地方行政委員会 第23号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1950/03/27
会議録
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。先ず御報告申上げますが、三月三十日に地方税法案に関する公聽会を開くことにいたします。公述人はこの前御相談申上げましたように井藤半彌君、それから日本勧業銀行副総裁の山田義見君、それから東京大学教授の近藤康男君、それから知事代表としまして東京都知事安井誠一郎君、それから地方税審議会の委員の木村清司君、それから船田文子君。これを午前十時より午前中に公述させたいと存七ます。それから午後は一般応募者中より一名、それから武蔵大学経済学部長鈴木武雄君、東京都商工相談所長中西寅雄君、市長代表、川崎市長金刺不二太郎君、町村長代表千葉県津田沼町長白鳥義三郎君、それから日本新聞協会事務局長津田正夫君、全国指導農協連合会参事青木一巳君、日本労働総同盟本部の高野實君、これを午後に公述させたい、こういう予定にいたしております。 それから尚もう一件御報告申上げてお諮りいたしたいことがございます。それは昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する、法律案、これはさき仁本委員会におきまして政府の提出以前に、その要綱について説明を聽取したのでありますが、この法律案が衆議院においても、大蔵委員会にかかつたというので、参議院においても大蔵委員会に付託されることになりました。條文は簡單ですけれども、事柄は相当重いですから、連合委員会を要求したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) じやそういうふうに取計らいます。
○鈴木直人君 公聽会の公述人の一般応募者は、今決まつていないのですか。
○委員長(岡本愛祐君) 今応募中でございまして、二十八日、明日までに申込む…
○鈴木直人君 一名だけですか。
○委員長(岡本愛祐君) 一名だけにしたいと思います。
○鈴木直人君 船田文子というのはどういう人ですか。
○委員長(岡本愛祐君) これは元の国務大臣をしておりました船田享二君の夫人であります。それでこういう婦人としては税なんかについてなかなか詳しく調べておる人であります。
○吉川末次郎君 まだ、何ですね、議案についてはあなたの方から御提示になりませんね。
○委員長(岡本愛祐君) そうです。
○吉川末次郎君 それからで結構です。 ―――――――――――――
○委員長(岡本愛祐君) 次に今日の日程に入りたいと存じます。地方税法案の予備審査を行います。尚お諮りいたしますが、只今申上げましたように三十日に公聽会を開くことになつておりまするので、今日、明日、明後日、この三日間で、政府側からこの地方税法案の一通りの説明を聽取いたしたい。そうして云聽会を開きまして、公聽会が済みました翌日から、その要点について御質問を願い、詳しく審査をいたしたい、こういう順序で行きたいと思いますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) じやそういうふうに取計らいます。
○吉川末次郎君 政府から地方税改正法案の審議に関しての資料を少し提出して頂きたいと思うので要求いたしたいと思うのですが、第一は、政府が今日までこの法案の提出が非常に遅れたのは、その筋との交渉が非常に長引いたためであるというように言われておるのでありますが、それについては、私先日欠席したのですけれども、その席上でいろいろそれについての経過のお話があつたそうでありますが、併しそのもう少し具体的な、どういう交渉をせられたかということについての内容が、我々が理解して置く必要がありますので、その減税の交渉をせられたところの税目ですね、どういう税目についての減税交渉をせられたか、それからその税率、それから税額及び收入税額を見込んだ、どのように見込んで交渉せられたかということについての、その筋との減税交渉の具体的内容を我々が理解することができる資料を、一つ数学的に明白にして御提出を願いたい。 それから衆議院の委員会、或いは参議院、衆議院、両方を通じて予算委員会とか、大蔵委員会等にいろいろ資料を提出していられると思うのですが、その大蔵委員会や予算委員会及び衆議院の委員会に提出せられた資料であつて我々が受取つておらん資料がありましたら、併せて一つ御提出が願いたいと思います。 それから第三番目には、本年度の都道府県と市町村とを合せたものの地方財政の推計は頂いておると思うのですが、これを都道府県と市町村とに分割して、そして昨年度即ち二十四年度分と比較対照した資料を一つ御提出を願いたい。 それから住民税について均等割で徴收されるものとして、政府が見込んでおられるのは大体どれ程の額であるか、それから均等割以外の所得割で、徴收することを見込でおられる額がどれくらいになるかというような資料を一つ頂きたい。 それから尚住民税に関して、今度の改正法によりますると、要するに成年男女全部に課税されることになつて、従来の世帯主主義がいわゆる個人主義的な課税方法に変つたのですが、世帶主からすべての成年男女に課税するということになりますと、男女……女といつても、これは女に対しては妻は別ということになつておりますが、納税義務者が非常に増加するであろうと思うのですが、その納税義務者の増加数はどれだけであるかというようなことの資料を提出して頂きたい、こう思つております。 それから尚ちよつと御質問したいことがあるのですが……。
