電力問題に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1950/02/27
会議録
○委員長(飯田精太郎君) 只今から開会いたします。最初にちよつと御相談したいことがあるのでありますが、只今お配りしました今週の日程によつて進めて行きたいと思いますが、何か御異議ありませんですか。月水金という予定なんです。火木土が通産委員会の方の予定になつております。通産委員会と、この委員会と重なるとちよつと工合が惡いもんですから…… 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(飯田精太郎君) では大体これで進めることにして置きます。 それで三日の日の電力審議会の証言聽取は証人として松永安左衛門氏、小池隆一氏、三鬼隆氏、それから工藤昭四郎氏、水野成夫氏、それに随員として宮川竹馬氏、高橋正一氏、七名の方を証人として喚問したいと思いますが、お差支ありませんですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(飯田精太郎君) それでは三日の日の証人はそういうことに決定いたします。 —————————————
○委員長(飯田精太郎君) 本日は電気事業再編成に関する調査の一端としまして、東大教授の大山松次郎君の証言を聽くことにいたします。大山教授は昭和二十三年四月に商工大臣の諮問機関としてできた電気事業民主化委員会の委員長として活躍された方であります。 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律の第三條によつて宣誓を行うようになつていますが、すでに証人から宣誓書に捺印をして頂いていますので、御了承を得たいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(飯田精太郎君) それでは大山先生からは次の二点について約一時間の予定で御証言をお願いいたしたいと思います。第一に電気事業民主化委員会の審議の経過及び証言の内容について、第二に電気事業民主化委員長より見た電力審議会の方針に対する感想、この二点についてお話を願いたいと思います。
○証人(大山松次郎君) それでは只今の二つの点について一時間程時間を頂いてお話したいと思います。お手許に配付されております電気事業民主化委員会議事録というのが、非常に丁寧に記録を取られたものが、毎回前回の議事録を修正しながら進んだ、そのものがそつくり載つておりますので、これを仔細にお読み下されば逐一分るのでありますけれども、相当大部なものでありますからして、却つて取附きにくいのじやないかと思いますので、ところどころ御注意を申上げて、まるごとお読みになつたと同じような印象を受けて頂くという方針でお話申上げましよう。 第一頁にございますのは、設置要綱というのがありまして、閣議了解事項でこういう委員会ができたのです。その要綱、措置等があります。それにつきまして民主化委員会の規程を第一回の寄合のときに大体いたしました。この案は当時の電力局の人などでできたらしいものがありましたのを、当日第一回に寄りました者が多少意見を述べたり修正しましたけれども、大体それに則つてその規程で進めることにしたのです。 委員の顔触れは第一頁の下欄にございますように非常に各方面の人が寄つております。産業界からは石川一郎さん、それで府県知事としては福島県の石原さんと長野県の知事林さんと、それから東京都議会の議長をしておられた石原君とが出られました。これは長野、福島は発電県として、又東京のように大きな消費地という意味のように肯けられます。その他石炭の方面、或いは肥料の方面、農業の方面は纏めて農業復興会議議長東畑さんがおいでになりました。中小工業の方面としましては豊田さんが中小企業連盟会長として、或いは大きな電力を使う方の側として鉄鋼方面では三鬼さんがおいでになりました。その他ここにいろいろありますが、私が最初に行きましたときは、割合に当時の社会状態のためですか、労働組合の側の人が少くないという感じがしました。発電の方の日発の総裁、それから配電の方の関東配電の社長、その外つまり電産関係の、日発関係の人が一人、それから配電関係の人が一人、その外産別の人、それから総同盟の人というようなのがありました。金融界からは興業銀行の岸さん、学識経験者という中では商大の中山伊知郎先生も来られました。これも恐らく労働地方委員会の調停委員をしておられるからだと思います。私のようにふらつと行つた人間がうつかり指名された形で、つまり何の利害関係もないということが強調されて、二頁の議事概要のところにありますが、三頁のところには委員長の選任というところがありまして、前の日に電話があつたりしたのですが、やはりその日に自己紹介をして、後で皆んなで選挙したらいいだろうという私意見を述べて、そこに出たのですが、商工大臣より指名をした方がいいということになりまして、とうとう私は委員長ということになりました。従つて、それから半年ばからの間毎週金曜日に朝から晩まで開いたのでありますが、休めないで、学校の講義をその期間休んだりしたことを記憶しております。最初の日には参議院と衆議院から出る人は委員であるのかないのかというような議論が盛んでありましたが、ともかくオブザーバーというような恰好で出て頂くということで、それで結構じやないかということに落ち着きました。それから幹事としては、電力局の玉置電力局長がなつて、会社側から出すというのを皆さんの意見で止めになりましたことを記憶しております。まあ大体がそんなことでありまして、第二回目からは、相当知識がびつこであることから皆さん勉強して頂くという方針で、いろいろな電力事情……電力事業の事情を聽くことにいたしました。併し当時集中排除法というもので指定をされたりしておりましたが、配電会社も日発も……。集中排除法というものについてのことをよく聽こうということに決まりまして、二回目のときは、四頁の下にありますようにいろいろな題目を話合つたのですけれども、先ず集中排除法というものはどういうことなのかということで、特株整理委員会の方から一人来て頂きまして説明を聽きました。それからゴジックのところをちよつちよつと見て下さるといいのでありますけれども、五頁のところの電気事業のプール計算ということがよく出て来るのです。