加えられて原状回復が図られて参りました。今回のこの特別鉱害復旧臨時措置法によつて範囲も狹められはしましたが、同じような公共的な方法による原状回復が法上認められたわけであります。これは特別法によつてではありますが、鉱害賠償についての法概念に本質的転換をもたらしたものであります。  以上二点を指摘し御認識をお願いし、九十八億の特別鉱害の最初の予算が五十億に減ぜられたことについての不満、鉱業権者の負担分が関係炭鉱と関連企業体に限られ、その総額が減つたことのために、非公共事業の復旧が最初の計画通り確保されるや否や危惧が残るのでありますが、会期押し詰つて法案の成否を鶴首して待つております関係者の心情を思いますとき、不満足ながら賛意を表するという委員会の御意見に当然同調せざるを得ないのでありますが、尚今後残されました一般鉱害問題の解決について同僚議員諸氏の御協力をお願いして賛成討論とする次第であります。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより両案の採決をいたします。  先ず小型自動車競走法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 次に特別鉱害復旧臨時措置法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第三、弁護士法第五條第三号に規定する大学を定める法律案、日程第四、罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案、(いずれも衆議院提出)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員会理事宮城タマヨ君。     —————————————    〔宮城タマヨ君登壇、拍手〕

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 只今上程されました弁護士法第五條第三号に規定する大学を定める法律案につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報告いたします。  第五回国会におきまして衆議院より提出せられ制定を見ました弁護士法は、その第五條において弁護士となる資格について規定を設け、その資格の一つとして、同條第三号に、五年以上別に法律で定める大学の学部、專攻科又は大学院において、法律学の教授又は助教授の識に在つた者と規定してございます。これらの者にも弁護士となる資格を認めているのでございます。それで法律を以てかかる大学を定めなければ弁護士法の運用が円滑に行われないことになりますので、今回衆議院より弁護士法運用の完璧を期する趣旨で本法案が提出されました次第でございます。  その原案によりますれば、学校教育法による大学で法律学を研究する大学院の置かれておりますもの、旧大学令による大学及び旧満州国建国大学を、かかる大学とすることになつておりますのでございます。当委員会におきましては、裁判所法及び検察庁法にも、大学の教授、助教授にも判検事となる資格を認める規定があるのでございまするが、それらはいずれも学校教育法による大学で大学院の附置されておりますもの及び大学令による大学となつておりまして、本法案のように旧満州国建国大学はこれを認めておりません。この点につきまして幾多の質疑が行われたのでございます。即ち弁護士となる資格についてのみかかる特例を認めるとすれば、判検事となる資格と均衡を失することになり、延いては弁護士の地位確立の上にも支障を来たすものではないか、又旧満州国建国大学は現在存在していないのであるが、その綱領はどうであつたか、同大学に在職した事実を誰がどうして証明するかなど、各委員より熱心な質疑がございましたが、提案者側の答弁は十分納得の行くものではございませんでした。当委員会におきましては、このような不明確な点を排除するためには、本法案より旧満州国建国大学を削除するのが妥当であるとの結論に到達いたしまして、鈴木委員よりその趣旨の修正案が提出されましたのでございます。委員会におきましてこの修正案及び修正決を除くその余の原案全部につきまして採決いたしました結果は、いずれも全会一致を以て可決すべきものと決定したのでございます。  次に罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案の委員会における審議の経過及び結果について御報告申します。  罹災都市借地借家臨時処理法は、元来戰災都市の急速なる復興を図ることを目的といたしまして、戰災都市における借地権等に関して特例を認めた法律でありますが、その後これを改正いたし、第二十五條の二の規定を加えて、戰災のみならず、別に法律で指定した火災、震災、風水害等の災害の場合にも同法を適用して、その復興の促進に資することといたしたものでございます。つきましては、去る四月三日及び同月十三日靜岡県熱海市に起りました大火災につきまして、同市にこの臨時処理法を適用しようというのが本法案の趣旨でございます。  委員会におきましては愼重審議いたしましたが、その詳細は速記録によつて御了承願うことにいたします。討論は省略の上、採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。右簡單ながら御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  先ず弁護士法第五條第三号に規定する大学を定める法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正の通り議決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 次に罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第五、飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事堀末治君。     —————————————    〔堀末治君登壇、拍手〕

堀末治自由党

○堀末治君 只今議題となりました飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案につきまして、法案の大体の内容及び委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  本法案は、政府提出の原案に対して衆議院において修正を加えて本院に送付されたものであります。先ず政府提出の原案について申上げますが、改正の要点は次の二点に要約することができます。即ち第一点は、飲食営業臨時規整法は、本年五月一日又は経済安定本部廃止の日のいずれか早い時に失効するものと規定されておりますが、本法を本年五月一日に失効させて飲食営業を直ちに自由営業といたしますことは、現在の食糧事情等より見て適当でないと認められるばかりでなく、経済安定本部設置法の一部改正によつて経済安定本部は一応恒久的機関として存置されることになりましたので、本法の失効を経済安定本部の廃止にかからしめることは、これ又適当でないという理由で、この際、飲食営業臨時規整法の附則第二項を改正して、この法律は昭和二十六年五月一日にその効力を失う、但しそのときまでにした行為に対する罰則の適用については、その時以後も尚その効力を有することに規定せんとするものであります。次に第二点として、最近主要食糧の需給事情が漸次好転し、すでに「いも」類、澱粉類等については一部統制が緩和され、自由に販売することができることになりました事情等に鑑みまして、食糧管理法及び同法に基く命令の規定により一般に自由に販売することができることとなつた主要食糧及びこれを調理加工したものについては、飲食営業者はその提供についての制限を解除されることにいたしたいというのであります。  次に、衆議院における修正案についてその概要を御紹介いたします。衆議院の修正案の第一点は、食糧管理法第二條の主要食糧中、米以外のものについては飲食営業者に対しても一定の要領によつて業務用割当を実施し得ることとなりましたので、飲食営業者が食糧管理法又は同法に基く命令の規定によつて合法的に入手したもの及びこれらを調理加工したものを、販売について制限のなくなつた「いも」類及びその加工品と共に、指定主食から除いてその自由販売を認めること、第二点は、麺類外食券食堂では従来外食券のみ通用していたのを、外食券と共に麺類の購入券も運用するように改めること、第三点は、喫茶店に対して従来酒類の販売が禁止されていたのを改めて、その販売を認めること、第四点は、修正の第一点によつて、指定主食とは飲食営業者が非合法的に入手した主要食糧及びこれを調理加工したものということになるので、飲食営業者はこれらのものを提供してはならないこととすること、第五点は、修正案の第二点に伴つて、第十條と第十一條第二項の場合に、従来外食券だけであつたのに麺類の購入券を加えること、第六点は、罰則に関する経過規定として、この法律の施行前にした違法行為に対する罰則の適用については、尚従前の例によることを定めること、以上であります。  地方行政委員会におきましては、以上の内容を盛つた本法案について、森農林大臣、政府委員等との間に質疑応答を行い、審議に当つたのでありますが、そのうちで、旅館における携帶主食委託加工を認められたいとの業者側の意見に対して、政府委員より、その実情を察するに吝かではないが、諸般の事情により未だこれを実現すべき段階に達していない、併し将来これが実現に努めたい旨の答弁がありました。  かくして四月二十七日、政府提出の原案に衆議院の修正案を含めて改正法案を一括して討論採択を行なつた結果、全会一致を以て本法案は衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上御報告を申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。  これにて午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十八分休憩      —————・—————    午後二時零分開議

