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7回国会参議院1950/02/16

電力問題に関する特別委員会 第2号

発言数
50
登壇者
9
会派数
5
開催日
1950/02/16

会議録

飯田精太郎緑風会

○委員長(飯田精太郎君) それでは只今から電力問題に関する特別委員会を開会いたします。最初に御報告をして御了解を求めたいことがあります。それは本日午前中に通産委員会とこの特別委員会との委員長理事の打合会を開きまして両委員会の間の分担を決めたのであります。その申合せを朗読いたしますからお聽取り願いたいと思います。  電力問題に関する特別委員会設置の趣旨に鑑み、且つ事務的判断を明白且つ單純とするために電力問題に関する調査、請願、陳情等は一括して特別委員会において取扱う。但しこのことは参議院規則第七十四條の通商産委員会の審議権を放棄することを意味するものではない。将来必要ある場合には両委員会関係者協議の上にて公正妥当にして能率的審議に当るものとする。  こういうふうに申合せをいたしましたから御了承を願いたいと思います。この申合せによりましてすでに通商産業委員会に付託せられておりまする請願が二十一件、陳情十件ありますので、こちらに付託替えをするにうに手続をするつもりであります。この外に経済安定委員会の方に請願が一件と陳情一件、又建設委員会に陳情が一件付託されておりますが、こちらに変えた方がいいように思うのであります。両方の委員長と協議の上手続したいと思つておりますから、これ亦御承解を得て置きたいと思います。  それでは只今から政府の説明を聽ぎたいと思うのであります。第二回の委員会でありますが、実質上は今日が初めての委員会でありますし、電力の設備とか、電力需給、料金、電源開発等の全般について、その概要を政府側から聽取したいと思います。尚明日からは新らしい電気料金及び電力割当問題、電力再編成問題、電源開発計画というような問題を順次各論的に説明を聽いて行きたいと思つております。政府側の方でもそのおつもりで御説明を願います。  宮幡次官から大臣の代りに御挨拶したいということでありますから、御聽取り願いたいと思います。