実際発電し配電するのに費用が違うのに拘わらず、日本国中統一した料金でやつておるのは、どんなような計算の仕組になつておるかということを聽いて、それから全国的に融通しておるのに給電指令というものが日発の中にあつて、それに配電会社が協力して日本国中に電力を配給しておる事情を聽くというようなことをいたしました。それから、その次は電気を使う方の側からの要望を聽くために石炭、それから鉄鋼業の方面、或いは化学工業の方面、中小企業の方面、一般家庭の方、これには東京の電力協議会の人が一人委員会に出ておりましたので、一般需用家として藤原さんのいうのが熱心に調べて来ては意見を述べられました。それから五回目からはその当時すでに電気事業を如何に再編成すべきかということについて、すでに案を公表しておられたものがあるのでありまして、それを一々どういう内容であるかということを知つて置く必要があるというので、電産案の説明を聽いたり、それから全国都道府県で公営案で行くという案がありましたので、その案も聽くというようなことをいたしました。従いまして日本発送電会社の案だとか、配電会社の案だとかいうようなものも全部聽きました。 それから大分足並が揃つて来ましたので、どういうふうにこれを検討するかということの問題になりましたので、銘々がどういう問題を考えなくちやならんかということを書いて出すように、私が先生業でありますからして、皆さんに宿題を出したのでありますが、笑話でありましたが、皆さんそれを紙に書いて出されましたので、それを整理しまして、それは九頁に生産部門についてはどんな問題がある、分配部門はどうだ、消費部門はどうだ、運営部門はどうだということをいたしまして、それについて又どんなふうに検討すべきだ、又どの順序で検討するがいいかということを皆さんに諮りまして、その検討をいたしまして、消費部門については十頁に書いてあります。分配部門についての話、これは念入りでありましたから一回で済みませんで、七回目の送電連繋及びその限度とか、或いは電源開発確保と発送配電の一貫性と分離というような問題も十二頁にありますが、十二頁には本州と北海道の間に送電連繋ができるかできないかという問題と、前の頁の四国との間は可能であるけれども相当金が掛かる。北海道はちよつと現在のところではできないという結論でありました。それから十四頁に行きますと、資金資材の調達とか合理的使用、或いは外資導入、外債処理についての知識も得ました。それから地区別料金原価というものがどれくらいになつておるか、十五頁にありますが、かようなことを段々やりまして、民主化委員会という面白い名前が附いておりましたので、事業を民主化するのにどうするかということについては可なり議論をいたしました。十六頁、十七頁、十八頁、その辺であります。 それで、現在日本発送電なり、配電会社もそうですが、企業の適正規模というような話が随分出ましたので、大企業過ぎやしないかということから、大企業の経験を聽こうというので、国鉄の人の話を聽いたことが十九頁にあります。それから日本発送電、関東配電を聽きまして、国鉄の話から、信濃川発電所は運輸省でやつたのと電力会社で開発したのと二つありましたので、それの役所仕事と民間仕事でどう違うかというようなことの論議をそのときにいたしました。それからそれらの運営についてさつき国鉄の話がありましたが、その後日本製鉄の話なんか二十二頁からありますが、それから日本通運の話、大きい事業がどういう経営でやつておるか、外資導入の見通しについては特別に岸委員が調べて下さいまして、このときはここの代理の方が来て細かく説明されたと記憶しております。都合が惡くて…… そうこうしておるときに、二十四頁にありますが、配電会社が集中排除の指定から解除になつたのであります。集中排除に一但指定はしたけれども、九つの配電会社は更に分割する必要はないという意味のことが発表されまして、そのことについての細かい論議がありました。 それからこの先の開発のことについて五ケ年計画の話をよくするということになり、基本項目の内容検討の続きに移りましてからは、電産というものに対する皆さんの考えを纒めるために、相当論議がありまして、それから集中排除法と独占禁止法とが電気事業とどんな関係があるかということと、自家発電の措置並びに自家発電で開発すること、それから産業立地計画、そういうことにつきまして、各方面からずつとそこに論議が書いてありますが、いろいろとあつたのであります。ところがその時分で、もうそろそろ論議が済んだから一つ案を出そうでないかということになりまして、それで私は、それまで幹所をしておる側の人が、今までのところを纒めて案を書いたらどうか、ということを考えておりましたのですが、皆さんが、でなしに幹事の方でそれを断わられまして、それでは私素人だけれども、一つ案を作つて見ようというので、三十二頁にありますのが、その後大山試案と名前をつけられました試案なのであります。でこれは皆さんから散々検討して下さつて、答申になる時分には可なりこれが変つてはおるのですけれども、大体そのときの名前が最後まで残つてしまつた恰好であります。新聞記事に載せることについても、新聞社に発表する案文まで皆さんの意見を聞いてするというような愼重さであつたことを記憶しております。三十四頁のところからその逐條的な討論をしようという、全体的の討論が済んでから逐條的に行こうということがありまして、そこにあります。その前にもう一度三十二頁を見て頂きます。いわゆる大山試案というのは何を言つているのかと言いますと、方針としまして、一つはサービスの改善だとか、経営責任体制の確立というようなことがありますし、産業民生における電力の重要性に鑑みて、電源を積極的に開発し易いようにしようではないか、電力施設の効率的利用を図るために、地帶間の電力需給を円滑にするあまり、各地区の電力を著しく不均衡でないようにするということ、急激な変革をやりますというと、経済再建の途上に混乱を起す虞れがあるから、そういうことは避けようというような方針で、どういうことになるかというのが要領の一にありまして、組織は日本発送電会社は普通の株式会社に、現在のような特別な株式会社でなしに、普通の株式会社にして、電気事業でありますから、これは当然国家の監査を受ける、監督を受けるという意味なんです。それから北海道と四国は、現在繋がつておりませんから、それは切離して発送配電一貫の事業として、私の考えではそれをテスト・プラんとのように考えて、そして本州と九州は現在融通を甚だしくやつておりますから、開発が済むまでこのままにしておいて、そして北海道や四国の経験を以て適当の時期に考えるという、こういう頭の中だつたのであります。