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。    〔岡元義人君発言の許可を求む〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 岡元義人君。

岡元義人緑風会

○岡元義人君 本員は去る二十二日のソ連タス通信の発表と引揚問題に関して、政府当局に緊急質問の動議を提出いたします。

城義臣自由党

○城義臣君 只今の岡元義人君の動議に賛成をいたします。

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 岡元君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。岡元義人君。    〔岡元義人君登壇、拍手〕

岡元義人緑風会

○岡元義人君 今回明優丸に引続き、千百四十名を乘船せしめて舞鶴港に信濃丸の入港を見るに至りました。時を同じくいたしまして、ソ連タス通信は、先に発表せる九万五千名の引揚完了を報じ、更ソ連領内に留められている者は僅か戰犯二千四百五十八名及び病人九名と発表せられたのであります。この報道は正に全国数十万の留守家族にとつて残酷極まる衝撃を與えたものでありまして、この報道に対し、政府当局は二十六日、二十二日のソ連タス通信は公式のものではなく、送還実現に努力する旨発表せられたのでありますが、併しながら先のタス通信発表に対しまして、日本共産党は、タス通信の発表は正式なソ連政府の発表であり、この度の場合正式に閣僚会議で決定されたものである、これによつてソ連在留戰犯以外は、一人として永久に今後ソ連からの引揚はない、今まで空しい期待を留守家族に抱かせた政府の責任は大きい、ソ連の正式発表を否定するならば、三十数万という日本政府の数字の信頼性を立証し、政府は一切の事情を明らかにして、世界と日本の人民の前に謝罪すべきだ、又引揚完了に対して、ソ連に感謝する旨、談話を発表したのでありますが、私はこの日本共産党の暴言に対しまして、心からなる憤激を覚えるものでありますが、全国留守家族の心情を思うとき、この厚顔横暴なる見解に対して、政府はこの際断乎として、次の事実を以てしても、この見解が如何に不当の発表であるかを国民の前に明らかにすべきであると考えるのであります。  先ず第一に、現在舞鶴援護局内に保管せられておりますところの、未だ帰らざる者を待ちわびておる留守宅よりの通信は二十万通に達しております。勿論この中には一部重複しておるものもありましようが、すでに国内におきましては、六万名の死亡確認の通報を政府は出しておる筈でありまして、これらの家族からは通信があるわけのものでなく、又ソ連地区引揚一般ごとに三五%平均の帰還者は一切の留守宅通信を受けない者が帰還しておる事実からも、この三五%プラス現在舞鶴引揚援護局保管の留守宅通信プラス六万の死亡公報者並びに幾分かのプラスアルフアが未帰還者数でなければならないのであります。  又今回の信濃丸帰還者によつて、尚各地收容所に残されておる者は、生存者氏名の判明せるものだけでも四千百四十名以上に達しており、而もこの中には三百二十名の女性を含んでおるのであります。死亡者確認だけでも、二名の女性を含み二千七百名に及んでおるのでありまして、又一方病人は九名と発表されたのでありますが、現在ナホトカに残された病人八名、カラカンダ地区二十一名、ホール病院八十五名が現存することが確認されておるのであります。この外に北千島よりカムチヤツカ方面に移送された者三千名以上あると言われ、樺太には三千五百名以上の残留しあることが証言されております。その後逐次判明しつつある收容所の数は、その数を増すのみでありまして、如何に多くの同胞が残つておるかは誠に明白でありますが、これらの根拠に立つて最も具体的にこれらの事実を国民の前に明らかにする決意を持つておられるか、この際伺つて置きたいと思うのであります。  次に、従来よりの調査資料と共に、今回信濃丸による帰還者の中には、三百六十一名の戰犯容疑者及び受刑者が帰還して参つたのでありますが、これらの人々がもたらしたところの情報を総合いたしますと、樺太地区よりの受刑者としてシベリア方面へ移送された者の中で、本年五月四日附指令により刑を免ぜれれ、又は刑の満期となつた者のうち、軍人、軍属を除く一般邦人は、その国籍がCCCP(ソヴイエト社会主義共和国連邦に属している旨が明らかにされ、今回の恩典に浴しておりながら一人と雖も日本へ帰還させられなかつたという事実に対しまして、これらの家族はすでに日本に引揚げ、定着しておるのでありまして、終戰と同時にポツダム宣言の関係と国際法との関連において、かかる事象に対して、政府はどのような見解を持つておられるのか、この機会に国民の前に明らかにして頂きたいと思うのであります。一例をとつて御参考までに申上げますと、今回の刑の軽減の恩典に浴した、木沢、丸山某外一名は、北極圏のナリンスクから飛行機を以てクラスノヤルスクに輸送され、そこからハバロフスクに至り、木沢を除く外の二名は、樺太の一般邦人なる故を以て、余儀なくハバロフスクに残留せしめられた事実があるのでありまして、この人々は決してみずから残留を希望しておるものではなく、この事実については、政府におかれましては、緊急にこれが具体策を講ぜられるよう衷心より望んで止まない次第であります。  次に受刑者について一言申上げますが、先に申述べました生存の判明せる者四千百四十名の中には、三百二十名の女性を含み、而もこれらの受刑者に至りましては、その罪状が内容的に極めて大人気ない判決がなされておるのでありまして、一例を挙げますと、樺太の海岸に打上げられた死んだ「にしん」三尾を持ち帰つたかどで、十年の刑を言渡されておるのであります。或いは建築作業中に板一枚を破損したる故を以て、これ又十年の刑を受けておるのであります。到底日本においては想像し得ないことでありまして、その心情は誠に察するに忍び難きものがあり、かかる事実に鑑みまして、政府におかれましては、速かにその減刑その他の方途を講ぜられるよう、切に希求すると共に、この際、南方地区戰犯受刑者も逐次総司令部の好意によりまして日本において服役が実施せられつつある際でありますし、ソ連地区、中共地区に対しましても、連合国軍にその減刑及び服役を日本において服役せしめられるよう、対日理事会等に懇請する意図ありや、その決意を伺いたいと思うのであります。  次に今回の帰還者により、ハバロフスクの将官収容所に残留せしめられたところの三十七名のうち、十七名を初めといたしまして、タス通信による九百七十一名は中華人民共和国政府に引渡されたもとの判断せられるのでありますが、これらの氏名等に関しまして、この際国民の前に明らかにされる万般の処置を総司令部に懇請する必要を痛感いたすのでありますが、この点に関して政府の所信を伺つて置きたいのであります。  次に中共地区に関連いたしましてお尋ねいたします。去る四月二十日午後八時半モスクワ放送によれば、中華人民共和国首席毛沢東氏は、約二万数千に達する日本人を日本へ送還すべく目下準備しておる旨聞き及んでいるのでありますが、この問題について政府当局は御存じでありますか。国民は重大な関心を持つているのでありまして、お答えが願いたいのであります。  次に三点について、法務府関係についてお尋ねをいたしたいのであります。  その第一点は、カラカンダ地区を初めその他の地区においても一部アクチーブの政治工作工員等が、自己の帰還を容易ならしめるため関東軍罪悪史の編纂と称して、抑留者の帰心矢のごとき心情を利用して、各個人の過去における懺悔録を記録提出した者より順次帰還を許すとの甘言を以て斯き、署名捺印したものをソ連当局に提出して、更にこの中には極端にでつち上げられたものもある模様でありますが、結果として、これら提出者の大半は二十五年の刑を宣告され、獄窓に今尚呻吟していることが明らかにされたのであります。今回の信濃丸船内の暴行事件も又かかる過去における素因がたまたま爆発したものでありまして、かかる事実に対しては法務府として断乎たる何らかの処置を講すべきであると存ずるのでありますが、この点、総裁の見解を伺つて置きたいのであります。  第二点といたしましては、今回の引揚を通じ、又過去の諸資料から、いわゆる反動分子の帰還遷延の問題について、その実権は、日本側民主グループ反フアシスト委員会が実権を握つておつたことが明らかにされたのでありますが、かかる行動は正に人間性に背反し、最も遺憾なる所行と言わざるを得ないのでありまして、この問題について国内的に如何なる処置を講ぜられる意図を持つておられるか、明らかにして頂きたいと思うのであります。  最後に、去る三月二十九日、本院は院議を以ていわゆる徳田要請問題に関する調査についての勧告を行なつて次第でありますが、その後この問題に関しましては、今回の明優丸、信濃丸帰還者等によつて、最近ハバロフクス第五分所においてこの事実あつた旨を反駁した泉田明君のごときは、行動を共にした他の友人達は明優丸で帰つておるにも拘わらず、一人残されて遂に帰つて来なかつたのであります。又問題のカラカンダ九十九地区第九分所におきまして質問をなしたところの植松君は、ハバロフスクまで帰還のために帰つて来ておりながら、遂に今回帰されなかつた諸事実等によつて、如可にこの問題が隠蔽されんとしておるか想像できるところでありますが、その他貴重な資料が引続き提供されんとしておるのであります。政府はその後この調査に着手しておられるのか、伺つて置きたいと思うのであります。  以上で私の質問を終りますが、最後にタス通信は一名の死亡者もないごとく発表しておりますけれども、如何に多くの死亡者を出しておるかは、あらゆる事実によつて立証されておるのでありまして、政府が必要とあれば、エラソフカ等における百七十一名の合同慰霊祭の写真等も提出できる用意があり、先に述べた質問に徴しても、如何に日本共産党の諸君が虚構の発表をなしておるかは明らかなるところでありまして、過去五年間、ソ連と日本共産党との関係を考慮して、残留者の帰還実現に対して、国民高暗黙のうちにも日本共産党に対する大きな期待を持つて今日に及んだのでありますが、今こそ峻烈なる国民の審判の前に立つべきであり、(「審判の前に立つのは君だよ、岡元君」と呼ぶ者あり)政府も又よくこの事態を認識して、非常の党悟を持ち、あり来たりの態度を一擲して、(「ごまかすな」と呼ぶ者あり)引揚即時解決のため、この機会に対日理事会を通じて国連の理解を得るまで最大の努力をなさねばならないことを強く指摘いたしまして、所管大臣の明確なる回答を求める次第であります。(「皆作りごとだ」と呼ぶ者あり)作りごとでない。(拍手)    〔国務大臣林讓治君登壇、拍手〕