宮幡靖民主自由党通商産業政務次官

○政府委員(宮幡靖君) 電力の再編成計画、或いは料金、或いは開発というような問題は国民挙げて関心の的になつておる次第でありまして、参議院におかれましては、これがための特別委員会をお作り下さいまして、愼重御審議下さる御手配をして頂きましたことは、政府当局といたしまして誠に感謝に堪えない次第でございます。御承知のような状況で、こちらに稻垣大臣が参りまして御挨拶申上くべきでありますが、事情はすでにお分りのことと存じますので、甚だ至らない御挨拶を申上げて恐縮と思いまするが、皆様の御熱意に対しまして十分資料等を提供いたしまして、且つ国民の声を反映いたしました審議をいたしたいと存じております。只今委員長さんからお示しになりました審議の順序に從いまして順次御意見等を承り、又これに対する率直な政府の考えを申述べたいと思います。大臣もいずれはここに出るようになろうと思いますが、只今の状況では非常に手不足でございます。何かと足らざるところは一つ御指導を頂きまして、本委員会の設置の目的を得られますようにお願いいたしたいと存ずる次第でございます。甚だ簡單でございますが、以上まかり出ました御挨拶に代えます。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) 資源庁の進藤長官が参る予定でありましたが、再編成の関係の渉外事項のために遅れますので、私から電力の電源開発の問題、それから料金問題、それに関連いたしました割当問題、再編成問題等につきまして、極めて大体のお話を申上げたいと存じます。  最初に電源開発の問題でございますが、当初の見返資金の中から百二十七億程度のものを出したい、これを日発に百億、配電会社に二十七億というような案を立てておつたのでございますが、只今のところでは、二十四年度中に大体百億というものが出る。その中、六十一億は今日までにすでに出ておるのであります。それから残額も非常に近い時期に出るという見通しが立ちました。それでこの計画が完成いたしますまでには、二年なり三年の期間を要するわけでございますが、完成いたしました曉におきましては、只今述べました百億の経費によつて開発いたしまするものは、この差上げました資料の三枚目のところにございますように、地点で二十八ヶ地点でございまして、出力で四十五万六千キロワツト、それからその外に火力の拡充工事がございまして、これは七ヶ地点で二十二万キロワツト、こういうことに相成つております。それで只今申上げました二十四年度の百億、地点その他は只今申上げた通りでございますが、これを二十五年度に継続いたします場合に、二十五年度における所要資金は大体百五十億内外ということになつておるわけでございます。そこで本年度着手分以上に、新規に開発をいたしますためには、百五十億以上の資金が要る。それも主として見返資金によつて賄わざるを得ないという実情かと思うのでありますが、来年度の計画といたしましては、只今も申しました本年度の継続分百五十億の外に、ほぼそれと同額の百四十九億程度を要求いたしたい、見返資金から出したいというふうに考えておる次第でございます。併しながら見返資金の総額が、民間投資につきましては、ほぼ四百億見当という一応の枠があるようでありまして、その枠で参りますると、電力と造船が最優先であるという考え方につきましては、関係方面もすべて異存がないようでございまするけれども、只今申しましたような来年度におきまして、相当に新規の開発をやるための金を見返資金の中から出せるかどうかという良につきましては、只今確定になつておりません。政府といたしましても、その点の計画は只今審議中でございまして、決定の段階には至つておりません。その二十五年度におきまして私共が要求いたしておりまするような資金が得られたという場合におきまして、どこをやるかという問題でございますが、この開発の予定地点につきましてはこのお配りいたしました表の四項以上にございまするので、これを一つ御覽を頂きたいと思います。  次に電力の需給の問題、特に割当の問題でございますが、御承知のように昨年の暮から電力の全般的な割当制度は廃止になりまして、料金制度の改訂に伴いましていわゆる標準料金の適用になりまする電力量の割当というものに形が際つて参つたことは御承知の通りでございます。