本会議 第32号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/03/24
会議録
○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。 日程程第一、外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。 〔河井彌八君登壇、拍手〕
○河井彌八君 外務省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を申上げます。 この法律案を提出した理由といたしましては、政府は行政機構を簡素化するという一貫した方針の下に、昨年の十一月に閣議を以て、各省各庁において、それに附属しておるところの審議会等を整理するところの方針を決めたので、その方針に基きまして外務省設置法の一部を改正するのが本案の提出せられた理由であります。現在外務省には審査会、或いは協議会と申しまして、それらが四つあるのであります。即ち中央連絡協議会、地方連絡協議会、出入国管理連絡協議会、及び在外公館等借入金整理準備審査会であります。この四つの中で廃止を決定いたしましたのが、中央連絡協議会、それと出入国管理連絡協議会、これを廃止するのが本案に盛られてある規定であります。そうして更に昨昭和二十四年の法律第百七十三号によつて、在外公館等借入金整理準審査会というものが外務省の中に設置されることになつておるのでありますが、これはこの外務省設置法の中に加わつておらないのでありまするから、これを加えるということであります。そうしてもう一つの改正の要点は、占領軍の民事部の機構が昨年改組になりまして、それに伴いまして、これと連絡をするために、関東連絡調整事務局というものをこの際設けまして、これは廃止するのではなくて、設けるということに決めまして、この法律に規定するのであります。これは占領軍の民事部機構の改正に伴いまして、現に横浜にあるところの横浜連絡調整事務局を利用する外に、更に東京に関東連絡調整事務局を置いて、その連絡調整を有効適切にすることが必要である、こういう趣意で、これを設けることに決めたのであります。これが本案の内容に要点であります。 而して委員会におきまして種々質疑を重ねまして明らかにいたしましたことは、この二つの協議会を廃止いたしまして、その事務の上においてどういう影響があるのかということを聞きましたところが、それは何ら差支ないということであります。又関東連絡調整事務局、これを新設いたしまして、従つて定員或いは経費に増減があるかということを聞きましたところが、これも又現在のままの定員及び予算の範囲内において融通ができる、賄いができる、従つてこれは差支ない、こういうことでありました。そこで只今の趣意に従いまして、附則において法文の改廃整理をいたしております。そこで種々問題はありましたけれども、一番要点といたしまするのは、第十四條に対しまして、在外公館等借入金整理準備審査会の規定をここに揚げるに拘わらず、その権限をこの外務省設置法に規定していないということはよろしくないという意題が三好委員から強く主張せられたのであります。これは誠に尤もなことでありまして、基本法である外務省設置法のその審査会を置くと書いてありましても、その権限を規定する條文がないということはよろしくないという考えから、これに対しまして結局修正意見が三好委員から発議せられたのであります。これはすでにお手許に差上げてあるのでありますが、一応読みます。 第十四條を次のように改める。 (在外公館等借入金整理準備審査会) 第十四條 在外公館等借入金整理準備審査会に関しては、在外公館等借入金整理準備審査会法(昭和二十四年法律第百七十三号)の定めるところによる。 という修正を提出せられました。これが全員一致の賛成を以て修正を可決いたしました。そうして尚その他の條文につきましても全員一致を以て賛成せられたのであります。この修正の点は、一見実に明瞭な事柄でありまして、これがなくとも法律上の効果には異同はありません。併しながら近来法律の制定において非常に乱雑になつて来た虞れがあるのでありまして、甚だこれは分りにくい場合ができるのであります。従いまして、かような修正を加えましてすつきりして、はつきり分るような法制を作るということが大切なことであると考えまして、この修正は極めて重要な意義を持つて又将来に対しまして行うベき立法者の心得べき点を明示しておるものと考える次第であります。 質疑応答のうちには、関東連絡調整事務局を設ける意味はどうかというようなこともありましたが、これは連合軍との関係を十分に緊密にとる必要があるという政府の答えを了承いたした次第であります。又終戰以来不正入国者の状況又その国籍、径路或いはこれに対する取締の状況、更に進んでは秘密貿易の実体などについての質問等もありましたが、これは速記録に譲ることにいたします。かような次第でありまして、本案に対しましては修正を付しまして可決すべきものと決定をいたしました。 尚一言附加えて申上げて置きたいのは、これは将来の先例になることがあるかとも考えまするから、これを申上げて置きます。それは外務省設置法の一部を改正する法律案の正誤を加えた点であります。その正誤といたしましては、「第五條を削る。」というその條文をば、 第五條を次のように改める。 第五條 削除 こういうことの改めたのであります。これは内容においては何ら相違がないのでありまするけれども、これにはその理由があるのであります。それは出入国の管理に関する政令即ち昭和二十四年政令第二百九十九号でありますが、これは本年の二月二十八日にその一部が改正せられたのであります。この改正前は五ケ條の條文からできておつた政令でありますから、この設置法案の附則の第三項で以てその末條の第五條を削るがために「第五條を削る」という形をとつてあるのでありますが、この設置法案が今回の国会に提出せられて後に、即ち二月二十八日にポツダム政令の第二十四号を以てその政令の一部が改正せられることになりまして、第五條の次に四ケ條が加えられることになつたのであります。でありますから、この設置法案の原案の通り「第五條を削る」として置きますときには、その政令は第五條という條文が全くなくなつてしまい、不体裁なものになるのでありますから、「第五條削除」として、五條のあつた形だけを残して置くということに正誤したのであります。これも実体上におきましては、勇したる影響はないのであります。従いましてそのまま置いてもよろしいし、或いはこれを修正してもよろしい、それから更に又正誤という形をとつてもよろしいという見解が出たのでありますが、これは政府ともよく協議いたしまして、政府から第五條削除という形を残して正誤をするということを委員会において同意いたしたからであります。これは将来の取扱の上において、或る機会には先例となることであろうと考えまするから、特に附け加えて御報告をいたす次第であります。これを以て報告を終ります、(拍手)
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。 —————・—————
○議長(佐藤尚武君) 日程第二、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。法務委員会理事宮城タマヨ君。 〔宮城タマヨ君登壇、拍手〕
○宮城タマヨ君 只今上程になりました下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、委員会におきます審議の経過並びに結果について御報告申上げます。 先ずこの法律案の内容について御説明申上げますと、第一点として、土地の状況及び交通の便宜等の関係から簡易裁判所の管轄区域を変更しようとするものであつて、これには川口簡易裁判所管内の埼玉県北足立郡谷塚町、草加町及び新田村並びに大宮簡易裁判所管内の埼玉県南埼玉郡春日部町及び北里村を越ケ谷簡易裁判所の管轄に変更する外、久喜簡易裁判所、下妻簡易裁判所、土浦簡易裁判所、西宮簡易裁判所、灘簡易裁判所、兒島簡易裁判所、玉野簡易裁判所の管轄につき、地元関係者の意向をも徴し、適宜管轄区域を変更しようとするものでございます。 第二点は、裁判所の管轄区域の基準となつた市町村名その他行政区画の変更により、簡易裁判所の管轄区域として表示されている市町村名等を訂正するものであつて、これは三十四の簡易裁判所の管轄区域に亘つております。 第三点は、簡易裁判所の所在地の名称の変更に伴う裁判所の名称の変更であつて、これは宮崎県の飫肥簡易裁判所を日南簡易裁判所と改称しようとするものであります。 〔議長退席、副議長着席〕 委員会におきましては愼重審議いたしまして、各委員より適切な質疑が行われましたが、詳細は速記録によりまして御了承願うことといたします。討論は省略の上採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。 —————・————— 〔田中利勝君発言の許可を求む〕
○副議長(松嶋喜作君) 田中利勝君。
○田中利勝君 本員はこの際、産業行策と価格政策並びに失業対策と賃金対策に関して、緊急質問することの動議を提出いたします。
○鈴木直人君 只今の動議に賛成いたします。
○副議長(松嶋喜作君) 田中君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。田中利勝君。 〔田中利勝君登壇、拍手〕