林讓治自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○国務大臣(林讓治君) 岡元議員にお答えいたします。  今回のタス通信の放送が伝えられておるのでありますが、その報道は一通信の発表に過ぎないものと考えまして、日本政府といたしましてはこれを正式なものとして取上げる意思はございません。  尚樺太邦人の国籍の問題でありますが、残留受刑者がソ連の国籍に移されたという事実につきましては、政府は何ら正式な通報を得ておりません。国籍変更が若し必要であるものといたしましたならば、将来の講和條約の際において定むべきものであると考える次第であります。  ソ連、中共地区戰犯受刑者の減刑或いは内地服役の懇請の問題でありますが、ソ連、中共地区における戰犯受刑者の問題につきましては、情報提供方を懇請しておりますので、正確なる情報入手の上考慮いたしたいと考えておる次第であります。  尚、中共地区の同胞に関しまして、先般モスクワの放送により毛沢東氏が二万数千人の捕虜を還送する準備をしておるという放送があつたようでありますが、その放送につきましては目下取調中であります。つきまして、若しそういうような多数の同胞が帰つて来るということの問題でありますならば、いつでもこれを迎えるだけの用意が万全にできておることを御了承願いたいと思います。  それから引揚継続に関しまして対日理事会に懇請するの意思があるかというお話でありますが、引揚につきましては総司令部にすべてを懇請しております。従つて国連などに直接提訴するということは、占領治下にある今日の我が国といたしましては、できないものと考えるわけであります。  尚、数の問題等につきましては目下調査中でありまして、まだ発表の段階に立ち至つておりませんが、将来適当な時期が参りましたならば発表いたすだけの用意はしてございます。    〔国務大臣増田甲子七君登壇、拍手〕

増田甲子七自由党内閣官房長官・国務大臣

○国務大臣(増田甲子七君) 岡元さんに御答え申上げます。  先ず以て岡元さんが残留同胞引揚について懸命の努力を願つておる点につきまして、政府といたしましては深く敬意と謝意を表する次第であります。  御指摘の御質問に対しましては概ね厚生大臣からお答えいたした通りでありまして、あと法務府関係の問題がございますが、法務府関係の問題につきましては、法務府といたしまして愼重に取調をいたした結果善処をいたしたい、こう思つております。  それから厚生大臣も繰返されましたが、本問題について吉田総理以下閣僚は一致協力懸命の努力を傾倒いたしまして、早期解決を図つております。  タス通信は一通信でございまして、公式の声明とは考えてはおりませんが、タス通信の指摘された数字は、岡元委員長のおつしやる通り我々の全然不可解とするところであります。  それから尚、連合軍司令官初め連合軍当局がこの問題の早期解決について懸命の努力を傾倒されておりますお蔭を以ちまして、今日までの引揚の成果を挙げた次第でございますが、これが完成を期するために我々は連合軍当局と協力一致いたしまして、大いにその成果を挙げたい、こう考えております。先般タス通信の発表のありました際も不肖私政府を代表いたしまして、連合軍情報部長であるウイロビー少将並びにシーボルト対日理事会議長に重ねて懇請に参つた次第であります。(「公正にやれ」と呼ぶ者あり、拍手)      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 日程第六、電気事業会社の米国対日援助見返資金等の借入金の担保に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。電力問題に関する特別委員会理事石坂豊一君。     —————————————    〔石坂豊一君登壇、拍手〕