これがたまたま四・四半期の水力の一番少い時期でございまするために、いろいろの問題が起つておることは、私から申上げるまでもないと思うのでございますが、実は当初いわゆる標準料金、安い方の料金を適用いたしまする電力の量を、総額を決定いたしまする際に、大体六ヶ年、昨年は異常な豊水でございましたので二十三年を除きまして、その前六ヶ年の平均の出水量によりまする発電量、それから石炭を九十万トン焚いて出ますところの火力電気、それを平均いたしましていわゆる標準料金を算出いたしました。つまり六ヶ年の平均の量と九十万トンの石炭による発電電力量というものを標準料金の適用のある電力といたしまして割当をいたしたのであります。ところがこの一月以降二月只今までの水力の、水の出方の状況が例年になく好調でございまして、一月におきましては予定いたしました水力に比べまして、いわゆる発電單位におきまして六億キロワツト・アワーばかり余計に出た。二月におきましても十日、最近までの情勢から見通しますと、これ又四億四、五千万、いわゆる発電單位の量でそのくらい余計に出そうだという見通しがはつきりいたして参りました。そこで実は料金との関連がございまして、予定よりも水力が余計に出た、或いは減つて参つたというような場合におきまして、只今申しました割当電力の量を殖やすとか減らすとかいうことを余りしばしばやりますることは、主義上面白くないのでございまして、三%殖えたからそれだけ割当を殖やす、或いは五%減つたから逆に割当を減らすというようなやり方は煩雑でもございますし、適当ではないのでございまして、或る限度までは上下いずれにいたしましても、そこの危險負担を電力事業がやるというような考え方をいたすというふうに、実は料金制度を決定いたしました当時から考えておつたのでございまするが、今日のような非常に予想外の水が出たという事態から考えまして、一月におきましても相当量の、余剩水力のすべてではございませんが、相当のものを特配いたしたい。特配と申しますか、割当そのものを変えて参りたいということで、経済安定本部とも相談して政府の案を決めまして、GHQに折衝いたしたのでありますが、一月におきましては期間がすでに大分経過いたしたというような理由のために、実は承認を受けるに至りませんでした。そこで二月分といたしまして只今申しましたように、十日前後の状況ですでに相当に水が余計出るということがはつきりいたしましたので、大体一億キロワツト・アワーばかりのものを追加配当と申しますか、増したいということで、二月分につきましては昨日新聞に発表いたしましたようにGHQとの話合がつきまして、それだけのものを主として大口の消費者に配当するということであります。これを大口の電力の総額に比べて見ますると大体一割程度でありまして、一〇%近い、九%ぐらいになるかと思いますが、そういう方面に配当して参りたいというふうに考えております。一割の増加配当は、只今仮に超過需要が二割あるといたしますと、それが半分になるというようなことでございまして、消費者から見ますると大変楽になるのではなかろうかというふうに考えておる次第であります。三月につきましても同様の事情がございますれば、又同様に行いたいと考えておる次第でございます。  料金の問題につきましては、いろいろ問題があると思いますが、やつて見ました結果非常に工合が惡いというような点がございますれば、これは段々これを改善することを研究して参らなければならないと思つております。  それから再編成の問題でございますが、再編成の問題につきまして、極めて簡單に今日までの経過を御報告いたしたいと思います。電力関係の日発その他すべての従の会社が過度経済力集中排除法の指定を受けまして、大分長い期間が経つたのでございますが、実はこの問題は持株会社整理委員会の方の関係ということでございまして、通産省等におきましてそう積極的に会議をする建前ではなかつたように見受けておるのでございまするが、昨年の十月頃からこの問題の打開を政府としてやるということになりまして、御承知のように十一月に松永氏外五名の委員によります再編成審議会が設置せられました。その二月一日に通産大臣に提出された答申案の概要を申上げますと、大体現在の配電会社を地区別に九つの会社を作り、これを発送発電一元化した運営の会社でやつて参りたいというのでありますが、会社相互間の電力の融通、それから料金の地域差というような点から言いまして、産業界その他への影響が余りに大きいという願慮からいたしまして、暫定的に電力融通会社というものを設けました。これは地域的に申しますと、この融通会社に関係のございません地域は北海道、四国、東北等でございまして、主として本州中央部の電源地帶から中国乃至九州への送電を確保する、それから料金の平均化を図るというような種のものでございます。