○委員長(岡本愛祐君) ちよつとお待ち下さい。
○鈴木直人君 私も資料を……。
○吉川末次郎君 まだ資料の続きなんですが、勿論この法案を国会へ提出されるについては、地方自治委員会議に相談していらつしやることだと思うのですが、地方自治委員会議の林屋さんもおいでになるでしようけれども、地方自治委員会議はどういう態度を採られたか、意見の相違はなかつたかどうか。意見の相違があつたならば、どういうところが地方自治委員会議の意見の相違点であつたかというようなことについて、書いたもので一つ出して頂くと非常に結構だと思うのです。 それから我々が一番問題にする点は、今度の地方税制の改革によつて、それが物価に影響を與えて行くということなんですが、即ち物価に税制改革によるところの変化が十分吸收されるかどうか、即ち物価が上りやしないかどうかということが、どうやら非常に注目しなければならん対象だと思うのですが、殊に固定資産税というような、税制によつて従来の家屋税或いは地租というようなものと変つた不動産に対する課税が相当行われるわけでありますが、それからして必然的に陳情も大分出ているようでありますが、鉄道、軌道、バス等の交通機関の賃金が値上りしやしないかどうかということ、発電施設等に課税されるんでありますから、従つて電燈料金にも影響がありはしないか。それから地代及び小作料、家賃というようなものについても、今度の税制改革からの値上りが起つて来るだろうと思うのです。もうすでに四月一日から、東京都においても、地下鉄が七円の賃金が十円に値上げすることが決つておるようなわけでありますから、今言いましたような交通機関の賃金、電燈、電力料金、地代、小作料、家賃というようなものについての変動……、我々は大体上るんじやないかと考えておりますが、それは安本物価庁等でそういうことについての調査があるだろうと思うので、そういう調査に基くところの数字的な一つのレポートが政府の方で得られるだろうと思いますが、安本の方や物価庁の方と御相談願つて、そういう資料を一つお願いいたしたい。まあ大体それだけです、私の要求は。
○鈴木直人君 先程吉川君の資料のうちに、都道府県別と、市町村別に分けたところの、二十五年度における歳出総額と歳入総額ということでございましたね。
○吉川末次郎君 二十四年度との比較ですね、それを分けたものの……
○鈴木直人君 そうすると二十五年度と二十四年度のものを同時に書くわけですね。
○吉川末次郎君 そうです。
○鈴木直人君 そうして私はそれに附加しましてお願いしたいと思いまするのは、いわゆる地方財政全体を見る意味において都道府県別に全部総計したところのもの、都道府県を全部集計したもの、市町村を全部集計したもの、そうしてその二つを別にして歳入と歳出、そうして歳入の内訳として地方税收入は幾らであるか、歳入の一部の税収入は幾らであるか、こういう点を知りたいのですけれども、これはできますでしようか。
○政府委員(荻田保君) 平衡交付金の分け方が分りませんから、ちよつと市町村別、都道府県別というのはちよつとむずかしいと思います。
○鈴木直人君 平衡交付金を除いた場合にはどうですか。
○政府委員(荻田保君) 平衡交付金と地方税とでも一緒にして置きまするならばできると思います。
○委員長(岡本愛祐君) 如何でございましよう。こういうことにいたしましよう。只今吉川君及び鈴木君から御要求になりました資料提出の件、これは後程専門員の方で両委員にお尋ねして、詳しく書きまして、そうして要求いたしましよう。尚その外に給料生活者、それから農業者、営業者、営業者も中小企業大企業に分けて区別して、国税と地方税を通じて税負担がどうなるのか、それが又一番重要なものですから、そういうものも大掴みでよろし参ゆうございますから出して頂きたいと思います。
○政府委員(荻田保君) こちらでも大体今おつしやいましたような資料を用意しておりますので、明日か、明後日ぐらいにほお渡しできると思います。それを見て頂いて、足りませんところを……
○委員長(岡本愛祐君) 尚先程吉川委員から御要求のありました、もうすでに他の委員会……多くは予算委員会でしようが、それから要求が出されている。それを成るべく速かに御配付願いたいと思います。 これから地方税法案につきまして説明を聽取するのですが、これの一通りの説明、要綱の説明ができているであろうと思いますから、それを提出を願いたい。
○政府委員(荻田保君) 提案理由の説明……