石坂豊一自由党

○石坂豊一君 只今議題となりました電気事業会社の米国対日援助見返資金等の借入金の担保に関する法律案につきまして、電力問題に関する特別委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本法案の要旨は、電気事業会社の電源開発及び復旧整備に要する資金の調達を円滑にするため、電気事業会社の米国対日援助見返資金又は復興金融金庫からの借入金に一般担保の制度を設けんとするものであります。その主なる内容は次のごとくであります。第一條は第一項において対日援助見返資金の運用による借入金、第二項において復興金融金庫からの借入金、この両者について電気事業会社の全財産を担保とする一般担保制度(ゼネラル・モーゲージ)を採用することを規定したものであります。一般担保制度とは御承知のごとく即ち先取特権の一種で、特定担保を供與することなく、債権者に会社総財産の上に優先弁済権を認める制度であります。現在対日援助見返資金の運用による借入金には大部分特定担保が附せられることになつておりますが、今貸出される見返資金に逐次特定担保を附して行くとすると、これと現在する社債関係の既組成工場財団に組まれる担保資産との合計が総資産の上に占める比重が極めて大となるため、担保余力が著しく減殺され、今後の資金調達が不円滑となるのみならず、現存社債権者が電気事業法第十九條の規定(ゼネラル・モーゲージ)によつて会社の総財産につき有している優先弁済権も、既存設備の一部を見返資金の特定担保に充てなければならなくなつて来る限りでは、その先取特権が損われることとなる虞れがあります。更に復興金融金庫からの借入金に附されている担保留保條項の内容と競合する面が生じて来るので、この両者を調整しなければなりません。もとより国家資金には確実な担保で債権を保護する必要はありますが、強いて特定担保を附する要はなく、一般担保制で目的を達し得ると考えられます。又かくすることにより工場財団組成に要する時間、労力及び費用を省くこともできます。以上が一般担保制を採用した理由であつて、これによつて見返資金、復金融資の優先順位は、民法の規定による一般の先取特権に次いで、電気事業法第十九條による社債と同順位となるのであります。  本法案につきまして愼重な質疑応答が行われたのでありまするが、その詳細は速記録によつて御覽を願うこととして省略いたします。かくて質疑を終り、討論に入りまして、一委員より、本法案と今提出してありまする公益事業法案とは内容において幾分矛盾しておる点があることを挙げて嚴重なる警告の発言がありまして、それと同時に賛成の意を表せられたのであります。かくて採決に入まりしたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定した次第であります。  右御報告申上げます(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本法案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 次に日程第七、農業協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長楠見義男君。     —————————————    〔楠見義男君登壇、拍手〕

楠見義男緑風会

○楠見義男君 農業協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、農林委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず改正法律案の内容及びその趣旨について申上げます。主なる改正事項は二点でありますが、その第一点は、農業協同組合連合会の事業兼営についてその制限でありましていわゆる指導連合会と称せられて、おりまするもの、即ち農村の生活改善、教育、技術指導等の事業を行なつておる連合会は、その本来の事業と直接関連する事業以外の他の事業を兼営してはならないこととし、これによつて都道府県段階の一般的農業協同組合連合会は、指導、経済及び金融事業の三本建といたしますと共に、都道府県区域を超える全国的段階の連合会につきましては、経済事業を更に購買及び販売の二事業に分け、即ち指導、購買、販売及び金融の四本建にすることといたしておるのであります。元来この連合会の事業兼営の制限に関する問題は、現行の農業協同組合法が制定せられました当時におきましては、金融事業を営むものについてのみ、金融の独立性と申しますか、その特殊性に鑑みて、他の事業兼営が制限せられ、その他のものにつきましては、協同組合の設立及び組織の自由及び自主性が尊重せられ、法律上何らの制限が付せられなかつたのであります。併し法律運用上の実際は、御承知のように特殊の行政指導によりまして、連合会の設立形態は余りにも細分化せられ、連合会傘下の單位農業協同組合の不利不便は勿論、連合会自体にとりましても著しくその弱体化が露呈せられている実情でありまして、農業再建のためには、その中心である農業協同組合強化の必要が最も痛切に感ぜられます際、右のごとき実情は地方的にも又全国的な問題といたしましても、極めて大きな問題であつたわけでありますが、今回の改正案におきましては、法律の規定上は現行法に制限が加わることとなりますが、実際上は従来の特殊な行政指導方針の緩和が法律上明確にせられたこととなるわけであります。  改正の第二点は、農業協同組合の組合員の利益を保全するため、政令を以て、組合の財務処理を適正ならしめるために必要なる基準、例えば自己資本額の基準、計理の区分、貯金等の運用基準、貯金拂戻準備基準等の各種の基準を定め得る根拠規定を新たに設くること、信用事業を行う組合又は都道府県区域以上の組合及び連合会に対し、行政庁において毎年一回業務又は会計状況の常例検査を施行すること、その他従来の監督規定の整備等を行わんといたしておるのでありまして、これらの改正趣旨は農業協同組合経営の実状、現在の経済情勢等に鑑み、協同組合の経営を堅実化し組合員の利益を保護すると共に、併せて農業協同組合の全体的信用を高めんといたしておるのであります。  改正法律案の主なる内容及びその趣旨は以上の通りでありますが、重ねて申上げるまでもなく、農村不況の現状及び今後の見通し等からいたしまして、いわば唯一の農業団体たる協同組合の現在の窮状は、ひとり農村対策上の拠点に大きな動搖を来たしておるのみならず、これを取引の相手方といたしておりまする各般の商工業者にも又大なる影響を與えつつあるという実情でありますので、委員会における本法律案審議に際しましても、この現地より種々論議せられ、或いは農業金融の問題、供米報奬物資処理の問題、農業生産資材の配給円滑化の問題等、現在当面せる緊急問題についての極めて真劍なる質疑応答の外、今後の農政確立の問題とも関連いたしまして、協同組合の育成助長の点について大いに論議を盡した次第であります。ここではその詳細は会議録に讓りたいと存じますが、特に中心の問題でありました農業金融の疏通及び農業協同組合育成強化の問題につきましては、速急にその解決を図るの要を認め、各委員共同の発議に基き決議案を作成いたし、去る二十四日、本院の御決定を得たような次第であります。  かくて本案は前後六回に亘る愼重審議の結果、去る二十六日討論に付しましたるところ、藤野、岡田、山崎の各委員より、それぞれ農村不況の打開、農業の振興、農業協同組合の育成強化及びこれに併う予算的措置の充実、農業の実体に即応した協同組合制度の根本的改革等の希望を付して賛成の意見が述べられ、採決の結果は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際、日程第八、水産庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、日程第九、農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付、)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。    〔河井彌八君登壇、拍手〕