併し後ちに段々述べますように、北海道、四国は、今切離したのでは、これこれこれで困るのだということが強くて、これは私の説が通らなかつた恰好なんであります。運営のところは、いろいろな委員会をおきまして、もつと民意の通るようにするということでありました。サービスをよくするとか、プール計算を廃止して行こう、建設につきましては、誰でも電力開発がやれるようにしたい。現在でもそうなんですけれども、如何にも日本発送電会社だけが開発しておるような印象を受けておりますから、そうでなく、一般に誰でもやれる、配電会社でも、又非常に電気を使う産業の自家用としても、やはり小水力開発でもいい、三番目にありますように、いわゆる治山、治水等の大掛りなものは、これは採算の取れないところでも、必要があるところがありますから、それは政府でこれをやつたらよかろうと、大体のことを決めておいてある。ところが逐條審議を段々やつて行きまして、三十九頁の十二回ですが、そこらも散々皆さん言いたいことを言つて下さつたわけですが、その辺は飛ばして行きましよう。それからその辺からどういうことになつたかと言いますと、これは十分数字を扱つて研究しなくちやいかんというので、小委員会を作りまして、四十四頁にございますが、北海道、四国地区を分離するという私の原案に対しまして、それは電線は繋がつていないけれども、資本的に繋がつておるが故に、開発も行くし、又石炭の購入というような面からも地区的に繋がつておるのだという話があつたりしましたので、それを精細に研究して頂くために、北海道、四国地区分離に関する小委員会は岸喜二雄さんに小委員会の主査をお願いしまして、それからサービす改善と行政機構についての民主化なんということは、石川一郎さんに主査を頼みまして、それからプール計算は不明朗だというので、これをはつきりしようというのは、三鬼さんにお願いしたのでありますが、日鉄の三鬼さんにお願いしたのですが、当時日鉄の方も同じような整理の意味で忙しいので、代理に高橋さんにやつて頂きました。この三鬼さん、高橋さんは今度の五人の……電力審議会でも相当勉強して下さつた人ですから、ちよつと覚えて置いて下さい。そうして十三回のときには、その第二小委員会の報告があります、ずつと……。それから四十四頁に行きますと、北海道及び四国の「国」が取れておりますが、地区分離の小委員会の報告があります。それから四十八頁に行きますと、プール計算の小委員会の報告があります。これらは終りの方に確か表だとか、何かありますが、この数字を使うのでありますので織込みになつておるのが、終りの方に出て来ますが、それらが皆報告にくつ附いて出て来たわけであります。北海道、四国地方分離に関連しまして、五十二頁には四国の住友共同電力というのが相当大きな事業であつたものか、電力管理令で大部分日発に移つたのを、この際元のようにしたいというようなふうに取れる意見が出て来ましたので、それも聽取した次第であります。プール計算の問題だとか、五十六頁に電産労組東京都支部の抗議文なんというのがありますが、その当時からそろそろあちこちから私の家へ向つて沢山の大山試案反対の意味の電報だとか手紙だとか来ました。私の記憶では二千通を超したと思いますが、外の委員諸君に聞きましたら、それぞれへも行つたそうでありますが、そんなことがありましたけれども、この五十七頁の中山さんの意見は、これは大変いい意見だと思うのですが、電気事業の適正規模、電気事業は大き過ぎるとか小さ過ぎるとか、どれぐらいが丁度いいのだということについて、学問的に研究して見て呉れないかということを頼みまして、まあ平素からこういうことについての造詣の深い方ですからして、外国のこういうことを論議した書物なんかの例を引かれまして、適正規模についての意見を書いておられます。上の段の終いから二行目の第一は、組織の指揮監督、リーダーシツプということから論議され、第二は下の欄の真ん中から後の「規準は組織のバランスである」という見方、それからひつくり返しまして、五十八頁第三は「企業のスタビリテイー」という考え方、第四は下にありますが、「組織の弾力性と発展性」、第五は「人的管理の能率発揮」、こういうようなことから論議して行つて、経営経済学的なものからはどうだということは、五十九頁の上段の真ん中辺にありますが、「以上の諸点からの結論はどうかと言うに、何もないと言わざるを得ない。蓋しそれは第一に電気事業の適正、規模は何を前提として考えるのかはつきりしない点にあり、例えば開発をも含んだ適正規模か否かによつて結論が異る。第三伝々」というわけですが、その容易に適正規模なんということは、これくらいだということは言えないということを言われたので、それについて皆が又わいわいと論議しておるところが書いてありますが、これは非常に面白いと思いますそれからTVAの方式につきまして都留さんに来て頂きまして、精密な説明を聽きまして皆勉強しました。それから尚小委員会が続いておりまして、北海道、四国地方のことも書いてありますし、サービスの委員会、プール計算の委員会、その当時、今度は六十九頁にあります四国の四県共同公営というものについての案が提出されて来まして、それの説明を聽きました。その次に七十一頁にありますが、自家用動員費と言いますのは、石炭の山元で石炭を焚いて発電して貰つた方が、その当時は電気が高いのです、でありますから、それを日発から石炭代を拂うとしても、非常に経済的に妙なことになるので、実際はなかなか焚かないで、自分の方で焚いてその電気を使うのでなしに、日発から安い電気を買つて、発電所があるのに拘わらず、その石炭を売つてしまつた方が得であるという妙なことがあるのを如何に凌ぐかという問題がそこに出ております。これはみすみす働かることであるならば、理屈はよくても、できないことだということの一つの論なんでうりまして、これもちよつと記憶に留めて置いて頂きたい。 プール小委員会の検討、配電の適正規模というのが八十二頁にあります。発送電の再編成、まあ私が今細かに申しておりますのは、この辺にありますことは、かように皆さんがもう逐一疑問の残らない程度に言いたいことを言い合つたわけであります。 そうしてこの百二頁の辺に来て、もうそろそろ答申をしようじやないかということになりまして、答申案を、これは幹事役の電力局で相当手伝つて呉れまして、文章その他、私も掛り切りでおれませんから。