○委員長(岡本愛祐君) 提案理由の説明よりも、もつと詳しい各税についての要綱ができておりはしませんか。
○政府委員(荻田保君) 要綱はできております。
○委員長(岡本愛祐君) それを提出願いたいと思います。 それではこれから地方税法案の政府委員による説明を聽仮します。第一章から、つまり三日間で一応説明ができるように、要領よく要点を説明して頂きたいと思います。
○吉川末次郎君 荻田さん、よく地方自治法なんかでは朱を入れて、そうして表のようにして、さつと見ると直ぐ分るようにしてあるのを配付してくれるのだが、ああいうようなものの用意はあるのですか。要綱でもよいけれども、この間の大臣の提案説朗も要綱のようなものですから……。もつと詳しいものはありませんか。
○政府委員(荻田保君) 要綱はあります。それから新旧対照表はできていればいいのですが、全部変つてしまつたために、比較のしようがないのであります。
○委員長(岡本愛祐君) それでは章ごとに区切つて……
○政府委員(荻田保君) 第一章の総則を御説明申上げます。これは従来と非常に違つておりまして、従来は総則におきまして、大体賦課徴収に関しまする規定は全部書く、それを各論で、二章以下におきまして、課税についての大体実体的な規定を置く、こういうやり方をしておつたのでありまするが、いろいろ一般国民の法律を見る便宜等を考えまして、成るべく総則は少くいたしまして、各税ごとに賦課から徴収、或いは滞納処分に至るまでの規定を全部一々挙げております。従いまして第一章に残りましたのは、本当に全部の地方税を通じて適用になるような少数のものだけになつております。 先ず第一條でありまするが、これは本法中の用語の意義でございます。問題になります点だけを申上げますと、第五項の標準税率の定義でございますが、これはここにございますように、「地方団体が課税する場合に通常よるべき税率でその財政上の特別の必要があると認める場合においては、これによることを要しない税率をいい、」これが一つの考え方でございます。これはまあ従来と同じような考え方でございますけれども、従来は確か標準税率によらなければいけない、こういう書き方がしてあつたのでありますが、やはりこの地方団体の自主性ということを考えますと、そのように税率につきましても、そういう命令的なと申しますが、そういう書き方をするのは穏当でございませんので、このような書き方にしたわけでございます。それから、「地方財政委員会が地方財政平衡交付金の額を定める際に基準財政收入額の算定の基礎として用いる税率とする」。このことは地方財政平衡交付金におきまして、基準財政收入額の算定の際に基礎として用いる税率になるということを、ここにも明瞭にして置きたいという趣旨でございます。 それから次に、徴税令書の定義がございまするが、ここに徴税令書をもつと親切に書いて、納税者が令書を受取つたとき、一体どういう税を課せられたのか、この令書を貰つたらどうしなければならないか、若し、しなかつた場合にどうなるのだということを、成るべく詳しく書いて、根拠法令、或いは條例というようなものを明瞭にしたい、こういう趣旨で、この徴税令書の定義をはつきりと書いてある次第であります。 それから次に出ておりまするものは、徴税の方法を各種書きましたが、それは大きく分けまして、普通徴收と、それから申告納付の制度、それから特別徴収、それから証紙徴収、この四つになるわけでございます。普通徴收は、これは徴税吏員の側から徴税令書を発行いたしまして、これに今申上げましたような内容によりまして、納税者がその令書を受取つてから納付する、こういう方法であります。次の申告納付は、一定のこれこれの條件を備えるものはこれこれの税を納めれということが法律條例で分つておりまして、納税者がそれを読みまして、期限に自分で以て課税標準及び税額を算定いたしまして、それを地方団体に申告すると共に、その税金を納めるというやり方でございます。これは国税におきましては、数年前から採用しておる方法ででございます。それから特別徴収でありまするが、これは入場税、遊興飲食税のような間接税につきまして、納税者と、それから納税者が直接地方団体に納めませんで、その間に特別徴収義務者が、これが税を集めて納入するという方法でございます。その場合にも、その特別徴収義務者が徴収した税金を地方団体に納める、このことにつきまして、申告納入の制度、丁度申告納付税を納める場合の申告納付と同じような方法によることを規定しております。証紙徴収は、これは証紙を買いまして、いわゆる国におきまする收入印紙に相当するようなものを買いまして、これによつて拂込むという規定でございます。 それから第二條、第三條は、まあ大体従来と同じでございますから省略いたします。 それから第四條におきまして、地方税の科目を全部掲げております。第四條の方におきまして、道府県税、第五條におきまして市町村税、先ず道府県税につきましては、附加価値税、入場税、遊興飲食税、この三つが大きな税でありまして、外に自動車税、鉱区税、漁業権税、狩猟者税、この四つが小さい税としてあるわけであります。