○田中利勝君 私は産業政策と価格政策並びに失業対策と賃金対策の四点について、簡單に政府に対してお伺いいたします。 戰後の日本経済の上に大きな転換をもたらしつつあるドツジ・ラインが、インフレを收束せしめると共に、価格機構を通じて資本主義的経済合理化の回復の上に日本経済を再編成するという目標は、御承知の通りであると思うのであります。そうしてそれは他方において三百六十円の單一為替レートの設定により国内価格と国際価格との比較の基準が與えられて、今までの温室経済の日本経済は、自由競争の激しい国際経済に参加することになつたのであります。従つてできるだけ輸出貿易を増進して日本経済の自立を促進するためには、戰後のインフレ下における採算を無視したるがごとき不健全なる企業の合理化を強行せざるを得ないのであります。同時にそれを通じて国内価格を国際価格に鞘寄せして、日本商品をして国際市場において外国商品と十分競争できるようにしなければならないのであります。ところで、ドツジ・ラインは、経済合理性の貫徹の一環として低物価政策の維持のために、いわゆる安定帶物資に対して支出していたところの多額の補給金の削減乃至全廃を行なつて来たのでありますが、二十五年度において更に残されたところの鉄鋼、肥料、ソーダの諸産業の補給金が大幅に削減或いは全廃されることになつたのであります。これらの産業は重大な転機に立つに至つたのであります。而もその結果において、一般に統制経済から自由経済への移行と相待つて、これらの重化学工業の補給金が撤廃されて、自由価格の形成のみに委ねられた場合においては、日本経済の産業構造と産業水準の上に重大な影響を及ぼすことが憂慮されるのであります。日本経済の自立体制の確立のためには、アジア貿易の大勢から考えてみましても、戰前におけるがごとき繊維工業中心から今後においては重化学工業中心に切換えられて行くことが、我が国において必要な産業構造の在り方と言わねばならぬのであります。従つて金属、機械、化学等の重化学工業製品価格が十分国際競争力に堪え得るものでなければならないのであります、二十五年度の鉄鋼補給金を考えますと、七月から鋼材補給金は撤廃され、銑鉄補給金は三分の二に削減され、銑鉄は三割、鋼材は五割乃至七割の値上りとなるのであります。今仮に補給金の全廃された場合を考えてみますならば、銑鉄の国内価格は二万一千二百五十九円となり、国際価格の一万六千五百六十円に比して一二八・五を示し、普通鋼鋼材も国内価格の二万九千四百五十八円、国際価格二万六千五百九十三円となり、その比率は一一一・〇を示し、日本製品は米英製品に比して一、二割の割高となるのであります。その結果は、鉄鋼は勿論のこと、これを使用する造船、機械等の産業は外国製品を圧倒されて衰退せざるを得ないという苦境に陷るのであります。又ソーダ工業において見ましても、九月までに補給金は八億円支出され、原料塩に対する補給金は廃止されることになつておりますが、補給金がなくなつた場合、ソーダ灰トン当り三千八百七十八円、約二割の値上りとなるのであります。尚、現行輸入塩価格トン当り八千四百円として、日米のソーダ灰生産費を比較しまするならば、日本製品二万七千七百五十八円に対してアメリカ製品が一万六百八十四円という大きな開きがあり、日本製品の生産費のうち工業塩の占める割合は五一・五となつておるのであります。かようにソーダ工業も国際価格に比して割高であるならば、繊維、染料等の関連産業の不振を招かざるを得ないのであります。従つてこの矛盾を解決するためには、今までの單なる価格面における補給金に代つて、国民経済の全体の立場から見て必要な産業を維持するための補助金が交付される必要があると思うのであります。併しそれは飽くまでも企業の生産設備の近代化、労働生産性の向上のために役立つものでなければならないのであります。 更に日本の産業構造の上において中小企業の占める比重が圧倒的に大きいことがその特質であることは言うまでもありません。而もこれらの中小企業の多くのものが重税と資金難のために倒壊の危機に瀕しておるのであります。二十五年度においても、ドツジ予算による一千二百億円の巨額の債務償還費は、それだけ国民の購買力を強制的に吸上げる半面、その多額の資金は大産業にのみ利用されて、中小企業を潤おすことが今日ないのであります。政府がこのためにとつておる措置としての見返資金及び預金部資金の中小企業への一部放出も、今日の中小企業が直面しておる金詰りを緩和するためには余りにも小額と言わなければなりません。他方我が国の中小企業は、その大部分が大企業の下請負工場であるか或いは問屋資本に隸属するという立場に立つておるのであります。大企業は実にこれらの中小企業の犠牲の上に寄生して発展し、而も日本経済の生産力全体から見まするならば中小企業が重要な役割を果しておるということを忘れてはならないのであります。して見まするならば、経済合理化の過程を通しまして、日本経済の重要な支柱としてのこの中小企業の地位を正当に認識して、これが保護助成のために政府は積極的な措置を講ずべきものと思うのであります。 以上述べましたごとく、国際価格との比較における重要産業の価格政策の矛盾を如何にして打開するか。その一つの方法として補給金に代る助成金の交付を考えておられるかどうか。更に国内価格の政策を見まするならば、公定価格と自由価格とが並存しておるのであります。公定価格は生産コストを積み上げて決定されるに対しまして、自由価格は市場における需給関係において決定されるのであります。従つて価格形成において根本的に相対立する公定価格と自由価格との矛盾が国内産業に反映し、生産に対する障害となりつつあるのであります。この矛盾を如何に解決するお考えであるか。又大企業のために中小企業を犠牲に供することなく、中小企業の近代化による発展を図るために、政府は如何なる一貫した産業政策を考えておられるか、以上産業政策と価格政策について青木安本長官の御答弁お伺いしたいのであります。 第二に、鈴木労働大臣に対して失業対策と賃金対策とについて簡單にお尋ねいたしたいのであります。超均衡予算に伴う行政整理並びに企業合理化に伴う企業整備の結果、すでに多数の失業者の出血を見ておるのであります。今年に入つても農村は新たに二百万の過剩人口を抱え込んでおるといわれておるのであります。地方失業保險金の受給期間満了に達する者があります。更にデフレ恐慌下における産業不振により就業の困難が加重されており、失業問題は重大な社会問題として深刻な様相を帶びて参つておるのであります。特に日本の失業の特質として、一般に就業者の賃金が低いために貯蓄などによる生活の余裕がないこと、失業保險を含めての社会保障制度が未だ完備していないことを考慮いたしまするならば、失業者は家族制度の下に寄生するか、或いは農村や中小企業の中に半失業の形で寄生するかという特殊な状態にあると申さなければならないのであります。従つて我が国では失業状態が完全失業者の形を以て現われることは少いのであります。その背後には多数の潜在失業者が存在することを無視することはできないのであります。最近の統計資料によりますれば、完全失業者数は大体五十万内外と見られております。而も失業者の増加率は二十三月十月以降特に目立つておるということは、経済安定化の進行につれて失業者の出血が見られることを物語るのであります。この完全失業者五十万人の外に潜在失業者を含めまするならば我が国の失業者総数は約五百万人と推定されておるのであります。他方公共職業安定所における就業状況を見まするに、二十四年九月には求職数三十一万に対して求人数十八万、そのうち就職し得た者は僅かに六万人に過ぎないという割合で、就職難が如何に深刻化しつつあるかということが窺えるのであります。鈴木労働大臣もすでに昨年の十月に失業者発生の頂点は今年の三月であろうと言明されたのであります。ところで、政府はこの深刻な失業問題に対して果して真劍な考慮を拂われているかどうか、又如何する具体的な対策の用意があるか、お伺いしたいのであります。二十五年度予算を見ますれば、失業保險関係四十六億円、緊急失業対策関係四十億円、これを合計して失業対策費としては僅かに八十六億円を計上しているに過ぎないのであります。これによつては、政府計算によりましても幸うじて五十万人程度の失業者救済しかできないのであります。又公共事業費は当初一千二百億円が九百九十億円に削減されているのでありますが、これによつて実際に吸收し得る失業者数をどう見込んでおられるか、お伺いしたいのであります。この外、職業紹介補導に必要なる経費として約十二億円計上されているが、特に今日の失業状況を考慮すれば、公共職業安定所の増設及びこれに伴う経費の追加計上を必要と考えるのでありますが、政府はその意思ありや否や、お伺いしたいのであります。更に失業問題を積極的に解決するためには、見返資金等の利用により新規事業を起して就業の機会を與えることが必要と思うのでありますが、この点について政府は如何なる事業計画により、どの程度の失業者吸收人員を見込んでおられるか、お尋ねしたいのであります。 次に政府は企業合理化の基底として、低賃金政策を堅持しておるのであります。国鉄並びに一般公務員の正当な給與ベースの改訂を今日尚拒否しておるのであります。而も他方において厖大な失業者の存在は、産業予備軍として、就業者の労働條件の悪化並びに低賃金を一層助長する役割を果しておるのであります。勤労者は二重の犠牲と負担の下に苦しんでおるのであります。即ち日本経済の資本家的再建方式は、中小企業の犠牲の上に大企業が国家資金によつて保護されているばかりでなく、企業合理化の過程において、生産設備の更新や新技術の導入による労働生産性の向上が図られずに、最も安易な首切り、労働強化、低賃金という勤労者の犠牲を強要しておるのであります。従つてその結果はいわゆるソシアル・ダンピングの方向に必然的に追込まれざるを得ないのであります。すでに日本の織維製品に対してはダンピング税が課せられるということが新聞に報道されておるのでありまするが、この点について鈴木労働大臣は日本の低賃金政策について如何なるお考えであるか。又インフレの安定に伴い、やがて最低賃金制の実施を見るものと考えられるのであります。この制度は本来賃金が不当に引下げられることを防止されるものでありますことは言うまでもありません。併し現在の賃金水準そのものが不当に低く引下げられておることからして、将来その上に立つて最低賃金制が行われますならば、最も劣悪なる賃金水準が標準化され、固定化される虞れがあると思うのでありますが、その意味において現在の低賃金と将来の最低賃金制との関連をどう考えておられるか。同時に勤労者の生活安定との関係において賃金政策一般についてどういう御見解を持つておられるか、お伺いしたいのであります。鈴木労働大臣に対して失業対策と賃金対策についてその明快なる御説明をお願いいたしたいのであります。(拍手) 〔国務大臣青木孝義君登壇、拍手〕