これた対しまして松永案というものがございまして、これは九つの大体地区別の配電会社を作りまして、融通会社は設けないが、関東、関西のような大きい需要地の会社につきましては、その地区外に電源を持たす。例えば北陸、信越地方でありますとか、或は猪苗代湖のようなそういう電源を、特に大きい需要地の電力会社につける、こういうような考え方が一つの参考案というような立場で出されております。答申案全般といたしましても、電力の再編成の一つの応急のものといたしましては松永案の方がいいのだけれども、一つの暫定的な措置といたしまして、只今申しましたような融通会社というものを残して置く、そこに只今の日発の持つておりまする発電設備の四二%程度残しておる、こういう案になつて出て参つたわけでございます。ところが去る十一日付でマーカット経済科学局長から通産大臣に通知がございまして、十五日までに政府の案を出すようにということを言つて参りました。その通牒の中に、いわゆる融通会社案は適当でない。それから地区外に電源を持つという松永案にも反対であるということがはつきり示されておりましたわけでございます。そこで両者のどれを取るか、或いはどういう案を以て政府案とするかという点をいろいろ検討いたしたのでございまして、この点は政府案というものが確定したと言つていいか、実は問題もあるのでございますが、大体根本的な再編成の考え方といたしまして、第一には、民有民営という建前からでございます。これは国家管理、国家の統制というものをできるだけと申しますか、なくして行くという考え、第二が、発送配電の一元的な運営ということ、それから第三が、適当な地域にそれを分けるというような点が、再編成の基本的な考え方であろうと思うのでありますが、そういう点から行きまして、融通会社案につきましては、いわゆる統制会社的な色彩が相当残るわけであります。尚又発送配電の一元化というような点からいたしましても適当ではない、過渡的な措置としては確かに一つの案であろうと思いますが、再編成というものの基本的な考え方からいたしますと余り適当な案であるとは考えられませんので、通産省といたしましては、一応松永案の線でやつて参りたいと考えた次第でございまして、一応まあそういうものを向うに出したというのがそのいきさつでございます。この場合にいわゆる過渡期の措置をどうするかということが非常な問題であるのでございますが、そういう点につきましては、計算上と申しますか、勘定の上で或程度のプール計算を或期間にやるとか、あるいは特定の地区におきまして又特定の産業につきまして、それを一定の期間を限りまして、万止むを得ない場合におきましては或産業に補給金のようなものをやるとかいうようないろいろな案が見られると思うのであります。尚又融通会社を作る代りに、若干の新らしい構想で出発いたしまする期間を長くするというような考か方もいいかと思うのでありますが、暫定措置につきましてはそういう方面を或いは考えることにいたしまして、一応松永案の線で参りたいということを決定いたしましたような次第でございますが、これが政府の案として具体的に決まつたものであるかどうかという点につきましては問題があることは先程ちよつと申上げました。尚電力の再編成の問題は、電力行政機構の問題を含んでおりまして、いわゆるレギユラトリー・ボデイで作れということになつております。このレギユラトリー・ボデイの点につきましても、先方との間に非常な意見の相違があるのでございまして、先方はこれが丁度人事院のような、予算や人事につきましてはこの内閣の下におりまするけれども、政策的には独立な機関にして置かねばならんというふうに申しておるのでございますが、こちら側といたしましては、電力の問題は産業とも非常な関係がございますし、国民生活との関係も非常に深いわけでございますので、内閣に所属いたしまして、例えば開発の問題でありまするとか、料金の問題、或いは需給調整の問題というふうな問題につきましては内閣の政策に從う。それから関係の官庁とも緊密な連絡を取る。そういう性格のものにいたしたいということを申しておるわけでございまして、つまりいわゆる公益事業委員会の性格につきましても、真正面から見解が向う側と対立しており、それから松永案のように地区外に電源を持つということにつきましても、非常に見解が違つておるということであります。この再編成問題の丁度只今までの経過につきまして簡單に申上げますと、以上のような経緯になるかと思います。大体こんな程度にお話を申上げまして後は御質疑のときにお答えいたします。