この三項におきまして、この外にいわゆる法定外の独立税を課税することができるようになつております。尚目的税としましては、水利益地益税だけが残のであります。都市計画税はなくなることになります。市町村におきましては、市町村税と固定資産税が大きな税でありまして、あと自動車税、荷車税、電気ガス税、鉱産税、木材引取税、広告税、入湯税、接客人税、この八つが小さな税として町村税になります。やはり市町村におきましても、法定外独立税を課することができるようになつております。それから目的税といたしましては、水利地益税と共同地設税とがございます。やはりここでも都市計画税がなくなります。 第六條に、公益による課税免除及び不均一課税、第七條に受益に因る不均一課税及び一部課税、これも従来と同じ規定でございます。 それから第八條も従来ございました課税権の帰属その他につきまして各地方団体に争いのある場合には、これを裁定する方法が書いてありますが、ここに、それに対しましての異議の申立てというようなことも成るべく詳しく書きました。実体は変りございませんけれども、條文では相当殖えております。 第九條、合併した法人等の納税義務の承継、それから第十條におきまして、徴収金に対しまするやはり義務の承継、第十一條におきまして、連帶納付義務、連帶納入義務、こう書いてございまして、これも従来からこういう規定がございます。 それから十二條に不納せん動に関する罪、これも従来からこう書いてございます。 十三條の秘密漏洩に関する罪、これも従来の通りでございます。 それから十四條の時効も、これも従来の通り、やはり五年間を原則といたします。 夫の先取特権でありますが、この点が改正になつおります。従来は地方税は国税に次ぐことになつております。即ち国税が地方税に優先することになつておりました。このように地方税が重要になりましたし、地方自治団体の自主権というものも強くなりましたので、やはり税につきましては国税と同一にすべきだという考から、国税と地方税との先取特権を同順位といたしまして、ただ三項にございますが、ここに書いてありまする滞納処分があつたとき、強制執行があつたとき、破産の宣告、競売の開始、こういうような場合に交付要求をいたしまするがその場合に、国税の方が優先するということになります。 それから第十六條は、繰上徴収の規定でございましてこれも大体従来と同じでございます。 それから次に、十七條は、過誤納に係わりまする地方団体の徴収金の取扱の問題でありまして、これは同じでございまするが、次の十八條によりまして、還付加算金、それから充当加算金という制度を作りまして、過誤納に係わる地方団体の徴収金を返すときは、やはり滞納した場合の延滞金を取りますと同様に、坂過ぎて返す場合にも、やはり加算金、ここにございますように、百円につきまして四銭、一日四銭、日歩四銭の計算をいたしまして右額を付けて返すということにいたしております。書類の送達、公示送達、これは従来と同じでございまして、ただ多少違つておりまするのは、公示と納税管理人につきましては、従来は滞納処分に関する権限は、納税管理人じやなく、むしろ本人宛にしなければならなかつたのでありますが、滞納処分につきましても、納税管理人に対して書類を送ればいいようになつております。 二十一條の道府県税の賦課徴収の委任、この点が相当方針としまして大きく変りました。従来は御承知のように、道府県税は、大体原則としまして、その市町村に賦課徴収を委任することになつておりましたが、今度は原則として道府県は市町村に委任しない、道府県税は道府県自ら徴収する、これを原則にいたしました。ただここに掲げてありますような場合は、例外として市町村に委任することが、できるのであります。第一は、納税義務者とか、特別徴収義務者の住所、居所、家屋敷、事務所、事業所又は財産が、当該道府県の徴收吏員による賦課徴収を著しく困難とするような地域、例えば山の奥、そういう所にあります場合には、市町村に委任してもいい。或いは市町村の方から、むしろ市町村民の積極的便益を図りまして、その事務を委任されんことを進んで申出たような場合、それから第三に、この二つの場合以外におきましては、道府県が地方財政委員会の許可を得た場合、そのときに限つて市町村に委任することができる。 それから次の徴收の嘱託、これは区域外に財産等がある場合でありまして、これは従来と同様でございます。 大体以上が総則の規定でありまして御覧のように非常に少くなつております。
○委員長(岡本愛祐君) 総則について御質問ございませんか。それでは次へ移ります。第二章。