○国務大臣(青木孝義君) 只今の田中議員の御質問にお答え申上げます。 我が国の産業構造と物価政策についての御質問と存じます。只今お言葉のように、日本経済自立のためには貿易の振興、殊に輸出振興ということは緊急且つ重要でございまするが、この点はお言葉の通り、又この輸出振興をさせる場合におきましても、海外殊に後進諸国の工業化傾向であるとか、或いは輸出品の附加価値率とか、そういう問題をも勘案しながら我が国の産業構造というものを考えなければならんと思うのであります。而して現在の我が国の軽工業重点主義から重工業に重点を移して行くというその移行過程というものを如何に取計らつて行くかということが極めて重要ではないかと存ずるのであります。ただ、このような切替が漸進的に行われるものでございますので、切替の過程においては軽工業特に纎維工業や雑貨工業が相当なウエイトを占めていることは十分考えられるのであります。このような業種なかんずく綿紡であるとか或いは化学纎維等一部大企業を除きまして、いずれも中小企業でありますが、その外にも機械とか或いは金属、陶磁器であるとか、農水産加工品等の各業種に亘りまして、多数の中小企業が存在いたしております。これらは我が国の産業、労働、社会事情等から見まして、半恒久的に存続する重要な生産分野と考えられるし、その意味におきまして、企業数であるとか、従業員数であるとか、或いは輸出高等におきまして、全国産業の六割以上を占めておりまする中小企業、これは財政、金融の面からは勿論のこと、経営の協同組合化であるとか、或いは又技術の改善振興等についても十分なる対策を講ずることが必要でございまして、政府はその点について十分努力をいたしておる次第でございます。 尚、輸出を振興するために、特に将来我が国産業構造の機軸となりまする重化学工業の輸出を進捗させるためには、二つの條件が考えられるのであります。一つは十分な国際競争力を持つこと、他の一つは十分な国内及び海外市場が存在するということであります。第一の国際競争力をもつと強くするということのためには、特に製品の品質とコストが国際競争に堪え得るものであるかどうか、堪え得なければならないということ、従つて品質については、我が国の技術が欧米の技術に比べまして、先進国の技術に比べまして、平均十五年も或いは二十年も遅れておると言われておる点から考えましても、輸入原材料の品質をよくすることの外に、技術の早急の改善であるとか或いは設備の近代化等が勿論必要であります。その意味におきまして外国技術の導入を促進することは緊急の要件でありますから、政府はこのために外資の導入を促進する、この点については特に法的措置を急ぎつつある次第であります。それからコストについては、我が国の重化学工業は特に従来の低物価政策の狙いから、補給金の支出によりまして低位に置かれておりました。併しながら真の国際競争をして行きますためには、従来見られた価格差補給金の交付による不自然な機能を取除くことが必要でありまして、政府はこの見地から国内価格の国際価格への鞘寄せを図つて、他方この租税負担の軽減というような意図をも加えまして、補給金を削減することといたした次第であります。併し補給金の削減に当りましては、企業に急激な打撃を與えないよう、その合理化の進捗度合等を見まして段階的に縮減する方針をとつておるのでありまして、尚、合理化を進めるに当りましては、輸入原材料のコストを引下げることと、特に御承知の通り強粘結炭であるとか、鉄鉱石であるとか、或いは工業塩等が緊要でございますが、それらの原材料については輸入先の変更、例えば開らん炭であるとか近海塩などを邦船によりまして輸入するについて特に政府としても只今盡力をいたしておる次第でありまして、その結果相当のコストの引下が可能となるものと信じております。又市場の拡大につきましては、国内的には多額の公共事業費であるとか或いは見返資金によりまする私企業への投資等を予定いたしまして、対外的には東南アジア等に対する輸出振興、特に米国の後進国開発援助計画への考慮をいたし、目下これについても努力をいたしておる次第であります。要するに重化学工業に逐次重点を移行するという点、これを考えますと、現在の物価政策とは恐らく背反しないというように信じておりますし、政府といたしましても、その方向に向つて種々の点から努力をして参る所存でございます。(拍手) 〔国務大臣鈴木正文君登壇、拍手〕
○国務大臣(鈴木正文君) 失業対策の方からお答えいたします。 御質問の中にも挙げられておりましたように、やはり失業対策の根本をなすものは一般的な財政経済政策であり、その中でどれくらいの新らしい雇用が二十五年度に生れて来るかという問題が中心をなすわけでありまして、この点に関しましては、二十四年度においてそういつた意味の新らしい雇用が四十万と推定されておりますが、大体その通りの経過を迫ると見ております。二十五年度におきましては、一方においてそういう意味の離職者が国民経済の中で相当出て来るけれども、新らしい雇用というものは無論あるのでありまして、政府が現在計画しておるところの経済政策が遂行されるに連れて八十万の新らしい雇用が生れるものと考えております。 次に公共事業計画につきましては、昨年度約五百億円で、年間毎日五十万人前後が就労しておつたのでありまして、従つて一千億近い公共事業……物価の関係も多少ございますけれども、大体この関係においては二十四年度の倍、百万前後の就労、従つて新たにこの面から生れて来るところの雇用者の数は、二十四年度の五十万を差引いて五十万前後が新たに生れて来るものと推定いたしております。それからもう一つ御質問の中にありました見返資金関係でどのくらいの雇用が生れて来るかという点でございまするが、この点につきましては二十万乃至三十万の新らしい雇用が生れて来る。そういう見通しが十分成立つておるのでございます。併しながらこれは二十五年度の終りまでに出て来るのでありまして、その間に時間的のズレがある、それをどうするかという問題が緊急な失業対策及び公共事業の問題でありまして、この点につきましては、二十五年度は四十億の緊急失業対策費並びに、これはまた決定ではありませんけれども、これを強化するために地方起債を或る程度認めるという新らしい方式をとりたいと目下検討中であります。それと同時に、公共事業と密接な結び付きをして、そうして有効にやつて行く、このために建設省、安本、労働省の間に事務的に緊密な連絡を図つて、例年公共事業が遅れるという欠点を是正して、来年度は急速に公共事業を出して行く、それに労働省の只今申しました緊急失業対策を密接に結び付けて行く、こういう考えをとつておるのでありまして、これらをすべて総合いたしまするというと、大体二百二十万前後の新らしい雇用若しくは失業保險によつての吸收というものが成立つという計算ができております。勿論戰後のこういう大きな転換期における失業対策はなかなか完璧には参りませんけれども、これらの方針を強力に推し進め、そうして政府の経済政策が既定のコースに進められて参りましたならば、失業問題を本年一杯支えて置いて、そうして大きな配置転換の形においてやがて完成し得るというレールは敷き得ると、こう考えておるのであります。 尚、次に職業安定所の件につきましても御質問がありましたが、職業安定所は現在四百十五、それから出張所が百あります。情勢に鑑みまして二十五年度には新らしく二百箇所巡回安定所を新設するという計画を立てて、その予算的裏付けもでき上つておりまするし、又安定行政の強化を図るために、それらの経費というものも殆んど二十四年度の倍額近くに計上されておりまするし、人員も新らしくこの関係におきましては相当数の定員を増加いたしまして、別の方で勿論圧縮するのでありますが、この方面に強力な行政を展開しよう、こういうように考えておる次第でございます。 それから賃金問題、これはもはや日本の賃金問題は安定への線に向つて急速に進みつつある段徹と考えております。不当に低い賃金がこういう際に出現するという情勢に対しましては嚴重な警戒を以て臨んでおります。それから最低賃金制、この問題は近く審議会を設けて愼重に検討する段階に至つておりまするし、御指摘のような最悪賃金の形においてこれを実現しようというふうな考えを勿論持つておるわけではございませんからして、附加えてお答え申上げて置きます。(「諸君国はそれを認めない」と呼ぶ者あり) —————・————— 〔千葉信君発言の許可を求む〕
○副議長(松嶋喜作君) 千葉信君。
○千葉信君 本員はこの際、簡易保險郵便年金積立金の運用問題に関して緊急質問をすることの動議を提出いたします。
○鈴木直人君 本員は只今の千葉君の動議に賛成いたします。
○副議長(松嶋喜作君) 千葉君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。千葉君。 〔千葉信君登壇、拍手〕
○千葉信君 簡易保險郵便年金積立金の運用に関する問題は刻下の非常に緊急な問題でございますので、関係各大臣に御質問申上げる次第でございます。 簡易保險、郵便年金の積立金は、戰時中より引続き大蔵省預金部において運用せられて参つたのでございますが、これを事業所管省であるところの郵政省に復元すべきであるという意見につきましては、第一国会以来愼重検討の結果、その主張が正当且つ必要であるばかりでなく、これを実行に移しても何ら差支ないという結論に到達いたしまして、第五国会において衆参両院共全会一致を以て政府に対し急速善処方を要望する決議を送付しましたことは、諸君すでに御承知の通りでございます。その後政府は、昭和二十四年の九月十六日、閣議を以て国会の決議を政府の方針となすことを決定し、関係筋に対して簡易保險郵便年金積立金の運用を郵政省に復元するよう折衝中であるということでございましたが、最近の新聞によりますと、三月七日附の日本経済新聞或いは三月九日附の夕刊中外等によりますると、本問題に関し、大蔵省と郵政省の両者の間に対立を来たして、問題の解決を逆転せしめつつある旨の記事を見るに及びまして、実に奇異なる澄を抱いた次第でございます。報道が事実とすれば、閣内不統一を暴露するのみならず、国会の決議を無視する態度であり、断じて默過し得ないところでございます。以下伝えられる大蔵、郵政両省の対立原因と見られる点を指順して、主管大臣の答弁を求める次第でございます。 簡保年金積立金の運用を郵政省に返還することに対する大蔵事務当局の反対理由といたしましては、預金部の赤字の問題、政府資金の統一の問題に分けて考えることができるのでございます。預金部の赤字の問題につきましては、二十五年度預金部予算によりますると三億二千万円の赤字を計上しているのでございますが、この場合簡保年金の運用権を郵政省の返還するときは、簡保資金運用による利鞘を失うことになり、それだけ預金部が赤字を増大して困るという模様でございますが、この問題は更に二つに分けて考察する必要があるのでございまして、その第一は独立採算上の問題であり、その二は預金部予算案作成当時と現在とは事情が変化しつつある事実でございます。 御承知のように、独立採算の問題は、政府関係の各種事業につき、その責任の明確化と事業の特殊性の発揮を狙つた点にある。従つて預金部の経理上の都合から簡保年金の当然獲得すべき利子收入を搾取するということは許さるべき性質の問題であるかどうか。郵政省としては資金を成るべく有利に運用し、その利益を九千万契約者に還元すべき法律上の義務があるのであるから、当然簡保で挙げ得べき利益を預金部の穴埋めに使用することは、九千万契約者に対するその利益の侵害という結論になるのでございます。次に注目すべき点は、預金部の予算編成当時と現在とでは投資分野に大いなる情勢の変化が起つておるということでございます。成る程二百億程度の余裕金を抱えて投資の制限のために手も足も出なかつた当時にありましては、預金部に赤字が生ずる見込であつたでございましよう。併しその後、三分五厘の低利国債三百五十億の償還、八分九厘の事業債四百五十億、八分五厘の金融債二百九十五億の放資、更に六分二厘から六分九厘の市中銀行預託制度の実現がほぼ決定した模樣でございますから、当時懸念いたしました赤字は解消する目算が立つに至つておる筈でございます。預金部資金の運用分野を従来の狭い枠から解放して産業資金供給をなすということは異論のないところでございますが、更に赤字の懸念の解消いたしました今日、一歩を進めて、預金部の投資分野拡張に盡したと同樣の努力を簡保年金運用再開の懇請に拂うというフエアプレーの態度をとることが大いに期待されるのでございます。