飯田精太郎緑風会

○委員長(飯田精太郎君) 今日は政府に対しての予告の期間が短かかつたために、政府の方の十分の仕度もできなかつたようであります。只今御説明の程度にしまして、何か質問がありましたらこの際……。

深川榮左エ門民主党

○深川榮左エ門君 只今の御説明になりました中にちよつと分らなかつたところがありましたが、今の御説明の中に一月に六億キロワツト、二月に三億の余剩電力ができたということであるが、それは全国でありますか、それとも関東方面だけの或る一定地区の余剩電力でありますか。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) 北海道を除きました全国の総体でございます。

深川榮左エ門民主党

○深川榮左エ門君 それに対して一割の割当の増加をなさつたということでありますが、これは全国の割当を一割増加なさつたんですか。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) 一割と申しますのは、今まで配当いたしました大口の電力の割当でございます。それに対して一割とこういう意味でございます。

深川榮左エ門民主党

○深川榮左エ門君 北海道を除いた地区の大口需要家に対して……。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) そういう意味でございます。

結城安次緑風会

○結城安次君 ちよつとこの際お伺いして置きますが、日本発送電株式会社ができてから今までに、ひの年々にできた水力発電所、それから火力発電所のキロワツトの数を年別でおつしやつて頂きたい。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) 用意いたしまして後刻差上げることにいたします。

結城安次緑風会

○結城安次君 発送電会社ができてからの……。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) そうです。

佐々木良作無所属懇談会

○佐々木良作君 今の御質問の続きなんですが、一月以降の増配というのは一キロワツト・アワーですか。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) 二月合といたしまして一キロワツト・アワーでございます。

佐々木良作無所属懇談会

○佐々木良作君 結局どういうことですか、六億、三億予定より多かつたのに対して一億見積つた基準はどこにあるのでございますか。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) 先程申しました発電量はいわゆる発電單位の量でございます。それを差引きますと送電ロスとかを差引きまして、それが若干修正されたものが消費に直結した場合の電力の量になると思うのでありますが、その全部を増配するという建前ではございませんで、上下に若干……将来の問題としては減る場合も考えられるわけでございますから、或るところまでは上つた場合も下つた場合も割当の量をまあ変更しない、こういう建前にいたしまして、尚いずれ電力の値上の問題が起きましたり、今までいろいろ損失がございましたような会社の経理の面も考えまして、増加いたします量を相当控え目にしたというような点がございます。

