文部委員会 第10号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1950/03/10
会議録
○委員長(山本勇造君) それでは委員会を開会いたします。 公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案を議題にいたします。前回に引続きまして、質疑に入りたいと思いますが、御質問ございませんでしようか、……ちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(山本勇造君) それでは速記を始めて下さい。 皆さんの御意見によりまして便宜日程を変更いたしまして、教育委員会法の一部を改正する法律案が本委員会に付託になりまし、たから、緊急上程をいたしまして、大臣の提案理由の説明を聽いては如何かと思いますが……。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本勇造君) 御異議がなければさように計らいます。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 一昨年七月十五日公布施行されました教育委員会法の一部を改正する法律案をこの度国会に提出いたしましたのにつきましてその提案の理由と改正要点を御説明いたしたいと思います。 第一は市町村に設けられる教育委員会の設置の時期についてであります。これにつきましては、去る第五国会において中央、地方の財政状態その他の事情に鑑みましてその設置を昭和二十五年度は昭和二十七年度とするよう法律改正が行われたのでありますが、この度町村の地域に設けられる教育委員会はすべて昭和二十七年度に、市に設けられるものは昭和二十五年度又は昭和二十七年度に設置しうることといたしました。 その理由は、町村の地域に設けられるべき教育委員会については、その地域的規模や委員会の組織、権限等につき、荷調査研究を要する問題が非常に多くあります関係上、これらについて十分検討するため、二十七年度までその設置を延期することとし、二十五年度には市についてのみ教育委員会を設置し得るよう指置いたしましたことに基くのであります。 第二は委員の選挙に関する規定の改正であります。これにつきましては、教育委員会の委員の選挙をも含めた選挙制度全段の改正も考慮されているのでありますが、今般は取敢ず二十五年度の選挙を控え、一昨年の経験に鑑み最少限度の改正を行うことにいたしました。即ち委員候補者の連署推薦人を六十人以上百人以下と、その人数に制限を加えたこと、及び選挙運動については、都道府県及び五大市にあつては都道府県知事の、その他の市及び町村にあつては市町村議会の議員の選挙運動に関する規定をそれぞれ準用し、いわゆる選挙運動における公営の範囲を五大市までにいたしたのであります。 第三は委員の他の職務との兼務及び服務などについてであります。現在委員は他の公務との兼職を可なり嚴格に禁止されておりますが、教育委員会の委員の本務に支障のない程度にこれを緩和し、又委員の服務などについては現行法に規定を欠いておりますが、教育委員会の委員の職責の特殊性及び重大性に鑑みまして、新らしく規定を設けることといたしました。 第四は教育委員会の職務権限についてであります。これにつきましては、現在すでに実質的に教育委員会の権限として行われている事柄、或いは地方公共団体の議会及び長との関係において権限の所在が必ずしも明確でない事柄等について必要な規定を設け、以つ教育委員会の運営に遺憾なきを期したのであります。即ち 一 学校その他の教育機関の建築、営繕の実施に関する教育委員会の責任及びその実施方法について明らかにすること。 二 学校その他の教育機関の使用にかかる財産の取得、管理及び処分に関する権限を明らかにすること。 三 学校の保健計画に関する権限を明らかにすること。 四 教職事務に関する收入の命令権を地方公共団体の長から教育委員会に委任しうること。 五 教育事務に関し議会の議決を経なければならないものについては、すべて議案の原案は教育委員会の発案にかかわらしめることを常例とすること。 六 都道府県の教育委員会の権限として学校給食、文化財保存(史跡名勝天然記念物等)及び教育に関する法人についての事務を明らかにすることなどであります。 第五は教育委員会と教育長との関係についてであります。現行法上両者の関係につきましては明確を欠く点も興り、実際運営上にも、ややともすれば円滑を失う憾みもありましたので、教育委員会の専門的助言者であり、且つその事務塾行の衝に当る教育長の職務特殊性を明らかにし、両者の本来の機能を明確にいたした次第であります。 以上改正の主要点につきましてその内容及び理由を概略御説明いたしましたが、今回の改正は條文の一部改正を行つたもの十八ヶ條、追加又は新たに設けられたもの十一ヶ條、削除ないし全文改正をしたもの十ヶ條合計三十九ヶ條に亘つております。何とぞ慎重御審議の上御可決下さるようお願いいたします。
○委員長(山本勇造君) 政府委員の補足的説明及び質疑は他日にいたしまして、日程通り進行することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(山本勇造君) それでは公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案、短いもののようでありますから、第一項から政府委員にちよつと読んで貰いまして、それから逐條にやつて行くとよいかと思いますので、そういうふうに計らいたいと思います。