その案ができましたので、それについて論議した。これは字句についてまでその辺はしたのであります。そうして最後は東京におつて一日やつておりますけれども、やはり多少の人数は、用事があつて半日で、お帰りになつたりする人があるので、罐詰にしてやらなくちやならんというので、伊東に参りました、百十三頁から小委員会の答申がいろいろありますけれども、それにまあ図表だとか数字だとかあります。結局伊東の日本発送電会社の寮を借切りまして、そこへ二日間、二泊三日間泊り込みまして、そこで何としても決めてしまうという筆法に出て、そこで案を拵えました。拵えましたときの幕切れで相当言い合つたのです。言い合つたのですが、ともかく一致して、それを東京へ持つて帰つて、清書したものをもう一遍見てということになりまして、できましたのが百三十二頁にございます。 百三十二頁から先が答申案なんです。三枚です。このたつた三枚拵えるのに、結局半年潰した恰好になつたのですけれども、十月一日に私これを朝早く持つて行きました。それから数日ならずして内閣が変つてしまつたので、ちよつとこれは拙かつた。時期としては変なことになつたのですが、このときはこういう形に皆が揃つてあれしまして、基本方針は、「電力の生産増強とサービスの改善を図るため伝々」ということ。二番目は、「産業の民生における電力の重要性に鑑み、電源の積極的開発伝々。」三、四、その辺は大山試案のときに申述べました。方針は皆さんの意のあるところを、私が原案作りましたときは散々論議された。一番皆さんが意見の一致したと思われるところを書いて置きましたからして、この基本方針なんかは殆んど手を加えられずに済んだのです。 その説明は非常に苦心をしたところでありますので、恐縮ですが、これは読みながらちよつと説明させて頂きます。 「本委員会は電気事業の現状について、広汎な資料に基き審議を遂げ、又運営の実際についても調査を行なつた結果、電力問題が主として絶対的な電力の不足と」、絶対的なという意味は、絶対量が足らん。もうちよつとという、まあもう少し儉約すればという程度でなしに、可なり足りないので割当をやつておるという現状なんです。それから「電気事業の二元的な運営」というものが、つまり発送電は全国的にやるが、配電は地区的にやるという、「二元的な運営による経営責任の不明確とにあることを了解した。問題の根本的な解決のためには組織、運送、開発について総合的な改善が必要である。併しながらこれが解決の時期の選択は我が国の産業復興に占める電気事業の重要性に鑑み、特に愼重であることを必要する。即ちこの際の措置として電源の積極的な開発と経営責任体制の可及的な確立を目途とするも電気事業の再編成によつて再建途上にある我が国の経済に過度の混乱を誘致することはこれを避けるものとし事業の根本に触れる変革は客観情勢の安定と相俟つて考慮することが至当であるとの結論に到達した。」今こうこうにぴしやつとやる時期じやないということは皆、考えたわけなのであります。で従つてこれから言いますと具体方策ということは、それまでの暫定的なことということになるわけであります。 組織の方では日本発送電会社は普通の会社にしてしまうということと、それから、北海道、四国を切り離してしまうということが、そう言い切れなくて「北海道及び四国地区においては、電源開発、現行の料金地域差、並びに事業の收支に惡影響を来さないよう適当な措置を整えた上に発送、配電一貫事業とする。」というのでありますから、そういう時期まで待つて北海道、四国地域を別のものにするのだという言い方に変りました。その説明が縷々ございます。 それから次には「本州及び九州地域においては、地帶間に於ける電力融通を必要とする限り、原則として、発送電は一本とし配電は一応現状のままとする。但し必要ある場合は各会社相互間に所有設備の再調整を考慮する。」やり方をうまくやるために発送電会社の一部分の送電線や、発電所を配電会社へ移すとか、配電会社のものの一部分を発送電に渡すとかいうようなことは、これを適当にやるのだということであります。 それから運営につきましては、電気行政機構の民主化を相当やろうじやないか。電気庁を拵えて、そうして委員会を置く。地方なら地方の委員会を置くという趣旨のことがそこに書いてあります。配電事業のサービス面について云々というところもそのことが書いてあるわけであります。それから供給條件等の改善のこと。又次には、従来のプール計算の廃止をやろう。 それから建設につきましては、「電源の開発については可及的にこれを一般に開放して、」これも原案の通りであります。それから自家用、並びに地方小水力、それから治山、治水の問題、外資導入の問題、「其の他」としましては、研究機関をちやんと置いて電力経済というものを、もつと明るくしようじやないかということ。それから外債の処理をやつて、外資導入の上に障りのないようにしようということが一つ。どこで私読み落しましたか、配電事業については後にこれを考慮するということを、ちやんと書いて置いたつもりだつたのですが、石原そんどこだか記憶ありませんか。
○石原幹市郎君 「一応現状のままとする。」という一応の時の
○証人(大山松次郎君) 時の説明でしたか知らん。
○石原幹市郎君 ええ、説明じやないでしたか。
○証人(大山松次郎君) もつと後には考えとしては、つまり配電事業を県営でやるかという問題は、今十二論議できなかつたから、一応このままにして置くという意味なんです。どこかに書いてあるんですがね、ちよつと……。で、かように非常に部厚なものでありますが、これが出しまして、そうして続いて第四の小委員会というものを作りまして、「其の他」というところの研究機関についての小委員会をこの後数回開いておりまして、併し内閣が変つてからは、段々と、何といいますか、人気がなくなつたといいますか、興味がなくなつたといいますか、第四委員会の結論ができてからは、一度集まつてと言いながら、もう少し新大臣がこれについて了解がついてから集まつて頂こうと言いながら、ずつと日を送りまして、電力局長も送りますし、それなりになつておるのであります。 今までの経緯の中で一つ落したことを今思い出しますというと、この委員会が始まつて間もなく、当時の政府側であつた社会党から、電力国営案という案が出たんです。そこで又委員会では可なりいきり立ちまして、自分らが審議しておるのにも拘わらず、電力国営案というものが出たんじや、それはどういうわけなんだということで、水谷大臣を呼んで来て、一体どうするんだということになりまして、それは、どこかこの中に書いてあるんですが、私見落しました。