佐々木良作無所属懇談会

○佐々木良作君 その六億、三億というのは発電單位ですか。今のお話は……。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) そうでございます。

佐々木良作無所属懇談会

○佐々木良作君 あとの一億は需要單位ですか。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) 需要單位でございます。

佐々木良作無所属懇談会

○佐々木良作君 今の数の問題はまあそれは別として、大口だけに増配された理由はどういうわけですか。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) その点はいろいろむずかしい点だと思いますが、いわゆる大口の産業用電力と、それから小口につきまして、或る程度考慮するということにいたしたわけでございます。

佐々木良作無所属懇談会

○佐々木良作君 或る程度考慮と言うが、先程からの一億の増配は大口に対してというお話じやなかつたのですか。

宮幡靖民主自由党通商産業政務次官

○政府委員(宮幡靖君) 代つてちよつと申上げますが、電力が水の事情がよくて余つて参つたということは数字で申上げましたけれども、それは事実でありまして、これを何とか産業用の電力その他一般消費を緩和するために使うべきがこれは当然の行き方でありまして、これを主にやつておりますのが御承知の通り安本の方になります。併しながら産業に関しまする行政は通商産業省でやつております関係上、或は横槍式であつたかも知れませんが、大きく抗議を申込みまして、安本だけでお考えになつた方面に是正をして頂きたい、こういう申入をいたしましたのが始りであります。そこで当初計画せられましたことは大体今、数字は一月の末あたりの状態におきまして、関東辺りが約三五・六%発電單位におきまする増加が見られたわけであります。一番條件の惡い四国辺りは四〇何%というのが瞬間的ではありますが記録されたというような状態であつた。これに対しまして増加割当をすべきである、つまり標準電力料金の電力をより多く割当ててやるべきである、かような意見を申出まして、一応関係の向と交渉いたしましたが、今度の電力料金の改正をいたした手前、そうそうかようなことについて変更することは不適当であるということで一応お断りを受けました。併しながら実情におきましては、電力料金が全国を平均いたしまして三割二分二厘しか上らないのでありますが、産業の個々について見ますと、或いは小口の需要家について見ますと甚しい倍数になる。勿論これは今度の電力料金制度は夏と冬とは違いますし、或いは一定の時期までにお支拂い下されば一割の割引があるとか、比率を非常に有効に使えば割引があるとか、或いは複雑な供給の面において年間を通じて勘案いたしますれば、或いは凸凹は是正されるのかも知れませんが、一応現れたところで年間の計画を見ますると、大体二倍とか三倍ということが珍らしくないような事例になります。そこで例えば現在の国情におきましても、新制度にこういう次陷がありといたしますならば、何とかいたしましてこれを緩和する策を採るのが当然だと思いまして、一応はお断りを受けましたが、重ねて二月十日を期限といたします交渉を開始いたしたわけでございます。先程の案は、先程次長から申しました二十三年を除きました過去六ヶ年の平均の水の状況、発電單位におきまする発電力の状況を見まして、標準電力というものを決めたのでありますが、若しそれに対しまして一割五分を超えるというような状況になりましたならば、その上を超えますものについては増加割当をしたらどうか、こういう案が考えられたのであります。ところがそれと対蹠的に今度は渇水の場合においてもやはりどうしたらよいか。一割五分程度の渇水はこれはもう電気の性質があらゆる産業を支配します。その性格が公益的である以上、これを妄りに変更すべきでない。そういうことで極端に申せば、只今のような増水、出水の状況がよろしいという事態におきましては、これは惡くになるかも知れませんが、安い九十銭程度の電氣を十円或いは十円三十銭というような高い料金で配電会社が売りまして、配電会社だけが利益するという形になるのであります。こういうことは到底見逃すわけには参りません。併し一面におきましては渇水がありますというと、今度は発電原価が十円程度のものを今度は九十銭で供給しなければならないという配電会社の犠牲も考えられるわけであります。従つて上に一割五分とか、下に一割五分ということを考えるよりも、最初の案におきましては、渇水時におきましては、これをやはり是正したい。これ以上は最初一万キロをお使い下さいと言つて標準の割当をいたしましても、その出力の状況が惡ければ、あなたのところは八千万だ、こういう訂正を月の半ばにするというような意見が出て参つたのであります。併しこれでは産業の生産計画というものは全然立ちません。例えば国家が生産計画を立てないで、産業それぞれの自主的な計画におきまして、一万キロの電気が安い料金で使えると考えておりましても、渇水だからと言つて月半ばから、お前のところは三千減るのだ、これでは全然生産原価の構成の上に大きな蹉跌が参るわけであります。これは配電会社の公益性に鑑みて配電会社の犠牲において負担すべきである、こようなことであります。それでは殖えた場合に、只今申しましたような、三億殖えたら三億全部やつてしまう、こういうようなことではなく、その場合におきましても、若干渇水時のカバーをするという意味におきまして余裕を持つたらどうか、関係向きの意向も沢山ありまして、産業省といたしましては、是非ともこれを全部一つ使いたい。随時適切な措置によりまして、全産業なり、全消費者にこれを及ぼしたいと、こう考えましたが、結果は、趣旨は同じでありましたが、全部の目的は達しませんでしたが、先程次長から申しました通り、それでは暫定的に二月の分だけを一億程度増配して見たらどうか、尚この間におきまして従来のやりました料金制度の中の見方によりまして、勿論これは安本にあります電力委員会の答申によりましてできておるものでありますが、若し間違つておりましたならば、若干これらも直したらどうか、こういうことで増加電力として割当てますものを、一応一億と次長が先程申上げましたように、許されたわけであります。而して先程次長が申した一億を主として大口へというのは七千万が大口需要、三千万が小口消費者の方へと割当てるように、その細目につきましては只今通産省を通じまして検討の状態にあります。今は一月のような事態は許されておりませんが、同じような水の状態が続くといたしますれば、同じ趣旨を以ちまして三月の分も増配のことを、仮に一億に甘んずることなく、より以上の増配のできますよう交渉いたしたいと考えておる次第であります。殊に二十五年度の第一・四半期は、これは根本から割当計画を考え直さなければならない。幾多新制度も欠陷があることを合せ勘案いたしたいと存じておりますのが、通産省としての考え方でございます。併しながら、御承知のようにこれは現在安定本部で大枠を取つてやつておりますので、時々意見も一致しないというような点もありますが、当電力委員会と又国会の方々におかれましても、それらの点につきまして是非御関心を持たれ、国民の喜ぶ安い、質のよい電気を供給できるという質的産業を発展せしめるように御協力頂けたら極めて幸せだと思います。或いはお叱りを蒙るかも知れませんが、電気に対しまする今日まで一ヶ月半に亘つてやつて参りました通商産業省としての努力に対しまする愚痴のように聞えますが、何とぞ御了承を頂きたいと思つております。