河井彌八緑風会

○河井彌八君 只今上程せられました二案について、順次内閣委員会の審査の経過及び結果を御報告申上げます。  先ず水産庁設置法の一部を改正する法律案でありますが、これは委員会を開くこと三回、全会一致を以て可決いたしました。提案の理由について簡單に申上げますれば、本年の三月十四日から施行せられましたところの新漁業法によるところの漁業制度の実施、それから四月一日から鮮魚介類及び加工水産物の統制の撤廃等によりまして、水産施策の重心が従来とは変つて参つたので、この変遷に伴いまして、今後の水産行政を円滑有効に運営するために、現在ありまする限られた人員と予算の範囲内におきまして水産庁の機構を合理的に改組する、そうして各部の間の事務の調整を図らんとするというのが提案の理由であります。  改正の点につきまして簡單に申上げますれば、機構を合理的に改組すること、即ち水産庁に漁政部、生産部及び調査研究部の三つの部がありますが、只今申上げました趣意に基きまして、漁政部、生産部及び調査研究部に対しましてそれぞれ適当な條文を加えまして、その権限を明確にいたしてあるのであります。第二点は、国立学校設置法によりまして、東京水産大学と第一水産講習所を水産庁から文部省所管へ移すための規定の改正であります。第三点は、水産物規格審査会を廃止いたしまして、その事務をば農林物資規格調査会において取扱うということでありまして、これらは公布の日より施行するものであります。  これに対しまして、内閣委員会におきましてこの水産庁設置法の一部を改正する法律案に更に修正を加えた点がありますから、これを申上げて置きます。それはその後に四月十九日と思いますが、漁港法が成立せられましたので、その漁港法にありまする規定をば、その制定に伴いまして、水産庁設置法の中に必要な規定を設けたという事柄であります。簡單でありますからそれを朗読いたしますと、   水産庁設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第五條の改正規定中「三号」を「四号」に、第十号を次のように改める。  即ちこれは生産部に規定を加えるのでありまして、その点は、  十 漁港の修築、維持管理及び災害復旧を行い、又これらを行う者に対する許可、認可、指導監督及び助成に関する事務を処理すること。  十一 漁港の区域における公有水面の埋立の認可に関する事務を処理すること。   附則を次のように改める。  1 この法律は、公布の日から施行する。  2 漁港法(昭和二十五年法律第号)の一部を次のように改正する。   附則第三項中水産庁設置法第四條を改正する部分の規定を削る。  これだけでありますが、これは只今申上げました漁港法の制定に伴いまして当然に入れるべき字句整理のごときものでありまして、何ら内容を変更するものではありません。かような修正を加えました。  そこで委員会において明らかにいたしました事項といたしましては、この改正によりまして、水産庁の定員並びに予算においては何ら異動のないことを明らかにいたしました。それから質疑応答の中には、この改正はただ字句の修正のごときものであつて、何ら行政整理の意味はないではないか、もつとしつかりした行政整理を行うべきであるというような意見もありましたが、政府はこの程度において満足をし、止むを得ずこの程度において止めて置いて、そうしてこの漁業行政の実行はもつと十分に効果を挙げることを期するという説明でありました。今度は少し立場を変えまして、他の委員からは、水産省を設置してはどうだろうかという意見がありました。これに対しまして、政府は、やはり現在の程度において止めることが適当であるという答えでありました。それから又他の委員は、この案の狙つておるところはよろしいけれども、実際からこれを見るときには、もつともつとこの水産物の科学的取扱を十分に進める必要があると申しまして、北海道の「にしん」が如何に豊漁であつてもこれが大部分腐れてしまうこと、或いは又「すけそうだら」が同樣になつてしまうというようなことは甚だ遺憾とする、又この科学的取扱が甚だ不十分であるがために、日本でできたところのフイツシユミールはアメリカにおいては外国のそれに比較して全く価値を失つておるというようなことを申しまして、そうしてこれは国民の食糧を完全にする上から申しましても、天然のものを本当によく利用し盡す面から申しましても、科学的の取扱は絶対に必要であるという適切な意見を述べたものであります。その他沿岸漁業及び内水面漁業の免許とか、或いは遠洋漁業の許可の取扱等についても質問があつたのでありますが、これは省きます。  かようにいたしまして、本案を採決に付しましたところ、只今申上げました通り、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に農林省設置法の一部を改正する法律案につきまして説明をいたします。  この法律案は相当複雑な事項を盛つておるものでありまして、委員会におきましては予備審査と共に五回開会いたしまして、昨日全会一致を以て可決すべきものと議決いたした次第であります。提案の理由及び法律案の内容について詳しく説明を申上げますることは避けまするけれども、先ずこの改正法案の要点は四つあります。その第一点は、農業関係の試験研究機関を整備統合して、これに代えて農業技術研究所と農業試験場とを設置すること、これが第一点であります。第二点は、地方支分部局のうち、本省関係の資材調整事務所と林野庁関係の大炭事務所とを廃止することであります。更に第三点は、審議会等の諮問機関を整理すること。第四点は、食糧輸入事務の増大に対応いたしまして、食糧庁の内部部局の事務を合理的に再分配しようとすること。この四つであります。  委員会においてこの案について明らかになつた点を申上げますると、  第一に、農業関係の試験研究機関の整備統合の問題でありますが、その狙いとするところは、現在数多くの試験研究機関の相互連絡が不十分でありますので、これらの人員、資金、施設等を能率的に配分使用して、実際的に効果のある総合的な試験を行うことのできるように再編成をいたし、能率的な研究体制を整えたということであります。そうして新たにできますのものは、農業技術研究所が一つ、又全国に七つの地域に農業試験場を作るということであります。農業技術研究所は現在の各種の本場及び本所を統一いたしまして、一つの場長の下に統括された総合研究機関でありまして、原則として、全国的に共通な問題及び数地域に亘つて比較検討を要する問題について試験研究を行うものであります。又七つの試験場は、北海道地区、東北地区、関東東山地区、北陸地区、東海近畿地区、中国四国地区及び九州地区の七つでありまして、それぞれのブロツクに置かれるものであります。それで、この地域にある現在の機関の各支場を総合いたしまして、同じく一場長の下に統括された総合機関であります。これは原則としてその地方及びこれと共通の農業事情を持つておる地方の問題を取扱うことを目的としておるものであります。かようにいたしまして初めて真に総合的な、有機的な、又実際に効果のある試験研究を能率的に遂行することができるというのであります。従来のこれらの機関はそれぞればらばらでありまして、そうして人員の上から申しましても、経費の上から申しましても、又実行せられた試験研究の実績から申しましても、甚だ不経済な又不便な点があつたのでありまするから、これを改めるというのであります。尚この研究機関の整備統合によりまして、実員は従来と変りはないのでありまするが、予算といたしましては、昭和二十四年度の二億八千万円から二十五年度の三億五千万円に増大いたしておるのであります。これが第一点であります。  第二点につきましては、資材調整事務所が御承知の通り最近に物資需給統制の解除或いは緩和の趨勢に入つて参りましたので、その取扱事務が段々減つておる、そういう実情に対処いたしまして、もう一つは地方自治権がますます強化しておる傾向に鑑みまして、この際、所管事務をば都道府県に委讓することにする、その結果この事務所は廃止するということであります。併しすべての事務を委讓するわけではありませんので、電力とか石油等のごとく、その性質上それぞれの地域に限つていない、各地域に共通するような仕事のあるものの調整を図るものは、これを残して置きまして、その事務は地域ごとに指定するところの食糧事務所をして当分の間取扱わせるということにしたのであります。そうして、この資材調整事務所の総員は昭和二十四年度におきましては二千四百二十四人でありましたが、そのうち地方庁へ約千五百人を引継ぎまして、残りは作物報告事務所、食糧事務所、本省或いは営林局その他へ配置転換をする予定であるということであります。もう一つ申上げますのは木炭事務所であります。昨年の夏、薪が統制解除になりまして、又木炭の国による買上が廃止になりました。それで木炭は去る三月には全面的に統制撤廃が行われましたので、もうこの事務所の存立の必要がなくなつて来ましたから、これを廃止いたしまして、残務整理期間をば今年の末までとすることにしたのであります。そうして、これがため人員は千六百九十五名でありましたものが、現業地関係へ百二十三名、府県庁へ百名、民間会社等へ百二名、それから現在清算事務に携わつているものが五百二十二名等、こういう内容で配置替えをして、そうして清算事務が終了をしまするとその五百余名の人は適宜配置転換をする予定であるということであります。これが改正の第二点の内容であります。  第三点の審議会等の諮問機関の整理統合につきましては、これは二十九の審議会をば十二に統合するというのであります。そうして大体約一千万円ぐらいな予算の節減をするということであります。  第四点は食糧庁の部制の改正問題でありますが、現在の食糧部、食品部、これをばそれぞれ業務第一部、第二部と改称すると共に、総務部及び食品部で分掌しておりました輸出入関係の事務をば業務第二部に移管して一括取扱わせるということにしたのであります。これは最近の食糧輸入の量が増大し、又民間貿易の拡大に伴いましてこれに関する事務の分量が増加し、他方、食品関係の統制が緩和になつたので、その方面から現在の食品部の事務の分量が減りまするので、その事務の分量をそれぞれ適当に均衡を保つように再分配をしようとするものであります。  この改正によりまして結局農林省の職員総数は約三千九百名減少いたしまして、予算は一億八千万円程度節約になるということであります。  本案につきましては非常に各方面に亘つて重要な問題を含んでおりまするので、委員会は随分綿密な審査をいたしたのであります。そこでその大体を申上げます。  第一は農業関係の試験研究機関の統合整備についてであります。これは戰後日本の農業に在り方の変つて来たのに対して、これに適応して整備統合をするというのであります。即ち沢山の非能率な又農家と遊離しておるようなこの沢山の試験研究機関をば、これを統合して、そうしてもう一つは米麦作に偏重しておるのを改めて、今後特に必要度を増して来るところの畑作の試験研究に入つて行こうというのであります。そうして中央地方の機構の総合的な運営、これから縦の連絡、横の連絡というものを緊密にしようとする、そうして効果を挙げようという点が明らかになりました。それで七つの試験場に分ける理由は、やはり各地の自然條件の類似とか、或いは社会的條件の相関性を見てこれを定めたのであります。ところが中国、四国を一つの地域としたのは、即ち姫路と善通寺にそれぞれ中心を置きまして、そうしてこれを姫路において中国四国を統轄する農業試験場の置き方でありますが、これに対しては、中国と四国とは大変事情が違うのであるということで強い質問が出ました。