併しながら伝え聞くところによりますると事実は逆であるという。即ち簡保の運用権を預金部に引留めて置くために、その筋の公正なる判断を惑わすがごとき言動をなしつつあるということが伝えられておるのでございます。 次に、大蔵当局により挙げられる政府資金の統一的管理運用の問題でございますが、預金部が政府資金を独占しなければ財政金融政策の適正が期せられない、こういうことは到底我々の納得できないところでございます。大蔵当局は口を開けば国家資金統一を云々いたします。これは戰時中の国家資金一元論の形式的理論でございまして、この点については第五国会における再開要望の決議に際しましても触れておるところでございます。郵政省と財政当局である大蔵省が密接に連絡協調することによりまして、金融主管庁の方針に反する運用が行われるということは毛頭ないのでございます。金融行政の統一保持のために現状維持を主張するがごときは、反対のための口実に過ぎないと断ぜざるを得ないのでございます。簡易保險の運用再開問題に対する全国的な切実な要望に対し耳を藉さないで、郵政省は單に契約募集のみをすれば事足れりとし、資金運用については大蔵省に一任すべきであるというがごとき虫のよい馬鹿げた優越感に浸り或いは地方公共団体に対する資金供給を独占して、その権力的地位の維持に汲々たることが本問題の解決を妨げておるとすれば、我々としては断じてこれ又默過し得ないところでございます。以上の理由から、総理大臣、大蔵大臣、郵政大臣の責任ある答弁を要求いたします。先ず総理大臣にお尋ねいたします。本問題に関する先の国会の決議を尊重して、閣議を以て決定されましたこの政府の方針を今ここで再確認する意味から、明確なる答弁をお願いいたしたい。閣議決定を政府は飽くまでも守つて行き、国会の決議を尊重する。この点についての総理大臣の御答弁をお願いいたす次第でございます。次に郵政大臣にお伺いいたします。本問題に関し関係筋に折衝を行なつたその折衝の経過を承わりたい。特に二月中旬におけるところのいわゆる四者会談なるもの、関係筋と郵政、大蔵当局並びに国会議員の代表という形において、この四者会談が開かれたということでございますが、その席上においてその筋から次のような発言があつた、来年度の予算の中に郵政省において運用するという予算が削減せられておる状態であれば、この段階ではこの問題は従来のような状態において行われるべきである、こういう発言のために、この途端に問題の解決が非常に逆転したというこの事実は、果して郵政大臣としてお認めになるかどうか、この点について民答弁をお願いいたします。次に大蔵大臣にお尋ねいたします。未だに本問題の解決を見ていないのは、政府の折衝に誠意と努力が欠けていたということを考えておつたのであるが、万が一、新聞紙の伝えるがごとき対立が介在するとすれば奇怪千万な話でございまして、これは国会の決議を尊重した閣議決定の実現が大蔵事務当局の独善的なセクト的行為によつて妨げられていると認定せざるを得ない。本決議案通過に当つて、政府の方針として決定すれば実現に努力をすると言明し、更に昨年九月十六日における閣議決定に参画した大蔵大臣の立場として、部下統率に甚だ遺憾な点があると思うが、この点についてはどうであるか。 以上の点について各大臣の率直なる御答弁を要求する次第でございます。(拍手) 〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
○国務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。 政府としては院議を重んじてその実現の方法について只今研究中であります。又お話のような大蔵大臣の反対云云ということはございません。(「そんなこと言つておりません」と呼ぶ者あり)すべて閣議によつて決定しているのであります。(拍手) (「大蔵事務当局の反対ということを言つているじやありませんか」と呼ぶ者あり) 〔国務大臣小澤佐重喜君登壇、拍手〕
○国務大臣(小澤佐重喜君) 千葉君にお答えいたします。 お話のようにこの保險金の積立金運用に関する再開問題は、保險会計の健全化を期するばかりではなく、延いては契約者に利益を均霑するという点から、御指摘の通り政府も賛成いたしております。従つてお話のように九月十六日閣議で決定いたしまして、関係方面と折衝中でございまするが、この閣議の決定に当りましては、大蔵大臣は勿論のこと、他の閣僚も全部千葉君の主張されるのと同じ趣旨で決定いたしておりまして、その間に政府部内に何らの意見の相違はございません。ただ千葉君御指摘のように、新聞紙に事務当局が反対だというような意向がございましたが、私はこれは信じません。而も仮にそういう事実がございますれば、大蔵大臣は必ず政府の方針通り事務当局を従わせるような方向に努力しているものと私は確信いたします。更に関係方面との折衝会談の経過を話せというお話でございますが、これはこの場所で申上げることは必ずしも適当じやないと考えておりますから、他の機会に詳しくお話をしたいと存じております。尚、結論だけを申上げますと、大体関係方面におきましても日本政府の意向を十分了解されていると思います。ただ思うに、これと関連しました預金部の再検討という点で引つかかつておりまするが、やがてこういう問題が決まりが付きますれば、必ずや我我の希望する通りの運用再開が可能であると確信いたしております。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申上げます。 この問題につきましては、小澤郵政大臣がお答えの通りでございまして、私は何も附加える問題はございませんが、特に部下統率につきましての御質問がございましたから、お答えを申上げたいと思います。本問題は閣議決定通りにやるように部下に言い付けておりました。部下も関係方面に了解を得にたびたび行つているのであります。併しその了解がまだ得られませんので、二十一年の一月の最高司令官の覚書によりまして、予算は只今のところは今まで通りに組んでいるのでありますが、両院の決議並びに閣議決定通りにやりたいと努力を重ねている次第でございます。(拍手) —————・————— 〔堀眞琴君発言の許可を求む〕
○副議長(松嶋喜作君) 堀眞琴君。
○堀眞琴君 本員はこの際、綱紀粛正に関して緊急質問をすることの動議を提出いたします。
○鈴木直人君 本員は只今の堀君の動議に賛成いたします。
○副議長(松嶋喜作君) 堀君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。堀眞琴君。 〔堀眞琴君登壇、拍手〕
○堀眞琴君 吉田内閣は第二次組閣以来、日本の民主化を阻止する保守反動内閣と言われ、国際的にも国内的にもその性格につきまして、多くの疑問を持たれておつたのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)殊にその背後には、政界、官界のボスや、或いは闇商人であるとか、独占資本家の一部の者で結託しておるというようなことが伝えられておつたのでありまして、このことはすでに土建献金問題であるとか、或いは炭鉱国管問題であるとか、その他の事件によつて明らかになつておるのであります。私が本日ここで以て述べようとするところの幾つかのスキヤンダルも、やはりそれらと一脈相通ずる性質のものでありまして、国民としては絶対に許すことのできない問題なのであります。吉田内閣は昭電疑獄事件の後を受けまして成立したものであります。芦田内閣の崩壞後成立したものであります。従つて吉田内閣は綱紀粛正ということを初めから叫んでおります。選挙の公約にも綱紀粛正はその主なる看板の一つであつたと思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)又昨年の第五国会におきまして定員法が審議されました際にも、吉田首相は定員法を施行する目的の一つは綱紀特に官紀粛正にあるということを叫んでおつたのであります。綱紀は粛正しなければなりません。曾て中江兆民が、実業家がともすれば政府と結託して巨利を博する、これは実業家ではなくて虚業家である、又そういう虚業家と結んで政府の役人乃至は大臣連中はこれ又巨利を博する、これは虚業家の犬であると言つて罵つたことがあります。若しも吉田内閣がその口にするところの綱紀粛正を踏み躪つて、そうしてみずから虚業家と結び、官界、政界のボスと結んで綱紀を紊乱せしむるものとしたならば、我々としては断乎これを排撃しなければならんと思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)そして、その間にはいろいろの贈收賄事件であるとか、涜職事件であるとか、或いは追放令の違反であるとか、醜いいろいろの事件がこれに関連して起つておるのであります。吉田首相は内閣の首班であります。行政の最高責任者であります。そして又絶対多数を誇る與党の総裁でもあります。首相としてはこれらの事件に関連して一体どういう政治的責任をとろうとするのでありましようか。曾て廣川幹事長は昨年、閣僚の一人や二人に疑獄事件が起ろうとも問題ではないということを言つております。これは非常に重大な言葉でなければなりません。首相としては閣僚の一人に何らから過誤がある場合、或いは一党員に過誤があつた場合には、首想としての立場、総裁としての立場において、責任をとるのは当然であります。又行政の責任者としては、その部下の官吏の一員に同じような過誤があつた場合においては、やはりこれに対する責任を感じなければならないのであります。若しこれらの事件が事実に相違しておるということで、首相はその責任を免れようとするならば、これはとんでもない間違いであります。国民はすでに大きな疑惑を持つてこれらの事件を見ております。国民のこの疑惑を解くために首相としても適当な措置をとられることを私は希望するものであります。勿論事実がないとするならば刑事上の責任は免れましよう。併しながら政治上並びに道徳上の責任はこれを免れることができないのであります。私はこれから二三の例証を挙げまして、そうしてこの綱紀が如何に紊乱しておるかの例証としたいと思うのであります。 先ず第一に五井産業事件であります。この事件はすでに衆議院の考査委員会並びに法務委員会において問題とされ、目下は本院の法務委員会において審査中のものであります。従つて私はこの問題について具体的に詳細に述べることは遠慮しようと思います。併しながら衆議院の両委員会並びに本院の法務委員会の審査によつて判明した一、二の問題について皆さんに申上げてみたいと思うのであります。先ず第一に贈收賄、涜職の嫌疑が、容疑が次第に濃くなつて来たということであります。