飯田精太郎緑風会

○委員長(飯田精太郎君) 安本の動力局次長から発言を求められております。

中川哲郎経済安定事務官(動力局次長)

○政府委員(中川哲郎君) 今の二月分の増配のことにつきましては通産省から説明がございましたように約一億でありまして、これはやはり大口が七千万、小口が三千万でございました。この率は大体同率になつております。大口の方が特に配当量が多かつたというわけではございませんで、同率のものとなつております。その点だけお答えいたして置きます。

石原幹市郎民主自由党

○石原幹市郎君 政務次官にちよつと……。先方の十分割に対する意向というのは非常に強いものであるかどうかということが一つと、それから向うがそれを強力に主張される理由はどういうところにあるのか、極く簡單でよいのですが……。

宮幡靖民主自由党通商産業政務次官

○政府委員(宮幡靖君) 先程次長から一応経過的に申上げましたが、これは極めて重大な問題でございまして、どういうふうな方向に進んでよいか、むしろその方向が分らないくらい困惑いたしておる事態だと申上げて少しも差支ないと思うのでありますが、向うの方の意向がどれ程強いかということは残念ながらこの席では申上げかねますが、決してその案を抛棄しておらない。パワー・エクスポーテイング・カンパニーとパワー・インポーテイング・カンパニーという考え方は今のところ決めておらない、こういうふうに御了承を願いたいのであります。それで審議会の答申案につきましては、これは司令部の方では問題にならない案だ。松永試案につきましても、これは過度経済力集中排除法によりまして分割いたしまする最終の結果を得にくいものである、こういう言い方をしております。そういうことから十五日までに何らか政府の気持を言えということであります。これは閣議にも掛けなければなりませんし、又国会の御意向等も相当程度伺つてでなければなかなかできにくいものだと思いまして、十五日までの期限を一応延ばして頂こうとさえ考えましたけれども、余りに延ばすことが或いは十分割ということを強行しなければならないような事態になつて参ると甚だこれは国家のために困る。それで一応十五日に新聞に若干発表されておりました、先程次長から申しました松永案に、更に、公益事業委員会の権限と運営におきまして需給関係を調節する、コントロールではないが、レギユレートができるという筋だけを持つて参る、無論これは政府案ではございません。通産省試案、もつと申しますれば稻垣試案程度のもので、これで如何ですが、かようなことを今いたしておる状況であります。どうぞ御了承を願います。

石原幹市郎民主自由党

○石原幹市郎君 これは今次官も言われたようだ、国家としても非常に大きな問題であり、又各地方府県としても、十分割案か当局案で行くかということによつては非常に利害休戚が多く分れると思うのでありまして、これは当局に一つ大いに頑張つて頂きまして、大体向うに十分割なら十分割で見通しは、最後はそういう見通しがついておるというので、やられては困ると思う。最後まで御健鬪をお願いしたい、こういう気持で希望意見を申して置きます。

佐々木良作無所属懇談会

○佐々木良作君 一言質問と要望とを申上げたいと思います。向うとの関係の御打診になつておるようなことを、この機会内に今後は持込まないようにやつて頂きたい。飽くまでも国内の問題でここでデイスカツスするように願いたいということと、もう一つは次長のお話の中で、積極的に余り会議をせずに云々というようなお話がありましたが、現在政府で扱つておられる態度は、再編成問題に関して集中排除法の集中排除という観点でやつておられるか、本格的な日本の電気事業の再編成という観点でやつておられるか、どつちか今の感じだけをちよつと聽いて置きたい。

宮幡靖民主自由党通商産業政務次官

○政府委員(宮幡靖君) 政府の考え方は後段の方、いわゆる国家の産業の再編成の一環としての電力再編成、かように考えて参つておりますが、法律もございますし、その筋の御意言は残念ながら過度経済力集中排除法の精神、こういう行き方になつておるように私共は想像いたしております。御趣旨はよく分りますので、いずれにいたしましても、これはいわゆる国民の声を代表いたします国会議員各位の御意見によりましてのみよい結果が得られるのじやないか、現在の政府といたしましてなかなか最良の結果をもたらし得るものとは、かようには考えておらないわけであります。どうぞよろしくお願いいたします。

石原幹市郎民主自由党

○石原幹市郎君 次長から、明日でも明後日でもいいですが、十分割案の向う側がこれを主張しておられる理由と言いますか、何は一つここに御説明願えるでしようか、こういうわけで十分割案がいいんだというような、いろいろと政府としても向うと折衝されたと思いますので、向うの御意向もよく分つておると思いますが、如何でしようか。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) 実はこの再編成の問題につきましては、委員会に臨みました間は、松永委員長その他の委員の方々が折衝されておられたわけであります。それで十分割案というのは一月の十六日に向うが初めて言い出した案で、その案を主張する理由等につきまして、何と言いますか、懇切な向う側の説明というものは余りなかつたようです。ですからこうじやなかろうかという推測を我々はするだけです。