そうして結局政府におきましては、善通寺の研究設備は畑作を主とするのであつて、姫路の水田作を主とするものとは違うのである、そうして将来善通寺の研究施設はますます拡充せらるべきであると考えるのであるから、今後実施の結果必要を認める場合においては、中国と四国とを分ける措置をとるであろうということまで言明するに至つたのであります。  次に資材調整事務所の事務を地方に委讓するためにこれを廃止せられるのであるが、その事務の内容をどう動かすか、委讓するかということにつきまして、都道府県で單独に処理し得るものは盡くこれを委讓する、それからただ石油とか電力とか、特殊の物資について、その地方において單独に処理し得ざるもの、即ち他に連関のあるものは、これは特定の食糧事務所に取扱わせるということがはつきりいたした次第であります。これが委讓に当りましては、人員も移管する、又その執務に必要な器具等も盡くこれを移管するという説明でありました。  それから審議会等の整理につきましては、かような整理の結果、審議会等の仕事をする上にどういう影響があるか、こういう質問、これに対しまして、関係官庁の職員或いは実務家或いは学識経験者等の協議会を随時開いて参りまするので、これを整理しても差支ないという説明、それから向かような審議会が十二残りまするが、それは法律上の根拠を有せざる審議会は、もうこれでなくなるのであるかという質疑に対しまして、さようであるという答えであります。  第四には、作物報告事務所を統計調査事務所と改めることにつきましての質問であります。作物報告事務所の名称はこれはよろしくない、即ちその事務の内容から申しまして、最も適当な名前に改めたのであるということ、第二点としましては、作物の統計のみならず、災害調査とか或いは漁獲調査までもいたすのであつて、結局農業統計の充実正確を期するのである、日本の統計の疎漏なことは実に恥かしいことであるが、これを世界の統計の、アメリカの統計の正確なものに比べまして、遜色ないような完全なものを作るつもりである、従つてこの統計調査事務所というものは臨時的の機構ではないということをはつきりいたしたのであります。  次に第五には、資材調整事務所の移管、木炭事務所の廃止及び種畜牧場二つの廃止、これに伴う職員の失職は防止することができるかという点、これにつきましては、政府は省内の配置転換であるとか、他官庁へ転職させること、或いは地方庁へ引継ぐこと、民間へ斡旋すること、それから又自発的にやめる人もあるというようなことで、大体無理な犠牲者はないということをはつきり申したのであります。それから地方庁へ転職する人に対する給與の支給は確実であるかどうか、予算関係について質問をいたしまして、随分これは親切な質問をいたしたのでありますが、これについても大体満足な答えを得たのであります。  それから第六には、食糧庁の部制の改正につきまして説明を求めましたところが、輸入食糧の数量について昭和二十四年の実績と二十五年の見込数量について説明いたされました。そうしてこれは段々殖えて参るのでありますから、取扱事務も又従つて増加し、本庁職員の増加が必要であるが、併しその食糧庁内で一方におきましては食品統制の緩和に伴つて仕事が減少する部分もありまするから、庁内において内部の配置転換をやる見込であるということであります。  第七には、種畜牧場を二つ廃止することに関連しまして、国営競馬を存置するか廃止するかという問題、これにつきましては、終戰後軍用馬の必要がなくなり、従つて馬匹の用途が変つて来た。つまり精鋭を期するため、戰争に役立つようにするための競馬であつたのだが、そういう意味ではこれからは取扱わないということ、併しこれを国営とするかどうかという点につきましては、二十五年度はこのままに国営にするが、二十六年度以後については考慮するという説明でありました。それから第二には、有畜農業を推進することは、これは実に大切なことである、而してその有畜農業、殊に乳牛等でありますが、これの牧場は民間の牧場を振興させて行くというのが国策である、ところが小岩井であるとか町村牧場であるとかいう日本の民間牧場の最も優れたもの、又長く骨を折つて作り上げた牧場が農地として開放せられ、無理に引取られてしまつた。そうして農地としては十分な成績も上つておらんというようなものをどうするのかということを質問いたしましたに対して、政府は、それが間違つているならば今後これを是正するということをはつきり言われたのであります。ところがこれにつきましては、本日取調べて見ますると、もう二十ばかりの乳牛の牧場は大体土地を返還するということになつたということを聞いているのであります。これは誠に満足すべきことであります。ただ私がここにこれを申上げまするのは、單にこれは牧場対農地関係ばかりではありませんので、森林等に関しましてもそういう例が沢山ある。一昨日通過いたしました造林臨時措置法におきまして、これらの点について農地面の行き過ぎが是正せられる、停止せられるということは認められるのでありますが、まだ各地にかような紛糾があるのでありまして、これを遺憾とするのでありますから、これを特に附加えて置く次第であります。  それから第八には、米の供出に対する報奬物資の価格が高くなりまして、そうしてこれが売れなくなつた。それが農業協同組合の損失になつているのであるが、これに対して政府はどういうふうに解決をして呉れるかという質問、政府の説明によりますれば、報奬物資の取扱はすべて農業協同組合に任せろという希望が協同組合側から出ておつた。然るに政府は大体六〇%を協同組合に與えて、四〇%を商業者に割当てた。ところがその後取引高税の廃止、或いは織物消費税の廃止によりまして、これらの物の値段が急に下つたために、農業協同組合においては損失を蒙むつて、すべてこれが滞貨となり、手形は不渡りとなつた。政府はこれに対して滞貨、特に織維品の滞貨をば問屋に返還させて、そうして手形の執行をゆるくする方法をとつた。勿論返還させた品物の価格は十二三億に上るけれども、価格差益金が約三億四千万円あるから、これを以て一応充当して、その残余九億円について処理方法を考慮しているという答えをしたのであります。この点につきましては、今日沢山の要求が国会に対して提出されておりますから、このことを併せて報告いたして置く次第であります。  第九として、農業政策の転換について、これまでは主食等の不足農産物を増産するということが農業政策の重点であつた。今後は農民経済の安定政策を重点としなければならんのであるから、合理的・総合的経営の指導徹底のために経済更生部のごとき特殊機構を設けてはどうかという質問がありました。これに対しまして農林大臣は、この改正案の活用と現存の機構の運用によつてその目的を実現しようと考えている。これがために、省内における課などの廃置分合は、これは行うつもりであるということでありました。尚、日本の農業は、澱粉生産の農業から、今後は脂肪、蛋白の生産に移らなければならんのである、輸入食糧を見ましても、大体澱粉質の食糧の輸入になつている、これを転換することが必要だ、これはどうすればいいかと言えば、結局畜産の導入である。(「簡單々々」と呼ぶ者あり)もう少し述べさして頂きます。大切なことでありますから、どうぞ我慢をして頂きます。新らしい営農方針、食生活の改善、労力の節約対策、どういうふうにこれを実行して行くのであるかということにつきまして、農林大臣は、漸次その実現を期するのである、即ち家畜導入と申しましても、小家畜の飼育或いは淡水魚を飼うというようなこと等によつて、漸次その目的を達するのであるということを申しました。  更に第十といたしまして、農林省改組の意現として、行政整理審議会で以て発表せられたところの水産省の設置、林野庁を国土省へ移管するというような意見があるが、これに対してどう考えるかという質問に対しまして、農林大臣は、これは單なる試案のごときものであつて、まだ公けに取上げておられないのである。併しこれに対して意見を述ぶるならば、現在の制度で十分である。林野庁を国土省に移管するごときは、殊にこれは反対であるということを言われたのであります。  最後に、省内及び公団に、省の監督しているところの、管理の下にいるところの公団の経理が紊乱している、不正の事件が沢山あるようであるということ、これにつきましては各委員から、熱心な、熱烈な質疑が集中したのであります。で、各公団の実情を明確に報告するようにという要求もありました。或いは又監督が甚だ不十分であるが、その方法を充実すべしということ、或いはこういうことに対する責任は誰が負うのであるかというようなこと、各般に亘りまして強い質疑が出たのであります。これに対しまして農林大臣は、木炭会計の跡始末のその後の処理について説明をいたし、又徳島の食糧事務所の不正事件についても詳細な説明があり、又肥料公団が不当な経理をしたということについて適切な処置をとつたというような報告がありました。併しどちらにいたしましても、十分この当該の責任者に対しましては責任を負わせる、又官庁といたしましても、十分な監督を盡すということを申述べた次第であります。かような質疑応答を重ねまして、そうして討論に入りまして、町村委員から、今後の農政の実行には、結局、農業改良局の仕事を中心としてこれを進めて行くの外はない、アメリカにおいてもすでにこの点に一番重点を置いてやつて来た、どうか希望としては、農林省が改良局を農家に対する窓口として開いて、この窓口において省内各部局が協同一致して農家に密接に接触して貰いたいという意見を述べられました。三好委員からは四つばかりの要求が出ました。それは日本の農業政策の重点は、不足農産物の充足であつたのから一転して、農民経済の発展を如何にするかという点に移つて來ておる。政府の機構及びその運営についてもこの点に重きを置いて貰いたい。第二には、中国、四国農業試験場の機構は政府の言明によつて明らかになつたから、その利害得失を十分に検討して適当な処置をとつて貰いたい。第三点は、農業及び農業政策を正しい方向に発達させるためには、どうしても正確なる統計の必要がある。その取扱部局の充実に努めるようにということ。第四には、公団の監督には格段の注意と努力を傾注するようにということであります。最後に梅津委員からは、職員の定員及び実員の整理につきまして、政府はあらゆる手段をとつて完全雇用の実を挙げるようにするようにというのであります。そうしてこの実現に際しまして、中央から地方庁へ転職する職員に対する給與については安定の行く方途をとつて欲しい。尚、最後に、公団に対する監督については嚴重にして欲しいということを申述べたのであります。かようにいたしまして、採決をいたしましたところが、全会一般を以て可決すべきものと議決した次第であります。大変長く御報告いたしましたが、この事柄の法律案の内容の重要性に鑑みましてさようにいたした次第であります。その点は特に御了承を請います。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  先ず水産庁設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 次に農林省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際日程に追加して、特別未帰還者給與法の一部を改正する法律案(岡元義人君外十八名発議)(委員会審査略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本案につきましては岡元義人君外十八名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。淺岡信夫君。     —————————————    〔淺岡信夫君登壇、拍手〕