吉田首相を初めとして官房長官の増田君、それから代議士の福田君その他の自由党の諸君は、多額の金品を受取つたという事実がいよいよ明らかになつて参りました。この多額の金品が贈收賄ではない、政治献金であるということになりましても、やはり私は政治上の責任は免れないと思います。勿論政治資金規正法の問題にも触れましようし、そうして又増田君その他の自由党の諸君がこの政治献金を收納したということによつて、吉田首相にも責任がそこに生じて参らなければなりません。併し警察庁の職員の何名か、それから消防庁の職員の人々がやはり多額の金品を受取つたということが明瞭になつて参つておるのであります。これは官吏のやつておることである、内閣の関知するところではないというような意見を若しも吉田首相が吐くとするならば、先に申上げたように行政の最高責任者としての立場において我々は許すべからざるところの発言だと言わなければなりません。この点について吉田首相はどのような考えを持つておられるか。 それからもう一つ、五井産業事件に関連して、東京の治安の任務を担当しておるところの警視庁の内部に元特高ボス、追放組でありますこれらが暗躍し、贈收賄、涜職の斡旋をやつて、或いは犯罪の揉み消し運動をやつておるということが次第に明らかになつて参つております。そればかりじやない。警視庁の人事問題にすら関與したということが言われております。そうしてこれらの追放組は警視庁内に拔くべからざるところの勢力を扶植しておるということが言われておるのであります。例えば岡崎某、丹羽某、こういうような人々は常に警視庁内に出入して、そうしてその背後には同じく追放組の横山某、或いは唐澤某がおりまして、警視庁を操つておると言われております。東京の治安の任務を担当する警視庁、これがこのような追放組によつて操られ、而もそれらと増田官房長官が深い関係があるというようなことが言われるに至りましては、我々として到底これを默視することができないのであります。追放者がこのような政治活動をやる、これは申すまでもなく追放令の違反であります。そうして又日本の警視庁を増田官房長官を通じまして自由党の私物化しようとしておるのであります。よく日本はフアツシヨ化される危險があるということを外国の新聞記者は申しておりますが、恐らく警視庁のこの内情を見るならば、我々はこの言葉が必ずしも誣いたものではないということをはつきり見て取ることができるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり) 次に金相哲事件、金子相一の事件であります。この事件は昨年の十二月二十八日、東京新聞に初めて現われたものでありまして、一億一千余万円に上る大詐欺事件に関連しまして、経済事犯や脱税の摘発に関し揉み消しをやつておるという事件、並びにその揉み消しに関連して、政界、官界に多額の金品を撒布しておる。特に自由党の水田、花村、佐々木、風間などの諸君が多額の金品を受取つたという事件であります。この事件も前の五井産業事件と同じように、自由党の諸君がこの事件の揉み消しを運動したり或いは贈收賄を行なつたということでありまして、やはり同じく綱紀粛正の立場からは国民としては許し得ないのであります。時間がないので詳しく誰がどうお金を取つたとか或いはどう処分したとかということは私は省きます。材料は持つておりますがこれは省いて、とにかくこういうような事件が後から後からと出て参つておるのであります。 或いは又池田大蔵大臣に関連しましては国有財産拂下に関する不正事件が挙げられているのであります。御承知のように大蔵省におきましては、終戰以来財産税として物納されたところの土地建物などの不動産を一部業者に委託しまして処分して参つているのであります。東京財務局管内の処分は、これは都不動産株式会社というものが一手に引受けております。この都不動産株式会社では、舟山大蔵省現銀行局長その外大蔵省の幹部諸君、東京財務局の職員その他の人々が二十五名の多数に亘りまして不動産会社から饗応を行なつて不当に拂下の委託を受れたという事件であります。この会社の社長と申しますのは、曾て戰争中の蔵相でありました石渡氏の参與官を勤めておりました田村秀吉君という人であります。この人は目下追放中の者でありまするが、大蔵省に曾て参與官をしておつたというところから顔がきくので、大蔵省内で暗躍をしたと、こう伝えられております。やはりこの問題も追放令違反に関連した問題だと見なければなりません。もともとこのような私的機関に対しまして国有財産の拂下げを委託するというがごときは、そもそもそのものが問題であります。業者と官庁との間に必ず何らかの不正が起ることはこれは予想し得られるのでありまして、饗応が單なる饗応ではない、そこに明らかに涜職を形成しているということを見ることができるのであります。金品の多寡によつてそ罪の多寡が決まるのではありません。不正なる事実があれば、当然その不正は不正として糾彈されなければならんのであります。 或いは又その他に日本信興事件というのがあります。三月二日の毎日新聞によつて発表されたものであります。日本信興事件というのは、日本信興会社が新らしい会社——日信殖産無盡会社の設立される際しまして、これに盡力したところの宮幡通産省政務次官を初めとして、政界、官界に謝礼の名義でやはり数百万円の金品を贈賄したという事件であります。この事件に関係を持つておりますところの者も宮幡政務次官を初めとしまして自由党その他の代議士、参議院議員諸君でありまして、これ又明らかに綱紀紊乱の一つの例証と申上げなれればなりません。特にこの事件には、官界では当時の銀行局長でありましたところの愛知君が関係しているということが言われておるのであります。 それから又愛知君し申しますというと、政府関係資金の預託に関しまして、無盡会社への預け入れについての不正があるということも言われております。これは政府関係資金が銀行その他信託会社、無盡会社に預託されたのでありますが、無盡会社に預託された数は今日五十幾つになつております。初め大蔵省においてその預託が予想されておつたところの無盡会社は僅か数個に過ぎなかつたということでありますが、その間に業者と大蔵省当局との間に何らかの不正行為が行われた、こう見られる節があるのでありまして、やはり官紀の紊乱の甚だしいものであると申上げなければならんのであります。 この他にいろいろ問題はあるのであります。私はここに沢山の材料を持つております。これを一々皆さんに申上げることは時間が許しません。これらの事件を通じまして私共は、吉田首相が内閣の首班として、行政の最高責任者として、又自由党の総裁として、どういう政治的な責任をとろうとするか。それが事実でなかつた場合には責任を免れると言うかも知れないが、併しながら国民の大多数に疑惑を持たせているところのこれらの事件に対して、首相としてはやはり政治上、道徳上の責任をとるべきではないか。その責任はどういう形において首相はとられようとするのか。並びに法務総裁に対しまして、追放令違反の事実がそれぞれの事件に沢山出て参つている、殊に追放組の人々が警視庁に出入してその勢力を扶植している、或いはその他官界、政界に対していろいろの暗躍をしているというような事実が挙げられているのでありますが、法務総裁はこれらの追放組のこういう活動に対してどういう考えを持つておられるか。この二点についてお尋ねいたしたいのであります、(拍手) 〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
○国務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。 官紀、綱紀の粛正はこの県内閣としても、又政府として最も重大に考えている政治の一つであります。故に官紀粛正については、内閣としては私は施政演説その他において明らかに申述べた通り、政府としては十分の注意を拂つております。従つて若し官紀を紊乱し若しくは綱紀の粛正に反するというような事実が明らかになりましたならば、政府といたしても、私といたしても、責任を回避する考えは毛頭ないのであります。ただここに附加えますが、世間の風説、噂、中傷、讒誣を因として処分いたすことはできなものであることを言明したします。 〔国務大臣殖田俊吉君登壇、拍手〕
○国務大臣(殖田俊吉君) お答えをいたします。 犯罪があれば飽くまでこれを追及いたします。併しながら單に風説によりまして大切なる検察を駆使するわけには參りません。人権を最も尊重すべきことは新憲法の精神であります。のみならず検察のフアツシヨ化という大きな問題も考えなければなりません。私は十分愼重にいたしたいと考えております。殊に追放令の問題でありまするが、これは今日の占領下におきまして最も大事な問題でありますので、今お話の点につきまして、それぞれ十分に調査をいたしておりまするから、御安心を願いたいと思います。(拍手) —————・————— 〔星野芳樹君発言の許可を求む〕
○副議長(松嶋喜作君) 星野芳樹君。
○星野芳樹君 本員はこの際、所得税の更正決定に関して緊急質問をすることの動議を提出いたします。
○鈴木直人君 只今の動機に賛成いたします。
○副議長(松嶋喜作君) 星野君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないものと認めます。よつてこれより発言を許します。星野芳樹君。 〔星野芳樹君登壇、拍手〕