初めの方だつたのです。そこで、いやそれはお願いした以上、この委員会が一致してこういうやり方がいいと決まつたら、それはそれに則つてやるんだということ、そんなら続けてこの委員会をやるということになつたことを記憶しております。併し先程も申しましたように、これができ上りましたら、間もなく社会党内閣は辞めになりましたので、余り丁寧に答申案を見て頂けなかつたことを、委員長としましては、他の委員の気持を察して残念に思つておる次第であります。而もその後同じような意味で、全く別の五人委員会が昨年できまして、私共それを他所ながら見ておつた次第でございます。この程その方の結論も出たようでありまして、二つの委員会の報告から、皆さんにおかれましては、事情御賢察の上に、最もいい案を採つて処置されるように希望する次第であります。 第一の問題につきましての経過報告、以上でございます。ここで一遍皆さんから御質問でもありましたら……
○委員長(飯田精太郎君) 何か御質問がありましたらお願いいたします。
○水橋藤作君 この委員会が開始されたのはいつですか。
○証人(大山松次郎君) それは一昨年の四月の第一回の会合、ここにありますが、三十日です。
○水橋藤作君 昨年ですか。
○証人(大山松次郎君) 一昨年の……
○水橋藤作君 一昨年の三十日……
○証人(大山松次郎君) 四月三十日、答申しましたのが十月の一日であります。二頁にございます。四月三十日。
○水橋藤作君 今度の九分割につきましては、別に答申案もないし、又今初めてこの電力問題を皆さんが取扱われるわけですが、九分割問題に対しては何か関連しておられますか。
○証人(大山松次郎君) それはこの民主化委員会は、その後ずつと開いておりませんから、今度の松永委員会が出来ますにつきましては、こういうような人選で、こういう委員会を作ろうと思うがどうだろうということの相談は何ら受けておりません、全く独立のものであります。私個人としても、今度の委員会に入らないかどうかということは聞かれたこともございませんし、どういう人がいいだろうということを聞かれたこともありません。
○結城安次君 ちよつと大山さんにお伺いしますが、この答申案を拜見しますと発送配電を統一しようという、一元化しようという何はありますか。四国と北海道だけは……九州、本州を一貰にしようというのは、つまり四国、北海道は連結ができないから、九州は連絡ができるから一緒にしてというのは……
○証人(大山松次郎君) 現在できておつて三万キロ程を送つておる状態です。
○結城安次君 そうするとその結論はやはりあなたは現在の状況がいいので、つまり発送電一本になつておりますね、それを発送電の配電会社をくつ附けて行くのがいい……
○証人(大山松次郎君) そうです。
○結城安次君 発送配電いわば極端に言えば三つ……。四国、北海道は送電線の連絡がないから……
○証人(大山松次郎君) ちよつと違いますね、発電、送電、配電をずつと一貫して経営した方がいいという意見は皆さんがそうなんですから……それを実現するためには、北海道とか四国はそつくりそのままやつても別に驚くべき大きな会社にもなりませんし、集中排除の問題にもなりそうもないし、問題ないわけです。
○結城安次君 その次に九州だけでそういうものを作つたらどうなるか。
○証人(大山松次郎君) 九州は現在一つになることができない、電気が足りませんから。もつと開発が進まなければ電気が足りないのです。今九州は本州の方から三万キロ貰つておるのですから、それで漸く凌いでおるのです。もつといい時期が来なければそういうことは考えられないのです。こういうわけなんです。
○結城安次君 随時に対談してよろしうございますね。九州が本州から援助を受けておるその間はいつまでもできないということですか。
○証人(大山松次郎君) そうです。
○結城安次君 そうすると結局……
○証人(大山松次郎君) それはちつとも受けなくてもそのことが外の人の……私がと言われると困るのでありますが、松永委員会は、新聞で見ておるようなああいう委員長ではございませんで、皆さんのおつしやることは、こうこうらしいということを纒めて言つたような委員長ですから座長に過ぎないのですから、皆さんはこれは困るじやないかということだから、私の原案はこうなつておる。
○結城安次君 そういうことを……
○証人(大山松次郎君) 九州だけを別にしたらえらい高いものになるのです。売らないというなら九州はやつて行けないわけですが、そのときよく話したらこういうことを言つておつた、二合三勺をあと二勺、二合五勺にすればと言つたりしますね、九州五十九万キロのうちたつた三万キロじやないかというが、この三万キロがものを言うのです。そのものを言うのが関門海峡を通つて送電線に今行つておる事情です。石炭が安くなつて来て、水力も開発されて来れば、契約した以外にできますが、今のところは一方的に買わなければならん時期でありますから……
○結城安次君 こういう話が出なかつたですか。つまり電力管理法案のできる前の形にしたらというようなお話はありませんでしたか。
○証人(大山松次郎君) 前の形に産業の方がなりませんから、電気を使う方の側……、戰時中の日本の産業というものが日本の電気事業というものを一貰、一貰といいますか、全国的に融通して使うということを前提にして、軍事上の問題とか、妙なところに大きな電気の要る工場ができてしまつたり、それは数年かからなければ丁度いい工合に電気の豊富なところに電気を余計使う工場ができるというようにはならないのですけれども、現在九州が国家として相当必要な産業があつて、それが本州の方から電気を送ることによつて成立つようにできておるものを、ぽんとやつたら電気事業はそれでいいかも知れないが、日本の産業きそれでは困るのではないか。
○結城安次君 それでは過渡的に云々とありますが、過渡的な混乱を避けるためにというのでありますが、そういう意味なら現在非常に必要なところなら仮に分断してでも或る時期まで過渡的にそういう融通をさせようではないか。
○証人(大山松次郎君) それを分割する人の側の案ですけれども、その当時から九分割の案はあつたのです。けれども九州の人が好むのでなければ困るでしよう。九州の人がみずから俺達はそれでいいからやろうという勢いになつて来なければ困るのじやないでしようか。その人達が困ると言つておるのにお前勝手にやれというわけには行かない。