淺岡信夫自由党

○淺岡信夫君 只今議題となりました特別未帰還者給與法の一部を改正する法律案の提案理由の説明をいたします。  特別未帰還者給與法は、一般の未帰還者に、原則として、軍人軍属であつた未帰還者と同様の給與を與えることをその内容といたしておるものであります。そのうち公務員たる未帰還者については、国又は地方公共団体から支給される給與と、この法律による給與とが重複する場合がありますので、現行法の第三條においては、国又は地方公共団体から給與を受ける者には特別未帰還者給與法を適用しないと規定して、重複が生じないようにしたのであります。ところがシベリア地区から帰還して参りました公務員の中には、朝鮮総督府、樺太庁などのように、すでに庁を閉された官庁に所属していた者が相当数あるのであります。これらの公務員は、昭和二十一年に制定されました外地官署所属職員の身分に関する勅令によりまして、帰国後一ケ月間公務員たる身分が継続するだけで、あとは他へ就職しない限り生活の保障はないことになつているのであります。若し現在の第三條をそのまま適用いたしますと、これらの公務員は、帰国後一ケ月の俸給を貰つたばかりに特別未帰還者給與法の適用を受けなくなり、病気で帰つて参りましても療養費とか、障害一時金とかの給與をも受けることができないことになるのであります。現在も存続している官庁に所属していた公務員は、労働基準法による補償、共済組合法による補償を受けて療養することができ、又公務員以外の特別未帰還者は、この法律による療養費、障害一時金の給與を受けて療養することができるに拘わらず、廃止された外地官署に所属していたことだけの理由で、これらの公務員であつた者だけが何らの補償も給與も受けることができないのでは、公平を失し、折角特別未帰還者給與法を制定した趣旨が徹底しないことになるのであります。よつて現行第三條を改めまして、国又は地方公共団体から俸給又は扶養手当を受ける者に重ねて支給しないのは、この法律による俸給又は扶養手当だけであることを明記いたし、療養費、障害一時金等の給與は尚受けることができるよう措置いたしたのであります。  以上本改正法律案の提案の理由並びに概要の要旨を御説明申上げました。何とぞ御審議の上御賛成あらんことをお願いいたします。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第三十五より第六十までの請願及び日程第百四十三より第百五十までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。労働委員長原虎一君。     —————————————    〔原虎一君登壇、拍手〕