○星野芳樹君 二月末以来、税務署から更正決定を国民に送付されて以来、国民はこの税金の苛烈なるを今更のごとく驚き、全国至る所この悪税に対する憤激の坩堝と化しておる状態であります。この原因はそもそも政府が二十四年度予算において貿易調整資金を全部これを税金の増額にかけ、更に復興金融金庫に多額の債券返還をしたというようなもの、この予算を政府が作り、これを與党が通したところに責任があるのであります。それが行政措置として税務署より国民に取立てるに至つて、更に政府の官僚は、政府が金融資本擁護である特質を発揮して、誠に不合理極まりないことをいたしておるのであります。先ず第一に、税務署が申告に対する指導ということをしておりますが、この指導が決して技術的に申告について法規を教えるというのではなく。むしろ業別に、この業別は何割増、この業返は何割増というような頭からの割当をしておるのであります。而もその当割が、例えば前橋税務署より前橋商工会議所に與えられたものは、各業別割当にして一番高いのが自転車預り業、お湯屋が十二割、そうして芸者屋が三割というように、大衆に関係をするものを最も高くしておる。こういうことをやつて来ておる。それから更に実に杜撰なる点は、例えば大工、左官のごときは日当が殖えたからと言つてそのまま税金を殖やしていますが、実は官庁の建築許可は昨年に比して今年度は半減している。そういう事実を見ないでやつておる。こういうことをしております。農村に至つてはますますひどく、今年は超過供出まで課税していますので、米麦には余計取れないので、雑收入を非常に狙つており、そうしてこれに対して何らこの必要経費を計算するというようなこともしておらない。例えば三反百姓に対して、お前の所は三反きりないから、手間が空いたから日傭取で三万円くらい取つたろう、そうしてその人が呼吸器疾患者で実際日傭取ができないということの証明書を持つて行つても税務署はこれを認めない。寡婦の所にもそういうことをかけておる。或いは超過供出をしていないで配給米を貰つておる者に、超過供出をしたろうとて税金をかけ、而も村長の証明も認めないというようなことをやつている。更に追徴税、加算税をかけているが、これに対して税務署の更正決定を何月何日までに認めた者には追徴税、加算税を考慮すると、恰かも脅迫のごときことをしている。これを脅迫と考えられないかどうか。更にこうした悪税が最も甚だしいのは群馬県下高崎、前橋、伊勢崎、桐生の地区であり、これは政府は一部の者が煽動しているなどと言うているが、実に昨日は高崎税務署に八千人もの民衆が押しかけているのは、実に一部の民衆というのではなく、誠にこの税金が実際に不当に‥‥全く不当であるという証拠である。個々の地帶に至たとは、恐らく更正決定を全く撤回するような政治処置をとらざる限り暴動だも防ぎ得ないという実情にあるについて、これは大蔵大臣は如何なる処置をとるつもりであるか。更にこの税金を取るに当つて、取れないので差押えをしておりますが、この差押えが誠に国民を苦しめる方法の差押えをして、例えば群馬県佐波郡の豊受村においては、軒並み疊を差押えてしまつた。これは税法によつて寢具は差押えてはならないというきとがあり、寢具の下に敷く疊というものは準必要物資として考慮すべきものを、これを無理に差押えたという現状、又同じく群馬県の利根郡には牛の足一本差押えたという、シヤイロツク、シエークスピアの劇のような珍事件が起つている。これは千五百円の差押えに対して牛を差押えると言つたので、農民が不当を鳴らしたところが、それじや牛の足一本差押えると言つた。これは国税徴收法第十七條によつて、牛とか、必要農具とか、飼料とかを差押えようと思つたときには、納税者は外のものを提供できるという法律があるに拘わらず、これを税務署は教えない。国民の無智に乘じて、こうした嫌がらせをするということは誠に怪しからん次第であります。更に家の差押えなども軒並み出ておる。今日の新聞に日比谷祭の責任者平尾さんが家を押えられたということが出ておりますが、平尾さんのみならず、しがない商店や農業で家を差押えられているのが沢山あります。たまたま今日新聞で拝見いたしますと、池田蔵相は家主から立退きを要求されておりますが、その居住権を主張して頑張つておられるようであります。池田蔵相は税金から取つた官宅もございますのに、こうした頑張つておられるところを見ると、我々国民の中で商店や農民の者が家を差押えられた場合には、居住権は飽くまでも頑張つていいことが当然至当であるということが言えると思うのでありますが、この点の見解を伺いたいのであります。更に前橋の税務署の署長が、納税について百姓が金がないことは分つているが、これは中央金庫から納税資金を融通することになつたということを言つているが、これは恐らく農業手形で出すのでしようが、そうした納税に対して農業手形を切るというようなことが法律上できるものか。更にそういうことは曾ての封建時代のごとく、農民を借金の金縛りにしたあの農村状態を再現するものであつて、誠に悪政と言うべきものだと思うが、この点は如何に考えられるか。昨日も高崎の税務署に八千人の農民が押しかけたが、これはまあ日の丸の旗を先頭にしたくらいで、誠に穏和な農民であるのに抱わらず、武装警官を三百人も動員して、どういうことかピストルまで着けた武装警官を動員し、このために小ぜり合いを生じたという事件まで起つている。そうして伊勢崎の税務署にはバリケードを作つて、全く税務署をして国民の怨府と化せしめている。こういう状態をこのままで放置すべきであるか。更にこの地帶においては、民衆は極めて自肅しているが、腹の底には非常に深刻なるものを持つている。昨日のデモには、藁人形で、この池田蔵相と山口税務署長の藁人形を作つて、短刀を腹へ突き刺して血が流れているような藁人形を持つて来たり、それから悪税院吸血大居士というような位牌を捧げた人達も来ている。そうして彼らの口々に言うことを聞くところによると、高崎の周囲に、明治維新初期に高崎五万石騒動というのがあつて、この当局の苛斂誅求に対して大示威運動をし、その指導者が木戸孝允だつたか大久保利通に直訴しようとして、各村の代表者が斬られた事件がある。これを今口々に農民が言つて、高崎五万石騒動のときには二秤奉に税金がかけられたが、藁まではかけられなかつたと言つて非常に憤概して、この先輩の遣志を継ぐということの決意を表明しておる。この事態を見るときに、政治的手段によつて、この更正決定をこうした悪税地帶に対しては全面的に撤回するような政治的手段をとらなければ、税務署員の生命は全く保障できないということを警告せざるを得ない。時にたまたま池田蔵相はアメリカに行くとか言われますが、こういう問題を解決せずして行くのならば、国民はこれは日本にいたたまれずして亡命したと解釈するでありましよう。(笑声)まあ国民がそう解釈しても平気か知らないですが、政治的良心として、かかる事態を如何に対処するか、これについての池田蔵相の責任を問う次第であります。 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申上げます。 課税は適正公平でなければなりません。又税務行政は飽くまで懇切丁寧でなければならないのであります。課税が不適正でありましたならば直ちに訂正いたします。又行政に懇切丁懇がなかつたならば注意を與えたいと考えております。で、数多い中でありますから、それは間違いの点もあると思います。政府は早急に苦情処理機関或いは紛争解決機関を四月から設けまして、納税者のお気持を十分酌んで行き、誤まりのないようにいたしたいと考えておるのであります。従いまして全面的に更正決定を止める。更正決定を取消すということはしませんが、間違つたものに対しては直ちに訂正するようにいたしたいと思います。 尚、納税資金の問題でございますが、一昨年までは納税資金に対しての金融は差止めておつたのでありますが、昨年来納税資金の金融も十分図るように指令を下しておる次第であるのであります。(拍手)
○星野芳樹君 まだ時間が残つておりますから、算再質問をいたします。
○副議長(松嶋喜作君) 一分残つておりますから、簡單に……。
○星野芳樹君 ここでやりましようか。
○副議長(松嶋喜作君) どうぞ。
○星野芳樹君 納税資金をやるかやらないかということを聞いたのでなくて、これは法規的にどういうものか、それからこれが農村を封建的に借金地獄で農民を身動きできない奴隷化する原因にならないかどうか、これに対する見解を伺つたのです。それから差押えに対して、居住権と所有権とが違つておるかどうかも返事がないし、それと疊を差押えたこと、牛の足一本差押えたこと、これに対して何らの答えがない。それから追徴税、加算税について、これは分らなかつたようですが、税務署の更正決定に、何月何日までに税務署の更正決定を認めた者には追徴税、加算税は考慮しますということが書いてあつて、暗に国民の正当な権利である再審査要求をした者には追徴税、加算税を押付けるというものであり、これは確かに脅迫的手段であり、税金取立は脅迫を以てしてはいけないという刑法にも触れるものと考えるものであるが、それに対する所見は如何かということを質問いたします。 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) お答えが不十分で誠に恐縮に存じます。納税資金を納税者に融通したからと言つて、これは如隷化するものではないのであります。(「借金の利子が付くでしよう」と呼ぶ者あり)課税が適正に行われ、そうして金融上、納期に納めることが困難な場合に、納税資金を融通すりことは当然であると考えております。差押えと居住権の問題は別個の問題でございます。差押えはその納税者の所有にかかるものを差押えするのであります。而して差押えの目的は心理強制でございまして、使用收益を差止めるものではないのであります。疊等を差押えますのも、やはりそのまま使用收益させる目的でやつておるのであります。(「牛の足」と呼ぶ者あり) 次に一定期間までに納税されたり或いは申告なさつた場合におきまして、追徴税、加算税を取止める、いたさないということは、行政上の問題でございまして、威嚇でも何でもないと私は考えております。(「牛の足」と呼ぶ者あり、笑声) —————・————— 〔内村清次君発言の許可を求む〕
○副議長(松嶋喜作君) 内村清次君。
○内村清次君 本員はこの際、国鉄に対する仲裁委員会第二次裁定に関する政府の態度について緊急質問せすることの動議を提出いたします。
○鈴木直人君 只今の動議に賛成いたします。
○副議長(松嶋喜作君) 内村君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。内村清次君。 〔内村清次君登壇、拍手〕
○内村清次君 国鉄に対する仲裁委員会第二次裁定を含めまして、裁定制度そのものにつきましての政府の態度についてお聞きしたてのであります。即ち政府が第一次国鉄裁定の拒否、更に東京地方裁判所判決の上訴、及び今回の專売公社裁定の承認など、そのとつて参りました態度につきましては、全くそこには理論的な一貫性が欠除いたしておりまして、その場その場の御都合主議で終始いたされておるところにつきまして、国民輿論は勿論といたしましても、我々も大いに不満があるのでございます。法の権威から申しましても、私は政府の所信をここで質して置きたいのであります。即ち第一次国鉄裁定の全額支拂を拒否いたしましたる際に、政府は国鉄に対しましてのみ臨時給與を支給することはできない、これは全般的に波及するから不可能であると申したのであります。今回の專売裁定全額支給に際しましては、池田大蔵大臣、増田官房長官のいずれも、公共企業体の生産的経営と職員の労働條件と公務員の勤労條件とは必ずしも同一ではありません。その取扱は別個であると、みずから前言を飜しておられるのであります。私は遅蒔きながら政府がこの点につきましてお気付きになりましたことは異論はありません。更に又第一次国鉄裁定が国会に付議されんといたしましたときに、我が党を初めといたしまして、野党各派がいずれも裁定案そのものを国会に付議する必要はなく、ただ公労法第十六條により国鉄で賄う以外の予算の流用についての財源の可否を国会で審議すればいいのであると主張いたしましたことは、皆さんよく御記憶に新たなところであると存じます。然るに政府は衆議院與党の絶対多数を当てにいたしまして、強引に裁定そのものの可否を決めるべきだと、公正なる裁定制度を蹂躙いたした、この不当な政府の態度につきましても皆さんよく御記憶のことであります。