○結城安次君 困ると言つていてはいつまでもできない。
○証人(大山松次郎君) 困つてもいいから、困るものを犠牲にしてもやろうということならできますが、やつたことが善であればいいけれども、皆さんがいいと言わなければ座長としては……
○結城安次君 いや、あなたのこうしたことを云々するわけではない、そういう話がなかつたのですか。
○証人(大山松次郎君) ありました。ただそれは少数意見であつて……
○結城安次君 委員の顔触れを拜見すると皆すべて統制経済になりそうですね、新らしい……。先ずずつと誰を見ても戰時中に漸く昭和七年或いは日支事変の十二年の頃に課長係長あたりになつておつたように今ですね。(笑声)前の自由経済というものは本当にサービス專門は、民主化という言葉はなかつたがサービスをうんとすればそれが民主化ですわ。そういうときに苦しんだ人は一人もいませんね。
○証人(大山松次郎君) そういう時代から苦しんでおる人もそうかも知れませんが、私の考えでは発送電というものにして、日本の何といいますか電力を極度に利用して国力を結集して送つたというような、そういうことがなければ九州の方でももつと発電所も殖え又産業の膨脹も抑制されておつたのでしようけれども、電気を買つてもいいという形態のために産業も膨脹し発電所の建設も遅れたのですね。そういう現状になつてそこに一つ皺ができておるのを、それを無視してぽつということはこれは無理なんじやないですか。私は時間がかかると思うのですが。
○結城安次君 私から見ると、電力管理法案とは別だつたのです。昭和十二年頃から電力は豊富、低廉ということが最大のモツトーだつた。併し低廉に電気がなかつたことがない。すべて不足、高價、それだからそこに大きな混乱がもうすでに来ておるのだから、今度も混乱なしにできるものではない。或る程度の混乱を予想して上でそれをやらなければ万年もできない。このままで行けばいつまでも停電されてローソク買いをする。(笑声)
○石原幹市郎君 次の問題に移つて頂きたいと思うのですけれども、五人委員会の方の批判に移つて貰いたいと思います。
○委員長(飯田精太郎君) それでは第二の問題に移つて頂きたいと思います。
○証人(大山松次郎君) 皆さんお持ちかも知れませんが、私も一部頂きまして、電気事業再編成審議会、松永さん、工藤さん、小池さん、三鬼さん、水野さん、二月一日附で稲垣通産大臣に提出されました電気事業の再編成に関する答申、私のこれを見ました感想を申述べろということですが、この電気電業再編成に関する意見(別紙第一)というのが私共の答申と並行した問題でありますからして、これについてお話することだと思います。別紙第二の方は、電気及びガス事業並びにこれが行政機構に関する立法措置についての意見、これは大変私共の考えとは違いますが、結構だと思う考えであります。第三番目の自家用発電所返還に関する意見、これは極く簡單な返事しか書いてありませんので、これもどうということはありません。 それから別紙第四がいわゆる松永案というのでありまして、これは他の四人の方が賛成なされなかつたらしく、文書が説明が附いておりまするのですが、併し多年の蘊蓄を傾けたものでありまして、その内容において傾聽すべき尊重すべき点が頗る多いと信じます。だから「有力な参考意見として尊重されんことを切望して止みません」、とこう書いてありますが、私も確かにそうだと思います。 別紙第一につきましては、これに書いてございますることは、私共読みまして一々尤もであります。それで一昨年の私共が答申したときのナンバーとしての三鬼さんがこの中に加わつておられ、私共のやりました委員会の論議は、三鬼さんを通じてこの委員会へ相当反映しているということが想像できますが、一年半経つて、一年半まで経ちませんが、まあ一年余経つての現在でありますからして、電力融通を必要とする限度をできるだけ最小限度にするというところに案が持つて来られておるような感じを受けます。現在の日本発送電の設備を四二%にまで絞つても、先ず何とかやつて行けそうだ。相当の融通電力が残るけれども、やつて行けそうだという結論が出ておりまするので、これにつきましては、数字的な論議が十分なされておりまするので、感心しておる次第であります。基本方針の最後のところに「これを要するに本審議会は、我が国経済の安定及び電力需給の均衡の達成の日において概ね松永会長の提案による九分割を実施すべきことを勧告し、これと同時にここ暫くの過渡期における暫定的措置として、電力融通会社の設立を根幹とする以下の具体的方策の採用を勧告するものである。」こういうふうに書いてございます。初めから分割するという前提の下に進んで来られたかに、新聞記事なんかで読んで想像しておるのですが、そうしますというと、前の委員会と違つて、こういう程度のところまで行くということも考えられますことで、私はこの答申案は結構だと思います。 それから具体方策の方へ行きますと、七頁の終りのところにありますが、「将来地方公共団体の配電事業経営開始により供給区域が変更せられることが予想せられるが、これらの点については、主として配電サービス改善の見地から決定せらるべきである。」これは前に私が申しましたことと同どことであります。地方で配電事業が別に起つて来ることが予想してある話でありまして、これもあの時代から考えれば当然の進歩だと私は考えます。 それから具体方策の説明のところで、九頁のところですが、九ブロック会社ができたときに、一〇・一%の年間電力量においての不足が起る、最大電力においてつまりキロワット・アワーにおいては二三%の不足ができるというようなことを結論されておりますが、これは資料の二というのを私もよく調べて見ましたが、その方面を担当しておる者の調べを見ましたところ、確かにこの数字は、余程上手にやつてこの程度で、うつかりするとこれを越す程度だということも分りましたので、この数字も動かんところでおると思います。それからその頁の終りから三行目、一〇・九%と一四・八%の更に不足が起るぞという話は、融通会社がない場合のことを書いてあるのですが、この数字もよく調べて見ましたが、相当根拠のある数字で、先程伺つて見ますと、金曜日においでになる三鬼さんに随いて来られる高橋さんの苦心の作らしいのですが、高橋博士の熱心な計算の結果だと思います。