○政府委員(荻田保君) 第二章、道府県税の中、先ず附加価値税でございます。二十三條におきまして、附加価値の定義をしております。「附加価値税は、第一種事業から第三種事業までの事業の附加価値に対し、附加価値額を課税標準として、事務所又は事務所所在の道府県において、その事業を行う者に課する。」まあこの附加価値税を作りました趣旨はたびたび申上げておりますので、一応技術的な御説明だけにいたしたいと思います。先ず元の事業税と比べて大きな違いは、事業に対して課税するのではなくて、事業の附加価値に対して課税する、こういうふうに明瞭にしたのであります。つまり事業がこの税金を負担するのではなく、附加価値がこれを負担する。従つて消費者がこれを負担するということを、一応法律の建前としておるわけであります。それからその事業の範囲は、大体事業税の場合と同じでございますが、ただ第一種から三種まででありまして、第四種事業というのがなくなつたことになります。前は第四種と言いましても、少し正確を欠きますが、事業税の第一種、第二種、それから特別所得税の第一種と第二極と四つに分れておりましたのが、三つに変つたわけであります。それから第一種事業とは、ここに掲げたような税であります。これは従来の第一種事業税と大体同じでありますが、違いますところは、公衆浴場業を一応外ずしております。それから出版業の中で、政令で定める新聞業を除いております。大体これが違つておる点でございます。尚放送集、十三の無縁通信放送事業というようなものが新しく入つております。これは営利会社でも放送事業を行うというようなことがございますので、ここに入れてございます。第二種事業は、従来の事業税の第二種事業でありますが、前と違いまして林産業、農業というものが全然除かれております。そうして畜産業と水産桑だけになりました。ただ畜産業につきましては、この括弧にありますように、「農業に附随して行うもの及び主として土地を利用して行うものを除く。」つまり農業的のものは畜産業でもこれに入れないということになります。次に第三種事業でありますが、これは従来の特別所得税の事業対象と一種、二種を一括してここに入れたわけであります。新しく入りましたのが十七の公衆浴場業、それから十八の新聞業、この二つ。尚三号の薬剤師業、これはいわゆる純粹に薬剤師だけを業としておる人はないと思われますので、薬屋さんであつて、普通の売薬を売らないで、医者の処方箋に基いて調剤を行つておるというような部分に対しましては、薬剤師業として第三種の中に入る。 それから第二十四條に附加価値税の非課税の範囲を出しております。これは大体国、それから国の附属機関、一号の大体国と地方団体、それから第三号、これは大体いわゆる公団とかパブリック・コーポレーション、こういうものはすべて除外しております。二号の学校は、これも第二種事業、第三種事業に限つて非課税にしております。四号五号の農業、林業、これは先程申しました。六号の鉱物の掘採、及び砂鉱の採取の事業、これは後に申上げます破産税の対象になりますので、附加価値税からは除いております。 それから二十五條以下につきまして、これが従来ございました総則に当然入るべき部分を一々ここに書きましたので、御説明を省略さして頂きたいと思いますが、従来ありました規定を詳しく各税について作つたのに過ぎません。 第二款におきまして課税標準及び税率を書いております。四十頁の第三十條。附加価値税の課税標準でありますが、この課税標準が附加価値に変つたということが、これがまあ世界にも類例のない税であるというゆえんであります。附加価値を具体的にどういうものであるかということを書いておるわけであります。この三十條におきまして、「附加価値額は、法人については各事業年度の附加価値額とし、個人については当該年度の初日の属する年の一月一日から十二月三十一日又は事業廃止の日までの附加価値額とする。」法人につきましては事業年度、その法人が定款なり寄附行為なりで定めております。事業年度毎に計算いたします。個人につきましては年間で計算いたします。第三項におきまして、法人が事業年度の途中において解散したような場合のことが書いてあります。それから第四項が、これが附加価値の実質的定義でありまして、これは四項が法人、五項が個人であります。要するに「総売上金額から特定の支出金額を控除した金額」、これが附加価値の元になる考であります。それでその総売上金額とは何かと申しますると、第六項にございまする第一種事業から第三種事業までの事業に係る物品の売上金額、又は役務の対価として收入すべき金額、これを原則とします。つまり普通の製造業や販売業におきましては売上金額、物を売りました金。それからサービス業におきましては「役務の対価として收入すべき金額」、これが総売上金額であります。それから尚その外に、これは事業自体ではありませんけれども、「固定資金の売却額その他事業に附随して收入すべき金額で政令で定めるもの」、こういうものをやはり総売上金額の中に入れます。併し利子、株式配当金、それから地代、家賃、これは総收入金額の中に入れません。これはつまりこれを支拂います方におきまして、すでに附加価値がかかつておる恰好になつておりますから、重複を避ける意味においてであります。ただ括弧内にありますように「利子及び株式配当金」でありまして、金融業の者が收入するものは、これは附加価値の中に算入することになります。それから第七項におきまして「特定の支出金額」、これの説明をしております。これは「事業に直接必要な外部に支出すべき金額」、その事業を行なつて行くのについて直接必要で、外部に拂うものであります。