参議院は正しく全額支拂を決議したしましたにも拘わらず、一方的に衆議院の決議のみを取上げて国会の承認はなかつたとしておるのが現在の政府の態度であります。然るに今回の專売裁定につきましては、当然のことではありまするが、全額支給をいたしまして、而も一度国会に予算上、資金上流用不可能なりと国会に提出いたしました案件をそのまま撤回するなどという行為をなしておるのであります。これでは裁定そのものの可否は国会で審議する必要なしという野党側の法理論をそのまま行なつておるということでありまして、いわゆる政府の如何にも矛盾した、一貫性のない、そうして非自主的な態度がありありと見えておることを私はここに指摘したいのでございます。 そこでお聞きしたいことは、第一に、この国鉄第二次裁定が明日二五十日を以ちまして、公労法に決められておりますごとく、十日間の期限で政府は予算化する義務を持つものであるということであります。これに対しまして政府は如何なる態度に出られようとしておるか、その点を具体的にお聞きしたいのであります。加賀山総裁は、すでに新聞に発表いたしまして、七十億近くの財源を借入金によつて第二次裁定に服従すること言つております。私はこの公社総裁が、いよゆる法的考えからいたしましても、これを尊重する意味からいたしましても、当然であると思うのであります。又公社総裁はこの借入金につきまして、いわゆる監督官であるところの運輸大臣及び大蔵大臣に申請をいたしておると思いますが、この点につきまして運輸大臣並びに大蔵大臣はどう扱つておられるか、又本当に申請したのであるかということにつきましてもお話を承わりたいのであります。然るに裁定には、財源が国鉄公共企業体の経理、予算の枠内でできるということを明示しておるのであります。即ちその裁定理由の第二の経理状況におきまして、経済九原則の建前から相当詳しく検討したしました結果として、次のようなことを言つておるのであります。即ち「長い間低物価政策によつて抑えられていた貨物運賃は、ともかく実費を償う程度の値上げが本年一月から実施され、定員につきいては昨年七月の整理により十万人が減員され、その結果、昭和二十五年度予算案においては、従来の特殊事情が大体解消されたものといつてよい。今昭和二十五年度の予算案を昭和二十四年度実行見込と対比するに、運輸收入は約二一%、二百三十二億円の増加であり、赤字三十億から黒字百八十三億円に改善させる見込である。人件費については、行政整理による九万六千余人の人員減の結果、基本給において十九億二千万円の節約となり、退職手当については四十五億四千万円程度から五億二千万円程度に減少するから、差引四十億三千円万の余裕となり、その他を含め人件費総額は七十一億円の節約となる。」ということを言つております。このように人件費の節約が七十一億もなされておることに先ず我々は注目しなくてはならないのであります。又「收入面については、二百三十億円を超えるところの運輸收入の増加ということは、一般会計の繰入金の減三十億円、雑收入の減十億円を差引いて百九十億円となつた、これが大部分特別補充取賛費の百八十二億円に充当されておる」というのであります。ここが即ち問題であります。戰後自己資金によりまして工事の全然なかつた時代に比べまして、初めて一挙に百八十二億の多額の支出をされておる。それ故に裁定理由書では、その他の修繕費の項目を合計いたしまして、資本的支出と人件費との間に多くの不均衝があるということを指摘されております。この点から財源の点をも併せ考えみまして、そうして低めではあるが八千八百円ベースを公正な裁定であるとして、今回の裁定が出たのであります。勿論労働組合はこの点から見ました見地におきましては、これは不満はあります。併しながら裁定を尊重してこれに服しておることも御承知の通りであります。実に国鉄に限らず日本経済全体すべて人のために国のためにあるところの国鉄であり、日本経済でありまして、又現実に国鉄を動かすものも、又この賃金改訂を一日千秋の思いで待つておるところの働く労働組合の人達、従業員であります。特に「二十四年度において十万分に及ぶ整理の結果、ますます職員一人当りの仕事量を増加せしめている点は見逃し難い」と裁定理由書におきましてもこれを強調されておるのであります。政府のいうところの高能率の言葉は正に国鉄従業員に当てはまるものでありまするが、併しながらこれに報ゆるに実質賃金の切下げです。同時に又これに何ら即ち報いていない。今日まで合法闘争の枠内におきまして、実力行使も行わずに、そうして涙を呑んで服従しておりますところの国鉄従業員であります。以上のごとく、その財源の点におきましても、理論上にも、実際上にも、又道義的な情の上におきましても、第三次裁定は絶対行わるべきものであると私は存ずるのでありますが、これに対しまして運輸大臣、大蔵大臣は如何なる態度に出られるのであるか、拒否せられるのであるかどうか、この点について詳しく承わりたいのであります。 更にお聞きしたいことは、二十二日の定例閣議で年度末臨時給與といたしまして、一人当り約六百円の支給を行うと、これを大きく宣伝をしておられるようでおりますが、これは一体何のためのものであるか。第一次国鉄裁定の残額さえも支拂わないのに、第二次裁定の代りといたしまして、このような見え透いた一時金で当面を糊塗するように政府は今の事態を甘く見られておるのであつたならば、その不明と非常識及びその不徳義は限度を越えたものであると言わざるを得ないのであります。この一人当り六百円というものは如何なる根拠で、又如何なる計算で、何の目的で出すものであるか、これをお聞きしたい。更に第一次裁定に対するところの東京地方裁判所の判決の一部を御承認になつて、これを支拂いになるのであるか、この点につきまして法的並びに内容的に詳細に御答弁を要求いたすものであります。 次に大蔵大臣にお伺いいたしますが、即ち第一には、給與改訂は消費インフレを惹き起して、ドツジ・ラインに牴触するというところの政府の御見解は今も尚持つておられるかどうか。池田蔵相と官房長官もときどき思い出したように賃金と物価の悪循環なるインフレ時代の物真似を申しておられるのでありますが、併しこれに対しましては一般世論は冷笑しているのであります。即ち財政金融金紙幣が増発せられて、これが過剩購売力となつて消費インフレが進行いたしておるのであるといたしましたならば、賃金ベースの改訂というものが、或いは物価に若干の影響を及ぼすこともあり得るかも知れないのでありますけれどもが、併し現在はそれどころか、全くそれと逆に一千二百億というような債務償還をなさろうとしておる。同時に又デフレ予算によりまして、今でも有効需要は減退をいたしまして、商品は相応的過剩となつて、デフレはますます深刻化しようとしておるのであります。このような事情におきまして、均衡予算の枠を少しも崩さずに給與ベースの改訂が若干行われましたと言いましても、賃金と物価の悪循環もインフレの懸念も少しもないのでございます。却つてデフレ恐慌状態を万分の一でもこれを緩和して、そうして景気を回復する一助となつて、日本経済に好影響を與えるものであると思うのでありまするが、この点どう考えておられるか。現に滯貨処理とか或いは又証券対策に多量の資金放出に苦慮いたしておりますところの政府が、給與ベースのみにドツジ・ラインを盾に取りまして拒否していることは、全く矛盾であると言わざるを得ないのであります。この点大蔵大臣はどのように考えておられるのか、お聞きしたいのであります。 更に政府は、先に給與ベース改訂はしない代りに実質賃金の充実について努力すると言われたのであります。我我が見た場合では、今後資産再評価、固定資産税、附加価値税などの悪影響は電力及び家賃、公債の大幅の値上りをもたらしまして、闇価格の値下りを却つて相殺してしまう、こういうことは明らかでありまするが、ここで再びその見通しにつきまして、こういうような即ち物価騰貴の現象、いわゆる生活を圧迫するものは生じないかどうか。この見通しについても大蔵大臣の責任ある御答弁をお願いしたいのであります。 最後に吉田総理大臣にお聞きしたいのでありまするが、総理は依然として待遇改善、厚生施設の充実によつて、そうして実質賃金の路実を図つて、給與改訂は行わないという答弁を機械的に繰返しておられるのであります。この実質賃金を何らかの方法で充実するという、何らかの方法、即ちこの具体的な問題につきましてお示しを願いたい。いろいろ聞くところによりますと、号俸引上げはむずかしいから、公務員への特別手当を年四回支給することも考慮中であるということであります。若しその一回の支給額が言うところの一人当り六百円であるというのでありましたならば、それこそ誠に笑止の至りであると言わざるを得ないのであります。かかる欺瞞的な手段で一時を糊塗せんとするの余り、常に政策に一貫性を欠いて、社会問題や違法問題を政府みずからが起して、勤労大衆の支持を刻々と失墜しておるのでありまするが、何故に総理のいわゆる政治力を発揮して、強くデフレ・ラインの変更に御努力なさらないのであるか。もつと拔本的な、まじめな努力を盡さないのであるか。我々にとつて誠に了解に苦しむところでございます。例えば巨額な債務償還は財界に至るまで一致して反対意見が多いのであります。この国民輿論を背景といたしまして、もつと自主的態度をとられたならば、目下急速に下降しつつあるところの自由党の人気も、或いは持ち直すことができると私達は考え、又これが国家経済のためにも誠によき結果をもたらすものであると存ずるのであります。かかる拔本的な措置をとらずして、そうしてこの給與改訂の問題にいたしましても、これも解決をしないという御態度につきましては、我々はどうしてもこれは賛成することはできないのでございます。いわゆるこれを早く急速に解決するために、政府はデフレ・ラインをみずから放棄してしまわれる、こういうような態度をとられんことを我々希望するのであります。いわゆるこういうような御態度であるといたしましたならば、民主的労働組合の三月攻勢は、より広く全勤労者のいわゆる政府攻撃となり、更に国鉄労働組合の合法闘争が、その合法の枠の中においても相当の実力あるところの対抗手段がとられることも予想できるのでございます。このような事態は、これは、かくまでも忍耐をいたしておりましたところの労働組合の当然発揮すべきところの生活権の防衛手段でありまして、その責任が政府にあることは誰が見ても明らかであります。国鉄裁定は、法の権威におきまして、社会道義といたしまして嚴守されるべきものであります。且つ又それが嚴守される條件を確然として持つておるものでありまして、何ら無理のないところでございます。均衡予算の枠の中で十分に賄い得るところの……
○副議長(松嶋喜作君) 内村君、時間が来ております。