○政府委員(剱木亨弘君) 簡単でございますのでちよつと條文を朗読しまして、簡単に御説明いたします。 第一項「この法律施行の際現に公立大学(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十八條の従前の規定による公立の大学、大学予科、高等学校及び専門学校を含む。以下同じ。)の文部事務官又は文部技官である者は、別に辞令を発せられない限り、当該公立大学を設置する地方公共団体の職員に任命されたものとする。」これは大学の教員につきましては教育公務員特例法で、又事務職員につきましては、高等学校以下だけは教育委員会法で地方公務員になつておつたのでありますが、公立大学に置かれた事務職員だけが文部事務官になつておりましたので、この法律で辞令を用いないで、当然に切換えるということをいたしたのであります。 次は第二項でありますが、「前項の職員うち休職、停職又は減給中の者がある場合においては、これらの処分は、同項の地方公共団体の長がしたものとみなす。」、これはこういう処分をしておるものがある場合においての、その処分の継続を規定したのでありますが、実際におきましては、殆んどこの適用を受ける者はないのであります。 第三項は「第一項の職員が引き続き公立学校(学校教育法第九十八條の従前の規定による公立学校を含む。以下同じ。)の事務職員又は技術職員となつた場合(その者が引き続き恩給法(大正十二年法律第四十八号)第二十二條に規定する教育職員又は準教育職員とみなされる者として在職し、更に引き続き公立学校の事務職員又は技術職員となつた場合を含む。)においては、同條第一項に規定する教育職員として勤続するものとみなし、当分の間、これに同法の規定を準用する。」、これは第一項の処置によりまして地方公務員になりました事務職員の恩給の継続を規定したのでございます。簡單でございますが、御説明申上げます。
○若木勝藏君 一つだけ質問したいのでありますが、第一項によりまして、「当該公立大学を設置する地方公共団体の職員に任命されたものとする。」と、こうなつた場合に、給與関係は支障が起らないか、これがどういうふうになるか。
○政府委員(剱木亨弘君) これは各儀上は文部事務官ございましたが、俸給とか一切の給與は、全部公共団体の方から支拂われておつたのでありまして、そのままただ名儀が切換えられるだけでありまして、給與その他には何らの影響を及ぼさないのであります。
○藤田芳雄君 只今のにやはり関連するのでありますが、今までにはこうした手続がなかつたから、いわゆる地方公共団体の職員でなかつたのですが、今度そうなりますと、先に決められました定員定額というようなこと、ああいうようなものとの関連はどうなるのですか。
○政府委員(剱木亨弘君) 公立大学だけでございまして、これは現におる定員だけは公立大学から支出しておるわけでございまして、例の定員定額と小学校中学校との関係は全然ございません。
○藤田芳雄君 中小学校関係のみが定員定額でなしに、地方に参りますということ、むしろ高等学校関係の方の教育職員の定員ということが大きな問題になつて来ておるわけなんですが、それに別に関係ございませんか。
○政府委員(剱木亨弘君) 小学校、中学校、高等学校については、定員定額がありますけれども、大学の方には全然関係がございません。
○鈴木憲一君 この第二項の「地方公共団体の長がしたものとみなす。」といしう該当なんですが、これは実際に適用者はないというふうに言われたのですけれども、これは過去においてそういう該当者があつた場合には、地方公共団体の長がしたものとみなしておるわけなんで、実際にはそういうのはないということになると、この項は必要ないのじやないのですか。
○政府委員(剱木亨弘君) 殆どないと申上げましたが、実は全部を通じまして、休職者が三級で一名だけあります。これは念のために申上げて置きます。
○河野正夫君 私は内容のことよりも、第二項のこういう表現が、戰後派の法律にはしばしばあるのですけども、事務当局に伺いたいのですが、[地方公共団体の長がしたものとみなす。」、これはこれでもよいものでございましようか。(文章の上で如何なものでございましようか。行なつたものとみなすというふうな意味なのでしようが、そういう表現は却つて何か支障があるのですか。
○政府委員(剱木亨弘君) 公共団体の長がしたのではないのでありますけれども、だからこの表現の仕方だと思うのですけれども、行なつたものとか……。まあ一応こういう用語例に従つてやつておるのですけれども……
○河野正夫君 まああるのならいいのですけれども……ちよつと内容のことですが、この法律が仮にできるとしますると、昨年公立大学の職員になつた者は、これはもとより、昨年新任と言いましても、他の公立学校の教育等をやつておつて或いは昨年他の国立大学におつて、或いは官吏になつておつて、それで昨年公立大学の事務職員技術職員になつた者は、恩給が継続するのでありますけれども、つまり地方の公共団体の職員になつても、恩給が継続するものでありまするけれども、この特例法が適用されておる地方教官の場合は、引続いておる者は勿論適用されますけれども、その後切れておつたような者は適用されない。そこに年度のズレがありますね。公立大学の事務職員で地方の事務職員になる者と、それから教員、或いは又高等学校以下の公立学校の事務職員といつたようなものは、時間的にズレがあるのですね。その点は考慮されておるのか、まあ考慮しても大したことはないという意味で構わずに置くのか、その点承りたい。大したことはないのですけれども、理論的に言うとズレがある。