内部におきまして、簿記の上で振替をするというようなことは、全然入つておりません。外部に支拂う金額の内、ここにありますようなものを買う費用。これが大体附加価値の際控除します額の根本でありますが、その外にここに一号から九号まで掲げましたものも、やはり引くことになります。併しここに書いてありますことは、大体つまりこういう経費を支拂つた方ですでに附加価値の対象となつた、こういう性質のものであります。手数料、使用料、或いは保険料、修繕料、加工料、宣伝広告費、運賃及び通信費、動力費、水道光難、公租公課、この内所得税、法人税、富裕税、市町村民税、所得自体を対象として課税するものは、勿論これは控除しません。そうでなくて地代とか家屋税、新しい固定資産税、或いは外の物品税であるとか、そういうようなものは差引くことになります。国庫納金は価格差益金、これは最近ございません。こういう問題で第八項におきましていわゆる公益法人とか、学校法人とか、こういうものに対しましては、すべて同じく先程申しました附加価値の対象になる事業を営んでおります場合に附加価値税がかかりますけれども、こういう公益法人や学校法人におきましては、この利益の中から学校とか社会事業等の公益事業に支出しておる場合、この支出額は特定の支出金額とみなしまして控除することになつております。それから協同組合につきましては、その組合員に対しまして取扱つた物の数量、価格、その他事業の分量に応じて分配するような金を、これもやはり特定の支出金額として控除することになつております。 それから第三十一條におきまして、この五年間だけはいわゆる赤字附加価値の繰越しができる。つまり控除する方の特定の支出金額が多過ぎてマイナスになつた場合は、そのマイナスは五年間だけは後へ繰越して行くことができるということであります。 第三十二條におきまして、附加価値税の標準税率は、第一種事業につきましては百分の四、第二種、第三種につきましては百分の三であります。これは従来特別所得税につきまして、第二種事業について、もう一つやすい税率があつたのでありまするが、今回は二段階にしたわけであります。それから制限税率はそれぞれ百分の八、百分の六で、標準税率と異る税率で課税する場合には、地方財政委員会に報告をするという形であります。別に報告に対しまして許可するとかしないとか、そういうことはございません。第三項におきまして、「附加価値税の課税については、同一年度内においては、同一の税率によらなければいけない。」年度途中で変えてはいけないことであります。変えましたら遡つて適用になります。 それから次は附加価値税の税率の年度区分、これは技術的なものであります。 次に免税点でありますが、十二ヶ月分について九万円に満たない、こういう書き方をしましたのは事業を一ヶ年まるまるやらないようなものがありまするので、そういう場合には、月割でこの九万円が減ることになります。この九万円は相当高い額でありまするので、財政上その他特別の必要がある場合においては、この九万円以下に免税点を定めることができるようになつております。 第三款は申告納付及び更正決定。いわゆる徴收に伴いまする手続であります。非常に詳しく出ておりまするので大筋だけをお話いたしたいと思います。先ず法人分の附加価値税の申告納付でありまするが、これは各事業年度終了の日から二月以内に行うことになつております。この場合にはそれぞれここに、第三項に規定しておりますような資料を提出しなければなりません。併し三十六條でありますが、事業年度が六ヶ月を越えるもの、一年間を事業年度にしたというような法人におきましては、六ヶ月を経過した日の後、一月以内に概算納付をいたさすことになつております。この概算納付の場合には、その間の附加価値を見積つて概算して納めるというようなやり方をします、それですと幾らに見積るかというようなことで、必ず納税者側と徴税者側とトラブルが起りまするから、そういうことをしませんで、前事業年度の附加価値額の半分とする、半分と言いますか、前事業年度の附加価値額を同事業年度の月数で除して得た額の六倍の額、つまり六月分に相当するもの、これを概算納付さすことになります。ただ特に事業の活動状態が惡くなりまして、前年度の額の半分以下にも低下するということが分つており、而もそれを証明するに足る明確な証拠がありました場合には、知事の承認を得て、概算をいたしまして納付することができるようになつております。あとはその途中で消滅したり或いは途中で企業を始めたりするものであります。 第三十七條におきましては、個人の附加価値税の概算納付のことであります。個人につきましては、年間で申告納付をするのでありますが、概算納付を途中二回行うことを原則にいたしております。即ち毎年五月三十一日及び九月三十日と一ケ年間の三分の一ずつを、五月と九月とに計算いたしまして、それを概算納付する。やはりこの場合でも、その年の附加価値を見積り計算するのではなくて、前年の附加価値の実績の三分の一ずつを納める、こういうことになつております。