それの数字と、松永さんの参考案に三%に過ぎないという案があるのですが、それは別冊として私は貰つたのですけれども、これはその道の連中のポイントになることですが、地区別会社年間需給対照表という第二表の一及び二ですが、それに数%だけの過不足であるということと、それから五人の人の答申案の方のそれに相当する数字とに開きがあるのです。三十九頁、四十頁にありますが答申案の方のものでありまして、それに対してこちらの方と食違いするということですね。これはよく御理解して頂かないと困ると思いますが、三十九頁の例で申しますと、一番上の欄に東北に関東から、又中部からこれだけ送る、二十三年度の融通電力が書いてあります。その次の欄は関東に東北から、中部から、関西から送る、こういうふうに東北と関東を取つて見ますと、東北から関東にどれだけ融通した、関東から東北にどれだけ送つたというふうにしてあるのです。それを相殺した数字が参考案の方には出ておるのです。それはどういうことかといいますと、やつたり貰つたりした、一ヶ年の総決算では数パーセントに過ぎないということを参考案では言つておられるのですし、答申案の参考案でない方の案は送る方はこれだけ送つた、貰つたのはこれだけ貰つたというのです。それで時期が違うために、雨の降り方、電気の使い方とか、時間的ズレがありますから、日にち的にもズレがありますから送つた方、貰つた方というものが別々に寄せ算すると大きな数字になるし、それを相殺した残りでは結局どれだけやつたかということになると数字が僅が少くなる、このことです。これはちよつと注意して読みませんとお読み落しになるのじやないかと思います。電力事業の技術的に面から申しますと、相殺することのできるような場合もありますけれども、自分の方で余つて向うに買つて貰つたという形くらいに電力が豊富でないと、或いは余力がありませんと、隣りの会社に売るのは大口で売ることになり、自分の方でも足りないのを制限して敢えて隣りの方が更に気の毒だからといつて送ることはなかなかやりにくいのである。それで自分のところを小売してしまえばうんと儲かるのを、隣りの会社に卸売りして儲からない恰好で売るということはなかなか困難なことでありまして、やはり参考案並びに答申案の方の数字の方の考え方の方が実際に当つておるのじやないか、こういうふうに私は思うのであります。それでこれを読んでおりまして数字的に論議する場合に起る大きな問題だと思いますので附加えたいと思います。後答申案につきましては、一々五人の方が論議されたところであつて私は結構だと思つております。参考案につきましては今のこの表の内容が相殺した結果が出ておるということと、もう一つはその程度であるから公共事業委員会で世話をして行くだろうという見通しはちよつと無理ではないか。現在発送電会社が全国的な通信設備を持つておりまして、朝の六時の水の出方、八時に全部終り、その日のうちにどういうふうに電気を送る、どういうふうに水を貯めるという指令を出しておるようなやり方は、委員会組織でそんなことはちよつとできない。日常業務でありますからこれはできないと思います。成る程これが参考案として本当に答申案にならなければならいということも読み取られるわけであります。細かいことはまだいろいろ感じますけれども大体のところはそういうふうに私は思つております。
○委員長(飯田精太郎君) 何か御質疑ございませんか。
○証人(大山松次郎君) 全く別な話なんでありますけれども、このアメリカのエレクトリツク・アォールドという雑誌の昨年十一月号に、アメリカでも電力が不足しておつて困つておるのですが、こういう見出しなんであります。その電力の調整余力というのが一五%なければならないのだが、その一五%にこの一九五一年になるということを調査した報告があります。日本では余力なしにやつてあるものでありますからしてあちらこちらに不足があるのであります。その余力ができる時期が来れば本当にあちらこちらでやれると思うのでありますが、今電力統制をやつておりまして発電所の新設というものをずつと抑えて来たために、過去何年間か発電所を建設して置くべきものができていないためにこんな状況になりまして、ここ五ヶ年計画を今やつておりますが、もう一回第二次五ヶ年計画もやれる時期が参りましたならば、もつと楽な昔のような経営ができるのじやないかと、そういうふうに想像いたしております。開発が第一で今はどんなに会社をいじくり廻して見ても電気が殖えるわけではないのでありますから、当分開発がやりいいようにして置きませんといけないのじやないかということを私共は考える次第であります。
○結城安次君 ちよつと役所の所に伺つてよろしうございますか。
○委員長(飯田精太郎君) どうぞ。
○結城安次君 ちよつと伺いますが、日発から電源開発の出願が出て来るとあなた方でそれをやるわけでありますね。それで許可までの間に大分時間がかりますか、或いは戰時中はいたし方ありませんが、終戰直後、日発からこちらをやりたい、あそこをやりたいということがありました場合に、それで許可になつたのはどのくらいですか、出願中のものはどのくらいありますか。
○政府委員(始関伊平君) 今の建設の出願者でございますね。電力管理法で建設命令というものを出しております。その場合には水利の使用の関係で建設省或いは府県の方に相当折衝して、話が進めば建設命令を出すことができる。今日まで出ることに決定した見返資金に見合うようなものにつきましては、大体建設命令が出ておるということになつております。
○説明員(豊島嘉造君) あれは水利権の出願が府県に出まして府県から建設省と通産省に出願が出るわけであります。それで通産省と建設省で話合つていいとなれば府県から何が出るわけであります。それに今は政府としては司令部の認証が要るわけであります。司令部の認証が得られせんと建設命令が出ない。その司令部の認証は一番初めの例では、やはり約一年近くかかつたのでありますが、今その点は資金とかいろいろな面の大体見通しがつけばそんなにかからない。恐らく一ヶ月か、二ヶ月ぐらいで司令部の方も呉れると思います。初めは一年以上もかかりましたが、今後はそういうところが建設省と通産省との間の協議等がつけば計画について数ヶ月で建設命令を出すようにできると思います。
○結城安次君 そうすると認証ですが、これは大体計画通りできますか。ここに完成二十五年四月とかいろいろありますが、これはできますが、例えば火力で言うと小倉のが二十五年四月となりますが、来月できますか。
○説明員(豊島嘉造君) 小倉の分は見返資金もついておりますから……大体丸のついた分はこの通りできます。