石原幹市郎民主自由党

○石原幹市郎君 今後いろいろ御計画があると思いますが、そういうことであれば、例の五人委員会の人あたりにも来て頂いて、折衝の経過その他向うの気持等を一遍話して頂く機会は、いずれ御計画があると思いますが、作つて頂きたいと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 ちよつと伺いますが、先程の御説明の中に料金について、現在やつておられることについて、やつて惡ければ改善する意向もあるというお話でありましたが、現在の料金と、それから分割問題というものの関連性があるのか、それから改善についてその見通し、或いは時期その他について……。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) この料金制度の細部の点につきまして、例えば業務用の料金が均一的な扱いになつておりますために、大学のようなところは非常に困つておるとか、いろいろな実情に副わない点が出て来ておると思いますので、そういうような個々の問題につきましては、内容を検討いたしまして是正せざるを得ないんじやいかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。ですからこれは問題があり次第と申しますか、問題によりまして、ちよつとどうしても工合の惡いものは改善するという方法を取らなければならんと思います。これは物価庁と相談いたしまして、段々やつて参りたいと考えております。  それから料金の問題と分割の問題とは、これは非常な関連があるわけでございまして、むしろ問題は各地帶間の需給の連繋と申しますか、地帶間の電力融通の問題と料金の問題と二つあるわけでございますが、松永案の線で参りますると、相互に融通しなければならない電力量というものはそれ程大きくはございませんので、その点よりも、どちらかというと料金問題の方に問題があるんじやなかろうかというふうに考えられておる次第でありまして、関係があるかないかという問題につきましては、非常に関係があるわけであります。

飯田精太郎緑風会

○委員長(飯田精太郎君) 料金問題の細かいことにつきましては、明後日物価庁の方から細かい説明を聽くことになつておりますので、その際又詳細に御質問を願いたいと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 松永案を一応出しておるが、過渡的な便法として補給金を出すとかといつたような問題について三つ程挙げられましたが、それらの点については現在はつきりした政府案というものはまだしておらんわけでありますね。

始関伊平資源庁長官

○政府委員(始関伊平君) はつきりしたものはございません。

飯田精太郎緑風会

○委員長(飯田精太郎君) 外に御意見、御質問ありませんか……何か政府に対して資料の御要求でもありましたらば、この際お申出を願いたいと思います。

佐々木良作無所属懇談会

○佐々木良作君 この電気の再編成問題が始まつてからの経過の概要を一つずつと一番最初からのものを書いて貰いたいと思います。大山委員会出発あたりから、ずつと概要で結構ですからお願いしたいと思います。

石原幹市郎民主自由党

○石原幹市郎君 今後大体どういう順序で、例えば明日はどういうふうな問題だとか、何かお分りの範囲でいいですが、計画が立つておりましたらお知らせ願いたいと思います。明後日は料金問題だとかいうお話がさつきありましたが。

飯田精太郎緑風会

○委員長(飯田精太郎君) 大体この予定は明日は再編成と電源開発についてもう少し詳細に説明を聽きまして、それから明後日料金の問題について聽く予定にしております。その後政府以外のところから大分いろいろ意見があるようですから、先程のお話の五人委員会だとか、或いは民間の方の意見等も順次聽いて行きたいというつもりにしております。

石原幹市郎民主自由党

○石原幹市郎君 例の民主化委員会と言いますか、大山私案というのがありますから、大山委員長あたりも一度来て頂いて意見を徴して貰いたいと思います。

飯田精太郎緑風会

○委員長(飯田精太郎君) 承知しました。

佐々木良作無所属懇談会

○佐々木良作君 今の石原さんのと関連しまして……、私今要求したのは、あの経過がずらつと出て参りますと、そうするとその間に中心になつて動いた人が出て来ますから、そういう順序を逐つて次々にやつて頂けばいいのじやないかと思います。

飯田精太郎緑風会

○委員長(飯田精太郎君) それでは今日はこの程度で散会したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

飯田精太郎緑風会

○委員長(飯田精太郎君) それでは散会いたします。    午後二時五十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     飯田精太郎君    理事            下條 恭兵君            石坂 豊一君            門屋 盛一君            赤木 正雄君            水橋 藤作君    委員            吉田 法晴君            石原幹市郎君           深川榮左エ門君            安部  定君            玉置吉之丞君            田村 文吉君            久松 定武君            結城 安次君            佐々木良作君   政府委員    通商産業政務次    官       宮幡  靖君    資源庁次長   始関 伊平君    経済安定事務官    (動力局次長) 中川 哲郎君

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