○内村清次君(続) 方途を示しました国鉄第二次裁定の問題につきまして、政府の一貫性のある誠実な態度を示して頂きたいために、私はここに質問いたしたのでございますが、今後の解法策といたしまして総理は如何なる方策を持つものであるか。特に具体的に詳細に御答弁をお願いいたしたいのでございます。(拍手) 〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
○国務大臣(吉田茂君) 内村君にお答えをいたします。 縷々御意見は承わりましたが、政府といたしましては一定の方針、経済財政政策を以て予算案を編成いたしたのであります。公務員の賃金ベースについては、しばしば申す通り、私といたしましても成るべきその向上を図りたいと考えておりまするが、これは一般財政に関係いたしておりますから、今日只今変更いたす考えは、しばしば申す通りでございません。詳細のことは主管大臣からお聞きを願いたいと思います。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
○国務大臣(池田勇人君) 縷々御質問あつたようでございますが、重点的に拾つてお答え申上げたいと思います。 先ず政府は国鉄に六百円を出すかどうかという問題であります。出すとすれば根拠は如何というのでありますが、六百円を出すことに決めておりません。新聞には出ておりましたが、政府としては決めていないのであります。尚又国鉄の第二次裁定については只今検討を加えておるのであります。 次に賃金ベースを変えても物価に影響ないと思うがどうかというお話でございまするが、私は人事院の勧告通りに賃金ベースを変えますと物価に相当の影響がある、賃金と物価の悪循環を来たすと私は信じておるのであります。従いましてベースを変えることは只今のところ考えておりません。 次に御質問の中にありましたように、予算を変えないで賃金ベースのことを考える気はないかというお話でございまするが、私は予算が通過しまして、そうして実行上余裕が出て参りましたならば、公務員の方々の実質賃金は勿論、或いは昇給その他につきまして待遇改善に努力したいという気持は持つております。併しこれは予算が通過しまして、執行をして、或る程度の見通しが付いてからでないと考えられないことであると思つております。 次に資産再評価とか、或いは補給金を撤廃したならば、物価は上つて来るじやないかというお話でございましたが、併し資産再評価については物価には影響させないような再評価で行きたいと思います。又補給金を削りましても全体の物価水準は動かない。委員会等では、物価は下る、こういうような議論がありますが、私は資産再評価をしたり補給金を削りましても一般物価水準は動かない、横這いを続けて行くと考えております。(拍手) 〔国務大臣大屋晋三君登壇、拍手〕
○国務大臣(大屋晋三君) 内村君の御質問の要点にお答えいたします。 先ず昭和二十四年度の国鉄の予算の残額から平均六百円を支給する問題でありまするが、国鉄の総裁といたしましては目下二十四年度の予算の残額の計数の整理中でございます。そうして総裁はなにがしかの金額を従業員に分けてやりたいという希望を私の所に申達して参つておることは、内村君の仰せられて通り事実でございまするが、これに対して政府といたしましては目下愼重に研究中で、まだ決定を見ておりません。早急にこれを何とか考慮いたさねばならんと考えておる次第であります。 次に第二次の裁定の問題に関しまして、国鉄の総裁からは運輸大臣に対しまして、予算上、資金上措置ができないから借入金を以て裁定の趣旨に副いたいという申達が参つておりまするが、これにつきましてお御承知の期限は……国鉄の総裁又運輸大臣の手におきまして、予算上、資金上、若し支出が不可能の場合にはこれを国会に申請をして、国会の審議を抑ぐ期限が明二十五日になつておりますので、実は本日も午前中から引続いてこの問題を研究しておりますので、明日に至らなければまだ結論が出ないという段階に相成つておる次第でございます。 —————・—————
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程の順序を変更して、日程第三より第七までの請願及び日程第二十九の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員会理事宮城タマヨ君。 〔宮城タマヨ君登壇、拍手〕
○宮城タマヨ君 只今議題になりました請願第百二十二号、郡山市に仙台高等裁判所支部設置の請願、第二百五十七号、栃木県小川町に簡易裁判所および検察庁設置の請願、第五百六十二号、秋田県増田町に簡易裁判所設置の請願、第六百三十一号、香川県小豆郡に地方裁判所支部等設置の請願、第八百十六号、尼崎市に神戸地方裁判所支部および検察庁支部設置の請願並びに陳情第百四十五号、宮城県築館区検察庁を仙台地方検察庁支部に昇格の陳情につきまして、当委員会におきましては右各件につき政府委員等よりこれに対します説明を聽取し、審査の結果、いずれも願意は妥当であるといたしまして、採択の上、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。 右御報告申上げます。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第八より第二十八までの請願及び日程第三十より第三十六までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長中山壽彦君。 〔中山壽彦君登壇、拍手〕
○中山壽彦君 只今議題になりました請願二十一件及び陳情七件につきまして、運輸委員会の審議の経過並びに結果を御報告いたします。 請願第千百七十六号、瀬戸内海地区の機雷掃海に関する請願、陳情第百六十号、瀬戸内海の機雷掃海に関する陳情、右二件は、海運並びに観光の上から瀬戸内海の持つ地位とその重要性が高まりつつある今日、速かに残存機雷の掃海を施行せられたいという趣旨で、審議の結果、残存機雷の徹底的掃海による海上保安の復旧は緊急を要することであり、政府は速かに有効適切なる措置を盡すべきものであると認め、採択いたしました。 請願第五百九十二号、地区機帆船の燃料油増配に関する請願、陳情第百九号、鹿兒島県交通船の燃料割当増配に関する陳情。右二件はいずれも地方的海上輸送を使命とする交通船、機帆船に進する燃料油の配給を半減せられたために、交通船は運航を休止して旅客の交通難をもたらし、機帆船は繋船続出、経営困難のために大量の失業者を作りつつあるのでありますから、油を増配してこの窮境を救われたいとの趣旨であります。審議の結果、地方的海上輸送は交通船、機帆船が不可欠の機関であるから、政府は公益のためにも、又弱小企業保護のためにも最小限度の燃料油の配給を確保すべきであると認め、採択いたしました。 次に請願第六百二十二号、銚子市長崎町岬に航路標識燈台設置の請願、陳情第百十二号、兵庫県城崎郡余部崎に燈台設置の陳情、右二件はいずれも妥当と認めました。 次に請願第七百二十八号、新潟市に海上保安管区保安庁設置の請願、請願第五百四十五号、博多港の施設利用に関する請願、陳情第百六号、鹿兒島公共船員職業安定所設置に関する陳情、いずれも審議の結果、願意を妥当であると認めました。 請願第四百六十七号、久美浜港修築に関する請願、陳情第百三十四号、函館港修築工事促進に関する陳情、右二件はいずれも審議の結果、願意を妥当と認めました。 請願第四百三十六号、山陽本線の宇部市通過に関する請願、本請願は宇部線が支線のため輸送力が低く産業、文化の向上発展にも支障があるから、山陽本線の宇部市通過を実現せしむるために必要な測量、調査その他につき格別の考慮を願いたいという趣旨であります。委員会においては審議の結果、願意を妥当と認めました。 請願第五百四十九号、肥薩線列車を旅客列車のみとすること等に関する請願、請願の要旨は、本線路は国際観光ルートの当るが、トンネンが多く、現行のダイヤ並びに列車編成では苦痛と不便が多いから、主要列車は全部旅客列車にすること、準混列車を廃止してガソリン・カー又は木炭の車に切換えて欲してというのであります。委員会においては審査の結果、願意を妥当と認めました。 請願第六百二十九号、農機具の一部鉄道貨物運賃等級引下げに関する請願、請願の要旨は、現在四級扱いの製繩機、製莚機、藁切機、精米機、精麦機及び製粉機を他の農機具同樣十級扱いとして欲しいというのであります。委員会におきましては審議の結果、願意を妥当と認めました。 請願第六百四十四号、佐世保、相浦両駅間に鉄道敷設の請願、請願第七百三号、横須賀線を三崎町まで延長の請願、陳情第二十三号、横須賀線を三崎町まで延長の陳情、請願第七百二十七号、栃木県長倉村、茨城県太子町間に鉄道敷設促進の請願、請願第八百四十二号、日光、足尾両駅間に鉄道敷設の請願、請願第九百四十七号、伊豆循環鉄道敷設促進に関する請願、右六件はいずれも鉄道敷設に関するものでありまして、委員会におきましては、交通網の完成並びに地方の経済、産業、文化の向上発展の見地より願意を妥当と認めました。 請願第四百七十七号、長鳥信号場を旅客駅に昇格の請願、請願第四百八十三号、整備消火用揮発油の増配に関する請願、請願第八百八号、観光自動車に輸入燃料使用認可に関する請願、請願第五百五十号、吉野循環線および花倉線乘合自動車路線新設に関する請願、請願第五百六十号、皷川、実方入口間市営バス路線延長に関する請願、請願第八百七十三号、浜松、姫路両駅間の鉄道電化促進に関する請願、請願第九百二十五号、高崎線電化に関する請願、陳情第百五十二号、足尾線復旧工事促進に関する陳情、右八件は審議の結果、いずれも願意を妥当と認めました。詳細は委員会における速記録によつて御了承を願うことといたし、以上は議院の会議に付し内閣に送付を要するものと決定いたしました。 以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採決し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 本日の議事日程はこれにと終了いたしました。次会の議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十八分散会 —————・————— ○本日の会議に付した事件 一、日程第一 外務省設置法の一部を改正する法律案 一、日程第二 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案 一、産業政策と価格政策並びに失業対策と賃銀対策に関する緊急質問 一、簡易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する緊急質問 一、綱紀粛正に関する緊急質問 一、所得税の更正決定に関する緊急質問 一、国鉄仲裁委員会第二次裁定に対する政府の態度について緊急質問 一、日程第三乃至第七の請願 一、日程第二十九の陳情 一、日程第八乃至第二十八の請願 一、日程第三十乃至第三十六の陳情