原虎一日本社会党

○原虎一君 只今議題となりました請願文書表第五十九号、日やとい労務者の救済対策に関する請願外請願三十一件、陳情十一件につきまして、委員会におきまする審議の結果を御報告いたします。  請願第五十九号、日やとい労務者の救済対策に関する請願、同じく第九十七号、日やとい労務者の詰所に雨具備付の請願、同じく第九十九号、婦人労務者に運動靴支給の請願、同じく第百一号、下水作業手当支給の請願、同じく第百四十九号、職業安定所登録労務者の作業詰所にゴム長靴備付の請願、同じく第百五十五号、職業安定所登録労務者の日当に関する請願、同じく第百五十八号、失業者の無料宿泊所設置に関する請願、同じく第三百九十九号、職業安定所登録労務者に地下たび増配の請願等八件は、いずれも日傭労務者の保護救済を要請するものであります。  請願第八百二十五号、平地区における日やとい労務者救済の請願、同じく第四百八十七号、失業応急対策費全額国庫負担に関する請願、同じく第五百十八号、失業保險給付額と失業救済事業における支給賃金との不均衡是正に関する請願、同じく第八百二号、呉市の失業対策に関する請願、陳情第二百二十一号及び第百二十九号、失業対策事業の拡充強化に関する陳情等、請願四件、陳情二件は、いずれも失業対策事業の拡充強化を要請するものであります。  請願第九号、国鉄職員の賃金ベース改訂に関する請願、請願第百六十四号、国鉄職員の給與ベース改訂に関する請願二件は、国鉄職員の給與ベース改訂を要請するものであります。  請願第百六十一号及び第二百三号は、公共企業体仲裁裁定事項即時実施に関する請願、陳情第四十九号、公共企業体仲裁裁定事項実施に関する陳情等、請願二件、陳情一件は、いずれも先般国鉄に対して下された仲裁裁定事項の実施を要請するものであります。  請願第三百六十号、請願第二百十四号、賃金遅配分割拂解消に関する請願は、賃金の遅配分割拂をされている現状に対して強力なる措置を講じ、これを解消するよう要請するものであります。  請願第三百四十四号、最低賃金制即時実施に関する請願は、労働基準法に定められた最低賃金制度実施を要請するものであります。  請願第七百八十四号、一般職種別賃金の法制化等に関する請願は、法律第百七十一号政府に対する不正手段による支拂請求防止等に関する法律廃止に伴い、一般職種別賃金制が廃止されることは、労働者の賃金基準が崩れ、賃金切下げの虞れがあるから、一般職種別賃金制の残置を要請するものであります。  陳情第二百十六号、地方労働委員会委員の定員増加に関する陳情は、神奈川、愛知の労働委員の定数を、使用者委員、労働者委員、公益委員各五名をそれぞれ七名に増加せんことを要請するものであります。  請願第八百三十二号、同じく第千三百二十八号、同じく第千三百四十二号、同じく第千五百十一号、同じく千四百七十三号、同じく第千五百六十八号、同じく第千五百八十号の七件は、いずれも現行失業保險法の給付期間の延長並びに給付金額の増額を要請するものであります。  請願第千五百二十三号、ゴム産業の人員整理工場閉鎖反対に関する請願は、ゴム産業の生産縮小、人員整理の方策をとらないよう要請するものであります。  請願第千三百号、失業対策予算増額に関する請願、同じく第千九百九十三号、請願第千九百六十一号、請願第二千百五十一号、陳情第二百九十五号、失業対策費等全額国庫補助等に関する陳情、同じく第三百八十四号、同じく第四百三号、同じく第三百十六号、同じく第三百五十九号等、請願四件、陳情五件は、いずれも失業対策事業の拡充強化並びに失業救済対策として職業補導所の拡充強化を要請するものであります。  陳情第三百七号、国鉄・專売調停委員会裁定履行に関する陳情、陳情第三百二十三号、国鉄調停委員会裁定履行に関する陳情、二件は、国鉄・專売の調停及び仲裁裁定の履行を要請するものであります。  以上請願三十二件、陳情十一件は、願意妥当なるものと認めまして、これを採択し、院議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) この際、日程第六十一より第百三十九までの請願及び日程第百五十一より第百五十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長中川幸平君。     —————————————    〔中川幸平君登壇、拍手〕

中川幸平自由党

○中川幸平君 只今議題となりました請願陳情九十二件につきまして、建設委員会の審議の結果を御報告いたします。  河川改修に関するものは、愛知県の木曾川、岡山県加茂川及び吉井川左岸、愛知県肱川、靜岡県の天龍川、長野県浦野川の治水工事の促進と、東京都江東地区先の新荒川堤防右岸の小名木川下流の堤防の補強工事の促進と完成に関するもの、及び荒川放水路護岸工事中一部変更に関する要請であります。  砂防に関するものは、三重県下の全般に亘つて根本的砂施工事の拡充施行を初め、岩手県下の諸河川支流及び藤倉川上流及び兵庫県下各地方に亘つて猪名川外四十八河川と、滋賀県安曇川、宮城県鳴瀬川、東京都川口川、鹿兒島県古里川の砂防工事の継続施行とその促進に関するものであります。又高知県の奧田川防災工事、岩手県上閉伊郡上郷村と、栃木県今市町及びその周辺町村の災害及び震災復旧工事の促進と、栃木県震災復旧事業費国庫補助に関するもの、災害復旧国庫補助金の交付の適正と土木工事予算の適期配付に関する請願であります。  道路については、鹿兒島県桜島と大隅半島を結ぶ道路の復旧を初め、桜島一週道路の開発、伊豆半島観光循環道路の建設とその促進、及び熱海—三島両市間、小田原—伊東両市間、伊東市—下田町間の道路舗裝並びに拡張工事施行、関門トンネル工事の促進並びに栃木県中村—大沼地内鬼怒川の架橋、宮崎県大淵、福島両橋を永久橋に架替の請願であります。  尚、南海地震による飲料水被害地区の水道施設及び下水道改修と今治市の下水道事業費に関するものについては、政府の適切なる措置を強く要望しており、又広島県呉市の外、戰災都市復興事業費の国庫補助増額と起債枠の増額の要請、横浜市の戰災復興土地区画整理の促進、東京都江東区内の改良下水道本管敷設工事の促進に関するものであります。  住宅については、都道府県営の庶民住宅の災害相互扶助組織の実現と、木羽ふき、板壁家屋の不燃化に関する陳情であります。  その他、国土開発の基本方策の樹立、地方の未開発地域開発のため国土開発法又は地方開発法の制定を促進されたいという要請であります。  以上本委員会におきましては、いずれも愼重審議の結果、国土の保全開発、特に治山治水、交通の発達を図るため、これを採択して内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。  以上御報告いたします。(拍手)

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  議事の都合により本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会議長

○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。次会は明二十九日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十一分散会      —————・————— ○本日の会議に付した事件  一、常任委員長辞任の件  一、常任委員長の選挙  一、中日貿易促進に関する決議案  一、北海道漁田開発に関する財政措置に関する緊急質問  一、日程第一 小型自動車競走法案  一、日程第二 特別鉱害復旧臨時措置法案  一、日程第四 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案  一、日程第五 飮食営業臨時規整法の一部を改正する法律案  一、二十二日のタス通信社発表と引揚問題に関する緊急質問  一、日程第六 電気事業会社の米国対日援助見返資金等の借入金の担保に関する法律案  一、日程第七 農業協同組合法の一部を改正する法律案  一、日程第八 水産庁設置法の一部を改正する法律案  一、日程第九 農林省設置法の一部を改正する法律案  一、特別未帰還者給與法の一部を改正する法律案  一、日程第三十五乃至第六十の請願  一、日程第百四十三乃至第百五十の陳願  一、日程第六十一乃至第百三十九の請願  一、日程第百五十一乃至第百五十九の陳情

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