ただやはりその額が非常に減る場合、半分以下になるというような場合には、特別の方法を探ることは法人の場合と同様でございます。 それから三十八條になりまして、個人の附加価値税の申告納付の規定であります。これはそのように二回だけ五月と九月とに納めておいて、そうして十二月が過ぎましてから、二月以内にその年の附加価値税額を明瞭に掲載いたしまして、すでに二回納めました額を差引き、その残りを申告納付するということになります。 第三十九條はこれはまあ一度出しました申告書に誤りを発見しました場合には、修正申告をいたしまして、それに基いて税をその不足額だけ納めなければならないということを書いてあります。 それから第四十條におきまして、法人の代表者等の自署及び押印の義務責任をはつきりいたしますために、法人の出します申告書には法人の代表者と……代表と申しましても社長、理事長、専務取締役、常務取締役、その他のもので、申告書等の作成のときにおいて法人の業務を主宰しているものが自署し、且つ自己の印を押す、それからもう一つそれに加えまして、法人の役員及び職員の中、申告書等の作成のときにおいて当該法人の経理に関する事務の上席の責任者である者がやはり自署、押印をする義務を書いてあります。 四十一條におきまして、その規定に違反した場合の罰則があります。 四十二條は脱税の罰則であります。 四十三條は概算納付に対するものであります。 四十四條は過料。四十三條は納付期限の延長。四十六條は附加価値税の減免。これなどは従来から総則にありました規定を、この税につきましても特に分り易く書いたわけであります。 四十七條がいわゆる更正及び決定でありまして、納税者の出しました申告書に聞違いがあると認めたときには、府県の方で更正又は決定をすることができるようになつております。それでこの更正決定は、従来は何回でも納得の行くまで行うことができたのでありますが、それでは納税者側に安心を與えませんので、ここに、三項にありますように減らす場合は何回でもよいが、殖やす場合には、ここにありますように、納税者の許僞その他不正の行為に因るものであることを発見した場合、おとなしくただそういう惡意を持たずにいたしましたことが間違つておるというような場合には、一回限りしか更正決定は許さない。 それから四十八條におきまして、更正決定をした不足税額の徴収、それからその場合に延滞金を徴収する。これは百円につきまして一日四銭、従来一日二十銭でありましたのを、非常に減しております。 四十九條も、納期限後に申告納付をした場合の延滞金。 それから五十條におきまして、過少申告加算金、不申告加算金、この延滞金の外に加算金を出します。この額は税額の百分の五であります。ごてごて書いてありますので、省略させて頂きます。 それから五十一條におきまして、特にそのように遅れたことにつきましに、ここにございますように全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、且つその隠ぺい又は仮装した事実によつてこの申告書を提出した、こういう惡意のある場合には、重加算金を付ける。で、これは不足税額の百分の五十、五割だけ殖やされることになります。 五十二條におきまして、青色申告言等の手続を取れるようにしてあります。これは国税で取ります青色申告の制度と同じでありまして、この申告を取るということを申請した場合には、この者の出しました申請につきまして、その帳簿をよく検討して、そうしてそれがどう違つているかということを指摘しない限り、知事は更正決定ができないということであります。この規定は相当準備を要しますので、二十六年分から適用いたしたいと思つております。 それから五十三條は、その更正決定が、こういう條件を充たさなければできないということであります。 五十四條におきまして、二以上の道府県において、事務所又は事業所を設けて事業を行う者の申告納付、これは従来の事業税につきましてもやはりあつたわけでありまして、飽くまで附加価値額は事業一本にいたしまして、本店の所在地において決めまするけれども、それを決めたものを事務所のありまする道府県にすべて配分しなければなりません。これはやはり本人が、納税者が自分でみずからやることになります。で、その分ける基準につきましては、第三項におきまして、製造業、電気供給業、ガス供給業、自動車道事業、運河業、さん橋業、船舶ていけい場業及び貨物陸揚場業、つまり固定資産の枠に入るものでございます。こういうものにつきましては、附加価値税額の、附加価値額の二分の一を、この固定資産の価格で分ける。他の二分の一を従業者の給與額で分ける。その他の事業につきましては、全部を従業者の給與額に按分する、こういう方法を採つております。五十五條はこういう場合の申告納付とか更正決定のことを書いてあります。それからこういうものにつきまして異議があります場合には、地方財政委員会に異議の申立をできるようになつております。地方財政委員会で直接じやございませんが、その本店所在地の道府県知事に対しまして異議の申立をすることができます。