事実上大したことはないから構わんで置いたというのが、その点承りたいと思います。極く端的に言うと、これは恩給ということに関係が碌にないのです。事実上ないのですけれども、昨年新任された者は、勿論直ちに一般恩給には関係ありませんけれども、今退職するという場合にはありませんでしようが、併し、昨年新任されて、公共大学の事務職員になつて、今後十七年間おるという場合には、ずつと恩給が継続しますね。ところが、他の公立学校に教員をしておつて、事務職員をしておつて、休職した者は、恩給は継続しないのですね。だから、そういう者に公平に考慮がなされたのか、なされても必要がないという見解でありましようか、その点を承りたいと思います。 更めて申上げますが、只今公立学校に新らしく採用される者には恩給法の適用がないことは、御承知だろうと思う。それ故、昨年普通の公立学校の教職員に新任せられた者については、恩給の適用がない。併しながら、昨年公立大学に職員として新任せられた者は、まだ官吏たる身分があるから、恩給法の適用を受けつつあるわけです。そうして、本年この法律が通過したことによつて、地方職員になつてもその恩給は継続すると、だからそこに、同じ昨年度における地方の学校の教員なり職員なりに任命されておりながら、一方は若しも或る程度の年限を勤めれば恩給が適用され、一方は適用されないという不合理がある。その点につき、何分の考慮が拂われておつたかどうか、こういうことを一つ承りたい。できましたことは事実でございますが、やはりこれは、法律を制定する時期に食違いがございまして、そこにズレが起つたのでございます。併し、地方公務員になりました者については、新らしい規定によりまして、地方の規定によつて……恩給法によるものではありませんが、それに相当する待遇を受けると、これの方は、まあ同じ年度セはありますけれども、法律の時期によつてではありますけれども、恩給法の適用を受ける、その実際の適用の範囲は違いますが、どちらが、どちらが有利であるかというような問題は別の問題になります。
○河野正夫君 その説明で了承しておいてもよろしいのですけれども、念のために伺つて置きたいと思うのですが、例えば本年の四月に新規採用される地方の公立学校の教員乃至は職員については具体的に何らの恩給というものがないと思うんですが、地方が地方で特別な恩給の規定を持つておる自立町村はある得るわけであります。全般的に言えばそういうものはないわけであります。それ故それについてこれは地方の自治団体の公共団体の自主に委すべきものであるということであればとにもかくにもそうでないとすればなんらかの便法が講じられておるのか。或いはこれから講ずる予定であるのか、その点承つて置きたいと思います。
○政府委員(剱木亨弘君) 地方公務員につきましては、府県の條例で退隠料というのが恩給に代るべき制度としてあるわけでありまして……
○河野正夫君 一般的にあるのですか。
○政府委員(剱木亨弘君) 一般的にあるのです。恩給というのは退隠料という形に地方においては変つて来たと考えております。
○委員長(山本勇造君) 外に御質問ございませんか。質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本勇造君) それでは討論に入ることにいたします。御意見のお方は賛否を明らかにして御発言を願います。
○岩間正男君 討論を省略して直ちに採決に入ることの動議を提出いたします。
○委員長(山本勇造君) 岩間君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本勇造君) それでは討論を省略いたしまして、直ちに採決に入ることにいたします。公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案を原案通り可決することに御賛成の方は御起立を願います。 〔総員起立〕
○委員長(山本勇造君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨、及び表決等の結果を御報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本勇造君) 御異議ないと認めます。 それから本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の御署名を附することになつておりますから、本案を可とする方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 若木 勝藏 岩本 月洲 木内キヤウ 藤田 芳雄 河崎 ナツ 河野 正夫 岡崎 真一 梅原 眞隆 來馬 琢道 堀越 儀郎 三島 通陽 岩間 正男 鈴木 憲一
○委員長(山本勇造君) 御署名洩れはございませんか。 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(山本勇造君) 速記を始めて。ではこれにて散会いたします。 午後三時五分散会 出席者は左の通り。 委員長 山本 勇造君 理事 若木 勝藏君 岩本 月洲君 木内キヤウ君 藤田 芳雄君 委員 河崎 ナツ君 河野 正夫君 左藤 義詮君 岡崎 真一君 大隈 信幸君 星 一君 梅原 眞隆君 來馬 琢道君 堀越 儀郎君 三島 通陽君 岩間 正男君 鈴木 憲一君 国務大臣 文 部 大 臣 高瀬荘太郎君 政府委員 文部事務官 (大学学術局 長) 剱木 亨弘君 文部事務官 (社会教育局 長) 西崎 惠君 文部事務官 (調査普及局 長) 辻田 力君