○結城安次君 これは金が出ておりますか。
○説明員(豊島嘉造君) 出ております。
○結城安次君 これは(表を指しながら)できておりますか。
○説明員(豊島嘉造君) これは出力増加ですね。できました。
○栗山良夫君 私大山先生の御意見も併せて伺えれば幸いでございますが、資源庁の始關さんにお伺いしたいのです。四国の問題ですが、これが今非常に問題になつておるのは住友系の分水のの発電所の住友への返還問題ですが、これが政府の方でどういう工合にお考えになつておるのか、住友からの要望、それから四国の一般消費者或いは事業者からの要求が錯綜しておりまして、私共いろいろなニユースを聞いておるわけでありますが、どういう状態になつておるかおつしやつて頂きたい。 それから第二点は、同じく徳島県の那賀川の電源開発の問題が、これが徳島県営であるとか或いは発送電、或いは住友共電で行うとかいろいろ言われておりました。この問題も地元としていろいろ各方面に影響を與えておるようでありますから、政府の方針を一つ述べて置いて頂きたいということであります。 大山先生にお伺いしたいのは、四国のような特殊な水力電源地帶におきましては元住友系の分水の発電所、ああいうものの返還問題が起きておりますが、四国全体の電力安定の立場からいたしますならば、どういうふうにすべきであるのか、こういうようなことをどうお考えになつておるのかを伺いたい。 それから四国で一番有力な那賀川の未開発水源地帶でありますが、こういうものも住友のような一つの自家発電のようなもので開発して行くべきものであるか、その他今三つの案ができておりますが、どこでやるのが一番適当であるとお考えになるのか、その点を民主化委員会でいろいろ御研究願つた結果から一言お話を承わることができれば幸いだと思います。 それから第三点は北陸の元黒部川電力の問題でありますが、黒部川電力が確か総計で七万キロばかりの出力を持つておるわけでありますが、その中で電気化学の青海の工場へ大床、小瀧の発電所から総計で一万三千キロばかりでございますが、これをやはり返還して呉れという運動が相当あるように聞いておりますが、こういうものは今度の再編成問題に関しまして、黒部川電力そのものが一体どうなるのか、これが第一点。それからもう一つはその中で姫川系の大床、小瀧の二つの発電所が電気化学の工場に返還を要求されておりますが、これはどういうように措置されるのか、その辺を伺いたい。
○政府委員(始関伊平君) 第一点の問題でございますが、実は電気料金の地域差問題が段々大きくなるに伴いまして、従前自家発電又はそれに準ずるような企業形態であつたものにつきまして返還と申しますか、譲渡すべしという要求が各方面にあります。只今の四国の住友発電の問題もその一つでございますが、こういう問題につきましてどういうふうに考えるかという問題は、なかなか重大な問題でございますので、再編成審議会に再編成に関連いたします一つの問題といたしまして審議して貰うように依頼をいたしたのでありますが、再編成審議会にいたしましては若干の例外を除きまして、これは信越化学の志久見川でありますが、それ以外のものにつきましては、再編成ができました将来の電力の行政機構において適当に措置するというようなことにいたしております、これは御承知の通りと思いますが……。尚この四国の具体的な問題につきましては返還を要求されておりますものの比重が相当大きいのでございまして、これを返すといたしますと、四国のその他の地域の料金が非常に高くなる、非常に四国内におきましての料金差が大きくなるという点、その他ピーク時の調整の問題等がございますので、住友共電の要望するように、これをお返しするということは四国の実情から見まして非常に困難ではなかろうかというふうに考えております。 それから那賀川の開発につきましては大変恐縮でございますが、これは開発局長から申上げます。 それから北陸の黒部川電気化学の問題でございますが、この点は電気化学と当該会社との間に最近適当な話合いがつきまして、その一部を電気化学に返還するようになつたように承知をいたしております。それだけでございます。
○栗山良夫君 黒部川電力そのものは再編成の中には……
○説明員(豊島嘉造君) 黒部川電力そのものは今度の再編成については一応考えておらないわけであります。それから四国那賀川の問題は政府といたしましては今電気が非常に四国は逼迫しておりますから、どちらが早くできるかということを希望しておるわけでありますが、今いわゆる県営案と申しますのは預金部資金によつてやるということでありまして、この点まだ預金部資金がどのくらいの額、而もどのくらいのスピードで出るということがまだ明確になつておりません。それからもう一つは多少関係方面の難色もあるようでございます。それから日発につきましてもまだ見返資金の方がはつきりいつからつくということがまだやはりこれも今ペンティングになつておりますから、現在のところどちらにやらせるという考えを持つておりません。両方で、若しこれは御承知のように県でやりますれば総合開発をするということを考えておりますので、相当高い堰堤になる。その工期も県の方は八十五メールの堰堤になりますから、工期は最短四年はかかる。日発はそれより低いので六十五メートルということで、これは工期三ヶ年でやるというので、まだ現在折衝中であります。
○栗山良夫君 黒部電力ですでに話合が決定したとおつしやつたのですが、その発電所の名前は大体分つておるのですか。私ちよつと承知しないのですが……
○説明員(豊島嘉造君) 大床と小瀧です。
○栗山良夫君 決定したわけでございますね。
○政府委員(始関伊平君) 仮調印になつております。
○委員長(飯田精太郎君) 外に御質疑ございませんか……。では一言お礼を申上げます。大山先生には非常に御多忙のところを今日わざわざお出で下さいまして、長時間に亘つて詳細な御説明を頂きまして誠に有難うございました。厚くお礼を申上げます。それでは本委員会はこれで散会いたします。 午後三時三十四分散会 出席者は左の通り。 委員長 飯田精太郎君 理事 門屋 盛一君 赤木 正雄君 水橋 藤作君 委員 栗山 良夫君 石原幹市郎君 廣瀬與兵衞君 深川榮左エ門君 油井賢太郎君 鎌田 逸郎君 安部 定君 田村 文吉君 村上 義一君 結城 安次君 佐々木良作君 政府委員 資源庁次長 始関 伊平君 説明員 通商産業技官 (資源庁電力開 発部長) 豊島 嘉造君 証人 東京大学教授 大山松次郎君