その場合にその知事は地方財政委員会の指示に基いてその更正又は決定をするということになつております。つまりこういうふうに全国的に跨がつたようなことにつきましては、地方財政委員会が相当積極的に、この調整に關與するということになつております。従いまして五十六條、五十七條におきまして、地方財政委員会事務局の職員に徴税についての権限を與えて、それに対しまする罰則を設けております。 それから第四款におきまして、更正、決定等に対しましてこの救済、訴願であるとか訴訟ということを書いてあります。あと省略いたします。 それから第五款、督促及び滞納処分でありますが、これは従来と同じように督促をいたしまして、その場合に督促手数料を取る。それで一定の期限まで来ませんでしたら、滞納処分に付する。滞納処分は国税徴収法の例によつて行うことになります。 第六款におきましては、犯則取締であります。これも附加価値税の犯則事件につきましては、国税の犯則取締法を準用しております。これは全体的に地方税全部につきまして国税の犯則取締法を準用しております。 それから第七款におきまして、経過措置を規定しております。第七十條は附加価値税の始期でありますが、いつから適用するかということでありますが、これは昭和二十五年一月一日から適用するということにしております。税自体は勿論法案が成立してから適用になるのでありまするが、その課税標準は一月一日から適用になるということであります。個人につきましては、一月一日からでありますが、法人につきましては結局一月一日の属する事業年度分、一月一日を間にしまして一事業年度となつておるところは、すべてこの新らしい附加価値税が適用になることになります。ただ二項におきまして、電気供給業、ガス供給業、並びに運送業の中の地方鉄道事業及び軌道事業、これにつきましては、従来の事業税が総收入金額に対しまして課税するというふうになつております。これにつきましては、この料金等の関係がございまして、四月一日より適用する。昭和二十四年度分以前の事業税は従いまして、従来の通り事業税として取ります。 それから次の七十二條は、この事業年度が跨がつておる場合、附加価値、つまり一月一日が間に入つておる事業年度に対して、どのような税金を取るというのでありまするが、それはそれぞれ一月一日までは事業税として、一月一日以後は附加価値税として取ります。その場合にどうやつて計算するかと言いますると、二項におきまして、附加価値額につきましては、やはりこの事業年度一ぱいの附加価値を一応計算しまして、それを一月一日以降の日数で按分して、その附加価値額とする。それから三項におきまして、事業税の基礎になりまする所得につきましては、やはりこれも一ケ年、一事業年度分の所得を計算しまして、それを一月一日までの日数によつて按分するという計算にしております。 それから七十三條におきまして、二十五年度分の個人の附加価値税を納める場合でありますが、この場合の概算納付、これは普通の場合でありますると、前年の実績を仮に概算納付することになつておりまするが、前年がございませんので、一応その概算をいたしまして、それによつて納めて行くので、あります。 それから七十四條は、附加価値税の課税標準の特例でありまして、これは二十五年度分に限りまして、銀行業、無盡業、信託業、保險業、運送業及び倉庫業、これだけにつきましては、附加価値の計算をいたしませんで、今まで述べたような方法で、附加価値税の計算をしなくて、総收入金額の、総売上金額の一定割合を以て附加価値と見るということができるようにしまして、これを納税者の選択に委しております。その率はこの終から二行目の所からずつと出ておりますが、それぞれ率が出ております。 以上非常に説明が下手でございましたが、この附加価値の大要でございます。
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。
○西郷吉之助君 附加価値税の問問は今後の地方税法のなかなか重要な問題ですから、今途中でこれを質疑をしているということになると、ここで当分ストップすることになりますので、説明を全部聽いてかも質疑をすることにしたいと思います。
○委員長(岡本愛祐君) 西郷君から、質問は一応ずつと説明を聽いてから後にしたいという御発言がございましたが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡本愛祐君) そういうことにいたしましよう。 速記を止めて下さい。 午後二時三十一分速記中止 ―――――・――――― 午後三時二十分速記開始
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。 本日はこれで敬会いたします。 午後三時二十一分散会 出席者は左の通り。 委員長 岡本 愛祐君 理事 吉川末次郎君 林屋亀次郎君 委員 黒川 武雄君 堀 末治君 谷口弥三郎君 西郷吉之助君 島村 軍次君 鈴木 直人君 濱田 寅藏君 政府委員 地方自治政務次 官 小野 哲君 地方自治庁次長 荻田 保君